事業の概要
- 医用電子機器の研究開発・製造・販売日本光電工業は、医療現場で使われる様々な電子機器の研究開発、製造、販売、そして修理や保守までを一貫して手掛けています。具体的には、生体情報モニタや人工呼吸器、AED(自動体外式除細動器)など、命に関わる重要な医療機器を提供しており、これらの製品を通じて収益を得ています。
- グローバルな事業展開同社は日本だけでなく、北米、欧州、アジアなど世界各地に子会社を持ち、医用電子機器の製造・販売・サービスを展開しています。特に北米市場では救命救急医療機器や人工呼吸器の開発・製造・販売に力を入れており、地域ごとのニーズに合わせた製品供給とサポート体制を構築することで、国際的な収益基盤を確立しています。
- 医療情報システムの提供単に医療機器を販売するだけでなく、医療情報システム製品の開発・製造・販売も行っています。これにより、医療機関の業務効率化や医療の質の向上に貢献し、機器とシステムを組み合わせたソリューション提供を通じて、より付加価値の高いビジネスモデルを構築しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 日本セグメント日本国内における医用電子機器の研究開発、製造、販売、修理・保守などを手掛ける主要な事業地域です。売上高は1465.25億円、営業利益は219.26億円と、同社グループ全体の収益の大部分を占める稼ぎ頭であり、安定した事業基盤となっています。医療情報システムや免疫化学製品の開発・製造・販売もここで行われています。
- 北米セグメント米国を中心とした北米地域での事業を展開しており、救命救急医療機器や人工呼吸器、頭蓋内電極の開発・製造・販売、および医用電子機器・ソフトウェアの研究開発、販売促進を行っています。売上高は448.99億円ですが、営業利益は-9.41億円と赤字であり、現在、成長ポテンシャルの高いこの地域でのシェア拡大と収益改革が重要な課題となっています。
- その他の地域セグメント北米と日本を除く、欧州、アジア、中南米など世界各地での事業活動をまとめたセグメントです。上海やマレーシアでの医用電子機器の開発・製造・販売、インドや中東での販売および試薬の製造・販売、フィレンツェでの試薬製造・販売など、多様な事業を展開しています。売上高は339.99億円、営業利益は18.69億円と、グローバルな収益源の一つとなっています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| JapanReportableSegment | 地域 | 1,465 | 219 | 15.0% |
| NorthAmericaReportableSegment | 地域 | 449 | -9 | -2.1% |
| RestOfWorldReportableSegment | 事業 | 340 | 19 | 5.5% |
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3 【事業の内容】当社グループは、当社、子会社37社の合計38社(2026年3月31日現在)で構成されており、医用電子機器の研究開発・製造・販売および修理・保守等の事業活動を展開しています。当連結会計年度は、㈱イー・スタッフ保険サービスを㈱イー・スタッフに吸収合併、アンプスリーディ LLCを日本光電デジタルヘルスソリューションズ LLCに吸収合併しています。また、日本光電アドバンスドテクノロジーセンタ㈱、日本光電アラビアRHQ LLCおよびドゥウェル㈱が増加しています。当社グループの事業における位置付けは、次のとおりです。日本では、当社および日本光電富岡㈱が医用電子機器の研究開発・製造を行っています。また、㈱日本バイオテスト研究所が免疫化学製品の開発・製造・販売、㈱ベネフィックスが医療情報システム製品の製造・販売、ドゥウェル㈱が医療情報システム製品の開発・販売を行っています。㈱イー・スタッフは、当社グループの総務関連・派遣・保険業務を行っています。また、当社の11支社支店は販売を行っています。北米では、日本光電ノースアメリカ㈱が米国における子会社の経営管理を担っています。デフィブテック LLCは救命救急医療機器、日本光電オレンジメッド LLCは人工呼吸器、アドテック㈱は頭蓋内電極の開発・製造・販売を行っています。日本光電デジタルヘルスソリューションズ LLC、ニューロトロニクス LLCおよび日本光電イノベーションセンタ LLCは医用電子機器・ソフトウェアの研究開発を行っています。日本光電アメリカ LLCは販売・販売促進を行っています。その他の地域では、上海光電医用電子儀器㈲が医用電子機器の開発・製造・販売を行っています。日本光電マレーシア㈱は医用電子機器の製造・販売・販売促進を行っています。日本光電インディア㈱、日本光電ミドルイースト㈱は医用電子機器の販売および試薬の製造・販売、日本光電フィレンツェ㈲は試薬の製造・販売を行っています。ソフトウェアチーム㈲は医用電子機器用ソフトウェアの開発・販売を行っています。日本光電アドバンスドテクノロジーセンタ㈱は医用電子機器用ソフトウェア・社内ITシステムの開発・保守を行っています。中南米では日本光電ブラジル㈲など3社、欧州では日本光電ヨーロッパ㈲など6社、アジア州他では日本光電シンガポール㈱など5社が、販売・販売促進を行っています。 以上に述べた事業の系統図は次のとおりです。 2026年3月31日現在
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 多品種少量であり、更新サイクル毎に随時新製品を投入しているため |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 規制 医療機器の製造販売は、国内での医薬品医療機器等法、米国でのFDA等、各国・各地域で法令・規制等の適用を受ける |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:医療機器の許認可申請等に関するリスク / 品質問題に関するリスク / 国内外の市場動向に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
日本光電は医療機器分野で長年の実績と一定のブランド認知を持つが、特許や規制ライセンスにおける明確な独占性は限定的。競合他社も同様の技術や許認可を有しており、突出した無形資産とは言えない。
スイッチングコスト★★★☆☆
医療機器は、導入済みのシステムとの互換性、医療従事者の操作習熟度、保守・サポート体制などから、他社製品への切り替えには一定のコストと時間がかかる。特に高度な診断・治療機器ではスイッチング・コストが働く。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
医療機器の利用は個々の医療機関や医師の判断に依存し、ユーザー数の増加が直接的に製品価値を高めるネットワーク効果はほとんど見られない。
コスト優位★☆☆☆☆
医療機器製造は高度な品質管理と研究開発投資が必要であり、構造的なコスト優位を築くことは難しい。一部の汎用的な消耗品等ではコスト競争力がある可能性も否定できないが、全体をカバーするものではない。
規模の経済★★★☆☆
医療機器業界は、高度な技術力と販売網を持つ一部の企業が市場を牽引する傾向がある。日本光電は国内市場で一定のシェアを持ち、グローバル展開も進めていることから、規模の経済による効率性は一定程度期待できる。
- 高度な技術力と製品開発力日本光電工業は、医用電子機器の専門メーカーとして長年の経験と実績があり、生体情報モニタや人工呼吸器、AEDなど、高度な技術を要する製品を開発・製造しています。特に頭蓋内電極やデジタルヘルスソリューションといった最先端分野の研究開発にも注力しており、これにより競合他社との差別化を図り、市場での優位性を保っています。
- グローバルな製造・販売ネットワーク世界37の子会社と連携し、日本、北米、欧州、アジアなど広範な地域で事業を展開しています。これにより、各国の医療ニーズに合わせた製品を供給できるだけでなく、地域ごとの法規制や市場動向に迅速に対応できる体制を構築しています。この広範なネットワークは、安定的な収益確保と市場シェア拡大に貢献しています。
- 品質マネジメントと信頼性医療機器は人命に関わるため、極めて高い品質が求められます。同社は国際規格ISOに基づいた厳格な品質マネジメントシステムを構築・運営しており、開発からアフターサービスまで全てのプロセスで品質確保に取り組んでいます。これにより、医療現場からの信頼を獲得し、製品の安全性と信頼性が競争優位性となっています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- グローバルな医療課題解決への貢献日本光電工業は「病魔の克服と健康増進に先端技術で挑戦することにより世界に貢献する」ことを経営理念としています。この理念に基づき、長期ビジョン「BEACON 2030」を策定し、グローバルな高付加価値企業への変革、顧客価値を追求するソリューション型事業への変革、そしてオペレーショナルエクセレンスを軸とするグローバル組織への変革を目指しています。
- 収益性と資本効率の向上中期経営計画「BEACON 2030 Phase II」では、連結ROE(自己資本当期純利益率)12%を目標としています。これは資本コストを上回る水準であり、利益率の改善、運転資本の効率化(在庫圧縮や債権回収の早期化)、投資判断基準の厳格化(NPV、IRRの導入)、株主還元の充実を通じて達成を目指します。特に、PLM/MESシステムの導入や鶴ヶ島生産センターの稼働により、生産効率の向上とコスト削減を図ります。
- 成長領域への投資と事業モデル変革製品競争力の強化として、主力の生体情報モニタリング事業に加え、人工呼吸器を含む治療機器事業、消耗品・サービス事業、デジタルヘルスソリューション(DHS)を含むソリューション事業の拡大に注力します。特に成長ポテンシャルの高い北米市場に優先的に資源を配分し、大手医療ネットワークや政府機関市場でのシェア拡大と収益改革を進めます。また、設計プラットフォームの共通化や開発プロセス改革により、新製品開発期間の短縮も図ります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。 (1) 会社の経営の基本方針当社は、医用電子機器専門メーカとして、「病魔の克服と健康増進に先端技術で挑戦することにより世界に貢献すると共に社員の豊かな生活を創造する」ことを経営理念としています。そしてその実現に向け、商品、販売、サービス、技術、財務体質や人財などすべてにおいて、お客様はもとより、株主の皆様、取引先、社会から認められる企業として成長し、信頼を確立することを基本方針としています。 この基本方針の実現および当社グループの中長期的な企業価値向上のため、経営の健全性・透明性・効率性の向上を目指す経営管理体制の構築により、コーポレート・ガバナンスの充実を図ることが重要な経営課題であると考えています。当連結会計年度において、取締役会に占める独立社外取締役の比率は過半数となりました。 当社は、監督機能の強化、経営の健全性・透明性の向上、経営の意思決定の迅速化を図るため、監査等委員会設置会社を選択するとともに、社外取締役3名で構成され社外取締役が委員長を務める指名・報酬委員会を設置しています。 (2) 目標とする経営指標当社は、企業価値・株主価値増大に向けて連結ROE(連結自己資本当期純利益率)を重要な経営指標としており、3ヵ年中期経営計画「BEACON 2030 Phase II」において、資本コストを上回る12%を目標としています。資本コストは毎年見直しており、現在8%程度と見ています。中期経営計画の推進による利益率の改善を最優先としつつ、日本光電版ROICの導入、在庫圧縮や債権回収の早期化などキャッシュ・コンバージョン・サイクルの短縮による運転資本の改善、投資判断基準の設定、株主還元の充実等により、経営指標の達成を目指します。 2025年度は、PLM/MESシステム(※)および鶴ヶ島生産センタの稼働に備え一時的に在庫を積み増したこともあり、キャッシュ・コンバージョン・サイクルは目標の190日に対し215日となりました。2026年度は、メモリの需給ひっ迫、中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の高騰および部材の調達難を受け、部品在庫を確保することで製品・消耗品の供給継続に備える必要があります。引き続き、需要予測の精度向上による需給バランスの最適化、在庫管理の強化、債権回収の早期化に取り組み、195日への回復を目指します。 また、成長投資による企業価値向上に向けて、2022年度に投資判断基準に正味現在価値(NPV)と内部収益率(IRR)を採用し、新規投資案件の評価を開始しています。Phase IIでは、資本コストを上回る12%をIRRの目標としています。一定額を超える投資案件の場合、投資後の進捗状況、効果を毎年取締役会で検証しています。※ PLM(Product Life-cycle Management):製品ライフサイクル管理、 MES(Manufacturing Execution System):製造実行システム。 (3) 経営環境当連結会計年度における当社グループを取り巻く事業環境は、各国の政策動向や地政学リスクによる不確実性が長期化し、グローバルで保護主義・分断化が拡大する中、景気の先行きは不透明な状況で推移しました。国内では、各医療機関はタスクシフトや業務の効率化に取り組む一方、物価や賃金の上昇により経常赤字の割合が増加するなど、厳しい経営環境が続きました。海外では、米国での公的医療保険の予算削減案や中国での景気減速等はあるものの、先進国、新興国ともに医療機器の需要は総じて堅調に推移しました。国内外ともに、医療機関における医療の質向上と効率化が急務であり、データヘルス、遠隔医療、AI、ICTの活用など医療DXが推進されました。地政学リスクの高まりや米国政策の動向など不確実性が長期化する中、中東情勢に伴う原油価格の高騰および部材の調達難が懸念されており、景気の先行きは不透明な状況にあります。国内では、物価や賃金の上昇による医療機関の経営悪化に対し、補正予算の投入や診療報酬改定による支援が進められるとともに、2040年を見据えた地域医療構想に関する議論が本格化する見通しです。海外では、北米、中南米、インドを中心に医療機器の需要は底堅く推移すると見込まれるものの、東南アジア諸国では、中東情勢に伴う原油の調達難や価格高騰を受け、政府予算の縮小が懸念されます。また、保護主義的政策や医療機器に関する法規制の強化も継続する見込みです。医療機器業界においては、こうした環境の変化と医療の質向上や効率化といった医療機関のニーズへの迅速かつ柔軟な対応が求められ、厳しい経営環境が続くと予想されます。 (4) 会社の対処すべき課題と中長期的な経営戦略当社グループは、2020年に10年後の2030年に向けた長期ビジョン「BEACON 2030」を策定し、「グローバルな医療課題の解決で、人と医療のより良い未来を創造する」ことを目指しています。そして、3つの変革「グローバルな高付加価値企業への変革」「顧客価値を追求するソリューション型事業への変革」「オペレーショナルエクセレンスを軸とするグローバル組織への変革」に取り組んでいます。 <第2フェーズである中期経営計画「BEACON 2030 Phase II」(2024~2026年度)> 激変する世界情勢の中、厳しい経営環境にありますが、前中期経営計画の成果と課題を踏まえ、「BEACON 2030 Phase II」では、全社収益改革を実行し成長領域への投資を本格化するとともに、新たな事業モデルの構築および既存事業との連携を強化します。1. 3つの指標と6つの重要施策成長性、収益性、資本効率性の強化に取り組み、サステナビリティ経営を実践します。(成長性)売上高CAGR 5%(2024/3期~2027/3期):製品競争力の強化、北米事業の成長に注力(収益性)営業利益率 15%(2027/3期):全社収益改革の実行、グローバルサプライチェーンの進化(資本効率性)ROE 12%(2027/3期):日本光電版ROICの導入、キャッシュ・コンバージョン・サイクルの短縮(1)(成長性)製品競争力の強化主力の生体情報モニタリング事業の強化、高成長が期待できる人工呼吸器を含む治療機器事業、消耗品・サービス事業、DHS(デジタルヘルスソリューション)を含むソリューション事業の拡大に注力。設計プラットフォームの共通化、マルチプラント設計、サイバーセキュリティの高度化、QA/RA体制の強化。PLM/MESシステムの導入に加え、開発プロセス改革を推進し、新製品開発期間を短縮。※ QA(Quality Assurance):品質保証、RA(Regulatory Affairs):規制関連業務。PLM(Product Life-cycle Management):製品ライフサイクル管理、MES(Manufacturing Execution System):製造実行システム。(2)(成長性)北米事業の成長に注力日本、北米、その他の海外の3地域における市場戦略を強化。成長ポテンシャルの高い北米事業に優先的に資源を配分し、シェア拡大と収益改革を推進。[日本]顧客価値提案の高度化による、顧客基盤の強化と持続的な成長[北米]大手IDN/GPO市場、DoD/VA市場深耕によるブランド認知度向上と収益改革[海外]医療機器に関する法規制対応、現地開発・生産・販売・サービス体制の強化※ IDN(Integrated Delivery Network):総合医療ネットワーク、GPO(Group Purchase Organization):グループ購買組織。DoD(Department of Defense):米国国防総省、VA(Veterans Affairs):米国退役軍人省。(3)(収益性)全社収益改革の実行商品ミックス、生産性、サプライチェーンの改善に向けた各種施策を実行(4)(収益性)グローバルサプライチェーンの進化PSI(生産・販売・在庫)管理を高度化、グローバルQMS(Quality Management System:品質管理システム)の強化、マルチプラント生産の推進(5)(資本効率性)日本光電版ROICの導入利益率改善と投資対効果のモニタリング強化(6)(資本効率性)キャッシュ・コンバージョン・サイクルの短縮新設した生産本部を中心に、調達・生産管理機能を強化。債権回収の早期化 2.サステナビリティ経営 サステナビリティ経営の実践に向けては、Phase Iのマテリアリティ・KPIを一部見直し、医療課題、環境課題、社会課題の解決に取り組みます。 グローバル共通価値基準に基づき、Phase Iで導入したBEACON人事制度の浸透および運用定着・強化を図るとともに、働き方改革・人員生産性の向上に取り組みます。ダイバーシティ&インクルージョンの推進に加え、グローバル人財やDX人財の育成などキャリア支援の充実により、医療への貢献にやりがいと誇りを持てる組織風土の醸成に取り組みます。 グループガバナンスの一層の強化に向け、取締役会の多様性を確保するとともに、CxO体制の導入による意思決定の迅速化を図ります。また、株主価値との連動性を高めることを目的として、役員報酬制度の見直しを進めます。3.経営目標値 (億円)2027年3月期経営目標値売上高2,560 国内売上高1,570 海外売上高990営業利益営業利益率38515%親会社株主に帰属する当期純利益250ROIC12%ROE12%
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。 (1) 会社の経営の基本方針当社は、医用電子機器専門メーカとして、「病魔の克服と健康増進に先端技術で挑戦することにより世界に貢献すると共に社員の豊かな生活を創造する」ことを経営理念としています。そしてその実現に向け、商品、販売、サービス、技術、財務体質や人財などすべてにおいて、お客様はもとより、株主の皆様、取引先、社会から認められる企業として成長し、信頼を確立することを基本方針としています。 この基本方針の実現および当社グループの中長期的な企業価値向上のため、経営の健全性・透明性・効率性の向上を目指す経営管理体制の構築により、コーポレート・ガバナンスの充実を図ることが重要な経営課題であると考えています。当連結会計年度において、取締役会に占める独立社外取締役の比率は過半数となりました。 当社は、監督機能の強化、経営の健全性・透明性の向上、経営の意思決定の迅速化を図るため、監査等委員会設置会社を選択するとともに、社外取締役3名で構成され社外取締役が委員長を務める指名・報酬委員会を設置しています。 (2) 目標とする経営指標当社は、企業価値・株主価値増大に向けて連結ROE(連結自己資本当期純利益率)を重要な経営指標としており、3ヵ年中期経営計画「BEACON 2030 Phase II」において、資本コストを上回る12%を目標としています。資本コストは毎年見直しており、現在8%程度と見ています。中期経営計画の推進による利益率の改善を最優先としつつ、日本光電版ROICの導入、在庫圧縮や債権回収の早期化などキャッシュ・コンバージョン・サイクルの短縮による運転資本の改善、投資判断基準の設定、株主還元の充実等により、経営指標の達成を目指します。 2025年度は、PLM/MESシステム(※)および鶴ヶ島生産センタの稼働に備え一時的に在庫を積み増したこともあり、キャッシュ・コンバージョン・サイクルは目標の190日に対し215日となりました。2026年度は、メモリの需給ひっ迫、中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の高騰および部材の調達難を受け、部品在庫を確保することで製品・消耗品の供給継続に備える必要があります。引き続き、需要予測の精度向上による需給バランスの最適化、在庫管理の強化、債権回収の早期化に取り組み、195日への回復を目指します。 また、成長投資による企業価値向上に向けて、2022年度に投資判断基準に正味現在価値(NPV)と内部収益率(IRR)を採用し、新規投資案件の評価を開始しています。Phase IIでは、資本コストを上回る12%をIRRの目標としています。一定額を超える投資案件の場合、投資後の進捗状況、効果を毎年取締役会で検証しています。※ PLM(Product Life-cycle Management):製品ライフサイクル管理、 MES(Manufacturing Execution System):製造実行システム。 (3) 経営環境当連結会計年度における当社グループを取り巻く事業環境は、各国の政策動向や地政学リスクによる不確実性が長期化し、グローバルで保護主義・分断化が拡大する中、景気の先行きは不透明な状況で推移しました。国内では、各医療機関はタスクシフトや業務の効率化に取り組む一方、物価や賃金の上昇により経常赤字の割合が増加するなど、厳しい経営環境が続きました。海外では、米国での公的医療保険の予算削減案や中国での景気減速等はあるものの、先進国、新興国ともに医療機器の需要は総じて堅調に推移しました。国内外ともに、医療機関における医療の質向上と効率化が急務であり、データヘルス、遠隔医療、AI、ICTの活用など医療DXが推進されました。地政学リスクの高まりや米国政策の動向など不確実性が長期化する中、中東情勢に伴う原油価格の高騰および部材の調達難が懸念されており、景気の先行きは不透明な状況にあります。国内では、物価や賃金の上昇による医療機関の経営悪化に対し、補正予算の投入や診療報酬改定による支援が進められるとともに、2040年を見据えた地域医療構想に関する議論が本格化する見通しです。海外では、北米、中南米、インドを中心に医療機器の需要は底堅く推移すると見込まれるものの、東南アジア諸国では、中東情勢に伴う原油の調達難や価格高騰を受け、政府予算の縮小が懸念されます。また、保護主義的政策や医療機器に関する法規制の強化も継続する見込みです。医療機器業界においては、こうした環境の変化と医療の質向上や効率化といった医療機関のニーズへの迅速かつ柔軟な対応が求められ、厳しい経営環境が続くと予想されます。 (4) 会社の対処すべき課題と中長期的な経営戦略当社グループは、2020年に10年後の2030年に向けた長期ビジョン「BEACON 2030」を策定し、「グローバルな医療課題の解決で、人と医療のより良い未来を創造する」ことを目指しています。そして、3つの変革「グローバルな高付加価値企業への変革」「顧客価値を追求するソリューション型事業への変革」「オペレーショナルエクセレンスを軸とするグローバル組織への変革」に取り組んでいます。 <第2フェーズである中期経営計画「BEACON 2030 Phase II」(2024~2026年度)> 激変する世界情勢の中、厳しい経営環境にありますが、前中期経営計画の成果と課題を踏まえ、「BEACON 2030 Phase II」では、全社収益改革を実行し成長領域への投資を本格化するとともに、新たな事業モデルの構築および既存事業との連携を強化します。1. 3つの指標と6つの重要施策成長性、収益性、資本効率性の強化に取り組み、サステナビリティ経営を実践します。(成長性)売上高CAGR 5%(2024/3期~2027/3期):製品競争力の強化、北米事業の成長に注力(収益性)営業利益率 15%(2027/3期):全社収益改革の実行、グローバルサプライチェーンの進化(資本効率性)ROE 12%(2027/3期):日本光電版ROICの導入、キャッシュ・コンバージョン・サイクルの短縮(1)(成長性)製品競争力の強化主力の生体情報モニタリング事業の強化、高成長が期待できる人工呼吸器を含む治療機器事業、消耗品・サービス事業、DHS(デジタルヘルスソリューション)を含むソリューション事業の拡大に注力。設計プラットフォームの共通化、マルチプラント設計、サイバーセキュリティの高度化、QA/RA体制の強化。PLM/MESシステムの導入に加え、開発プロセス改革を推進し、新製品開発期間を短縮。※ QA(Quality Assurance):品質保証、RA(Regulatory Affairs):規制関連業務。PLM(Product Life-cycle Management):製品ライフサイクル管理、MES(Manufacturing Execution System):製造実行システム。(2)(成長性)北米事業の成長に注力日本、北米、その他の海外の3地域における市場戦略を強化。成長ポテンシャルの高い北米事業に優先的に資源を配分し、シェア拡大と収益改革を推進。[日本]顧客価値提案の高度化による、顧客基盤の強化と持続的な成長[北米]大手IDN/GPO市場、DoD/VA市場深耕によるブランド認知度向上と収益改革[海外]医療機器に関する法規制対応、現地開発・生産・販売・サービス体制の強化※ IDN(Integrated Delivery Network):総合医療ネットワーク、GPO(Group Purchase Organization):グループ購買組織。DoD(Department of Defense):米国国防総省、VA(Veterans Affairs):米国退役軍人省。(3)(収益性)全社収益改革の実行商品ミックス、生産性、サプライチェーンの改善に向けた各種施策を実行(4)(収益性)グローバルサプライチェーンの進化PSI(生産・販売・在庫)管理を高度化、グローバルQMS(Quality Management System:品質管理システム)の強化、マルチプラント生産の推進(5)(資本効率性)日本光電版ROICの導入利益率改善と投資対効果のモニタリング強化(6)(資本効率性)キャッシュ・コンバージョン・サイクルの短縮新設した生産本部を中心に、調達・生産管理機能を強化。債権回収の早期化 2.サステナビリティ経営 サステナビリティ経営の実践に向けては、Phase Iのマテリアリティ・KPIを一部見直し、医療課題、環境課題、社会課題の解決に取り組みます。 グローバル共通価値基準に基づき、Phase Iで導入したBEACON人事制度の浸透および運用定着・強化を図るとともに、働き方改革・人員生産性の向上に取り組みます。ダイバーシティ&インクルージョンの推進に加え、グローバル人財やDX人財の育成などキャリア支援の充実により、医療への貢献にやりがいと誇りを持てる組織風土の醸成に取り組みます。 グループガバナンスの一層の強化に向け、取締役会の多様性を確保するとともに、CxO体制の導入による意思決定の迅速化を図ります。また、株主価値との連動性を高めることを目的として、役員報酬制度の見直しを進めます。3.経営目標値 (億円)2027年3月期経営目標値売上高2,560 国内売上高1,570 海外売上高990営業利益営業利益率38515%親会社株主に帰属する当期純利益250ROIC12%ROE12%
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。 ① 経営成績の状況当連結会計年度における当社グループを取り巻く事業環境は、各国の政策動向や地政学リスクによる不確実性が長期化し、グローバルで保護主義・分断化が拡大する中、景気の先行きは不透明な状況で推移しました。国内では、各医療機関はタスクシフトや業務の効率化に取り組む一方、物価や賃金の上昇により経常赤字の割合が増加するなど、厳しい経営環境が続きました。海外では、米国での公的医療保険の予算削減案や中国での景気減速等はあるものの、先進国、新興国ともに医療機器の需要は総じて堅調に推移しました。国内外ともに、医療機関における医療の質向上と効率化が急務であり、データヘルス、遠隔医療、AI、ICTの活用など医療DXが推進されました。 このような状況下、当社グループは、2024年度からスタートした3ヵ年中期経営計画「BEACON 2030 Phase II」を推進し、3つの指標「成長性」「収益性」「資本効率性」の目標達成に向け、「製品競争力の強化」「北米事業の成長に注力」「全社収益改革の実行」など6つの重要施策に取り組みました。商品面では、国内において、オートショックAEDの普及モデル、人工呼吸器の中位機種モデル、送信機に加え、アドテック㈱で開発したSEEG電極(※1)を発売しました。また、医療機器から取得したデータを活用するデジタルヘルスソリューション(DHS)製品として、国内においてオンサイトアラーム分析ソフトウェア、入退院業務支援ソフトウェアを上市するとともに、米国では現地開発のアラームソリューションの提供を開始しました。また、事業ポートフォリオの見直しを進める中、アボット製品の取り扱いを本年12月の契約満了をもって終了することを決定しました。事業基盤の強化に向けては、昨年9月にインドに開発子会社として日本光電アドバンスドテクノロジーセンタ㈱を設立、本年1月にサウジアラビアで販売子会社の日本光電アラビアRHQ LLCが業務開始しました。日本では、昨年9月にPLMシステム、11月にMESシステム(※2)を稼働、本年3月に鶴ヶ島生産センタが稼働を開始したほか、本年2月にドゥウェル㈱を連結子会社化しました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は前期比4.3%増の2,350億9千9百万円となりました。利益面では、国内での減収に加え、賃上げ対応や研究開発投資、M&Aおよび設備投資に伴う償却費の増加により、販管費が増加したことから、営業利益は前期比9.5%減の187億4千5百万円となりました。一方、経常利益は、為替差損益が差益に転じたことから、前期比10.7%増の225億4千4百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、早期割増退職金等を特別損失に計上した結果、前期比2.9%増の145億1千3百万円となりました。 <市場別の状況> 国内市場においては、急性期病院、中小病院、診療所といった市場別の取り組みを強化するとともに、医療安全、診療実績、業務効率につながる顧客価値提案を推進しました。消耗品・サービス事業の強化に注力したものの、現地仕入品の抑制が進み、導入品であるアボット製品も減少したことから、減収となりました。市場別には、PAD市場(※3)でAEDの販売が代理店での在庫調整もあり減少し、官公立病院市場でも減収となりました。一方、大学、私立病院、診療所市場は堅調に推移しました。商品別には、治療機器、生体情報モニタが前期実績を下回りました。一方、生体計測機器、その他商品群は、堅調に推移しました。この結果、国内売上高は前期比0.6%減の1,444億6百万円となりました。 海外市場においては、全ての地域で好調に推移し、二桁成長となりました。為替およびアドテック㈱連結の影響を除いても好調でした。北米では、アドテック㈱を含む脳神経系群に加え、人工呼吸器、AEDが大幅増収となり、二桁成長となりました。生体情報モニタは好調だった前期実績を下回りましたが、第4四半期会計期間では二桁成長となりました。中南米では、第4四半期会計期間に二桁の成長を達成し、通期では円ベース、現地通貨ベースともに増収となりました。パラグアイ、ペルーを中心に堅調に推移しました。欧州では、トルコ、イギリス、イタリアを中心に好調に推移しました。アジア州他では、東南アジア、インド、中近東・アフリカで好調に推移しました。商品別には、生体計測機器、治療機器が大幅増収となりました。一方、生体情報モニタ、その他商品群は、前期実績を下回りました。この結果、海外売上高は前期比13.1%増の906億9千3百万円となりました。 ※1 SEEG(Stereo-Electroencephalogram):定位的頭蓋内脳波。てんかん焦点を特定するため、脳深部に細い電極を複数挿入し、脳波を立体的に記録・解析。※2 PLM(Product Life-cycle Management):製品ライフサイクル管理、 MES(Manufacturing Execution System):製造実行システム。※3 PAD(Public Access Defibrillation):一般市民によるAEDを用いた除細動。PAD市場には公共施設や学校、民間企業などが含まれる。 <商品群別の状況>[生体計測機器]国内では、診断情報システムが二桁成長となり、脳神経系群も好調に推移しました。一方、心電計群、心臓カテーテル検査装置群は前期実績を下回りました。海外では、アドテック㈱を含む脳神経系群がけん引し、大幅増収となりました。心電計群も前期実績を上回りました。この結果、売上高は前期比14.4%増の536億3千6百万円となりました。[生体情報モニタ]国内では、医用テレメータ、送信機が前期実績を下回りました。一方、臨床情報システムは二桁成長となり、ベッドサイドモニタも堅調に推移しました。海外では、アジア州他で二桁成長となった一方、北米、欧州では好調だった前期実績を下回りました。この結果、売上高は前期比0.8%減の842億5千8百万円となりました。[治療機器]国内では、アボット製品のアブレーションカテーテルが減収となったほか、AED、除細動器が前期実績を下回りました。一方、人工呼吸器は好調に推移しました。海外では、人工呼吸器が北米、欧州、中南米で大幅増収となり、アジア州他でも好調に推移しました。除細動器は二桁成長となり、AEDも好調に推移しました。この結果、売上高は前期比5.8%増の562億8千6百万円となりました。[その他]国内では、医療機器の設置工事・保守サービスが好調に推移し、検体検査装置・試薬も堅調でした。一方、現地仕入品は減収となりました。海外では、欧州、アジア州他を中心に検体検査装置・試薬が減収となりました。この結果、売上高は前期比1.3%増の409億1千8百万円となりました。 売上高を商品群別に分類すると次のとおりです。 金額(百万円)対前期増減率(%)生体計測機器53,636+ 14.4生体情報モニタ84,258△ 0.8治療機器56,286+ 5.8その他40,918+ 1.3合 計235,099+ 4.3 機器115,996+ 2.4 消耗品・サービス119,103+ 6.2 (参考)地域別売上高 国内売上高144,406△ 0.6 海外売上高90,693+ 13.1 北米49,808+ 18.9 中南米5,613+ 4.2 欧州13,649+ 8.7 アジア州他21,621+ 6.3 区 分内 容生体計測機器脳波計、筋電図・誘発電位検査装置、心電計、心臓カテーテル検査装置、診断情報システム、関連の消耗品(記録紙、電極、電極カテーテルなど)、保守サービスなど生体情報モニタ心電図、呼吸、SpO2(動脈血酸素飽和度)、NIBP(非観血血圧)等の生体情報を連続的にモニタリングする生体情報モニタ、臨床情報システム、関連の消耗品(電極、センサなど)、保守サービスなど治療機器除細動器、AED(自動体外式除細動器)、人工呼吸器、心臓ペースメーカ、麻酔器、人工内耳、自動心臓マッサージ装置、関連の消耗品(電極パッド、バッテリ、アブレーションカテーテルなど)、保守サービスなどその他血球計数器、臨床化学分析装置、超音波診断装置、消耗品(試薬など)、設置工事・保守サービスなど (注)2026年3月をもって人工内耳の取り扱いを終了しました。また、2026年12月をもってアボット製品(電極カテーテル、心臓ペースメーカ、アブレーションカテーテル)の取り扱いを終了する予定です。 報告セグメント別の経営成績は次のとおりです。(日本)売上高は1,451億4千1百万円(前期比0.9%減)、セグメント利益は140億9千4百万円(同35.7%減)となりました。(北米)売上高は536億2千3百万円(同19.4%増)、セグメント利益は28億5千8百万円(前期は9億4千1百万円の損失)となりました。(その他の地域)売上高は363億3千4百万円(同6.9%増)、セグメント利益は22億5千万円(同20.4%増)となりました。(セグメント利益)セグメント利益合計(棚卸資産の調整額、のれんおよび無形固定資産の償却費を除く)は、192億4百万円(同16.0%減)となりました。 ※ 報告セグメントは、当社又は連結子会社の所在地を基礎として地域別に区分しています。 ② 財政状態の状況 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ17億3千7百万円減少し、2,565億3千8百万円となりました。 流動資産は前連結会計年度末に比べ52億7千6百万円減少し、1,778億8百万円となりました。これは、有価証券、受取手形および売掛金が減少したことなどによるものです。 固定資産は前連結会計年度末に比べ35億3千8百万円増加し、787億3千万円となりました。これは、鶴ヶ島生産センタの稼働に伴い建物及び構築物が増加したことなどによるものです。 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ2億6千6百万円減少し、767億1千4百万円となりました。これは、借入金の借換え等により短期借入金が減少し長期借入金が増加したほか、未払法人税等が減少したことなどによるものです。 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ14億7千万円減少し、1,798億2千4百万円となりました。これは、ニューロアドバンスド㈱の株式を追加取得したことに伴う資本剰余金および非支配株主持分の減少に加え、自己株式を取得したことなどによるものです。 これらの結果、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末に比べ22.36円増加し、1,123.47円となりました。自己資本比率は、前連結会計年度末の69.5%から0.6ポイント増加し、70.1%となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ25億7千6百万円増加して456億3千7百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は、前期比57億6千8百万円増の210億5千5百万円となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益199億3千2百万円、減価償却費47億5千7百万円、売上債権の減少33億6千8百万円、法人税等の支払額76億4千3百万円などです。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は、前期比168億5千3百万円減の82億8千5百万円となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得57億2千7百万円、無形固定資産の取得21億3千1百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出5億4千万円などです。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果支出した資金は、115億9千9百万円(前期は25億5千万円の収入)となりました。主な内訳は、借入金の借換え等に伴う短期借入金の純減少259億9千1百万円および長期借入れによる収入255億円、自己株式の取得による支出66億1千6百万円、配当金の支払52億3千3百万円などです。 ④ 生産、受注及び販売の状況 当連結会計年度における生産、受注および販売の状況をセグメントごとに示すと次のとおりです。 イ. 生産実績区分金額(百万円)前期比(%)日本80,948102.8北米12,589127.4その他の地域2,163124.9合計95,700105.9 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。 2 上記金額には、商品購入高が合計で31,297百万円含まれています。 3 上記金額は、製造原価によっています。 ロ.受注実績当社グループの商品は、需要予測による見込み生産を行っているため、該当事項はありません。 ハ.販売実績区分金額(百万円)前期比(%)日本145,14199.1北米53,623119.4その他の地域36,334106.9合計235,099104.3 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。 2 上記金額は、販売価格によっています。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 ① 重要な会計方針および見積り当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたり、必要とされる見積りについては、合理的な基準に基づき実施しています。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)および(重要な会計上の見積り)」に記載しています。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容イ.当連結会計年度の経営成績および「BEACON 2030 Phase II」の進捗状況 当連結会計年度においては、日本では、現地仕入品の抑制が進み、アボット製品の売上が減少しました。AEDの販売も代理店での在庫調整もあり想定を下回りましたが、医療従事者の業務効率向上に資するITシステム商談は好調に推移し、自社の消耗品・サービスも堅調でした。病院経営の悪化に伴い設備投資に慎重な動きが見られたことから、自社の医療機器の売上は微減となりました。海外では、欧州、アジア州他における法規制対応および中国における医療機器の需要回復に時間を要したほか、北米で生体情報モニタの商談決定プロセスに慎重な動きが見られたことから、期初の想定を下回りました。一方、人工呼吸器はグローバルで当社プレゼンスが向上し、北米、欧州、中南米で大幅増収となりました。このような状況下、当社グループでは、全社収益改革を推進し、グローバルメドテック企業への変革に取り組みました。2026年3月期の業績は、国内売上高は減収となり、海外売上高も前期実績を上回りましたが、計画未達となりました。 商品群別では、生体計測機器は、国内では、診断情報システムが二桁成長となり、脳神経系群も好調に推移しました。海外では、アドテック㈱を含む脳神経系群が大幅増収、心電計群も前期実績を上回りました。この結果、前期比14.4%の増収となり、計画を上回りました。生体情報モニタは、国内では、臨床情報システムは二桁成長となり、ベッドサイドモニタも堅調に推移した一方、医用テレメータ、送信機が減収となりました。海外では、アジア州他で二桁成長となった一方、北米、欧州で好調だった前期実績を下回りました。この結果、前期比0.8%の減収となり、計画を下回りました。治療機器は、国内では、人工呼吸器は好調に推移したものの、アブレーションカテーテル、AED、除細動器が前期実績を下回りました。海外では、人工呼吸器が大幅増収、除細動器は二桁成長、AEDも好調に推移しました。この結果、前期比5.8%の増収となりました。国内でAEDの販売が代理店での在庫調整もあり減少したことから、計画を下回りました。その他商品群は、国内で医療機器の設置工事・保守サービスが好調に推移し、検体検査装置・試薬も堅調だったことから、前期比1.3%の増収となりました。一方、海外で、欧州、アジア州他を中心に検体検査装置・試薬が減収となったことから、計画を下回りました。 営業利益については、国内での減収に加え、賃上げ対応や研究開発投資、M&Aおよび設備投資に伴う償却費の増加により、販管費が増加したことから、減益となりました。海外でも実質売上が計画未達となり、販管費率が上昇したことから、計画を下回りました。 2026年度は中期経営計画の最終年度となりますが、引き続き6つの重要施策を着実に実行します。国内ではアボット製品の取り扱い終了に伴い減収を見込んでいますが、引き続き自社の製品・消耗品・サービスの販売に注力します。さらに、北米事業の成長に注力し、全社収益改革を実行することで、収益性の改善を図ります。 ロ.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。 事業への資源配分については、新製品の投入による売上、利益の成長に資する投資を最優先としながら、研究開発や設備投資、M&A・提携、人財育成など将来の企業成長のために必要な資源配分を安定的かつ継続的に実施します。設備投資は60億円程度、研究開発費は77億円程度を計画しています。 株主還元については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載しています。 資金調達については、当社グループの主な運転資金および設備資金として自己資金を充当しており、M&Aや新規事業など資金調達が必要になった場合には、資金需給のバランスを見ながら、借入を資金調達の有効な手段として検討し、負債コストも考慮した加重平均資本コストの最適化を図ります。 また、当社グループでは、財務健全性を維持した持続的成長と企業価値の向上を目指して、資金の効率化と流動性の確保に努めています。資金の効率化については、キャッシュ・コンバージョン・サイクルを指標とし、売上債権回収の早期化や棚卸資産の適正化により、運転資金の効率化を図っています。なお、グループ内の資金効率を高めるため、資金は当社に集中し、不足するグループ会社に配分する制度を運用しています。安定的な経営に必要な手元現預金の水準は、概ね月商の3ヵ月程度と考えています。当連結会計年度末における流動比率は、359.7%となっており、十分な流動性を確保しています。なお、資金の流動性を確保するため、複数の取引金融機関と当座貸越契約を締結しています。 ハ.経営指標の分析 当社は、企業価値・株主価値増大に向けて連結ROE(連結自己資本当期純利益率)を重要な経営指標としており、3ヵ年中期経営計画「BEACON 2030 Phase II」において、資本コストを上回る12%を目標としています。資本コストは毎年見直しており、現在8%程度と見ています。 中期経営計画の推進による利益率の改善を最優先としつつ、日本光電版ROICの導入、在庫圧縮や債権回収の早期化などキャッシュ・コンバージョン・サイクルの短縮による運転資本の改善、投資判断基準の設定、株主還元の充実等により、経営指標の達成を目指します。 2025年度は、PLM/MESシステムおよび鶴ヶ島生産センタの稼働に備え一時的に在庫を積み増したこともあり、キャッシュ・コンバージョン・サイクルは目標の190日に対し215日となりました。2026年度は、メモリの需給ひっ迫、中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の高騰および部材の調達難を受け、部品在庫を確保することで製品・消耗品の供給継続に備える必要があります。引き続き、需要予測の精度向上による需給バランスの最適化、在庫管理の強化、債権回収の早期化に取り組み、195日への回復を目指します。 また、成長投資による企業価値向上に向けて、2022年度に投資判断基準に正味現在価値(NPV)と内部収益率(IRR)を採用し、新規投資案件の評価を開始しています。Phase IIでは、資本コストを上回る12%をIRRの目標としています。一定額を超える投資案件の場合、投資後の進捗状況、効果を毎年取締役会で検証しています。
事業リスク
- 医療機器の許認可と品質問題医療機器の製造販売は、各国・地域で厳しい法令や規制(例:日本の医薬品医療機器等法、米国のFDA、欧州のMDR/IVDR)の適用を受けます。これらの規制が変更されたり、新たな規制が導入された場合、新製品の発売が遅れたり、追加の試験が必要になることで、経営成績に影響が出る可能性があります。また、品質問題が発生すると、製品の販売停止やリコール、さらには損害賠償訴訟に発展し、企業の信用を大きく損なうリスクがあります。
- 国内外の市場変動と競争激化同社の売上高の約6割は国内市場に依存しており、日本の医療費抑制政策や景気動向の影響を受けやすいです。また、海外市場では新興国の政府予算の変動や保護主義的政策、景気後退などが事業に影響を与える可能性があります。医療機器業界全体では、医療の質向上と効率化のニーズが高まる一方で、競争も激化しており、市場の変化に対応できないと収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 情報セキュリティとシステム障害事業活動全般でITシステムを活用しているため、サイバー攻撃やコンピュータウイルスの感染、通信障害などにより、システム停止や情報漏洩が発生するリスクがあります。特に、機密情報や個人情報の漏洩は、企業の社会的信用やブランドイメージを大きく毀損し、経営成績に深刻な影響を与える可能性があります。製品・サービスにおいてもセキュリティ対策を講じていますが、新たな脅威への対応が常に求められます。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあり、特に重要なのは、医療機器の許認可申請等および品質問題に関するリスクです。当社グループの業務全般のリスク管理に関する基本方針等の制定、当社グループ全体のリスク管理体制の整備・推進状況の把握は取締役会が行っています。リスク分類毎に「リスク管理部門」と「リスク関係委員会」を定めています。「リスク管理部門」は、担当するリスク分類について、「業務執行部門・子会社」の教育やサポートを行うとともに、体制の整備・推進状況を「リスク管理統括部門」に報告しています。「リスク関係委員会」は、関連するリスク分類について、マネジメントシステムの適切性・妥当性・有効性の評価等を取締役会および経営会議に報告しています。また、「リスクマネジメント委員会」で特定した重要リスクを中心に、各部門のリスク管理責任者と連携の上、定期的にリスク評価し対策を見直しています。リスク分類表は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 <その他の事項> リスク管理体制の整備状況」に記載しています。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 医療機器の許認可申請等について医療機器の製造販売は、国内での医薬品医療機器等法、米国でのFDA(米国食品医薬品局)等、各国・各地域で法令・規制等の適用を受けます。直近では、欧州におけるMDR(医療機器規則、2021年5月から適用)、IVDR(体外診断用医療機器規則、2022年5月から適用)、米国におけるFDAサイバーセキュリティ・ガイダンス(2018年10月公表)、AI対応医療機器のガイドライン(2023年9月公表)、臨床意思決定支援ソフトウェア・ガイダンス(2026年1月公表)等への対応が必要となっています。今後これらの法令・規制等の改廃や新たな法令・規制等が設けられた場合、許認可申請の審査体制の変更や追加試験等により新製品発売までの時間が延長する等の影響がでて、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。但し、当社グループの製品は多品種少量であり、更新サイクル毎に随時新製品を投入していることから、大きな影響を及ぼすようなリスクは低減されています。当連結会計年度においては、無線通信やバッテリ輸送等の法規制対応の遅れが生じましたが、当連結会計年度末までに概ね対応は完了しています。2026年4月から「法規対応推進会議」で定期的に進捗管理し、対策を行う体制を構築しました。 (2) 品質問題について医療機器は極めて高度な品質が要求されるため、国際規格ISOの基準等に基づいて品質マネジメントシステムを構築、運営しています。品質方針に基づきグループ品質目標を定め、開発から生産、販売、アフターサービスに至る全てのプロセスで、品質確保およびお客様満足度の向上に取り組んでいます。また、商品が医療事故につながるリスクを重点的に管理しています。通常時の体制、事故のあった場合の体制・報告をはじめとするルールなどを規定で明確化し、運用しています。予防および迅速な連絡のために、広く医療現場から迅速・正確に情報を収集するための仕組み、情報発信するための仕組みも整備しています。しかしながら、品質に問題が生じた場合、商品の販売停止、リコール等の措置を講じる場合があります。また、医療事故が発生し、当社に損害賠償責任を求める訴訟を提訴されたり、大きく社会的に取り上げられた場合、事実関係の当否とは別に、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当連結会計年度においては国内で1件のリコールが発生し、自主回収を実施しました。また、当連結会計年度末における製品保証引当金は18億5千万円です。製品保証引当金には、保証期間内の無償修理に係る費用や将来のリコール等に係る費用が含まれます。 (3) 国内外の市場の動向について当社グループは、日本での持続的成長とともに、米国や新興国での事業基盤の強化により、海外事業の一層の拡大を目指しています。日本では、医療費抑制や医療の質の向上を目的とした医療制度改革が進められています。また、AEDの普及により、当社グループの顧客は医療機関だけでなく景気動向の影響を受けやすい民間企業に広がっています。当社グループの連結売上高の約6割は国内におけるものであり、医療制度改革や景気動向などの影響を受けます。また、当社グループは海外子会社および代理店を経由して世界各国に製品を供給しています。新興国では官公立病院の占める割合が高く、医療インフラ整備に向けた入札案件が多いことから、選挙や予算執行のタイミングなどの影響を受けます。中長期的には、国産優遇の動きが見られる新興国において、組立生産等の対策が必要となる可能性があります。また、各国の景気後退、これに伴う需要の減少、政治的・社会的混乱や法令・規制等の変更があった場合、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 法令・規制等について当社グループは、高い倫理観に基づき、良識に従った公正で適法な企業活動を実践するために、グローバル・コンプライアンス・プログラムを導入し、厳格な法令遵守を貫くコンプライアンス体制を構築することに真摯に取り組んでいます。グローバル・コンプライアンス・プログラムにおいては、コンプライアンスの基本方針・ルールを定めた「日本光電行動憲章」および「日本光電倫理行動規定」、ならびにコンプライアンスを徹底するための仕組みと運用方法の基本事項を定めた「コンプライアンス推進規定」を制定し、「コンプライアンス委員会」が法令・規制等への対応や教育研修、内部通報窓口の運営、遵守状況のモニタリング等を実施しています。また、海外子会社のリスク管理体制の整備・運用に関する監督の強化を図っています。当社グループの事業活動は、国内においては医薬品医療機器等法等の医療機器の製造・販売に関する法規、会社法、金融商品取引法、税法、労働法、独占禁止法、貿易関連法規、環境関連法規等、海外においても各国・各地域で多岐にわたる法令・規制等の適用を受けています。コンプライアンスの徹底に努めていますが、適用法令等に抵触する事態が発生した場合、刑罰、処分、その他の制裁を受け、さらに当社グループの社会的信用や企業イメージが毀損して、経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 重要な訴訟等について当社グループの経営成績および財務状況に重要な影響を及ぼすおそれのある訴訟等は現在ありません。しかしながら、当社グループの国内および海外における事業活動等が、製造物責任、品質問題、知的財産権、労務問題、法令・規制違反、その他何らかの請求・紛争に関連して今後重要な訴訟等の対象となり、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 情報セキュリティ等について当社グループは事業全般において各種ITシステムを活用しており、CSIRT(Computer Security Incident Response Team)体制や教育・訓練の強化等を通じて、セキュリティやバックアップ等の対策を実施するとともに機密情報や個人情報の漏洩がないよう情報管理に努めています。また、2025年2月に生成AI利活用ガイドラインを策定するとともに、全ての役員・社員等に教育・訓練を実施しています。通信ネットワークを利用する当社製品・サービスにおいても様々なセキュリティ対策を講じています。2022年4月にPSIRT(Product Security Incident Response Team)を発足し、製品・サービスのセキュリティ向上、インシデント対応に取り組んでいるほか、2023年5月に製品セキュリティに関する基本方針を定め、実践しています。また、2024年10月に製品セキュリティの取組みをウェブサイトに公開しました。しかしながら、自然災害やサイバー攻撃、新種のコンピュータ・ウイルスの感染、通信ネットワークの障害等により、ITシステムの停止やサービス提供の中断、情報漏洩が発生した場合、当社グループの社会的信用や企業イメージが毀損して、経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 気候変動・自然災害・感染症等について当社グループは日本各地および世界各国で事業を行っています。各地域において気候変動に伴う自然災害や水等の資源の供給不足、テロ、戦争、感染症の拡大等が発生した場合、部品調達や商品供給、販売・サービス活動などに支障が生じ、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。製品に使われる原材料・部品は日本をはじめ世界各国から調達していますが、調達先で供給に問題が発生した場合でも、製品の生産に影響が出ないよう代替品の検討を含めた対策を行っています。また、大規模地震が発生した時においても円滑に商品供給を継続できるよう、事業継続計画(BCP)を策定の上、全社的な教育・訓練を定期的に実施しています。ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の緊迫化による不透明な状況が継続していますが、ロシアおよびウクライナでの売上は連結売上高の0.1%未満、中近東での売上は連結売上高の1%程度です。今後の地政学リスクや原油価格の高騰が長期化または深刻化した場合、部材の調達困難に伴う当社製品・消耗品の生産遅延や停止、販売・サービス活動の制限なども想定されることから、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、気候変動対策はグローバル社会が直面している最も重要な社会課題であり、当社にとっても重要な経営課題の一つです。2022年5月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明し、7月に気候変動に関する「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4項目について情報を開示し、2024年10月に事業インパクト評価を追加しました。また、2024年3月から自社の製品・サービスについて、Green Product Label(グリーンプロダクトラベル)の認定を開始しました。引き続き、サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)に掲げる「カーボンニュートラルの実現」「循環型経済の推進」に向けて気候変動対策を推進するとともに、TCFD提言に沿った情報開示の拡充に取り組みます。