6859

エスペック(6859)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

  • 主力は環境試験器
    エスペックは、自動車や通信機器、電子部品などの製品が、高温や低温、高湿度といった様々な環境下でどのように機能するかをテストする「環境試験器」を開発・製造・販売しています。これは、製品の品質や信頼性を保証するために不可欠な装置であり、同社の主要な収益源となっています。
  • 二次電池・半導体関連装置
    環境試験器に加え、電気自動車(EV)などに使われる二次電池の性能や寿命を評価する装置、半導体の検査に用いられるバーンイン装置や計測システムも提供しています。これらの装置は、最先端技術を支える重要な役割を担っており、技術革新の進展とともに需要が期待されます。
  • サービスとその他事業
    製品販売後のメンテナンスや設置工事、受託試験、レンタルといった「サービス事業」も展開しており、安定的な収益基盤となっています。また、森づくりや都市緑化などの「環境保全事業」や「植物育成装置」といったユニークな事業も手掛けており、多角的な事業展開を進めています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 装置事業
    エスペックの主要な稼ぎ頭であり、売上高574.44億円、営業利益66.1億円を計上しています。環境試験器、二次電池充放電サイクル評価装置、半導体関連装置などを開発・製造・販売しており、自動車や電子部品メーカーの製品開発を支える重要な役割を担っています。日本、米国、中国を中心にグローバルに展開しています。
  • サービス事業
    装置事業に次ぐ規模で、売上高81.07億円、営業利益7.93億円を計上しています。環境試験器・装置のメンテナンス、設置・移設工事、受託試験、レンタル、計測機器の校正サービスなどを提供しており、製品販売後の顧客サポートを通じて安定的な収益を確保しています。
  • その他事業
    売上高17.36億円、営業利益1.26億円の規模です。森づくりや都市緑化などの環境保全事業、植物工場や研究用育苗装置を提供する植物育成装置事業が含まれます。これは、エスペックの多角的な事業展開と、環境への貢献を目指す姿勢を示しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
EnvironmentalTestBusinessEquipmentBusiness 地域 574 66 11.5%
ElectronicDeviceBusinessServiceBusiness 地域 81 8 9.8%
OtherBusiness 地域 17 1 7.3%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|978 文字
3【事業の内容】 当企業集団は、当社及び子会社19社で構成され、事業セグメントは装置事業、サービス事業、及びその他事業に区分されます。 それぞれの事業区分の概要は次のとおりです。事業セグメント区 分概 要装置事業環境試験器自動車・通信その他電子部品などにおいて、温度や湿度、その他環境因子による影響を試験する環境試験器を提供しております。エナジーデバイス装置二次電池の性能や寿命の評価を行う二次電池充放電サイクル評価装置、燃料電池の評価を行う燃料電池評価装置を提供しております。半導体関連装置半導体の検査工程におけるバーンイン装置、半導体・電子部品などの電気的特性を評価する計測システムを提供しております。サービス事業アフターサービス・エンジニアリング環境試験器・装置のメンテナンスサービス及び環境試験器・装置の設置、移設、周辺工事、周辺機器の販売を行っております。受託試験・レンタル受託試験、環境試験器のレンタル・リセール及び計測機器の校正サービスを行っております。その他事業環境保全森づくり、水辺づくり、都市緑化といった環境保全事業を行っております。植物育成装置植物工場、研究用育苗装置を提供しております。 当企業集団の当該事業における位置付けならびに事業セグメントとの関連は、次のとおりであります。 装置事業…当社やESPEC NORTH AMERICA,INC.他が開発・製造・販売を行っております。また、エスペックサーマルテックシステム株式会社は精密チラー・空調機、環境試験器などの製造及び販売を行っております。その他にも海外で当社製品を販売する販社が存在します。また、当社はESPEC KOREA CORP.に環境試験器の一部機種の製造を委託しております。 サービス事業…当社製品のアフターサービス及び環境試験器の設置等は当社が行っております。受託試験、環境試験器のレンタル・リセール及び計測機器の校正サービスも主に当社が行っております。また、中国においては愛斯佩克測試科技(上海)有限公司が受託試験を行っております。 その他事業…エスペックミック株式会社が森づくり、水辺づくり、都市緑化といった環境保全事業を営んでおります。また、当社とエスペックミック株式会社が連携して植物工場事業に取り組んでおります。 事業の系統図は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
国内市場で高いシェアを持つが、海外では欧米メーカーや低価格メーカーとの競争があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
環境創造技術、ネットワークシステム技術、電子デバイス計測制御技術などのコア技術。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:業績変動のリスク / 災害、感染症、戦争等に係るリスク / 輸出規制に伴うリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
  • 環境試験器の技術力
    エスペックは、長年にわたり環境試験器の開発に注力しており、温度や湿度、その他の環境因子を精密に制御する高度な技術力を持っています。これにより、顧客の多様な試験ニーズに応えることができ、製品の信頼性向上に貢献しています。
  • 国内市場での高シェア
    国内の環境試験器市場において高いシェアを誇っており、これは長年の実績と顧客からの信頼の証と言えます。安定した国内基盤を持ちつつ、海外市場への展開も積極的に進めることで、さらなる成長を目指しています。
  • グローバルな事業展開
    日本だけでなく、米国、中国、韓国など海外にも製造・販売拠点を持ち、グローバルに事業を展開しています。これにより、特定の地域に依存しないリスク分散と、世界中の顧客ニーズに対応できる体制を構築しており、国際競争力を高めています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 筋肉質な高利益体質
    中期経営計画「PROGRESSIVE PLUS 2027」では、「筋肉質で持続可能な高利益体質の確立」を基本方針として掲げています。これは、事業の質を高め、効率的な経営を行うことで、安定的に高い利益を生み出す企業体質を目指すことを意味します。
  • AI・自動運転に注力
    AI半導体、自動運転、衛星通信といった成長が期待される分野をターゲット市場と定め、これらの試験ニーズに応える多彩な製品群やカスタム対応力、新製品開発に注力しています。これにより、将来の収益の柱を確立しようとしています。
  • 財務とESGの強化
    総資産の効率化や資本効率を意識したバランスシート・マネジメントにより、財務の健全性と成長投資の両立を図ります。また、人材の確保・育成、地球温暖化対策、グループガバナンスの強化といったESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みも重視し、持続可能な企業価値向上を目指しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループ(当社及び連結子会社)の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 当社は、企業理念「THE ESPEC MIND」の実践と長期ビジョンの実現に向けた事業活動により「経済的価値」「社会的価値」の創出と向上を図り、持続的成長を目指すサステナビリティ経営を推進しております。2021年度には、サステナビリティ方針を策定し、ステークホルダーのみなさまとのより良い価値交換を実現していくためのマテリアリティ(重要課題)を特定しております。2025年度の重要課題は、グローバルな事業を通じた社会課題解決、責任ある製品サービスの提供、環境への配慮、多様な人材の確保・育成、人権の尊重、デジタル技術の活用、グループガバナンスの強化の7つです。これらの課題を中期経営計画の各戦略に反映し、取り組んでまいります。なお、重要課題は、社会の変化に合わせて柔軟に見直しを行ってまいります。 (1)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、営業利益、営業利益率、当期純利益、ROEです。 当社は中期経営計画「PROGRESSIVE PLUS 2027」を推進してまいりましたが、初年度である2025年度は、受注高・売上高はターゲット市場を中心に堅調に推移したものの、装置事業における中国市場の競争激化や、EV減速に伴う受託試験事業の収益悪化等により、利益面につきましては期初計画を下回る結果となりました。このような事業環境の変化をふまえ、誠に遺憾ながら2027年度の目標を見直しました。ROE目標につきましては、財務資本戦略をさらに強化することとし、当初目標を据え置いております。なお、基本方針及び成長戦略の基本的な方向性に変更はございません。 中期経営計画「PROGRESSIVE PLUS 2027」の基本方針、2027年度目標、中期経営戦略につきましては、(2)②に記載しております。収益改善策を強化するとともに成長戦略を着実に実行し、「筋肉質で持続可能な高利益体質の確立」を目指してまいります。 (2)長期ビジョン及び中期経営計画①長期ビジョン「ESPEC Vision 2035」 当社は、長期ビジョン「ESPEC Vision 2035」として、10年後も環境試験業界において世界的トップランナーであり、当社の創業の精神であるプログレッシブを継承するとともにイノベーティブな発想・活動ができるエスペックグループを目指してまいります。<エスペックの姿> グローバルに最も頼られる存在へ ・環境試験の世界的トップランナー ・プログレッシブでイノベーティブなグループ ②中期経営計画「PROGRESSIVE PLUS 2027」(2025~2027年度)<基本方針> 『筋肉質で持続可能な高利益体質の確立』 質の向上と利益成長により「筋肉質な企業」となることで持続的な企業価値向上を目指す<ターゲット市場> AI半導体、自動運転、衛星通信<2027年度目標> 修正前 売上高700億円、営業利益105億円、営業利益率15.0%、当期純利益76億円、ROE12.0%以上 修正後 売上高760億円、営業利益91億円、営業利益率12.0%、当期純利益67億円、ROE12.0%以上 ※想定為替レート(米ドル)は145円としておりましたが、155円に変更しております。 <中期経営戦略>a.事業戦略(装置事業戦略、グローバル戦略、モノづくり戦略、サービス事業戦略、新規事業戦略) 装置事業ではターゲット市場であるAI半導体、自動運転、衛星通信分野の試験ニーズに、多彩な製品群やカスタム対応力、新製品開発によりお応えしてまいります。また、日本、米国、中国を重視するエリアとし、グループの総合力を活かしてグローバル市場での競争優位性を確立してまいります。さらに、京都府の福知山工場のリノベーションにより、省力化・自動化を推進し、モノづくりの高効率化に取り組んでまいります。サービス事業では、受託試験事業において「あいち次世代モビリティ・テストラボ」を中心に収益改善を図ってまいります。アフターサービス事業では、IT・デジタル技術の活用により、装置の遠隔監視等、顧客の課題を解決するサービスを提供してまいります。あわせて、将来の収益の柱となる新たな事業創出を目指し、CAE(Computer Aided Engineering)に関連したサーマルソリューションサービスや食品機械事業の拡大に取り組んでまいります。 b.財務資本戦略(財務資本戦略、IR戦略) 財務資本戦略では、総資産の効率化に取り組むとともに、資本効率を意識したバランスシート・マネジメントとして、事業リスクや成長投資に必要な自己資本水準を見極めたうえで自己資本比率が70%以内になるようコントロールしてまいります。また、成長投資や企業価値向上に向けて、必要に応じて負債を活用する等、財務の健全性と資本効率の両立を図ってまいります。あわせて、中期経営計画3年間のキャッシュアロケーション方針に基づき、株主還元を積極的に行ってまいります。IR戦略では、株式市場での評価向上及び経営強化に向けて、株主・投資家との対話の充実に取り組んでまいります。 c.ESG(非財務戦略) 人的資本の最大化の取り組みとして、経営の基盤となる人・組織の力を高めてまいります。人材の獲得と育成の両面での取り組みを強化するとともに、オープンなコミュニケーションを促進し、従業員の働きがいの創出とエンゲージメントの向上を図ってまいります。環境への取り組みとしては、第8次環境中期計画PlusⅡ(2026~2027年度)のもと、地球温暖化対策と生物多様性保全活動を引き続き推進してまいります。また、グループガバナンスやリスクマネジメントの強化に取り組んでまいります。 ③2025年度の主な取り組みa.事業戦略(装置事業戦略、グローバル戦略、モノづくり戦略、サービス事業戦略、新規事業戦略) 装置事業では、日本や東南アジア、台湾ではAI半導体分野、北米では衛星通信分野の開拓が進むとともに、ターゲット市場向け新製品としてAIサーバー向け恒温恒湿室や、大型基板の試験に対応した高度加速寿命試験装置等を発売いたしました。また、経営課題であったカスタム製品の収益性は改善したものの、競争激化により中国市場の収益が悪化いたしました。サービス事業では、EV減速に伴う顧客の開発計画中止・遅れにより受託試験事業の収益が悪化いたしました。アフターサービス事業につきましては、技術料の見直しを行い、収益性の改善に努めました。新規事業では、サーマルソリューション事業として新製品・サービスを拡充いたしました。 b.財務資本戦略(財務資本戦略、IR戦略) 原材料在庫の圧縮や生産リードタイムの改善による仕掛品の圧縮により総資産の効率化を進めるとともに、成長投資と株主還元の両立を図ってまいりました。また、株主還元方針に基づき、2025年11月に自己株式の取得を決定するとともに、自己株式の消却に関する基本方針を制定いたしました。IR活動としましては、延べ199社(2024年度比1.3倍)のアナリスト・機関投資家と面談を実施いたしました。また、オンラインでの決算説明会や個人投資家向け会社説明会の実施、スポンサードリサーチレポートの発行等に取り組みました。 c.ESG(非財務戦略) 人的資本の取り組みとして、新しいビジョン実現型人事評価制度の運用を開始するとともに、「信託型従業員持株インセンティブ・プラン(E-Ship®)」及び当社従業員のうち経営補佐職層に対して自社の株式を給付するインセンティブプラン「株式給付信託(J-ESOP)」を導入いたしました。また、長期ビジョン「ESPEC Vision 2035」の発表会の開催や、役員と社員が対話するダイレクトコミュニケーションの実施等インターナルコミュニケーションを推進してまいりました。環境への取り組みとしては、第8次環境中期計画(2022~2025年度)を進めるとともに、第8次環境中期計画PlusⅡ(2026~2027年度)を策定いたしました。ガバナンスでは、BCPの再構築に着手するとともに人権方針を策定いたしました。 ④2026年度の経営方針・目標・重点戦略<経営方針>『筋肉質経営を軸に、収益構造を転換する突破フェーズ ―基盤強化に向けて構造的課題を解決し、成果につなげる―』 <目標> 売上高730億円、営業利益80億円、営業利益率11.0%、当期純利益58.8億円、ROE10.0% <重点戦略>a.事業戦略(装置事業戦略、グローバル戦略、モノづくり戦略、サービス事業戦略、新規事業戦略) ターゲット市場であるAI半導体分野では新製品の投入を進め、衛星通信分野では北米での生産能力を増強いたします。また、モノづくりの高効率化に向けて京都府の福知山工場のリノベーションを進めてまいります。受託試験事業では、電動化・自動運転モジュール、航空機器関連の受注拡大に取り組んでまいります。 b.財務資本戦略(財務資本戦略、IR戦略) 中期経営計画3年間のキャッシュアロケーション方針に基づき、株主還元を実施してまいります。IR活動としましては、株主・投資家との接点強化と対話の充実に努めてまいります。 c.ESG(非財務戦略) 人的資本の取り組みとして、2025年度に開始したビジョン実現型人事評価制度の運用定着や、インターナルコミュニケーションの強化に取り組んでまいります。また、第8次環境中期計画PlusⅡ(2026~2027年度)を推進してまいります。ガバナンスでは、サプライチェーンリスクを注視し、適切な対応を行ってまいります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループ(当社及び連結子会社)の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 当社は、企業理念「THE ESPEC MIND」の実践と長期ビジョンの実現に向けた事業活動により「経済的価値」「社会的価値」の創出と向上を図り、持続的成長を目指すサステナビリティ経営を推進しております。2021年度には、サステナビリティ方針を策定し、ステークホルダーのみなさまとのより良い価値交換を実現していくためのマテリアリティ(重要課題)を特定しております。2025年度の重要課題は、グローバルな事業を通じた社会課題解決、責任ある製品サービスの提供、環境への配慮、多様な人材の確保・育成、人権の尊重、デジタル技術の活用、グループガバナンスの強化の7つです。これらの課題を中期経営計画の各戦略に反映し、取り組んでまいります。なお、重要課題は、社会の変化に合わせて柔軟に見直しを行ってまいります。 (1)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、営業利益、営業利益率、当期純利益、ROEです。 当社は中期経営計画「PROGRESSIVE PLUS 2027」を推進してまいりましたが、初年度である2025年度は、受注高・売上高はターゲット市場を中心に堅調に推移したものの、装置事業における中国市場の競争激化や、EV減速に伴う受託試験事業の収益悪化等により、利益面につきましては期初計画を下回る結果となりました。このような事業環境の変化をふまえ、誠に遺憾ながら2027年度の目標を見直しました。ROE目標につきましては、財務資本戦略をさらに強化することとし、当初目標を据え置いております。なお、基本方針及び成長戦略の基本的な方向性に変更はございません。 中期経営計画「PROGRESSIVE PLUS 2027」の基本方針、2027年度目標、中期経営戦略につきましては、(2)②に記載しております。収益改善策を強化するとともに成長戦略を着実に実行し、「筋肉質で持続可能な高利益体質の確立」を目指してまいります。 (2)長期ビジョン及び中期経営計画①長期ビジョン「ESPEC Vision 2035」 当社は、長期ビジョン「ESPEC Vision 2035」として、10年後も環境試験業界において世界的トップランナーであり、当社の創業の精神であるプログレッシブを継承するとともにイノベーティブな発想・活動ができるエスペックグループを目指してまいります。<エスペックの姿> グローバルに最も頼られる存在へ ・環境試験の世界的トップランナー ・プログレッシブでイノベーティブなグループ ②中期経営計画「PROGRESSIVE PLUS 2027」(2025~2027年度)<基本方針> 『筋肉質で持続可能な高利益体質の確立』 質の向上と利益成長により「筋肉質な企業」となることで持続的な企業価値向上を目指す<ターゲット市場> AI半導体、自動運転、衛星通信<2027年度目標> 修正前 売上高700億円、営業利益105億円、営業利益率15.0%、当期純利益76億円、ROE12.0%以上 修正後 売上高760億円、営業利益91億円、営業利益率12.0%、当期純利益67億円、ROE12.0%以上 ※想定為替レート(米ドル)は145円としておりましたが、155円に変更しております。 <中期経営戦略>a.事業戦略(装置事業戦略、グローバル戦略、モノづくり戦略、サービス事業戦略、新規事業戦略) 装置事業ではターゲット市場であるAI半導体、自動運転、衛星通信分野の試験ニーズに、多彩な製品群やカスタム対応力、新製品開発によりお応えしてまいります。また、日本、米国、中国を重視するエリアとし、グループの総合力を活かしてグローバル市場での競争優位性を確立してまいります。さらに、京都府の福知山工場のリノベーションにより、省力化・自動化を推進し、モノづくりの高効率化に取り組んでまいります。サービス事業では、受託試験事業において「あいち次世代モビリティ・テストラボ」を中心に収益改善を図ってまいります。アフターサービス事業では、IT・デジタル技術の活用により、装置の遠隔監視等、顧客の課題を解決するサービスを提供してまいります。あわせて、将来の収益の柱となる新たな事業創出を目指し、CAE(Computer Aided Engineering)に関連したサーマルソリューションサービスや食品機械事業の拡大に取り組んでまいります。 b.財務資本戦略(財務資本戦略、IR戦略) 財務資本戦略では、総資産の効率化に取り組むとともに、資本効率を意識したバランスシート・マネジメントとして、事業リスクや成長投資に必要な自己資本水準を見極めたうえで自己資本比率が70%以内になるようコントロールしてまいります。また、成長投資や企業価値向上に向けて、必要に応じて負債を活用する等、財務の健全性と資本効率の両立を図ってまいります。あわせて、中期経営計画3年間のキャッシュアロケーション方針に基づき、株主還元を積極的に行ってまいります。IR戦略では、株式市場での評価向上及び経営強化に向けて、株主・投資家との対話の充実に取り組んでまいります。 c.ESG(非財務戦略) 人的資本の最大化の取り組みとして、経営の基盤となる人・組織の力を高めてまいります。人材の獲得と育成の両面での取り組みを強化するとともに、オープンなコミュニケーションを促進し、従業員の働きがいの創出とエンゲージメントの向上を図ってまいります。環境への取り組みとしては、第8次環境中期計画PlusⅡ(2026~2027年度)のもと、地球温暖化対策と生物多様性保全活動を引き続き推進してまいります。また、グループガバナンスやリスクマネジメントの強化に取り組んでまいります。 ③2025年度の主な取り組みa.事業戦略(装置事業戦略、グローバル戦略、モノづくり戦略、サービス事業戦略、新規事業戦略) 装置事業では、日本や東南アジア、台湾ではAI半導体分野、北米では衛星通信分野の開拓が進むとともに、ターゲット市場向け新製品としてAIサーバー向け恒温恒湿室や、大型基板の試験に対応した高度加速寿命試験装置等を発売いたしました。また、経営課題であったカスタム製品の収益性は改善したものの、競争激化により中国市場の収益が悪化いたしました。サービス事業では、EV減速に伴う顧客の開発計画中止・遅れにより受託試験事業の収益が悪化いたしました。アフターサービス事業につきましては、技術料の見直しを行い、収益性の改善に努めました。新規事業では、サーマルソリューション事業として新製品・サービスを拡充いたしました。 b.財務資本戦略(財務資本戦略、IR戦略) 原材料在庫の圧縮や生産リードタイムの改善による仕掛品の圧縮により総資産の効率化を進めるとともに、成長投資と株主還元の両立を図ってまいりました。また、株主還元方針に基づき、2025年11月に自己株式の取得を決定するとともに、自己株式の消却に関する基本方針を制定いたしました。IR活動としましては、延べ199社(2024年度比1.3倍)のアナリスト・機関投資家と面談を実施いたしました。また、オンラインでの決算説明会や個人投資家向け会社説明会の実施、スポンサードリサーチレポートの発行等に取り組みました。 c.ESG(非財務戦略) 人的資本の取り組みとして、新しいビジョン実現型人事評価制度の運用を開始するとともに、「信託型従業員持株インセンティブ・プラン(E-Ship®)」及び当社従業員のうち経営補佐職層に対して自社の株式を給付するインセンティブプラン「株式給付信託(J-ESOP)」を導入いたしました。また、長期ビジョン「ESPEC Vision 2035」の発表会の開催や、役員と社員が対話するダイレクトコミュニケーションの実施等インターナルコミュニケーションを推進してまいりました。環境への取り組みとしては、第8次環境中期計画(2022~2025年度)を進めるとともに、第8次環境中期計画PlusⅡ(2026~2027年度)を策定いたしました。ガバナンスでは、BCPの再構築に着手するとともに人権方針を策定いたしました。 ④2026年度の経営方針・目標・重点戦略<経営方針>『筋肉質経営を軸に、収益構造を転換する突破フェーズ ―基盤強化に向けて構造的課題を解決し、成果につなげる―』 <目標> 売上高730億円、営業利益80億円、営業利益率11.0%、当期純利益58.8億円、ROE10.0% <重点戦略>a.事業戦略(装置事業戦略、グローバル戦略、モノづくり戦略、サービス事業戦略、新規事業戦略) ターゲット市場であるAI半導体分野では新製品の投入を進め、衛星通信分野では北米での生産能力を増強いたします。また、モノづくりの高効率化に向けて京都府の福知山工場のリノベーションを進めてまいります。受託試験事業では、電動化・自動運転モジュール、航空機器関連の受注拡大に取り組んでまいります。 b.財務資本戦略(財務資本戦略、IR戦略) 中期経営計画3年間のキャッシュアロケーション方針に基づき、株主還元を実施してまいります。IR活動としましては、株主・投資家との接点強化と対話の充実に努めてまいります。 c.ESG(非財務戦略) 人的資本の取り組みとして、2025年度に開始したビジョン実現型人事評価制度の運用定着や、インターナルコミュニケーションの強化に取り組んでまいります。また、第8次環境中期計画PlusⅡ(2026~2027年度)を推進してまいります。ガバナンスでは、サプライチェーンリスクを注視し、適切な対応を行ってまいります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。 ①経営成績の状況 当連結会計年度の当社グループの事業環境につきましては、中期経営計画のターゲット市場としているAI半導体分野では、主に日本、東南アジア、台湾において電子部品・電子機器の試験需要が堅調に推移いたしました。衛星通信分野では、北米において低軌道衛星を運用する民間企業からの試験需要が大幅に拡大いたしました。一方、自動車関連につきましては、EV・バッテリー向けを中心に試験需要が大幅に減少いたしました。 当連結会計年度の経営成績につきましては、受注高は北米、東南アジアが好調に推移し、前連結会計年度比で7.5%増加の72,596百万円、売上高は日本、北米、東南アジアが好調に推移し、4.1%増加の70,034百万円となり、いずれも過去最高を更新いたしました。利益面につきましては、カスタム製品の利益率改善は進んだものの、中国市場や受託試験サービスの収益悪化に加え、主に受注高の伸長に伴う販管費の増加により、営業利益は前連結会計年度比で5.9%減少し、7,084百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては前連結会計年度比で2.1%減少し、5,879百万円となりました。また、ROE(自己資本当期純利益率)は10.0%となりました。 前連結会計年度(第72期)(百万円)当連結会計年度(第73期)(百万円)対前期増減率(%)受注高67,51472,5967.5売上高67,28870,0344.1営業利益7,5267,084△5.9経常利益7,7937,473△4.1親会社株主に帰属する当期純利益6,0035,879△2.1 セグメント別の状況につきましては、次のとおりであります。 当連結会計年度のセグメント別業績 受注高(百万円)売上高(百万円)営業利益(百万円)装置事業62,21659,4686,606サービス事業8,2948,327228その他事業2,5292,747239連結消去△442△50710計72,59670,0347,084 装置事業 前連結会計年度(第72期)(百万円)当連結会計年度(第73期)(百万円)対前期増減率(%)受注高57,28362,2168.6売上高57,50759,4683.4営業利益6,6106,606△0.1 サービス事業 前連結会計年度(第72期)(百万円)当連結会計年度(第73期)(百万円)対前期増減率(%)受注高8,5328,294△2.8売上高8,4258,327△1.2営業利益793228△71.2 その他事業 前連結会計年度(第72期)(百万円)当連結会計年度(第73期)(百万円)対前期増減率(%)受注高2,1702,52916.5売上高1,7582,74756.3営業利益12623988.7 ②財政状態の状況 当連結会計年度末における総資産は82,922百万円となり、前連結会計年度末と比べ7,074百万円の増加となりました。 負債は21,521百万円で前連結会計年度末と比べ2,367百万円の増加となりました。 純資産は61,401百万円で前連結会計年度末と比べ4,707百万円の増加となりました。 これらの結果、自己資本比率は74.0%と前連結会計年度末と比べ0.7ポイントの減少となりました。 ③キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローの増加5,052百万円、投資活動によるキャッシュ・フローの減少273百万円、財務活動によるキャッシュ・フローの減少3,880百万円、現金及び現金同等物に係る換算差額の増加1,032百万円等により、期首時点に比べ1,929百万円増加し、当連結会計年度末には14,695百万円となりました。 ④生産、受注及び販売の実績 当連結会計年度における生産実績、受注実績及び販売実績は、次のとおりであります。a.生産実績セグメントの名称生産高(百万円)対前期増減率(%)装置事業55,6415.2サービス事業72△15.2その他事業--合計55,7145.1(注) 上記金額は販売価格によっております。 b.受注実績セグメントの名称受注高(百万円)対前期増減率(%)受注残高(百万円)対前期増減率(%)装置事業62,2168.628,18710.8サービス事業8,294△2.81,730△1.9その他事業2,52916.5424△33.9計73,0397.430,3429.0消去△442△6.3△33△65.9合計72,5967.530,3099.2 c.販売実績セグメントの名称販売高(百万円)対前期増減率(%)装置事業59,4683.4サービス事業8,327△1.2その他事業2,74756.3計70,5424.2消去△50725.8合計70,0344.1 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において判断したものであります。 ①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績 当連結会計年度の事業環境といたしましては、中期経営計画のターゲット市場であるAI半導体分野では、主に日本、東南アジアにて電子部品や半導体向けの試験需要が堅調に推移するとともに、台湾にてAIサーバー関連の受注を獲得いたしました。また、衛星通信分野では、北米にて低軌道衛星の試験需要が大幅に拡大し、受注高は5期連続で過去最高を更新いたしました。当社グループの取り組みといたしましては、装置事業では、ターゲット市場向けの新製品として、AIサーバー向け恒温恒湿室や大型基板の試験に対応した高度加速寿命試験装置等を発売いたしました。また、モノづくりの高効率化に向けて、京都府の福知山工場のリノベーション計画を策定いたしました。サービス事業では、受託試験サービスにおいて、「あいち次世代モビリティ・テストラボ」を中心に販売拡大に取り組みましたが、EV減速に伴う顧客の開発計画中止・遅れにより収益が悪化いたしました。新規事業では、サーマルソリューション事業として新製品・サービスを拡充いたしました。 当連結会計年度の経営成績といたしましては、装置事業及びその他事業が好調に推移し、受注高は前連結会計年度比で7.5%増加の72,596百万円、売上高は前連結会計年度比で4.1%増加の70,034百万円となりました。売上原価につきましては、前連結会計年度比で5.6%増加し45,739百万円となりました。原価率といたしましては、カスタム製品の利益率改善は進んだものの、中国市場及び受託試験サービスの収益悪化により、65.3%と前連結会計年度比で0.9ポイント悪化いたしました。販売費及び一般管理費につきましては、受注高の伸長に伴う人件費や活動経費の増加等により、17,210百万円(前連結会計年度比750百万円の増加)となりました。これらの結果、利益面につきましては、前連結会計年度比で営業利益は5.9%減少し7,084百万円、経常利益は4.1%減少し7,473百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、政策保有株式の売却に伴う特別利益の計上により、2.1%減少の5,879百万円となりました。 b.セグメントごとの経営成績<装置事業> 環境試験器につきましては、国内市場では、EV・バッテリー向け投資の一服感により前連結会計年度比で受注高・売上高ともに減少いたしました。海外市場におきましては、北米、東南アジアの受注高が前連結会計年度比で大幅に増加いたしました。一方で、大型製品や複数台一括といった長納期案件が多かったことに加え、経済減速に伴う欧州、韓国の販売減少により、売上高は前連結会計年度並みとなりました。なお、中国については、デフレ経済の影響による競争激化はあったものの、受注高・売上高は前連結会計年度並みとなりました。 エナジーデバイス装置につきましては、EVバッテリー向け投資の一巡により前連結会計年度比で受注高・売上高ともに減少いたしました。 半導体関連装置につきましては、受注高は前連結会計年度比で減少いたしましたが、売上高はAIサーバー用電子部品向け一括案件の売上計上により大幅に増加いたしました。 こうした結果、装置事業全体では、前連結会計年度比で受注高は8.6%増加し62,216百万円、売上高は3.4%増加し59,468百万円となりました。一方、利益面につきましては、カスタム製品の利益率改善は進んだものの、中国市場において競争激化により収益性が低下いたしました。さらに、受注高の伸長に加え、環境配慮型製品やターゲット市場向け製品の開発に伴う研究開発費の拡大等により販管費が増加し、営業利益は前連結会計年度並みの6,606百万円となりました。 <サービス事業> アフターサービス・エンジニアリングにつきましては、予防保全サービス・修理サービスともに堅調に推移し、前連結会計年度比で受注高・売上高ともに増加いたしました。 受託試験・レンタルにつきましては、受託試験サービスにおいてEV需要減速に伴う顧客の投資抑制や開発計画変更の影響を受け、前連結会計年度比で受注高・売上高ともに減少いたしました。 こうした結果、サービス事業全体では、前連結会計年度比で受注高は2.8%減少し8,294百万円、売上高は1.2%減少し8,327百万円となりました。利益面につきましては、アフターサービスにおいて技術料の見直しを行い、収益性の改善に取り組んだものの、受託試験サービスの減収及び減価償却費の増加により、71.2%減少の228百万円と大幅に減少いたしました。 <その他事業> 環境保全事業及び植物育成装置事業を中心とするその他事業では、植物工場の大型案件の受注を獲得するとともに、緑地の改修工事に関する案件を獲得いたしました。 こうした結果、前連結会計年度比で受注高は16.5%増加し2,529百万円、売上高は56.3%増加し2,747百万円となりました。利益面につきましては、増収により88.7%増加の239百万円と大幅に増加いたしました。 ②財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容 当連結会計年度末における総資産は82,922百万円となり、前連結会計年度末と比べ7,074百万円の増加となりました。これは主に売上高の増加に伴う売上債権(受取手形、売掛金及び契約資産並びに電子記録債権)の増加3,560百万円、現金及び預金の増加1,928百万円、保有株式の時価上昇による投資有価証券の増加924百万円等によるものであります。 負債は21,521百万円で前連結会計年度末と比べ2,367百万円の増加となりました。これは主に、契約負債の増加990百万円、繰延税金負債の増加596百万円、信託型従業員持株インセンティブ・プラン(E-Ship®)導入等に伴う長期借入金の増加305百万円等によるものであります。 純資産は61,401百万円で前連結会計年度末と比べ4,707百万円の増加となりました。これは主に、当連結会計年度において親会社株主に帰属する当期純利益が5,879百万円計上された一方、配当金として2,323百万円が剰余金処分されたこと等による利益剰余金の増加3,551百万円、企業環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行及び株主還元策の一環による自己株式の取得等による減少2,099百万円、為替換算調整勘定の増加1,905百万円、その他有価証券評価差額金の増加803百万円等によるものであります。 これらの結果、自己資本比率は74.0%と前連結会計年度末と比べ0.7ポイントの減少となりました。 ③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローによる資金の増加5,052百万円、投資活動によるキャッシュ・フローの減少273百万円、財務活動によるキャッシュ・フローの減少3,880百万円、現金及び現金同等物に係る換算差額の増加1,032百万円等により、期首時点に比べ1,929百万円増加し、当連結会計年度末には14,695百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は5,052百万円(前年同期は、4,445百万円の資金の収入)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益8,077百万円の計上による資金の収入、売上高の増加に伴う売上債権の増加による資金の支出2,626百万円、法人税等の支払による資金の支出2,081百万円、減価償却費の計上1,960百万円等によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は273百万円(前年同期は、1,154百万円の資金の支出)となりました。これは主に有形及び無形固定資産の取得による支出1,406百万円、投資有価証券の売却による収入1,065百万円等によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は3,880百万円(前年同期は、7,245百万円の資金の支出)となりました。これは主に企業環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行及び株主還元策の一環による自己株式の取得等による支出2,751百万円、配当金の支払額2,316百万円、信託型従業員持株インセンティブ・プラン(E-Ship®)及び株式給付信託(J-ESOP)の導入に伴う自己株式の処分等による収入960百万円等によるものであります。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、運転資金及び設備資金を自己資金で賄うことを基礎としておりますが、必要に応じて銀行借入により資金調達しております。 また、運転資金の効率的な調達を行うため、当連結会計年度末において複数の機関との間で合計3,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております(借入実行残高-百万円、借入未実行残高3,000百万円)。 事業活動における運転資金需要の主なものは、当社製品の製造に係る原材料費、労務費、外注加工費等の製造費用、各事業についての販売費及び一般管理費等があります。また、設備資金需要としては、製造用設備やレンタル用設備、受託試験用設備への投資に加え、情報処理のためのソフトウエアへの投資等があります。 ④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって適用した重要な見積りの方法につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

事業リスク

  • 主要顧客の業績変動
    エスペックの主要顧客は電子部品・電子機器メーカーや自動車関連メーカーであり、これらの業界の設備投資動向や景気変動が、同社の業績に大きく影響します。特に、EV市場の減速など、特定の業界の動向が収益を悪化させる可能性があります。
  • 海外市場での競争激化
    国内市場は成熟しているため、成長は海外市場の業績に左右されます。欧米の競合メーカーに加え、中国や台湾の低価格メーカーとの競争が激化しており、これが同社の業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 災害・感染症・地政学リスク
    海外売上高比率が50.9%と高いため、事業を展開する国や地域での自然災害、感染症の流行、戦争、テロ、政情不安などが、サプライチェーンの混乱や事業活動の停止を引き起こし、業績に大きな影響を与える可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,491 文字
3【事業等のリスク】 当社は、リスク管理委員会を設置し、内部統制システム委員会と一体で運用し、サステナビリティ推進本部と連携することでリスク管理の徹底を図っております。リスク管理委員会はリスクについて影響の高さと対策状況に応じて4つの象限に分類し評価を行っております。また、象限ごとに対応方針を決定し、主管部門の活動に反映しております。有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性のある主要なリスクは、以下のとおりであります。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。なお、当社におけるマテリアリティ(重要課題)につきましては、「第2 事業の状況 2サステナビリティに関する考え方及び取組(1)サステナビリティ全般に関する考え方及び取組 ②戦略」に記載のとおりであります。(1)業績変動のリスク 当社は、電子部品・電子機器及び自動車関連メーカーを主要顧客としており、当社の業績は、これらの業界の業績や設備投資動向の影響を強く受けます。景気変動の影響等により主要顧客の設備投資が低調に推移した場合は、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また当社は、国内市場において高い市場シェアを持っておりますが、国内市場は成熟市場であるため当社の成長は、海外市場での業績に左右されます。高い市場シェアを持つ欧米の環境試験器メーカーや低価格を武器に市場参入を図る中国、台湾メーカーとの競争が当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社におきましては、これらの業績変動リスクの緩和と次代の成長を図るため、海外市場のさらなる拡大と中期経営計画に基づき新たな収益基盤となるサーマルソリューションサービスや食品機械事業の拡大に取り組んでおります。 (2)災害、感染症、戦争等に係るリスク 当社の2025年度における連結売上高に占める海外売上高比率は50.9%と高い水準となっております。事業を展開する国や地域において、大規模な自然災害、重大な感染症の流行、戦争、テロ、政情不安等の予見困難な社会的混乱が発生する事態になった場合、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社の主要な製造拠点、研究開発拠点は国内にあり、これらの主要な施設が地震や台風等の自然災害により甚大な損害を被った場合は事業運営が困難になるだけでなく、施設の修復又は建て直しのために巨額の費用が発生する可能性があります。当社が直接被害を受けない場合でも、電力等のインフラの供給が制限されたり、サプライヤーから必要な部品、素材等の供給が受けられない等の間接的な影響により、事業活動に大きな支障が生じる可能性があります。当社におきましては、非常事態が発生した場合又は発生が予想される場合には、危機対応規定に基づき、当社及び関係者が被る損失を最小限にとどめるよう迅速な情報伝達と適切な対処、誠意ある対応を行っております。 (3)輸出規制に伴うリスク 当社商品の輸出及び技術の提供に関しては、外国為替及び外国貿易法、米国輸出管理規則(EAR)等、国内外の輸出管理関連法令の影響下にあります。また、最終需要者等を通じて、懸念国や懸念需要者に大量破壊兵器又は通常兵器等の開発用として転用される可能性もあります。これらのことにより、当社の商品、技術が予期せぬ第三者、用途で使用され、結果として当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社におきましては、最新の法規制を遵守すべく、輸出管理本部を主体として、商品の仕様、仕向地、最終需要者、用途、取引経路等を把握しております。 (4)サプライヤーへの依存、原材料の調達及び価格高騰に伴うリスク 当社は、多種の部品や素材を複数のサプライヤーから購入しております。また、生産量の変化への対応と多様な生産技術を効率よく獲得するため、複数の外注加工業者を活用しております。サプライヤー、外注加工業者の倒産や事業撤退等により供給が停止した場合は生産に問題が生じる可能性があります。また、サプライヤーの責により、欠陥の内在する部品が混入した場合、生産の大幅な遅れや、最悪の場合には納品後の製品に対する対応等のために多額の費用が必要になる可能性があります。また、当社製品の原材料は、主にステンレス、鉄、銅、アルミニウム等の金属材料及び断熱材、樹脂等の化学材料であり、それらの仕入価格は国際市況の影響を受けます。世界的な半導体、電子部品等の不足による調達遅延や、原材料価格が高騰した場合、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社におきましては、サプライヤー及び外注加工業者に対し、厳重な取引先管理を実施し、品質保証、生産管理、環境管理体制、安定調達を目指したサプライチェーンの評価や指導を行い、相互の信頼関係の醸成に努めております。 (5)業務提携、企業買収等に伴うリスク 当社は、事業領域の拡大のため、業務、資本提携や企業買収等を実施することがあります。事前調査で把握できなかった問題が生じた場合や、事業環境の変化等により当初想定した効果が得られない場合、のれんの減損処理等によって当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社におきましては、これらの意思決定に際しては、対象となる企業の事業内容や財務内容、取引関係等について詳細な事前審査を実施し、十分にリスクを検討しております。 (6)情報セキュリティ事故に伴うリスク 当社は、業務を遂行するうえで個人情報や機密情報を取り扱うことがあります。情報漏洩等の情報セキュリティ事故が発生した場合、当社の社会的信用やブランドイメージの低下等によって当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社におきましては、情報セキュリティマネジメントシステムの国際認証規格「ISO27001」に基づき情報資産の管理を徹底しております。 (7)環境規制に伴うリスク当社の主力製品である環境試験器は、使用時のエネルギー消費に起因して温室効果ガスを排出するほか、冷凍機の冷媒としてフロンを使用しています。脱炭素社会への移行に伴い、省エネルギー規制や温室効果を有する冷媒ガスの使用・排出規制等の環境規制がさらに強化される場合、規制に適合するためにコストが増加する可能性があります。また、これらの規制に対応ができない場合や遅れが生じる場合には、製品の販売に支障が出るなど当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社におきましては、「地球温暖化対策」をマテリアリティ(重要課題)の一つと位置づけ、省エネ製品や低GWP(地球温暖化係数)のフロン冷媒を搭載した製品の開発・提供や、100%再生可能エネルギーによる受託試験サービスの提供等に取り組んでおります。 (8)人材の確保・育成に係るリスク当社が企業競争力を維持・強化していくためには、事業運営に必要な有能な人材を確保・育成する必要があります。労働市場の流動化や国内における労働人口の減少が進むなか、人材の獲得競争は激化しています。当社が有能な人材を確保・育成できない場合や、人材流出を防止できない場合には、事業運営への影響、技術・ノウハウの社外流出など、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社におきましては、多様な人材の獲得に向けた採用活動を積極的に行うとともに、従業員エンゲージメントの向上に向けて、企業文化の良質化や、多彩な「成長支援」と「活躍機会の提供」、多様なワークスタイルに対応する環境の整備等に取り組んでおります。 (9)グループガバナンス及びコンプライアンスに係るリスク当社は、国内外に複数の子会社を有し、グローバルにビジネスを展開しております。グループでの統治が十分に機能せず、役員や従業員によるコンプライアンス違反や倫理違反等が発生した場合、社会的信用やブランドイメージの低下、損害賠償請求等によって当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社におきましては、グループでの内部統制を整備するとともに、エスペックグループに所属するすべての役員・従業員が遵守する「エスペック行動憲章・行動規範」の教育・徹底に取り組んでおります。また、各種コンプライアンス研修の実施や、コンプライアンス通報窓口(社内・社外)の設置・運用等、継続的にコンプライアンスの強化を図っております。

このページのバフェット流コメンタリーは順次自動生成中です。生成されると、ここに「数値の読み解き方」「同業比較」「投資判断のポイント」を表示します。

もっと深く分析したい?

モート先生 AI が エスペック の事業を 4 賢人の理論で詳しく解説します

モート先生に聞く →