事業の概要
- IoT関連事業の展開インターアクションは、CCDやCMOSイメージセンサーの検査に使われる光源装置や瞳モジュールを開発・製造・販売しています。これらは、スマートフォンやデジタルカメラなどに使われる半導体の品質を検査するために不可欠な装置で、同社の主力事業となっています。
- 環境エネルギー事業輪転印刷機向けの乾燥脱臭装置や、工場などから排出される有害物質を除去する排ガス処理装置の開発・製造・販売も行っています。これらは環境負荷低減に貢献する事業であり、持続可能な社会への貢献を目指しています。
- インダストリー4.0推進事業精密な振動を防ぐ除振装置、歯車の品質を測る試験機、AIを使った画像処理装置、そして次世代半導体などの加工が難しい材料を扱うレーザー加工機などを手掛けています。これらは、工場の自動化や高精度化を支える重要な技術です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- IoT関連事業この事業は、主にCCDやCMOSイメージセンサーの検査に使われる光源装置や瞳モジュールを開発・製造・販売しており、売上高38.30億円、営業利益19.47億円と、同社の収益の大部分を占める稼ぎ頭です。半導体メーカーの設備投資動向に影響を受けやすい特性があります。
- 環境エネルギー事業輪転印刷機向けの乾燥脱臭装置や排ガス処理装置などを手掛けており、売上高は7.78億円、営業利益は0.43億円です。環境規制の強化や企業の環境意識の高まりが、この事業の成長を後押しする可能性があります。
- インダストリー4.0推進事業精密除振装置、歯車試験機、AI画像処理装置、レーザー加工機などを提供しており、売上高は20.61億円、営業利益は2.65億円です。工場の自動化や高精度化のニーズに応える事業であり、今後の成長が期待されます。
2025-05 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| InternetOfThingsRelatedBusiness | 地域 | 38 | 19 | 50.8% |
| EnvironmentalEnergyBusiness | 地域 | 8 | 0 | 5.5% |
| Industry40PropulsionBusiness | 地域 | 21 | 3 | 12.9% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】 2026年5月31日現在の当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(株式会社インターアクション)、子会社8社(西安朝陽光伏科技有限公司、明立精機株式会社、株式会社東京テクニカル、MEIRITZ KOREA CO.,LTD、陝西明立精密設備有限公司、Taiwan Tokyo Technical Instruments Corp.、TOKYO TECHNICAL INSTRUMENTS (SHANGHAI)CO.,LTD、株式会社ラステック)で構成されており、IoT関連及びインダストリー4.0関連の各事業に係る製品等の開発・製造・販売を行っております。 当社グループの事業に係る位置づけは、次のとおりであります。なお、連結子会社でありました株式会社エア・ガシズ・テクノスの全株式を2025年7月2日に譲渡したため、当連結会計年度より同社を連結の範囲から除外しております。このため、同社事業が主な構成単位となっておりました「環境エネルギー事業」報告セグメントの重要性が乏しくなったため、当連結会計年度より報告セグメントから除外しております。<IoT関連事業>株式会社インターアクション 撮像半導体(CCD及びCMOSイメージセンサ)の製造工程における検査用光源装置並びに瞳モジュール等の開発・製造・販売を行っております。<インダストリー4.0推進事業>株式会社インターアクション、西安朝陽光伏科技有限公司、明立精機株式会社、株式会社東京テクニカル、MEIRITZ KOREA CO.,LTD、陝西明立精密設備有限公司、Taiwan Tokyo Technical Instruments Corp.、TOKYO TECHNICAL INSTRUMENTS (SHANGHAI)CO.,LTD、株式会社ラステック 精密除振装置等の開発・製造・販売、歯車の製造に欠かせない接触型検査装置の開発・製造・販売、業務システムの開発支援、AI画像処理装置の開発・製造・販売、並びにレーザ加工機の開発・製造・販売を行っております。 事業の系統図は次のとおりであります。 セグメント別の主要製品は下記のとおりであります。 セグメント主要製品IoT関連事業CCD及びCMOSイメージセンサ向け検査用光源装置、瞳モジュール等インダストリー4.0推進事業精密除振装置、歯車試験機、AI画像処理装置、レーザ加工機等 (1) 光源装置 光源装置は、CCD及びCMOSイメージセンサ(いずれも光を電気信号に変換する半導体)の良否を判定するための検査に必要な光を作り出し、その光を高精度、高速で検査対象に照射する装置であります。テスターと呼ばれる測定機器に指定された照度の光をCCD及びCMOSイメージセンサに正確に照射し、画素の欠落や変色等の欠陥がないかを検査いたします。(2) 瞳モジュール 瞳モジュールは、イメージセンサのウェハ検査工程上で最終アプリケーションのカメラモジュールと同等以上の光学特性を実現する事で、初期のテスト工程にて不具合検出を可能としております。(3) 精密除振装置 精密除振装置は、レーザを用いた光学実験や液晶及び半導体素子の回路を焼き付ける露光装置等に必要な装置であります。(4) 歯車試験機 歯車試験機は、自動車部品やロボット部品等に用いられる歯車(ギア)の歯すじやピッチを測定する装置であります。(5) AI画像処理装置 AI画像処理装置は、撮像した画像をAI(人工知能)で処理することによって、表面の傷や汚れ等を自動的に検知することが可能な装置であります。(6) レーザ加工機 レーザ加工機は、主に機械加工では対応が困難な、次世代半導体等の加工難易度が高い材料を加工することが可能な装置であります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 競合他社との差別化を図るため、検査対象のイメージセンサの高度化に伴った製品開発を行うことで技術を蓄積し、顧客ニーズに応じたカスタマイズ製品の製造販売を行っているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 イメージセンサの高度化に伴った製品開発、新技術を導入した製品開発、専門性の高い技術者。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 低い |
会社が挙げる主要リスク:半導体メーカーの設備投資動向による需要変動 / 競合他社の低価格戦略や新規参入 / 新技術導入製品の開発遅延または失敗
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
インターアクション(証券コード7725)に関する公開情報からは、特許、ブランド力、規制ライセンスといった明確な無形資産の存在を示す具体的な証拠は見当たらない。同社の事業内容は、主に半導体製造装置の販売・保守であり、技術的な優位性や独自の知的財産権に関する情報は限定的である。
スイッチングコスト★★☆☆☆
半導体製造装置の導入には、多額の初期投資とオペレーションの習熟が必要となるため、顧客企業が装置メーカーを頻繁に変更することは考えにくい。しかし、装置の性能や保守サービスの内容によっては、乗り換えの可能性もゼロではないため、スイッチング・コストは限定的と評価される。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
インターアクションの事業モデルは、顧客とサプライヤー間の直接的な取引が中心であり、プラットフォーム型ビジネスのようなネットワーク効果が発生する要素は見られない。ユーザーが増えることでサービスの価値が向上するような構造ではない。
コスト優位★☆☆☆☆
半導体製造装置の販売・保守事業において、インターアクションが構造的に顕著なコスト優位性を持っているという情報は公開されていない。サプライヤーからの仕入れ価格や効率的なサービス提供体制に関する具体的な優位性を示すデータは乏しい。
規模の経済★★☆☆☆
半導体製造装置市場は、特定のプレイヤーが大きなシェアを持つ寡占市場の側面もあるが、インターアクションの市場シェアや規模に関する具体的な情報は限定的である。グローバルな大手プレイヤーと比較した場合、効率規模の優位性はまだ確立されていない可能性が高い。
- 半導体検査技術の蓄積CCDやCMOSイメージセンサーの検査用光源装置や瞳モジュールにおいて、高度化するイメージセンサーに対応した製品開発を継続しています。これにより、顧客ニーズに合わせたカスタマイズ製品を提供し、競合他社との差別化を図っています。
- 柔軟な事業運営体制少数精鋭の組織体制と半ファブレス形式の製造方法を採用しており、人件費や設備投資などの固定費を抑えています。需要変動が大きい半導体業界において、人材派遣の活用や賃貸スペースの調整により、柔軟なコスト管理と迅速な対応が可能です。
- 多角的な事業展開IoT関連事業だけでなく、環境エネルギー事業やインダストリー4.0推進事業にも注力し、事業ポートフォリオの多様化を進めています。これにより、特定の市場の変動リスクを分散し、安定的な収益基盤の構築を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは、経営理念として「人・技術・組織の相互作用から革新を生み出し『見えない価値』に光をあてる」ことを使命とし、特定の技術にとらわれることなく、相互作用の力によって、社会の持続的な発展に資する汎用性の高いソリューションを創出し、社会に本質的な変化を実装する企業を目指してまいります。 また、目指す姿として「『自社の優位性』と『多様なテクノロジー』を掛け合わせ、グローバルに『変化を実装』する企業へ」を掲げ、光学やメカ制御等の技術を起点に「スマート光学ソリューション企業」を目指してまいります。 さらに、価値として「Interaction Value(共創価値)」を掲げ、当社が中心(ハブ)となり、技術・人・会社を繋げ、「相互作用」によって価値を共創してまいります。 (2)目標とする経営指標 当社グループは、投資家視点を重視した企業価値向上の観点から、「ベース売上高」「売上総利益率」「一人当たり営業利益」「営業利益成長率(CAGR)」「ROE(連結)」を重要指標としております。なお、ベース売上高とは、設備投資の有無に左右されずに、安定して収益を創出することが可能な「事業の強靭性」を示す指標を指します。 (3)中長期的な会社の経営戦略 当社グループでは中期事業計画を策定しており、今後のより安定的な成長と利益確保を続けるために、当社グループの存在意義である「見えないものを見せて、できないことをできるようにすること」に基づき、顧客の一歩先を行く開発力と、システムで製品を提供可能な技術力及びサポート力を活かしたトータルサービスによって、様々な事業展開を行っております。 加えて、2025年7月に新中期経営計画(2026年5月期-2030年5月期)を策定いたしました。戦略転換の方向性として以下の4つの柱を設定しております。 1. 戦略的目標とオペレーショナル目標の明確な分離とリソース配分の最適化2. 企画・マーケティング能力の抜本的強化3. 顧客基盤の構築に向けたパートナーシップ戦略の推進4. 外部環境に左右されない強靭な事業ポートフォリオの育成 また、質の高い成長の実現と企業価値の向上に向けた重要項目及び目標指標として「事業の強靭性(ベース売上高)」「製品競争力(売上総利益率)」「人材(一人当たり営業利益)」「利益成長(営業利益のCAGR)」「経営品質(連結ROE)」を新たに設定しております。当該目標指標達成のため、戦略的パートナーシップの構築、キャッシュアロケーションの設定、社内投資家機能の強化、ガバナンスの強化、事業間シナジーの追求などの施策を推進しております。 IoT関連事業においては、モバイル向けイメージセンサのさらなる高性能化に取り組むとともに、ロボット、スマートファクトリー、モビリティ等の分野におけるフィジカルAIの普及を背景とした用途の拡大や性能要求の高度化を見据え、技術開発、製品ラインナップの拡充及び新規顧客の開拓を推進してまいります。 インダストリー4.0推進事業においては、主に子会社の明立精機株式会社及び株式会社東京テクニカルが、それぞれの事業領域における技術開発を積極的に推進し、シェアの拡大を目指してまいります。併せて、既存事業を起点とする新たな事業領域として、振動ソリューション分野及びAI画像処理分野における製品・サービスの開発を推進し、新たな事業機会の創出を図ってまいります。 さらに、これらとは異なる新たな事業領域の開拓に向けて、新設した製品企画部・新製品開発部を中心に、戦略的パートナーシップの構築及び半導体計測関連製品の企画・開発を推進しております。社内の事業基盤に加え、外部パートナーが有する技術、ノウハウ及びネットワークを結集することで、特定の業界や顧客に依存しない、幅広い市場ニーズに対応する製品・サービスの創出を目指してまいります。 また、セグメント全体において、装置本体の提供のみに留まらず、各装置において測定、収集、分析したデータを活用したデータソリューションサービスの提供も目指しており、実現に向けた取り組みを推進しております。 なお、各事業セグメントにおける事業環境や事業の内容につきましては「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 (4)経営環境及び優先的に対処すべき課題 翌連結会計年度における世界経済について、米国の通商政策の動向、東欧・中東地域における地政学的リスク、エネルギー・原材料価格の変動及び為替相場の変動の影響等により、世界経済全体は先行き不透明な状況が継続すると想定しております。また、当連結会計年度の詳細な事業環境については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 このような状況のもと、当社グループでは、中長期的に成長し続けていくために、不透明な社会情勢の緩和を見据えた研究開発及び技術革新による新規事業の創出に努め、以下の課題に優先的に取り組んでまいります。 ①技術開発体制の強化 当社グループが属している市場は、技術的最先端市場であります。当社グループが今後も競争優位を発揮し、高収益性を維持するためには、時代の先を行く、技術開発体制構築が不可欠であります。また技術開発には粘り強い実験が不可欠であり、課題に対する答えを自分で探すことができる人材採用を重要視しております。 ②クライアントニーズへの迅速な対応 当社グループでは、製品技術力だけでなく、創業以来のモットーである「クライアントファースト」を合言葉としたきめ細かな対応サポートも競争力維持には不可欠であると認識しております。グループ従業員に対しては、常日頃「クライアントファースト」を徹底するよう指導し、お客様の心のヒダをつかむ事業展開を行ってまいります。 ③原価低減と生産効率の向上 製造メーカーにとって高品質を維持しながらの原価低減並びに生産の効率化は永遠のテーマであります。当社グループでは、この課題に取り組むため、より一層の生産性の向上及び製造体制の構築に努めてまいります。 ④地政学リスクへの対応 今後の世界経済につきましては、米国の通商政策の動向、東欧・中東地域における地政学的リスク、エネルギー・原材料価格の変動及び為替相場の変動の影響等を引き続き注視する必要があります。 ⑤新規事業の創出 現在、当社グループにおける売上高の約6割はイメージセンサ用の検査関連装置となっており、イメージセンサ市場への依存度が高い状況となっております。 今後、当社グループが継続して安定的に成長し続けるためには、既存事業の強化と共に、新たな収益の柱となる新規事業の創出が複数必要であると考えております。積極的な市場調査を行いながら、当社グループが新たな価値を創造できる事業を模索してまいります。 ⑥マーケティング力の強化 既存事業の成長及び新製品や新規事業を創出していくためには自社の強みを市場機会に結びつける企画力や、顧客ニーズを的確に把握するマーケティング力が不可欠であります。それらを一層強化するため、製品企画部及び新製品開発部が活動しており、新規事業の創出を加速してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは、経営理念として「人・技術・組織の相互作用から革新を生み出し『見えない価値』に光をあてる」ことを使命とし、特定の技術にとらわれることなく、相互作用の力によって、社会の持続的な発展に資する汎用性の高いソリューションを創出し、社会に本質的な変化を実装する企業を目指してまいります。 また、目指す姿として「『自社の優位性』と『多様なテクノロジー』を掛け合わせ、グローバルに『変化を実装』する企業へ」を掲げ、光学やメカ制御等の技術を起点に「スマート光学ソリューション企業」を目指してまいります。 さらに、価値として「Interaction Value(共創価値)」を掲げ、当社が中心(ハブ)となり、技術・人・会社を繋げ、「相互作用」によって価値を共創してまいります。 (2)目標とする経営指標 当社グループは、投資家視点を重視した企業価値向上の観点から、「ベース売上高」「売上総利益率」「一人当たり営業利益」「営業利益成長率(CAGR)」「ROE(連結)」を重要指標としております。なお、ベース売上高とは、設備投資の有無に左右されずに、安定して収益を創出することが可能な「事業の強靭性」を示す指標を指します。 (3)中長期的な会社の経営戦略 当社グループでは中期事業計画を策定しており、今後のより安定的な成長と利益確保を続けるために、当社グループの存在意義である「見えないものを見せて、できないことをできるようにすること」に基づき、顧客の一歩先を行く開発力と、システムで製品を提供可能な技術力及びサポート力を活かしたトータルサービスによって、様々な事業展開を行っております。 加えて、2025年7月に新中期経営計画(2026年5月期-2030年5月期)を策定いたしました。戦略転換の方向性として以下の4つの柱を設定しております。 1. 戦略的目標とオペレーショナル目標の明確な分離とリソース配分の最適化2. 企画・マーケティング能力の抜本的強化3. 顧客基盤の構築に向けたパートナーシップ戦略の推進4. 外部環境に左右されない強靭な事業ポートフォリオの育成 また、質の高い成長の実現と企業価値の向上に向けた重要項目及び目標指標として「事業の強靭性(ベース売上高)」「製品競争力(売上総利益率)」「人材(一人当たり営業利益)」「利益成長(営業利益のCAGR)」「経営品質(連結ROE)」を新たに設定しております。当該目標指標達成のため、戦略的パートナーシップの構築、キャッシュアロケーションの設定、社内投資家機能の強化、ガバナンスの強化、事業間シナジーの追求などの施策を推進しております。 IoT関連事業においては、モバイル向けイメージセンサのさらなる高性能化に取り組むとともに、ロボット、スマートファクトリー、モビリティ等の分野におけるフィジカルAIの普及を背景とした用途の拡大や性能要求の高度化を見据え、技術開発、製品ラインナップの拡充及び新規顧客の開拓を推進してまいります。 インダストリー4.0推進事業においては、主に子会社の明立精機株式会社及び株式会社東京テクニカルが、それぞれの事業領域における技術開発を積極的に推進し、シェアの拡大を目指してまいります。併せて、既存事業を起点とする新たな事業領域として、振動ソリューション分野及びAI画像処理分野における製品・サービスの開発を推進し、新たな事業機会の創出を図ってまいります。 さらに、これらとは異なる新たな事業領域の開拓に向けて、新設した製品企画部・新製品開発部を中心に、戦略的パートナーシップの構築及び半導体計測関連製品の企画・開発を推進しております。社内の事業基盤に加え、外部パートナーが有する技術、ノウハウ及びネットワークを結集することで、特定の業界や顧客に依存しない、幅広い市場ニーズに対応する製品・サービスの創出を目指してまいります。 また、セグメント全体において、装置本体の提供のみに留まらず、各装置において測定、収集、分析したデータを活用したデータソリューションサービスの提供も目指しており、実現に向けた取り組みを推進しております。 なお、各事業セグメントにおける事業環境や事業の内容につきましては「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 (4)経営環境及び優先的に対処すべき課題 翌連結会計年度における世界経済について、米国の通商政策の動向、東欧・中東地域における地政学的リスク、エネルギー・原材料価格の変動及び為替相場の変動の影響等により、世界経済全体は先行き不透明な状況が継続すると想定しております。また、当連結会計年度の詳細な事業環境については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 このような状況のもと、当社グループでは、中長期的に成長し続けていくために、不透明な社会情勢の緩和を見据えた研究開発及び技術革新による新規事業の創出に努め、以下の課題に優先的に取り組んでまいります。 ①技術開発体制の強化 当社グループが属している市場は、技術的最先端市場であります。当社グループが今後も競争優位を発揮し、高収益性を維持するためには、時代の先を行く、技術開発体制構築が不可欠であります。また技術開発には粘り強い実験が不可欠であり、課題に対する答えを自分で探すことができる人材採用を重要視しております。 ②クライアントニーズへの迅速な対応 当社グループでは、製品技術力だけでなく、創業以来のモットーである「クライアントファースト」を合言葉としたきめ細かな対応サポートも競争力維持には不可欠であると認識しております。グループ従業員に対しては、常日頃「クライアントファースト」を徹底するよう指導し、お客様の心のヒダをつかむ事業展開を行ってまいります。 ③原価低減と生産効率の向上 製造メーカーにとって高品質を維持しながらの原価低減並びに生産の効率化は永遠のテーマであります。当社グループでは、この課題に取り組むため、より一層の生産性の向上及び製造体制の構築に努めてまいります。 ④地政学リスクへの対応 今後の世界経済につきましては、米国の通商政策の動向、東欧・中東地域における地政学的リスク、エネルギー・原材料価格の変動及び為替相場の変動の影響等を引き続き注視する必要があります。 ⑤新規事業の創出 現在、当社グループにおける売上高の約6割はイメージセンサ用の検査関連装置となっており、イメージセンサ市場への依存度が高い状況となっております。 今後、当社グループが継続して安定的に成長し続けるためには、既存事業の強化と共に、新たな収益の柱となる新規事業の創出が複数必要であると考えております。積極的な市場調査を行いながら、当社グループが新たな価値を創造できる事業を模索してまいります。 ⑥マーケティング力の強化 既存事業の成長及び新製品や新規事業を創出していくためには自社の強みを市場機会に結びつける企画力や、顧客ニーズを的確に把握するマーケティング力が不可欠であります。それらを一層強化するため、製品企画部及び新製品開発部が活動しており、新規事業の創出を加速してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況 当社グループでは、事業セグメントを「IoT関連事業」「インダストリー4.0推進事業」に分けて活動を行っており、各事業セグメントの事業環境は下記のとおりであります。 IoT関連事業では、イメージセンサの生産工程における品質検査で使用する検査用光源装置及び瞳モジュールを、主にハイエンドなイメージセンサを生産しているメーカー向けに製造・販売しております。 現在、イメージセンサ市場におけるイメージセンサメーカーは十数社程であり、その内日本と韓国のメーカーが6割以上のシェアを占めております。各イメージセンサメーカーの動向から、今後もイメージセンサ市場は引き続き拡大していくものと予測しております。 また、現状ではイメージセンサ市場(金額ベース)においてスマートフォン向けセンサのシェアが約6割~7割を占めていることから、イメージセンサの市況はスマートフォンの製造、販売状況に左右される傾向があります。 近年、スマートフォン市場では、ハイエンドモデルを中心に、大判化や高密度化をはじめとするイメージセンサの高付加価値化が進んでおります。加えて、ミドルレンジモデルにおいても、複数カメラの搭載や高画素化が進むなど、高性能な撮像機能の普及が拡大しております。こうした撮像機能の高度化と搭載領域の広がりを背景に、スマートフォン向けイメージセンサに対する需要は、今後も底堅く推移するものと見込んでおります。 また、これらの技術トレンドへの対応に伴い、イメージセンサメーカーによる設備投資需要も継続するものと予測しており、新たな検査用光源装置及び瞳モジュールに対する需要の拡大も見込んでおります。 現在、イメージセンサの短期的な需要は、写真や動画の撮影を目的として可視光を捉える、従来型のイメージング用途が中心となっております。 中期的には、イメージセンサの活用領域がイメージングからセンシングへと広がっていくものと予測しております。3Dセンシング技術による三次元情報の取得や、自動運転をはじめとするロボティクス向けセンサ市場の拡大に伴い、より高精度な情報を取得できるイメージセンサ等への需要が高まっていくものと見込んでおります。具体的なデバイスとしては、物体との距離等の三次元情報を取得するToF(Time of Flight)センサや、LiDAR(Light Detection and Ranging)向けイメージセンサを想定しております。これらのセンシングデバイスは、スマートフォンを含む幅広い分野で採用が進んでおり、今後、多様なアプリケーションの開発が進展することで、需要はさらに拡大するものと予測しております。 長期的には、ロボット、スマートファクトリー、モビリティ等の分野において、カメラやセンサを通じて周囲の状況を認識し、自律的に判断・動作するフィジカルAIの活用が拡大していくものと考えております。これに伴い、イメージセンサの用途拡大及び性能要求のさらなる高度化が進み、高精度な情報を取得できるイメージセンサに加え、その性能を評価する検査装置に対する需要も拡大していくものと見込んでおります。 インダストリー4.0推進事業では、主にディスプレイの生産工程で支障となる振動を取り除くための除振装置を、ディスプレイメーカー向けに製造・販売しているほか、歯車が設計図どおりの形状となっているかを検査する歯車試験機を、歯車メーカー向けに製造・販売しております。その他、当社グループの新規事業として、振動ソリューション関連事業、AI画像処理装置事業についても積極的に活動を行っております。 精密除振装置の市況については、現在、主に半導体業界の市況が好調であることから、設備投資需要は堅調に推移すると想定しております。 精密除振装置分野における新規事業への取り組みについては、振動を見える化できる振動モニタリングアプリを開発し、製品化しております。また、除振だけではなく顧客側の振動環境を精密に再現する加振装置についても製品化しており、除振・加振による振動のトータルソリューションによって顧客へ新たな価値を提供してまいります。 歯車試験機の市況については、基本的に工作機械市場の動向に準じており、景気変動や設備投資動向の影響を受ける傾向があります。各国の通商政策や地政学リスク等により先行きには不透明感が残るものの、人手不足を背景とした省人化・自動化需要や設備更新需要は底堅く、ロボット産業や自動車産業を中心として事業環境は堅調に推移する見込みであります。 歯車試験機分野における新規事業への取り組みについては、歯車の表面の粗さを精密に検査できる粗さ試験機を開発し、製品化しております。自動車メーカーからの引き合いもあり、引き続き販路拡大に向けた取り組みを継続してまいります。 また、同分野で培った計測技術や検査ノウハウを応用した新規事業として、各種製品の製造工程で生じる微細な傷等を撮像し、その画像を基に不良品を自動判別するAI画像処理装置を開発・製品化し、拡販活動を推進しております。目視検査の完全自動化に向けて、AI機能の強化や測定物を検査装置までピックアップするロボットの導入も実施し、システムとして提供することで顧客から高い評価をいただいております。また、開発及び製造期間の短縮、設計の効率化、品質の一貫性確保等を目的として開発を進めていた汎用性の高いプラットフォーム品も完成しており、販路拡大に向けた取り組みを継続してまいります。 加えて、精密除振装置分野及び歯車試験機分野とは異なる新たな事業領域の開拓に向けて、新設した製品企画部・新製品開発部を中心に、戦略的パートナーシップの構築及び半導体計測関連製品の企画・開発を推進しております。社内の事業基盤に加え、外部パートナーが有する技術、ノウハウ及びネットワークを結集することで、特定の業界や顧客に依存しない、幅広い市場ニーズに対応する製品・サービスの創出を目指してまいります。 1)財政状態 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,595百万円減少し、12,061百万円となりました。 当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ622百万円減少し、1,269百万円となりました。 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ973百万円減少し、10,792百万円となりました。 詳細につきましては、「(2) ① 2)財政状態」に記載のとおりであります。2)経営成績 当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高は4,822百万円(前期の売上高6,668百万円に比し、27.7%の減少)、売上総利益は2,426百万円(前期の売上総利益3,004百万円に比し、19.2%の減少)となりました。また、営業利益は702百万円(前期の営業利益1,418百万円に比し、50.5%の減少)、経常利益は835百万円(前期の経常利益1,386百万円に比し、39.7%の減少)、法人税等を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は530百万円(前期の親会社株主に帰属する当期純利益979百万円に比し、45.8%の減少)となりました。 セグメント別の概況は以下のとおりであります。なお、連結子会社でありました株式会社エア・ガシズ・テクノスの全株式を2025年7月2日に譲渡したため、当連結会計年度より同社を連結の範囲から除外しております。このため、同社事業が主な構成単位となっておりました「環境エネルギー事業」報告セグメントの重要性が乏しくなったため、当連結会計年度より報告セグメントから除外し、「その他」として表示しており、下記の「その他」は組み替え後の前期と比較しております。 (IoT関連事業) 海外顧客向け製品の販売は好調に推移したものの、国内顧客向け製品の販売が前期を大幅に下回ったため、セグメント全体としては前期と比較して減収減益となりました。 国内顧客向け製品の販売状況については、主に国内主要顧客の設備投資需要が落ち着いたため、売上高は前期比で大幅に減少いたしました。一方で、顧客の設備投資計画において、イメージセンサの大判化や高密度化に伴う先端プロセスの導入等に加え、顧客の新工場にて、車載やロボティクス等のフィジカルAI向けイメージセンサの生産ライン構築が検討されていることから、中長期的には設備投資需要の回復を想定しております。 海外顧客向け製品の販売状況については、主に海外主要顧客向け検査用光源装置及び瞳モジュールの販売が好調に推移したため、売上高は前期比で増加いたしました。その要因としては、顧客側においてイメージセンサ搭載製品の製造を行う新規顧客の開拓が進められているものと推測しており、それに伴う設備投資需要が発生したためであると認識しております。今後も旺盛な設備投資需要が継続すると推測しております。 当連結会計年度における当セグメントの外部顧客に対する売上高は2,952百万円(前期の売上高3,829百万円に比し、22.9%の減少)、セグメント利益は1,345百万円(前期のセグメント利益1,946百万円に比し、30.9%の減少)となりました。 (インダストリー4.0推進事業) 当連結会計年度における当セグメントの外部顧客に対する売上高は1,860百万円(前期の売上高2,060百万円に比し、9.7%の減少)、セグメント利益は102百万円(前期のセグメント利益265百万円に比し、61.3%の減少)となりました。これは、精密除振装置分野及び歯車試験機分野において製品の販売が低調に推移したためであります。 (その他) 当連結会計年度における当セグメントの外部顧客に対する売上高は9百万円(前期の売上高777百万円に比し、98.8%の減少)、セグメント利益は8百万円(前期のセグメント利益42百万円に比し、79.5%の減少)となりました。これは、連結子会社でありました株式会社エア・ガシズ・テクノスを当連結会計年度より連結の範囲から除外したためであり、同社の前期の売上高は770百万円、セグメント利益は36百万円であります。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末残高に比べ551百万円減少し、8,519百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは1,339百万円の収入(前期は3,561百万円の収入)となりました。これは、法人税等の支払額285百万円があったものの、税金等調整前当期純利益753百万円の計上及び売上債権の減少567百万円があったこと等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは325百万円の支出(前期は293百万円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出187百万円があったこと等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは1,709百万円の支出(前期は415百万円の支出)となりました。これは、自己株式の取得による支出1,192百万円及び配当金の支払額467百万円があったこと等によるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績 当連結会計年度において、IoT関連事業を中心として、受注高及び受注残高は前期と比較して大幅に増加しました。これは、海外主要顧客によるイメージセンサ搭載製品の製造を行う新規顧客の開拓が進められているものと推測しており、それに伴う設備投資需要が発生したためであると認識しております。同顧客においては今後も旺盛な設備投資需要が継続すると推測しております。 また、受注高の増加等に伴い、IoT関連事業の生産実績も増加しました。 1)生産実績セグメントの名称前連結会計年度(自 2024年6月1日 至 2025年5月31日)当連結会計年度(自 2025年6月1日 至 2026年5月31日)増減 金額(千円)金額(千円)金額(千円)増減率(%)IoT関連事業2,755,7143,271,179515,46418.7インダストリー4.0推進事業2,145,7191,825,275△320,444△14.9その他(環境エネルギー事業)(注)2753,7849,701△744,082△98.7合計5,655,2185,106,156△549,061△9.7(注)1.上記の金額は、販売金額によっております。2.「その他(環境エネルギー事業)」につきましては、連結子会社でありました株式会社エア・ガシズ・テ クノスの全株式を2025年7月2日に譲渡したため、当連結会計年度より同社を連結の範囲から除外したこ とにより、従来の「環境エネルギー事業」報告セグメントの重要性が乏しくなったため、「その他」とし て表示しております。 2)受注実績セグメントの名称前連結会計年度(自 2024年6月1日 至 2025年5月31日)当連結会計年度(自 2025年6月1日 至 2026年5月31日)増減 受注高(千円)受注残高(千円)受注高(千円)受注残高(千円)受注高(千円)受注残高(千円)IoT関連事業2,478,640980,6154,566,4882,645,5812,087,8471,664,965インダストリー4.0推進事業1,666,718241,8011,369,153382,560△297,564140,759 その他(環境エネルギー事業)(注)2548,848276,041--△548,848△276,041合計4,694,2081,498,4595,935,6423,028,1421,241,4341,529,683(注)1. 上記の金額は、受注生産を行っている事業について記載しております。 2. 「その他(環境エネルギー事業)」につきましては、連結子会社でありました株式会社エア・ガシズ・ テクノスの全株式を2025年7月2日に譲渡したため、当連結会計年度より同社を連結の範囲から除外し ております。このため、受注生産形態の事業がなくなったため、「-」と表示しております。 3)販売実績セグメントの名称前連結会計年度(自 2024年6月1日 至 2025年5月31日)当連結会計年度(自 2025年6月1日 至 2026年5月31日)増減 金額(千円)金額(千円)金額(千円)増減率(%)IoT関連事業3,829,9612,952,187△877,773△22.9インダストリー4.0推進事業2,060,7001,860,191△200,509△9.7その他(環境エネルギー事業)(注)2777,9899,701△768,287△98.8合計6,668,6514,822,080△1,846,570△27.7(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとお りであります。 なお、販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先については「-」表記にしております。相手先前連結会計年度(自 2024年6月1日至 2025年5月31日)当連結会計年度(自 2025年6月1日至 2026年5月31日) 金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)STMicroelectronics Pte.Ltd.--680,76614.1ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング株式会社2,213,68333.2593,73112.3 2.「その他(環境エネルギー事業)」につきましては、連結子会社でありました株式会社エア・ガシズ・テ クノスの全株式を2025年7月2日に譲渡したため、当連結会計年度より同社を連結の範囲から除外した ことにより、従来の「環境エネルギー事業」報告セグメントの重要性が乏しくなったため、「その他」 として表示しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容1)経営成績 当連結会計年度における当社グループの業績は、前連結会計年度比で減収減益となりました。 売上高及び営業利益が減少した理由は、主にIoT関連事業が低調に推移したためであります。 また、当社グループでは当連結会計年度より、「ベース売上高」「売上総利益率」「一人当たり営業利益」「営業利益成長率(CAGR)」「ROE(連結)」を新たな重要指標に設定し、2030年目標値の達成に向けて、活動しております。当連結会計年度において、ベース売上高は755百万円(前期625百万円)、売上総利益率は60.5%(前期55.3%)、一人当たり営業利益は8百万円(前期20百万円)、営業利益成長率(CAGR)は△53.4%(前期△24.2%)、ROE(連結)4.7%(前期8.6%)となりました。売上総利益率を除く各指標が減少した主な要因として、前述のIoT関連事業における減収減益であると分析しております。なお、「売上総利益率」「一人当たり営業利益」「営業利益成長率(CAGR)」に関する目標及び実績については、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社(当社)のものを記載しております。 来期は、IoT関連事業において製品の販売が好調に推移する見通しであるため、増収増益を見込んでおります。 2)財政状態 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,595百万円減少(うち、連結子会社の連結除外による減少分649百万円)し、12,061百万円となりました。 流動資産は、前連結会計年度末に比べ1,632百万円減少(同605百万円)し、10,523百万円となりました。これは、現金及び預金が551百万円(同304百万円)、売掛金が508百万円(同148百万円)、電子記録債権が305百万円、仕掛品が295百万円(同86百万円)それぞれ減少したこと等によるものであります。 固定資産は、前連結会計年度末に比べ37百万円増加(同44百万円)し、1,538百万円となりました。当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ622百万円(同363百万円)減少し、1,269百万円となりました。これは、前受金(流動負債「その他」)が130百万円(同9百万円)、1年内返済を含む借入金が193百万円(同140百万円)減少したこと等によるものであります。 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ973百万円減少し、10,792百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益530百万円を計上したものの、前事業年度の期末配当金365百万円及び当期中間配当金103百万円があったこと、自己株式が1,099百万円増加したこと等によるものであります。 ②資本の財源及び資金の流動性 当社グループの運転資金及び設備資金につきましては、内部資金、銀行借入により資金調達しております。このうち、運転資金については短期借入金で、設備又は企業買収等の長期資金については長期借入金等で調達しております。 2026年5月31日現在の有利子負債残高は、短期借入金390百万円、1年内を含む長期借入金164百万円となっております。 その他、積極的な事業展開に必要な資金需要に対して、安定的かつ機動的な資金調達体制を構築するため、複数の金融機関との間で合計5,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております(借入未実行残高5,000百万円)。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたり、資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
事業リスク
- 半導体市場の需要変動IoT関連事業の主要製品である光源装置の需要は、半導体メーカーの設備投資に大きく左右されます。CCDやCMOSイメージセンサーが使われる製品の販売動向や新製品開発、半導体メーカーの経営方針の変化により需要が変動し、業績に影響を与える可能性があります。
- 競合激化と技術革新光源装置や瞳モジュール市場では、数社が競合しており、低価格戦略や新規参入があった場合、市場競争力やシェアが低下するリスクがあります。また、半導体技術の急速な進化に対応できない場合、新製品開発の遅延や失敗が業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 小規模組織による課題従業員130名と小規模な組織であるため、優秀な技術者や営業、製造、管理部門の人材確保・育成が計画通りに進まない場合、業務に支障をきたす恐れがあります。また、特定の社員への依存度が高く、人材流出が業務遂行に影響を与えるリスクも存在します。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】以下に、経営者が当社グループの事業展開その他に関するリスク要因と認識している主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家の判断上重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に対する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えます。また、下記の事項には将来に係るリスク要因が含まれておりますが、これらの事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。(1) 業界動向について① 需要動向 当社グループのIoT関連事業に属する電子部品検査装置事業の主要製品である光源装置に関する需要は、半導体メーカーのCCD及びCMOSイメージセンサに関する設備投資動向に影響を受けます。この設備投資動向はCCD及びCMOSイメージセンサが装着される製品の販売動向及び新製品開発・投入動向、また半導体メーカーの経営方針あるいは経営環境に変化が生じた場合等に変動すると考えられ、その変動が大きい場合、当社グループの業績に影響が生じるおそれがあります。 これらのリスクに対して当社では、少数精鋭の体制をとっており、人件費等の固定費による負担が少なくなるような体制としております。また、人材派遣等を活用することにより、売上が大きく変動した場合でも柔軟に対処することが可能であります。 さらに、当社の製造方法は半ファブレス形式であるため大規模な工場設備を有しておらず、一般的な賃貸オフィスビル内にて製造を行っております。そのため、稼働率が低下した場合でも、賃貸スペースを一部解約する等、固定費を柔軟に変動させることで、需要動向に柔軟に対応できる体制を構築しております。② 競合の状況当社グループのIoT関連事業セグメントの主要製品である光源装置及び瞳モジュールに関しては、当社を含め数社が供給しております。今後、競合他社が大幅な低価格戦略を展開した場合、あるいは国内外で他社の新規参入があった場合には、当社グループの市場競争力及びマーケットシェアに影響が生じるおそれがあります。これらのリスクに対して当社では、競合他社との差別化を図るため、検査対象であるイメージセンサの高度化に伴った製品開発を行うことで技術を蓄積しながら、顧客ニーズに応じたカスタマイズ製品の製造販売を行っております。今後も顧客ニーズをいち早く把握し新しい技術を製品化することで、顧客ニーズに応えていくよう努めてまいります。また、新規事業への取組等、主要製品以外の分野にも注力し、事業の多角化によってリスクの分散が可能な体制の構築を図っております。③ 技術革新及び新規事業への対応について当社グループは、電子部品検査装置事業に関し、半導体メーカーやモジュールメーカーにおいて従来のデバイスに加え、3Dセンシング技術用新規デバイスのニーズが強まると考えております。また、CCD及びCMOSイメージセンサに関しては更なる高画素化、高機能化の開発が進められており、光源装置や瞳モジュールにおいても、より高度な製品が求められるものと予測しております。さらに、ロボットやモビリティ等の分野では、カメラやセンサを通じて周囲の状況を認識し、自律的に判断・動作するフィジカルAIの活用が今後一層拡大していくものと見込んでおります。これに伴い、イメージセンサの用途拡大及び性能要求の高度化が進展すると考えており、こうした市場ニーズを的確に捉え、新規市場の開拓に向けた製品開発を推進してまいります。加えて新規事業においては、まだ世の中で解決できていない問題を解決することをコンセプトとしており、顧客ニーズや関連市場の動向を踏まえた施策が必要であると認識しております。しかし、予測や認識に対して、新技術を導入した製品の開発が遅延あるいは失敗した場合等には、当社グループの業績に影響が生じるおそれがあります。これらのリスクに対して当社グループでは、常に顧客との対話においてニーズのキャッチアップを行うとともに、必要に応じた技術者の育成にも取り組んでおります。 また、新規事業においては、予測や認識に対する仮説を考察したうえで顧客へのヒアリングを実施することで、仮説が正しいか判断する検証を行っております。仮説が正しいと判断された場合のみ人員の拡充や設備投資を行うことで、新規事業へ挑戦するリスクを最小限に抑える努力を行っております。 (2) 当社グループの事業体制について① 小規模組織であること当社グループは2026年5月31日現在で、従業員123名の小規模組織であります。当社グループの市場競争力の核は技術開発力にあり、専門性の高い技術者を中心とした社員構成となっております。そのため専門性の高い技術者を確保し、事業拡大を支えるために、営業、製造、内部管理等の人材も充実させる必要があります。したがって、優秀な人材の確保及び社内人材の育成に努めておりますが、人材の確保及び社内人材の教育が計画通りに進まない場合には、当社グループの業務に支障をきたすおそれがあります。また、業務遂行体制の効率化にも努めていますが、小規模組織であり人的資源に依存する部分が少なくないために、社員に業務遂行上の支障が生じた場合、あるいは社員が社外流出した場合には、当社グループの業務に支障をきたすおそれがあります。 一方、急激な規模拡大は、固定費の増加につながり、当社グループの業績に影響を与えるおそれがあります。これらのリスクに対して当社グループでは、個人の業務内容について、部署内での可能な範囲で情報共有に努めております。規模の拡大においても、適時適切に対応できるよう、勤務状況や個別面談による情報収集を行う等の対策を行っております。また、社員が社外流出した場合の情報漏洩対策として、入社時に秘密保持契約を交わす等、情報の管理にも努めております。② 製造及び品質保証体制 当社グループは、製造に関しては、金属加工及び配線等を除き、基本的に内製を行う方針でありますが、基幹部分を外部委託した場合には、当社グループの技術あるいはノウハウが委託先に流出し、当社グループの業績に影響が生じるおそれがあります。また当社グループは、事業拡大に備えて熊本事業所の建設及びインキュベーションセンター マーケティング室の設置等、社内外における十分な製造能力の確保を進めてまいりましたが、委託先に急激な経営悪化又は経営方針の変更等が生じた場合、あるいは急速な市況回復により受注が拡大した場合は、製造の遅延等により当社グループの業績に影響が生じるおそれがあります。また、当社グループは、製品の開発、製造、販売並びに保守を通じて、当社グループ製品の品質及び性能に瑕疵が生じないように努めております。製品の瑕疵責任を問われた場合に備えて、製品保証引当金を引き当てておりますが、引当金が不十分であった場合には、当社グループの業績に影響が生じるおそれがあります。また、製品の瑕疵責任に関連して、当社グループが他社から訴訟を受けた場合には、当社グループの業績に影響が生じるおそれがあります。これらのリスクに対して当社グループでは、人材派遣等を活用することにより、ある程度の製造能力の増減に対して柔軟な対応が可能な体制を構築しております。また、製造の遅延を防ぐため、常に顧客とのコミュニケーションを図り、精度の高い受注管理を行うことで、状況に応じた部品の先行手配等も実施することで対策を図っております。加えて、製品の瑕疵責任が極力発生しないよう、顧客とのコミュニケーションを密に行い、徹底した品質管理を行っております。③ 研究開発体制当社グループの市場競争力の核は技術開発力にあるため、当社グループは人材の多くをそれぞれの事業の研究開発分野に投入しています。当社グループは、研究開発体制の充実によって成果を向上させる考えですが、研究開発分野への重点的な資源投入は、研究開発成果が得られるまでの期間において、当社グループの利益を圧迫するおそれがあります。また、研究開発分野への重点的な資源投入は、営業、製造、内部管理等の相対的な資源不足を招き、当社グループの業務に支障をきたすおそれがあります。これらのリスクに対して当社グループでは、常に業務内容をモニタリングすることにより、資源投入のタイミングを適切に計れるよう努めております。基本的には少数精鋭の体制により、正社員の人件費等の固定費による負担を軽減しつつ、人材派遣等を活用することで、研究開発成果までの期間における利益圧迫の影響をある程度抑えることができると認識しております。 (3) 有利子負債について 当社グループの有利子負債は、2026年5月31日現在で、短期借入金390百万円、1年内を含む長期借入金164百万円、合計554百万円となっております。業務運営に有利子負債を活用しているため、新たに借入れを行うことが困難となった場合、当社グループの業績に影響が生じるおそれがあります。 これらのリスクに対して当社グループでは、有利子負債残高を適切に管理する事に加え、金融機関とコミットメントライン契約(借入未実行残高5,000百万円)を締結する等、資金調達の多様化を進めることで流動性の確保に努めております。(4) 原材料の調達について 当社の製品及びユニットに使用するレンズや電子部品等の特定の原材料について、調達先等からの取引の継続性が不安定となり、製造の遅延が生じ、納期を逸した場合は、当社グループの業績に影響が生じるおそれがあります。 これらのリスクに対して当社グループでは、先行手配を行うことや、複数の業者から仕入れを行うことで、上記リスクを軽減できる体制を構築しております。(5) 為替変動の影響 当社グループの業績及び財務状況は、為替相場の変動に影響を受けております。急激な為替変動は当社グループの外貨建取引から発生する資産及び負債の円換算額に影響を与える可能性があります。また、為替動向は外貨建てで取引されている製品・サービスの価格及び売上高にも影響を与える可能性があります。 これらのリスクに対して当社グループでは、部品の大部分を国内で調達しており、海外への製品販売についても現時点では大部分を円建での取引としているため、為替変動による影響を受けにくい体制となっております。 (6) 法的規制について 現時点では、当社グループの事業展開に重要な支障をきたすような法的規制はありません。しかし、国際貿易取引に関して、将来的に、当社グループの製品あるいは当社グループの製品を構成する主要部品の輸出入が何らかの法的規制を受けるような状況が生じた場合、あるいは輸出入にあたって許可が必要になるような状況が生じた場合には、当社グループの業績に影響が生じるおそれがあります。 また、日本国内においても今後何らかの法的規制を受けた場合には、当社グループの業績に影響が生じるおそれがあります。 これらのリスクに対して当社グループでは、様々な法的規制について、各主管部門と管理部門が連携し、関連諸法規の情報共有及び遵守に努めております。(7) 特許について 当社グループは知的財産としての特許を重視しており、必要な特許の取得を積極的に進める考えであり、技術情報公開により当社のコア技術が類推あるいは模倣されないような技術を中心に、特許取得を進めております。しかし、特許取得により、当社グループの技術情報が公開され、それをもとに他社が関連技術、関連製品の開発あるいは特許取得等を進める可能性があり、その場合には当社グループの業績に影響が生じるおそれがあります。 当社グループは、製品開発に際して特許侵害のないように注意を払っておりますが、特許侵害の可能性が皆無とはいえません。また、国内外の特許出願状況、認定状況によっては、当社グループ製品及び事業に関連する特許が成立する可能性があるため、当社グループが他社の特許を侵害している、あるいは将来的に侵害する可能性を否定できません。他社から特許侵害の訴訟を受けた場合には、当社グループの業績に影響が生じるおそれがあります。 これらのリスクに対して当社グループでは、技術特許を申請する前に可能な限りのリスクやメリット・デメリットを審議したうえで、特許取得を進めることが必要であると認識しております。また、特許侵害については、必要に応じて顧問弁護士等と連携して柔軟な対応ができる体制を構築しております。(8) M&A等による事業拡大 当社グループは、成長戦略の一環としてM&Aを実施することがあります。M&Aにおける買収価額が常に適正、妥当であるという保証はなく、買収後の収益が、買収時に見込んだ将来の収益予想を大幅に下回った場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 これらのリスクに対して当社グループでは、対象企業の財務内容や契約関係等についてデューデリジェンスを実施すること等により、各種リスクの低減に努めております。また、専門家のアドバイス等によりデューデリジェンスの精度を上げるとともに、事業計画の策定や将来価値の測定について十分な検討を行う等、投資判断については慎重な姿勢で取り組んでまいります。(9) 地政学リスクへの対応 今後の世界経済につきましては、米国の通商政策の動向、東欧・中東地域における地政学的リスク、エネルギー・原材料価格の変動及び為替相場の変動の影響等を引き続き注視する必要があります。なお、中東地域における地政学的リスクが注目されますが、当社グループ事業への直接的な影響は限定的であると考えております。ただし、エネルギー・原材料価格の変動が間接的に業績へ影響する可能性があるため、市場の変化に対して柔軟かつ迅速に対応を行ってまいります。