9684

スクウェア・エニックス・ホールディングス(9684)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • デジタルエンタテインメント事業
    コンピュータゲームの企画、開発、販売、運営が主力です。家庭用ゲーム機、PC、スマートフォン向けに「ファイナルファンタジー」や「ドラゴンクエスト」といった人気IP(知的財産)のコンテンツを提供し、世界中のユーザーから収益を得ています。ゲームソフトの販売や、オンラインゲームの月額課金、アイテム課金などが主な収益源です。
  • アミューズメント事業
    ゲームセンターなどのアミューズメント施設の運営や、業務用ゲーム機器の開発・販売・レンタルを行っています。株式会社タイトーがこの事業を担っており、クレーンゲームやアーケードゲームを通じて、施設利用者からの料金収入や機器の販売・レンタル収入を得ています。
  • 出版事業
    コミック単行本、ゲーム関連書籍、定期刊行誌などの出版や、その許諾(ライセンス)を行っています。自社のゲームIPを活用したコミックや攻略本などを出版することで、ゲームファン層にアプローチし、書籍の販売収入やライセンス収入を得ています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • デジタルエンタテインメント事業
    売上高2,065.33億円、営業利益338.67億円と、グループ全体の売上・利益の大部分を占める主力事業です。コンピュータゲームの企画、開発、販売、運営が主な内容で、日本、米州、欧州、アジアなどグローバルに展開しており、特に家庭用ゲームやオンラインゲームが収益の柱です。
  • アミューズメント事業
    売上高698.78億円、営業利益78.46億円で、グループの主要な収益源の一つです。アミューズメント施設の運営や、業務用ゲーム機器の開発・製造・販売・レンタルを行っています。主に日本国内で事業を展開しており、株式会社タイトーがこの事業を担っています。
  • 出版事業
    売上高307.08億円、営業利益109.77億円で、安定した収益を上げています。コミック単行本、ゲーム関連書籍、定期刊行誌の出版やライセンス許諾が主な事業内容です。日本を中心に、米州や欧州でも展開しており、自社ゲームIPを活用した書籍などでファン層を広げています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
DigitalEntertainmentSegment 事業 2,065 339 16.4%
AmusementSegment 地域 699 78 11.2%
PublicationSegment 事業 307 110 35.7%
MerchandisingSegment 事業 174 61 34.9%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|827 文字
3【事業の内容】 当社グループの主な事業内容とグループを構成している主要各社の位置付けは以下のとおりであります。 なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。(連結対象会社)事業区分主要な事業内容地域会社名デジタルエンタテインメント事業コンピュータゲームを中心とするデジタルエンタテインメント・コンテンツの企画、開発、販売、販売許諾、運営等日本株式会社スクウェア・エニックス株式会社タイトー米州SQUARE ENIX, INC.欧州その他SQUARE ENIX LTD.アジアSQUARE ENIX (China) CO., LTD.北京易通幻龍網絡科技有限公司アミューズメント事業アミューズメント施設運営、アミューズメント施設向けの業務用ゲーム機器・関連商製品の企画、開発、製造、販売、レンタル等日本株式会社タイトー株式会社スクウェア・エニックス出版事業コミック単行本、ゲーム関連書籍及び定期刊行誌等の出版、許諾等日本株式会社スクウェア・エニックス米州SQUARE ENIX, INC.欧州その他SQUARE ENIX LTD.ライツ・プロパティ等事業二次的著作物の企画、制作、販売、ライセンス許諾等日本株式会社スクウェア・エニックス株式会社タイトー米州SQUARE ENIX, INC.欧州その他SQUARE ENIX LTD.アジアSQUARE ENIX (China) CO., LTD.SQUARE ENIX (BEIJING) TECH AND TRADING CO.,LTD.(注)上記連結対象会社は、主要な連結対象会社について記載しております。 当社グループの事業系統図は以下のとおりであります。(注)上記事業系統図は、主要な連結対象会社について記載しております。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ブランド
顧客の期待に応えるコンテンツ提供には、高い開発力とブランド力が必要となるため。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:ゲーム開発費の高騰 / 多様な顧客嗜好の変化への対応能力 / 成長戦略を担う人材の確保
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 11 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★★☆
根拠:強いブランド・特許・許認可

「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」といった世界的に有名なIPを複数保有。これらのIPは長年にわたりファンベースを形成し、新作発売時の高い期待感と売上を生み出す源泉となっている。IPの新規開発・獲得には莫大なコストと時間がかかるため、既存IPの価値は高い。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

一部のコアファンは特定のシリーズやゲームに強い愛着を持つが、ゲームプラットフォームの多様化や他社ゲームへの関心により、スイッチングコストは限定的。特にモバイルゲーム市場では、無料プレイやガチャによる継続が中心で、他社タイトルへの移行は比較的容易。

ネットワーク効果★☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

MMORPG(例: ファイナルファンタジーXIV)ではプレイヤー数が増えるほどゲーム体験が向上する側面があるが、全体としてはネットワーク効果は限定的。IPの強さが先行し、プラットフォームとしてのネットワーク効果は薄い。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

ゲーム開発には多額の開発費と人件費がかかる。特にAAAタイトルでは開発期間も長期化し、固定費負担が大きい。他社とのコスト競争力で明確な優位性を示す要因は少ない。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

大手ゲームメーカーとして、開発・販売・マーケティングにおいて一定の規模の経済を享受している。特にグローバル展開においては、規模の大きさが有利に働く場面がある。しかし、業界全体で見ると、より巨大なプラットフォーマーや開発力を持つ競合も存在する。

  • 強力なIPとブランド力
    スクウェア・エニックスは「ファイナルファンタジー」や「ドラゴンクエスト」といった世界的に認知度の高い強力なゲームIPを多数保有しています。これらのIPは長年にわたり多くのファンに支持されており、新作発表時には高い期待感と購買意欲を生み出し、安定した収益基盤となっています。
  • 多角的な事業展開とシナジー
    デジタルエンタテインメントを核に、アミューズメント、出版、ライツ・プロパティといった多角的な事業を展開しています。例えば、ゲームIPをコミックやグッズ、アミューズメント施設の景品に展開することで、各事業間で相乗効果を生み出し、IPの価値を最大化し収益機会を広げています。
  • グローバルな開発・販売体制
    日本だけでなく、北米、欧州、アジアに開発・販売拠点を持ち、国際的な事業展開を積極的に行っています。これにより、世界中の多様な顧客ニーズに対応し、幅広い市場でコンテンツを提供できる体制が整っており、特定の地域に依存しない安定した収益構造を構築しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 「量から質」への転換と開発体制最適化
    中期経営計画では、デジタルエンタテインメント事業において、開発タイトルの数を絞り込み、一つ一つの品質を向上させる「量から質への転換」を目指しています。社内開発体制を刷新し、プロデューサーの役割を再定義することで、開発投資効率を高め、スクウェア・エニックスならではの「面白さ」を追求したタイトル開発に注力します。
  • マルチプラットフォーム戦略と顧客接点強化
    HDタイトルは任天堂、PlayStation、Xbox、PCなど多様なプラットフォームでの展開を強化し、より多くのユーザーにゲームを届けます。デジタル販売を強化し、豊富なカタログタイトルを活用することで、継続的な収益獲得機会を創出します。また、CRMやデータ分析を活用し、マーケティングの高度化を図ることで、顧客との接点を強化します。
  • 経営基盤の安定化と成長投資
    海外事業部門の機能・組織構造を見直し、コスト最適化と国内外の協業を促進します。国内事業では、タレント発掘や意思決定の簡素化、人事制度の整備を通じて「創造力と生産性」の両立を目指します。これらの施策により経営基盤を安定させつつ、成長投資と株主還元のバランスを考慮した資本配分を行うことで、持続的な成長を目指します。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当該有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針当社グループは、下記の企業理念体系「パーパス/バリューズ 」を制定しました。パーパス:「無限の想像力で、新しい世界を創り出そう。」バリューズ:「心にまで届けよう」「全力で挑戦しよう」「すばやく先駆けよう」「みんなで高め合おう」「進化し続けよう」「誠実であろう」この新企業理念体系の下、当社グループは、日々変化するエンタテインメント業界において、お客様のニーズを捉え、当社グループ社員の想像力を活かした魅力あるIPの開発、そしてIPを起点としたゲームやコミックス、ミュージック、アミューズメント施設など多様なコンテンツを世界中のお客様に提供することで、グループ一丸となって成長し続ける企業を目指します。 (2) 経営戦略等当社グループは、2024年5月に中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)として、「Square Enix Reboots and Awakens~さらなる成長に向けた再起動の3年間~」を発表致しました。前中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)において、海外3スタジオ及び一部IP売却によるポートフォリオ整理、収益基盤としてのMMO事業拡大、出版事業における安定的成長フェーズへの移行、アミューズメント事業のV字回復実現、ライツ・プロパティ等事業の継続的成長といった成果があった一方、HDゲーム(HD)事業の低収益性、スマートデバイス・PCブラウザ等(SD)事業の成長減速、会社全体としてのポートフォリオ管理が不十分であること、および一部の経営管理基盤が未整備であること等、大きな課題も浮き彫りになりました。これらの課題を解決し、確かな面白さをもつバラエティ豊かなコンテンツを世界中にお届けする存在へと進化すべく、中期経営計画の3か年を「さらなる成長に向けた再起動の3年間」と位置づけ、下記の4つの戦略を実行していく所存です。① デジタルエンタテインメント(DE)事業の開発体制最適化による生産性向上② コンタクトポイント(顧客接点)強化による収益獲得機会の多様化③ 経営基盤の更なる安定化に向けた各種施策の導入④ 成長投資と株主還元のバランスを勘案したキャピタル・アロケーション ① デジタルエンタテインメント(DE)事業の開発体制最適化による生産性向上・「確かな面白さ」をお届けする「量から質」への転換DE事業における中長期ポートフォリオの考え方として、「量から質への転換」を推し進めてまいります。そのために、第一に、当社グループ社員の想像力から生まれる独創性のコンテンツへの反映(プロダクト・アウト)と、お客様の声やマーケットトレンドへのキャッチアップ(マーケット・イン)をバランスよく開発プロセスに組み込んでいきたいと考えます。また、お客様に長く愛されるポテンシャルの高いタイトルに人材と開発投資を重点的に配分し、各IPを支えるタイトル開発を担うコアチームの練度向上を図ります。さらに、全体ポートフォリオおよび個別IP双方の観点から最適な頻度とタイミングを考慮したローンチスケジュールを可能とする重層的なタイトルラインナップ構築を目指していきます。 ・スクウェア・エニックスならではの「面白さ」を届けるタイトル開発に注力タイトル開発においては、以下の点を重視していきたいと考えます。まず、大・中規模のHDタイトルにおいては、安定した「面白さ」をベースにファン層の維持・拡大に努めるとともに、SDタイトルについては、安心して長く遊べる「面白さ」をベースに、ヒットレシオ向上を目指します。新規IPにおいては、新たなファン層開拓に向けて、新規性・独創性のある「面白さ」を重要視し、タイトル開発を行ってまいります。また、当社グループが保有する豊富なライブラリーIPの活用によるカタログラインナップの強化にも挑戦してまいります。 ・スクウェア・エニックスならではの「面白さ」を生み出す開発体制の整備社内開発体制を刷新し、内製開発力を強化すべく、事業部制組織モデルであるBU制を廃止し、開発機能に重心を置いた一体運営型の組織体制を導入しました。また、社内開発体制の刷新に加えて、「個」のクリエイティブと「組織」のマネジメントが調和した開発推進体制への転換をすべく、プロデューサーおよびそれに付随する職種のミッション再定義と社内支援体制整備、タイトル開発進捗管理プロセス全体の見直しによる開発投資効率向上を行ってまいります。② コンタクトポイント(顧客接点)強化による収益獲得機会の多様化・マルチプラットフォーム戦略への転換HDタイトルについては、任天堂プラットフォーム、PlayStation、XboxやPCを含む、マルチプラットフォーム展開を強力に推進してまいります。そのために、主要IPタイトルおよびAAAタイトルは、カタログタイトルも含め、より多くのお客様に遊んでいただける環境をグローバルで整備していきます。SDタイトルについては、iOS/Androidに加え、PC等のローンチも選択肢として検討していきます。また、ローンチ時の新規ユーザー獲得や運営開始後の継続的なユーザー獲得の最大化を図っていく所存です。 ・デジタル販売強化による当社タイトル群の継続的コンタクトポイント構築まず、新作タイトルのデジタル販売において、タイトルローンチ時のプロモーション施策におけるデジタル販売への導線強化を推進してまいります。次に、豊富なカタログタイトルライブラリーの収益獲得機会創出等によるカタログタイトル拡販を通じた収益基盤の強化を目指してまいります。さらに、PCユーザー獲得にフォーカスした各種取り組みの推進も検討してまいります。 ・パブリッシング機能の高度化によるお客様とのインタラクション創出国内におけるパブリッシング関連組織の一体運営推進を目指し、旧BU(開発事業本部)に点在していたマーケティング機能を集約し、共有知拡大と重複機能排除による効率化推進と、セールス機能とマーケティング機能の連携強化を企図した新たなレポートラインの導入に取り組んでまいります。さらに、HDおよびSDタイトルのローンチキャンペーンにおけるCRM・データアナリティクスの活用等、ファーストパーティーデータ(自社保有データ)の活用によるマーケティングの高度化に対応していきます。 ・IPの多面展開による新たな収益獲得機会創出への挑戦クロスメディア戦略のさらなる推進による新規市場へのアプローチを推進してまいります。具体的には、グローバルマーケットに特化したIPビジネス開発専門部署の新設による、ライセンスビジネスのエリア拡大を図っていきます。また、IPの多面展開を推進する組織体制を構築し、ライツ・プロパティ事業関連組織の統合によるシナジー創出を目指してまいります。 ③ 経営基盤の更なる安定化に向けた各種施策の導入・海外事業部門の機能及び組織構造の見直しヨーロッパ、アメリカ両拠点の機能及び組織構造の見直しとそれに伴うコスト最適化に取り組んでまいります。具体的には、国内開発部門の新組織発足に対応した組織構造の再設計を目指していきます。また、国内外における当社グループ間での協業を促進してまいります。例えば、国内各部門(クリエイティブスタジオ・パブリッシング)との緊密な連携やグループ横断での人材活用を推進していきたいと考えております。 ・国内事業における「創造力と生産性」の両立に向けた組織・人事関連施策群の導入新たなタレント発掘を企図した抜擢登用のチャンス拡大に加え、意思決定機構の簡素化を図ることで、フラットな組織体制を構築していきます。また、開発部門における一体運営型組織体制に呼応した人事施策を導入してまいります。具体的には、開発部門一体となった、採用・昇格・マネジメント任命制度の整備、導入を進めてまいります。さらに、新入社員への研修・育成システムの再構築や若手・中堅社員の能力伸長をサポートする各種社内プログラムの導入を進めていく所存です。 ・PDCAサイクルを高速で回す事業インフラ整備事業活動のさらなる可視化に資する管理会計制度の精緻化を推進してまいります。また、ハイブリッド勤務体制下で社員の生産性を最大化する各種インフラへの投資、および開発部門の「クリエイティビティ」をサポートする魅力的なオフィス環境の整備等、開発環境整備に伴う設備投資を行ってまいります。 ④ 成長投資と株主還元のバランスを勘案したキャピタル・アロケーション成長投資と株主還元のバランスを勘案したキャピタル・アロケーションの方針を策定し、3か年累計戦略投資枠(成長投資または株主還元)として最大1,000億円を設定いたします。成長投資については、企業価値向上に資する投資機会を厳選し、かつ自社事業の知見を活用するとともに、業容拡大及び安定化を企図したインオーガニック投資の実施を検討してまいります。一方、株主還元につきましては、連結配当性向30%を基本方針としつつ、成長投資と株主還元のバランスを勘案して決定しております。当社グループでは、これらの取り組みを通じて、さらなる企業価値の向上に努めていく所存です。(3) 経営環境家庭用ゲーム市場は、デジタル化をはじめとした技術の進化によって、コンテンツの提供形態がパッケージ販売から、ダウンロード販売へのシフトに加え、ビジネスモデルが従来の売り切り型から、フリートゥプレイ、ゲーム内課金、サブスクリプション等に多角化しており、今後も成長が見込まれています。新作においては、一部の大型タイトルに人気が集中することにより、タイトルの成否が顕著に表れる傾向となっています。モバイルゲーム市場は、スマートフォンの性能向上により、ゲーム体験に対する顧客ニーズが高まり、ゲーム設計やビジネスモデルが多様化しています。また、スマホゲームのグローバル化、マルチデバイス化によって、コンテンツの大型化がみられており、市場規模は、今後も成長が見込まれています。国内においては、上位のタイトルの固定化が目立つ一方で、ユーザー獲得競争の激化や上位タイトルの長期運営化等により、新作タイトルのヒット率は低下傾向にあります。アミューズメント市場は、プライズゲームを中心に市場が堅調に推移しており、国内施設売上高は安定的に推移しています。出版(コミック)市場は、紙媒体の売上高が減少する一方で、コミックアプリ等による電子書籍の売上高が伸長しています。スマートフォンでコミックを読むことが定着しており、今後も電子書籍市場については引き続き成長が予測されています。ライツ・プロパティ等事業を取り巻く環境としては、ユーザーの嗜好の多様化に合わせて幅広い商品・サービスが国内外の様々なチャネルで展開されています。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題(2)経営戦略等を参照 (5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、下記の通り、3つの財務目標数値を設定致します。・DE事業全体の安定的な利益創出を実現し、かつ、2027年3月期連結営業利益率15%を目指します。・3か年累計の戦略投資枠(成長投資または株主還元)として、最大1,000億円を設定いたします。・資本効率を意識した経営にシフトし、ROE10%以上の達成を目指します。 (6) ESGへの取り組み 当社はESG(環境保護・社会的責任・企業統治)への取り組みを通じて社会に貢献し、企業価値の向上と持続的成長の実現を目指しています。 環境保護への取り組みとして、当社はパッケージゲームのダウンロード販売を促進することにより、パッケージ商品の物流に伴う排出ガスの削減、マニュアルやゲームパッケージの電子化による資源の節約などに取り組んでおります。さらに、パッケージ商品においても、リサイクル可能な素材を使用するなど、環境への負荷を最小限に留める事業活動に努めております。 社会的責任への取り組みとして、当社は、お客様が安心して遊べるように、国内外で販売される家庭用ゲームソフトについて、各販売国・地域のレーティング制度を遵守しています。日本でのレーティング制度は、特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構(略称CERO)が実施し、ゲームの表現内容に基づいて対象年齢を表示しております。また、当社は、当社が加盟する業界団体である一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)が制定した「ネットワークゲームにおけるランダム型アイテム提供方式運営ガイドライン」を遵守し、有料ガチャ(金銭もしくは金銭で購入できる仮想通貨を直接の対価として行うことができるランダム型アイテム提供方式)で提供されるアイテムについて、全てのアイテムとそれらの提供割合を表示することによって、お客様の購入判断に役立てていただいております。このように、当社は法令や業界ガイドラインを遵守して、お客様により安心・安全なゲームプレイ環境とサービスを提供しております。 企業統治については、株主のみなさまを始め、当社を取り巻く全てのステークホルダーの利益を尊重し、良好な関係性を維持することが当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値最大化の実現に必要不可欠と考えています。当社は、企業統治の一層の強化を目的として、監査等委員会設置会社制度を採用しております。社外取締役のみで構成する監査等委員会を設置することにより監視機能を強め、経営の健全性の維持を図っております。さらに、経営と執行の分離を明確にするため、業務執行を代表取締役に集約しており、「取締役会規程」及びその他の社内規程に定める基準のもと、会社経営方針を決定する取締役会と業務執行に係る個別の意思決定を行う経営陣を明確に区分しております。これにより、経営判断の適正化と業務執行の効率化の両立を図っております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当該有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針当社グループは、下記の企業理念体系「パーパス/バリューズ 」を制定しました。パーパス:「無限の想像力で、新しい世界を創り出そう。」バリューズ:「心にまで届けよう」「全力で挑戦しよう」「すばやく先駆けよう」「みんなで高め合おう」「進化し続けよう」「誠実であろう」この新企業理念体系の下、当社グループは、日々変化するエンタテインメント業界において、お客様のニーズを捉え、当社グループ社員の想像力を活かした魅力あるIPの開発、そしてIPを起点としたゲームやコミックス、ミュージック、アミューズメント施設など多様なコンテンツを世界中のお客様に提供することで、グループ一丸となって成長し続ける企業を目指します。 (2) 経営戦略等当社グループは、2024年5月に中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)として、「Square Enix Reboots and Awakens~さらなる成長に向けた再起動の3年間~」を発表致しました。前中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)において、海外3スタジオ及び一部IP売却によるポートフォリオ整理、収益基盤としてのMMO事業拡大、出版事業における安定的成長フェーズへの移行、アミューズメント事業のV字回復実現、ライツ・プロパティ等事業の継続的成長といった成果があった一方、HDゲーム(HD)事業の低収益性、スマートデバイス・PCブラウザ等(SD)事業の成長減速、会社全体としてのポートフォリオ管理が不十分であること、および一部の経営管理基盤が未整備であること等、大きな課題も浮き彫りになりました。これらの課題を解決し、確かな面白さをもつバラエティ豊かなコンテンツを世界中にお届けする存在へと進化すべく、中期経営計画の3か年を「さらなる成長に向けた再起動の3年間」と位置づけ、下記の4つの戦略を実行していく所存です。① デジタルエンタテインメント(DE)事業の開発体制最適化による生産性向上② コンタクトポイント(顧客接点)強化による収益獲得機会の多様化③ 経営基盤の更なる安定化に向けた各種施策の導入④ 成長投資と株主還元のバランスを勘案したキャピタル・アロケーション ① デジタルエンタテインメント(DE)事業の開発体制最適化による生産性向上・「確かな面白さ」をお届けする「量から質」への転換DE事業における中長期ポートフォリオの考え方として、「量から質への転換」を推し進めてまいります。そのために、第一に、当社グループ社員の想像力から生まれる独創性のコンテンツへの反映(プロダクト・アウト)と、お客様の声やマーケットトレンドへのキャッチアップ(マーケット・イン)をバランスよく開発プロセスに組み込んでいきたいと考えます。また、お客様に長く愛されるポテンシャルの高いタイトルに人材と開発投資を重点的に配分し、各IPを支えるタイトル開発を担うコアチームの練度向上を図ります。さらに、全体ポートフォリオおよび個別IP双方の観点から最適な頻度とタイミングを考慮したローンチスケジュールを可能とする重層的なタイトルラインナップ構築を目指していきます。 ・スクウェア・エニックスならではの「面白さ」を届けるタイトル開発に注力タイトル開発においては、以下の点を重視していきたいと考えます。まず、大・中規模のHDタイトルにおいては、安定した「面白さ」をベースにファン層の維持・拡大に努めるとともに、SDタイトルについては、安心して長く遊べる「面白さ」をベースに、ヒットレシオ向上を目指します。新規IPにおいては、新たなファン層開拓に向けて、新規性・独創性のある「面白さ」を重要視し、タイトル開発を行ってまいります。また、当社グループが保有する豊富なライブラリーIPの活用によるカタログラインナップの強化にも挑戦してまいります。 ・スクウェア・エニックスならではの「面白さ」を生み出す開発体制の整備社内開発体制を刷新し、内製開発力を強化すべく、事業部制組織モデルであるBU制を廃止し、開発機能に重心を置いた一体運営型の組織体制を導入しました。また、社内開発体制の刷新に加えて、「個」のクリエイティブと「組織」のマネジメントが調和した開発推進体制への転換をすべく、プロデューサーおよびそれに付随する職種のミッション再定義と社内支援体制整備、タイトル開発進捗管理プロセス全体の見直しによる開発投資効率向上を行ってまいります。② コンタクトポイント(顧客接点)強化による収益獲得機会の多様化・マルチプラットフォーム戦略への転換HDタイトルについては、任天堂プラットフォーム、PlayStation、XboxやPCを含む、マルチプラットフォーム展開を強力に推進してまいります。そのために、主要IPタイトルおよびAAAタイトルは、カタログタイトルも含め、より多くのお客様に遊んでいただける環境をグローバルで整備していきます。SDタイトルについては、iOS/Androidに加え、PC等のローンチも選択肢として検討していきます。また、ローンチ時の新規ユーザー獲得や運営開始後の継続的なユーザー獲得の最大化を図っていく所存です。 ・デジタル販売強化による当社タイトル群の継続的コンタクトポイント構築まず、新作タイトルのデジタル販売において、タイトルローンチ時のプロモーション施策におけるデジタル販売への導線強化を推進してまいります。次に、豊富なカタログタイトルライブラリーの収益獲得機会創出等によるカタログタイトル拡販を通じた収益基盤の強化を目指してまいります。さらに、PCユーザー獲得にフォーカスした各種取り組みの推進も検討してまいります。 ・パブリッシング機能の高度化によるお客様とのインタラクション創出国内におけるパブリッシング関連組織の一体運営推進を目指し、旧BU(開発事業本部)に点在していたマーケティング機能を集約し、共有知拡大と重複機能排除による効率化推進と、セールス機能とマーケティング機能の連携強化を企図した新たなレポートラインの導入に取り組んでまいります。さらに、HDおよびSDタイトルのローンチキャンペーンにおけるCRM・データアナリティクスの活用等、ファーストパーティーデータ(自社保有データ)の活用によるマーケティングの高度化に対応していきます。 ・IPの多面展開による新たな収益獲得機会創出への挑戦クロスメディア戦略のさらなる推進による新規市場へのアプローチを推進してまいります。具体的には、グローバルマーケットに特化したIPビジネス開発専門部署の新設による、ライセンスビジネスのエリア拡大を図っていきます。また、IPの多面展開を推進する組織体制を構築し、ライツ・プロパティ事業関連組織の統合によるシナジー創出を目指してまいります。 ③ 経営基盤の更なる安定化に向けた各種施策の導入・海外事業部門の機能及び組織構造の見直しヨーロッパ、アメリカ両拠点の機能及び組織構造の見直しとそれに伴うコスト最適化に取り組んでまいります。具体的には、国内開発部門の新組織発足に対応した組織構造の再設計を目指していきます。また、国内外における当社グループ間での協業を促進してまいります。例えば、国内各部門(クリエイティブスタジオ・パブリッシング)との緊密な連携やグループ横断での人材活用を推進していきたいと考えております。 ・国内事業における「創造力と生産性」の両立に向けた組織・人事関連施策群の導入新たなタレント発掘を企図した抜擢登用のチャンス拡大に加え、意思決定機構の簡素化を図ることで、フラットな組織体制を構築していきます。また、開発部門における一体運営型組織体制に呼応した人事施策を導入してまいります。具体的には、開発部門一体となった、採用・昇格・マネジメント任命制度の整備、導入を進めてまいります。さらに、新入社員への研修・育成システムの再構築や若手・中堅社員の能力伸長をサポートする各種社内プログラムの導入を進めていく所存です。 ・PDCAサイクルを高速で回す事業インフラ整備事業活動のさらなる可視化に資する管理会計制度の精緻化を推進してまいります。また、ハイブリッド勤務体制下で社員の生産性を最大化する各種インフラへの投資、および開発部門の「クリエイティビティ」をサポートする魅力的なオフィス環境の整備等、開発環境整備に伴う設備投資を行ってまいります。 ④ 成長投資と株主還元のバランスを勘案したキャピタル・アロケーション成長投資と株主還元のバランスを勘案したキャピタル・アロケーションの方針を策定し、3か年累計戦略投資枠(成長投資または株主還元)として最大1,000億円を設定いたします。成長投資については、企業価値向上に資する投資機会を厳選し、かつ自社事業の知見を活用するとともに、業容拡大及び安定化を企図したインオーガニック投資の実施を検討してまいります。一方、株主還元につきましては、連結配当性向30%を基本方針としつつ、成長投資と株主還元のバランスを勘案して決定しております。当社グループでは、これらの取り組みを通じて、さらなる企業価値の向上に努めていく所存です。(3) 経営環境家庭用ゲーム市場は、デジタル化をはじめとした技術の進化によって、コンテンツの提供形態がパッケージ販売から、ダウンロード販売へのシフトに加え、ビジネスモデルが従来の売り切り型から、フリートゥプレイ、ゲーム内課金、サブスクリプション等に多角化しており、今後も成長が見込まれています。新作においては、一部の大型タイトルに人気が集中することにより、タイトルの成否が顕著に表れる傾向となっています。モバイルゲーム市場は、スマートフォンの性能向上により、ゲーム体験に対する顧客ニーズが高まり、ゲーム設計やビジネスモデルが多様化しています。また、スマホゲームのグローバル化、マルチデバイス化によって、コンテンツの大型化がみられており、市場規模は、今後も成長が見込まれています。国内においては、上位のタイトルの固定化が目立つ一方で、ユーザー獲得競争の激化や上位タイトルの長期運営化等により、新作タイトルのヒット率は低下傾向にあります。アミューズメント市場は、プライズゲームを中心に市場が堅調に推移しており、国内施設売上高は安定的に推移しています。出版(コミック)市場は、紙媒体の売上高が減少する一方で、コミックアプリ等による電子書籍の売上高が伸長しています。スマートフォンでコミックを読むことが定着しており、今後も電子書籍市場については引き続き成長が予測されています。ライツ・プロパティ等事業を取り巻く環境としては、ユーザーの嗜好の多様化に合わせて幅広い商品・サービスが国内外の様々なチャネルで展開されています。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題(2)経営戦略等を参照 (5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、下記の通り、3つの財務目標数値を設定致します。・DE事業全体の安定的な利益創出を実現し、かつ、2027年3月期連結営業利益率15%を目指します。・3か年累計の戦略投資枠(成長投資または株主還元)として、最大1,000億円を設定いたします。・資本効率を意識した経営にシフトし、ROE10%以上の達成を目指します。 (6) ESGへの取り組み 当社はESG(環境保護・社会的責任・企業統治)への取り組みを通じて社会に貢献し、企業価値の向上と持続的成長の実現を目指しています。 環境保護への取り組みとして、当社はパッケージゲームのダウンロード販売を促進することにより、パッケージ商品の物流に伴う排出ガスの削減、マニュアルやゲームパッケージの電子化による資源の節約などに取り組んでおります。さらに、パッケージ商品においても、リサイクル可能な素材を使用するなど、環境への負荷を最小限に留める事業活動に努めております。 社会的責任への取り組みとして、当社は、お客様が安心して遊べるように、国内外で販売される家庭用ゲームソフトについて、各販売国・地域のレーティング制度を遵守しています。日本でのレーティング制度は、特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構(略称CERO)が実施し、ゲームの表現内容に基づいて対象年齢を表示しております。また、当社は、当社が加盟する業界団体である一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)が制定した「ネットワークゲームにおけるランダム型アイテム提供方式運営ガイドライン」を遵守し、有料ガチャ(金銭もしくは金銭で購入できる仮想通貨を直接の対価として行うことができるランダム型アイテム提供方式)で提供されるアイテムについて、全てのアイテムとそれらの提供割合を表示することによって、お客様の購入判断に役立てていただいております。このように、当社は法令や業界ガイドラインを遵守して、お客様により安心・安全なゲームプレイ環境とサービスを提供しております。 企業統治については、株主のみなさまを始め、当社を取り巻く全てのステークホルダーの利益を尊重し、良好な関係性を維持することが当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値最大化の実現に必要不可欠と考えています。当社は、企業統治の一層の強化を目的として、監査等委員会設置会社制度を採用しております。社外取締役のみで構成する監査等委員会を設置することにより監視機能を強め、経営の健全性の維持を図っております。さらに、経営と執行の分離を明確にするため、業務執行を代表取締役に集約しており、「取締役会規程」及びその他の社内規程に定める基準のもと、会社経営方針を決定する取締役会と業務執行に係る個別の意思決定を行う経営陣を明確に区分しております。これにより、経営判断の適正化と業務執行の効率化の両立を図っております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況当社グループは、報告セグメントをデジタルエンタテインメント事業、アミューズメント事業、出版事業、及びライツ・プロパティ等事業と定め、各々のセグメントにおいて、事業基盤の強化と収益力の向上に努めております。当連結会計年度の業績は、売上高は297,661百万円(前期比8.3%減)、営業利益は54,736百万円(前期比34.9%増)となりました。為替相場が前期末と比較して円安となり為替差益が7,213百万円発生したことなどにより、経常利益は64,469百万円(前期比57.5%増)となりました。また、組織再編費用12,135百万円を特別損失として計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は29,616百万円(前期比21.3%増)となりました。 当連結会計年度の報告セグメント別の状況は以下のとおりであります。 a .デジタルエンタテインメント事業ゲームを中心とするデジタルエンタテインメント・コンテンツの企画、開発、販売及び運営を行っております。デジタルエンタテインメント・コンテンツは、顧客のライフスタイルにあわせて、家庭用ゲーム機 (携帯ゲーム機含む)、PC、スマートデバイス等、多様な利用環境に対応しています。当連結会計年度は、HD(High-Definition)ゲームにおいて、「ファイナルファンタジータクティクス - イヴァリース クロニクルズ」、「ドラゴンクエスト I & II」、「ドラゴンクエストVII Reimagined」等の新作タイトルの販売が底堅く推移したことに加え、カタログタイトルの売上も前年を上回ったこと等により、前期比で増収増益となりました。MMO(多人数参加型オンラインロールプレイングゲーム)においては、前年に「ファイナルファンタジーXIV」の拡張パッケージ「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー」を発売したことから、前期比で減収減益となりました。スマートデバイス・PCブラウザ等をプラットフォームとしたコンテンツにおいては、既存タイトルの弱含み等により前期比で減収となったものの、決済手段の多様化による収益性の改善により増益となりました。当事業における当連結会計年度の売上高は172,883百万円(前期比16.3%減)となり、営業利益は43,363百万円(前期比28.0%増)となりました。 b .アミューズメント事業アミューズメント施設の運営、並びにアミューズメント施設向けの業務用ゲーム機器・関連商製品の企画、開発及び販売を行っております。当連結会計年度は、機器販売が前年を下回ったものの、既存店売上高及びアミューズメント施設向け景品の販売が前年を上回ったこと等により、前期比で増収増益となりました。当事業における当連結会計年度の売上高は72,126百万円(前期比1.3%増)となり、営業利益は8,877百万円(前期比13.1%増)となりました。 c .出版事業コミック雑誌、コミック単行本、ゲーム関連書籍等の出版、許諾等を行っております。当連結会計年度は、コミック単行本の売上が前年を下回ったことにより、前期比で減収減益となりました。当事業における当連結会計年度の売上高は29,712百万円(前期比3.4%減)となり、営業利益は9,849百万円(前期比10.3%減)となりました。 d .ライツ・プロパティ等事業主として当社グループのコンテンツに関する二次的著作物の企画・制作・販売及びライセンス許諾を行っております。当連結会計年度は、有力IPにかかるロイヤリティ収入の計上等によって、前期比で増収増益となりました。当事業における当連結会計年度の売上高は25,059百万円(前期比31.4%増)となり、営業利益は11,237百万円(前期比85.2%増)となりました。 当連結会計年度の財政状態の概要は次のとおりであります。 a .資産流動資産は、前連結会計年度末に比べて、6.9%増加し、368,393百万円となりました。これは主として現金及び預金が28,293百万円増加したこと、受取手形及び売掛金が2,693百万円減少したことによるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べて、2.8%減少し、69,624百万円となりました。この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて、5.3%増加し、438,018百万円となりました。 b .負債流動負債は、前連結会計年度末に比べて、10.9%増加し、74,730百万円となりました。これは主として未払法人税等が13,587百万円増加したこと、流動負債その他が3,229百万円、資産除去債務が1,811百万円、事務所退去費用引当金が719百万円減少したことによるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べて、13.1%増加し、14,063百万円となりました。この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて、11.3%増加し、88,793百万円となりました。 c .純資産純資産合計は、前連結会計年度末に比べて、3.8%増加し、349,224百万円となりました。これは主として、親会社株主に帰属する当期純利益29,616百万円の計上、配当金の支払18,620百万円によるものであります。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ32,185百万円増加して、275,796百万円となりました。キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。a .営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動の結果得られた資金は51,584百万円(前期比20.6%増)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益50,356百万円、コンテンツ等廃棄損9,973百万円、減価償却費8,686百万円、売上債権3,097百万円の減少、棚卸資産9,675百万円の増加、法人税等の支払額6,157百万円、為替差益4,922百万円によるものであり、全体としては資金が増加しました。 b .投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動の結果使用した資金は6,209百万円(前期比58.9%減)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出6,245百万円、無形固定資産の取得による支出1,150百万円、資産除去債務の履行による支出2,180百万円及び定期預金の払戻による収入3,996百万円によるものであります。 c .財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動の結果使用した資金は18,430百万円(前期比179.2%増)となりました。これは主として、配当金の支払額18,629百万円によるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績a .生産実績当社グループの生産は同種の商製品であっても一様でないため、セグメントごとに生産規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。 b .仕入実績仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月 1日至 2026年3月31日)前期比(%)デジタルエンタテインメント事業(百万円)7,8893.9アミューズメント事業(百万円)20,8649.3出版事業(百万円)3,543△1.4ライツ・プロパティ等事業(百万円)8,12214.0合計(百万円)40,4198.1 c .受注実績当社グループは受注による生産は行っておりません。 d .販売実績販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月 1日至 2026年3月31日)前期比(%)デジタルエンタテインメント事業(百万円)172,883△16.3アミューズメント事業(百万円)71,5392.4出版事業(百万円)29,665△3.4ライツ・プロパティ等事業(百万円)23,57235.6合計(百万円)297,661△8.3(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当該有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容・「当連結会計年度の経営成績等」及び「セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況」に関する認識及び分析・検討内容「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 ・経営成績に重要な影響を与える要因 「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載のとおり、当該事業リスクが発生した場合、経営成績に重要な影響を与える可能性があります。 為替変動の影響 当連結会計年度において主に円と米ドル及びユーロによる為替レートの変動の影響により7,213百万円の為替差益を計上しております。 ・経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、下記の通り、3つの財務目標数値を設定致します。・DE事業全体の安定的な利益創出を実現し、かつ、2027年3月期連結営業利益率15%を目指します。・3か年累計の戦略投資枠(成長投資または株主還元)として、最大1,000億円を設定いたします。・資本効率を意識した経営にシフトし、ROE10%以上の達成を目指します。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報・「当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況」に関する認識及び分析・検討内容「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 ・資本の財源及び資金の流動性当社グループの運転資金需要のうち主なものには、デジタルエンタテインメント事業及びアミューズメント事業におけるコンテンツ制作に係る人件費及び外注開発費のほか、家庭用ゲームソフトのディスク製造費、アミューズメント事業のプライズ商材、出版事業の印刷物、ライツ・プロパティ等事業のグッズ等の商材、TVコマーシャル等の広告宣伝費があります。当社グループでは、運転資金及び設備資金は内部資金より資金調達をしております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は275,796百万円となっており、当社グループの事業を推進していく上で充分な流動性を確保しております。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要な項目は以下のとおりであります。 a .コンテンツ制作勘定の評価当社グループは、コンテンツ制作勘定の評価について、第5 経理の状況 連結財務諸表「注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおり、重要な会計上の見積りと認識しております。 b .デジタルエンタテインメント事業にかかる返金負債当社グループは、返金負債について、第5 経理の状況 連結財務諸表「注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおり、重要な会計上の見積りと認識しております。

事業リスク

  • ゲーム開発費の高騰と回収不確実性
    高性能化するゲームプラットフォームに対応するため、ゲーム開発費は増加傾向にあります。厳格な管理を行っていますが、販売本数が想定を下回った場合、開発費を十分に回収できず、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 多様な顧客嗜好とビジネスモデルへの対応
    コンテンツの提供形態やビジネスモデルが多様化する中で、顧客の嗜好の変化や市場の変化に迅速かつ的確に対応できない場合、競争力を失い、業績に影響を及ぼす可能性があります。
  • 情報セキュリティと個人情報漏洩
    事業運営に必要な情報・ネットワークシステムは適切に管理されていますが、サイバー攻撃やシステム障害、運用ミスなどにより、業務運営に支障が生じたり、顧客や従業員の個人情報が漏洩したりするリスクがあります。これにより、機会損失や追加費用の発生、社会的信用の低下を招く可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,530 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当該有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1)事業活動に関するリスク ①ゲーム開発費の高騰 家庭用ゲーム機、PC、スマートフォン等、当社がゲームを提供するプラットフォームの高性能化・高機能化によって、コンテンツ体験が多様化・高度化しております。このような体験に対する顧客の期待は年々高まっており、それを満たすコンテンツ提供を行う必要があることから、ゲームの開発費は今後も増加すると予想されています。各タイトルの開発管理や収益管理を厳格化することにより、開発費の適正水準の維持に努めておりますが、販売本数が当初の想定を下回り、開発費を十分回収できない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ②多様な顧客嗜好の変化、ビジネスモデルの多様化に対する当社の対応能力 コンテンツの提供形態やビジネスモデルが多様化し、デジタルエンタテインメントの産業構造が大きく変化しています。それらの変化に適時的確に対応できない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③新しいコンテンツ・サービスの創造や海外展開を核とする当社の成長戦略を担う人材の確保 当社グループを取り巻く事業環境は大きく変わりつつあります。このような環境変化に適時的確に対応するためには、優秀な人材の確保が不可欠となりますが、必要な人材の確保が追いつかない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ④国際的事業展開 当社グループは、国際的な事業展開を進めておりますが、当社グループが海外事業を展開している国における市場動向、政治・経済、法律・規制、社会情勢、その他の要因によって、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)経済環境に関するリスク ①経済環境の変化 消費者の需要を減退させるような経済情勢の著しい低迷は、当社グループの扱っているエンタテインメント分野における商品・サービスの消費を減退させる恐れがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ②為替リスク 当社グループは、北米・欧州・アジアに在外連結子会社を所有しております。当該子会社において獲得した現地通貨は、主として現地での決済に使用するほか、現地での投資に振り向けることから、実質的な為替リスクは軽減されております。しかしながら、外貨建ての在外連結子会社の売上、費用、資産等は、連結財務諸表の作成時に円換算するため、換算時の為替レートが予想を超えて大幅に変動した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(3)法的規制・訴訟に関するリスク ①情報・ネットワークシステム 当社グループでは事業推進及び業務運営に必要な情報・ネットワークシステムを適切に構築・運用管理しておりますが、システム障害、運用ミスなどにより、業務運営に支障をきたし、機会損失や追加的費用が発生する可能性があります。 また、当社グループでは、情報・ネットワークシステムへのサイバー攻撃、不正アクセス、コンピュータウィルス感染などの所謂セキュリティ・インシデントに対する堅固な予防・防御策を構築・運用管理しておりますが、万一、かかる対策によっても防止し得ないセキュリティ・インシデントが発生した場合、事業推進又は業務運営に支障をきたし、機会損失や追加的費用が発生する可能性があります。さらに、当社グループの顧客及び従業員の個人情報を含む営業秘密が社外へ漏洩し、追加的費用の発生や当社グループの社会的信用の低下を招くおそれがあります。 ②個人情報の管理 個人情報保護法やEU一般データ保護規則の施行に伴い、個人情報の厳重な社内管理体制を整備するとともに、役員・従業員に対する個人情報保護に係る教育訓練も随時実施しております。しかし、上記「①情報・ネットワークシステム」で述べたようなセキュリティ・インシデントの結果、個人情報が社外へ漏洩した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③風俗営業法 アミューズメント施設運営にかかる事業は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」及びその関連法令により規制を受けております。その内容は、店舗開設及び運営に関する許認可、営業時間帯の制限、入場者の年齢制限、出店地域の規制、施設の構造・内装・照明・騒音等に関する規制などです。当社グループは、同法を遵守しつつ適法適正な店舗運営を行っておりますが、同法の規制が強化された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ④訴訟等 当社グループは、法令遵守及び第三者の権利尊重を含む行動規範を制定し、役員及び従業員に周知徹底しておりますが、国内外の事業展開に伴い、争訟の当事者となるリスクを不可避的に負っております。当社グループを相手取った訴訟などの法的手続きが提起された場合、当社グループに有利な条件で早期に解決する努力にも拘わらず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)災害等に係るリスク ①事故・災害 当社グループは、地震その他の大規模自然災害、火災、停電、システム・ネットワーク障害、テロ、感染症の流行、その他の事故・災害による影響を最小化するために、定期的な災害防止検査、設備点検、避難誘導体制の整備、適切な防災・避難訓練などの対策を行っておりますが、激甚な事故・災害が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ②感染症拡大の影響 今後大規模かつ深刻な感染症が流行した場合、当社グループの事業領域においては、コンテンツに対する需要への影響、新作タイトルの開発スケジュールへの影響、アミューズメント施設運営の売上高減少などが生じる恐れがあります。その結果、当社グループへの業績に影響を及ぼす可能性があります。

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