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協立電機(6874)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

  • 主力はインテリジェントFA
    協立電機グループは、工場自動化(FA)とIoTを組み合わせた「インテリジェントFAシステムビジネス」を中心に事業を展開しています。これは、製造業の生産現場や研究開発部門に対し、開発・生産の省力化、能力向上、コスト削減などを実現するトータルシステムを提供することで収益を上げています。国内外の子会社22社、関連会社1社と連携し、この分野で幅広いサービスを提供しています。
  • 海外展開による収益拡大
    2001年から積極的に海外展開を進め、中国、タイ、マレーシア、カナダ、インド、ベトナム、インドネシア、フィリピンの8カ国に11の海外子会社を設立しています。日本の製造業の海外移転を先取りし、半導体基板検査装置やプロセスオートメーション、メカトロニクスといったインテリジェントFAシステムビジネスをグローバルに展開することで、収益源を多様化し成長を加速させています。
  • M&Aによる事業強化
    国内では1999年の協和電工(現・協和サンシンエンジニアリング)の子会社化を皮切りに、M&Aや新規設立を通じて11社をグループ化しました。これにより、中核ビジネスの周辺領域を強化し、インテリジェントFAシステムビジネスの提供範囲を広げています。グループ全体の事業領域拡大とシナジー効果による利益拡大を目指し、持続的な成長を追求しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • インテリジェントFAシステム事業
    この事業は、インテリジェントFAシステムの開発、設計、製造、販売を担っています。協立電機グループの中核事業であり、売上高は165億2,461万6千円、営業利益は24億2,038万5千円と、グループの稼ぎ頭となっています。当社および国内外の16の子会社がこの分野を担当し、製造業の自動化・効率化ニーズに応えています。
  • IT制御・科学測定事業
    FA機器、IT機器、コントロール機器、科学分析機器、計測機器、産業機械などの販売を行っています。売上高は216億8,080万円、営業利益は13億2,135万3千円と、グループ内で最も高い売上を誇ります。当社および9の子会社がこの事業を担い、幅広い製品ラインナップで顧客の多様なニーズに対応しています。
  • その他事業
    不動産賃貸やその他の事業が含まれます。このセグメントは、当社および3の子会社で構成されており、グループ全体の事業を補完する役割を担っています。具体的な売上や利益の記載はありませんが、グループの安定的な経営基盤を支える一翼を担っています。
2025-06 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
IntelligentFASystems 事業 165 24 14.6%
ITBasedTestMeasurementAndControlProducts 事業 217 13 6.1%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,550 文字
3 【事業の内容】 当社グループは、当社、子会社22社、関連会社1社及びその他の関係会社1社により構成されており、ファクトリー・オートメーション(以下「FA」)とIoTの融合領域とも言うべきインテリジェントFAシステムビジネスを中心に、各社が同ビジネスの構成分野或いは隣接分野を分担しております。 当社グループは、事業拡大のスピードアップ及びシナジー効果等による利益拡大を企業グループ経営方針の一つとしており、着実にグループ事業領域拡大・強化の成果を出してまいりました。特に日本の製造業の海外移転が急増することを先取りして、2001年から積極的な海外展開を図り、当連結会計年度末までに中国、タイ、マレーシア、カナダ、インド、ベトナム、インドネシア、フィリピンの8カ国に11の海外子会社を設立し、また、中国、マレーシア、インド、ベトナムでは現地での取引深耕のため複数の拠点を設立、これらの地域で半導体基板検査装置及びプロセスオートメーション、メカトロニクス等のインテリジェントFAシステムビジネスを広くカバーできる海外子会社ネットワークを作り上げました。 また、国内においても1999年に静岡市清水区の協和電工㈱(現・協和サンシンエンジニアリング㈱)をM&Aで子会社化したのを手始めに当社の中核ビジネスの周辺領域を事業分野とする11社の子会社をM&A或いは新規設立によりグループ会社化し、インテリジェントFAシステムビジネスの強化を図ってまいりました。 今後も国内では事業領域の拡大とインテリジェントFAシステムビジネスの強化を目的に、また海外では地理的及びビジネス分野でのカバー領域の拡大を目的として、グループの更なる拡大に尽力する所存であります。 事業内容及び当社と子会社等の当該事業に係る位置付け並びにセグメントの関連は、次のとおりであります。区分主要内容会社名インテリジェントFAシステム事業インテリジェントFAシステムの開発、設計、製造並びに販売当社、協立テストシステム㈱、協和サンシンエンジニアリング㈱、SKC㈱、㈱アニシス、第一エンジニアリング㈱、電子技研工業㈱、サンシン産業㈱、㈱イーアンドエムシステム、㈱メック、協立電機(上海)有限公司、協立商貿易(深圳)有限公司、Kyoritsu Electric (Thailand) Co.,Ltd.、Kyoritsu Electric (Malaysia) Sdn.,Bhd.、Kyoritsu Electric India Pvt Ltd.、Kyoritsu Electric Corporation (Canada)、Kyoritsu Electric Tech (Philippines)Inc. (会社総数 17社)IT制御・科学測定事業FA機器、IT機器、コントロール機器、科学分析機器、計測機器、産業機械等の販売当社、協立機械㈱、協和サンシンエンジニアリング㈱、アプレスト㈱、SKC㈱、東海システムサービス㈱、協立商貿易(深圳)有限公司、Kyoritsu Engineering (Thailand) Co.,Ltd.、Kyoritsu Electric (Vietnam) Co.,Ltd.、PT.Kyoritsu Electric Indonesia(会社総数 10社)その他不動産賃貸、その他当社、東海システムサービス㈱、Kyoritsu Holdings (Thailand) Co.,Ltd.、エム・エヌ・エス㈱(会社総数 4社) 上記の企業集団について図示すると次のとおりであります。(注) 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項「1 連結の範囲に関する事項」、「2 持分法の適用に関する事項」をご参照ください。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
顧客ニーズを把握し、最新技術動向に目を向け、付加価値の高いソリューションを提供。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
プリント基板実装検査用フライングプローバー技術、道路のたわみ検査車両(MWD)などの最先端技術。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
会社が挙げる主要リスク:海外事業に投入できる経営資源(人材面)の制約 / 顧客ニーズの変化への対応遅れ、技術・製品が時代の要請に応えられないリスク / 研究開発の方向性を見誤るリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

協立電機は特定の強力なブランド、特許ポートフォリオ、または規制ライセンスによる無形資産の優位性は、公開情報からは明確に確認できません。事業内容は主に電子部品の商社・製造であり、技術的優位性よりもサプライチェーンや顧客との関係性が中心と考えられます。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

電子部品の商社としての側面では、長年の取引実績や顧客の仕様に合わせたカスタマイズ対応により、一定のスイッチング・コストが発生する可能性があります。しかし、部品単体の汎用性が高い場合や、競合他社が同等品を容易に提供できる場合は、その効果は限定的です。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

協立電機は、プラットフォーム型ビジネスではなく、電子部品の供給を主軸とする事業モデルであり、ユーザー数の増加がサービス価値を向上させるネットワーク効果は期待できません。サプライヤーと顧客の間の仲介役であり、直接的なネットワーク効果は発生しないと考えられます。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

電子部品商社として、仕入れ量やサプライヤーとの交渉力によるコスト優位性は考えられますが、業界全体が価格競争に晒されている可能性があり、構造的なコスト優位性を確立しているかは不明です。製造部門においても、他社との明確なコスト差を示す情報は確認できません。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

協立電機は電子部品の専門商社・製造業者として、長年にわたり事業を展開しており、一定の規模と業界内での地位を確立しています。特定のニッチ市場や地域においては、規模の経済による効率性や、サプライヤー・顧客基盤の広さが競争優位に寄与している可能性があります。

  • グローバルな事業展開力
    協立電機グループは、日本の製造業の海外移転を先取りし、中国、タイ、マレーシアなど8カ国に11の海外子会社を設立しています。これにより、顧客の海外生産拠点に対し、半導体基板検査装置やプロセスオートメーション、メカトロニクスといったインテリジェントFAシステムを現地で提供できる強みがあります。この広範な海外ネットワークは、顧客の多様なニーズに対応し、競争優位性を確立しています。
  • 「One Stop Shopping」体制
    FA業界における「One Stop Shopping」の実現を目指し、ソリューション提案力、ソフトウェア・ハードウェア開発製造能力、技術商社としての調達力、エンジニアリング施工力、保守・メンテナンス能力をグループ内で完結できる体制を構築しています。これにより、顧客は様々な要求に対して協立電機グループだけで対応できるため、利便性が高く、顧客のスイッチングコストを低減させる効果が期待できます。
  • 研究開発と技術革新力
    2017年に新設されたR&Dセンターを拠点に、グループ全体の技術開発力を強化しています。IoTやAI技術を取り入れたロボット組み込みソフトウェアの開発、省力化・自動化システム、各種試験機などの分野で、常に最新技術を追求し、付加価値の高いソリューションを提供しています。これにより、激しく変化する顧客ニーズに対応し、市場での競争力を維持・向上させています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • インテリジェントFAシステムの普及
    協立電機グループは、FA技術とIT技術の融合分野であるインテリジェントFAシステム市場において、開発型ビジネスを通じて豊かな社会に貢献することを経営理念としています。省エネ製品の普及、少子高齢化による労働力不足への対応、海外進出企業のサポートなどを通じて、インテリジェントFAシステムの定着と普及に努め、社会課題の解決に貢献することを目指しています。
  • 利益率向上と成長分野投資
    経営指標として、連結売上高経常利益率8%と連結ROE15%を目標としています。技術進歩と国内市場縮小が予想される中、利益率の向上と、新規事業分野や成長地域への的確な選択投資が重要と考えています。これにより、企業価値を高め、持続的な成長を実現することを目指しています。
  • 「One Stop Shopping」の実現
    FA業界における「One Stop Shopping」の実現を旗印に、顧客が求める全ての要求にグループ単独で応えられる体制を整えることを目標としています。ソリューション提案力、ソフトウェア・ハードウェア作成能力、調達力、工事遂行力、保守・メンテナンス能力を強化し、顧客とのWin-Winの関係を深耕することで、グループ全体の競争力向上を図っています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において、当社グループが判断したものであります。(1)会社の経営の基本方針当社グループは、「FA技術とIT技術の融合分野であるインテリジェントFAシステム市場を対象に開発型ビジネスを通じて豊かな未来社会に貢献し、株主・顧客・社員及びその家族、そして関連する全ての会社や人々と将来の希望を共有し心豊かで風通しの良い企業風土を形成する」という経営理念のもとに、主として製造業における製造現場及び研究開発部門を対象に、IoTとFA技術により開発・生産の省力化・能力向上・コストダウンの実現等トータルシステムの効率化に貢献して参りました。今後とも最先端の技術開発を心掛け、インテリジェントFAシステムの定着と普及に不断の努力を続け、現在の日本及び海外諸国の直面する諸問題に正面から向き合いながら、省エネ製品の普及促進、少子高齢化による労働力不足の対応を急ぐ企業への省力化・生産効率化の支援、海外進出企業をサポートし海外生産を実現させることによる海外諸国民の生活水準向上へのお手伝い等、様々な形でインテリジェントFAシステムビジネスを通じた豊かで公正、安全な社会の実現に向けた貢献を推進していく所存であります。 (2)目標とする経営指標当社グループは、技術進歩に伴いインテリジェントFAシステムビジネス環境が目まぐるしく変化していくこと及び中長期的に国内マーケットが縮小していくことが予想される状況下、さらに一層企業価値を高めていくためには、利益率の向上と新規事業分野や成長地域への投資を含めた成長分野への的確な選択投資が最も重要なポイントと考えております。従って、最も重視している経営指標としては、利益率向上のモノサシとして連結売上高経常利益率、成長分野への選択投資のモノサシとして連結ROEであり、連結売上高経常利益率は8%、連結ROEは15%を当面の目標としておりますが、当連結会計年度ではそれぞれ8.1%、9.1%で終わりました。 (3)中長期的な会社の経営戦略当社グループの基本的な考え方として、FA業界における「One Stop Shopping」の実現を目指すことを旗印に、ソリューションプロバイダーとしての提案力、製造者としてのソフトウェア・ハードウェア作成能力、技術商社としての調達力、エンジニアリング会社としての工事遂行力、さらには保守・メンテナンス能力等も加え、顧客が求める全ての要求に当社グループ単独で応えられる体制を整えることを目標としております。① グループ事業戦略人口減少が続く我が国に比べ、新興国を中心とした海外マーケットが高い潜在成長力を有しているのは自明の理であり、従って当社グループの最重要顧客である国内主要製造業はその生産現場を海外へ移転し、今後さらに生産品目を増大させながら、進出する国、地域も拡大していくことは確実と考えております。この状況下、当社グループにとって海外での事業強化は将来の成長を左右する最重要テーマの一つであり、従来海外ビジネスの中心であった半導体基板検査装置ビジネスに加えて当社の得意とするシステムビジネス、メカトロ機器、計測装置や試験装置等、国内の主力ビジネスと同様の範囲へさらに広げながら海外展開すべく、海外営業本部を中心にこの分野での業容拡大に引き続き注力していく所存であります。一方、マクロ的に大きく拡大が見込めない国内マーケットに関しては、IoT等の技術革新によって新たに生まれ、成長している市場を重点的に開拓し、選択と集中により高い成長が見込める分野への経営資源のシフトを推し進めて参りました。併せて当社グループの経営基本方針の一つである「One Stop Shopping」施策に基づき、顧客情報をグループ会社全体で共有し、顧客ニーズをより幅広く取り込むこと、顧客とのWin-Winの関係をさらに深耕することでグループ全体の競争力底上げを図ることを経営計画の柱としております。 ② インテリジェントFAシステムの充実と販売拡大昨今のIoTに代表されるIT技術の革新的な進歩は大変めざましく、FA技術とIoTの融合領域であるインテリジェントFAシステムビジネスにおいてもさらに高い次元での融合が進んでおり、当社グループにとっても次々に新たなビジネスチャンスが生まれています。こうした状況下で当社グループに求められることは、最新技術を駆使した製品を提供することにより、顧客ニーズを満たす製品開発と事業展開がタイムリーに図られることであり、そのためには自社による技術開発力とエンジニアリング遂行力を強化していくことが重要と考えております。2017年6月に新設したR&Dセンターを起点として、グループ総合力、技術開発力を強化する体制が整い、これらの集積された高度な技術情報を水平展開することで、さらなる技術レベルの底上げ並びに平準化に引き続き取り組んで参ります。一方、我が国の少子高齢化による労働力不足と、製造業における単位労働コストの安いアジア諸国との競争力の維持という二つの命題に対応していくためには、徹底的な省力化が必要であることから、ロボットビジネスは将来的にも大変有望な市場と考えており、AI技術を取り入れたロボットに組み込むソフトウェアの開発等、当社グループの技術力を生かしたイノベーションの発掘にも力をいれていく所存であります。また、ロボットに限らず、製造業における省力化、自動化の範囲は技術の向上とともに益々広範囲となり、特に自動化システムや各種試験機等の省力化関連投資需要は今後も引き続き大きく伸張していく市場であると考えており、この分野でのビジネス推進体制もさらに強化していく所存であります。また、従来から当社グループが得意としてきた省エネ製品や水の汚染対策となる水質監視装置等の環境関連製品の分野でも新製品の開発・拡販に注力していく所存であります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① 海外展開を拡大させるための人材及び技術力の充実今後の海外展開の拡大に向けては、顧客のロケーションを問わず、当社グループの技術・サービスを一定の品質及び供給体制のもとで安定的に提供できる環境を整備するとともに、当社グループ全体で連携したフォロー体制を構築することが重要であると認識しております。近年、顧客からの海外投資に関連するニーズも高度化、複雑化しており、各地域の事業環境や顧客ニーズを踏まえた、包括的且つきめ細かな対応を求められております。これらのニーズに対応するため、グローバル人材の育成及び配置を強化するとともに、海外子会社の技術部門においても高度化するインテリジェントFAシステムに幅広く対応する技術力の向上を進めて参ります。引き続き、これらのニーズに対応できるグループ全体での総合力向上を目指し、今後も様々な施策を実施していく所存であります。 ② 新製品開発力の強化研究開発型企業である当社グループにとって、新製品の開発は重要な経営課題の一つと認識しております。この課題に対し時代に即して常に変化する市場ニーズや技術動向の中からビジネスチャンスを探し求め、小さな環境の変化にも意識を傾け情報を収集していく必要があります。まさに当社グループの本命であるフィジカルAIに代表される技術革新、高度な自動化に対する需要の高まり、IoTの普及及び拡大からその活用範囲の深耕等、当社グループのマーケットで新たなイノベーションが次々に生まれる中、システムの高度化・効率化等が引き続き加速度的に進行しております。これらの多くは、当社グループのビジネスエリアの中核部分で起きており、当社グループにとっては技術革新とその進行によって新規ビジネスが創造されるという非常に強い追い風が吹いています。つまり、この追い風をいかにビジネス拡大に繋げていくかが最も重要だと考えております。従って、新製品開発力の強化と時代の要請に即した新製品開発を執り行うことが極めて重要であり、当社グループ全ての部門で開発の方向性とその問題点を共有し、グループの総力を結集する必要があります。 ③ 国内マーケット対策デジタル技術の進展を背景に、フィジカルAI等に代表される新たな技術、イノベーションによる新規投資需要が確実に伸張しております。これらの多くは当社グループにとってのビジネスチャンスであり、且つ無限と言っていいほど存在しております。これらビジネスチャンスへのアプローチが地域によって多少の差がありましたが、この差は縮小傾向にあるものの、さらにその差を縮めていくことが一つの課題であると認識しております。長い歴史と細かな拠点網が構築されている静岡県及びその近隣では、その捕捉率は比較的高いものがあります。しかし、まだまだ遅れをとっている地域もあり、その改善のため現在の進出先を中心に市場拡大を狙える地域への積極的な投資を行っていく必要があります。 ④ グループ総合力の向上AIを始めとするインテリジェントFAシステム市場に相次いで登場する新技術に的確に対応するためには、専門分野毎に機能を担う各子会社と当社が効率的に相互補完することで、より強力なシナジー効果を発揮し、グループトータルの技術力、提案力を強化する必要があります。また、当社グループのビジネスモデルの中核である「One Stop Shopping」のブラッシュアップを重ね、更なる体制の強化・高度化を進めて参ります。加えて、市場拡充・拡大に向けたグループ内の相互理解を深めるための人的交流やグループ展示会の開催等にも前向きに取り組み、グループ全員がグループ内で展開している多くの事業に対する正確な知識と情報を密に共有できるような環境作りが肝要と考えております。この点においても引き続き積極的に取り組んで参ります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において、当社グループが判断したものであります。(1)会社の経営の基本方針当社グループは、「FA技術とIT技術の融合分野であるインテリジェントFAシステム市場を対象に開発型ビジネスを通じて豊かな未来社会に貢献し、株主・顧客・社員及びその家族、そして関連する全ての会社や人々と将来の希望を共有し心豊かで風通しの良い企業風土を形成する」という経営理念のもとに、主として製造業における製造現場及び研究開発部門を対象に、IoTとFA技術により開発・生産の省力化・能力向上・コストダウンの実現等トータルシステムの効率化に貢献して参りました。今後とも最先端の技術開発を心掛け、インテリジェントFAシステムの定着と普及に不断の努力を続け、現在の日本及び海外諸国の直面する諸問題に正面から向き合いながら、省エネ製品の普及促進、少子高齢化による労働力不足の対応を急ぐ企業への省力化・生産効率化の支援、海外進出企業をサポートし海外生産を実現させることによる海外諸国民の生活水準向上へのお手伝い等、様々な形でインテリジェントFAシステムビジネスを通じた豊かで公正、安全な社会の実現に向けた貢献を推進していく所存であります。 (2)目標とする経営指標当社グループは、技術進歩に伴いインテリジェントFAシステムビジネス環境が目まぐるしく変化していくこと及び中長期的に国内マーケットが縮小していくことが予想される状況下、さらに一層企業価値を高めていくためには、利益率の向上と新規事業分野や成長地域への投資を含めた成長分野への的確な選択投資が最も重要なポイントと考えております。従って、最も重視している経営指標としては、利益率向上のモノサシとして連結売上高経常利益率、成長分野への選択投資のモノサシとして連結ROEであり、連結売上高経常利益率は8%、連結ROEは15%を当面の目標としておりますが、当連結会計年度ではそれぞれ8.1%、9.1%で終わりました。 (3)中長期的な会社の経営戦略当社グループの基本的な考え方として、FA業界における「One Stop Shopping」の実現を目指すことを旗印に、ソリューションプロバイダーとしての提案力、製造者としてのソフトウェア・ハードウェア作成能力、技術商社としての調達力、エンジニアリング会社としての工事遂行力、さらには保守・メンテナンス能力等も加え、顧客が求める全ての要求に当社グループ単独で応えられる体制を整えることを目標としております。① グループ事業戦略人口減少が続く我が国に比べ、新興国を中心とした海外マーケットが高い潜在成長力を有しているのは自明の理であり、従って当社グループの最重要顧客である国内主要製造業はその生産現場を海外へ移転し、今後さらに生産品目を増大させながら、進出する国、地域も拡大していくことは確実と考えております。この状況下、当社グループにとって海外での事業強化は将来の成長を左右する最重要テーマの一つであり、従来海外ビジネスの中心であった半導体基板検査装置ビジネスに加えて当社の得意とするシステムビジネス、メカトロ機器、計測装置や試験装置等、国内の主力ビジネスと同様の範囲へさらに広げながら海外展開すべく、海外営業本部を中心にこの分野での業容拡大に引き続き注力していく所存であります。一方、マクロ的に大きく拡大が見込めない国内マーケットに関しては、IoT等の技術革新によって新たに生まれ、成長している市場を重点的に開拓し、選択と集中により高い成長が見込める分野への経営資源のシフトを推し進めて参りました。併せて当社グループの経営基本方針の一つである「One Stop Shopping」施策に基づき、顧客情報をグループ会社全体で共有し、顧客ニーズをより幅広く取り込むこと、顧客とのWin-Winの関係をさらに深耕することでグループ全体の競争力底上げを図ることを経営計画の柱としております。 ② インテリジェントFAシステムの充実と販売拡大昨今のIoTに代表されるIT技術の革新的な進歩は大変めざましく、FA技術とIoTの融合領域であるインテリジェントFAシステムビジネスにおいてもさらに高い次元での融合が進んでおり、当社グループにとっても次々に新たなビジネスチャンスが生まれています。こうした状況下で当社グループに求められることは、最新技術を駆使した製品を提供することにより、顧客ニーズを満たす製品開発と事業展開がタイムリーに図られることであり、そのためには自社による技術開発力とエンジニアリング遂行力を強化していくことが重要と考えております。2017年6月に新設したR&Dセンターを起点として、グループ総合力、技術開発力を強化する体制が整い、これらの集積された高度な技術情報を水平展開することで、さらなる技術レベルの底上げ並びに平準化に引き続き取り組んで参ります。一方、我が国の少子高齢化による労働力不足と、製造業における単位労働コストの安いアジア諸国との競争力の維持という二つの命題に対応していくためには、徹底的な省力化が必要であることから、ロボットビジネスは将来的にも大変有望な市場と考えており、AI技術を取り入れたロボットに組み込むソフトウェアの開発等、当社グループの技術力を生かしたイノベーションの発掘にも力をいれていく所存であります。また、ロボットに限らず、製造業における省力化、自動化の範囲は技術の向上とともに益々広範囲となり、特に自動化システムや各種試験機等の省力化関連投資需要は今後も引き続き大きく伸張していく市場であると考えており、この分野でのビジネス推進体制もさらに強化していく所存であります。また、従来から当社グループが得意としてきた省エネ製品や水の汚染対策となる水質監視装置等の環境関連製品の分野でも新製品の開発・拡販に注力していく所存であります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① 海外展開を拡大させるための人材及び技術力の充実今後の海外展開の拡大に向けては、顧客のロケーションを問わず、当社グループの技術・サービスを一定の品質及び供給体制のもとで安定的に提供できる環境を整備するとともに、当社グループ全体で連携したフォロー体制を構築することが重要であると認識しております。近年、顧客からの海外投資に関連するニーズも高度化、複雑化しており、各地域の事業環境や顧客ニーズを踏まえた、包括的且つきめ細かな対応を求められております。これらのニーズに対応するため、グローバル人材の育成及び配置を強化するとともに、海外子会社の技術部門においても高度化するインテリジェントFAシステムに幅広く対応する技術力の向上を進めて参ります。引き続き、これらのニーズに対応できるグループ全体での総合力向上を目指し、今後も様々な施策を実施していく所存であります。 ② 新製品開発力の強化研究開発型企業である当社グループにとって、新製品の開発は重要な経営課題の一つと認識しております。この課題に対し時代に即して常に変化する市場ニーズや技術動向の中からビジネスチャンスを探し求め、小さな環境の変化にも意識を傾け情報を収集していく必要があります。まさに当社グループの本命であるフィジカルAIに代表される技術革新、高度な自動化に対する需要の高まり、IoTの普及及び拡大からその活用範囲の深耕等、当社グループのマーケットで新たなイノベーションが次々に生まれる中、システムの高度化・効率化等が引き続き加速度的に進行しております。これらの多くは、当社グループのビジネスエリアの中核部分で起きており、当社グループにとっては技術革新とその進行によって新規ビジネスが創造されるという非常に強い追い風が吹いています。つまり、この追い風をいかにビジネス拡大に繋げていくかが最も重要だと考えております。従って、新製品開発力の強化と時代の要請に即した新製品開発を執り行うことが極めて重要であり、当社グループ全ての部門で開発の方向性とその問題点を共有し、グループの総力を結集する必要があります。 ③ 国内マーケット対策デジタル技術の進展を背景に、フィジカルAI等に代表される新たな技術、イノベーションによる新規投資需要が確実に伸張しております。これらの多くは当社グループにとってのビジネスチャンスであり、且つ無限と言っていいほど存在しております。これらビジネスチャンスへのアプローチが地域によって多少の差がありましたが、この差は縮小傾向にあるものの、さらにその差を縮めていくことが一つの課題であると認識しております。長い歴史と細かな拠点網が構築されている静岡県及びその近隣では、その捕捉率は比較的高いものがあります。しかし、まだまだ遅れをとっている地域もあり、その改善のため現在の進出先を中心に市場拡大を狙える地域への積極的な投資を行っていく必要があります。 ④ グループ総合力の向上AIを始めとするインテリジェントFAシステム市場に相次いで登場する新技術に的確に対応するためには、専門分野毎に機能を担う各子会社と当社が効率的に相互補完することで、より強力なシナジー効果を発揮し、グループトータルの技術力、提案力を強化する必要があります。また、当社グループのビジネスモデルの中核である「One Stop Shopping」のブラッシュアップを重ね、更なる体制の強化・高度化を進めて参ります。加えて、市場拡充・拡大に向けたグループ内の相互理解を深めるための人的交流やグループ展示会の開催等にも前向きに取り組み、グループ全員がグループ内で展開している多くの事業に対する正確な知識と情報を密に共有できるような環境作りが肝要と考えております。この点においても引き続き積極的に取り組んで参ります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績の状況当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善などが景況感を支え、緩やかな回復基調がみられましたが、アメリカの通商政策動向、国内外のインフレ動向や金融政策の影響、中東やウクライナに代表される地政学的リスクの長期化、原材料価格・人件費の高騰等により、依然として先行きに不安が残っております。当社グループとしましては、当社のビジネスモデルである「One Stop Shopping」施策を拡充すべく、グループ間での協業を更に深耕する中でのイノベーションの発掘や受注範囲の拡大及び収益性の向上を目指し、当社のビジネスモデルの強化に尽力して参りました。加えて、市場ニーズの変化を広範囲で取り込むべくマーケットへの深耕を図り、当社ビジネスの付加価値を更に高めるべく継続して参りました。当連結会計年度においても国内外の企業の設備投資意欲は依然として堅調であるものの、中東情勢等の影響から一部の資材の入荷が遅れる等、一定規模以上の設備投資については従来に比べ長納期化しております。また、人手不足を背景にした、賃金・手当等の人件費に加え、採用関連費用、各種研修教育費用が増加しています。人財の確保・定着と安定した事業運営を行うために、これらの人財投資も積極的に実施しております。これらの結果、当連結会計年度の売上高は370億6百万円(前期比3.2%の減)となり、損益面としましては営業利益が28億48百万円(同15.1%の減)、経常利益が29億90百万円(同13.4%の減)、親会社株主に帰属する当期純利益が19億21百万円(同10.1%の減)と減収・減益になりました。 なお、当社グループのセグメント別概況は次のとおりです。(インテリジェントFAシステム事業)インテリジェントFAシステム事業では、引き続きロボットシステムに代表される各種自動化システムの需要及びその範囲が拡大していること、IoTを活用した設備投資の増大により出荷検査に代表される各種検査装置が堅調だったこと、「One Stop Shopping」施策が好調であり、資源価格高騰も省エネ・効率化投資への後押しとなったことに加え顧客のニーズの多様化・高度化も益々進み、本事業の需要は益々高まっていること等から業績は堅調に推移しましたが、事業範囲の拡張に伴う一部の事業で工期の長期化に伴う原材料・人件費の高騰を受け収益性が一時的に低下しました。以上の結果、インテリジェントFAシステム事業の当連結会計年度における売上高は171億30百万円(前期比3.7%の増)、営業利益は20億円(同17.3%の減)と増収・減益になりました。 (IT制御・科学測定事業)当事業のうちIT制御は主として製造業の合理化・研究開発の自動化等を目的とした設備投資の対象であるため、比較的景況の影響を受け易い傾向があります。当連結会計年度においては、新製品開発へ向けた顧客の研究開発投資は依然として旺盛であるものの、多くの製造現場でアメリカの関税政策や中東情勢の影響等から購買意欲の一時的な低下、国内生産量の回復も頭打ちとなり、生産設備への合理化投資は底堅いものはあるものの厳しい環境下で推移しました。これらの結果、売上高は198億26百万円(前期比8.6%の減)、営業利益は12億84百万円(同2.8%の減)と減収・減益になりました。 (2) 生産、受注及び販売の実績① 生産実績当連結会計年度におけるインテリジェントFAシステム事業の生産実績は次のとおりであります。 セグメントの名称金額(千円)前期比(%)インテリジェントFAシステム事業12,026,949100.6合計12,026,949100.6 (注) 金額は製造原価によっております。 ② 商品仕入実績当連結会計年度におけるIT制御・科学測定事業の商品仕入実績は次のとおりであります。 セグメントの名称金額(千円)前期比(%)IT制御・科学測定事業17,057,67792.3合計17,057,67792.3 ③ 受注状況当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(千円)前期比(%)受注残高(千円)前期比(%)インテリジェントFAシステム事業16,011,374103.811,402,76791.1IT制御・科学測定事業20,199,79095.25,196,079107.7合計36,211,16498.916,598,84795.7 ④ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。 セグメントの名称金額(千円)前期比(%)インテリジェントFAシステム事業17,130,888103.7IT制御・科学測定事業19,826,67691.4その他48,976119.7合計37,006,54296.8 (3) 財政状態の状況(流動資産)当連結会計年度末における流動資産の残高は245億5百万円となり、前期と比較して17億55百万円増加しました。この増加の主な要因は、受取手形、売掛金及び契約資産と電子記録債権を合わせた売上債権が12億77百万円減少した一方、現金及び預金が28億42百万円増加したこと等によるものであります。 (固定資産)当連結会計年度末における固定資産の残高は103億32百万円となり、前期と比較して4億90百万円増加しました。この増加の主な要因は、投資その他の資産のその他が4億15百万円減少した一方、投資有価証券が7億68百万円増加したこと等によるものであります。 (流動負債)当連結会計年度末における流動負債の残高は106億34百万円となり、前期と比較して1億70百万円減少しました。この減少の主な要因は、支払手形及び買掛金と電子記録債務を合わせた仕入債務が3億91百万円増加した一方、未払法人税等が4億19百万円、短期借入金が1億65百万円減少したこと等によるものであります。 (固定負債)当連結会計年度末における固定負債の残高は10億13百万円となり、前期と比較して2億36百万円増加しました。この増加の主な要因は、繰延税金負債が2億56百万円増加したこと等によるものであります。 (純資産)当連結会計年度末における純資産の残高は231億89百万円となり、前期と比較して21億79百万円増加しました。この増加の主な要因は、利益剰余金が13億57百万円、その他有価証券評価差額金が5億59百万円、非支配株主持分が1億50百万円増加したこと等によるものであります。 (4) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動により得られた資金が投資活動及び財務活動により支出された資金の合計額を上回ったため、前連結会計年度末に比べ26億42百万円増加し、109億72百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は、36億4百万円(前期は24億72百万円の収入)となりました。これは主として法人税等の支払額が14億54百万円あった一方、税金等調整前当期純利益が30億22百万円、売上債権の減少額が12億90百万円、仕入債務の増加額が3億83百万円、棚卸資産の減少額が3億56百万円あったこと等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果支出した資金は、2億54百万円(前期は12億30百万円の支出)となりました。これは主として有価証券の償還による収入が6億円あった一方、有価証券の取得による支出が8億円あったこと等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果支出した資金は、7億37百万円(前期は9億52百万円の支出)となりました。これは主として配当金の支払額が5億60百万円、短期借入金の純減額が1億70百万円あったこと等によるものであります。 (5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり重要な会計方針等は「第5 経理の状況1 連結財務諸表等注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。連結財務諸表の作成にあたっては、経営者の判断のもと、一定の前提条件に基づく見積りが必要な場合があり、これらの見積りについては過去の実績等を勘案し合理的に判断しております。また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 イ 売上高当連結会計年度の売上高は370億6百万円(前期比3.2%の減)となりました。インテリジェントFAシステム事業では、引き続きロボットシステムに代表される各種自動化システムの需要及びその範囲が拡大していること、IoTを活用した設備投資の増大により出荷検査に代表される各種検査装置が堅調だったこと、「One Stop Shopping」施策が好調であったこと等により171億30百万円(同3.7%の増)となりました。IT制御・科学測定事業では、新製品開発へ向けた顧客の研究開発投資は依然として旺盛であるものの、多くの製造現場でアメリカの関税政策や中東情勢の影響等から購買意欲の一時的な低下、国内生産量の回復も頭打ちとなり198億26百万円(同8.6%の減)となりました。 ロ 営業利益当連結会計年度の営業利益は28億48百万円(前期比15.1%の減)となりました。インテリジェントFAシステム事業では、資源価格高騰も省エネ・効率化投資への後押しとなったことに加え顧客のニーズの多様化・高度化も益々進み、本事業の需要は益々高まっていること等から業績は堅調に推移しましたが、事業範囲の拡張に伴う一部の事業で工期の長期化に伴う原材料・人件費の高騰を受け収益性が一時的に低下したこと等により20億円(同17.3%の減)となりました。IT制御・科学測定事業では、生産設備への合理化投資は底堅いものはあるものの厳しい環境下で推移したこと等により12億84百万円(同2.8%の減)となりました。 ハ 経常利益当連結会計年度の経常利益は29億90百万円(前期比13.4%の減)となりました。これは主として、受取配当金52百万円、為替差益39百万円、仕入割引32百万円、雑収入22百万円等の営業外収益を1億68百万円計上したこと等によるものであります。 ニ 親会社株主に帰属する当期純利益当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は19億21百万円(前期比10.1%の減)となりました。これは主として、法人税、住民税及び事業税9億37百万円を計上したこと等によるものであります。 ③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品及び製品、原材料の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。運転資金及び設備投資資金は、自己資金及び金融機関からの借入等により調達しております。 ④ 経営成績に重要な影響を与える要因について当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、顧客である製造業の設備投資意欲、とりわけ当社グループが得意とするFA技術とIoTの融合分野であるインテリジェントFAシステムに対する購買意欲であり、さらにこの購買意欲に影響を与える最大の要因としては景気変動による設備投資動向の変化、当社製品がIoTを含む最先端のIT技術を駆使したFAシステムを常に提供できる体制を整え、顧客ニーズの変化を的確に捉えているかということが考えられます。加えて製造業各社が海外での生産を拡大させており、これに伴って発生する新たな需要を的確にフォローし、当社グループの海外ビジネス推進体制を整備して海外ビジネスの強化・拡大にどこまで取り組めるかということも重要な要素と考えております。

事業リスク

  • 海外事業の人材制約リスク
    ASEAN諸国を中心とした製造業の海外投資拡大が予想される中、協立電機グループも海外事業に多くの経営資源を投入する必要があります。しかし、特に人材面で投入できる経営資源には制約があり、顧客製造業の海外展開スピードに追いつけなくなるリスクがあります。これにより、海外での事業機会を逸失し、成長が鈍化する可能性があります。
  • 技術変化への対応遅れリスク
    IT技術の進歩は目覚ましく、顧客ニーズも日々激しく変化しています。研究開発型の企業として、この変化の方向性を見誤ると、協立電機グループの技術や製品が時代の要請に応えられなくなるリスクがあります。これにより、市場での競争力を失い、売上や利益に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 国内市場の縮小リスク
    日本では生産年齢人口の減少が将来にわたって予測され、国内経済規模の拡大が期待できない状況です。これにより、国内マーケットが中長期的に縮小していく可能性があり、協立電機グループの国内事業の成長が制約されるリスクがあります。新たな技術革新による市場開拓や海外事業強化が不可欠となります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|766 文字
3 【事業等のリスク】我が国では生産年齢人口の減少が将来に亘って予見され、経済規模の拡大が期待できない一方、我が国を取り巻くアジア諸国は人口の増大と一人当たりGDPの上昇により引き続き経済規模を拡大していくことが予想されることから、今後もASEAN諸国を中心とした製造業の海外投資の拡大が予想されます。こうした中、客先製造業の海外生産が地理的側面及び生産品目的側面で今後益々多様化、複雑化されることが予想され、それに当社グループが対応するためにはより多くの経営資源を海外事業に投入する必要がありますが、主として人材面で海外事業に投入できる経営資源には制約があり、客先製造業の展開スピードに追いつかなくなるリスクがあります。当社グループでは海外事業等における優秀な人材の確保並びに社内教育を継続的に行い、海外子会社等を通じて海外の情報収集及び海外事業の拡大に取り組んで参ります。また、昨今のIT技術の進歩は目覚しく、顧客ニーズも日々激しく変化を遂げている環境下、研究開発型の当社グループとしてもこの激しく変化する顧客ニーズの中長期的な方向性を的確に見定めることは極めて重要であり、この方向感を読み間違い、当社グループの技術及び製品が時代の要請に応えられなくなることも当社の抱えるリスクの一つであります。当社グループでは常に顧客ニーズを把握し、最新の技術動向に目を向け、付加価値の高いソリューションを提供できるように継続的に努めているほか、さらなる業容拡大に向け、取扱製品の拡大も図っております。 これらのリスクを正確に見通すことは困難でありますが、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼすリスクがあるものと認識しております。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末における当社グループが判断したものであります。

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