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アステリア(3853)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • ソフトウェア開発と販売: アステリアグループは、「ソフトウェアで世界をつなぐ」というコンセプトのもと、企業の情報システムやクラウドサービス、デジタル機器などを連携させるソフトウェアの開発と販売を行っています。特定の企業向けの受託開発ではなく、不特定多数の企業が利用できるパッケージ製品やクラウドサービスを提供することで収益を得ています。これにより、幅広い顧客層にサービスを提供し、安定的な収益基盤を構築しています。
  • データ連携ミドルウェア: 主力製品である「ASTERIA Warp」は、企業内外の様々なシステムやクラウドサービス間のデータ連携を簡単かつ迅速に実現するノーコードのミドルウェアです。ライセンス販売とサブスクリプション(月額・年額課金)による利用料、およびサポート(保守)サービスが主な収益源となっています。累計導入企業数は11,000社を超え、多くの企業で利用されています。
  • サブスクリプションモデルの推進: 「Platio」「Handbook」「Gravio」「AIoT Suite」「Artefacts」といった新製品や主力製品の一部は、サブスクリプション型で提供されています。これにより、顧客は初期費用を抑えてサービスを利用でき、アステリアグループは継続的な収益を確保し、業績の安定化を図っています。サブスクリプションモデルは、顧客との長期的な関係構築にも寄与します。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • ソフトウェア事業: このセグメントは、アステリアグループの中核をなす事業で、企業の情報システムやクラウドサービス、デジタル機器などを「つなぐ」ためのソフトウェアの開発と販売を行っています。主力製品としてデータ連携ミドルウェア「ASTERIA Warp」やモバイルアプリ作成ツール「Platio」、AI搭載IoT統合エッジウェア「Gravio」などがあり、これらが主な収益源となっています。特に「ASTERIA Warp」はライセンスとサブスクリプション、サポート売上で構成され、他の製品はサブスクリプション型で提供されています。
  • 投資事業: このセグメントは、米国に拠点を置く100%子会社であるAsteria Vision Fund Inc.(AVF)が管理する投資活動を行っています。AVFは、ソフトウェア事業の研究開発投資対象である「4D」(Data, Device, Decentralized, Design)に特化して投資を行っており、単なる投資リターンだけでなく、中長期的なシナジー(相乗効果)も重視しています。これにより、将来的なソフトウェア事業の強化や新たな技術獲得を目指しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|4,503 文字
3【事業の内容】 当社グループは、1998年の創業以来「ソフトウェアで世界をつなぐ」をコンセプトに、ソフトウェア技術とインターネット技術を中核とした様々な「つなぐ」ニーズに応えるソフトウェアの開発と販売およびそれに付帯する事業を行っています。 (1)当社グループの事業内容について 当社グループは、企業情報システム、クラウドサービス、デジタル機器などを「つなぐ」ためのソフトウェアを開発し、市場に提供しています。その中でも、当社グループは個別の企業向けのソフトウェア開発を行う「受託開発」ではなく、不特定多数向けのパッケージソフトウェアやクラウドサービスを提供する「製品開発」を行っています。当社グループの事業は、「ソフトウェア事業セグメント」、「投資事業セグメント」の2つの事業で構成されます。〔ソフトウェア事業〕 本事業は、3つの主力製品と、新たな領域に向けた新製品・新サービスで構成されます。 <3つの主力製品> ・データ連携ミドルウェア※「ASTERIA Warp」(アステリア ワープ)シリーズ ・デジタルコンテンツプラットフォーム「Handbook」(ハンドブック)シリーズ ・モバイルアプリ作成ツール「Platio」(プラティオ)シリーズ <新領域の製品・新サービス> ・ドラッグ&ドロップ操作のノーコード アプリ開発ツール「Click」 ・フィジカルAI領域のAI搭載IoT統合エッジウェア「Gravio」(グラビオ) ・ロボット開発環境シミュレーション・プラットフォーム「Artefacts」(アーテファクツ) ・ステーブルコイン決済ゲートウェイ「JPYC Gateway」 ・生成AI導入支援コンサルティングサービス「AI活用変革センター」(AITUC) 「ASTERIA Warp」の売上は、主としてライセンス※とサブスクリプション※で構成されるソフトウェアの利用対価売上とサポート(保守)売上によって構成されています。「Handbook」、「Platio」、「Platio Canvas」、「Click」、「Gravio」、「Artefacts」および「JPYC Gateway」の売上は、サブスクリプション型です。「AI活用変革センター」は、コンサルティング・トレーニングの対価による売上です。〔投資事業〕 投資事業は、米国に拠点を置く100%子会社Asteria Vision Fund Inc.(以下AVF)が管理する投資を行っています。AVFの投資対象は、ソフトウェア事業の研究開発投資対象である「4D」(Data, Device, Decentralized, Design)に絞り、単なる投資リターンのみならず中長期的なシナジーも企図した投資を実行しています。 (2)当社グループの主要なソフトウェア製品 ①「ASTERIA Warp」(アステリア ワープ)シリーズ 当社グループの主力ソフトウェア製品「ASTERIA Warp」は、当社グループが独自に設計・開発を行ったノーコード企業向けデータ連携用ミドルウェア製品で、汎用のデータ連携機能をパッケージで提供することにより企業内外に存在するシステム間のデータ連携を簡単・迅速に実現する製品です。企業内外のデータ連携、クラウドサービスとのデータ連携などの用途に使われており、国内EAI/ESB市場において19年連続シェアNo.1(テクノ・システム・リサーチ「2025年ソフトウェアマーケティング総覧 EAI/ESB市場編」)を獲得し、累計導入企業数は10,000社を超えています。 ②「Handbook」(ハンドブック)シリーズ 「Handbook」シリーズの最新版「Handbook X」は、従来販売してきた「Handbook」の次世代版として2022年2月に提供を開始したデジタルコンテンツプラットフォームです。スマートデバイス(スマートフォンやタブレット)上で稼働する「アプリ」だけで稼働し、PDF、写真、動画、Webサイトなど多種多様な情報を「ブック」と呼ぶ単位で登録・整理・配信・共有することができます。多様化する働き方や営業現場の変化に対応する商談支援・情報共有アプリとして、多くの企業・団体で活用されています。 ③「Platio」(プラティオ)シリーズ 「Platio」は、ノーコードでモバイルアプリを手軽に短期間で作成することができるサービスです。「Platio」は、アプリを開発するクラウドサービス「Platio Studio」と、アプリを配布実行する「Platioアプリ」で構成されています。「Platio Studio」は、豊富なテンプレートと柔軟なカスタマイズ機能に加えてAIでアプリを生成する「AIアシスタント」機能を備えており、業務現場に適したモバイルアプリを簡単に制作できます。 「Platio Connect」は、「Platio」にデータ連携機能を加えた製品で、モバイルアプリと既存の社内システムやクラウドサービスと連携が可能です。 「Platio One」は、ユーザー企業が制作したアプリを再販売できる製品です。 「Platio Canvas」は、エンタープライズ企業の大規模・複雑な開発ニーズに応える、ノーコードアプリ開発プラットフォームです。システム開発におけるスピード、柔軟性、セキュリティ、拡張性を高次元で両立し、社内業務の効率化からBtoC向けアプリ開発まで幅広く対応します。 ④「Click」(クリック) 「Click」は、プログラミング不要で、ドラッグ&ドロップによる直感的な操作でアプリを作成・運用できるクラウド型のノーコードアプリ開発ツールです。数日でリリースできるスピードと高い自由度により、社内DXの推進や新規サービスの立ち上げを支援します。 ⑤「Gravio」(グラビオ) 「Gravio」は、AIを搭載し、様々な現場でのセンサーやカメラの効率的なデータ収集と活用をノーコードでシンプルに実現することのできるエッジコンピューティング※用データ連携ツールです。複数現場の様々な情報をノーコードで収集・統合し、クラウド活用や各種サービスへの連携までをワンストップで実現します。既存のPC運用における知見や情報リソースを最大限に活かしながら、先進のIoTソリューションを手軽に実現し、運用、管理、保守が容易でかつ高いセキュリティを実現しています。 ⑥「Artefacts」(アーテファクツ) 「Artefacts(アーテファクツ)」は、ロボットアプリケーション向けの継続的シミュレーションプラットフォームです。物理的な環境を用意せずに、初日からバーチャル環境での稼働テストを実現でき、開発期間やコストを大幅に削減します。特に宇宙空間や大型建築物など再現が難しい環境でのシミュレーションに適しており、開発工数を98%以上、コストを50%以上削減、期間は数ヶ月から最短1日へ短縮可能です。 ⑦「JPYC Gateway」(ジェイピーワイシー ゲートウェイ) 「JPYC Gateway」は、円建てステーブルコイン「JPYC」を企業の財務・会計フローに組み込むための、ブロックチェーン技術を意識させずに利用できる企業向け決済インフラです。既存の企業システムとWeb3/ステーブルコインによる新しい決済の世界を「つなぐ」ことで、企業のデジタル金融への対応を支援します。 ⑧AI活用変革センター(AITUC) 「AI活用変革センター(AITUC)」は、生成AIのビジネス活用や自社専用の生成AIシステムの構築を支援するAI導入支援コンサルティングサービスです。AIエンジニアの育成から、AIシステムの導入・運用までをトータルにサポートし、企業におけるAI活用の実効性を高めます。 (事業系統図) 〔用語解説〕 ここに示す用語解説は、本書内で使用する用語の意味を説明するものであり、必ずしも一般的な用法用例を包含するとは限りません。用語解説・定義DX〔Digital Transformation〕デジタル技術やサービスによってビジネスや生活をより良い方向に変革すること。IoT〔Internet of Things〕インターネットに接続されるあらゆる「モノ」。アプリ〔Application〕元来アプリケーションの略語だが、現在は特にスマートフォンやタブレットのアプリケーションを指す。エッジウェア〔Edgeware〕エッジコンピューティング用のミドルウェア。クラウドに接続することなくエッジのみでも稼働する。(当社の造語)エッジコンピューティング〔Edge Computing〕コンピュータネットワークの周縁(エッジ)部分でデータを処理する分散コンピューティングの概念。クラウド〔Cloud〕企業が、ハードウェアやソフトウェアの資産を自前で持たずにインターネット上に存在するハードウェアやソフトウェアを必要に応じて利用する形態。サブスクリプション〔Subscription〕商品やサービスを月額(年額)課金で提供する形態。一括支払(売り切り)となるライセンス版とは対称的に、利用料金が継続的に計上されるので、サブスクリプションの販売比率が高まることで業績の安定化を図ることができる。スマートデバイス〔Smart Device〕スマートフォンをはじめ、タブレット型コンピュータなど、キーボードを持たない高性能モバイル・コンピュータ。必ずしも電話機能を持つ必要はない。ステーブルコイン〔Stablecoin〕法定通貨(円・米ドル等)などに価値を裏付けられ、価格変動を抑えるように設計されたデジタル通貨。ブロックチェーン上で発行・流通する。生成AI「ジェネレーティブAI(Generative AI)」とも呼ばれるAI(人工知能)の一種。AIを用いてクリエイティブな成果物を生み出すことができるのが特徴。ノーコード〔No code〕ソースコードを書かなくてもソフトウェアやアプリ等の開発・作成ができる仕組み。プログラミング言語に関する専門知識がなくても手軽に取扱うことができる。ブロックチェーン〔Blockchain〕ビットコインの取引を記録する仕組みとして生み出されたデータ管理基盤。一定の記録を格納したブロックが鎖のように幾重にも連なっていることからこの名称がつけられた。分散して存在する複数のコンピュータ(ノード)が同じデータを保管して相互に通信しながら管理されるので、一度登録されたデータは改ざんできないことが最大の特長。金融領域以外でも、公正な履歴の担保が求められるトレーサビリティなどのテーマでも利活用が期待されている。ミドルウェア〔Middleware〕複数のソフトウェアの中間に位置し相互の連携を司るソフトウェア。ライセンス〔License〕月額課金等で継続的な支払いが必要になるサブスクリプションとは対称的に、ソフトウェアなどを一括支払(売り切り)で販売する形態。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
ノーコード企業向けデータ連携用ミドルウェア「ASTERIA Warp」は累計導入企業数11,000社超。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
ソフトウェア業界の技術革新のスピードが速く、常に技術革新に適合した魅力的な新製品をタイムリーに開発する能力。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 軽い(資本不要)
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 低い
会社が挙げる主要リスク:海外事業展開におけるカントリーリスクと為替変動リスク / 技術革新への不適合による新製品開発の遅れ / 投資・M&Aにおける期待効果未達や減損処理
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 2 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

アステリアは、特定の強力なブランド、特許ポートフォリオ、または規制ライセンスによる明確な無形資産の優位性は見られない。ソフトウェア開発企業としてIPは存在するが、競合他社との差別化が明確に示されていない。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

同社の主力製品である「Platon」は、ローコード開発プラットフォームであり、一度導入するとシステム連携やデータ移行に一定のコストと手間が発生する可能性がある。しかし、競合製品も多く、乗り換えコストが極めて高いとは言えない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

アステリアの事業モデルには、ユーザー数の増加がサービスの価値を指数関数的に高めるようなネットワーク効果は、現時点では確認できない。プラットフォームとしてのエコシステム形成は限定的である。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

ソフトウェア開発・販売事業であり、製造業のような規模の経済による圧倒的なコスト優位性を築くことは難しい。価格競争力よりも機能性やサポートが重視される傾向がある。

  • ノーコード技術による開発効率: アステリアグループの主力製品「ASTERIA Warp」や「Platio」は、ソースコードを書かずにソフトウェアやアプリを開発できる「ノーコード」技術を採用しています。これにより、専門知識がない担当者でも短期間でデータ連携やモバイルアプリ作成が可能となり、企業の開発コスト削減と業務効率化に貢献しています。この手軽さが、幅広い企業に導入される要因となっています。
  • 多様な「つなぐ」ニーズへの対応: 企業情報システム、クラウドサービス、デジタル機器など、様々なデジタル情報を「つなぐ」ための幅広い製品ラインナップを提供しています。データ連携ミドルウェアの「ASTERIA Warp」から、モバイルアプリ作成ツールの「Platio」、AI搭載IoT統合エッジウェアの「Gravio」まで、企業の多様な課題解決に対応できる点が強みです。これにより、顧客の様々なニーズに応え、市場での競争力を高めています。
  • 累計導入実績と顧客基盤: 主力製品「ASTERIA Warp」は、累計導入企業数が11,000社を超える実績を持っています。この豊富な導入実績は、製品の信頼性と市場での評価を示すものであり、新規顧客獲得における強力なアピールポイントとなります。また、既存顧客からの継続的な利用やアップセル・クロスセルにも繋がり、安定した収益基盤を形成しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針 当社グループは、「世界で通用するソフトウェアを開発し提供する」ことを使命(ミッション)としています。そのために、当社グループ自体が「『つなぐ』エキスパート」として社会的な価値を生み出し、社会に貢献することを目指しています。 また、当社グループは「『売上収益』は当社グループが社会に生み出した価値、『利益』は当社グループが生み出した価値と消費した価値の差分」との考え方を基本に、社会的価値の提供を通じて企業価値の増大に努めてまいります。(2)経営環境、戦略 当社グループは、創業時より「世界で通用するソフトウェアを開発し提供する」ことを事業のミッションとして掲げています。世界で通用するソフトウェアとは、米Microsoft社や米Google社のソフトウェアなど世界の大半の国や地域で使われるソフトウェア(サービス含む)を指し、当社グループはかかるミッションの実現のためのソフトウェアの開発と販売を基本的な事業としています。当社グループは、顧客からの注文に基づく受託開発ではなく、独自の製品を自ら企画開発して提供する事業形態であるために、市場やニーズの変化に先行して製品化を行う必要があり、そのために将来有望な新規技術に関する研究開発が必要です。そして、このような研究開発には先行投資が必要となります。当社グループがこれから世界市場での展開をより具体化させていくにあたり、研究開発のスピードも競合他社と同等又はそれ以上のものが必要となるため、以下に記載の重点技術領域における、現行製品・サービスの次世代版、ブロックチェーン、フィジカルAIなどに関連する製品化を推進しています。 当社グループは、これからの投資分野として4つの”D”「Data(データ)」、「Device(デバイス)」、「Decentralized(分散化)」及び「Design(デザイン)」の領域を対象とすることとしています。クラウドをベースとしたビジネス基盤が構築される現代において、当社グループがこの4つの”D”を加速させるソフトウェアを提供してまいります。<「Data(データ)」データのみがIT資産になる> クラウドによって、ハードウェアもソフトウェアも企業のIT資産ではなくなり、データのみが企業のIT資産となります。そして、近年では、生成AIの進化により、データの価値はさらに高まりつつあります。当社グループでは、データ連携基盤「ASTERIA Warp」をはじめとする製品により、これらの技術をつなぐことで、企業の価値向上に貢献してまいります。<「Device(デバイス)」デバイスが不可欠なインフラになる> インターネットが始まって以来初めて、コンピュータよりIoTなどの周辺機器の接続数が増える時代になります。当社グループでは、「Handbook X」や「Platio」によるスマートデバイスへの対応や、「Gravio」や「Artefacts」でフィジカル機器をつなぐことで、新たなデバイスを活用するシステムの価値向上に貢献してまいります。<「Decentralized(分散化)」分散して協調ができるようになる> クラウドの普及が進展し、非中央集権型のシステムが構築可能となります。ブロックチェーン技術を活用することで、これまでは不可能だった非中央集権型組織のサービスも構築が可能となり、当社グループでも「JPYC Gateway」などステーブルコインを企業システムとつなぐサービスを提供し、未来型社会の実現に貢献してまいります。<「Design(デザイン)」機能ファーストからデザインファーストへのシフトが起こる> デジタルサービスの高度化と利用者ニーズの多様化により、従来の機能重視の開発から、ユーザー体験を最優先する「デザインファースト」への転換が進んでいます。当社グループでは、「ノーコード」をはじめとするユーザー視点に立脚した製品デザインを重視し、ユーザー体験の質的向上に貢献してまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社は、2025年3月期から2029年3月期までの期間を中期経営目標期間と位置づけ、売上収益および利益の持続的な拡大を定量的な経営目標として設定しております。 主たる指標である売上収益については、既存事業からのオーガニック成長を前提に、年平均8~12%の成長率を目標としています。加えて、戦略的M&Aによる非連続的な成長の機会も検討対象とし、成長率の上振れ余地を確保する体制を整えております。 利益指標としては、中期経営目標の最終年度(2029年3月期)において、調整後EBITDA率25%の達成を目標としています。売上収益の拡大に向けた成長投資を実施しつつ、収益性の改善とバランスの取れた利益構造の確立を図ってまいります。 また、当社では、継続的な収益基盤の構築を重視しており、サブスクリプションおよび保守サポート収入を安定収益として位置づけております。これらの売上高を四半期ごとに開示しており、当該数値をもって、ストック型ビジネスの拡大状況および収益の安定性を判断するための客観的な指標の一つとしております。今後も継続収益の拡大を重要な経営目標と捉え、施策を推進してまいります。 株主還元については、一過性損益を除いたベースで連結配当性向30%を中期目標とし、累進的な配当を基本方針としています。自己株式の取得に関しては、資本効率や事業投資機会等を総合的に勘案の上、必要に応じて実施する方針です。(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループは、創業以来培ってきたソフトウェア技術を中核に据えつつ、AI、ロボティクス、デジタル通貨といった成長領域へと事業領域を戦略的に拡大してまいりました。今後、変化の激しい市場環境に柔軟に対応し、さらなる成長を力強く実現していくために、以下に掲げる重点分野への取組を一層加速させてまいります。 ① コーポレート・ガバナンスのさらなる高度化 当社は創業時より一貫して社外取締役を2名以上選任し、また2015年6月以降は社外取締役を過半数の構成とし、社外の目と知見による意思決定と執行の監督を実行しております。今後も株主との建設的な対話や構成の多様性を重視した取締役会構成を継続するとともに、事業領域の拡大に伴うリスク管理体制の強化や、グループ会社・投資先を含む内部統制の高度化にも取り組み、コーポレート・ガバナンスの質的向上に努めてまいります。 ② ソフトウェア・ハードウェア事業における新たな市場機会の創出 当社製品による売上収益のさらなる拡大に向けて、具体的なユースケースの提案を通じて市場ニーズに的確に応え、各分野で確固たる地位を確立していくことを目指します。従来のソフトウェア領域に加え、ハードウェア、ロボティクス、ステーブルコインを含む統合的なソリューション提供を本格化させ、当社グループとしては、特に将来性の高い以下の分野に注力してまいります。(ア) AI連携市場 企業のDX推進が加速する中、生成AIや自律型AIエージェントは、中長期的に大きな成長が期待される領域です。当社では「Warp」シリーズ、「Gravio」、「Handbook X」、「Platio」「Artefacts」等のAIネイティブ化を進めてまいります。今後とも、ロボティクス向けAIの研究開発専業のアステリアART合同会社や、企業現場でのノーコードアプリ開発を提供するアステリアキャンバス株式会社と連携しつつ、外部のパートナー企業との協業を通じて、AI及び関連技術を活用した情報サービスの実用化・価値創出を加速してまいります。(イ) フィジカルAI(ロボティクス/AI)連携市場 製造・物流・宇宙開発等におけるロボティクスやフィジカルAIの活用が加速するとともに、その基盤となるIoT/エッジコンピューティングも次世代基盤技術として市場拡大が期待されています。当社は、AI搭載エッジウェア「Gravio」とロボットアプリケーション開発支援プラットフォーム「Artefacts」を軸に、機器・クラウド・システム連携の強みを活かし、ソフトウェアとハードウェアを一体で提供してまいります。加えて、ロボットに関する製品・部品・関連機器の開発、輸入、輸出ならびに提供にも事業範囲を広げ、フィジカルAI領域のDX基盤としての地位確立を目指します。(ウ) デジタル通貨(ブロックチェーン)関連市場 ステーブルコインをはじめとする電子決済手段や暗号資産、中央銀行デジタル通貨(CBDC)、ならびにNFT・ユーティリティトークン・セキュリティトークン等のデジタルトークンは、決済・資産管理・権利流通の在り方を大きく変える基盤技術として着実に発展しております。当社は、これらデジタル通貨・デジタルトークンを活用した情報サービスを新たな事業領域と位置付け、関連技術への研究開発投資及び戦略的投資を通じて、次世代金融インフラ及びWeb3領域における事業基盤の構築を進めてまいります。 ③ 戦略的投資および投資後の管理体制の強化 当社は、事業シナジーの創出、新規市場への参入、新技術の獲得、パートナーシップの深化など、中長期的な企業価値の向上に資する戦略的観点から、有望な企業への投資を推進してまいりました。とりわけ、4D (Data, Device, Decentralized, Design)をコンセプトとする成長領域においては、自社事業と連動した戦略投資を積極的に展開するとともに保有資産の価値最大化を目指しております。 また、投資先企業の業績や市場環境の変動により、投資有価証券の評価が当社の財務・業績に影響を及ぼす可能性があることを踏まえ、従前より投資判断の精緻化および投資後の管理体制の整備を進めてまいりました。今後も引き続き、外部環境に応じた柔軟な運用方針のもと、投資ポートフォリオ全体の健全な運用体制を一層高めてまいります。 ④ 海外市場への展開 当社グループは、創業当初より海外に通用するソフトウェアの開発と提供を目指してまいりました。現在は「Artefacts」、「Gravio」、「Handbook X」を中心に積極的に海外展開を進めており、現地ニーズに対応した製品提供を強化しています。当社のソフトウェアは、日本語、英語、中国語の3ヶ国語に対応しており、多言語展開の強みを活用し、今後の新規製品においても国際展開を戦略的に強化してまいります。 ⑤ 成長を支える人材基盤の強化 当社製品やサービスの顧客企業は年々増加しており、ターゲットとなる業種・業態も幅が大きく広がりを見せています。今後さらに、マルチプロダクト/サービス化、グローバル化を本格化させ、ソフトウェア・フィジカルAI・デジタル通貨領域での成長をより確固たるものにするためには、開発・マーケティング・営業・管理などのあらゆる職能において、優秀な人材を適切なタイミングで確保・育成することが重要です。当社は、こうした人材戦略を中核に据え、持続的な競争力の強化を図ってまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針 当社グループは、「世界で通用するソフトウェアを開発し提供する」ことを使命(ミッション)としています。そのために、当社グループ自体が「『つなぐ』エキスパート」として社会的な価値を生み出し、社会に貢献することを目指しています。 また、当社グループは「『売上収益』は当社グループが社会に生み出した価値、『利益』は当社グループが生み出した価値と消費した価値の差分」との考え方を基本に、社会的価値の提供を通じて企業価値の増大に努めてまいります。(2)経営環境、戦略 当社グループは、創業時より「世界で通用するソフトウェアを開発し提供する」ことを事業のミッションとして掲げています。世界で通用するソフトウェアとは、米Microsoft社や米Google社のソフトウェアなど世界の大半の国や地域で使われるソフトウェア(サービス含む)を指し、当社グループはかかるミッションの実現のためのソフトウェアの開発と販売を基本的な事業としています。当社グループは、顧客からの注文に基づく受託開発ではなく、独自の製品を自ら企画開発して提供する事業形態であるために、市場やニーズの変化に先行して製品化を行う必要があり、そのために将来有望な新規技術に関する研究開発が必要です。そして、このような研究開発には先行投資が必要となります。当社グループがこれから世界市場での展開をより具体化させていくにあたり、研究開発のスピードも競合他社と同等又はそれ以上のものが必要となるため、以下に記載の重点技術領域における、現行製品・サービスの次世代版、ブロックチェーン、フィジカルAIなどに関連する製品化を推進しています。 当社グループは、これからの投資分野として4つの”D”「Data(データ)」、「Device(デバイス)」、「Decentralized(分散化)」及び「Design(デザイン)」の領域を対象とすることとしています。クラウドをベースとしたビジネス基盤が構築される現代において、当社グループがこの4つの”D”を加速させるソフトウェアを提供してまいります。<「Data(データ)」データのみがIT資産になる> クラウドによって、ハードウェアもソフトウェアも企業のIT資産ではなくなり、データのみが企業のIT資産となります。そして、近年では、生成AIの進化により、データの価値はさらに高まりつつあります。当社グループでは、データ連携基盤「ASTERIA Warp」をはじめとする製品により、これらの技術をつなぐことで、企業の価値向上に貢献してまいります。<「Device(デバイス)」デバイスが不可欠なインフラになる> インターネットが始まって以来初めて、コンピュータよりIoTなどの周辺機器の接続数が増える時代になります。当社グループでは、「Handbook X」や「Platio」によるスマートデバイスへの対応や、「Gravio」や「Artefacts」でフィジカル機器をつなぐことで、新たなデバイスを活用するシステムの価値向上に貢献してまいります。<「Decentralized(分散化)」分散して協調ができるようになる> クラウドの普及が進展し、非中央集権型のシステムが構築可能となります。ブロックチェーン技術を活用することで、これまでは不可能だった非中央集権型組織のサービスも構築が可能となり、当社グループでも「JPYC Gateway」などステーブルコインを企業システムとつなぐサービスを提供し、未来型社会の実現に貢献してまいります。<「Design(デザイン)」機能ファーストからデザインファーストへのシフトが起こる> デジタルサービスの高度化と利用者ニーズの多様化により、従来の機能重視の開発から、ユーザー体験を最優先する「デザインファースト」への転換が進んでいます。当社グループでは、「ノーコード」をはじめとするユーザー視点に立脚した製品デザインを重視し、ユーザー体験の質的向上に貢献してまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社は、2025年3月期から2029年3月期までの期間を中期経営目標期間と位置づけ、売上収益および利益の持続的な拡大を定量的な経営目標として設定しております。 主たる指標である売上収益については、既存事業からのオーガニック成長を前提に、年平均8~12%の成長率を目標としています。加えて、戦略的M&Aによる非連続的な成長の機会も検討対象とし、成長率の上振れ余地を確保する体制を整えております。 利益指標としては、中期経営目標の最終年度(2029年3月期)において、調整後EBITDA率25%の達成を目標としています。売上収益の拡大に向けた成長投資を実施しつつ、収益性の改善とバランスの取れた利益構造の確立を図ってまいります。 また、当社では、継続的な収益基盤の構築を重視しており、サブスクリプションおよび保守サポート収入を安定収益として位置づけております。これらの売上高を四半期ごとに開示しており、当該数値をもって、ストック型ビジネスの拡大状況および収益の安定性を判断するための客観的な指標の一つとしております。今後も継続収益の拡大を重要な経営目標と捉え、施策を推進してまいります。 株主還元については、一過性損益を除いたベースで連結配当性向30%を中期目標とし、累進的な配当を基本方針としています。自己株式の取得に関しては、資本効率や事業投資機会等を総合的に勘案の上、必要に応じて実施する方針です。(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループは、創業以来培ってきたソフトウェア技術を中核に据えつつ、AI、ロボティクス、デジタル通貨といった成長領域へと事業領域を戦略的に拡大してまいりました。今後、変化の激しい市場環境に柔軟に対応し、さらなる成長を力強く実現していくために、以下に掲げる重点分野への取組を一層加速させてまいります。 ① コーポレート・ガバナンスのさらなる高度化 当社は創業時より一貫して社外取締役を2名以上選任し、また2015年6月以降は社外取締役を過半数の構成とし、社外の目と知見による意思決定と執行の監督を実行しております。今後も株主との建設的な対話や構成の多様性を重視した取締役会構成を継続するとともに、事業領域の拡大に伴うリスク管理体制の強化や、グループ会社・投資先を含む内部統制の高度化にも取り組み、コーポレート・ガバナンスの質的向上に努めてまいります。 ② ソフトウェア・ハードウェア事業における新たな市場機会の創出 当社製品による売上収益のさらなる拡大に向けて、具体的なユースケースの提案を通じて市場ニーズに的確に応え、各分野で確固たる地位を確立していくことを目指します。従来のソフトウェア領域に加え、ハードウェア、ロボティクス、ステーブルコインを含む統合的なソリューション提供を本格化させ、当社グループとしては、特に将来性の高い以下の分野に注力してまいります。(ア) AI連携市場 企業のDX推進が加速する中、生成AIや自律型AIエージェントは、中長期的に大きな成長が期待される領域です。当社では「Warp」シリーズ、「Gravio」、「Handbook X」、「Platio」「Artefacts」等のAIネイティブ化を進めてまいります。今後とも、ロボティクス向けAIの研究開発専業のアステリアART合同会社や、企業現場でのノーコードアプリ開発を提供するアステリアキャンバス株式会社と連携しつつ、外部のパートナー企業との協業を通じて、AI及び関連技術を活用した情報サービスの実用化・価値創出を加速してまいります。(イ) フィジカルAI(ロボティクス/AI)連携市場 製造・物流・宇宙開発等におけるロボティクスやフィジカルAIの活用が加速するとともに、その基盤となるIoT/エッジコンピューティングも次世代基盤技術として市場拡大が期待されています。当社は、AI搭載エッジウェア「Gravio」とロボットアプリケーション開発支援プラットフォーム「Artefacts」を軸に、機器・クラウド・システム連携の強みを活かし、ソフトウェアとハードウェアを一体で提供してまいります。加えて、ロボットに関する製品・部品・関連機器の開発、輸入、輸出ならびに提供にも事業範囲を広げ、フィジカルAI領域のDX基盤としての地位確立を目指します。(ウ) デジタル通貨(ブロックチェーン)関連市場 ステーブルコインをはじめとする電子決済手段や暗号資産、中央銀行デジタル通貨(CBDC)、ならびにNFT・ユーティリティトークン・セキュリティトークン等のデジタルトークンは、決済・資産管理・権利流通の在り方を大きく変える基盤技術として着実に発展しております。当社は、これらデジタル通貨・デジタルトークンを活用した情報サービスを新たな事業領域と位置付け、関連技術への研究開発投資及び戦略的投資を通じて、次世代金融インフラ及びWeb3領域における事業基盤の構築を進めてまいります。 ③ 戦略的投資および投資後の管理体制の強化 当社は、事業シナジーの創出、新規市場への参入、新技術の獲得、パートナーシップの深化など、中長期的な企業価値の向上に資する戦略的観点から、有望な企業への投資を推進してまいりました。とりわけ、4D (Data, Device, Decentralized, Design)をコンセプトとする成長領域においては、自社事業と連動した戦略投資を積極的に展開するとともに保有資産の価値最大化を目指しております。 また、投資先企業の業績や市場環境の変動により、投資有価証券の評価が当社の財務・業績に影響を及ぼす可能性があることを踏まえ、従前より投資判断の精緻化および投資後の管理体制の整備を進めてまいりました。今後も引き続き、外部環境に応じた柔軟な運用方針のもと、投資ポートフォリオ全体の健全な運用体制を一層高めてまいります。 ④ 海外市場への展開 当社グループは、創業当初より海外に通用するソフトウェアの開発と提供を目指してまいりました。現在は「Artefacts」、「Gravio」、「Handbook X」を中心に積極的に海外展開を進めており、現地ニーズに対応した製品提供を強化しています。当社のソフトウェアは、日本語、英語、中国語の3ヶ国語に対応しており、多言語展開の強みを活用し、今後の新規製品においても国際展開を戦略的に強化してまいります。 ⑤ 成長を支える人材基盤の強化 当社製品やサービスの顧客企業は年々増加しており、ターゲットとなる業種・業態も幅が大きく広がりを見せています。今後さらに、マルチプロダクト/サービス化、グローバル化を本格化させ、ソフトウェア・フィジカルAI・デジタル通貨領域での成長をより確固たるものにするためには、開発・マーケティング・営業・管理などのあらゆる職能において、優秀な人材を適切なタイミングで確保・育成することが重要です。当社は、こうした人材戦略を中核に据え、持続的な競争力の強化を図ってまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 以下、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。(1) 財政状態の状況① 資産当連結会計年度末における資産合計は、10,595,127千円となり、前連結会計年度末に比べ2,737,182千円増加しました。この主な要因は、その他の金融資産1,069,503千円、のれん801,585千円、現金及び現金同等物446,161千円、有形固定資産369,115千円の増加によるものです。② 負債負債合計は2,645,360千円となり、前連結会計年度末に比べ1,026,897千円増加しました。この主な要因は、借入金565,000千円及びその他の金融負債(リース負債)374,223千円の増加によるものです。③ 資本資本合計は7,949,767千円となり、前連結会計年度末に比べ1,710,285千円増加しました。この主な要因は、利益剰余金694,464千円、その他の資本の構成要素558,250千円、資本剰余金284,448千円の増加によるものです。 (2) 経営成績の状況当連結会計年度(2025年4月~2026年3月)において、当社グループは、主力であるソフトウェア事業の着実な成長に加え、前連結会計年度より実施してきた事業構造改革の効果顕在化、ならびに投資事業セグメントにおける評価益の計上により、業績の大幅な伸長を達成しました。売上収益は、企業のデジタルトランスフォーメーション推進やクラウド環境の進展を背景にソフトウェア事業におけるサブスクリプション型サービスが収益拡大を牽引した結果、前年比で6.9%増の3,388,800千円となりました。 利益は、ソフトウェア事業の利益貢献に加え、SpaceX社に関する評価益を計上したことにより、営業利益1,024,764千円、税引前利益973,970千円、親会社の所有者に帰属する当期利益798,652千円となりました。 ≪当社の報告セグメント≫当社グループは、「ソフトウェア事業セグメント」と「投資事業セグメント」の2つを報告セグメントとしています。 <ソフトウェア事業セグメント> ソフトウェア事業セグメントは、主力のデータ連携ツール「ASTERIA Warp」は、レガシーシステムからクラウドへの刷新や企業のデータ活用の加速などによる連携需要が堅調で、売上収益は2,888,610千円(前期比5.3%増)となりました。サブスクリプション売上は前期比34.2%増となり、サポート売上と合わせたストック売上構成比は約7割を超え安定成長を続けています。さらに、ChatGPT、Gemini、Claude等の主要な生成AIとの連携アダプターを追加し、AI活用ニーズへの対応も強化しています。 モバイルアプリ作成ツール「Platio」は、多様な業界・業種における現場業務のDXや、獣害対策などの新たな社会課題への対応も強化するなか、売上収益は前期比28.1%増となりました。また、自然言語によるアプリ作成を可能にする「AIアシスト機能」の実装や、エンタープライズ向け製品「Platio Canvas」の提供開始により、幅広いターゲットへの販促も図っています。 デジタルコンテンツプラットフォーム「Handbook X」は、地下やトンネル内など通信圏外エリアでの利便性が評価され、鉄道業界等からの引き合いが増加しています。AI/IoTプラットフォーム「Gravio」は、AIカメラやセキュリティシステム等を新たな連携先として拡大し、エッジソリューションとしての機能強化を図っています。 継続的シミュレーションプラットフォーム「Artefacts」は、世界各国で月面探査プロジェクトが展開されるなかで、宇宙開発現場における探査車やロボット等の稼働シミュレーションを海外の学術機関などから受注しました。今後においても、フィジカルAIを含めたロボティクス領域でのビジネス拡大も視野に入れた事業開発も推進しています。 <投資事業セグメント> 投資事業セグメントは、Asteria Vision Fund Ⅰ,L.P.(AVF-1)を通じて、当社のソフトウェア事業と同じ「D4G」(Data, Device, Decentralized, Design)領域への投資を実施し、国際会計基準に基づいて投資先の評価損益を計上しており、主としてSpaceX社の評価益等421,613千円を計上しました。 また、当連結会計年度における、セグメント状況は下記のとおりです。① 報告セグメントの概要 当企業グループの報告セグメントは、当企業集団の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。 当社グループは、「ソフトウェア事業」及び「投資事業」の2つを報告セグメントとし、2つの事業を基礎として組織が構成されています。 「投資事業」は、米国に拠点を置く100%子会社Asteria Vision Fund Inc.が管理する投資で構成されております。 ②報告セグメントごとの売上収益、利益又は損失、及び資産の金額に関する情報前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 報告セグメント 調整額(注1) 連結 ソフトウェア事業 投資事業 計 千円 千円 千円 千円 千円売上収益 外部収益3,171,258 - 3,171,258 - 3,171,258セグメント間収益- - - - -合計3,171,258 - 3,171,258 - 3,171,258セグメント利益(△は損失) (注2)793,511 △20,882 772,629 - 772,629その他の収益及び費用(注2) 8,572金融収益 17,166金融費用 34,574持分法による投資損益(△は損失) 1,850税引前利益(△は損失) 765,643 その他の項目 減価償却費及び償却費237,208 163 237,372 - 237,372(注)1.「調整額」は、主としてセグメント間取引消去額を表示しております。 2.セグメント利益は、売上収益から売上原価及び販売費及び一般管理費を控除しておりますが、その他の収益及び費用のうち、Asteria Vision Fund Ⅰ,L.P.で保有する純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に関する評価損益は投資事業のセグメント利益に振り替えております。 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 報告セグメント 調整額(注1) 連結 ソフトウェア事業 投資事業 計 千円 千円 千円 千円 千円売上収益 外部収益3,388,800 - 3,388,800 - 3,388,800セグメント間収益- - - - -合計3,388,800 - 3,388,800 - 3,388,800セグメント利益(△は損失) (注2)583,285 393,984 977,269 - 977,269その他の収益及び費用(注2) 47,495金融収益 13,140金融費用 76,189持分法による投資損益(△は損失) 12,255税引前利益 973,970 その他の項目 減価償却費及び償却費309,701 - 309,701 - 309,701(注)1.「調整額」は、主としてセグメント間取引消去額を表示しております。 2.セグメント利益は、売上収益から売上原価及び販売費及び一般管理費を控除しておりますが、その他の収益及び費用のうち、Asteria Vision Fund Ⅰ,L.P.で保有する純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に関する評価損益は投資事業のセグメント利益に振り替えております。 (3) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より446,161千円増加し、3,260,223千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は以下のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果、獲得した資金は571,018千円(前期829,334千円の獲得)となりました。主に税引前利益973,970千円、減価償却費及び償却費309,701千円の計上のほか、その他の収益477,682千円(主に投資にかかる未実現利益)及び法人所得税の支払額169,219千円の計上によるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果、使用した資金は719,806千円(前期771,600千円の獲得)となりました。主に投資の売却及び償還による収入396,658千円、子会社株式取得による支出535,997千円及び投資有価証券の取得による支出535,353千円によるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果、獲得した資金は541,276千円(前期517,294千円の使用)となりました。主に長期借入金700,000千円及び自己株式の処分による収入499,928千円、自己株式の取得による支出301,310千円及び配当金の支払による134,186千円によるものです。 ② 当社グループの資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループは、顧客からの注文に基づく受託開発ではなく、独自の製品を自ら企画開発して提供する事業形態であるために、市場やニーズの変化に先行して製品化を行っております。そのため、先端技術を習得した技術者の採用によって研究開発を推進することに加え、企業買収等によって時間と優秀な技術者を獲得することや、世界的な視野において当社グループの投資領域である「4D」(Data, Device, Decentralized, Design)に合致する企業への効率的な投資を行うため必要に応じて金融機関から資金調達し投資を行っております。また、企業価値の持続的な向上と株主・投資家との信頼関係の構築を重視し、資本コストや資本効率を意識した経営に取り組んでおり、2025年3月期を初年度とする中期経営計画では、「年平均8~12%の売上成長」及び「EBITDAマージン25%(2029年3月期までに)」の達成を目標に掲げ、収益性と成長性の両立を図っております。加えて、非中核事業の売却を通じた収益構造改革の結果、2025年3月期にはROE10.1%を達成し、資本コストを意識した資本効率の改善が進展しており、当連結会計年度においても、当社グループ事業からの利益を効率的な投資にあてています。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を行うことが要求されております。実際の業績は、これらの見積りとは異なる場合があります。 見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しております。会計上の見積りの見直しによる影響は、見積りを見直した会計期間及びそれ以降の将来の会計期間において認識いたします。 経営者が行った連結財務諸表の金額に重要な影響を与える判断及び見積りは以下のとおりであります。 ① 金融商品の公正価値の測定(注記「3. 重要性がある会計方針(4)金融商品」及び注記「31. 金融商品」)当連結会計年度の連結財務諸表に計上した公正価値で測定する金融資産の金額は、4,032,486千円であります。当社グループが保有する公正価値で測定する金融資産及び金融負債が、活発な市場における公表価格によって測定できない場合には、当該資産又は負債について直接に又は間接に観察可能な前述の公表価格以外のインプットを使用して算定された公正価値、もしくは観察不能なインプットを含む評価技法によって算定された公正価値を用いて評価しております。特に、観察不能なインプットを含む評価技法によって算定される公正価値は、適切な基礎率、仮定及び採用する計算モデルの選択など、当社グループの経営者による判断や仮定を前提としております。これらの見積り及び仮定は、前提とした状況の変化等により、金融商品の公正価値の算定に重要な影響を及ぼす可能性があるため、当社グループでは、当該見積りは重要なものであると判断しています。 ② 会計上の見積りの変更に関する注記該当事項はありません。 (5) 生産、受注及び販売の実績① 生産実績 事業の特性上、事業区分別の生産規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。② 受注実績 事業の特性上、事業区分別の受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。③ 販売実績 当連結会計年度の販売実績を売上区分ごとに示すと、次のとおりであります。なお、全てソフトウェア事業からになります。売上区分当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)ライセンス(千円)753,48793.0サポート(千円)1,412,808107.3サービス(千円)1,222,505117.0合計3,388,800106.9(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)SCSK株式会社442,37513.95429,65812.68パナソニックインフォメーションシステムズ株式会社317,42110.01334,6469.88

事業リスク

  • 海外事業展開に伴うリスク: アステリアグループは積極的に海外展開を進めていますが、進出国の法令、政治、経済情勢の変化、文化や宗教の影響など、様々なカントリーリスクに直面する可能性があります。これらの不測の事態が発生した場合、事業推進に支障が生じ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、為替レートの変動も、海外関係会社の業績や財務状況を円換算する際に影響を与える可能性があります。
  • 技術革新への対応遅れ: ソフトウェア業界は技術革新のスピードが速く、常に新しい技術や市場トレンドに適応した製品をタイムリーに開発することが求められます。アステリアグループが技術革新や市場動向の予測を誤り、魅力的な新製品を開発できなかった場合、競争力が低下し、企業収益に大きな影響を与える可能性があります。特に、スマートデバイス、IoT、AIといった分野は変化が激しいため、継続的な研究開発が不可欠です。
  • 新製品・新バージョンの収益性不確実性: アステリアグループは常に新製品や新バージョンの研究開発を行っていますが、これらの製品が想定通りの市場成長を遂げなかったり、予期せぬ競合製品が出現したりする可能性があります。その結果、計画通りの収益を確保できない場合、アステリアグループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。新しい技術や市場への先行投資が、必ずしも期待通りのリターンを生むとは限りません。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,687 文字
3【事業等のリスク】以下において、当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しています。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しています。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があります。なお、本書に記載されている将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが入手可能な情報から判断したものであります。 ① 海外事業の展開について当社グループは、経営方針に基づき積極的な海外展開を実施しております。これらの進出国において、法令、政治、経済の変化、文化や宗教影響等の様々なカントリーリスクを有しているため、不測の事態が発生し事業の推進に障害が発生する場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの海外関係会社の業績、資産及び負債について現地通貨で発生したものは、円換算した上で連結財務諸表を作成していますが、完全に当該リスクを回避することは難しく、外国為替相場の変動が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 新製品・新サービスについて当社グループでは、価値ある新しい製品や新しいサービスを世に送り出すことによる収益向上を図っており、魅力的な新製品・新サービスの開発による売上収益の増加が、企業の成長にとって重要な要素であると考えています。そのため、これまでにも、スマートデバイス技術、IoT関連技術、ブロックチェーン関連技術(ステーブルコイン等の電子決済手段や暗号資産に関連する技術を含む)、AI(人工知能)・ロボティクス関連技術など近年開発された革新的な技術について早期に積極的に経営戦略の主題として取り組んでいます。しかしながら、ソフトウェア業界の技術革新のスピードは速く、その技術革新を予測することは極めて難しいため、当社グループが常に技術革新に適合した魅力的な新製品をタイムリーに開発できるとは限りません。当社グループの予測に見込み違いが生じ、技術革新や市場動向に遅れをとった場合、企業収益に大きな見込み違いが生じ当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ③ 訴訟リスク本書提出日現在において、当社グループが訴訟を提起されている事実はありません。一方で、当社グループの事業は知的財産権をその価値の根源とするという性格上並びに、当社グループが海外でも事業を展開しているため、予期しない訴訟が発生する可能性があります。当社グループでは、「コンプライアンス規程」の制定、リスクマネジメント委員会の設置及び社内教育による法令遵守の周知徹底等、多様な手段を講じ可能な限り訴訟を受ける可能性を排除するための体制を整備しています。しかしながら、何らかの訴訟を受けた場合、その内容及び結果によっては、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 投資・M&Aについて当社グループは、中長期的な成長および企業価値向上を目的として、M&Aやその他の資本参加等を通じた戦略的投資を実施しています。これらの投資に際しては、対象企業のビジネス、財務内容、法務、ガバナンス体制等について詳細なデューデリジェンスを行い、各種リスクの低減を図る方針でありますが、これらの調査の段階で確認又は想定されなかった事象が投資の実行後に発生又は判明する場合や、投資実施後の事業展開が計画通りに進まない可能性があり、その場合は当社グループが当初期待した業績への寄与の効果が得られない可能性があることに加えて、対象企業の投資価値の減損処理が必要になることも考えられ、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 新製品/新バージョンの収益性について当社グループでは、常に新製品や新バージョンの研究開発を行っています。これらの新製品や新バージョンは、今後大きく成長する市場を見込んで開発し提供を行っているものですが、当該市場が見込み通りに成長しなかったり、想定外の競合製品が出現したりすることによって、収益が計画通りに確保できない場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 ⑥ 人材の確保について当社グループは、市場のニーズに合った良質の製品を提供していくために、高い能力と志をもった人材を少数精鋭で揃えることに注力しています。今後も事業の拡大に伴い、積極的に優秀な人材を採用・教育し、また魅力的な職場環境を提供していく方針でありますが、そうした人材が十分に確保できない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ⑦ 当社グループ提供のソフトウェアの不具合について当社グループでは、当社グループの責めに帰すべき事由によるソフトウェアの不具合(誤作動、バグ等)を発生させないよう品質管理に最善の注意を払っており、またソフトウェア使用許諾契約書や損害保険への加入等によって不具合が発生した場合のリスクの低減措置等を講じており、製品リリース以降、そのような重大な不具合は発生していませんが、将来にわたって当社グループの責めに帰すべき不具合が発生しないとは限りません。そのため、ソフトウェアの不具合に起因する損害賠償責任の発生や当社グループに対する社会的信頼を喪失することにより、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ⑧ 知的財産権についてのリスク当社グループは、本書提出日現在において、当社グループの事業活動に影響を及ぼすような特許権、商標権その他知的財産権が第三者によって取得されているという事実は確認しておりません。また創業以来、第三者から知的財産権に関する警告を受けたり、侵害訴訟等を提起されたりしたことはありません。しかしながら、将来の当社グループの事業活動に関連して、第三者が知的財産権の侵害を主張し、当社グループの事業が差し止められたり、損害賠償など金銭的な負担を余儀なくされた場合、または第三者の知的財産権につき実施許諾が必要となりロイヤリティの支払いが発生したり、あるいは実施許諾が得られない場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

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