9651

日本プロセス(9651)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • システム開発事業
    日本プロセスグループは、システム開発を主な事業としています。具体的には、エネルギー関連施設や交通機関の制御システム、自動車の自動運転や車載制御システム、防災・危機管理、宇宙・航空分野の特定情報システム、ストレージデバイスやIoT機器の組み込みシステムなど、多岐にわたる分野でソフトウェア開発を行っています。顧客の製品やシステムの価値を高めることを目指し、ソフトウェアの企画から開発、保守まで一貫したサービスを提供することで収益を得ています。
  • 資本業務提携による安定性
    SCSK株式会社と資本業務提携を結んでおり、同社は日本プロセスにとって「その他の関係会社」にあたります。また、SCSKの親会社である住友商事株式会社も「その他の関係会社」の親会社として位置づけられています。これにより、安定した事業基盤と顧客との連携を強化し、事業の安定性を高めています。
  • トータルサービス提供
    ソフトウェア開発の全工程において、品質、納期、価格、セキュリティの4つの要素を重視しています。グループ会社それぞれの得意分野を活かし、互いに協力し合うことで、顧客に対して信頼性の高い総合的なサービスを提供しています。これにより、顧客の多様なニーズに応え、長期的な関係を築くことで継続的な収益確保を目指しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

日本プロセスグループの事業セグメントは多岐にわたります。主なセグメントは「制御システム」(エネルギーや交通機関のシステム開発)、「自動車システム」(自動運転や車載制御など)、「特定情報システム」(防災、危機管理、宇宙航空関連)、「組み込みシステム」(ストレージやIoT機器向け)、「産業・ICTソリューション」(ビジネスシステムや公共システム構築サービス)です。売上高では「自動車システム」が24.08億円、「産業・ICTソリューション」が30.90億円と大きく、特に「自動車システム」は営業利益も6.02億円と最も高く、稼ぎ頭の一つと言えます。中国現地法人によるオフショア開発も活用されています。

2025-05 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
ControlSystems 事業 17 4 23.6%
AutomotiveSystems 事業 24 6 25.0%
ParticularInformationSystems 事業 18 5 27.6%
EmbeddedSystems 事業 15 3 18.1%
IndustryAndICTSolutions 地域 31 6 19.3%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|414 文字
3【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社と連結子会社1社で構成され、システム開発を主たる業務としております。 また、当社はSCSK株式会社と資本業務提携を締結しており、同社はその他の関係会社であります。なお、住友商事株式会社はその他の関係会社の親会社であります。 当社グループの事業に係わる位置づけ、事業種類及び事業内容との関連は次のとおりであります。 事業種類セグメント事業内容会社名システム開発制御システムエネルギープラント、交通・運輸当社大連艾普迪科技有限公司自動車システム自動運転/先進運転支援、車載制御車載情報機器特定情報システム防災、危機管理、宇宙・航空組込システムストレージデバイス、IoT建設機械医療機器産業・ICTソリューションビジネスシステム、公共システム構築サービス (当社グループの事業系統図)(注)大連艾普迪科技有限公司は、日本国内での開発(オンショア開発)も実施しております。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
一括請負は見積工数や製品価値を考慮して価格を決定する方式であり、開発コストが上回るリスクがあるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
制御・組込系システム開発の技術者育成には時間を要すること、技術革新への対応。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 軽い(資本不要)
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 低い
会社が挙げる主要リスク:主要取引先の占有率及び状況変化リスク / 不採算プロジェクトのリスク / 投資活動におけるリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 2 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

提供された財務サマリおよび競合情報からは、特許、ブランド、規制ライセンスなどの無形資産に関する具体的な情報は確認できませんでした。したがって、現時点では無形資産による競争優位性は評価できません。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

顧客がシステム開発や保守運用を他社に切り替える際には、学習コストやデータ移行の手間が発生する可能性があります。しかし、その程度は限定的であり、明確なスイッチング・コストの高さを示す証拠はありません。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

事業内容から、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果は期待できません。プラットフォーム型ビジネスではなく、個別の受託開発が中心と考えられます。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

提供された情報からは、同社が競合他社と比較して構造的に低いコストでサービスを提供できる優位性があるとは判断できません。価格競争力に関する具体的なデータはありません。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

情報通信業の中でも特定のニッチ市場に特化している可能性はありますが、業界全体に対する規模の経済性や寡占度を示す情報は現時点では不足しています。一定の事業規模は有していると考えられます。

  • 制御・組込分野の専門技術
    日本プロセスは、人や社会の安全に直結する制御・組込システム開発において、長年の経験と実績に裏打ちされた高い技術力を持っています。特に、品質の低下が許されないこれらの分野で競争優位を保っており、顧客からの信頼を得ています。この専門性は、新規参入が難しい領域での安定した事業基盤を築く強みとなっています。
  • ソフトウェアエンジニアリング技術
    同社は「ソフトウェアエンジニアリング技術」として、アウトプット力、プロジェクト管理力、品質管理力、プロセス改善力、開発技術力、人材育成力、顧客接点力の7要素を重視しています。これらの技術を体系的に蓄積し、顧客の多様なニーズに応える高水準なサービス提供を可能にしています。これにより、複雑な大規模案件にも対応できる体制が整っています。
  • 品質管理体制の徹底
    ISO9001認証の取得や、新規大型開発案件に対する受注審査委員会、毎月のプロジェクトレビュー委員会による監視体制など、厳格な品質管理体制を構築しています。これにより、不採算プロジェクトのリスクを低減し、安定した品質のソフトウェアを提供することで、顧客からの信頼と継続的な受注に繋げています。また、見積能力やマネジメント能力を持つ人材の育成にも注力しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 社会インフラDXへの貢献
    日本プロセスは「社会インフラのデジタルトランスフォーメーション(DX)」に注力しています。老朽化が進む社会インフラシステムの保守性・拡張性を高め、サイバーセキュリティを備えた先進的なシステムへの転換を目指しています。IoT、クラウド、AIなどの最新技術を活用し、社会インフラの「セキュア」で「スマート」なプラットフォームへの変革に貢献することで、新たな事業機会を創出する方針です。
  • トータル・ソフトウェア・エンジニアリング・サービスの強化
    中期経営計画では「トータル・ソフトウェア・エンジニアリング・サービス(T-SES)」のレベル向上と注力分野の拡大を基本方針としています。人材育成を通じて新規設計能力、見積能力、マネジメント能力を高め、T-SESの総合力を向上させることで生産性を高めます。これにより、新規設計案件や大規模案件の受注を増やし、事業規模の拡大を目指しています。
  • 累進配当政策と成長目標
    株主還元として累進配当政策を掲げており、直近では7期連続増配を達成しています。中期経営計画(2024年6月~2027年5月)では、2027年5月期に連結売上高120億円以上、連結営業利益12億円以上、ROE8.0%以上を目標としています。この目標達成のため、人材育成による生産性向上、新規設計案件や大規模案件の受注増加、経営効率の改善、資本政策などを推進していく計画です。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは、情報通信技術を応用した新しい価値創造で顧客とともに社会に貢献することを企業理念としております。その理念の下、ソフトウェアによって顧客の製品やシステムの価値を高めることを経営の目標としております。顧客の満足度向上のために、品質・納期・価格・セキュリティの4項目に重点を置き、グループ各社の得意分野を活かして相互に補完しあうことにより、ソフトウェアのライフサイクル全体にわたって信頼できるトータルサービスを提供しております。 また、既存の事業の維持発展だけではなく、当社グループの特色を活かした新たな事業の創生にも注力し、顧客に提供できるサービスの範囲を広げていくように努めてまいります。 これまでに蓄積した「ソフトウェアエンジニアリング技術(注1)」を一歩進め、顧客の多様なニーズに呼応した高い水準のサービスを提供するために、「きめ細かなサービスとは何か」を徹底的に追求してまいります。(注1) 当社の考えるソフトウェアエンジニアリング技術とは次の7要素のことです。アウトプット(ソフトウェア開発の成果)力プロジェクト管理力品質管理力プロセス改善力開発技術力人材育成力顧客接点(コミュニケーション)力 (2)経営戦略及び目標とする経営指標<経営戦略> 当社グループの事業の中心であるソフトウェア開発は、近年その規模が拡大し、それに伴い品質の低下が危惧されております。その中でも特に品質の低下が人や社会の安全に影響を及ぼす制御・組込分野とその土台となるプラットフォーム分野において当社グループは競争優位を保っており、品質に対する使命を果たしてまいりました。 しかし、ソフトウェア開発においては、開発に関係する会社が増えるほど品質が低下する傾向にあります。このことから、当社グループができるだけ広い範囲を受注することが品質に対する使命を果たすことになり、開発効率の向上にもつながると考え、得意分野にリソースを集中し、受注範囲の拡大を目指しております。また、収益改善のため、プロジェクト受注時の審査、プロジェクト管理の徹底により不採算プロジェクトの撲滅と生産性の向上を実現してまいります。技術面でも、主力技術の強化と新規技術の育成に努めてまいります。 <中期経営計画について> 当社は、2024年7月19日付で「ソフトウェアで社会インフラ分野の安全・安心、快適・便利に貢献する」を中期経営ビジョンとする、中期経営計画(2024年6月~2027年5月)を策定いたしました。継続して人材育成を進めることで生産性を高め、新規設計案件や大規模案件の受注を増やすことで、さらなる成長を目指します。合わせて経営効率の目標を設定し、資本政策などを進めてまいります。 中期経営計画の最終年度である2027年5月期時点で、連結売上高120億円以上、連結営業利益12億円以上、ROE8.0%以上を目標といたします。 具体的な内容は以下のとおりです。 ① 事業活動 「トータル・ソフトウェア・エンジニアリング・サービス(T-SES※)のレベルを上げて注力分野を拡大する」を基本方針とし、人材育成による新規設計能力、見積能力、マネージメント能力の向上、T-SESのトータル度向上により生産性を高め、新規設計案件や大規模案件の受注を増やすことで事業規模拡大を目指します。また採用の強化、パートナー企業の拡大により技術者の確保に努めます。 ※T-SES:当社が保有する知見に基づいて、顧客(またはエンドユーザ)を正しい仕様決定に導き、以降一貫して完成まで請け負うこと。(当社の造語) ② 注力事業、注力分野「社会インフラのデジタルトランスフォーメーション(DX)」に注力いたします。高度経済成長期にシステム化が進められた社会インフラは老朽化が進み、長年の延命措置によりソースコードが煩雑化し、改修が困難な状況です。さらにサイバーセキュリティへの対応や、最新のIT技術の適用など、システム自体の変革が求められております。当社では「社会インフラのDX」を、保守性、拡張性が高く、サイバーセキュリティが備わった先進的なシステムへ転換することと考えており、社会インフラの「セキュア」で「スマート」なプラットフォームへの変革に貢献し、IoTやクラウド、AIなどの最新の技術を備えた新たなシステム開発に注力いたします。 ③ 株主還元累進配当政策を進めてまいります。なお、当連結会計年度で7期連続の増配となっております。 (3)経営環境及び優先的に対処すべき課題 情報サービス産業におきましては、業務効率化・生産性向上を目的としたデジタルトランスフォーメーション(DX)や情報通信技術(ICT)への関心は拡大傾向にあります。また、IT技術は産業の垣根を越えて活用領域を広げており、顧客の投資意欲は堅調に推移するものと見込まれます。 一方、このような経済環境の中、需要拡大や労働力人口の減少による人手不足が深刻化しております。また、大規模案件の受注機会が増加しており、安定的な受注体制の構築のため、営業力及び技術力のさらなる強化が求められております。 これらの直面する課題に対処するだけではなく、今後さらなる飛躍に向けた備えをすることも重要な課題であり、以下の取組みを行ってまいります。 ① 営業力の強化と引き合い案件の増加 取引量の多い既存の顧客からの安定受注に加え、それに次ぐ顧客からの受注拡大のネックとなっているリソース(技術者)を確保するために人材の流動化をさらに進めます。また、新規顧客を開拓するために、当社グループの主力技術分野での提案力を強化し、営業体制の強化を図ります。これにより主要取引先の占有リスク回避にもつなげてまいります。 ② 請負化・大規模化の推進 プロジェクト管理支援室によるプロジェクトマネージャ育成プログラムを実施し、プロジェクト管理力を強化することにより請負業務のリスクを軽減し、大規模システムの請負能力を強化します。品質技術委員会により開発プロセスを標準化し、安定した品質と生産性の向上を図ります。また、必要な技術を持つ技術者を流動的にプロジェクトに結集させるために事業部間の連携を強化してまいります。 ③ 生成AIの活用 技術者不足への対応や生産性向上が求められる中、当社グループでは生成AIを活用した開発手法の導入を進めるとともに、人材育成や生成AI活用ノウハウの蓄積を図り、開発効率及び品質の向上に努めてまいります。 ④ コスト競争力の強化 プロジェクト管理の強化により品質と開発効率を向上させると同時に、中国現地法人を活用し原価低減を進めます。また、基幹情報システムにより管理業務を効率化させることで販売費及び一般管理費を削減し、コスト競争力を強化してまいります。 ⑤ 優秀な人材の確保・育成 当社グループの競争力の源泉である人材育成に関しては、これまで同様、社外の人材育成の専門家の協力を得て、最優先事項として取組んでまいります。また、採用活動におきましても、海外を含めた広い視野で実施し、優秀な人材の確保に努めてまいります。 ⑥ パートナー企業の開拓 業界におけるリソース(技術者)不足を解消するために、業務を任せることのできる技術力に優れたパートナー企業を増やしてまいります。また、あわせて必要となる技術者を必要なタイミングで見つける仕組み作りを進めてまいります。 ⑦ グローバル化の推進 今後も増加することが予想されます海外案件につきましては、顧客がグローバル市場で競争優位を保てるよう技術の育成を図り、顧客とともに積極的にグローバル化を推進してまいります。 ⑧ 働き方改革の推進 多種多様な働き方に対応するための在宅勤務制度等の導入や、利便性・生産性を向上するための労働環境の改善を進め、持続的な成長を目指してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは、情報通信技術を応用した新しい価値創造で顧客とともに社会に貢献することを企業理念としております。その理念の下、ソフトウェアによって顧客の製品やシステムの価値を高めることを経営の目標としております。顧客の満足度向上のために、品質・納期・価格・セキュリティの4項目に重点を置き、グループ各社の得意分野を活かして相互に補完しあうことにより、ソフトウェアのライフサイクル全体にわたって信頼できるトータルサービスを提供しております。 また、既存の事業の維持発展だけではなく、当社グループの特色を活かした新たな事業の創生にも注力し、顧客に提供できるサービスの範囲を広げていくように努めてまいります。 これまでに蓄積した「ソフトウェアエンジニアリング技術(注1)」を一歩進め、顧客の多様なニーズに呼応した高い水準のサービスを提供するために、「きめ細かなサービスとは何か」を徹底的に追求してまいります。(注1) 当社の考えるソフトウェアエンジニアリング技術とは次の7要素のことです。アウトプット(ソフトウェア開発の成果)力プロジェクト管理力品質管理力プロセス改善力開発技術力人材育成力顧客接点(コミュニケーション)力 (2)経営戦略及び目標とする経営指標<経営戦略> 当社グループの事業の中心であるソフトウェア開発は、近年その規模が拡大し、それに伴い品質の低下が危惧されております。その中でも特に品質の低下が人や社会の安全に影響を及ぼす制御・組込分野とその土台となるプラットフォーム分野において当社グループは競争優位を保っており、品質に対する使命を果たしてまいりました。 しかし、ソフトウェア開発においては、開発に関係する会社が増えるほど品質が低下する傾向にあります。このことから、当社グループができるだけ広い範囲を受注することが品質に対する使命を果たすことになり、開発効率の向上にもつながると考え、得意分野にリソースを集中し、受注範囲の拡大を目指しております。また、収益改善のため、プロジェクト受注時の審査、プロジェクト管理の徹底により不採算プロジェクトの撲滅と生産性の向上を実現してまいります。技術面でも、主力技術の強化と新規技術の育成に努めてまいります。 <中期経営計画について> 当社は、2024年7月19日付で「ソフトウェアで社会インフラ分野の安全・安心、快適・便利に貢献する」を中期経営ビジョンとする、中期経営計画(2024年6月~2027年5月)を策定いたしました。継続して人材育成を進めることで生産性を高め、新規設計案件や大規模案件の受注を増やすことで、さらなる成長を目指します。合わせて経営効率の目標を設定し、資本政策などを進めてまいります。 中期経営計画の最終年度である2027年5月期時点で、連結売上高120億円以上、連結営業利益12億円以上、ROE8.0%以上を目標といたします。 具体的な内容は以下のとおりです。 ① 事業活動 「トータル・ソフトウェア・エンジニアリング・サービス(T-SES※)のレベルを上げて注力分野を拡大する」を基本方針とし、人材育成による新規設計能力、見積能力、マネージメント能力の向上、T-SESのトータル度向上により生産性を高め、新規設計案件や大規模案件の受注を増やすことで事業規模拡大を目指します。また採用の強化、パートナー企業の拡大により技術者の確保に努めます。 ※T-SES:当社が保有する知見に基づいて、顧客(またはエンドユーザ)を正しい仕様決定に導き、以降一貫して完成まで請け負うこと。(当社の造語) ② 注力事業、注力分野「社会インフラのデジタルトランスフォーメーション(DX)」に注力いたします。高度経済成長期にシステム化が進められた社会インフラは老朽化が進み、長年の延命措置によりソースコードが煩雑化し、改修が困難な状況です。さらにサイバーセキュリティへの対応や、最新のIT技術の適用など、システム自体の変革が求められております。当社では「社会インフラのDX」を、保守性、拡張性が高く、サイバーセキュリティが備わった先進的なシステムへ転換することと考えており、社会インフラの「セキュア」で「スマート」なプラットフォームへの変革に貢献し、IoTやクラウド、AIなどの最新の技術を備えた新たなシステム開発に注力いたします。 ③ 株主還元累進配当政策を進めてまいります。なお、当連結会計年度で7期連続の増配となっております。 (3)経営環境及び優先的に対処すべき課題 情報サービス産業におきましては、業務効率化・生産性向上を目的としたデジタルトランスフォーメーション(DX)や情報通信技術(ICT)への関心は拡大傾向にあります。また、IT技術は産業の垣根を越えて活用領域を広げており、顧客の投資意欲は堅調に推移するものと見込まれます。 一方、このような経済環境の中、需要拡大や労働力人口の減少による人手不足が深刻化しております。また、大規模案件の受注機会が増加しており、安定的な受注体制の構築のため、営業力及び技術力のさらなる強化が求められております。 これらの直面する課題に対処するだけではなく、今後さらなる飛躍に向けた備えをすることも重要な課題であり、以下の取組みを行ってまいります。 ① 営業力の強化と引き合い案件の増加 取引量の多い既存の顧客からの安定受注に加え、それに次ぐ顧客からの受注拡大のネックとなっているリソース(技術者)を確保するために人材の流動化をさらに進めます。また、新規顧客を開拓するために、当社グループの主力技術分野での提案力を強化し、営業体制の強化を図ります。これにより主要取引先の占有リスク回避にもつなげてまいります。 ② 請負化・大規模化の推進 プロジェクト管理支援室によるプロジェクトマネージャ育成プログラムを実施し、プロジェクト管理力を強化することにより請負業務のリスクを軽減し、大規模システムの請負能力を強化します。品質技術委員会により開発プロセスを標準化し、安定した品質と生産性の向上を図ります。また、必要な技術を持つ技術者を流動的にプロジェクトに結集させるために事業部間の連携を強化してまいります。 ③ 生成AIの活用 技術者不足への対応や生産性向上が求められる中、当社グループでは生成AIを活用した開発手法の導入を進めるとともに、人材育成や生成AI活用ノウハウの蓄積を図り、開発効率及び品質の向上に努めてまいります。 ④ コスト競争力の強化 プロジェクト管理の強化により品質と開発効率を向上させると同時に、中国現地法人を活用し原価低減を進めます。また、基幹情報システムにより管理業務を効率化させることで販売費及び一般管理費を削減し、コスト競争力を強化してまいります。 ⑤ 優秀な人材の確保・育成 当社グループの競争力の源泉である人材育成に関しては、これまで同様、社外の人材育成の専門家の協力を得て、最優先事項として取組んでまいります。また、採用活動におきましても、海外を含めた広い視野で実施し、優秀な人材の確保に努めてまいります。 ⑥ パートナー企業の開拓 業界におけるリソース(技術者)不足を解消するために、業務を任せることのできる技術力に優れたパートナー企業を増やしてまいります。また、あわせて必要となる技術者を必要なタイミングで見つける仕組み作りを進めてまいります。 ⑦ グローバル化の推進 今後も増加することが予想されます海外案件につきましては、顧客がグローバル市場で競争優位を保てるよう技術の育成を図り、顧客とともに積極的にグローバル化を推進してまいります。 ⑧ 働き方改革の推進 多種多様な働き方に対応するための在宅勤務制度等の導入や、利便性・生産性を向上するための労働環境の改善を進め、持続的な成長を目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態の状況 当連結会計年度末の資産につきましては14,594百万円となり、前連結会計年度末に比べ120百万円増加しました。流動資産は12,937百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,028百万円増加となりました。固定資産は1,656百万円となり、前連結会計年度末に比べ908百万円減少しました。主な要因は、投資有価証券が有価証券へ振替えられたことや売上債権が増加したことによります。 負債につきましては2,967百万円となり、前連結会計年度末に比べ417百万円減少しました。主な要因は、未払法人税等が減少したことによります。 純資産につきましては、11,626百万円となり、前連結会計年度末に比べ537百万円増加しました。主な要因は、配当金の支払いにより利益剰余金が減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が増加したことによります。 この結果、自己資本比率は79.7%となりました。 ② 経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善するなど緩やかな回復基調が継続しました。一方で、アメリカの通商政策、中東情勢の影響、物価上昇の継続、金融資本市場の変動などが、わが国の景気を下押しするリスクとなっております。 情報サービス産業においては、企業の競争力強化を目的としたAI、IoT、クラウドサービスなどの先端技術の導入が積極的に進められるなど、IT投資ニーズは好調に推移しています。また、業務の効率化や生産性の向上、さらにはデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に向けた取組みも活発化しており、情報通信技術(ICT)の活用意欲も依然として高い水準を維持しています。加えて、自動車業界におけるSDV(Software Defined Vehicle)に象徴されるように、IT技術は産業の垣根を越えて活用領域を広げております。 こうした環境の中、当社は、「ソフトウェアで社会インフラ分野の安全・安心、快適・便利に貢献する」を中期経営ビジョンとする中期経営計画(2024年6月~2027年5月)を策定し、2027年5月期時点で連結売上高120億円以上、連結営業利益12億円以上、ROE8.0%以上を中期経営目標として取組んでおります。 事業活動については、「トータル・ソフトウェア・エンジニアリング・サービス(T-SES)のレベルを上げて注力分野を拡大する」を基本方針とし、人材育成による新規設計能力、見積能力、マネージメント能力の向上や、T-SESのトータル度向上により生産性を高め、新規設計案件や大規模案件の受注を増やすことで事業規模拡大を目指します。なお、人材育成については、各セグメントで事業特性を考慮した目標を設定し、新規設計ができる高度技術者の育成や次世代汎用技術の底上げを進めております。またマネージメント能力の向上を図るため、社内研修の対象を経験の浅い技術者まで拡大し進めております。こうした取り組みの結果、生産性が向上し、大規模案件や新規設計案件の受注が増加したことにより、事業規模が拡大しております。 注力事業、注力分野については、社会インフラのDXへ注力しております。当社が考える社会インフラのDXは、保守性、拡張性が高く、サイバーセキュリティが備わった先進的なシステムへ転換することです。社会インフラの「セキュア」で「スマート」なプラットフォームへの変革に貢献し、IoTやクラウド、AIなどの最新の技術を備えた新たなシステム開発に注力いたします。なお今中計期間では、自動運転/先進運転支援関連、ガバメントクラウドなどのクラウドシステム、航空宇宙・危機管理関連での規模拡大を図っており、2年間で売上高は35.0%増、売上総利益は40.2%増となりました。 持続的成長への施策として、人的投資については4期連続の賃上げを実施し社員への還元と優秀な人材の獲得に向けた採用競争力の維持・強化を図るとともに、事業規模の拡大を見据えた新卒・中途採用の強化も進めております。なお、2026年新卒採用は期首計画のとおり社員の1割程度となりました。また即戦力人材の中途採用も順調に進み、技術者を着実に増やしております。加えて、戦略的な技術習得と社員の自律的なスキルアップに向け、資格取得報奨金制度の拡充の他、全社員が利用できるオンライン学習プラットフォームを導入しております。 また、2025年9月30日付でSCSK株式会社と資本業務提携契約を締結いたしました。両社の強みを融合・連携させることで自動車システムを始めとする産業分野において、強固な競争力を築いてまいります。 この結果、売上高は12,119百万円(前年同期比15.7%増)、利益面においては、売上高が増加したことに加え、費用は当初計画のとおり推移したことにより営業利益は1,509百万円(前年同期比31.8%増)、経常利益は前期に発生した保険解約返戻金の剥落などにより1,525百万円(前年同期比19.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は前期に発生した投資有価証券売却益の剥落などにより1,138百万円(前年同期比23.0%減)、ROEは10.0%となり、売上高、営業利益は5期連続、経常利益は8期連続で上場来最高を更新しました。これにより、中期経営目標として掲げた連結売上高120億円以上、連結営業利益12億円以上、ROE8.0%以上を1年前倒しで達成しております。 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。(単位:百万円)セグメント売上高セグメント利益前期当期増減額前年同期比前期当期増減額前年同期比制御システム1,7051,94523914.0%4034878420.9%自動車システム2,4072,6322249.3%602649477.8%特定情報システム1,7932,01322012.3%495523275.6%組込システム1,4761,83836224.6%26737110338.9%産業・ICTソリューション3,0893,68959919.4%59676416828.2%合計10,47312,1191,64615.7%2,3642,79643118.3% (制御システム) 制御システムでは、電力グリッドは開発規模拡大により順調に推移しました。東京圏輸送管理システムは前期より開始した大型開発案件により売上利益とも好調に推移しました。在来線は更新案件を受注したことで堅調に推移し、新幹線の運行管理システムは開発案件の切れ目により減少しました。 この結果、売上高は1,945百万円(前年同期比14.0%増)、セグメント利益は487百万円(前年同期比20.9%増)となりました。 (自動車システム) 自動車システムでは、自動運転/先進運転支援関連は複数の車種一括受注により新規案件の獲得や担当範囲を拡大するなど売上は堅調に推移しました。車載情報関連は新たな案件を獲得するなど好調に推移し、電動化関連は開発規模縮小に伴い減少しました。 この結果、売上高は2,632百万円(前年同期比9.3%増)、セグメント利益は649百万円(前年同期比7.8%増)となりました。 (特定情報システム) 特定情報システムでは、危機管理関連は開発量の増加により体制を拡大したことで好調に推移し、航空宇宙関連は新たな案件の獲得により堅調に推移しました。衛星画像関連は一部開発が終了したことで売上利益ともに減少しました。 この結果、売上高は2,013百万円(前年同期比12.3%増)、セグメント利益は523百万円(前年同期比5.6%増)となりました。 (組込システム) 組込システムでは、ストレージデバイス開発は半導体市場の回復を背景に体制を拡大させたことで好調に推移しました。IoT建設機械関連は新たな案件の獲得や既存案件で開発量が増加したことで好調に推移しました。 この結果、売上高は1,838百万円(前年同期比24.6%増)、セグメント利益は371百万円(前年同期比38.9%増)となりました。(産業・ICTソリューション) 産業・ICTソリューションでは、クラウドシステムはガバメント向け開発の受注量が増加したことで売上利益とも順調に推移し、システム構築は前期から開始した開発案件で体制を拡大したことで好調に推移しました。IoTクラウドは一部開発が終了したことで売上利益ともに減少しました。社会インフラ関連の駅務機器開発は更新案件の受注やシンクライアント対応などで体制を拡大したことで好調に推移しました。 この結果、売上高は3,689百万円(前年同期比19.4%増)、セグメント利益は764百万円(前年同期比28.2%増)となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ21百万円減少し、5,642百万円(前年同期比0.4%減)となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果獲得した資金は、191百万円(前年同期は498百万円の獲得)となりました。当連結会計年度においては、主に税金等調整前当期純利益によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果獲得した資金は、425百万円(前年同期は1,030百万円の獲得)となりました。当連結会計年度においては、主に有価証券の償還によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は、665百万円(前年同期は444百万円の使用)となりました。当連結会計年度においては、配当金の支払いを行ったことによるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)制御システム1,457,702+11.9自動車システム1,982,702+9.8特定情報システム1,490,841+14.9組込システム1,467,734+21.4産業・ICTソリューション2,924,443+17.3合計9,323,424+15.0(注)金額は製造原価によっております。 b.受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)制御システム1,862,712+2.0215,100△27.7自動車システム2,586,318+2.8467,140△8.9特定情報システム2,202,121+16.9573,454+48.8組込システム1,856,027+21.5270,182+6.8産業・ICTソリューション3,893,431+19.9758,080+36.8合計12,400,612+12.72,283,959+14.0 c.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)制御システム1,945,212+14.0自動車システム2,632,044+9.3特定情報システム2,013,953+12.3組込システム1,838,829+24.6産業・ICTソリューション3,689,399+19.4合計12,119,440+15.7(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)株式会社日立製作所3,093,03629.53,515,61529.0Astemo株式会社1,364,20013.01,325,14010.9 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。① 重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。なお、この連結財務諸表の作成に当たりましては、「第5 経理の状況」に記載のとおりであります。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容イ)経営成績等の状況 売上高は、組込システムのストレージデバイス開発で体制を拡大するなど、全セグメントが好調に推移したことで、前連結会計年度に比べ1,646百万円増加し、12,119百万円(前年同期比15.7%増)となりました。 営業利益は、売上が増加したことに加え、賃上げや新卒・中途採用の強化、技術者育成教育の拡充などを計画通り実施する一方で、サービス価値向上による採算性の改善、プロジェクト管理の強化による不採算プロジェクトの最小化、適正な経費執行などにより、前連結会計年度に比べ364百万円増加し、1,509百万円(前年同期比31.8%増)となりました。 経常利益は、営業利益の増加や前期に発生した保険解約返戻金の剥落などにより、前連結会計年度に比べ243百万円増加し、1,525百万円(前年同期比19.0%増)となりました。 親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に発生した投資有価証券売却益の剥落などにより、1,138百万円(前年同期比23.0%減)となりました。 なお、セグメントごとの業績につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」に記載のとおりであります。 当社は、「ソフトウェアで社会インフラ分野の安全・安心、快適・便利に貢献する」を中期経営ビジョンとする中期経営計画(2024年6月~2027年5月)に基づき、2027年5月期時点で連結売上高120億円以上、連結営業利益12億円以上、ROE8.0%以上を中期経営目標として取組んでまいりました。中計2年目となる当期は、期首計画に対して、売上高は5.4%増、営業利益は19.8%増と好調に推移し、ROEについては10.0%となりました。また、人材育成については、各セグメントで事業特性を考慮した新規設計ができる高度技術者の育成や、次世代汎用技術の底上げ、マネージメント能力向上のための教育を経験の浅い技術者まで対象に拡大するなど、人材育成も着実に進んでおります。この結果、中期経営計画で掲げた目標を1年前倒しで達成しております。なお、株主還元につきましては、累進配当政策に基づき7期連続の増配を実施しております。 ロ)資本の財源及び資金の流動性についての分析(a)キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概況 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。(b)資金需要 当社グループの営業活動において必要な資金は、主にソフトウェアの開発・運用・保守業務を行うための運転資金(主に人件費・外注費等)と事業活動を維持していくための管理費、継続的な発展を実現するための人材投資(採用・教育費等)が主になります。また投資活動においては、事業シナジーを意図した投資有価証券の取得や、余剰資金を有効活用するための債券投資が主になります。今後も持続的な成長を目指し、人材投資と事業シナジーを意図した投資を進めていく予定であります。(c)財政政策 当社グループでは、営業活動及び投資活動ともに内部資金を充当しており、有利子負債による調達は行っておりません。なお、当社グループでは、資本効率の向上と持続的な企業価値創造を目指し、自己株式の取得・保有・消却の基本方針を以下のとおり定め、取り組んでおります。i)自己株式の取得に係る基本方針・当社は、株主に対する利益還元を経営の重要政策と位置付けており、安定的な配当の継続と連結配当性向66%の目標に加え、自己株式取得による利益還元も弾力的に実施していきます。・当社は、資本効率の向上を図るため、自己株式の取得を進めていきます。 ⅱ)自己株式の保有・消却に係る基本方針・当社は、M&A戦略(M&Aや業務資本提携等)を実施するため、一定の自己株式を保有します。・当社は、役職員と共に持続的な企業価値創造を実現していくため、その動機付けの原資として一定の自己株式を保有します。・当社は、株主の自己株式処分による希薄化の懸念を少しでも払拭できるよう、自己株式の保有については、発行済株式総数の10%程度を上限とし、それを超過する部分は、原則として毎期消却します。 ハ)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。なお、連結財務諸表の作成に当たり採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。 連結財務諸表を作成するにあたっては、重要な会計方針に関する見積り及び判断を行っており、これらの見積りは、過去の実績等を慎重に検討した上で継続的に評価を行い、必要に応じて見直しを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性によって異なる場合があります。

事業リスク

  • 主要取引先への依存リスク
    日本プロセスの売上高の約4割が上位2社の主要取引先に集中しています。特定の業種や顧客との強い関係は強みである一方で、経済情勢の変化や顧客の事業運営に影響が出た場合、顧客の方針や開発計画の変更により、日本プロセスの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。既存顧客での新規分野獲得や新規顧客開拓でリスク軽減を図っています。
  • 不採算プロジェクト発生リスク
    システム開発における「一括請負」方式では、見積もり工数と実際の開発コストの差が利益となります。見積もり以上に開発コストがかかった場合や、顧客の要件変更など不測の事態が発生した場合、プロジェクトが採算を割る可能性があります。新規大型案件の受注審査委員会やプロジェクトレビュー委員会による監視、ISO9001認証取得などでリスク管理を強化しています。
  • 人材確保・育成リスク
    システム開発事業は優秀な人材の確保が不可欠であり、採用計画を下回る場合や従業員の離職が多い場合、またパートナー企業との連携が不十分な場合、業績に影響が出る可能性があります。特に制御・組込系システム開発の技術者育成には時間がかかるため、計画的な採用と育成、働きやすい環境整備、パートナー企業の開拓、中国現地法人の活用などでリスク軽減を図っています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,703 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)主要取引先の占有率及び状況変化リスク 当社グループの主要取引先は上位2社で売上高の39.9%を占めております。これら特定の業種、顧客との強い関係は強みである反面、経済情勢などの変化により顧客の事業運営が影響を受け、顧客の方針、開発計画等が変更を余儀なくされた場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、既存顧客での新規分野の獲得、新規顧客の開拓に取組むことでリスクの軽減を図っております。 (2)不採算プロジェクトのリスク システム開発事業における受注形態の一つである「一括請負」は、見積工数や製品価値を考慮して価格を決定する方式です。したがって、実際にかかる開発コストとの差が利益となります。逆に見積価格以上に開発コストがかかる場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。また、顧客の要件変更等不測の事態で採算を割る案件が発生するリスクがあります。 当社グループでは、新規の大型開発案件につきましては、受注審査委員会が規模、新規性(顧客、技術、業務分野、担当者)を事前にチェックし、委員長が受注の決裁を行っております。その後も、毎月プロジェクト状況を報告し、プロジェクトレビュー委員会が監視しております。また当社では、ISO9001の認証を取得し品質管理の徹底を図るとともに、見積能力及びマネージメント能力を備えた人材の育成を進めております。 (3)投資活動におけるリスク 当社グループが保有する有価証券等の当連結会計年度末における連結貸借対照表計上額は有価証券1,549百万円及び投資有価証券649百万円であります。市場価格の変動や評価額の変動により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、安全性の高い金融資産に限定して運用しております。有価証券及び投資有価証券は、主に満期保有目的の債券及び取引先企業との業務又は資本提携等に関連する株式であり、定期的に時価や発行体(取引先企業)の財務状況等を把握し、また、満期保有目的の債券以外のものについては、市況や取引先企業との関係を勘案して保有状況を継続的に見直しております。なお、重要な投資案件については、投資審査諮問委員会へ諮問し、答申を受けた上で、取締役会で決定しております。 (4)情報セキュリティに関するリスク 当社グループでは業務遂行のために顧客の機密情報を取り扱う場合があります。サイバー攻撃などの不測の事態によりこれらの機密情報が外部に漏洩した場合、損害賠償や信用低下などにより、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは情報システム・セキュリティ管理委員会で情報の取り扱いに関する規程作成や社員教育の徹底を図っております。なお、セキュリティ向上を目的としたサービス導入も進めております。また、個人情報に関してはプライバシーマークを取得し、個人情報保護マネジメントシステムを整備・運用・改善することで、情報セキュリティの強化に努めております。 (5)社員の不正行為や不法行為のリスク 社員による悪意をもった経済的損失行為、インターネットを使った不用意な信用失墜行為、ルールの異なる顧客での重大な過誤による損害賠償などにより、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは経営理念や行動規範の浸透などを通して倫理観の高い社員の育成を図ると同時に、内部統制の強化や経営監査室による内部監査などにより不正行為や不法行為を未然に防ぐ取り組みを行っております。 (6)人材確保のリスク 当社グループの中心事業でありますシステム開発は、優秀な人材の確保が不可欠であり、採用が計画を大きく下回る場合や多数の従業員が離職した場合、パートナー企業と適宜・適切に連携できない場合は、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループのコアコンピタンスである制御・組込系システム開発の技術者育成には時間を要するため、計画的な人材採用と人材育成を行うとともに、働きやすい環境や制度などへの投資も積極的に行うこととしております。また、パートナー企業の開拓を進めるとともに、中国現地法人についても活用してまいります。 (7)技術革新のリスク 当社グループの事業は情報通信関連の技術が中心です。これらの技術分野は技術の進化する速度が非常に速く、その幅も非常に広いのが特色であります。革新的な技術の出現や開発手法の変化が起こった場合、その対応に時間や費用を要することにより、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。また、近年急速に発展している生成AIについては、その活用や顧客ニーズの変化への対応が求められております。 当社グループでは調査・研究活動を通して必要とする技術の選択、習得に努めております。また、各事業部において生成AIの活用に関する検討を進めることで、生成AIを活用した開発手法への対応に努めております。 (8)カントリーリスク 当社グループでは中国の現地法人が事業を行っており、当該国における政情の悪化、経済状況の変化、法律や税制の変更などのカントリーリスクにより当社グループの事業戦略や業績等に影響を及ぼす可能性があります。 当社取締役が現地法人の役員を兼務し情報交換を密にすることで、打ち手を早める体制を構築しております。 (9)大規模災害等のリスク 当社グループは東京を中心とした関東地区に事業所が集中しており、この地域で大規模地震やパンデミックなどが発生した場合は業務の停止や縮小などにより、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループではサーバーの分散管理や在宅勤務制度を導入することで、災害時でも事業を継続できる体制を整えるとともに、安否確認システムを導入し、社員及び家族の健康と安全の確保に努めております。また、顧客に安定したサービスを継続的に提供することを阻害するリスクが発生する場合には、代表取締役社長を本部長とする「緊急対策本部」を設置し、リスク低減、対策の検討とその実施を統括的に進める体制としております。

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