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さくらケーシーエス(4761)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • 総合情報サービス提供
    さくらケーシーエスは、金融機関、地方公共団体、一般企業向けに、システムの企画から構築、機器販売、運用管理まで一貫した情報サービスを提供しています。顧客の多様なニーズに応え、ITに関するあらゆる課題を解決するビジネスモデルです。
  • システム構築が主力
    アプリケーションソフトウェアの開発やパッケージソフトの販売など、システム構築が主要な収益源です。金融、公共、製造・流通・サービスといった幅広い業界の顧客に対し、オーダーメイドのシステムを提供し、企業のデジタル化を支援しています。
  • 運用管理と機器販売も展開
    データセンターを活用したクラウドサービスやBPOサービス、ハウジングサービスといったシステム運用管理も手掛けています。また、各種コンピューター機器や周辺機器の販売も行い、顧客の情報システム環境をトータルでサポートしています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 金融関連部門
    金融機関向けのシステム構築や運用管理サービスを提供しており、売上高69.76億円、営業利益15.74億円と高い収益性を誇ります。SMBCグループとの取引が中心であり、金融業界特有の高度なニーズに応える専門性が強みです。
  • 公共関連部門
    地方公共団体向けのシステム構築や運用管理を手掛けており、売上高68.98億円、営業利益11.42億円を計上しています。公共分野の安定した需要を背景に、地域社会のデジタル化を支援する重要な役割を担っています。
  • 産業関連部門
    一般事業法人向けに幅広い情報サービスを提供しており、売上高86.61億円、営業利益16.86億円と最も大きな売上と利益を上げています。製造業や流通業など多様な業界の企業に対し、業務効率化や競争力強化に貢献するソリューションを提供しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
FinanceRelated 事業 70 16 22.6%
PublicRelated 事業 69 11 16.6%
IndustryRelated 地域 87 17 19.5%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,639 文字
3 【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、その他の関係会社2社、連結子会社1社で構成されております。当社及び連結子会社(以下、「当企業集団」という。)は、組織上の事業部門「金融関連部門」、「公共関連部門」及び「産業関連部門」の3つを報告セグメントとしております。「金融関連部門」は金融機関向け、「公共関連部門」は地方公共団体向け、「産業関連部門」は一般事業法人向けのお客さまを対象としており、お客さまのさまざまな情報化ニーズに対して、その企画段階からシステム構築、システム機器販売、システム運用管理まで、総合的な情報サービスを提供しております。また、当企業集団は、その他の関係会社である株式会社三井住友フィナンシャルグループ及び同社のグループ会社(以下、「SMBCグループ」という。)において、総合情報サービス会社と位置付けられ、SMBCグループとは、営業取引以外にも資金取引などがあり、緊密な関係にあります。 当企業集団は、次の品目に関係する事業を行っております。 (注) 当企業集団は、情報サービスの総合的な提供を事業内容としており、各セグメントとも同一の事業内容でありますので、事業の内容として品目別に区分して開示しております。 (1) 情報サービス① システム構築当企業集団の主力品目であり、さまざまな業種(金融、公共、製造・流通・サービスなど)のお客さまに対し、アプリケーション・ソフトウェアの受託開発、パッケージソフトの開発・販売、技術者派遣などを行っております。なお、主要取引先は、SMBCグループ、富士通グループ、金融機関、地方公共団体及び一般事業法人であります。 ② システム運用管理クラウドサービスやBPOサービス(*1)、ハウジングサービス(*2)などのデータセンターサービスに加え、データ入力、印刷などを含めたアウトソーシング事業を行っております。なお、主要取引先は、SMBCグループ、金融機関、地方公共団体及び一般事業法人であります。 ③ その他の情報サービスシステム基盤やネットワーク環境などのデジタル基盤に関する設計・構築等のほか、有料職業紹介を行っております。また、上記①、②及び下記(2)の取引先などに対し、コンピューター保守業務などを行っております。 (2) システム機器販売各種コンピューター機器の選定・販売や関連する周辺機器・備品等の販売を行っております。主要仕入先は、富士通Japan株式会社であり、主要販売先は、SMBCグループ、金融機関、地方公共団体及び一般事業法人であります。 *1 「BPOサービス」とは、Business Process Outsourcingサービスの略で、単なる情報システムのアウトソーシングではなく、お客さまの業務についてその企画・運営から人材の確保まで、一貫して請け負うサービスのことであります。*2 「ハウジングサービス」とは、ユーザーの通信機器や情報発信用のコンピューター(サーバー)を、回線設備の整った事業者の施設に設置するサービスのことであります。 事業の系統図は次のとおりであります。 (注) 1 ㈱三井住友フィナンシャルグループ及び㈱三井住友銀行は、当社のその他の関係会社であります。2 ㈱三井住友銀行及び㈱日本総合研究所は、㈱三井住友フィナンシャルグループの連結子会社であります。3 三井住友ファイナンス&リース㈱及び富士通Japan㈱は、当社の法人主要株主であります。4 ㈱KCSソリューションズは、当社の連結子会社であります。5 ㈱三井住友フィナンシャルグループ、㈱三井住友銀行及び㈱日本総合研究所とは、主に金融関連部門が取引を行っております。6 三井住友ファイナンス&リース㈱とのリース取引については、金融関連部門、公共関連部門、産業関連部門が取引を行っております。7 富士通Japan㈱とは、金融関連部門、公共関連部門、産業関連部門が取引を行っております。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
特定の取引先への依存度が高い一方で、専門的な情報サービスを提供しているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
情報セキュリティに関する国際規格認証やITサービスマネジメントシステムに関する国際規格認証を取得。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:情報セキュリティに関するリスク / 環境変化に伴うお客さまの情報化投資動向に関するリスク / 特定の取引先の動向に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

さくらケーシーエスは、特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的な知的財産権によって裏付けられた無形資産の明確な優位性を示唆する情報は現時点では確認できません。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

金融機関向けシステム開発・保守で長年の実績があり、顧客との間に一定の関係性を築いていると考えられる。しかし、顧客が他社へ移行する際の具体的なコストやリスクに関する情報は乏しく、スイッチング・コストの強度は限定的と推測される。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の事業モデルは、ユーザー数の増加がサービス価値を直接的に高めるネットワーク効果を生み出す構造にはないため、ネットワーク効果による競争優位性は見られない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

ITサービス業界全体として、価格競争は存在するものの、さくらケーシーエスが構造的に他社よりも大幅に低いコストでサービスを提供できるという明確な証拠は確認できない。効率化努力は行われていると推測される。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

ITサービス業界は競争が激しいが、さくらケーシーエスが特定のニッチ市場で規模の経済を活かした優位性を確立している兆候は限定的。業界全体で見ると、大手ITベンダーと比較して規模の面で劣後する可能性がある。

  • SMBCグループとの強固な関係
    三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)を主要な取引先とし、営業取引だけでなく資金取引においても緊密な関係を築いています。これにより、安定した事業基盤と大規模案件の獲得機会が確保されており、経営の安定性に寄与しています。
  • 幅広い顧客基盤と総合力
    金融機関、地方公共団体、一般事業法人と多岐にわたる顧客層を持ち、企画から運用まで総合的な情報サービスを提供できる点が強みです。特定の業界に依存せず、多様な顧客の情報化ニーズに対応することで、事業の安定性と成長性を高めています。
  • 高度な情報セキュリティ体制
    個人情報や機密情報を扱う情報サービスにおいて、情報セキュリティ委員会による管理体制強化やプライバシーマーク、ISO/IEC 27001などの国際認証を取得しています。これにより、顧客からの信頼を獲得し、安心してサービスを提供できる体制が整っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当企業集団の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業集団が判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社は、不断に変化する事業環境に的確に対応し、ステークホルダーの視点から当社としての企業経営のあり方を明確にするため、次の「経営理念」を掲げております。・ IT価値を提供することにより、社会・お客さまの発展に貢献する。 (社会・お客さまの信用)・ 変化に対応できる強靭な企業体質を構築し、企業価値の向上を図る。 (会社の繁栄)・ 個人価値を自ら向上させ、組織貢献できる社員に活躍の場を提供する。(社員の成長) (2) 経営環境今後のわが国経済の見通しにつきましては、緩やかな回復基調を維持する一方、人口減少や物価上昇、海外景気の不透明感などの影響により、成長ペースは限定的な水準にとどまる見通しです。情報サービス産業におきましては、企業におけるDX推進ニーズやAI、セキュリティ関連分野への投資拡大を背景として、中長期的には堅調な成長が見込まれます。一方で、IT人材不足やAIの急速な進化、サイバー攻撃リスクの深刻化など、事業環境の変化も著しく、不確実性は一段と高まることが見込まれます。 (3) 中長期的な会社の経営戦略当企業集団は、中期経営計画(2023年4月1日~2026年3月31日)(以下、「現計画」という。)において、「情報セキュリティが確保され続けることを前提とした上で、収益力の大幅な飛躍とその利益を源泉とした投資サイクルの確立により、サステナブルな成長を目指す」ことを基本方針とし、経営基盤の強化に取り組んでまいりました。現計画については、2024年度までに計数計画並びに主要な施策の多くが想定していた水準を達成していることから、2025年度は次のステージを意識した「次期中期経営計画への繋ぎ、布石の1年」と位置づけ、以下の「成長施策」に取り組んでまいりました。 主要な取組みと成果は以下のとおりであります。 ① 収益性の高いビジネスへのリソース投入当面成長が見込まれる「SAPビジネス」に積極的にリソース投入を行い、ビジネス拡大に向けた人材の育成を進めてまいりました。加えて、ビジネスポートフォリオの再構築に向けて「成長・拡大が見込まれるビジネス」を見極め、2026年4月より開始する新中期経営計画(2026年4月1日~2029年3月31日)(以下、「新計画」という。)における「ポートフォリオ変革」の方針を明確にするとともに、今後ビジネス間の要員・リソースシフトを円滑に進めるための「ローテーション」制度、全ビジネスに共通する基礎スキル教育の充実などの体制整備を図ってまいりました。 ② 優秀な人材の確保と育成業績への貢献度と持続的成長に資する変革へのチャレンジ行動の成果に基づく公正な評価・処遇への転換を進めるとともに、2年連続約5%のベースアップを実施いたしました。また、SAPコンサルタントや高度セキュリティ人材を計画的に育成するための専門研修や資格取得支援制度の拡充などの教育投資を強化し、持続的成長を支えるプロフェッショナル人材の育成を着実に進めてまいりました。また、AI活用に関する実践事例を全社で共有するイベントや、部門や職種を超えた社員の交流イベントを多く開催することで、各分野での知見が共有され、社員一人ひとりが自ら学び成長する風土の醸成に取り組んでまいりました。 ③ ものづくり力強化金融機関向け決算システムや自治体向け公害補償システム、民間企業向け販売管理システムなどの自社ソリューション開発を2024年度に開発した開発標準プラットフォームで行うことにより、システム品質とセキュリティを確保した商品開発を進めてまいりました。また、システム開発における生成AI活用(AI駆動開発(※1))に向けた研究開発に取り組み、新たな商品開発に採用するなど、飛躍的な生産性と品質の向上を実現する技術基盤の確立を進めております。 ※1 「AI駆動開発」とは、AIを活用し、要件定義から設計・実装・テストまでを自動化し、ソフト開発の生産性と品質を高める手法を指します。 (4) 目標とする経営指標及び経営目標当企業集団では、現計画の推進にあたり、到達点を明確にするために経営指標及び経営目標を設定しております。現計画では、経営指標としては、株主価値及び資本効率重視の観点から「自己資本利益率(ROE)」及び安定配当の基本方針を堅持しつつ株主の皆さまへの還元方針の目安となる「配当性向」を重視してまいりました。経営目標としては、当社事業の根幹を支える情報セキュリティの強化に加え、女性活躍の推進や社員満足度の向上を掲げ、サステナブルな成長を目指してまいりました。最終実績は以下のとおりであります。 項 目計画終了時点の目標計画終了時点の実績(2026年3月期)経営指標①ROE3.5%~4.0%6.0%②配当性向(連結)30~40%を目安とした安定配当50.3%経営目標①情報セキュリティ及びサイバーセキュリティインシデント発生件数0件0件②連結売上高セキュリティ投資比率0.5%以上0.7%③部長級に占める女性の割合10%以上8.3%④社員向け職場アンケートにおける社員満足度の向上-2023年度比 3.5%向上 (5) 会社の対処すべき課題「(2) 経営環境」に記載しております事業環境下、当企業集団は、事業収益を成長分野と人的投資に積極活用することによって持続的な成長を実現し、企業価値を向上させることを重要な経営課題と位置付け、「2035年にめざす姿」を以下のとおり設定いたしました。 2026年度から2028年度までの3年間にわたって取り組む新計画では、2031年度のROE8.0%達成を目安として、100億円規模の積極的な成長投資を行い、さらなる収益力の拡大を図るとともに、より株価水準を意識した経営を行うことにより、企業価値を向上させ、株価純資産倍率(PBR)1倍以上への引き上げに取り組んでまいります。 また、新計画は2035年にめざす姿の実現に向け、AI利活用によるビジネスモデルの変革を前提とした事業ポートフォリオの変革と、人的資本経営の進化に挑む3カ年と位置付けております。これを踏まえ、新計画期間は、下記の4つの基本戦略とサステナビリティ基本方針を軸に、経営指標の達成に取り組んでまいります。 ① 事業戦略:ポートフォリオ変革当社の強みを生かせる分野に経営資源を集中投下し、成長領域へのシフトと収益性の高い事業ポートフォリオへの転換を進めます。具体的には、SMBCグループ向けビジネスの着実な成長を下支えとして、高収益が期待できる「ソリューションビジネス」「セキュリティ・デジタル基盤ビジネス」への積極的な投資とリソースシフトを推進いたします。 ② 人材戦略:人的資本経営の進化事業戦略を実現する源泉として人材を位置づけ、多様な人材の採用・育成・リスキリングを通じて、一人ひとりの付加価値と組織全体の生産性向上を図ります。個人や会社の成長・変革にチャレンジする人が集まり、育ち、定着する環境・制度の充実を目指してまいります。 ③ 投資・財務戦略:企業価値向上の実現成長投資と株主還元のバランスを取りつつ、資本コストを意識した投資判断と財務運営により、ROEの着実な向上を目指し、その結果としてPBRの改善も図ってまいります。また、株主還元を重要な経営課題として認識し、株主資本配当率(DOE)を重視した「高水準かつ安定的な配当」を積極的に推進いたします。 ④ AX戦略:AI利活用AIの利活用を推進し、その実践知の蓄積・共有を繰り返すことにより、「事業における戦略的利活用」や「全社の生産性向上」を追求してまいります。具体的には、システム開発における「開発プロセスの抜本的変革」「新たな価値の創造」や、AIとの共創による「営業効率向上」「営業力強化」、社内事務作業などの「間接業務の生産性向上」等を目指してまいります。 なお、新計画の推進にあたり、到達点を明確にするための経営指標は以下のとおりであります。これらの経営指標及び経営目標の進捗管理を通じて、新計画の達成を目指してまいります。 ① 財務目標(単位:百万円) 現計画新計画2025年度(2026年3月期)2026年度(2027年3月期)2028年度(2029年3月期)実績計画計画25年度比売上高23,79025,70028,000CAGR 5.6%営業利益1,4041,4201,900CAGR 10.6%営業利益率5.9%5.5%6.8%+0.9pt経常利益1,6051,6202,100CAGR 9.4%親会社株主に帰属する当期純利益1,2241,2301,440CAGR 5.6%ROE6.0%5.8%6.4%+0.4pt (注)CAGR:新計画期間中(3年間)の年平均成長率 項目計画終了時点の目標備考① DOEを指標とした株主還元3.5~4.0%DOEを指標とし、高水準かつ安定的な配当② 戦略的成長投資3年間で100億円キャッシュ・アロケーション方針に基づく、積極投資を実施 ② 非財務目標 項目計画終了時点の目標備考①〔人材への投資〕一人当たり年間教育・研修投資年間12万円以上売上高比率「0.6%以上」を目安とし、継続的な投資を実施②〔多様性の受容と活躍〕従業員アンケートにおけるエンゲージメントスコア年1回以上、従業員アンケートを実施結果を施策反映人材戦略における従業員の成長に資する取組みを通じて、従業員エンゲージメントの向上を図る③〔多様性の受容と活躍〕男性育児休暇取得率100%「女性活躍推進法」に基づく一般事業主行動計画に則した取得支援を実施④〔多様性の受容と活躍〕管理職に占める女性の割合10%以上「女性活躍推進法」に基づく一般事業主行動計画に則したキャリア支援を実施⑤〔セキュリティリスク対応〕連結売上高セキュリティ投資比率0.5%以上の水準維持「(一社)日本サイバーセキュリティ・イノベーション委員会」が推奨する大企業向けの指標値である「0.5%以上」を目安とし、継続的な投資を実施
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当企業集団の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業集団が判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社は、不断に変化する事業環境に的確に対応し、ステークホルダーの視点から当社としての企業経営のあり方を明確にするため、次の「経営理念」を掲げております。・ IT価値を提供することにより、社会・お客さまの発展に貢献する。 (社会・お客さまの信用)・ 変化に対応できる強靭な企業体質を構築し、企業価値の向上を図る。 (会社の繁栄)・ 個人価値を自ら向上させ、組織貢献できる社員に活躍の場を提供する。(社員の成長) (2) 経営環境今後のわが国経済の見通しにつきましては、緩やかな回復基調を維持する一方、人口減少や物価上昇、海外景気の不透明感などの影響により、成長ペースは限定的な水準にとどまる見通しです。情報サービス産業におきましては、企業におけるDX推進ニーズやAI、セキュリティ関連分野への投資拡大を背景として、中長期的には堅調な成長が見込まれます。一方で、IT人材不足やAIの急速な進化、サイバー攻撃リスクの深刻化など、事業環境の変化も著しく、不確実性は一段と高まることが見込まれます。 (3) 中長期的な会社の経営戦略当企業集団は、中期経営計画(2023年4月1日~2026年3月31日)(以下、「現計画」という。)において、「情報セキュリティが確保され続けることを前提とした上で、収益力の大幅な飛躍とその利益を源泉とした投資サイクルの確立により、サステナブルな成長を目指す」ことを基本方針とし、経営基盤の強化に取り組んでまいりました。現計画については、2024年度までに計数計画並びに主要な施策の多くが想定していた水準を達成していることから、2025年度は次のステージを意識した「次期中期経営計画への繋ぎ、布石の1年」と位置づけ、以下の「成長施策」に取り組んでまいりました。 主要な取組みと成果は以下のとおりであります。 ① 収益性の高いビジネスへのリソース投入当面成長が見込まれる「SAPビジネス」に積極的にリソース投入を行い、ビジネス拡大に向けた人材の育成を進めてまいりました。加えて、ビジネスポートフォリオの再構築に向けて「成長・拡大が見込まれるビジネス」を見極め、2026年4月より開始する新中期経営計画(2026年4月1日~2029年3月31日)(以下、「新計画」という。)における「ポートフォリオ変革」の方針を明確にするとともに、今後ビジネス間の要員・リソースシフトを円滑に進めるための「ローテーション」制度、全ビジネスに共通する基礎スキル教育の充実などの体制整備を図ってまいりました。 ② 優秀な人材の確保と育成業績への貢献度と持続的成長に資する変革へのチャレンジ行動の成果に基づく公正な評価・処遇への転換を進めるとともに、2年連続約5%のベースアップを実施いたしました。また、SAPコンサルタントや高度セキュリティ人材を計画的に育成するための専門研修や資格取得支援制度の拡充などの教育投資を強化し、持続的成長を支えるプロフェッショナル人材の育成を着実に進めてまいりました。また、AI活用に関する実践事例を全社で共有するイベントや、部門や職種を超えた社員の交流イベントを多く開催することで、各分野での知見が共有され、社員一人ひとりが自ら学び成長する風土の醸成に取り組んでまいりました。 ③ ものづくり力強化金融機関向け決算システムや自治体向け公害補償システム、民間企業向け販売管理システムなどの自社ソリューション開発を2024年度に開発した開発標準プラットフォームで行うことにより、システム品質とセキュリティを確保した商品開発を進めてまいりました。また、システム開発における生成AI活用(AI駆動開発(※1))に向けた研究開発に取り組み、新たな商品開発に採用するなど、飛躍的な生産性と品質の向上を実現する技術基盤の確立を進めております。 ※1 「AI駆動開発」とは、AIを活用し、要件定義から設計・実装・テストまでを自動化し、ソフト開発の生産性と品質を高める手法を指します。 (4) 目標とする経営指標及び経営目標当企業集団では、現計画の推進にあたり、到達点を明確にするために経営指標及び経営目標を設定しております。現計画では、経営指標としては、株主価値及び資本効率重視の観点から「自己資本利益率(ROE)」及び安定配当の基本方針を堅持しつつ株主の皆さまへの還元方針の目安となる「配当性向」を重視してまいりました。経営目標としては、当社事業の根幹を支える情報セキュリティの強化に加え、女性活躍の推進や社員満足度の向上を掲げ、サステナブルな成長を目指してまいりました。最終実績は以下のとおりであります。 項 目計画終了時点の目標計画終了時点の実績(2026年3月期)経営指標①ROE3.5%~4.0%6.0%②配当性向(連結)30~40%を目安とした安定配当50.3%経営目標①情報セキュリティ及びサイバーセキュリティインシデント発生件数0件0件②連結売上高セキュリティ投資比率0.5%以上0.7%③部長級に占める女性の割合10%以上8.3%④社員向け職場アンケートにおける社員満足度の向上-2023年度比 3.5%向上 (5) 会社の対処すべき課題「(2) 経営環境」に記載しております事業環境下、当企業集団は、事業収益を成長分野と人的投資に積極活用することによって持続的な成長を実現し、企業価値を向上させることを重要な経営課題と位置付け、「2035年にめざす姿」を以下のとおり設定いたしました。 2026年度から2028年度までの3年間にわたって取り組む新計画では、2031年度のROE8.0%達成を目安として、100億円規模の積極的な成長投資を行い、さらなる収益力の拡大を図るとともに、より株価水準を意識した経営を行うことにより、企業価値を向上させ、株価純資産倍率(PBR)1倍以上への引き上げに取り組んでまいります。 また、新計画は2035年にめざす姿の実現に向け、AI利活用によるビジネスモデルの変革を前提とした事業ポートフォリオの変革と、人的資本経営の進化に挑む3カ年と位置付けております。これを踏まえ、新計画期間は、下記の4つの基本戦略とサステナビリティ基本方針を軸に、経営指標の達成に取り組んでまいります。 ① 事業戦略:ポートフォリオ変革当社の強みを生かせる分野に経営資源を集中投下し、成長領域へのシフトと収益性の高い事業ポートフォリオへの転換を進めます。具体的には、SMBCグループ向けビジネスの着実な成長を下支えとして、高収益が期待できる「ソリューションビジネス」「セキュリティ・デジタル基盤ビジネス」への積極的な投資とリソースシフトを推進いたします。 ② 人材戦略:人的資本経営の進化事業戦略を実現する源泉として人材を位置づけ、多様な人材の採用・育成・リスキリングを通じて、一人ひとりの付加価値と組織全体の生産性向上を図ります。個人や会社の成長・変革にチャレンジする人が集まり、育ち、定着する環境・制度の充実を目指してまいります。 ③ 投資・財務戦略:企業価値向上の実現成長投資と株主還元のバランスを取りつつ、資本コストを意識した投資判断と財務運営により、ROEの着実な向上を目指し、その結果としてPBRの改善も図ってまいります。また、株主還元を重要な経営課題として認識し、株主資本配当率(DOE)を重視した「高水準かつ安定的な配当」を積極的に推進いたします。 ④ AX戦略:AI利活用AIの利活用を推進し、その実践知の蓄積・共有を繰り返すことにより、「事業における戦略的利活用」や「全社の生産性向上」を追求してまいります。具体的には、システム開発における「開発プロセスの抜本的変革」「新たな価値の創造」や、AIとの共創による「営業効率向上」「営業力強化」、社内事務作業などの「間接業務の生産性向上」等を目指してまいります。 なお、新計画の推進にあたり、到達点を明確にするための経営指標は以下のとおりであります。これらの経営指標及び経営目標の進捗管理を通じて、新計画の達成を目指してまいります。 ① 財務目標(単位:百万円) 現計画新計画2025年度(2026年3月期)2026年度(2027年3月期)2028年度(2029年3月期)実績計画計画25年度比売上高23,79025,70028,000CAGR 5.6%営業利益1,4041,4201,900CAGR 10.6%営業利益率5.9%5.5%6.8%+0.9pt経常利益1,6051,6202,100CAGR 9.4%親会社株主に帰属する当期純利益1,2241,2301,440CAGR 5.6%ROE6.0%5.8%6.4%+0.4pt (注)CAGR:新計画期間中(3年間)の年平均成長率 項目計画終了時点の目標備考① DOEを指標とした株主還元3.5~4.0%DOEを指標とし、高水準かつ安定的な配当② 戦略的成長投資3年間で100億円キャッシュ・アロケーション方針に基づく、積極投資を実施 ② 非財務目標 項目計画終了時点の目標備考①〔人材への投資〕一人当たり年間教育・研修投資年間12万円以上売上高比率「0.6%以上」を目安とし、継続的な投資を実施②〔多様性の受容と活躍〕従業員アンケートにおけるエンゲージメントスコア年1回以上、従業員アンケートを実施結果を施策反映人材戦略における従業員の成長に資する取組みを通じて、従業員エンゲージメントの向上を図る③〔多様性の受容と活躍〕男性育児休暇取得率100%「女性活躍推進法」に基づく一般事業主行動計画に則した取得支援を実施④〔多様性の受容と活躍〕管理職に占める女性の割合10%以上「女性活躍推進法」に基づく一般事業主行動計画に則したキャリア支援を実施⑤〔セキュリティリスク対応〕連結売上高セキュリティ投資比率0.5%以上の水準維持「(一社)日本サイバーセキュリティ・イノベーション委員会」が推奨する大企業向けの指標値である「0.5%以上」を目安とし、継続的な投資を実施
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(経営成績等の状況の概要)当連結会計年度における当企業集団の経営成績等の状況の概要は次のとおりであります。 (1) 財政状態及び経営成績の状況当企業集団の当連結会計年度の経営成績につきましては、全てのセグメントにおいて増収増益を達成し、3期連続で上場来最高益を更新いたしました。 業績面につきましては、金融関連部門におけるSMBCグループ向け情報化投資案件、公共関連部門における自治体向け標準化案件及び産業関連部門におけるSAPビジネス案件によりシステム構築が増加したことに加え、公共関連部門及び産業関連部門における機器更改案件によりシステム機器販売も増加した結果、売上高は23,790百万円と前期比1,253百万円(5.6%)の増収となりました。 損益面につきましては、積極的な採用活動、教育研修の拡充及び給与のベースアップなどの人への投資や、生成AIを始めとした研究開発などの投資を推進した一方で、増収効果に加え、収益性の高い案件の獲得や品質管理の強化による不採算案件の抑制を前期から継続して取り組んだ結果、営業利益は1,404百万円と前期比26百万円(1.9%)の増益となりました。経常利益は、資金運用による利息収入が増加したことから1,605百万円と前期比111百万円(7.5%)の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は、子会社である株式会社KCSソリューションズにおいて減損損失を計上した一方で、投資有価証券売却益を計上したことにより1,224百万円と前期比79百万円(6.9%)の増益となりました。 売上高・営業利益と売上高営業利益率の推移 PH営業利益と従業員平均年間給与伸び率の推移 (注)従業員平均年間給与伸び率は、第54期の従業員平均年間給与を基準に算出しております。 セグメント別の業績は、次のとおりであります。なお、2025年4月1日付の組織変更に伴い、当連結会計年度より金融関連部門の一部を産業関連部門に集計するよう変更しており、対前期の増減及び増減率については、前期の数値を変更後の区分方法に組み替えた数値に基づいて作成しております。 ① 金融関連部門 SMBCグループ向け情報化投資案件に注力したことにより、システム構築が増加したことを主因として、売上高は6,541百万円と前期比485百万円(8.0%)の増収となり、セグメント利益も1,444百万円と前期比136百万円(10.4%)の増益となりました。 ② 公共関連部門 自治体情報システムの標準化案件が順調に進捗し、システム構築が増加したほか、機器更新案件によるシステム機器販売も増加したことを主因として、売上高は7,141百万円と前期比242百万円(3.5%)の増収となり、セグメント利益も1,386百万円と前期比243百万円(21.3%)の増益となりました。 ③ 産業関連部門 SAPビジネス案件により、システム構築が増加したことに加え、システム機器販売及びそれに付随した機器設定案件などのその他の情報サービスも増加したことを主因として、売上高は10,107百万円と前期比525百万円(5.5%)の増収となり、セグメント利益も2,054百万円と前期比102百万円(5.3%)の増益となりました。 また、株主還元につきましては、配当の基本方針として「配当性向30~40%を目安とした安定配当」を掲げておりましたが、足元の財務状況や成長投資とのバランスを総合的に勘案し、連結配当性向を50%水準まで引き上げました。 これらの取組みの結果、ROEは6.0%となり、株主資本コストを上回る水準まで向上しましたが、投資家の皆さまの期待値には届いておらず、また、PBRも1倍を下回る水準にあることから、中長期的な企業価値の向上が、今後の重要な経営課題と認識しております。 当連結会計年度末における財政状態は、売上債権の増加に加え、年金資産の増加に伴う退職給付に係る資産の増加を主因として、総資産が前期比1,347百万円増加し、26,904百万円となりました。また、純資産につきましては、配当金の増配を行った一方で、時価評価によるその他有価証券評価差額金の増加や親会社株主に帰属する当期純利益を計上した結果、前期比1,201百万円増加し、21,067百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末比0.6%増加し、78.3%となっております。 (2) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末比1,410百万円減少し、2,293百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、前期比739百万円増加し、1,098百万円のプラスとなりました。資金が増加した主な要因は、前期末の売上債権の回収により当期資金の増加したことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、前期比4,616百万円増加し、1,800百万円のマイナスとなりました。資金が増加した主な要因は、有価証券の償還による収入があったことに加え、前期に投資有価証券の取得による支出があったことによる反動増であります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、前期比118百万円減少し、708百万円のマイナスとなりました。資金が減少した主な要因は、リース債務の返済及び配当金の支払いによるものであります。 (3) 生産、受注及び販売の実績2025年4月1日付の組織変更に伴い、当連結会計年度より金融関連部門の一部を産業関連部門に集計するよう変更しており、以下の前期比については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えて比較しております。 a.生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 区分生産高(百万円)前期比(%)金融関連部門 システム構築5,810112.7 システム運用管理65593.0 その他の情報サービス6565.6 小計6,531109.6公共関連部門 システム構築4,051108.3 システム運用管理1,648102.2 その他の情報サービス69895.3 小計6,398105.1産業関連部門 システム構築5,244105.7 システム運用管理1,95593.7 その他の情報サービス977122.9 小計8,177104.3合計21,107106.1 (注) システム構築の生産高については、当連結会計年度の販売実績高に仕掛増減額の販売高相当額を加味し、算出しております。なお、それ以外につきましては、販売高を記載しております。 b.受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 区分受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)金融関連部門 システム構築6,24998.72,850118.7 小計6,24998.72,850118.7公共関連部門 システム構築4,069107.6741133.2 小計4,069107.6741133.2産業関連部門 システム構築5,025110.972977.0 小計5,025110.972977.0合計15,344104.84,320110.6 (注) システム構築以外の業務については、継続業務が大半であり、業務も多岐にわたり把握することが困難なため、システム構築についてのみ記載しております。 c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 区分販売高(百万円)前期比(%)金融関連部門 システム構築5,800110.8 システム運用管理65593.0 その他の情報サービス6565.6 システム機器販売20115.2 小計6,541108.0公共関連部門 システム構築3,884102.0 システム運用管理1,648102.2 その他の情報サービス69895.3 システム機器販売909122.4 小計7,141103.5産業関連部門 システム構築5,243105.9 システム運用管理1,95593.7 その他の情報サービス977122.9 システム機器販売1,930110.5 小計10,107105.5合計23,790105.6 (注) 主な相手先別の販売実績及びそれぞれの総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)㈱三井住友銀行2,46210.93,15813.3富士通㈱2,64811.71,9548.2 上記の販売実績以外に、㈱三井住友銀行の情報システム部門で行っているシステム関連機能については、㈱日本総合研究所を通じて取引しており、同社、同社子会社の㈱日本総研情報サービスへの販売実績は、次のとおりであります。なお、㈱日本総研情報サービスは2025年10月1日付で㈱日本総合研究所を存続会社とする吸収合併により消滅しております。当連結会計年度における同社の販売高は、2025年9月30日までの販売高を表示しております。相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)㈱日本総合研究所1,8438.22,0648.7㈱日本総研情報サービス1140.5580.2 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)経営者の視点による当企業集団の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当企業集団の当連結会計年度の経営成績等につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。当社の経営課題は収益力の向上と考えており、外部環境の変化に影響を受けない収益体質への転換を図っております。具体的には、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5) 会社の対処すべき課題」に記載のとおり、2026年度から2028年度までの3年間にわたって取り組む新計画において、4つの基本戦略を確実に進めてまいります。当企業集団の経営成績等に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。当企業集団の当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。翌連結会計年度のキャッシュ・フローの見通しにつきましては、増収増益の計画としていることから営業活動によるキャッシュフローは増加する見込みであります。一方で、新計画において策定したキャッシュ・アロケーションに基づき、新計画期間において獲得した収益は内部留保せず、成長・基盤投資と株主還元をバランスよく実施しつつ、余剰資金の状況を考慮のうえ、改めて株主還元にも配分する方針としております。この結果、翌連結会計年度末の資金は当連結会計年度末に比べてほぼ横ばいとなる見込みであります。なお、設備投資の所要資金については、主に自己資金を充当し、必要に応じてリースを利用する予定であります。 セグメントごとの当連結会計年度の経営成績等につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであり、セグメントごとの課題・対策については、次のとおりであります。 ① 金融関連部門SMBCグループの情報化投資は堅調に推移しております。このため、引き続きSMBCグループ取引に最注力し、既存案件に対する取組方法の見直しを進め、品質と生産性の向上を両立させて利益率の向上を図ってまいります。また、これまで得意としてきた情報系システム等の業務領域を拡大させるとともに、システム基盤の構築案件への取組みを強化してまいります。 ② 公共関連部門自治体との取引は、前連結会計年度から本格化した自治体情報システム標準化が次年度以降も継続する見込みであり、標準化対応を安全に完了させることに注力する一方で、自治体情報システム標準化対応完了後を見据えた商品戦略策定にも取り組んでまいります。また、自治体周辺業務や文教向け自社ソリューションの競争力強化を図ってまいります。 ③ 産業関連部門一般民需分野における情報化投資は、デジタルシフトの進展やDX・AI関連投資の需要が引き続き拡大すると見込まれることから、商品・サービスの一層の拡充を図り、ニーズに的確かつ迅速に対応してまいります。また、クラウド活用の定着やハイブリッドワークの拡大に伴う通信量や処理量の増加を背景に、より付加価値の高いサービス提供等を通じてデジタル基盤ビジネスの拡大を図るほか、情報セキュリティに関するサービスのラインアップ強化にも注力いたします。加えて、中長期的な成長領域の一つである「SAPビジネス」にリソースを積極投入し、収益力の向上に取り組んでまいります。 (2) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当企業集団の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。 受注損失引当金当企業集団は、ソフトウェアの請負契約に基づく開発案件のうち、当連結会計年度末時点で将来の損失が見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積もることが可能なものについては、翌連結会計年度以降に発生が見込まれる損失額に対して、受注損失引当金を計上しております。開発案件の総原価の見積りに当たっては、お客さまからの要求事項をもとに、見積範囲、システム規模、リスク等を踏まえ、システム開発原価基準に基づき工数、原価を算出し、見積原価額を決定しておりますが、仕様の変更や作業内容に想定外の不具合が生じた等の事象が発生した場合に、総原価の金額に影響を与える可能性があります。このため、一定規模以上の開発案件については、事業部に加え、社内において品質・生産性の全般を管理している品質管理部による「見積検討会」を開催し、見積審査を行うとともに、取締役社長等本部役員をはじめプロジェクト担当部署及びその他の所管部署を構成メンバーとした「システム案件協議会」において案件毎の受託可否の判断のほか進捗状況の確認を行う体制としております。加えて受注損失引当金を計上する案件については決算期毎に品質管理部にて引当金額の妥当性を検証しております。

事業リスク

  • 情報セキュリティリスク
    顧客の個人情報や機密情報を預かるため、サイバー攻撃やシステム障害、人的ミスによる情報漏洩が発生した場合、損害賠償請求や信用失墜により経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。厳格な管理体制と外部専門家の活用でリスク軽減を図っています。
  • 顧客の情報化投資動向リスク
    社会情勢や景気変動、法改正など外部環境の変化が、顧客の情報化投資意欲に影響を与え、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。新規顧客開拓やサービス提供型のストックビジネス強化により、収益の安定化を目指しています。
  • 特定の取引先への依存リスク
    SMBCグループと富士通グループが大口かつ安定した取引先であるため、これらのグループの業績や情報化投資の動向が当社の経営成績に影響を与える可能性があります。両グループ以外のビジネス拡大や直販ビジネス強化でリスク分散を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,313 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当企業集団の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業集団が判断したものであります。 (1) 情報セキュリティに関するリスク当企業集団は、お客さまへの情報サービスの提供にあたり、個人情報や機密情報を含むさまざまな情報資産をお預かりしております。不正アクセスやサイバー攻撃、コンピューターウイルスといった情報セキュリティ上の問題及びシステムの障害、人的ミス等によりこれらの情報資産を流出させた場合には、お客さまなどからの損害賠償請求や信用失墜などにより、当企業集団の経営成績等に一定の影響を及ぼすことが考えられます。こうしたリスクをサステナビリティに関する重要なリスクとして認識し、リスク回避のための具体的な取組みを推進しております。また、「情報セキュリティ委員会」において管理体制を含めた情報セキュリティに関する事項全般及び個別の情報セキュリティ対策について協議を実施しているほか、個人情報保護対策としてプライバシーマークを取得しております。また、必要に応じて外部専門家の助言を取り入れるなど、情報セキュリティ管理の高度化を図っております。その他、大量の情報を取り扱うデータセンターサービスやBPOサービスの運営部署においては、第三者機関から情報セキュリティに関する国際規格「ISO/IEC 27001」の認証を受けております。 (2) 環境変化に伴うお客さまの情報化投資動向に関するリスク当企業集団は、金融機関及び地方公共団体、一般事業法人など、幅広い分野・業種のお客さまに対して、情報サービスの総合的な提供を行っております。お客さまにおける情報化投資動向は、社会情勢や景気変動、法令・規制・制度変更など環境変化に左右されるため、これらによって、当企業集団の経営成績等に一定の影響を及ぼす可能性があります。こうしたリスクへの対応策として、新規顧客開拓や既存顧客深耕による顧客基盤の拡大及び事業ポートフォリオの再構築に取り組んでいるほか、データセンターサービスなどのストックビジネスを強化することにより、経営成績等の安定化に取り組んでおります。また、経営成績等の急激な変動に備えるため、健全な財務体質の維持に努めております。 (3) 特定の取引先の動向に関するリスクその他の関係会社である株式会社三井住友フィナンシャルグループ及び株式会社三井住友銀行の両社を含むSMBCグループ並びに法人主要株主である富士通Japan株式会社を含む富士通グループは、当企業集団の大口かつ安定した取引先であり、両グループの業績及び情報化投資が当企業集団の経営成績等に一定の影響を及ぼす可能性があります。こうしたリスクへの対応策として、両グループとの取引深耕と両グループ以外のビジネス拡大につながる新しい技術への取組みや新しい事業領域への参入を進めるとともに、両グループの動向に左右されない一般民需分野向け直販ビジネスを強化することにより、影響の軽減を図ってまいります。 (4) システム構築業務に関するリスク当企業集団の主力品目であるシステム構築については、お客さまからの要求が複雑化・大型化・短納期化する傾向にあり、お客さまと合意した品質・納期の未達成やコストの増加などにより不採算化することで、当企業集団の経営成績等に一定の影響を及ぼす可能性があります。こうしたリスクへの対応策として、大規模システム構築案件のリスク管理強化の観点から、関連部門による「見積検討会」において受託是非の検討を行うとともに、取締役社長等本部役員をはじめプロジェクト担当部署及びその他の所管部署を構成メンバーとした「システム案件協議会」において案件毎の受託可否の判断のほか進捗状況確認や対応指示などを行う体制をとっております。さらに、「本部の所管部門による第三者検証」「不採算案件の予兆段階での早期発見」「予兆を発見した案件の個別管理及び全社的対応による早期収束」に加え、「大口不採算となり得る案件を集中対応により早期収束を図る専任組織」を設置するなど、社内管理体制を強化しております。また、こうした体制強化などの組織対応に加え、「プロジェクト管理ツール」によるモニタリングなどシステム面でも対応を強化しており、全社を挙げて不採算案件の発生抑制及び品質の向上に努めております。 (5) システム運用管理業務に関するリスク当企業集団のシステム運用管理業務については、自社のデータセンターによる各種サービスやBPOサービスの提供を行っており、大規模な自然災害や設備の不具合、感染症のパンデミック、運用上のミス等によりサービスの提供に重大な支障が生じた場合には、お客さまなどからの損害賠償請求や信用失墜などにより、当企業集団の経営成績等に一定の影響を及ぼすことが考えられます。こうしたリスクへの対応策として、各種設備の維持・強化や他のデータセンター事業者との相互協力・バックアップ体制の構築、運用要員の育成、執務環境の整備、一部の運用業務のリモート化など、運営体制の強化に取り組んでおります。また、第三者機関からITサービスマネジメントシステムに関する国際規格「ISO/IEC 20000」及び事業継続マネジメントシステムに関する国際規格「ISO 22301」の認証を受けております。

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