事業の概要
- 食品の製造販売一正蒲鉾グループは、水産練製品(かまぼこ、ちくわなど)や惣菜、きのこの製造販売を主な事業としています。これに加えて、自社製品の物流や倉庫管理も手掛けており、食品事業を多角的にサポートする体制を構築しています。インドネシアにも子会社があり、海外での水産練製品製造販売も行っています。
- 水産練製品・惣菜事業グループの中核をなす事業で、一正蒲鉾株式会社が担当しています。日本の食卓に並ぶおなじみの練り物製品や、手軽に食べられる惣菜を製造し、全国のスーパーマーケットやコンビニエンスストアなどに供給しています。この事業がグループ全体の売上の大部分を占めています。
- きのこ事業一正蒲鉾株式会社がきのこの生産販売も行っています。食卓に欠かせないきのこ類を栽培し、食品事業と並ぶもう一つの柱として収益を上げています。健康志向の高まりとともに、きのこ製品の需要も安定しており、グループの事業ポートフォリオを多様化させています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 水産練製品・惣菜事業この事業は、かまぼこやちくわなどの水産練製品と、お惣菜の製造販売を主に行っています。一正蒲鉾グループの売上の大部分を占める主力事業であり、最新年度の売上高は約304.7億円、営業利益は約10.1億円と、グループの収益を牽引しています。
- きのこ事業きのこの生産と販売を行っている事業です。最新年度の売上高は約37.7億円ですが、営業利益は約-2.5億円と赤字になっています。これは、市場環境の変化や生産コストなどが影響している可能性があります。
- 運送・倉庫事業この事業は、冷蔵貨物の運送と倉庫管理を主な内容としています。主に一正蒲鉾グループの製品や原材料の運送・保管を担っており、最新年度の売上高は約3.4億円、営業利益は約1.3億円と、グループの物流を支える重要な役割を果たしています。
2025-06 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| FishJellyProductAndFishDish | 事業 | 305 | 10 | 3.3% |
| Mushroom | 地域 | 38 | -3 | -6.7% |
| TransportationAndWarehousingBusinessReportableSegment | 地域 | 3 | 1 | 37.0% |
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3 【事業の内容】当社グループは、当社、連結子会社2社で構成され、その事業は、食品の製造販売を主な事業の内容として、当事業に関する物流、サービス等の事業を展開しています。当社グループの事業にかかわる位置づけは、次のとおりです。 水産練製品・惣菜事業、きのこ事業一正蒲鉾㈱水産練製品・惣菜の製造販売及びきのこの生産販売を行っています。PT.KML ICHIMASA FOODS水産練製品の製造販売を行っています。 運送・倉庫事業㈱イチマサ冷蔵貨物運送業及び倉庫業を事業としており、主に当社の製品及び材料の運送・保管を行っています。 事業の系統図は、次のとおりです。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 競合他社との競争激化により価格下落の影響を受ける可能性があるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 独自の技術開発や機能性の研究、3Dフードプリンターを用いた次世代水産物開発など。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | ディフェンシブ |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:国内人口減少に係る市場縮小リスク / 原材料、副材料等の調達に係る価格上昇・供給不足リスク / 物流業界のドライバー・作業者不足、異常気象による交通障害リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
「一正蒲鉾」ブランドは一定の認知度を持つが、特許や独占的IPによる明確な優位性は見られない。PB商品やプライベートブランドとの競争は激しい。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
蒲鉾製品は一般的に購入頻度が高く、価格や利便性で代替品に乗り換える可能性が高い。リピート購入はブランドロイヤリティというより習慣性が大きい。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
蒲鉾製造販売業において、ネットワーク効果が発生するビジネスモデルは見られない。
コスト優位★★☆☆☆
長年の経験と効率的な生産体制により、一定のコスト競争力を持つ可能性がある。しかし、原材料価格の変動リスクは大きい。
規模の経済★★☆☆☆
国内の蒲鉾市場において一定のシェアを持つが、業界全体が成熟しており、圧倒的な規模の経済による優位性は限定的。
- 多様な食品事業展開水産練製品、惣菜、きのこという異なる食品分野を手掛けることで、消費者の多様なニーズに対応し、特定の市場変動リスクを分散しています。これにより、例えば練り物の需要が落ち込んでも、きのこ事業で補うといった柔軟な経営が可能です。
- 自社物流網による効率化連結子会社である株式会社イチマサが冷蔵貨物運送業と倉庫業を担っており、主にグループ製品の運送・保管を行っています。これにより、外部委託に比べて物流コストの最適化や、製品の鮮度維持、安定供給に貢献していると考えられます。
- 海外展開による市場拡大インドネシアに連結子会社PT.KML ICHIMASA FOODSを設立し、水産練製品の製造販売を行っています。国内市場の人口減少リスクに対応するため、成長が見込まれる海外市場に進出することで、新たな収益源の確保と事業規模の拡大を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1)会社の経営の方針当社グループの社是「人生はやまびこである」のもと、全従業員は「正しきことは正しく報われる」という創業者野崎正平の信念を受け継ぎ、「誠実」「謙虚」「感謝」の心で行動することとしています。また、経営理念「安全・安心を基本として、ユーザーに信頼され、愛され、感動される商品・サービスを提供することで、社会になくてはならない企業として貢献します。」のもと、水産練製品・惣菜の製造販売及びきのこの生産販売を主体とした事業を展開し、常に「安全・安心な品質」と「お客さまに愛されるおいしさ」を追求することで事業の永続的な発展を図っています。事業の展開に当たっては、法令の遵守、人権の尊重、公正な取引及び商品・サービスの安全・安心に取り組むとともにお客さま、お取引先さま、株主・投資家の皆さま及び従業員並びに地域社会から満足していただけるよう、次の基本方針のもと企業価値の向上に努め、当社グループの一層の発展を目指していきます。① すべての事業分野において品質保証体制の強化を図り、お客さまに安全で安心な商品・サービスの提供を行っていきます。② 水産練製品・惣菜事業のマーケティング機能を強化することにより、お客さまに信頼され、愛され、感動される商品を開発、提供しブランド価値の向上を図っていきます。・魚肉たんぱく製品のおいしさや健康機能を追求した「安全・安心で高品質な商品」を国内外に拡販し、水産練製品業界のトップブランドを目指す。・DXによる工場の合理化・少人化を実現し、付加価値や生産性の向上に結びつけ、収益の最大化を図る。・原材料の持続可能性を実現する新たな価値を持った食の提供により、一正ブランドの向上を図る。③ きのこ事業の技術研究並びに商品開発を強化し、事業規模及び事業領域の拡大を目指していきます。・栽培技術の更なる進化による安定栽培の維持と最大収穫量の実現を通し、拡販による収益の最大化を図る。・おいしさや栄養機能等の調査・研究を進め、付加価値の向上と一正まいたけブランドの確立を実現する。・AI・IoTにより管理、最適化されたスマートファクトリーのもとで、環境に配慮した省エネ・循環型ビジネスモデルの構築を目指す。(2)超長期ビジョン当社グループでは、30年後のありたい姿で ある“ICHIMASA30ビジョン” (2016~2045年度)を次のとおり制定し、30年後のありたい姿から今を変革していくというバックキャスティング思考をもとにグループ経営を行っています。 ①「“安全・安心”に“健康・環境”と “心の豊かさ”をプラスして世界中に日 本の“食”で貢献するグローバル企 業」 ②「常に技術を探求し、未来に向けてあ らゆる“食”の情報を発信する食品バ イオ企業」 ③「あらゆるステークホルダーの皆さま に“食”を中心に“幸せ”と“喜び” をお届けするあたたかい企業」 (3)第二次中期経営計画の総括当社グループでは、2021年7月から2026年6月までの5か年を第二次中期経営計画「成長軌道への5年」と位置づけ、収益力、財務基盤の強化に取り組むとともに、海外事業の構築にも積極的に取り組んできました。第二次中期経営計画の総括は、次のとおりです。①経営基本方針 「国内外のマーケットへの果敢なチャレンジを通じ、事業の成長力・収益力基盤を確立し、ファーストステージ「成長軌道」を確実に実現する。」・国内マーケットは少子高齢化のもと縮小が予想されるが、商品力、生産力、販売力に磨きをかけ、競争優位性を確立しシェア拡大を目指す。・海外マーケットでは成長マーケットを分析し、水産練製品・惣菜事業、きのこ事業ともに拡販を推進する。 ②全社戦略・戦術と実行施策 上記の経営基本方針のもと、5つの重要戦略キーワードから全社戦略を設定し、全従業員が戦略実行に向けた戦術を策定し、施策を実行してきました。全社戦略・戦術実行施策1)「変革」と「創造」 持続的成長と働きがい向上のために人財投資を積極的に行うとともに、「変革」と「創造」を基軸とした考動を通じ経営環境の変化を克服する。・IWS(いちまさワークスタイル)、新しい働き方の確立・働きやすい・働きがいのある・多様な人財が活躍する会社づくり・風通しが良く誰もが自由に発想し、創造的な意見が飛び交う組織風土への変革・成長する意志ある誰もが成長できる能力開発環境の構築・すり身原料にとらわれない商品の研究開発・魚肉たんぱく、まいたけの機能性共同研究・「アップデートし続ける、常に進化し、成長し続ける働き方」の定着、組織風土改革等に向けてIWS推進委員会を設置し取組みの推進を加速・他社と共同で進めてきた細胞培養食品「細胞性すり身」の研究開発において「生産技術の探求フェーズ」を成功裏に完了し、次の開発段階へ移行・魚肉たんぱく、まいたけの機能性共同研究については、引き続き研究中2)「選択」と「集中」 水産練製品・惣菜事業は商品・市場・生産等の「選択」と「集中」を徹底し、魚肉たんぱく製品の強みを活かした攻めの販売施策を通じ国内において圧倒的な基盤をつくる。・魚肉たんぱく製品の強みを活かした主力商品のリニューアル継続やサステナブルな商品の開発強化・主力商品である「サラダスティック」の販売強化と新設する本社第二工場の合理化・省人化・量産体制の確立・販売・廃止の生産アイテム選択を着実に実施し、生産効率化・生産性向上と販売の強化・効率化の両立を実現・販売地域の「選択」と「集中」による海外拡販強化・多様な国際ニーズに対応した商品開発と市場開拓・主力商品のリニューアルに継続的に取り組むとともに、サステナブルな商品の領域拡大、商品化について研究・推進中・2023年3月本社第二工場稼働により生産能力を増強し、販売強化を図るとともに、合理化・省人化に取組中・販売状況、生産効率・生産性等を勘案し生産アイテムを選択・販売地域の「選択」と「集中」を意識した海外販売 を推進中・多様な市場ニーズに対応した商品展開を図るためSmile Heart Foods Co.,Ltd.(タイ王国)と事業連携 3)「デジタルトランスフォーメーション(DX)」 全社で「DX」の推進に取り組み、ニューノーマルでの競争優位性を確立し、事業収益の最大化を実現する。(顧客価値の創出)・DXを活用した市場データの深度ある収集、分析と提供・フードテックによる応用、実現の可能性の探求(生産性向上・働き方改革)・全社業務プロセスの見直しによるデータのデジタル化、業務の自動化・省人化推進・DXによる新しい製造方法の研究開発・スマートファクトリーを目指した生産データのデジタル化とデータの有効活用による生産性向上・生産管理システムによる品質向上と効率化推進・SFA・CRM、オンライン商談などによる営業活動の効率化・ゼロトラストモデルによるサイバーセキュリティ対策構築・データドリブン経営の実現に向けて取組中・定型業務のRPA化について推進・生産管理システム、品質管理システムのデータの有効活用による生産性向上、効率化、品質向上の推進・オンライン商談については、新型コロナが5類変更後も有効活用・SFA・CRMを営業活動等に有効活用し効率化推進・サイバーセキュリティ対策構築に向けて取組中4)「新規事業」 「新規事業」への取組みは、第二次中期経営計画 期間中に探索を行い事業化に着手する。・水産練製品・惣菜事業+きのこ事業+「第3の事業」の主力3事業の構築を指向・新規専担部署の設置・2023年7月1日新規事業開発室(現事業開発企画室)を新設し、新規事業の構築に向けて取組中 5)「アライアンス」 お取引先さまと強固かつ高品質な「アライアンス」体制を構築し、ともに環境・経済・社会等の変化に対応する・品質向上の技術・知的サポート実施・「一正やまびこ会」等を通じたアライアンス活動の実施・「いちまさ通信」による情報提供の継続・運行管理システムの構築・運営・OEM先さま等と品質向上に向けた協働を実施・「一正やまびこ会」勉強会にて「健康経営」「人権尊重」「CO2削減」「サイバーセキュリティ」等をテーマとして情報共有・お取引先さまへ「いちまさ通信」を通じて当社グループ情報や食品業界の法改正などについて定期的に発信・運行管理システムの構築・運営に取組中 ③定量目標の達成状況(第二次中期経営計画最終年度数値目標:連結ベース)項目2026年6月期数値目標実績売上高362億円 355億円営業利益11億円 6.1億円自己資本利益率(ROE)5% 2.2%投下資本利益率(ROIC) 4% 1.5%自己資本比率 50%台 48.5% 中期経営計画の数値目標の達成に意欲的に挑戦してきましたが、世界的な経済・社会情勢の大きな変化、国内水産練製品市場の成長鈍化や原材料費やエネルギー価格の高騰、きのこ事業の業績が当初の想定を大幅に下回るなど、取り巻く環境は非常に厳しい状況で推移した結果、すべての項目で未達成となりました。 (水産練製品・惣菜事業)計画期間の外部環境は、米国の関税政策、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻をはじめとし、長期化する世界的な地政学リスクの高まり、原材料や資材価格の上昇や高止まり、エネルギー価格の上昇、円安の進行など、不透明な状況が続きました。このようななか、お取引先さまのご理解、ご協力のもと、2022年3月から2025年3月の間に4回の価格改定を実施しました。最終年度の売上高は、価格改定による販売価格の上昇に加え、主力商品であるスティックタイプのカニかまを中心とした販売数量が伸長し、消費者の節約志向、内食需要を背景として、価格面と汎用性に優れたはんぺん商品群が堅調に推移したことに加えて、おせち商品も、国産原料を100%使用した「純」シリーズが伸長したことから、前期比増収となりましたが、計画を下回りました。利益は、主原料であるすり身をはじめとする原材料費や労務費が、計画期間を通じて上昇し、原価上昇の要因となり、厳しい状況が続きました。このような状況のもと、生産効率の向上を目指した生産ラインの合理化や効率化に努めましたが、最終年度の営業利益は前期比減益となり、計画を大きく下回りました。(きのこ事業) 計画期間におけるきのこの市場価格は、消費の伸び悩みに加えて、他社の増産の影響により、軟調なスタートとなりました。2024年6月期は、ビタミンDを強化した商品リニューアルや大容量パックの提案による販売強化を行いましたが、夏の酷暑や暖冬の影響により販売数量が伸び悩んだことから、売上が前期を下回り、営業損失となりました。2025年6月期は、野菜の生育不良や相場高騰に伴い、販売価格は前年を上回りましたが、酷暑の影響により生育が不調となったことや、残暑や暖冬の影響を受け、鍋シーズンの立ち上がりが遅れたことにより販売数量が伸びず、売上が前期を下回り、2期連続の営業損失となりました。 最終年度は、在庫管理の徹底による販売価格の上昇、大容量パックの販売拡大により、売上は前期を上回りました。一方、利益は、包装部門の合理化・省人化によるコスト削減や生産効率の向上に努めましたが、原材料価格、労務費およびエネルギー価格の高止まりの影響を受け、赤字幅は縮小したものの、3期連続の営業損失となりました。(運送・倉庫事業)運送事業の最終年度は、営業活動の強化による収益性の高い自社定期便の新規案件獲得に加え、運賃の適性化を進めたことにより前期比増収増益となりました。倉庫事業の最終年度は、新規入庫案件の獲得に向けた営業活動を継続しましたが、食品関連業界における原材料費の高止まり等を背景に、取引先が在庫を圧縮したことから、倉庫の平均在庫量が減少し、保管回転率も低下したことから前期比減収減益となりました。(主な財務指標)最終年度の主な財務指標は、上記のとおりです。上記のとおり、各セグメントにおいて、増収施策、効率化、生産性向上やコスト削減など収益力強化に取り組んだものの、原材料費の高止まり、労務費の上昇、エネルギー価格の上昇等の影響を受け、営業利益が計画比未達となったことから、自己資本利益率、投下資本利益率、自己資本比率ともに計画を下回りました。 (4)第三次中期経営計画①全体方針第三次中期経営計画は、第二次中期経営計画の残課題を確実に完遂するとともに、第四次中期経営計画(成長の5年)に確実に繋げる「深化の5年」と位置付け、フェーズ1の2026年から2028年の「成長基盤創りの3年」とフェーズ2の2029年から2030年の「成長軌道への2年」の2つの期間に分けています。基本方針は「構造改革」「成長戦略」「経営基盤強化」の3点です。まずは、最優先で構造改革に取り組み、収益力強化と営業キャッシュフローの創出を推進します。この創出した原資をもとに、成長戦略として、海外事業・新規事業、M&A等によるインオーガニックの成長機会に積極的に投資します。また、経営基盤強化として、ホールディングス体制移行によるグループ経営の高度化と、企業価値の最大化に取り組みます。②収益目標達成に向けて第三次中期経営計画最終年度の売上高目標は450億円、年平均成長率5%を目指します。営業利益目標は20億円、営業利益率5%を目指します。水産練製品・惣菜事業は、カニかまの「メーカーシェア№1」のブランド価値の訴求による「健康×利便性商品」の展開や「簡便・冷凍・常温商品」の拡充、そして、魚肉たんぱくを軸とした付加価値提案として、“魚肉たんぱく+ONE ”をテーマとした商品の拡充を進めます。また、全国の生産・物流拠点の最適化により、効率化とBCP強化を図るとともに、即食・簡便商品の開発や業務用市場の開拓など、新たな成長領域への拡張にも取り組みます。きのこ事業は、収益基盤を再構築し、新たな成長領域へ挑戦します。まいたけの持つ健康機能の価値訴求と一正ブランドの確立、生産効率化によるコスト構造改革、そして知的財産を活用した新たな収益源の創出に取り組みます。また、国が定める有機JAS認証を取得した生産工程で栽培した「有機まいたけ」の展開やエネルギーマネジメント強化による栽培環境の最適化、菌類研究を活かした知財戦略の推進により、安定栽培とコスト構造改革を通じた収益基盤の安定化を目指します。③財務目標達成に向けてキャピタルアロケーションについては、収益改善、営業キャッシュフロー創出の取組みにより、財務健全性を維持しつつ、成長戦略・戦略投資の原資を確保します。第三次中期経営計画の5年間で、152億円の営業キャッシュフローの創出を計画しています。これは、収益改善による安定的な営業キャッシュフローの創出と、キャッシュ回収サイクルの改善により実現します。財務の健全性を表す代表的な指標の一つであるD/Eレシオ(負債資本比率)は、2026年6月期は0.7倍ですが、原則として1倍を上回らないように管理していきます。二つ目の自己資本比率は、2026年6月期は48.5%ですが、50%以上を目指します。当社はコミットメントライン40億円を設定しており、様々な環境変化に対する迅速かつ確実な資金調達手段を確保していますが、運転資金・設備資金等の資金調達にあたってはROEとのバランスを考慮していきます。 第三次中期経営計画最終年度数値目標(連結ベース)項目2031年6月期売上高 450億円営業利益 20億円営業キャッシュフロー(5年累計) 152億円自己資本利益率(ROE) 8%投下資本利益率(ROIC) 6% 当社グループの経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標は上記のとおりですが、各数値については有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。 (5)経営環境① 国内外の市場環境 2025年の国内出生数は過去最低の67万人と10年連続で減少し、出生率も1.14となり過去最低を更新しました。少子高齢化は加速し、国内市場はこれまで以上に厳しい経営環境となることが予想されます。 世界的な食料需要の拡大、気候変動を要因とする天候不順、政治的な不安定性や紛争といった地政学的要因の影響等により、原材料価格は上昇し、エネルギー等の価格も、当面は現在の水準に高止まりするものと想定しています。 足元においては、米国・イスラエルとイランの対立を巡る中東情勢が世界経済に与える影響についても、注視が必要な状況にあります。 国内では2026年5月の一般労働者の所定内給与は前年比+3.5%と賃金の伸びが堅調なことから、実質賃金も5月には5か月連続でプラスとなり、購買力は改善しています。一方、原材料価格などの上昇が販売価格に転嫁され、物価を押し上げる見込みであり、食料品についても夏場以降食料品の値上げ予定の品目数が増加していることから、物価上昇圧力となる可能性が指摘されています。2026年度の実質GDP成長率は+0.5%、2027年度は+1.0%と底堅い成長を維持することが予想されていますが、中東危機が長期化した場合、輸出の減少、原材料の供給制約、物価上昇を通じて、景気への下押し圧力が強まるリスクも指摘されています。 海外では、健康志向が高まっている米国や西欧諸国などの先進国、ならびに成長を続ける東南アジア諸国などの新興国において、水産練製品の需要が拡大しており、市場の成長余地は大きいと考えられます。 また、CO2排出量や食品ロスの削減など、持続可能な社会を実現するために、ESG経営の実践やSDGs目標の達成に向けた社会的な要請は、日増しに強まっています。 (6)対処すべき課題① 国内水産練製品・惣菜事業 国内では、加速する少子高齢化、未婚率の上昇や核家族化による単身世帯の増加、食の多様化とグローバル化などの要因により、水産練製品市場は概ね横ばいで推移しており、国内各メーカーにとって新たな需要を創出するための商品開発が共通の課題となっています。 このような市場の状況に対応するため、水産練製品・惣菜事業においては、お客さまのニーズやライフスタイルの変化に迅速に対応し、新商品を開発するとともに、常に付加価値向上を図るための主力商品のリニューアルを継続し、競争優位性の確立を目指していきます。 特に、地球環境の維持をはじめとする社会的価値の視点で商品を選択するお客さまが今後も増加すると考えており、これらの状況を踏まえ、当社はサステナビリティへの取組みを強化し、変化するお客さまのニーズに応え、美味しさと社会的価値を兼ね備えた付加価値の高い商品の開発を進めます。 また、原材料であるすり身の価格は、水産資源保護の機運の高まりや世界的な需要拡大による品薄傾向等を背景に上昇傾向にあります。そのほか副材料、エネルギーなどの価格も高止まりの状況が続いています。 さらに、生産年齢人口の減少による労働力不足は一層深刻になると予想されており、安定した生産を継続し、商品供給責任を果たすためにも、生産アイテムの削減により生産効率化を進め、収益力及び競争優位性の確立を図っていきます。加えて、ファクトリーオートメーションによる省人化が急務であるとの認識のもと、FAシステム部において工場でのAI 、IoT活用を急ピッチで進めています。 商品開発・リニューアルでは、安全・安心・健康・おいしさの観点から、減塩商品のラインナップの充実や簡便・即食タイプの高たんぱく商品、国産原材料にこだわった商品、すり身を使用した代替シーフードの“ネクストシーフード”シリーズなど、これまでにない新しい発想による商品の開発も行っています。健康長寿社会の進展にあわせ、安全・安心・健康へのニーズは引続き根強く推移することが予想されるため、さらなる健康機能の付加についても検討していきます。 マーケティング開発本部を中心に、お客さま視点に基づき、マーケティング・技術研究・商品開発を一気通貫させ、持続可能な成長企業に必要である「お客さま視点での全社連動」を行うことで、これまで以上にニーズの変化や新たなトレンドを迅速に把握し、商品力の向上に結び付け、配荷の増加を目指していきます。② 海外水産練製品・惣菜事業 国内市場は市場縮小が避けられない一方で、健康志向の高まりから海外での水産練製品需要はカニ風味かまぼこを中心に伸長しており、欧米諸国のほか、アジア各国、中東地域への輸出量も増加しています。当社グループでは、2015年8月にインドネシアに合弁会社を設立し、成長が続く東南アジアを中心に、合弁会社から北米、中東等への輸出を強化してきました。さらに、“ICHIMASA30ビジョン”(2045年度のありたい姿)のありたい姿のひとつである「世界中に日本の“食”で貢献するグローバル企業」を実現するための施策のひとつとして、2024年12月に追加株式を取得し出資比率を引上げ、連結子会社化しました。今後も海外での生産・販売体制を強化し、企業価値の向上とビジョン実現に向けて取り組んでいきます。 また、2026年2月にSmile Heart Foods Co.,Ltd.(本社:タイ王国)と事業連携覚書を締結しました。本締結により、両社はグローバル市場における知見や商品情報の共有、OEM製造に向けた商品開発など双方の強みを活かした協力を進め、多様な市場ニーズに対応した商品展開や国際的な事業基盤の強化を目指していきます。③ 国内きのこ事業 少子高齢化や人口減少の影響により市場は全体的に横ばい傾向にあり、需要と供給のアンバランスによる価格の変化が収益に直接影響を与えるため、需要の見極めが重要となります。そのうえで、デリカ惣菜向けなどの業務用需要の取り込みを進め、販売チャネルの拡大を図ります。また、労働力確保が一層困難となる環境を踏まえ、省人化をこれまで以上に推進するとともに、包装効率の高い商品形態へのシフトを進めます。さらに、これまで培ってきた培養技術を応用し、新たな事業領域への展開を目指し、持続的な成長に取り組んでいきます。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1)会社の経営の方針当社グループの社是「人生はやまびこである」のもと、全従業員は「正しきことは正しく報われる」という創業者野崎正平の信念を受け継ぎ、「誠実」「謙虚」「感謝」の心で行動することとしています。また、経営理念「安全・安心を基本として、ユーザーに信頼され、愛され、感動される商品・サービスを提供することで、社会になくてはならない企業として貢献します。」のもと、水産練製品・惣菜の製造販売及びきのこの生産販売を主体とした事業を展開し、常に「安全・安心な品質」と「お客さまに愛されるおいしさ」を追求することで事業の永続的な発展を図っています。事業の展開に当たっては、法令の遵守、人権の尊重、公正な取引及び商品・サービスの安全・安心に取り組むとともにお客さま、お取引先さま、株主・投資家の皆さま及び従業員並びに地域社会から満足していただけるよう、次の基本方針のもと企業価値の向上に努め、当社グループの一層の発展を目指していきます。① すべての事業分野において品質保証体制の強化を図り、お客さまに安全で安心な商品・サービスの提供を行っていきます。② 水産練製品・惣菜事業のマーケティング機能を強化することにより、お客さまに信頼され、愛され、感動される商品を開発、提供しブランド価値の向上を図っていきます。・魚肉たんぱく製品のおいしさや健康機能を追求した「安全・安心で高品質な商品」を国内外に拡販し、水産練製品業界のトップブランドを目指す。・DXによる工場の合理化・少人化を実現し、付加価値や生産性の向上に結びつけ、収益の最大化を図る。・原材料の持続可能性を実現する新たな価値を持った食の提供により、一正ブランドの向上を図る。③ きのこ事業の技術研究並びに商品開発を強化し、事業規模及び事業領域の拡大を目指していきます。・栽培技術の更なる進化による安定栽培の維持と最大収穫量の実現を通し、拡販による収益の最大化を図る。・おいしさや栄養機能等の調査・研究を進め、付加価値の向上と一正まいたけブランドの確立を実現する。・AI・IoTにより管理、最適化されたスマートファクトリーのもとで、環境に配慮した省エネ・循環型ビジネスモデルの構築を目指す。(2)超長期ビジョン当社グループでは、30年後のありたい姿で ある“ICHIMASA30ビジョン” (2016~2045年度)を次のとおり制定し、30年後のありたい姿から今を変革していくというバックキャスティング思考をもとにグループ経営を行っています。 ①「“安全・安心”に“健康・環境”と “心の豊かさ”をプラスして世界中に日 本の“食”で貢献するグローバル企 業」 ②「常に技術を探求し、未来に向けてあ らゆる“食”の情報を発信する食品バ イオ企業」 ③「あらゆるステークホルダーの皆さま に“食”を中心に“幸せ”と“喜び” をお届けするあたたかい企業」 (3)第二次中期経営計画の総括当社グループでは、2021年7月から2026年6月までの5か年を第二次中期経営計画「成長軌道への5年」と位置づけ、収益力、財務基盤の強化に取り組むとともに、海外事業の構築にも積極的に取り組んできました。第二次中期経営計画の総括は、次のとおりです。①経営基本方針 「国内外のマーケットへの果敢なチャレンジを通じ、事業の成長力・収益力基盤を確立し、ファーストステージ「成長軌道」を確実に実現する。」・国内マーケットは少子高齢化のもと縮小が予想されるが、商品力、生産力、販売力に磨きをかけ、競争優位性を確立しシェア拡大を目指す。・海外マーケットでは成長マーケットを分析し、水産練製品・惣菜事業、きのこ事業ともに拡販を推進する。 ②全社戦略・戦術と実行施策 上記の経営基本方針のもと、5つの重要戦略キーワードから全社戦略を設定し、全従業員が戦略実行に向けた戦術を策定し、施策を実行してきました。全社戦略・戦術実行施策1)「変革」と「創造」 持続的成長と働きがい向上のために人財投資を積極的に行うとともに、「変革」と「創造」を基軸とした考動を通じ経営環境の変化を克服する。・IWS(いちまさワークスタイル)、新しい働き方の確立・働きやすい・働きがいのある・多様な人財が活躍する会社づくり・風通しが良く誰もが自由に発想し、創造的な意見が飛び交う組織風土への変革・成長する意志ある誰もが成長できる能力開発環境の構築・すり身原料にとらわれない商品の研究開発・魚肉たんぱく、まいたけの機能性共同研究・「アップデートし続ける、常に進化し、成長し続ける働き方」の定着、組織風土改革等に向けてIWS推進委員会を設置し取組みの推進を加速・他社と共同で進めてきた細胞培養食品「細胞性すり身」の研究開発において「生産技術の探求フェーズ」を成功裏に完了し、次の開発段階へ移行・魚肉たんぱく、まいたけの機能性共同研究については、引き続き研究中2)「選択」と「集中」 水産練製品・惣菜事業は商品・市場・生産等の「選択」と「集中」を徹底し、魚肉たんぱく製品の強みを活かした攻めの販売施策を通じ国内において圧倒的な基盤をつくる。・魚肉たんぱく製品の強みを活かした主力商品のリニューアル継続やサステナブルな商品の開発強化・主力商品である「サラダスティック」の販売強化と新設する本社第二工場の合理化・省人化・量産体制の確立・販売・廃止の生産アイテム選択を着実に実施し、生産効率化・生産性向上と販売の強化・効率化の両立を実現・販売地域の「選択」と「集中」による海外拡販強化・多様な国際ニーズに対応した商品開発と市場開拓・主力商品のリニューアルに継続的に取り組むとともに、サステナブルな商品の領域拡大、商品化について研究・推進中・2023年3月本社第二工場稼働により生産能力を増強し、販売強化を図るとともに、合理化・省人化に取組中・販売状況、生産効率・生産性等を勘案し生産アイテムを選択・販売地域の「選択」と「集中」を意識した海外販売 を推進中・多様な市場ニーズに対応した商品展開を図るためSmile Heart Foods Co.,Ltd.(タイ王国)と事業連携 3)「デジタルトランスフォーメーション(DX)」 全社で「DX」の推進に取り組み、ニューノーマルでの競争優位性を確立し、事業収益の最大化を実現する。(顧客価値の創出)・DXを活用した市場データの深度ある収集、分析と提供・フードテックによる応用、実現の可能性の探求(生産性向上・働き方改革)・全社業務プロセスの見直しによるデータのデジタル化、業務の自動化・省人化推進・DXによる新しい製造方法の研究開発・スマートファクトリーを目指した生産データのデジタル化とデータの有効活用による生産性向上・生産管理システムによる品質向上と効率化推進・SFA・CRM、オンライン商談などによる営業活動の効率化・ゼロトラストモデルによるサイバーセキュリティ対策構築・データドリブン経営の実現に向けて取組中・定型業務のRPA化について推進・生産管理システム、品質管理システムのデータの有効活用による生産性向上、効率化、品質向上の推進・オンライン商談については、新型コロナが5類変更後も有効活用・SFA・CRMを営業活動等に有効活用し効率化推進・サイバーセキュリティ対策構築に向けて取組中4)「新規事業」 「新規事業」への取組みは、第二次中期経営計画 期間中に探索を行い事業化に着手する。・水産練製品・惣菜事業+きのこ事業+「第3の事業」の主力3事業の構築を指向・新規専担部署の設置・2023年7月1日新規事業開発室(現事業開発企画室)を新設し、新規事業の構築に向けて取組中 5)「アライアンス」 お取引先さまと強固かつ高品質な「アライアンス」体制を構築し、ともに環境・経済・社会等の変化に対応する・品質向上の技術・知的サポート実施・「一正やまびこ会」等を通じたアライアンス活動の実施・「いちまさ通信」による情報提供の継続・運行管理システムの構築・運営・OEM先さま等と品質向上に向けた協働を実施・「一正やまびこ会」勉強会にて「健康経営」「人権尊重」「CO2削減」「サイバーセキュリティ」等をテーマとして情報共有・お取引先さまへ「いちまさ通信」を通じて当社グループ情報や食品業界の法改正などについて定期的に発信・運行管理システムの構築・運営に取組中 ③定量目標の達成状況(第二次中期経営計画最終年度数値目標:連結ベース)項目2026年6月期数値目標実績売上高362億円 355億円営業利益11億円 6.1億円自己資本利益率(ROE)5% 2.2%投下資本利益率(ROIC) 4% 1.5%自己資本比率 50%台 48.5% 中期経営計画の数値目標の達成に意欲的に挑戦してきましたが、世界的な経済・社会情勢の大きな変化、国内水産練製品市場の成長鈍化や原材料費やエネルギー価格の高騰、きのこ事業の業績が当初の想定を大幅に下回るなど、取り巻く環境は非常に厳しい状況で推移した結果、すべての項目で未達成となりました。 (水産練製品・惣菜事業)計画期間の外部環境は、米国の関税政策、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻をはじめとし、長期化する世界的な地政学リスクの高まり、原材料や資材価格の上昇や高止まり、エネルギー価格の上昇、円安の進行など、不透明な状況が続きました。このようななか、お取引先さまのご理解、ご協力のもと、2022年3月から2025年3月の間に4回の価格改定を実施しました。最終年度の売上高は、価格改定による販売価格の上昇に加え、主力商品であるスティックタイプのカニかまを中心とした販売数量が伸長し、消費者の節約志向、内食需要を背景として、価格面と汎用性に優れたはんぺん商品群が堅調に推移したことに加えて、おせち商品も、国産原料を100%使用した「純」シリーズが伸長したことから、前期比増収となりましたが、計画を下回りました。利益は、主原料であるすり身をはじめとする原材料費や労務費が、計画期間を通じて上昇し、原価上昇の要因となり、厳しい状況が続きました。このような状況のもと、生産効率の向上を目指した生産ラインの合理化や効率化に努めましたが、最終年度の営業利益は前期比減益となり、計画を大きく下回りました。(きのこ事業) 計画期間におけるきのこの市場価格は、消費の伸び悩みに加えて、他社の増産の影響により、軟調なスタートとなりました。2024年6月期は、ビタミンDを強化した商品リニューアルや大容量パックの提案による販売強化を行いましたが、夏の酷暑や暖冬の影響により販売数量が伸び悩んだことから、売上が前期を下回り、営業損失となりました。2025年6月期は、野菜の生育不良や相場高騰に伴い、販売価格は前年を上回りましたが、酷暑の影響により生育が不調となったことや、残暑や暖冬の影響を受け、鍋シーズンの立ち上がりが遅れたことにより販売数量が伸びず、売上が前期を下回り、2期連続の営業損失となりました。 最終年度は、在庫管理の徹底による販売価格の上昇、大容量パックの販売拡大により、売上は前期を上回りました。一方、利益は、包装部門の合理化・省人化によるコスト削減や生産効率の向上に努めましたが、原材料価格、労務費およびエネルギー価格の高止まりの影響を受け、赤字幅は縮小したものの、3期連続の営業損失となりました。(運送・倉庫事業)運送事業の最終年度は、営業活動の強化による収益性の高い自社定期便の新規案件獲得に加え、運賃の適性化を進めたことにより前期比増収増益となりました。倉庫事業の最終年度は、新規入庫案件の獲得に向けた営業活動を継続しましたが、食品関連業界における原材料費の高止まり等を背景に、取引先が在庫を圧縮したことから、倉庫の平均在庫量が減少し、保管回転率も低下したことから前期比減収減益となりました。(主な財務指標)最終年度の主な財務指標は、上記のとおりです。上記のとおり、各セグメントにおいて、増収施策、効率化、生産性向上やコスト削減など収益力強化に取り組んだものの、原材料費の高止まり、労務費の上昇、エネルギー価格の上昇等の影響を受け、営業利益が計画比未達となったことから、自己資本利益率、投下資本利益率、自己資本比率ともに計画を下回りました。 (4)第三次中期経営計画①全体方針第三次中期経営計画は、第二次中期経営計画の残課題を確実に完遂するとともに、第四次中期経営計画(成長の5年)に確実に繋げる「深化の5年」と位置付け、フェーズ1の2026年から2028年の「成長基盤創りの3年」とフェーズ2の2029年から2030年の「成長軌道への2年」の2つの期間に分けています。基本方針は「構造改革」「成長戦略」「経営基盤強化」の3点です。まずは、最優先で構造改革に取り組み、収益力強化と営業キャッシュフローの創出を推進します。この創出した原資をもとに、成長戦略として、海外事業・新規事業、M&A等によるインオーガニックの成長機会に積極的に投資します。また、経営基盤強化として、ホールディングス体制移行によるグループ経営の高度化と、企業価値の最大化に取り組みます。②収益目標達成に向けて第三次中期経営計画最終年度の売上高目標は450億円、年平均成長率5%を目指します。営業利益目標は20億円、営業利益率5%を目指します。水産練製品・惣菜事業は、カニかまの「メーカーシェア№1」のブランド価値の訴求による「健康×利便性商品」の展開や「簡便・冷凍・常温商品」の拡充、そして、魚肉たんぱくを軸とした付加価値提案として、“魚肉たんぱく+ONE ”をテーマとした商品の拡充を進めます。また、全国の生産・物流拠点の最適化により、効率化とBCP強化を図るとともに、即食・簡便商品の開発や業務用市場の開拓など、新たな成長領域への拡張にも取り組みます。きのこ事業は、収益基盤を再構築し、新たな成長領域へ挑戦します。まいたけの持つ健康機能の価値訴求と一正ブランドの確立、生産効率化によるコスト構造改革、そして知的財産を活用した新たな収益源の創出に取り組みます。また、国が定める有機JAS認証を取得した生産工程で栽培した「有機まいたけ」の展開やエネルギーマネジメント強化による栽培環境の最適化、菌類研究を活かした知財戦略の推進により、安定栽培とコスト構造改革を通じた収益基盤の安定化を目指します。③財務目標達成に向けてキャピタルアロケーションについては、収益改善、営業キャッシュフロー創出の取組みにより、財務健全性を維持しつつ、成長戦略・戦略投資の原資を確保します。第三次中期経営計画の5年間で、152億円の営業キャッシュフローの創出を計画しています。これは、収益改善による安定的な営業キャッシュフローの創出と、キャッシュ回収サイクルの改善により実現します。財務の健全性を表す代表的な指標の一つであるD/Eレシオ(負債資本比率)は、2026年6月期は0.7倍ですが、原則として1倍を上回らないように管理していきます。二つ目の自己資本比率は、2026年6月期は48.5%ですが、50%以上を目指します。当社はコミットメントライン40億円を設定しており、様々な環境変化に対する迅速かつ確実な資金調達手段を確保していますが、運転資金・設備資金等の資金調達にあたってはROEとのバランスを考慮していきます。 第三次中期経営計画最終年度数値目標(連結ベース)項目2031年6月期売上高 450億円営業利益 20億円営業キャッシュフロー(5年累計) 152億円自己資本利益率(ROE) 8%投下資本利益率(ROIC) 6% 当社グループの経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標は上記のとおりですが、各数値については有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。 (5)経営環境① 国内外の市場環境 2025年の国内出生数は過去最低の67万人と10年連続で減少し、出生率も1.14となり過去最低を更新しました。少子高齢化は加速し、国内市場はこれまで以上に厳しい経営環境となることが予想されます。 世界的な食料需要の拡大、気候変動を要因とする天候不順、政治的な不安定性や紛争といった地政学的要因の影響等により、原材料価格は上昇し、エネルギー等の価格も、当面は現在の水準に高止まりするものと想定しています。 足元においては、米国・イスラエルとイランの対立を巡る中東情勢が世界経済に与える影響についても、注視が必要な状況にあります。 国内では2026年5月の一般労働者の所定内給与は前年比+3.5%と賃金の伸びが堅調なことから、実質賃金も5月には5か月連続でプラスとなり、購買力は改善しています。一方、原材料価格などの上昇が販売価格に転嫁され、物価を押し上げる見込みであり、食料品についても夏場以降食料品の値上げ予定の品目数が増加していることから、物価上昇圧力となる可能性が指摘されています。2026年度の実質GDP成長率は+0.5%、2027年度は+1.0%と底堅い成長を維持することが予想されていますが、中東危機が長期化した場合、輸出の減少、原材料の供給制約、物価上昇を通じて、景気への下押し圧力が強まるリスクも指摘されています。 海外では、健康志向が高まっている米国や西欧諸国などの先進国、ならびに成長を続ける東南アジア諸国などの新興国において、水産練製品の需要が拡大しており、市場の成長余地は大きいと考えられます。 また、CO2排出量や食品ロスの削減など、持続可能な社会を実現するために、ESG経営の実践やSDGs目標の達成に向けた社会的な要請は、日増しに強まっています。 (6)対処すべき課題① 国内水産練製品・惣菜事業 国内では、加速する少子高齢化、未婚率の上昇や核家族化による単身世帯の増加、食の多様化とグローバル化などの要因により、水産練製品市場は概ね横ばいで推移しており、国内各メーカーにとって新たな需要を創出するための商品開発が共通の課題となっています。 このような市場の状況に対応するため、水産練製品・惣菜事業においては、お客さまのニーズやライフスタイルの変化に迅速に対応し、新商品を開発するとともに、常に付加価値向上を図るための主力商品のリニューアルを継続し、競争優位性の確立を目指していきます。 特に、地球環境の維持をはじめとする社会的価値の視点で商品を選択するお客さまが今後も増加すると考えており、これらの状況を踏まえ、当社はサステナビリティへの取組みを強化し、変化するお客さまのニーズに応え、美味しさと社会的価値を兼ね備えた付加価値の高い商品の開発を進めます。 また、原材料であるすり身の価格は、水産資源保護の機運の高まりや世界的な需要拡大による品薄傾向等を背景に上昇傾向にあります。そのほか副材料、エネルギーなどの価格も高止まりの状況が続いています。 さらに、生産年齢人口の減少による労働力不足は一層深刻になると予想されており、安定した生産を継続し、商品供給責任を果たすためにも、生産アイテムの削減により生産効率化を進め、収益力及び競争優位性の確立を図っていきます。加えて、ファクトリーオートメーションによる省人化が急務であるとの認識のもと、FAシステム部において工場でのAI 、IoT活用を急ピッチで進めています。 商品開発・リニューアルでは、安全・安心・健康・おいしさの観点から、減塩商品のラインナップの充実や簡便・即食タイプの高たんぱく商品、国産原材料にこだわった商品、すり身を使用した代替シーフードの“ネクストシーフード”シリーズなど、これまでにない新しい発想による商品の開発も行っています。健康長寿社会の進展にあわせ、安全・安心・健康へのニーズは引続き根強く推移することが予想されるため、さらなる健康機能の付加についても検討していきます。 マーケティング開発本部を中心に、お客さま視点に基づき、マーケティング・技術研究・商品開発を一気通貫させ、持続可能な成長企業に必要である「お客さま視点での全社連動」を行うことで、これまで以上にニーズの変化や新たなトレンドを迅速に把握し、商品力の向上に結び付け、配荷の増加を目指していきます。② 海外水産練製品・惣菜事業 国内市場は市場縮小が避けられない一方で、健康志向の高まりから海外での水産練製品需要はカニ風味かまぼこを中心に伸長しており、欧米諸国のほか、アジア各国、中東地域への輸出量も増加しています。当社グループでは、2015年8月にインドネシアに合弁会社を設立し、成長が続く東南アジアを中心に、合弁会社から北米、中東等への輸出を強化してきました。さらに、“ICHIMASA30ビジョン”(2045年度のありたい姿)のありたい姿のひとつである「世界中に日本の“食”で貢献するグローバル企業」を実現するための施策のひとつとして、2024年12月に追加株式を取得し出資比率を引上げ、連結子会社化しました。今後も海外での生産・販売体制を強化し、企業価値の向上とビジョン実現に向けて取り組んでいきます。 また、2026年2月にSmile Heart Foods Co.,Ltd.(本社:タイ王国)と事業連携覚書を締結しました。本締結により、両社はグローバル市場における知見や商品情報の共有、OEM製造に向けた商品開発など双方の強みを活かした協力を進め、多様な市場ニーズに対応した商品展開や国際的な事業基盤の強化を目指していきます。③ 国内きのこ事業 少子高齢化や人口減少の影響により市場は全体的に横ばい傾向にあり、需要と供給のアンバランスによる価格の変化が収益に直接影響を与えるため、需要の見極めが重要となります。そのうえで、デリカ惣菜向けなどの業務用需要の取り込みを進め、販売チャネルの拡大を図ります。また、労働力確保が一層困難となる環境を踏まえ、省人化をこれまで以上に推進するとともに、包装効率の高い商品形態へのシフトを進めます。さらに、これまで培ってきた培養技術を応用し、新たな事業領域への展開を目指し、持続的な成長に取り組んでいきます。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 業績全般の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は、次のとおりです。① 経営成績の状況 当連結会計年度(2025年7月1日~2026年6月30日)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善、インバウンド消費の増加等を背景に、景気は総じて緩やかな回復基調で推移しました。一方で、原材料や資材価格の高止まりに加え、エネルギー価格の上昇や円安の進行、米国の関税政策や世界的な地政学リスクの高まりなど、外部環境は不透明な状況が続きました。また、物価上昇の長期化に伴う実質賃金の伸び悩みから、節約志向や生活防衛意識は根強く、個人消費の回復には足踏みがみられる状況となりました。 食品業界においては、コスト上昇に対応した価格改定や商品規格の見直しが継続されるなか、上記のような消費者心理を背景として、当社グループを取り巻く経営環境は依然として厳しい状況が続きました。 このような状況のもと、当社グループでは、“ICHIMASA30ビジョン”(2045年度のありたい姿)を目指し、2021年7月から2026年6月までの第二次中期経営計画の最終年度として、“国内外のマーケットへの果敢なチャレンジを通じ、事業の成長力・収益力基盤を確立し、ファーストステージ「成長軌道への5年」を確実に実現する。”ことを基本方針に経営課題に取り組んできました。また、地球環境の維持は企業活動の持続的な成長・発展のためには不可欠であり、「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)」の達成を目指し、当社グループもステークホルダーの皆さまと協働しながらサステナブルな課題の解決に取り組んでいます。以上により、当連結会計年度の売上高は355億42百万円(前連結会計年度比9億63百万円(2.8%の増加))、営業利益は6億11百万円(前連結会計年度比2億79百万円の減少)、経常利益は5億29百万円(前連結会計年度比3億77百万円の減少)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は3億26百万円(前連結会計年度比4億20百万円の減少)となりました。 セグメントの状況は、次のとおりです。(水産練製品・惣菜事業) 売上高は、2025年3月1日納品分より実施した価格改定による販売価格の上昇に加え、主力であるスティックタイプのカニかまを中心とした販売数量が伸長しました。また、節約志向や内食需要が継続するなか、価格面と汎用性に優れたはんぺん商品群も堅調に推移し、加えて、おせち商品についても、「国産原料100%」の高品質商品である「純」シリーズが伸長したことから、増収となりました。 利益は、生産性向上や継続的なコスト削減に努めたものの、主原料であるすり身をはじめとする原材料費や労務費の上昇による影響が大きく、減益となりました。以上の結果、売上高は313億18百万円(前連結会計年度比8億48百万円(2.8%)の増加)、営業利益は7億51百万円(前連結会計年度は10億7百万円の営業利益)となりました。(きのこ事業) 売上高は、天候不順による野菜の生育不良の影響が限定的であったことに加え、新規顧客の開拓が寄与し、増収となりました。 販売価格は、在庫管理の徹底により前年同期を上回りました。また、販売数量は、残暑の影響により鍋需要の立ち上がりが遅れたものの、需要期における大容量パックの販売拡大により前年同期を上回りました。 利益は、原材料価格、労務費及びエネルギー価格等の高騰が継続したものの、包装部門における合理化・省人化によるコスト削減や生産効率の向上に努めた結果、赤字幅が縮小しました。以上の結果、売上高は38億94百万円(前連結会計年度比1億25百万円(3.3%)の増加)、営業損失は2億47百万円(前連結会計年度は2億51百万円の営業損失)となりました。 (運送・倉庫事業) 運送部門は、営業活動の強化による収益性の高い自社定期便の新規案件獲得に加え、運賃の適正化を進めたことにより、増収増益となりました。 倉庫部門は、新規入庫案件の獲得に向けた営業活動を継続しましたが、食品関連業界における原材料費の高止まり等を背景に、取引先の在庫圧縮傾向が続きました。このため、当社倉庫における平均在庫量が減少し、保管回転率も低下したことから、減収減益となりました。以上の結果、売上高は3億29百万円(前連結会計年度比10百万円(3.0%)の減少)、営業利益は1億円(前連結会計年度は1億25百万円の営業利益)となりました。 ② 財政状態の状況(資産)当連結会計年度末における資産合計は308億85百万円(前連結会計年度末比4億72百万円の増加)となりました。これは主に有形固定資産の償却進行による減少の一方、製品及び商品並びに売掛金の増加によるものです。(負債)当連結会計年度末における負債合計は158億50百万円(前連結会計年度末比3億45百万円の増加)となりました。これは主に長期借入金及びリース債務の減少の一方、買掛金及び短期借入金並びに1年以内返済予定の長期借入金の増加によるものです。(純資産)当連結会計年度末における純資産合計は150億35百万円(前連結会計年度末比1億26百万円の増加)となりました。これは主に配当金の支払いの一方、親会社株主に帰属する当期純利益の計上によるものです。なお、自己資本比率は、総資産増加に伴い0.3ポイント減少の48.8%から48.5%になりました。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)残高は、前連結会計年度末に比べ1億95百万円増加して12億56百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によって獲得した資金は22億85百万円(前連結会計年度末は16億15百万円の獲得)となりました。これは主に棚卸資産の増加額4億53百万円並びに売上債権の増加額2億8百万円の一方、税金等調整前当期純利益5億5百万円及び減価償却費18億82百万円の計上によるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によって支出した資金は17億65百万円(前連結会計年度末は25億91百万円の支出)となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入86百万円の計上の一方、有形固定資産の取得による支出18億32百万円によるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によって支出した資金は3億30百万円(前連結会計年度末は11億37百万円の支出)となりました。これは主に長期借入れによる収入27億円の一方、長期借入金の返済による支出27億9百万円及び配当金の支払額2億59百万円によるものです。(キャッシュ・フロー関連指標の推移) 2022年6月期2023年6月期2024年6月期2025年6月期2026年6月期自己資本比率(%)54.844.346.248.848.5時価ベースの自己資本比率(%)59.044.844.844.845.2キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)3.1―2.06.24.4インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)72.8―89.419.118.8 (注)自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しています。2 株式時価総額は、期末時価終値×期末発行済株式数(自己株式数控除後)により算出しています。3 キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しています。 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。 また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。4 2023年6月期の「キャッシュ・フロー対有利子負債比率」及び「インタレスト・カバレッジ・レシオ」については、営業キャッシュ・フローがマイナスのため、記載していません。 ④ 生産、受注及び販売の実績 a. 生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年7月1日至 2026年6月30日)前年同期比(%)金額(千円)水産練製品・惣菜事業31,515,977103.6きのこ事業3,916,511104.3運送・倉庫--合計35,432,488103.7 (注) セグメント間取引については、相殺消去しています。 b. 受注実績(水産練製品・惣菜事業、きのこ事業)見込生産を行っているため、該当事項はありません。(運送・倉庫)該当事項はありません。 c. 販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年7月1日至 2026年6月30日)前年同期比(%)金額(千円)水産練製品・惣菜事業31,318,040102.8きのこ事業3,894,785103.3運送・倉庫329,58697.0合計35,542,412102.8 (注) セグメント間取引については、相殺消去しています。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、本文における将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものです。① 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度の売上高は355億42百万円(前連結会計年度比9億63百万円の増加)となりました。なお、売上高等の詳細については、「(1)業績全般の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載しています。売上総利益は生産効率向上や省人化によるコスト削減を実施した一方、原材料の価格上昇及び賃上げ影響による労務費の増加したことにより前連結会計年度から3億70百万円の減少、配送コストの上昇やベースアップに伴う給与の増加の一方、周年企画や価格改定による減少を抑えるための販売促進企画などの減少もあり販管費91百万円が減少し、営業利益は6億11百万円(前連結会計年度比2億79百万円の減少)となりました。営業利益に受取手数料などの計上の一方、支払利息や為替差損を計上したことにより経常利益は5億29百万円(前連結会計年度比3億77百万円の減少)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益に投資有価証券売却益の計上の一方、減損損失及び固定資産の除売却損を計上したことにより3億26百万円(前連結会計年度比4億20百万円の減少)となりました。 ② 財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容財政状態の状況の分析・検討内容については、「(1)業績全般の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載しています。 ③ キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)業績全般の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しています。 ④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報 a. 資本政策の方針当社グループは、企業価値の継続的な向上を目指し、収益基礎の強化、生産設備等への投資を行っていきますが、これらの資金が効率的かつ安定的に調達されるよう、株主資本と負債のバランスを適切な水準に維持します。その際、株主資本の水準については、資本の効率性とともに、事業にともなうリスクに対して十分なレベルであることなどを考慮して決定します。 b. 資金需要の動向当社グループの運転資金需要は、製品製造のための原材料費、労務費、経費及び販売活動等のための販売費、人件費、その他経費等です。設備投資需要は、製品製造のための建物及び生産設備等への設備投資です。 c. 資金調達の方法及び状況当社グループの資金調達は、主に営業キャッシュ・フローを財源とする自己資金に加え、銀行等金融機関からの資金調達を有効に活用しています。銀行等金融機関からの資金調達については、設備資金及び長期運転資金は長期借入及び社債発行を基本とし、それ以外の主に営業取引に係る短期資金は、短期借入を基本としています。また、長期性の資金調達に際して、調達コストの低減に努める一方、過度な金利変動リスクに晒されないよう金利の固定化を図るとともに、自己資本比率、ROE、ROICといった財務指標への影響度等を総合的に勘案したうえで、最適な資本構成を目指して実施しています。 d. 資金の流動性流動性に関しては、事業活動に必要な水準の手元流動性を確保するため、金融機関とシンジケート形式によりコミットメントライン契約、当座貸越契約の締結により資金調達の十分な流動性を確保しています。 ⑤ 重要な会計方針の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。連結財務諸表の作成に当たり、資産、負債、収益及び費用の報告に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は、実際の結果と異なる可能性があります。 当社グループの連結財務諸表で採用した重要な会計方針は、「第5 [経理の状況] 1 [連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表] [注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載していますが、次の重要な会計方針は、連結財務諸表における見積りの判断に影響を及ぼすものと考えています。a.固定資産の減損 当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価に当たり、事業等を基礎としてグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上することとしています。 固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の見積りに重要な変更があった場合、固定資産の減損損失が発生する可能性があります。b.棚卸資産の評価 当社グループは、棚卸資産の評価について、商品及び製品、仕掛品は総平均法による原価法により算定し、原材料は個別法による原価法により算定しており、貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定額を計上しています。 ⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 [事業等のリスク]」に記載しています。
事業リスク
- 国内人口減少と市場縮小日本の少子高齢化による人口減少は、食品市場全体の縮小を招き、競争激化やシェア低下により業績に悪影響を及ぼす可能性があります。これに対し、新商品開発やSNSを活用した若年層へのアプローチ、海外市場開拓で対応しています。
- 原材料調達と価格変動主要原材料であるスケソウダラのすり身は漁獲規制や国際需要増加、為替変動で価格が高騰するリスクがあります。また、副材料も天候不順や感染症で供給不足や価格上昇の可能性があり、これが収益を圧迫する可能性があります。
- 物流網の脆弱性と災害ドライバー不足や倉庫作業員不足、高齢化により物流の供給力が低下するリスクがあります。また、異常気象や地震などの災害による交通遮断も、製品供給に影響を与え、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがありますが、これらに限られるものではありません。なお、文中の将来に関する事項については、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (1)社会リスク① 国内人口減少に係るリスク 国内では少子高齢化が加速しており、今後も長期的な人口減少に伴う市場規模の縮小が予想されます。これに加え、世帯構成や食生活の変化によって当社グループの商品カテゴリーに対する需要が減少した場合、販売数量や市場シェアが低下し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(リスクへの対応)当社グループは、消費者ニーズやライフスタイルの変化を迅速に捉え、既存事業領域にとらわれない近接する新たな事業領域における商品開発を推進するとともに、新たな食シーンや消費機会の創出に取り組んでいます。また、継続的な商品リニューアルを通じて付加価値を向上させる取組みも行っています。さらに、お取引先さまとの緊密なコミュニケーションによる未導入商品の拡販、若年層・若年家族層に向けたSNS等を活用した情報発信及び購買機会の拡大に取り組んでいます。同時に、海外市場の開拓を進め、国内市場の縮小に左右されにくい事業基盤の構築に力を入れています。 ② 温暖化・気候変動に係るリスク 当社グループは、地球環境の維持が最も重要な課題であるとの認識のもと、「ESG経営宣言」及び「環境方針」を定め、地球温暖化の防止と循環型社会の実現に向けて取組みを行っています。しかしながら、将来的に気候変動のリスクを緩和するために、当社グループの取組みを超えた環境規制強化、カーボンプライシングの導入、環境負荷に対する課金が行われた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(リスクへの対応) 当社グループは、TCFDの提言への賛同を表明しており、CO2排出量の削減を指標・目標として明示することにあわせ、環境コストの経営に対する影響を多角的な視点からシミュレーションしながら取り組んでいます。生産プロセス及び設備の効率向上、必要なエネルギー使用量の削減を通して、コスト削減と環境への負荷軽減を同時に実現することや太陽光発電システムなどの再生可能エネルギー由来電力などの持続可能なエネルギー利用に関する最新技術の導入を進めています。 ③ お客さまニーズに係るリスクお客さまニーズの変化は、市場環境や競争状況に大きな影響を及ぼす要因の一つであり、常にお客さまの要求や嗜好が変化しており、この変化に対応できないことで当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(リスクへの対応)当社グループは、お客さまニーズやトレンドを把握するために、継続的な市場調査と競合分析を実施しています。2024年7月にマーケティング開発本部を設置し、お客さま視点を起点に、マーケティング・技術研究・商品開発を一気通貫で推進する体制を構築しました。これにより、持続的な成長に向けた全社横断的な連携を強化するとともに、ニーズの変化や新たなトレンドをこれまで以上に迅速に捉え、近接カテゴリーの開拓、商品の付加価値向上および配荷拡大につなげています。 ④ 流通の変化に係るリスク当社グループの商品は、総合スーパー、食品スーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストア、ディスカウントストアや業務用のルートなどを通してお客さまにお届けしています。これらの業界動向やお取引先さまの経営状態、販売政策等の変化が、当社グループ商品の販売機会や販売価格に影響を及ぼす可能性があります。(リスクへの対応)当社グループは、POSデータの分析やお取引先さまの店舗への巡回訪問等を通じて販売状況を把握し、個々のお取引先さまにとって有益な未導入商品の拡販や魅力的な売場づくりを提案しています。また、業態・チャネル別のデータ分析で販売ノウハウを蓄積し、販売戦略の最適化に努めています。こうした様々な取組みを通して、変化する流通市場環境に適応し、販売機会の最大化と競争力の向上を図っています。 ⑤ 物流に係るリスク当社グループは、国内の生産拠点で製造した商品を、総合スーパー、食品スーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストア等へ、主としてトラックにより輸送しています。物流業界では、ドライバーおよび倉庫内作業者の不足、高齢化が深刻化しており、物流の供給力が低下した場合、配送遅延や配送能力の制約が生じ、商品の安定供給に支障を来す可能性があります。その結果、販売機会の逸失や物流コストの増加等を通じて、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、物流に関する法令・制度の改正に伴い、荷待ち・荷役時間の短縮、積載効率の向上及び物流管理体制の整備等への対応が必要となることで、物流コストの増加や業務負担が発生する可能性があります。(リスクへの対応)当社グループは、各地に設置した物流拠点を中核として、効率的な物流網の構築を進めています。また、パレット輸送や鉄道コンテナ輸送等を活用し、物流供給力の低下リスクへの対応と持続可能な物流体制の構築に努めています。加えて、物流関連法令・制度の改正動向を継続的に把握し、積載効率の向上、荷待ち・荷役時間の短縮、配送ルート及び納品条件の見直しを進めるとともに、必要に応じて配送体制、業務運用及び物流委託条件等を見直すことで、法令遵守と安定供給の両立を図っています。 ⑥ 海外事業に係るリスク当社グループは、国内で製造された商品の輸出やインドネシアの連結子会社における水産練製品の製造販売など、海外事業を展開しています。しかしながら、輸出先やインドネシア国内等の経済状況や政治的な動向、食品の安全性に関する問題、法律や規制に関する課題など、予期せぬ事態が発生することにより事業展開が計画通りに進行しない可能性があります。こうした事態が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(リスクへの対応)当社グループは、世界各地の経済や政治的な動向を継続的に把握し、食品規制の変更などの情報を収集し、市場分析を通して経営戦略・戦術を策定しています。また、インドネシアの連結子会社においては、海外での会社運営や製造に精通した人材を派遣することにより、現地にて適切に事業を運営しています。さらに、継続的なミーティングにより意思疎通を図り、営業推進とリスク対応の両面から事業の管理体制を強化しています。 ⑦ 感染症のリスク新型コロナウイルス感染症は、2023年5月に感染症法上の5類に移行し、現在は国や自治体による一律の行動制限は行われていません。しかしながら、今後も新たな感染症の流行や、既存の感染症の再拡大により、当社グループの従業員やその家族の健康に影響が生じる可能性があります。当社グループ内で感染症が広がった場合には、工場の操業停止、サプライチェーンの混乱、営業活動の停滞等が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(リスクへの対応)当社グループは、世界保健機関、厚生労働省等の公的機関が発信する情報を継続的に収集し、必要に応じて社内へ周知しています。また、感染症の発生状況に応じて、時差出勤、在宅勤務、衛生管理の徹底等の対策を講じ、従業員とその家族の安全確保を最優先に、事業継続体制の維持に努めています。 (2)経営リスク① 原材料、副材料等の調達に係るリスク当社グループは、国内外から原材料、副材料のほか、設備やその部品等を調達しています。主要な原材料であるスケソウダラを中心としたすり身は、水産資源の保護を目的とした漁獲規制の強化や国際的な需要増加、為替変動などによって価格が上昇する可能性があります。また、多くの副材料を国内外から調達しており、主要産地での温暖化にともなう天候不順による農産物の不作や鳥インフルエンザなどの様々な感染症の発生等により、供給不足や価格上昇が発生する可能性があります。さらに、生産設備や設備部品の調達においても、世界的な半導体不足は落ち着きを見せつつあるものの、深刻さを増す人手不足による納入期間の長期化などにより、一時的な生産停止や調達価格の上昇が考えられます。これらが将来的に当社グループの想定を超える場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(リスクへの対応)当社グループは、すり身については常に市況情報を把握し、適切な価格やタイミングで購入することや、様々な魚種や漁場、また購買先を分散化することによりリスクを低減するとともに、代替材料の検討を進めながら安定調達体制の強化に努めています。 副材料についても、購買先の分散化や副材料の種類を減らすことで調達リスクの軽減を図っています。また、生産設備等に関しても、納期の長期化を想定した前倒しでの設備導入計画の策定や予備部品の確保等により、生産の安定性を確保しています。 ② 価格競争に係るリスク当社グループが提供する水産練製品やきのこ類などの主力商品には、複数の競合先があります。競合他社との競争が激化しており、この競争激化が価格の下落などの影響を及ぼす可能性があり、その結果、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(リスクへの対応)当社グループは、独自技術の開発や機能性研究を推進し、競合他社と差別化された付加価値の高い商品の開発に取り組んでいます。また、お客さまニーズや市場トレンドを迅速に捉え、新たな食シーンや価値を提案することで、市場において競争力も保ちつつ、価格競争による影響を最小限に抑えることを目指しています。これにより、お客さまにとって魅力的な選択肢を提供し、競合他社との差別化を図っています。また、当社グループの持続可能な社会への取組みをお取引先さま、お客さまに案内することにより、当社グループ商品への支持を得る努力を始めています。こうした取組みを通して競争激化に対応し、業績への影響を軽減することを目指しています。 ③ エネルギー調達に係るリスク当社グループは、水産練製品やきのこ類などの主力商品を製造・生産するために電気及びガスを中心としたエネルギーを必要としており、その多くは海外からの輸入に依存しています。このエネルギー供給国の政治的な不安定性や紛争といった要因によって供給が途絶える可能性や、需給バランスが崩れることにより急激なエネルギー価格の変動が発生するリスクがあります。また、将来的には環境法規制の変更により、特定のエネルギー源の利用が制限される可能性も考えられます。これらのリスクは、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応)当社グループは、生産プロセス及び設備の効率向上に取り組み、必要なエネルギー使用量の削減を通して、コスト削減と環境への負荷軽減を同時に実現する方針を推進しています。また、太陽光発電システムなどの再生可能エネルギーや省エネ技術など、持続可能なエネルギー利用に関する最新技術の導入を進め、環境への配慮とエネルギー調達リスクの軽減を両立させることを目指しています。こうした対策を継続的に検討し、実行していくことで、当社グループはエネルギー調達リスクに対する強固な戦略を展開しています。 ④ 季節変動に係るリスク当社グループの主力事業である水産練製品・惣菜事業及びきのこ事業は、第2四半期連結会計期間において特に売上高と利益が集中する傾向があります。また、おでん具材の揚物や鍋物具材のまいたけは、秋から春先の需要期間における気候や気温の変動に影響を受ける傾向があり、地球温暖化の進行などによって販売機会が減少する可能性があります。こうした要因により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(リスクへの対応)当社グループは、年間を通じて販売を平準化するために、他の四半期連結会計期間においても新たな商品開発や食べ方提案を強化しています。さらに、気候変動や気温の影響を最小限にするために、生産プロセス及び設備の効率性向上や太陽光発電システムなどの再生可能エネルギーや省エネ技術などの持続可能なエネルギー利用に関する最新技術の導入を進めています。こうした対策により、リスクに柔軟かつ効果的に対応する体制整備を行っています。連結業績 売 上 高営業利益又は営業損失(△)金額(千円)百分比(%)金額(千円)当連結会計年度の第1四半期連結会計期間7,433,68520.9△216,982当連結会計年度の第2四半期連結会計期間12,154,01134.21,069,838当連結会計年度の第3四半期連結会計期間8,577,34324.1120,992当連結会計年度の第4四半期連結会計期間7,377,37120.8△361,946合 計35,542,412100.0611,901 (3)オペレーショナルリスク① 人材確保に係るリスク当社グループが持続的に成長していくためには多様かつ優秀な人材の獲得と育成が不可欠です。個々の従業員エンゲージメントが高く、成長できることが、当社グループの持続的成長に繋がると考えています。しかしながら、国内の少子高齢化は加速しており、また雇用の流動性が高まることによって、特に若年層を中心とした人材確保がますます難しくなると予想しています。将来的には、人材確保が困難となる可能性や人材が流出する可能性、そして人材育成が計画通りに進まない可能性が考えられます。これらの状況が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(リスクへの対応)当社グループは、ライフ・ワーク・バランスを重視した取組みや健康経営の推進を通して、従業員が充実した働き方を実現できる環境を整えています。多様な人材が能力を発揮できるような組織の構築や、労働環境の整備・改善による「働きやすい、働きがいのある会社」の実現を目指しています。さらに、新しい働き方(「IWS」いちまさワークスタイル)を「アップデートし続け、常に進化し、成長し続ける働き方」と再定義し、激しい外部環境の変化に適応し、個人と組織が成長していくことを実現する働き方の確立を目指しています。また、職制や職能に応じた全社研修プランにより、誰もが自ら学び成長を実現できる研修環境を整備し、従業員一人ひとりが自らの能力を高め、組織全体の持続的な成長に貢献することを目指しています。また、デジタルトランスフォーメーションやファクトリーオートメーションを進め、少子高齢化社会の人手不足に対応した製造、販売、管理体制を目指しています。 ② 食の安全に係るリスク当社グループは、「安全・安心を基本として、ユーザーに信頼され、愛され、感動される商品・サービスを提供することで、社会になくてはならない企業として貢献します。」との経営理念のもと、食の安全・安心に取り組んでいます。しかしながら、将来において当社グループが販売した商品に品質問題が発生し、健康への危害が生じ、これが拡大することで、当社グループの想定を超えて大規模な商品回収等が発生した場合には、当社グループの社会的信用が損なわれ、企業価値が低下するだけでなく、業績及び財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループ以外でも、食品業界において重大な品質問題が発生した場合、波及的に当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(リスクへの対応) 当社グループは、ISO22000、FSSC22000、GLOBALG.A.P等の認証取得に加えて、生産管理システムの導入を進めることで、トレーサビリティの管理体制を強化しています。さらに、バリューチェーン全体での安全・安心を確保するために、お取引先さまとの協働により商品の安全性を高める様々な取組みを行い、徹底した品質管理体制を構築しています。 ③ 情報セキュリティに係るリスク当社グループは、開発、生産、販売、管理等の業務において、重要な企業情報やお客さま等の個人情報を、社内の情報基盤、クラウドサービス、データセンター等を用いた情報システムで管理しています。しかしながら、システムを構成する機器・ソフトウェアの故障や不具合、自然災害や停電等による情報資産の毀損・消失に加え、近年は、ランサムウェア、標的型攻撃メール、不正アクセス、システムの脆弱性やクラウドサービスの設定不備を悪用した攻撃、委託先やサプライチェーンを起点とする攻撃などが、より巧妙化・高度化し情報戦略やシステム障害が発生する可能性があります。また、生成AI等の新たなデジタル技術の活用に伴う情報管理上のリスクも高まっています。これらの事態が発生した場合、当社グループの事業活動の停止、社会的信用の低下、損害賠償の発生等により、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。(リスクへの対応) 当社グループは、「情報管理関連規程・マニュアル」に基づき、情報セキュリティ対策及び個人情報保護の徹底に取り組んでいます。加えて、サイバーセキュリティリスクの性質・度合いに応じ、専門部署による監視体制の強化、多層防御、アクセス権限管理の厳格化、外部専門機関との連携、委託先を含む管理体制の強化、従業員への定期的な教育・訓練等の対策を講じています。引き続き、事業環境や脅威動向の変化を踏まえ、継続的に対策を見直し、情報漏えいやシステム障害等のリスクの低減に努めています。 ④ 法的規制変更に関連するリスク 当社グループは、食品衛生法、製造物責任法、不当景品類及び不当表示防止法、労働基準法、環境法令などの規制や海外進出先の現地法令などを遵守しながら事業活動を展開しています。しかしながら、将来的に予測不可能な法的規制の新設や変更があった場合、企業活動に制約が生じる可能性があります。また、法令違反や社会的要求に反する行動によって処罰を受けた場合、企業活動の制限や対応コストの増加、当社グループの社会的信用が損なわれ、企業価値の低下が考えられ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(リスクへの対応)当社グループの「行動規範」に基づいて、国内外の法令の遵守、人権の尊重、公正な取引などに取り組んでいます。リスク管理の統括部門であるリスク統括室と各担当部門が連携し、関連法令の遵守に努力しています。また、従業員向けの定期的なコンプライアンス研修や「コンプライアンスの手引き」の配布などを通して、法令遵守の徹底を促しています。これにより、法的規制変更によるリスクに対応するだけでなく、組織全体で法令遵守を徹底する企業文化を醸成し、企業価値の維持・向上と業績・財政の安定を図ることを目指しています。 (4)財務リスク① 保有資産の減損に係るリスク当社グループは、事業運営に使用するための固定資産や有価証券を保有しています。しかしながら、これらの保有資産から生じる将来の収益性や資産価値に変化が生じ、減損処理が必要とされる場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (リスクへの対応)当社グループは、経営会議において経済的合理性を検証した投資や保有の判断を行っています。また、これらの投資や保有については実施後も継続的にモニタリングを行い、変動する経済動向や市場状況に適切に対応しています。これにより、保有資産の価値変動によるリスクを最小限に抑え、業績及び財政状態の安定を維持する努力をしています。 ② 金利・為替変動リスク国内外の金融政策、景気・物価動向、政局及び地政学的要因等により、金利及び為替は大きく変動する可能性があります。当社グループの想定を超えて金利が上昇した場合には、借入金等に係る支払利息や資金調達コストが増加する可能性があります。また、為替が大きく変動した場合には、外貨建ての売上高、仕入高及び海外子会社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。特に、円安が進行した場合には、輸入原材料等の仕入価格が上昇し、収益が圧迫される可能性があります。(リスクへの対応)主に日本、米国の景気や物価、金融政策、為替、海外の金利、株価などの金利・為替変動要因を継続的に注視しながら、常に対応を検討しています。今後、金利が大きく上昇することが確実に見込まれる、あるいは為替が大きく変動し、過度な円安が進行し、当社グループの収益に影響を及ぼすことが見込まれる状況においては、金利・為替をリスクヘッジすること等により、影響を軽減することも考えています。 (5)災害・事故リスク① 自然災害等に関するリスク当社グループは、本社を含め、国内に7つの生産拠点、1つの栽培センター、4支社、8支店を有し、また、連結子会社を国内外に各1社有しています。これらの施設は、地震、台風等の大規模自然災害、または地球温暖化の進行等に伴う局地的かつ甚大な豪雨災害の影響を受ける可能性があります。このような災害が発生した場合、管理部門の機能停止、工場の生産設備の被災、サプライチェーンの寸断、営業活動の制限等により、当社グループの事業活動が広範囲にわたり停止する可能性があります。また、生産拠点において大規模火災等の事故が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(リスクへの対応)当社グループは、「事業継続計画(BCP)」及び「自然災害対応マニュアル」に基づき、迅速な対策本部の設置及び全社的な対応体制の構築を行っています。加えて、定期的な避難訓練の実施、従業員安否確認システムの活用による安全確認、クラウドサービス及びデータセンターの活用による情報システムの保全等、危機管理体制の整備に取り組んでいます。さらに、生産設備の定期点検及び老朽化設備の更新を実施し、大規模事故の発生防止に努めております。また、災害等の緊急事態においても安定した供給・物流機能を維持するため、これらの機能を東西2拠点に分散配置し、相互補完体制を整備しています。