5535

ミガロホールディングス(5535)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

不動産業 不動産

事業の概要

  • DX推進と不動産
    ミガロホールディングスは、デジタル技術を活用したDX推進事業と、DXを業務の中核に据えた不動産事業の二つを主要な収益源としています。デジタル技術で社会課題を解決し、新たな価値を創造することを目指しています。
  • 顔認証プラットフォーム
    DX推進事業では、スマートシティソリューションとしての顔認証プラットフォーム「FreeiD」や、生成AIを活用したクラウドシステムの導入・運用支援、AWSベースのDX関連システム受託開発などを行っています。これらのサービス提供や機器販売、ソフトウェア開発が主な収益源です。
  • DX不動産事業
    DX不動産事業では、DX不動産会員を顧客基盤とし、デジタルマーケティングやAIを活用した業務自動化により高い生産性を実現しています。新築マンションの開発販売、中古収益マンションのマッチング、不動産クラウドファンディング「Rimple」、賃貸・建物管理などが主な事業内容で、不動産販売や手数料収入、賃料収入が収益の柱です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • DX推進事業
    この事業は、社会や企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するサービスを提供しています。顔認証プラットフォーム「FreeiD」や生成AIを活用したクラウドシステム導入支援、AWSベースのDX関連システム受託開発などが主な内容です。売上高は36.38億円、営業利益は0.75億円で、グループ全体の収益の約7%を占めています。
  • DX不動産事業
    この事業は、DXを業務の中核に据えた不動産関連サービスを展開しています。新築マンションの開発販売、中古収益マンションのマッチング、不動産クラウドファンディング「Rimple」、賃貸・建物管理などが含まれます。売上高は480.70億円、営業利益は38.63億円と、グループの売上と利益の大部分を稼ぎ出す主力事業です。
  • 事業構造と収益源
    ミガロホールディングスは、DX推進事業とDX不動産事業の2つの主要セグメントで構成されています。DX推進事業は技術サービス提供や機器販売、ソフトウェア開発が収益源であり、DX不動産事業は不動産販売、手数料収入、賃料収入が主な収益源です。DX不動産事業が圧倒的な規模でグループ全体の業績を牽引しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
DXPromotion 事業 36 1 2.1%
DXRealEstate 事業 481 39 8.0%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,400 文字
3【事業の内容】 当社グループは、「デジタルとリアルの融合で新たな価値を創造し、社会の課題解決に貢献する」という企業理念を掲げ、デジタルの力を活用した価値創造を目指し、非連続にイノベーションを起こし続け、社会に最適なソリューションを提供すべく事業展開しております。「イノベーションを起こし続けるビジョナリーカンパニー」を長期ビジョンとし、社会・環境の価値と事業活動による価値を統合し、持続可能な社会の実現と企業価値の向上で更なる企業成長を目指しております。 当社グループは、AI・DXを基軸とした事業展開を明確化し、AI・DXの上で各事業を成長させる、という方針のもと、AI・DX領域におけるビジネスの成長を目指しAI活用やDXを推進する事業(DX推進事業)とDXを業務コアとする不動産事業(DX不動産事業)を主要事業として、事業活動を展開しております。 なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 当社グループの事業における当社及び当社の関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。 (DX推進事業) スマートシティソリューションとなる顔認証IDプラットフォームサービス(FreeiD)の導入・運用やAIソリューションの提供、クラウドシステムの導入・運用支援、AWSをベースにしたDX関連システムの受託開発といったデジタルインテグレーションによって社会や企業のDXを推進する事業を総じた事業となっており、DXYZ株式会社、アヴァント株式会社、株式会社TIERO、株式会社CloudTechPlus、株式会社テラ・ウェブクリエイト、株式会社ユー・システム・クリエイションが展開する事業となっております。顔認証IDプラットフォームサービスのリカーリング収益や顔認証機器の販売収益、クラウドシステムの導入・保守にかかる役務提供による収益、独自ソフトウェアの開発・導入・運用・保守にかかる役務提供による収益が主な収益となります。 (DX不動産事業) DX不動産会員という顧客ストックを事業コアとし、この会員数増加とともに収益が増加する事業となっております。また、デジタルマーケティングによる会員集客やSFAによるマーケティング・オートメーション、CRMの徹底した活用、AIを活用した不動産買取査定システムによる業務自動化、AIを活用した商談記録自動化・商談分析など、業務コアをAIを用いてDXし、他社よりも優れた生産性を実現する事業となっております。主に新築マンションの投資家・実需向け開発販売事業や中古収益マンションの買取再販事業、DX×金融×不動産の領域となるクラウドファンディング事業(Rimple)、DXにより圧倒的に効率化されたストックビジネスである賃貸管理事業・建物管理事業・不動産運用事業を総じた事業となっており、プロパティエージェント株式会社、株式会社AKIコマース、株式会社アソシア・プロパティが展開する事業となっております。DX不動産会員への不動産販売収益や賃貸・建物管理サービス提供による手数料収入、収益不動産における賃料収入が主な収益となります。 事業系統図は以下のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
DX不動産事業では賃貸相場や金利動向を見据えた価格設定を行い、DX推進事業ではリカーリング収益があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
宅地建物取引業法、建築基準法、都市計画法、マンション管理適正化法、不動産特定共同事業法等の法的規制。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:資産運用型投資用マンション販売における訴訟リスク / 経済状況(景気、金利、税制)による購買意欲低下 / 物件引渡し時期による業績変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 3 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

ミガロホールディングスは、特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPに関する情報が公開されておらず、無形資産による競争優位性は確認できない。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

不動産賃貸事業において、入居者が他の物件に乗り換える際の引っ越し費用や手間は存在するが、これが決定的なスイッチング・コストとなるほどの強固なものではなく、限定的である。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の事業モデルは、ユーザー数の増加がサービス価値を直接的に高めるネットワーク効果を生み出す構造ではないため、ネットワーク効果による競争優位性は見られない。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

不動産賃貸業において、同社が構造的に競合他社よりも低コストで物件を開発・管理できるという優位性を示す具体的な情報は確認できない。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

不動産賃貸事業を展開しており、一定の規模を持つが、業界全体で見ると最適化された少数寡占状態を形成するほどの圧倒的な規模の経済性は確認できない。今後の成長による規模拡大の可能性はある。

  • DXによる高生産性
    DX不動産事業では、デジタルマーケティングによる顧客集客、SFA(営業支援システム)による自動化、CRM(顧客関係管理)の徹底活用、AIを活用した不動産買取査定や商談記録の自動化など、業務のあらゆる面でDXを推進しています。これにより、他社よりも優れた生産性を実現し、効率的な事業運営を可能にしています。
  • 顔認証技術の活用
    DX推進事業の中核である顔認証プラットフォーム「FreeiD」は、スマートシティソリューションとして社会や企業のDXを推進する重要な役割を担っています。この独自技術は、セキュリティや利便性の向上に貢献し、リカーリング収益(継続的な収益)の基盤となっています。
  • 顧客ストック型ビジネス
    DX不動産事業では「DX不動産会員」という顧客基盤を事業のコアとしています。この会員数の増加が直接的に収益増加に繋がるストック型ビジネスモデルを構築しており、安定した収益基盤と継続的な成長ポテンシャルを持っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは、「デジタルとリアルの融合で新たな価値を創造し、社会の課題解決に貢献する」という企業理念を掲げ、「AI・DX」と「不動産」で価値を創造する企業グループをコンセプトに、顔認証IDプラットフォームやAIソリューション、DX支援をサービスとして外販するDX推進事業及び業務コアを主にAIなどを用いてDXしたDX不動産事業の2事業をグループの事業の柱として、各社の経営目標達成に向け事業展開を行っております。DX推進事業は当社グループの成長の柱として、市場拡大の好機を的確にとらえ、売上高100億円を目指して成長していく方針であり、また、DX不動産事業は、当社グループにおける収益の柱として、売上高1,000億円を目指して成長戦略を描いております。当社グループは、この2事業体制にて、グループ内シナジーを発揮しつつ企業価値の向上を図り、時価総額1,000億円を目指してまいります。 (2)経営環境 当社グループの成長の柱であるDX推進事業が展開する領域においては、国内のDXは欧米諸国と比較して未だに遅れており、それによって低い生産性、労働力不足という問題が発生していると言われております。そのため、これを解決すべく、国内のAI活用やDX支援のマーケットは加速的に成長している最中であり、様々な推計はあるものの、2030年度には現在の2倍や3倍のマーケットになると想定されます。当社グループは、この成長著しいマーケットにおいて、グループ内におけるAI活用やDXで培ったノウハウ・知見を強みに、当社グループの事業領域を大きく成長させるため、2025年度も引き続き、積極的なM&A、人材採用などにより事業成長をしてまいりました。特に2025年度は、AI活用による事業再構築とサービス展開に注力し、その成果が少しずつみられる状況となりました。また、DX推進事業のもう一つのサービスである顔認証IDプラットフォームサービス(FreeiD)もサービスとしての価値が浸透しつつあり、特に営業活動を注力したマンションへのFreeiD導入において、着実な成果を残し、今後の拡大に向けた手応えを実感する状況となってまいりました。 他方、当社グループの収益の柱であるDX不動産事業においては、当事業に大きな影響を与える賃料相場、金利(長期金利)、金融機関の融資量、建築費(資材価格、人工代)などに変化が訪れる状況となっております。特に賃料相場につきましては、都心の賃料相場は引き続き上昇基調にあり、2025年度はこの上昇を強く実感した状況にあり、これによって収益不動産の価格も堅調な状況となっております。一方、金利(長期金利)につきましては、日銀の金融政策の修正があり、また、日本政府の政策に対する懸念から、長期金利の上昇圧力が強い状況が継続し、不動産価格への影響が注視される状況になっております。さらに、諸外国のインフレ、国内の労働力不足、海外の地政学リスク顕在化、歴史的円安などによる建築費(資材価格、人工代)の上昇は、足許で顕著に現れており、物件開発における事業収支では、このリスクを如何にコントロールするかが引き続き重要なこととなっております。ただし、金利は上昇しているものの引き続き低金利の状況であることに変わりなく、金融機関の融資量も大きく変化していない状況となっていることから、現時点においては、不動産価格に大きな影響を及ぼす状況になっていないものと思われ、また、建築費の上昇についても、賃料相場の上昇による収益不動産価格の上昇により、一定程度上昇分を吸収できている状況となっております。このような外部環境の中、当社は、DX不動産事業において業界トップシェアになることを諦めることなく、お客様に良い商品をお渡しするという事業方針を維持しながら、生産性向上と事業拡大による収益の拡大及び組織力の強化を継続する方針であります。 (3)対処すべき課題 当社は、「デジタルとリアルの融合で新たな価値を創造し、社会の課題解決に貢献する」という経営理念のもと、イノベーションを起こし続けるビジョナリーカンパニーを長期ビジョンに掲げ、2029年3月期にDX推進事業売上高100億円、DX不動産事業売上高1,000億円それぞれ達成という中期的目標に向け、環境の変化に敏感に対応するとともに、以下の経営課題に取組んでまいります。 ①AI・DXによる事業再構築と事業生産性向上 当社グループは、2023年のホールディングス化以降、DXを基軸とした事業活動を一層強化し、成長ドライバーであるDX推進事業の成長に注力しております。最近では、AIによる事業環境の変化が著しく、当社グループにおいても、AIによる事業再構築とサービス展開に注力しているところであります。また、グループ内外においてAIを活用すべく、AIキャンパス(グループ内AIナレッジ共有会)におけるAI活用事例の共有、AI関連サイト「AXiS」の開設、「インハウスAIラボ」というソリューションの開発などを行い、着実にAI推進を実行してきております。今後もAIを活用して当社グループのDXをさらに推進することでさらに事業生産性を高め、そのノウハウ・知見を活かしつつ、DX推進事業の更なる飛躍的成長に注力してまいります。 ②人的資本経営の強化 当社グループでは、企業成長と共に、社内の業務レベルが上がってきており、また、組織の拡大、組織機能の拡充、新規部署の創出なども多く発生しております。加えて、事業におけるAIの活用や企業のDXを支援するDX推進事業においては、適切なAIの活用や売上・利益の源泉が人材に拠るところとなっております。このような状況においては、合理性と柔軟性をもってレベルアップを率先して図れる、また、組織をけん引できる人材が必要となってまいります。今後、中期的目標の達成を目指すうえで、人材とグループの成長を連動させていく必要があり、人材の獲得のみならず、エンゲージメント向上や働き方変革、人材最適配置、リスキリング、ダイバーシティ推進等人的資本経営を強化し、これによって生産性を向上させることが、当社グループの成長の重要なファクターになると考えております。そのため、より多くの優秀な人材確保のため、あらゆる採用手法を活用することだけでなく、人事制度の整備等にも取組み、人材獲得のためのM&Aなども積極的に行い、グループ横断的に人的資本経営を強化することに注力してまいります。 ③グループ会社の成長とグループ管理能力の強化 当社グループは、当連結会計年度において、株式会社テラ・ウェブクリエイト及び株式会社ユー・システム・クリエイションを子会社化し、今後もグループ会社の増加が継続することが想定されております。これは、中期的目標の達成に向け、DX推進事業の飛躍的成長を実現するため、M&Aを積極的に実行している結果であり、グループ入りした会社も着実に中核化し成長していく方針であることからとなります。そのため、グループ入りした会社の成長が当社グループの企業価値向上の重要なファクターの一つになることから、その事業成長へのテコ入れと当社のグループ会社管理能力の向上に引き続き取組んでまいります。 ④マーケティング力の強化 当社グループのDX不動産事業では、「ハイクラスに選ばれる不動産エージェント」を標榜し、ウェブ広告を中心とするデジタルマーケティングにより新規顧客の拡大を推進しており、当社グループ及び当社グループ開発のマンションブランド「クレイシア」のブランドは業界内において一定程度知名度がある状況になっております。また、DX推進事業においても、顔認証IDプラットフォームサービス「FreeiD」のプロダクトブランディングやAIソリューションを用いたDX支援の認知が今後重要になってくるものと考えております。これらマーケティング関連活動は、当社グループの中期的目標の達成のために重要なファクターであると考えていることから、集客拡大のみならず当社グループのプレゼンスを高めるため、マーケティング関連活動に引き続き注力するとともに、様々なブランディングをし、当社グループの成長の土台の一つとして強化してまいります。 ⑤物件調達力の強化 当社グループのDX不動産事業では、総会員数19万人以上の不動産投資会員を有しております。今後も、この会員の多様なニーズに応えることが当社グループの企業価値向上において重要なファクターであると考えており、会員ニーズに応える開発用地や中古物件を調達することが非常に重要になってまいります。一方で、昨今は建築費の高騰や物件価格の高騰により、収支の見極めを適切に行うことの重要性が増している事業環境となっております。そのため、この領域における人的リソース確保や関係業者とのリレーション強化などにより、圧倒的情報力を持つとともに、当社グループの知見・ノウハウによる適切な物件の見極めや機動的な資金による物件調達力を最大限に活用し、厳選した仕入による市況変動リスクへの耐性強化を図りながら、物件調達力を強化してまいります。 ⑥財務体質の強化 地政学的問題や海外の関税、物価高、日銀の金融政策修正など、経済環境の変動により、経営環境の不透明さが増している中、当社は当連結会計年度において公募及び第三者割当による増資を行ったことから、現状においては適切な財務体質となっているものの、今後の金融環境の後退リスクなどについては、不測のタイミングで起きかねないと考えております。そのため、仮に金融環境が後退局面に入ったとしても、安定した資金調達を実現することで中期的目標の達成に向かって継続的に邁進出来るよう、資本・債務の比率やキャッシュ・ポジションの維持・向上、優良資産の確保、ストック収入の確保などに取組み、財務体質の一層の強化を図ってまいります。 ⑦コンプライアンス経営の強化 当社グループのDX不動産事業が属する業界は、過去の歴史上、業況悪化の局面などで、コンプライアンスの問題が発生しやすいため、昨今の業界環境を考慮すると、当社の事業領域におけるコンプライアンス体制は、より一層重要性が増しているものと考えております。当社グループでは、予てよりコンプライアンス経営の重要性を認識し、重要な経営課題の1つとして、コンプライアンス体制及びコーポレート・ガバナンスの強化に努めております。そのため、内部統制基本方針の策定及び運用を行うのみならず、セールスポリシーの公表やこれらの社内周知の徹底、コンプライアンス教育・研修の強化なども継続的に行っております。今後も、役員・従業員におけるコンプライアンス関連規程の共有、遵守はもとより、倫理観と社会的良識をもった行動をとることで、社会から信頼される会社として認識されるよう努めてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは、「デジタルとリアルの融合で新たな価値を創造し、社会の課題解決に貢献する」という企業理念を掲げ、「AI・DX」と「不動産」で価値を創造する企業グループをコンセプトに、顔認証IDプラットフォームやAIソリューション、DX支援をサービスとして外販するDX推進事業及び業務コアを主にAIなどを用いてDXしたDX不動産事業の2事業をグループの事業の柱として、各社の経営目標達成に向け事業展開を行っております。DX推進事業は当社グループの成長の柱として、市場拡大の好機を的確にとらえ、売上高100億円を目指して成長していく方針であり、また、DX不動産事業は、当社グループにおける収益の柱として、売上高1,000億円を目指して成長戦略を描いております。当社グループは、この2事業体制にて、グループ内シナジーを発揮しつつ企業価値の向上を図り、時価総額1,000億円を目指してまいります。 (2)経営環境 当社グループの成長の柱であるDX推進事業が展開する領域においては、国内のDXは欧米諸国と比較して未だに遅れており、それによって低い生産性、労働力不足という問題が発生していると言われております。そのため、これを解決すべく、国内のAI活用やDX支援のマーケットは加速的に成長している最中であり、様々な推計はあるものの、2030年度には現在の2倍や3倍のマーケットになると想定されます。当社グループは、この成長著しいマーケットにおいて、グループ内におけるAI活用やDXで培ったノウハウ・知見を強みに、当社グループの事業領域を大きく成長させるため、2025年度も引き続き、積極的なM&A、人材採用などにより事業成長をしてまいりました。特に2025年度は、AI活用による事業再構築とサービス展開に注力し、その成果が少しずつみられる状況となりました。また、DX推進事業のもう一つのサービスである顔認証IDプラットフォームサービス(FreeiD)もサービスとしての価値が浸透しつつあり、特に営業活動を注力したマンションへのFreeiD導入において、着実な成果を残し、今後の拡大に向けた手応えを実感する状況となってまいりました。 他方、当社グループの収益の柱であるDX不動産事業においては、当事業に大きな影響を与える賃料相場、金利(長期金利)、金融機関の融資量、建築費(資材価格、人工代)などに変化が訪れる状況となっております。特に賃料相場につきましては、都心の賃料相場は引き続き上昇基調にあり、2025年度はこの上昇を強く実感した状況にあり、これによって収益不動産の価格も堅調な状況となっております。一方、金利(長期金利)につきましては、日銀の金融政策の修正があり、また、日本政府の政策に対する懸念から、長期金利の上昇圧力が強い状況が継続し、不動産価格への影響が注視される状況になっております。さらに、諸外国のインフレ、国内の労働力不足、海外の地政学リスク顕在化、歴史的円安などによる建築費(資材価格、人工代)の上昇は、足許で顕著に現れており、物件開発における事業収支では、このリスクを如何にコントロールするかが引き続き重要なこととなっております。ただし、金利は上昇しているものの引き続き低金利の状況であることに変わりなく、金融機関の融資量も大きく変化していない状況となっていることから、現時点においては、不動産価格に大きな影響を及ぼす状況になっていないものと思われ、また、建築費の上昇についても、賃料相場の上昇による収益不動産価格の上昇により、一定程度上昇分を吸収できている状況となっております。このような外部環境の中、当社は、DX不動産事業において業界トップシェアになることを諦めることなく、お客様に良い商品をお渡しするという事業方針を維持しながら、生産性向上と事業拡大による収益の拡大及び組織力の強化を継続する方針であります。 (3)対処すべき課題 当社は、「デジタルとリアルの融合で新たな価値を創造し、社会の課題解決に貢献する」という経営理念のもと、イノベーションを起こし続けるビジョナリーカンパニーを長期ビジョンに掲げ、2029年3月期にDX推進事業売上高100億円、DX不動産事業売上高1,000億円それぞれ達成という中期的目標に向け、環境の変化に敏感に対応するとともに、以下の経営課題に取組んでまいります。 ①AI・DXによる事業再構築と事業生産性向上 当社グループは、2023年のホールディングス化以降、DXを基軸とした事業活動を一層強化し、成長ドライバーであるDX推進事業の成長に注力しております。最近では、AIによる事業環境の変化が著しく、当社グループにおいても、AIによる事業再構築とサービス展開に注力しているところであります。また、グループ内外においてAIを活用すべく、AIキャンパス(グループ内AIナレッジ共有会)におけるAI活用事例の共有、AI関連サイト「AXiS」の開設、「インハウスAIラボ」というソリューションの開発などを行い、着実にAI推進を実行してきております。今後もAIを活用して当社グループのDXをさらに推進することでさらに事業生産性を高め、そのノウハウ・知見を活かしつつ、DX推進事業の更なる飛躍的成長に注力してまいります。 ②人的資本経営の強化 当社グループでは、企業成長と共に、社内の業務レベルが上がってきており、また、組織の拡大、組織機能の拡充、新規部署の創出なども多く発生しております。加えて、事業におけるAIの活用や企業のDXを支援するDX推進事業においては、適切なAIの活用や売上・利益の源泉が人材に拠るところとなっております。このような状況においては、合理性と柔軟性をもってレベルアップを率先して図れる、また、組織をけん引できる人材が必要となってまいります。今後、中期的目標の達成を目指すうえで、人材とグループの成長を連動させていく必要があり、人材の獲得のみならず、エンゲージメント向上や働き方変革、人材最適配置、リスキリング、ダイバーシティ推進等人的資本経営を強化し、これによって生産性を向上させることが、当社グループの成長の重要なファクターになると考えております。そのため、より多くの優秀な人材確保のため、あらゆる採用手法を活用することだけでなく、人事制度の整備等にも取組み、人材獲得のためのM&Aなども積極的に行い、グループ横断的に人的資本経営を強化することに注力してまいります。 ③グループ会社の成長とグループ管理能力の強化 当社グループは、当連結会計年度において、株式会社テラ・ウェブクリエイト及び株式会社ユー・システム・クリエイションを子会社化し、今後もグループ会社の増加が継続することが想定されております。これは、中期的目標の達成に向け、DX推進事業の飛躍的成長を実現するため、M&Aを積極的に実行している結果であり、グループ入りした会社も着実に中核化し成長していく方針であることからとなります。そのため、グループ入りした会社の成長が当社グループの企業価値向上の重要なファクターの一つになることから、その事業成長へのテコ入れと当社のグループ会社管理能力の向上に引き続き取組んでまいります。 ④マーケティング力の強化 当社グループのDX不動産事業では、「ハイクラスに選ばれる不動産エージェント」を標榜し、ウェブ広告を中心とするデジタルマーケティングにより新規顧客の拡大を推進しており、当社グループ及び当社グループ開発のマンションブランド「クレイシア」のブランドは業界内において一定程度知名度がある状況になっております。また、DX推進事業においても、顔認証IDプラットフォームサービス「FreeiD」のプロダクトブランディングやAIソリューションを用いたDX支援の認知が今後重要になってくるものと考えております。これらマーケティング関連活動は、当社グループの中期的目標の達成のために重要なファクターであると考えていることから、集客拡大のみならず当社グループのプレゼンスを高めるため、マーケティング関連活動に引き続き注力するとともに、様々なブランディングをし、当社グループの成長の土台の一つとして強化してまいります。 ⑤物件調達力の強化 当社グループのDX不動産事業では、総会員数19万人以上の不動産投資会員を有しております。今後も、この会員の多様なニーズに応えることが当社グループの企業価値向上において重要なファクターであると考えており、会員ニーズに応える開発用地や中古物件を調達することが非常に重要になってまいります。一方で、昨今は建築費の高騰や物件価格の高騰により、収支の見極めを適切に行うことの重要性が増している事業環境となっております。そのため、この領域における人的リソース確保や関係業者とのリレーション強化などにより、圧倒的情報力を持つとともに、当社グループの知見・ノウハウによる適切な物件の見極めや機動的な資金による物件調達力を最大限に活用し、厳選した仕入による市況変動リスクへの耐性強化を図りながら、物件調達力を強化してまいります。 ⑥財務体質の強化 地政学的問題や海外の関税、物価高、日銀の金融政策修正など、経済環境の変動により、経営環境の不透明さが増している中、当社は当連結会計年度において公募及び第三者割当による増資を行ったことから、現状においては適切な財務体質となっているものの、今後の金融環境の後退リスクなどについては、不測のタイミングで起きかねないと考えております。そのため、仮に金融環境が後退局面に入ったとしても、安定した資金調達を実現することで中期的目標の達成に向かって継続的に邁進出来るよう、資本・債務の比率やキャッシュ・ポジションの維持・向上、優良資産の確保、ストック収入の確保などに取組み、財務体質の一層の強化を図ってまいります。 ⑦コンプライアンス経営の強化 当社グループのDX不動産事業が属する業界は、過去の歴史上、業況悪化の局面などで、コンプライアンスの問題が発生しやすいため、昨今の業界環境を考慮すると、当社の事業領域におけるコンプライアンス体制は、より一層重要性が増しているものと考えております。当社グループでは、予てよりコンプライアンス経営の重要性を認識し、重要な経営課題の1つとして、コンプライアンス体制及びコーポレート・ガバナンスの強化に努めております。そのため、内部統制基本方針の策定及び運用を行うのみならず、セールスポリシーの公表やこれらの社内周知の徹底、コンプライアンス教育・研修の強化なども継続的に行っております。今後も、役員・従業員におけるコンプライアンス関連規程の共有、遵守はもとより、倫理観と社会的良識をもった行動をとることで、社会から信頼される会社として認識されるよう努めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要及び経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)経営成績等の状況の概要① 経営成績の状況 当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)におけるわが国経済は、米国政府の関税政策影響により全体として輸出に下押し圧力がかかるなど、景況感にネガティブな状況が継続した一方で、エネルギー価格の低下によるインフレ鈍化や円安進行による海外事業の円建て収益増加などにより、個人消費の持ち直しや企業の景況感の良好な状況の継続などが見られる状況となりました。加えて、人手不足に起因する省人化やDX化のためのソフトウェア投資も高い水準で推移するなど、様々な動きが見られる状況となりました。しかしながら、足許では、中東情勢の混乱による先行き不透明感が増しており、この先も楽観視できない状況が継続しております。 このような経済環境の中、当社グループは、DXを基軸とした事業活動の強化に加え、AIによる事業再構築とサービス展開に注力し、DX推進事業においては、収益性を高めるためのAIの活用と事業を支える優秀な人材の採用、積極的なM&Aなどにより順調に事業は推移し、DX不動産事業においては、強い賃料上昇を背景とした堅調な収益不動産のニーズへの的確な対応と業務フローの見直しなどにより、引き続き堅調な業績を継続いたしました。特に当連結会計年度は、DX不動産事業における販売価格の伸びによる原価上昇の吸収もさることながら、かねてより積極投資を継続してきたDX推進事業の事業収益化がめざましく、前連結会計年度までと比較して大きく利益貢献したこともあり、グループ全体として、過去最高の売上高及び営業利益を達成いたしました。 これらの結果、当連結会計年度における業績は、売上高57,532,231千円(前年同期比11.3%増)、営業利益3,061,249千円(前年同期比12.8%増)、経常利益2,347,669千円(前年同期比10.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,434,016千円(前年同期比3.1%増)となりました。 セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。 (DX推進事業) DX推進事業は、引き続き顔認証IDプラットフォーム(FreeiD)におけるソリューション(顔認証デバイス)導入の拡大や顧客企業のDXを推進するDX支援(デジタルインテグレーション等)の拡大に注力いたしました。特にFreeiDは、分譲マンション用の新しいプロダクト(FreeiDマンションPlus)をリリースしたことも追い風となり、マンションへの標準採用企業数の増加も伴いながら引き続き拡大しております。なお、FreeiDのマンション向け導入は、当連結会計年度末現在376棟への導入が実現し、前年同時期の1.8倍の導入実績となっております。また、企業のDX支援においても、M&Aによるグループ会社の増加に加え、グループ内のスキル・ノウハウ・実績を相互に活用することによる受注案件の増加や人材交流による効率的な案件対応、AIキャンパス(グループ内AIナレッジ共有会)におけるAI事例の活用、AI関連サイト「AXiS」の開設、「インハウスAIラボ」というソリューションを用いた展示会への出展など、事業自体の拡大とグループ内シナジーの発揮、AIの事業活用拡大などが見られる状況となっております。 この事業の成長のため、当連結会計年度も、顔認証IDプラットフォーム(FreeiD)では新機能の開発やマンションを中心とした案件開拓営業、積極的な販促・広告活動などを行い、また、デジタルインテグレーションではM&Aによるグループ会社数の拡大と優秀な人材の採用を行うなど、引き続き当社グループの成長の柱として積極的に投資を行ってまいりました。具体的には、期初には約20名の新卒採用を行い、期中においてもデジタルインテグレーションを展開する企業を2社買収し、顔認証IDプラットフォーム(FreeiD)においては商品理解のためのホームページ制作や動画制作、展示会出展を行うなど、積極的な活動を行ってまいりました。そのため、当連結会計年度も先行投資フェーズが継続し、費用が多く計上されることとなりましたが、これまでの積極投資に対し、事業の収益化のスピードが早く、結果として、前連結会計年度までと比較して大きく黒字計上することとなりました。今後も、当事業をさらに成長させるべく、M&Aと人材採用による事業の加速的成長という基本方針を維持し、事業活動を推進してまいります。 これらの結果、売上高4,479,091千円(前年同期比19.0%増)、営業利益366,400千円(前年同期比384.0%増)となりました。 (DX不動産事業) DX不動産事業は、顧客の不動産購入のほとんどが借入資金によること、また、当社グループの在庫購入資金のほとんどが借入資金によることから、日銀の金融政策による長期金利の推移が懸念されるものとなります。当連結会計年度においては、日銀の金融政策決定会合により政策金利の上方修正が行われたことに加え、日本政府の政策による影響で長期金利の上昇圧力が強まる金融環境となりました。しかしながら、引き続き低金利であることに変わりはなく、また、当事業が集中する東京都の住宅価格や人口動態による賃料の強い上昇などにより、当事業における販売価格は堅調に推移する状況となりました。特に収益不動産では、強い賃料上昇を背景に、販売価格の上昇やニーズの増加も見られ、建築費の高騰による原価上昇を大きくカバーするような業況となりました。 このような事業環境の中、当事業のコアとなるDX不動産会員のニーズへの的確な対応とAIを活用した業務フローの見直し、営業担当者のスキル向上などにより販売数は順調に推移し、これをストック収入となる手数料の増加などにつなげ、順調に事業は拡大している状況にあります。今後も、当事業の成長に資するマーケットシェア拡大のため、ストックデータとなるDX不動産会員数の増加や営業担当者の生産性向上、物件調達力の強化などが重要事項となるため、これらに資する事業展開をしてまいる予定であります。なお、当連結会計年度末におけるDX不動産会員数及び当連結会計年度における商品別の提供数は下記のとおりとなっております。 ・DX不動産会員数:191,153人 ・新築マンションブランド「クレイシア」シリーズ等:498戸 ・中古マンション:798戸 ・新築コンパクトマンションブランド「ヴァースクレイシア」シリーズ等:118戸 ・都市型アパートブランド「ソルナクレイシア」シリーズ:9棟 また、上記記載のストック収入のベースとなる管理戸数も継続して拡大し、下記のとおりとなっており、これによってストック収入も着実に増加しております。 ・賃貸管理戸数:7,272戸 ・建物管理戸数:6,115戸 これらの結果、売上高53,247,422千円(前年同期比10.8%増)、営業利益4,240,973千円(前年同期比9.8%増)となりました。 生産、受注及び販売の状況a.生産実績 該当事項はありません。 b.受注実績 該当事項はありません。 c.販売実績 販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売戸数(戸) 金額(千円) 前年同期比(%)前年同期比(%)DX推進事業--4,479,091119.0DX不動産事業1,414103.453,247,422110.8セグメント間取引消去--△194,281-合計1,414103.457,532,231111.3(注)1.DX不動産事業において都市型アパート9棟を販売しておりますが、上記「販売戸数(戸)」には含まれておりません。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、最近2連結会計年度に販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がいないため、記載を省略しております。 ② 財政状態の状況 当連結会計年度末における財政状態は、次のとおりであります。(資産) 当連結会計年度末における総資産は、57,307,920千円となり、前連結会計年度末に比べ2,801,738千円増加しております。これは主に期中に実施した公募増資及び第三者割当増資による資金調達とDX不動産事業における物件販売資金回収により現金及び預金が3,073,300千円増加したことによるものであります。 (負債) 当連結会計年度末における負債合計は、41,950,269千円となり、前連結会計年度末に比べ1,282,469千円減少しております。これは主にDX不動産事業における物件開発の進行により買掛金が978,853千円増加した一方、物件販売による回収資金で物件調達資金を返済したことにより、短期借入金が1,572,722千円、1年内返済予定の長期借入金を含めた長期借入金が1,057,371千円、それぞれ減少したことによるものであります。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産は、15,357,651千円となり、前連結会計年度末に比べ4,084,208千円増加しております。これは主に配当を実施したことにより利益剰余金が409,656千円減少した一方、公募増資及び第三者割当増資により資本金が1,479,473千円、資本剰余金が1,461,199千円それぞれ増加し、親会社株主に帰属する当期純利益1,434,016千円を計上したことにより利益剰余金が増加したことによるものであります。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は9,955,813千円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。 営業活動によるキャッシュ・フローは、主に法人税等や利息の支払があったものの、DX不動産事業における物件販売による棚卸資産の減少に伴う資金回収があったこと等により、3,800,282千円の収入となりました。 投資活動によるキャッシュ・フローは、主に子会社株式の取得による収入があったものの、システム投資等にかかる固定資産の取得があったこと等により、51,324千円の支出となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローは、主に長期借入れによる収入や公募増資及び第三者割当増資による収入があったものの、それを上回る長期借入金の返済による支出があったこと等により、662,357千円の支出となりました。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 ① 重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するために重要となる当社グループの会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としており、経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。 なお、当社グループの資産の多くを占める棚卸資産の評価が当社グループの連結財務諸表に重要な影響を及ぼす事項となりますが、この評価は、棚卸資産のうち特に販売用不動産及び仕掛販売用不動産について、対象不動産ごとの賃料の実勢、長期金利の動向、路線価の変動及び個別発生事象等に依っており、必要に応じて鑑定レポートを取るなど、より客観的に評価できるよう努めておりますが、これらの要素が予期せぬ変動をした場合には、連結会計年度末時点の評価と異なる結果となる場合があります。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、米国の関税政策の影響や日銀の金融政策の修正及び日本政府の政策影響による長期金利の上昇圧力、海外の地政学リスクの新たな顕在化など、様々な要因により先行き不透明な経営環境となったものの、当社グループが成長の柱として注力するDX推進領域では、省人力化や人手不足対応などを背景に企業のソフトウェア投資が高い水準で継続するなどポジティブな側面も見られ、こういった経営環境に対し、過年度より先行投資してきたDX推進事業が早期に収益化したことやリスク感応度高く保守的に考えながら事業活動を行ってきたこと、早期からのAI活用及びDX推進により社内の生産性が向上していること、継続的にコスト・工数の削減を実施し強い事業運営体制を図ってきたことなどが寄与し、前連結会計年度から増収増益となり、期初想定していた営業利益予想を上回り、過去最高の売上高、営業利益にて着地する結果となりました。特に、DX推進事業の早期の収益化においては、顔認証IDプラットフォーム事業、デジタルインテグレーション事業ともに収益に貢献しており、今後の成長性も含め、成長実感が強い年になったと考えております。この背景として、DX推進事業は、当連結会計年度においても、加速的成長の実現という方針のもと、顔認証IDプラットフォームサービス(FreeiD)の積極的販促活動の実施やDX領域におけるM&A、積極的な人材採用などを行った実績があります。この結果として、株式会社テラ・ウェブクリエイト及び株式会社ユー・システム・クリエイションを子会社化し、また、DX人材を前連結会計年度末比1.1倍の増加をさせ増収に導くなどの成果が出ており、当事業の堅実な売上高の増加に伴う営業利益の増加として、前連結会計年度の5倍程度の増加まで営業利益が増加する状況となりました。一方、DX不動産事業においては、当連結会計年度は賃料の上昇が大きく寄与した年になったと考えており、これによって建築費の上昇という粗利減少圧力があるものの、これを吸収し、堅実な成長とともに収益が拡大する状況となりました。これらを総じて、当社グループで初めて連結営業利益が30億円を突破することとなりました。 今後は、DX推進事業においては、当社グループの成長の柱として、積極的なM&Aや優秀な人材の採用、新規受注の拡大を続け、引き続きAIソリューションの提供やAI活用による生産性の向上にも注視し、売上・利益向上を図り、売上高100億円を目指して邁進していく方針であります。また、DX不動産事業においては、長期金利の動向や建築費の動向、不動産市況の動向、金融機関の融資姿勢等に注視しつつ、当社グループの収益の柱として、引き続き売上高1,000億円を目指して成長させていく方針であります。 当社グループは、収益の柱であるDX不動産事業において、間接金融も活用しながら事業を成長させ、その収益資金を成長の柱であるDX推進事業に投資することで企業価値の向上を目指す財務戦略としております。そのため当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、間接金融活用のための適切なバランスシートの維持という前提のもと、キャッシュ・ポジションと自己資本比率、DERを注視指標として置き、DX不動産事業における中古物件の買取再販量のコントロールや他社開発物件の仕入などによって、在庫・資金水準のコントロールを図り、また、当事業年度は、今後の事業投資拡大を見据えて公募及び第三者割当によって増資を行うなどいたしました。また、内部留保による資本の増強やクラウドファンディングによる資金の確保などにより、自己資本と有利子負債のバランスのコントロールを図るなど、あらゆる方面から財務体質の強化と資金の流動性確保に努めてまいりました。当社グループは、中期目標達成に向け今後の事業成長投資が必要な時期であり、また、昨今は不確実性が増している状況のため資金の流動性が重要であると考えており、一定程度の資金水準を維持しているものの、過度に有利子負債が増大しないよう有利子負債による資金調達を適切にコントロールする財務戦略もとっております。今後につきましても、DX推進事業における投資が継続することやDX不動産事業において扱う物件数が増加していることと物件の竣工に偏重があることなどから、資金の流動性を適切に確保することが必要であるため、適切な資金計画のもと、いつでも販売可能な中古物件の確保と、その物件から得られるストック収益の確保、金融機関からの機動的な運転資金の調達に向けた取引金融機関数の増加や主要取引銀行とのコミットメントラインの維持などを行っていくこととしております。 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、上記と同様の内容となるため、記載を省略しております。

事業リスク

  • 不動産投資の変動性
    DX不動産事業で販売する資産運用型マンションは、入居率の悪化、家賃相場の下落、金利上昇による借入金返済負担増など、様々な投資リスクを内包しています。これらの要因が顧客の購入意欲を低下させたり、訴訟に繋がったりした場合、業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 経済状況と市場変動
    不動産販売は景気動向、経済情勢、金利、税制、販売価格などに大きく左右されます。個人消費の低迷や供給過剰による販売価格の下落、建築費の高騰、開発用地の取得難などは、収益性の低下を招き、業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
  • 引渡し時期による業績変動
    DX不動産事業では、物件の引渡し時に収益を計上するため、四半期ごとの業績に偏りが生じやすい特性があります。また、プロジェクトの進捗遅延、天災、予期せぬ事態による施工や引渡しの遅れが発生した場合、計画通りの収益認識ができず、業績に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|6,741 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事業上、経営上のリスク等には、以下のようなものがあります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。 (1)特に重要なリスク① 資産運用型投資用マンションの販売について 当社グループの主要事業であるDX不動産事業において販売する不動産は、資産運用を目的として購入されるものがありますが、一般的に不動産による資産運用(不動産投資)には、入居率の悪化や家賃相場の下落による賃料収入の低下、金利上昇による借入金返済負担の増加など投資収支の悪化につながる様々な投資リスクが内在します。今後、一部の営業社員の説明不足等が原因で投資リスクに対する理解が不十分なまま不動産が購入されたこと等により、顧客からの訴訟等が発生した場合、当社グループの信頼が損なわれることにつながり、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、社会情勢や経済情勢の変化により、入居率の悪化や家賃相場の大幅な下落、金融機関の融資姿勢の変化や急激な金利上昇等が発生した場合、顧客の不動産投資に支障をきたす可能性があります。特に金利の上昇は、金融機関のローンを利用する顧客も比較的多いため、借入金返済負担の増加による投資収支の悪化をもたらすことから、顧客の購入意欲に重要な影響を及ぼす可能性があります。その場合、顧客の不動産投資と密接な関係がある当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 加えて、当社グループの営業社員が代筆行為やエビデンス改竄、複数の契約書を作成するなどの不正融資に関与した場合、提携金融機関から提携及び融資を打ち切られてしまい、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループはこれらのリスクに対して、定期的なコンプライアンス研修や現場での上席によるOJTによって、投資目的の顧客に十分に説明を行い、理解していただいた上で売買契約を締結するよう営業社員及びこれをサポートする社員に教育を徹底しております。また、営業社員が顧客に提示する投資シミュレーション資料などを統一、管理されたものとし、売買契約、融資斡旋を営業部門とは独立の部門が管理する体制をとるなどの体制を構築しております。加えて、賃貸相場の確認を営業部門とは独立した部門が行い、相場賃料及び金利の動向を見据えた価格設定を行い、販売後の入居者募集や集金代行などの賃貸管理から修繕等の建物管理に至るまで一貫したサービスを提供することで、顧客の長期的かつ安定的な不動産投資を全面的にサポートし、空室の発生や資産価値下落、投資収支の著しい悪化等、様々なリスクに対する低減策に取組んでおります。 ② 経済状況等の影響について DX不動産事業における不動産の販売は、景気動向、経済情勢、金利動向のほか、販売価格動向及び住宅税制等の影響を受け、購買者の需要動向に大きく左右される傾向があります。足許では、景況感の一定の懸念事項はありますが、現時点においては、大幅な業績への影響は出ておりません。しかしながら、将来、これによって個人消費が大幅に低迷した場合、あるいは、これにより供給過剰による販売価格の大幅な下落等が発生した場合などには、購買者の購入意欲の低下や収益性の低下につながり、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループのDX不動産事業では、東京23区、横浜、川崎等の都心エリアにおいて集中して用地を仕入れ、マンションの開発における施工は外注をしております。他社との競争環境の激化により、開発用地を計画通りに取得できなかった場合や不良物件を仕入れた場合、外注先の倒産などの予期せぬ事象が発生した場合、建築費が想定以上に上昇した場合には、収益性が低下し、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループはこれらのリスクに対して、将来情勢を見通した仕入計画の立案や新しい販売手法の確立、適切な営業人員の確保などによる販路の維持・増加によって、過度にならない適切な成長軌道を描くよう、中長期的な計画を立てて事業運営を行うことでリスク低減を図りながら、最大限のリターンを得るよう努めております。また、開発用地に関しましても、情報ルートの多様化、増加を図るとともにこれにかかる人員を優先的に確保することで物件情報の質と量を共に維持し、施工外注先に関しては施工能力や事業継続能力などについて慎重な検討を行った上で発注し、加えて、定期的な与信管理と多数の外注先への分散発注を行うことでリスクの低減及び適正建築費による建築を図っております。 ③ 引渡し時期による業績変動について 当社グループのDX不動産事業においては、物件を顧客に引渡した時点で収益を認識しております。そのため、四半期ごとに当社グループの業績を見た場合、物件の引渡し時期に伴い、業績に偏重が生じる傾向があります。また、各新築物件のプロジェクトの進捗状況、販売計画、竣工時期の変更、天災やその他予想し得ない事態の発生による施工遅延、不測の事態の発生による引渡し遅延があった場合には、計画していた時期に収益が認識できず、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループはこれらのリスクに対して、建設会社現場所長、設計事務所責任者、設備・電気業者責任者、当社施工管理者での月次定例会議による進捗把握で工期管理を徹底的に行い、工期に影響を及ぼす事象が発生した場合には、その代替手段も含め迅速に対応することでリスクの低減を図っております。 ④ 契約不適合責任について 民法及び宅地建物取引業法のもと、当社グループのDX不動産事業において顧客に不動産を販売した会社は販売した物件に対して契約不適合責任を負っております。万が一、当社グループが販売した物件に重大な契約不適合事象があるとされ、これを原因とする損害賠償請求が行われた場合や補修工事費用の負担が発生した場合には、当社グループの信用力低下とともに、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループはこれらのリスクに対して、建築現場定例会議における建築基準法の法定事項の実施確認や外注先の設計事務所による全杭打ち検査の実施を徹底し、社内一級建築士による杭打ち、鉄筋数量、コンクリート打設状況確認及び床置き前検査、上棟時検査、先行ルーム検査などによりクオリティコントロールを行うことでリスクの低減を図っております。 ⑤ 個人情報の管理について 当社グループは、事業活動において、顧客・取引先の機密情報や個人情報を取得・保有しております。情報の取り扱いについては、細心の注意を払っておりますが、今後、不測の事態によって当社グループが保有する個人情報が外部流出した場合、賠償責任を課せられるリスクや当社グループへの信用を毀損するリスク等があり、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループはこれらのリスクに対して、ファイアーウォールの設定やデータアクセス権限の設定、データ通信の暗号化、セキュリティシステムの継続的な改善を行うことで情報の流出を防ぎ、リスクの低減を図っております。 ⑥ サイバーセキュリティについて 当社グループは、経営方針・経営課題としてDXの推進に取組んでおりますが、これによって、多様かつ膨大な電子情報を保有する体制へと移行しております。そのため、今後、サイバー攻撃を受けるなどして、電子情報の窃取や流出、改ざん、運営サイト・システムのダウンが発生した場合、事業運営に多大な影響を及ぼし、損害賠償を課せられるリスクや社会的責任を問われるリスク等があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループはこれらのリスクに対して、サイバーセキュリティ経営ガイドラインに則り、サイバーセキュリティ経営の3原則を認識し、リスク管理体制の構築や対策資源(予算、人材等)の確保等の適切な対策を講じることにより、リスクの低減を図っております。 ⑦ 有利子負債への依存について 当社グループは、DX不動産事業における用地等の仕入資金の多くを金融機関からの借入金によって調達しております。不動産の開発は、用地の仕入から資金の回収まで2~4年程度と長期の期間を要するため、必要資金の多くを長期借入金により調達しております。この資金需要により、当社の借入金残高は総資産に対し比較的高い割合となっております。このため、財務状態の健全性を保つため、手元資金とのバランスを取りながら借入額や借入時期を調整しておりますが、市場金利が上昇する局面や不動産業界または当社グループのリスクプレミアムが上昇した場合には、支払利息等が増加し、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。 また、物件の仕入資金を調達する際には、特定の金融機関に依存することなく、個別の物件毎に金融機関に融資を打診しているため、現時点では安定的に資金の調達ができておりますが、外部環境の悪化による金融機関の融資姿勢の硬直化や当社グループの財政状態が著しく悪化したこと等による当社グループの信用力低下などにより、安定的な融資が受けられなくなるなどの資金調達上の制約を受けた場合は、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループはこれらのリスクに対して、資金調達先の多様性を維持するため、多数の金融機関と取引を行うことで、調達減少リスクを低減するとともに、金融機関における融資上の評価に常に注視し、融資を受けるのに問題のない財務体質とするよう、自己資本比率やDERといった財務指標を重要指標とし、これの適切な水準を維持することでリスクの低減を図っております。 (2)重要なリスク 特に重要なリスクのほかに、当社において重要と認識しているリスクには下記のようなリスクがあります。① 法的規制等について 当社グループのDX不動産事業の属する不動産業界は、宅地建物取引業法、建築基準法、都市計画法等、不動産取引に関する多数の法的規制を受けております。当社グループでは、事業継続のため、これら多数の法的規制に対応できる体制を構築しており、現時点において事業継続に支障をきたす事項はありませんが、今後、何らかの理由によりこれらの法的規制の大幅な変更があった場合には、販売や開発といった当社グループの主要な事業活動に支障をきたし、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、主に東京23区の一定の区においてワンルームマンション建築に関する条例等が制定されております。当社グループでは、これらの条例等に沿った物件開発を行っているため、現時点においては関連する規制強化が当社グループの事業に影響を及ぼす可能性は少ないものと認識しております。今後、各自治体による規制強化が進められた場合には、予定していた開発が行えないなど当社グループの主要な事業活動に支障をきたし、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 法的規制について、その有効期間やその他の期限が法令等により定められているものは下表のとおりであります。許認可等の名称許認可番号等/有効期間規制法令免許取消条項等宅地建物取引業者免許東京都知事 (5)第83227号2024年6月12日~2029年6月11日宅地建物取引業法第5条、第66条等マンションの管理の適正化の推進に関する法律に基づくマンション管理業者登録国土交通大臣 (4)第033619号2025年1月14日~2030年1月13日マンションの管理の適正化の推進に関する法律第47条、第83条等不動産特定共同事業者許可金融庁長官・国土交通大臣第90号不動産特定共同事業法第36条 ② システム開発における請負契約について 当社グループのDX推進事業におけるデジタルインテグレーション事業では、サービスの提供において、役務提供を約する準委任契約とすることを原則とすることで、成果物の完成を約する請負契約の量を低減することとしておりますが、一部の提供が請負契約によって行われております。請負契約においては、成果物の完成に責任を負っているため、想定以上の工期や工数が発生した場合、該当するプロジェクトにおける収支が悪化し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 特定の経営者への依存について 当社の実質的前身であるプロパティエージェント株式会社設立の中心人物であり、設立以来の事業推進役である代表取締役社長中西聖は、不動産開発販売事業に関する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定等、当社グループの事業活動全般にわたって重要な役割を果たしております。当社グループでは、過度に同氏に依存しないよう、経営幹部役職員の拡充、育成及び権限委譲による業務執行体制の構築等により、経営組織の強化に取組んでおりますが、何らかの理由により同氏による当社の業務遂行が困難になった場合、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 人材の確保について 当社グループでは、安定した堅実な成長を支えるため、IT関連知識や不動産の販売、仲介、管理、用地仕入、設計・施工管理といった専門的な知識及び経験を有する優秀な人材や宅地建物取引士、建築士等の専門的な資格を有する優秀な人材を確保、育成することが重要であると考えております。このため、今後も優秀な人材の採用及び教育研修実施の機会・内容の充実により、当社グループの理念及び経営方針を理解した、当社グループの成長を支える社員の育成を行ってまいります。優秀な人材の確保を継続して行ってまいりますが、雇用情勢の変化等により、計画通りに人材が確保できない場合には、当社グループの主要な事業活動に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 訴訟などの可能性について 当社グループでは、コンプライアンス経営の重要性を認識しており、コーポレート・ガバナンスの強化に努めております。今後も社員に対するコンプライアンス教育を徹底するなど、コンプライアンス経営を推進してまいりますが、当社グループが販売・納品した物件・商品の瑕疵や販売時・提案時の説明不足等に起因する顧客からのクレーム等により、訴訟等が発生する可能性があります。訴訟等の内容及び結果によっては当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 知的財産権等について 当社グループの事業活動において、当社グループの認識していない知的財産権等がすでに成立している可能性や今後、新たに第三者の知的財産権が成立する可能性があります。この場合、当社グループが損害賠償を含む法的責任を負う可能性があるだけではなく、当社グループ及び当社グループが展開するサービスの信頼性やブランドを毀損し、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 新規事業について 当社グループは企業規模の拡大や収益の多様化を図るため、今後も新規事業に積極的に取り組んでいく考えであります。この過程において、物件調達や人材投資、システム投資、広告宣伝の実施などにより追加的投資支出の発生や利益率の低下の可能性があります。また、新規事業が計画通り進捗しない場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ M&Aについて 当社グループは、特にDX推進事業の成長戦略の一つに積極的なM&Aの実施を掲げ、毎期M&Aを実行しており、今後もこの戦略は継続していく考えであります。M&Aの実行前には、当社の専門部署及び外部専門家が詳細なデューデリジェンスを行い、当社グループとのシナジー効果や事業計画、財務内容、契約関係等、対象企業を多角的な視点から慎重に調査・分析しておりますが、M&A実行後に偶発債務や未認識債務の発生、コンプライアンス上の問題等が判明することや市場環境の悪化、競争環境の著しい変化などにより、当初期待した収益や効果を上げられない場合やのれんの減損が生じた場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

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