4430

東海ソフト(4430)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • 受託開発と役務提供
    東海ソフトは、顧客からの依頼を受けてソフトウェアを開発し、その対価として収益を得ています。また、ソフトウェア開発に必要な技術者の提供(役務提供)も行い、これも収益源となっています。自社で製品を開発して販売するのではなく、顧客のニーズに応じたオーダーメイド開発が中心です。
  • 多様な業界への展開
    自動車の制御システムから工場の生産管理、金融機関の基幹システムまで、幅広い分野のソフトウェア開発を手掛けています。これにより、特定の業界の景気変動リスクを分散し、安定的な収益基盤を構築しています。
  • 協力会社との連携
    多くのソフトウェア開発協力会社と連携し、大規模なプロジェクトや専門性の高い開発に対応しています。これにより、自社だけでは賄いきれない開発リソースを確保し、多様な案件を受注できる体制を整えています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 組込み関連事業
    自動車のECUや自動販売機、デジタル家電などの制御ソフトウェア開発が中心です。特に自動車のCASE分野に注力しており、開発規模が大きく、長期間にわたるプロジェクトが多いのが特徴です。安定的な取引先が多く、東海ソフトの技術力の核となる事業です。
  • 製造・流通及び業務システム関連事業
    工場の生産ラインや物流システムの監視・制御ソフトウェア開発、製造業向けの生産管理・在庫管理システム開発などが含まれます。IoTやAIを活用したDX支援も手掛けており、新規顧客やリピート顧客が多く、プロジェクト管理の成否が収益に大きく影響します。
  • 金融・公共関連事業
    大手SIerの協力会社として、主に大手金融機関や官公庁、地方自治体、大学向けのソフトウェア開発を行っています。大規模かつ長期間のプロジェクトが多く、安定的な受注と売上が期待できる事業です。品質管理やセキュリティに関する高い要求に応える体制を整えています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,704 文字
3【事業の内容】 当社及び連結子会社(AJ・Flat株式会社)は、独立系ソフトウエア開発会社でありますが、多くのソフトウエア開発の協力会社を活用し、ソフトウエア受託開発及びソフトウエア開発に係る役務の提供を主たる事業としております。当社グループはソフトウエア開発事業の単一セグメントであるため、事業戦略上、組込み関連事業、製造・流通及び業務システム関連事業、金融・公共関連事業の3つの事業に区分して、以下に記載いたします。(1)組込み関連事業 組込み関連事業は、自動車、産業機器及び民生機器等に搭載される組込みソフトウエア並びに関連システムの設計、開発、評価・検証を主たる事業としております。車載関連開発及び民生・産業機器関連開発を中心にサービスを提供しております。①車載関連開発 車載関連開発では、自動車、船舶及び農業機械等に搭載される動力系制御ECUや、車体関連機器等を制御するECU向けのソフトウエア開発を行っております。また、自動車業界におけるSDV(ソフトウエア・デファインド・ビークル)化の進展を背景として、車載制御ソフトウエアに加え、車載通信、OTA(Over The Air)によるソフトウエア更新機能及びクラウド連携機能等の開発を行っております。主に、ドア、照明、キーリモコン及び電源等のボディ系制御、ステアリング制御並びにモーター制御、インバータ制御及び充電制御等の電動化関連の車載ソフトウエア開発を行っており、近年はADAS(先進運転支援システム)及びコネクテッドサービス等に関連する開発案件も増加しております。事業の特徴としましては、一般的に開発規模が大きく開発期間・開発要員も多く必要とされるため、本開発に係る事業においては、機動的な開発要員の確保・投入とプロジェクトマネジメント能力及び開発プロセスに対する理解と適用が重要な成功要因となります。当社グループは、継続的な開発支援を通じて培った品質管理ノウハウ、技術力及び開発体制を強みとしております。また、長年にわたり車載分野で蓄積した知見を活かして顧客の開発プロセスに対応した開発支援を行うと共に、生成AI技術を活用した開発プロセスの効率化及び品質向上にも取り組んでおります。これらの取り組みにより、定常的かつ安定的に開発案件を受注及び遂行が可能な体制を構築しております。②民生・産業機器関連開発 民生・産業機器関連開発では、自動販売機及びデジタル家電等の民生分野並びに産業機械、半導体製造装置等の産業機器向け制御ソフトウエアの開発を行っております。主に、機器制御、通信制御及び表示制御等の制御ソフトウエア開発を行っております。また、製品へのAI技術の組込みに加え、クラウドサービスの連携を含む製品開発、ROS2(Robot Operating System 2)等の新たなソフトウエア技術を活用した開発案件にも対応しております。事業の特徴としましては、複数年にわたる顧客製品向けソフトウエア開発の安定的かつ継続的な取引を通じて、当社グループは、これまで培ってきた製品知見、制御技術、品質管理ノウハウ及び開発体制を強みとし、顧客製品のライフサイクルを通じた継続的な開発支援を行っております。更に、多様な分野の開発案件への対応を通じて新たな技術及び開発ノウハウを蓄積すると共に、顧客の技術革新、新製品開発及び新規事業領域への展開に伴う開発支援にも取り組んでおります。これにより、継続的な受注の確保及び事業の安定化に努めております。 (2)製造・流通及び業務システム関連事業 製造・流通及び業務システム関連事業は、工場の生産ラインや物流システムの搬送装置等を監視・制御するソフトウエア開発を中心とした製造・流通システム関連開発及び製造業向けの生産管理、在庫管理、品質管理等を中心とした業務システム関連開発を主たる事業としております。①製造・流通システム関連開発 製造・流通システム関連開発では、長年培った通信技術及び各種制御機器との接続技術を活かし、工場の生産ラインや物流システムの搬送装置等を監視・制御するソフトウエアの開発を行っております。また、IoTやAI技術を活用したシステム開発に加え、MES(製造実行システム)、WMS(倉庫管理システム)等の関連ソリューションの提供を通じて、製造現場のデジタル化及び生産性向上を支援しております。更に、過去のIoT関連開発の成果を基に工場設備のIoT化を簡単に実現するソフトウエアパッケージ「FlexSignal」を開発・製品化し、2020年5月期にはIoTに係る開発で培ったノウハウを「PlusFORCE」として体系化し、デジタルトランスフォーメーション(以下、「DX」)の実現手法として提案しております。事業の特徴としまして、製造・流通システム関連開発は適用するノウハウ及び基礎的技術は同様なものが多いものの、ほとんどが新規顧客あるいは数年以上の間隔を経たリピート顧客で、年間を通じて取引企業や案件数が多く、年度ごとの顧客の入れ替わりが多いことから、顧客ごとの特性を捉えた柔軟な対応が求められます。また、顧客の業務システムを一括して受託する開発案件が多く、開発プロジェクトのマネジメントの成否により、高い利益率を稼ぐことが可能な反面、顧客との仕様や工程の調整等に係るプロジェクトマネジメントの問題により、想定外の開発工数が掛かり、開発案件が不採算化する可能性もあり、品質保証部が主導してPMBOKの手法を取り入れ品質改善とプロジェクト管理を強化しております。②業務システム関連開発 業務システム関連開発では、当社グループの主たる顧客である製造業の生産管理、在庫管理、工程管理を中心に、物販・サービス業における顧客向けの販売管理、在庫管理等の業務アプリケーション開発を行っております。また、生産・販売・原価管理パッケージソフトウエア「mcframeシリーズ」への取り組みを通じて、業務プロセスの標準化や効率化を支援しております。事業の特徴としましては、製造・流通システム関連開発同様、ノウハウ及び基礎的技術は同様なものが多いものの、年間を通じて取引企業及び案件数が多く、ほとんどが新規顧客あるいは数年以上の間隔を経たリピート顧客で、年度ごとの顧客の入れ替わりが多いことが挙げられます。また、顧客の業務システムを一括して受託する開発案件が多く、開発プロジェクトのマネジメントの成否により、高い利益率を稼ぐことが可能な反面、顧客との仕様や工程の調整等に係るプロジェクトマネジメントの問題により、想定外の開発工数が掛かり、開発案件が不採算化する可能性もあり、品質保証部が主導してPMBOKの手法を取り入れ品質改善とプロジェクト管理を強化しております。 (3)金融・公共関連事業 金融・公共関連事業は、大手SIerの協力会社として、主に大手金融機関向けのソフトウエア開発及び各種省庁、地方自治体、大学、公益法人等のソフトウエア開発を主たる事業としております。①金融関連開発 金融関連開発では、大手SIerのパートナー企業の一員として、主に大手金融機関向けソフトウエア開発を受託しておりますが、本開発の中心でありましたメガバンクの基幹業務システム関連開発の収束に伴い、2020年5月期以降におきまして本開発の新規受注を控えております。なお、本開発の開発要員につきましては同じ顧客であり同様の開発ノウハウが活用できる公共関連開発にシフトしております。今後につきましては、金融関連の大規模開発が開始されたタイミングで本開発への参入の可否について判断して参ります。②公共関連開発 公共関連開発では、大手SIerのパートナー企業の一員として、継続して様々な省庁、地方自治体、大学、公益法人等のソフトウエア開発を受託しており、これら官公庁の特定業務についてノウハウを蓄えております。 これら事業の特徴としましては、開発が大規模かつ長期間で複数の企業が参加するプロジェクト型の事業が大半であり、受託開発会社には、まとまった規模の開発人員とプロジェクトマネジメント能力とSIer固有の開発手法や品質管理手法のノウハウ及びプラットフォーム活用のノウハウの蓄積が要求されます。当社グループは、金融・公共関連事業における長年の開発実績を評価され、発注先であるSIerからこれらの要求を満たす開発会社として、安定的、継続的な受注・売上が可能な状況にあり、これら事業は当社グループの業績に安定的に貢献しております。当社グループは、これら大型プロジェクトに要求される、品質管理・セキュリティマネジメント、個人情報保護などの要件に対し、QMS、ISMS、Pマークなどを取得し、一層の受注拡大に向け開発体制を整えております。 [事業系統図] 組込み関連事業 ※協力会社は当社の子会社を含みます。 製造・流通及び業務システム関連事業 ※協力会社は当社の子会社を含みます。 金融・公共関連事業 ※協力会社は当社の子会社を含みます。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
受託ソフトウエア開発業界は価格による差別化が競争優位を確保する大きな要因の一つであり、価格競争が激化する。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
顧客の品質管理手法の習得、開発要員の技術力向上、開発手法や開発体制の整備、プロジェクトマネジメントノウハウ
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 軽い(資本不要)
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:景気変動による受注・売上の減少 / 大口顧客依存による取引終了・縮小 / 協力会社依存による要員確保難・発注価格高騰
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

東海ソフトは特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPを保有しているという公開情報は見当たらない。事業内容は受託開発が中心であり、無形資産による競争優位性は限定的と考えられる。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

顧客との長期的な関係構築や、特定のシステム開発における専門性の高さから、一定のスイッチング・コストは存在する可能性がある。しかし、技術の陳腐化リスクや、他社でも代替可能な技術領域も存在するため、乗り換え障壁はそれほど高くないと推測される。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

東海ソフトの事業モデルは、プラットフォーム型ではなく、個別の受託開発が中心であるため、ネットワーク効果が発生する要素は見当たらない。ユーザー数の増加がサービスの価値向上に直結するようなビジネスではない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

受託開発においては、効率的な開発プロセスや人員配置によるコスト管理が重要となるが、東海ソフトが他社と比較して構造的に顕著なコスト優位性を持つという情報は確認できない。一般的なIT企業としてのコスト意識は持っていると考えられる。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

情報通信業における受託開発市場は競争が激しく、東海ソフトの規模が業界全体に対して最適化された少数寡占を形成するほどの規模を持っているとは考えにくい。特定のニッチ市場での優位性は存在する可能性はある。

  • 車載開発の専門性
    自動車のECU(電子制御ユニット)開発において、長年の実績と顧客との協力を通じて培った高い技術力と品質管理ノウハウを持っています。特に、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)分野への対応を強化しており、この分野での競争優位性を確立しています。
  • 安定的な顧客基盤
    民生・産業機器関連開発や金融・公共関連開発では、複数年にわたる安定的な取引関係を持つ定常顧客が多く、顧客製品や事業への深い知見を蓄積しています。これにより、継続的な案件受注と安定した売上を確保しています。
  • プロジェクト管理能力
    大規模かつ複雑なシステム開発において、PMBOKなどのプロジェクト管理手法を導入し、品質管理とプロジェクト管理を強化しています。これにより、開発の効率化と品質向上を図り、不採算プロジェクトのリスクを低減し、顧客からの信頼を得ています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社は、「東海ソフトは顧客に信頼される誠実な企業である」、「東海ソフトは技術・商品を常に研く企業である」、「東海ソフトは社員に信頼される誠実な企業である」を経営理念とし、日本の製造業をソフトウエア技術で支えることを経営の中心として、以下の経営方針を掲げて事業を進めております。1.顧客に価値を提供し続けるために、・新しい技術への挑戦と提案を行います。・トレンドを先取りしたビジネス展開を目指します。・提案から開発・運用までのワンストップソリューションを提供します。2.顧客・社員・社会すべてに信頼される会社であるために、・高品質な製品と高信頼なサービスを提供します。・良好な労働環境と人材育成及び安定雇用に努めます。・コンプライアンス・セキュリティ・環境保全へ真摯に対応します。 (2)目標とする経営指標 当社グループが目標とする経営指標は、営業利益率10%以上、自己資本当期純利益率(ROE)12%以上としております。当社グループ事業であるソフトウエア受託開発及びソフトウエア開発に係る役務の提供は、開発に係る人材と営業利益が非常に強い関係を持っております。優秀な人材による高付加価値の開発案件の受注とプロジェクト管理力・品質管理力の向上が利益を生み、将来の利益につながる人材教育と新技術習得の余裕を生み出します。以上のことから、当社グループでは利益の社員への還元と株主の皆様への還元を図るためにも収益力の向上を目標として、営業利益率を重要な経営指標としております。また、株主価値の最大化のため、強固な財務体質の維持に注力することを目標として、自己資本当期純利益率(ROE)を重要な経営指標としております。 (3)中長期的な会社の経営戦略 生成AIをはじめとするAI技術の急速な進展により、当社グループを取り巻く事業環境は大きな転換期を迎えております。ソフトウエア開発の事業環境は大きく変化しており、開発の高度化・複雑化が進む中で、技術力に加え、顧客業務や業界に対する深い知識が競争力の源泉となりつつあります。 また、VUCA時代に象徴される不確実性の高い経営環境においては、景気変動の影響を受けにくい安定的な収益基盤の構築が重要な経営課題となっております。更に、高度なIT人材の不足が続く中、顧客課題を的確に把握し、プロジェクトを牽引すると共に、顧客への付加価値創出を担う高度な専門人材の確保・育成も重要な課題と認識しております。 このような環境変化を踏まえ、当社グループは、AI活用力、顧客業務・業界知識、現場実装力を融合し、開発生産性の向上と提供価値の高度化を両立することを目指して参ります。安定的な収益基盤の構築に向けては、公共・社会インフラ領域の拡大を目指し、事業ポートフォリオの最適化を図ると共に、技術者の専門性向上と多様な専門人材の育成を進めて参ります。 更に、持続的な成長を支える人的資本への投資を強化し、顧客業務・業界の知識及びマネジメント力を備えた人材の育成に取り組んで参ります。教育投資、処遇の向上、働きやすい環境の整備に加え、バックオフィス機能を含む経営基盤の強化を進めることで、事業成長を支える強固な組織基盤の構築を図って参ります。 当社グループは、中期経営計画において「AI時代における持続的成長への戦略投資」をスローガンに掲げ、以下の取り組みを通じて企業価値の向上と持続的な成長の実現を目指して参ります。 1.製造業の競争力向上と現場変革を支えるDX事業への進化①パートナー企業との協業によるソリューション提供力の強化②自社ソリューションによる提供価値の拡大③製造・物流現場の自動化・省人化領域への展開2.SDx時代における製品開発事業(組込み領域)の進化①SDV時代を支える車載ソフトウエア開発の拡大②AI・クラウドによるデジタルエンジニアリングへの進化③ロボティクス・次世代産業機器分野への事業拡大 3.AI活用による競争力の強化①開発生産性の向上による収益力の強化②自社ソリューションへのAI統合による提供価値の高度化③組込み領域におけるAI活用の推進④AI活用力、顧客業務・業界知識、現場実装力を融合した競争優位の確立4.公共・社会インフラ領域の拡大①行政・公共DXによる社会的価値の創出②エネルギー・防災・社会インフラ分野への展開③景気変動に強い安定収益基盤の構築④成長性と安定性を両立する事業ポートフォリオの実現5.人的資本経営①高度専門人材の採用・育成・定着②技術力、組織力、マネジメント力の強化③多様な人材が活躍できる環境整備④持続的成長を支える組織基盤の強化 (4)会社の優先的に対処すべき課題 当社グループのソフトウエア開発事業の顧客を取り巻く経営環境は、製品の製造・販売から継続的に価値を提供するサービス型ビジネスへの転換が一層進展しており、この流れは海外企業を先行としたグローバルな潮流として定着しつつあります。加えて、生成AIをはじめとするデジタル技術の急速な進化により、開発プロセスやビジネスモデルそのものの変革が求められており、当社グループの受注環境も大きく変化しております。 また、地政学的リスクの高まりや世界経済の不確実性、物価上昇等の影響につきましては、当社グループの事業ポートフォリオ及び多様な顧客基盤により、現時点での影響は限定的でありますが、引き続き動向を注視して参ります。一方で、企業における競争力強化やリスク対応の観点から、業務の高度化・効率化やデジタル化の推進に向けた投資は一層加速しており、生成AIやクラウドの活用、業務の自動化、安全性確保に向けた取り組みの重要性も高まっております。現在、製造業を中心に多くの企業がDXを軸とした事業変革を推進しており、当社グループにおいても、こうした先端技術の活用を通じて付加価値の高いソフトウエア開発を推進して参ります。今後は、以下の取り組みを通じて中長期的な業績拡大を図ると共に、省人化・省エネルギー・省資源に資するシステム開発を推進し、持続可能な社会(SDGs)の実現に寄与して参ります。 ①労働集約型企業から顧客事業協業型企業へ 取引高の大きい既存・定常の顧客からの安定受注を継続すると共に、新規顧客からの受注拡大に必要な開発要員を確保するために技術者教育に注力し、生成AIをはじめとする先端技術の習得や、より付加価値の高い領域へのシフトを目的としたリスキリングを推進することで、様々な開発案件に開発人材を柔軟かつ機動的に配置できる体制の構築に努めて参ります。また、新規顧客を開拓するために、当社グループのDX支援ソリューション「PlusFORCE」を強化し、営業と技術が一体となった受注体制の強化を図って参ります。加えて、既存の保守・準委任業務においてもシステムの開発・維持だけでなく、顧客の課題に広く目を向け、自社製品だけでなく他社の製品サービスを組み合わせた提案を実施し、顧客事業の成長に貢献する企業を目指して参ります。 ②人材育成と組織力向上 各々の社員の力の総和が企業力です。今一度原点に立ち返り社員のキャリアパスと当社グループのビジョン・方針を合致させ、共に成長していく風土の再構築が必要となります。そのためにグループ制を採用しプロジェクトや個人の課題の把握とサポートをきめ細かく実施して参ります。 また上記の人材育成のためには、その範となる上長の更なる成長が欠かせません。予算達成に向けての短期的な施策だけでなく、中長期的に部下と組織の成長を両立させるべく、ヒューマンスキル教育を強化し組織力の向上を目指すと共に、女性管理職の育成にも注力して参ります。 ③生産体制の強化 昨今のIT人材不足に対応するため、第2新卒採用とキャリア採用を強化した結果、年間採用数の25%程度を占めるまでとなり、今後も更に強化して参ります。一方、パートナー活用においては、外注加工費が前期比20%増となり業績拡大に大きく貢献しました。今後更なる拡大のために重点パートナー施策にてWinWinの関係を構築し、請負パートナーの拡大を図って参ります。しかしながら昨今のシステムの大規模化・高度化・複雑化の流れに対応するには、量だけでなく質(スキル)の向上も喫緊の課題であり、技術者のマルチスキル化を早急に図り、顧客の要求に即座に対応できる機動力を培って参ります。今後も、採用・育成・パートナー連携に加え、M&Aを含む各種施策を通じて経営資源の充実を図り、更なる事業拡大と生産体制の強化に取り組んで参ります。 ④AI活用による生産性向上と付加価値創出 生成AIをはじめとするAI技術の進展により、ソフトウエア開発の生産性及び付加価値の在り方が大きく変化しております。当社グループにおいても、開発工程へのAI適用やナレッジ共有の高度化に加え、生成AIを活用した開発生産性の向上、製品開発への組込み、更には自社ソリューションへの適用を進めることで、生産性向上と高付加価値化の両立を図って参ります。 ⑤BO(バックオフィス)機能強化 ここ数年、基幹システムの刷新、社内インフラの整備、人的資本経営を意識した人事制度の改定、品質保証と社員教育の強化に取り組んで参りましたが、従来の定型業務に囚われずゼロベースで業務の効率改善を図ると共に、AIを活用した業務の効率化や高度化を推進し、社員が働きやすい環境整備と内部統制の充実に努めて参ります。 ⑥働き方改革の実践 当社グループの従業員に対しては、働き方改革の方針を踏まえ、心身の健康とワーク・ライフ・バランスに配慮した労務管理を進めており、人的資本経営やSDGsを重視した経営の根幹を成すものと捉えております。具体的には、ノー残業dayの実施とその浸透、衛生委員会を通じた職場・労務環境の管理と整備、プロジェクトマネジメントの強化による工程遅れやトラブルに起因する残業の増加防止等の施策について全社を挙げて進めると共に、勤務時間の柔軟性につきましても、介護・育児等の諸事情に配慮し、新しい時代の働き方の可能性の一つとして、今後も進化させて参ります。 ⑦サステナビリティへの対応 当社グループは、国際的な取り組みであるSDGs(持続可能な2030年までの開発目標)の実現に向けて、社内でできることは当然のことながら、長年にわたる産業向けソフトウエア開発の経験とノウハウを活かし、「人が安全・安心して働ける製造現場」、「製造に係るエネルギーの削減」、「製造に必要な資源のムダの排除」等をお客様のシステム開発に適用し、製造業のお客様のSDGs実現を支えて参りました。また当期におきましては、こども食堂への寄付等も実施し、今後も継続・強化して参ります。⑧サイバーセキュリティへの対応強化 サイバーリスクの高度化に伴い、情報セキュリティの確保は重要な経営課題となっております。当社グループにおいては、開発プロセス及び社内基盤の両面においてセキュリティ対策の強化を図ると共に、生成AIを活用した開発におけるセキュリティ確保にも留意しながら、安全性と利便性の両立を図って参ります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社は、「東海ソフトは顧客に信頼される誠実な企業である」、「東海ソフトは技術・商品を常に研く企業である」、「東海ソフトは社員に信頼される誠実な企業である」を経営理念とし、日本の製造業をソフトウエア技術で支えることを経営の中心として、以下の経営方針を掲げて事業を進めております。1.顧客に価値を提供し続けるために、・新しい技術への挑戦と提案を行います。・トレンドを先取りしたビジネス展開を目指します。・提案から開発・運用までのワンストップソリューションを提供します。2.顧客・社員・社会すべてに信頼される会社であるために、・高品質な製品と高信頼なサービスを提供します。・良好な労働環境と人材育成及び安定雇用に努めます。・コンプライアンス・セキュリティ・環境保全へ真摯に対応します。 (2)目標とする経営指標 当社グループが目標とする経営指標は、営業利益率10%以上、自己資本当期純利益率(ROE)12%以上としております。当社グループ事業であるソフトウエア受託開発及びソフトウエア開発に係る役務の提供は、開発に係る人材と営業利益が非常に強い関係を持っております。優秀な人材による高付加価値の開発案件の受注とプロジェクト管理力・品質管理力の向上が利益を生み、将来の利益につながる人材教育と新技術習得の余裕を生み出します。以上のことから、当社グループでは利益の社員への還元と株主の皆様への還元を図るためにも収益力の向上を目標として、営業利益率を重要な経営指標としております。また、株主価値の最大化のため、強固な財務体質の維持に注力することを目標として、自己資本当期純利益率(ROE)を重要な経営指標としております。 (3)中長期的な会社の経営戦略 生成AIをはじめとするAI技術の急速な進展により、当社グループを取り巻く事業環境は大きな転換期を迎えております。ソフトウエア開発の事業環境は大きく変化しており、開発の高度化・複雑化が進む中で、技術力に加え、顧客業務や業界に対する深い知識が競争力の源泉となりつつあります。 また、VUCA時代に象徴される不確実性の高い経営環境においては、景気変動の影響を受けにくい安定的な収益基盤の構築が重要な経営課題となっております。更に、高度なIT人材の不足が続く中、顧客課題を的確に把握し、プロジェクトを牽引すると共に、顧客への付加価値創出を担う高度な専門人材の確保・育成も重要な課題と認識しております。 このような環境変化を踏まえ、当社グループは、AI活用力、顧客業務・業界知識、現場実装力を融合し、開発生産性の向上と提供価値の高度化を両立することを目指して参ります。安定的な収益基盤の構築に向けては、公共・社会インフラ領域の拡大を目指し、事業ポートフォリオの最適化を図ると共に、技術者の専門性向上と多様な専門人材の育成を進めて参ります。 更に、持続的な成長を支える人的資本への投資を強化し、顧客業務・業界の知識及びマネジメント力を備えた人材の育成に取り組んで参ります。教育投資、処遇の向上、働きやすい環境の整備に加え、バックオフィス機能を含む経営基盤の強化を進めることで、事業成長を支える強固な組織基盤の構築を図って参ります。 当社グループは、中期経営計画において「AI時代における持続的成長への戦略投資」をスローガンに掲げ、以下の取り組みを通じて企業価値の向上と持続的な成長の実現を目指して参ります。 1.製造業の競争力向上と現場変革を支えるDX事業への進化①パートナー企業との協業によるソリューション提供力の強化②自社ソリューションによる提供価値の拡大③製造・物流現場の自動化・省人化領域への展開2.SDx時代における製品開発事業(組込み領域)の進化①SDV時代を支える車載ソフトウエア開発の拡大②AI・クラウドによるデジタルエンジニアリングへの進化③ロボティクス・次世代産業機器分野への事業拡大 3.AI活用による競争力の強化①開発生産性の向上による収益力の強化②自社ソリューションへのAI統合による提供価値の高度化③組込み領域におけるAI活用の推進④AI活用力、顧客業務・業界知識、現場実装力を融合した競争優位の確立4.公共・社会インフラ領域の拡大①行政・公共DXによる社会的価値の創出②エネルギー・防災・社会インフラ分野への展開③景気変動に強い安定収益基盤の構築④成長性と安定性を両立する事業ポートフォリオの実現5.人的資本経営①高度専門人材の採用・育成・定着②技術力、組織力、マネジメント力の強化③多様な人材が活躍できる環境整備④持続的成長を支える組織基盤の強化 (4)会社の優先的に対処すべき課題 当社グループのソフトウエア開発事業の顧客を取り巻く経営環境は、製品の製造・販売から継続的に価値を提供するサービス型ビジネスへの転換が一層進展しており、この流れは海外企業を先行としたグローバルな潮流として定着しつつあります。加えて、生成AIをはじめとするデジタル技術の急速な進化により、開発プロセスやビジネスモデルそのものの変革が求められており、当社グループの受注環境も大きく変化しております。 また、地政学的リスクの高まりや世界経済の不確実性、物価上昇等の影響につきましては、当社グループの事業ポートフォリオ及び多様な顧客基盤により、現時点での影響は限定的でありますが、引き続き動向を注視して参ります。一方で、企業における競争力強化やリスク対応の観点から、業務の高度化・効率化やデジタル化の推進に向けた投資は一層加速しており、生成AIやクラウドの活用、業務の自動化、安全性確保に向けた取り組みの重要性も高まっております。現在、製造業を中心に多くの企業がDXを軸とした事業変革を推進しており、当社グループにおいても、こうした先端技術の活用を通じて付加価値の高いソフトウエア開発を推進して参ります。今後は、以下の取り組みを通じて中長期的な業績拡大を図ると共に、省人化・省エネルギー・省資源に資するシステム開発を推進し、持続可能な社会(SDGs)の実現に寄与して参ります。 ①労働集約型企業から顧客事業協業型企業へ 取引高の大きい既存・定常の顧客からの安定受注を継続すると共に、新規顧客からの受注拡大に必要な開発要員を確保するために技術者教育に注力し、生成AIをはじめとする先端技術の習得や、より付加価値の高い領域へのシフトを目的としたリスキリングを推進することで、様々な開発案件に開発人材を柔軟かつ機動的に配置できる体制の構築に努めて参ります。また、新規顧客を開拓するために、当社グループのDX支援ソリューション「PlusFORCE」を強化し、営業と技術が一体となった受注体制の強化を図って参ります。加えて、既存の保守・準委任業務においてもシステムの開発・維持だけでなく、顧客の課題に広く目を向け、自社製品だけでなく他社の製品サービスを組み合わせた提案を実施し、顧客事業の成長に貢献する企業を目指して参ります。 ②人材育成と組織力向上 各々の社員の力の総和が企業力です。今一度原点に立ち返り社員のキャリアパスと当社グループのビジョン・方針を合致させ、共に成長していく風土の再構築が必要となります。そのためにグループ制を採用しプロジェクトや個人の課題の把握とサポートをきめ細かく実施して参ります。 また上記の人材育成のためには、その範となる上長の更なる成長が欠かせません。予算達成に向けての短期的な施策だけでなく、中長期的に部下と組織の成長を両立させるべく、ヒューマンスキル教育を強化し組織力の向上を目指すと共に、女性管理職の育成にも注力して参ります。 ③生産体制の強化 昨今のIT人材不足に対応するため、第2新卒採用とキャリア採用を強化した結果、年間採用数の25%程度を占めるまでとなり、今後も更に強化して参ります。一方、パートナー活用においては、外注加工費が前期比20%増となり業績拡大に大きく貢献しました。今後更なる拡大のために重点パートナー施策にてWinWinの関係を構築し、請負パートナーの拡大を図って参ります。しかしながら昨今のシステムの大規模化・高度化・複雑化の流れに対応するには、量だけでなく質(スキル)の向上も喫緊の課題であり、技術者のマルチスキル化を早急に図り、顧客の要求に即座に対応できる機動力を培って参ります。今後も、採用・育成・パートナー連携に加え、M&Aを含む各種施策を通じて経営資源の充実を図り、更なる事業拡大と生産体制の強化に取り組んで参ります。 ④AI活用による生産性向上と付加価値創出 生成AIをはじめとするAI技術の進展により、ソフトウエア開発の生産性及び付加価値の在り方が大きく変化しております。当社グループにおいても、開発工程へのAI適用やナレッジ共有の高度化に加え、生成AIを活用した開発生産性の向上、製品開発への組込み、更には自社ソリューションへの適用を進めることで、生産性向上と高付加価値化の両立を図って参ります。 ⑤BO(バックオフィス)機能強化 ここ数年、基幹システムの刷新、社内インフラの整備、人的資本経営を意識した人事制度の改定、品質保証と社員教育の強化に取り組んで参りましたが、従来の定型業務に囚われずゼロベースで業務の効率改善を図ると共に、AIを活用した業務の効率化や高度化を推進し、社員が働きやすい環境整備と内部統制の充実に努めて参ります。 ⑥働き方改革の実践 当社グループの従業員に対しては、働き方改革の方針を踏まえ、心身の健康とワーク・ライフ・バランスに配慮した労務管理を進めており、人的資本経営やSDGsを重視した経営の根幹を成すものと捉えております。具体的には、ノー残業dayの実施とその浸透、衛生委員会を通じた職場・労務環境の管理と整備、プロジェクトマネジメントの強化による工程遅れやトラブルに起因する残業の増加防止等の施策について全社を挙げて進めると共に、勤務時間の柔軟性につきましても、介護・育児等の諸事情に配慮し、新しい時代の働き方の可能性の一つとして、今後も進化させて参ります。 ⑦サステナビリティへの対応 当社グループは、国際的な取り組みであるSDGs(持続可能な2030年までの開発目標)の実現に向けて、社内でできることは当然のことながら、長年にわたる産業向けソフトウエア開発の経験とノウハウを活かし、「人が安全・安心して働ける製造現場」、「製造に係るエネルギーの削減」、「製造に必要な資源のムダの排除」等をお客様のシステム開発に適用し、製造業のお客様のSDGs実現を支えて参りました。また当期におきましては、こども食堂への寄付等も実施し、今後も継続・強化して参ります。⑧サイバーセキュリティへの対応強化 サイバーリスクの高度化に伴い、情報セキュリティの確保は重要な経営課題となっております。当社グループにおいては、開発プロセス及び社内基盤の両面においてセキュリティ対策の強化を図ると共に、生成AIを活用した開発におけるセキュリティ確保にも留意しながら、安全性と利便性の両立を図って参ります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。 ①財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の回復を背景に緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、物価上昇や人手不足の継続により消費活動には伸び悩みが見られるほか、米国の金融・経済政策動向や中東情勢を含む地政学的リスク等を背景とした海外景気の不確実性が継続しており、先行きは依然として不透明な状況にあります。 当社グループの属するソフトウエア業界においては、人手不足を背景とした業務効率化ニーズの高まりやデジタル化・高度化に向けた戦略的投資を受け、企業のIT投資は堅調に推移いたしました。一方で、中東情勢や主要顧客の再編動向等を背景に、一部で受注環境の不透明感が高まり、その影響も見られ始めております。また、要件の多様化や技術的難易度の上昇に伴い、ソフトウエア開発におけるプロジェクトの複雑性は引き続き高い水準にあります。このような環境を踏まえ、当社グループでは、進捗管理及びリスク管理の強化を中心にプロジェクト管理体制の高度化を推進して参りました。一部の不採算プロジェクトについては、期中の対応により影響の極小化を図り、通期業績への影響は限定的にとどまりました。また、見積精度の向上及び生産性の改善に継続的に取り組むことで、収益性の安定化と中長期的な成長基盤の強化を進めております。 当社グループは、2024年12月(前第3四半期連結会計期間)においてAJ・Flat株式会社の発行済み全株式を取得し、同社を連結子会社といたしました。当期においては、同社の完全子会社化から1年が経過し、当社及びAJ・Flat株式会社の2社でグループを構成しております。 当連結会計年度における各事業分野の事業の状況と取り組みについて、以下に記載いたします。1)組込み関連事業におきましては、自動車業界においてSDV(ソフトウエア・デファインド・ビークル)への本格的なシフトが進展しており、これに伴い、車載組込みソフトウエア開発分野では大規模な投資や技術面における高度化及び開発手法の変革が進んでおります。当社グループは、SDV化の進展により重要性が一層高まる電動化領域(EV)及び先進安全(ADAS)技術を中心に、エンジニアのスキル高度化や開発体制の強化を継続的に推進し、自動車産業向け車載組込みソフトウエア分野における受注拡大を図っております。更に、民生・産業機器メーカーにおきましては、組込みソフトウエアを含む次世代製品の開発が、中長期的な競争力強化に直結する重要な取り組みとなっています。当社グループでは、顧客による将来を見据えた開発投資の拡大に対応するため、新たな技術動向への追従と、顧客要求の高度化に対応可能な体制の構築を進めております。具体的には、開発要員のマルチスキル化を通じて対応力を強化すると共に、AI技術を活用した開発プロセスの効率化及び品質向上を推進しております。2)製造・流通及び業務システム関連事業におきましては、国内製造業・物流業における競争力強化や業務効率化を目的としたシステム投資は継続して活発な状況にあります。今後も事業のデジタル化に加え、省人化や自動化を目的とした取り組みが進展することで、製造DX関連の投資は高水準で推移すると見込まれます。このような事業環境の下、当社グループは、MES(製造実行システム)、WMS(倉庫管理システム)、SCM(サプライチェーンマネジメント領域)におけるDX支援ソリューション「PlusFORCE」の活用、AMR(自律移動ロボット)・AGV(無人搬送車)・AGF(無人フォークリフト)などのロボットを活用した構内物流の効率化、基幹システム刷新に対し製造業向け統合業務パッケージ「mcframe」による業務プロセスの標準化・効率化、提案活動の強化と、関連領域における開発体制の強化・集中により、受注及び業績の拡大を目指して参ります。また、製造業におけるDX推進やスマートファクトリー化の進展を背景に、生産管理パッケージ「mcframeシリーズ」を展開するビジネスエンジニアリング株式会社との協業関係の下、当社グループが強みを持つ設備制御領域と、同社が強みを持つ生産管理領域を組み合わせたMES関連ソリューションの提供に取り組んでおり、製造業向けソリューションの提供体制強化を進めております。3)公共関連開発におきましては、国内大手SIerとの良好なパートナーシップを基盤に、これまで参画してきた大型案件の機能強化や改修に加え、デジタル庁が推進する「行政のデジタル化(デジタル・ガバメント実行計画等)」に関連する案件への対応を視野に入れた提案活動を強化しております。現在、デジタル庁は「行政のデジタル改革」から「社会全体のデジタル改革」へと舵を切り、AI・クラウド・データ連携を活用した取り組みが加速しています。当社グループは、こうした政策動向を踏まえ、顧客及びパートナー企業との信頼関係を一層強化しながら、安定的かつ継続的な受注・売上の確保を図ると共に、公共ヘルスケア分野を重点領域として、デジタル化やデータ連携基盤の需要を背景に、開発体制の強化と重点領域への集中を進め、パートナー企業との協働を通じて公共分野のDX推進に寄与して参ります。4)ソフトウエア業界は、デジタル化の進展やAI技術の台頭により、今後も堅調な成長が見込まれる一方で、IT人材不足やAIの進展に伴う求められるスキルの変化が課題となっております。当社グループは、生成AIを活用した開発生産性の向上や製品開発への組込み、更には自社ソリューションへの適用を進めていく上で、専門性と創造性を有する人材の確保・育成が不可欠であると認識しております。このような認識の下、人材を「資本」と捉え、持続的成長を支える人材への教育投資を継続的に強化すると共に、新卒・経験者採用の拡充やM&Aを通じた人材獲得、パートナー企業との協業強化を推進しております。また、成長分野への人材シフトや、事業環境の変化や新たな技術動向への対応力を高める開発者のリスキリングにも注力しております。更に、人材確保・育成の基盤として働きやすい職場環境の整備が重要であると考え、社員の安全・健康・ウェルビーイングを重視した働き方改革を推進し、業績拡大との両立を目指しております。 当社グループはソフトウエア開発事業の単一セグメントであるため、当社グループ事業区分別の業績について、以下に記載いたします。 <組込み関連事業> 事業環境は引き続き堅調に推移している中、民生・産業機器に係る組込み関連開発において製品開発・改良に係る開発需要は活発な状況にあり、組込み関連事業の売上高は、4,169,715千円(前期比20.2%増)となりました。<製造・流通及び業務システム関連事業> 国内の製造・流通業における設備投資や関連する製造関連業務システム開発は、事業のデジタル化のためのシステム投資は継続して堅調な状況を維持し、製造・流通及び業務システム関連事業の売上高は、6,249,947千円(前期比18.5%増)となりました。<金融・公共関連事業> 公共関連開発に係る受注は堅調に推移し、受注・開発体制も適切に対応できたものの、前期に比べ売上規模が緩やかな水準で推移したことから、金融・公共関連事業の売上高は、1,752,949千円(前期比6.0%減)となりました。 なお、上記3区分に分類できないAJ・Flat株式会社における一般事務派遣等の売上高は、112,596千円(前期比54.1%増)となりました。 以上の結果、当連結会計年度の売上高は12,285,207千円(前期比15.0%増)、営業利益は1,376,780千円(前期比22.9%増)、経常利益は1,400,570千円(前期比22.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は956,857千円(前期比17.6%増)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、2,057,387千円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は、1,157,043千円(前連結会計年度は751,251千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が1,400,570千円あった一方で、法人税等の支払額が374,857千円あったことによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、75,483千円(前連結会計年度は248,356千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が74,512千円あったことによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は、1,222,852千円(前連結会計年度は3,529千円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が955,559千円、配当金の支払額が263,209千円あったことによるものであります。 ③生産・受注及び販売の実績a.生産実績 当社グループは、ソフトウエア開発事業の単一セグメントでありますので、セグメント別の記載に代えて、当社グループ事業戦略上の事業区分別に記載しております。 事業区分当連結会計年度(自 2025年6月1日 至 2026年5月31日)前年同期比(%)組込み関連事業(千円)3,058,991115.0製造・流通及び業務システム関連事業(千円)4,806,820121.9金融・公共関連事業(千円)1,384,36995.2その他(千円)95,767157.1合計(千円)9,345,948115.2(注)上記の金額は製造原価によっております。 b.受注実績 当社グループは、ソフトウエア開発事業の単一セグメントでありますので、セグメント別の記載に代えて、当社グループ事業戦略上の事業区分別に記載しております。 当連結会計年度(自 2025年6月1日 至 2026年5月31日)事業区分受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)組込み関連事業4,118,573114.2491,64692.2製造・流通及び業務システム関連事業6,386,039124.41,447,701131.9金融・公共関連事業1,667,68686.3239,21959.1その他112,596154.1--合計12,284,895114.32,178,567107.0(注)上記の金額は、「収益認識に関する会計基準」等によらず、ソフトウエア開発又はソフトウエア開発に係る役務提供が完了した時点での金額を記載しております。 c.販売実績 当社グループは、ソフトウエア開発事業の単一セグメントでありますので、セグメント別の記載に代えて、当社グループ事業戦略上の事業区分別に記載しております。事業区分当連結会計年度(自 2025年6月1日 至 2026年5月31日)前年同期比(%)組込み関連事業(千円)4,169,715120.2製造・流通及び業務システム関連事業(千円)6,249,947118.5金融・公共関連事業(千円)1,752,94994.0その他(千円)112,596154.1合計(千円)12,285,207115.0 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、経営者により、一定の会計基準の範囲内で、かつ合理的と考えられる見積りが行われている部分があり、資産・負債、収益・費用の金額に反映されております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。 なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。 ②当連結会計年度の経営成績の分析 「(1)経営成績等の状況の概況 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載の通りであります。 ③経営成績に重要な影響を与える要因について 当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクにつきましては、「3 事業等のリスク」に記載の通りであります。 ④資本の財源及び資金の流動性についての分析a.資金需要 当社グループの主な資金需要は、運転資金、借入の返済及び利息の支払い、並びに法人税等の支払等であります。 b.資金の源泉 当社グループは、必要な資金を主として営業活動によるキャッシュ・フローである自己資金により充当し、負債と資本のバランスに配慮しつつ必要に応じて金融機関からの借入を実施しております。 c.キャッシュ・フロー 「(1)経営成績等の状況の概況②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。 当社グループの事業活動により生じた利益につきましては、手元資金、成長投資、株主還元の順に優先順位を置きながら当社グループの事業環境や成長ステージを考慮しつつバランスよく運用・活用して参ります。当社グループ事業の運営及び維持拡大に必要な運転資金となる手元資金と研究開発や設備に必要な成長投資につきましては、原則的に営業キャッシュ・フローの範囲で賄っておりますが、資金需要の季節性に配慮し金融機関からの借入も併せて対応しております。 なお、事業拠点の取得等の高額な設備投資やM&A等の資金につきましては、内部留保に加え増資や金融機関からの借入等により賄って参ります。 株主還元につきましては、手元資金、成長投資を優先させた上で配当性向の目標を20~30%とし、安定的な株主還元に努めて参ります。 ⑤経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループ事業におきましては、事業の効率性・収益性が営業利益率と非常に強い関係があることから、営業利益率を重要な経営指標としております。当社グループの営業利益率目標10.0%に対し2026年5月期は11.2%(前期比0.7ポイント増)でありました。また、株主価値の最大化のため強固な財務体質の維持に注力することとし、自己資本当期純利益率(ROE)を重要な経営指標としておりますが、当社グループの自己資本当期純利益率目標12.0%に対し2026年5月期は14.9%(前期比1.5ポイント増)でありました。 主な理由として、全ての事業分野においてDX投資が継続して活発な状況であることが、収益性に影響したと考えております。 ⑥当連結会計年度末の財政状態の分析(資産) 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ201,177千円減少の11,038,299千円となりました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産が164,498千円増加した一方、現金及び預金が141,293千円減少、電子記録債権が135,892千円減少、のれんが111,097千円減少したことによるものであります。(負債) 当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ963,177千円減少の4,218,542千円となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が146,100千円減少、長期借入金が809,364千円減少したことによるものであります。(純資産) 当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ761,999千円増加の6,819,757千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が956,857千円増加した一方、配当金の支払いにより利益剰余金が263,193千円減少したことによるものであります。

事業リスク

  • 景気変動による影響
    ソフトウェア受託開発事業は、顧客企業の設備投資や製品開発計画に左右されやすく、景気の大幅な悪化や大規模災害、パンデミックなどにより、受注や売上が減少する可能性があります。東海ソフトは、複数の事業分野に分散投資することでリスクを軽減しようとしています。
  • 大口顧客への依存
    各事業部門に大口取引先が存在するため、これらの取引先の事業方針変更や開発投資計画の縮小、取引終了などがあった場合、東海ソフトの業績や財政状態に大きな影響を与える可能性があります。新規顧客開拓と顧客満足度向上でリスク低減を図っています。
  • 人材確保の困難さ
    ソフトウェア開発において、高いスキルを持つ優秀な技術者の確保は不可欠ですが、獲得競争は年々激化しています。計画通りの採用ができない場合や、重要な技術者の離職があった場合、開発力の低下を招き、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|7,818 文字
3【事業等のリスク】 当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があると考えられる主なものとしては、以下の内容が挙げられます。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家に対する積極的な情報開示の観点から、以下に開示しております。なお、すべてのリスクを網羅している訳ではありません。また各リスク以外にも、現時点では予測できないリスクの発生により、当社グループの経営成績等が影響を受ける可能性があります。当社グループでは、下記で各リスクに関する記載の中の対応等を講じておりますが、それらの対策が当社グループの意図する通りに実現できない可能性もあります。 当社では、リスク・コンプライアンス委員会にて事業その他に関する様々なリスクを抽出して「発生頻度・影響度」にて重要性を評価し「重要リスク一覧表」として明確化した上で、対応策を策定し取り組んでおります。 リスク分類はリスクが与える影響として、①事業活動への悪影響、②財務状況への悪影響、③信用の失墜、④損害賠償を識別しております。 なお、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 リスク分類リスクの内容主な取り組み①事業活動への悪影響②財務状況への悪影響「景気変動によるリスク」 当社グループの事業であるソフトウエア受託開発及びソフトウエア開発に係る役務の提供は、景気の影響を受けやすい傾向にあります。国内外の政治・経済の大幅な変動及び地震等の広域大規模災害・パンデミック等による国内外景気の大幅な悪化により、顧客企業における事業縮小・撤退及び設備投資・製品開発・情報システム等の計画見直しや縮小による受注・売上の減少は、当社グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、営業及び技術部門が収集した情報や政府発表の景気動向指数等指標から景気情勢の的確な把握に努め、景気悪化に迅速かつ的確な対応をとることで当社グループの業績や財政状態に与える影響の抑制に努めております。また組込み関連事業、製造・流通及び業務システム関連事業、金融・公共関連事業の3つの事業分野を有しており、事業領域を分散しバランスをとることにより業績の安定化を図っております。①事業活動への悪影響②財務状況への悪影響「大口顧客依存に関するリスク」 当社グループの各事業部門には、それぞれ大口取引先が存在します。大口取引先の事業方針及びソフトウエア開発投資計画の変更など、何らかの理由により、大口取引先との取引が終了又は大幅に縮小した場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、大口取引先との取引関係を継続するために、顧客の開発及び品質手法の習熟に努め、品質・コスト・納期等に対する顧客満足度の向上を通して信頼関係の維持に努めると共に、新規顧客開拓を進めることにより顧客基盤の拡大に努めております。①事業活動への悪影響「協力会社依存に関するリスク」 当社グループは、生産性向上及び外部企業の持つ専門性の高いノウハウ活用等の目的で、受託したシステム開発における一部プログラム作成業務を協力会社(外注先)に外部委託又は派遣による役務の提供を受けることがあります。また、協力会社への委託は、受注の機会損失を無くし顧客要請への迅速な対応を可能にすることから、当社グループの事業拡大において協力会社の確保や良好な取引関係の維持は不可欠であります。今後、協力会社技術者の需給バランスの変化による、協力会社の要員の確保難や発注価格の高騰等が、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、協力会社社員の教育・研修等の施策を実施し協力会社との協力関係をより強固なものにするために努めております。また新規協力会社の開拓に取り組むための専門の部署を設けて、既存の取引先との関係強化及び新規取引先の開拓を進め、優秀な技術者の確保に努めております。①事業活動への悪影響「人材確保のリスク」 当社グループの事業の継続、拡大、及び付加価値向上において、一定水準以上のスキルを有する優秀な技術者の確保は不可欠なものであります。しかし、こうした技術者の獲得競争は年々厳しさを増し、収益の要となるプロジェクトマネジメント技術を有する技術者の育成にも時間がかかるのが現状であります。こうした中で、景気変動をはじめ諸般の事情により採用人員が計画数を大きく下回った場合及びプロジェクトマネジメントやプロジェクトを支える技術の要となる従業員が離職した場合には、ソフトウエア開発力の低下を招き、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、新人・中途採用を問わず計画的かつ継続的に人材の採用と育成を行い技術者の要員確保及び技術レベルの向上に努めております。また、優良な協力会社の開拓と関係維持に努め外部人材の活用にも積極的に取り組んでおります。 リスク分類リスクの内容主な取り組み①事業活動への悪影響「価格競争に関するリスク」 当社グループの属する受託ソフトウエア開発業界は、価格による差別化が競争優位を確保する大きな要因の一つであります。今後はソフトウエア開発のグローバル化による海外企業を交えた価格競争や開発効率の向上による価格競争が激化することが予想されます。こうした競合相手との価格競争による受注の減少や収益性の低下等が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、価格競争に対して継続的なプロジェクト管理や品質管理の強化を通じて、開発効率の向上に努め開発コストの低減を進めると共に、価格競争に左右されない新しく高度なソフトウエア技術の習得等により、常に収益性の向上に努めております。②財務状況への悪影響③信用の失墜「不採算プロジェクト及びトラブル・クレーム発生に関するリスク」 ソフトウエアによるシステム開発においては、開発規模の大型化、顧客の要求の高度化、複数のメーカーのソフトウエア製品を組み合わせて活用するソフトウエアのオープン化の進展等によるシステムの複雑化が進み、開発の難易度がますます高くなっております。顧客の要求するシステムに係る開発は、社会的にも重要性が高く、納期厳守と高い品質の確保が要求されるため、これらシステム開発における品質や納期遅延の問題は、顧客の信頼を失うと共に大きな赤字を計上するだけでなく、顧客との間でトラブル・クレームとなり訴訟や商流の喪失・風評被害につながる可能性があり、結果として当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社では、PMBOK等の工程管理手法を活用し、商談発生時から納品、検収までのプロジェクトの進行を監視することで、品質の保持、生産性の維持に努めております。またプロジェクトの振り返りにより品質改善や生産性向上に取り組み、システム開発における品質不良や納期遅延による赤字計上の業績への影響や顧客満足度の低下の抑制に努めております。①事業活動への悪影響③信用の棄損「労務管理のリスク」 ソフトウエアによるシステム開発は、知識集約型かつ労働集約型の業務であります。また、顧客の要求するシステムに係る開発は、社会的な重要性が高く、納期厳守と高い品質の確保が要求されるため、ソフトウエア開発に当たるエンジニアへの負担が増加するケースが多く、精神的なストレスや長時間労働による健康問題につながる可能性があります。 また、予想外のトラブルや開発環境等の変化により、一時的に特定の従業員に業務負荷がかかるリスクがあります。こうした状況が労務問題に発展した場合には、他の従業員の士気の低下をはじめ、風評被害を含む社会的・法的問題につながり、結果として当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、政府の掲げる働き方改革の方針を受け、過重労働の撲滅を最重要課題とし、総務人事部主催による各部門の部長以上が参加する衛生委員会を毎月開催し、残業時間をはじめ常に従業員の健康に配慮した労働環境の整備に努めております。①事業活動への悪影響②財務状況への悪影響③信用の棄損④損害賠償「法的規制に関するリスク」 当社グループは、法令等を遵守しておりますが、法的規制の変更があった場合や法令に違反した場合等において、当社グループが的確に対応できなかった場合には、当社グループの事業活動が制限されると共に、社会的な信用の失墜や損害賠償等により当社グループの業績や財務状況に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、顧客先に社員を派遣してシステム開発等を行う場合があります。当社グループは「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」を遵守し、労働者派遣事業者として監督官庁への必要な届出を行っております。前記の他法令等を遵守する取り組みの一つとして、内部統制を確立させることで、法令他、その他独自のルール違反について未然に防ぐ仕組みを整備し、運用しております。また、社員の行動指針において法令遵守と違反時の罰則を明記し内部通報制度を設け、内部監査室、監査等委員、社外顧問弁護士等と連携して、法令遵守に努めております。①事業活動への悪影響②財務状況への悪影響③信用の棄損④損害賠償「知的財産権に関するリスク」 近年のソフトウエア開発は、多様化・複雑化しており、商業用に開発されたものではなく、比較的自由に参照・利用できるソフトウエアであるオープンソースの利用等により、当社グループの認識の範囲外で他者の所有する著作権及び特許権を侵害する可能性があります。このように、第三者の知的財産権を侵害してしまった場合、多額の費用負担の発生や損害賠償請求を受けるなど、当社グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、ソフトウエア開発等において、他社の所有する著作権及び特許権を侵害しないように、著作権管理規程を整備した上で開発者に対し十分な啓蒙活動を行うと共に、営業会議・幹部会議等においても該当する事案がないか常に注意を払っております。 リスク分類リスクの内容主な取り組み①事業活動への悪影響「自然災害に関するリスク」 気候変動に伴う大型台風や洪水、大型地震などの大規模な自然災害により、当社グループや当社グループの主要顧客が被災した場合、①当社グループの顧客事業所や当社グループ及び当社グループ開発担当者の被災による、顧客のIT投資計画及び製品開発計画の延伸や中止による受注・売上の減少②開発関連資料やソースコードの棄損による既受注案件の納期遅延や開発スケジュールの混乱によるトラブルの発生③当社グループ及び協力会社社員が被災した場合における、新規開発受注の機会損失及び既受注案件の納期遅延や開発スケジュールの混乱によるトラブルの発生が当社グループの業績や財務状態に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、営業会議・幹部会議・取締役会におきまして平時より顧客及び業界を取り巻く環境について広く情報を集め議論しており、災害発生時におきましても同様の手段により顧客、協力会社と当社グループの被害状況について共有・議論を行って参ります。また災害により移動が困難な場合におきましても十分なコミュニケーションが保てるようリモートアクセス環境を整えております。個別の対応につきまして、災害によるプログラムコード等の重要なデータにつきましては、2拠点間の相互バックアップを行いデータの安全性を確保しております。また、従業員の安全を確保する目的で大規模災害時の対応マニュアルを整備し、社内に周知しております。①事業活動への悪影響②財務状況への悪影響③信用の棄損「不適切な会計処理に関するリスク」 当社グループは、顧客の情報システムや顧客の製品開発等に係るソフトウエア開発の受託開発及び開発に係る技術者の派遣(役務の提供)を事業としており、その成果物は一般にソフトウエアプログラムという無形物であります。当社グループは上場企業として会計監査人の監査により当社グループ会計処理の評価・指導を受けると共に、社内におきましても内部統制制度の整備・運用に努めておりますが、個々のソフトウエア開発案件におきまして、原価が正しく賦課されていない場合や収益認識に関する会計基準に従わない売上等の計上が行われこれが看過された場合には、有価証券報告書の虚偽記載等の事案を引き起こし当社グループの信用を損ない、当社グループの事業や資金調達等に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、当社グループ事業がソフトウエア開発という無形物を成果とし、その開発工程が可視化されにくいという特性を十分に理解し、工程及び原価管理システムを自社開発し長年にわたり個々のソフトウエア開発案件の個別原価や工程進捗の可視化に努めて参りました。また内部統制制度の整備・運用におきましても事業の特性を意識した統制を行い、ソフトウエア開発事業に係る適切な会計処理に努めております。なお、2022年5月期の期首から適用されております「収益認識に関する会計基準」につきましても、社内関係部署への周知と教育を行い適切に対応できる体制を整えております。①事業活動への悪影響②財務状況への悪影響③信用の棄損④損害賠償「情報等漏洩のリスク」 当社グループは、顧客の情報システムや顧客の製品開発等に係るソフトウエア開発を行うに当たり、顧客の個人情報、機密情報、及び重要な顧客情報等を含んだ情報資産を取り扱っております。万が一にも、当社グループ又はその協力会社(外注先)より顧客情報資産の漏洩が発生した場合は、顧客からの損害賠償請求や当社グループの信用失墜等により、当社グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、顧客情報資産の漏洩、紛失、破壊のリスクに対処するために、ISMSの認証やプライバシーマークの認定を取得すると共に外部機関に当社グループのネットワーク等のセキュリティ診断を依頼しセキュリティに係るリスク低減に努めております。また、社内においては各部門担当者と管理者で構成される情報セキュリティ委員会を設置し、従業員教育及び各種の情報セキュリティ対策を講じ常に情報漏洩のリスクの回避に努めております。①事業活動への悪影響「情報システムに関するリスク」 当社グループは、業務効率化や社内情報共有のため、情報システムを構築・運用しておりますが、外部からの予期せぬ不正アクセスやコンピュータウイルス侵入、自然災害・事故等による情報システムの深刻なトラブルが発生した場合には、業務効率性の低下を招く他、被害の規模によっては、当社グループの事業の継続に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、顧客情報資産の漏洩、紛失、破壊のリスクに対処するために、ISMSの認証やプライバシーマークの認定を取得すると共に外部機関に当社グループのネットワーク等のセキュリティ診断を依頼しセキュリティに係るリスク低減に努めております。また、社内においては各部門担当者と管理者で構成される情報セキュリティ委員会を設置し、従業員教育及び各種の情報セキュリティ対策を講じ常に情報漏洩のリスクの回避に努めております。②財務状況へ の悪影響「M&Aの実施によるリスク」当社は成長戦略の一環として、M&Aを推進しております。M&Aの実施においては市場動向や顧客ニーズ、相手先企業の業績、財政状況及びM&Aに伴うリスク分析等の結果を考慮し進めるよう努めて参りますが、買収後の偶発債務等の何らかの理由により、買収した事業が計画通りに展開する事ができず、投下した資金の回収ができない場合には、追加的費用の発生やのれんの減損等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 M&Aに際しては、対象となる企業についてデューデリジェンスを慎重に行い、買収後の事業計画を検証することによりリスクの低減に努めると共に、買収後もPMIを通じて、円滑な事業遂行を阻害する要因の早期洗い出しなど適切な対処を行いリスクの軽減に努めて参ります。 リスク分類リスクの内容主な取り組み①事業活動への悪影響②財務状況への悪影響③信用の棄損「資本・ガバナンスに関する特有リスク」 当社株式は上場しており、特定の株主による当社株式の大量取得や公開買付け(TOB)等が行われる可能性があります。これらの行為が実行された場合、当社の経営方針や事業戦略に重大な影響を及ぼす可能性があります。特に、当社の中長期的な企業価値の向上を必ずしも目的としない短期的な視点に基づく経営方針の変更や、事業ポートフォリオの見直し、人員構成や投資方針の変更等が行われる場合、当社の持続的成長及び従業員の士気、取引先との関係に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当該行為への対応に際しては、買収提案の検討や対抗措置の検討、株主対応等に経営資源を割く必要が生じることから、事業運営に一定の制約が生じる可能性があります。 当社グループでは、当社株式の大量取得や公開買付け(TOB)等の提案が行われた場合には、株主の皆様の共同の利益及び当社の企業価値の向上の観点から、当該提案の内容について十分に検討を行う方針です。具体的には、取締役会を中心に、独立社外取締役等の意見も踏まえながら、当該提案の内容、妥当性及び当社への影響等を慎重に評価し、必要に応じて外部専門家(弁護士、財務アドバイザー等)の助言を得ながら、適切に対応して参ります。また、株主の皆様に対して適時かつ適切な情報提供を行い、必要に応じて対抗提案や代替案の検討を行うなど、透明性の高い意思決定プロセスを確保することに努めます。①事業活動への悪影響②財務状況への悪影響③信用の棄損「技術革新(AI等)に関するリスク」 近年、生成AIをはじめとする技術革新が急速に進展しており、ソフトウエア開発の手法やビジネスモデルに大きな変化をもたらしております。当社においては、これらの技術を活用することにより開発生産性の向上や新たな付加価値の創出といった機会が期待されます。一方で、当社が当該技術の進展に適切に対応できない場合、開発競争力の低下や価格競争の激化、顧客ニーズへの対応遅れ等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、AI技術の活用に伴う品質管理、知的財産権、情報セキュリティ及び法規制等への対応が不十分である場合には、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、AIをはじめとする新技術の動向を踏まえ、開発プロセスの高度化及びサービスの付加価値向上に取り組んでおります。具体的には、開発支援ツールの活用や技術検証の推進、人材育成の強化を進めております。また、AI活用に伴うリスクに対応するため、品質管理体制や情報管理体制の整備、法令・契約遵守の徹底に努めております。

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