6620

宮越ホールディングス(6620)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

不動産業 不動産

事業の概要

  • 純粋持株会社としての役割
    宮越ホールディングスは、2011年に設立された純粋持株会社です。これは、自らは事業活動を行わず、傘下のグループ会社を所有・管理することで収益を得るビジネスモデルを指します。グループ全体の経営戦略の策定や資源配分を行い、各事業会社の成長を支援することが主な役割です。
  • 不動産開発と賃貸管理
    グループの主要な事業は「不動産開発及び賃貸管理」です。これは、土地の仕入れから建物の建設、そして完成した不動産の賃貸運営までを一貫して手掛けることを意味します。中国の深セン市を中心に、大規模な都市再開発プロジェクト「WICプロジェクト」を推進しており、これがグループの主要な収益源となる見込みです。
  • 多角的な事業構成
    宮越ホールディングスグループは、不動産事業以外にも「その他事業」として複数の連結子会社を保有しています。これには、深セン皇冠(中国)電子有限公司やクラウン株式会社などが含まれ、電子部品製造や金属成型など、多様な事業を展開しています。これにより、特定の事業に依存するリスクを分散し、グループ全体の安定的な成長を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 持株会社事業
    宮越ホールディングス株式会社は、純粋持株会社としてグループ全体の経営戦略の策定、経営資源の配分、およびコーポレート・ガバナンスの強化を担っています。自らは直接的な事業活動を行わず、傘下の連結子会社を統括・管理することで、グループ全体の企業価値向上を目指しています。
  • 不動産開発及び賃貸管理事業
    深セン皇冠(中国)電子有限公司や科浪(深セン)商務有限公司がこの事業を担っています。中国の深セン市を中心に、大規模な都市再開発プロジェクト「ワールド・イノベーション・センター」(WIC)を推進しており、土地の仕入れから建物の建設、完成した不動産の賃貸運営までを一貫して行い、これがグループの主要な収益源となる見込みです。
  • その他事業
    クラウン株式会社、深セン皇冠金属成型有限公司、CROWN PRECISION(HK)CO., LTD.、皇冠投資管理有限公司などが「その他事業」に分類されます。これらの子会社は、電子部品製造や金属成型など、不動産事業以外の多様な事業を展開しており、グループ全体の事業ポートフォリオの多角化とリスク分散に貢献しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|738 文字
3 【事業の内容】当社は、2011年10月3日付で、宮越商事株式会社(現商号 クラウン株式会社)が単独株式移転により同社の完全親会社として設立した純粋持株会社であります。当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、宮越ホールディングス株式会社(当社)及び連結子会社6社により構成され、「不動産開発及び賃貸管理」を主な事業としております。事業における当社及び関係会社の位置付けは次のとおりであります。区 分会 社 名持株会社宮越ホールディングス株式会社(当社)不動産開発及び賃貸管理事業深セン皇冠(中国)電子有限公司(連結子会社)科浪(深セン)商務有限公司(連結子会社)新規事業、その他事業クラウン株式会社(連結子会社)深セン皇冠金属成型有限公司(連結子会社)CROWN PRECISION(HK)CO., LTD.(連結子会社)皇冠投資管理有限公司(連結子会社) (注)1.クラウン株式会社は、深セン皇冠(中国)電子有限公司の持株会社であります。 2.CROWN PRECISION(HK)CO.,LTD.は深セン皇冠金属成型有限公司の持株会社であります。 3.皇冠投資管理有限公司は、科浪(深セン)商務有限公司の持株会社であります。 4.2026年3月より、新規事業として半導体及び電子部品等の輸入販売等を始動しております。 当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これによりインサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 事業の系統図は次のとおりであります。なお、新規事業につきましては、現在、事業の立ち上げ段階であるため、事業系統図の記載を省略しております。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
会社が挙げる主要リスク:為替相場の変動に伴うリスク / 地球温暖化に伴う自然環境の変化のリスク / 不動産市況変動のリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 3 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

宮越ホールディングス(6620)は不動産業に属し、現時点で公開されている情報からは、強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPといった無形資産の存在を示す具体的な証拠は見当たりません。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

不動産賃貸事業においては、テナントが他の物件へ移転する際のコスト(移転費用、事業中断リスク)が一定程度存在する可能性があります。しかし、宮越ホールディングス特有のスイッチング・コストの強さを示す具体的な情報は現時点では乏しいです。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

不動産業は一般的にネットワーク効果が働きにくい業種であり、宮越ホールディングスにおいても、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるようなネットワーク効果の兆候は確認できません。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

不動産開発・賃貸においては、土地取得コスト、建設コスト、管理コストなどが競争力の源泉となり得ます。宮越ホールディングスが構造的に低コストで事業運営できるという明確な証拠は現時点では確認されていません。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

不動産業界は規模の経済が働く側面もありますが、宮越ホールディングスが業界規模に対して最適化された少数寡占の一角を占めるほどの圧倒的な規模を有しているかは不明です。財務データが限定的であり、詳細な分析は困難です。

  • 中国での大規模開発実績
    宮越ホールディングスは、中国の深セン市において「ワールド・イノベーション・センター」(WIC)プロジェクトという大規模な都市再開発を推進しています。これは、ハイテクや先端医療分野の企業誘致を目指す国家戦略「大湾区構想」の中核都市でのプロジェクトであり、中国政府との連携や大規模開発のノウハウが競争優位性となります。
  • 国際的な認証基準への対応
    WICプロジェクトでは、地球温暖化に伴う災害リスクを考慮し、中国緑色建築認証、国際LEED認証、国際WELL認証といった高レベルな環境・健康認証基準に沿った建物を構築しています。これは、環境意識の高いグローバル企業を誘致する上で重要な差別化要因となり、入居企業のニーズに応えることで競争力を高めています。
  • 多様な企業誘致と支援体制
    WICプロジェクトでは、建物の建設に先行して日本、欧米亜の先進的大手企業の誘致を積極的に進めています。中国13省・4直轄市との情報プラットフォームやスタートアップ企業とのマッチングシステム、24時間365日ライフサービスの提供など、進出企業を強力に支援する体制を構築しており、これが企業の誘致力向上に繋がっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 持続的成長と企業価値向上
    宮越ホールディングスグループは、透明性の高い企業活動と公正な投資業務を通じて、株主や取引先などのステークホルダーの期待に応えることを経営の基本方針としています。持株会社と事業会社を明確に区分し、経営資源の有効活用とコーポレート・ガバナンスの確立により、経営効率化と持続的な成長、企業価値の向上を目指しています。
  • 財務指標と目標設定
    株主価値を重視する観点から、一株当たり当期純利益(EPS)と自己資本利益率(ROE)を主要な経営指標としています。長期的な目標値として、EPS25円、ROE5%超を設定しており、これらの目標達成を通じて企業価値を高めることを目指しています。
  • WICプロジェクトの推進と課題解決
    中国の深セン市で推進する「ワールド・イノベーション・センター」(WIC)プロジェクトを中核事業と位置づけ、その成功に向けた課題解決に注力しています。米中貿易摩擦の影響や為替変動、サステナビリティへの取り組み、専門人材の確保といった課題に対し、企業誘致施策の強化、現地通貨での資金調達、ESG認証取得、優秀な人材の登用などを通じて、プロジェクトの円滑な推進と成功を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、広い視野に立った透明性の高い企業活動を推進し、公平・公正かつ誠実な投資業務により適正な利益を確保する事によって株主及び取引先などすべてのステークホルダーの期待に応えるとともに、社会の公器としての社会的責任を果たすことを経営の基本方針としております。具体的には経営戦略を樹立する持株会社と事業を遂行する各事業会社を明確に区分し、経営資源の有効的な活用とコーポレート・ガバナンスの確立した経営を行うことにより、経営の効率化を図り、企業の持続的な成長と企業価値の向上を目指しております。また、株主価値を重視する観点から、一株当たりの当期純利益(EPS)及び自己資本利益率(ROE)を経営指標としておりますが、長期的な目標値をEPS25円、ROE5%超に設定しております。 (2)経営環境及び対処すべき課題当社グループが中国で進める「ワールド・イノベーション・センター」(WIC)プロジェクトは、同国のハイテク、先端医療等の科学技術発展の模範的な牽引役を目指す粤港澳大湾区(グレーターベイエリア)構想の中心都市である深セン市の中心に位置する車公廟エリア(約32ヘクタール)を官民一体で再開発を進めるハイエンドな都市更新プロジェクトです。一方で、WICのグランドオープンまで賃料収入が見込めない中、中国の先進都市である14省・4直轄市との連携プラットフォームを最大限に活用して、中国の先進的な企業から半導体及びロボット等のエレクトロ分野における製品及び電子部品等の輸入販売等を行う事業に新たに参入いたします。当社グループがそれらのプロジェクトや新規事業を進める上で対処すべき課題としては、①米中貿易摩擦の影響や事業拠点の一極集中を懸念する日米欧の先進的企業が中国への投資を手控える傾向にある、②為替変動による投資金額や輸入コストの増加懸念、③サステナビリティへの取り組み、④不動産開発や新規事業における専門的な人材の確保などが主な課題と捉えております。①につきましては、米中貿易摩擦等の影響下、中国市場に適合した製品を開発し、広大な市場に販売することにより事業の拡大を図る企業とリスクを回避する目的で他国に製造拠点の分散投資を行う企業の2極化が進んでおり、当社グループでは中国投資に前向きな企業に対してWICへの進出を促すため、WICにおいて中国14省・4直轄市との情報プラットフォームや優秀な技能を持つスタートアップ企業とのマッチングシステム、24時間365日ライフサービスの提供を行う等の施策を進めてまいります。②につきましては、為替市場の変動リスクに対応するため建設資金や事業運転資金を現地金融機関から現地通貨の人民元で調達するなどの手段を駆使して為替変動の影響を最小限に抑える方針です。③につきましては、WICプロジェクトを進める上で環境、社会、ガバナンスの所謂サステナビリティにおけるESGの課題に取り組んでおります。建築される建物は、百年建築・日本品質を目指し、WELL・ LEED認証は全てプラチナ、緑色建築認証は3つ星の取得に取り組む方針であり、世界から集まる先進的大手外資企業の多様なニーズに応え、進出企業の新たなイノベーションの創出を強力に支援する最適なプラットフォームの建設を進めております。④につきましては、WICプロジェクトを円滑に進めるため、建築設計、建設施工、デザイン、コスト管理などの優秀で経験豊富な人材の登用を進めており、すでに開発本部長をはじめ各部門の責任者等15名を採用し、併せてそれぞれに著名なコンサル企業との提携を進めております。また、新規事業分野においても、半導体、電子部品の専門知識と経験豊富な人材の採用を進め、既に日本及び中国の両サイドにおいて専門部署の立ち上げを行っております。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、広い視野に立った透明性の高い企業活動を推進し、公平・公正かつ誠実な投資業務により適正な利益を確保する事によって株主及び取引先などすべてのステークホルダーの期待に応えるとともに、社会の公器としての社会的責任を果たすことを経営の基本方針としております。具体的には経営戦略を樹立する持株会社と事業を遂行する各事業会社を明確に区分し、経営資源の有効的な活用とコーポレート・ガバナンスの確立した経営を行うことにより、経営の効率化を図り、企業の持続的な成長と企業価値の向上を目指しております。また、株主価値を重視する観点から、一株当たりの当期純利益(EPS)及び自己資本利益率(ROE)を経営指標としておりますが、長期的な目標値をEPS25円、ROE5%超に設定しております。 (2)経営環境及び対処すべき課題当社グループが中国で進める「ワールド・イノベーション・センター」(WIC)プロジェクトは、同国のハイテク、先端医療等の科学技術発展の模範的な牽引役を目指す粤港澳大湾区(グレーターベイエリア)構想の中心都市である深セン市の中心に位置する車公廟エリア(約32ヘクタール)を官民一体で再開発を進めるハイエンドな都市更新プロジェクトです。一方で、WICのグランドオープンまで賃料収入が見込めない中、中国の先進都市である14省・4直轄市との連携プラットフォームを最大限に活用して、中国の先進的な企業から半導体及びロボット等のエレクトロ分野における製品及び電子部品等の輸入販売等を行う事業に新たに参入いたします。当社グループがそれらのプロジェクトや新規事業を進める上で対処すべき課題としては、①米中貿易摩擦の影響や事業拠点の一極集中を懸念する日米欧の先進的企業が中国への投資を手控える傾向にある、②為替変動による投資金額や輸入コストの増加懸念、③サステナビリティへの取り組み、④不動産開発や新規事業における専門的な人材の確保などが主な課題と捉えております。①につきましては、米中貿易摩擦等の影響下、中国市場に適合した製品を開発し、広大な市場に販売することにより事業の拡大を図る企業とリスクを回避する目的で他国に製造拠点の分散投資を行う企業の2極化が進んでおり、当社グループでは中国投資に前向きな企業に対してWICへの進出を促すため、WICにおいて中国14省・4直轄市との情報プラットフォームや優秀な技能を持つスタートアップ企業とのマッチングシステム、24時間365日ライフサービスの提供を行う等の施策を進めてまいります。②につきましては、為替市場の変動リスクに対応するため建設資金や事業運転資金を現地金融機関から現地通貨の人民元で調達するなどの手段を駆使して為替変動の影響を最小限に抑える方針です。③につきましては、WICプロジェクトを進める上で環境、社会、ガバナンスの所謂サステナビリティにおけるESGの課題に取り組んでおります。建築される建物は、百年建築・日本品質を目指し、WELL・ LEED認証は全てプラチナ、緑色建築認証は3つ星の取得に取り組む方針であり、世界から集まる先進的大手外資企業の多様なニーズに応え、進出企業の新たなイノベーションの創出を強力に支援する最適なプラットフォームの建設を進めております。④につきましては、WICプロジェクトを円滑に進めるため、建築設計、建設施工、デザイン、コスト管理などの優秀で経験豊富な人材の登用を進めており、すでに開発本部長をはじめ各部門の責任者等15名を採用し、併せてそれぞれに著名なコンサル企業との提携を進めております。また、新規事業分野においても、半導体、電子部品の専門知識と経験豊富な人材の採用を進め、既に日本及び中国の両サイドにおいて専門部署の立ち上げを行っております。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 (1) 経営成績等の状況の概要① 経営成績の状況当社グループの事業拠点である中国深セン市は、グレーターベイエリア(大湾区)の中心都市として海外から注目され、2025年度の深セン市のGDPは昨年比5.5%の伸び率を達成し、景気の回復基調は目覚ましいものがあります。 このような環境下、 当社グループが深セン市で推進する「ワールド・イノベーション・センター(以下「WIC」)」プロジェクトは、地元当局から実質的な開発許可を取得し、2026年の着工、2031年のグランドオープンを目指しております。これに伴い、建物及び構築物等の取り壊しを進めており、子会社の深セン皇冠(中国)電子有限公司(以下「皇冠電子」)が保有する固定資産(主に土地使用権)について、減損損失848百万円及び取壊費用等95百万円を特別損失に計上し、一方で財務の健全化に向けて長期貸付金を保守的に評価した結果、貸倒引当金944百万円を営業外費用に計上いたしました。その結果、当連結会計年度における経営成績は営業収益391百万円(前期比62.0%減)、営業損失333百万円(前期比―%)、経常損失839百万円(前期比―%)、親会社株主に帰属する当期純損失1,937百万円(前期比―%)を計上いたしました。不動産開発事業については、世界30ヶ国のフォーチュングローバル500企業をはじめとした先進的大手外資企業200社超が中国本社機能や本格的なR&D施設若しくはマーケティング拠点を設立し、WICの14省・4直轄市との連携による企業情報プラットフォーム等のビジネスサービスを享受することで、事業における新たなイノベーションを創出し、中国はもとより世界に向けての事業拡大を支援する大規模なイノベーションプロジェクトです。WICプロジェクトは、現在先行して進めている01-01区画について、株式会社日建設計と深セン市華陽国際工程設計株式有限公司が方案設計を完成し、現在、既存建物の解体工事を進めております。また、深セン市から01-01区画の開発実施主体と同区画の建設指標の規劃修正案が承認され、実質的な開発許可を取得し、完成後の不動産評価額は約3,385億円(2026年3月31日の為替相場23.11円/1人民元により換算)と見込まれ、当社の成長戦略における重要な基盤となります。なお、WIC開発に伴うテナント退去および建物解体工事の進行により、皇冠電子が保有する土地使用権は一旦返還し、先行している01-01区画について、新たに50年の土地使用権を取得することになります。現時点で想定している新たに取得する当該土地使用権の費用は、皇冠電子の土地使用権保有者による都市更新再開発であるため、深セン市政府の都市更新政令に基づき、既に開発許可が実質的に承認された研究開発用建物延床面積25.1万㎡は土地使用権の費用が免除され、商業施設及び宿舎延床面積9万7百㎡を対象に算出される予定です。一方で、深セン市政府の委嘱を受けて精力的に行っている企業誘致活動では、日本の上場企業を中心とした先進的優良企業と、欧米のフォーチュングローバル500企業を中心とする大手企業が、WICへの進出意向を表明或いは入居承諾書を提出いただいております。今後開発手続きが進むに従ってWICへの進出希望企業はさらに増えてまいります。また、WICにおいては進出企業の賃料収益のみならず、企業誘致を進める過程で得られた実需をもとに、進出企業及び14省・4直轄市に集積するドローンなどモビリティやAI関係の大手企業やスタートアップ企業の技術を生かす様々なサービスを提供するイノベーション事業に取り組みます。その第一歩として、半導体、AI・ロボティクス等の分野で高い技術を持つ中国企業と連携し、当社が日本総代理店を担うビジネスを組成してまいります。イノベーション事業を、WIC開業後には賃料と並ぶ収益事業に育てる計画の構築を進めております。当社は総合投資会社を標榜しており、同プロジェクトを投資事業の第1号案件と位置付け、WICが単なる賃貸案件ではなく、環境・社会・ガバナンス(ESG)を重視した顧客との価値共創を通じ、当社グループの持続的発展の基礎となるプロジェクトを目指しております。 当社グループは、「不動産開発及び賃貸管理事業」のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ2,125百万円増加し、5,485百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動による資金は、906百万円減少(前期は473百万円の増加)いたしました。これは主に、税金等調整前当期純損失の計上によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動による資金は、2,821百万円増加(前期は530百万円の減少)いたしました。これは主に、定期預金の解約によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動による資金は、0百万円減少(前期は0百万円の減少)いたしました。 ③ 仕入、成約及び販売の実績当社グループは、不動産開発及び賃貸管理を主な事業としているため、仕入実績、成約状況について記載すべき事項はありません。 売上の状況当連結会計年度における売上実績は、次のとおりであります。なお、当社グループは、「不動産開発及び賃貸管理事業」の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。 区分金額(百万円)前期比(%)不動産賃貸管理収入391△62.0 (注)当連結会計年度において、不動産賃貸管理収入が著しく減少しております。これは、再開発の進捗に伴うテナントの退去によるものであります。再開発の詳細につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本報告書提出日(2026年6月25日)現在において当社グループが判断したものであります。① 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。この連結財務諸表作成にあたって、見積りが必要となる事項については合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。なお、当社グループの連結財務諸表に影響を及ぼす可能性がある主な見積りとして、以下の会計処理があります。 (貸倒引当金)貸倒引当金は、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については回収可能性を個別に検討した必要額を計上しております。債務者の支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。個別の回収可能性の検討においては、債務者の財務面を中心に、定量的・定性的の両面における分析を行い決定しております。見積りの詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り) 貸倒引当金の見積り」に記載のとおりであります。 ② 財政状態の分析当連結会計年度末における資産総額は、前連結会計年度末に比べ2,357百万円減少し、26,506百万円となりまし た。この主な要因は、土地使用権の減損及び貸倒引当金の計上によるものであります。負債は、前連結会計年度末に比べ456百万円減少し、413百万円となりました。この主な要因は、預り保証金の減少によるものであります。純資産は、前連結会計年度末に比べ1,901百万円減少し、26,093百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金の減少によるものであります。 ③ 経営成績の分析 イ.営業収益営業収益は、前連結会計年度の1,030百万円と比較して638百万円減少し(前期比△62.0%)、391百万円となりました。この主な要因は、再開発の着工、2030年のグランドオープンに備えてテナントに退去を依頼したことにより賃料収入が減少したことによるものであります。 ロ.営業利益当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度の284百万円と比較して617百万円減少し(前期比―%)、333百万円の損失となりました。この主な要因は、上記イによるものであります。 ハ.経常利益当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度の552百万円と比較して1,391百万円減少し(前期比―%)、839 百万円の損失となりました。この主な要因は、上記イ及び貸倒引当金繰入額の計上によるものであります。 ニ.親会社株主に帰属する当期純利益当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の365百万円と比較して2,303百万円(前期比―%)減少し、1,937百万円の損失となりました。この主な要因は、営業損失及び経常損失の計上に加え、固定資産の減損損失を計上したことによるものであります。 ④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析 イ.キャッシュ・フロー当連結会計年度のキャッシュ・フローの概要につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。 ロ.財政政策当社グループの今後の資金需要のうち主なものは、子会社皇冠電子における不動産再開発に必要な投資資金(約45億元)であります。現在、子会社皇冠電子は、車公廟エリア連片改造・グレートアップ都市更新単元プロジェクト1の開発実施主体の資格を取得し、規劃容積348,700㎡(規格容積率15.9)に地下駐車場及び公共施設の建物等の面積を加えた総延床面積452,930㎡の実質的な開発許可を取得いたしました。今後、皇冠電子の資本の増額(総事業費の20%相当額)に加え、再開発の進捗度合いを図りながら投資資金の調達を進める所存であります。その際には、手持ち資金に加え、新たに資本市場及び金融機関等からの資金調達を行う予定です。 ⑤ 経営者の問題認識と今後の方針について経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。なお、当社グループが設定しております経営指標においては、EPSが目標値25円に対して当連結会計年度末△48円42銭、ROEが目標値5%超に対して当連結会計年度末△7.6%となりましたが、今後、経営指標につきましては不動産再開発を進めていくうえで、目標値等を検討する必要があると考えております。また、当社グループの業績において核となる不動産再開発に向けては、継続して経営資源を重点的に投入する一方で、ワールド・イノベーション・センター(WIC)に進出する外資企業が、WICにおいて技術力の高いスタートアップ企業及び優良企業の情報提供プラットフォームや人材紹介システム等のあらゆるサービスを享受し、早期に事業を立ち上げ、イノベーションを創出するための環境作りを進める必要があるため、それらのサービスをWICプロジェクトの重要な部門と位置づけ、構築・推進していく所存です。

事業リスク

  • 為替相場の変動リスク
    海外子会社の財務諸表は円換算されるため、中国経済状況や日米経済政策による為替相場の変動が、連結財務諸表の計上額に影響を与える可能性があります。特に、不動産再開発事業における日本からの増資等の投資は、現地通貨での価値が変わらなくても、払込時の為替レートによって投資額が変動するリスクがあります。
  • 自然環境変化と災害リスク
    地球温暖化に伴う予測不能な規模の災害発生は、WICプロジェクトの建物に影響を及ぼす可能性があります。進出企業は災害に強く環境に配慮した省エネ仕様の建築基準を求めており、高レベルな認証基準に沿った建物の構築が求められるため、予期せぬ災害は事業計画に遅延や追加コストをもたらす可能性があります。
  • 不動産市況変動リスク
    WICプロジェクトは長期かつ大規模な投資を伴うため、中国国内外の要因による景気減速や不動産市況の悪化は、開発事業に大きな影響を与える可能性があります。不動産需要の低迷や価格の下落は、プロジェクトの収益性を低下させ、投資回収に時間を要するリスクがあります。地政学的なリスクも、世界経済の成長に影響を及ぼし、企業の新規投資を抑制する可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,464 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクについて、主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても投資者の皆様の投資判断に重要であると考えられる事項につきましては、積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)為替相場の変動に伴うリスク 海外子会社の財務諸表上の現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成にあたり円換算して計上おります。今後、事業拠点である中国の経済状況、日米経済政策等によっては換算時の為替相場により円換算後の計上額が影響を受ける可能性があります。また、不動産再開発事業においては、事業資金の調達のため、今後日本から増資等の投資を行う予定ですが、これらの投資は現地通貨における事業資金の価値が変わらなかったとしても、払込時の為替相場によって投資額に影響を及ぼす可能性があります。 (2)地球温暖化に伴う自然環境の変化のリスク当社グループが推進するWICプロジェクトは、海外30ヶ国から200社を超える先進的大手外資企業を誘致することから、進出企業は入居する建物が災害に強く環境に配慮し、省エネ仕様の建築基準を求めています。しかし、昨今の地球温暖化等に伴い発生する災害が予測しえない規模で起こり得るリスクを考慮したうえで、中国緑色建築認証、国際LEED認証・国際WELL認証の高レベルな認証基準に沿った建物を構築する必要があります。 (3)不動産市況変動のリスク 当社グループが推進するWICプロジェクトに関し、中国国内外の要因により景気が減速し、不動産市況が悪化する局面においては、当該開発事業にも影響を与える可能性があります。当社グループが進める当該開発事業は長期にわたり大規模な投資になるため、市況変動には注意を要するものと思われます。なお、WICの稼働率を高めるため、グループ内に特別チームを編成し、建物の建設に先行して日本、欧米亜の先進的大手企業の誘致を積極的に進めております。 (4)ウクライナ・中東情勢等地政学的なリスク ウクライナや中東情勢等の地政学的なリスクについては、当社グループの事業に大きな影響はないものと考えておりますが、それらのリスクが長期化して、世界経済の成長に影響を及ぼすことにより、日本、欧米亜の企業が新たな投資を控えるリスクには注意を要するものと思われます。 なお、当連結会計年度において、営業収益の著しい減少、重要な営業損失、経常損失、当期純損失の計上、重要なマイナスの営業キャッシュ・フローの計上等の事象が生じております。これらの事象は、主に再開発事業の進捗によるものであり、テナントの退去に伴う賃料収入の減少、既存賃貸物件の解体による土地使用権の減損等が要因であります。また、長期貸付金に対し貸倒引当金繰入額を計上したことにより、経常損失、当期純損失がさらにマイナスとなっております。今後、当社グループの主たる事業である不動産開発及び賃貸管理事業においては、竣工までの期間は一時的に賃料収入は見込めないこととなるため、翌期以降の当社グループの経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性がありますが、当連結会計年度末時点においては、手許預金の水準が高い(総資産の42%)ことから、継続企業の前提に関し、重要な不確実性は認められないものと判断しております。

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