研究開発活動(本文)
FY2025|3,018 文字
6【研究開発活動】 研究開発の強化は当社グループの中期経営計画を達成するために必要不可欠です。Business Development(ビジネスデベロップメント)、Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)、Decarbonization(脱炭素化)は当社グループの4つの戦略的な柱のうちの3つであり、これらの各分野における将来の事業の成功に貢献しています。 当社グループは、主要な市場である日本、米国、欧州で研究開発を行っています。これにより、各地域の顧客ニーズに対する理解をより深めることができます。研究開発部門は、顧客と協力して新たな価値を創造できる分野を探索していますが、独自技術をさらに進化させ、その応用範囲を拡大すること、また、社会の動向を踏まえて、サステナビリティに貢献する分野で先進技術を開発することによってそれを実現していきます。 各事業部門は、地域レベルやグローバルレベルで、研究開発プロジェクトの優先順位付けや計画策定に積極的に関与しています。さらに経営レビューというプロセスにおいて、経営会議や取締役会でも、当社グループにおける研究開発活動の貢献度をモニターし、方向性を決めています。 当社グループにおける当連結会計年度の研究開発費は、99億円となりました。 セグメント別の研究開発費は下表の通りです。 (単位:百万円)セグメントの名称当連結会計年度建築用ガラス事業3,549自動車用ガラス事業3,019高機能ガラス事業859報告セグメント計7,427その他2,497合計9,924 (1)建築用ガラス事業 建築用ガラス事業では、脱炭素化に焦点を当て、サステナビリティに貢献するガラスのリーディングサプライヤーとなることを目指しています。 断熱ガラスやソーラーコントロール(遮熱)ガラスの改良を行い、より良い性能、見た目の美しさ、顧客にとっての加工のし易さを追求しています。 液体コーティング技術に対する新たな投資により、装飾ガラス、商業用冷蔵ケース、高度な複層ガラスの市場において、競争力のある様々な新製品の販売が見込まれます。これらの新製品は、これまでは主に自動車用ガラスの用途に限られていた、当社グループのゾル-ゲル法コーティングに関する豊富な経験の成果によるものです。 太陽電池パネル用ガラス事業も建築用ガラス事業に含まれます。太陽光発電に使われるガラスの市場は、エネルギー市場の不確実性、中国産シリコンへの依存の懸念、気候変動や各国政府による奨励策などが後押しとなり、急速に伸びています。研究開発部門は、当社グループの製造プロセスや、顧客製品に組み込まれる当社製品の改良において重要な役割を果たしています。これは既に確立されたCd-Te太陽電池や、新興のペロブスカイト太陽電池、タンデム型太陽電池においても同様です。顧客ニーズは常に進化しており、当社グループの研究者たちは、高い技術力でそのニーズに応えるために改良を加えています。このようにして当社グループは、潜在的な競合他社に先んじています。 太陽電池の開発に取り組んでいる世界の多くの研究チームが当社グループのコーティングガラス製品を技術開発の基板として使用しています。 以上により、建築用ガラス事業における当連結会計年度の研究開発費は35億円となりました。 (2)自動車用ガラス事業 自動車ガラス事業においては、世界中の顧客がより安全で、コネクテッドで、環境に優しい自動車にシフトできるように製造技術を進歩させ、また、同時にグローバル・サプライヤーとして持続的かつ収益性の高い事業に転換していくことを目指しています。 主な戦略目標は、ビジネスをサポートし、顧客と密接に連携して顧客ニーズを満たすための研究開発プログラムの方向性を定めています。 ますます高度化する運転支援システムに対応するため、製品特性を継続的に改善させていくことが求められています。これらのシステムは、ヘッドアップディスプレイに表示されるデータ量が増加し、画像認識を可能にする高度な光学技術が使用されています。 スタイリッシュな形状や、ますます人気が高まっている大型のルーフガラスを収益性の高い方法で製造できるよう、高度なガラス曲げ技術を開発しています。顧客の中には、そのようなルーフガラスに調光機能を付けることができる中間膜の組み込みを求める顧客もいます。顧客のニーズはそれぞれ異なりますが、研究開発部門は顧客と密接に連携し、顧客のニーズに確実に応えていきます。 以上により、自動車用ガラス事業における当連結会計年度の研究開発費は30億円となりました。 (3)高機能ガラス事業 高機能ガラス事業では、光学レンズ製品やガラスファイバー、ガラスフレーク等のガラス繊維製品、超薄板ガラス製品など、当社のコア技術を活用した多くの成長分野で事業を行っています。 2021年より新たな事業開発体制をスタートしました。環境、オプティクス、デジタルの3つの領域にフォーカスし、それぞれの市場が必要としているソリューション(製品)の開発を行っています。 2024年までの3年間に、高強度高弾性ガラス繊維(MAGNAVI®)、カメラ用の高機能光学機能液など、新たな事業の開発に成功しました。その一部はすでに事業化されて、さらに販売の強化拡大を行っています。 また、新しい市場でのマーケティング活動の拡大のために台湾や北米に新たな駐在員事務所を開設し、グローバルでの取り組みも加速しています。 今後も半導体、データセンターや電池用途など、環境、オプティクス、デジタルの3つのフォーカス領域において顧客との緊密な連携を図り、顧客ニーズに合わせたガラス組成や製造プロセスなどを開発して、新たな事業の構築活動を積極的に進めていきます。 以上により、高機能ガラス事業における当連結会計年度の研究開発費は、9億円となりました。 (4)その他 研究開発部門は、各事業部門に特化した業務テーマに加え、すべての事業部門を横断する技術にも取り組んでおり、当社グループの技術の応用や革新的な技術を採用できる新たな機会を追求しています。 2025年に当社グループはインキュベータープログラムを再開しました。革新的な技術を積極的に採用し、多くの潜在的なビジネスパートナーと交流し、研究開発プログラム全体をサポートする学術プログラムを主導しています。 研究開発部門では英国、日本、米国及びドイツの大学との関係を構築しています。また、科学技術、工学、数学(STEM)教育を支援し、地域社会に貢献しています。 デジタル分野において、研究開発部門は長年にわたり中心的な役割を担っています。自動車用ガラスにおける成形、応力、光学特性を予測するためのシミュレーションツールの利用、板ガラスの製造における高度な工程管理ツールの開発、当社製品の性能を測るために建築家が使用するシミュレーションツールの開発などを行っています。研究開発部門は、これらのテーマを継続し、最新の機械学習、AI、ニューラルネットワークを積極的に活用し、材料探索からインライン自動検査システムにおける物体認識まで、幅広い技術的課題に取り組んでいます。 以上により、その他における当連結会計年度の研究開発費は25億円となりました。
FY2023|3,194 文字
6【研究開発活動】 当社グループの製品とサービスの付加価値化を進め、新たな成長の柱を確立するためには、研究開発の強化が必要不可欠です。中期経営計画「リバイバル計画24(RP24)」は翌連結会計年度が計画期間の最終年度となることを見据え、実績の評価と今後の対応を検討すると同時に、事業戦略に基づき、以下の分野の研究開発活動に注力しています。 1)快適空間の創造:快適で安全・健康な「人にやさしい生活空間」を創造する2)地球環境の保護:再生可能エネルギーの活用拡大や冷暖房負荷の軽減などを通して「地球にやさしい環境」を創造する3)情報通信分野: 人々の暮らしをより便利にし、社会の進化をささえる情報通信関連分野に貢献する 研究開発部門は、NSGグループの将来の成長にとって重要となる多くの取り組みを主導しており、その中には、脱炭素化、製品開発、デジタル化などが含まれます。 各事業部門は、地域レベルやグローバルレベルで、研究開発プロジェクトの優先順位決定や計画策定に積極的に関与しています。さらに経営レビューというプロセスにおいて、経営会議や取締役会でも、当社グループにおける研究開発活動の貢献度をモニターし、方向性を決めています。 当連結会計年度において、日本の伊丹事業所に研究開発用の新棟を建設しました。各種試験設備の集約を図ることで研究メンバー同士の協働につながり、今後、イノベーションの一層の促進が期待できます。 当社グループにおける当連結会計年度の研究開発費は、91億円となりました。 セグメント別の研究開発費は下表の通りです。 (単位:百万円)セグメントの名称当連結会計年度建築用ガラス事業2,843自動車用ガラス事業2,677高機能ガラス事業1,003報告セグメント計6,523その他2,570合計9,093 (1)建築用ガラス事業 建築用ガラス事業では、住宅や商業用建物向けのガラス製品の拡充に引き続き努めています。顧客ニーズに応えるべく主要な分野で技術革新を行っており、例えば断熱ガラスやソーラーコントロール(遮熱)ガラス、内装用の装飾ガラスの品揃え強化や真空ガラス「スペーシア®」の改良があげられます。 また液体コーティングにおける長年の経験を活かし、防眩、指紋付着防止、抗菌、帯電防止など様々な特性を有するコーティングの新規開発を行っています。 欧州ではHomeComfort™という新規領域の事業を開始しました。当連結会計年度に発売したこの領域初の製品は、発熱する複層ガラスと装飾ガラスのユニットによる暖房ヒーターです。 太陽電池パネル用ガラス事業も建築用ガラス事業に含まれます。太陽光発電に使われるガラスの市場は、エネルギー市場の不確実性、気候変動、各国政府による奨励策などが後押しとなり、急速に伸びています。当社グループの製品は、Cd-Te太陽電池や急速に存在感を増しているペロブスカイト太陽電池、プラズモニック太陽電池などの薄膜太陽光発電技術を利用する顧客から高い評価を受けています。 研究開発部門は、既存顧客と共同で太陽光発電効率を向上させる新しい材料の開発を継続的に行うとともに、次世代の太陽光発電技術に取り組む開発者に広くアプローチしています。自社開発および世界有数の大学との共同研究を通じて、最新の材料探索技術を駆使し、新しい材料の特定を行っています。 以上により、建築用ガラス事業における当連結会計年度の研究開発費は28億円となりました。 (2)自動車用ガラス事業 当社グループは、競争優位の源泉であるコア技術に基づき、新製品の開発や核となる製造工程の継続的改善に重点を置いた研究開発を進めています。自動車産業界が求める、安全やセキュリティ、環境、快適さや利便性、スタイルといった領域で技術革新を進めています。「CASE」(Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動化)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化))と呼ばれる新しい潮流により、新たなビジネスの機会が増えています。 当連結会計年度の継続的なテーマの中には以下のものがあります。・ガラス上に光学センサーを装着した部位における透明性の向上・PDLC(高分子分散型液晶)を搭載し、調光機能により車内温度の快適さを提供する大型複合ルーフライト・進化を続けるヘッドアップディスプレイ技術における新モデルの立ち上げ段階での支援 既に公表された通り、当社グループは、中国国内の自動車用ガラス事業について、中国の大手自動車ガラスメーカーであり、当社の関連会社であるSYP Kangqiao Autoglass Co., Ltd.と統合しました。これにより、同社と協力して成長著しい同国内の自動車メーカーのニーズに対応した事業の強化をさらに進めていく方針です。また、当社グループの自動車用ガラス技術を中国市場に広めるとともに、中国の自動車メーカーとのより緊密な関係から新しい機会を得ることができます。 以上により、自動車用ガラス事業における当連結会計年度の研究開発費は27億円となりました。 (3)高機能ガラス事業 高機能ガラス事業では、光学設計、ガラスファイバー、ガラスフレーク等のガラス繊維製品など、当社のコア技術を活用した多くの成長分野で事業を行っています。 超情報化社会の到来により、データストレージや高速・大容量通信に関連する製品の需要が飛躍的に高まっています。 イメージセンシング技術を用いた産業用検査機や物流ロボット、ドローンなどへの応用は小型で高精度の光学部品へのニーズを拡大し、加速します。 高機能ガラス事業部門では、ICTを中心に、市場ニーズの変化に合わせた独自性の高い製品の開発・商品化を加速することを研究開発の方針としています。 当社グループは、顧客と緊密に連携しながら、新規の顧客基盤の構築のため積極的に活動しています。 研究開発部門は、顧客のニーズに合わせた新しいガラス組成の開発により、この活動を支えています。また、グループ内に蓄積されたノウハウを活かして、コンタクトイメージセンサーに広く使用されている当社のSELFOC®などの製品に応用できる新しい機能性ガラスコーティングも開発しています。 以上により、高機能ガラス事業における当連結会計年度の研究開発費は、10億円となりました。 (4)その他 研究開発部門は、各事業部門に特化した業務テーマに加え、すべての事業部門を横断する技術にも取り組んでいます。 当社グループは、「インキュベーター活動」にも取り組んでいます。基礎研究や新技術の調査を行うため、外部のパートナーとの協業も強化しています。協業の形態は、優れた大学との長期的な連携や、スタートアップ企業への当社グループ施設の提供など多岐にわたります。 当連結会計年度においては、リバプール大学と長期の契約を結びました。日本の大学とも長期的な契約に向けて検討を進めています。これらの大学は国際的に認知されている大学であり、当社グループのイギリスと日本の研究開発拠点にも近いため、共同開発活動の促進が期待されます。 脱炭素化研究開発チームは、2030年のCO2削減目標を達成するためのワークプログラムを開始しました。これにはAIの活用や、バイオ燃料、水素などの低炭素燃料の使用はもちろんのこと、電気溶融の活用も含まれます。翌連結会計年度において、当社グループは、フロートガラス製造では初とみているCO2回収設備を設置することを目指しています。 デジタル化については、いくつかのコアプロセスに機械学習を導入することに成功し、製品品質と工程管理を改善させています。 以上により、その他における当連結会計年度の研究開発費は26億円となりました。
FY2022|3,301 文字
5【研究開発活動】 当社グループの新しい中期経営計画「リバイバル計画24(RP24)」に基づき、製品とサービスの付加価値化を進め、新たな成長の柱を確立するためには、研究開発の強化が必要不可欠です。 事業戦略に基づき、研究開発活動は以下の分野に注力しています。1) 快適空間の創造:快適で安全・健康な「人にやさしい生活空間」を創造する2) 地球環境の保護:再生可能エネルギーの活用拡大や冷暖房負荷の軽減などを通して「地球にやさしい環境」を創造する3) 情報通信分野: 人々の暮らしをより便利にし、社会の進化をささえる情報通信関連分野に貢献する 例えば、研究開発部門は、脱炭素化の目標を達成するために必要な技術を特定して開発するというグループの活動を主導しています。2022年3月期においては、2021年3月期の有価証券報告書に記載した水素とバイオ燃料を用いたガラス窯の燃焼実験を含む目標を達成しました。NSGグループは世界で初めてこれら2つの燃焼実験を成功させました。 また、当社グループは、フロートガラスやコーティング、ガラスファイバーやガラスフレーク、光学デバイス、自動車用ガラス加工など明らかに競争優位性のある技術を始めとして、コア技術の開発と活用に長年取り組み成果を上げてきました。 基礎研究や新技術の調査を行うため、外部のパートナーとの協業も強化しています。協業の形態は、優れた大学との長期的な連携や、スタートアップ企業への当社グループ施設の提供など多岐にわたります。 各事業部門は、地域レベルやグローバルレベルで、研究開発プロジェクトの優先順位決定や計画策定に積極的に関与しています。さらに経営レビューというプロセスにおいて、経営会議メンバーも、当社グループにおける研究開発活動の貢献度をモニターし、方向性を決めています。 当社グループにおける当連結会計年度の研究開発費は、77億円となりました。 セグメント別の研究開発費は下表の通りです。 (単位:百万円)セグメントの名称当連結会計年度建築用ガラス事業2,366自動車用ガラス事業2,252高機能ガラス事業853報告セグメント計5,471その他2,235合計7,706 (1)建築用ガラス事業 建築用ガラス事業では、住宅や商業用建物向けのガラス製品の拡充に引き続き努めています。顧客ニーズに応えるべく主要な分野で技術革新を行っており、例えば断熱ガラスやソーラーコントロール(遮熱)ガラス、内装用の装飾ガラスの品揃え強化や真空ガラス「スペーシア®」の改良があげられます。 2022年3月期においては、農業用温室向けガラス製品ブランド「NSG ボタニカル™」シリーズを新たに立ち上げました。「NSG ボタニカル™」は世界の人口増加をささえるための成果が必要不可欠となることから、拡大しつつあり非常に重要な分野となっている農業セクターを対象としています。 農業生産者は、農作物への直射日光・熱を抑えながら光透過率も向上させること、夏は暑すぎず、冬は暖かさを保つこと、農作物の生育期の延長、カーボンニュートラルへの貢献、日射光のうちのある一定の波長の強化などの幅広い要望を持っています。新製品の適用範囲はこれらニーズに対応可能であり、更なる開発が進められています。 当社グループは、成長分野である太陽光発電向け製品やBIPV(建物一体型太陽光発電)、エレクトロクロミック技術を活用した製品の開発にも引き続き取り組んでいます。当社グループの導電膜付基板ガラスは顧客製品の性能の向上に貢献しています。非常に興味深い新しい分野に、ペロブスカイト太陽電池やプラズモニック太陽電池があります。当社グループの透明導電膜付きガラスがニーズを満たすことができるように、これらの新技術の開発者とも緊密に連携をとっています。 また液体コーティングにおける長年の経験を活かし、防眩、指紋付着防止、抗菌、帯電防止など様々な特性を有するコーティングの新規開発を行っています。 以上により、建築用ガラス事業における当連結会計年度の研究開発費は24億円となりました。(2)自動車用ガラス事業 当社グループは、競争優位の源泉であるコア技術に基づき、新製品の開発や核となる製造工程の継続的改善に重点を置いた研究開発を進めています。自動車産業界が求める、安全やセキュリティ、環境、快適さや利便性、スタイルといった領域で技術革新を進めています。「CASE」(Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動化)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化))と呼ばれる新しい潮流により、新たなビジネスの機会が増えています。 当社グループは、顧客と緊密に連携しながら、ヘッドアップディスプレイ(HUD)用のフロントガラスのような先進的な製品の開発を進めています。拡張現実ヘッドアップディスプレイ(AR-HUD)に対応したフロントガラスは既にそれを採用した車種が発売されるなど成果が出ています。当社グループの先進的なガラス成形技術やシミュレーション技術に加え、厳しい光学要件を満たすための原材料と生産プロセスについての知見は、顧客から高く評価されています。 また、建築ガラス用に用いられる耐久性の高いコーティングを応用したLOW-Eガラスを顧客へ提供しています。これらは、高温と低温の気候両方で、電気自動車の航続距離を伸ばし、快適性を向上させることができます。 以上により、自動車用ガラス事業における当連結会計年度の研究開発費は23億円となりました。 (3)高機能ガラス事業 高機能ガラス事業では、光学設計、ガラスファイバー、ガラスフレーク等のガラス繊維製品など、当社のコア技術を活用した多くの成長分野で事業を行っています。 超情報化社会の到来により、データストレージや高速・大容量通信に関連する製品の需要が飛躍的に高まっています。イメージセンシング技術を用いた産業用検査機や物流ロボット、ドローンなどへの応用は小型で高精度の光学部品へのニーズを拡大し、加速します。 高機能ガラス事業部門では、ICTを中心に、市場ニーズの変化に合わせた独自性の高い製品の開発・商品化を加速することを研究開発の方針としています。当社グループは、顧客と緊密に連携しながら、新規の顧客基盤の構築のため積極的に活動しています。 2022年3月期においては、高弾性・高強度ガラスファイバー「MAGNAVI®」を新開発しました。「MAGNAVI®」は新たなFRP・FRTP(繊維強化プラスチック)用補強材として使用できます。電波透過性と耐熱性といったガラスファイバーの特長はそのままに、従来のガラスファイバーに対して優れた機械特性を備えています。 以上により、高機能ガラス事業における当連結会計年度の研究開発費は、9億円となりました。 (4)その他 当社グループでは、長期的研究開発活動に関する支出は本社部門が負担しています。これには、既存事業の将来の基盤となる新技術を探索する「インキュベーター」活動も含まれています。「インキュベーター」活動は、主に外部のパートナーや大学と連携して行います。開発が十分に進んだ段階で、商業ベースに乗せるべく事業部門管轄のプロジェクトに切り替えて進めます。 また、ビジネス・イノベーション・センターはこのセグメントに含まれます。ビジネス・イノベーション・センターでは様々な形態のガラスや半導体に、光学的・電気的な付加機能を作り込む技術および製品開発に取り組んでいます。当社グループの独自の材料や構造設計により、様々な形態のガラスや半導体に付加する革新的な機能を安定的に実現することに課題がありましたが克服し、要求仕様毎にチューニングして実証する段階に移行しました。外部パートナーの協力も得ながら複数の異なる市場にチャレンジしており、顧客企業の最終製品への採用事例も出始めています。 以上により、その他における当連結会計年度の研究開発費は22億円となりました。
FY2021|2,827 文字
5【研究開発活動】 当社グループの新しい中期経営計画「リバイバル計画24(RP24)」に基づき、製品とサービスの付加価値化を進め、新たな成長の柱を確立するためには、強力な研究開発が必要不可欠です。 事業戦略に基づき、研究開発活動は以下の分野に注力しています。1) 快適空間の創造:快適で安全・健康な「人にやさしい生活空間」を創造する2) 地球環境の保護:再生可能エネルギーの活用拡大や冷暖房負荷の軽減などを通して「地球にやさしい環境」を創造する3) 情報通信分野: 人々の暮らしをより便利にし、社会の進化をささえる情報通信関連分野に貢献する 例えば、研究開発部門は、脱炭素化の目標を達成するために必要な技術を特定して開発するというグループの活動を主導しています。2022年3月期においては、水素とバイオ燃料を用いたガラス窯の燃焼や、ガラス製造工程で二酸化炭素を排出しない原材料への切替の研究を計画しています。 また、当社グループは、フロートガラスやコーティング、ガラス繊維やガラスフレーク、自動車用ガラス加工など明らかに競争優位な技術を始めとして、コア技術の開発と活用に長年取り組み成果を上げてきました。 基礎研究や新技術の調査を行うため、外部のパートナーとの協業も強化しています。協業の形態は、優れた大学との長期的な連携や、スタートアップ企業への当社グループ施設の提供など多岐にわたります。 各事業部門は、地域レベルやグローバルレベルで、研究開発プロジェクトの優先順位決定や計画策定に積極的に関与しています。さらに経営レビューというプロセスにおいて、経営会議メンバーも、当社グループにおける研究開発活動の貢献度をモニターし、方向性を決めています。 当社グループにおける当連結会計年度の研究開発費は、83億円となりました。 セグメント別の研究開発費は下表の通りです。 (単位:百万円)セグメントの名称当連結会計年度建築用ガラス事業2,253自動車用ガラス事業2,275高機能ガラス事業864報告セグメント計5,392その他2,864合計8,256 (1)建築用ガラス事業 建築用ガラス事業では、住宅や商業用建物向けのガラス製品の拡充に引き続き努めています。顧客ニーズに応えるべく主要な分野で技術革新を行っており、例えば断熱ガラスやソーラーコントロール(遮熱)ガラス、内装用の装飾ガラスの品揃え強化や真空ガラス「スペーシア®」の改良があげられます。 2021年3月期においては、ガラス表面に付着したウイルスや細菌を減少させるSanitise™を製品化しました。また渡り鳥が高層ビルに衝突することを防ぐためのコーティングを施したBirdsafe™も製品化しました。 当社グループは強みであるオンラインCVD(化学気相成長)コーティング製品の拡充を進めています。これには導電膜や低反射・反射防止鏡製品が含まれます。基礎研究では、IBM社のBlue Gene / Qスーパーコンピューターに基づく計算手法を使用して、新しい材料構造を研究しています。 また液体コーティングにおける長年の経験を活かし、防眩、指紋付着防止、抗菌、帯電防止など様々な特性を有するコーティングの新規開発を行っています。 当社グループの製品は、デジタルサイネージ、タッチパネル、POSディスプレイ類、ウェアラブル端末、商業用冷蔵ケース、医療分野や暖房及び内装向け等々、顧客企業の多様な最終製品に組み込まれています。 当社グループは、成長分野である太陽光発電向け製品やBIPV(建物一体型太陽光発電)、エレクトロクロミック技術を活用した製品の開発にも引き続き取り組んでいます。当社グループの導電膜付基板ガラスは顧客製品の性能の向上に貢献しています。 以上により、建築用ガラス事業における当連結会計年度の研究開発費は23億円となりました。 (2)自動車用ガラス事業 当社グループは、競争優位の源泉であるコア技術に基づき、新製品の開発や核となる製造工程の継続的改善に重点を置いた研究開発を進めています。自動車産業界が求める、安全やセキュリティ、環境、快適さや利便性、スタイルといった領域で技術革新を進めています。「CASE」(connected(コネクテッド)、autonomous(自動化)、shared(シェアリング)、electric(電動化))と呼ばれる新しい潮流により、新たなビジネスの機会が増えています。 当社グループは、顧客と緊密に連携しながら、ヘッドアップディスプレイ(HUD)用のフロントガラスのような先進的な製品の開発を進めています。拡張現実ヘッドアップディスプレイ(AR-HUD)に対応したフロントガラスはすでにそれを採用した車種が発売されるなど成果が出ています。当社グループの先進的なガラス成形技術やシミュレーション技術に加え、厳しい光学要件を満たすための原材料と生産プロセスについての知見は、顧客から高く評価されています。 また、建築ガラス用に用いられる耐久性の高いコーティングを応用したLOW-Eガラスを顧客へ提供しています。これらは、高温と低温の気候両方で、電気自動車の航続距離を伸ばし、快適性を向上させることができます。 以上により、自動車用ガラス事業における当連結会計年度の研究開発費は23億円となりました。 (3)高機能ガラス事業 高機能ガラス事業では、光学設計、グラスコード、ガラスフレーク等のガラス繊維製品など、当社のコア技術を活用した多くの成長分野で事業を行っています。高機能ガラス事業部門では、製品のポートフォリオを拡充し、継続的成長を目指しています。 また、自動光学検査用の先進的な光学デバイス、5G用の低誘電素材、及びガラス繊維用の新しい用途の開発も行っています。 変化の速い高機能ガラス事業の分野においては、改良製品を投入し、新市場を開拓することを戦略としています。 以上により、高機能ガラス事業における当連結会計年度の研究開発費は、9億円となりました。 (4)その他 当社グループでは、長期的研究開発活動に関する支出は本社部門が負担しています。これには、既存事業の将来の基盤となる新技術を探索する「インキュベーター」活動も含まれています。「インキュベーター」活動は、主に外部のパートナーや大学と連携して行います。開発が十分に進んだ段階で、商業ベースに乗せるべく事業部門管轄のプロジェクトに切り替えて進めます。 また、ビジネス・イノベーション・センターはこのセグメントに含まれます。例えば、独自技術に基づくマイクロレンズなどを主軸として活動を活発化させており、外部パートナーとのコラボレーションやオープンイノベーションも積極活用しながら新規事業の創出を目指しています。 以上により、その他における当連結会計年度の研究開発費は29億円となりました。
FY2020|3,006 文字
5【研究開発活動】 当社グループは、研究開発活動に積極的に取り組んでいます。フロートガラスやコーティング、ガラス繊維やガラスフレーク、自動車用ガラス加工など強力な強みを有する分野を始めとして、コア技術の開発と活用に長年取り組み成果を上げてきました。強力な競合他社に対して優位性を維持すべく、引き続きこれらの技術力を研究開発により強化しています。また、研究開発部門は、新製品やサービス、製造プロセスを開発することにより各事業部門の中長期的な目標達成に貢献するとともに、豊富な知識と経験を基に強力な技術サポートとソリューションを提供することで、短期の目標達成を支援しています。 当社グループでは基礎研究や新技術の調査を行うため、外部のパートナーとの協業も強化しています。協業の形態は、優れた大学との長期的な連携からスタートアップ企業への当社グループ施設の提供など多岐にわたります。 技術革新(イノベーション)は、長期戦略ビジョンに掲げる「VAガラスカンパニーへの変容・変革」を推進するために必須の要素です。また、中期経営計画(MTP)においても、強力な研究開発力は、製品・サービスのVA化をさらに推進し、将来を支える成長ドライバーの確立のために必要不可欠なものです。 研究開発活動は、各事業部門のニーズに沿って注力分野を決めています。そのため、地域レベルやグローバルレベルで、研究開発プロジェクト・ポートフォリオの優先付けや計画策定を行う場合、事業部門は積極的に関与します。さらに、経営トップ主導の運営委員会があり、各事業部門の最重要プロジェクトについて、四半期ごとに進捗度やリソース配分の適切さなどを確認しています。 当社グループにおける当連結会計年度の研究開発費は、90億円となりました。 セグメント別の研究開発費は下表の通りです。 (単位:百万円)セグメントの名称当連結会計年度建築用ガラス事業2,686自動車用ガラス事業2,591高機能ガラス事業883報告セグメント計6,160その他2,854合計9,014 (1)建築用ガラス事業 建築用ガラス事業では、住宅や商業用建物向けのガラス製品の拡充に引き続き努めています。顧客ニーズに応えるべく主要な分野で技術革新を行っており、例えば断熱ガラスやソーラーコントロール(遮熱)ガラス、内装用の装飾ガラスの品揃え強化や真空ガラス「スペーシア®」の改良があげられます。 当社グループは、建築業界での新しい用途開発に取り組む顧客向けに、コーティングガラス製品や特殊ガラス組成製品の新規開発や改良を継続しております。当社グループは強みであるオンラインCVD(化学気相成長)コーティング製品拡充を進めています。これには導電膜や低反射・反射防止鏡製品が含まれます。また液体コーティングにおける長年の経験を活かし、防眩、指紋付着防止、抗菌、帯電防止など様々な特性を有するコーティングの新規開発を行っています。当社グループの製品は、デジタルサイネージ、タッチパネル、POSディスプレイ類、ウェアラブル端末、商業用冷蔵ケース、医療分野や暖房及び内装向け等々、顧客企業の多様な最終製品に組み込まれています。 当社グループは、成長分野である太陽光発電向け製品やエレクトロクロミック技術を活用した製品の開発にも引き続き取り組んでいます。当社グループの導電膜付基板ガラスは顧客製品の性能の向上に貢献しています。 以上により、建築用ガラス事業における当連結会計年度の研究開発費は27億円となりました。 (2)自動車用ガラス事業 当社グループは、競争優位の源泉であるコア技術に基づき、新製品の開発や核となる製造工程の継続的改善に重点を置いた研究開発を進めています。自動車産業界が求める、安全やセキュリティ、環境、快適さや利便性、スタイルといった領域で技術革新を進めています。「CASE」(connected(コネクティッド)、autonomous(自動化)、shared(シェアリング)、electric(電動化))と呼ばれる新しい分野への流れにより、新たなビジネスの機会が増えています。 当社グループは、顧客と緊密に連携しながら、ヘッドアップディスプレイ(HUD)用のフロントガラスのような先進的な製品の開発を進めています。拡張現実ヘッドアップディスプレイ(AR-HUD)に対応したフロントガラスはすでにそれを採用した車種が発売されるなど成果が出ています。当社グループの先進的なガラス成形技術やシミュレーション技術に加え、厳しい光学要件を満たすための原材料と生産プロセスについての知見は、顧客から高く評価されています。 昨年には、建築ガラス用に用いられる耐久性の高いコーティングを応用した初のLOW-Eガラスを提供しています。これらは、高温と低温の気候両方で、電気自動車の航続距離を伸ばし、快適性を向上させることができます。 以上により、自動車用ガラス事業における当連結会計年度の研究開発費は26億円となりました。 (3)高機能ガラス事業 高機能ガラス事業では、超薄板ガラス、グラスコード、ガラスフレーク等のガラス繊維製品など、当社のコア技術を活用した多くの成長分野で事業を行っています。高機能ガラス事業部門では、製品のポートフォリオを拡充し、継続的成長を目指しています。当社グループでは、平滑性の高い薄板ガラス、自動光学検査用の高度な光学デバイス、プラスチック用のガラス製充填材、新用途用の改善メタシャインやマイクログラスペーパーなどの開発を行っています。 以上により、高機能ガラス事業における当連結会計年度の研究開発費は、9億円となりました。 (4)その他 当社グループでは、長期的研究開発活動に関する支出は本社部門が負担しています。これには、既存事業の将来の基盤となる新技術を探索する「インキュベーター」活動も含まれています。「インキュベーター」活動は、主に外部のパートナーや大学と連携して行います。開発が十分に進んだ段階で、商業ベースに乗せるべく事業部門管轄のプロジェクトに切り替えて進めます。 また、2018年7月に設置した新組織であるビジネス・イノベーションセンターもこのセグメントに含まれます。 発足当初の発表通り、ライフサイエンス、IoT・Cloud、エネルギー、Industry4.0を重点領域として活動しています。ライフサイエンス領域ではモバイルPCR装置及びそれに付帯する試薬などの販売を開始しました。新型コロナウイルスの検知も可能であることが確認されています。測定データは当社グループのホームページに掲載しており、世界中から関心が寄せられています。今後は新型コロナウイルスだけでなく、生活の安全を担保するツールとして拡販を期待しています。IoT・Cloudでも独自技術に基づくフィルターやマイクロレンズが大手メーカーで本格評価に入っており、今後量産採用の可能性もあると考えています。5GやIndustry 4.0に関しては、センサー、アンテナなどを主軸として活動を活発化させており、外部パートナーとのコラボレーションやオープンイノベーションも積極活用しながら新規事業の創出を目指しています。 以上により、その他における当連結会計年度の研究開発費は29億円となりました。
FY2019|2,898 文字
5【研究開発活動】 当社グループは、研究開発活動に積極的に取り組んでおります。長年にわたる開発とそれらを活用したフロートガラスやコーティング、ガラス繊維やガラスフレーク、自動車用ガラスの成形などの分野で競争力を実現するコア技術を蓄積しております。強力な競合他社に対する優位性の維持のため、これらの技術における能力を研究開発により継続して強化しております。また、各事業の中長期目標達成に向けて、新製品やサービス、製造プロセスを開発するとともに、各事業部門の短期目標達成のため、強力な技術サポートとソリューションを提供しております。 技術革新は、長期戦略ビジョンに掲げる「VAガラスカンパニーへの変容・変革」を推進するために必須の要素です。また、MTPフェーズ2において強力な研究開発力は、製品・サービスのより一層のVA化の推進や、将来を支える成長ドライバーの確立のために必要不可欠なものです。 研究開発プロジェクトの多くは各事業部門の支援を受けております。それらに加え、「Star Projects」と呼ばれる、当社グループの将来に重要な影響を及ぼすであろう事業横断型の研究開発プロジェクトがあります。この「Star Projects」は、経営トップ主導の運営委員会により、四半期ごとに進捗度やリソース配分の適切さなどが確認されております。 当社グループにおける当連結会計年度の研究開発費は94億円となりました。 セグメント別の研究開発費は下表の通りです。 (単位:百万円)セグメントの名称当連結会計年度建築用ガラス事業2,641自動車用ガラス事業2,979高機能ガラス事業759報告セグメント計6,379その他3,004合計9,383 (1)建築用ガラス事業 建築用ガラス事業では、住宅や商業用建物向けのガラス製品の拡充に引き続き努めております。顧客ニーズに応えるべく主要な分野で技術革新を行っており、例えば断熱ガラスやソーラーコントロール(遮熱)ガラス、内装用の装飾ガラスの品揃え強化や真空ガラス「スペーシア®」の改良があげられます。 更に、当社グループは、新しい用途開発に取り組む顧客をサポートし、オンラインコーティング製品や特殊ガラス組成製品の新規開発や改良を継続しております。当社グループは強みであるオンラインCVD(化学気相成長)コーティング製品拡充を進めており、これには導電膜や低反射・反射防止鏡製品、非光沢、防指紋、抗菌、帯電防止、その他特性を有するコーティングの開発が含まれております。また現在、CVDコーティングとPVD(物理気相成長)コーティングを利用した両面に特性を有するガラス新製品の開発も進めております。当社グループの製品は、デジタルサイネージ、タッチパネル、その他ディスプレイ類、ウェアラブル端末、商業用冷蔵ケース、医療分野や暖房及び内装向け等々、顧客企業の多様な最終製品に組み込まれております。 当社グループは、成長する太陽光発電向け製品やエレクトロミック技術を活用した製品の開発にも引き続き取り組んでおります。当社グループの導電膜付基板ガラスは顧客製品の性能の向上に貢献しております。 以上により、建築用ガラス事業における当連結会計年度の研究開発費は26億円となりました。 (2)自動車用ガラス事業 当社グループの自動車用ガラス事業における顧客は、市場動向の鍵である乗用車の電動化及び自動化に向けて、より革新的でより高度な製品を求めるようになりつつあります。当社グループは、競争優位の源泉であるコア技術に基づき、新製品の開発や核となる製造工程の継続的改善に重点を置いた研究開発を進めております。自動車産業界が求める、安全セキュリティ、環境、コネクティビティ、快適さと利便性、スタイルといった領域で技術革新を進めております。 当社グループは、顧客と密接に連携を取りながら、ヘッドアップディスプレイ(HUD)用のフロントガラスのような先進的な製品の開発を進めております。開発した拡張現実ヘッドアップディスプレイ(AR-HUD)は、もうすぐ販売されるいくつかの高級車に採用されるなど成果が出始めております。当社グループが独自で開発したプレス工法による先進的なガラス成形技術やシミュレーション技術は、顧客から高く評価されております。今後数ヶ月のうちに、既に建築用ガラスで採用されている低放射(Low-e)機能を有する断熱ガラスが市場投入され、高温・低温の環境下での電気自動車の航続可能距離の伸長への寄与が期待されます。 更に当社グループは、従来のUV・IR(紫外線・赤外線)カットガラスのラインアップに、ゾルゲル・コーティング技術を採用した製品を拡充しております。また、防曇ガラス用の新たなコーティング技術の開発にも取り組んでおります。 以上により、自動車用ガラス事業における当連結会計年度の研究開発費は30億円となりました。 (3)高機能ガラス事業 高機能ガラス事業では、製品用途がディスプレイ以外にも拡大している超薄板ガラス、レンズ関連製品・部材、及び電池用セパレーター、グラスコード、ガラスフレーク等のガラス繊維製品など、当社のコア技術を活用した多くの成長分野で事業を行っております。当社グループでは、これら変化の速い事業領域において、改良された新製品を生み出していくと共に、省エネ・創エネ・蓄電といった新規分野に向けた製品・サービスの研究開発も行っております。当社グループでは、この他にも将来の成長が期待される新しい技術に関する研究を継続しております。 以上により、高機能ガラス事業における当連結会計年度の研究開発費は8億円となりました。 (4)その他 当社グループでは、本社部門としても様々な研究開活動に資金を投じており、これには他企業や大学等と連携して新技術や応用分野の開発に関する調査・研究活動を行う「インキュベーター」活動も含まれております。当連結会計年度においてはこの活動に特に力を注ぎました。当社グループの既存技術や製品は、様々な新規事業機会や新事業の創出可能性を有しており、そのうちのいくつかは、当社グループに大きく貢献する新規事業となりうるものも多く存在します。有望な技術の一例として、機能性無機ナノ粒子を透明膜に混入させる技術があります。 また、2018年7月に新たに設置されたビジネス・イノベーション・センター(以下BIC)もこのセグメントに含まれます。BICでは食・水の安全、環境、学術を中心とする「ライフサイエンス」、5G、センサー、フィルターを中心とする「IoT, Cloud」、機能性材料を中心とする「エネルギー変換」及び、製造業デジタル化を中心とする「Industry 4.0」の4つの領域を中心に、当社グループの有望ガラス技術を、既存ガラス以外の領域で応用・商品化すると共に、全く新しい技術や領域にも挑戦し、新規事業を推進するために開発を行っております。 以上により、その他における当連結会計年度の研究開発費は30億円となりました。
FY2018|2,419 文字
5【研究開発活動】 当社グループは、研究開発活動に積極的に取り組んでおります。長年にわたる開発とそれらを活用したフロートガラスやコーティング、ガラス繊維やガラスフレーク、自動車用ガラスの成形などの分野で、競争優位を実現するコア技術を蓄積しております。強力な競合他社に対する優位性の維持のため、これら技術における能力を研究開発により継続して強化しております。また、各事業の中長期目標達成に向けて、新製品やサービス、製造プロセスを開発するとともに、各事業部門の短期目標達成のために、強力な技術サポートとソリューションを提供しております。 技術革新は、長期戦略ビジョンに掲げる「VAガラスカンパニーへの変容・変革」を推進するために必須の要素です。また、MTPフェーズ2においては、製品・サービスについて、より一層の付加価値化の推進や、将来を支える成長ドライバーを確立していく計画ですが、研究開発はその基盤となるものです。 当社グループの主要な技術革新プロジェクトは「スタープロジェクト」と呼ばれ、経営トップ主導の運営委員会にて、四半期ごとに進捗度やリソース配分の適切さなどを確認しております。 当社グループにおける当連結会計年度の研究開発費は、91億円となりました。 (1)建築用ガラス事業 建築用ガラス事業では、住宅や商業用建物向けのガラス製品の拡充に引き続き努めております。顧客ニーズに応えるべく主要な分野で技術革新を行っており、例えばソーラーコントロールガラスの品揃え拡充や真空ガラス「スペーシア®」の改良があげられます。 さらに、当社グループは、新領域での新製品を開発する顧客のため、オンラインコーティング製品や特殊ガラス組成製品の新規開発や改良を継続しております。顧客へ新規提案を行うため、当社の強みであるオンラインCVDコーティング製品拡充の努力を続けております。これには導電膜や低反射・反射防止鏡製品、非光沢、防指紋、抗菌、その他特性を有するコーティングの開発が含まれております。また先般、厚さ0.7mmの世界最薄の透明導電膜付ガラスの開発に成功いたしました。当社グループの製品は、デジタルサイネージ、タッチパネルやその他のディスプレイ類、商業用冷蔵ケース、医療分野や暖房及び内装向け等々、顧客企業の多様な最終製品に組み込まれております。 更に当社グループは、成長する太陽光発電向け製品の開発にも引き続き取り組んでおります。導電膜付基板ガラスの改良により、太陽光発電における発電効率の向上に貢献しております。 以上により、建築用ガラス事業における当連結会計年度の研究開発費は27億円となりました。 (2)自動車用ガラス事業 当社グループの自動車用ガラス事業における顧客は、市場動向の鍵である乗用車の電動化及び自動化に向けて、より革新的でより高度な製品を求めるようになりつつあります。当社グループは、競争優位の源泉であるコア技術に基づき、新製品の開発や核となる製造工程の継続的改善に重点を置いた研究開発を進めております。自動車産業界が求める、安全とセキュリティ、環境、コネクティビティ、快適さと利便性、スタイルといった領域で技術革新を進めております。 当社グループは、顧客と密接に連携を取りながら、ヘッドアップディスプレイ(HUD)用フロントガラスのような先進的な製品の開発を進めております。また、AR-HUD(拡張現実ヘッドアップディスプレイ)やLow-E(低放射)ガラス、超薄型軽量合せガラスなど最新技術を盛り込んだいくつかの製品が、既に顧客に採用されております。当社グループが独自に開発したプレス工法による先進的なガラス成形技術やシミュレーション技術は、顧客から高く評価されております。 当社グループは、従来のUV・IR(紫外線・赤外線)カットガラスのラインアップに、ゾルゲル・コーティング技術を採用した新製品を加えました。また、防曇ガラス用の新たなコーティング技術の開発にも力を入れて取り組んでおります。 以上により、自動車用ガラス事業における当連結会計年度の研究開発費は28億円となりました。 (3)高機能ガラス事業 高機能ガラス事業では、ディスプレイやその他の用途に用いられる超薄板ガラス、レンズ関連製品・部材、並びに電池用セパレーター、グラスコード、ガラスフレーク等のガラス繊維製品など、当社のコア技術を活用した多くの成長分野で事業を行っております。当社グループでは、これら変化の速い事業領域において、改良された新製品を生み出していくと共に、創エネ・蓄電・省エネといった新規分野に向けた製品・サービスの研究開発も行っております。当社グループは、当連結会計年度に、この成長市場に向けて、電池用セパレーターの改良製品を投入しております。当社グループでは、この他にも将来の成長が期待される新しい技術に関する研究を継続しております。 以上により、高機能ガラス事業における当連結会計年度の研究開発費は、20億円となりました。 (4)その他 当社グループでは、本社部門としても様々な研究開発活動に資金を投じており、これには他企業や大学等と連携して新技術や応用分野の開発に関する調査・研究活動を行う「インキュベーター」活動も含まれております。計画では、これらの新しい研究領域に力を入れていく計画でおります。当社グループの既存技術や製品は、様々な新規事業機会や新事業の創出可能性を有しており、そのうちのいくつかは、当社グループに大きく貢献する新規事業となる可能性があります。これらのうちの一つは、フロートガラス製造プロセスにおいて廃棄物燃料を代替的に使用することです。これにより燃料コストを大幅に削減するとともに環境負荷を低減することが可能と考えられます。 以上より、その他における当連結会計年度の研究開発費は、16億円となりました。
FY2017|2,181 文字
6【研究開発活動】 当社グループは、積極的に研究開発活動に取り組んでいます。フロートガラスやガラスの表面処理、自動車用ガラスの高精度成形など、さまざまな当社のコア技術に基づき、中長期の事業を支える製品、サービス、プロセス等の研究開発を行う一方で、各事業部門の目標達成や課題解決を支援するための研究開発活動にも、引き続き意欲的に取り組んでいます。 技術革新は、長期戦略ビジョンに掲げる「VAガラスカンパニーへの変革・変容」を推進するために必須の要素です。また、MTPフェーズ2においては、製品・サービスについて、より一層の付加価値化の推進や、将来を支える成長ドライバーを確立していく計画ですが、研究開発はその基盤となるものです。 MTPフェーズ2に沿って、研究開発をより顧客志向の活動へと変革を図るべく、また、研究開発テーマの重点化に向けて、経営トップも参画するステアリング委員会で、定期的にテーマの検討・見直しを行い、同時に適切な資源配分を図っています。 当社グループにおける当連結会計年度の研究開発費は、85億円となりました。 (1)建築用ガラス事業 建築用ガラス事業では、住宅や商業用建物向けのガラス製品の拡充に引き続き努めております。お客様のニーズに応えるべく主要な分野で技術革新を行っており、例えばソーラー・コントロール・ガラスや複数のコーティングを施したガラスの製品の開発により、様々な建築規制に適合しつつ、デザイン性も高い建物の設計に使えるガラスを提供することができます。 また、当社の強みであるオンライン・コーティングを含め、ガラスに表面処理を施すことで、機能性を付加し、顧客に新たな価値を提供する新用途開発にも取り組んでいます。新しい反射防止コーティングや鏡製品は、インタラクティブ・ディスプレイ用途向けに採用が検討されています。当社グループが開発・製造した製品は、デジタル・サイネージ、タッチパネル等のディスプレイ、商業用冷蔵ケース、医療分野や暖房及び内装向け等々、顧客企業の多様な最終製品に組み込まれています。 更に当社グループは、太陽光発電向け製品の開発にも引き続き取り組んでおります。導電膜付き基板ガラスの改良により、太陽光発電における発電効率の向上に貢献しています。 以上により、建築用ガラス事業における当連結会計年度の研究開発費は27億円となりました。 (2)自動車用ガラス事業 自動車用ガラス事業では、既存の製品ラインナップの拡大、新製品の開発、並びに主要な製造工程の継続的改善に重点を置いた研究開発を行っております。新技術を市場に送り出すために、主要な自動車メーカーとも引き続き密接に連携して活動しています。注力しているのは、安全・防犯、環境、コネクテッド・カー、快適性、利便性、並びにスタイル等、今日の自動車産業の動向に沿った領域です。 当社グループは、当社独自の高精細プレスによるガラス成形技術を活用して、ヘッドアップディスプレイ搭載のフロントガラスなどを顧客企業と共同開発しており、高い評価を得ています。また、自動車軽量化の流れに対応したガラスの開発も継続しております。当社が開発した新組成薄板ガラス「glanova®」を使用した、超軽量ガラスの開発もその重要な一部です。 更に当社グループは、従来のIR・UV(赤外線・紫外線)カットガラスのラインナップに加えて、新たにゾルゲル・コーティング技術を採用した製品を開発しました。防曇ガラス用の新たなコーティング技術の開発にも力を入れて取り組んでおります。 以上により、自動車用ガラス事業における当連結会計年度の研究開発費は、26億円となりました。 (3)高機能ガラス事業 高機能ガラス事業では、ディスプレイやその他の用途に用いられる超薄板ガラス、レンズ関連製品及び部材、並びにバッテリー・セパレータ、ガラスコード、ガラスフレーク等のガラス繊維製品など、多くの成長分野で事業を行っています。当社グループでは、これら変化の速い事業領域において製品の改良や新たな製品を開発すると共に、エネルギーの創出・貯蔵といった新規分野に向けた製品・サービスの研究開発も行っております。 当社グループでは、新組成薄板ガラス「glanova®」について、ディスプレイ向けに加えて、自動車分野やその他の用途の開発に取り組んでいます。また次世代二次電池向けの極薄ガラスペーパーや、タイミングベルト用の高強度ガラスコード等の開発も引き続き注力しています。更に光輝材「メタシャイン®」は、新たなラインナップを開発しました。当社グループでは、この他にも将来の成長が期待される新しい技術に関する研究を継続しております。 以上により、高機能ガラス事業における当連結会計年度の研究開発費は、18億円となりました。 (4)その他 当社グループでは、本社部門としても様々な研究開発を行っており、例えば、他企業や大学等との連携を活用した、「インキュベーター」活動を通じて、新技術や応用分野の開発に関する研究活動を行っております。これは、当社グループの既存技術や既存製品が有する、様々な新規事業機会や新事業の創出可能性を、開発していくものです。 以上より、その他における当連結会計年度の研究開発費は、14億円となりました。
FY2016|2,122 文字
6【研究開発活動】 当社グループは、厳しい経済情勢や市場環境においてもグループが業績を改善し将来にわたって成長していくためには、技術革新が不可欠であると認識しており、研究開発活動に対する投資を引き続き重視しております。新しい製品を開発すると共に、既存の製品においても技術革新に取り組むことが、当社グループが目指す「VAガラスカンパニー」への転換を達成するための重要なアクションであると考えております。 市場の状況には依然として厳しさも見られる中で、当社グループの研究開発部門は、各事業部門が短期的な目標や課題を達成するために万全の支援を引き続き行っています。当社グループの研究開発活動においては、引き続き新しい製品や製造プロセスの開発に重点を置いて取り組んでおります。 当社グループにおける当連結会計年度の研究開発費は、98億円になりました。 (1)建築用ガラス事業 建築用ガラス事業では、住宅や商業用建物向けのガラス製品に関する事業を行っております。建築用ガラス事業における研究開発活動は、高付加価値製品を成長させるという観点から行われ、従来品よりも高性能な低放射(Low-E)ガラス等の新製品の開発や、オフライン・コーティング技術を使用し世界各国の建築規制にも適合したソーラー・コントロール・ガラスの製品ラインナップの拡大に取り組んでまいりました。 また当社グループでは、一般的な建築用ガラスに加えて、創エネルギーとしての太陽光発電を始め、デジタル・サイネージ、商業用冷蔵ケース並びにダイナミック・グレージングといった新しい領域への技術の応用に取り組んでおります。 当社グループは、引き続きオンライン・コーティング技術の開発活動を通して、太陽光発電における発電効率を最大化する、導電膜コーティング及び基板ガラスの改善に取り組んでいます。 以上より、建築用ガラス事業における当連結会計年度の研究開発費は31億円となりました。 (2)自動車用ガラス事業 自動車用ガラス事業では、既存の製品ラインナップの拡大、新製品の開発、並びに主要な製造工程の継続的改善に重点を置いた研究開発活動を行っております。新技術を市場に送り出すために、主要な自動車メーカーとも引き続き密接に連携して活動しています。安全、脱炭素化、高度道路交通システム、並びに軽量化は、今日の自動車産業における技術革新として多いに有望とされる主要テーマです。 当社グループは、IR・UV(赤外線・紫外線)カット・コーティング技術の更なる改良や、こうした画期的な製品に対する需要が市場で高まっていることに対応した製造プロセスの改良に取り組んでおります。 自動車業界では、カメラやセンサーがフロントガラス越しに、車両の前方を感知し、ドライバーを支援するシステムが急速に普及しつつあります。ヘッドアップディスプレイのプロジェクター分野では、表示領域を拡大する機構の開発も行われています。こうした映像システムでは前面ガラスが大きな役割を果たします。当社グループの先進的な製造プロセスは、厳しい光学品質要求に応えられるよう設計されております。製品開発においては、運転環境に左右されない、クリアな視界・画像の確保に注力しております。 車両デザインは、自動車の売上を左右するものです。当年度の主要な開発案件のひとつとして、当社グループは、最新のプラグイン・ハイブリッド・カー向けに軽量かつ複雑な形状を有するリアウィンドウ用ガラスを開発しました。 以上より、自動車用ガラス事業における当連結会計年度の研究開発費は、30億円となりました。 (3)高機能ガラス事業 高機能ガラス事業では、ディスプレイやその他の用途に用いられる超薄板ガラス、レンズ関連製品及び部材、並びにバッテリー・セパレータ、ガラスコード、ガラスフレーク等のガラス繊維製品など、多くの成長分野で事業を行っています。当社グループでは、このような変化の速い事業領域において、新たな製品を開発し、改善することを引き続き目標として研究開発活動を行っております。 当社グループでは、創エネ技術を含む、サステナビリティ領域に中心に新たな成長市場に参入するための新技術の開発に取り組んでおります。当年度においても、燃料電池及び次世代二次電池向けの極薄ガラスペーパー等の部材の開発を引き続き進めております。また当社グループは、光輝材「メタシャイン」について、化粧品向けに新たなカラー・バリエーションを展開いたしました。当社グループでは、この他にも将来の成長が期待される新しい技術に関する研究を継続しております。 以上より、高機能ガラス事業における当連結会計年度の研究開発費は、20億円となりました。 (4)その他 当社グループでは、事業部門に加えて、本社主導でも様々な研究活動を行っており、例えば、他の企業や大学との連携によって新しい技術分野に関する研究活動を行っています。また、一定の事業機会が見込まれる複数の領域において、既存技術や既存製品の新規用途開発も行っております。 以上より、その他における当連結会計年度の研究開発費は、17億円となりました。