研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
|---|---|---|
| 2025-05 | - | 12 |
| 2024-05 | - | 7 |
| 2023-05 | - | 4 |
| 2022-05 | - | 7 |
| 2021-05 | - | 4 |
研究開発活動(本文)
FY2025|3,303 文字
6【研究開発活動】研究開発に関しましては、常に高付加価値で新規性のあるオリジナル商品の開発をグローバルな視点で取り組んでおり、野菜類・花き類で海外への普及が伸長しております。種苗事業では「野菜類及び飼料作物類」と「カンショ(サツマイモ)などの栄養繁殖性野菜類」の品種開発、花き事業では「ユーストマ・カーネーションなどの花き類」と「ホームユース向け花き類・野菜類」の品種開発、また施設材事業では「養液栽培プラントや植物工場及び温室関連設備」の研究・開発を行っております。また、SDGsに関連した取組みとして、廃プラスチックを原燃料した温室暖房設備の実証試験を行っております。これらの研究部門が連携をとりながら、持続可能な社会を支える農業システムを構築すべく研究開発活動を行っております。当連結会計年度の研究開発費の総額は、942,404千円となっております。セグメント別研究開発の状況は次のとおりであります。 (1)種苗事業くにさだ育種農場では、野菜類及び飼料作物類の品種開発を行っております。当期は、一般社団法人日本種苗協会主催の第75回及び第76回全日本野菜品種審査会におきまして、キャベツ、タマネギ、ハクサイで5点が入賞いたしました。そのうち2024年7月26日に岩手県農業研究センターにて開催されました第75回全日本野菜品種審査会(タマネギ秋まき晩生)におきまして“イエロードロップ”が1等特別賞を獲得し農林水産省輸出・国際局長賞を受賞いたしました。また10月15日に長野県野菜花き試験場にて開催されました第75回全日本野菜品種審査会(ハクサイ秋どり)におきまして“黄郷(キキョウ)”が1等特別賞を獲得し農林水産省輸出・国際局長賞を受賞いたしました。東京都種苗会主催の第66回及び67回野菜・花き種苗改善審査会におきましてコマツナ、エダマメ、キャベツ、ホウレンソウ4点が入賞いたしました。特に2024年11月21日に東京都農林総合研究センター江戸川分場にて開催されました審査会でコマツナ“必閃007(ひっせん007)”が1位を獲得し農林水産大臣賞を受賞いたしました。入賞いたしましたタマネギ“イエロードロップ”やキャベツ“冬そだち”、エダマメ“陽恵”につきましては各地で好評いただいており、審査会においても品種の優秀性が認められました。その他入賞した品種については今後の新商品として期待できます。野菜類につきましては、エダマメ“鈴だるま”は需要の多い8月を中心に収穫する中生品種で、多収性と食味の良さが特徴です。ダイコン“YR夏ゆたか”は、暑さに強く安定生産が魅力の品種です。コマツナ“必閃(ひっせん)”は、特に春まきで特性を発揮します。収穫時期が近づくと生育が緩やかになる性質があるため収穫適期が長く、近年の温度上昇下でも収穫時期を逃さず安心して作付けができます。スイートコーン“わくわくコーンTM86スーパー”は、気候変動に比較的強く秀品率の高い品種です。飼料作物類では、特に、緑肥用麦類のアウェナストリゴサ“ダブルバスター”につきましては、栽培することで土壌中の有害センチュウ(キタネグサレセンチュウ)の密度を低減する効果に加え、サツマイモネコブセンチュウに対しても同様の効果を有するため優位性が期待でき、農林水産省が掲げる「みどりの食料システム戦略」の環境にやさしい農業に役立つ品種です。また、子実のみを利用する飼料用トウモロコシ“KD100エポワス”、“KD105リコッタ”、“KD110ラングル”は、子実収量性に優れ国内自給飼料の向上に貢献できる商品として順調に作付けが伸長しております。引続き新規性のある品種の開発を国内外に向け積極的に行ってまいります。波志江研究所ではバイオテクノロジー技術を利用して、栄養繁殖性作物(サツマイモ、ヤマノイモ、イチゴ)の品種開発と組織培養の応用研究を行っております。2023年に品種登録されたサツマイモ“栗かぐや®”はややホクホク系の肉質で、食味や貯蔵性に優れ、秀品率が高く、今期も安定した結果を示し、普及が更に進んでおります。一方、サツマイモ産地では温暖化により生理障害の問題が多くの品種で指摘されているため、生理障害に強い品種の育成を最重点に進めております。なお、当事業に係る研究開発費の金額は、745,560千円であります。 (2)花き事業花き育種研究室では、営利栽培農家向け花き類とホームユース向けの花き類及び野菜類の開発を行っております。一般社団法人日本種苗協会主催の第70回と第71回全日本花卉品種審査会に、ユーストマ、デルフィニウム、キンギョソウ、スターチス・シヌアータ、ヒマワリを出品し、ユーストマ2点、キンギョソウ2点、デルフィニウム 1点が入賞いたしました。そのうち、2024年7月29日に福島県農業総合センターで開催されました第70回全日本花卉品種審査会(ユーストマ季咲き作型)におきまして“エグゼ3型ルージュ”と2024年11月26日に宮崎県総合農業試験場で開催されました第70回全日本花卉品種審査会(デルフィニウム年内出し)におきまして“クルーズブルー”が 1等特別賞を獲得し農林水産省輸出・国際局長賞を受賞いたしました。また、新品種のコンテストであるジャパンフラワーセレクションにおきまして、カーネーション“テルミ”が最高賞であるフラワー・オブ・ザ・イヤー(2024年度)を受賞いたしました。当年度は、営利栽培農家向けとして6品目で合計21品種を新発売といたしました。ユーストマでは3品種を新発売し、「ジュリアス」シリーズに“ジュリアス2型ライトピンク”と「エグゼ」シリーズに“エグゼ3型ルージュ”を追加しました。この2品種はシリーズの中では開花が遅い品種で、それにより同シリーズの作付け時期に拡がりを持たせることができました。カーネーションではスプレー系6品種、スタンダード系5品種を新発売し、その中で“アーベント”はオレンジ色で花色、花型、草姿に優れ、日本のみならず海外でも高い評価を得ており、今後が大いに期待される品種です。スターチス・シヌアータでは暖地向けの“オランジェット”を新発売いたしました。当社では初めてのオレンジ色の品種になります。また、新品目としてカンパニュラ「ミンスター」シリーズ4品種を新発売し、販売品目の充実を図りました。近年、ユーストマ、デルフィニウム、カーネーションの海外での売上が増加してきております。海外向け品種の開発により一層注力してまいります。ホームユース向けでは国内外から花き類と野菜類の品種を多数導入し、花き類で10品目13品種、野菜類で5品目7品種を新発売し、既存品種の改良と新品目の追加を行いました。オリジナル商品の自社開発も着実に進んでおります。なお、当事業に係る研究開発費の金額は、121,717千円であります。 (3)施設材事業システム開発部では、種苗会社の中で長年培われた栽培技術を生かし、養液栽培プラント及び植物工場におきまして、他社にはないプラントの開発・普及を行っております。栽培する品目に適したプラントを開発し、これまでも好評を得ております。レタス“マルチリーフ®”、小ネギ、ミツバなどの葉菜類を栽培する“EK式ハイドロポニック®”、トマトやキュウリなどの果菜類を栽培する“スプレーポニック®”、イチゴを栽培する“ココベリーファーム®”など、環境にやさしく省力化が図れ、生産者のニーズに合った養液栽培プラントを提供しております。当年度は、これからの需要開拓を促すため、「気軽に始められる養液栽培」をテーマにした簡易型養液栽培“カスタムFarm®”を上市しました。多種多様な園芸作物への汎用性を示すため、適宜、栽培品目拡大を目指した試験的な栽培も行っております。従来の栽培作物専用のシステムと異なり、汎用性を持たせた簡易型ユニットとして、施設園芸の裾野を広げ、新たな需要を開拓することを目指します。なお、当事業に係る研究開発費の金額は、75,125千円であります。
FY2024|3,109 文字
6【研究開発活動】研究開発に関しましては、常に高付加価値で新規性のあるオリジナル商品の開発をグローバルな視点で取り組んでおります。種苗事業では「野菜類及び飼料作物類」と「カンショ(サツマイモ)などの栄養繁殖性野菜類」の品種開発、花き事業では「ユーストマ・カーネーションなどの花き類」と「ホームユース向け花き類・野菜類」の品種開発、また施設材事業では「自然光型養液栽培プラント及び閉鎖型植物工場」の開発を行っております。また、SDGsに関連した取組みとして、農業用廃プラスチックや自動車の廃オイル、廃食油を暖房設備の原燃料として農作物のハウス栽培を行う実証試験も行っております。これらの研究部門が連携をとりながら、持続可能な社会を支える農業システムを構築すべく研究開発活動を行っております。当連結会計年度の研究開発費の総額は、917,905千円となっております。セグメント別研究開発の状況は次のとおりであります。 (1)種苗事業くにさだ育種農場では、野菜類及び飼料作物類の品種開発を行っております。当期は、一般社団法人日本種苗協会主催の第74回及び第75回全日本野菜品種審査会におきましてタマネギ、チンゲンサイ、キャベツ、ハクサイ、ブロッコリーで6点が入賞いたしました。そのうち2023年8月25日に岩手県農業研究センターにて開催されました全日本野菜品種審査会におきまして、タマネギ“マルソー”が1位となり農林水産省輸出・国際局長賞を受賞いたしました。また、東京都種苗会主催の第65回東京都野菜・花き種苗改善審査会におきましてコマツナ、スイートコーンで2点が入賞し、東京都種苗研究会会長賞を受賞いたしました。入賞品種につきましては、商品化に向け試験を重ねてまいります。また、すでに販売を開始し好評いただいているスイートコーン“わくわくコーン82”等も入賞しており、品種の優秀性が再確認できております。野菜類につきましては、関東以西の海岸沿いや九州等暖地の冬どり作型に向くレタス“フォースフル”及びキャベツ“さざなみ”を販売開始いたしました。当社におきまして今まで手薄な作型に向く商品のため、力を注いで普及を図ってまいります。また、前期販売を開始した9品目12品種のうち、特にネギ“白翠”、レタス“チアフル”、タマネギ“ヒーローZ”、トマト“TYイエローミミ”は栽培しやすい・収量が多い・食味に優れるなど、優れた特性を発揮し順調に普及が進んでおります。飼料作物類では、飼料用トウモロコシ3品種を発表しました。近年、子実のみを利用する飼料用トウモロコシが脚光をあびており、新品種“KD100エポワス”、“KD105リコッタ”、“KD110ラングル”は、子実収量性に優れ国内自給飼料の向上に貢献できる商品です。前期に発表いたしました飼料用トウモロコシ“KD082ゲルセミ”におきましては、すす紋病耐病性と収量性が評価され北海道優良品種に選定され普及が進んでおります。葉ダイコン“KGM1804”につきましては、“シスクリーン”と命名し全国販売を開始しました。栽培することで土壌中の有害センチュウの密度を抑制する効果が高く、農林水産省「みどりの食糧システム戦略」に掲げる環境にやさしい農業に役立つ品種です。引続き新規性のある品種の開発を国内外に向け積極的に行ってまいります。波志江研究所ではバイオテクノロジー技術を利用して栄養繁殖性作物の品種開発を行っております。2023年に品種登録されたカンショ(サツマイモ)"栗かぐや®"は試験栽培の評価が良く、産地に本格的に導入されました。現在主流のねっとり系とは異なり、ホクホク系で食味が良く焼き芋はもちろん天ぷら等いろいろな場面での利用ができるため今後の展開が期待されます。また、近年の異常気象による栽培環境の変化や重要病害の拡大に伴い、これらに対応できる耐環境性、耐病性品種の開発を開始しました。今後は、遺伝子レベルでの解析を利用し、育種を積極的に行ってまいります。なお、当事業に係る研究開発費の金額は、724,407千円であります。 (2)花き事業花き育種研究室では、営利栽培農家向け花き類とホームユース向けの花き類及び野菜類の開発を行っております。一般社団法人日本種苗協会主催の第69回と第70回全日本花卉品種審査会に、ユーストマとスターチス・シヌアータの出品を行い、ユーストマにおいて3点、スターチス・シヌアータにおいて1点が入賞いたしました。また、新品種のコンテストであるジャパンフラワーセレクションにおいて、ユーストマ“エグゼアンティークピンク”が最高賞であるフラワー・オブ・ザ・イヤー(2023年度)を受賞いたしました。2024年(春審査会)はユーストマ2品種とカーネーション1品種の出品を行い、ユーストマ“カフェドレープ”とカーネーション“テルミ”が特別賞を受賞いたしました。さらに、コロンビアで開催された世界最大級の展示会であるプロフローラの品種コンテストにおいて、カーネーション“ウィーン”がスプレーカーネーション部門で1位を獲得いたしました。当年度は、営利栽培農家向けとして4品目で合計22品種を新発売といたしました。ユーストマでは4品種を新発売し、人気の「エレス」シリーズに“エレスアプリコット”と“エレスアンティークピンク”を、また特に海外で人気が高い「フィーノ」シリーズに“フィーノルージュ”を加え、シリーズの充実化を図りました。カーネーションではスプレー系4品種、スタンダード系6品種を新発売し、その中で“テルミ”は、クリーム地にライラックの覆輪という今までにない特徴的な花色の品種です。デルフィニウムでは4品種を新発売し、その中で“ポーラホワイト”は最近人気が高まってきている白色八重咲き品種で、当社では初めての白色品種となります。引続き、国内はもとより海外でもシェア拡大に貢献できる品種の開発に邁進してまいります。ホームユース向けでは国内外から花き類と野菜類の品種を多数導入し、花き類で8品目19品種、野菜類で5品目6品種を新発売とし、商品のより一層の充実を図りました。今後は導入だけではなく、より差別化できるオリジナル商品の自社開発も行ってまいります。なお、当事業に係る研究開発費の金額は、120,337千円であります。 (3)施設材事業システム開発部では、種苗会社の中で長年培われた栽培技術を生かし、自然光型養液栽培プラント及び閉鎖型植物工場において、他社にはないシステムプラントの開発・普及を行っております。栽培する品目に適したシステムプラントを開発し、これまでも好評を得ております。レタス“マルチリーフ®”、小ネギ、ミツバなどの葉菜類を栽培する“EK式ハイドロポニック®”、トマトやキュウリなどの果菜類を栽培する“スプレーポニック®”、イチゴを栽培する“ココベリーファーム®”など、環境にやさしく省力化が図れ、生産者のニーズに合った養液栽培プラントを提供しております。当年度は、一般生産者や新規に農業事業に参入する企業・団体に、キュウリのスプレーポニック®、ココベリーファーム®等の提供を行いました。また、SDGsに貢献すべく、従来の重油等の化石燃料型の暖房設備の代替として、自動車の廃オイルを原燃料とした暖房設備を利用した“ココベリーファーム®”を、群馬県内の自動車ディーラーに実証導入を行いました。今後もSDGsに貢献できる養液栽培プラントの開発・普及を行ってまいります。なお、当事業に係る研究開発費の金額は、73,162千円であります。
FY2023|3,094 文字
6【研究開発活動】研究開発に関しましては、常に高付加価値で新規性のあるオリジナル商品の開発をグローバルな視点で取り組んでおります。種苗事業では「野菜類及び飼料作物類」と「カンショ(サツマイモ)などの栄養繁殖性野菜類」の品種開発、花き事業では「ユーストマ・カーネーションなどの花き類」と「ホームユース向け花き類・野菜類」の品種開発、また施設材事業では「自然光型養液栽培プラント及び閉鎖型植物工場」の開発を行っております。これらの研究部門が連携をとりながら、持続可能な社会を支える農業システムを構築すべく研究開発活動を行っております。当連結会計年度の研究開発費の総額は、840,975千円となっております。セグメント別研究開発の状況は次のとおりであります。 (1)種苗事業くにさだ育種農場では、野菜類及び飼料作物類の品種開発を行っております。当年度につきましては、一般社団法人日本種苗協会主催の第73回全日本野菜品種審査会におきましてキャベツ、カボチャ、エダマメ、ハクサイ、ブロッコリーで7点が入賞いたしました。そのうち2022年8月24日に長野県野菜花き試験場にて開催されましたエダマメ審査会におきまして“鈴だるま(N14-003)”が1位となり農林水産大臣賞を受賞いたしました。さらに2022年10月19日に長野県野菜花き試験場にて開催されましたハクサイ審査会におきまして“キングリー(N-2198)”が1位となり農林水産大臣賞を受賞いたしました。また、東京都種苗会主催の第64回東京都野菜・花き種苗改善審査会におきましてコマツナ、ホウレンソウ、ダイコンで3点が入賞いたしました。そのうち2022年10月11日に東京都農林総合研究センター江戸川分場にて開催されたコマツナ審査会におきまして“必閃(ひっせん)(N-006)”が1位となり農林水産省輸出・国際局長賞を受賞いたしました。第70回千葉県野菜品種審査会におきましてもホウレンソウ1点が入賞いたしました。入賞品種につきましては、販売に向け試験を重ねてまいります。野菜類では、2023-24年度版野菜種苗カタログに、前年度に発表しました品種を含めミニトマト、ネギ、ハクサイ、タマネギ、ズッキーニ、ダイコン、レタス等12品種を加えました。“白翠”ネギにつきましては肥大性・伸長性に優れた初夏どり用一本ネギとして産地で好評頂き順調に普及が進んでいます。また近年栽培が拡大したズッキーニにつきましては、ウイルスに強い耐病性を保有し生産安定に寄与できる品種“スプリント”を加えました。好評販売中の“グリーンボート2号”に加えて普及が期待できます。タマネギにつきましては、大玉で収量性に優れ食味にも優れる“ヒーローZ”を発表いたしました。飼料作物類では、2023年飼料作物ガイド都府県版および北海道版にヒマワリ、飼料用トウモロコシ、イタリアンライグラス、飼料用大麦の6品種を発表しました。ヒマワリ“アーリーサン”は極早生で草丈が低くすきこみやすい品種で景観作物としても期待できます。飼料用トウモロコシ“KD082ゲルセミ”はすす紋病耐病性と収量性に優れた北海道に向く早生品種です。イタリアンライグラス“いなずまGT”は主力品種の“いなずま”の特性を維持しつつさらにいもち病の耐病性を付与しました。また飼料用大麦品種“わせまる六条”は穂に発生するノゲが極めて短いため牛への嗜好性が期待でき自給飼料確保に貢献できます。緑肥関係では、葉ダイコン“KGM1804”の販売を開始しました。栽培することで土壌中の有害センチュウの密度を抑制する効果が高く農林水産省「みどりの食糧システム戦略」に掲げる環境にやさしい農業に役立つ品種です。緑化関係では、シバ類2品種を販売開始しました。引き続き新規性のある品種の開発を国内外に向け積極的に行ってまいります。波志江研究所ではバイオテクノロジー技術を利用して主に栄養繁殖性作物の品種開発を行っております。当年度につきましては、カンショ(サツマイモ)で新品種 ”栗かぐや®”の栽培が産地で始まりました。ホクホク系で果肉の色が黄金色で甘いこの品種は、焼き芋のほか天ぷらや大学芋などの惣菜にも適しており利用範囲の広い特徴から今後の展開が期待されます。一方、しっとり系で甘い“シルクスイート®“は消費者の評価が高く栽培面積が増加しております。また、近年栽培地域の拡大に伴う寒冷地適性や重要病害に対する耐病性も求められておりますのでこれらの点を重視した品種開発を積極的に行って参ります。なお、当事業に係る研究開発費の金額は、663,773千円であります。 (2)花き事業花き育種研究室では営利栽培農家向け花き類とホームユース向けの花き類及び野菜類の開発を行っております。一般社団法人日本種苗協会主催の第68回と第69回全日本花卉品種審査会に、ユーストマ、スターチス・シヌアータ、キンギョソウの出品を行い、ユーストマにおいて2点が入賞いたしました。また、新品種のコンテストであるジャパンフラワーセレクションに、ユーストマ2品種とカーネーション1品種の出品を行い、ユーストマの“エグゼアンティークピンク”と“エマライトピンク”が特別賞を受賞したのに加え、人気投票では当社の3品種が1~3位となりました。当年度につきましては、営利栽培農家向けとして4品目で合計18品種を新発売といたしました。ユーストマでは5品種を新発売し、その中で“カフェドレープ”と“レトロア”は最近人気のアンティーク系のピンク色で、アンティーク系品種の品揃えがより一層充実し、この分野では業界をリードする存在となっております。カーネーションのスプレー系では5品種を新発売し、その中で“グリーンモンスター”は耐暑性が高い品種として、好評を得ております。また、ユーストマ、カーネーション、デルフィニウム、スターチス・シヌアータでは海外において高い評価を得る品種が増えてきております。引き続き海外市場を見据えた品種の開発も積極的に行ってまいります。ホームユース向けでは国内外から花き類と野菜類の品種を多数導入し、花き類で2品目9品種、野菜類で3品目3品種を新発売とし、商品のより一層の充実を図りました。なお、当事業に係る研究開発費の金額は、97,761千円であります。 (3)施設材事業システム開発部では、種苗会社の中で長年培われた栽培技術を生かし、太陽光型養液栽培及び閉鎖型植物工場において、他社にはないシステムプラントの開発、提供を行っています。栽培する品目に適したシステムプラントを開発し、これまでも好評を得ております。“マルチリーフ®レタス”や細ネギ(小ネギ)などの葉菜類を栽培する“EK式ハイドロポニック®”、トマトやキュウリなどの果菜類を栽培する“スプレーポニック®”、イチゴを栽培する“ココベリーファーム®”など、それぞれの品目について省力化が図れ、環境にやさしい生産者のニーズに合った養液栽培プラントを提供しております。当年度につきましては、農業事業に参入を目指す他業種の会社、団体にEK式ハイドロポニック®、キュウリのスプレーポニック®、ココベリーファーム®等を導入いたしました。SDGsに貢献すべく、従来の化石燃料の代替に廃食油を燃油にしたボイラーを設置したトマトのスプレーポニック®の実証施設を導入しました。今後もSDGsに貢献できる養液栽培プラントの開発、普及を行って参ります。なお、当事業に係る研究開発費の金額は、79,440千円であります。
FY2022|2,659 文字
5【研究開発活動】研究開発に関しましては、常に高付加価値で新規性のあるオリジナル商品の開発をグローバルな視点で取り組んでおります。種苗事業では「野菜類及び飼料作物類」と「カンショ(サツマイモ)などの栄養繁殖性野菜類」の品種開発、花き事業では「ユーストマ・カーネーションなどの花き類」と「ホームユース向け花き類・野菜類」の品種開発、また施設材事業では「自然光型養液栽培プラント及び閉鎖型植物工場」の開発を行っております。これらの研究部門が連携をとりながら、持続可能な社会を支える農業システムを構築すべく研究開発活動を行っております。当連結会計年度の研究開発費の総額は、752,706千円となっております。セグメント別研究開発の状況は次のとおりであります。 (1)種苗事業くにさだ育種農場では、野菜類及び飼料作物類の品種開発を行っております。当連結会計年度につきましては、一般社団法人日本種苗協会主催の第72回と第73回全日本野菜品種審査会におきましてエダマメ、キャベツ、ブロッコリー、コマツナで8点が入賞いたしました。また第63回東京都野菜・花き種苗改善審査会におきましてはコカブ、コマツナで2点が入賞いたしました。特に第72回全日本野菜品種審査会のエダマメ審査におきましては、“陽恵”が1位となり農林水産省輸出・国際局長賞を受賞いたしました。“陽恵”は産地においても高い評価を頂いており栽培が拡大しております。当年度につきましては、野菜類9品種・飼料作物類5品種を新発売といたしました。形状が安定し肥大性に優れ、また収穫適期の短いレタスの中では収穫適期が長く生産者に好評な玉レタス“チアフル”、密植しても玉揃いが良く収穫作業が容易なキャベツ“優彩”、小型サイズで形状がユニークな尖り型キャベツ“ユニコーン”、好評いただいているミニトマト“イエローミミ”の食味の良さはそのままで耐病性を強化した“TYイエローミミ”等を発表いたしました。それぞれの特性を生かし順調に産地への普及が始まっております。飼料作物類では、多収で病気に強く北海道に向く飼料用トウモロコシ“KD082ゲルセミ”、硝酸態窒素の含有量が少ない早生F1イタリアンライグラス“ライジン®2”、病気に強い芝草“スラッガー3GL”、倒伏に強い超極早生えん麦“はやわざ”、ダイズシストセンチュウ密度を低減させる効果のあるクリムソンクローバー“シストル”を発表いたしました。引き続き新規性のある品種の開発を国内外に向け積極的に行ってまいります。波志江研究所ではバイオテクノロジー技術を利用して主に栄養繁殖性作物の品種開発を行っております。当年度につきましては、カンショ(サツマイモ)におきまして“栗かぐや®”を新品種として発表いたしました。この品種は果肉が黄金色で甘く、ホクホク系の食感であるため惣菜などの加工品にも適する形質を持っています。現在産地展開を進めており、栽培面積が増加して消費者の評価が高いしっとり系の“シルクスイート®”とともに今後の展開が期待されます。今後は、耐病性、寒冷地適性、機能性などにも着目して積極的に品種開発を行ってまいります。なお、当事業に係る研究開発費の金額は、584,353千円であります。 (2)花き事業花き育種研究室では営利栽培農家向け花き類とホームユース向けの花き類及び野菜類の開発を行っております。一般社団法人日本種苗協会主催の第67回と第68回全日本花卉品種審査会におきまして、ユーストマ、スターチス・シヌアータ、キンギョソウで4点が入賞いたしました。また、新品種のコンテストであるジャパンフラワーセレクションに、カーネーション、デルフィニウム、オキシペタルムの出品を行い、カーネーション“アフォガード”とオキシペタルム“オルキブルー”が特別賞を受賞いたしました。当年度につきましては、5品目で合計26品種を新発売といたしました。ユーストマでは4品種を新発売とし、その中で“エレスライトピンク”は中晩生の中大輪フリル咲き品種で、高温期を経過する秋出荷作型においてもボリュームがある切り花が収穫できるという優れた特性を有しており、非常に高い評価を得ております。今後はこの品種のシリーズ化を図ってまいります。また、フリンジ咲きの“エグゼ”シリーズに“エグゼグリーン”と“エグゼアンティークピンク”を追加いたしました。カーネーションのスプレー系では7品種を新発売といたしました。その中で大輪の“ラグジュアホットピンク”(チェリー色)と“ラグジュアチェリーアイ”(中心がチェリー色で縁が白色の複色)を既存の大輪品種である“ラグジュアライトピンク”と同じカテゴリーとしてシリーズ化を行いました。スターチス・シヌアータでは暖地向けとして3品種、高寒冷地向けとして1品種を新発売といたしました。暖地向けの“スピアラベンダー”は草丈が良く伸びる点が、また高寒冷地向けの“アティスラベンダー”は花色が美しい点が特に評価されております。ホームユース向けでは国内外から花き類と野菜類の品種を多数導入し、花き類で6品目16品種、野菜類で3品目3品種を新発売とし、商品のより一層の充実を図りました。なお、当事業に係る研究開発費の金額は、76,772千円であります。 (3)施設材事業開発部では、種苗会社という長年の栽培技術を生かし、自然光型養液栽培プラント及び閉鎖型植物工場において、他社にはないシステムプラントの開発、提供を行っています。栽培する品目に適したシステムプラントを開発し、これまでも好評を得ております“マルチリーフ®レタス”や細ネギ(小ネギ)などの葉菜類を栽培する“EK式ハイドロポニック”、トマトやキュウリなどの果菜類を栽培する“スプレーポニック®”、イチゴを栽培する“ココベリーファーム®”など、それぞれの品目について生産者のニーズに合った養液栽培プラントを提供しております。当年度につきましては、省力化、環境にやさしい無培地での栽培が可能なキュウリの“スプレーポニック®”が着目され、各地に導入されました。群馬県をはじめとした公共の機関や民間の研究機関と共同研究や提携を拡大し、新しい品目の導入、栽培技術の改良を行い、SDGsや「みどりの食料システム戦略」が目指す持続可能な社会を支える農業を実現することができるシステムプラントの開発、提供に貢献してまいります。なお、当事業に係る研究開発費の金額は、91,580千円であります。
FY2021|2,775 文字
5【研究開発活動】研究開発に関しましては、常に高付加価値で新規性のあるオリジナル商品の開発をグローバルな視野で取り組んでおります。種苗事業では「野菜類及び飼料作物類」と「カンショ(サツマイモ)・ヤマノイモなどの栄養繁殖性野菜類」の品種開発、花き事業では「ユーストマ・カーネーションなどの花き類」と「ホームユース向け花き類・野菜類」の品種開発、また施設材事業では「自然光型養液栽培プラント及び閉鎖型植物工場」の開発を行っております。これらの研究部門が連携をとりながら、新たな農業システムを構築すべく研究開発活動を行っております。当連結会計年度の研究開発費の総額は、746,341千円となっております。セグメント別研究開発の状況は次のとおりであります。 (1)種苗事業くにさだ育種農場では、野菜類及び飼料作物類の品種開発を行っております。当年度につきましては、一般社団法人日本種苗協会主催の第71回と第72回全日本野菜品種審査会におきましてダイコン、エダマメ、ハクサイ、レタス、キャベツで5点が入賞いたしました。また第62回東京都野菜・花き種苗改善審査会におきましてはエダマメ、キャベツで3点が、第68回千葉県野菜品種審査会におきましてはスイートコーン1点が入賞いたしました。入賞した中には既に商品化されている品種があり、レタス“タフV ”、エダマメ“初だるま”“福だるま”“つきみ娘”、スイートコーン“わくわくコーンTM82”は産地においても高い評価を頂いております。当年度につきましては、野菜類8品種・飼料作物類6品種を新発売といたしました。野菜類では、品質が良く収穫後の貯蔵性が高いカボチャ“ほろほろ”、早生で根色の良いニンジン“紅はやて”、品質の良い春まき用ニンジン“紅琳”、ぱりぱりした食感のキュウリ“PR四川”、うどんこ病に強く栽培が容易なキュウリ用台木カボチャ“ブレイブ”、晩抽性で業務加工用に向くロメインレタス“アルト”、株張り・在圃性に優れる春・秋まき用ホウレンソウ“シューター”、家庭菜園や直売所に向く食味の良い小型ダイコン“味短歌”を発表いたしました。飼料作物類では、多収で病気に強く北海道に向く飼料用トウモロコシ“KD078バステト”、長野県畜産試験場と共同で育成した高消化性ソルガム“東山交37号”、葉色が極濃緑など特徴がある芝草“バーバリアン”“コンパドレ”“ニュームーン”、倒伏に強く多収のライ小麦“ライダックスE”を発表いたしました。引き続き新規性のある品種の開発を国内外に向け積極的に行ってまいります。波志江研究所では、バイオテクノロジー技術を利用して主に栄養繁殖性作物であるカンショ(サツマイモ)とヤマノイモのウイルスフリー化と新品種開発を進めています。カンショ(サツマイモ)では、オリジナル品種“シルクスイート®”の、他にはない滑らかな舌触りと甘さが消費者に評価が高く、生産者においては良品率が高いため栽培面積が更に増加しております。また、現在しっとり系の“シルクスイート”と異なる食感を持った新品種の品種登録を出願しており、新たな展開が期待されます。年々人気が高くなっているカンショ(サツマイモ)の新品種開発を今後も積極的に行ってまいります。ヤマノイモでは、オリジナル品種“ネバリスター”に続き短系で粘りが強く食味の良い新品種候補を育成し今後の展開が期待されます。なお、当事業に係る研究開発費の金額は、568,692千円であります。 (2)花き事業花き育種研究室では営利栽培農家向け花き類とホームユース向けの花き類及び野菜類の開発を行っております。一般社団法人日本種苗協会主催の第66回と第67回全日本花卉品種審査会に、ユーストマ、スターチス・シヌアータ、キンギョソウ、デルフィニウムの出品を行い、7点が入賞し、うちユーストマの“コスタホワイト”とデルフィニウムの“クレスライトブルー2”が1位一等特別賞を受賞いたしました。当年度につきましては、6品目で合計23品種を新発売といたしました。ユーストマにつきましては3品種を新発売し、その中で上述の全日本花卉品種審査会で1位一等特別賞を受賞した“コスタホワイト”は純白の大輪フリル咲きの八重品種で、特に高寒冷地において普及が期待される品種です。カーネーションのスプレー系では7品種を新発売といたしました。大輪のピンク品種である“シャルル”は評価が特に高く、定番化しているピンク品種の“キュイン”とともに、ピンク系の分野における当社のシェアをさらに押し上げることが期待されます。スターチス・シヌアータでは高寒冷地向けに3品種を新発売し、特に“グラビアピンク”が花色や草丈の伸長性などで評価されております。また、デルフィニウムでは八重咲き品種である“セレーノライトブルー”が好評を得ており、さらに新品目としてヒマワリの八重咲き品種“ヘリオアーリーダブル”と“ヘリオダブル”を上市いたしました。“ヘリオ”シリーズはこれまでの八重咲き品種にはなかった早生性があり、今後の普及が期待されます。ホームユース向けでは国内外から花き類と野菜類の品種を多数導入し、商品のより一層の充実を図りました。 なお、当事業に係る研究開発費の金額は、75,801千円であります。 (3)施設材事業SDGsが目指す持続可能な社会を支える農業の実現、また農業者人口の減少やそれに伴う技術継承の断絶や天候不順による不安定な野菜生産を補完できる養液栽培技術のニーズは高まっています。開発部では、太陽光型養液栽培及び閉鎖型植物工場において、種苗会社という長年の栽培技術の蓄積を生かした、他社にはないプラント開発を行っております。今までに、7つのタイプの養液栽培プラントを開発し、品目に適した栽培プラントを提供しております。“マルチリーフ®”レタス、細ねぎ(小ネギ)、ミツバ などの葉菜類を栽培する“EK式ハイドロポニック”、トマト、キュウリなどを栽培する“スプレーポニック®”、イチゴを栽培する“ココベリーファーム®”が各地に導入されています。“スプレーポニック®”は、培地を使用せず環境にやさしいシステムプラントです。現在、電子機器などの専門技術を持つ企業と提携しながら、ハウス内の環境と作物の生育などのパラメーターのAIによる解析や新規機材の導入などにより、品目ごとに植物の生育に最適なハウス内の環境制御を可能にする技術の開発を目指しています。また、社内のその他の研究機関との連携による養液栽培向け品種の開発により、一層の生産効率を上げてまいります。既存地域での実績を基盤として新しい地域へ展開し、持続可能な社会へ貢献してまいります。なお、当事業に係る研究開発費の金額は、101,846千円であります。
FY2020|2,950 文字
5【研究開発活動】研究開発に関しましては、常に高付加価値で新規性のあるオリジナル商品の開発をグローバルな視野で取り組んでおります。種苗事業では「野菜類及び飼料作物類」と「サツマイモ・ヤマノイモなどの栄養繁殖性野菜類」の品種開発、花き事業では「ユーストマ・カーネーションなどの花き類」と「ホームユース向け花き類・野菜類」の品種開発、また施設材事業では「自然光型養液栽培プラント及び閉鎖型植物工場」の開発を行っております。2019年11月15日には、養液栽培の各ステージにおける養液管理を容易にした「養液栽培装置及び養液栽培制御プログラム」で特許を取得いたしました(特許第6615929号)。これらの研究部門が連携をとりながら、新たな農業システムを構築すべく研究開発活動を行っております。当連結会計年度の研究開発費の総額は、698,351千円となっております。セグメント別研究開発の状況は次のとおりであります。 (1)種苗事業くにさだ育種農場では、野菜類及び飼料作物類の品種開発を行っております。当年度につきましては、一般社団法人日本種苗協会主催の第70回と第71回全日本野菜品種審査会におきましてレタス,キャベツで5点が入賞いたしました。また第61回東京都野菜・花き種苗改善審査会におきましてはホウレンソウ1点が、第67回千葉県野菜品種審査会におきましてはレタス1点が入賞いたしました。入賞いたしましたレタス“チアフル”、キャベツ“優彩”は産地においても高い評価を頂いております。当年度につきましては、野菜類5品種・飼料作物類13品種を新発売といたしました。野菜類では、食味で評価されている中玉トマト“レッドオーレ”に耐病性を付与した“TYレッドオーレ”、9月に旬を迎えるおいしいエダマメ“つきみ娘”、皮が薄くて甘いトウモロコシ“どきどきコーン”、食べておいしいハウス栽培向きキュウリ“ストライカー303”、病気に強いキャベツ“清月”を発表いたしました。飼料作物類では、倒伏と病気に強い北海道用トウモロコシ“KD090カリス”、耐雪性に優れるイタリアンライグラス“ゆきつよし”、環境にやさしいリビングマルチ品種“マルチムギワイド”、サツマイモネコブセンチュウ及びキタネグサレセンチュウ密度抑制効果を有するマリーゴールド“フィールドキーパー”を発表いたしました。“フィールドキーパー”につきましては、2種類のセンチュウの密度を抑制する効果が高くまた生育も良いため、特にダイコン生産者に対し効果的に利用できる品種です。また、競技場やゴルフ場・公園などの用途に向け、耐暑性と耐病性に優れた芝草“ファイヤーボール”“ナイトライフ”等をラインアップに加えました。引き続き新規性のある品種の開発を国内外に向け積極的に行ってまいります。波志江研究所では、バイオテクノロジー技術を利用して主に栄養繁殖性作物であるカンショ(サツマイモ)とヤマノイモの新品種開発及びウイルスフリー化を進めております。カンショ(サツマイモ)では、オリジナル品種“シルクスイート®”の評価が年々高くなっており、更なる栽培面積の増加が期待されます。消費者においては甘さと舌触りの良さで、生産者においては良品率の高さで高い人気があります。現在、食感や食味で新規性のある新品種候補が幾つか育成されており、品種登録に向け試験栽培を行っております。ヤマノイモでは、新品種の育成とオリジナル品種“ネバリスター”の改良を進めております。“ネバリスター”は食味が大変良く高い評価のため、改良点である収量性を向上させることにより更なる栽培面積の増加が期待されます。新品種育成では、短系で粘りが強く食味の良い系統の試験栽培を継続しており今後の展開が期待されます。なお、当事業に係る研究開発費の金額は、536,209千円であります。 (2)花き事業花き育種研究室では営利栽培農家向け花き類とホームユース向けの花き類及び野菜類の開発を行っております。一般社団法人日本種苗協会主催の第65回と第66回全日本花卉品種審査会に、当年度はユーストマ,スターチス・シヌアータ,キンギョソウ,デルフィニウムの出品を行い、9点が入賞し、うちユーストマでは“K487”が1位(一等特別賞)を受賞いたしました。当年度につきましては、5品目で合計23品種を新発売といたしました。ユーストマにつきましては6品種を新発売し、その中で“フィーノブルー”は中小輪のバラ咲き八重品種で、前年度の第64回全日本花卉品種審査会で1位(一等特別賞)を受賞した評価の高い品種です。既に販売中の品種である“フィーノピンク”の紫タイプとしてシリーズ化いたしました。カーネーションではスプレー系の自社開発品種を8品種、スタンダード系については海外提携メーカーからの独占導入品種を4品種新発売といたしました。スプレー系では大輪の極薄ライラック色品種である“16127-01”を“ラグジュアリラ”と命名し、当社独自の大輪スプレー系品種であります“ラグジュアライトピンク”のシリーズとして、来期より本格的に販売いたします。また、自社開発品種が海外で高く評価され、3品種の親株を初めて輸出いたしました。海外市場に向けた品種の開発にさらに力を入れてまいります。スターチス・シヌアータやデルフィニウム、カスミソウ、オキシペタルムにつきましても、新品種の試験販売を開始しました。本格販売に向け普及に努めてまいります。ホームユース向けでは国内外から花き類と野菜類の品種を多数導入し、商品のより一層の充実を図りました。なお、当事業に係る研究開発費の金額は、68,119千円であります。 (3)施設材事業農業者人口の減少やそれに伴う技術継承の断絶、また、天候不順による不安定な野菜生産を補完できる養液栽培のニーズは高まっています。開発部では、安全・安心で、かつ効率の高い野菜生産を追求し、自然光型養液栽培プラント及び閉鎖型植物工場において、種苗会社という長年の栽培ソフトの蓄積を生かした、他社にはないプラント開発を行っております。2019年11月15日に「養液栽培装置及び養液栽培制御プログラム」が特許登録されました。これは、プログラム化された養液制御装置によって、各栽培ステージにおける養液管理を容易にした当社独自のノウハウです。今までに、7つのタイプの養液栽培プラントを開発し、品目に適した栽培プラントを提供しております。“マルチリーフ®”レタス、細ねぎ(小ネギ)、ミツバなどの葉菜類を栽培する“EK式ハイドロポニック”やトマト、キュウリなどを栽培する“スプレーポニック®”、イチゴを栽培する“ココベリーファーム®”が各地に導入されています。現在、品目毎の、植物の生育に最適なハウス内の環境制御を可能にする技術の構築とともに、環境に負荷がかからず、生産者のニーズにもマッチした養液栽培を可能にするプラントの開発を行っています。加えて、養液栽培向け品種の開発により一層の生産効率を上げてまいります。既存地域での実績を基盤として新しい地域の展開を進めてまいります。なお、当事業に係る研究開発費の金額は、94,022千円であります。
FY2019|3,197 文字
5【研究開発活動】研究開発に関しましては、常に高付加価値で新規性のあるオリジナル商品の開発に取り組んでおります。種苗事業では「野菜類及び飼料作物類」と「サツマイモ・ヤマノイモなどの栄養繁殖性野菜類」の品種開発、花き事業では「ユーストマ・カーネーションなどの花き類」と「ホームユース向け花き類・野菜類」の品種開発、また施設材事業では「自然光型養液栽培プラント及び閉鎖型植物工場」の開発を行っております。これらの研究部門が連携をとりながら、新たな農業システムを構築すべく研究開発活動を行っております。また第72期におきましては、長年の技術開発の成果として高付加価値野菜の生産のため“低カリウム野菜の栽培方法”で特許を取得致しました(特許第6513057号)。当連結会計年度の研究開発費の総額は、665,883千円となっております。セグメント別研究開発の状況は次のとおりであります。 (1)種苗事業くにさだ育種農場では、野菜類及び飼料作物類の品種開発を行っております。当連結会計年度につきましては、一般社団法人日本種苗協会主催の第69回全日本野菜品種審査会におきましてレタス・ホウレンソウ・ダイコン・コマツナ・コカブで5点が入賞いたしました。また第60回東京都野菜・花き種苗改善審査会におきましてはキャベツ・エダマメ・ヒマワリで5点が、第66回千葉県野菜品種審査会におきましてはエダマメ1点が入賞いたしました。当連結会計年度につきましては、野菜類8品種・飼料作物類5品種を新発売といたしました。新しい作型に対応できる品種(タマネギ)や特徴のある品種(トマト・エン麦)、栽培しやすい品種(ハクサイ・レタス・トウモロコシ等)で、普及に向け産地へ推進しております。野菜類では、黄色い果実が売り場で目を引く中玉トマト“イエローホープ”、形状が良く収穫しやすい春・秋まき栽培兼用ハクサイ“菜時黄(さいじき)”、食味の良い超極早生タマネギ“アリオン”、サラダに向く極早生赤タマネギ“レッドアロー”、ベと病の抵抗性を付与し栽培しやすい春どり用レタス“ユースフル”、晩抽性で赤色の発色が良いレッドリーフレタス“晩抽タフレッド”、葉数が多く収穫作業が容易なホウレンソウ“スナイパー”、暑さに強い小ネギ“ブラックアロー”を発表いたしました。飼料作物類では、倒伏に強く雌穂収量の高い北海道用トウモロコシ“KD085ベローナ”、倒伏と病気に強いトウモロコシ“KD106エダム”、サツマイモネコブセンチュウ密度抑制効果を有するエン麦“ヒットマン”を発表いたしました。“ヒットマン”につきましては、“シルクスイート®”に代表されるカンショ(サツマイモ)栽培に効果的に利用できる品種です。また、競技場やゴルフ場・公園などの用途に向け、耐暑性と耐病性に優れた芝草“コンパス2”、厳寒期でも葉色の濃いウインターオーバーシード用芝草“アスパイヤー”をラインアップに加えました。引き続き新規性のある品種の開発を国内外に向け積極的に行ってまいります。 波志江研究所では、バイオテクノロジー技術を利用して主に栄養繁殖性作物であるカンショ(サツマイモ)とヤマノイモの新品種開発とウイルスフリー化を進めております。 カンショ(サツマイモ)では、新品種の育成を最重点課題としています。現在、有望な系統の産地試験を継続して行っており、食感や食味で新規性のある新品種候補が育成されてきております。オリジナル品種“シルクスイート®”は消費者、市場関係者、生産農家においての評価が年々高くなっており、更なる栽培面積の増加が期待されます。また、既存の主力品種である“ベニアズマ”、“なると金時”では、産地の要望にあった「形状が安定して秀品率の高い」新系統を育成し、普及に向けて栽培試験を進めております。 ヤマノイモでは、新品種の育成とオリジナル品種“ネバリスター”の改良を重点課題として試験を進めております。新品種育成では、短型で堀取り易く粘りが強いものを目標に開発を進め、有望な系統は産地での試験栽培を継続しており今後の展開が期待されます。“ネバリスター”は食味が大変良く高い評価のため栽培面積が増加しています。さらなる普及のため収量性を向上させるよう改良に取り組んでおります。 なお、当事業に係る研究開発費の金額は、515,750千円であります。 (2)花き事業 花き育種研究室では営利栽培農家向けとホームユース向けの花き類・野菜類の開発を行っております。当連結会計年度の一般社団法人日本種苗協会主催の第64回及び65回全日本花卉品種審査会に、ユーストマ、スターチス・シヌアータ、キンギョソウの3品目について計6回の出品を行い、7点が入賞し、うちユーストマでは“K480”が1位一等特別賞を受賞いたしました。また前年度の第63回全日本花卉品種審査会で1位一等特別賞を受賞したユーストマの“ジュリアスラベンダー”に農林水産大臣賞が授与されました。当連結会計年度につきましては、5品目で合計26品種を新発売といたしました。ユーストマにつきましては11品種を新発売とし、その中で“ジュリアススノー”と“ジュリアスブルー”は人気のジュリアスシリーズの追加色となり、このシリーズの強化を図ることが出来ました。また、“ルカゴールド”は当社では初めての黄色系品種で、これまでになかった売り上げが期待されます。カーネーションではスプレー系の自社開発品種を5品種、スタンダード系については海外提携メーカーからの独占導入品種を5品種新発売といたしました。オリジナリティーの高い大輪スプレー系品種“14084-02”を来期より本格的に販売することになり、カーネーションの新しい市場を開拓することが期待されます。スターチス・シヌアータやデルフィニウム、カスミソウなどにつきましても、有望系統の拡大試作を実施しており、販売に向けて種子や親株の準備を行っております。また、ユーストマやカーネーション、スターチス・シヌアータにつきましては、海外での試作も行っており、今後は海外向け品種の開発にも力を入れてまいります。ホームユース向けでは国内外から花き類と野菜類の品種を多数導入し、商品のより一層の充実を図りました。 なお、当事業に係る研究開発費の金額は、67,061千円であります。 (3)施設材事業 農業者人口の減少や天候不順による野菜生産の不安定リスクを軽減するため養液栽培のニーズは高まっています。開発部では、安全・安心で、かつ効率の高い野菜生産を追求し、自然光型養液栽培プラント及び閉鎖型植物工場において、種苗会社という長年の栽培ソフトの蓄積を生かした他社にはないプラント開発を行っております。今年4月19日には“低カリウム野菜の栽培方法”で特許を取得いたしました。当社の栽培プラント開発と養液管理技術開発による結果です。今までに7つのタイプの養液栽培プラントを開発し、品目に適した栽培プラントを提供しております。“マルチリーフ®”(ワンカットで葉がバラバラになりボリュームのある盛り付けができるリーフレタス)、細ねぎ(小ネギ)、ミツバなどの葉菜類を栽培する“EK式ハイドロポニック”やトマト、キュウリなどを栽培する“スプレーポニック®”、イチゴを栽培する“ココベリーファーム®”が各地で導入されています。現在、植物生理に基づいた高度なハウス内環境制御技術の構築を作物ごとに行うとともに、養液栽培の環境負荷の低減を可能にするプラントの開発を行っております。加えて、より一層の生産効率を上げるため養液栽培向け品種の開発を行っております。今後も既存販売地域での実績を基盤として新しい地域の展開を進めてまいります。 なお、当事業に係る研究開発費の金額は、83,071千円であります。
FY2018|2,703 文字
5【研究開発活動】研究開発に関しましては、常に高付加価値で新規性のあるオリジナル商品の開発に取り組んでおります。種苗事業では「野菜類及び飼料作物類」と「サツマイモ・ヤマノイモなどの栄養繁殖性野菜類」の品種開発、花き事業では「ユーストマ・カーネーションなどの花き類」と「ホームユース向け花き類・野菜類」の品種開発、また施設材事業では「自然光型養液栽培プラント及び閉鎖型植物工場」の開発を行っております。これらの研究部門が連携をとりながら、新たな農業システムを構築すべく研究開発活動を行っております。当連結会計年度の研究開発費の総額は、635,721千円となっております。セグメント別研究開発の状況は次のとおりであります。 (1)種苗事業くにさだ育種農場では、野菜類及び飼料作物類の品種開発を行っております。当年度につきましては、一般社団法人日本種苗協会主催の第68回全日本野菜品種審査会におきましてキャベツ・レタス・ネギ・ハクサイ・ホウレンソウ・ダイコンの部門で8点が入賞いたしました。また第59回東京都野菜・花き種苗改善審査会におきましてはホウレンソウ・ダイコンが、第65回千葉県野菜品種審査会におきましてはスイートコーンが入賞いたしました。当年度につきましては、野菜類7品種・飼料作物類7品種を新発売といたしました。新しい作型に対応できる品種や特徴のある品種で、すでに産地での普及が始まっております。野菜類では、暑さや病気に強く加工用途や海外需要に向く大型のニンジン品種“紅大星(べにたいせい)”、形状が良く収穫しやすい夏まき早生キャベツ品種“福洸(ふっこう)”、球色に優れた2~3月収穫用キャベツ品種“冬そだち”、側枝の発生が多く長期にわたり収穫ができる早生ブロッコリー“スーパードーム”、ベと病の抵抗性を強化した冬どり用ホウレンソウ“シンバ”、病気に強く収穫に波の少ないキュウリ“ほっきこう121”、栽培が安定するキュウリ用台木品種“ネオバトラー”を発表いたしました。飼料作物類では、東南アジア用の耐病性トウモロコシ“509”、北海道に向く雌穂収量の高い多収性トウモロコシ“KD421”“KD460”、立生で収穫しやすく多収性の中晩生イタリアンライグラス“フウジン”を発表いたしました。また、暑さに強い芝草“バーセラティ”、省力管理が可能な芝草“美ら緑(ちゅらみどり)”、ウインターオーバーシード用芝草“ラバー”をラインアップに加えました。引き続き新規性のある品種の開発を、国内外に向け積極的に行ってまいります。波志江研究所では、バイオテクノロジー技術を利用してイモ類などの栄養繁殖性作物のウイルスフリー化と新品種開発を進めております。 サツマイモでは、オリジナル品種“シルクスイート®”に続く新品種の育成を重点にして産地試験を行っており、食感や食味の良い新品種候補が育成されてきております。また、“シルクスイート®”につきましては消費者の評価が高く、焼き芋やふかし芋の他、干し芋やお菓子の原料といった加工用としても利用範囲が広がってきており、更に栽培面積の増加が期待されます。既存品種の“ベニアズマ”“なると金時”は、産地の要望にあった新系統を育成し栽培試験を進めております。ヤマノイモでは、新規性があり栽培しやすく製品率の高い新品種の開発を進めております。産地向けのオリジナル品種“ネバリスター”は、食味が大変良く評価が高いため栽培面積が更に増加しております。ヤマノイモは、家庭菜園用としても人気が高い作物であるため、短型で堀取り易く粘りが強い新品種の開発を進めております。新品種候補につきましては試験栽培を継続しており今後の展開が期待されます。なお、当事業に係る研究開発費の金額は、484,579千円であります。 (2)花き事業花き育種研究室では営利栽培農家向けとホームユース向けの花き類の品種開発を行っております。ユーストマでは8品種を新発売といたしました。その中で、“マカナピンク”と“マカナライトピンク”は暖地産地の1月~3月出荷に適した品種です。当社ではその作型に適した品種が少なかったのですが、このシリーズの新発売により当社の販売に広がりを持たせることができるようになりました。また、“レガロ”はフリンジの強い白色八重咲き品種で、需要の大きい白色の市場でのシェアの拡大が期待されます。カーネーションではスプレー系の自社開発品種を4品種、スタンダード系については海外提携メーカーからの独占導入品種を7品種新発売といたしました。その中にはオリジナリティーの高い大輪スプレー系品種も含まれており、カーネーションの新しい市場を開拓していきたいと考えております。また、コロンビアにおいて自社開発のスプレー系品種の試作を開始いたしました。その結果、高く評価される品種が多数あり、来年度から本格的な拡大試作を行う予定にしております。スターチスシヌアータやデルフィニウム、キンギョソウ、カスミソウなどでは前年度に販売を開始した新品種の普及に力を入れ、またスターチスシヌアータについては開発品種を海外に販売するために、海外種苗メーカーと提携いたしました。来年度からの販売に向けて親株の確保を行うとともに、海外向け品種の開発にも注力してまいります。ホームユース向けでは国内外から花き類と野菜類の品種を導入し、他社とは一味違った品種の選定に努め、品揃えのより一層の充実を図りました。 なお、当事業に係る研究開発費の金額は、64,065千円であります。 (3)施設材事業 開発部では、安全・安心で、かつ効率の高い野菜生産を追求し、自然光型養液栽培プラント及び閉鎖型植物工場において、種苗会社という長年の栽培ソフトの蓄積を生かした他社にはないプラント開発を行っております。現在、7つのタイプの養液栽培プラントを開発し、品目に適した栽培プラントを提供しております。マルチリーフ®レタス、細ねぎ(小ネギ)、ミツバなどの葉菜類を栽培する“EK式ハイドロポニック”やトマト、キュウリなどを栽培する“スプレーポニック®”、イチゴを栽培する“ココベリーファーム®”が各地で導入されています。今後は、大規模施設が多くなるのに伴い、植物生理に基づいた高度なハウス内環境制御技術とさらなる養液栽培技術開発とのマッチング及び養液栽培向け品種の開発により、一層の生産効率を上げてまいります。また既存販売地域での実績を基盤として新しい地域への展開を進めてまいります。 なお、当事業に係る研究開発費の金額は、87,077千円であります。
FY2017|2,485 文字
6【研究開発活動】研究開発に関しましては、常に高付加価値で新規性のあるオリジナル商品の開発に取り組んでおります。種苗事業では「野菜類及び飼料作物類」と「サツマイモなどの栄養繁殖性野菜類」の品種開発、花き事業では「ユーストマなどの花き類」と「ホームユース向け野菜類」の品種開発、また施設材事業では「自然光型養液栽培プラント及び閉鎖型植物工場」の開発を行っております。これらの研究部門が連携をとりながら、新たな農業システムを構築すべく研究開発活動を行っております。当連結会計年度の研究開発費の総額は、610,669千円となっております。セグメント別研究開発の状況は次のとおりであります。 (1)種苗事業くにさだ育種農場では、野菜類及び飼料作物類の品種開発を行っております。当年度につきましては、東京都種苗会主催の第58回東京都野菜・花き種苗改善審査会において、“康春”ダイコンが農林水産大臣賞、“春大慶”ダイコンが東京都農業協同組合中央会会長賞を受賞いたしました。また、日本種苗協会主催の第67回全日本野菜品種審査会におきましては、エダマメ・キャベツなど6点が入賞いたしました。当年度につきましては、野菜11品種・飼料作物2品種を新発売といたしました。新しい作型に対応できる品種や特徴のある品種で、産地での普及が期待できます。野菜類では、冷涼地向け耐病性レタス品種“タフV”及びベと病・ビッグベイン病に強い冬どり用レタス品種“ワンダフル”。耐寒性に優れる2~3月どり用ハクサイ“おもむき”。食味と肥大性に優れたスイートコーン“わくわくコーン82”“わくわくコーン88”。食味性に優れたネギ“一翠太”。北海道・東北等の栽培に向くタマネギ“マルソー”。黄化葉巻病に強く味の良い大玉トマト“TY秀福”。スジが少なく葉切れの良いコマツナ“こいしい菜”。海外市場に向けたキャベツ“KAK818”“KAK819”を発表いたしました。飼料作物類では、東南アジアに向けた飼料用トウモロコシ“501”、倒伏に強いイタリアンライグラス“さつきばれEX”をラインアップに加えました。引き続き新規性のある品種の開発を、国内外に向け積極的に行ってまいります。波志江研究所では、バイオテクノロジー技術を利用してイモ類などの栄養繁殖性野菜のウイルスフリー化と新品種開発を進めております。 サツマイモでは、オリジナル品種の開発と既存品種“ベニアズマ”や“なると金時”の系統選抜を進めております。オリジナル品種“シルクスイート”は独特のしっとりなめらかな食感と甘さで消費者の評価が高く、産地での栽培面積が更に拡大しております。次の新品種についても販売に向けて産地試験を継続しております。“ベニアズマ”、“なると金時”は産地で選抜した有望系統の拡大試作を行っております。ヤマノイモでは、新規性があり栽培しやすい品種の開発を進めております。食味の評価が高いオリジナル品種“ネバリスター”は更に産地での栽培面積が拡大しております。また、販売に向けて種イモの増殖を開始した新品種候補は、短型で粘りが強く作りやすい特徴があり、家庭菜園用として今後の展開が期待されます。なお、当事業に係る研究開発費の金額は、466,025千円であります。 (2)花き事業花き育種研究室では営利生産者向けとホームユース向けの花き品種の開発を行っております。ユーストマでは7品種を新発売といたしました。その中で、第69期より販売を開始したフリンジの強い八重咲き品種“ジュリアスライトピンク”のシリーズとして、ラベンダー色の“ジュリアスラベンダー”が特に高い評価を得ており、当社の看板品種である“エグゼラベンダー”とともにラベンダー色のシェアがさらに高まることが期待されます。また、日本種苗協会主催の第62回全日本花き品種審査会において“ラビアージュ”が、さらに第63回では“ジュリアスラベンダー”が1等特別賞を受賞しました。カーネーションではスプレー系の自社開発品種を6品種、スタンダード系については海外提携メーカーからの独占導入品種を4品種新発売とし、より一層の充実を図りました。また、オリジナル品種の充実により利益率の高い自社生産苗の比率が高まり、カーネーション全体の利益率が向上しました。スターチス・シヌアータでは、暖地向け品種としてボリュームのある“マグナムブルー”や生産性の高い“ルネッタブルー”などの販売を開始いたしました。これらの品種を持って、暖地でのシェアの拡大を図ってまいります。デルフィニウムでは八重咲きF1品種の“クレスブルー”と“アズールブルー”、キンギョソウでは半八重咲き品種3品種の育成が完了し、次年度からの販売に向け種子の準備を進めております。ホームユース向けでは国内外からの導入を積極的に行い、品揃えの充実を図るとともに、野菜苗につきましても品種比較試験を実施し、ユーザーに喜ばれ他社と差別化できる品種の選定を行っております。 なお、当事業に係る研究開発費の金額は、60,034千円であります。 (3)施設材事業 開発部では、安全・安心で、かつ効率の高い野菜生産を追求し、自然光型養液栽培プラント及び閉鎖型植物工場において、種苗会社という長年の栽培ソフトの蓄積を生かしたプラント開発を行っております。現在、7つのタイプの養液栽培システムを開発し、品目に適した栽培システムを提供しております。マルチリーフレタス、小ネギ、ミツバなどの葉菜類を栽培する“EK式ハイドロポニック”、トマト、キュウリなどを栽培する“スプレーポニック®”、イチゴを栽培する”ココベリーファーム®“等のシステムが各地で利用されています。今後は、大規模施設が多くなるにともない、植物生理に基づいた高度なハウス内環境制御技術とさらなる養液栽培技術開発とのマッチングにより、一層の生産効率を上げることができます。既存地域での実績を基盤として新しい地域の展開を進めてまいります。 なお、当事業に係る研究開発費の金額は、84,608千円であります。
FY2016|2,303 文字
6【研究開発活動】研究開発に関しましては、常に高付加価値で新規性のあるオリジナル商品の開発に取り組んでおります。種苗事業では「野菜類及び飼料作物類」と「サツマイモなどの栄養繁殖性野菜類」の品種開発、花き事業では「トルコギキョウなどの花き類」の品種開発、また施設材事業では「自然光型養液栽培プラント及び閉鎖型植物工場」の開発を行っております。これらの研究部門が連携をとりながら、新たな農業システムを構築すべく研究開発活動を行っております。当連結会計年度の研究開発費の総額は、583,080千円となっております。セグメント別研究開発の状況は次の通りであります。 (1)種苗事業くにさだ育種農場では、野菜類及び飼料作物類の品種開発を行っております。当年度につきましては、一般社団法人日本種苗協会主催の第66回全日本野菜品種審査会において、“YR夏ゆたか”ダイコンが、1等特別賞となり農林水産大臣賞を受賞いたしました。形状や揃いの良さ、またダイコン内部の障害が少ない点を高く評価された結果です。当年度は野菜7品種・飼料作物5品種を新発売といたしました。野菜類では、根の形状と肌の品質に優れる秋~年内どり用青首品種“豊秋”ダイコン。秀品率が高く秋から冬にかけて収穫する“源翠”ネギ。レタスの冬どりで問題となるビッグベイン病に強い初冬どり用品種“ジェントル”。また、長野県などで問題となっている根腐病に強い“サニーローズ”は赤色の発色に優れたサニーレタスです。飼料作物類では、倒伏に強く多収性の飼料用トウモロコシ“KD321”“KD502”“NS125スーパー”“NS129スーパー”をラインアップに加えました。ソルガム“ターザン”は低温伸長性に優れ北海道で栽培できる画期的な品種です。いずれも特徴のあるオリジナル商品で、産地での普及が期待できます。引き続き新規性のある品種の開発を、国内及びアジア等の海外に向け積極的に行ってまいります。波志江研究所では、バイオテクノロジー技術を利用してイモ類などの栄養繁殖性野菜のウイルスフリー化と品種改良を進めております。 サツマイモ苗の“シルクスイート”は、しっとりなめらかな肉質と甘さで市場や消費者の評価が高く、産地での栽培面積が増加し販売が順調に拡大しております。次のオリジナル新品種“HE404”についても評価が良好で産地での普及が期待できます。“ベニアズマ”“なると金時”については、更なるシェアアップを図るため産地に密着し優良系統の選抜を進めております。ヤマノイモでは、栽培面積が更に増加している“ネバリスター”に続くオリジナル新品種の上市に向けて種イモ増殖を進めております。これは、短形で粘りが強く作りやすいという新しい特性を持っているため、今後の展開が期待できます。なお、当事業に係る研究開発費の金額は、436,921千円であります。 (2)花き事業 花き育種研究室では、営利生産者向けの切花品種の育種と導入開発を行っております。トルコギキョウでは“コレゾシリーズ”や“グラナスシリーズ”など知名度の高い品種を有し、売上が毎年増加しており、今期も前年を上回る成績を達成いたしました。品評会では第60回全日本花き品種審査会において“クレアブルー”が農林水産大臣賞を受賞するなど、多くの品種が上位入賞を果たしております。新品種としましては、これまで当社にはなかったフリンジの強い八重咲き品種“ジュリアスライトピンク”を上市いたしました。すでに非常に高い評価を得ており、今後の売上への貢献が期待されます。スターチス・シヌアータでは高寒冷地向けの新品種として、濃赤色の“アンタレス”、ピンク色の“セシリア”、ラベンダー色の“スペースラベンダー”の3品種の販売を開始いたしました。これらの品種を持って、高寒冷地でのシェアの拡大を図ってまいります。カーネーションでは毎年品種が充実してきており、自社育成品種が19品種となりました。それに伴い売上も増加してきております。デルフィニウムでは当社では初めてとなる八重咲きF1品種の“クレスライトブルー”の本格販売を開始し、新品目としてオキシペタルムの“シェーンブルー”とハボタンの“グリフィーユ”を上市いたしました。また、カスミソウの“スターマイン”も好評で、年々作付が増えてきております。ホームユース向けのJガーデン品目についても、国内外からの導入を積極的に行い、品揃えの充実を図っております。なお、当事業に係る研究開発費の金額は、57,770千円であります。 (3)施設材事業開発部では、安全・安心で、かつ効率の高い野菜生産を追求し、自然光型養液栽培プラント及び閉鎖型植物工場において、種苗会社という栽培ソフト面の強みを生かしたプラント開発を行っております。具体的には、栽培面積が増加しているマルチリーフレタスは2品種を新たに加え、様々な用途に応えることができます。汎用の果菜栽培プラント“カネコ・ロックファーム”の新しい作目として、ズッキーニの長期吊下げ誘引栽培法を開発いたしました。この栽培方法は、長期収穫と高栽植密度を可能とし、収穫量が大幅にアップいたします。閉鎖型植物工場におきましては、食事のカリウム摂取を制限されている方向けの、カリウムの含有量が少ないレタスの栽培管理方法を新規に開発いたしました。また、トマト及びキュウリ栽培用プラントの”カネコ・スプレーポニック”におきましては、新しい地域に導入され実績を積みつつあり、今後の展開が期待できます。 なお、当事業に係る研究開発費の金額は、88,389千円であります。