8031

三井物産(8031)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

卸売業 商社・卸売

事業の概要

  • 総合商社としての多角化
    三井物産は、金属資源、エネルギー、機械・インフラ、化学品、鉄鋼製品、生活産業、次世代・機能推進といった多岐にわたる分野で事業を展開しています。これは、特定の商品やサービスに依存せず、世界中の事業拠点と情報力を活用して、商品の売買、製造、輸送、ファイナンスなど様々な事業を組み合わせることで収益を上げています。例えば、資源開発プロジェクトへの投資や、環境・新技術関連事業への参画も含まれます。
  • グローバルな事業展開
    同社は全世界に広がる事業拠点を持ち、本店に置かれた事業本部が各事業領域の戦略を立案し、地域本部やブロックと連携して事業活動を行っています。連結子会社は海外に206社、国内に72社、持分法適用会社は海外に136社、国内に32社と、非常に広範なネットワークを構築しており、これにより多様な地域での収益機会を追求しています。
  • 資源・インフラ開発投資
    同社のビジネスモデルの重要な柱の一つは、資源開発やインフラ開発プロジェクトへの投資です。例えば、金属資源やエネルギー分野では、鉄鉱石、原料炭、天然ガス・LNGなどの探鉱・開発・生産事業に参画しています。これらの大規模プロジェクトへの投資を通じて、長期的な安定収益の確保を目指しており、世界の経済成長や需要変動に対応しながら収益を拡大しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 金属資源事業
    鉄鉱石、原料炭、銅、ニッケル、アルミニウムなどの多種多様な金属資源の売買、開発、投資を行っています。世界最大級の未開発鉄鉱石鉱床である豪州Rhodes Ridge鉄鉱石事業の権益取得など、大規模な資源開発プロジェクトに参画しており、世界の人口増加や経済成長、EV化・電動化に伴う素材需要の増加を背景に、安定的な収益源となっています。
  • エネルギー事業
    天然ガス・LNG、原油、石油製品、環境・次世代エネルギーなど、幅広いエネルギー関連事業を展開しています。エネルギーの安定供給と脱炭素化の両立という社会ニーズに応えるため、化石燃料の安定供給に加え、クリーンエネルギーや次世代エネルギーへの投資も積極的に行っています。地政学的リスクや景気変動による需給・価格変動の影響を受けやすい特性があります。
  • 機械・インフラ事業
    電力、海洋エネルギー、ガス配給、水、物流・社会インフラ、自動車、建設・鉱山機械、鉄道、船舶、航空など、多岐にわたるインフラ関連事業を手掛けています。脱炭素化やデジタル化に伴う電力・デジタルインフラ需要の増加、環境負荷の低いモビリティへのシフトなど、社会の変化に対応した事業機会を捉え、グローバルに展開しています。中東情勢などの地政学的リスクがタンカー市況や燃料調達価格に影響を与える可能性があります。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,439 文字
3【事業の内容】 当社及び連結子会社は、金属資源、エネルギー、機械・インフラ、化学品、鉄鋼製品、生活産業、次世代・機能推進等の各分野において、総合商社である当社を中心として全世界に広がる事業拠点とその情報力を活用し、多種多様な商品の売買、製造、輸送、ファイナンス等各種事業を多角的に行っています。さらには資源・インフラ開発プロジェクトの構築、環境・新技術・次世代燃料やウェルネスに関連する事業投資やデジタルを活用した価値創出等の幅広い取組みを展開しています。 当社は本店に事業別の事業本部を置き、各事業本部は担当事業領域毎に地域本部及びブロックと内外一体となった総合戦略を立案し、傘下の関係会社とともに全世界で事業活動を展開しています。地域本部及びブロックは地域戦略の要として担当地域を任されており、事業本部と連携しつつ各々傘下の関係会社とともに幅広い多角的な事業を行っています。 これらの事業本部並びに地域本部及びブロックを、IFRS第8号「事業セグメント」による開示に当たり、経営者による経営資源の配分に関する意思決定やその業績評価の方法、取扱商品またはサービス等の内容を勘案した事業領域の性質に基づく7つの事業別セグメントに分類しています。 当社グループの連結決算対象会社の総数は446社であり、その内訳は連結子会社が海外206社、国内72社、持分法適用会社が海外136社、国内32社となっています。 セグメント取扱商品またはサービスの内容主要な子会社主要な持分法適用会社金属資源鉄鉱石、原料炭、銅、ニッケル、アルミニウム、合金鉄・金属リサイクル 他三井物産メタルズ、Mitsui Iron Ore Development、Mitsui Iron Ore Corporation、Mitsui Resources、Japan Collahuasi Resources、Mitsui & Co. Mineral Resources Development (Latin America)INNER MONGOLIA ERDOS ELECTRIC POWER AND METALLURGY GROUP、日本アマゾンアルミニウムエネルギー天然ガス・LNG、原油、石油製品、環境・次世代エネルギー 他三井エネルギー資源開発、Mitsui E&P Middle East、Mitsui E&P USA、MEP Texas Holdings、Mitsui E&P Australia Holdings、Mitsui E&P Italia B、MEP South Texas、Mitsui & Co. Energy Trading Singapore、Mitsui & Co. LNG Investment USA、Mitsui & Co. Energy Marketing and Services (USA)、MIT SEL Investment、Mypower、e-dash、MIT RNG USAENEOSグローブ、JAPAN ARCTIC LNG、Japan Australia LNG (MIMI)、Mitsui E&P Mozambique Area 1機械・インフラ電力、海洋エネルギー、ガス配給、水、物流・社会インフラ、自動車、建設・鉱山機械、産業機械、鉄道、船舶、航空 他Mit-Power Capitals (Thailand)、MIT Wind Power、ミットパワーインディア、MITSUI GAS E ENERGIA DO BRASIL、Ecogen Brasil Solucoes Energeticas、MIZHA ENERGIA PARTICIPACOES、Shamrock Investment International、Mitsui & Co. Infrastructure Solutions、三井物産プロジェクトソリューション、東京国際エアカーゴターミナル、MIT Energy Southern Africa、Mitsui Water Holdings (Thailand)、GUMI BRASIL PARTICIPACOES、Toyota Chile、MITSUI AUTO FINANCE CHILE、Mitsui Auto Finance Peru、HINO MOTORS SALES MEXICO、Komatsu-Mitsui Maquinarias Peru、KOMEK MACHINERY Kazakhstan、MBK USA Commercial Vehicles、Ellison Technologies、MBK USA AUCTION、Autorentas del Pacifico、OMC SHIPPING、東洋船舶、三井物産エアロスペースSEA TERMINAL MANAGEMENT & SERVICE、SAFI ENERGY、IPM Eagle、India Yamaha Motor、太陽建機レンタル、KOMATSU AUSTRALIA、Penske Automotive Group、PT. Bussan Auto Finance、Hino Motors Manufacturing (Thailand)、WILLIS MITSUI & CO ENGINE SUPPORT化学品石油化学原料・製品、無機原料・製品、合成樹脂原料・製品、農業資材、飼料添加物、化学品タンクターミナル、住生活マテリアル 他三井物産ケミカル、日本アラビアメタノール、MMTX、Shark Bay Salt、ITC ANTWERP、MMCP、MIT Clean Energy、Intercontinental Terminals Company、三井物産プラスチック、Mitsui Plastics Trading (Shanghai)、Diana Elastomers、Mitsui AgriScience International、Mitsui Agro Business、Novus InternationalSMB建材、MVM Resources International、Nutrinova Netherlands、Ourofino鉄鋼製品インフラ鋼材、自動車部品、エネルギー鋼材 他三井物産スチール、STATS (UK)、Regency Steel AsiaGRI Renewable Industries、日鉄物産、エムエム建材、Gestamp Brasil Industria De Autopecas、GESTAMP 2020、NuMit生活産業食料、ファッション、ヘルスケア、EX(Employee Experience/従業員体験) 他United Grain Corporation of Oregon、プライフーズ、KASET PHOL SUGAR、Mit-Salmon Chile、三井物産流通グループ、WILSEY FOODS、MKU Holdings、マックスマーラジャパン、ビギホールディングス、三井物産リテールトレーディング、三井物産サプライチェーン・ソリューションズ、エームサービスフィード・ワン、IPSP Oriental Holding Company、スターゼン、DM三井製糖、Euricom、Minh Phu Seafood、MNインターファッション、IHH Healthcare次世代・機能推進 アセットマネジメント、キャピタルソリューション、保険、バイアウト投資、ベンチャー投資、商品デリバティブ、物流センター、ICTサービス、サイバーセキュリティ、BPO、デジタルマーケティング、TVショッピング、メディア、不動産 他 三井情報、三井物産セキュアディレクション、ワールド・ハイビジョン・チャンネル、M&Y Asia Telecom Holdings、三井物産インシュアランス・ホールディングス、三井物産アセットマネジメント・ホールディングス、SABRE INVESTMENTS、三井物産都市開発、MBK Real Estate Holdings、Mitsui Bussan Commodities、三井物産グローバルロジスティクスQVCジャパン、アルティウスリンク、JA三井リース

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
主要な事業分野である市況商品の価格は、需給不均衡、景気変動、為替変動等、制御不能な要因で変動するため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 設備
金属資源やエネルギーの探鉱・開発・生産事業には多額の投資が必要であり、新規参入障壁となる。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:事業投資リスク / 地政学的リスク / カントリーリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 16 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

三井物産は、長年にわたり培ってきたグローバルなネットワーク、強固な顧客基盤、そして多様な事業ポートフォリオにおけるブランド力と信頼性が無形資産として機能している。特に、資源開発、金属、機械、化学品、食料、リテール、次世代・エネルギー事業など多岐にわたる分野での長年の実績と、それによって築かれた業界内での影響力は、新規参入障壁となっている。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

総合商社としてのビジネスモデルは、顧客との長期的な取引関係に依存している。特に、資源・エネルギー分野やインフラプロジェクトなど、大規模かつ長期的な契約においては、サプライヤーや顧客の切り替えには多大なコストとリスクが伴う。また、多角的な事業展開により、顧客は複数のニーズを三井物産一社で満たすことができ、他の商社への乗り換えメリットが小さい。

ネットワーク効果★★★☆☆
根拠:中程度利用者増が価値を生む

グローバルに張り巡らされた情報網とビジネスネットワークが、新たなビジネス機会の発見やリスク管理に貢献している。世界各地の拠点網を通じて収集される市場情報や、多様なステークホルダーとの関係性は、事業拡大の基盤となる。このネットワークは、新規参入者にとっては構築に膨大な時間とコストを要する。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

規模の経済による調達力や、情報収集能力、リスク分散によるコスト削減効果は存在するが、卸売業という業態の性質上、構造的なコスト優位性は限定的である。個別の事業においては、効率化によるコスト削減努力は行われているものの、競合他社も同様の努力を行っているため、決定的な優位性とは言いにくい。

規模の経済★★★★★
根拠:強い規模が参入障壁になる

総合商社として、世界経済のサプライチェーンにおいて極めて重要な役割を担っており、その事業規模は圧倒的である。資源開発、インフラ投資、金融サービスなど、巨額の資金と高度な専門知識を要する事業を多数展開しており、この規模感は新規参入や既存競合による容易な模倣を不可能にしている。業界内でも上位数社による寡占状態が形成されている。

  • 広範な事業ポートフォリオ
    三井物産は、金属資源から生活産業、次世代・機能推進まで多岐にわたる事業セグメントを持つことで、特定の市場変動リスクを分散しています。これにより、例えば資源価格の変動が一部の事業に影響を与えても、他の事業で補完できるレジリエンス(回復力)の高い収益構造を構築しており、安定した経営基盤を維持しています。
  • グローバルなネットワークと情報力
    全世界に広がる事業拠点と、それらから得られる膨大な情報力は、同社の大きな強みです。これにより、各地域の政治・経済・社会情勢の変化をいち早く捉え、最適な事業機会を発見し、リスクを管理することができます。例えば、新たな資源開発プロジェクトやインフラ整備のニーズを早期に把握し、投資判断に活かすことが可能です。
  • 多様な事業投資と資産リサイクル
    同社は、既存事業の強化に加え、新規事業への積極的な投資と、不採算事業からの撤退や資産売却(資産リサイクル)を機動的に行うことで、事業ポートフォリオの質を高めています。これにより、常に収益性の高い事業に経営資源を集中させ、資本効率を向上させることで、持続的な成長と株主価値の向上を目指しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 持続可能な未来の創造
    三井物産は、中期経営計画2026「Creating Sustainable Futures」を掲げ、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。これは、単に利益を追求するだけでなく、環境・社会・ガバナンス(ESG)の観点も重視し、長期的な視点で企業価値を高めていくという経営姿勢を示しています。
  • ポートフォリオの質の向上
    同社は、既存事業の強化、効率化、新規事業への取り組みを通じて、基礎収益力の拡大とグローバルかつ良質な事業ポートフォリオの拡充を進めています。具体的には、豪州Rhodes Ridge鉄鉱石事業の権益取得のような成長投資を約2.4兆円実行し、同時に機動的な資産リサイクルを行うことで、収益性の高い事業への集中と資本効率の改善を図っています。
  • 環境変化への適応と成長機会の追求
    世界経済の変動や地政学的リスクの高まりといった外部環境の変化に対し、柔軟に対応し、戦略のレジリエンス(回復力)を高めることを重視しています。特に、脱炭素化に向けたEnergy Transformationやデジタル化の進展を、新たな事業機会として捉え、クリーンエネルギー、次世代燃料、AI関連技術などへの投資を通じて、持続的な成長を目指しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 この経営方針、経営環境、対処すべき課題等には、将来に関する記述が含まれています。こうした記述は、現時点で当社が入手している情報を踏まえた仮定、予期及び見解に基づくものであり、既知及び未知のリスクや不確実性及びその他の要素を内包するものです。3「事業等のリスク」などに記載された事項及びその他の要素によって、当社の実際の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況が、こうした将来に関する記述とは大きく異なる可能性があります。 (1)中期経営計画2026の総括 2023年5月に公表した中期経営計画2026「Creating Sustainable Futures」の3年間、外部環境が大きく変動する中、当社は既存事業強化や効率化・ターンアラウンド、新規事業に取り組み、各施策を着実に推進することで、基礎収益力を拡大し、グローバルかつ良質な事業ポートフォリオを拡充することができました。 その結果、基礎営業キャッシュ・フローは5期連続で1兆円規模、当期利益(親会社の所有者に帰属)は2026年3月期8,340億円、株主資本利益率(ROE)は3年平均12.5%となり、株主還元は基礎営業キャッシュ・フローに対して53%を超える予定*です。*2026年6月17日定時株主総会での決議事項である期末配当が原案どおり承認可決されることを前提としています。 中期経営計画2026で定めた3つの攻め筋に沿った取組みを着実に進捗させ、世界最大級の未開発鉄鉱石鉱床を有する豪州Rhodes Ridge鉄鉱石事業の権益取得など、次のステージに向けて約2.4兆円の成長投資も実行しました。また、機動的な資産リサイクルなどにより当初計画を上回って得られた資金を、成長投資と配当・自己株式取得にバランスよく配分し、ポートフォリオの改善と株主の皆様への還元の拡充も推進しました。 (注)実績値は10億円単位の概数を表示 (2)経営環境① 全般 注:本項目は、2026年5月の決算公表時点の経営環境認識を掲載したものであり、当社の現在の経営環境認識と異なる記載が含まれている場合があります。 当連結会計年度の世界経済は、米国の関税政策による下押しがある中で、AI関連の設備投資の盛り上がりなどによって緩やかに回復していましたが、年度末にかけて中東情勢の悪化によるホルムズ海峡の通航制限を受けて、エネルギーなどの供給途絶が発生し、減速感が急速に高まりました。 米国経済は、雇用の増勢は鈍化しましたが、株価上昇による資産効果などから個人消費が比較的堅調に推移し、AI関連を中心に設備投資も増加したことから、回復が続きました。欧州経済は、ドイツは停滞が続きましたが、スペインなど南欧は好調に推移し、全体として景気は持ち直しに向かいました。中国経済は、輸出が米国向け以外で伸びましたが、不動産市場の低迷が続く中で消費など内需が不振で、総じて低調に推移しました。日本経済は、個人消費や設備投資が底堅く推移し、景気は緩やかに回復していましたが、年度末には中東情勢の緊迫化を受けて消費マインドが急速に悪化し、変調の兆しがみられました。 世界経済の先行きは、中東情勢の帰趨に大きく左右されると見込まれ、地政学的リスクの動向について今後の動きに留意が必要です。 ②事業セグメント上記経営環境を踏まえた各事業セグメントにおける環境認識並びにリスクと機会は、以下のとおりです。 (a) 金属資源セグメント環境認識・人口増加・世界経済の成長・AI普及に伴う素材・資源需要の継続的増加・EV化・電動化をはじめとする脱炭素社会に向けたEnergy Transformationと、地域偏在性ある重要鉱物の必要性・鉱山操業やサプライチェーンにおける気候変動・自然資本・人権関連対応の拡大リスク機会・中国経済減速による資源需要への影響・インフレ・高金利による事業コスト影響・技術革新や各国政策展開による商品の需給や価格への影響・リサイクルを含む低炭素鉄源・素材の需要増加・金属資源需要地としてのインド・東南アジアの継続的成長、資源供給地としてのアフリカの可能性 (b) エネルギーセグメント環境認識・人口増加・世界経済の成長に伴い、中長期的にエネルギー需要は増加する見込み・エネルギーの安定供給と脱炭素化の両立に対する社会ニーズの高まりリスク機会・地政学的リスクの高まりや、景気後退に伴う需要減退等に起因するエネルギー需給・価格の大幅な変動・流動的なEnergy Transformation進捗の時間軸・エネルギー安全保障・安定供給の観点で底堅い化石燃料需要、現実解としての天然ガス・LNG需要の増加・脱炭素化の進展によるクリーンエネルギーや次世代エネルギー需要の増加、それに伴うエネルギーソリューション事業機会の拡大 (c) 機械・インフラセグメント環境認識・脱炭素化に向けたEnergy Transformation期間の長期化、国・地域ごとの電源多様化、デジタル化に伴う電力・デジタルインフラ需要増・自動車市場における供給制約は概ね解消し、正常化フェーズへ移行・国・地域ごとに速度は異なるが、環境負荷の低いモビリティへのシフトは引続き進む見込み・中東情勢等地政学的リスクの影響によりタンカー市況高騰リスク機会・中東情勢の悪化に伴う、発電用燃料の安定確保・調達価格への影響並びに、海上輸送量の減少及び余剰船舶によるタンカー市況反落・社会ニーズの変化や技術の発展を受けた産業構造の変化・脱炭素化トレンド変化による投資案件への影響・AI、次世代燃料、半導体など新技術活用の進展、デジタルインフラ需要増加・気候変動対応に伴う再エネ電源や、次世代燃料・電動化などに関連するサービス需要拡大・多様化・日米造船業界再興への機運高まり及び本邦における次世代船舶開発・建造への投資進展 (d) 化学品セグメント環境認識・気候変動対応や循環型社会への移行に伴う、環境配慮型素材・製品・事業に対する要請の高まり・地政学的リスクの高まりを背景とした、サプライチェーン変化・地域分散化の進展・健康や安全・品質志向の高まりを背景とした、食・農業・アニマルヘルス分野の需要拡大リスク機会・気候変動対応や環境規制強化に伴う石油化学産業の構造変化の加速・地政学的リスクの高まり等によるサプライチェーン変化や物流制約・エネルギー価格、金利、人件費等の上昇によるコスト増加と景気減速等に伴う需要低迷・サプライチェーン変化や安定供給ニーズの高まりを背景としたトレーディング機能の発揮機会拡大・次世代燃料・バイオ・リサイクル素材等の環境配慮型素材・製品・事業の需要増加・AI普及に伴う先端半導体・電子材料等の高機能材料や、食・農業・アニマルヘルス領域の需要伸長 (e) 鉄鋼製品セグメント環境認識・北米・インド・東南アジア等を牽引役とした中期的な世界鉄鋼需要の増加・地政学的リスクの継続と関税政策による地産地消化・技術革新による鉄鋼業の段階的なグリーン化の進展リスク機会・地政学的リスクの顕在化に伴うインフレ上振れ・購買力低下による鉄鋼需要減退・関税政策の変動によるサプライチェーン構造変化・グリーン化の移行遅延・地産地消ニーズに伴う新たなサプライチェーン構築への需要の拡大・成長市場・新興市場からの鉄鋼需要増加・循環型経済の加速によるインフラ長寿命化・メンテナンス需要の高まり (f) 生活産業セグメント環境認識・先進国でのライフスタイル多様化と健康志向、サステナビリティ等、社会価値への関心の高まり・新興国での人口増・経済成長・所得増・高齢化による高度先進ヘルスケアニーズの拡大・インフレに伴う原材料費・労務費等の上昇が継続する見通しリスク機会・気候変動による伝統的産地の移動・地政学的リスクや各国政策動向による貿易・産業構造・医療制度の変化・日本における労働人口の減少及び高齢化を背景とした人材確保の難易度上昇・価値観の多様化・細分化、消費行動の多様化、健康・ウェルネスに関する行動様式の変化・新興国における高度先進医療需給ギャップの継続的な拡大・人材確保・定着、生産性向上の要請を背景としたエンゲージメント対応需要の増加 (g) 次世代・機能推進セグメント環境認識・生成AI・クラウドを用いたサービスの普及や、サイバーセキュリティ対応関連ニーズの高まり・サステナビリティ意識の高まり等の市場環境・ニーズの変化を捉えた投資判断の重要性増大リスク機会・株価変動等の市場価格変動リスク・金利上昇、インフレに伴う景況感、企業業績の悪化・技術進化に伴うICTソリューションニーズの高まり・ライフスタイルの多様化に伴うデジタルサービスの普及とデータセンター需要の拡大・サステナビリティ対応に伴う金融商品組成機会、ボラティリティ上昇によるヘッジニーズ増加 (3)中期経営計画2029①当社の目指す姿 地政学的リスクの顕在化に加え、環境・エネルギー、ライフスタイル、新技術がもたらす変化により、不確実性の高い経営環境が続いています。当社は、グローバルポートフォリオを進化させ、統合リスク管理を高度化し、イノベーションを通じて、ビジネスモデルの変革に継続的に取り組んでいます。そして、社会課題に対する現実解の提供とお客様のニーズに応じた商品やサービスの安定供給を通じて社会的役割を果たし、世界中の明るい未来づくりに貢献していきます。 今般、中期経営計画2029「2030年、そしてその先へ 信頼とイノベーションで未来をつくる」を策定しました。これは、2030年、そしてその先に目指す当社の中長期のあり姿実現に向けた、今後3年間の道筋を示すものです。再現性ある価値創出の仕組みに基づき、ポートフォリオを継続的に良質化し続けるとともに、プロフェッショナル人材とAIの探索力を融合させ、飛躍的な価値を生み出す「非線形のCombinatory Value」の実現を通じて、企業価値向上と社会課題解決の好循環を確立し、ステークホルダーの皆様から信頼され続ける存在を目指します。 ②中期経営計画2029定量目標及び2030年のあり姿 当社は、2029年3月期に、過去最高レベルの基礎営業キャッシュ・フロー1.2兆円、当期利益(親会社の所有者に帰属)1.1兆円、株主資本利益率(ROE)12%を目標に掲げます。株主還元の割合は、基礎営業キャッシュ・フローに対して50%の水準を想定しています。 また、2030年のあり姿として、当期利益(親会社の所有者に帰属)1.4兆円超、株主資本利益率(ROE)13%超を目指します。③2030年、そしてその先への道筋 中期経営計画2029では、差別化された競争力、変革を続ける収益基盤、強い個による価値創造を、Corporate Strategyとして新たに設定しました。そして後述の進化した攻め筋に基づき、2030年のあり姿の実現を目指します。また、これらの取組みを支えるため、サステナビリティ経営、ウェルビーイング・Health & Safety、人材戦略を重点テーマに定め、長期視点で経営基盤を継続的に強化していきます。 ④進化した攻め筋 中期経営計画2026で定めた3つの攻め筋を進化させ、更なる成長を実現していきます。Industrial Business Solutions 2.0では、鉄鉱石・銅領域における安定供給基盤の拡充と更なる優良機会の取込み、モビリティ領域での事業基盤の進化と産業構造の変化を捉えた新事業創出を目指します。Global Energy Transformation 2.0では、多様化するニーズに応じたエネルギーの最適供給に加え、計算力供給から活用までを含む、バリューチェーン全体での取組みを進めます。Wellness Ecosystem Creation 2.0では、病院事業を中心に蓄積したデータを活用した創薬支援など新たな領域に取り組むとともに、タンパク質事業群を強化し周辺分野へも展開していきます。 (注)実績値は100億円単位の概数を表示 ⑤キャピタル・アロケーション 不確実性の高い経営環境において、経営の選択肢を幅広く確保し、戦略的かつダイナミックに資金を配分していきます。強固な基礎営業キャッシュ・フロー基盤に加え、進化したミドルゲームにより資産価値を更に高め、機動的かつ時宜を得た資産リサイクルを行うことで、マネジメント・アロケーション*の拡充に取り組みます。そして長期的な資本効率や財務健全性などを考慮しながら、優位性の高い成長投資と株主還元に資金を配分します。こうしたキャピタル・アロケーションに関する考え方については、経営環境の変化に応じ、適切に説明していく方針です。*マネジメント・アロケーションは、成長投資と株主還元へ戦略的に配分するための原資を指します。 ⑥株主還元の方針 当社は、再現性の高いキャッシュ創出力の水準に基づき、配当を通じ株主の皆様へ直接還元することを基本方針とし、自己株式取得も機動的に行っています。中期経営計画2026の3年間で基礎収益力を着実に拡大させ、持続的な成長を支える基盤を強化してきました。基礎収益力の拡大を踏まえ、中期経営計画2029では、当社過去最大の1株あたり25円の増配*となる年間配当140円を下限配当として、配当を維持または増配する累進配当を継続します。また、中期経営計画2029の期間3年間累計の基礎営業キャッシュ・フローに対する株主の皆様への還元(配当及び自己株式取得の合計)の割合は、50%水準を想定しています。*2026年6月17日定時株主総会での決議事項である期末配当が原案どおり承認可決されることを前提としています。 (注)実績値は10億円単位の概数を表示 (4)利益配分に関する基本方針 株主還元策については「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご参照ください。 (5)2027年3月期連結業績予想①2027年3月期連結業績予想業績予想の前提条件2026年3月期実績2027年3月期業績予想期中平均米ドル為替レート151.09150.00原油価格(JCC)(USD/bbl)71ドル84ドル期ずれを考慮した当社連結決算に反映される原油価格(USD/bbl)78ドル80ドル (単位:億円)2026年3月期実績2027年3月期業績予想増減増減要因売上総利益13,28214,500+1,218エネルギー、生活産業販売費及び一般管理費△9,021△9,500△479 有価証券・固定資産関係損益等1,3871,300△87 利息収支△1,038△900+138 受取配当金1,7871,600△187 持分法による投資損益4,4745,200+726前期反動(次世代・機能推進)法人所得税前利益10,87112,200+1,329 法人所得税△2,227△2,600△373 非支配持分△304△400△96 当期利益(親会社の所有者に帰属)8,3409,200+860 減価償却費・無形資産等償却費△3,332△3,600△268 基礎営業キャッシュ・フロー9,78910,500+711 ・為替レートは2026年3月期の151.09円/米ドル及び100.39円/豪ドルに対し、2027年3月期はそれぞれ150.00円/米ドル及び100.00円/豪ドルを想定します。また、2027年3月期の原油価格(JCC)を84米ドル/バレルと仮定し、期ずれを考慮した当社の連結決算に適用される原油価格の平均を80米ドル/バレル(2026年3月期比2米ドル/バレル上昇)と想定します。 オペレーティング・セグメント別での業績予想(当期利益(親会社の所有者に帰属))は以下のとおりです。(単位:億円)2026年3月期実績2027年3月期業績予想増減増減要因金属資源2,5362,500△36(△)鉄鉱石(数量・コスト)(+)銅・原料炭価格鉄鋼製品189200+11 エネルギー*11,5782,000+422(+)資産リサイクル、米国ガス事業モビリティ・デジタル・インフラ*12,3232,400+77(+)資産リサイクル、 前期減損損失反動(△)前期Firefly IPOに伴うFVTPL反動化学品675750+75(+)評価性、資産リサイクル(△)前期ITC Antwerp 公正価値評価益反動ウェルネスエコシステム*2520550+30(+)コーヒートレーディング(△)前期公正価値評価益反動イノベーション&コーポレートディベロップメント*3590700+110(+)前期JA三井リース一過性損失反動(△)前期資産リサイクル反動、商品デリバティブトレーディングその他/調整・消去△71100+171(+)各セグメントに賦課しない経費・利息・税金等連結合計8,3409,200+860 *1 2026年4月1日付でエネルギーセグメントに含まれていた一部事業を機械・インフラセグメントに移管の上、機械・インフラセグメントはモビリティ・デジタル・インフラセグメントに名称変更。本変更に伴い、2026年3月期実績を修正再表示*2 2026年4月1日付で生活産業セグメントをウェルネスエコシステムセグメントに名称変更*3 2026年4月1日付で次世代・機能推進セグメントをイノベーション&コーポレートディベロップメントセグメントに名称変更 オペレーティング・セグメント別での基礎営業キャッシュ・フロー予想は以下のとおりです。(単位:億円)2026年3月期実績2027年3月期業績予想増減増減要因金属資源3,3043,400+96(+)原料炭価格、関連会社配当(△)鉄鉱石(数量・コスト)鉄鋼製品179150△29(△)関連会社配当エネルギー*12,7043,300+596(+)資産リサイクル 、 米国ガス価格、ガス数量モビリティ・デジタル・インフラ*11,7572,000+243(+)関連会社配当化学品1,0261,100+74(+)関連会社の連結子会社化(△)前期海外事業に関わる引当金 取崩益反動ウェルネスエコシステム*278350+272(+)前期「その他、調整・消去とのセグメントをまたぐ取引」の反動、コーヒートレーディングイノベーション&コーポレートディベロップメント*3464400△64(△)商品デリバティブトレーディングその他/調整・消去277△200△477(△)前期「生活産業とのセグメントをまたぐ取引」の反動、各セグメントに賦課しない経費・利息・税金等連結合計9,78910,500+711 *1 2026年4月1日付でエネルギーセグメントに含まれていた一部事業を機械・インフラセグメントに移管の上、機械・インフラセグメントはモビリティ・デジタル・インフラセグメントに名称変更。本変更に伴い、2026年3月期実績を修正再表示*2 2026年4月1日付で生活産業セグメントをウェルネスエコシステムセグメントに名称変更*3 2026年4月1日付で次世代・機能推進セグメントをイノベーション&コーポレートディベロップメントセグメントに名称変更 ②2027年3月期連結業績予想における前提条件 2027年3月期連結業績予想における商品市況及び為替の前提と価格及び為替変動による当期利益(親会社の所有者に帰属)への影響額は以下のとおりです。 価格変動の2027年3月期当期利益(親会社の所有者に帰属)への影響額2027年3月期前提 2026年3月期実績市況商品原油/JCC - (US$1/バレル)84*1 71連結油価*2Gross:Net*3:139億円(US$1/バレル)80 78米国ガス*4Gross:Net*3:1612億円(US$0.1/mmBtu)3.50 3.63*5鉄鉱石*6 30億円(US$1/トン)*12*7 100*8原料炭 3億円(US$1/トン)*12*7 201*9銅*10 5億円(US$100/トン)*1212,000 9,939*11為替*13米ドル 46億円(1円変動あたり)150.00 151.09豪ドル 18億円(1円変動あたり)100.00 100.39*1 Brent $78/バレルを前提に設定。*2 原油価格は期ずれで当社連結業績に反映されるため、それを考慮した連結業績に反映される原油価格を連結油価として推計している。2027年3月期には約55%が4~6カ月遅れ、約40%が1~3カ月遅れ、約5%が遅れ無しで反映されると想定される。上記感応度は、連結油価に対する年間インパクト。*3 実感応度(ヘッジによる影響額を含む)。*4 当社が米国で取り扱う天然ガスはその多くがHenry Hub(HH)に連動しないため、上記感応度はHH価格の変動に対するものではなく、加重平均ガス販売価格に対するインパクト。*5 米国ガスの2026年3月期実績欄には、2025年1月~12月のNYMEXにて取引されるHenry Hub Natural Gas Futuresの直近限月終値のdaily平均値(参考値)を記載。*6 Valeからの受取配当金に対する影響は含まない。*7 鉄鉱石・原料炭の前提価格は非開示。*8 鉄鉱石の2026年3月期実績欄には、2025年4月~2026年3月の業界紙によるスポット価格指標Fe 61% CFR Chinaのdaily平均値(参考値)を記載。なお、Fe 62%の場合は、US$103/トン。*9 原料炭の2026年3月期実績欄には、2025年4月~2026年3月の業界紙によるスポット価格指標Premium HCC FOB Australiaの四半期価格の平均値(参考値)を記載。*10 銅価格は3ヶ月遅れで当社連結業績に反映される。上記感応度は、2026年3月~12月のLME cash settlement price平均価格がUS$100/トン変動した場合に対するインパクト。*11 銅の2026年3月期実績欄には、2025年1月~12月のLME cash settlement priceのmonthly averageの平均値を記載。*12 鉄鉱石・原料炭・銅は、ヘッジによる影響額を含まない。*13 上記感応度は、各国所在の関係会社が報告する機能通貨建て当期利益に対するインパクト及び一部海外出資先からの受取配当金の影響。円安は機能通貨建て当期利益の円貨換算を通じて増益要因となる。関係会社における販売契約上の通貨である米ドルと機能通貨の豪ドルの為替変動、及び為替ヘッジによる影響を含まない。 (注)経営成績に対する外国為替相場の影響について 2025年3月期及び2026年3月期の海外の連結子会社及び持分法適用会社の当期利益(親会社の所有者に帰属)の合計はそれぞれ7,540億円及び7,811億円です。これらの海外所在の連結子会社及び持分法適用会社の機能通貨は、主として米ドル及び豪ドルです。2027年3月期連結業績予想の当期利益(親会社の所有者に帰属)に対する為替変動の影響について、当社は簡便的な推定を行っています。(a)具体的には、業績予想策定の過程で、海外関係会社の予想当期利益(親会社の所有者に帰属)を各社の機能通貨別に集計し、まず米ドル及び豪ドル建ての予想当期利益(親会社の所有者に帰属)の合計額を算出しました。これら2つの通貨別に表示された海外関係会社の予想当期利益(親会社の所有者に帰属)に一部の海外出資先からの通貨別の配当金を合計した金額に対して為替変動の影響を評価しました。これによれば米ドルに対する円高/円安は、1円あたり46億円程度、豪ドルに対する円高/円安の影響は、1円あたり18億円程度、当期利益(親会社の所有者に帰属)の減少/増加をもたらすと試算されます。(b)なお、豪ドルを機能通貨とする資源・エネルギー関連生産会社の当期利益(親会社の所有者に帰属)は、両通貨と契約上の建値通貨である米ドルとの間での為替変動の影響を大きく受けます。この影響額は、(a)に述べた2つの通貨毎の当期利益(親会社の所有者に帰属)合計の円相当評価による感応度と別に勘案する必要があります。(c)ただし、資源・エネルギー関連生産会社などでは、一部において、販売契約の契約通貨である米ドルと機能通貨の為替ヘッジを行っているほか、外貨建の当期利益(親会社の所有者に帰属)の円貨相当評価に係る為替ヘッジを行っている場合があります。これらの影響額についても、(a)に述べた2つの通貨毎の当期利益(親会社の所有者に帰属)合計の円相当評価による感応度と別に勘案する必要があります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 この経営方針、経営環境、対処すべき課題等には、将来に関する記述が含まれています。こうした記述は、現時点で当社が入手している情報を踏まえた仮定、予期及び見解に基づくものであり、既知及び未知のリスクや不確実性及びその他の要素を内包するものです。3「事業等のリスク」などに記載された事項及びその他の要素によって、当社の実際の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況が、こうした将来に関する記述とは大きく異なる可能性があります。 (1)中期経営計画2026の総括 2023年5月に公表した中期経営計画2026「Creating Sustainable Futures」の3年間、外部環境が大きく変動する中、当社は既存事業強化や効率化・ターンアラウンド、新規事業に取り組み、各施策を着実に推進することで、基礎収益力を拡大し、グローバルかつ良質な事業ポートフォリオを拡充することができました。 その結果、基礎営業キャッシュ・フローは5期連続で1兆円規模、当期利益(親会社の所有者に帰属)は2026年3月期8,340億円、株主資本利益率(ROE)は3年平均12.5%となり、株主還元は基礎営業キャッシュ・フローに対して53%を超える予定*です。*2026年6月17日定時株主総会での決議事項である期末配当が原案どおり承認可決されることを前提としています。 中期経営計画2026で定めた3つの攻め筋に沿った取組みを着実に進捗させ、世界最大級の未開発鉄鉱石鉱床を有する豪州Rhodes Ridge鉄鉱石事業の権益取得など、次のステージに向けて約2.4兆円の成長投資も実行しました。また、機動的な資産リサイクルなどにより当初計画を上回って得られた資金を、成長投資と配当・自己株式取得にバランスよく配分し、ポートフォリオの改善と株主の皆様への還元の拡充も推進しました。 (注)実績値は10億円単位の概数を表示 (2)経営環境① 全般 注:本項目は、2026年5月の決算公表時点の経営環境認識を掲載したものであり、当社の現在の経営環境認識と異なる記載が含まれている場合があります。 当連結会計年度の世界経済は、米国の関税政策による下押しがある中で、AI関連の設備投資の盛り上がりなどによって緩やかに回復していましたが、年度末にかけて中東情勢の悪化によるホルムズ海峡の通航制限を受けて、エネルギーなどの供給途絶が発生し、減速感が急速に高まりました。 米国経済は、雇用の増勢は鈍化しましたが、株価上昇による資産効果などから個人消費が比較的堅調に推移し、AI関連を中心に設備投資も増加したことから、回復が続きました。欧州経済は、ドイツは停滞が続きましたが、スペインなど南欧は好調に推移し、全体として景気は持ち直しに向かいました。中国経済は、輸出が米国向け以外で伸びましたが、不動産市場の低迷が続く中で消費など内需が不振で、総じて低調に推移しました。日本経済は、個人消費や設備投資が底堅く推移し、景気は緩やかに回復していましたが、年度末には中東情勢の緊迫化を受けて消費マインドが急速に悪化し、変調の兆しがみられました。 世界経済の先行きは、中東情勢の帰趨に大きく左右されると見込まれ、地政学的リスクの動向について今後の動きに留意が必要です。 ②事業セグメント上記経営環境を踏まえた各事業セグメントにおける環境認識並びにリスクと機会は、以下のとおりです。 (a) 金属資源セグメント環境認識・人口増加・世界経済の成長・AI普及に伴う素材・資源需要の継続的増加・EV化・電動化をはじめとする脱炭素社会に向けたEnergy Transformationと、地域偏在性ある重要鉱物の必要性・鉱山操業やサプライチェーンにおける気候変動・自然資本・人権関連対応の拡大リスク機会・中国経済減速による資源需要への影響・インフレ・高金利による事業コスト影響・技術革新や各国政策展開による商品の需給や価格への影響・リサイクルを含む低炭素鉄源・素材の需要増加・金属資源需要地としてのインド・東南アジアの継続的成長、資源供給地としてのアフリカの可能性 (b) エネルギーセグメント環境認識・人口増加・世界経済の成長に伴い、中長期的にエネルギー需要は増加する見込み・エネルギーの安定供給と脱炭素化の両立に対する社会ニーズの高まりリスク機会・地政学的リスクの高まりや、景気後退に伴う需要減退等に起因するエネルギー需給・価格の大幅な変動・流動的なEnergy Transformation進捗の時間軸・エネルギー安全保障・安定供給の観点で底堅い化石燃料需要、現実解としての天然ガス・LNG需要の増加・脱炭素化の進展によるクリーンエネルギーや次世代エネルギー需要の増加、それに伴うエネルギーソリューション事業機会の拡大 (c) 機械・インフラセグメント環境認識・脱炭素化に向けたEnergy Transformation期間の長期化、国・地域ごとの電源多様化、デジタル化に伴う電力・デジタルインフラ需要増・自動車市場における供給制約は概ね解消し、正常化フェーズへ移行・国・地域ごとに速度は異なるが、環境負荷の低いモビリティへのシフトは引続き進む見込み・中東情勢等地政学的リスクの影響によりタンカー市況高騰リスク機会・中東情勢の悪化に伴う、発電用燃料の安定確保・調達価格への影響並びに、海上輸送量の減少及び余剰船舶によるタンカー市況反落・社会ニーズの変化や技術の発展を受けた産業構造の変化・脱炭素化トレンド変化による投資案件への影響・AI、次世代燃料、半導体など新技術活用の進展、デジタルインフラ需要増加・気候変動対応に伴う再エネ電源や、次世代燃料・電動化などに関連するサービス需要拡大・多様化・日米造船業界再興への機運高まり及び本邦における次世代船舶開発・建造への投資進展 (d) 化学品セグメント環境認識・気候変動対応や循環型社会への移行に伴う、環境配慮型素材・製品・事業に対する要請の高まり・地政学的リスクの高まりを背景とした、サプライチェーン変化・地域分散化の進展・健康や安全・品質志向の高まりを背景とした、食・農業・アニマルヘルス分野の需要拡大リスク機会・気候変動対応や環境規制強化に伴う石油化学産業の構造変化の加速・地政学的リスクの高まり等によるサプライチェーン変化や物流制約・エネルギー価格、金利、人件費等の上昇によるコスト増加と景気減速等に伴う需要低迷・サプライチェーン変化や安定供給ニーズの高まりを背景としたトレーディング機能の発揮機会拡大・次世代燃料・バイオ・リサイクル素材等の環境配慮型素材・製品・事業の需要増加・AI普及に伴う先端半導体・電子材料等の高機能材料や、食・農業・アニマルヘルス領域の需要伸長 (e) 鉄鋼製品セグメント環境認識・北米・インド・東南アジア等を牽引役とした中期的な世界鉄鋼需要の増加・地政学的リスクの継続と関税政策による地産地消化・技術革新による鉄鋼業の段階的なグリーン化の進展リスク機会・地政学的リスクの顕在化に伴うインフレ上振れ・購買力低下による鉄鋼需要減退・関税政策の変動によるサプライチェーン構造変化・グリーン化の移行遅延・地産地消ニーズに伴う新たなサプライチェーン構築への需要の拡大・成長市場・新興市場からの鉄鋼需要増加・循環型経済の加速によるインフラ長寿命化・メンテナンス需要の高まり (f) 生活産業セグメント環境認識・先進国でのライフスタイル多様化と健康志向、サステナビリティ等、社会価値への関心の高まり・新興国での人口増・経済成長・所得増・高齢化による高度先進ヘルスケアニーズの拡大・インフレに伴う原材料費・労務費等の上昇が継続する見通しリスク機会・気候変動による伝統的産地の移動・地政学的リスクや各国政策動向による貿易・産業構造・医療制度の変化・日本における労働人口の減少及び高齢化を背景とした人材確保の難易度上昇・価値観の多様化・細分化、消費行動の多様化、健康・ウェルネスに関する行動様式の変化・新興国における高度先進医療需給ギャップの継続的な拡大・人材確保・定着、生産性向上の要請を背景としたエンゲージメント対応需要の増加 (g) 次世代・機能推進セグメント環境認識・生成AI・クラウドを用いたサービスの普及や、サイバーセキュリティ対応関連ニーズの高まり・サステナビリティ意識の高まり等の市場環境・ニーズの変化を捉えた投資判断の重要性増大リスク機会・株価変動等の市場価格変動リスク・金利上昇、インフレに伴う景況感、企業業績の悪化・技術進化に伴うICTソリューションニーズの高まり・ライフスタイルの多様化に伴うデジタルサービスの普及とデータセンター需要の拡大・サステナビリティ対応に伴う金融商品組成機会、ボラティリティ上昇によるヘッジニーズ増加 (3)中期経営計画2029①当社の目指す姿 地政学的リスクの顕在化に加え、環境・エネルギー、ライフスタイル、新技術がもたらす変化により、不確実性の高い経営環境が続いています。当社は、グローバルポートフォリオを進化させ、統合リスク管理を高度化し、イノベーションを通じて、ビジネスモデルの変革に継続的に取り組んでいます。そして、社会課題に対する現実解の提供とお客様のニーズに応じた商品やサービスの安定供給を通じて社会的役割を果たし、世界中の明るい未来づくりに貢献していきます。 今般、中期経営計画2029「2030年、そしてその先へ 信頼とイノベーションで未来をつくる」を策定しました。これは、2030年、そしてその先に目指す当社の中長期のあり姿実現に向けた、今後3年間の道筋を示すものです。再現性ある価値創出の仕組みに基づき、ポートフォリオを継続的に良質化し続けるとともに、プロフェッショナル人材とAIの探索力を融合させ、飛躍的な価値を生み出す「非線形のCombinatory Value」の実現を通じて、企業価値向上と社会課題解決の好循環を確立し、ステークホルダーの皆様から信頼され続ける存在を目指します。 ②中期経営計画2029定量目標及び2030年のあり姿 当社は、2029年3月期に、過去最高レベルの基礎営業キャッシュ・フロー1.2兆円、当期利益(親会社の所有者に帰属)1.1兆円、株主資本利益率(ROE)12%を目標に掲げます。株主還元の割合は、基礎営業キャッシュ・フローに対して50%の水準を想定しています。 また、2030年のあり姿として、当期利益(親会社の所有者に帰属)1.4兆円超、株主資本利益率(ROE)13%超を目指します。③2030年、そしてその先への道筋 中期経営計画2029では、差別化された競争力、変革を続ける収益基盤、強い個による価値創造を、Corporate Strategyとして新たに設定しました。そして後述の進化した攻め筋に基づき、2030年のあり姿の実現を目指します。また、これらの取組みを支えるため、サステナビリティ経営、ウェルビーイング・Health & Safety、人材戦略を重点テーマに定め、長期視点で経営基盤を継続的に強化していきます。 ④進化した攻め筋 中期経営計画2026で定めた3つの攻め筋を進化させ、更なる成長を実現していきます。Industrial Business Solutions 2.0では、鉄鉱石・銅領域における安定供給基盤の拡充と更なる優良機会の取込み、モビリティ領域での事業基盤の進化と産業構造の変化を捉えた新事業創出を目指します。Global Energy Transformation 2.0では、多様化するニーズに応じたエネルギーの最適供給に加え、計算力供給から活用までを含む、バリューチェーン全体での取組みを進めます。Wellness Ecosystem Creation 2.0では、病院事業を中心に蓄積したデータを活用した創薬支援など新たな領域に取り組むとともに、タンパク質事業群を強化し周辺分野へも展開していきます。 (注)実績値は100億円単位の概数を表示 ⑤キャピタル・アロケーション 不確実性の高い経営環境において、経営の選択肢を幅広く確保し、戦略的かつダイナミックに資金を配分していきます。強固な基礎営業キャッシュ・フロー基盤に加え、進化したミドルゲームにより資産価値を更に高め、機動的かつ時宜を得た資産リサイクルを行うことで、マネジメント・アロケーション*の拡充に取り組みます。そして長期的な資本効率や財務健全性などを考慮しながら、優位性の高い成長投資と株主還元に資金を配分します。こうしたキャピタル・アロケーションに関する考え方については、経営環境の変化に応じ、適切に説明していく方針です。*マネジメント・アロケーションは、成長投資と株主還元へ戦略的に配分するための原資を指します。 ⑥株主還元の方針 当社は、再現性の高いキャッシュ創出力の水準に基づき、配当を通じ株主の皆様へ直接還元することを基本方針とし、自己株式取得も機動的に行っています。中期経営計画2026の3年間で基礎収益力を着実に拡大させ、持続的な成長を支える基盤を強化してきました。基礎収益力の拡大を踏まえ、中期経営計画2029では、当社過去最大の1株あたり25円の増配*となる年間配当140円を下限配当として、配当を維持または増配する累進配当を継続します。また、中期経営計画2029の期間3年間累計の基礎営業キャッシュ・フローに対する株主の皆様への還元(配当及び自己株式取得の合計)の割合は、50%水準を想定しています。*2026年6月17日定時株主総会での決議事項である期末配当が原案どおり承認可決されることを前提としています。 (注)実績値は10億円単位の概数を表示 (4)利益配分に関する基本方針 株主還元策については「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご参照ください。 (5)2027年3月期連結業績予想①2027年3月期連結業績予想業績予想の前提条件2026年3月期実績2027年3月期業績予想期中平均米ドル為替レート151.09150.00原油価格(JCC)(USD/bbl)71ドル84ドル期ずれを考慮した当社連結決算に反映される原油価格(USD/bbl)78ドル80ドル (単位:億円)2026年3月期実績2027年3月期業績予想増減増減要因売上総利益13,28214,500+1,218エネルギー、生活産業販売費及び一般管理費△9,021△9,500△479 有価証券・固定資産関係損益等1,3871,300△87 利息収支△1,038△900+138 受取配当金1,7871,600△187 持分法による投資損益4,4745,200+726前期反動(次世代・機能推進)法人所得税前利益10,87112,200+1,329 法人所得税△2,227△2,600△373 非支配持分△304△400△96 当期利益(親会社の所有者に帰属)8,3409,200+860 減価償却費・無形資産等償却費△3,332△3,600△268 基礎営業キャッシュ・フロー9,78910,500+711 ・為替レートは2026年3月期の151.09円/米ドル及び100.39円/豪ドルに対し、2027年3月期はそれぞれ150.00円/米ドル及び100.00円/豪ドルを想定します。また、2027年3月期の原油価格(JCC)を84米ドル/バレルと仮定し、期ずれを考慮した当社の連結決算に適用される原油価格の平均を80米ドル/バレル(2026年3月期比2米ドル/バレル上昇)と想定します。 オペレーティング・セグメント別での業績予想(当期利益(親会社の所有者に帰属))は以下のとおりです。(単位:億円)2026年3月期実績2027年3月期業績予想増減増減要因金属資源2,5362,500△36(△)鉄鉱石(数量・コスト)(+)銅・原料炭価格鉄鋼製品189200+11 エネルギー*11,5782,000+422(+)資産リサイクル、米国ガス事業モビリティ・デジタル・インフラ*12,3232,400+77(+)資産リサイクル、 前期減損損失反動(△)前期Firefly IPOに伴うFVTPL反動化学品675750+75(+)評価性、資産リサイクル(△)前期ITC Antwerp 公正価値評価益反動ウェルネスエコシステム*2520550+30(+)コーヒートレーディング(△)前期公正価値評価益反動イノベーション&コーポレートディベロップメント*3590700+110(+)前期JA三井リース一過性損失反動(△)前期資産リサイクル反動、商品デリバティブトレーディングその他/調整・消去△71100+171(+)各セグメントに賦課しない経費・利息・税金等連結合計8,3409,200+860 *1 2026年4月1日付でエネルギーセグメントに含まれていた一部事業を機械・インフラセグメントに移管の上、機械・インフラセグメントはモビリティ・デジタル・インフラセグメントに名称変更。本変更に伴い、2026年3月期実績を修正再表示*2 2026年4月1日付で生活産業セグメントをウェルネスエコシステムセグメントに名称変更*3 2026年4月1日付で次世代・機能推進セグメントをイノベーション&コーポレートディベロップメントセグメントに名称変更 オペレーティング・セグメント別での基礎営業キャッシュ・フロー予想は以下のとおりです。(単位:億円)2026年3月期実績2027年3月期業績予想増減増減要因金属資源3,3043,400+96(+)原料炭価格、関連会社配当(△)鉄鉱石(数量・コスト)鉄鋼製品179150△29(△)関連会社配当エネルギー*12,7043,300+596(+)資産リサイクル 、 米国ガス価格、ガス数量モビリティ・デジタル・インフラ*11,7572,000+243(+)関連会社配当化学品1,0261,100+74(+)関連会社の連結子会社化(△)前期海外事業に関わる引当金 取崩益反動ウェルネスエコシステム*278350+272(+)前期「その他、調整・消去とのセグメントをまたぐ取引」の反動、コーヒートレーディングイノベーション&コーポレートディベロップメント*3464400△64(△)商品デリバティブトレーディングその他/調整・消去277△200△477(△)前期「生活産業とのセグメントをまたぐ取引」の反動、各セグメントに賦課しない経費・利息・税金等連結合計9,78910,500+711 *1 2026年4月1日付でエネルギーセグメントに含まれていた一部事業を機械・インフラセグメントに移管の上、機械・インフラセグメントはモビリティ・デジタル・インフラセグメントに名称変更。本変更に伴い、2026年3月期実績を修正再表示*2 2026年4月1日付で生活産業セグメントをウェルネスエコシステムセグメントに名称変更*3 2026年4月1日付で次世代・機能推進セグメントをイノベーション&コーポレートディベロップメントセグメントに名称変更 ②2027年3月期連結業績予想における前提条件 2027年3月期連結業績予想における商品市況及び為替の前提と価格及び為替変動による当期利益(親会社の所有者に帰属)への影響額は以下のとおりです。 価格変動の2027年3月期当期利益(親会社の所有者に帰属)への影響額2027年3月期前提 2026年3月期実績市況商品原油/JCC - (US$1/バレル)84*1 71連結油価*2Gross:Net*3:139億円(US$1/バレル)80 78米国ガス*4Gross:Net*3:1612億円(US$0.1/mmBtu)3.50 3.63*5鉄鉱石*6 30億円(US$1/トン)*12*7 100*8原料炭 3億円(US$1/トン)*12*7 201*9銅*10 5億円(US$100/トン)*1212,000 9,939*11為替*13米ドル 46億円(1円変動あたり)150.00 151.09豪ドル 18億円(1円変動あたり)100.00 100.39*1 Brent $78/バレルを前提に設定。*2 原油価格は期ずれで当社連結業績に反映されるため、それを考慮した連結業績に反映される原油価格を連結油価として推計している。2027年3月期には約55%が4~6カ月遅れ、約40%が1~3カ月遅れ、約5%が遅れ無しで反映されると想定される。上記感応度は、連結油価に対する年間インパクト。*3 実感応度(ヘッジによる影響額を含む)。*4 当社が米国で取り扱う天然ガスはその多くがHenry Hub(HH)に連動しないため、上記感応度はHH価格の変動に対するものではなく、加重平均ガス販売価格に対するインパクト。*5 米国ガスの2026年3月期実績欄には、2025年1月~12月のNYMEXにて取引されるHenry Hub Natural Gas Futuresの直近限月終値のdaily平均値(参考値)を記載。*6 Valeからの受取配当金に対する影響は含まない。*7 鉄鉱石・原料炭の前提価格は非開示。*8 鉄鉱石の2026年3月期実績欄には、2025年4月~2026年3月の業界紙によるスポット価格指標Fe 61% CFR Chinaのdaily平均値(参考値)を記載。なお、Fe 62%の場合は、US$103/トン。*9 原料炭の2026年3月期実績欄には、2025年4月~2026年3月の業界紙によるスポット価格指標Premium HCC FOB Australiaの四半期価格の平均値(参考値)を記載。*10 銅価格は3ヶ月遅れで当社連結業績に反映される。上記感応度は、2026年3月~12月のLME cash settlement price平均価格がUS$100/トン変動した場合に対するインパクト。*11 銅の2026年3月期実績欄には、2025年1月~12月のLME cash settlement priceのmonthly averageの平均値を記載。*12 鉄鉱石・原料炭・銅は、ヘッジによる影響額を含まない。*13 上記感応度は、各国所在の関係会社が報告する機能通貨建て当期利益に対するインパクト及び一部海外出資先からの受取配当金の影響。円安は機能通貨建て当期利益の円貨換算を通じて増益要因となる。関係会社における販売契約上の通貨である米ドルと機能通貨の豪ドルの為替変動、及び為替ヘッジによる影響を含まない。 (注)経営成績に対する外国為替相場の影響について 2025年3月期及び2026年3月期の海外の連結子会社及び持分法適用会社の当期利益(親会社の所有者に帰属)の合計はそれぞれ7,540億円及び7,811億円です。これらの海外所在の連結子会社及び持分法適用会社の機能通貨は、主として米ドル及び豪ドルです。2027年3月期連結業績予想の当期利益(親会社の所有者に帰属)に対する為替変動の影響について、当社は簡便的な推定を行っています。(a)具体的には、業績予想策定の過程で、海外関係会社の予想当期利益(親会社の所有者に帰属)を各社の機能通貨別に集計し、まず米ドル及び豪ドル建ての予想当期利益(親会社の所有者に帰属)の合計額を算出しました。これら2つの通貨別に表示された海外関係会社の予想当期利益(親会社の所有者に帰属)に一部の海外出資先からの通貨別の配当金を合計した金額に対して為替変動の影響を評価しました。これによれば米ドルに対する円高/円安は、1円あたり46億円程度、豪ドルに対する円高/円安の影響は、1円あたり18億円程度、当期利益(親会社の所有者に帰属)の減少/増加をもたらすと試算されます。(b)なお、豪ドルを機能通貨とする資源・エネルギー関連生産会社の当期利益(親会社の所有者に帰属)は、両通貨と契約上の建値通貨である米ドルとの間での為替変動の影響を大きく受けます。この影響額は、(a)に述べた2つの通貨毎の当期利益(親会社の所有者に帰属)合計の円相当評価による感応度と別に勘案する必要があります。(c)ただし、資源・エネルギー関連生産会社などでは、一部において、販売契約の契約通貨である米ドルと機能通貨の為替ヘッジを行っているほか、外貨建の当期利益(親会社の所有者に帰属)の円貨相当評価に係る為替ヘッジを行っている場合があります。これらの影響額についても、(a)に述べた2つの通貨毎の当期利益(親会社の所有者に帰属)合計の円相当評価による感応度と別に勘案する必要があります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 この財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、将来のリスク、不確実性及び仮定を伴う予測情報を含んでいます。こうした記述は、現時点で当社が入手している情報を踏まえた仮定、予期及び見解に基づくものであり、3「事業等のリスク」などに記載された事項及びその他の要因により、当社及び連結子会社の実際の業績は、これらの予測情報から予測された内容とは大幅に異なる可能性があります。 なお、経営上の目標の達成状況については、第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等「(1)中期経営計画の進捗状況」をご参照ください。 (1)業績等の概要①業績「(4)経営成績に係る検討と分析 ②オペレーティング・セグメント情報」をご参照ください。②キャッシュ・フロー「(5)流動性と資金調達の源泉 ⑦キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。 (2)仕入、成約及び売上の状況①仕入の状況各オペレーティング・セグメントにおいて、仕入高と売上高との差額は売上高に比べ僅少であるため、記載は省略しています。②成約の状況各オペレーティング・セグメントの成約高と売上高との差額は僅少であるため、記載は省略しています。③売上の状況「(4)経営成績に係る検討と分析」及び連結財務諸表注記事項6.「セグメント情報」をご参照ください。(注)当社グループは、総合商社である当社を中心とした事業活動を展開しており、受注生産形態をとらない事業が多いことから、生産、受注及び販売の状況に替え、仕入、成約及び売上の状況としています。 (3)経営者の検討における重要な指標について 当社及び連結子会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローは、3「事業等のリスク」に述べる各項目の影響を受けますが、当連結会計年度末において当社の経営者は、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの動向を検討する上で、以下の指標が有用であると考えます。①売上総利益、持分法による投資損益及び当期利益(親会社の所有者に帰属) 当社及び連結子会社はさまざまな商品と地域にわたる幅広い事業活動を展開し、そのリスクリターンの形態も仲介取引から金属資源・エネルギーの権益事業まで多岐にわたります。当社及び連結子会社の経営成績及び事業の進捗を把握する上で、オペレーティング・セグメント別の売上総利益、持分法による投資損益及び当期利益(親会社の所有者に帰属)の変動要因に係る分析を重視しています。②金属資源・エネルギーの価格及び需給の動向 当社及び連結子会社の経営成績に占める金属資源・エネルギー関連事業の重要性が高いことから、金属資源・エネルギーの市況及び持分生産量は、経営成績の重要な変動要因になります。金属資源・エネルギーの価格及び需給の動向に関する詳細は、以下のとおりです。 (a)金属資源 鉄鋼や非鉄金属は産業の基幹素材であり、世界経済の成長に伴いその原料に対する需要は堅調に推移することが見込まれます。中長期的に、粗鋼生産量は中国で横ばいから減少となるも、インドや東南アジアを中心に右肩上がりで増加し、世界全体でも増加することが見込まれます。また、非鉄金属(含む電池原料)は産業・社会の低炭素化に向けた電動化や電気自動車・再生可能エネルギーの普及や、AI活用の拡大等を背景に、需要が堅調に拡大していくことが見込まれます。供給側では、鉱山操業での資機材・人件費を始めとした開発・生産コストの上昇や、既存鉱山の鉱石の品位低下や埋蔵量の減少が進む一方で、優良未開発案件には限りがあるため、その程度は異なるものの、金属資源の需給は総じて逼迫していく見込みであり、引き続き原料の安定供給が求められます。 また、社会の持続可能性追求に向け、気候変動や人権、生物多様性、サーキュラーエコノミー、水資源や地域社会との共生といった観点により、ガバナンスや環境保護体制が整った企業が生産する、高品位資源やリサイクル由来の原料、サプライチェーン全体のGHG排出量削減をもたらす原料等への需要が高まることが予想され、金属資源の需給や相場に影響を及ぼすことが予想されます。 (b)エネルギー 世界的な人口増加・経済成長に伴い、中長期的なエネルギー需要は堅調に推移する見通しです。アジアを中心に従来型エネルギーは当面不可欠との見立ては不変であり、またロシア・ウクライナ情勢、中東情勢含め地政学的リスクが再認識される中、エネルギーの安定供給と低炭素化の両立への社会ニーズが強まっています。 このような状況下、天然ガス・LNGは、経済合理的な低炭素エネルギーの安定供給に資する現実解として今後ますます重要な役割を担っていくと考えられています。石油についても新興国における底堅い需要が見込まれる一方で、電気自動車の普及、環境規制の強化等による需要減退シナリオも考えられ、今後の市場変化を注視していく必要があります。供給側では、世界的なインフレ・金利上昇に伴う開発・生産コストの上昇、グローバルな地政学的リスクの高まり、主要国の政策変更、気象等が需給双方に影響を及ぼす可能性があり、エネルギー価格のボラティリティには依然として注意が必要です。 低炭素化に向けたエネルギートランスフォーメーションの方向性は不可逆的と言えますが、制度設計や市場形成において国・地域毎に進捗の濃淡があり、時間軸は依然流動的と見られています。今後、再生可能エネルギーの更なる普及、よりクリーンな燃料への転換、モビリティの電動化等に伴い、総合エネルギーサービス、次世代燃料等、エネルギーソリューション分野における取組みニーズが拡大する見通しで、こうした取組みの進捗が将来的なエネルギー構成に及ぼす影響を見極めていく必要があります。 ③キャッシュ・フロー水準、資本効率及び財務レバレッジ 中期経営計画2029(2026年5月公表)において、基礎営業キャッシュ・フローを、キャッシュ創出力を測定し資金再配分の原資を示す重要な経営指標としています。 当社は、資本効率と資金調達に係わる安定性の観点から、株主資本*の水準及び、親会社所有者帰属持分利益率(ROE)並びに負債・資本構成の方針を定期的に策定し、その履行状況を検証しています。同時に、個々の事業における環境の悪化に起因する想定損失の最大額に対するリスクバッファーの観点から株主資本の規模を検証しているほか、既存の有利子負債の再調達に加え、債務格付けの維持向上と資金調達上の安定性確保の観点から、財務レバレッジに留意しています。当社の資本管理については連結財務諸表注記事項8.「金融商品及び関連する開示(6)リスク関連」を、財務戦略については「(5)流動性と資金調達の源泉」をご参照ください。*連結財政状態計算書の親会社の所有者に帰属する持分合計を指します。 (4)経営成績に係る検討と分析① 連結損益計算書項目(単位:億円)前期当期増減主な増減要因収益146,626139,952△6,674(△)エネルギー(+)生活産業、次世代・機能推進売上総利益12,88413,282+398(+)生活産業、エネルギー(△)金属資源販売費及び一般管理費△8,877△9,021△144費目別内訳参照その他の収益・費用有価証券損益1,163353△810(△)前期反動(機械・インフラ、化学品)固定資産評価損益△358△58+300(+)前期反動(化学品)固定資産処分損益580532△48(△)前期反動(次世代・機能推進)雑損益317560+243(+)次世代・機能推進(△)前期反動(エネルギー)金融収益・費用受取利息920865△55 受取配当金1,8431,787△56(△)エネルギー支払利息△2,060△1,903+157 持分法による投資損益4,9414,474△467(△)次世代・機能推進、エネルギー(+)機械・インフラ法人所得税△2,137△2,227△90 当期利益9,2168,643△573 当期利益(親会社の所有者に帰属)9,0038,340△663 (注)四捨五入差異により縦計・横計が合わないことがあります(以下同様)。 販売費及び一般管理費の費目別内訳は以下のとおりです。前期において、退職給付制度の改定に伴い327億円の費用を人件費に計上しました。(単位:億円)前期当期増減*人件費△4,991△4,907+84福利厚生費△163△149+14旅費交通費△341△359△18通信情報費△717△764△47借地借家料△188△193△5業務委託料△241△350△109減価償却費△593△621△28租税公課△152△213△61損失評価引当金繰入額△101△36+65諸雑費△1,390△1,429△39合計△8,877△9,021△144* △は負担増 変動の内訳をオペレーティング・セグメント別に見ると以下のとおりです。(単位:億円)前期当期増減*金属資源△370△452△82エネルギー△710△775△65機械・インフラ△1,810△1,717+93化学品△1,589△1,685△96鉄鋼製品△360△407△47生活産業△2,019△2,233△214次世代・機能推進△985△1,123△138その他/調整・消去△1,034△629+405合計△8,877△9,021△144* △は負担増 ② オペレーティング・セグメント情報 オペレーティング・セグメント別の経営成績に係る変動要因の分析は以下のとおりです。 なお、非支配持分に帰属する当期利益の表示は省略しているため、縦計は合いません。 金属資源(単位:億円)前期当期増減主な増減要因売上総利益2,6392,491△148・豪州鉄鉱石事業△84(鉄鉱石価格下落)・Mitsui Resources△73(原料炭価格下落)販売費及び一般管理費△370△452△82 有価証券損益3△6△9 固定資産損益△13△2+11 雑損益24△83△107 受取配当金639702+63・Vale配当金増+85(当期435、前期350)利息収支6512△53 持分法による投資損益820737△83・Japan Collahuasi Resources*△83(数量減少、コスト増加)法人所得税△856△768+88 当期利益(親会社の所有者に帰属)2,8542,536△318 * チリ銅鉱山事業会社Compañía Minera Doña Inés de Collahuasiを保有する投資会社 鉄鉱石の価格変動による影響及び当社持分生産量2027年3月期において、鉄鉱石価格の変動が、当社鉄鉱石事業の販売収入の変化を経由して連結損益計算書における当期利益(親会社の所有者に帰属)に及ぼす影響度は、鉄鉱石US$1/トンあたりの価格変動により30億円と概算しています(ヘッジによる影響額を除く)。当連結会計年度における当社鉄鉱石関連の権益見合い生産量は63.8百万トン(一般社外のVale権益見合い生産量22.5百万トン含む)です。上記の影響額は、当連結会計年度末時点で、当社が保有する権益見合いに対して、2027年3月期の出荷量の増減を織り込み、一定の米ドル及びその他関連通貨の為替相場等を前提条件とした上で算出したものです。なお、一般的に、豪ドル等の資源産出国の通貨は、輸出商品の市況に連動する傾向があり、この変動により当社連結子会社及び持分法適用会社の現地通貨建ての売上総利益は影響を受けることがあります。エネルギー(単位:億円)前期当期増減主な増減要因売上総利益1,9002,025+125・Mitsui E&P USA+264(ガス価格上昇)・LNG物流増益・Mitsui E&P Australia△108(数量減少、原油価格下落)・Mitsui E&P Middle East△73(原油価格下落、数量減少)販売費及び一般管理費△710△775△65 有価証券損益385+82・MyPower+5(当期公正価値評価益*1+60、前期発電資産売却益反動△82他)固定資産損益△146△24+122・MyPower+63(発電資産売却益+52)雑損益30480△224・Arctic LNG 2 プロジェクト関連・三井エネルギー資源開発+103(前期資産除去債務見直し反動)受取配当金857696△161・LNGプロジェクト4案件*2△157(当期692、前期849)利息収支△562△529+33 持分法による投資損益571440△131・Japan Australia LNG(MIMI)減益(数量減少)・三井エネルギー資源開発△53(資産除去債務増加)法人所得税△462△351+111・三井エネルギー資源開発△118(前期海外事業に係る税金費用減少の反動他)当期利益(親会社の所有者に帰属)1,7351,642△93 *1 MyPowerが出資するSolstice Power TechnologiesとHelios Arcadia New Energyの経営統合に伴う公正価値評価益*2 ADNOC LNG、サハリンⅡ、オマーンLNG 及びQatarEnergy LNG N(3) 原油・ガスの価格変動による影響及び当社持分生産量2027年3月期において、原油価格の変動が当社石油・ガス開発事業の販売収入の変化を経由して連結損益計算書における当期利益(親会社の所有者に帰属)に及ぼす影響度はUS$1/バレルあたりGross13億円、Net*9億円と推定しています。金属資源と同様に、実際の経営成績は、各石油・ガス開発事業における実際の生産量及び生産費用、為替相場の変動などにより影響を受けます。また、当社の石油・ガスの持分生産量は、2026年3月期において日量211千バレル(ガスは石油換算、換算係数は石油1バレル=天然ガス5,800立方フィート、当社連結子会社・持分法適用会社・非連結先の当社権益保有見合い)となりました。* 実感応度 (ヘッジによる影響額を含む) 機械・インフラ(単位:億円)前期当期増減主な増減要因売上総利益2,0012,095+94 販売費及び一般管理費△1,810△1,717+93・前期海底油田設備設置支援船事業AKOFS引当反動*1+54有価証券損益746116△630・前期Paiton事業売却益反動△545・前期VLI株式売却関連益反動*2△405・Firefly Aerospace FVTPL公正価値評価益*3+190・T2区分異動に伴う公正価値評価益+83・Mainstream Renewable Power+4(当期減損損失*4△155、前期減損損失反動*5+159)固定資産損益△4015+55 雑損益5075+25・ブラジル旅客鉄道事業+77(債務免除益)・前期産機・建機事業評価損反動+59・Mainstream Renewable Power融資評価損*6△56受取配当金167185+18 利息収支△434△373+61 持分法による投資損益2,2562,398+142・小口集積による増益・タンカー保有関連会社△57(市況要因)・Mainstream Renewable Power△25(当期固定資産減損損失*7△70、前期固定資産減損損失反動*8+55他)法人所得税△596△467+129 当期利益(親会社の所有者に帰属)2,3292,259△70 *1 前期において、一部保有船に関する長期貸付金等の回収可能性を見直し、引当金54億円を計上*2 前期において、保有していた発行済株式20%の内、持分10%の売却に伴う売却益と残存持分10%における評価益の合計値を計上*3 Firefly AerospaceのIPOに伴うFVTPL公正価値評価益*4 当期において、開発計画全体の更なる絞り込みに伴う有価証券評価損を155億円計上*5 前期において、外部事業環境に起因した新規案件開発遅延や開発ポートフォリオの選択・集中を主因に有価証券評価損を159億円計上*6 当期において、開発計画全体の更なる絞り込みに伴う融資の評価損を56億円計上*7 当期において、洋上風力発電事業開発取組停止に伴う固定資産の減損を主因に持分法損失を70億円計上*8 前期において、チリ事業に関して想定を下回る操業実績継続を背景にした事業環境の不透明性の継続を織り込み、持分法損失を55億円計上 化学品(単位:億円)前期当期増減主な増減要因売上総利益2,5642,517△47・前期FVTPL関連益反動△140(Ceva、Eu Yan Sang)・MMTX△71(販売価格下落)・Mitsui AgriScience International+69(欧州農薬需要増加)・ITC Antwerp子会社化*1+63・肥料関連トレーディング増益(販売価格上昇)販売費及び一般管理費△1,589△1,685△96 有価証券損益2211△220・前期物産フードサイエンス売却益反動△173・海外事業に関わる減損損失△67・前期Hexagon Composites一部売却反動△54・ITC Antwerp公正価値評価益*2+81固定資産損益△146△1+145・前期事業部にて計上した海外事業に関わる固定資産減損損失反動+132雑損益△5873+131・海外事業に関わる引当金取崩益+78受取配当金3341+8 利息収支△339△306+33 持分法による投資損益231217△14 法人所得税△143△120+23・Ceva繰延税金負債取崩益*3+60当期利益(親会社の所有者に帰属)759675△84 *1 当第2四半期から連結子会社として損益取込を開始*2 旧ITC Rubis Terminal Antwerpの持分法適用会社から連結子会社への区分異動に伴う、既存持分の公正価値評価益*3 当期において、欧州アニマルヘルス事業戦略の見直しに伴いCeva宛投資の再編を実施した結果、繰延税金負債の取り崩しにより利益を計上 鉄鋼製品(単位:億円)前期当期増減主な増減要因売上総利益478525+47 販売費及び一般管理費△360△407△47 有価証券損益225△17 固定資産損益1△0△1 雑損益△483+51 受取配当金3633△3 利息収支△155△127+28 持分法による投資損益212194△18 法人所得税△50△31+19 当期利益(親会社の所有者に帰属)132189+57 生活産業(単位:億円)前期当期増減主な増減要因売上総利益1,9242,184+260・三井物産サプライチェーン・ソリューションズ(一部費用の勘定科目変更、連結化*1)・コーヒートレーディング+64(契約公正価値評価)・ビギホールディングス子会社化*2+62・MITSUI & CO. COFFEE TRADING(BRAZIL)△55(為替影響)販売費及び一般管理費△2,019△2,233△214・三井物産サプライチェーン・ソリューションズ(一部費用の勘定科目変更、連結化*1)・ビギホールディングス子会社化*2△57有価証券損益11549△66・XINGU AGRI△101(前期外貨換算調整勘定実現益反動)固定資産損益298+96・三井物産流通グループ固定資産売却益+88雑損益216131△85・コーヒートレーディング△66(為替ヘッジ損益)・R-Pharmプットオプション*3△24(当期100、前期124)受取配当金6171+10 利息収支△271△279△8 持分法による投資損益594673+79・Industrial Pesquera Santa Priscila+56(繰延税金負債取崩益、市況要因)法人所得税△56△146△90 当期利益(親会社の所有者に帰属)537520△17 *1 前第4四半期に連結化したため、取込期間の相違に起因する損益*2 前第2四半期から連結子会社として損益取込を開始。取込期間の相違に起因する損益*3 R-Pharmに係るプットオプションの公正価値評価損益 次世代・機能推進(単位:億円)前期当期増減主な増減要因売上総利益1,3441,397+53・FVTPL関連益+53(Quantinuum)・本店事業部トレーディング減益(商品価格要因)販売費及び一般管理費△985△1,123△138 有価証券損益53103+50 固定資産損益628425△203・前期国内賃貸用不動産一部売却益反動△511・国内不動産売却益+294雑損益△52212+264・本店事業部トレーディング増益(為替要因)受取配当金3739+2 利息収支△179△159+20 持分法による投資損益251△192△443・JA三井リース△540(米国ファクタリング事業関連損失*△604)・海外アセットマネジメント事業+79(太陽光発電資産関連益)法人所得税△192△75+117 当期利益(親会社の所有者に帰属)873590△283 * 当期において、JA三井リースのグループ会社の取引先First Brands Group, LLCよりファクタリング取引を通じて取得した売掛債権に対する損失の認識に伴い、持分法損失を604億円計上 (5)流動性と資金調達の源泉①会計基準に基づかない財務指標について(a)現預金差引後の有利子負債比率(ネットDER) この流動性と資金調達の源泉の項目を含めて、本報告書では現預金差引後の有利子負債比率(ネットDER)に言及しています。当社は「ネット有利子負債」を株主資本(親会社の所有者に帰属する持分合計)で除した比率を「ネットDER」と呼び、以下のとおり定義しています。• 短期債務及び長期債務の合計よりリース負債を除外し、有利子負債を算出• 有利子負債から現金及び現金同等物、定期預金(3ヵ月超1年以内)を控除した金額を「ネット有利子負債」とする 当社の経営者は、債務返済能力と親会社所有者帰属持分利益率(ROE)向上のために有利子負債と株主資本の関係を検討する目的から、ネットDERを財務諸表利用者にとって有益な指標と考えており、下表のとおり「ネット有利子負債」及び「ネットDER」を算出しています。 (単位:億円)前期末当期末短期債務1,6391,662長期債務46,77455,415長短債務合計48,41357,077(控除)リース負債△5,314△5,848有利子負債合計43,09951,229(控除)現金及び現金同等物、定期預金(3ヵ月超1年以内)△9,798△9,839ネット有利子負債33,30141,390株主資本(親会社の所有者に帰属する持分合計)75,46687,677ネットDER(倍)0.440.47 (b)株主還元後キャッシュ・フロー 当社の経営者は、財務基盤の維持・向上において、株主還元後キャッシュ・フローを有用な指標と考えています。株主還元後キャッシュ・フローに関しては、⑤「投融資と財務政策」をご参照ください。 ②資金調達の基本方針 当社の経営者は、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保と財務の健全性・安定性維持を資金調達の基本方針としており、主として本邦生保、銀行等からの長期借入金や社債の発行等により10年程度の長期資金を中心とした資金調達を行っています。同時に、長期資金の年度別償還額の集中を避けることで借り換えリスクの低減を図っています。さらに、プロジェクト案件等では政府系金融機関からの借入やプロジェクトファイナンスも活用しています。子会社については原則として銀行などの外部からの資金調達を行わず、金融子会社、現地法人などの資金調達拠点を通じたキャッシュ・マネジメント・サービスの活用により、資金調達の一元化と資金効率化、流動性の確保を図っています。結果として当連結会計年度末において有利子負債の5分の4程度が当社並びに資金調達拠点による調達となっています。 また、事業展開に伴う資金需要に対する機動的な対応と、当社の有利子負債返済における金融情勢悪化の影響を最小限に抑えるためにも、十分な現金及び現金同等物を保有しています。現金及び現金同等物の保有額については厳密な目標水準を定めていませんが、金融情勢などを勘案しつつ、安全性並びに流動性の高い短期金融商品で運用しています。 ③資金調達手段 当社は、上記の当社資金調達の基本方針に則り、直接金融または間接金融の多様な手段の中から、その時々の市場環境も考慮したうえで当社にとって有利な手段を機動的に選択し、資金調達を行っています。 当社は、内外金融機関との間で長期間にわたって築き上げてきた幅広く良好な関係に基づき、長期借入を中心に必要資金を調達しています。また、国際協力銀行などの政府系金融機関からも資金調達を行っており、プロジェクト案件ではプロジェクトファイナンス等も活用して必要資金を調達しています。 これに加えて、当社では2,000億円の社債発行登録枠、コマーシャルペーパー発行枠、並びにユーロ・ミディアム・ターム・ノート発行プログラムという直接金融の調達手段も保有しており、市場環境に応じて有利な条件での資金調達を行っています。当連結会計年度末における(短期社債除く)国内社債及びユーロ・ミディアム・ターム・ノートと海外社債の発行残高は、それぞれ2,293億円及び3,505億円となっています。また海外での短期の資金調達手段として、米国三井物産による米国コマーシャルペーパープログラムとMitsui & Co. Financial Services(Europe)によるユーロコマーシャルペーパープログラムを保有しており、それぞれ時機を見て活用しています。なお、当社は長期かつ安定的な資金調達を一義としており、コマーシャルペーパーや短期借入金等に資金調達を依存していません。その結果として、当連結会計年度末における一年以内に返済予定の有利子負債が有利子負債全体に占める比率は、10.9%となりました。 当社及び一部の連結子会社は、流動性の確保・維持のため、金融機関に対してコミットメント・フィーを支払い、信用枠(コミットメントライン)を設定しています。当社は、国内外の主要銀行と103億米ドル相当のコミットメントラインを締結しています。 有利子負債の大半は円建て並びに米ドル建てでの調達によるものです。また、資産側の金利・通貨属性を考慮した上で、負債の金利条件や通貨を変換するために適宜、金利スワップや通貨スワップ、為替予約を締結しています。金利スワップ考慮後の有利子負債における固定金利比率は、現在の当社の資産と負債の状況に見合った水準と認識しています。 これらのデリバティブ取引に関しては、連結財務諸表注記事項8.「金融商品及び関連する開示」をご参照ください。また、デリバティブ関連の流動性分析については、連結財務諸表注記事項15.「金融債務及び営業債務等に関する開示」をご参照ください。 格付け 当社は、円滑な資金調達を行うため株式会社格付投資情報センター(R&I)、ムーディーズ・ジャパン株式会社(Moody's)、S&P グローバル・レーティング・ジャパン株式会社(S&P)の3社から格付けを取得しています。2026年5月31日現在の格付けは下記のとおりです。 R&IMoody'sS&P長期(見通し)AA(安定的)A3(安定的)A(安定的)短期a-1+P-2A-1 当社としては引き続き健全な財務基盤を維持し、格付けの維持・向上に尽力していく方針です。なお、格付けは当社からの情報あるいは格付会社が信頼できるとする情報に基づく各格付会社自身の判断による信用リスクの分析です。格付けは売買・保有の推奨ではなく、また格付会社によりいつでも変更・取り消しされる可能性があります。また格付け基準も格付会社毎に異なります。 ④流動性の状況 当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、9,827億円となりました。この現金及び現金同等物の半分程度は円建てであり、当連結会計年度末の1年以内に返済予定の有利子負債5,572億円の返済に十分な水準であることに加え、当社は機動的な資金の引き出しが可能なコミットメントラインを確保しています。 当連結会計年度の世界経済は、米国の関税政策による下押しがある中で、AI関連の設備投資の盛り上がりなどによって緩やかに回復していましたが、年度末にかけて中東情勢の悪化によるホルムズ海峡の通航制限を受けて、エネルギーなどの供給途絶が発生し、減速感が急速に高まりました。このような状況下、当社は資金調達の基本方針に則り、金融機関との長期にわたる良好な関係や公的金融機関による各種施策、社債発行登録枠等を活用して必要資金の調達を着実に実行しました。 上述資金調達実行の結果、当連結会計年度末における有利子負債は5兆1,229億円(前連結会計年度末比8,130億円増)となりました。このうち、4,200億円は劣後特約付シンジケートローンで、格付会社は、残高の50%である2,100億円を資本と同等に扱っています。また、当連結会計年度末の有利子負債の返済年限別内訳は次のとおりです。当連結会計年度末の短期債務及び長期債務の内訳と債務残高の利率については、連結財務諸表注記事項15.「金融債務及び営業債務等に関する開示」をご参照ください。 返済年限1年以内1年超2年以内2年超3年以内3年超4年以内4年超5年以内5年超合計金額(億円)5,5725,4848,9026,2537,63717,38151,229 当連結会計年度末の株主資本(親会社の所有者に帰属する持分合計)は8兆7,677億円となり前連結会計年度末比で1兆2,211億円増加しました。ネット有利子負債は4兆1,390億円となり同8,089億円増加、ネットDERは前連結会計年度末の0.44倍から0.47倍へ0.03ポイント上昇しました。 また流動比率は、前連結会計年度末の155.6%に対し当連結会計年度末は140.8%となっています。 以上のような数値、及び資金調達環境から判断すると、当社の財務の健全性は引き続き確保されており、中期経営計画に沿った投融資を含む当社の円滑な事業活動を行う上で、現時点で大きな支障はないと認識しています。 当社及び連結子会社は、主として第三者及び関連当事者のために、各種の支払保証を行っていますが、これらの保証において当社及び連結子会社の流動性に実質的な影響を及ぼすものはありません。将来の契約履行義務並びに保証等については連結財務諸表注記事項25.「偶発債務」をご参照ください。 当社及び連結子会社は、個別プロジェクト案件等に対するノンリコースファイナンスなどを除き、金融機関との重要な金融取引において、期限の利益喪失となり得る財務比率制限、担保提供制限、追加債務負担制限、利益処分の制限等の財務制限条項を含む契約を締結しないことを基本方針としていることもあり、これらの財務制限条項において重要なものはありません。 連結子会社や持分法適用会社からの配当受取に関しては、その配当の有無が当社の流動性に大きな影響を与えるという状況にはないと認識しています。また、当該連結子会社及び持分法適用会社に適用される現地法制に照らして適切な純資産や配当可能利益がある限り、配当等による資金の受領を制限する契約または法制上の制限として重要なものはありません(一般的な源泉課税並びに現地税法に基づくその他の税金を除く)。 なお、当社及び連結子会社は、翌連結会計年度において、確定給付型年金制度に5億円拠出する見込みです。 ⑤投融資と財務政策 当連結会計年度の基礎営業キャッシュ・フローは約9,790億円の獲得となり、これに資産リサイクルにより獲得した約3,430億円と合わせて約1兆3,220億円のキャッシュ・インとなりました。一方、金属資源セグメントにおけるRhodes Ridge鉄鉱石事業、エネルギーセグメントにおける石油・ガス生産事業等、投融資*1は約1兆3,800億円となり、総額約5,300億円の株主還元を加味すると、株主還元後キャッシュ・フロー*2は約5,880億円の赤字となりました。 当社は、再現性の高いキャッシュ創出力と強固な財務基盤を維持しています。経営の選択肢を広く確保し、さまざまなシナリオに柔軟に対応しながら、投資と株主還元のバランスを考慮した最適な資金配分を実現していきます。当連結会計年度のキャッシュ・フロー詳細については、後述の「⑦キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。*1 定期預金の増減を除外した投資キャッシュ・フローに一部非支配持分からの取得に伴う財務キャッシュ・フローを足したもの*2 基礎営業キャッシュ・フローに資産リサイクルによるキャッシュ・インを加え、投融資と株主還元によるキャッシュ・アウトを控除した金額 (注)実績値は10億円単位の概数を表示 既存の債務からの再調達については、前述の「②資金調達の基本方針」、及び「③資金調達手段」をご参照ください。 ⑥資産及び負債並びに資本(単位:億円)2025年3月末2026年3月末増減総資産168,115208,215+40,100 流動資産56,86970,560+13,691 非流動資産111,246137,655+26,409流動負債36,54250,106+13,564非流動負債53,94767,930+13,983 ネット有利子負債33,30141,390+8,089親会社の所有者に帰属する持分合計75,46687,677+12,211ネットDER0.44倍0.47倍+0.03 資産流動資産:(単位:億円)2025年3月末2026年3月末増減主な増減要因流動資産56,86970,560+13,691 現金及び現金同等物9,7749,827+54 営業債権及びその他の債権22,25023,445+1,195・売掛金+1,631 (エネルギー、化学品、次世代・機能 推進、金属資源、機械・インフラ) 取引数量増加・貸付金△414 (機械・インフラ)貸付金非流動化その他の金融資産9,39119,698+10,307・(次世代・機能推進、エネルギー、 機械・インフラ)デリバティブ債権増加・(次世代・機能推進、コーポレート、エネルギー)差入証拠金増加棚卸資産9,60510,864+1,259・(機械・インフラ、金属資源、 エネルギー、化学品)取扱数量増加前渡金4,3104,770+460・(機械・インフラ)取扱数量増加未収法人所得税234333+99 その他の流動資産1,3071,624+317・(次世代・機能推進) 非流動資産:(単位:億円)2025年3月末2026年3月末増減主な増減要因非流動資産111,246137,655+26,409 持分法適用会社に対する投資49,73055,605+5,875・持分法による投資損益見合い+4,474・為替変動+4,299・Mitsui E&P Mozambique増資+445・中東発電事業*1+323・Blue Point低炭素アンモニア事業+252・JA三井リース増資+175・持分法適用会社からの受取配当△3,703・キャッシュ・フロー・ヘッジ損益△169・Mainstream Renewable Power減損損失 △155・GEG再編に伴う一部資産売却△117・ITC Antwerp子会社化△111その他の投資21,91128,208+6,297・FVTOCI公正価値評価+5,466 (うち、LNG事業*2+788)・FVTPL公正価値評価+504・為替変動+408・IHI株式売却△138営業債権及びその他の債権3,0723,636+564・(機械・インフラ)貸付金非流動化、 取引数量増加・(エネルギー)貸付金増加その他の金融資産2,2262,759+533・(機械・インフラ)為替変動・(生活産業)公正価値評価益有形固定資産24,69637,218+12,522・Rhodes Ridge鉄鉱石事業+8,571・石油・ガス生産事業+1,008 (うち、為替変動+415)・豪州鉄鉱石事業+806 (うち、為替変動+756)・ITC Antwerp子会社化+590・Mitsui Resources+285 (うち、為替変動+204)・GEG再編に伴うMaraen Holdings 子会社化+245・Intercontinental Terminals Company+200(うち、為替変動+117)・Mitsui & Co. Energy Marketing and Services (USA)蓄電池リース資産+175・発電事業+139・米国不動産△197(うち、為替変動+30)・LNG船減価償却△190投資不動産2,1231,854△269 無形資産5,0545,783+729・ITC Antwerp子会社化+177・GEG再編に伴うMaraen Holdings 子会社化+166繰延税金資産9431,027+84 その他の非流動資産1,4901,565+75 *1 貸付金(流動資産)からの区分変更*2 Ruwais LNG、ADNOC LNG、オマーンLNG、サハリンⅡ、及びQatarEnergy LNG N(3) ・LNGプロジェクトなどの公正価値測定で用いている原油価格の前提は、足元の市況水準と、複数の第三者機関の見通しを踏まえて決定しています。具体的には、ブレント原油1バレルあたり直近の90米ドルから数年かけて65米ドルに下落し、中期的には70米ドル、長期的には75米ドルで推移する前提としています。 2025年3月末及び2026年3月末における持分法適用会社に対する投資をオペレーティング・セグメント別に見ると以下のとおりです。(単位:億円)2025年3月末2026年3月末増減金属資源5,4406,275+835エネルギー6,8697,894+1,025機械・インフラ16,76318,968+2,205化学品3,4673,851+384鉄鋼製品3,5143,581+67生活産業9,50010,751+1,251次世代・機能推進4,1804,286+106その他/調整・消去△3△1+2連結合計49,73055,605+5,875 2025年3月末及び2026年3月末における有形固定資産をオペレーティング・セグメント別に見ると以下のとおりです。(単位:億円)2025年3月末2026年3月末増減金属資源5,63615,278+9,642エネルギー8,4699,570+1,101機械・インフラ1,7982,092+294化学品2,9133,878+965鉄鋼製品250591+341生活産業2,4922,578+86次世代・機能推進1,3001,237△63その他/調整・消去1,8381,994+156連結合計24,69637,218+12,522 2025年3月末及び2026年3月末におけるオペレーティング・リースに供されている有形固定資産の内訳については、連結財務諸表注記事項9.「リース」をご参照ください。 負債(単位:億円)2025年3月末2026年3月末増減主な増減要因流動負債36,54250,106+13,564 短期債務1,6391,662+23 1年以内に返済予定の長期債務6,2975,095△1,202 営業債務及びその他の債務16,75718,781+2,024・(化学品、エネルギー、機械・ インフラ、金属資源、コーポレート) 買掛金の増加その他の金融負債6,53918,067+11,528・(次世代・機能推進、エネルギー、 コーポレート、機械・インフラ) デリバティブ債務の増加・(次世代・機能推進、金属資源) 未払金の増加未払法人所得税356665+309 前受金3,6754,583+908・(機械・インフラ)引当金707583△124 その他の流動負債573670+97 非流動負債53,94767,930+13,983 長期債務(1年以内返済予定分を除く)40,47750,320+9,843・借入の増加その他の金融負債3,1874,164+977 退職給付に係る負債419459+40 引当金2,5863,319+733 繰延税金負債6,8289,080+2,252 その他の非流動負債450587+137 資本(単位:億円)2025年3月末2026年3月末増減主な増減要因資本金3,4343,442+8 資本剰余金4,0774,185+108 利益剰余金58,01161,402+3,391 その他の資本の構成要素10,73619,627+8,891 (内訳) FVTOCIの金融資産1,4105,378+3,968 外貨換算調整勘定9,22714,783+5,556・豪ドル+2,268(25/3 93.97→26/3 109.68円/AUD)・米ドル+1,726(25/3 149.52→26/3 159.88円/USD)キャッシュ・フロー・ヘッジ99△534△633 自己株式△792△977△185・自己株式取得△2,000・自己株式消却+1,791親会社の所有者に帰属する持分合計75,46687,677+12,211 非支配持分2,1602,502+342 ⑦キャッシュ・フローの状況(単位:億円)前期当期増減営業活動によるキャッシュ・フロー10,1759,529△646投資活動によるキャッシュ・フロー△1,620△10,335△8,715フリー・キャッシュ・フロー8,555△806△9,361財務活動によるキャッシュ・フロー△7,496269+7,765現金及び現金同等物の為替相場変動の影響額△267591+858現金及び現金同等物の増減79254△738 営業活動によるキャッシュ・フロー(単位:億円)前期当期増減営業活動によるキャッシュ・フローa10,1759,529△646営業活動に係る資産・負債の増減b△1,001△1,352△351リース負債の返済による支出c△901△1,092△191基礎営業キャッシュ・フローa-b+c10,2759,789△486・営業活動に係る資産・負債(Working Capital)の増減によるキャッシュ・フローは1,352億円の資金支出、リース負債の返済は1,092億円の資金支出となり、これらを除いた基礎営業キャッシュ・フローは、9,789億円となりました。- 持分法適用会社からの配当金を含む配当金の受取額は5,506億円となり、前期の6,361億円から855億円減少- 減価償却費及び無形資産等償却費は3,332億円となり、前期の3,137億円から195億円増加 基礎営業キャッシュ・フローのオペレーティング・セグメント別の内訳は以下のとおりです。(単位:億円)前期当期増減金属資源3,5793,304△275エネルギー3,6342,620△1,014機械・インフラ1,4521,841+389化学品9061,026+120鉄鋼製品60179+119生活産業18178△103次世代・機能推進270464+194その他/調整・消去193277+84連結合計10,2759,789△486 減価償却費及び無形資産等償却費のオペレーティング・セグメント別の内訳は以下のとおりです。(単位:億円)前期当期増減金属資源734808+74エネルギー9661,005+39機械・インフラ334350+16化学品356374+18鉄鋼製品2943+14生活産業366401+35次世代・機能推進165166+1その他/調整・消去187185△2連結合計3,1373,332+195 投資活動によるキャッシュ・フロー(単位:億円)前期当期当期の内訳投資活動によるキャッシュ・フロー△1,620△10,335 持分法適用会社に対する投資△406△909 取得△2,551△1,595・Mitsui E&P Mozambique△445・Blue Point低炭素アンモニア事業△252・米国不動産△227・JA三井リース△175・化学品海外事業△106売却・回収2,145687・米国不動産+168その他の投資1,048680 取得△575△481・LNG事業△143売却・償還1,6231,161・MyPower+268・IHI株式売却+138有形固定資産等△3,328△10,338 取得△3,461△11,084・Rhodes Ridge鉄鉱石事業△7,238・石油・ガス生産事業△1,271・豪州鉄鉱石事業△663・発電事業△425・Mitsui Resources△215・Intercontinental Terminals Company△184売却133746・国内不動産・MyPower+187投資不動産1,075478 取得△127△12 売却1,201490・XINGU AGRI農地+138・三井物産流通グループ+136・国内物流施設+119貸付金の増加及び回収386△1・LNG事業△159定期預金の増減-純額1734 子会社またはその他の事業の取得による支出△653△280・ITC Antwerp△280子会社またはその他の事業の売却による収入240- 前期及び当期における上述の投資活動によるキャッシュ・フローをオペレーティング・セグメント別に見ると以下のとおりです。(単位:億円)前期当期金属資源△1,408△8,266エネルギー△1,227△2,073機械・インフラ1,2308化学品△383△606鉄鋼製品59△80生活産業△28571次世代・機能推進355483その他/調整・消去38127連結合計△1,620△10,335 財務活動によるキャッシュ・フロー(単位:億円)前期当期当期の内訳財務活動によるキャッシュ・フロー△7,496269 短期債務の増減-純額△819△163 長期債務の増加及び返済1,2646,763 (長期債務の増加)14,71026,378 (長期債務の返済)△13,446△19,616 リース負債の返済による支出△901△1,092 自己株式の取得及び売却△3,998△1,996 配当金支払による支出△2,742△3,018 非支配持分株主との取引△301△225 当期の資金調達状況については、前述の「③資金調達手段」をご参照ください。 (6)重要な判断を要する会計方針及び見積り 重要な判断を要する会計方針及び見積りとは、会社の財政状態や経営成績に重要な影響を及ぼす会計方針及び会計上の見積りであり、かつ本質的に不確実な事柄に関する経営者の重要な、あるいは主観的な判断を反映させることを要するものです。重要性がある会計方針は、連結財務諸表注記事項2.「連結財務諸表の作成基準並びに重要性がある会計方針の要約(5)重要性がある会計方針の要約」をご参照ください。 IFRS会計基準に基づく連結財務諸表の作成にあたっては、経営者の判断の下、一定の前提条件に基づく見積りが必要となる場合がありますが、この前提条件の置き方等により、連結財政状態計算書上の資産及び負債、連結損益計算書上の収益及び費用、または開示対象となる偶発債務等に重要な影響を及ぼすことがあります。 なお、ロシア・ウクライナ情勢及びそれに伴うロシアに対する制裁措置等や、ホルムズ海峡の通航制限を含む中東情勢の緊迫化による影響はグローバルに及び、当社が行うさまざまな事業分野に影響を及ぼす可能性がありますが、商品や事業内容、所在地域によってその影響範囲は異なるため、見積りにおいては個々の状況に鑑み判断しています。中東地域に対して当社及び連結子会社が行っている投資のうち主なものは、LNGプロジェクトに対するその他の投資(FVTOCIの金融資産)であり、これらは緊迫化した中東情勢が短期的に正常化に向かうという仮定を置いて公正価値を測定しています。 以下の各項目は、その認識及び測定にあたり、経営者の重要な判断及び会計上の見積りを必要とするものです。 ①非金融資産及び持分法適用会社に対する投資の減損損失及び減損損失の戻入・前連結会計年度及び当連結会計年度における、有形固定資産、投資不動産、暖簾及び耐用年数を確定できない無形資産を除く無形資産の減損損失計上額は349億円及び79億円です。また、前連結会計年度における同資産の減損損失の戻入額に重要性はありません。当連結会計年度における同資産の減損損失の戻入額は20億円です。前連結会計年度末及び当連結会計年度末における減価償却累計額及び減損損失累計額控除後の帳簿価額は2兆9,335億円及び4兆1,863億円です。・前連結会計年度及び当連結会計年度における、持分法適用会社に対する投資の減損損失計上額は242億円及び222億円です。また、前連結会計年度及び当連結会計年度における同資産の減損損失の戻入額は発生していません。前連結会計年度末及び当連結会計年度末における持分法適用会社に対する投資の帳簿価額は4兆9,730億円及び5兆5,605億円です。・非金融資産の減損損失及び減損損失の戻入(持分法適用会社に対する投資を含む)は、当社の連結損益計算書上の当期利益に対し重要な影響を及ぼすことがあります。・減損損失は主に連結子会社における事業環境の悪化に伴う収益性の低下、事業内容見直し、及び持分法適用会社に対する投資の市場価格の下落等によるものです。・非金融資産の減損の兆候の有無の判定を行い、減損の兆候があると判断された場合には、資産または資金生成単位の回収可能価額を算定し、回収可能価額が帳簿価額を下回っている場合に、差額を減損損失として認識しています。・回収可能価額は処分費用控除後の公正価値と使用価値のうち、いずれか高い金額としています。・公正価値は市場性のある持分法適用会社に対する投資の場合は市場価格を、それ以外の場合は独立の第三者による評価結果を使用するなど、市場参加者間の秩序ある取引において成立し得る価格を合理的に見積り算定しています。・使用価値の算定に使用される将来キャッシュ・フローは、経営者により承認された経営計画や、それが入手できない場合は直近の非金融資産の状況を反映した操業計画に基づいて見積っています。この将来キャッシュ・フローの見積り方法として、以下の例があげられます。- 不動産について、直近の近隣不動産売却価額や賃料が合理的な期間継続するという前提を置く。- 工場設備にて製造している製品の将来にわたる一定期間の販売価格を、過去における同期間の平均値やアナリストの分析資料等を勘案して見積る。- 石炭・原油等の資源事業に関わる開発設備及び鉱業権について、直近の確認埋蔵量等に基づく生産計画に沿って当該資産を使用して生産され、減損判定時点における先物価格を基にした価格、第三者による予想価格、もしくは長期販売契約上の販売価格で売却される前提を置く。- 顧客関係について、将来の一定期間の収益につき、過去における収益への貢献度、解約率、及びアナリストの市況予想等を勘案して見積る。・使用価値の計算においては、割引率は、資金生成単位の固有のリスクを反映した市場平均と考えられる収益率を合理的に反映する率を使用しています。・非金融資産は、その性質や、所在地、所有者、操業者、収益性等の操業環境が異なるため、将来キャッシュ・フローの想定や、割引率の算定において考慮すべき各種の要因は、個別の非金融資産ごとに異なります。・過年度に認識した減損損失が、もはや存在しないまたは減少している可能性を示す兆候の有無に関して、期末日に判定を行っています。こうした兆候が存在する場合、当社及び連結子会社は資産または資金生成単位の回収可能価額の見積りを行い、最後に減損損失が認識されて以降、資産の回収可能価額の決定に用いた仮定に変更がある場合にのみ、過去に認識した減損損失を連結損益計算書上の利益として戻し入れています。 ②暖簾の減損・前連結会計年度における暖簾減損損失計上額は7億円であり、当連結会計年度における暖簾減損損失計上額に重要性はありません。また、対応する前連結会計年度末及び当連結会計年度末における帳簿価額は2,267億円及び2,653億円です。・暖簾は、企業結合のシナジーから便益を享受できると期待される資金生成単位または資金生成単位グループに配分し、年一回及び減損の兆候を示す事象が発生した時点で、減損テストを実施しています。・減損テストでは、暖簾及び暖簾を配分した資金生成単位または資金生成単位グループの帳簿価額合計を回収可能価額と比較し、帳簿価額合計が回収可能価額を上回る場合に、その差額を減損損失として認識します。回収可能価額の見積りは、非金融資産の減損と同様の見積り方法を用いています。 ③公正価値で測定する市場性ない資本性金融資産・公正価値で測定する市場性ない資本性金融資産については、主に評価差額をその他の包括利益に認識することを選択しています。前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、市場性ないFVTOCIの金融資産の公正価値はそれぞれ7,551億円及び8,537億円です。・市場性ないFVTOCIの金融資産については、主に割引キャッシュ・フロー法、類似企業比較法またはその他の適切な評価方法を用いて評価しており、経営者が金額的重要性が高いと判断する場合には、外部の評価専門家の評価を利用しています。・重要な観察不能なインプットである原油価格の見積りについては、連結財務諸表注記事項24.「公正価値測定(3)定期的に公正価値で測定される資産及び負債に係る開示」をご参照ください。・また、割引キャッシュ・フロー法に使用される将来キャッシュ・フローは、非金融資産及び持分法に対する投資の減損と同様に、経営者により承認された経営計画等に基づいて見積っています。これらの見積りや仮定は、当社の連結包括利益計算書上のその他の包括利益に重要な影響を及ぼすことがあります。 ④繰延税金資産の回収可能性・繰延税金資産の回収可能性の判断の変更に伴う繰延税金資産の増減は、当社の連結損益計算書上の当期利益及び連結包括利益計算書上のその他の包括利益に重要性がある影響を及ぼすことがあります。・経営者は、有税償却に関する無税化の実現可能性や当社及び子会社の課税所得の予想等、現状入手可能な全ての将来情報を用いて、繰延税金資産の回収可能性を判断しています。当社は、回収可能と見込めないと判断した部分を除いて繰延税金資産を計上していますが、将来における課税所得の見積りの変更や、法定税率の変更等により、回収可能額が変動する可能性があります。 ⑤石油・ガス産出活動及び鉱物採掘活動における埋蔵量の見積り・埋蔵量は、当社及び連結子会社が保有している権益に対応した経済的かつ法的に採掘可能な生産物として見積られた量です。埋蔵量を算出するための見積り及び前提は以下の地質学的、技術的、経済的要因によって左右されます。- 地質学的要因:鉱物の分量、品位等- 技術的要因:生産技術、回収率、生産費用、輸送費用等- 経済的要因:生産物の需要、価格、為替レート等・埋蔵量の見積りに使用される経済的な前提は毎期変動し、かつ一連の生産活動の中で地質データの更新が行われることにより埋蔵量の見積り額は毎期変動することになります。報告された埋蔵量の変動は、当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に対して各種の影響を及ぼします。具体的には、- 埋蔵量の変更に伴う将来キャッシュ・フローの見積りの変動により保有資産が減損する可能性があります。- 生産高比例法の分母の変動または経済的耐用年数の変動に伴い、連結損益計算書上の当該事業に係る減価償却費が変動する可能性があります。- 埋蔵量の見積りの変更が生産設備の廃棄や、原状回復義務、環境関係の資産除去債務の引当金の発生時期及び債務金額の増減に影響を与える可能性があります。 ⑥確定給付費用及び確定給付制度債務・従業員の確定給付費用及び確定給付制度債務は、割引率等の年金数理計算上の基礎率に基づき見積られています。IFRS会計基準では、実績と見積りとの差はその他の包括利益として認識後、即時に利益剰余金に振替えられるため、包括利益及び利益剰余金に影響を及ぼします。経営者は、この数理計算上の仮定を適切であると考えていますが、実績との差異や仮定の変動は将来の確定給付費用及び確定給付制度債務に影響します。・当社及び連結子会社の割引率は、各年度の測定日における高格付けの固定利付社債の利回りに基づき決定しています。各測定日に決定した割引率は、測定日現在の確定給付制度債務及び翌年度の純期間費用を計算するために使用されます。・確定給付費用及び確定給付制度債務に関する見積りや前提条件については連結財務諸表注記事項18.「従業員給付」をご参照ください。 ⑦気候変動による影響・当社及び連結子会社において、気候変動の影響を受け、関連する資産・負債に金額的重要性があるのはエネルギーセグメントの事業であり、将来の状況が重要性のある影響を及ぼす可能性があります。当連結会計年度末における会計上の重要性がある見積り及び判断については以下のとおりです。・エネルギーセグメントは、主に石油・ガス開発事業及びLNG事業から構成され、これらの事業は今後、脱炭素化の世界的潮流が強まる中で、将来的な制約・規制強化により石油・ガス及びLNGの需要が低下する場合は、既存案件から有形固定資産の減損、持分法適用会社に対する投資の減額、及びその他の投資の公正価値の低下等が生じる可能性があります。これらの評価は主に油価の影響を受け、同前提は、市況水準や複数の第三者機関の公表する中長期見通しを考慮して策定しています。第三者機関のうち、IEAの公表するシナリオについては、STEPS(Stated Policies Scenario)に重点を置いていますが、その他のシナリオも参考にしています。・当連結会計年度末の連結財政状態計算書に計上したエネルギーセグメントにおける主要な資産及び負債の金額は以下のとおりです。有形固定資産957,037百万円持分法適用会社に対する投資789,415百万円その他の投資337,055百万円引当金(非流動)176,434百万円 ・なお、連結財務諸表における会計上の見積りは、各事業における固有の状況等を総合的に勘案して行っており、気候変動に関連するシナリオ分析のみによって資産及び負債の測定が決定されるものではありません。

事業リスク

  • 事業投資の不確実性
    三井物産は多岐にわたる事業に投資していますが、投下資金が回収不能になったり、撤退時に損失が発生したり、計画通りの利益が得られないリスクがあります。特に、第三者との合弁事業や戦略的投資では、パートナーの業績や財政状態、経営方針が自社の管理下にないため、事業運営に支障が生じ、経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 地政学的な不安定性
    中東情勢、ロシア・ウクライナ情勢、米中関係など、国・地域間の政治的・社会的緊張の高まりは、同社が展開する事業の業績悪化や事業継続の困難化を招くリスクがあります。例えば、紛争の長期化によるエネルギー市況や資源価格の変動、物流の停滞、事業運営コストの増加は、同社の事業活動や財務状況に重要な影響を与える可能性があります。
  • カントリーリスクの集中
    同社の事業は世界各地に展開されていますが、特定の国や地域、特定の分野に一定程度集中している場合があります。これにより、当該国の政治・経済・社会状況の急変によって、取引先への債権回収不能、投資先の価値毀損、在庫・固定資産の価値低下といったリスクを負う可能性があります。例えば、新興国での政情不安や経済危機は、同社の収益に大きな影響を与える可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|14,180 文字
3【事業等のリスク】 当社及び連結子会社を取り巻く多種多様な定量・定性リスクに対し、関係コーポレートスタッフ部門各部がそれぞれの職掌に定めるリスク管理分野において各種社内規程の制定・管理を行うとともに、事前審査または事後モニタリングを通じ、相互連携して対応しています。関係会社経営においては、リスクと統制の有効性を評価・改善し、適切なリスクマネジメントを図るCSA(Control Self-Assessment)に取り組んでいます。また、経営会議及び経営会議の諮問機関であるポートフォリオ管理委員会を核として、全社一元的に管理する統合リスク管理体制を構築し、全社リスクを横断的に把握し、発生頻度と想定損害規模及び全社リスク許容度に鑑み、重要なリスクを特定し、対策を講じています。 当連結会計年度末における重要なリスクは以下のとおりです。 (1)事業投資リスク 当社及び連結子会社は、さまざまな事業に対する投資活動を行っていますが、当該事業投資に関連して投下資金が回収不能となるリスク、撤退時に損失が発生するリスク、及び計画した利益が得られないリスク等を負っています。 また、当社及び連結子会社は第三者との合弁事業、あるいは、第三者に対する戦略的投資を通じて多様な事業分野に参入しています。しかしながら、その成果の予測は困難であり、これらの事業の成否は、以下の要因に左右される場合があります。・合弁事業のパートナーや戦略的投資先企業の業績や財政状態といった、当社及び連結子会社の管理または制御が及ばない事象。・持分法適用会社における事業運営において、経営、業務運営、資産処分に関する十分な統制が及ばない場合、またはパートナーとの間で事業目的や戦略上の課題を共有できず、重要な意思決定に支障が生じる場合。 これらの事象が発生した場合、当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 また、当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態において重要な割合を占める金属資源や石油・ガスの探鉱・開発・生産事業の一部において、当社及び連結子会社はノンオペレーターの立場で参画しています。これらの事業においては、当社及び連結子会社はオペレーターである事業参加者が作成した情報に基づき事業性を検討しますが、開発及び生産に係る意思決定を含めた事業の運営はオペレーターの方針に依拠するためその影響を受けます。オペレーターによる事業運営が適切に行われない場合、当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 このため、新規投資の実行については収益性等の定量基準や戦略的意義等の定性評価に基づき意思決定を行うとともに、全事業の保有意義を定期的にレビューし、不振や不採算事業、低収益事業等、アラート基準に抵触する事業については改善計画や撤退方針を検討し、資産の入替えを行っています。また、連結財政状態計算書上の資産に内在するリスクに加えて、マーケットリスクや保証債務等のオフバランスのリスクについても一定の基準で評価し、リスクアセット*として定期的にモニタリングしています。また、一定の前提の下にストレステストを定期的に実施しリスクアセットと株主資本の比率への影響についても検証しています。* 営業債権や投資、固定資産等の連結財政状態計算書上の残高及び保証債務等のオフバランスシート・ポジションに、その潜在的な損失リスクに応じ当社が独自に設定したリスクウェイトを乗じることにより算出する想定最大損失額をいいます。 (2)地政学的リスク 中東情勢やロシア・ウクライナ情勢、米中関係等、国・地域間の政治的・社会的緊張の高まりにより、当社及び連結子会社が当該国・地域に展開する事業の業績が悪化、または継続が困難となるリスクを負っています。 地政学的な不確実性により、当社及び連結子会社の事業を取り巻く経営環境が大きく変わる中、適切な組織運営と責任のある主体的な対応が一層求められており、各事業に関わるステークホルダーとの緊密なコミュニケーションも必須となっています。こうした地政学的リスクの高まりによる不確実な情勢の中で機動的に対応するために、当社では以下のようなリスクヘッジ策を講じていますが、全ての地政学的リスクを回避することは困難であり、当社の経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ・事業を展開する国・地域の政治・経済情勢等の動向を定期的にモニタリングし、当該国や地域におけるリスク及び事業環境の変化を注視しています。・地政学的リスクが高いとされる地域へ事業を展開する際は、保険・各国輸出信用機関によるファイナンス等の金融的手段によりリスクを低減しています。・有事の際の対応についてのノウハウを蓄積し、国・地域をまたぎ複数の現地法人が連携して、従業員の安全を図り、日本国内または海外で事業を継続する体制を構築しています。 中東地域における紛争の長期化や政治情勢の変化が継続した場合、又はこれらが周辺地域へ波及した場合には、エネルギー市況や資源価格の変動、物流の停滞、事業運営コストの増加等を通じて、当社及び連結子会社の事業活動、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、中東地域に対して当社及び連結子会社が行っている投資のうち主なものはLNGプロジェクトに対するその他の投資(FVTOCIの金融資産)であり、詳細は連結財務諸表注記8.「金融商品及び関連する開示(2)その他の投資」をご参照ください。 ロシア・ウクライナ情勢に関し、当社は国際社会が協調し制裁措置を取る中で、それらを遵守しつつ各事業に取り組んでいますが、今後の情勢の変化、制裁や信用力の変動、これらに起因する事業環境の変化や当社の関連事業に係る方針変更等が行われた場合には、当社及び連結子会社の事業活動、業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。ロシア向けの投融資、保証、商事債権を集計したリスクエクスポージャー(グロス)は2026年3月末時点で2,798億円となり、当社および連結子会社のリスクエクスポージャー(グロス)の約1.5%となります。また、ウクライナ向けのリスクエクスポージャーは僅少です。なお、2026年3月期決算における影響については、連結財務諸表注記事項27.「ロシア・ウクライナ情勢のロシアLNG事業への影響」をご参照ください。 (3)カントリーリスク 当社及び連結子会社が世界各地で展開する事業は、各国の政治・経済・社会状況の変化により、当該国に所在する取引先等に対する債権や、出資先もしくは進行中のプロジェクトに関する投融資等の回収が不能になる、もしくは在庫・固定資産等の価値が毀損するリスクを負っています。 さらに、当社及び連結子会社の事業活動は、特定の国または地域の特定の分野に一定程度集中しています。そのため、カントリーリスクについては、保険・各国輸出信用機関によるファイナンス等を活用するなど、案件の内容に応じて適切なリスクヘッジ策を講じています。 また、当社が有するすべての債権、投融資、保証等のエクスポージャーを国別に定期的に把握するとともに、原則として先進国を除く国を対象に、カントリーリスクの定性・定量的なモニタリングを行い、年1回及び必要と判断する都度、カントリーリスク管理上の対応方針を策定しています。全社ポートフォリオの定期的なモニタリングにおいては、事業分野別だけでなく国別のアセットサイズが適切なレベルかどうかについても検証しています。 (4)気候変動に関するリスク 気候変動による将来影響を把握し、また成長機会として取り込むことで、事業ポートフォリオをより良質化すべく、2050年の「あり姿」としてネットゼロエミッションを掲げ、2030年はその「あり姿」に向けた道筋として、単体+連結子会社(含むUn-inco JV*1)のScope1+2及びScope3カテゴリー15(投資)について2020年比GHGインパクト半減及びGHG排出量30%削減*2、単体+連結子会社のScope1+2(除くUn-inco JV*1)についてはGHG排出量半減を目指しています。 グローバルな経営環境の変化に対して柔軟に対応し、戦略のレジリエンスを高めるため、中長期的なシナリオ分析を実施しています。シナリオ分析に際しては国際エネルギー機関(IEA)等の複数のシナリオを活用して移行リスクの分析を行い、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)にて採用される代表的濃度経路(RCP)も参考に物理的リスクの分析を行いました。*1 Un-incorporated joint venture(共同支配事業)*2 GHG排出量30%削減の基準年排出量は、2020年3月期のGHG排出量36百万トンに、2020年3月期時点でFID(最終投資決断)済みの火力発電事業で稼働開始後通常操業時に見込まれる排出増加分8百万トンを加味した合計44百万トン 中長期的に発現する可能性がある移行リスクとしては、主に以下を認識しており、既存ポートフォリオを維持する前提では、長期的には保有権益・資産の価値毀損により当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。・政策・法規制リスク:各国・地域の政策によるエネルギー・電源構成の変更や、炭素税の賦課等の排出規制は、当社及び連結子会社が出資するGHG排出量が多い事業の経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。・技術リスク:気候変動に適応した新技術の導入による既存商材・サービスの需給の変化や既存製造設備の陳腐化が生じる可能性があります。・市場リスク:化石燃料関連製品・サービス需給の変化や保有権益の価値毀損の可能性、金融機関・保険会社の低・脱炭素方針により資金調達上のリスクが発生する可能性があります。 現在から2050年までの4℃シナリオ下において、猛暑、山火事、水ストレス(渇水)・干ばつ、熱帯低気圧の四つが当社への影響が大きい物理的リスクと認識しています。分析対象企業65社のうち、2050年にリスクが高い企業数は、猛暑に関しては約8割、山火事、水ストレス・干ばつ、熱帯低気圧に関しては、半数近くになります。中でも、山火事のリスクが高い企業は現在から約2倍に増加します。また、熱帯低気圧は、現在もリスクが高い企業が多く、新たにリスクが高まる企業は少ないものの、その発生頻度や巨大化により、被害の深刻化が懸念されます。当社及び連結子会社において、保険付保、複数サプライヤーの確保、危機管理方針策定、設備増強等の対策は取っていますが、物理的リスクを完全に回避できるものではなく、将来の当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社では、レジリエンスの向上とGHG排出削減効果のある取組みの促進を目的に社内カーボンプライシング制度を導入し、案件審査の一要素としています。 各事業セグメントにおける気候変動に関するリスクと機会については、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)経営環境 ②事業セグメント」を、リスクの対応策を含めた気候変動に関する当社及び連結子会社の取組みについては「2. サステナビリティに関する考え方及び取組 (5)気候変動対応」をご参照ください。 (5)商品価格リスク 鉄鉱石、原料炭、銅、原油、天然ガス・LNG等をはじめとする各種市況商品の生産及び売買は、当社及び連結子会社の重要な事業分野です。これらの商品価格は、需給の不均衡、景気変動、在庫調整、為替変動等の当社及び連結子会社にとって制御不能な要因により、短期的に乱高下あるいは周期的に変動します。 価格変動は、連結子会社及び持分法適用会社が保有する権益持分相当の生産量からの販売収入に直接的な影響を及ぼします。2027年3月期において、連結損益計算書における当期利益(親会社の所有者に帰属)への影響額は、原油価格でUS$1/バレルあたりの価格変動により13億円、鉄鉱石でUS$1/トンあたりの価格変動により30億円と推定しています(いずれもヘッジによる影響額を除く)。詳細は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)2027年3月期連結業績予想」及び「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (4)経営成績に係る検討と分析」をご参照ください。 そのため、当社及び連結子会社は、商品価格リスクを含む市場リスク管理方針を策定し、さまざまな階層において管理体制を構築しています。特に商品価格リスクに関しては、各事業本部長及び海外地域本部長は、各本部におけるポジション限度及び損失限度の設定、管理体制等を定めたリスク管理方針を策定し、担当役員の承認を受け、その承認内容に従って管理・報告を行う一義的な責任を負っています。また、取引部署から独立したリスク管理部署において、市場リスクの状況を管理、評価及び分析し、その結果を定期的に担当役員に報告しています。 当社及び連結子会社は、市況商品に係る営業活動を行うにあたり、約定残高のキャッシュ・フローを固定化することを目的として、主に商品スワップ等のデリバティブ取引を用いてヘッジを行っており、その一部についてはヘッジ会計を適用しています。詳細は、連結財務諸表注記事項8.「金融商品及び関連する開示 (6)リスク関連、(7)デリバティブ取引及びヘッジ会計」をご参照ください。 また、予想外の相場変動は、以下に示すように当社及び連結子会社の事業、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。・多額の投資を行ってきた金属資源・エネルギー生産事業等で、販売価格の下落により、生産した商品の販売を通じた投下資金の回収が困難になる、あるいは許容しうる価額での当社出資持分の売却が困難になることがあります。・評価差額をその他の包括利益に認識する資本性金融資産(以下、FVTOCI)に区分するLNGプロジェクト等に対する投資の価値の下落により、当社及び連結子会社の包括利益に影響を及ぼす可能性があります。 (6)為替リスク 当社及び連結子会社は外国通貨で表示された資産及び負債の換算リスクを負います。また、海外の関係会社に対する投資やFVTOCIに区分する投資は、為替変動によりその価値を減少させ、当社の包括利益及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 2027年3月期において、連結損益計算書における当期利益(親会社の所有者に帰属)への影響額は、米ドル/円で1円の変動により46億円、豪ドル/円で1円の変動により18億円と推定しています。詳細は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)2027年3月期連結業績予想」及び「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (4)経営成績に係る検討と分析」をご参照ください。 そのため、当社及び連結子会社は、為替リスクを含む市場リスク管理方針を策定し、さまざまな階層において管理体制を構築しています。特に為替リスクに関しては、各事業本部長及び海外地域本部長は、各本部におけるポジション限度及び損失限度の設定、管理体制等を定めたリスク管理方針を策定し、担当役員の承認を受け、その承認内容に従って管理・報告を行う一義的な責任を負っています。また、取引部署から独立したリスク管理部署において、為替リスクの状況を管理、評価及び分析し、その結果を定期的に担当役員に報告しています。 当社及び連結子会社は、世界各国で多種多様な営業活動を行っており、所在国通貨以外での売買取引より生じる外貨建金銭債権債務及びファイナンス取引より生じる外貨建長期金銭債権債務等のキャッシュ・フローを固定化することを目的として、主に為替予約や通貨スワップ等のデリバティブ取引を用いてヘッジを行っており、その一部についてはヘッジ会計を適用しています。さらに、当社及び連結子会社は、主に在外営業活動体に対する純投資の為替変動リスクを回避することを目的として、主に外貨建借入金を用いてヘッジを行うとともにヘッジ会計を適用しています。詳細は、連結財務諸表注記事項8.「金融商品及び関連する開示 (6)リスク関連、(7)デリバティブ取引及びヘッジ会計」をご参照ください。 (7)保有上場株式の株価リスク 当社及び連結子会社は、事業機会の創出や取引・協業関係の構築・維持・強化を図るため、市場性ある資本性金融資産への投資を行っており、株価リスクを有しています。当連結会計年度末において、当社及び連結子会社はFVTOCIに区分する市場性のある資本性金融資産を1兆4,793億円保有しており、総資産の7.1%に相当します。当社及び連結子会社は、全銘柄を対象に株式ポートフォリオの見直しを定期的に行っていますが、株式市場の価格変動や相場の下落は投資ポートフォリオを毀損し、その他の包括利益の悪化により、当社及び連結子会社の財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 当社及び連結子会社は、株価リスクを含む市場リスク管理方針を策定し、さまざまな階層において管理体制を構築しています。特に株価リスクに関しては、時価総額の増減要因の把握を行うことにより管理しています。詳細は、連結財務諸表注記事項8.「金融商品及び関連する開示(6)リスク関連」をご参照ください。 (8)与信リスク 当社及び連結子会社は商取引や融資取引のあるさまざまな顧客や事業に係る多額の与信リスクにさらされています。 当社及び連結子会社は、多数の取引先に後払い条件で商品・サービスを販売し、あるいは販売契約に付随する融資プログラムや顧客の借入に係る支払保証を供与することがあります。当連結会計年度末において当社及び連結子会社の損失評価引当金控除後の流動売上債権等は2兆3,445億円であり、総資産の11.3%を占めています。控除した損失評価引当金残高(流動)は171億円となっています。また、さまざまなプロジェクトにおけるファイナンスのため、回収リスクを伴う多額の貸付や保証を行っています。 そのため、定期的に取引先の状況を確認し、適切な決裁者により承認されたクレジットライン管理を行うとともに、債権等の回収期日経過状況をモニタリングしています。また、必要に応じて取引先に担保等の提供を要求しています。詳細は、連結財務諸表注記事項8.「金融商品及び関連する開示(6)リスク関連」をご参照ください。 しかしながら、こうした管理を行ったとしても、当社及び連結子会社における与信管理政策は、与信先の財政状態悪化により発生しうるリスクを完全に排除することはできません。加えて、流動性危機の発生、不動産や株式等の市場価格急落による取引先の支払不能、あるいは企業倒産の増加等によって、当社及び連結子会社の債権回収が困難となる可能性があり、将来の当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (9)資金調達に関するリスク 金融市場の混乱や当社格付けの引下げ、あるいは金融機関及び機関投資家の融資及び投資方針の変更は、当社及び連結子会社の資金調達に制約を課すとともに、調達コストを増大させ、当社及び連結子会社の財政状態や流動性に影響を及ぼす可能性があります。 当社は、10年程度の長期資金を中心とした資金調達を行うと同時に、長期資金の年度別償還額の集中を避けることで借換えリスクの低減を図っています。また、事業展開に伴う資金需要に対する機動的な対応と、当社の有利子負債返済における金融情勢悪化の影響を最小限に抑えるためにも、十分な現金及び現金同等物を保有しています。資金調達及び格付けについては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(5)流動性と資金調達の源泉」をご参照ください。 (10)オペレーショナルリスク 当社及び連結子会社は、金属資源、エネルギー、機械・インフラ、化学品、鉄鋼製品、生活産業、次世代・機能推進の各セグメントにおいて、グローバルなネットワークを活用し、多種多様な商品の売買、製造、輸送、ファイナンス等の各種事業を多角的に行っており、さらには資源・インフラ開発プロジェクトの構築、環境・新技術・次世代燃料やウェルネスに関連する事業投資やデジタルを活用した価値創出等の幅広い取組みを展開しています。これらの事業は、火災、爆発、事故、輸出入制限、自然災害等のさまざまな操業上のリスクを伴っており、事故・災害等が発生した場合には、当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 環境事故が生じると、当社及び連結子会社は資源・エネルギー権益の所有者として、またノンオペレーターとして操業に関与していない場合であっても、当該事故への寄与度や過失の有無にかかわらず、清掃費用、環境破壊への賠償、事故被害者への健康・財産被害や休業補償・逸失利益補填等のための損害賠償費用、環境当局からの罰金や補償金等の負担を強いられることで、当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 当社及び連結子会社は、リスク軽減策・損害防止策を検討するほか、可能かつ妥当な範囲において、事故、災害等に関する保険を付していますが、それらによってもすべての損害を填補し得ない可能性があります。 (11)役職員による法令及び社内規程の遵守違反に関するリスク 当社及び連結子会社は、その規模、業務範囲及び活動領域が広範にわたっていることから、役職員による法令及び社内ルールの遵守も含め、グループ全体で共有すべきインテグリティやコンプライアンスに関する考え方を示す「三井物産グループ行動指針-With Integrity」を2024年5月に改訂し、継続的に経営幹部がメッセージを発信し、コンプライアンスに関する職制ライン及び職制外の報告・相談ルートを設置するとともに、スピークアップ文化を醸成し、コンプライアンス違反に対して厳正に対処するなど、さまざまな取組みを行っています。詳細は、「第4 提出会社の状況 4. コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要③内部統制システムの整備状況 (d)コンプライアンス体制」をご参照ください。 しかしながら、このような取組みをもってしても、全ての違法行為を完全に排除することはできず、日本又は外国における貿易・投資規制、独占禁止法、汚職防止法、税法等の法令違反や社内ルールを逸脱した取引が発生した場合には、予測不能な損失や管理不能なリスクにつながり、その内容次第で当社及び連結子会社の事業、社会的信用、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (12)情報システム及び情報セキュリティに関するリスク 通信ネットワークのグローバル規模での運用が進展、またサイバー攻撃が全世界的に増加する中、ITシステムの適切な運用と情報価値の把握並びに適切な取扱いが重要です。当社は、情報システムの安全性及び情報セキュリティ強化のため、関連規程を整備し、当社及び連結子会社が保有する情報及び情報システムにおける機密性、完全性及び可用性を適切に確保し、またリスク管理水準を改善するための指針を継続的に示して情報漏洩等のリスクを管理し、通信ネットワーク監視等を通じた外部からの攻撃への対応や非常時を想定した定期的な訓練に努めています。 しかしながら、予期できない水準の情報システム基盤や通信回線の重大な障害、あるいは経営に関わる機密情報の破壊・窃取が発生する可能性を完全に排除することはできず、このような場合、業務効率の著しい低下が避けられず、事業継続あるいはビジネスの伸長に困難をきたすことから、当社及び連結子会社の事業、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、可能かつ妥当な範囲において、外部からの攻撃に伴う被害等に関する保険を付していますが、それらによってもすべての損害を填補し得ない可能性があります。 なお、サイバーセキュリティ、AIの活用等に関する議論を踏まえたガバナンス、戦略については、「2. サステナビリティに関する考え方及び取組(7)情報セキュリティ」をご参照ください。 (13)人的資本の制約に関するリスク 当社及び連結子会社は、「人」こそが持続的な価値創造の源泉であるとの考えのもと、人材の確保と育成、評価、報酬等の人材マネジメントに取り組み、事業の立案・評価及び実行や人員の指揮・監督等にあたる人的資本を投入しています。しかしながら、事業分野や国・地域によっては求められる人材が不足し、事業価値創出機会の逸失や、安定的なオペレーションに支障をきたす可能性があります。事業に対するこうした人的資本の制約は、当社及び連結子会社の事業展開と経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。なお、リスクの対応策を含めた人材戦略に関する当社の状況については「2. サステナビリティに関する考え方及び取組(8)人材戦略」をご参照ください。 (14)人権に関するリスク 当社及び連結子会社は、川上から川下まで多様な機能・サービスを世界中で提供し、多岐にわたる事業を展開する中で、多くのステークホルダーに影響を及ぼしています。当社及び連結子会社の事業活動や、当社が関与する投融資先・サプライチェーン上の取引関係を通じて人権への負の影響を引き起こしている、または人権侵害を助長していることが明らかになった場合には、社会的信用の毀損に加え、その影響の解消・緩和に伴う追加的費用の発生等により、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 当社は、人権尊重への取組みが自社のみならず投融資先やサプライチェーン全体で求められているとの認識のもと、2025年のマテリアリティ見直しにおいて「人権を尊重する社会をつくる」を独立したマテリアリティとして設定しています。さらに、「三井物産グループ行動指針 -With Integrity」においても人権尊重の方針を明確にし、グループ各社の経営理念や役職員行動規範への織り込みを推進しています。また、当社及び連結子会社の事業活動に関わる人権への負の影響を、人権デューデリジェンスの枠組みに基づき特定・評価し、防止・低減に努めています。重大な人権課題が認識された場合には、事実確認のうえ、当社及び連結子会社の関係当事者との関係性や影響力を踏まえ、是正・救済要請等、解決に向けた適切な対応を検討・実施します。人権課題の改善が見られない場合には、取引停止も含めた当該取引関係の見直しを検討します。また、当社は、サプライヤー等の取引先との協働により人権尊重の取組みを促進するとともに、商品の売買契約への人権条項追加や既存の社内プロセスへの人権に関するリスク管理手法の組込み等を通じ、事業活動における人権尊重の強化に取り組んでいます。 人権に関するリスクへの対応策を含む当社の人権尊重に関する取組みの詳細については、「2.サステナビリティに関する考え方及び取組(6)サプライチェーンと人権」をご参照ください。 (15)自然災害、テロ・暴動遭遇、感染症等によるリスク 当社及び連結子会社が事業活動を展開する国や地域において、地震や水害、テロ、感染症、電力不足等が発生した場合には、当社及び連結子会社の事業に影響を及ぼす可能性があります。 当社及び連結子会社では、災害時事業継続計画(BCP)や災害対策マニュアルをあらかじめ策定するとともに、社員安否確認システムの構築、耐震対策、防災訓練等の対策を講じていますが、全ての被害や影響を完全に排除できるものではなく、当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 なお、当連結会計年度末に重要なリスクとして特定したもの以外で、当社及び連結子会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があると認識している主要なリスクには、以下のようなものがあります。ただし、これらは全てのリスクを網羅したものではありません。 ・当社固有のリスクではない、一般的なリスク - 世界マクロ経済環境の変化によるリスク 世界的な、あるいは特定の地域における急速な技術革新や産業構造の変化、これらに対応した経済安全保障や関税等に関する政策変更がもたらす経済情勢の変動は、製品・素材の市況、個人消費や設備投資に影響を与える可能性があります。その結果、当社及び連結子会社の商品・サービスに対する需要が変動し、当社及び連結子会社の事業、将来の経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 - 法的規制に関するリスク 当社及び連結子会社は内外の広範な法令に従い事業活動を展開しています。当社及び連結子会社の事業は、具体的には、各種の商品規制、消費者保護規制、事業及び投資に対する許認可、環境保護規制、外国為替規制、安全保障目的を含む輸出入貿易規制、投資規制、制裁関連法令、各種税法、独占禁止法等の制約の下にあります。また、これらの規制に関しては、法令や規制当局による運用が予告や事業者が受ける不利益に対する補償なしに変更される場合があります。例えば当社及び連結子会社による新興国でのインフラ開発プロジェクトは、十分に整備されていない法基盤の下で遂行されることがあり、包括的な法令体系の欠如や、一貫性のない法令の適用及び解釈、監督当局による規制措置の一方的変更等に対応する費用負担が増大することがあります。また、これらの事業が供給する製品あるいはサービスに賦課される税率、環境規制に係る技術的要件、特定の国・地域における所得税及び関税の税率変更、投資元本及び配当の還流に関する為替規制等の諸法令等について、予想外の変更が行われることがあります。 当社及び連結子会社は、米国、豪州、ブラジル、チリ、ロシア、中東、モザンビーク等において一連の環境規制の制約を受けていますが、これらの地域における法令は、事業区域の浄化、操業停止あるいは事業終了、重大な環境破壊に対する罰金及び補償金、高額な汚染防止設備の設置、操業方法の変更等を課すことがあります。 当社及び連結子会社が行う探鉱・開発・採掘事業について、事業権に係る契約の相手方による義務の履行がなされる保証や契約期限到来時に事業権の存続期間が延長される保証は必ずしもありません。また、これら事業に係る規制当局が、金属資源や石油・ガス生産事業における生産量、価格体系、ロイヤリティ、環境保護費用及び借地権等に関する契約条件に関し、一方的な介入あるいは変更を行わない保証はありません。規制当局が一方的に契約条件を変更した場合、あるいは、変更・新設された法令について遵守に対応する費用が増大する場合、当社及び連結子会社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、技術・資材調達・資金調達・環境面を含む当局による規制等の変更により、当初の想定より工期が遅延する可能性があります。 - 競合リスク 当社及び連結子会社が提供する商品及びサービスの市場は、概して競争的な環境にあります。他の総合商社をはじめ、各種分野において同様の事業活動を展開する競合他社は、商品によって当社及び連結子会社の内外の顧客に対してより堅固な取引関係を有している場合や、より充実した世界的ネットワーク、特定地域に係る専門知識、広範な海外顧客基盤、金融サービス機能、市場分析能力を有する場合があります。当社及び連結子会社が、顧客の求める革新的かつ総合的なサービスを競争力あるコストにより提供できない場合、市場におけるシェアや顧客との取引関係の喪失につながり、当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。- 金利リスク 当社及び連結子会社は金利変動に係るリスクを有しており、金利変動は営業・金融費用全般、並びに金融資産・負債の価額、とりわけ資本市場及び金融機関借入により調達される負債の価額に影響を及ぼします。金利水準の上昇、特に日本及び米国における上昇は、当社及び連結子会社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 当社及び連結子会社の資金調達の状況については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(5)流動性と資金調達の源泉」及び連結財務諸表注記事項8.「金融商品及び関連する開示」をご参照ください。 - 確定給付費用及び確定給付債務に関するリスク 国内外の国債等の債券や上場株式の価格下落は、当社及び連結子会社の制度資産の価値を減少させます。制度資産の価値の下落あるいは確定給付制度債務の増加は、その他の包括利益及び利益剰余金の悪化により、当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 確定給付費用については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(6)重要な判断を要する会計方針及び見積り」及び連結財務諸表注記事項18.「従業員給付」をご参照ください。 - 訴訟及び紛争に関するリスク世界各地で展開する事業活動において当社及び連結子会社は、訴訟や紛争のリスクにさらされています。また、通常の事業活動において、当社及び連結子会社に対する訴訟その他の紛争が発生し、また訴訟には至らないものの、何らかの請求を受ける可能性があります。訴訟その他の紛争には不確実性が伴うため、当社及び連結子会社が関与する訴訟その他の紛争の最終的な結果を予測することは不可能です。当社及び連結子会社が、いかなる訴訟その他の紛争にも勝訴し、又は排斥できる保証はなく、また、これらの訴訟その他の紛争が、将来、当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性もあります。重要な係争事件については、連結財務諸表注記事項25.「偶発債務(2)係争事件」をご参照ください。 ・IFRS会計基準に基づく連結財務諸表の作成にあたっては、経営者の判断の下、一定の前提条件に基づく見積りが必要となる場合があります。この前提条件の置き方等により、当社及び連結子会社の経営成績や財政状態に影響を及ぼすことがあります。詳細は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(6)重要な判断を要する会計方針及び見積り」をご参照ください。

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