5905

日本製罐(5905)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

金属製品 建設・資材

事業の概要

  • 金属缶製造販売
    日本製罐グループは、主に金属缶の製造と販売を行っています。特に、18L缶という特定のサイズの缶に強みを持っており、子会社の新生製缶株式会社が関西地区で製造し、日本製罐株式会社が関東地区でOEM生産も手掛けることで、全国的な供給体制を構築しています。この事業がグループの主要な収益源となっています。
  • 不動産賃貸事業
    本社敷地内に賃貸建物を保有し、その不動産を貸し出すことで賃料収入を得ています。これは金属缶事業とは異なる安定した収益源として、グループの事業ポートフォリオの一部を構成しています。
  • グループ構成と連携
    日本製罐株式会社を核とし、子会社の新生製缶株式会社が製造を担う体制です。主要原材料である鋼材は、関連当事者である伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社から仕入れており、安定的な原材料調達ルートを確保している点が特徴です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 金属缶製造販売事業
    この事業は、日本製罐グループの主力であり、売上高が約111億円と最も大きいセグメントです。しかし、営業利益は約-6.2億円と赤字となっており、金属缶市場の需要減少やコスト上昇、過当競争といった構造的な課題に直面していることが伺えます。特に美術缶の設備投資の遅れや顧客の複数購買化も影響しています。
  • 不動産賃貸事業
    本社敷地内の賃貸建物を活用した事業で、売上高は約1.6億円、営業利益は約0.8億円と堅調な黒字を計上しています。金属缶事業と比較すると規模は小さいものの、安定した収益源としてグループ全体の収益に貢献しており、事業ポートフォリオの多様化に寄与しています。
  • 事業構造の課題
    主力である金属缶事業が赤字である一方、不動産賃貸事業が安定した利益を上げているという現状は、グループ全体の収益構造に課題があることを示唆しています。金属缶業界の長期的な需要減退と過剰設備という構造的な問題に対し、適切な経営判断が求められる状況です。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
SteelCanManufacturer 事業 111 -6 -5.6%
RealEstateLease 事業 2 1 51.0%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|258 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社(日本製罐株式会社)及び子会社1社(新生製缶株式会社)で構成され、金属缶製造販売事業、不動産賃貸事業を主たる業務としております。 新生製缶株式会社は製造拠点を関西地区に有している18L缶の専業メーカーで、関東地区においては関東地区に製造拠点を有する当社が新生製缶株式会社のOEM生産を行っております。 また、当社の関連当事者(主要株主)である伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社より主たる原材料を仕入れております。 当社グループの事業に関する各社の位置づけ及び系統図は以下のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
鋼材価格等のコスト上昇を製品価格に転嫁しているが、需要減少と過当競争が懸念されるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 設備
金属缶製造には設備が必要であり、特に美術缶の大型設備設置実績がある。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
会社が挙げる主要リスク:金属缶需要の減少加速と過当競争激化 / 原材料価格(鋼材、物流費、印刷代等)の変動 / 金利水準の変動による外部負債への影響
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

日本製罐は、特定のブランド力や特許、規制ライセンス、独占的IPに依存する事業モデルではない。汎用的な金属製品の製造が中心であり、無形資産による競争優位性は限定的と判断される。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

既存顧客との長期的な取引関係や、特定の仕様に合わせた製品供給の実績はあるものの、顧客が他社へ乗り換える際のコストは、製品の汎用性や代替性の高さから、それほど大きくないと考えられる。新規顧客獲得のハードルは比較的低い。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

日本製罐の事業は、製品やサービスの利用者が増えることで価値が増加するネットワーク効果が働くビジネスモデルではない。個々の顧客との取引が独立しており、プラットフォーム型ビジネスのような特性は見られない。

コスト優位★★★☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の操業で培われた生産ノウハウや、規模の経済を活かした原材料調達力により、一定のコスト競争力を有している可能性がある。特に、汎用的な缶製品においては、効率的な生産体制が強みとなりうる。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

日本の缶詰・飲料缶市場において、日本製罐は主要なプレイヤーの一つであり、高い市場シェアを有している。この規模は、生産設備への投資や効率的なサプライチェーン構築を可能にし、競合他社に対する優位性を築いている。

  • L缶の専門性と地域分散
    子会社の新生製缶が関西、親会社の日本製罐が関東で18L缶の製造拠点を持ち、OEM生産も行うことで、特定のサイズに特化しつつ地域的な供給網を構築しています。これにより、広範囲の顧客ニーズに対応できる体制を整えています。
  • 安定的な原材料調達
    主要株主でもある伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社から主たる原材料である鋼材を仕入れています。これは、原材料の安定供給を確保する上で有利な関係性であり、製造コストの安定化にも寄与する可能性があります。
  • 不動産賃貸による収益の多角化
    金属缶製造販売事業に加えて、本社敷地内の賃貸不動産から賃料収入を得ることで、事業リスクの分散を図っています。これにより、金属缶市場の変動に左右されにくい、比較的安定した収益基盤の一部を確保しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。当社グループは2025年度に創立100周年という大きな節目を迎えました。美術缶の新規設備も当初予定より大幅に稼働が遅れ2025年5月より再稼働となりましたが、安定操業に至るまで多くの時間を要し、収益面で厳しい結果となりました。また、18L缶市場を中心とした国内需要の減少や、原材料価格・物流費・エネルギー価格等の高止まりなど、当社グループを取り巻く事業環境は一層厳しさを増しております。このような状況の下、当社グループは、次の100年に向けた持続的な成長を実現するため、収益構造改革及び事業基盤強化に取り組んでおります。品質向上、生産効率改善、高付加価値製品へのシフト、プロダクトミックスの変更による採算の改善、新規顧客開拓等を推進し、安定した収益構造の構築を図ってまいります。 (1)当社グループの目標 当社グループは、金属缶の製造販売を主たる事業として展開しており、同分野において成長性と収益力を兼ね備えた企業グループを目指しております。そのため、顧客ニーズへの迅速な対応、新製品開発力の強化、高品質な製品供給を通じて、顧客と共に成長できる企業であり続ける事を基本方針としております。 また、2025年度に創立100周年を迎えたことを契機として、次の成長ステージに向けた経営基盤の強化を進めております。特に「安全」と「品質」を重要課題として位置付け、生産プロセスの高度化や効率化を推進し、より高い付加価値を提供できる体制の構築に取り組んでおります。 これらの取組みを通じて、株主、取引先、従業員をはじめとする全てのステークホルダーにとって魅力ある企業グループとなる事を目指しております。 (2)当社グループの「企業パーパス(使命)」①企業パーパス(使命)「顧客への+(プラス)、社員への+(プラス)、社会への+(プラス)。+(プラス)創造を通じて、明るく豊かな未来を創造していく」②コーポレートビジョン「+(プラス)創造企業」③「企業パーパス(使命)」を起点とする企業理念1)顧客への+(プラス) ・お客様にとり魅力ある缶メーカーであるよう、付加価値の高い新しい製品と、新しいSolution作りに、常に熱い想いで勇敢にチャレンジし、お客様に+(プラス)を提供していきます。2)社員への+(プラス) ・社員みんなが、夢と希望に燃えて、毎日ワクワクして、One Teamとして楽しく仕事ができる安心安全な職場環境と人事制度作りで、社員のみんなに+(プラス)を提供していきます。3)社会への+(プラス) ・人々の日々の暮らしを陰から支え、安心で豊かな、快適で持続可能な社会づくりと、人と地球にやさしい未来づくりのため、社会に+(プラス)を提供していきます。 顧客への+(プラス)、社員への+(プラス)、社会への+(プラス)創造と提供が、結果として、企業収益を生み、株主へも配当と株価上昇として貢献できると考えております。④環境理念 ・常に地球環境を考えて、人と地球にやさしい未来づくりを目指します。 「NIKKANは、未来のKAN-Kyouを今日も考えています」 (3)当社グループの経営方針当社は成長性と収益力を兼ね備えた企業グループを目指し・顧客ニーズへの迅速な対応・新規製品開発力の強化・高品質な製品供給を通じて顧客と共に成長できる企業であり続けます。 (4)当社グループを取り巻く経営環境 鉄鋼原材料価格の高止まり、エネルギー価格の上昇、物流費及び副資材価格の上昇に加え、円安進行の影響もあり、当社グループを取り巻く事業環境は厳しい状況が継続しております。 また、18L缶市場においては、国内人口減少や需要業界の成熟化、取引先の海外移転等を背景として、中長期的に需要減少傾向が続いております。美術缶分野においても、顧客のBCP対応等を背景とした複数購買化の進展により、競争環境は変化しております。 このような状況の下、当社グループは、品質向上、生産効率改善、製品構成の見直し、高付加価値製品へのシフト等を推進し、収益力の向上及び持続的成長の実現に取組んでおります。また、新たな付加価値製品の開発に加え、外部との連携を含めた事業機会の拡大にも取り組んでまいります。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループが対処すべき当面の課題は以下の通りであります。①製造コスト低減とプロダクトミックス改善を通じた経営基盤の強化②新製品の開発や新規客先確保による新しい収益基盤の創造③販売費・一般管理費の見直し・低減④バランスシート改革と借入金の計画的な削減⑤SDGsに対する積極的な取組み上記課題に対して、次のとおり対処します。①・製造ラインの集約、人員合理化等によるコスト競争力の強化・DX化の推進による不良品削減、設備総合効率等の改善・各客先別に当社販売シェア、採算を分析し利益の最大化・高付加価値製品の比重拡大・客先へのサービス向上、品質向上によるシェアの維持・拡大②・新たな用途・分野への製品展開・顧客ニーズに密着した新しい商品の開発による他社製品との差別化・高付加価値製品の新規取引先開拓・既存技術を応用し、外部パートナーと連携した新たなビジネススキームの構築③・業務効率化、固定費の見直しによる収益構造の改善・輸送効率の改善・業務の棚卸、コストと利便性から考えた諸費用の見直し④・資産効率の改善及び財務基盤の強化・キャッシュ・フロー改善・投資有価証券の計画的な売却⑤・環境負荷低減、安全・品質向上、人材育成等を通じて持続可能な社会の実現に貢献・SDGsを意識した全社一丸としての行動・結果を「環境活動レポート」にてホームページ上で公表 当社グループは、構造改革としての生産集約、固定費削減、高付加価値製品へのシフト等を着実に進めており、収益構造の改善に取組んでおります。 (6)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社は18L缶市場を取り巻く環境変化を踏まえ、中長期的な安定経営の実現を目的として、収益構造改革を先行して実施しております。具体的には、生産ラインの集約、人員合理化、新製品開発等を推進し、事業構造及び収益構造の改善に取組んでおります。 当社グループの営業損失につきましては、2025年3月期に540百万円、2026年3月期に307百万円、2027年3月期に104百万円と、段階的な改善を見込んでおります。 引き続き構造改革施策を着実に推進し、2028年3月期の黒字化を目指してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。当社グループは2025年度に創立100周年という大きな節目を迎えました。美術缶の新規設備も当初予定より大幅に稼働が遅れ2025年5月より再稼働となりましたが、安定操業に至るまで多くの時間を要し、収益面で厳しい結果となりました。また、18L缶市場を中心とした国内需要の減少や、原材料価格・物流費・エネルギー価格等の高止まりなど、当社グループを取り巻く事業環境は一層厳しさを増しております。このような状況の下、当社グループは、次の100年に向けた持続的な成長を実現するため、収益構造改革及び事業基盤強化に取り組んでおります。品質向上、生産効率改善、高付加価値製品へのシフト、プロダクトミックスの変更による採算の改善、新規顧客開拓等を推進し、安定した収益構造の構築を図ってまいります。 (1)当社グループの目標 当社グループは、金属缶の製造販売を主たる事業として展開しており、同分野において成長性と収益力を兼ね備えた企業グループを目指しております。そのため、顧客ニーズへの迅速な対応、新製品開発力の強化、高品質な製品供給を通じて、顧客と共に成長できる企業であり続ける事を基本方針としております。 また、2025年度に創立100周年を迎えたことを契機として、次の成長ステージに向けた経営基盤の強化を進めております。特に「安全」と「品質」を重要課題として位置付け、生産プロセスの高度化や効率化を推進し、より高い付加価値を提供できる体制の構築に取り組んでおります。 これらの取組みを通じて、株主、取引先、従業員をはじめとする全てのステークホルダーにとって魅力ある企業グループとなる事を目指しております。 (2)当社グループの「企業パーパス(使命)」①企業パーパス(使命)「顧客への+(プラス)、社員への+(プラス)、社会への+(プラス)。+(プラス)創造を通じて、明るく豊かな未来を創造していく」②コーポレートビジョン「+(プラス)創造企業」③「企業パーパス(使命)」を起点とする企業理念1)顧客への+(プラス) ・お客様にとり魅力ある缶メーカーであるよう、付加価値の高い新しい製品と、新しいSolution作りに、常に熱い想いで勇敢にチャレンジし、お客様に+(プラス)を提供していきます。2)社員への+(プラス) ・社員みんなが、夢と希望に燃えて、毎日ワクワクして、One Teamとして楽しく仕事ができる安心安全な職場環境と人事制度作りで、社員のみんなに+(プラス)を提供していきます。3)社会への+(プラス) ・人々の日々の暮らしを陰から支え、安心で豊かな、快適で持続可能な社会づくりと、人と地球にやさしい未来づくりのため、社会に+(プラス)を提供していきます。 顧客への+(プラス)、社員への+(プラス)、社会への+(プラス)創造と提供が、結果として、企業収益を生み、株主へも配当と株価上昇として貢献できると考えております。④環境理念 ・常に地球環境を考えて、人と地球にやさしい未来づくりを目指します。 「NIKKANは、未来のKAN-Kyouを今日も考えています」 (3)当社グループの経営方針当社は成長性と収益力を兼ね備えた企業グループを目指し・顧客ニーズへの迅速な対応・新規製品開発力の強化・高品質な製品供給を通じて顧客と共に成長できる企業であり続けます。 (4)当社グループを取り巻く経営環境 鉄鋼原材料価格の高止まり、エネルギー価格の上昇、物流費及び副資材価格の上昇に加え、円安進行の影響もあり、当社グループを取り巻く事業環境は厳しい状況が継続しております。 また、18L缶市場においては、国内人口減少や需要業界の成熟化、取引先の海外移転等を背景として、中長期的に需要減少傾向が続いております。美術缶分野においても、顧客のBCP対応等を背景とした複数購買化の進展により、競争環境は変化しております。 このような状況の下、当社グループは、品質向上、生産効率改善、製品構成の見直し、高付加価値製品へのシフト等を推進し、収益力の向上及び持続的成長の実現に取組んでおります。また、新たな付加価値製品の開発に加え、外部との連携を含めた事業機会の拡大にも取り組んでまいります。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループが対処すべき当面の課題は以下の通りであります。①製造コスト低減とプロダクトミックス改善を通じた経営基盤の強化②新製品の開発や新規客先確保による新しい収益基盤の創造③販売費・一般管理費の見直し・低減④バランスシート改革と借入金の計画的な削減⑤SDGsに対する積極的な取組み上記課題に対して、次のとおり対処します。①・製造ラインの集約、人員合理化等によるコスト競争力の強化・DX化の推進による不良品削減、設備総合効率等の改善・各客先別に当社販売シェア、採算を分析し利益の最大化・高付加価値製品の比重拡大・客先へのサービス向上、品質向上によるシェアの維持・拡大②・新たな用途・分野への製品展開・顧客ニーズに密着した新しい商品の開発による他社製品との差別化・高付加価値製品の新規取引先開拓・既存技術を応用し、外部パートナーと連携した新たなビジネススキームの構築③・業務効率化、固定費の見直しによる収益構造の改善・輸送効率の改善・業務の棚卸、コストと利便性から考えた諸費用の見直し④・資産効率の改善及び財務基盤の強化・キャッシュ・フロー改善・投資有価証券の計画的な売却⑤・環境負荷低減、安全・品質向上、人材育成等を通じて持続可能な社会の実現に貢献・SDGsを意識した全社一丸としての行動・結果を「環境活動レポート」にてホームページ上で公表 当社グループは、構造改革としての生産集約、固定費削減、高付加価値製品へのシフト等を着実に進めており、収益構造の改善に取組んでおります。 (6)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社は18L缶市場を取り巻く環境変化を踏まえ、中長期的な安定経営の実現を目的として、収益構造改革を先行して実施しております。具体的には、生産ラインの集約、人員合理化、新製品開発等を推進し、事業構造及び収益構造の改善に取組んでおります。 当社グループの営業損失につきましては、2025年3月期に540百万円、2026年3月期に307百万円、2027年3月期に104百万円と、段階的な改善を見込んでおります。 引き続き構造改革施策を着実に推進し、2028年3月期の黒字化を目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。①財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度のわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果もあり景気は緩やかな回復基調で推移しました。その一方で、日中関係の緊張化や米国による通商政策の影響、中東情勢の緊張化、円安の進行、人件費の上昇に起因する物価上昇やエネルギー価格の高騰が、わが国の景気を下押しする要因となり、先行き不透明な状況が続いております。 当社グループの主力品種である18L缶は、油糧・食糧分野で落ち込みがみられましたが、当連結会計期間の売上高は前年並みとなっております。また、美術缶につきましては新規生産設備の稼働もあり、当連結会計期間の売上高は前年対比で8.1%増加しております。 このような中、当社グループの当連結会計年度の売上高は、11,442百万円(前年比1.6%増)、営業損失は307百万円(前年は営業損失540百万円)、経常損失は283百万円(前年は経常損失476百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は346百万円(前年は親会社株主に帰属する当期純損失335百万円)となりました。 セグメントの概況は次のとおりです。a.金属缶製造販売事業 当社グループの販売実績は、18L缶につきましては、販売数量の僅かな減少はありましたが、材料等の値上げの転嫁が順調に進み、全体では前年並みとなりました。美術缶につきましては、新規製造設備の稼働もあり、前年対比で売上高8.1%増となりました。 製品別売上高 (単位:千円、%) 前連結会計年度当連結会計年度金額構成比金額構成比18L缶8,765,01779.08,776,71177.8美術缶1,900,06917.12,054,58018.2その他430,6063.9447,0374.0計11,095,694100.011,278,329100.0 金属缶製造販売事業の売上高は11,278百万円(前年比1.6%増)、営業損失は391百万円(前年は営業損失624百万円)となりました。b.不動産賃貸事業 不動産賃貸事業の売上高は163百万円(前年比0.0%増)、営業利益は83百万円(前年比0.1%増)となりました。 (資産の部) 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて9百万円増加し12,975百万円となりました。 流動資産におきましては、前連結会計年度末に比べて245百万円減少し6,839百万円となりました。これは主に現金及び預金が116百万円、受取手形及び売掛金が274百万円、原材料及び貯蔵品が58百万円減少し、電子記録債権が210百万円増加したことによるものであります。 固定資産におきましては、前連結会計年度末に比べて254百万円増加し6,136百万円となりました。これは主に有形固定資産が41百万円、投資その他の資産が263百万円増加し、無形固定資産が50百万円減少したことによるものであります。 (負債の部) 当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて172百万円増加し8,119百万円となりました。 流動負債におきましては、前連結会計年度末に比べて0.4百万円増加し5,102百万円となりました。 固定負債におきましては、前連結会計年度末に比べて172百万円増加し3,017百万円となりました。これは主に長期借入金が538百万円減少し、リース債務が547百万円、繰延税金負債が147百万円増加したことによるものであります。 (純資産の部) 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて163百万円減少し4,856百万円となりました。 これは主に利益剰余金が380百万円減少し、その他有価証券評価差額金が165百万円、非支配株主持分が35百万円増加したことによるものであります。 この結果、自己資本比率は29.9%(前連結会計年度末は31.4%)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ116百万円減少し、当連結会計年度末には1,779百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は294百万円(前年比67.1%減)となりました。これは主に税金等調整前当期純損失△234百万円、減価償却費380百万円、棚卸資産の減少80百万円、仕入債務の増加102百万円、その他42百万円等によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は356百万円(前年は得られた資金640百万円)となりました。これは主に有形及び無形固定資産の取得による支出△498百万円、投資有価証券の売却による収入149百万円等によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は55百万円(前年比80.0%減)となりました。これは主に長短有利子負債の減少△684百万円、セール・アンド・リースバックによる収入662百万円、配当金の支払△26百万円、非支配株主への配当金の支払△6百万円等によるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度の生産実績を金属缶製造販売事業内の製品別に示すと次のとおりであります。金属缶製造販売事業内製品区分当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)前年比(%)18L缶 (千円)8,043,034100.2美術缶 (千円)1,609,688113.5その他 (千円)325,562115.4計 (千円)9,978,285102.6 b.受注実績 当連結会計年度における受注状況を金属缶製造販売事業内の製品別に示すと次のとおりであります。金属缶製造販売事業内製品区分受注高(千円)前年比(%)受注残高(千円)前年比(%)18L缶8,749,050100.0278,124111.0美術缶1,946,35391.8141,847421.9その他430,85890.537,152177.1計11,126,26298.0457,124149.8 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績を金属缶製造販売事業内の製品別に示すと次のとおりであります。金属缶製造販売事業内製品区分当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)前年比(%)18L缶 (千円)8,776,711100.1美術缶 (千円)2,054,580108.1その他 (千円)447,037103.8計 (千円)11,278,329101.6 (注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)西部容器株式会社1,833,75116.31,930,16916.9株式会社明治664,8275.9835,2127.3 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として次のものがあります。a.原材料価格およびエネルギー価格等の上昇 当社グループの業績は、鋼材価格、物流費、印刷費、ガス・電気費等の変動の影響を受けます。 当連結会計年度においては、価格転嫁を一定程度進める事が出来ましたが、今後も原価動向を注視しながら、適切な販売価格政策を推進してまいります。 b.需要動向 国内市場においては、人口減少及び取引先の海外移転等を背景として、中長期的な需要減少傾向が継続しております。このような状況の下、当社グループは、市場ニーズを的確に把握し、高付加価値製品の開発、品質向上、プロダクトミックス改善等を通じて、売上維持及び収益性向上に取組んでおります。 また、品質重視を基軸とした顧客からの信頼獲得を通じて、シェア維持・拡大に努めてまいります。 c.金融情勢の動向 当期会計年度末における負債資本倍率は0.8倍となりました。当連結会計年度においては、減損損失及び千葉工場の工場閉鎖関連費用等の計上により、有利子負債の大幅な圧縮には至りませんでしたが、引き続き財務体質の改善を進めてまいります。 d.販売実績 当社グループの当連結会計年度の売上高は11,442百万円となりました。 金属缶販売事業においては、主力製品である18L缶については前年並みの売上高となりました。 美術缶に就きましては、新規設備の稼働開始等により、前年対比で売上高が増加致しました。 不動産賃貸事業に就きましては、自社保有不動産の賃貸を行っており、安定的に推移致しました。 経営成績の分析a.売上高 売上高は前連結会計年度に比べ182百万円増加し11,442百万円(前年比1.6%増)となりました。金属缶製造販売事業セグメント内の18L缶においては、販売数量は僅かに減少しましたが、原材料やエネルギーコスト高騰を背景とした価格転嫁が進み、前連結会計年度末に比べ11百万円増加し8,776百万円(前年比0.1%増)となりました。美術缶においては、新規製造設備の稼働もあり、前連結会計年度末に比べ154百万円増加し2,054百万円(前年比8.1%増)となりました。b.営業利益 営業損失は307百万円(前年は営業損失540百万円)となりました。これは主に売上総利益の改善によるものであります。c.経常利益 経常損失は283百万円(前年は経常損失476百万円)となりました。これは主に売上総利益の改善によるものであります。d.親会社株主に帰属する当期純利益 親会社株主に帰属する当期純損失は346百万円(前年は親会社株主に帰属する純損失335百万円)となりました。これは主に売上総利益の増加と投資有価証券売却益の減少、工場閉鎖損失の発生、前期発生した早期割増退職金によるものであります。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a.キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末の現金及び現金同等物は1,779百万円となり、前連結会計年度末に比べ116百万円減少いたしました。これは営業活動の結果得られた資金が294百万円、投資活動の結果使用した資金が356百万円、財務活動の結果使用した資金55百万円によるものであります。 また、有利子負債残高は3,123百万円となりました。 上記の他、各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。b.契約債務 2026年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。 年度別要支払額(千円)契約債務合計1年以内1年超3年以内3年超5年以内5年超短期借入金120,000120,000---長期借入金2,330,969896,6341,054,702256,782122,850リース債務672,569125,330272,259274,979- 上記の表において、連結貸借対照表の1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めており、リース債務は流動負債と固定負債のリース債務の金額です。c.財務政策 当社グループは、運転資金及び設備資金等につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入につきましては、長期借入金で調達することを基本としております。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。 (3)経営方針と経営上の目標達成状況 当社グループは、中長期的な安定成長を実現するため、2025年度より収益構造改革を推進しております。具体的には、生産ライン集約、人員合理化、固定費削減、高付加価値製品へのシフト等をすすめております。一方で、収益構造改革の発現には一定の時間を要しており、現時点では厳しい収益状況が継続しております。しかしながら、生産集約による効率改善、固定費削減、高付加価値製品比率向上等については、着実に進んでおり、今後も収益構造改善施策を継続的に推進することで、2028年3月期の黒字化を目指しております。

事業リスク

  • 金属缶需要の減少と競争激化
    金属缶の需要は長期的に減少傾向にあり、鋼材価格や印刷費、輸送費、ガス・電力費などのコスト上昇が製品価格に転嫁されることで、他容器への移行が加速し、需要減少がさらに進む可能性があります。これにより、過当競争が激化し、売上高が減少する懸念があります。
  • 原材料価格とコストの変動
    鋼材価格の値上げ要請に加え、物流費、印刷代、部材費の上昇、さらには従業員の待遇改善に伴う人件費の増加など、様々なコストが上昇しています。これらのコスト上昇分を製品価格に十分に転嫁できない場合、利益率が圧迫され、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 外部負債と金利変動
    短期借入金や長期借入金、リース債務など、合計で約31億円の外部負債を抱えています。今後、金利水準が大きく上昇した場合、これらの借入金にかかる利息負担が増加し、会社の財政状態や業績に悪影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,150 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。1.会社がとっている特異な経営方針に係るもの 該当事項はありません。 2.財政状態及び経営成績の異常な変動に係るもの(1)売上高の変動について 18L缶市場においては、国内人口減少や取引先の海外移転等を背景として、需要は中長期的に減少傾向にあります。 また、鋼材価格、印刷費、物流費、エネルギー価格等の上昇に伴う製品価格上昇が、他容器への代替を促進し、市場縮小が進行する可能性があります。 当社グループはコスト競争力の強化、高付加価値製品へのシフト、品質向上を通じた顧客満足度向上により、シェア維持及び集積改善に努めております。 美術缶分野においては、新規設備の稼働遅延等により売上高へ影響が生じました。また、一部顧客における複数購買化の進展により、競争環境が変化しております。 このため、当社グループは新規顧客開拓及び新製品開発等を推進し、収益基盤の強化に取組んでおります。 (2)原材料価格の変動について 当社グループの主要原材料である鋼材価格は市況や国際情勢の影響を受け変動しております。また、物流費、印刷費、副資材価格、人件費等についても上昇傾向が継続しております。 当社グループは、コスト上昇分の製品価格への適切な転嫁に努めておりますが、急激な価格変動が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)外部負債と金利変動リスクについて 当社グループの外部負債は、2026年3月末現在、短期借入金120百万円、長期借入金(含む1年内)2,330百万円、リース債務(含む1年内)672百万円、合計3,123百万円であります。 今後金利水準が大きく変動した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)賃貸不動産の稼働率について 当社グループは本社敷地内に賃貸建物(鉄骨造3階建延べ11,493㎡)を保有しており、賃貸不動産の稼働率が業績に影響を及ぼす可能性があります。 3.業界状況について 当社グループの主力商品である金属缶業界は、中長期的な需要減少傾向が続いております。また、業界全体として設備過剰や価格競争激化等の構造的課題を抱えており、今後業界再編等が進展する可能性があります。 このような状況の下、当社グループは、生産効率改善・高付加価値製品へのシフト・品質向上等を通じて、競争力強化に取組んでおります。

このページのバフェット流コメンタリーは順次自動生成中です。生成されると、ここに「数値の読み解き方」「同業比較」「投資判断のポイント」を表示します。

もっと深く分析したい?

モート先生 AI が 日本製罐 の事業を 4 賢人の理論で詳しく解説します

モート先生に聞く →