事業の概要
- 多角的な製品展開日東工器グループは、迅速流体継手、機械工具、リニア駆動ポンプ、建築機器という幅広い製品群の製造・販売を主軸としています。これにより、特定の市場変動リスクを分散し、多様な産業ニーズに応えることで安定的な収益基盤を構築しています。各製品は国内外の子会社が製造を担い、販売も国内外の拠点が連携して行っています。
- 研究開発と製造委託親会社である日東工器株式会社は、新製品の研究開発と試作に注力し、その後の量産は国内外の製造子会社に委託する体制を採っています。この分業体制により、親会社はイノベーションに集中し、子会社は効率的な生産を行うことで、グループ全体の競争力向上を図っています。特に、タイの子会社が複数の主力製品の製造を担っています。
- グローバルな販売網製品は国内だけでなく、米国、欧州、豪州といった主要な海外市場にも展開しています。各地域に販売子会社を配置することで、現地の顧客ニーズに合わせたきめ細やかな販売戦略を実行し、世界中の顧客に製品を供給しています。これにより、地域ごとの経済状況の変化にも柔軟に対応できる体制を整えています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 迅速流体継手事業この事業は、液体や気体を素早く接続・遮断するための部品を扱っており、売上高119.94億円、営業利益20.67億円と、グループ内で最も高い収益性を誇る稼ぎ頭です。主に栃木日東工器とタイの子会社が製造し、国内外で幅広く販売されており、産業機械や設備など多様な分野で利用されています。
- 機械工具事業機械工具事業は、売上高86.05億円、営業利益4.15億円で、グループの主要な収益源の一つです。東北日東工器とタイの子会社が製造を担当し、主に国内と海外の販売子会社を通じて提供されています。工場や建設現場などで使用される専門的な工具が多く、プロフェッショナルなニーズに応えています。
- リニア駆動ポンプ事業この事業は、売上高43.65億円、営業利益-1.43億円と、現時点では赤字となっています。栃木日東工器とタイの子会社が製造し、国内外で販売されています。液体や気体を送るためのポンプで、医療機器や環境関連機器など、精密な制御が求められる分野での需要が期待される事業です。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| QuickConnectCouplings | 事業 | 120 | 21 | 17.2% |
| MachineTools | 事業 | 86 | 4 | 4.8% |
| AirCompressorsAndVacuumPumps | 事業 | 44 | -1 | -3.3% |
| DoorClosers | 事業 | 23 | 0 | 0.1% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(日東工器株式会社)及び国内子会社2社、海外子会社6社、その他の関係会社1社により構成されており、迅速流体継手、機械工具、リニア駆動ポンプ、建築機器の製造・販売を主たる事業としております。 なお、当社は新製品の研究開発・試作等を行い、それらの製造を国内・海外の製造子会社に委託しております。 当社グループの事業内容及び当社と子会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。 なお、次の部門は、「第5経理の状況1(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。(1)迅速流体継手事業 迅速流体継手は、子会社の栃木日東工器株式会社、NITTO KOHKI INDUSTRY (THAILND) CO., LTD.が製造し、国内は当社、海外は当社及び子会社のNITTO KOHKI U.S.A., INC.、NITTO KOHKI AUSTRALIA PTY LTD、NITTO KOHKI EUROPE GMBHが販売しております。(2)機械工具事業 機械工具は、子会社の東北日東工器株式会社、NITTO KOHKI INDUSTRY (THAILAND) CO., LTD.が製造し、国内は当社、海外は当社及び子会社のNITTO KOHKI U.S.A., INC.、NITTO KOHKI AUSTRALIA PTY LTD、NITTO KOHKI EUROPE GMBHが販売しております。(3)リニア駆動ポンプ事業 リニア駆動ポンプは、子会社の栃木日東工器株式会社及びNITTO KOHKI INDUSTRY (THAILAND) CO., LTD.が製造し、国内は当社、海外は当社及び子会社のNITTO KOHKI U.S.A., INC.、NITTO KOHKI EUROPE GMBH、NITTO KOHKI AUSTRALIA PTY LTDが販売しております。(4)建築機器事業 建築機器(ドアクローザ)は、子会社の東北日東工器株式会社が製造し、国内は当社、海外は当社及び子会社のNITTO KOHKI U.S.A., INC.、NITTO KOHKI AUSTRALIA PTY LTD、NITTO KOHKI EUROPE GMBHが販売しております。 事業の系統図は次のとおりであります。 ※非連結子会社で持分法非適用会社
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 素材価格上昇分は一部製品に価格転嫁するが、原価率上昇は避けられない状況も考えられるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 迅速流体継手、機械工具、リニア駆動ポンプ、建築機器の製造・販売に関する技術。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 低い(分散) |
会社が挙げる主要リスク:災害リスク / 素材の供給に関するリスク / 海外製造拠点における製造不能リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
長年の実績と一部製品における技術的ノウハウは存在するが、特許やブランド力が決定的な競争優位に繋がっているとは言えない。特定のニッチ分野での認知度はあるものの、汎用的な無形資産としての強さは限定的。
スイッチングコスト★★☆☆☆
自動機事業などでは、顧客の生産ラインに組み込まれるため、他社への切り替えには設備投資や再調整コストが発生する可能性がある。しかし、標準的な製品も多く、顧客のロイヤリティが極めて高いとは言えない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ネットワーク効果を享受するビジネスモデルではない。製品の利用者が増えることで、製品自体の価値が向上するような構造は見られない。
コスト優位★☆☆☆☆
一定の生産効率は追求していると考えられるが、競合他社と比較して構造的に著しく低いコストで生産・提供できる優位性は確認できない。為替変動の影響を受ける可能性もある。
規模の経済★★☆☆☆
自動機やカップリングなどの分野で一定の市場シェアを持つが、グローバルな機械産業全体で見ると、最適規模の少数寡占を形成しているとは言えない。規模の経済による圧倒的な優位性は限定的。
- 多様な製品ポートフォリオ迅速流体継手、機械工具、リニア駆動ポンプ、建築機器といった多岐にわたる製品ラインナップを持つことで、特定の市場や産業に依存しすぎない事業構造を築いています。これにより、景気変動や技術トレンドの変化に対する耐性を高め、安定した収益源を確保していると考えられます。
- グローバルな製造・販売体制国内だけでなく、タイに製造拠点を持ち、米国、欧州、豪州に販売拠点を展開しています。この国際的なネットワークにより、効率的な生産と広範な市場へのアクセスを実現しています。特に、海外での販売網は、為替変動リスクの分散や新たな市場開拓の機会を提供している可能性があります。
- 研究開発と生産の分業体制親会社が新製品の研究開発・試作に特化し、製造は国内外の子会社に委託する体制は、効率的なイノベーションと生産を両立させる可能性があります。これにより、常に新しい技術や製品を市場に投入しつつ、コスト効率の良い生産体制を維持することで、競争優位性を保っていると考えられます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針当社グループは、創立以来「開発は企業の保険なり」の社是のもと事業活動を通じて産業界の省力・省人化、作業環境の改善に貢献することを基本方針としております。この基本方針のもと、高機能・高品質・高信頼性の製品づくりに努め、日東工器ブランドを浸透させることによって、企業価値を高めてまいります。(2) 経営戦略等当社グループは、2024年4月から2027年3月までの3年間を実行期間とする「中期経営計画2026」のもと、①収益力の強化と成長領域への投資拡大、②生産体制の最適化とコスト競争力の強化、③持続的成長実現に向けた経営基盤構築を主要課題として掲げ、持続的な企業価値向上を目指して各種施策に取り組んでおります。(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループの経営目標における指標は、売上高、営業利益、自己資本利益率(ROE)であります。中期経営計画(2024年4月(第69期)~2027年3月(第71期))の3年目である2027年3月期は、連結売上高291億90百万円、営業利益17億50百万円を目指しております。(4) 経営環境当連結会計年度における世界経済は、米国の関税政策や地政学リスクの影響を受け、先行き不透明な状況が続きました。特に、米中対立の長期化や通商政策を巡る先行き不透明感が、企業の投資や貿易の停滞要因となりました。日本経済は、物価上昇が続く中でも賃上げの定着を背景に緩やかな回復基調を維持したものの、エネルギー価格や材料費の高止まりに加え、米国の関税政策による影響から、自動車および輸送用機器、設備機械など幅広い産業において、生産量の減少や設備投資の抑制が見られる状況が続きました。(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは、2024年4月(第69期)から2027年3月(第71期)までの3年間を期間とする「中期経営計画2026」を実行しております。本中期経営計画は、100年企業を目指す当社にとって、将来の更なる飛躍と持続的成長に向けた基盤固めの期間と位置付け、企業価値の再創造を図るものです。一方で、足元の事業環境は、中東情勢をはじめとする地政学的リスクの高まり、原材料費やエネルギーコストの高止まりなど、先行きの不透明感が強い状況が続いております。また、生産体制の最適化と競争力強化を目的として進めてきた東北日東工器 新工場については、2025年7月に操業を開始し、中長期的には生産効率向上やコスト競争力強化への寄与が期待される一方、稼働初期段階においては減価償却費等の固定費負担が先行する局面にあります。このような環境認識のもと、当社グループでは、「中期経営計画2026」で掲げた各種施策について、その進捗と成果を着実に積み上げるとともに、収益構造の改善と将来成長への投資のバランスを意識した経営を進めております。研究開発面では、創立以来のテーマである「省力・省人化」を更に高度化させるとともに、水素をはじめとする脱炭素社会に貢献する製品、ロボット・ファクトリーオートメーション(FA)分野と親和性の高いツール、半導体、データセンター、医療等の先端技術分野に向けた製品・技術開発に注力しております。これらを支えるため、技術開発投資およびDX推進人材の育成を継続してまいります。生産面では、新工場をモデル工場と位置付け、最新鋭設備の導入や自動化、IT化を推進することで、品質向上、コスト低減、納期短縮の実現を図るとともに、国内外の生産拠点においても将来を見据えた最適化を進めてまいります。販売面では、開発部門との連携を強化し、脱炭素・環境対応製品や先端技術分野における需要の開拓に注力するとともに、販売チャネルの拡大やパートナー連携を通じて、事業領域の拡大と深化を図ってまいります。海外事業においては、欧米市場での高付加価値分野の深掘りに加え、新興市場での販売基盤拡充を進めており、インド市場についても現地法人を拠点として、より主体的な事業展開を行ってまいります。管理面では、安心・安全で働きやすい職場環境の整備を進めるとともに、激変する経営環境に対応できる人材の育成・確保を重要課題と位置付け、専門人材の採用、IT・DX人材の育成、リスキリング施策の充実等、人的資本への投資を継続してまいります。当社グループは、外部環境の変化や新工場稼働に伴う一時的な負担を踏まえつつも、「中期経営計画2026」の進捗と課題を慎重に検証しながら、必要に応じて施策の見直しや強化を行い、中長期的な企業価値向上と持続的成長の実現を目指してまいります。詳細については、2[サステナビリティに関する考え方及び取組](3)戦略 (人材)をご参照ください。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針当社グループは、創立以来「開発は企業の保険なり」の社是のもと事業活動を通じて産業界の省力・省人化、作業環境の改善に貢献することを基本方針としております。この基本方針のもと、高機能・高品質・高信頼性の製品づくりに努め、日東工器ブランドを浸透させることによって、企業価値を高めてまいります。(2) 経営戦略等当社グループは、2024年4月から2027年3月までの3年間を実行期間とする「中期経営計画2026」のもと、①収益力の強化と成長領域への投資拡大、②生産体制の最適化とコスト競争力の強化、③持続的成長実現に向けた経営基盤構築を主要課題として掲げ、持続的な企業価値向上を目指して各種施策に取り組んでおります。(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループの経営目標における指標は、売上高、営業利益、自己資本利益率(ROE)であります。中期経営計画(2024年4月(第69期)~2027年3月(第71期))の3年目である2027年3月期は、連結売上高291億90百万円、営業利益17億50百万円を目指しております。(4) 経営環境当連結会計年度における世界経済は、米国の関税政策や地政学リスクの影響を受け、先行き不透明な状況が続きました。特に、米中対立の長期化や通商政策を巡る先行き不透明感が、企業の投資や貿易の停滞要因となりました。日本経済は、物価上昇が続く中でも賃上げの定着を背景に緩やかな回復基調を維持したものの、エネルギー価格や材料費の高止まりに加え、米国の関税政策による影響から、自動車および輸送用機器、設備機械など幅広い産業において、生産量の減少や設備投資の抑制が見られる状況が続きました。(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは、2024年4月(第69期)から2027年3月(第71期)までの3年間を期間とする「中期経営計画2026」を実行しております。本中期経営計画は、100年企業を目指す当社にとって、将来の更なる飛躍と持続的成長に向けた基盤固めの期間と位置付け、企業価値の再創造を図るものです。一方で、足元の事業環境は、中東情勢をはじめとする地政学的リスクの高まり、原材料費やエネルギーコストの高止まりなど、先行きの不透明感が強い状況が続いております。また、生産体制の最適化と競争力強化を目的として進めてきた東北日東工器 新工場については、2025年7月に操業を開始し、中長期的には生産効率向上やコスト競争力強化への寄与が期待される一方、稼働初期段階においては減価償却費等の固定費負担が先行する局面にあります。このような環境認識のもと、当社グループでは、「中期経営計画2026」で掲げた各種施策について、その進捗と成果を着実に積み上げるとともに、収益構造の改善と将来成長への投資のバランスを意識した経営を進めております。研究開発面では、創立以来のテーマである「省力・省人化」を更に高度化させるとともに、水素をはじめとする脱炭素社会に貢献する製品、ロボット・ファクトリーオートメーション(FA)分野と親和性の高いツール、半導体、データセンター、医療等の先端技術分野に向けた製品・技術開発に注力しております。これらを支えるため、技術開発投資およびDX推進人材の育成を継続してまいります。生産面では、新工場をモデル工場と位置付け、最新鋭設備の導入や自動化、IT化を推進することで、品質向上、コスト低減、納期短縮の実現を図るとともに、国内外の生産拠点においても将来を見据えた最適化を進めてまいります。販売面では、開発部門との連携を強化し、脱炭素・環境対応製品や先端技術分野における需要の開拓に注力するとともに、販売チャネルの拡大やパートナー連携を通じて、事業領域の拡大と深化を図ってまいります。海外事業においては、欧米市場での高付加価値分野の深掘りに加え、新興市場での販売基盤拡充を進めており、インド市場についても現地法人を拠点として、より主体的な事業展開を行ってまいります。管理面では、安心・安全で働きやすい職場環境の整備を進めるとともに、激変する経営環境に対応できる人材の育成・確保を重要課題と位置付け、専門人材の採用、IT・DX人材の育成、リスキリング施策の充実等、人的資本への投資を継続してまいります。当社グループは、外部環境の変化や新工場稼働に伴う一時的な負担を踏まえつつも、「中期経営計画2026」の進捗と課題を慎重に検証しながら、必要に応じて施策の見直しや強化を行い、中長期的な企業価値向上と持続的成長の実現を目指してまいります。詳細については、2[サステナビリティに関する考え方及び取組](3)戦略 (人材)をご参照ください。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績、及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績」という。)の状況の概況は次のとおりであります。①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における事業環境は、米国関税政策が自動車をはじめ幅広い産業に影響を及ぼし、原材料費、エネルギーコスト、物流費等の高止まりが続くなど、先行きの不透明感が強い状況で推移しました。このような環境下において、当社グループでは、水素・新エネルギー分野を中心とした成長領域への投資、生産体制の最適化およびDXの推進など、中期経営計画で掲げた各種施策を着実に進めております。一方で、当期に稼働を開始した新工場については、中長期的な生産効率向上およびコスト競争力強化を見据えた戦略的な投資であるものの、稼働初期段階においては減価償却費や固定費の負担が先行する状況となりました。また、原材料費および人件費の上昇も利益を圧迫する要因となりました。 a.財政状態 当連結会計年度末の資産残高は、前連結会計年度末に比べて20億65百万円増加し686億70百万円となりました。 当連結会計年度末の負債残高は、前連結会計年度末に比べて6億93百万円減少し77億27百万円となりました。 当連結会計年度末の純資産残高は、前連結会計年度末に比べて27億59百万円増加し609億42百万円となりました。 b.経営成績当社グループは、2024年4月から2027年3月までの3年間を実行期間とする「中期経営計画2026」のもと、①収益力の強化と成長領域への投資拡大、②生産体制の最適化とコスト競争力の強化、③持続的成長実現に向けた経営基盤構築を主要課題として掲げ、持続的な企業価値向上を目指して各種施策に取り組んでおります。当連結会計年度の業績は以下のとおりです。売上高 272億89百万円(前連結会計年度比 0.1%増)営業利益 11億82百万円(前連結会計年度比 49.5%減)経常利益 14億66百万円(前連結会計年度比 41.6%減)親会社株主に帰属する当期純利益 21億44百万円(前連結会計年度比 59.4%増) 事業のセグメント別の業績は、次のとおりです。[迅速流体継手事業] 迅速流体継手事業は半導体向け及び自動車関連産業向け需要の低調が継続しているものの、産業機械向け需要は底堅く推移し、売上高は124億39百万円(前連結会計年度比3.7%の増収)となりました。利益面では、経費の増加及びタイバーツ高による仕入額の増加により原価率が上昇し、営業利益19億63百万円(同5.0%の減益)となりました。[機械工具事業] 機械工具事業は、建設、建築業界向け製品の売上の減少により、売上高は82億57百万円(同4.0%の減収)となりました。利益面では、消耗品の売上減少に加え固定費比率上昇により、営業損失6億円(前連結会計年度は4億15百万円の営業利益)となりました。[リニア駆動ポンプ事業] リニア駆動ポンプ事業は、欧州の売上増により、売上高は45億14百万円(同3.4%の増収)となりました。利益面では、タイバーツ高による仕入額の増加の影響により、営業損失1億21百万円(前連結会計年度は1億43百万円の営業損失)となりました。[建築機器事業] 建築機器事業は、建設業界の資材高騰及び人材不足の影響による遅延や延期が多く、売上高は20億78百万円(同9.3%の減収)となりました。利益面では、売上減少に加え固定費比率上昇より、営業損失58百万円(前連結会計年度は2百万円の営業利益)となりました。 海外売上高は、各地域において売上が増加したことにより、96億51百万円(前連結会計年度比4.4%の増収)となり、海外売上高の連結売上高に占める割合は35.4%となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、定期預金の払戻による収入126億80百万円、税金等調整前当期純利益32億49百万円、減価償却費19億48百万円等による増加があったものの、定期預金の預入による支出101億91百万円、主として新工場建設に伴う有形固定資産の取得による支出62億79百万円、無形固定資産の取得による支出9億54百万円、法人税等の支払い8億91百万円、未払消費税等の減少7億13百万円、配当金の支払額7億11百万円等があったため、前連結会計年度末より16億79百万円減少し、当連結会計年度末には117億49百万円となりました。 <営業活動によるキャッシュ・フロー>当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、41億51百万円(前連結会計年度比53.2%増)となりました。これは、法人税等の支払い8億91百万円、未払消費税等の減少7億13百万円等による資金の減少があったものの、税金等調整前当期純利益32億49百万円、減価償却費19億48百万円等による資金の増加があったことによるものであります。 <投資活動によるキャッシュ・フロー>当連結会計年度における投資活動の結果使用した資金は、47億75百万円(前連結会計年度比30.3%減)となりました。これは、定期預金の払戻による収入126億80百万円等による資金の増加があったものの、定期預金の預入による支出101億91百万円、有形固定資産の取得による支出62億79百万円、無形固定資産の取得による支出9億54百万円等による資金の減少があったことによるものであります。 <財務活動によるキャッシュ・フロー>当連結会計年度における財務活動の結果使用した資金は、10億39百万円(前連結会計年度比24.9%減)となりました。これは、親会社による配当金の支払い7億11百万円、リース債務の返済による支出3億25百万円等によるものであります。③生産、受注及び販売の実績(1) 生産実績セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)迅速流体継手(百万円)12,477116.1機械工具(百万円)6,89676.0リニア駆動ポンプ(百万円)3,862106.7建築機器(百万円)1,38349.6報告セグメント計(百万円)24,61993.9 (注)金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。(2) 受注実績 当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。(3) 販売実績セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)迅速流体継手(百万円)12,439103.7機械工具(百万円)8,25796.0リニア駆動ポンプ(百万円)4,514103.4建築機器(百万円)2,07890.7報告セグメント計(百万円)27,289100.1 (注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)㈱山善5,15118.94,51516.5 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績等 1) 財政状態(資産合計)当連結会計年度末の資産残高は、前連結会計年度末に比べて20億65百万円(前連結会計年度末比3.1%)増加し686億70百万円となりました。これは新工場竣工による有形固定資産の増加44億12百万円、無形固定資産の増加7億93百万円、投資有価証券の増加6億6百万円、現金及び預金の減少40億85百万円等によるものであります。 (負債合計)負債残高は、前連結会計年度末に比べて、退職給付に係る負債の減少8億51百万円、買掛金の減少2億30百万円、繰延税金負債の増加2億34百万円、未払法人税等の増加1億69百万円等により6億93百万円(前連結会計年度末比8.2%)減少し77億27百万円となりました。 (純資産合計)純資産残高は、前連結会計年度末に比べて27億59百万円(前連結会計年度末比4.7%)増加し609億42百万円となりました。これは利益剰余金の増加14億25百万円、退職給付に係る調整累計額の増加5億27百万円、その他有価証券評価差額金の増加3億98百万円、為替換算調整勘定の増加2億84百万円等によるものであります。 2) 経営成績(売上高) 当連結会計年度の売上高は、前年並み水準で推移し、272億89百万円(前連結会計年度比0.1%の増収)となりました。計画していた売上目標273億円に対してわずかに未達となりましたが、概ね計画どおりに推移いたしました。(営業利益) 当連結会計年度の営業利益は、11億82百万円(同49.5%の減益)となりました。営業利益目標は15億円を計画していましたが、計画比21.2%下回る結果となりました。要因については、機械工具事業および建築機器事業において建設業界向け製品の需要が減少し、売上が伸び悩んだことに加え、新工場立ち上げ期における生産効率の低下により、原価率が上昇したことが大きく影響したためです。 売上高と営業利益の各製品セグメントの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。(経常利益) 当連結会計年度の経常利益は、14億66百万円(同41.6%の減益)となりました。経常利益目標は17億円を計画していましたが、計画に比べて13.7%下回る結果となりました。(親会社株主に帰属する当期純利益) 当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、21億44百万円(同59.4%の増益)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益目標は25億円を計画していましたが、計画に比べて14.2%下回る結果となりました。 b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当連結会計年度における当社グループを取り巻く経営環境は、米国の関税政策や地政学リスクの影響を受け、先行き不透明な状況が続きました。特に、米中対立の長期化や通商政策を巡る先行き不透明感が、企業の投資や貿易の停滞要因となりました。日本経済は、物価上昇が続く中でも賃上げの定着を背景に緩やかな回復基調を維持したものの、エネルギー価格や材料費の高止まりに加え、米国の関税政策による影響から、自動車および輸送用機器、設備機械など幅広い産業において、生産量の減少や設備投資の抑制が見られる状況が続きました。 このような環境下において2026年3月期の業績は、水素・新エネルギー分野を中心とした成長領域への投資、生産体制の最適化およびDXの推進など、中期経営計画で掲げた各種施策を着実に進め増収となった一方で、新工場の稼働による減価償却費や固定費負担や原材料費および人件費の上昇により減益となりました。 これらの状況を踏まえ、当社としては、「中期経営計画2026」における業績目標の達成が困難であると見込まれる現状を鑑み、外部要因・内部要因および対応すべき課題について総合的な検証を行っております。また、これらの課題に対する抜本的な対応策を含めた「中期経営計画2029」の策定を進めたうえで、2026年度中を目途に公表することを予定しております。 引き続き、中長期的な企業価値向上と持続的な成長を重視した経営を推進してまいります。 なお、経営成績等の分析の具体的数値については、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況および②キャッシュ・フローの状況」に記載しています。 直近、3年間の経営成績の推移は以下のとおりです。 2024年3月期2025年3月期2026年3月期売上高(百万円)27,07227,25627,289営業利益(百万円)2,6802,3421,182営業利益率(%)9.98.64.3 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関わる情報 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループは、持続的な成長のための資金確保と自然災害等の不測の事態があっても顧客に商品を提供できるように内部留保の充実に努めており、研究開発、生産設備等の投資は自己資金での実施を原則としますが、成長投資のための投資は、適宜、借入の活用も検討します。 事業運営上必要な資金の流動性は、十分に確保しております。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。本連結財務諸表の作成にあたりましては、当連結会計年度末における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、ならびに当連結会計年度における収入・費用の報告数値に影響する様な重要な変動に関する事項の予見、予想等を行わなければなりません。将来に関する事項につきましては、本有価証券報告書提出日現在で過去の実績や状況に応じて合理的な基準に従って見積り及び判断したものであります。実際の結果は、見積り予測困難な不確実性があるため、これらの見積りと乖離する可能性がありますのでご留意下さい。 当社グループは、以下の会計上の見積りが連結財務諸表に重要な影響を及ぼすと考えております。固定資産の減損 当社グループは、固定資産の減損について、主として営業活動から生ずる損益(翌連結会計年度以降の見通しを含む)及び土地等の市場価格に基づいて兆候の判定を行っています。減損の兆候があると判断した場合には、年度計画や中期経営計画における売上高及び営業利益の計画値等に基づき割引前将来キャッシュ・フローを見積ります。
事業リスク
- 災害・パンデミックによる事業停止リスク自然災害や感染症のパンデミックが発生した場合、従業員の出勤制限、部品調達の遅延、物流の停止などにより、事業活動が正常に行えなくなる可能性があります。これにより、製品の供給が滞り、受注や売上の減少、ひいては業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。
- 原材料価格の高騰リスク鉄、ステンレス、真鍮、アルミなどの素材を製品製造に使用しているため、円安や原油価格の上昇、国際情勢の変化などにより素材価格が高騰する可能性があります。一部の製品では価格転嫁を行うものの、原価率の上昇が避けられない場合があり、利益を圧迫するリスクがあります。
- 海外製造拠点での生産停止リスクタイに製造子会社があり、迅速流体継手、機械工具、リニア駆動ポンプの一部製品を製造委託しています。タイにおける政情不安、災害、法規制の変更などが発生した場合、製品の生産が一時的に停止し、日本への供給が滞ることで、グループ全体の業績に影響を与えるリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 災害リスクパンデミックや自然災害によって、正常な事業活動ができなくなるリスクがあります。経済活動の遮断及び抑制によるリスク軽減のため、従業員の時差出勤や在宅勤務の実施、WEBや動画などを活用した販売促進、部品発注の前倒し、物流ルートの確保など、事業活動の継続に向けた対策を行い、お客様へ製品の供給を継続するよう取り組んでまいりますが、受注及び売上げの減少、部品調達の遅延、輸送手段の停止などが発生し、当社グループの業績に影響を与えるリスクがあります。(2) 素材の供給に関するリスク当社グループは、鉄、ステンレス、真鍮、アルミなど各種の素材を使用した製品を製造しております。そのため、資源国から輸入される原材料の円安による値上り、原油価格上昇による素材価格の高騰、自然災害や事故、テロ、戦争等によって素材調達の価格や数量の安定性に影響を受けることも考えられます。素材価格上昇の影響を受けた場合の値上り分は一部の製品には価格転嫁を行いますが、原価率の上昇が避けられない状況も考えられます。当社グループはコストダウンに鋭意努力してまいりますが、今後素材価格が上昇する場合は利益を押し下げるリスクがあります。(3) 海外製造拠点における製造不能リスク当社は、タイ国に製造子会社を有しており、迅速流体継手、機械工具、リニア駆動ポンプの製品の一部を当該会社に製造委託しております。タイ国において、予期しない法律・規制の変更や政情不安・テロ・暴動・戦争及び自然災害・パンデミック等の不可抗力による事故が発生した場合は、当社への製品が一時滞ることになり、当社グループの業績に影響を与えるリスクがあります。(4) 協力会社の確保リスク当社グループは、協力会社に製造の一部を委託しております。当社グループは、今後とも協力会社を活用していく方針でありますが、必要な技術を保有する協力会社を確保できなくなった場合には、当社グループの業績に影響を与えるリスクがあります。(5) 取引先の信用リスク当社グループは、主に代理店を通じて販売しております。これらの取引先は、長年の取引がある企業が大半を占めており、社内規程(与信管理)に従って売掛債権の保全に努めて、リスクを最小限に抑えております。しかしながら、取引先に不測の事態が発生した場合には、売掛債権の貸倒れ損失及び販売ルートを一時的に失うことによる売上げ減少リスクがあります。(6) 為替変動リスク当社グループは、2027年3月期の為替レートを1米ドル150円、1英ポンド199円、1ユーロ174円、1タイバーツ4.70円、1豪ドル97円、1インドルピー1.78円と想定して予算を策定しております。販売子会社がある米国、欧州、豪州、インドの通貨に対して、円安に振れると売上高・利益共に押し上げ効果があります。一方、海外製造子会社があるタイ通貨に対して円安に振れると、原価が上昇し利益を押し下げます。通貨によって影響額が異なりますが、仮に米ドルの為替変動が他の通貨にも連動すると仮定した場合、変動が小幅なら海外販売子会社への売上げの影響と、海外製造子会社からの仕入れの影響が相殺されることにより、当社の利益に与える影響は軽微であります。