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アルバック(6728)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

  • 真空技術の総合メーカー
    アルバックグループは、真空技術を基盤として、様々な産業分野に製品を提供する総合メーカーです。主に真空装置・機器やサービスを提供する「真空機器事業」と、真空技術の周辺技術を基盤とした材料や表面分析装置等を提供する「真空応用事業」の二つの事業を展開しています。
  • 生産財としての提供
    同社グループの製品は、スマートフォン、PC、タブレット、スマート家電、テレビ、自動車などの最終製品を構成するエレクトロニクス部品等の製造工程で使用される「生産財」として提供されています。これにより、幅広い産業の基盤を支える役割を担っています。
  • 多様な製品群
    真空機器事業では、半導体・電子部品製造装置(スパッタリング装置、CVD装置など)、ディスプレイ・エネルギー関連製造装置、真空ポンプなどのコンポーネント、一般産業用装置(真空溶解炉など)を提供しています。真空応用事業では、スパッタリングターゲット材料や表面分析装置などを提供し、多岐にわたる顧客ニーズに対応しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 真空機器事業
    この事業は、半導体や電子部品、ディスプレイ、エネルギー関連の製造装置、および真空ポンプなどのコンポーネント、一般産業用装置を提供しています。2025年6月期の実績では、売上高1,990.5億円、営業利益218.77億円と、グループ全体の収益の大部分を占める主要な稼ぎ頭となっています。
  • 真空応用事業
    真空技術の周辺技術を基盤とし、スパッタリングターゲット材料や蒸着材料、表面分析装置などを提供しています。2025年6月期の実績では、売上高521.34億円、営業利益45.33億円であり、真空機器事業を補完し、技術的な広がりを持たせる役割を担っています。
  • セグメント区分の同一性
    有価証券報告書に記載されている「真空機器事業」と「真空応用事業」の区分は、連結財務諸表の注記事項に掲げられるセグメント情報と同一です。これにより、投資家は事業ごとの業績を明確に把握し、企業全体の収益構造を理解することができます。
2025-06 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
VacuumEquipmentBusiness 地域 1,991 219 11.0%
VacuumApplicationBusiness 地域 521 45 8.7%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,299 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社、子会社34社、関連会社9社からなり、真空技術が利用されているさまざまな産業分野に多岐に渡る製品を生産財として提供している真空総合メーカーであります。 事業内容は、真空技術を基盤として、真空装置・機器やサービスを提供する真空機器事業と真空技術の周辺技術を基盤として、主に材料や表面分析装置等を提供する真空応用事業に区分できます。 各々の事業区分ごとの主要製品は下表のとおりであります。事業区分主要製品真空機器事業半導体及び電子部品製造装置スパッタリング装置、真空蒸着装置、エッチング装置、イオン注入装置、アッシング装置、各種CVD装置、ウェーハ前処理(自然酸化膜除去等)装置、超高真空装置他ディスプレイ・エネルギー関連製造装置スパッタリング装置、プラズマCVD装置、真空蒸着装置、巻取式真空蒸着装置、巻取式スパッタリング装置他コンポーネント真空ポンプ(ドライポンプ、メカニカルブースタポンプ、油回転ポンプ、クライオポンプ、ターボ分子ポンプ、イオンポンプ、油拡散ポンプ)、真空計、リークディテクタ、ガス分析計、成膜用電源、蒸着用蒸発源、成膜コントローラ、真空バルブ、真空搬送ロボット、極低温機器、各種真空部品他一般産業用装置真空溶解炉、真空熱処理炉、真空焼結炉、真空ろう付炉、凍結真空乾燥装置、リークテスト装置他真空応用事業材料スパッタリングターゲット材料、蒸着材料、チタン・タンタル加工品、高融点活性金属(Ta、Nb、W、Mo)他その他X線光電子分光分析装置、走査型オージェ電子分光分析装置、飛行時間型二次イオン質量分析装置、四重極型二次イオン質量分析装置、半導体・FPD用マスクブランクス、受託成膜加工他 なお、上記の真空機器事業と真空応用事業の区分と「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分は同一であります。 また、当社企業集団の主要製品の概要は、次のとおりであります。主要製品概要スパッタリング装置真空中で金属やシリサイドなどの金属の材料に、高エネルギーのアルゴン原子をぶつけ、それに叩かれ飛び出してくる金属原子を付着させて成膜する装置。CVD装置つくる薄膜の種類に応じて原料をガス状態で供給し、下地膜の表面における化学触媒反応によって膜を堆積させる装置。エッチング装置真空中に被エッチング材料を入れ、その材料に合わせてエッチングガスを導入しプラズマ化し、エッチング種が被エッチング材料に吸着されると表面化学反応を起こし、エッチング生成物を排気除去する装置。真空蒸着装置真空中で特定の物質を熱し、そこから蒸発する原子や分子をより温度の低い面に凝縮させて、表面に膜を形成する装置。真空熱処理炉真空中で各種金属の焼入、ろう付、焼戻、容体化、時効、磁性処理等を行う装置。 以上のような装置により、スマートフォン、PC、タブレット、スマート家電、テレビ、自動車等の最終製品を構成するエレクトロニクス部品等が生み出されております。 また、主な各々の事業区分ごとの事業の流れは以下のとおりです。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
独自技術と市場シェア拡大により競争力を持つが、価格競争も激化しているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
真空技術を基盤とした独自の技術開発力と、最先端技術を使用した新製品を市場に投入する研究開発力。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:市場変動による影響 / 研究開発による影響 / グローバルな競争環境の影響
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 11 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

アルバックは真空ポンプ、真空蒸着装置、成膜装置など、高度な真空技術を核とした装置メーカー。特に半導体製造装置分野における長年の実績と、顧客の高度な要求に応える技術力は、参入障壁となる無形資産を形成している。特許取得状況や主要顧客との長期的な関係性が競争優位の源泉となっている。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

半導体製造装置やディスプレイ製造装置は、一度導入すると生産ライン全体の最適化やオペレーターの習熟が必要となるため、装置メーカーの変更には多大なコストと時間がかかる。アルバックの装置は、顧客の製造プロセスに深く組み込まれており、他社製品への切り替えは容易ではない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

アルバックの事業は、個々の顧客との取引が中心であり、プラットフォーム型ビジネスのようなネットワーク効果は基本的に見られない。製品の価値がユーザー数の増加によって直接的に高まる構造ではない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

量産効果によるコスト低減の可能性はあるが、アルバックの製品は高度な技術を要する特殊な装置であり、構造的なコスト優位性を確立しているとは言えない。競合他社も同様の技術開発を進めており、価格競争力での差別化は限定的。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

半導体製造装置やFPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置といったニッチかつ高度な市場において、アルバックは主要プレイヤーの一つとして一定のシェアを確保している。特に真空技術を基盤とした装置群では、業界内でも有数の規模と技術力を持ち、寡占的な市場構造の中で優位性を保っている。

  • 真空技術の総合力
    アルバックグループは、真空技術を基盤に、装置、材料、成膜加工、分析、カスタマーサポートといった幅広い事業領域をカバーしており、これらが生み出すシナジー効果が強みです。これにより、顧客の複雑で高度な課題に対し、技術、価格、納期、アフターサービスなど多角的に対応できる体制を構築しています。
  • 独創的な商品開発力
    同社は、競合他社が模倣困難な最先端の独創技術を商品化し、開発型のソリューションを提供することを目指しています。積極的な研究開発投資を継続し、市場に新製品を投入することで、技術的な優位性を維持し、競争力を高めています。
  • グローバルな事業展開と連携
    アルバックグループは、世界各国・各地域の顧客に製品を提供しており、海外売上高比率が高いグローバル企業です。また、グループ間の連携強化や、世界の多様な企業・研究所とのビジネスパートナーシップ形成を推進することで、事業の持続的成長と企業価値向上を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 半導体電子分野への注力
    新中長期経営計画「バリューアッププラン」に基づき、半導体電子分野への事業ポートフォリオの集中を加速させています。半導体製造装置事業では、重要顧客の量産認定プロセス数を増やし、新工程獲得によるシェア拡大を目指し、2031年6月期に受注1,000億円以上を目標としています。
  • 事業間シナジーと新規ビジネス創出
    真空技術を核とした事業間のシナジーを活用し、新たな半導体電子関連および真空関連ビジネスの創出を目指しています。特に、半導体市場における分析の重要性増大に対応し、量産ライン向け分析検査装置を本格投入し、グローバルポジションの確立を図ります。
  • 経営効率化と収益基盤強化
    低採算事業の縮小や撤退、グループ会社・生産拠点の再構築とスリム化を進めることで、経営の効率化と収益基盤の強化を図ります。また、モジュラーデザインの推進による先行手配・計画生産で製造リードタイムを短縮し、生産性向上と収益性改善を目指します。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)会社の経営の基本方針当社グループは、下記の基本方針に基づき、株主、投資家及びお客様満足度の向上を図ることで企業価値を高めてまいります。①顧客満足の増進複雑化、高度化するお客様の課題に対し、技術、価格、納期、アフターサービスなどに迅速かつ柔軟に対応し、お客様満足度の向上を目指します。②生産技術の革新製造業の基本であるコスト競争力を高めるため、製造装置の標準化(モジュール化、ユニット化)を中心とした継続的な生産技術の革新を行います。③独創的な商品開発競合他社が真似することのできない最先端の独創技術を商品化し、開発型のソリューションを提供する企業を目指します。④自由闊達な組織経営方針や情報が迅速に伝わる風通しのよい組織と企業風土を継続して形成します。⑤企業価値の向上株主価値の向上にとどまらず、技術の総合利用を通じて産業と科学の発展に貢献することを目指します。 (2)経営環境当連結会計年度における世界経済は、穏やかな回復基調が続いたものの、不安定な金融市場や通商政策の動向、地政学リスクの高まりなどにより、景気の先行きに対する不透明感が高まりました。当社グループを取り巻く事業環境は、半導体業界においては、生成AIの急速な普及を背景として、先端ロジック、広帯域幅メモリ(HBM)及び先端パッケージングなどに向けた投資が市場を牽引しました。また、経済安全保障やサプライチェーン強靭化の観点から、世界各地で半導体工場の新増設が進展しました。エレクトロニクス業界においては、パワーデバイス向け設備投資に調整が見られたものの、AI・データセンター向け需要の拡大などを受け、社会のデジタル化を背景とした各種電子デバイスの技術革新や増産投資は堅調に推移しました。フラットパネルディスプレイ(FPD)業界では、IT製品への有機EL採用拡大に伴うパネル大型化投資が継続しております。加えてレアアース磁石分野において、サプライチェーンの多角化に向けた投資が本格化しております。 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは、「互いに協力・連携し、真空技術及びその周辺技術を総合利用することにより、産業と科学の発展に貢献することを目指す」という経営基本理念のもと、真空及びその周辺技術を、装置、材料、成膜加工、分析、カスタマーサポートといった幅広い事業領域を取扱うことで生み出されるシナジー効果を強みとした事業経営を行っております。また、このシナジー効果をより効果的に発揮できるよう、当社グループ間の連携強化や世界の多様な企業や研究所等とビジネスパートナーシップの形成を推進することで、よりグローバルに事業を展開し、更なる持続的成長と企業価値向上を実現する高い収益性を有する企業集団となることを目指しています。また、当社グループは、「真空技術及びその周辺技術の総合利用により、経済価値、社会価値、環境価値を創造する」というサステナビリティ方針に基づき、当社グループの事業活動を通して、幅広いステークホルダーとともに、産業と科学の発展に貢献し、環境負荷の低減や健康と幸せの創造により、気候危機や資源不足等地球の持続可能性を脅かす環境問題の解決に向けての取組みも推進しております。これらの経営基本理念やサステナビリティ方針を踏まえ、当社グループは、“Vision2032”「未来につながる可能性の場であり続ける」を策定しました。この“Vision2032”は、当社グループの10年後の理想像を、当社創業時から受け継がれてきた企業文化や価値観を未来志向に変換した姿として描いたものであり、当社グループは、その実現に向けて取組むべき重要課題(マテリアリティ)を念頭においた経営に、グループ一丸となって引き続き取組んでおります。 〈当社グループが取組むべき重要課題(マテリアリティ)〉・真空技術をコアとしたイノベーションの創出・共創の推進・多様な人財の育成と活躍推進・レジリエントな組織づくり・バリューチェーンにおける人権尊重・責任ある行動・持続可能な地球環境への貢献 そして、この重要課題(マテリアリティ)の実現に向けて、2026年6月期から2031年6月期までの6年間を対象とする中長期経営計画「バリューアッププラン」を推進しております。経営資源を最適化し、半導体電子中心の事業ポートフォリオへの転換を加速させるとともに、高成長・高収益体質への変革を通じて、企業価値の向上を目指しております。 2026年6月期においては、半導体及び電子関連市場を中心とした需要拡大を背景に、受注高は過去最高を達成いたしました。一方で、部材供給リスクの顕在化や生産能力の制約等により、獲得した受注を十分に売上及び利益へ転換できておらず、収益性向上が重要な経営課題であると認識しております。このため、当社グループはバリューアッププランを確実に達成するために2027年6月期を「総点検・変革」の年度と位置づけ、事業改革及び生産改革を最優先課題として取組んでまいります。 1.成長戦略AI・データセンター関連ビジネスを戦略テーマとして位置づけ、重点分野へ経営資源を集中投入し、先端・高付加価値案件の構成比を上昇させることにより、高成長・高収益性を実現してまいります。また、ロジック・メモリ、先端パッケージング及びレアアース磁石関連分野を中心に、高付加価値案件の獲得と事業間シナジーの創出を通じて持続的な成長を実現してまいります。2.事業改革戦略適合性の低い事業の売却・縮小を進め、本社機能及び固定費構造の見直しを進めるとともに、事業ポートフォリオの最適化を図ります。3.生産改革生産、調達及び物流の各機能を抜本的に見直し、生産能力の増強や物流拠点の最適化、部材調達リードタイムの短縮等を推進することにより、受注を確実に売上及び利益へ転換できる体制の構築を進めてまいります。4.財務基盤及びキャッシュ・フローマネジメントの強化当社グループの更なる成長に向けた開発、生産改革、M&A等への十分な投資資金を確保し、事業をとりまく外部環境変化への迅速な対応を実現する強固な財務基盤の構築を更に進めるとともに、キャッシュ・フローマネジメントの更なる強化により、資本効率の一層の改善に努めます。 バリューアッププランに加え、重要課題(マテリアリティ)の実現に向けて、以下の取組みを推進します。(ESG経営の強化)・地球環境保全の重要性が高まる中、気候変動対策及び水質保全に関する取組みを推進するとともに、事業活動を通じた環境負荷の低減に努めております。また、気候変動等の社会的課題の解決に貢献する環境配慮型製品の更なる開発と拡販を通じて持続可能な社会の実現と企業価値の向上に努めます。・当社グループのみならず取引先といったステークホルダーに至るまで、人権に配慮した事業運営についての理解を共有するとともに、労働環境をはじめとする人権尊重の更なる推進に努めます。・持続的な成長を実現するために、実効性、透明性の高い経営体制の強化に継続して取組むことにより、コーポレート・ガバナンス体制の更なる維持強化に努めます。 (人財経営の推進)・事業戦略に応じた人員体制の強化を図るとともに、高度専門人財をはじめとする多様な人財の確保、育成を推進し、当社グループ内での最適配置を通じて人的資本の有効活用に努めます。・公正な評価・処遇制度の整備、多様な人財が能力を発揮できる環境整備及び従業員エンゲージメント向上施策の推進により人財の定着を図り、健全な企業風土の醸成を通じて、人財基盤の強化に努めます。 <数値目標(連結)>バリューアッププランの数値目標は、以下のとおりです。指 標2026年6月期実績(参考)2028年6月期中間目標2031年6月期目標売上高2,691億円2,600億円以上3,600億円営業利益196億円390億円以上790億円営業利益率7.3%15%22%ROE7.4%10%16%
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)会社の経営の基本方針当社グループは、下記の基本方針に基づき、株主、投資家及びお客様満足度の向上を図ることで企業価値を高めてまいります。①顧客満足の増進複雑化、高度化するお客様の課題に対し、技術、価格、納期、アフターサービスなどに迅速かつ柔軟に対応し、お客様満足度の向上を目指します。②生産技術の革新製造業の基本であるコスト競争力を高めるため、製造装置の標準化(モジュール化、ユニット化)を中心とした継続的な生産技術の革新を行います。③独創的な商品開発競合他社が真似することのできない最先端の独創技術を商品化し、開発型のソリューションを提供する企業を目指します。④自由闊達な組織経営方針や情報が迅速に伝わる風通しのよい組織と企業風土を継続して形成します。⑤企業価値の向上株主価値の向上にとどまらず、技術の総合利用を通じて産業と科学の発展に貢献することを目指します。 (2)経営環境当連結会計年度における世界経済は、穏やかな回復基調が続いたものの、不安定な金融市場や通商政策の動向、地政学リスクの高まりなどにより、景気の先行きに対する不透明感が高まりました。当社グループを取り巻く事業環境は、半導体業界においては、生成AIの急速な普及を背景として、先端ロジック、広帯域幅メモリ(HBM)及び先端パッケージングなどに向けた投資が市場を牽引しました。また、経済安全保障やサプライチェーン強靭化の観点から、世界各地で半導体工場の新増設が進展しました。エレクトロニクス業界においては、パワーデバイス向け設備投資に調整が見られたものの、AI・データセンター向け需要の拡大などを受け、社会のデジタル化を背景とした各種電子デバイスの技術革新や増産投資は堅調に推移しました。フラットパネルディスプレイ(FPD)業界では、IT製品への有機EL採用拡大に伴うパネル大型化投資が継続しております。加えてレアアース磁石分野において、サプライチェーンの多角化に向けた投資が本格化しております。 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは、「互いに協力・連携し、真空技術及びその周辺技術を総合利用することにより、産業と科学の発展に貢献することを目指す」という経営基本理念のもと、真空及びその周辺技術を、装置、材料、成膜加工、分析、カスタマーサポートといった幅広い事業領域を取扱うことで生み出されるシナジー効果を強みとした事業経営を行っております。また、このシナジー効果をより効果的に発揮できるよう、当社グループ間の連携強化や世界の多様な企業や研究所等とビジネスパートナーシップの形成を推進することで、よりグローバルに事業を展開し、更なる持続的成長と企業価値向上を実現する高い収益性を有する企業集団となることを目指しています。また、当社グループは、「真空技術及びその周辺技術の総合利用により、経済価値、社会価値、環境価値を創造する」というサステナビリティ方針に基づき、当社グループの事業活動を通して、幅広いステークホルダーとともに、産業と科学の発展に貢献し、環境負荷の低減や健康と幸せの創造により、気候危機や資源不足等地球の持続可能性を脅かす環境問題の解決に向けての取組みも推進しております。これらの経営基本理念やサステナビリティ方針を踏まえ、当社グループは、“Vision2032”「未来につながる可能性の場であり続ける」を策定しました。この“Vision2032”は、当社グループの10年後の理想像を、当社創業時から受け継がれてきた企業文化や価値観を未来志向に変換した姿として描いたものであり、当社グループは、その実現に向けて取組むべき重要課題(マテリアリティ)を念頭においた経営に、グループ一丸となって引き続き取組んでおります。 〈当社グループが取組むべき重要課題(マテリアリティ)〉・真空技術をコアとしたイノベーションの創出・共創の推進・多様な人財の育成と活躍推進・レジリエントな組織づくり・バリューチェーンにおける人権尊重・責任ある行動・持続可能な地球環境への貢献 そして、この重要課題(マテリアリティ)の実現に向けて、2026年6月期から2031年6月期までの6年間を対象とする中長期経営計画「バリューアッププラン」を推進しております。経営資源を最適化し、半導体電子中心の事業ポートフォリオへの転換を加速させるとともに、高成長・高収益体質への変革を通じて、企業価値の向上を目指しております。 2026年6月期においては、半導体及び電子関連市場を中心とした需要拡大を背景に、受注高は過去最高を達成いたしました。一方で、部材供給リスクの顕在化や生産能力の制約等により、獲得した受注を十分に売上及び利益へ転換できておらず、収益性向上が重要な経営課題であると認識しております。このため、当社グループはバリューアッププランを確実に達成するために2027年6月期を「総点検・変革」の年度と位置づけ、事業改革及び生産改革を最優先課題として取組んでまいります。 1.成長戦略AI・データセンター関連ビジネスを戦略テーマとして位置づけ、重点分野へ経営資源を集中投入し、先端・高付加価値案件の構成比を上昇させることにより、高成長・高収益性を実現してまいります。また、ロジック・メモリ、先端パッケージング及びレアアース磁石関連分野を中心に、高付加価値案件の獲得と事業間シナジーの創出を通じて持続的な成長を実現してまいります。2.事業改革戦略適合性の低い事業の売却・縮小を進め、本社機能及び固定費構造の見直しを進めるとともに、事業ポートフォリオの最適化を図ります。3.生産改革生産、調達及び物流の各機能を抜本的に見直し、生産能力の増強や物流拠点の最適化、部材調達リードタイムの短縮等を推進することにより、受注を確実に売上及び利益へ転換できる体制の構築を進めてまいります。4.財務基盤及びキャッシュ・フローマネジメントの強化当社グループの更なる成長に向けた開発、生産改革、M&A等への十分な投資資金を確保し、事業をとりまく外部環境変化への迅速な対応を実現する強固な財務基盤の構築を更に進めるとともに、キャッシュ・フローマネジメントの更なる強化により、資本効率の一層の改善に努めます。 バリューアッププランに加え、重要課題(マテリアリティ)の実現に向けて、以下の取組みを推進します。(ESG経営の強化)・地球環境保全の重要性が高まる中、気候変動対策及び水質保全に関する取組みを推進するとともに、事業活動を通じた環境負荷の低減に努めております。また、気候変動等の社会的課題の解決に貢献する環境配慮型製品の更なる開発と拡販を通じて持続可能な社会の実現と企業価値の向上に努めます。・当社グループのみならず取引先といったステークホルダーに至るまで、人権に配慮した事業運営についての理解を共有するとともに、労働環境をはじめとする人権尊重の更なる推進に努めます。・持続的な成長を実現するために、実効性、透明性の高い経営体制の強化に継続して取組むことにより、コーポレート・ガバナンス体制の更なる維持強化に努めます。 (人財経営の推進)・事業戦略に応じた人員体制の強化を図るとともに、高度専門人財をはじめとする多様な人財の確保、育成を推進し、当社グループ内での最適配置を通じて人的資本の有効活用に努めます。・公正な評価・処遇制度の整備、多様な人財が能力を発揮できる環境整備及び従業員エンゲージメント向上施策の推進により人財の定着を図り、健全な企業風土の醸成を通じて、人財基盤の強化に努めます。 <数値目標(連結)>バリューアッププランの数値目標は、以下のとおりです。指 標2026年6月期実績(参考)2028年6月期中間目標2031年6月期目標売上高2,691億円2,600億円以上3,600億円営業利益196億円390億円以上790億円営業利益率7.3%15%22%ROE7.4%10%16%
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における世界経済は、緩やかな回復基調が続いたものの、不安定な金融市場や通商政策の動向、地政学リスクの高まりなどにより、景気の先行きに対する不透明感が高まりました。 当連結会計年度における当社グループを取り巻く事業環境は、半導体業界においては、生成AIの急速な普及を背景として、先端ロジック、広帯域幅メモリ(HBM)及び先端パッケージングなどに向けた投資が市場を牽引しました。また、経済安全保障やサプライチェーン強靭化の観点から、世界各地で半導体工場の新増設が進展しました。エレクトロニクス業界においては、パワーデバイス向け設備投資に調整が見られたものの、AI・データセンター向け需要の拡大などを受け、社会のデジタル化を背景とした各種電子デバイスの技術革新や増産投資は堅調に推移しました。フラットパネルディスプレイ(FPD)業界では、IT製品への有機EL採用拡大に伴うパネル大型化投資が継続しております。加えてレアアース磁石分野において、サプライチェーンの多角化に向けた投資が本格化しております。 このような状況において、当連結会計年度につきましては、受注高は3,242億28百万円(前年同期比986億61百万円(43.7%)増)、売上高は2,691億30百万円(同179億46百万円(7.1%)増)となりました。また、損益面では、営業利益は195億98百万円(同69億25百万円(26.1%)減)、経常利益は199億8百万円(同86億96百万円(30.4%)減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は170億92百万円(同4億4百万円(2.4%)増)となりました。 企業集団の事業セグメント別状況は次のとおりであります。 「真空機器事業」真空機器事業を品目別に見ますと下記のとおりです。 (半導体及び電子部品製造装置)ロジック、メモリ、先端パッケージング分野が好調に推移し、受注高は前年同期を上回りました。一方で、日本及び中国のパワーデバイス投資の調整により、売上高は前年同期を下回りました。 (ディスプレイ・エネルギー関連製造装置)有機ELパネルの大型化に向けた設備投資や改造案件が寄与し、受注高・売上高ともに前年同期を上回りました。 (コンポーネント)半導体、電子部品及び民生機器関連向けに、真空ポンプ、計測機器、電源機器などが堅調に推移しました。なお、従来コンポーネントに含まれていたリークテスト装置については、当期から一般産業用装置に区分を変更しています。 (一般産業用装置)レアアース磁石分野において、サプライチェーンの多角化に向けた設備投資が本格化したことで高機能磁石製造装置が好調に推移しました。また、空調機器やAIサーバー等の冷却システム向けリークテスト装置が堅調に推移したことから、受注高・売上高ともに前年同期を上回りました。 その結果、真空機器事業の受注高は2,626億44百万円、受注残高は1,565億94百万円、売上高は2,107億59百万円となり、151億97百万円の営業利益となりました。 「真空応用事業」真空応用事業を品目別に見ますと下記のとおりです。 (材料)ディスプレイ、半導体、電子部品関連の工場稼働率が高水準で継続していることにより、受注高・売上高ともに前年同期を上回りました。 (その他)表面分析機器関連事業や高精細・高機能ディスプレイ向けマスクブランクス関連等が寄与し、受注高・売上高ともに前年同期を上回りました。 その結果、真空応用事業の受注高は615億84百万円、受注残高は194億68百万円、売上高は583億70百万円となり、42億83百万円の営業利益となりました。 また、当連結会計年度末の財政状態は以下のとおりとなりました。資産合計は、前連結会計年度末に比べ389億80百万円増加し、4,140億42百万円となりました。これは、現金及び預金が60億55百万円、有価証券が49億93百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が47億25百万円、流動資産「その他」が161億39百万円それぞれ増加したことなどによります。負債合計は、前連結会計年度末に比べ208億44百万円増加し、1,648億27百万円となりました。これは、契約負債が169億64百万円、長期借入金が21億79百万円それぞれ増加したことなどによります。純資産合計は、前連結会計年度末に比べ181億36百万円増加し、2,492億16百万円となりました。これは、為替換算調整勘定が84億63百万円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上を主な要因として利益剰余金が68億50百万円増加したことなどによります。この結果、自己資本比率は58.2%となりました。今後もキャッシュ・フローマネジメントの強化等により、財務基盤の更なる強化を目指してまいります。 ②キャッシュ・フロ-の状況当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりとなりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益、契約負債の増加、減価償却費などのプラス要因に対し、法人税等の支払額、売上債権の増加、棚卸資産の増加などのマイナス要因により、307億32百万円の収入となりました。中長期経営計画「バリューアッププラン」におけるキャピタルアロケーションの実現に向け、引き続きキャッシュ・フローマネジメントの強化に努めてまいります。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得による支出などにより、119億10百万円の支出となりました。従来の成長領域への投資に加え、今後は「生産能力強化」や「生産・物流拠点の最適化」など、収益力向上に直結する分野へも重点的に経営資源を振り向けてまいります。フリー・キャッシュ・フローは188億22百万円の収入となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、業績連動型配当に基づいた配当金の支払などに充当し、83億19百万円の支出となりました。成長投資と株主還元の両立を図り、バリューアッププランの実現に向けた企業価値向上への投資を着実に進めてまいります。以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ139億18百万円増加し、1,065億27百万円となりました。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)真空機器事業214,480106.4真空応用事業58,411112.0合計272,891107.6 (注)金額は、販売価格をもって表示しております。 b.受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)真空機器事業262,644151.4156,594159.2真空応用事業61,584118.119,468111.9合計324,228143.7176,062152.1 c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)真空機器事業210,759105.9真空応用事業58,370112.0合計269,130107.1 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.主な品目別販売実績及び当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。セグメントの名称品目当連結会計年度販売高(百万円)割合(%)真空機器事業半導体及び電子部品製造装置88,32842.0ディスプレイ・エネルギー関連製造装置63,71130.2コンポーネント36,54217.3一般産業用装置22,17910.5計210,759100.0真空応用事業材料27,89247.8その他30,47852.2計58,370100.0 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度における当社グループの経営成績は、売上高は2,691億30百万円(前年同期比7.1%増)となりました。半導体及び電子部品製造装置において、ロジック・メモリ・先端パッケージング分野が好調に推移したことやディスプレイ分野において有機ELの面積拡大化による設備投資や改造案件が寄与したことに加え、レアアース磁石分野において、サプライチェーンの多角化に向けた設備投資が本格化したことが主な要因となります。営業利益率は7.3%(前年同期比3.3ポイント減)となりました。これはEV関連の一過性費用等の計上やディスプレイ関連ビジネスの売上増加等による製品ミックスの変化が主な要因となります。なお、研究開発費の総額は146億11百万円となり、前年同期から6億20百万円増加しました。研究開発費の売上高に対する比率は前年同期比で0.2ポイント減少し5.4%となりましたが、将来のさらなる成長に向けて、半導体電子を中心に研究開発力強化のための投資を継続してまいります。経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおり、当社グループは持続的な成長の実現を目指し、2026年6月期を初年度とする6年間の中長期経営計画「バリューアッププラン」を推進しております。経営資源を最適化し、半導体電子中心の事業ポートフォリオへの転換を加速させるとともに、高成長・高収益体質への変革を通じて、企業価値の向上を目指しております。中長期経営計画の数値目標としては、2031年6月期の売上高3,600億円、営業利益790億円、営業利益率22%、ROE16%としております。この財務目標の達成に向けて、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載した具体的取組みにより、中長期の視点で成長を目指してまいります。セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。 ・真空機器事業当連結会計年度における当セグメントの事業環境は、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。売上高は、前年同期比5.9%増の2,107億59百万円となりました。半導体及び電子部品製造装置において、ロジック・メモリ・先端パッケージング分野の投資が好調に推移したことに加え、ディスプレイ分野におけるIT製品への有機EL採用拡大に伴うパネル大型化投資やレアアース磁石分野におけるサプライチェーン多角化に向けた投資が本格化したことが主な要因となります。セグメント利益率については、当連結会計年度は7.2%と、前年同期の11.0%から悪化しました。これは売上高の増加の一方で、EV関連の一過性費用等を計上したことや研究開発費が増加したことが主な要因となります。 ・真空応用事業当連結会計年度における当セグメントの事業環境は、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。売上高は、前年同期比12.0%増の583億70百万円となりました。ディスプレイ・半導体電子関連の工場稼働率が高水準で継続していることや、表面分析機器関連や高精細・高機能ディスプレイ向けマスクブランクス関連等の売上高が好調に推移したことが主な要因となります。セグメント利益率については、当連結会計年度は7.3%と、前年同期の8.7%から悪化しました。これは、相対的に利益率の低い製品の売上高増加が主な要因となります。 財政状態の分析は「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの主な資金需要は、新たな成長戦略の足がかりとなる研究開発投資や設備投資、事業により生じる運転資金に基づくもので、とりわけ成長事業として強化を図っていく半導体や電子分野の開発投資を拡大する予定です。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入金などにより対応し、資金調達にあたっては、リファイナンスリスクの低減や返済負担の軽減を図るために、年度別の返済額の平準化に努めております。また、金融資本市場の変動や地政学リスクの顕在化に伴う影響拡大等により、国内外の景気下振れリスクが意識される中、十分な手元流動性資金を確保するとともに、コミットメントラインを設定し、追加資金を確保できる体制を整えております。これにより、事業環境の急激な変化や成長・戦略投資に向けた資金需要にも対応できるよう、引き続き適時に必要資金を確保できる体制を維持してまいります。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りの仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

事業リスク

  • 市場変動の影響
    半導体や電子部品、FPD(フラットパネルディスプレイ)分野の市況変動は、顧客の設備投資に大きな影響を与え、アルバックグループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特に、半導体市場は技術革新が速く、地政学的リスクや景気変動の影響を受けやすい特性があります。
  • 研究開発の遅延
    最先端技術を要する新製品開発において、著しい遅延が生じた場合、新製品の市場投入が遅れ、アルバックグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。成長に必要な開発投資の選択と集中、進捗管理が重要となります。
  • グローバル競争の激化
    アルバックグループは海外売上高比率が高く、世界中で事業を展開していますが、既存の競合他社に加え新規参入も多く、製品性能だけでなく価格面での競争も激化しています。これにより、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|5,572 文字
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。 ①市場変動による影響当社グループは、特に半導体及び電子部品、FPD等の製造工程で使用される真空装置分野において独自技術を開発し、市場シェアを拡大してきました。しかしながら、半導体や電子部品、FPD分野等における市況変動に伴う顧客の設備投資の大幅縮小や財政状態の悪化が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社は中長期経営計画に基づき、事業ポートフォリオを半導体電子分野へ集中させる方針を推進しておりますが、半導体市場は技術革新のスピードが速く、また景気変動や国際情勢の変化の影響を受けやすい特性があります。今後、半導体需要の急激な変動や競争環境の変化が当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、半導体電子分野への集中と並行して、真空関連事業を幅広く展開しております。また、半導体電子分野の急激な市場環境の変動に対しては、技術革新への対応力を高めるための研究開発投資を行い、製品ラインアップの拡充と差別化を図ってまいります。加えて、事業間シナジーを活用した新規ビジネスの創出により、収益基盤の多様化を推進し、市場環境の変動に対する耐性の強化に努めてまいります。 ②研究開発による影響当社グループは、積極的な研究開発投資を継続して行うことにより、最先端技術を使用した新製品を市場に投入し続けてまいりました。しかしながら、開発の著しい遅延を余儀なくされ、新製品の市場への投入の遅れが生じた場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。成長のために必要な開発について、投資の選択と集中によりスピードアップを図るとともに、定期的なモニタリングを実施して著しい遅延が生じないよう、その進捗を管理しております。 ③グローバルな競争環境の影響当社グループは海外売上高比率が高く、世界各国・各地域の顧客に向けて製品を提供しております。しかし、グローバルに事業を展開している既存の競合他社も数多く、新規参入も増えている中で、製品の性能のみならず価格面での競争も激化しております。このような競争環境により、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、顧客ニーズを的確に把握し、それを確実に反映した製品を適時投入することで、競争力を維持し、競争環境に対応してまいります。 ④地政学、国際情勢及び経済安全保障に関する影響当社グループは、グローバルに事業を展開しており、国際情勢の変化、各国の安全保障政策、輸出入規制、関税、制裁、投資規制、技術移転規制及び経済安全保障上の規制強化等の影響により、当社グループの装置、材料、技術情報及びカスタマーサポート等に関する取引に制約が生じる可能性があります。また、半導体及び電子部品等の戦略物資化や重要鉱物・レアアース・半導体部品等の供給制約により、顧客の投資判断、当社グループにおける製品の出荷・据付、部品供給、海外拠点の運営等に支障が生じる可能性があります。これらの事象により、当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、輸出管理体制の整備、顧客・用途の確認、規制情報の収集、サプライチェーンの多元化、事業継続に向けた体制整備及び海外拠点管理等を通じて、これらのリスクの低減に努めております。 ⑤人財の確保に関する影響当社グループがグローバルな事業環境の中で成長を続けるために、人財の確保、育成及び定着は最も重要なことと位置付けております。採用環境の変化や人財獲得競争の激化により、事業の成長に必要な人財の採用・育成が計画どおり進まない場合、又は離職等により知識・技能の継承が十分に行われない場合には、研究開発、生産、販売及びサービス活動に支障が生じ、競争力の低下により、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、人材を「人財」として捉え、多様な人財が挑戦し続ける場の創出に努めております。人財の採用・育成を推進し、多様な人財が心身ともに健康で活気に満ち、個人の能力が最大限に発揮できるように、従業員のエンゲージメントとウェルビーイングを意識した活動で働く環境を整え、必要な人財基盤の維持・強化を図っております。⑥サプライチェーンに関する影響当社グループは、製品を生産するために必要な部品・材料を国内外のサプライヤーから調達しております。部品需給の逼迫、重要部品・材料の供給不足、原材料価格の高騰、物流の停滞、大規模な災害等によるサプライチェーンの障害などにより、必要な部品・材料の確保が困難となった場合には、顧客への納入遅延等により、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、仕入先との協力体制構築、需給動向の把握、早期の部品手配、サプライチェーンの多元化、適切な在庫管理等により、必要な部品・材料の確保及び供給リスクの低減に努めております。 ⑦法令、規制に関する影響当社グループは、グローバルに事業を展開しており、各国・各地域において、輸出入規制、競争法、汚職・贈賄、労働法、環境法、移転価格税制等の様々な分野の法令や規制の適用対象となります。そこで、当社グループは、これらの法令や規制の遵守に努めております。しかしながら、これらの法令や規制への抵触が認められた場合には、当社グループの社会的信用の低下はもちろんのこと、課徴金や損害賠償責任、事業活動の制限等が発生する可能性があります。また、各国の安全保障上の政策に基づく規制、その他、将来において予期せぬ法令や規制の改正や強化が生じた際に、当社グループの対応や対応に不備が認められた場合には、是正措置に関する費用負担や事業活動の制限等が発生する可能性があります。当社グループは、企業倫理行動基準を定めて各種法規制遵守の重要性を国内外グループ会社に啓蒙するとともに、社内外の内部通報制度を活用して、法令等の違反の早期発見と対策に努めております。また、当社グループ各社に設置するコンプライアンス委員会やリスクマネジメント委員会においても、法令や規制への抵触のおそれがある行為の内容についての報告を実施し、適宜必要な対応がとれる体制をとっております。また、とりわけ重要な法令や規制への対応は当社経営会議で報告の上、当社役員の主導でグループ各社へ展開する体制をとっております。 ⑧品質に関する影響当社グループは、国際規格であるISO9001の認証取得を含む品質保証体制を確立し、高レベルの製品・サービスを提供し続けてまいりました。しかしながら、常に最先端技術を利用した製品を提供していることから開発的要素も多く、予期せぬ不良の発生等により、追加原価の発生や損害賠償、信頼低下による売上高減少を招いた場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、中長期経営計画において、更なるモノづくり力強化を進めており、コストや信頼性、規格仕様を決定する上流工程を強化しております。製品の完成度を高めるバリューエンジニアリング、不適合内容の水平展開など品質向上の仕組みを盛り込むとともに、再発防止策を実施し、徹底を進めております。 ⑨資金調達に関する影響当社グループは、金融機関からの借入金等により資金調達を行っておりますが、市場環境、金利動向、当社の信用力低下等により、資金調達が困難になることや、調達コストが増大する可能性があります。また、当社グループの借入金に係る金融機関との契約には、財務制限条項が付されているものがあり、現状、当社グループの財政状態は当該条項に照らして問題のない水準にあるものの、当該条項に抵触した場合、資金調達に支障が生じる可能性があります。資金調達が想定どおりに行えない場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、資金調達にあたって年度別の返済額の平準化に努めており、リファイナンスリスクの低減や返済負担の軽減を図っております。また、社会情勢や経済環境の先行きが不透明な中、不測の事態に備え、十分な手元流動性資金を確保するとともに、コミットメントラインを設定し追加資金を確保できる体制を整えております。事業環境の急激な変化にも対応できるよう、引き続き、適時に必要資金を確保できる体制を維持してまいります。 ⑩情報セキュリティに関する影響当社グループは、事業活動において取扱う技術情報、取引先情報等の重要な情報資産を保有しております。これらの情報資産に対し、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピュータウイルス感染、内部不正、盗難・紛失その他不測の事態が発生した場合、競争力・技術的優位性の低下、生産活動を含めた業務の停止、社会的信用の低下や損害賠償責任の発生等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、情報資産の保護を経営上の重要課題と位置付け、情報セキュリティ管理体制の強化に取り組んでおります。情報システム及びネットワークに対する定期的なリスクアセスメントを実施するとともに、サイバー攻撃や内部不正等の脅威に対する脆弱性分析を行い、必要な対策を講じております。また、情報管理に関する諸規程を整備するとともに、インシデント発生時の迅速な情報共有及び対応体制を整備しております。さらに、全従業員を対象とした定期的な情報セキュリティ教育を実施し、情報管理の徹底及び情報セキュリティ意識の向上に努めております。 ⑪外国為替変動による影響当社グループは、海外売上高比率が高いものの、原則として円建取引を行っております。しかしながら、当該円建取引では、円高時に海外メーカーと比較して価格競争力の面で不利になることがあります。また、一部外貨建取引もありますが、外貨建取引においては、急激な為替変動による為替リスクが生じる可能性があります。これらの要因により、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、為替予約等によりリスクヘッジを行うことで、為替変動による業績への影響を低減するよう努めております。 ⑫知的財産権に関する影響当社グループは、各種真空装置・機器等に関する多数の特許を保有し、積極的に新規権利獲得にも努めております。しかしながら、第三者から不測の特許侵害訴訟が提起された場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクの低減を図るため、当社グループの製品・技術に関して、定期的に特許調査を行っております。 ⑬安全に関する影響当社グループの製品に関連する安全性等の問題により、顧客への損害発生や損害賠償責任の発生、売上高の減少、社会的信用の低下等につながる可能性があります。また、国内外の開発・製造・サービス拠点において、生産設備、高圧ガス、化学物質等を取扱っていることから、設備故障、作業上の不安全行動、自然災害等に起因する労働災害や重大事故が発生する可能性があります。これらの要因により、生産活動の停止又は遅延、顧客への製品供給やサービス提供への支障、復旧費用や補償費用の発生等が生じた場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、「安全第一」を企業経営の基本とし、顧客に利用していただく様々な製品やサービスの安全と、私たち自身が安全で明るく元気に働くことのできる活気ある職場づくりを、リスクアセスメントを中心とした安全管理システムの運用を通じて目指しております。また、安全教育、訓練、設備安全対策及び化学物質管理等を推進し、事故の未然防止と事業継続性の確保に努めております。 ⑭環境規制、気候変動への対応に関する影響当社グループは、気候変動、水質汚濁、大気汚染、騒音、土壌汚染、廃棄物、使用する有害化学物質等に関する国内外の環境法令の遵守に努めております。しかしながら、将来の環境規制への適応が困難な事象や不測の事態が発生した場合、環境対応費用の増加や事業活動の停止、社会的信用の低下等、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。気候変動対応に関しては、重要な経営課題の一つと捉え「気候関連財務情報タスクフォース(TCFD)」による提言に賛同するとともに、シナリオ分析に基づくリスクと機会を予測し活動を推進しております。さらに、2030年に温室効果ガス排出量を50%削減(2023年比)、2050年の温室効果ガス排出量実質ゼロを目標とし、定期的なモニタリングと進捗管理を行っております。環境関連法令や規制を遵守するための取組み、環境理念や環境方針に基づいた環境負荷の低減、温室効果ガス排出量削減目標達成に向けた施策を継続的に推進し、環境情報の適切な開示を行ってまいります。 ⑮その他リスク当社グループはグローバルかつ広範な事業展開を行う企業として、各国・各地域における経済環境変動、自然災害、戦争、テロ、感染症等の不可抗力要因が、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

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