研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
|---|---|---|
| 2025-02 | - | 49 |
| 2024-02 | - | 38 |
| 2023-02 | - | 22 |
| 2022-02 | - | 47 |
| 2021-02 | - | 42 |
研究開発活動(本文)
FY2026|3,630 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、創業以来、漁業及び海運業の安全安心の向上に寄与すべく、舶用電子機器の研究開発を継続して行ってまいりました。舶用電子機器の「漁業用の魚群探知機」に使用する超音波技術、同じく「漁業用の無線機」に使用する電波通信技術、「舶用レーダー」に使用するマイクロ波技術、「舶用位置測定装置」に使用する電波航法技術等を中心に始まったフルノの研究開発の分野は、現在では機器のデジタル化に伴う情報処理技術、画像処理技術及びメカトロニクス技術へと広がっております。事業分野の視点では、舶用電子機器市場に留まらず、この技術を応用し他市場での社会課題解決を目指して、陸上産業機器、医療機器、無線LAN機器及び防衛装備品機器へと展開を広げてきました。これらの研究開発業務は、各要素研究を技術研究所、各事業分野の製品開発を各事業部開発部門にて行っております。組織横断的な視点から各研究開発部門を統括し、全社開発部門に対し、機種開発の共通基盤となる設計技術の水平展開と開発支援を行うことで、開発効率向上による製品上市の加速と設計品質の向上をめざして技術統括部を設けております。また、グループの研究開発活動にかかわる知的財産権の拡充を図り、適切に管理・活用する専門の組織として知的財産部を設けております。今までもそしてこれからも、安全安心の向上に寄与するとともに、新たな社会課題の解決に向けた研究開発を進めてまいります。当連結会計年度における研究開発費の総額は6,014百万円であり、売上高に対する比率は4.3%であります。セグメント別の主な研究開発活動及び今後の展開は次のとおりであります。 (1) 舶用事業商船・漁業・プレジャーボート市場向け分野当社グループの中核事業部門として、技術研究所の成果物を、しっかりとした品質と信頼性を確保しつつ、統一的なデザインをもって商品化することで、フルノブランドを確立してまいりました。近年、航海の安全性向上及び船員の労務負担軽減を解決すべき重要な社会課題と位置づけ、自律航行の実現に向けた研究開発を進めております。AR(拡張現実)技術を用いて航行に必要な情報を重畳表示する「AR ナビゲーションシステム」、VR(仮想現実)技術を用いて見張り業務を支援する「VRナビゲーションシステム」に加えて、LiDARとカメラ等のセンサーを用いて船体と岸壁との距離・角度を高精度に計測して安全な離着岸を支援する「離着岸支援システム」も、日本海事協会の革新技術を対象とした新たな認証サービス「イノベーションエンドースメント」において、製品・ソリューション認証を取得し、安全運航を支援する新しいソリューションとして展開を進めております。また、日本財団が2020年2月より推進する無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」に参画しております。その一環として陸上から複数船舶を航行支援する「陸上支援センター」を当社社屋内に設置しており、当該施設を利用した実証実験を進めております。2025年12月には、当社開発の自律航行システム搭載の旅客船が国の行う船舶検査に合格し、世界で初めて旅客船での自動運転レベル4相当の商用運航を開始しました。一方、資源管理型漁業や漁業経営の効率化に資するスマート漁業に向けた取り組みにも注力しております。具体的には、魚群探知機等のセンサー情報を遠隔からモニタリングする定置網漁業向けシステムを提供するとともに、漁船に装備されている各センサーからの情報を集め、過去の操業振り返りや操業計画立案に活用する研究開発を進めております。また新規事業としてスタートした養殖支援事業においては、養殖関連の機器製造・販売に加えデータ解析サービスの事業展開を進めてきました。魚体重推定システムでは養成魚の成長推移の把握を支援するため、養魚管理サービスAqua Scopeを活用し、養魚管理の高度化に向けた研究開発を進めております。今後も、社会課題の解決に資する研究開発を推し進め、新たな顧客価値の創出に継続して取り組んでまいります。 当連結会計年度における研究開発費の金額は4,432百万円であります。 (2) 産業用事業ITS事業、GNSS事業社会インフラのOEM供給に始まったITS事業と、舶用機器事業の衛星測位システム技術を基礎としたGNSS事業は、無線通信技術を応用したETC車載器や、車載用GNSS受信機等の位置情報機器及びこれを応用したタイミング機器※等を加えることで事業拡大を進めてきました。※衛星測位システムは測位原理により、位置だけでなく正確な時刻(タイミング)も知ることができ、この機能は日々進化する高速情報通信インフラに欠かせないものとなっております。 ETC車載器での無線通信による車両認識と、ナンバープレート読取装置での画像による車両認識の両方を組み合わせた車両入退管理サービスであるFLOWVIS(フロービス)では、ソリューション開発に注力し、顧客要望に合わせたカスタム対応を展開しました。また衛星測位システム技術では、共同研究に向けた基本合意を行った米国のスタートアップ、ゾナ・スペース・システムズと連携し、GNSSを補完するLEO-PNTを加えることで時刻同期製品の信頼度向上を目指してまいります。今後も、無線技術と衛星測位システム技術を活用した製品開発を進めると同時に、これら技術を融合させた新たな価値創造に資する技術開発にも取り組んでまいります。 ヘルスケア事業当社グループの持つ超音波技術の医療機器分野への展開から始まったヘルスケア事業の研究開発は、生化学自動分析装置のラインナップ拡大、超音波骨密度測定装置の機能向上を進めてまいりました。 中型生化学分析装置の次機種開発においては、量産試作機の出荷を行い、お客様による各種評価をすすめております。また、中国子会社との連携により価格競争力の強化もすすめました。引き続き、品質の向上と効率的な開発を目指し、プロセス改善にも取り組んでまいります。 防衛装備品事業航空機用電子機器の供給から始まった当社の防衛装備品事業は、舶用事業と同様に、顧客からの強い信頼を得ており、昨今の防衛力増強等も含め、防衛省のニーズに対応しております。信頼ある商品・サービスを通じて防衛装備品を持続的に提供することが、国民の安全・安心・平和の維持に貢献するという認識のもと、事業成長のためのニーズの先取りと衛星測位や水中音響分野における将来技術の先行開発に取り組んでおります。 当連結会計年度における研究開発費の金額は530百万円であります。 (3) 無線LAN・ハンディターミナル事業舶用電子機器開発で培った無線通信技術、情報処理技術を陸上物流に応用することから始まった無線LAN・ハンディターミナル事業は、顧客ニーズに適合した信頼性の高い商品と手厚いサポートをもとに、文教市場で高いシェアを持つに至っております。 当連結会計年度は、最新の無線LAN規格であるIEEE802.11be(Wi-Fi 7)に対応したアクセスポイントをはじめ、Wi-Fi HaLowに対応した長距離・広域通信向け製品を上市しました。文部科学省が推進するGIGAスクール構想の第2フェーズ(NEXT GIGA)については、需要拡大が見込まれる2028年2月期以降を見据えながら、ネットワーク商品の性能強化やラインナップの拡充、並びにクラウド管理システムの機能向上に継続して取り組んでまいります。 当連結会計年度における研究開発費の金額は361百万円であります。 (4) その他 技術研究所では既存事業への貢献及び新規事業の創出に向けた要素研究に取り組んでおります。当連結会計年度では、建設/工事現場向けWi-Fiシステム/リモートモニタリングシステム、深浅測量向けマルチビームソナー搭載水上ドローンボート、超音波筋肉可視化装置、マイクロ波による小型水蒸気観測システム、AIによる海況予測モデル等の新規事業に関する機器・サービスの研究開発に注力いたしました。また、全社的な新規事業のアイデア創出、事業性の仮説検証及び事業化の実行・支援を目的に、専門組織としてビジネスラボを設けております。今後も「技術のフルノ」を牽引すべく研究開発に取り組んでまいります。 新規事業創出への挑戦持続的な成長を実現するために通常の事業活動と切り離した「戦略投資枠」を導入し、新技術や新規事業の創出を推進しております。今後も、新設したDX推進部中心にデジタル技術を活用した事業領域の拡大に注力していくほか、自社で生み出される技術やアイデアと、他社の持つ知見を活用した新規事業創出活動に取り組んでまいります。 当連結会計年度における事業セグメントに帰属しない研究所における研究開発費の金額は690百万円であります。
FY2025|3,485 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、創業以来、漁業及び海運業の安全安心の向上に寄与すべく、舶用電子機器の研究開発を継続して行ってまいりました。舶用電子機器の「漁業用の魚群探知機」に使用する超音波技術、同じく「漁業用の無線機」に使用する電波通信技術、「舶用レーダー」に使用するマイクロ波技術、「舶用位置測定装置」に使用する電波航法技術等を中心に始まったフルノの研究開発の分野は、現在では機器のデジタル化に伴う情報処理技術、画像処理技術及びメカトロニクス技術へと広がっております。事業分野の視点では、舶用電子機器市場に留まらず、この技術を応用し他市場での社会課題解決を目指して、陸上産業機器、医療機器、無線LAN機器及び防衛装備品機器へと展開を広げてきました。これらの研究開発業務は、各要素研究を技術研究所、各事業分野の製品開発を各事業部開発部門にて行っております。組織横断的な視点から各研究開発部門を統括し、全社開発部門に対し、機種開発の共通基盤となる設計技術の水平展開と開発支援を行うことで、開発効率向上による製品上市の加速と設計品質の向上をめざして技術統括部を設けております。また、グループの研究開発活動にかかわる知的財産権の拡充を図り、適切に管理・活用する専門の組織として知的財産部を設けております。R&D統括センターは廃止とし、保有していた機能については実務担当部署へ職務移管を行いました。これにより、業務の迅速化をすすめてまいります。今までもそしてこれからも、安全安心の向上に寄与するとともに、新たな社会課題の解決に向けた研究開発を進めてまいります。当連結会計年度における研究開発費の総額は6,303百万円であり、売上高に対する比率は5.0%であります。セグメント別の主な研究開発活動及び今後の展開は次のとおりであります。 (1) 舶用事業商船・漁業・プレジャーボート市場向け分野当社グループの中核事業部門として、技術研究所の成果物を、しっかりとした品質と信頼性を確保しつつ、統一的なデザインをもって商品化することで、フルノブランドを確立してまいりました。近年、航海の安全性向上及び船員の労務負担軽減を解決すべき重要な社会課題と位置づけ、自律航行の実現に向けた研究開発を進めています。AR(拡張現実)技術を用いて航行に必要な情報を重畳表示する「AR ナビゲーションシステム」、VR(仮想現実)技術を用いて見張り業務を支援する「VRナビゲーションシステム」に加えて、LiDARとカメラ等のセンサーを用いて船体と岸壁との距離・角度を高精度に計測して安全な離着岸を支援する「離着岸支援システム」も、日本海事協会の革新技術を対象とした新たな認証サービス「イノベーションエンドースメント」において、製品・ソリューション認証を取得し、安全運航を支援する新しいソリューションとして展開を進めています。また、日本財団が2020年2月より推進する無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」に参画しており、その一環として陸上から複数船舶を航行支援する「陸上支援センター」を当社社屋内に設置しました。一方、資源管理型漁業や漁業経営の効率化に資するスマート漁業に向けた取り組みにも注力しております。具体的には、魚群探知機等のセンサー情報を遠隔からモニタリングする定置網漁業向けシステムを上市したほか、漁船に装備されている各センサーからの情報を集め、過去の操業振り返りや操業計画立案に活用する研究開発を進めています。また新規事業としてスタートした養殖支援事業は、養殖関連の機器製造・販売に加えデータ解析サービスの事業展開を進めてきました。魚体重推定システムでは養成魚の成長推移の把握を支援するため、養殖管理支援アプリAqua Scopeを活用し、養魚管理の高度化に向けた研究開発を進めています。今後も、社会課題の解決に資する研究開発を推し進め、新たな顧客価値の創出に継続して取り組んでまいります。 当連結会計年度における研究開発費の金額は4,887百万円であります。 (2) 産業用事業ITS事業、GNSS事業社会インフラのOEM供給に始まったITS事業と、舶用機器事業の衛星測位システム技術を基礎としたGNSS事業は、無線通信技術を応用したETC車載器や、車載用GNSS受信機等の位置情報機器及びこれを応用したタイミング機器※等を加えることで事業拡大を進めてきました。※衛星測位システムは測位原理により、位置だけでなく正確な時刻(タイミング)も知ることができ、この機能は日々進化する高速情報通信インフラに欠かせないものとなっています。 ETC車載器での無線通信による車両認識と、ナンバープレート読取装置での画像による車両認識の両方を組み合わせた車両入退管理サービスであるFLOWVIS(フロービス)では、ソリューション開発に注力し、顧客要望に合わせたカスタム対応を展開しました。また衛星測位システム技術では、GNSSチップに搭載するナビゲーション向け、時刻同期向けアプリケーションソフトウエアを拡充し、競合に対する技術優位性を高めました。今後も、無線技術と衛星測位システム技術を活用した製品開発を進めると同時に、これら技術を融合させた新たな価値創造に資する技術開発にも取り組んでまいります。 ヘルスケア事業当社グループの持つ超音波技術の医療機器分野への展開から始まったヘルスケア事業の研究開発は、生化学自動分析装置のラインナップ拡大、超音波骨密度測定装置の機能向上を進めてまいりました。 当連結会計年度は、中型生化学分析装置の次機種開発を行いました。今後、お客様評価に向けて取り組みをすすめてまいります。また、中国子会社との連携により価格競争力の強化もすすめました。引き続き、品質の向上と効率的な開発を目指し、プロセス改善にも取り組んでまいります。 防衛装備品事業航空機用電子機器の供給から始まった当社の防衛装備品事業は、舶用事業と同様に、顧客からの強い信頼を得ており、昨今の防衛力増強等も含め、防衛省のニーズに対応しております。信頼ある商品・サービスを通じて防衛装備品を持続的に提供することが、国民の安全・安心・平和の維持に貢献するという認識のもと、事業成長のためのニーズの先取りと衛星測位や水中音響分野における将来技術の先行開発に取り組んでおります。 当連結会計年度における研究開発費の金額は542百万円であります。 (3) 無線LAN・ハンディターミナル事業舶用電子機器開発で培った無線通信技術、情報処理技術を陸上物流に応用することから始まった無線LAN・ハンディターミナル事業は、顧客ニーズにマッチした信頼性の高い商品と手厚いサポートをもとに、文教市場で高いシェアを持つに至っております。 当連結会計年度は、Android OS 11を搭載し、二次元コードに対応したハンディターミナルfinpad Ag1を上市したほか、最新のWi-Fi規格であるIEEE802.11beに準拠したアクセスポイントを上市しました。文部科学省が推進するGIGAスクール構想の第2フェーズ(NEXT GIGA)に向けて、ネットワーク商品の強化のため、ラインナップの拡充やクラウド管理システムの機能向上を図ってまいります。 当連結会計年度における研究開発費の金額は386百万円であります。 (4) その他 技術研究所では既存事業への貢献及び新規事業の創出に向けた要素研究に取り組んでおります。当連結会計年度では、建設現場向けWi-Fiシステム、マイクロ波技術を用いた水蒸気観測システム、カメラを用いた河川水位監視システム、AIによる海況予測モデル等の新規事業に関する機器・サービスの研究開発に注力いたしました。また、全社的な新規事業のアイデア創出、事業性の仮説検証及び事業化の実行・支援を目的としたビジネスラボを新設しました。今後も「技術のフルノ」を牽引すべく研究開発に取り組んでまいります。 新規事業創出への挑戦 持続的な成長を実現するために通常の事業活動と切り離した「戦略投資枠」を導入し、新技術や新規事業の創出を推進しております。今後は、DXを活用した事業領域の拡大に注力していくほか、自社で生み出される技術やアイデアと、他社の持つ知見を活用した新規事業創出活動に取り組んでまいります。 当連結会計年度における事業セグメントに帰属しない研究所における研究開発費の金額は488百万円であります。
FY2024|3,457 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、創業以来、漁業及び海運業の安全安心の向上に寄与すべく、舶用電子機器の研究開発を継続して行ってまいりました。舶用電子機器の「漁業用の魚群探知機」に使用する超音波技術、同じく「漁業用の無線機」に使用する電波通信技術、「舶用レーダー」に使用するマイクロ波技術、「舶用位置測定装置」に使用する電波航法技術等を中心に始まったフルノの研究開発の分野は、現在では機器のデジタル化に伴う情報処理技術、画像処理技術及びメカトロニクス技術へと広がっております。事業分野の視点では、舶用電子機器市場に留まらず、この技術を応用し他市場での社会課題解決を目指して、陸上産業機器、医療機器、無線LAN機器及び防衛装備品機器へと展開を広げてきました。これらの研究開発業務は、各要素研究を技術研究所、各事業分野の製品開発を各事業部開発部門にて行っております。組織横断的な視点から各研究開発部門を統括し、効率向上と活性化を図ることを目的としてR&D統括センターを設けております。また、グループの研究開発活動にかかわる知的財産権の拡充を図り、適切に管理・活用する専門の組織として知的財産部を設けております。当連結会計年度は、全社開発部門に対し、機種開発の共通基盤となる設計技術の水平展開と開発支援を行うことで、開発効率向上による製品上市の加速と設計品質の向上をめざして技術統括部を新設しました。今までもそしてこれからも、安全安心の向上に寄与するとともに、新たな社会課題の解決に向けた研究開発を進めてまいります。当連結会計年度における研究開発費の総額は5,987百万円であり、売上高に対する比率は5.2%であります。セグメント別の主な研究開発活動及び今後の展開は次のとおりであります。 (1) 舶用事業商船・漁業・プレジャーボート市場向け分野当社グループの中核事業部門として、技術研究所の成果物を、しっかりとした品質と信頼性を確保しつつ、統一的なデザインをもって商品化することで、フルノブランドを確立してまいりました。近年、航海の安全性向上及び船員の労務負担軽減を解決すべき重要な社会課題と位置づけ、自律航行の実現に向けた研究開発を進めています。AR(拡張現実)技術を用いて航行に必要な情報を重畳表示する「AR ナビゲーションシステム」、VR(仮想現実)技術を用いて見張り業務を支援する「VRナビゲーションシステム」に加えて、LiDARとカメラ等のセンサーを用いて船体と岸壁との距離・角度を高精度に計測して安全な離着岸を支援する「離着岸支援システム」も、日本海事協会の革新技術を対象とした新たな認証サービス「イノベーションエンドースメント」において、製品・ソリューション認証を取得し、安全運航を支援する新しいソリューションとして展開を進めています。一方、資源管理型漁業や漁業経営の効率化に資するスマート漁業に向けた取り組みにも注力しております。具体的には、魚群探知機等のセンサー情報を遠隔からモニタリングする定置網漁業向けシステムの上市を予定しているほか、漁船に装備されている各センサーからの情報を集め、過去の操業振り返りや操業計画立案に活用する研究開発を進めています。また新規事業としてスタートした養殖支援事業は、養殖関連の機器製造・販売に加えデータ解析サービスの事業展開を進めてきました。魚体重推定システムでは養成魚の成長推移の把握を支援するため、養殖管理支援アプリAqua Scopeを上市しました。引き続き、効率的で安定した養殖事業の実現に貢献してまいります。今後も、社会課題の解決に資する研究開発を推し進め、新たな顧客価値の創出に継続して取り組んでまいります。 当連結会計年度における研究開発費の金額は4,824百万円であります。 (2) 産業用事業ITS事業、GNSS事業社会インフラのOEM供給に始まったITS事業と、舶用機器事業の衛星測位システム技術を基礎としたGNSS事業は、無線通信技術を応用したETC車載器や、車載用GNSS受信機等の位置情報機器及びこれを応用したタイミング機器※等を加えることで事業拡大を進めてきました。※衛星測位システムは測位原理により、位置だけでなく正確な時刻(タイミング)も知ることができ、この機能は日々進化する高速情報通信インフラに欠かせないものとなっています。 ETC車載器での無線通信による車両認識と、ナンバープレート読取装置での画像による車両認識の両方を組み合わせた車両入退管理サービスであるFLOWVIS(フロービス)では、ソリューション開発に注力し、顧客要望に合わせたカスタム対応を展開しました。また衛星測位システム技術では、中国の測位衛星(北斗)にも対応し、補正データなしで位置情報精度50㎝を実現する新たな車載用多周波GNSS受信チップを上市しました。今後も、無線技術と衛星測位システム技術を活用した製品開発を進めると同時に、これら技術を融合させた新たな価値創造に資する技術開発にも取り組んでまいります。 ヘルスケア事業当社グループの持つ超音波技術の医療機器分野への展開から始まったヘルスケア事業の研究開発は、生化学自動分析装置のラインナップ拡大、超音波骨密度測定装置の機能向上を進めてまいりました。中型生化学自動分析装置の次機種開発に着手したほか、中国子会社との連携により、中国市場向け生化学分析装置の価格競争力を強化いたしました。引き続き、品質の向上と効率的な開発を目指し、プロセス改善にも取り組んでまいります。 防衛装備品事業航空機用電子機器の供給から始まった当社の防衛装備品事業は、舶用事業と同様に、顧客からの強い信頼を得ており、昨今の防衛力増強等も含め、防衛省のニーズに対応しております。信頼ある商品・サービスを通じて防衛装備品を持続的に提供することが、国民の安全・安心・平和の維持に貢献するという認識のもと、事業成長のためのニーズの先取りと衛星測位や水中音響分野における将来技術の先行開発に取り組んでおります。 当連結会計年度における研究開発費の金額は554百万円であります。 (3) 無線LAN・ハンディターミナル事業舶用電子機器開発で培った無線通信技術、情報処理技術を陸上物流に応用することから始まった無線LAN・ハンディターミナル事業は、顧客ニーズにマッチした信頼性の高い商品と手厚いサポートをもとに、文教市場で高いシェアを持つに至っております。 新規市場開拓の一環として、国内でいち早くIEEE802.11ahの技術基準適合証明を取得し、ACERA 330を上市しました。Android OS 11を搭載し、二次元コードに対応したハンディターミナル及び、最新のWi-Fi規格であるIEEE802.11beに準拠したアクセスポイントの製品化に向けた技術開発と商品開発、さらにはクラウド関連の技術開発にも力を注いでいます。 当連結会計年度における研究開発費の金額は295百万円であります。 (4) その他 技術研究所では既存事業への貢献及び新規事業の創出に向けた要素研究に取り組んでおります。当連結会計年度では、カメラや超音波技術を用いた養殖支援システム、建設現場向けWi-Fiシステム・屋内測位システム、マイクロ波技術を用いた水蒸気観測システム等の新規事業に関する機器・サービスの研究開発に注力いたしました。今後も「技術のフルノ」を牽引すべく研究開発に取り組んでまいります。 新規育成事業「NAVI NEXT 2030」では売上高1,200億円のうち、新規事業比率30%を目標に掲げております。新規事業を生み出していくためには、将来成長のための継続した投資が必要であることから、「戦略的投資枠」を導入し、新規事業の育成に係る費用を事業部門と別枠にして挑戦を推進しております。「新規育成事業」の内、建設テック事業については建設市場向けDXを推進している他、防災分野への挑戦等、新たな取り組みにも着手しております。引き続き、社内研究開発を起点とした技術やアイデア、他社との協業をベースとした新規事業創出活動を継続していきます。また、中期経営計画(フェーズ2)では、既存事業における周辺領域への事業拡張にも積極的に取り組んでまいります。 当連結会計年度における事業セグメントに帰属しない研究所における研究開発費の金額は313百万円であります。
FY2023|3,597 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、創業以来、漁業及び海運業の安全安心の向上に寄与すべく、舶用電子機器の研究開発を継続して行ってまいりました。舶用電子機器の「漁業用の魚群探知機」に使用する超音波技術、同じく「漁業用の無線機」に使用する電波通信技術、「舶用レーダー」に使用するマイクロ波技術、「舶用位置測定装置」に使用する電波航法技術等を中心に始まったフルノの研究開発の分野は、現在では機器のデジタル化に伴う情報処理技術、画像処理技術及びメカトロニクス技術へと広がっております。事業分野の視点では、舶用電子機器市場に留まらず、この技術を応用し他市場での社会課題解決を目指して、陸上産業機器、医療機器、無線LAN機器及び防衛装備品機器へと展開を広げてきました。これらの研究開発業務は、各要素研究を技術研究所、各事業分野の製品開発を各事業部開発部門にて行っております。組織横断的な視点から各研究開発部門を統括し、効率向上と活性化を図ることを目的としてR&D統括センターを設けております。また、グループの研究開発活動にかかわる知的財産権の拡充を図り、適切に管理・活用する専門の組織として知的財産部を設けております。今までもそしてこれからも、安全安心の向上に寄与するとともに、新たな社会課題の解決に向けた研究開発を進めてまいります。当連結会計年度における研究開発費の総額は5,694百万円であり、売上高に対する比率は6.2%であります。セグメント別の主な研究開発活動及び今後の展開は次のとおりであります。 (1) 舶用事業商船・漁業・プレジャーボート市場向け分野当社グループの中核事業部門として、技術研究所の成果物を、しっかりとした品質と信頼性を確保しつつ、統一的なデザインをもって商品化することで、フルノブランドを確立してまいりました。近年、航海の安全性向上および船員の労務負担軽減を解決すべき重要な社会課題と位置づけ、自律航行の実現に向けた研究開発を進めています。AR(拡張現実)技術を用いて航行に必要な情報を重畳表示する「AR ナビゲージョンシステム」、VR(仮想現実)技術を用いて見張り業務を支援する「3D Bird View」は、日本海事協会の革新技術を対象とした新たな認証サービス「イノベーションエンドースメント」において、製品・ソリューション認証を取得し、安全運航を支援する新しいソリューションとして展開を進めています。加えて、LiDARとカメラ等のセンサーを用いて船体と岸壁との距離・角度を高精度に計測して安全な離着岸を支援する「離着岸支援システム」は、実用化を目指し運航中フェリーでの試行を行っております。一方、資源管理型漁業や漁業経営の効率化に資するスマート漁業に向けた取り組みにも注力しております。具体的には、魚群探知機等のセンサー情報を遠隔からモニタリングする定置網漁業向けシステムの試験運用を開始したほか、漁船に装備されている各センサーからの情報を集め、過去の操業振り返りや操業計画立案に活用する研究開発を進めています。また新規事業としてスタートした養殖支援事業は、養殖関連の機器製造・販売の他、独自トラッキング技術によるAIを用いたデータ解析サービス事業を展開し、養成魚の平均魚体重や生育状況を把握することで、効率的で安定した養殖事業の実現に貢献してまいります。今後も、社会課題の解決に資する研究開発を推し進め、新たな顧客価値の創出に継続して取り組んでまいります。 インフラ維持管理・気象観測システム分野舶用機器の技術を応用した沿岸モニタリングシステム、舶用レーダー技術を応用した気象観測システム、衛星測位技術を応用した地盤変位観測システム等、社会インフラへのソリューション開発を進めてまいりました。今後も、これら基本システムをもとに、顧客が必要とするシステムやアプリケーションのパッケージ化を進めることで、販売の促進に取り組んでまいります。 当連結会計年度における研究開発費の金額は4,414百万円であります。 (2) 産業用事業PNT事業社会インフラのOEM供給に始まったPNT事業は、無線通信技術を応用したETC車載器、衛星測位システム技術を基にした車載用GNSS受信機等の位置情報機器及びこれを応用したタイミング機器※等を加えることで事業拡大を進めてきました。 ※衛星測位システムは測位原理により、位置だけでなく正確な時刻(タイミング)も知ることができ、この機能は日々進化する高速情報通信インフラに欠かせないものとなっています。 ETC車載器での無線通信による車両認識と、ナンバープレート読取装置での画像による車両認識の両方を組み合わせた車両入退管理サービスであるFLOWVIS(フロービス)では、ソリューション開発に注力し、顧客要望に合わせたカスタム対応を展開しました。また衛星測位システム技術では、中国の測位衛星(北斗)にも対応し、補正データなしで位置情報精度50㎝を実現する新たな車載用多周波GNSS受信チップを搭載した製品の2023年度上市を目指しています。今後も、無線技術と衛星測位システム技術を活用した製品開発を進めると同時に、これら技術を融合させた新たな価値創造に資する技術開発にも取り組んでまいります。 ヘルスケア事業当社グループの持つ超音波技術の医療機器分野への展開から始まったヘルスケア事業の研究開発は、生化学自動分析装置のラインナップ拡大、超音波骨密度測定装置の機能向上を進めてまいりました。生化学自動分析装置ではIVDR(欧州体外診断用医療規則)の適合手続きが完了し、欧州での販売の円滑化に寄与しました。また中国子会社との連携を強化し、中国市場での製品展開拡大を目指しています。引き続き、品質の向上と効率的な開発を目指し、プロセス改善にも取り組んでまいります。 防衛装備品事業航空機用電子機器の供給から始まった当社の防衛装備品事業は、舶用事業と同様に、顧客からの強い信頼を得ており、継続して防衛省のニーズに対応しております。信頼ある商品・サービスを通じて防衛装備品を持続的に提供することが、国民の安全・安心・平和の維持に貢献するという認識のもと、事業成長のためのニーズの先取りと衛星測位や水中音響分野における将来技術の先行開発に取り組んでおります。 当連結会計年度における研究開発費の金額は552百万円であります。 (3) 無線LAN・ハンディターミナル事業舶用電子機器開発で培った無線通信技術、情報処理技術を陸上物流に応用することから始まった当該事業は、顧客ニーズにマッチした信頼性の高い商品と手厚いサポートをもとに、文教市場で高いシェアを持つに至っております。 最新Wi-Fi規格へ対応した商品開発やクラウド関連の技術開発のほか、新たな市場創出のためのサブギガ帯Wi-Fi(新規格IEEE802.11ahに準拠)の製品化に向けた技術開発に取り組んでおります。 当連結会計年度における研究開発費の金額は333百万円であります。 (4) その他「NAVI NEXT 2030」のもと、技術研究所ではSPC&Iにより「技術のフルノ」を牽引すべく、「既存事業への貢献」と「新規事業創出」に取り組んでおります。当連結会計年度には、新規市場の創出に向けて、建設現場向けWi-Fiシステム/屋内測位システム、車両検知用ミリ波レーダー等の研究開発を進めてまいりました。今後も「NAVI NEXT 2030」を目指した施策、具体的には、・水産業、航海・マリンレジャー等の既存事業への貢献に向けた研究・医療・ヘルスケア、インフラ管理・監視等の新規事業創出に向けた研究・共通基盤技術の探求やAI・シミュレーション技術の活用等に取り組んでまいります。 新規育成事業「NAVI NEXT 2030」では売上高1,200億円のうち、新規事業比率30%を目標に掲げております。新規事業を生み出していくためには、将来成長のための継続した投資が必要であることから、「戦略的投資枠」を導入し、新規事業の育成に係る費用を事業部門と別枠にして挑戦を推進しております。「新規育成事業」の内、建設テック事業については建設市場向けDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進している他、防災分野への挑戦等、新たな取り組みにも着手しております。前連結会計年度に引き続き、社内研究開発を起点とした技術やアイデア、他社との協業をベースとした新規事業創出活動を継続していきます。また、中期経営計画(フェーズ2)では、既存事業における周辺領域への事業拡張にも積極的に取り組んでまいります。 当連結会計年度における事業セグメントに帰属しない研究所における研究開発費の金額は393百万円であります。
FY2022|3,343 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、創業以来、漁業及び海運業の安全安心の向上に寄与すべく、舶用電子機器の研究開発を継続して行ってまいりました。舶用電子機器の「漁業用の魚群探知機」に使用する超音波技術、同じく「漁業用の無線機」に使用する電波通信技術、「舶用レーダー」に使用するマイクロ波技術、「舶用位置測定装置」に使用する電波航法技術等を中心に始まったフルノの研究開発の分野は、現在では機器のデジタル化に伴う情報処理技術、画像処理技術及びメカトロニクス技術へと広がっております。事業分野の視点では、舶用電子機器市場に止まらず、この技術を他市場に応用することを目指して、陸上産業機器、医療機器、無線LAN機器及び防衛装備品機器へと展開を広げてきました。これらの研究開発業務は、各要素研究を技術研究所、各事業分野の製品開発を各事業部開発部門にて行っております。組織横断的な視点から各研究開発部門を統括し、効率向上と活性化を図ることを目的としてR&D統括センターを設けております。また、グループの研究開発活動にかかわる知的財産権の拡充を図り、適切に管理・活用する専門の組織として知的財産部を設けております。当連結会計年度における研究開発費の総額は5,458百万円であり、売上高に対する比率は6.4%であります。セグメント別の主な研究開発活動及び今後の展開は次のとおりであります。 (1) 舶用事業商船・漁業・プレジャーボート市場向け分野当社グループの中核事業部門として、技術研究所の成果物を、しっかりとした品質と信頼性を確保しつつ、統一的なデザインをもって商品化することで、フルノブランドを確立してまいりました。近年、航海の安全性向上及び船員の労務負担軽減を目的に、自動運航に向けた研究開発を進めています。「船舶のデジタルトランスフォーメーション」をテーマに、AR(拡張現実)技術を用いて航行に必要な情報を重畳表示する「AR ナビゲージョンシステム」、VR(仮想現実)技術を用いて見張り業務を支援する「3D Bird View」、LiDARとカメラ等のセンサーを用いて船体と岸壁との距離・角度を高精度に計測して安全な離着岸を支援する「離着岸支援システム」等、自動運航を実現するための各種システムを開発しています。今後も、激化する市場競争に打ち勝つための基盤強化及びさらなる開発効率の向上に継続して取り組んでまいります。具体的には、・ 安全安心・快適、人と環境に優しい航海の実現に寄与する自律航行システムの研究開発の推進 ・ 資源管理型漁業、漁業経営の効率化に寄与するスマート漁業に向けた研究開発の推進・ 製造原価低減及び、ソフトウェア開発プロセスの改善と自動検査拡大による開発効率の改善等に取り組んでまいります。 インフラ維持管理・気象観測システム分野舶用機器の技術を応用した沿岸モニタリングシステム、舶用レーダー技術を応用した気象観測システム、衛星測位技術を応用した地盤変位観測システム等、社会インフラへのソリューション開発を進めてまいりました。今後も、これら基本システム提供をもとに、顧客が必要とするシステムやアプリケーションのパッケージ化を進めることで、販売の促進に取り組んでまいります。 当連結会計年度における研究開発費の金額は4,071百万円であります。 (2) 産業用事業PNT事業社会インフラのOEM供給に始まったPNT事業は、無線通信技術を応用したETC車載器、衛星測位システム技術を基にした車載用GNSS受信機等の位置情報機器及びこれを応用したタイミング機器(衛星測位システムは測位原理により、位置だけでなく正確な時刻(タイミング)も知ることができ、この機能は日々進化する高速情報通信インフラに欠かせないものとなっています)等を加えることで事業拡大を進めてきました。新たにETC車載器での無線通信による車両認識と、ナンバープレート読取装置での画像による車両認識を組み合わせた車両入退管理サービスであるFLOWVIS(フロービス)の展開をスタートしました。また衛星測位システム技術では、中国の測位衛星(北斗)にも対応した、補正データなしで位置情報精度50㎝を実現する車載用多周波GNSS受信チップを新たに開発いたしました。今後も、無線技術と衛星測位システム技術を活用した製品開発を進めると同時に、これら技術を融合させた新たな価値創造に資する技術開発にも取り組んでまいります。 ヘルスケア事業フルノの持つ超音波技術の医療機器分野への展開から始まったヘルスケア事業の研究開発は、生化学自動分析装置、超音波骨密度測定装置の機能向上を進めてまいりました。また、開発品質の向上と効率の向上を目指しプロセス改善にも引き続き、取り組んでまいります。 防衛装備品事業航空機用電子機器の供給から始まったフルノの防衛装備品事業は、舶用事業と同様に、顧客からの強い信頼を得ており、継続して防衛省のニーズに対応しております。信頼ある商品・サービスを通じて防衛装備品を持続的に提供することが、国民の安全・安心・平和の維持に貢献するという認識のもと、事業成長のためのニーズの先取りと衛星測位や水中音響分野における将来技術の先行開発に取り組んでおります。 当連結会計年度における研究開発費の金額は633百万円であります。 (3) 無線LAN・ハンディターミナル事業舶用電子機器開発で培った無線通信技術、情報処理技術を陸上物流に応用することから始まった、当該事業は、顧客ニーズにマッチした信頼性の高い商品と手厚いサポートをもとに、文教市場で高いシェアを持つに至っております。最新Wi-Fi規格へ対応した製品開発や新たな市場創出のためのサブギガ帯Wi-Fi(新規格802.11ahに準拠)の技術開発、クラウド関連の技術開発の取り組みを進めております。 当連結会計年度における研究開発費の金額は169百万円であります。 (4) その他 「NAVI NEXT 2030」のもと、技術研究所ではSPC&Iにより「技術のフルノ」を維持・発展させつつ、「既存事業の強化」と「新規事業の創出」に取り組むこととしております。当連結会計年度には、新規市場の創出に向けて、ハンドヘルドのワイヤレス超音波プローブの活用分野探索等、共同研究及び市場評価のパートナーを広く募集するとともに、ダム・河川・港湾向けのマルチビームソナーによる自動計測技術及び小型無人船や、ビル建設現場向け/トンネル現場向け/地下現場向けの無線LANシステム等の研究開発を進めてまいりました。今後も「NAVI NEXT 2030」における施策、具体的には、・既存事業の競争力強化に向けた基盤技術の研究・新規市場/新商品の創造に係る研究・社内外の知見の結集と融合によるオープンイノベーションへの取り組み等に取り組んでまいります。 新規育成事業「NAVI NEXT 2030」では売上高1,200億円のうち、新規事業比率30%を目標に掲げております。新規事業を生み出していくためには、将来成長のための継続した投資は必要であることから、「戦略投資枠」を設定しており、新規事業の育成は戦略投資枠の対象とし、それらの育成に係る費用を事業部門とは別枠とする「新規育成事業」の考え方を導入し、それらへの挑戦を推進しております。「新規育成事業」の内、養殖支援事業については養殖関連の機器製造・販売とデータ解析サービス事業を本格的に始動し、建設テック事業については建設市場向けDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、 建設業界のデジタル化・遠隔施工を実現するため、現場環境に適した通信やセンサー機器の販売を積極的に展開しています。前連結会計年度に引き続き、社内研究開発を起点とした技術やアイデア、他社との協業をベースとした新規事業創出活動を継続します。また、今後は特に、既存事業における周辺領域への事業拡張を「領域拡大事業」として事業化に向けた活動を加速します。 当連結会計年度における事業セグメントに帰属しない研究所における研究開発費の金額は583百万円であります。
FY2021|3,178 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、創業以来、漁業及び海運業の安全安心の向上に寄与すべく、舶用電子機器の研究開発を継続して行ってまいりました。舶用電子機器の「漁業用の魚群探知機」に使用する超音波技術、同じく「漁業用の無線機」に使用する電波通信技術、「舶用レーダー」に使用するマイクロ波技術、「舶用位置測定装置」に使用する電波航法技術等を中心に始まったフルノの研究開発の分野は、現在では機器のデジタル化に伴う情報処理技術、画像処理技術及びメカトロニクス技術へと広がっております。また事業分野の視点では、舶用電子機器市場に止まらず、この技術を他市場に応用することを目指して、陸上産業機器、医療機器、無線LAN機器及び防衛装備品機器へと展開を広げてきました。これらの研究開発業務は、各要素研究を技術研究所、各事業分野の製品開発を各事業部開発部門にて行っております。また、組織横断的な視点から各研究開発部門を統括し、効率向上と活性化を図ることを目的としてR&D統括センターを設けております。グループの研究開発活動にかかわる知的財産権の拡充を図り、適切に管理・活用する専門の組織を技術研究所内に設けております。当連結会計年度における研究開発費の総額は5,303百万円であり、売上高に対する比率は6.4%であります。セグメント別の主な研究開発活動及び今後の展開は次のとおりであります。 (1) 舶用事業商船・漁業・プレジャーボート市場向け分野当社グループの中核事業部門として、技術研究所の成果物を、しっかりとした品質と信頼性を確保しつつ、統一的なデザインをもって商品化することで、フルノブランドを確立してまいりました。近年では、従来の魚群探知機、レーダー及びプロッター(船舶位置表示装置)等の個別製品で高性能化を進めると同時に小型化、軽量化及び低消費電力等の環境性能への配慮も進めております。前連結会計年度において世界に先駆けて固体化素子(一般の電子機器では半導体に相当するものです。)に代替え上市したレーダーに引き続き、当連結会計年度には、固体化中小型レーダー空中線部DRSシリーズの国内認証を取得しました。また、これら個別機器を接続しその機能を統合する、マルチファンクションディスプレイのネットワーク航海機器NavNetシリーズの拡充を進めております。今後も、激化する市場競争に打ち勝つための基盤強化及びさらなる開発効率の向上に継続して取り組んでまいります。具体的には、・ 製造原価低減及び、ソフトウェア開発プロセスの改善と自動検査拡大による開発効率の改善 ・ 安全安心・快適、人と環境に優しい航海の実現に寄与する自律航行システムの研究開発の推進・ 資源管理型漁業、漁業経営の効率化に寄与するスマート漁業に向けた研究開発の推進等に取り組んでまいります。 インフラ維持管理・気象観測システム分野舶用機器の技術を応用した沿岸モニタリングシステム、舶用レーダー技術を応用した気象観測システム、衛星測位技術を応用した地盤変位観測システム等社会インフラへのソリューション開発を進めてまいりました。今後も、これら基本システム提供をもとに、顧客が必要とするシステムやアプリケーションのパッケージ化を進めることで、販売の促進に取り組んでまいります。 当連結会計年度における研究開発費の金額は3,970百万円であります。 (2) 産業用事業PNT事業社会インフラのOEM供給に始まったPNT事業は、無線通信技術を応用したETC車載器、衛星測位システム技術を基にした車載用GPS受信機等の位置情報機器及びこれを応用したタイミング機器(衛星測位システムは測位原理により、位置だけでなく正確な時刻(タイミング)も知ることができ、この機能は日々進化する高速情報通信インフラに欠かせないものとなっています。)等を加えることで事業拡大を進めてきました。今後も、無線技術と衛星測位システム技術を活用した製品開発を進めると同時に、これら技術を融合させた新たな価値創造に資する技術開発にも取り組んでまいります。 ヘルスケア事業フルノの持つ超音波技術の医療機器分野への展開から始まったヘルスケア事業の研究開発は、生化学自動分析装置のラインナップ拡大、超音波骨密度測定装置の機能向上を進めてまいりました。市場の成長が期待される東南アジア、中国への進出の基盤として、小型の生化学分析装置を皮切りに中国現地での開発機能構築を進めています。併せて、開発品質の向上と効率の向上を目指しプロセス改善にも取り組んでまいります。 防衛装備品事業航空機用電子機器の供給から始まったフルノの防衛装備品事業は、舶用事業と同様に、顧客からの強い信頼を得ており、継続して防衛省のニーズに対応しております。信頼ある商品・サービスを通じて防衛装備品の持続的提供を継続することが、国民の安全・安心・平和の維持に貢献するという認識のもと、事業成長のためのニーズの先取りと衛星測位や水中音響分野における将来技術の先行開発に取り組んでおります。 当連結会計年度における研究開発費の金額は549百万円であります。 (3) 無線LAN・ハンディターミナル事業舶用電子機器開発で培った無線通信技術、情報処理技術を陸上物流に応用することから始まった、当該事業は、顧客ニーズにマッチした信頼性の高い商品と手厚いサポートをもとに、文教市場で高いシェアを持つに至っております。しかし、GIGAスクール構想の推進により需要もほぼ一巡し、持続的な成長につながる新たな市場の開拓が必須と考えており、共創企業と一緒に実証実験に向けた取り組みを進めております。 当連結会計年度における研究開発費の金額は304百万円であります。 (4) その他 「NAVI NEXT 2030」のもと、技術研究所ではSPC&Iにより「技術のフルノ」を維持・発展させつつ、「既存事業の強化」と「新規事業の創出」に取り組むこととしております。また、これら二つの取り組みの基礎となる知財戦略も策定・推進しております。当連結会計年度には、新規市場の創出に向けて、当社ホームページにオープンイノベーションサイトを公開し、共同研究及び市場評価のパートナーを広く募集するとともに、カメラ及び魚群探知機の技術を応用した養殖支援事業や、マイクロ波技術を応用した建設テック事業等の研究開発を進めてまいりました。今後も「NAVI NEXT 2030」における施策、具体的には、・既存事業向けコストダウン技術の研究・漁業効率化/操船効率化技術の研究・新たなコア技術の獲得に向けた新規市場/新商品創造研究・社内外の知見の結集と融合によるオープンイノベーションへの取組み等に取り組んでまいります。 新規育成事業「NAVI NEXT 2030」では売上高1200億円のうち、新規事業比率30%を目標に掲げております。新規事業を生み出していくためには、将来成長のための継続した投資は必要であることから、「戦略投資枠」を設定しており、新規事業の育成は戦略投資枠の対象とし、新規事業の育成に係る費用を事業部門とは別枠とする「新規育成事業」の考え方を導入し、新規事業への挑戦を推進しております。新規事業創出は社内研究開発を起点としたものの他、既存事業における周辺領域への事業拡張にも取り組み、また他社との協業も含めた新たな事業創出に向け、取り組みを進めております。当連結会計年度においては、新規育成事業のうち養殖支援事業と建設テック事業を始めとする複数の新規育成事業が活動を開始し、新たな挑戦がスタートいたします。 当連結会計年度における事業セグメントに帰属しない研究所における研究開発費の金額は478百万円であります。
FY2020|3,647 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、創業以来、漁業及び海運業の安全安心の向上に寄与すべく、舶用電子機器の研究開発を継続して行って参りました。舶用電子機器の「漁業用の魚群探知機」に使用する超音波技術、同じく「漁業用の無線機」に使用する電波通信技術、「舶用レーダー」に使用するマイクロ波技術、「舶用位置測定装置」に使用する電波航法技術等を中心に始まったフルノの研究開発の分野は、現在では機器のデジタル化に伴う情報処理技術、画像処理技術及びメカトロニクス技術へと広がっております。また事業分野の視点では、舶用電子機器市場に止まらず、この技術を他市場に応用することを目指して、陸上産業機器、医療機器、無線LAN機器及び防衛装備品機器へと展開を広げてきました。これらの研究開発業務は、各要素研究を技術研究所、各事業分野の製品開発を各事業部開発部門にて行っております。また、組織横断的な視点から各研究開発部門を統括し、効率向上と活性化を図ることを目的としてR&D統括センターを設けております。グループの研究開発活動にかかわる知的財産権の拡充を図り、適切に管理・活用する専門の組織を技術研究所内に設けております。当連結会計年度における研究開発費の総額は4,266百万円であり、売上高に対する比率は5.1%であります。セグメント別の主な研究開発活動及び今後の展開は次のとおりであります。 (1) 舶用事業商船・漁業・プレジャーボート市場向け分野当社グループの中核事業部門として、研究所の成果物を、しっかりとした品質と信頼性を確保しつつ、統一的なデザインをもって商品化することで、フルノブランドを確立して参りました。近年では、従来の魚群探知機、レーダー及びプロッター(船舶位置表示装置)などの個別製品では高性能化を進めると同時に小型化、軽量化及び低消費電力などの環境性能への配慮も進めております。当連結会計年度には、長年にわたってレーダーの基幹部品であったマグネトロン(マイクロ波の発振源で一般の電子機器では真空管に相当するものですが、高周波ゆえに代替えが難しかったものです。)を、世界に先駆けて固体化素子(一般の電子機器では半導体に相当するものです。)に代替えした製品を上市しました。また、これら個別機器を接続しその機能を統合する、ネットワーク航海機器も商品化、充実を進めております。しかし、顧客の安全・安心を第一に優先した慎重な製品化プロセスがゆえに、新興する競争者に後れを取ってしまう場面も出てきております。「NAVI NEXT 2030」においては、激化する市場競争に打ち勝つための基盤強化および開発効率の向上に取り組んで参ります。具体的には、・ 現流機のコストダウンを目的とした設計変更による製造原価低減・ 開発ツールの導入による、間接作業分析による開発効率の改善・ 新規事業分野の早期対応として、自律航行船システム開発組織の新設、稼働等に取り組んで参ります。 インフラ維持管理・気象観測システム分野舶用機器の技術を応用した沿岸モニタリングシステム、舶用レーダー技術を応用した気象観測システム、衛星測位技術を応用した地盤変位観測システムなど社会インフラへのソリューション開発を進めてまいりました。「NAVI NEXT 2030」においては、これら基本システム提供をもとに、顧客が必要とするシステムやアプリケーションのパッケージ化を進めることで、販売の促進に取り組んで参ります。 当連結会計年度における研究開発費の金額は3,292百万円であります。 (2) 産業用事業PNT事業社会インフラのOEM供給に始まったITS事業は、無線通信技術を応用したETC車載器、衛星測位システム技術を基にした車載用GPS受信機などの位置情報機器及びこれを応用したタイミング機器(衛星測位システムは測位原理により、位置だけでなく正確な時刻(タイミング)も知ることができ、この機能は日々進化する高速情報通信インフラに欠かせないものとなっています。)などを加えることで陸上分野での事業拡大に取り組んでまいりました。しかし、いずれの機器においても、市場の成熟が進んだ今日では、大きな市場獲得の機会は狭まってきております。「NAVI NEXT 2030」においては、ITSという視点をより顧客ニーズに寄り添ったものにするという考えにより、セグメントを再構成し、P(ポジション)、N(ナビゲーション)、T(タイミング)事業とし、リソースを再配分し効率化に取り組んで参ります。 ヘルスケア事業フルノの持つ超音波技術の医療機器分野への展開から始まったヘルスケア事業の研究開発は、生化学自動分析装置のラインナップ拡大、超音波骨密度測定装置の機能向上を進めて参りました。しかし、今後はこれら機器の国内市場での大きな拡大は困難と考えられ、市場の成長が期待される東南アジア、中国への進出の基盤として、中国現地での開発機能構築を準備しているところであります。「NAVI NEXT 2030」においてもこの取り組みを継続していくこととしております。併せて、開発品質の向上と効率の向上を目指しプロセス改善にも取り組んでいくこととしております。 防衛装備品事業航空機用電子機器の供給から始まったフルノの防衛装備品事業は、舶用事業と同様に、顧客からの強い信頼を得ており、継続して防衛省のニーズに対応しております。しかし、製品のライフサイクルが他事業と比べて長く、成長展望が描きにくいということが課題となっておりました。「NAVI NEXT 2030」のもとでも、信頼ある商品・サービスを通じて防衛装備品の持続的提供を継続することが、国民の安全・安心・平和の維持に貢献するという認識のもと、事業成長のためのニーズの先取りと先行技術開発に取り組んで参ります。 当連結会計年度における研究開発費の金額は345百万円であります。 (3) 無線LAN・ハンディターミナル事業舶用電子機器開発で培った無線通信技術、情報処理技術を陸上物流に応用することから始まった、当該事業は、顧客ニーズにマッチした信頼性の高い商品と手厚いサポートをもとに、文教市場(文部科学省が推進する学校ICT環境整備における校内LAN整備計画)においてトップシェアを持つに至っております。しかし、この状況は一過性のものであり、持続的な成長につながる新たな市場の開拓が必須と考えているところであります。「NAVI NEXT 2030」においては、文教市場で獲得する経営資源を有効に活用し、無線LAN事業の新規市場開拓・新規事業創出に向けた研究開発の推進に取り組んで参ります。 当連結会計年度における研究開発費の金額は113百万円であります。 (4) その他魚群探知機の開発に始まるフルノの研究開発のDNAを引き継いだ技術研究所は、フルノグループの研究部門として「技術のフルノ」を支えて参りました。2010年代からは、S(センシング)P(プロセッシング)C(コミュニケーション)の3つのコア技術と、これまでに培った知識・スキル・ノウハウをI(インテグレーション)するSPC&Iというコアコンピタンスに基づく研究を進めております。しかし、一方では歴史を重ねてきたがゆえに舶用電子機器というくびきを逃れ切れていない、という側面も懸念されております。「NAVI NEXT 2030」のもと、技術研究所では、SPC&Iを維持向上させつつ「技術のフルノ・再構築」をスローガンに、「基盤技術の強化」、「新規事業の創出」と「骨太事業の創出」に取り組むこととしております。またこれら三つの取り組みの基礎となる組織風土の改革、技術戦略、知財戦略の策定、人財の育成も推進して参ります。特に、新規事業の創出においては、ベンチャー企業に負けないスピード&品質で新規事業のスタートアップを目指しており、当連結会計年度には魚群探知機の技術を応用した養殖管理支援事業、レーダーのマイクロ波技術を応用した導波管通信事業等を具現化しつつあります。「NAVI NEXT 2030」の活動期間となる2021年2月期からは、具体的な施策として、・既存コア技術のコストダウン研究・新たなコア技術の追加に向けた新規市場/新商品創造研究・漁業効率化、航海効率化技術の研究等に取り組んで参ります。 新規育成事業「NAVI NEXT 2030」の準備段階である当連結会計年度から、社内研究開発のシーズ評価による新規事業化を目的とした「戦略投資枠」認定への取り組みを開始して参りました。また併せて広く社内からビジネスアイデアの募集も行っております。2021年2月期からはこの取り組みを本格化させ、失敗を恐れず新たな事業の創出に挑戦して参ります。 当連結会計年度における事業セグメントに帰属しない研究所における研究開発費の金額は515百万円であります。
FY2019|1,616 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、多年にわたる研究により培った、超音波、電磁波を中心としたセンサー技術の一層の深耕、拡大をはかるとともに、それをより幅広く展開活用するため、長期的視野にたって、無線通信技術、情報処理技術、画像処理技術、メカトロニクス技術などの研究開発を進めております。これらの研究開発は当社の技術研究所及び各事業部門の開発部署で行っております。当連結会計年度における研究開発費の総額は47億7百万円であり、売上高に対する比率は5.7%であります。セグメント別の主な研究開発活動を示すと次のとおりであります。 (1) 舶用事業 商船市場向け機器 Kaバンド(19.2GHz - 30GHz)用の衛星通信端末 「型式:FV-60GX」を開発しました。常時接続で高速なインターネット通信環境を全世界の船舶に提供します。バックアップ回線としてLバンド(1.5GHz - 1.6GHz)を使用するInmarsat FB(Fleet Broadband)サービスと組み合わせることで、通信の冗長性を高めたInmarsat FX(Fleet Xpress)サービスに対応しています 小型船・プレジャーボート市場向け機器 プレジャーボート向けにネットワーク対応航海機器「NavNet TZtouch2」シリーズの最新機種「型式:TZT2BB」を開発しました。本商品は従来機であるTZTBBの次世代機として開発されました。従来機同様にさまざまなセンサーを接続して一元活用できる拡張性の高さが特徴です。 また、小型のプレジャーボート向けに開発したGPSプロッタ魚探「型式:GP-1871F、GP-1971F」では、マルチタッチ画面を採用したほか、当社の自動操舵装置(型式:NAVpilot-300、型式:NAVpilot-700)との航法連動機能を有しております。内蔵魚探にはチャープ機能(広帯域超音波と高度な信号処理により、高分解能でノイズの少ない映像を表示する機能)を搭載し、従来の魚探と比較して精細な映像を提供できるようになりました。 当連結会計年度における研究開発費の金額は31億9千2百万円であります。 (2) 産業用事業 通信・GNSSソリューション分野 第5世代移動通信システム(5G)や次世代送電網(スマートグリッド)などで高精度な時刻同期(UTC同期)を必要とするユーザーに向けて、GNSSタイミングモジュール「型式:GT-88」と、GNSS基準周波数発生器「型式:GF-88シリーズ」を開発しました。本商品は、GNSS衛星から送信されるL1(1575.42MHz)の信号を受信するだけで、時刻同期精度4.5ナノ秒(1σ)を達成する時刻同期用シングルバンドGNSSレシーバです。日本電信電話株式会社(NTT)が考案したマルチパス対策アルゴリズムの「ダイナミック・サテライト・セレクション™」を搭載しており、市街地はもちろん、今までは遮蔽などの条件が厳しく設置が難しかったビルの壁面や、屋内の窓際などでもアンテナを設置できるようになります。 当連結会計年度における研究開発費の金額は3億4千万円であります。 (3)無線LAN・ハンディターミナル事業 無線LANアクセスポイント分野 5GHz帯(802.11ac Wave2/n/a)と2.4GHz帯(802.11n/g/b)同時通信に対応した「ACERA1150w」を開発しました。通信処理に4コアCPU、動画処理に6コアCPUを採用することで、100台以上のWi-Fi接続・4K動画再生・高品質な無線通信と動画再生の提供が可能となりました。スムーズかつ効果的なICT授業やテレビ会議の実現をサポートします。 当連結会計年度における研究開発費の金額は9千5百万円であります。 上記事業セグメントに帰属しない研究所における研究開発費の金額は10億7千8百万円であります。
FY2018|2,534 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、多年にわたる研究により培った、超音波、電磁波を中心としたセンサー技術の一層の深耕、拡大をはかるとともに、それをより幅広く展開活用するため、長期的視野にたって、無線通信技術、情報処理技術、画像処理技術、メカトロニクス技術などの研究開発を進めております。これらの研究開発は当社の技術研究所及び各事業部門の開発部署で行っております。当連結会計年度における研究開発費の総額は44億7千万円であり、売上高に対する比率は5.7%であります。 セグメント別の主な研究開発活動を示すと次のとおりであります。 (1)舶用事業 ①商船市場向け機器最新のIMO(国際海事機関)性能基準及びにIEC(国際電気標準会議)の試験規格に合致した国際航行船舶向けの航海用レーダー「型式:FAR-2xx8」シリーズを開発しました。本商品は、これまで好評を博してきた「型式:FAR-2xx7」シリーズの後継機種として各ユニットの交換互換性を確保しているため、新造船のみならず既存船の機器換装にも適しております。一回のボタン操作で自動的に海面反射などの不要なエコーを取り除いて海況に応じた適切な映像表示を行う自動クラッタ除去機能など、カテゴリ1/カテゴリ2に該当する船舶が安全に航海するための最新の支援機能も具備しているほか、当社製のECDIS(電子海図情報表示システム)と共通ユーザーインターフェースを採用することで操作性の向上を図りました。 また、最先端の技術を活用して安全安心かつ効率的な航海の実現に貢献する当社独自の操船支援ソリューションの開発にも取り組んでおります。4K画質の高精細な大型スクリーン上に電子海図を表示した上で、タッチスクリーン操作で航海計画を作成するプランニングターミナル(航海計画作成支援システム)や、船上に設置したカメラの撮影映像に他船の航海情報などをAR(Augmented Reality)技術で重畳表示して、乗組員の操船や見張り業務を視覚的に支援するARナビゲーションシステムなどの早期実用化を目指しております。 ②漁業市場向け機器中・小型漁船や大型プレジャーボート向けにサーチライトソナーの新商品「型式:CH-500」と「型式:CH-600」を開発しました。自船の周囲360度の海中情報を船底に取り付けたセンサー(超音波送受波器)を旋回させて探知する本商品は、従来商品に比べてセンサーの旋回速度を高めて探知効率を向上させたほか、波浪による動揺や船舶固有の傾斜を瞬時に検出してセンサーの向きを補正する機能を有しております。幅広いユーザーの使用目的を想定して様々な周波数帯域を選択できる商品ラインナップとしましたが、上位機種の「型式:CH-600」では2種類の周波数帯域を同時に使用できるため、低周波と高周波の反応差異による魚種の推測にも活用できます。 中・小型漁船や官公庁船向けでは、ラウドヘイラー(拡声装置)の新商品「型式:LH-5000」を開発しました。本商品は、ブリッジ(船橋)からホーンスピーカーを通して船上のクルーや近隣の船舶に直接音声を伝えたり、船内6ヶ所と内線通話するなど船上・船内で円滑なコミュニケーションをとることができます。また、霧笛を鳴らしたり、火災や盗難を検知し警報を発することができ、ワークボート、漁船、プレジャーボートを問わずさまざまなシーンでの活躍が期待されます。 ③小型船・プレジャーボート市場向け機器小型プレジャーボート向けにオートパイロット(自動操舵装置)の新商品「型式:NAVpilot-300」を開発しました。本商品とBluetooth接続するジャイロセンサー内蔵のワイヤレスリモートコントローラ「型式:GC-001」を使用すると、リモコンを船首方向に向けてからボタンを押して、進みたい方向にリモコンを向けてボタンを離すだけの直観的な操作で針路設定を変更することができます。 ④その他新型の小型Xバンドドップラ気象レーダー「型式:WR110」を開発しました。当社は、2013年から防災・監視ソリューション事業として気象観測システム分野に新規参入し、業界最小・最軽量級かつ高性能な二重偏波ドップラ気象レーダー「型式:WR-2100」は国内外で約50台以上運用されております。今回開発した「型式:WR110」は、従来機種と同様に消費電力の低減および交換部品の頻度を下げ、ランニングコストの削減を実現する固体化(半導体)素子を採用しつつ、より導入コストを抑えた単一偏波ドップラ気象レーダーです。設置性や可搬性をさらに高めることで、日本国内はもとより、海外で気象レーダーが設置されていない都市部・山間部・島嶼部などでの降雨観測や、地方自治体・民間企業での防災・交通管制支援・雨水管理などの用途における降雨観測に活用していただくことを想定しております。 当セグメントに係る研究開発費は30億9千5百万円であります。 (2)産業用事業 ①ITS機器分野当社のETC2.0車載器は、カーメーカー純正のナビゲーションシステムにも採用実績のある自社製のマルチGNSS受信チップを内蔵した高性能かつ廉価な商品ラインナップが特徴です。当連結会計年度には、カーナビゲーションシステムの専業メーカー向けのOEM機器として一般及び業務用のカーナビナビゲーションシステムと連動する車載器2機種などを開発しました。 ②GNSS機器分野GNSS技術の応用分野では、商用車テレマティクスや車載IoTで正確な自社位置検出を必要とされるユーザー向けのユニット端末として、スマートGPS「型式:PT-G1」を開発しました。本商品は、業務用のタブレット端末等に接続して位置測位精度を向上させることによって、近年都市部で利用が高まっているタクシーの配車システムの信頼性を向上させたり、バスなどの業務用車両の配車効率改善などに貢献するアプリケーションとしての活用を想定しております。 当セグメントに係る研究開発費は3億4百万円であります。 上記以外に、事業セグメントに帰属しない本社管理部門の研究開発費として10億7千万円を支出しております。
FY2017|3,357 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、多年にわたる研究により培った、超音波、電磁波を中心としたセンサー技術の一層の深耕、拡大をはかるとともに、それをより幅広く展開活用するため、長期的視野にたって、無線通信技術、情報処理技術、画像処理技術、メカトロニクス技術などの研究開発を進めております。これらの研究開発は当社の技術研究所及び各事業部門の開発部署で行っております。当連結会計年度における研究開発費の総額は42億5千3百万円であり、売上高に対する比率は5.4%であります。 セグメント別の主な研究開発活動を示すと次のとおりであります。 (1)舶用事業 ①商船市場向け機器3,000総トン以上の外航船舶に装備される簡易型航海情報記録装置(S-VDR)の新商品「型式:VR-7000S」を開発しました。本商品は、陸上から本体の記録データを取得できるリモートイクストラクト機能を具備しており、既にS-VDRを設置している船舶でも換装して使用することができます。 衛星通信システムについては、静止衛星を利用したVSAT(Very Small Aperture Terminal)2機種を開発しました。Kuバンド(10.7 - 14.5 GHz)用の「型式:FV-110」とKaバンド(19.2 - 30 GHz)用の「型式:FV-110GX」は、いずれも直径1.03mの主反射器を直径1.3m、高さ1.5mのレドームに収めているほか、アンテナと制御ユニット間を同軸ケーブル一本で接続できるようにするなど、装備性を向上しています。Kaバンド用の「型式:FV-110GX」は、Inmarsat GX(Global Xpress)サービス専用モデルですが、バックアップ回線としてLバンドを使用するInmarsat FB(Fleet Broadband)サービスと組み合わせることで、通信の冗長性を高めたInmarsat FX(Fleet Xpress)サービスにも対応しています。 衛星電波と角速度センサー、加速度センサーを活用して方位を検知・出力するサテライトコンパスの新商品として、「型式:SC-70」「型式:SC-130」2機種を開発しました。本商品は、GPSに加えてGLONASS(ロシア)、Galileo(ヨーロッパ)の2つの衛星システムを利用することで、方位精度とロバスト性能を向上しました。国際規格である GPS(GPS測位装置 IEC-61108-1)、THD(方位伝達装置 ISO-22090-3)及びROTI(回頭角速度表示装置 ISO-20672)の型式検定を取得した結果、各種センサーとして漁船だけでなく商船でも利用することができるようになりました。 ②漁業市場向け機器国内外の漁船向けに高性能グラフ魚探「型式:FCV-2100」を開発しました。本商品は、中周波スプリットビーム(複数のビームで魚の深度と方向を探知する方式)と当社独自技術「TruEcho CHIRP(TM)」(読み=トゥルーエコー・チャープ)を融合することで、魚体長計測性能の向上と高精細な映像表現を同時に実現しました。画面上で魚体長計測範囲を3ヶ所まで任意に設定してリアルタイムに表示したり、指定範囲内の魚群ごとに魚体長組成を比較して分析できるため、魚種の判別などにも有効に活用しながら、より効率的な操業に貢献します。 カラーGPSプロッタでは、新商品「型式:GP-3700」とプロッタ機能に魚群探知機機能を具備した「型式:GP-3700F」の2機種を開発しました。いずれも音声合成技術を取り入れており、漁労に必要な自船の位置、水深、水温等のデータや航海における各種警報等を音声で自動的に読み上げる機能を具備しているため、利用者が機器から離れた場所にいても必要な情報を認識できるようになりました。 ③小型船・プレジャーボート市場向け機器マルチファンクションディスプレイ「NavNet TZtouch」「NavNet TZtouch2」向けの新型センサーとして、マルチビームソナー「型式:DFF-3D」を開発しました。本センサーは、水深200mの深場でも左右120°のワイドレンジを瞬時に探知してリアルタイムにソナー断面映像として表示したり、自船からみた魚群の位置と海底の詳細な地形を同時に三次元履歴として表示する画期的なソナーです。モーションセンサーを内蔵することで、揺れの大きい海況でもクリアな映像を表示する本格的な仕様となっており、シングルビームによる魚群探知(約300mまで)や自船の左右方向の海底形状を探るサイドスキャン表示機能も備えております。 小型船(中小型のプレジャーボート、漁船、ワークボート等)向けの新型レーダーとして、8.4型カラー液晶レーダー「型式:MODEL1815」を開発しました。本商品は、設置性に優れたコンパクトな筐体サイズながらも、他船の動向を瞬時に計測表示するファストターゲットトラッキング機能や、真エコートレイル、見張り警報機能、AIS(船舶自動識別装置)センサーを接続しての重畳表示など、船舶の安全航行に不可欠な機能を各種搭載しております。また、指示部と空中線部を含めた総消費電力が業界最小の38Wと環境負荷の軽減にも配慮した仕様とするなど、航海用レーダーを初めてお使いになるライトユーザーから日々の操船作業で活用される方まで、さまざまな需要にお応えできる新商品です。 ④その他新型GNSS自動変位計測システム「DANA(型式:MG-87)」を開発しました。1997年から販売しているGNSS自動変位計測システム「DANA」は、GNSS搬送波の位相情報を用いた測位技術と独自の誤差解析処理により、mmオーダーの精度で三次元の変位計測が可能であり、地盤(火山、地すべり、のり面など)や土木構造物(ダム、橋梁など)、人工構造物建設工事時の変位計測などで活用されております。今回開発した新型「DANA(型式:MG-87)」は、従来機種と比べて同等以上の計測性能でありながら、システム導入から運用までのトータルコストを大幅に低減しました。GNSS受信部に当社製マルチGNSS受信チップ「eRideOPUS 7」を搭載することで、準天頂衛星(QZS)等の利用によるロバスト性能の向上や省電力化を実現したほか、雨量計との接続などマルチセンサー対応を図っています。さらに、無線LAN及び携帯電話回線によるワイヤレス化、ソーラー電源の標準装備により独立した設置を可能にし、容易に設置できるようにしました。 当セグメントに係る研究開発費は28億4千9百万円であります。 (2)産業用事業 ①ITS機器分野次世代ETC規格であるETC2.0に対応したGPS付き発話型ETC2.0車載器を3機種開発しました。ETC2.0車載器の搭載車両を対象とする高速道路の料金割引が一部区間で開始されたことを踏まえて、一般ユーザー向けと業務用車両向けに各1機種をタイムリーに発売したほか、デジタコ(デジタル式運行記録計)や運行管理端末などの外部機器と連動する業務用車両向けの新機種を追加するなど、ETC2.0の普及を見据えた商品ラインナップの拡充に努めております。 また、高速道路以外でもETC車載器を活用して車両の識別・管理を行う「ETC多目的利用サービス」では、DSRC路側装置「型式:FA-2」を活用した車両入退管理などの各種ニーズに対応するためのベースシステムを開発しました。 ②GNSS機器分野マルチGNSS基準周波数発生器シリーズでは、業界最高クラスのホールドオーバ性能(GNSS信号の受信が途切れた時の性能)と低位相雑音を誇るOCXO搭載の高感度モデル「型式:GF-8705」を開発しました。 また、地上デジタル放送局の送信装置・中継局などの設備更新に対応した基準周波数発生器(原子発振器内蔵)を開発しており、各局の工事計画に従って順次納品する予定です。 当セグメントに係る研究開発費は2億4千8百万円であります。 上記以外に、事業セグメントに帰属しない本社管理部門の研究開発費として11億5千4百万円を支出しております。
FY2016|2,951 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、多年にわたる研究により培った、超音波、電磁波を中心としたセンサー技術の一層の深耕、拡大をはかるとともに、それをより幅広く展開活用するため、長期的視野にたって、無線通信技術、情報処理技術、画像処理技術、メカトロニクス技術などの研究開発を進めております。これらの研究開発は当社の技術研究所及び各事業部門の開発部署で行っております。当連結会計年度における研究開発費の総額は47億8千6百万円であり、売上高に対する比率は5.3%であります。 セグメント別の主な研究開発活動を示すと次のとおりであります。 (1)舶用事業 ①商船市場向け機器IMO(国際海事機関)の性能基準に適合したカテゴリー3(500総トン以下)の商船・官公庁船に搭載可能な航海用レーダー「型式:FAR-15x8」シリーズを開発しました(総務省型式検定・国交省型式承認取得予定)。海況に応じて表示映像を最適化する自動クラッタ除去機能(Automatic Clutter Elimination、ACE)や、従来に比べて格段に速く物標を捕捉・表示できるターゲットトラッキング(TT)機能といったハイエンド機で好評を博している各種機能を標準搭載しております。国際船舶自動識別装置(Automatic Identification System、AISクラスA)では、最新の国際規格(IMO MSC.74(69) ANNEX3、ITU-R M.1371-5、IEC61993-2 Ed.2)に対応した「型式:FA-170」を開発しました。本商品は、識別符号、船名、位置、針路、船速、行き先などの船舶のデータを自動的にVHF電波で送受信し、周辺船舶の動静を把握するための装置です。今回の新商品は、電子海図情報表示システム(ECDIS)などの航海機器とネットワーク連携した拡張性の高い運用を可能とした点に特徴があります。 ②漁業市場向け機器魚群探知機の新商品として、「型式:FCV-1900」シリーズ3機種を同時開発しました。標準仕様の「型式:FCV-1900」では、幅広い周波数に対応したフリーシンセサイザー技術によって40種類以上の送受波器(オプション選択)が接続可能であり、オプションのネットワーク魚探(DFF1/BBDS1/DFF3)を接続すると最大4周波を同時表示することが出来るようになりました。また、動画/静止画の収録再生機能、サイドルッキングモードなど従来機種には無かった新機能や、探見丸(株式会社シマノ製)の親機として使用できるなど、ユーザーの利便性を向上させる機能を充実させています。上位機種の「型式:FCV-1900B」は、「型式:FCV-1900」の機能に加えて、独自のパルス圧縮技術TruEcho CHIRP(TM)採用により高分解能映像を実現しました。最上位機種の「型式:FCV-1900G」では、TruEcho CHIRP(TM)の応用によって単体魚分離精度を向上させた魚体長グラフ機能を具備しています。テレサウンダーでは、「型式:TS-85」を開発しました。テレサウンダーとは、主にまき網漁船の従船(探索船や作業船)に搭載する魚群探知機、航法装置、ネットゾンデの情報を、本船に無線伝送する通信装置です。本船で従船の魚群探知反応などを把握できるため、漁場での船団操業の効率化に貢献します。新商品では、伝送信号のデジタル化によって耐ノイズ性を向上させ、従来商品に比べてより遠方の通達距離であっても、安定した魚群探知映像の表示が可能になりました。 ③プレジャーボート市場向け機器マルチファンクションディスプレイ「NavNet TZtouch」「NavNet TZtouch2」向けの新型レーダーセンサーを2機種開発しました。「型式:DRS6A X-Class」は、スポーツフィッシングでも鳥群を見つけることで「なぶら」を探し当てたいという要望に応えるために開発した、小型プレジャーボートに設置可能な小型・業界最軽量のレーダーセンサーです。従来機種に比べて受信性能を大幅に改善した他、漁業向けのバードレーダーで長年培ったノウハウを盛り込むことで、遠距離の海鳥の群れや、近距離の単体の鳥の動きを確認できるようになりました。Xバンド固体化レーダーセンサー「型式:DRS4D-NXT」は、固体化技術の導入によって、雨、接近物標、静止物標といった安全航海に有用な情報を即座に把握できる機能(ターゲットアナライザー表示機能)を搭載できた結果、海外のプレジャーボート市場における商品競争力を飛躍的に向上させることができました。 ④その他小型気象レーダーシステムについては、都市域の水害対策や鉄道・道路などの運行管理に貢献することを目的に、多数の小型気象レーダーを設置して雨などの状況を面的かつ高精細に把握するため、ネットワークで接続した小型気象レーダーのデータを一元的に管理するネットワークシステムの開発に取り組んでいます。また、漁業用の無線海岸局については、少人数で広範囲の船の状況を効率的に監視できるように、離れた場所にある複数の無線設備をネットワークで結び、集中運用局で統合して運用する無線海岸局ネットワークシステムを開発しています。 当セグメントに係る研究開発費は30億6千4百万円であります。 (2)産業用事業 ①医療機器分野生化学自動分析装置「型式:CA-800」を開発しました。生化学自動分析装置とは、全血、血清、血漿(けっしょう)や尿などの検体に含まれる酵素、脂質、たんぱく質、糖などを試薬と反応させて、その反応過程を分光光度計で吸光度を測定する検査機器です。本商品は、1時間あたり800テストから最大1,200テスト(電解質ユニット付)の処理速度で高精度・多機能・高効率という点に特徴を有しております。また、微量分析を実現し、最小反応液量は50μLまで可能としました。 ②ITS機器分野次世代ETC規格であるETC2.0のうち、GPS付き発話型車載器のプラットフォーム開発を実施しました。本プラットフォームは、基本機能以外にも応用展開が可能なプラットフォームとなっており、ユーザー要望に応じた新機種を短期間かつ低コストで開発することができるようになりました。また、前連結会計年度に市場投入した「動物位置通報システム」のDogNaviでは、ユーザーニーズにこたえるべく改良設計を実施することで、日本の技術基準に準拠した特性を維持したまま、低消費化と地図表示の改良及び通信距離の拡大化を短期間で実現しました。 ③GNSS機器分野放送局や携帯電話の基地局で使用される周波数発生器のシリーズ開発(5機種)を行いました。プラットフォーム開発によって短期間で開発費用を抑えながら、ローエンドからルビジウム発振器を使用したハイエンド機までのラインナップを取り揃えることで、ユーザーの要望に応じて最適な機種提案ができるようになりました。 当セグメントに係る研究開発費は6億3千6百万円であります。 上記以外に、事業セグメントに帰属しない本社管理部門の研究開発費として10億8千5百万円を支出しております。