研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
| 2025-03 |
- |
974 |
| 2024-03 |
- |
712 |
| 2023-03 |
- |
611 |
| 2022-03 |
- |
433 |
| 2021-03 |
- |
483 |
研究開発活動(本文)
FY2025|3,006 文字
6【研究開発活動】当社グループ(当社及び連結子会社)は、価値の源泉である技術を「つなぎ」、「束ね」、「強く」することで、製品・サービスを超えて、お客さまの新しい価値を生み出すバリューチェーンを創造するため、研究開発に取り組んできました。事業部門である、資源・エネルギー・環境、社会基盤、産業システム・汎用機械並びに航空・宇宙・防衛の各セグメントは、製品の競争力強化及び今後の事業拡大・創造につながる研究開発を推進し、本社部門である戦略技術統括本部、事業開発統括本部、高度情報マネジメント統括本部並びに技術開発本部は、相互に密接に連携・協力し、基礎的な研究開発から事業拡大・創造の足掛かりとなる研究開発を推進しています。加えて、世界トップのエコシステムにメンバーとして参加し、重要な技術情報の取得や最先端の技術開発に取り組んでいます。「グループ経営方針2023」では、成長事業として航空エンジン・ロケット分野、育成事業としてアンモニアなどのクリーンエネルギー分野、中核事業として資源・エネルギー・環境、社会基盤、産業システム・汎用機械分野の3つの区分を定義し、リソース配分を最適化しながら、研究開発に取り組んでいます。 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は340億円であり、そのうち、成長事業と育成事業創出に向けた研究開発費は210億円です。なお、成長事業と育成事業に係る研究開発費は、事業との関連状況に応じて、関係する事業部門及び本社部門を横断して発生しています。 各セグメント別の主な研究開発の成果及び研究開発費は次のとおりです。 (1)資源・エネルギー・環境資源・エネルギー・環境事業領域では、グループの中核を担うカーボンソリューション、原動機、原子力の各分野において、ライフサイクルやバリューチェーンを意識した事業の拡大を目指しています。資源・エネルギー・環境事業領域と事業開発統括本部、戦略技術統括本部並びに技術開発本部では、今後、成長が期待されるクリーンエネルギー分野への投資を進めており、特に燃料アンモニアについては、育成事業と位置づけ、製造、貯蔵・輸送、利活用に関する研究開発に取り組み、社会実装に向けた活動をグローバルでリードしています。当連結会計年度の主な成果として、碧南火力発電所における燃料アンモニア転換実証試験で燃料比20%を達成、アンモニア燃料タグボート「魁(さきがけ)」で、世界初の3か月間の実証航海を達成、再生可能エネルギー由来のグリーン水素を原料としてCO2フリーのアンモニアを製造できる装置を開発、ナフサ分解炉用のアンモニア専焼バーナを開発し、既存燃料の約20%超をアンモニアに切り替え、国内で初めて燃焼を実証したことなどが挙げられます。また、従来の原子炉より出力が小さい小型モジュール炉(SMR)の主要構成機器である格納容器の製造・検査技術を開発しました。当セグメントに係る研究開発費は21億円です。 (2)社会基盤社会基盤事業領域では、橋梁・水門を軸に、長年の実績で培った技術力と豊かな感性で、安全・安心な社会インフラの実現にグローバルかつライフサイクルにわたり貢献しています。橋梁事業は設計から建設、保全までの一気通貫のエンジニアリングと施工能力を強みに国内で高いシェアを誇り、海外の長大橋においても多数の建設実績を有しています。また水門事業では、国内トップクラスの市場を有しており、フィリピンで水門の建設を含む河川改修事業を受注するなど、海外の事業展開を進めています。当連結会計年度の主な成果として、橋梁定期点検の効率化を支援するスマートフォンシステムの開発、AI技術を利用したコンクリート劣化要因の診断技術の開発、老朽化した橋梁のリニューアルに備えた床版取替機や取替用床版など、床版リニューアル技術を開発したことなどが挙げられます。当セグメントに係る研究開発費は9億円です。 (3)産業システム・汎用機械産業システム・汎用機械事業領域では、中核事業の1つとして、ライフサイクルビジネス(LCB)の「深化」と「進化」を軸とした取り組みを進めています。長年培ってきた回転機械や表面処理装置など、自社独自の差別化技術によって、産業界の脱炭素化と環境負荷低減、自動化・省人化などのソリューションを提供しています。当連結会計年度の主な成果として、ロボット、自動倉庫及び無人搬送台車などの物流機器と庫内作業を包括的に最適管理する「L-Sync」の開発を推進、静岡県沼津市における移動の最適化を図るため、駐車場満空情報を観光MaaSに連携したサービス提供を開始、AI技術を利用した機械の故障予兆や異常検知システムの開発を推進していることなどが挙げられます。当セグメントに係る研究開発費は69億円です。 (4)航空・宇宙・防衛航空・宇宙・防衛事業領域では、航空旅客需要の増加、「防衛力の抜本的強化」の政府方針、宇宙産業の市場拡大を受け、民間エンジン・防衛・宇宙のすべての分野で強化と拡大を進めるとともに、デジタル基盤の活用等により世界トップレベルの生産効率の実現を目指すなど、事業の変革に取り組んでいます。環境にやさしく経済効率も高い航空機を実現するため、エンジン、装備品及び機体の軽量化や電動化、持続可能な航空燃料(SAF)の開発、ロケットによる衛星打上げサービス、衛星から得られる宇宙・海洋・地上データの利活用など、ライフサイクルとバリューチェーン全体を意識して事業の拡大を目指しています。当連結会計年度の主な成果としては、航空機電動化及びゼロエミッション推進システムの開発に関する事業が「NEDOグリーンイノベーション基金事業/次世代航空機の開発プロジェクト」で採択、航空機の空気抵抗を削減し、燃料効率改善及びCO2削減に貢献するハイブリッド層流制御システム用のガス軸受真空ポンプを開発し、世界初の実証試験に成功、H3ロケットの1段用エンジンLE-9向けの液体水素及び液体酸素ターボポンプの開発、気象用小型ゴム気球を利用した低コストで長時間成層圏に滞在可能な超小型成層圏観測プラットフォームを開発し、実装試験を成功したことなどが挙げられます。当セグメントに係る研究開発費は101億円です。 (5)その他本社部門である戦略技術統括本部、技術開発本部、高度情報マネジメント統括本部、並びに事業開発統括本部は、相互に密接に連携・協力し、基礎的な研究開発から事業拡大・創造の足掛かりとなる研究開発を推進しています。当連結会計年度の主な成果としては、2026年の実用化に向けて、アンモニア専焼小型ガスタービンの長期耐用試験を開始、水素とCO2から持続可能な航空燃料(SAF)を製造できる小型製造試験装置を完成し、実証試験を推進、軽量性と優れた高温特性を有するセラミックス基複合材料(CMC)の基礎特性や製造能力評価を推進、デジタルツインを活用した自動運転サービスの安全性検証を開始、国立大学法人横浜国立大学に開設した人工知能(AI)技術に関する共同研究講座の開講期間を延長し、人財交流と人財育成並びにAI技術の社会実装を加速していくことを合意したことなどが挙げられます。当セグメントに係る研究開発費は138億円です。 (注)この項に記載の金額は単位未満を切捨て表示しています。
FY2024|2,781 文字
6【研究開発活動】当社グループ(当社及び連結子会社)は,「グループ経営方針2023」に基づき,IHIグループの技術と叡智でお客さま・産業・社会が抱える課題の解決を目指すべく,研究開発に取り組んできました。事業部門である,資源・エネルギー・環境,社会基盤,産業システム・汎用機械,航空・宇宙・防衛の各セグメントは,製品の競争力強化,及び今後の事業拡大・創造につながる研究開発を推進し,本社部門である戦略技術統括本部,技術開発本部,高度情報マネジメント統括本部,並びに事業開発統括本部は,相互に密接に連携・協力し,基礎的な研究開発から事業拡大・創造の足掛かりとなる研究開発を推進しています。加えて,国内外の企業,大学や研究機関との産学官連携による共同研究にも積極的に取り組んでいます。「グループ経営方針2023」では,成長事業として航空エンジン・ロケット分野,育成事業としてアンモニアなどのクリーンエネルギー分野,中核事業として資源・エネルギー・環境,社会基盤,産業システム・汎用機械分野の3つの区分を定義し,リソース配分を最適化しながら,研究開発に取り組んでいます。 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は393億円であり,そのうち,成長事業と育成事業創出に向けた研究開発費は250億円です。なお,成長事業と育成事業に係る研究開発費は,事業との関連状況に応じて,関係する事業部門及び本社部門を横断して発生しています。 各セグメント別の主な研究開発の成果及び研究開発費は次のとおりです。 (1)資源・エネルギー・環境資源・エネルギー・環境事業領域では,グループの中核を担うカーボンソリューション,原動機,原子力の各分野において,ライフサイクルやバリューチェーンを意識した事業の拡大を目指しています。資源・エネルギー・環境事業領域と事業開発統括本部,戦略技術統括本部並びに技術開発本部では,今後,成長が期待されるクリーンエネルギー分野への投資を進めており,特に燃料アンモニアについては,既存の石炭火力発電設備のアンモニア燃料転換への実証を進め,アンモニア専焼ガスタービンの開発なども含め,早期の実現に向けて取り組んでいます。当連結会計年度の主な成果として,碧南火力発電所における大規模な燃料転換技術の確立に向けたアンモニア転換実証事業の着手,2030年までにアンモニア専焼ガスタービン燃焼システム技術開発を目指すIHIとGE Vernova間の協業合意,インド火力発電所におけるアンモニア燃焼技術適用に向けた燃焼試験の開始,火力発電用ボイラ向け専焼バーナのアンモニア火炎可視化の成功などがあります。また,CO₂の有効活用としてマレーシアにおけるバイオマスを活用したe-メタン製造事業の詳細検討開始,タイの石油化学プラントにおけるカーボンニュートラルな低級オレフィン合成技術の実証開始が挙げられます。当セグメントに係る研究開発費は60億円です。 (2)社会基盤社会基盤事業領域では,橋梁・水門などの各事業において国内トップクラスの市場シェアを有しています。橋梁事業では,設計から維持管理まで一気通貫した技術力を強みに国内での受注確保に取り組み,トルコやアジア各国を拠点に海外事業展開も進めています。水門事業では激甚化する自然災害への対策として,戦略技術統括本部と連携しながら,治水・利水施設管理の最適化の取り組み,事業の拡大を進めています。また,これまで取り組んできた保全工事などのライフサイクルビジネスに加え,デジタル基盤を活用したインフラの維持管理の最適化などに,技術開発本部とともに取り組んでいます。当連結会計年度の主な成果として,「広域的な小型水門の操作支援の実証試験」に係る覚書の締結,大雨時の水門操作を遠隔化・自動化する運転支援システムの開発開始,脱炭素社会と新たな価値創造を実現する建設新材料ジオポリマーコンクリート「セメノン™」の開発などが挙げられます。当セグメントに係る研究開発費は11億円です。 (3)産業システム・汎用機械産業システム・汎用機械事業領域では,既存の需要の確実な取り組みを進めています。産業システム・汎用機械事業領域主導で,工場等における環境負荷の低減に向けた取り組みが進む中,回転機械事業や,医療・航空・装飾分野での更なる成長が見込まれる表面処理事業に注力するとともに,事業領域全体ではお客さまのバリューチェーン全体を見据えたライフサイクルビジネスを拡大する事を目指しています。当連結会計年度の主な成果として,自動車に搭載される燃料電池の耐久性能向上と低コスト化を実現するインラインコーティング装置の開発などが挙げられます。当セグメントに係る研究開発費は94億円です。 (4)航空・宇宙・防衛航空・宇宙・防衛事業領域の航空エンジン・ロケット事業は,民間,防衛のいずれの分野でも強化と拡大を進めるとともに,デジタル基盤の活用等により世界トップレベルの生産効率の実現を目指すなど,事業の変革に取り組んでいます。航空・宇宙・防衛事業領域と新たな事業の創出に向けて,軽量化や電動化などカーボンニュートラルを見据えた次世代航空機に関する技術の開発を戦略技術統括本部,並びに技術開発本部と連携して進めるとともに,ロケットシステム・宇宙利用事業では,固体ロケット(イプシロン)の競争力強化に加え,多様な打上げニーズに対応できるロケットラインナップの確立を進めつつ,中小型衛星の打上げサービス事業の確立を目指しています。当連結会計年度の主な成果として,世界初の航空機ジェットエンジン後方に搭載可能なメガワット級電動機の開発,軽量・小型で世界最高レベル出力の電動ターボコンプレッサの開発,航空機燃料電池向け世界最高レベルの大容量水素再循環装置の実証成功,月面着陸に成功した小型月着陸実証機(SLIM)への位置及び高度測定カメラの提供などが挙げられます。当セグメントに係る研究開発費は87億円です。 (5)その他本社部門である戦略技術統括本部,技術開発本部,高度情報マネジメント統括本部,並びに事業開発統括本部は,相互に密接に連携・協力し,基礎的な研究開発から事業拡大・創造の足掛かりとなる研究開発を推進しています。当連結会計年度の主な成果として,CO₂排出量の大幅な削減につながる天然ガス熱分解による水素製造試作機での実験の開始,モータの大出力化・小型化・軽量化につながる航空機・車載システム向け超高速モータ用高磁束プラスチック磁石ロータ(回転子)の開発の成功,社会に新しい選択肢を増やすための研究開発への取り組みなどが挙げられます。当セグメントに係る研究開発費は140億円です。 (注)この項に記載の金額は単位未満を切捨て表示しています。
FY2023|2,387 文字
6【研究開発活動】当社グループ(当社及び連結子会社)は,「グループ経営方針2019」に基づくグループ技術戦略を定め,社会とお客さまの課題解決に関わる技術に重点をおき研究開発に取り組んできました。資源・エネルギー・環境,社会基盤・海洋,産業システム・汎用機械,航空・宇宙・防衛の各セグメントにおける製品の競争力強化,及び今後の事業拡大・創造につながる基礎研究から実用化研究までを,事業領域,本社部門並びに技術開発本部が密接に連携・協力し,推進しています。加えて,国内外の大学や研究機関との産学官連携による共同研究にも積極的に取り組んでいます。また,2020年11月に公表した「プロジェクトChange」において,成長事業分野を「カーボンソリューション」,「保全・防災・減災」,「航空輸送システム」の3つに再定義しました。その上で,2021年度に新設した社長直轄の戦略技術統括本部が,成長事業に必要な戦略技術として,「カーボンソリューション」分野においてはアンモニアの製造・輸送・使用を含むバリューチェーン構築を目指す技術,「保全・防災・減災」分野では自然環境の観測・モデリングによる災害の予測やそれらに応じたインフラ制御,並びに,生態系保全を含めた環境価値創出に係る技術,「航空輸送システム」分野では機体システムの電動化による脱炭素化に係る技術を選定し,獲得活動を主導しています。 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は340億円であり,そのうち,成長事業創出に向けた研究開発費は188億円です。 各セグメント別の主な研究開発の成果及び研究開発費は次のとおりです。 (1)資源・エネルギー・環境資源・エネルギー・環境事業領域,技術開発本部並びに戦略技術統括本部では,地域・お客さまごとに最適な総合ソリューションを提供することにより脱CO₂・循環型社会に貢献することを目指し,エネルギー,カーボンソリューションに係る研究開発を行なっています。当連結会計年度の主な成果として,世界初となる液体アンモニア100%燃焼によるガスタービンでのCO₂フリー発電の達成,GE社とのアンモニア専焼大型ガスタービン開発に関する覚書の締結,碧南火力発電所のアンモニア混焼実証事業における大規模混焼開始時期の前倒し,CO₂と水素から燃料をつくるメタネーション装置の開発,東北大学とのアンモニアバリューチェーン共創研究所の設置が挙げられます。当セグメントに係る研究開発費は48億円です。 (2)社会基盤・海洋社会基盤・海洋事業領域と技術開発本部では,橋梁・トンネルを軸に,安全・安心な社会インフラの実現のためグローバルかつライフサイクルにわたり貢献することを目指し,保全・防災・減災,橋梁・水門等に係る研究開発を行なっています。当連結会計年度の主な成果として,センシング・通信・データ技術を活用するIoTボルトを用いた長大吊橋モニタリングシステムの運用開始,ドイツにおける踏切障害物検知装置の製品認証取得,BIM/CIMへの取組みが挙げられます。当セグメントに係る研究開発費は11億円です。 (3)産業システム・汎用機械産業システム・汎用機械事業領域と技術開発本部では,お客さまと共にオペレーションの最適化をライフサイクルで徹底追求することにより,産業インフラの発展に貢献することを目指し,車両過給機,パーキング,回転機械,熱・表面処理,運搬機械,物流・産業機械システムに係る研究開発を行なっています。当連結会計年度の主な成果として,世界最大手の自動車パワートレインエンジニアリング会社AVL社の燃料電池システム向けにIHI電動ターボチャージャー(ETC)の搭載決定,JFEスチール株式会社とのトラック自動搬送システムの実証試験の開始,3次元ピッキングシステム「SKYPOD」の技術開発拠点・体験型ショールームとなる「横浜ロジラボ」の開所,国内初となるリモコン操作が可能な小型ハンマーナイフ式草刈機の開発,ファインバブル技術を用いた除菌水「Re:Clear(リクリア)」専用の霧化式空間除菌装置の開発が挙げられます。当セグメントに係る研究開発費は81億円です。 (4)航空・宇宙・防衛航空・宇宙・防衛事業領域と技術開発本部では,先進技術により,航空輸送,防衛システム及び宇宙利用の未来を切り拓き,豊かで安全な社会の実現に貢献することを目指し,航空エンジン,ロケットシステム・宇宙利用に係る研究開発を行なっています。当連結会計年度の主な成果として,ノースロップ・グラマンとの小型・高機動人工衛星の協業に関する覚書の締結,次期戦闘機の国際共同開発への参画,航空機推進系大出力電動モータ試作機の開発成功,住友林業との宇宙コラボレーションによる熱帯泥炭地管理コンサルティングサービスの開始,海と宇宙の連携による海上安全の向上に向けた「衛星VDESコンソーシアム」の設立,JAXA F7エンジンでの1400℃級CMCシュラウド実証試験の実施が挙げられます。当セグメントに係る研究開発費は73億円です。 (5)その他本社部門と技術開発本部では各事業領域と連携しながら,各セグメントの将来を担う新技術・新事業分野及び中長期的な研究開発を担当し,同時に,共通基盤技術に係る研究開発を行なっています。当連結会計年度の主な成果として,持続可能な航空燃料(SAF)合成技術開発においてCO₂からの炭化水素生成で世界トップレベルの収率を確認,IoT機器会社GUGENとエネルギーのグリーン化やCO₂排出削減に取り組むお客さまの活動を価値化し脱炭素化を促進する共同プロジェクトを開始したことなどが挙げられます。当セグメントに係る研究開発費は126億円です。 (注)この項に記載の金額は単位未満を切捨て表示しています。
FY2022|2,172 文字
5【研究開発活動】当社グループ(当社及び連結子会社)は,「グループ経営方針2019」に基づくグループ技術戦略を定め,社会とお客さまの課題解決に関わる技術に重点をおき研究開発に取り組んできました。資源・エネルギー・環境,社会基盤・海洋,産業システム・汎用機械,航空・宇宙・防衛の各セグメントにおける製品の競争力強化,及び今後の事業拡大・創造につながる基礎研究から実用化研究までを,事業領域,本社部門並びに技術開発本部が密接に連携・協力し,推進しています。加えて,国内外の大学や研究機関との産学官連携による共同研究にも積極的に取り組んでいます。また,2020年11月に公表しました「プロジェクトChange」において,成長事業分野を「カーボンソリューション」,「保全・防災・減災」,「航空輸送システム」の3つに再定義しました。その上で,社長直轄組織「戦略技術統括本部」を2021年4月に設立し、成長事業に必要な「戦略技術」として,「カーボンソリューション」分野においてはアンモニアの製造・輸送・使用を含むバリューチェーン構築を目指す技術,「保全・防災・減災」分野では自然環境の観測・モデリングによる災害の予測やそれらに応じたインフラ制御,並びに,生態系保全を含めた環境価値創出に係る技術,「航空輸送システム」分野では機体システムの電動化による脱炭素化に係る技術を選定し,獲得に向けた研究開発をコーポレート主導で実施しました。 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は298億円であり,そのうち,成長事業創出に向けた研究開発費は151億円です。 各セグメント別の主な研究開発の成果及び研究開発費は次のとおりです。 (1)資源・エネルギー・環境資源・エネルギー・環境事業領域,技術開発本部並びに戦略技術統括本部では,脱CO₂・循環型社会を目指し,エネルギー,カーボンソリューションに係る研究開発を行なっています。当連結会計年度の主な成果として,碧南火力発電所におけるアンモニア混焼率向上技術の実証の採択,液体アンモニア100%燃焼によるCO₂フリーガスタービンの開発を開始,アンモニア燃料国産エンジン搭載船舶の社会実装に向けた実証事業を開始,米国ニュースケール社への出資による小型モジュール原子炉(SMR)事業への参画が挙げられます。当セグメントに係る研究開発費は32億円です。 (2)社会基盤・海洋社会基盤・海洋事業領域,技術開発本部並びに戦略技術統括本部では,強靭で経済性・環境性に富んだ社会インフラを目指し,保全・防災・減災,橋梁・水門等に係る研究開発を行なっています。当連結会計年度の主な成果として,橋梁維持管理マネジメントサポートシステムを開発,工事進捗から人員配置と気象までわかる“現場見える化クラウド”の構築,最新ICT・IoT技術を取り入れた水門業界関係者が誰でも学べる体験型施設「防災・水門技術研修所」の設立が挙げられます。当セグメントに係る研究開発費は9億円です。 (3)産業システム・汎用機械産業システム・汎用機械事業領域,技術開発本部並びに戦略技術統括本部では,環境に優しく,快適で安心な自律分散コミュニティーの実現に向けて,車両過給機,運搬機械,物流・産業機械システム,パーキング,オゾン関連等に係る研究開発を行なっています。当連結会計年度の主な成果として,電動ターボチャージャーの開発,機械式駐車装置の省電力・EV全台充電システムの実現,世界初 搬送中ケースの賞味期限自動読取システムを米スタートアップと共同で開発,医療向け感染制御システムを公衆衛生対策ソリューションとして提供が挙げられます。当セグメントに係る研究開発費は69億円です。 (4)航空・宇宙・防衛航空・宇宙・防衛事業領域,技術開発本部並びに戦略技術統括本部では,安全・快適・経済的で環境に優しい航空輸送の実現を目指し,また,航空機の電動化,並びに持続可能な航空燃料(SAF)の普及などの航空機のカーボンニュートラル達成を目指し,航空エンジン,ロケットシステム・宇宙利用に係る研究開発を行なっています。当連結会計年度の主な成果として,航空エンジンの燃費向上に貢献するCMC(セラミック基複合材料)製タービン部品の開発及び複合材ファンブレードの開発,気候変動に対する住友林業との取り組みをCOP26において世界に発信,船舶位置情報受診システム実証衛星「IHI-SAT」がISSへの打ち上げに成功が挙げられます。当セグメントに係る研究開発費は71億円です。 (5)その他本社部門と技術開発本部並びに戦略技術統括本部では,各セグメントの将来を担う新技術・新事業分野及び中長期的な研究開発を担当し,同時に,共通基盤技術に係る研究開発を行なっています。当連結会計年度の主な成果として,お客さまへの価値をデジタルで創造するプラットフォームの構築,福島県相馬市に開設した水素研究棟「そうまラボ」においてCO₂フリー水素を活用した研究,横浜工場で運用する「IHIつなぐラボ・i-Base」を拠点とした共創活動の場を活用した新しい価値創出の取り組みが挙げられます。当セグメントに係る研究開発費は115億円です。 (注)この項に記載の金額は単位未満を切捨て表示しています。
FY2021|1,865 文字
5【研究開発活動】当社グループ(当社及び連結子会社)は,「グループ経営方針2019」に基づくグループ技術戦略を定め,社会とお客さまの課題解決に関わる技術に重点をおき研究開発に取り組んできました。資源・エネルギー・環境,社会基盤・海洋,産業システム・汎用機械,航空・宇宙・防衛の各セグメントにおける製品の競争力強化,及び今後の事業拡大・創造につながる基礎研究から実用化研究までを,事業領域,本社部門並びに技術開発本部が密接に連携・協力し,推進しています。加えて,国内外の大学や研究機関との産学官連携による共同研究にも積極的に取り組んでいます。また,2020年11月に公表しました「プロジェクトChange」において,成長事業を「カーボンソリューション」,「保全・防災・減災」,「航空輸送システム」の3つに再定義し,2021年4月には,グループ全体の戦略技術を統括し,これらの成長事業の創出に中心的な役割を担う社長直轄組織「戦略技術統括本部」を設立しています。 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は268億円です。各セグメント別の主な研究開発の成果及び研究開発費は次のとおりです。 (1)資源・エネルギー・環境資源・エネルギー・環境事業領域と技術開発本部では,エネルギー関係,カーボンソリューションに係る研究開発を行なっています。当セグメントでは,健全な地球環境の維持を実現する「脱CO₂・循環型社会」に向け,各種の技術開発を進めています。当連結会計年度の主な成果は,世界初,2,000kW級ガスタービンでの液体アンモニアの70%混焼の成功,北九州響灘における複数の再エネを同時制御する水電解活用型エネルギーマネジメントシステムの開発,カーボンリサイクル技術による脱CO₂・炭素循環型社会の実現への取り組みが挙げられます。当セグメントに係る研究開発費は37億円です。 (2)社会基盤・海洋 社会基盤・海洋事業領域と技術開発本部では,橋梁・水門等に係る研究開発を行なっています。当セグメントでは,社会インフラの保全や維持管理を最適かつ効率的に実現する技術開発を進めています。また,保全・防災・減災についての取り組みを開始しています。当セグメントに係る研究開発費は7億円です。 (3)産業システム・汎用機械産業システム・汎用機械事業領域と技術開発本部では,車両過給機,運搬機械,物流・産業機械システム,パーキング,オゾン関連等に係る研究開発を行なっています。当セグメントでは,環境にやさしく,経済的な産業機械による豊かな生活の実現のため,また,私たちの生活や企業活動を安心安全なものにするために研究開発を進めています。当連結会計年度の主な成果として,高効率ターボチャージャーの開発,物流向けピッキングシステムの開発,機械式駐車装置のタッチレス入出庫,AI・3D センサによる快適な駐車の実現などが挙げられます。また,新型コロナウイルス対策ニーズに合わせて,陰圧隔離室(簡易陰圧テント)の開発,ファインバブル技術によるオゾンガス処理除菌水を開発しました。当セグメントに係る研究開発費は74億円です。 (4)航空・宇宙・防衛航空・宇宙・防衛事業領域と技術開発本部では,航空エンジン,ロケットシステム・宇宙利用等に係る研究開発を行なっています。当セグメントでは,航空安全の実現と環境負荷の低減を最も大きな解決すべき課題と据え,その上で,新たなフロンティアである宇宙活用を実現する研究開発を進めています。当連結会計年度の主な成果として,ジェットエンジンの高効率化・低コスト化のための高性能材料の研究開発,トピックスとして,世界初,航空機用100kW級高出力パワーエレクトロニクスの空冷化の成功が挙げられます。また,火星衛星探査計画(MMX)探査機用推進装置開発の取り組みを進めています。当セグメントに係る研究開発費は71億円です。 (5)その他本社部門と技術開発本部等では,各セグメントの将来を担う新技術・新事業分野及び中長期的な研究開発を担当し,同時に,共通基盤技術に係る研究開発を行なっています。また,当連結会計年度には,福島県相馬市に再生可能エネルギー利用の水素研究棟「そうまラボ」を開所し,CO₂フリー水素を活用した研究を推進しています。また,お客さまとの新たな事業アイデアの共創によるイノベーション活動を推進しています。当セグメントに係る研究開発費は77億円です。 (注)この項に記載の金額は単位未満を切捨て表示しています。
FY2020|1,851 文字
5【研究開発活動】当社グループ(当社及び連結子会社)は,「グループ経営方針2019」に基づくグループ技術戦略を定め,社会とお客さまの課題解決に関わる技術に重点をおき研究開発に取り組んでいます。資源・エネルギー・環境,社会基盤・海洋,産業システム・汎用機械,航空・宇宙・防衛の各セグメントにおける製品の競争力強化,及び今後の事業拡大・創造につながる基礎研究から実用化研究までを,事業領域,本社部門並びに技術開発本部が密接に連携・協力し,推進しています。また,国内外の大学や研究機関との産学官連携による共同研究にも積極的に取り組んでいます。 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は381億円です。各セグメント別の主な研究開発の成果及び研究開発費は次のとおりです。 (1)資源・エネルギー・環境資源・エネルギー・環境事業領域と技術開発本部では,ボイラ,原動機等に係る研究開発を行なっています。当セグメントでは,健全な地球環境の維持を実現する「脱CO2・循環型社会」に向け,再生可能エネルギーを創り・活用する技術の開発を進めてきました。当連結会計年度の主な成果は,国内初の木質バイオマス専焼微粉炭焚ボイラの製品化,高効率でCO2を分離・回収しメタン化する技術の実現が挙げられます。また,ICTを活用しライフサイクルビジネスの拡大に向けた取り組みを進めました。当セグメントに係る研究開発費は55億円です。 (2)社会基盤・海洋 社会基盤・海洋事業領域と技術開発本部では,橋梁・水門等に係る研究開発を行なっています。当セグメントでは,社会インフラの保全や維持管理を最適かつ効率的に実現する技術開発を進めています。当連結会計年度の主な成果として,安全性向上・工期短縮を可能とする技術・製品の実用化が挙げられます。当セグメントに係る研究開発費は10億円です。 (3)産業システム・汎用機械産業システム・汎用機械事業領域と技術開発本部では,車両過給機,運搬機械,パーキング等に係る研究開発を行なっています。当セグメントでは,私たちの生活や企業活動を安全安心なものにするために,人の手を介さずに製品・サービスがその機能を果たしていく「機械装置の知能化」を中心に据えた研究開発を進めています。当連結会計年度の主な成果として,深層学習を活用したピッキングロボット,3D計測技術を活用した連続アンローダ自動運転の実現,GPSが届かない閉鎖空間における自動運転の安全性向上技術の確立が挙げられます。また,長年開発を進めているオゾン機器では,新型コロナウイルス感染症に対しても効果のある小型自動洗浄消毒機を開発しました。当セグメントに係る研究開発費は86億円です。 (4)航空・宇宙・防衛航空・宇宙・防衛事業領域と技術開発本部では,航空エンジン,ロケットシステム・宇宙利用等に係る研究開発を行なっています。当セグメントでは,航空安全の実現と環境負荷の低減を最も大きな解決すべき課題と据え,その上で,新たなフロンティアである宇宙活用を実現する研究開発を進めています。当連結会計年度の主な成果として,CO2排出量削減に向けて航空機全体のエネルギーマネジメント最適化を目指す航空機・エンジン電動化システムの研究推進,世界初となるジェットエンジン内蔵型電動機の開発が挙げられます。さらに,製造プライムメーカーとして開発・製造に携わるイプシロンロケットの国際競争力を強化しH3ロケットへ展開する取り組みを進めています。当セグメントに係る研究開発費は101億円です。 (5)その他本社部門と技術開発本部等では,各セグメントの将来を担う新技術・新事業分野及び中長期的な研究開発を担当し,同時に,共通基盤技術に係る研究開発を行なっています。また,当連結会計年度には,横浜事業所内に「IHIグループ横浜ラボ」を開所し,研究開発リソースを集中させ,お客さまとの交流やオープンイノベーションの環境を整え,お客さまの課題解決や新事業創出のための迅速かつ効率的な技術の実用化にも取り組んでいます。当連結会計年度におけるその他の主な成果として,AI技術適用と人材育成を目的とした横浜国立大学との「AI技術に関する共同研究講座」の開設,当社のIoTプラットフォームであるILIPSの高度化,アンモニア・天然ガス混焼ガスタービン実証が挙げられます。当セグメントに係る研究開発費は127億円です。 (注)この項に記載の金額は単位未満を切捨て表示しています。
FY2019|2,240 文字
5【研究開発活動】当社グループ(当社及び連結子会社)は,事業領域と技術開発本部が密接に連携・協力し,資源・エネルギー・環境,社会基盤・海洋,産業システム・汎用機械,航空・宇宙・防衛のセグメントにおける各製品の競争力強化,及び今後の事業拡大・創造につながる基礎研究から実用化研究までを強力に推進しています。また,国内外の大学や研究機関との産学官連携による共同研究にも積極的に取り組んでいます。 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は365億円です。各セグメント別の主な研究開発の成果及び研究開発費は次のとおりです。 (1)資源・エネルギー・環境資源・エネルギー・環境事業領域と技術開発本部では,ボイラ,中型原動機,プロセスプラント,原子力等に係る研究開発を行なっています。連結子会社で研究開発を行なっているのは,主に新潟原動機㈱です。当連結会計年度の主な成果として,パーム廃棄物を活用した固体バイオマス燃料事業の本格化,デジタルツインシミュレーションを活用したプラントの状態把握と予測技術の開発,除菌・脱臭に利用可能な世界初のオゾンハイドレートの開発が挙げられます。当セグメントに係る研究開発費は56億円です。当連結会計年度では,独自開発工法を適用する地上式LNGタンク1基の増設工事に着手し,工期を大幅に短縮して早期完成を予定しています。また,高効率な木質バイオマス燃焼技術が評価され,重油・原油焚ボイラの木質バイオマス燃料変換工事の受注に至りました。 (2)社会基盤・海洋社会基盤・海洋事業領域と技術開発本部では,橋梁・水門,交通システム等に係る研究開発を行なっています。連結子会社で研究開発を行なっているのは,主に㈱IHIインフラシステム,新潟トランシス㈱,㈱IHIインフラ建設です。当連結会計年度の主な成果として,橋梁モデルデータをクラウド・ARデバイス・測量機と連携させる技術による生産性向上と高度な品質管理の実現,点検業務の効率化を実現した「水門点検サポートシステム(GBRAINTM)」の完成,軽量・小型化を実現した長周期地震動対策向け制振装置の開発・販売が挙げられます。当セグメントに係る研究開発費は8億円です。当連結会計年度では,高速道路の新設における多様な建設条件に応じた鋼橋新設技術に関する研究に引き続き取り組みました。 (3)産業システム・汎用機械産業システム・汎用機械事業領域と技術開発本部では,車両過給機,運搬機械,熱・表面処理,回転機械,パーキング,農機・小型原動機等に係る研究開発を行なっています。連結子会社で研究開発を行なっているのは,主にIHI Charging Systems International GmbH,㈱IHIアグリテック,IHI運搬機械㈱,㈱IHI回転機械エンジニアリング,㈱IHI物流産業システム,IHI Hauzer Techno Coating B.V.です。当連結会計年度の主な成果として,全天候カバーで建物を覆う建設工法でも使える世界初の水平スライドクレーンの開発,AIを搭載した物流ロボットシステムの継続的な開発,シェアリングエコノミーの拡大に貢献するIoTプラットフォーム提供を実現する各種技術の開発,過酸化水素の使用量を大幅低減した新滅菌法の開発,洗浄工程機能を付加した最新鋭のオゾン水内視鏡消毒機の開発が挙げられます。また,近年技術革新が目覚ましい自動車の自動運転に対応可能な駐車場開発に必要な技術を獲得するため,慶応技術大学との共同研究を開始しました。当セグメントに係る研究開発費は94億円です。当連結会計年度では,F1レースにおける本田技研工業㈱,及び㈱本田技術研究所とパワーユニット開発・供給に関するテクニカルパートナーシップの契約締結に至りました。 (4)航空・宇宙・防衛航空・宇宙・防衛事業領域と技術開発本部では,航空エンジン,ロケットシステム・宇宙利用,防衛機器システム等に係る研究開発を行なっています。連結子会社で研究開発を行なっているのは,主に㈱IHIエアロスペース,㈱IHIキャスティングスです。当連結会計年度の主な成果として,将来戦闘機用を目指したジェットエンジンプロトタイプ(XF9-1)の納入,次世代の製造プロセスとして注目されている三次元積層造形技術の開発が挙げられます。さらに,複数衛星を同時に打ち上げられる能力を付加したイプシロンロケット4号機の打上に成功し,多くの打上需要に対応できることが実証されました。当セグメントに係る研究開発費は100億円です。 (5)その他本社部門と技術開発本部等では,新技術・新事業分野及び共通基盤技術に係る研究開発を行なっています。連結子会社で研究開発活動を行なっているのは,主に㈱IHI検査計測,㈱IHIエスキューブ,明星電気㈱です。当連結会計年度の主な成果として,当社グループ製品・サービスへ活用するAI技術の研究,持続性のある地産地消型スマートコミュニティ事業向けのエネルギーマネジメントシステム導入,アンモニアを燃料とした燃料電池システムによる1kW発電の成功,2,000kW級ガスタービンでの世界初のアンモニア混焼の実証,地球温暖化の進行抑制に寄与できる二酸化炭素(CO2)の再資源化に向けた触媒技術の開発が挙げられます。当セグメントに係る研究開発費は105億円です。 (注)この項に記載の金額は単位未満を切捨て表示しています。
FY2018|1,996 文字
5【研究開発活動】当社グループ(当社及び連結子会社)は,事業領域と技術開発本部が密接に連携・協力し,資源・エネルギー・環境,社会基盤・海洋,産業システム・汎用機械,航空・宇宙・防衛のセグメントにおける各製品の競争力強化,及び今後の事業拡大・創造につながる基礎研究から実用化研究までを強力に推進しています。また,国内外の大学や研究機関との産学官連携による共同研究にも積極的に取り組んでいます。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は386億円です。各セグメント別の主な研究開発の成果及び研究開発費は次のとおりです。 (1)資源・エネルギー・環境資源・エネルギー・環境事業領域と技術開発本部では,ボイラ,原動機プラント,プロセスプラント,原子力等に係る研究開発を行なっています。連結子会社で研究開発を行なっているのは,主に新潟原動機㈱,㈱IHI環境エンジニアリングです。当連結会計年度の主な成果として,パーム油搾油過程で発生するEFB(Empty Fruit Bunch:パームヤシの空果房)を固体バイオマス燃料に変換する手法の確立,世界初の大型舶用低速エンジン向け可変圧縮比機構の開発,CO2排出低減に寄与するアンモニアの燃料利用を可能とする燃焼技術開発が挙げられます。当セグメントに係る研究開発費は63億円です。当連結会計年度では,当社の豊富な火力発電ボイラ建造実績,データ解析に基づく運転・部品寿命の判定技術,質の高いメンテナンス実績が評価され,モロッコにおいて大型石炭火力発電ボイラの8年間にわたる長期保守契約締結に至りました。 (2)社会基盤・海洋社会基盤・海洋事業領域と技術開発本部では,橋梁・水門,交通システム等に係る研究開発を行なっています。連結子会社で研究開発を行なっているのは,主に㈱IHIインフラシステム,新潟トランシス㈱です。当セグメントに係る研究開発費は7億円です。当連結会計年度では,イズミット湾横断橋において革新的な主塔基礎構造を世界で初めて導入した吊橋を実現したことによる公益社団法人土木学会からの平成28年度田中賞及び一般財団法人エンジニアリング協会からのエンジニアリング功労者賞(国際貢献)の受賞等,継続する研究活動の取り組みが評価されました。 (3)産業システム・汎用機械産業システム・汎用機械事業領域と技術開発本部では,車両過給機,運搬機械,熱・表面処理,回転機械,パーキング等に係る研究開発を行なっています。連結子会社で研究開発を行なっているのは,主にIHI Charging Systems International GmbH,㈱IHIアグリテック,IHI運搬機械㈱,IHI Hauzer Techno Coating BV,㈱IHI物流産業システムです。当連結会計年度の主な成果として,世界初のAI搭載のデパレタイズシステムの開発,プラスチック・クロムコーティングのプロセス技術の開発やリレベリング機構を採用して出庫時間の短縮・低騒音化を実現したエレベータ式駐車装置の開発が挙げられます。当セグメントに係る研究開発費は99億円です。 (4)航空・宇宙・防衛航空・宇宙・防衛事業領域と技術開発本部では,航空エンジン,ロケットシステム・宇宙利用,防衛機器システム等に係る研究開発を行なっています。連結子会社で研究開発を行なっているのは,主に㈱IHIエアロスペース,㈱IHIキャスティングスです。当連結会計年度の主な成果として,次世代大型旅客機「777X」に搭載されるGE9Xエンジンの開発継続,バイオジェット燃料の生産技術開発,衛星及び船舶関連技術を活用した船舶位置情報サービスの開始が挙げられます。また,ロケットシステム関連の技術開発成果を取り込んだイプシロンロケット3号機の打ち上げに成功し,今後の打ち上げ需要に十分対応できることが実証されました。当セグメントに係る研究開発費は101億円です。 (5)その他本社部門と技術開発本部では,新技術・新事業分野及び共通基盤技術に係る研究開発を行なっています。連結子会社で研究開発活動を行なっているのは,主に㈱IHI検査計測,明星電気㈱です。当連結会計年度の主な成果として,再生可能エネルギーの利用拡大に向けた海流発電技術が挙げられ,実海域での実証試験を完了させ,実用化に向けたデータ取得を行なっています。また,CO2フリーの循環型社会創りのための太陽光発電と水素の利活用によるスマートコミュニティ事業モデルの構築を目指した共同研究を開始し,再生エネルギーの地産地消の実現と地域主導の事業モデルの創出により地域経済の活力再生に向けた街づくりの一助となるよう事業構築の推進にも取り組んでいます。当セグメントに係る研究開発費は114億円です。 (注)この項に記載の金額は単位未満を切捨て表示しています。
FY2017|2,094 文字
6【研究開発活動】当社グループ(当社及び連結子会社)は,事業領域と技術開発本部が密接に連携・協力し,資源・エネルギー・環境,社会基盤・海洋,産業システム・汎用機械,航空・宇宙・防衛のセグメントにおける各製品の競争力強化,及び今後の事業拡大・創造につながる基礎研究から実用化研究までを強力に推進しています。また,国内外の大学や研究機関との産学官連携による共同研究にも積極的に取り組んでいます。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は355億円です。各セグメント別の主な研究開発の成果及び研究開発費は次のとおりです。 (1)資源・エネルギー・環境資源・エネルギー・環境事業領域と技術開発本部では,ボイラ,原動機プラント,プロセスプラント,原子力,陸舶用原動機等に係る研究開発を行なっています。連結子会社で研究開発を行なっているのは,主に新潟原動機㈱,㈱IHI環境エンジニアリングです。当連結会計年度の主な成果として,バイオマス高比率石炭混焼技術の実用化による平成28年度新エネ大賞における経済産業大臣賞の受賞,インドネシア・ロンタール石炭火力発電所4号機受注に至る,最新鋭の超々臨界圧石炭火力技術の中小型発電ボイラ機種向けダウンサイジングの実現,低速2ストローク型デュアルフュエルエンジンのパイロット燃料消費量を削減する技術の開発等が挙げられます。当セグメントに係る研究開発費は61億円です。 (2)社会基盤・海洋社会基盤・海洋事業領域と技術開発本部では,橋梁・水門,交通システム等に係る研究開発を行なっています。連結子会社で研究開発を行なっているのは,主に新潟トランシス㈱,㈱IHIインフラシステムです。当連結会計年度の主な成果として,継続的に実施している長大吊橋の安定性向上等の技術力強化が結実したイズミット湾横断橋の完工が挙げられます。当セグメントに係る研究開発費は7億円です。 (3)産業システム・汎用機械産業システム・汎用機械事業領域と技術開発本部では,車両過給機,運搬機械,熱・表面処理,圧縮機,パーキング等に係る研究開発を行なっています。連結子会社で研究開発を行なっているのは,主にIHI Charging Systems International GmbH,㈱IHIシバウラ,IHI運搬機械㈱,㈱IHIスター,㈱IHI物流産業システム,IHI Hauzer Techno Coating BVです。当連結会計年度の主な成果として,自動車の燃費向上に寄与するダウンサイジングエンジンのための過給機の開発や安全性向上のための過給機の耐衝撃性予測技術の向上,電力消費ピークを管理するエネルギー貯蔵システムの開発,超電導電力機器冷却用大容量ターボ冷凍機向けターボ回転機の共同開発,世界初の舶用補機専用過給機の共同開発,核融合実験炉冷却用の極低温回転機械の開発等が挙げられます。当セグメントに係る研究開発費は74億円です。 (4)航空・宇宙・防衛航空・宇宙・防衛事業領域と技術開発本部では,航空エンジン,ロケットシステム・宇宙利用,防衛機器システム等に係る研究開発を行なっています。連結子会社で研究開発を行なっているのは,主に㈱IHIエアロスペース,㈱IHIキャスティングスです。当連結会計年度の主な成果として,当社が開発に携わる「GE Passport 20」エンジンの型式承認取得,「PW1100G-JM」向け炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製部品の量産化体制構築,三菱電機株式会社と共同開発した「MSCoating®」の「GE90」エンジンへの適用等が挙げられます。また,ロケットシステム関連の技術開発に取り組み,イプシロンロケット2号機の打ち上げに成功しました。当セグメントに係る研究開発費は99億円です。 (5)その他本社部門と技術開発本部では,新技術・新事業分野及び共通基盤技術に係る研究開発を行なっています。連結子会社で研究開発活動を行なっているのは,主に㈱IHI検査計測,明星電気㈱です。当連結会計年度の主な成果として,再生可能エネルギーの利用拡大や発電分野におけるCO2排出量削減のための水素・アンモニア利用技術等が挙げられます。また,ICTを活用した「製品・サービスの高度化」「ものづくりの高度化」にてビジネスモデルを変革し新たなお客さま価値を創出するため,当社グループ共通のリモートメンテナンス共通プラットフォームILIPSを航空エンジンや物流機械システムの保守サービスへ適用し,故障予知・予防保全によるお客さまサポートサービス向上のための開発に取り組んでいます。これらの企業姿勢と取り組みが認められ,平成28年度「攻めのIT経営銘柄2016」に選定されました。また,POTEKAによる超高密度地上気象観測網の実用化や突風予測システムの構築,並びに,観測データ提供による地域防災プロジェクトへの貢献により,日本風工学会技術開発賞を受賞しました。当セグメントに係る研究開発費は113億円です。 (注)この項に記載の金額は単位未満を切捨て表示しています。
FY2016|1,982 文字
6【研究開発活動】当社グループ(当社及び連結子会社)は,事業本部,セクターや連結各社と技術開発本部が密接に連携・協力し,資源・エネルギー・環境,社会基盤・海洋,産業システム・汎用機械,航空・宇宙・防衛のセグメントにおける各製品の競争力強化,及び今後の事業拡大・創造につながる基礎研究から実用化研究までを強力に推進しています。また,国内外の大学や研究機関との産学官連携による共同研究にも積極的に取り組んでいます。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は416億円です。各セグメント別の主な研究開発の成果及び研究開発費は次のとおりです。 (1)資源・エネルギー・環境エネルギー・プラントセクター,原子力セクター及び技術開発本部と連結子会社により,ボイラ,原動機プラント,ガスプロセス,原子力等に係る研究開発を行なっています。連結子会社で研究開発を行なっているのは,主に新潟原動機㈱,㈱IHI環境エンジニアリング,㈱ディーゼルユナイテッドです。当連結会計年度の主な成果として,石炭焚火力発電所において,国内最大規模のバイオマス混焼試験として混焼率25%(熱量比率)の実証,予混合・希薄燃焼方式,低速2ストローク型デュアルフュエルエンジンW6X72DFフルスケール実証機運転試験の実施等が挙げられます。当セグメントに係る研究開発費は69億円です。 (2)社会基盤・海洋社会基盤セクター,海洋・鉄構セクター及び技術開発本部と連結子会社により,橋梁,F-LNG・海洋構造物,交通システム等に係る研究開発を行なっています。連結子会社で研究開発を行なっているのは,主に新潟トランシス㈱,㈱IHIインフラシステムです。当連結会計年度の主な成果として,安全性の強化と海上避難生活への配慮を追求したモデルチェンジ型津波救命艇の開発,建造が本格化しているIHI-SPBタンクの生産効率を高める自動溶接技術やFSW(摩擦撹拌接合)技術の開発等が挙げられます。当セグメントに係る研究開発費は7億円です。 (3)産業システム・汎用機械産業・ロジスティックスセクター,車両過給機セクター,回転機械セクター及び技術開発本部と連結子会社により,車両過給機,運搬機械,熱・表面処理,圧縮機,舶用機械,パーキング等に係る研究開発を行なっています。連結子会社で研究開発を行なっているのは,主にIHI Charging Systems International GmbH,㈱IHIシバウラ,IHI運搬機械㈱,㈱IHIスター,㈱IHIフォイトペーパーテクノロジー,IHI Hauzer Techno Coating BV,IHI建機㈱です。当連結会計年度の主な成果として,ハイブリッド自動車や燃料電池車をターゲットとした電動過給機等を含む過給機の新機種開発,メンテナンスコスト削減と機器トラブルを未然に防止するデッキクレーン向け新型浄油システムの開発,IoT・ビッグデータを活用した物流設備向けクラウド型設備保守支援サービスの開発及び提供開始等が挙げられます。当セグメントに係る研究開発費は78億円です。 (4)航空・宇宙・防衛航空宇宙事業本部及び技術開発本部と連結子会社により,航空エンジン,ロケットシステム・宇宙利用,防衛機器システム等に係る研究開発を行なっています。連結子会社で研究開発を行なっているのは,主に㈱IHIエアロスペース,㈱IHIキャスティングスです。当連結会計年度の主な成果として,かねてより当社が開発に参画していた民間航空機エンジン「PW1100G-JM」部品の量産化技術の確立及び量産部品の製作・出荷開始等が挙げられます。また,次世代大型旅客機 Boeing777Xに搭載される民間航空エンジン「GE9X」の開発を進めています。当セグメントに係る研究開発費は129億円です。 (5)その他ソリューション統括本部,高度情報マネジメント統括本部,新事業推進部,技術開発本部及び情報システム部等の本社部門と連結子会社により,新技術・新事業分野及び共通基盤技術に係る研究開発を行なっています。連結子会社で研究開発活動を行なっているのは,主に㈱IHI検査計測,明星電気㈱,IHI NeoG Algae合同会社です。当連結会計年度の主な成果として,3次元レーザレーダ方式踏切障害物検知装置における日本企業初のSIL4認証取得,NEDO殿の委託を受けて行っている微細藻由来バイオ燃料製造技術開発における屋外大規模培養試験での藻体の安定的増殖の成功,ICTを製品の予防保全に活用するためのデータ分析技術の開発,戸建住宅における電気自動車向け非接触給電システムの実証実験等が挙げられます。当セグメントに係る研究開発費は130億円です。 (注)この項に記載の金額は単位未満を切捨て表示しています。