事業の概要
- とうもろこし加工製品の製造販売日本食品化工は、とうもろこしを主な原料として、でん粉や糖化品、ファインケミカル製品、副産物といった様々な加工製品を製造し、販売しています。これらの製品は食品や工業用途など幅広い分野で利用されており、同社の主要な収益源となっています。
- 技術輸出と業務委託同社は、とうもろこし加工に関する技術を海外に輸出することで収益を得ています。また、グループ会社である日食サービス&ファシリティーズ株式会社が業務委託事業を、ミナト流通サービス株式会社が運送業を担い、事業活動を多角的にサポートしています。
- グループ会社による事業展開日本食品化工の企業集団は、親会社である三菱商事株式会社、連結子会社1社(日食サービス&ファシリティーズ株式会社)、関連会社2社(Asia Modified Starch Co., Ltd.、ミナト流通サービス株式会社)で構成されています。これらの会社が連携し、原材料の調達から製品の製造、販売、運送まで一貫した事業活動を行っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 澱粉部門とうもろこしを原料とした澱粉およびその加工製品の製造販売を行っています。主に食品業界や製紙業界向けに製品を提供しており、同社の基盤となる事業部門です。主要な会社は当社、三菱商事株式会社、Asia Modified Starch Co., Ltd.です。
- 糖化品部門とうもろこし澱粉を加工して作られる異性化糖などの糖化製品の製造販売を担っています。これらの製品は食品の甘味料として広く利用されており、同社の主要な収益源の一つです。主要な会社は当社と三菱商事株式会社です。
- ファインケミカル部門および副産物部門とうもろこし加工から得られる高付加価値な化学製品(ファインケミカル)や、その他の副産物の製造販売を行っています。これらの部門は、原材料を余すことなく活用し、事業の多角化と収益性の向上に貢献しています。主要な会社は当社と三菱商事株式会社です。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】 当社の企業集団は、当社、親会社、連結子会社1社、関連会社2社により構成され、とうもろこし等の加工製品及びその二次加工製品の製造販売を主な事業の内容とし、更にこれらに附帯する原材料等の購入、技術輸出、運送業等の事業を行っております。 当社の企業集団の事業内容並びに事業部門との関連は、次のとおりであります。事業内容主要な会社名とうもろこし等の加工製品及びその二次加工製品の製造販売当社、三菱商事㈱、AMSCO※計3社上記関連の技術輸出当社計1社上記関連の業務委託日食サービス&ファシリティーズ㈱計1社上記関連の運送業ミナト流通サービス㈱計1社※AMSCO・・・Asia Modified Starch Co., Ltd. 事業内容事業部門主要な会社名とうもろこし等の加工製品及びその二次加工製品の製造販売澱粉部門当社、三菱商事㈱、AMSCO糖化品部門当社、三菱商事㈱ファインケミカル部門当社、三菱商事㈱副産物部門当社、三菱商事㈱ 当社の企業集団の事業の系統図は次のとおりであります。※1 子会社※2 関連会社
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 原材料価格の上昇分を製品販売価格に転嫁できない場合があるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 規制 食品衛生法等による輸入検査、異性化糖調整金制度など、多くの法令・規制の対象。 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:原材料価格及び調達の変動リスク / 法的規制(異性化糖調整金制度) / コンプライアンス・ガバナンス
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
日本食品化工は特定のブランド力や特許、規制ライセンス、独占的IPに依存する事業モデルではない。汎用的な食品原料の製造・販売が中心であり、無形資産による競争優位性は限定的と判断される。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
食品メーカーは原料サプライヤーの変更に一定のコスト(品質確認、切り替え手続き等)を伴うが、日本食品化工の製品は代替可能な汎用品も多く、顧客のスイッチング・コストはそれほど高くないと考えられる。ただし、長年の取引関係や品質安定性から一定の顧客維持力はある。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
同社の事業は、ユーザー数の増加が製品やサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果を生むビジネスモデルではない。BtoB取引が中心であり、プラットフォーム型ビジネスとは異なる。
コスト優位★★★☆☆
長年の事業運営で培われた製造ノウハウや、規模の経済による効率的な生産体制がコスト競争力の源泉となっている可能性がある。特に、特定の原料(例:コーンスターチ由来製品)においては、効率的な調達・加工プロセスが優位性を生む。
規模の経済★★★☆☆
食品原料業界において、一定の生産規模を持つことで、原料調達や製造コストにおいて効率性を発揮していると考えられる。ただし、業界全体が非常に競争的であるため、圧倒的な規模の経済による寡占状態とは言えない。
- 原材料調達と加工技術の専門性日本食品化工は、とうもろこしを主原料とした加工製品の製造販売に特化しており、長年にわたる経験と技術の蓄積があります。これにより、高品質なでん粉や糖化品などを安定的に供給できる強みを持っています。
- 親会社との連携による安定性親会社である三菱商事株式会社との連携により、原材料の安定的な調達や販売チャネルの確保において優位性があると考えられます。グローバルなネットワークを活用することで、事業基盤の安定化に寄与している可能性があります。
- 多岐にわたる製品展開とうもろこしからでん粉、糖化品、ファインケミカル、副産物と多岐にわたる製品を生み出すことで、様々な産業のニーズに対応しています。これにより、特定の市場変動リスクを分散し、安定した収益基盤を構築している可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日において当社グループが判断したものであります。(1) 会社の経営の基本方針 当社グループは、でん粉・糖の事業を通じ、生活者の多様な Well-beingに資する価値提供を推進し、長期的な企業価値の向上に努めます。 社会的・環境的な潮流変化を的確に捉え、将来あるべき姿に向けて、個々がより高い意欲を持って事業に参画することで、その実現を図ります。(2) 経営環境 世界情勢は、中東地域における軍事的緊張の高まりにより、原油・天然ガス輸送の要衝であるホルムズ海峡の通行が大きく制約される等、エネルギー供給を巡る地政学リスクが一段と高まっております。こうした供給不安を背景に、原油価格やエネルギーの供給状況は不安定な推移が続いており、今後の情勢次第では、既に顕在化している世界経済や金融市場への影響がさらに拡大することが懸念されます。また、米中対立構造の継続やウクライナ情勢の長期化等、世界経済には複数の下振れリスクが重層的に存在しており、主要国の景気動向についても慎重な見方が広がっています。わが国においては、賃上げの進展や内需回復への期待がある一方、資源価格や為替動向が企業収益や物価に及ぼす影響については依然として不確実性が高く、当業界を取り巻く事業環境は変動が続いています。このため、今後も動向を注視しつつ、柔軟な対応が求められる局面が続くものと考えられます。 長期的な見通しとしては、当社グループにとっては国内の人口漸減による糖質の総需要の減少が今後の大きな課題となりますが、消費者ニーズの多様化は今後も進展し、豊かな生活の実現に寄与する機能性素材・原材料への期待は引き続き高まっていくものと認識しております。さらに、世界的なサステナビリティ意識の高まりを背景に、企業には脱炭素や資源循環をはじめとする社会課題の解決へ貢献するとともに、これを通じた企業価値の一層の向上が求められます。こうした環境認識のもと、当社グループでは、食の高度化・多様化や未病領域に資する機能性糖質の開発を進めており、その一環として、海外関連会社では海外新市場の嗜好性に合わせた「日食テクスターチ」シリーズの拡充、当社では緩やかに消化・吸収される特性を有する遅消化性糖質の新製品「メガロリンク」を開発し、市場展開に向けた取り組みを進めております。また、脱炭素・資源循環に貢献する素材への需要の高まりを背景に、でん粉を70%含有し、石油由来樹脂の使用量削減に寄与する「スタークロス70PPi」についても、食品・化粧品向け容器包装分野や自動車内装分野等、幅広いお客様との対話を重ねながら、市場形成に向けた取り組みを進めております。(3) 目標とする経営指標 当社グループ主製品の一つである糖化品は、清涼飲料や酒類、食品、調味料などに幅広く使用されており、また、もう一つの主力である澱粉製品は食品用途のみならず、製紙を中心とした一般工業分野においても多く利用されております。当社グループでは、多様化する課題やニーズに応えられる高付加価値製品の提供をソリューション事業、コスト競争力をもった生活必需品の素材の提供をプライマリー事業と位置づけ、そこにコーンオイルをはじめとする副産物事業を含めた事業体制にて、持続的な成長と企業価値の向上を目指しております。また、サステナビリティ経営を事業活動の根幹に据え、サステナビリティ重要課題として①炭素・環境保全 ②豊かな社会の実現 ③人材の育成と組織風土の醸成 ④社会的信頼性の向上 ⑤地域とのつながりの5項目を設定しております。中期経営計画「中経2027」においては、連結経常利益及び連結ROEを目標とする経営指標として掲げ、資本効率の向上を目指しております。具体的には、連結経常利益20±3億円、ROE5~6%を目標としており、中経2年目となる当年度は、連結経常利益20億円を目標としております。(4) 中長期的な会社の経営戦略 当社は“多様なWell-beingのために”というコーポレートメッセージを基本に、2022年に策定した「長期経営ビジョンNSK2030」の実現に向けた取り組みを進めております。同ビジョンでは、2025年度から2027年度までの3カ年をフェーズ2(施策展開期)と位置づけており、その実行計画として「中経2027」を推進しております。「中経2027」では、事業戦略として「重点領域の具現化と新規事業創出」、「収益構造の見直しと設備の最適化」、「人材・組織の相互成長と社会・環境価値の追求」を掲げるとともに、財務・資本戦略として「収益力・資本効率化に向けた指標の導入」、「最適資本構成実現に向けたキャピタルアロケーション」を基本方針としております。 「中経2027」の初年度となる2025年度においては、外食産業向けの需要回復等を背景に澱粉製品の販売は堅調に推移したものの、糖化製品については、消費者の節約志向や気候要因等の影響による減収及び海外関連会社の業績低迷により、目標として掲げる経営指標を下回る結果となりました。一方で、中長期的な成長を見据えた取り組みについては着実に検討を進めており、中経2027で掲げる成長投資は、将来の事業拡大及び収益基盤の強化に資する投資案件の具体化に向け、計画に基づき検討しております。このうち、新規事業投資は、販売や市場形成の進捗を踏まえ、投資実行の時期や内容を慎重に見極めている段階にありますが、関連する製品開発や顧客評価、市場性の検証等は着実に進めております。また、財務・資本戦略においては、株主還元の充実及び資本効率の向上を目的として、DOE(株主資本配当率)2.5%以上を目安とした安定的な配当を実行するとともに、自己株式の消却(1,457,132株)及び取得(2026年3月31日現在、取得した株式の総数:77,500株、株式取得の総額:295,578,500円)を実施いたしました。 2026年度は「中経2027」の2年目にあたることから、前期中期経営計画「中経2024」において取り組んできた諸施策の成果及び初年度の取り組みを踏まえつつ、引き続き持続的な成長と企業価値向上を目指してまいります。(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 生産面では、主原料のとうもろこしを安定調達するため、主要調達先である米国以外の供給先を確保し、また副原料、資材等においては複数購買にて、安定調達に努めてまいります。 販売面では、食の高度化・多様化に対応するため、食品・飲料素材分野で培ってきた技術力を積極的に活用し、お客様の課題解決につながる提案型営業を推進しております。生活を支える素材を提供する企業として、未病領域をはじめとする健康分野における健康志向製品や、低・脱炭素領域における環境配慮型製品の提供を重点テーマと位置付け販売の強化を図ってまいります。また、一般工業用途、食品用途、さらにはファインケミカル用途を中心とした多様な分野においても、お客様に付加価値を高める製品の価値提供を積極的に行うことで、対面市場業界の発展に貢献してまいります。生活必需品とされる製品においては社会からの信頼に応える安心・安全な供給体制を構築するとともに、環境負荷の低減に努め、お客様に対し新たな価値の提案を図ってまいります。 グローバル市場に向けた事業展開は、当社の「長期経営ビジョンNSK2030」に定めた戦略の一つであるソリューション事業の拡充において極めて重要な位置づけとなります。タイ国の当社関連会社であるAsia Modified Starch Co., Ltd.(AMSCO)においては、欧米先進国、及びアジア諸国の経済発展に伴う食の高度化、多様化への対応をより一層推進し、社会課題の解決を提供できる企業としての発展を目指します。また、AMSCO事業以外に関しても、当社グループ技術力のグローバル市場への展開を図るべく、当社グループ製品、技術の海外展開を視野に入れたビジネスチャンスの探求に注力しており、それらの取り組みに資する海外マーケティングから製品供給体制の強化、人材育成も当社の課題としております。 引き続き製品の安心・安全な生産と供給体制の強化を図り、お客様のニーズにお応えできる確固たる体制を築いてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日において当社グループが判断したものであります。(1) 会社の経営の基本方針 当社グループは、でん粉・糖の事業を通じ、生活者の多様な Well-beingに資する価値提供を推進し、長期的な企業価値の向上に努めます。 社会的・環境的な潮流変化を的確に捉え、将来あるべき姿に向けて、個々がより高い意欲を持って事業に参画することで、その実現を図ります。(2) 経営環境 世界情勢は、中東地域における軍事的緊張の高まりにより、原油・天然ガス輸送の要衝であるホルムズ海峡の通行が大きく制約される等、エネルギー供給を巡る地政学リスクが一段と高まっております。こうした供給不安を背景に、原油価格やエネルギーの供給状況は不安定な推移が続いており、今後の情勢次第では、既に顕在化している世界経済や金融市場への影響がさらに拡大することが懸念されます。また、米中対立構造の継続やウクライナ情勢の長期化等、世界経済には複数の下振れリスクが重層的に存在しており、主要国の景気動向についても慎重な見方が広がっています。わが国においては、賃上げの進展や内需回復への期待がある一方、資源価格や為替動向が企業収益や物価に及ぼす影響については依然として不確実性が高く、当業界を取り巻く事業環境は変動が続いています。このため、今後も動向を注視しつつ、柔軟な対応が求められる局面が続くものと考えられます。 長期的な見通しとしては、当社グループにとっては国内の人口漸減による糖質の総需要の減少が今後の大きな課題となりますが、消費者ニーズの多様化は今後も進展し、豊かな生活の実現に寄与する機能性素材・原材料への期待は引き続き高まっていくものと認識しております。さらに、世界的なサステナビリティ意識の高まりを背景に、企業には脱炭素や資源循環をはじめとする社会課題の解決へ貢献するとともに、これを通じた企業価値の一層の向上が求められます。こうした環境認識のもと、当社グループでは、食の高度化・多様化や未病領域に資する機能性糖質の開発を進めており、その一環として、海外関連会社では海外新市場の嗜好性に合わせた「日食テクスターチ」シリーズの拡充、当社では緩やかに消化・吸収される特性を有する遅消化性糖質の新製品「メガロリンク」を開発し、市場展開に向けた取り組みを進めております。また、脱炭素・資源循環に貢献する素材への需要の高まりを背景に、でん粉を70%含有し、石油由来樹脂の使用量削減に寄与する「スタークロス70PPi」についても、食品・化粧品向け容器包装分野や自動車内装分野等、幅広いお客様との対話を重ねながら、市場形成に向けた取り組みを進めております。(3) 目標とする経営指標 当社グループ主製品の一つである糖化品は、清涼飲料や酒類、食品、調味料などに幅広く使用されており、また、もう一つの主力である澱粉製品は食品用途のみならず、製紙を中心とした一般工業分野においても多く利用されております。当社グループでは、多様化する課題やニーズに応えられる高付加価値製品の提供をソリューション事業、コスト競争力をもった生活必需品の素材の提供をプライマリー事業と位置づけ、そこにコーンオイルをはじめとする副産物事業を含めた事業体制にて、持続的な成長と企業価値の向上を目指しております。また、サステナビリティ経営を事業活動の根幹に据え、サステナビリティ重要課題として①炭素・環境保全 ②豊かな社会の実現 ③人材の育成と組織風土の醸成 ④社会的信頼性の向上 ⑤地域とのつながりの5項目を設定しております。中期経営計画「中経2027」においては、連結経常利益及び連結ROEを目標とする経営指標として掲げ、資本効率の向上を目指しております。具体的には、連結経常利益20±3億円、ROE5~6%を目標としており、中経2年目となる当年度は、連結経常利益20億円を目標としております。(4) 中長期的な会社の経営戦略 当社は“多様なWell-beingのために”というコーポレートメッセージを基本に、2022年に策定した「長期経営ビジョンNSK2030」の実現に向けた取り組みを進めております。同ビジョンでは、2025年度から2027年度までの3カ年をフェーズ2(施策展開期)と位置づけており、その実行計画として「中経2027」を推進しております。「中経2027」では、事業戦略として「重点領域の具現化と新規事業創出」、「収益構造の見直しと設備の最適化」、「人材・組織の相互成長と社会・環境価値の追求」を掲げるとともに、財務・資本戦略として「収益力・資本効率化に向けた指標の導入」、「最適資本構成実現に向けたキャピタルアロケーション」を基本方針としております。 「中経2027」の初年度となる2025年度においては、外食産業向けの需要回復等を背景に澱粉製品の販売は堅調に推移したものの、糖化製品については、消費者の節約志向や気候要因等の影響による減収及び海外関連会社の業績低迷により、目標として掲げる経営指標を下回る結果となりました。一方で、中長期的な成長を見据えた取り組みについては着実に検討を進めており、中経2027で掲げる成長投資は、将来の事業拡大及び収益基盤の強化に資する投資案件の具体化に向け、計画に基づき検討しております。このうち、新規事業投資は、販売や市場形成の進捗を踏まえ、投資実行の時期や内容を慎重に見極めている段階にありますが、関連する製品開発や顧客評価、市場性の検証等は着実に進めております。また、財務・資本戦略においては、株主還元の充実及び資本効率の向上を目的として、DOE(株主資本配当率)2.5%以上を目安とした安定的な配当を実行するとともに、自己株式の消却(1,457,132株)及び取得(2026年3月31日現在、取得した株式の総数:77,500株、株式取得の総額:295,578,500円)を実施いたしました。 2026年度は「中経2027」の2年目にあたることから、前期中期経営計画「中経2024」において取り組んできた諸施策の成果及び初年度の取り組みを踏まえつつ、引き続き持続的な成長と企業価値向上を目指してまいります。(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 生産面では、主原料のとうもろこしを安定調達するため、主要調達先である米国以外の供給先を確保し、また副原料、資材等においては複数購買にて、安定調達に努めてまいります。 販売面では、食の高度化・多様化に対応するため、食品・飲料素材分野で培ってきた技術力を積極的に活用し、お客様の課題解決につながる提案型営業を推進しております。生活を支える素材を提供する企業として、未病領域をはじめとする健康分野における健康志向製品や、低・脱炭素領域における環境配慮型製品の提供を重点テーマと位置付け販売の強化を図ってまいります。また、一般工業用途、食品用途、さらにはファインケミカル用途を中心とした多様な分野においても、お客様に付加価値を高める製品の価値提供を積極的に行うことで、対面市場業界の発展に貢献してまいります。生活必需品とされる製品においては社会からの信頼に応える安心・安全な供給体制を構築するとともに、環境負荷の低減に努め、お客様に対し新たな価値の提案を図ってまいります。 グローバル市場に向けた事業展開は、当社の「長期経営ビジョンNSK2030」に定めた戦略の一つであるソリューション事業の拡充において極めて重要な位置づけとなります。タイ国の当社関連会社であるAsia Modified Starch Co., Ltd.(AMSCO)においては、欧米先進国、及びアジア諸国の経済発展に伴う食の高度化、多様化への対応をより一層推進し、社会課題の解決を提供できる企業としての発展を目指します。また、AMSCO事業以外に関しても、当社グループ技術力のグローバル市場への展開を図るべく、当社グループ製品、技術の海外展開を視野に入れたビジネスチャンスの探求に注力しており、それらの取り組みに資する海外マーケティングから製品供給体制の強化、人材育成も当社の課題としております。 引き続き製品の安心・安全な生産と供給体制の強化を図り、お客様のニーズにお応えできる確固たる体制を築いてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。 (1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善や高市政権による各種施策等の効果を背景に、緩やかな回復基調で推移しました。一方で、継続する物価高が消費マインドに与える下振れリスクに加え、米国の通商政策に伴う関税措置、中東におけるイランを巡る軍事的緊張の高まりによるエネルギー価格への影響、中国経済の減速等の懸念材料もあり、依然として先行きは極めて不透明な状況となりました。 原料とうもろこしのシカゴ相場は、期初1ブッシェル当たり461セント台で始まりましたが、ブラジル及びアルゼンチンにおける豊作見通しや、8月公表の米国農務省報告で単収や生産高の大幅な上方修正を受け、8月には383セント台迄下落しました。その後、中国による米国産大豆の購入に伴う大豆相場の上昇、米国産とうもろこしの堅調な輸出需要、さらに2月末の米国及びイスラエルによるイランへの攻撃に端を発した原油相場や肥料価格の高騰等を背景に相場は上昇し、期末時点では457セント台、通期平均では431セント台となりました。 WTI原油相場は、期初1バレル当たり71ドル台で始まりましたが、米国による相互関税の引き上げ、米中両国の経済指標悪化による原油需要の減少懸念、OPECプラスによる原油生産量の減産幅縮小やウクライナとロシアの和平交渉進展によるロシア産原油の供給増加観測等を背景に、12月には57ドル台まで下落しました。その後、2月末の米国及びイスラエルによるイランへの攻撃を発端とした中東情勢の悪化や、それに起因したイランによるホルムズ海峡の封鎖に伴う原油供給懸念の高まりから相場が急騰し、期末時点では101ドル台、通期平均では65ドル台となりました。 米国から日本までの穀物海上運賃は、期初1トン当たり44ドル台で始まり、穀物及び石炭輸送の増加、中国国内における石炭の供給不足及び品質問題を背景としたインドネシアからの輸入増加等により、9月中旬には52ドル台まで上昇しました。その後、季節要因により石炭等の貨物需要がピークアウトしたことで44ドル台まで下落したものの、中東情勢の影響による船舶燃料価格の高騰や、南米からの穀物輸出需要が堅調に推移したこと等から再び上昇し、期末時点では57ドル台、通期平均では48ドル台となりました。 為替相場は、期初1ドル当たり149円台で始まりましたが、米国の相互関税の公表を受けた米国景気の悪化懸念等から、4月には一時144円台迄円高が進行しました。その後、12月に米国が利下げを実施したものの、米国政府による対日関税の引き上げ示唆や、日銀金融政策決定会合において政策金利が引き上げられた一方、今後の利上げペースが明示されなかったことで不透明感が強まり、日米の金利差拡大への警戒感が高まりました。さらに3月には中東情勢の緊迫化を背景とした有事のドル買いも加わり、円安が進行し、期末時点では159円台、通期平均では150円台となりました。 販売面では、インバウンド需要の回復等を背景に、外食産業向けを中心とした需要は増加傾向となりました。大型連休期間においても行楽日和が多く、外出機会が増加したことから、飲料向けを中心に上期の販売数量は前年同期比を上回りました。一方、対面販売市場の一部では、夏季の酷暑に伴う最終ユーザーの嗜好変化により、屋外イベントでの消費が減少する場面も見られ、当社製品の販売にも影響が見られました。また、物価上昇を背景とした消費者の節約志向は依然として継続しており、年末にかけて外食産業で客数の増加が見られたものの、糖化品全体の出荷数量は前年同期を下回る結果となりました。ただし、当連結会計年度末において、4月以降の末端商品値上げを見据えた仮需が発生したことで、出荷数量の減少は一部緩和されました。 澱粉製品については、新聞・雑誌のデジタル化進展を背景に、製紙向け需要の減少が継続し、販売数量は前年同期比で減少しました。一方、食品用途向けでは、物価上昇による節約志向の影響を受けながらも、米菓市場向けの販売増加や外食市場における客数の増加を背景に販売は堅調に推移しました。 この結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は629億9千万円(前年同期比0.5%増)、営業利益は12億5千万円(同4.2%増)、経常利益は15億6千万円(同18.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は11億6千万円(同23.5%減)となりました。 次に、各部門の販売概況は以下のとおりであります。(澱粉部門) 澱粉部門は、製紙向け澱粉販売数量が前年同期に比べ減少しましたが、節約志向の影響を受けながらも外食産業向け需要回復と米菓市場向け製品の販売増加により、澱粉製品全体の売上高は142億9千万円(同2.0%増)となりました。 (糖化品部門) 糖化品部門は、外食産業向けの業務用販売を中心に需要回復が見られましたが、夏季の酷暑に伴う最終ユーザーの嗜好変化による屋外イベントでの消費伸び悩みや、物価上昇への防衛意識の高まり等が影響し、売上高は396億2千万円(同1.0%減)となりました。(ファインケミカル部門) ファインケミカル部門は、国内の一部市場向け製品の販売が減少しましたが、海外市場向け製品の販売が増加傾向にあり、売上高は22億7千万円(同5.6%増)となりました。(副産物部門) 副産物部門は、前年同期に比べ一部の製品で販売価格が上昇したことにより、売上高は68億円(同4.6%増)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下資金という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ9千万円増加し、3億3千万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果、獲得した資金は68億5千万円となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益15億6千万円に減価償却費31億円、仕入債務の増加額10億7千万円等を加算した額から退職給付に係る負債の減少額6億5千万円、棚卸資産の増加額3億7千万円、持分法による投資利益3億7千万円等を控除した額によるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果、使用した資金は30億6千万円となりました。これは主として、当社工場設備への投資などの有形固定資産の取得による支出25億7千万円等によるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果、使用した資金は37億円となりました。これは主として、短期借入金の減少額(純額)27億3千万円、配当金の支払額6億1千万円等によるものです。 ③生産、受注及び販売の実績a. 生産実績 当連結会計年度における生産実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。事業部門の名称生産高(百万円)前年同期比(%)澱粉部門10,11899.8糖化品部門38,94999.2ファインケミカル部門2,287104.2副産物部門6,845105.6合計58,200100.2(注)1 金額は、販売価格によっております。 2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 b. 受注実績 当社は受注生産を行っておりません。 c. 販売実績 当連結会計年度における販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。事業部門の名称販売高(百万円)前年同期比(%)澱粉部門14,293102.0糖化品部門39,62499.0ファインケミカル部門2,274105.6副産物部門6,801104.6合計62,993100.5 (注)1 主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合相手先前連結会計年度(自 2024年 4月 1日至 2025年 3月31日)当連結会計年度(自 2025年 4月 1日至 2026年 3月31日)販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)三菱商事株式会社9,76615.59,82715.62 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容1)財政状態 当連結会計年度における総資産は506億5千万円となり、前連結会計年度末に比べ5億3千万円の増加となりました。その主な要因は、機械装置及び運搬具が11億円減少したものの、建設仮勘定が7億7千万円、原材料及び貯蔵品が5億7千万円増加したこと等によるものです。負債合計は204億7千万円となり、前連結会計年度末に比べ12億2千万円減少となりました。その主な要因は、買掛金が10億7千万円、未払法人税等が4億6千万円増加したものの、短期借入金が27億3千万円減少したこと等によるものです。また、純資産合計は301億8千万円となり、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ2.9ポイント増加し、59.6%となりました。2)経営成績 当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高629億9千万円、営業利益12億5千万円、経常利益15億6千万円、親会社株主に帰属する当期純利益11億6千万円となりました。まず、増収の主な要因は、夏の猛暑の影響による糖化製品の販売数量増加に加え、原料とうもろこし及び原油相場高騰による製造費用上昇を背景とした製品価格の適正化が進捗したことによるものであります。また、減益の主な理由は、穀物相場の下落や輸入品の影響から副産物の販売価格が下落したことや前述の製造費用の上昇等によるものであります。 経営上の目標達成状況を判断する為の客観的な指標について、当社は「中期経営計画2025-27年度(中経2027)」において、連結経常利益ベースで単年度20±3億円を指標として掲げており、次期見通しとしては、売上高655億円、営業利益19億円、経常利益20億円、親会社株主に帰属する当期純利益15億円を見込んでおります。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 当社の資本の財源及び資金の流動性については、製造設備の更新及び製品品質向上に係る工事等の支出に対し、その資金の調達財源としては主としてグループファイナンスの活用によっております。 なお、当連結会計年度末における借入金の残高は80億円となっております。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。 この連結財務諸表の作成にあたって、当連結会計年度末現在における資産・負債及び当連結会計年度における収益・費用等に影響を与える見積りを行わなければなりません。これらの見積りについては、過去の実績や現在の状況に応じて合理的と思われる方法によって判断をしておりますが、見積りには不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。 当連結会計年度末現在における資産・負債及び当連結会計年度における収益・費用等に影響を与える見積りは、主に繰延税金資産、退職給付に係る負債、賞与引当金となります。 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
事業リスク
- 原材料価格と調達の変動リスク主要な原材料であるとうもろこしの価格はシカゴ穀物相場、為替相場、海上輸送運賃に大きく影響されます。また、燃料費の高騰も生産コストを押し上げます。これらの価格変動を製品販売価格に転嫁できない場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。同社はヘッジ取引でリスク低減を図っています。
- 法的規制と政策変更の影響異性化糖の製造・販売は、国内産いも澱粉や砂糖の保護を目的とした法令の適用を受けます。2024年4月からの異性化糖調整金制度の見直しにより、調整金が発生しやすくなりました。この調整金を販売価格に適切に反映できない場合、業績に影響を与える可能性があります。
- コンプライアンス・ガバナンス体制の不備食品素材などを扱う企業として、多くの法令・規制(食品安全基本法、医薬品医療機器等法など)を遵守する必要があります。コンプライアンス違反が発生した場合、社会的信用の低下や業績への悪影響が懸念されます。過去には資金横領も発生しており、再発防止策が講じられています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。(1)原材料価格及び調達について 当社は、原料とうもろこしを主として米国から輸入しておりますが、その価格はシカゴ穀物相場により変動し、為替相場、及び海上輸送運賃等の変動により調達諸費用は変動いたします。また工場のボイラー用燃料に原油価格と連動性の高い都市ガス、及び重油を使用しておりますが、原油価格の高騰は生産コストの上昇要因となります。原料、副原料、資材、燃料価格の上昇、並びに為替による変動分を製品販売価格に転嫁できない場合は、当社グループの業績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。これら穀物、為替の市場リスクに対しましては、当社は市場リスク管理規定に基づき投機的な取引を行わず、各種ヘッジ等の措置で変動の影響を低減しております。 原料とうもろこし等の輸入原燃料におきましては、輸出国の国政状況や自然災害等により適切に調達できない場合、また国内調達の資材等におきましては自然災害等により適切に調達できない場合には、当社グループの業績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。これらの調達リスクに対しましては、BCPの観点から複数の原料、燃料、資材の供給先を確保しております。 また輸入されるとうもろこしは食品衛生法等により輸入時に様々な検査が行われ、輸出国に対し日本の輸入基準を満たした品質を求めていますが、国や行政が規定している品質のとうもろこしを輸入できない場合には、当社グループの業績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。これらの調達リスクに対しましては、輸出国、及び輸出国の積み出し港の選別、変更で対応しております。(2)農政関連の法的規制等について 当社は、原料とうもろこしの輸入及び糖化品部門の主要製品である異性化糖の製造、販売にあたり、国内産いも澱粉、国内産砂糖の事業及び生産者の保護を目的とした法令の適用を受けております。2024年4月1日以降、農林水産省の政策方針に基づく異性化糖調整金制度の運用見直しにより、異性化糖調整金は継続的に発生しております。四半期ごとに変動し得る異性化糖調整金につきましては、お取引先様からのご理解の下で販売価格への反映に努めておりますが、適切な反映が実現できない場合には、当社グループの業績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。また、引き続き異性化糖調整金として負担する財源の適正化を図るよう、農林水産省に対して制度運用に関する要望の発信に努めております。(3)コンプライアンス・ガバナンスについて 当社は食品素材、工業用素材及び医薬品原料と社会生活に不可欠な様々な製品を製造・販売しており、その事業活動において会社法、税法、食品安全基本法、医薬品医療機器等法、独占禁止法など多くの法令・規制の対象となっております。これらの法令・規制を始めとした求められるコンプライアンス・ガバナンスを十分に実現できない場合、社会的信用が低下し当社グループの業績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。 これらの法令・規制を遵守するため、当社では「日食行動指針」において「公明正大を旨とする」ことを定め、当社役職員が遵守すべき「役職員行動規範」を制定するとともに、コンプライアンス委員会及びリスク管理委員会を設置し、コンプライアンス委員会においてコンプライアンス体制の周知徹底及び体制の整備、リスク管理委員会においてリスクマネジメントを行っております。 このような取り組みにおいてもコンプライアンス・ガバナンス上のリスクを排除することはできず、2022年には元社員が約10年間にわたり会社の資金を横領する不正行為が発覚しました。それを受け、当社は調査委員会を設置し不正行為が起こりえた原因を調査するとともに社長を委員長とする社内不祥事再発防止委員会を設置し、①内部統制の強化、②内部通報制度の信頼向上、③組織風土の改善、④不正を予防・早期発見する体制の構築に関する施策を実行し、再発防止に取り組んでおります。(4)自然災害による影響 当社は、主要な生産拠点を東海地区(静岡県富士市)に有しております。地震等による被害を抑えるために補強工事等対策を施しておりますが、この地域において大規模な地震等の災害が発生した場合、その程度によっては工場の生産設備や操業に重大な支障を来たすとともに、その復旧に多額の費用が生じ、当社グループの業績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。(5)市場における競合の状況について 当社は、食品業界及び製紙業界等に澱粉及びその加工製品を販売しております。中東情勢や長引くウクライナ情勢といった地政学リスクの高まりにより原燃料相場の高止まりと調達不安が続いており、今後の動向も予測困難な状況にあります。更に、国内では包装容器等の資材が調達不安定な状況になる等、国内市場の動向も見通しが難しい状況が続いております。今後の競合製品の輸入動向、さらには国内市場の動向によっては、当社グループの業績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。(6)物流関連に関する法的規制及び課題等について 当社は、東海地区(静岡県富士市)及び中国地区(岡山県倉敷市)の東西2拠点で製品を製造しており、主要消費地への製品輸送距離は比較的有利な立地条件となっております。一方、働き方改革による所謂「物流2024年問題」への対応による輸送費の値上げ要求に加え、直近の中東情勢悪化の影響に伴う原燃料・副資材及び製品等の輸送費高騰や、燃料の安定確保が困難になることによる配送制限が懸念され、当社グループの業績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。また、物流効率化法の改正により、2026年度から、一定量以上の貨物を取り扱う荷主は特定事業者として、物流統括管理者の選任に加え、積載効率向上、荷待ち・荷役時間短縮等に関する中長期計画の策定及び実行が義務化されます。従来の配送体制の維持が困難となる物流業者が増加していることも踏まえ、当社は発荷主として、物流効率化と管理体制の強化を進めるとともに、当社製品の安定納入に向け、お取引先の皆様に対してもご理解・ご協力を頂くよう丁寧な説明を継続してまいります。