1893

五洋建設(1893)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

建設業 建設・資材

事業の概要

  • 多角的な建設事業展開
    五洋建設グループは、国内の土木・建築事業を基盤としつつ、海外建設事業にも積極的に取り組んでいます。これに加え、建設資材の販売、機器リース、不動産開発、さらには造船事業といった多様な事業活動を展開しており、幅広い領域で収益機会を追求するビジネスモデルです。
  • 子会社との連携による効率化
    当社は、五栄土木やペンタビルダーズなどの連結子会社と密接に連携し、工事の一部をこれらの子会社に発注することで、グループ全体の効率的な事業運営と専門性の強化を図っています。これにより、各事業分野における競争力を高めています。
  • 海外での大型プロジェクトと賃貸事業
    海外建設事業では、U.G. M&E社などが工事を担うほか、アンドロメダ・ファイブ社とカシオペア・ファイブ社が大型自航式浚渫船の賃貸・運航管理を行っています。これは、建設工事だけでなく、特殊船舶の運用による安定的な収益源も確保していることを示しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 国内土木事業
    国内のインフラ整備を担う基盤事業です。道路、橋梁、ダム、港湾などの土木工事を手掛けており、五栄土木や洋伸建設といった連結子会社と連携して事業を展開しています。2025年度の売上高は3072.82億円、営業利益は277.72億円と、安定した収益を上げています。
  • 国内建築事業
    国内の建築物の建設を行う事業です。オフィスビル、商業施設、マンションなどの建築工事を当社と連結子会社のペンタビルダーズが手掛けています。2025年度の売上高は2545.49億円、営業利益は90.05億円と、国内市場で堅調な実績を上げています。
  • 海外建設事業
    東南アジアを中心にグローバルに展開する事業です。U.G. M&E社などが工事を請け負い、アンドロメダ・ファイブ社とカシオペア・ファイブ社が大型浚渫船の賃貸・運航管理も行っています。2025年度の売上高は1517.97億円ですが、営業利益は-156.02億円と赤字であり、海外事業特有のリスクや競争環境の影響を受けている可能性があります。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
DomesticEngineering 事業 3,073 278 9.0%
DomesticConstruction 事業 2,545 90 3.5%
OverseasConstruction 事業 1,518 -156 -10.3%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|637 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社、子会社32社及び関連会社8社で構成され、国内土木事業、国内建築事業、海外建設事業及びこれらに関連する建設資材の販売、機器リース並びに国内開発事業、造船事業等の事業活動を展開している。当社グループの事業に関わる位置付け及びセグメント情報との関連は、次のとおりである。なお、これらはセグメント情報に記載された区分と同一である。(1) 国内土木事業 当社及び連結子会社である五栄土木㈱、洋伸建設㈱等が営んでおり、当社は工事の一部をこれらの連結子会社に発注している。(2) 国内建築事業 当社及び連結子会社であるペンタビルダーズ㈱が営んでおり、当社は工事の一部を連結子会社に発注している。(3) 海外建設事業 当社及び連結子会社であるUG M&E社等が営んでおり、当社は工事の一部をこれらの連結子会社に発注している。また、連結子会社であるアンドロメダ・ファイブ社及びカシオペア・ファイブ社が大型自航式浚渫船の賃貸・運航管理を営んでいる。(4) その他 当社が不動産の自主開発、販売及び賃貸等の開発事業を営んでおり、連結子会社に対して、土地・建物の賃貸を行っている。また、連結子会社である警固屋船渠㈱が造船事業を営んでいる。連結子会社であるペンタテクノサービス㈱が事務機器等のリース事業を営んでおり、当社に事務機器等の一部をリースしている。このほか、連結子会社であるジャイワット㈱等が環境関連事業を営んでいる。 事業の系統図は次のとおりである。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
工事用資材価格、労務費の高騰が利益率低下に影響を与える可能性があり、物価スライド条項の適用に努めているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
建設業法、宅地建物取引業法などによる法的規制を受けている。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:市場のリスク / 取引先の信用リスク / 工事用資材価格、労務費などの変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

五洋建設は建設業であり、強力なブランドや特許などの無形資産による競争優位性は限定的。技術力やノウハウは存在するが、模倣されやすい側面もある。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

建設プロジェクトは長期にわたり、顧客との関係性が重要。一度契約した顧客が他社へ乗り換えるには、新たな選定プロセスやリスクが伴うため、一定のスイッチングコストが存在する。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

建設業において、ネットワーク効果による競争優位性はほとんど見られない。個別のプロジェクト遂行能力が重視される。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

建設業は規模の経済が働きにくい。資材調達や建設技術におけるコスト優位性は一時的であり、他社も同様の技術や調達網を持つ可能性がある。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

大規模インフラプロジェクトの受注実績や、海外展開における経験は、規模の経済と参入障壁となり得る。長年の実績に基づく信頼性も強み。

  • グローバルな事業展開力
    五洋建設は、東南アジアを中心に海外建設事業を展開しており、多様な地域での実績と経験を蓄積しています。これにより、国内市場の変動リスクを分散し、成長著しい海外市場のインフラ需要を取り込むことができる強みを持っています。
  • 多様な事業ポートフォリオ
    建設事業だけでなく、不動産開発、造船、環境関連事業、リース事業など、多岐にわたる事業を展開しています。これにより、特定の事業分野に依存することなく、市場の変化に柔軟に対応し、安定した収益基盤を築いていると考えられます。
  • 技術力とリスク管理体制
    有価証券報告書からは、品質管理や安全衛生管理、情報セキュリティ対策、BCP(事業継続計画)策定など、多岐にわたるリスク管理体制を構築していることが伺えます。これは、大規模な建設プロジェクトを遂行する上で不可欠な信頼性と安定性を提供し、顧客からの信頼を得る上で重要な競争優位性となります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • サステナビリティ経営の実践
    五洋建設は「社会との共感」「豊かな環境の創造」「進取の精神の実践」を経営理念とし、サステナビリティ経営を実践する「真のグローバル・ゼネラルコントラクター」を目指しています。これは、持続可能な社会の実現に貢献しつつ、企業価値向上を図るという長期的な視点に立った経営方針です。
  • DX・GX推進による建設の未来開拓
    AIとロボティクスを活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)とグリーントランスフォーメーション(GX)を推進し、建設現場の変革を目指しています。これにより、生産性向上、コスト削減、環境負荷低減を実現し、競争力を強化する戦略です。
  • 洋上風力発電事業への大規模投資と株主還元強化
    中期経営計画では、洋上風力関連作業船の建造に700億円を投じるなど、成長分野への積極的な投資を計画しています。同時に、配当性向40%以上、自己株式取得300億円といった株主還元目標を掲げ、企業価値向上と株主への利益還元を両立させる方針です。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2026年3月31日)現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであるが、予測しえない経済状況の変化等さまざまな要因があるため、その結果について、当社が保証するものではない。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、すべての事業活動、企業活動のよりどころとなるものとして「経営理念」、サステナビリティ経営の「ビジョン」及び「マテリアリティ」、そして「行動規範」からなる理念体系を定めています。 「経営理念」『社会との共感』 『豊かな環境の創造』 『進取の精神の実践』 「ビジョン」サステナビリティ経営を実践し、建設の未来を切り拓く 真のグローバル・ゼネラルコントラクター~サステナブルな建設事業活動を通じて社会の持続的な発展に貢献する 「行動規範」1.誠実な企業活動2.人間尊重、社会・環境との共生1)法令等の遵守1)人権の尊重2)公正な競争と適正な取引2)DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の推進3)取引先とのパートナーシップ推進と持続可能なサプライチェーンの構築 3)安全・安心な職場環境づくり4)適正な会計処理・納税4)良質な社会インフラ・建築物の建設5)情報・資産の適切な管理と使用5)気候変動問題への取り組み6)贈収賄・腐敗行為の防止6)環境の保全と創造7)反社会的行為の根絶7)ステークホルダーとのコミュニケーション、会社情報の適切な開示8)リスクマネジメント8)地域社会への貢献 (2) 目標とする経営指標当社グループは、上記の経営理念、ビジョンの実現を目指し、企業価値の向上を図るため、3か年を期間とする中期経営計画を策定しております。その中で、本業収益力を示す営業利益や株主価値を示す1株当たり当期純利益などの業績指標、財務の健全性を表す有利子負債残高、D/Eレシオ(ネット)などの経営指標とともに、自己資本利益率(ROE)と総還元性向を株主価値向上への取組みを明確化するための目標数値としております。中期経営計画(2026~2028年度)の最終年度である2028年度における主要数値の目標は次のとおりです。 ○中期経営計画の最終年度(2028年度)目標 (連結)売上高8,800億円 当期純利益380億円 有利子負債残高1,660億円 ROE10%以上(概ね16%超の見通し) 配当性向40%以上 総還元性向60%以上 2025年度実績中期経営計画(2026~2028年度)2028年度(計画)個別連結個別連結 業績目標 建設受注高8,511億円 7,800億円 売上高7,455億円7,943億円8,305億円8,800億円営業利益512億円553億円605億円635億円経常利益492億円532億円570億円585億円当期純利益316億円347億円370億円380億円1株当たり当期純利益114.5円125.6円143.5円147.4円 財務目標(連結) 有利子負債残高1,961億円1,660億円D/Eレシオ(ネット)0.6倍0.4倍自己資本利益率(ROE)18.7%16.7% 株主還元 配当性向38.1%40%以上総還元性向66.9%60%以上 (3) 中長期的な会社の経営戦略並びに会社の対処すべき課題建設業を取り巻く環境は、世界的な資源・エネルギー及び建設資材の高騰・高止まりにより工事費の上昇が続いていますが、国内においては、国土強靱化や防衛力強化のための堅調な公共投資に加え、経済安全保障の観点からサプライチェーン強靱化のための国内生産拠点や物流施設、AIの進展によるデータセンターの建設需要の高まり、さらには省力化・カーボンニュートラル対応など旺盛な民間投資が見込まれます。海外においても、当社の拠点であるシンガポールや香港、東南アジアでは引き続きインフラ需要は旺盛であり、質の高いインフラ輸出(ODA)による大型港湾工事も見込まれます。しかしながら、イラン情勢に起因する原油や原油由来の資材価格高騰、供給制約に注視する必要があります。以上のような見通しの下、2026年度を初年度とする「中期経営計画(2026~28年度)」を策定しました。新中期経営計画では、「サステナビリティ経営を実践し、建設の未来を切り拓く 真のグローバル・ゼネラルコントラクター」を目指します。そのため二つのEvolution(進化)に取り組みます。一つ目は「サステナビリティの取組みは現場から~協力会社・取引先のみなさまと、常にサステナビリティを考えた事業を展開します」、二つ目は「建設の未来を切り拓く~AIとロボティクスを活用したDXとGXを推進し、ワクワクする建設現場へと変革します」です。当社グループは、これからも進取の精神で、サステナブルな建設事業活動の実践と新技術・新分野への挑戦をつづけることで、企業の持続的成長ならびに企業価値の向上につなげてまいります。「中期経営計画(2026~28年度)」では、豊富な手持工事の確実な進捗や旺盛な建設需要を確実に取り込むことで、本計画期間中に過去最高売上高と過去最高益を見込んでいます。 ■中期経営計画(2026~2028年度)● 目指す姿(ビジョン)サステナビリティ経営を実践し、建設の未来を切り拓く 真のグローバル・ゼネラルコントラクター~サステナブルな建設事業活動を通じて社会の持続的な発展に貢献する ● 目指す姿と基本戦略1. サステナビリティの取組みは現場から○ サステナビリティ経営を進化させる仕組みづくり○ マテリアリティ(重要課題)への取組み強化○ サステナビリティ情報開示の拡充 2. サステナブルな建設事業活動の実践○ 「良質な社会インフラ・建築物の建設」こそが最大の社会貢献○ 事業量の拡大を利益の拡大につなげるフロントローディング × 技術力 × リスクマネジメント力× 部門間連携 × 進取の精神 ○ AIとロボティクスを活用したDXの推進 3. 多様な人材が活躍する社会の実現○ DE&Iの推進 4.豊かな地球環境の創造○ 気候変動問題への対応○ ネイチャーポジティブの取組み○ 資源循環型社会の形成 5. 実効あるガバナンスの推進○ コーポレートガバナンス体制の見直し○ 株主との価値共有・中長期的企業価値向上 ● 投資計画◎ 成長投資として3年で1,000億円を計画○ 洋上風力関連投資: 700億円/3年(うち建造費670億円)・ 洋上風力関連作業船のラインアップ強化・ HLV(大型基礎施工船)、CLV(ケーブル敷設船)は2028年完成予定 新たにOCV(作業支援船)、FV(風車部材等運搬船)を追加で建造 (いずれも2028年度完成予定)・ 2029年度の事業本格化に向けて人員及び研究開発を強化 ○ DX、GX推進関連投資: 250億円/3年・ グローバルDXセンター(26年4月新設)主導でDX推進を強化・ 建設DX、ナレッジDX、経営DXを推進 (システム開発や作業船、建機のロボティクス、情報基盤整備等)・ GX推進に向けた取組みや研究開発を継続 ○ 人材関連投資: 約50億円/3年・ 従業員向け株式給付信託(J-ESOP)の導入、 従業員持株会の加入促進・インセンティブ強化、人材育成・研修の充実、自己啓発支援の強化 ● 財務計画○ 成長投資と株主還元に向けた資金の確保・ 完工高が高水準を維持 ⇒ 営業CFも高水準を維持・ 成長投資(洋上風力関連作業船やDX投資等)の資金確保・ 必要資金の確保と有利子負債残高の管理を強化 ⇒ 成長投資には計画的な社債発行による資金を充当 ⇒ 有利子負債はEBITDAの3倍程度に抑えて有効活用 ○ 増加する運転資本への対応・ 事業量の増加に伴い、期中の立替金も大きく増加 ⇒ 金利コストを意識したキャッシュフロー管理の徹底 ⇒ 金利高騰による支払利息の増加を出来る限り抑制・ 期中の一時的な資金需要にはコスト重視の調達で対応 ● 株主還元○ 株主還元の目標資本コストや株価を意識した経営実践のため、当中期経営計画(2026~28年度)の期間を、企業価値の向上を更に促進させる期間と位置づけ、積極的な株主還元を実施① 連結配当性向 40%以上(35%以上から引き上げ)② 自己株式取得額 300億円・ 従来計画(2025~27年の3年間で300億円)を1年延長 本中計期間中(2026~28年)に300億円実施・ 毎年度、中間期(下期)と決算期(翌年度上期)に、それぞれ約50億円の自己株式取得を実施予定 (年間の連結還元性向20%以上)
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2026年3月31日)現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであるが、予測しえない経済状況の変化等さまざまな要因があるため、その結果について、当社が保証するものではない。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、すべての事業活動、企業活動のよりどころとなるものとして「経営理念」、サステナビリティ経営の「ビジョン」及び「マテリアリティ」、そして「行動規範」からなる理念体系を定めています。 「経営理念」『社会との共感』 『豊かな環境の創造』 『進取の精神の実践』 「ビジョン」サステナビリティ経営を実践し、建設の未来を切り拓く 真のグローバル・ゼネラルコントラクター~サステナブルな建設事業活動を通じて社会の持続的な発展に貢献する 「行動規範」1.誠実な企業活動2.人間尊重、社会・環境との共生1)法令等の遵守1)人権の尊重2)公正な競争と適正な取引2)DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の推進3)取引先とのパートナーシップ推進と持続可能なサプライチェーンの構築 3)安全・安心な職場環境づくり4)適正な会計処理・納税4)良質な社会インフラ・建築物の建設5)情報・資産の適切な管理と使用5)気候変動問題への取り組み6)贈収賄・腐敗行為の防止6)環境の保全と創造7)反社会的行為の根絶7)ステークホルダーとのコミュニケーション、会社情報の適切な開示8)リスクマネジメント8)地域社会への貢献 (2) 目標とする経営指標当社グループは、上記の経営理念、ビジョンの実現を目指し、企業価値の向上を図るため、3か年を期間とする中期経営計画を策定しております。その中で、本業収益力を示す営業利益や株主価値を示す1株当たり当期純利益などの業績指標、財務の健全性を表す有利子負債残高、D/Eレシオ(ネット)などの経営指標とともに、自己資本利益率(ROE)と総還元性向を株主価値向上への取組みを明確化するための目標数値としております。中期経営計画(2026~2028年度)の最終年度である2028年度における主要数値の目標は次のとおりです。 ○中期経営計画の最終年度(2028年度)目標 (連結)売上高8,800億円 当期純利益380億円 有利子負債残高1,660億円 ROE10%以上(概ね16%超の見通し) 配当性向40%以上 総還元性向60%以上 2025年度実績中期経営計画(2026~2028年度)2028年度(計画)個別連結個別連結 業績目標 建設受注高8,511億円 7,800億円 売上高7,455億円7,943億円8,305億円8,800億円営業利益512億円553億円605億円635億円経常利益492億円532億円570億円585億円当期純利益316億円347億円370億円380億円1株当たり当期純利益114.5円125.6円143.5円147.4円 財務目標(連結) 有利子負債残高1,961億円1,660億円D/Eレシオ(ネット)0.6倍0.4倍自己資本利益率(ROE)18.7%16.7% 株主還元 配当性向38.1%40%以上総還元性向66.9%60%以上 (3) 中長期的な会社の経営戦略並びに会社の対処すべき課題建設業を取り巻く環境は、世界的な資源・エネルギー及び建設資材の高騰・高止まりにより工事費の上昇が続いていますが、国内においては、国土強靱化や防衛力強化のための堅調な公共投資に加え、経済安全保障の観点からサプライチェーン強靱化のための国内生産拠点や物流施設、AIの進展によるデータセンターの建設需要の高まり、さらには省力化・カーボンニュートラル対応など旺盛な民間投資が見込まれます。海外においても、当社の拠点であるシンガポールや香港、東南アジアでは引き続きインフラ需要は旺盛であり、質の高いインフラ輸出(ODA)による大型港湾工事も見込まれます。しかしながら、イラン情勢に起因する原油や原油由来の資材価格高騰、供給制約に注視する必要があります。以上のような見通しの下、2026年度を初年度とする「中期経営計画(2026~28年度)」を策定しました。新中期経営計画では、「サステナビリティ経営を実践し、建設の未来を切り拓く 真のグローバル・ゼネラルコントラクター」を目指します。そのため二つのEvolution(進化)に取り組みます。一つ目は「サステナビリティの取組みは現場から~協力会社・取引先のみなさまと、常にサステナビリティを考えた事業を展開します」、二つ目は「建設の未来を切り拓く~AIとロボティクスを活用したDXとGXを推進し、ワクワクする建設現場へと変革します」です。当社グループは、これからも進取の精神で、サステナブルな建設事業活動の実践と新技術・新分野への挑戦をつづけることで、企業の持続的成長ならびに企業価値の向上につなげてまいります。「中期経営計画(2026~28年度)」では、豊富な手持工事の確実な進捗や旺盛な建設需要を確実に取り込むことで、本計画期間中に過去最高売上高と過去最高益を見込んでいます。 ■中期経営計画(2026~2028年度)● 目指す姿(ビジョン)サステナビリティ経営を実践し、建設の未来を切り拓く 真のグローバル・ゼネラルコントラクター~サステナブルな建設事業活動を通じて社会の持続的な発展に貢献する ● 目指す姿と基本戦略1. サステナビリティの取組みは現場から○ サステナビリティ経営を進化させる仕組みづくり○ マテリアリティ(重要課題)への取組み強化○ サステナビリティ情報開示の拡充 2. サステナブルな建設事業活動の実践○ 「良質な社会インフラ・建築物の建設」こそが最大の社会貢献○ 事業量の拡大を利益の拡大につなげるフロントローディング × 技術力 × リスクマネジメント力× 部門間連携 × 進取の精神 ○ AIとロボティクスを活用したDXの推進 3. 多様な人材が活躍する社会の実現○ DE&Iの推進 4.豊かな地球環境の創造○ 気候変動問題への対応○ ネイチャーポジティブの取組み○ 資源循環型社会の形成 5. 実効あるガバナンスの推進○ コーポレートガバナンス体制の見直し○ 株主との価値共有・中長期的企業価値向上 ● 投資計画◎ 成長投資として3年で1,000億円を計画○ 洋上風力関連投資: 700億円/3年(うち建造費670億円)・ 洋上風力関連作業船のラインアップ強化・ HLV(大型基礎施工船)、CLV(ケーブル敷設船)は2028年完成予定 新たにOCV(作業支援船)、FV(風車部材等運搬船)を追加で建造 (いずれも2028年度完成予定)・ 2029年度の事業本格化に向けて人員及び研究開発を強化 ○ DX、GX推進関連投資: 250億円/3年・ グローバルDXセンター(26年4月新設)主導でDX推進を強化・ 建設DX、ナレッジDX、経営DXを推進 (システム開発や作業船、建機のロボティクス、情報基盤整備等)・ GX推進に向けた取組みや研究開発を継続 ○ 人材関連投資: 約50億円/3年・ 従業員向け株式給付信託(J-ESOP)の導入、 従業員持株会の加入促進・インセンティブ強化、人材育成・研修の充実、自己啓発支援の強化 ● 財務計画○ 成長投資と株主還元に向けた資金の確保・ 完工高が高水準を維持 ⇒ 営業CFも高水準を維持・ 成長投資(洋上風力関連作業船やDX投資等)の資金確保・ 必要資金の確保と有利子負債残高の管理を強化 ⇒ 成長投資には計画的な社債発行による資金を充当 ⇒ 有利子負債はEBITDAの3倍程度に抑えて有効活用 ○ 増加する運転資本への対応・ 事業量の増加に伴い、期中の立替金も大きく増加 ⇒ 金利コストを意識したキャッシュフロー管理の徹底 ⇒ 金利高騰による支払利息の増加を出来る限り抑制・ 期中の一時的な資金需要にはコスト重視の調達で対応 ● 株主還元○ 株主還元の目標資本コストや株価を意識した経営実践のため、当中期経営計画(2026~28年度)の期間を、企業価値の向上を更に促進させる期間と位置づけ、積極的な株主還元を実施① 連結配当性向 40%以上(35%以上から引き上げ)② 自己株式取得額 300億円・ 従来計画(2025~27年の3年間で300億円)を1年延長 本中計期間中(2026~28年)に300億円実施・ 毎年度、中間期(下期)と決算期(翌年度上期)に、それぞれ約50億円の自己株式取得を実施予定 (年間の連結還元性向20%以上)
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)財政状態の状況当連結会計年度末の資産合計は、有形固定資産の増加などにより、前連結会計年度末に比べ1,303億円増加し、7,904億円となった。負債合計は、借入金の増加や社債の発行などにより、前連結会計年度末に比べ1,034億円増加し、5,914億円となった。なお、有利子負債残高については、前連結会計年度に比べ297億円増加し、1,961億円となった。純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ269億円増加し、1,990億円となった。 (2)経営成績の状況①事業全体の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、AI関連投資や財政政策による成長の後押しに加え、継続的な賃上げなどによる所得環境の改善や好調な企業業績を背景とした堅調な設備投資などにより、緩やかな景気の回復基調が続いている。一方で、ウクライナや中東等における地政学的リスクの高まりと、米国の関税政策などにより、先行き不透明な状況が続いている。建設業を取り巻く環境は、世界的な資源・エネルギー及び建設資材の高騰・高止まりにより工事費の上昇が続いているが、国内においては、国土強靱化や防衛力強化のための堅調な公共投資に加え、経済安全保障の観点からサプライチェーン強靱化のための国内生産拠点や物流施設、AIの進展によるデータセンターの建設需要の高まり、さらには省力化・カーボンニュートラル対応など旺盛な民間投資が見込まれる。海外においても、当社の拠点であるシンガポールや香港、東南アジアでは引き続きインフラ需要は旺盛であり、質の高いインフラ輸出(ODA)による大型港湾工事も見込まれる。しかしながら、イラン情勢に起因する原油や原油由来の資材価格高騰、供給制約に注視する必要がある。このような事業環境の下、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高7,943億円(前連結会計年度比9.2%増)、営業利益553億円(同154.9%増)、経常利益532億円(同182.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益347億円(同178.4%増)となった。 ②セグメント情報に記載された区分ごとの状況(セグメント利益は連結損益計算書の営業利益ベース)(国内土木事業) 大型港湾工事を含む手持工事が順調に進捗したことにより、売上高は3,259億円(前連結会計年度比6.1%増)と増加し、セグメント利益は売上高の増加と設計変更等による工事採算の改善により402億円(同44.8%増)となった。 当社個別の受注高については、官庁工事の受注が好調なことに加え、民間大型工事の受注が寄与し、前事業年度より817億円増加し3,147億円(同35.1%増)となった。(国内建築事業) 大型工事を含む手持工事が順調に進捗したことにより、売上高は2,734億円(前連結会計年度比7.4%増)と増加し、セグメント利益は売上高の増加と工事採算の改善により168億円(同86.7%増)と増加した。 当社個別の受注高については、物流倉庫など大型工事を受注したことにより、前事業年度より152億円増加し3,311億円(同4.8%増)となった。(海外建設事業) 主にシンガポールの大型工事が順調に進捗したことにより、売上高は1,818億円(前連結会計年度比19.8%増)に増加した。セグメント損失は、大型土木工事2件で工事損失を計上した前連結会計年度の156億円の損失に比べて大幅に改善したが、建築工事1件の採算見直し等に加え、設備子会社において今期完成及び過年度工事で追加損失を計上したことにより、32億円の損失となった。 当社個別の受注高については、シンガポールにおいてチャンギ空港第5ターミナル ターミナル連絡トンネル工事とトゥアス北部埋立工事を、香港において香港国際空港無人交通車両用道路・駅舎建設工事を受注したことにより、前事業年度より872億円増加し2,053億円(同73.8%増)となった。(その他)国内開発事業、造船事業、環境関連事業等を主な内容とするその他の売上高は132億円(前連結会計年度比5.0%減)となり、セグメント利益は15億円(同193.9%増)となった。 ③経営成績に重要な影響を与える要因について「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載のとおりである。 ④目標とする経営指標の達成状況目標の達成状況を判断するための主要な指標と当連結会計年度における達成状況は以下のとおりである。連結2025年度目標2025年度実績増減業績指標売上高7,270億円7,943億円673億円営業利益395億円553億円158億円経常利益360億円532億円172億円親会社株主に帰属する当期純利益250億円347億円97億円1株当たり当期純利益(EPS)88.7円125.6円36.9円財務指標有利子負債残高1,965億円1,961億円△4億円D/Eレシオ(ネット)0.7倍0.6倍△0.1pt自己資本利益率(ROE)13.9%18.7%4.9pt配当性向38.5%38.1%△0.4pt総還元性向78.5%66.9%△11.6% なお当社グループは、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標及び(3)中長期的な会社の経営戦略並びに会社の対処すべき課題」に記載しているとおり、2026年度を初年度とする「中期経営計画(2026~2028年度)」を策定しており、その中で目標とする業績指標、財務指標及び総還元性向を定めている。 ⑤生産、受注及び販売の実績は、次のとおりである。イ.受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。セグメントの名称前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)(百万円)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)(百万円)国内土木事業247,025340,623(37.9%増)国内建築事業318,225338,862(6.5%増)海外建設事業121,066211,907(75.0%増)合計686,318891,393(29.9%増) ロ.売上実績当連結会計年度における売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。セグメントの名称前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)(百万円)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)(百万円)国内土木事業307,282325,887(6.1%増)国内建築事業254,549273,431(7.4%増)海外建設事業151,797181,814(19.8%増)その他13,86213,173(5.0%減)合計727,491794,306(9.2%増) (注) 1 その他の受注実績については、当社グループ各社における受注の定義が異なり、また、金額も僅少であるため、建設事業のみ記載している。2 当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載していない。3 受注実績、売上実績については、セグメント間の取引を相殺消去して記載している。4 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は次のとおりである。第75期国土交通省105,157百万円14.5%第76期国土交通省119,389百万円15.0% シンガポール政府90,168百万円11.4% 防衛省84,667百万円10.7% なお、参考のため提出会社単独の事業の状況は次のとおりである。提出会社における受注高、売上高の状況イ.受注高、売上高及び繰越高期別種類別前期繰越高(百万円)当期受注高(百万円)計(百万円)当期売上高(百万円)次期繰越高(百万円)第75期(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)国内土木事業359,735232,980592,716282,108310,607国内建築事業382,579315,866698,445249,976448,469海外建設事業(361,277)359,019118,109477,128136,684340,443建設事業計(1,103,592)1,101,333666,9561,768,289668,7691,099,520その他-299299299-合計(1,103,592)1,101,333667,2551,768,589669,0681,099,520第76期(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)国内土木事業310,607314,723625,330297,474327,855国内建築事業448,469331,072779,542270,617508,924海外建設事業(340,443)363,810205,277569,088177,104391,983建設事業計(1,099,520)1,122,887851,0731,973,961745,1961,228,764その他-306306306-合計(1,099,520)1,122,887851,3801,974,267745,5031,228,764 (注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注高にその増減額を含む。 したがって当期売上高にもかかる増減額が含まれる。2 前期繰越高の上段( )内表示額は前期における次期繰越高を表わし、下段表示額は、当該事業年度の外国為替相場が変動したため海外繰越高を修正したものである。3 建設事業計には、損益計算書において「その他の売上高」に含めて表示している建設附帯事業に係る金額を含む。4 当期受注高のうち海外工事の割合は、第75期17.7%、第76期24.1%でそのうち請負金額100億円以上の主なものは次のとおりである。第75期バングラデシュ政府マタバリ港開発事業(第一期)パッケージ1港湾建設土木工事(バングラデシュ) シンガポール民間航空庁航空交通管制センター増築工事( シンガポール )第76期Changi Airport Group Pte. Ltd.チャンギ空港第5ターミナル ターミナル連絡トンネル工事( シンガポール ) 香港機場管理局香港国際空港無人交通車両用道路・駅舎建設工事( 香 港 ) ロ.受注工事高の受注方法別比率工事の受注方法は、特命と競争に大別される。期別区分特命(%)競争(%)計(%)第75期(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)土木工事42.757.3100建築工事48.951.1100第76期(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)土木工事36.863.2100建築工事83.416.6100 (注) 百分比は請負金額比である。 ハ.完成工事高期別区分国内海外計(B)(百万円)官公庁(百万円)民間(百万円)(A)(百万円)(A)/(B)(%)第75期(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)土木工事197,71184,39762,77318.2344,882建築工事32,457217,51873,91022.8323,886計230,168301,916136,68420.4668,769第76期(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)土木工事222,45970,12777,05520.8369,642建築工事53,901216,642100,04927.0370,594計276,361286,770177,10423.9740,236 (注)1 海外完成工事高の地域別割合は、次のとおりである。地域第75期(%)第76期(%)東南アジア95.195.0その他4.95.0計100100 2 完成工事のうち主なものは、次のとおりである。第75期 請負金額20億円以上の主なもの中部地方整備局平成30年度三遠南信小嵐トンネル本坑工事西日本高速道路株式会社新名神高速道路 高槻高架橋西(下部工)工事野村不動産株式会社株式会社IHI(仮称)Landport横浜杉田新築工事北九州市新日明工場整備運営事業の内、解体・建設工事住友商事株式会社(バングラデシュ電力公社)マタバリ火力発電所 港湾・敷地造成工事 第76期 請負金額20億円以上の主なものひびきウインドエナジー株式会社北九州響灘洋上ウインドファーム建設工事風車基礎・海洋工事中日本高速道路株式会社東海環状自動車道 久々利第二トンネル他1トンネル工事尼崎4ロジスティック特定目的会社GLP ALFALINK 尼崎 北棟 新築工事東濃中部病院事務組合(仮称)公立東濃中部医療センター建設工事シンガポール政府テコン島A・C地区干拓地造成工事 3 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりである。第75期国土交通省104,184百万円15.6%第76期国土交通省118,163百万円16.0% シンガポール政府86,906百万円11.7% 防衛省82,247百万円11.1% ニ.次期繰越工事高(2026年3月31日現在)区分国内海外(百万円)計(百万円)官公庁(百万円)民間(百万円)土木工事189,084137,460254,408580,953建築工事167,494340,436137,574645,505計356,578477,896391,9831,226,459 (注) 次期繰越工事高のうち請負金額50億円以上の主なものは、次のとおりである。オオノ開發株式会社(仮称)知多シップリサイクルヤード整備工事川西3特定目的会社ESR川西DC3新築計画Changi Airport Group Pte. Ltd.チャンギ空港第5ターミナル ターミナル連絡トンネル工事 (3)キャッシュ・フローの状況現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ146億円(25.8%)増加し、714億円となった。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりである。(営業活動によるキャッシュ・フロー)税金等調整前当期純利益が525億円となったことなどにより、684億円の収入超過(前連結会計年度は233億円の支出超過)となった。(投資活動によるキャッシュ・フロー)大型基礎施工船等の建造による支出などにより、663億円の支出超過(前連結会計年度は232億円の支出超過)となった。(財務活動によるキャッシュ・フロー)借入金の増加などにより、96億円の収入超過(前連結会計年度は439億円の収入超過)となった。(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)当社グループの資金の源泉は、主として国内及び海外建設事業に係る営業活動からのキャッシュ・フローと金融機関からの借入及び社債の発行等による収入からなる。資金調達を行う際は、期間や国内外の市場金利動向等、または自己資本比率、D/Eレシオ(ネット)や自己資本利益率(ROE)といった財務指標への影響度等を総合的に勘案しながら、最適な調達を実施することとしている。なお、コミットメントライン契約については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結貸借対照表関係)」に記載のとおりである。 (4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成に当たっては、資産・負債並びに収益・費用の数値に影響を与える見積り及び判断が一定の会計基準の範囲内で行われており、これらの見積り等については、継続して評価し、事象の変化等により必要に応じて見直しを行っているが、見積りには不確実性を伴うため、実際の結果はこれらとは異なる場合がある。連結財務諸表を作成するに当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりである。①重要な収益及び費用の計上基準 主要な事業である建設事業においては、顧客との工事請負契約に基づき、目的物の完成及び顧客に引渡す義務を負っている。 当該履行義務は、主として工事の進捗に伴い支配を顧客に移転することになるため、一定の期間にわたり充足されると判断しており、履行義務の充足に係る進捗度に基づき、一定の期間にわたり収益を認識している。一定の期間にわたり履行義務を充足し収益を認識する方法による完成工事高、工事収益総額、工事原価総額等を、信頼性をもって見積る必要があるが、これらの見積りは、気象条件、海象条件、施工条件、資機材価格等様々な仮定に基づいている。 当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する完成工事高、完成工事原価等に重要な影響を与える可能性がある。 ②退職給付に係る会計処理 当社グループの退職給付債務、退職給付費用及び年金資産は、数理計算上の仮定と見積りに基づいて計算されている。これらの数理計算上の仮定には、退職給付債務の割引率、予想昇給率、死亡率、退職率、期待運用収益率等の様々な計算基礎がある。 当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する退職給付に係る資産及び退職給付に係る負債、退職給付費用等の金額に重要な影響を与える可能性がある。 なお、当連結会計年度末の退職給付債務、退職給付費用及び年金資産の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は、「第5経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)」に記載している。

事業リスク

  • 市場環境の変動リスク
    公共投資の減少や国内外の景気後退による民間設備投資の減少は、建設投資全体の縮小を招き、競争激化や受注機会の減少を通じて、五洋建設グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。特に建設業界は景気変動の影響を受けやすい特性があります。
  • 工事原価の高騰リスク
    工事用資材価格や労務費の予期せぬ高騰は、工事原価を押し上げ、利益率の低下に直結する可能性があります。物価スライド条項の適用に努めているものの、契約内容によっては価格転嫁が難しく、収益を圧迫する要因となり得ます。
  • 海外事業におけるカントリーリスクと為替変動リスク
    東南アジアを中心とした海外事業では、現地の法律・規制変更、政情不安、テロ、紛争などのカントリーリスクが存在します。また、外国通貨の為替相場や金利の急激な変動は、海外事業の収益や財務状況に大きな影響を与える可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,692 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの経営成績、株価及び財政状態などに影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがある。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2026年3月31日)現在において当社グループが判断したものである。(1)市場のリスク公共投資の減少や国内外の景気後退による民間設備投資の減少などにより、建設投資が想定を超えて大幅に減少した場合には、競争環境や事業環境が大幅に変化し、当社グループの業績に影響を与える可能性がある。 (2)取引先の信用リスク建設工事においては、一般的に一件の取引額が大きく、工事代金の多くの部分が引渡し時に支払われる場合が多いことから、発注者、協力業者、共同施工会社などが信用不安に陥った場合には、資金の回収不能や施工遅延などにより、当社グループの業績に影響を与える可能性がある。上記のリスクに対応するため、一定の基準を設けて取引先の与信審査を実施している。また、引き渡しから工事代金の回収までに要する期間が長期に及ぶリスクを検証し、社内基準に則り取締役会にて審議している。 (3)工事用資材価格、労務費などの変動工事用資材価格、労務費などが高騰した場合には、工事原価の上昇による利益率の低下により、当社グループの業績に影響を与える可能性がある。上記のリスクに対応するため、早期調達や集中購買、価格動向の調査等を実施している。また、発注者との工事請負契約締結の際に物価スライド条項を適用するよう努めている。 (4)海外工事におけるカントリーリスク当社グループは、東南アジアを中心として海外で事業を展開しているため、現地での予期しない法律や規制の変更、テロ・戦争・紛争の発生などにより、当社グループの業績に影響を与える可能性がある。 上記のリスクに対応するため、進出国における法令や諸規則、政治経済、社会情勢などについて、現地の専門家等より定期的に情報を入手し研修を実施するなど、リスクの早期把握、未然防止に努めている。 (5)為替相場の変動(及び金利上昇リスク)外国通貨の急激な為替相場の変動または金利の上昇等により、当社グループの業績に影響を与える可能性がある。上記のリスクに対応するため、為替変動による業績への影響を緩和することを目的として、主要通貨に関して先物為替予約等を活用して為替ヘッジを行っている。また、金利上昇リスクに対しては、金利の先高感を見越し、必要な中長期資金については早めの調達を行うことでリスク回避を図っている。短期資金については資金収支の精度を高めることで調達する運転資金を最低限に抑えることにより支払利息の低減を図っている。 (6)保有資産の時価変動等保有する棚卸不動産、有価証券などの時価の著しい下落や事業用の固定資産の収益性の著しい低下などが発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性がある。上記のリスクに対応するため、資産の購入・売却に関する社内基準に則り取締役会にて審議している。また、政策保有株式は、銘柄ごとに保有目的、保有に伴う便益やリスク及び資本コストと見合っているか等について、毎年、取締役会にて具体的に検証し保有の適否を判断している。 (7)施工リスク(品質)契約不適合や瑕疵による多額の損害賠償や改修費用が発生した場合には、当社グループの業績や企業評価に影響を与える可能性がある。上記のリスクに対応するため、品質管理に万全を期すべく、国内外の各拠点において着工前のリスクアセスメントや品質パトロールを実施しリスク低減を図っている。 (8)施工リスク(安全衛生環境)工事の施工にあたり予期しない重大事故や労働災害などが発生した場合には、受注機会の喪失や工期遅延などにより、当社グループの業績や企業評価に影響を与える可能性がある。上記のリスクに対応するため、事故防止に万全を期すべく着工前のリスクアセスメントや安全衛生環境パトロールを実施しリスク低減を図っている。 (9)コンプライアンスリスク当社グループの事業は、建設業法、宅地建物取引業法などによる法的規制を受けているが、万一これらに抵触する事象が発生した場合には、当社グループの業績や企業評価に影響を与える可能性がある。上記のリスクに対応するため、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ推進委員会の下に「リスクマネジメント委員会」を設置し、同委員会を中心に「コンプライアンス方針」に基づき、役職員の法令遵守はもとより、社会的規範・企業倫理を尊重し常に誠実な行動の徹底を図っている。 (10)情報リスク個人情報や機密情報の漏洩などの情報セキュリティ事故が発生した場合には、社会的信用の失墜や損害賠償の発生等により、当社グループの業績や企業評価に影響を与える可能性がある。上記のリスクに対応するため、情報管理規則を定めるとともに、外部専門家による情報セキュリティ診断をもとに情報セキュリティの強化を図っている。また、eラーニング等による情報教育を通じて情報管理技術・意識の向上に努めている。 (11)BCP、大規模災害リスク大規模地震、津波、感染症の大流行などが発生し、工事中の構造物の損傷や流失、保有資産やサプライチェーンの毀損などにより、工事中断や物件の引渡遅延等により多額の費用が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性がある。上記のリスクに対応するため、事業継続計画を策定しており、毎年大規模なBCP防災訓練と津波避難訓練を行うことにより発災時のリスクを最小限に抑制するよう努めている。 (12)気候変動に関するリスク気候変動問題に関する政策・規制強化により設備投資や資材調達コストが増加する移行リスクや、自然災害が激甚化・頻発化し、サプライチェーンの寸断や施工中の工事が被災することで工期遅延が発生するなどの物理的リスクが顕在化した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性がある。上記のリスクに対応するため、2022年5月にTCFD提言への賛同を表明し、関連情報を開示するとともに、事業活動で排出するCO2削減やBCP体制の強化に努め、建物の省エネルギー化、洋上風力発電施設の建設などを通じて、脱炭素社会の実現に向けて貢献していく。 (13)人権に関するリスク配慮すべき人権が広範囲に及び、自社のみならずサプライチェーン全体における人権尊重に取り組む必要がある中で、人権問題への対応や未然防止を怠ることは、社会的信用の失墜、職場の生産性低下や離職者の増加など、当社グループの業績に影響を与える可能性がある。上記のリスクに対応するため、2022年度から国際規範に則した形へ取組みを強化した。2023年度には代表取締役社長を委員長とする人権委員会の設置、人権方針の策定、人権相談窓口を新設し、社内(グループ会社、海外を含む)を対象とした人権モニタリングを開始した。2025年度は、当社グループ、主な協力会社・資材納入会社を対象にモニタリングを実施し、調査結果に基づくリスクの予防・是正策、及びサプライチェーンへの展開を行った。今後も引き続き、モニタリング調査を随時実施し予防・是正を図るとともに、サプライチェーンについても人権デューデリジェンスの対象範囲を拡大し、リスクの低減を図っていく。 (14)人材確保・育成に関するリスク事業量の拡大を支えるのに必要な、専門性を持つ人材やリーダーの確保と育成ができない場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性がある。上記のリスクに対応するため、事業量の拡大を支える人材戦略として、多様な人材の確保に向けた、計画的な新卒採用、積極的なキャリア採用、再雇用希望者に対するジョブ・リターン制度等を実施している。また、国籍、性別、専門性を問わず、公正にいきいきと働ける職場環境の整備のためのDE&I諸施策を推進することにより、人材の定着を図っている。 (15)サイバーリスクサイバー攻撃(標的型メールやマルウェアによるウイルス感染、不正アクセス等)やシステム障害等による業務の遅延・停滞や事案への対応コスト等が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性がある。上記のリスクに対応するため、サイバー攻撃への対策として、高機能なウイルス対策ソフト(EDR)を、サーバーを含む全端末に導入しており、常時不審な動きがないかを監視する体制をとっている。また、システム障害への対策として、業績への影響を最小限にすべく、情報の重要性に応じて複数のバックアップ手段をとっている。 (16)地政学的リスク特定の地域における政治的・軍事的な緊張の高まりによって、当社グループだけでなくサプライチェーンの海外駐在または出張中の従業員に直接的な危険をもたらす可能性がある。上記のリスクに対応するため、中国出張者については、反スパイ法を中心とした事前レクチャーを行っている。また、近隣国での軍事的有事の際の周辺工事従事者の安全確保なども検討する。

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