2162

nms ホールディングス(2162)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

サービス業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • 人材とモノづくりの融合
    nmsホールディングスは、人材ビジネス(HS事業)と製造受託(EMS事業)、そして電源メーカー(PS事業)を組み合わせた独自のビジネスモデルを展開しています。これにより、顧客企業の人材確保から製品の設計・製造までを一貫してサポートし、多様なニーズに応えることで収益を上げています。特に製造業における人材と技術の両面から顧客を支援する点が特徴です。
  • 製造派遣・請負が柱
    HS事業は、製造現場への人材派遣や製造工程の請負が主な収益源です。日本国内だけでなく、中国やASEAN諸国でも展開しており、顧客の生産変動に合わせて柔軟に人材を提供することで、顧客のコストを変動費化する役割を担っています。これにより、顧客企業は固定費を抑えながら生産量を調整できます。
  • 多角的な製造ソリューション
    EMS事業では電子機器の製造受託、PS事業ではカスタム電源の開発・製造・販売を行っています。EMS事業は基板実装から完成品組立まで、PS事業は電源の設計から販売までを一貫して手掛けることで、幅広い製造ニーズに対応しています。これにより、顧客は複数のサプライヤーとやり取りする手間を省き、効率的な生産が可能です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • ヒューマンソリューション事業(HS事業)
    この事業は、製造現場への人材派遣や製造工程の請負が中心の人材ビジネスです。日本、中国、ASEAN諸国で展開しており、顧客の生産変動に合わせた機動的な人材確保や、生産効率向上のための複合提案を行っています。最新年度の売上高は約231.7億円、営業利益は約7.3億円で、グループの原点となる事業です。
  • エレクトロニクスマニュファクチャリングサービス事業(EMS事業)
    電子機器の製造受託サービスを提供しており、基板実装から完成品組み立てまで、幅広い製造ノウハウを持っています。中国、マレーシア、ベトナム、米国、メキシコに生産拠点を持ち、グローバルな事業体制を拡充しています。最新年度の売上高は約361.3億円、営業利益は約6.8億円と、グループ内で最大の売上規模を誇ります。
  • パワーサプライ事業(PS事業)
    カスタム電源の開発、設計、製造、販売を行う電源専業メーカーです。スイッチング電源や高圧電源、EV関連製品などを手掛けており、日本と中国に拠点を展開しています。最新年度の売上高は約164.0億円、営業利益は約11.2億円と、売上規模はEMS事業に次ぐものの、最も高い営業利益を上げています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
HumanSolutionsBusiness 地域 232 7 3.2%
ElectronicsManufacturingServiceBusiness 地域 361 7 1.9%
PowerSupplyBusiness 地域 164 11 6.8%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,090 文字
3【事業の内容】当社グループ(当社及び連結子会社)の報告セグメントは、HS事業(ヒューマンソリューション事業:人材ビジネス事業)、EMS事業(エレクトロニクスマニュファクチャリングサービス事業)、PS事業(パワーサプライ事業:カスタム電源事業)の3つで構成されています。製造派遣・製造請負を柱とするHS事業は、当社グループの原点であり、日本マニュファクチャリングサービス株式会社を母体とし、事業を開始しました。事業の裾野をモノづくりへと広げる中、HS事業とシナジーが活かせる技術ノウハウの獲得を目的に、2010年7月に株式会社志摩電子工業及びそのグループ会社を、2011年7月に株式会社テーケィアール(現 株式会社TKR)及びそのグループ会社を経営統合し、EMS事業を発足させました。2014年10月には、開発、設計といった製造における上流プロセス機能及び技術力の確保を目的に、パナソニック株式会社(現 パナソニックホールディングス株式会社)から一般電源事業を譲り受け、パワーサプライテクノロジー株式会社においてPS事業を発足させました。これにより、人材派遣及び製造請負を展開するHS事業、電子・電気機器の製造受託を行うEMS事業に加え、電源関連製品の開発から設計、製造、販売まで行うメーカー機能としてPS事業を有する、独自性ある事業体となりました。2017年4月には、持株会社体制へ移行し、HS事業は「日本マニュファクチャリングサービス株式会社」が事業承継し、グループ事業統括・経営管理を担う「nms ホールディングス株式会社」と、個別事業を担う「事業会社」の機能をより明確にした事業構造となっています。なお、当社は有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これによりインサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。また、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。各事業の概要は以下のとおりです。 (1)HS事業HS事業は、国内/海外におけるマニュファクチャリングサービス全般を日本・中国・ASEAN諸国にて展開しています。お客様のニーズに合わせ、機動的な人材確保に加え、グループ内EMS事業の省力化ノウハウを活かした生産効率向上の複合提案も行っています。また、研修施設や日本語教育システム等を活用し、外国人材定着支援サービスも展開しています。主な事業内容は以下のとおりです。国内/海外におけるマニュファクチャリングサービス全般・製造事業(受託・請負・派遣・紹介)・生産系エンジニアリング事業(受託・派遣・紹介)・IT・設計開発エンジニアリング事業(受託・派遣・紹介)・テクニカルサービス事業(各種リペア・リワーク・解析等/カスタマーサービス全般)・ロジスティクスサービス事業(3PL/流通加工/派遣)・外国人技能実習制度に関わる入国後教育研修の受託及び実習生受け入れ先への業務支援 (2)EMS事業EMS事業は、実装・プレス・成型・完成品組み立て、さらには、試作、部品調達、検査等、広範囲にわたるノウハウを有し、高い実装品質と低コストの生産ライン構築で、一貫生産・量産はもちろんのこと、プロセス単体・少量多品種等、お客様のニーズへの機動的な生産対応を行っています。海外においては、中国、マレーシア、ベトナムに生産拠点を展開しており、2018年12月には米国・テキサス州に拠点を設立、2019年3月31日にはソニー株式会社(現 ソニーグループ株式会社)から同社米国法人Sony Electronics Inc.の事業部門Sony Service and Operations of Americasの機能及び事業、ならびにメキシコ生産拠点を事業譲受する等、グローバル事業体制の拡充を図っています。主な事業内容は以下のとおりです。・電子機器製造受託サービス(基板実装、基板組立、簡易プレス、樹脂成型、組立 等)・電子機器修理サービス・車載関連機器・部品の設計・開発・製造・お客様とのシェアリングビジネス、これに係る設計・開発・営業・スタートアップソリューション事業 (3)PS事業 PS事業は、電源専業メーカーとして、「安全・安心」を追求した電源・電源関連部品をお客様に提供しています。日本及び中国において拠点展開する一方、新たな事業の柱として、主軸の電源・電源関連部品に加え、クルマや産業機器類の「電動化」に対応するEV関連製品を開発し、新規分野への参入を行っています。 主な事業内容は以下のとおりです。・カスタム電源(スイッチング電源、高圧電源)の開発・設計・製造・販売・マグネットロールの開発・設計・製造・販売・各種トランス(スイッチングトランス、高圧トランス)の開発・設計・製造・販売 以下に、各事業の事業系統図を記載いたします。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
原材料および部材価格の高騰を全て販売価格に反映できる保証がないため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
HS事業の省力化ノウハウ、EMS事業の高い実装品質と低コスト生産ライン構築、PS事業の開発・設計・製造・販売機能。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:顧客の生産変動に係るリスク / 為替変動に係るリスク / 原材料・部材の調達・価格の変動に係るリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

nmssは人材派遣・請負事業を主軸としており、特定のブランド力や特許による強力な無形資産は限定的。ただし、長年の事業運営で培われたノウハウや顧客との信頼関係は一定の価値を持つ。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

顧客企業にとっては、人材派遣会社を変更する際に、新たな業者選定、契約手続き、担当者の引き継ぎなどの手間が発生する。特に、特定の業務に精通した人材を継続的に確保している場合、スイッチングコストは無視できない。

ネットワーク効果★☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

人材紹介や派遣事業は、求職者と求人企業の双方を結びつけるプラットフォームとしての側面を持つが、特定のプラットフォームに依存するほど強力なネットワーク効果は現れていない。競合他社も多数存在し、ネットワークの優位性は限定的。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

人材派遣・請負事業は、一般的に参入障壁が低く、規模の経済によるコスト優位性を築きにくい。nmssも、他社との価格競争に巻き込まれる可能性があり、顕著なコスト優位性は見られない。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

売上高は700億円台で推移しており、業界内では中堅規模。一定の事業規模はあるものの、圧倒的なシェアを持つわけではなく、規模の経済による強力な競争優位性を確立するには至っていない。今後のM&A等による拡大の可能性はある。

  • 人材と製造技術のシナジー
    HS事業で培った人材活用ノウハウと、EMS・PS事業の製造技術が連携することで、顧客に対して生産効率向上に繋がる複合的な提案が可能です。例えば、EMS事業の省力化ノウハウをHS事業の製造請負に活かすことで、より高品質で低コストなサービス提供を実現しています。この組み合わせが他社との差別化要因となっています。
  • グローバルな生産・人材供給体制
    HS事業は日本・中国・ASEAN諸国で人材ビジネスを展開し、EMS事業は中国、マレーシア、ベトナム、米国、メキシコに生産拠点を有しています。この広範なグローバルネットワークにより、顧客の生産拠点変更や海外展開にも柔軟に対応でき、安定したサービス提供を可能にしています。特に海外での製造受託能力は大きな強みです。
  • 電源開発から製造までの一貫体制
    PS事業は、カスタム電源の開発・設計から製造、販売までを一貫して行えるメーカー機能を持っています。これにより、顧客の特定の要求に応じた高品質な電源製品を迅速に提供できるだけでなく、EV関連製品など新規分野への参入も進めています。この垂直統合型のビジネスモデルが、技術力と顧客対応力を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月26日)現在において当社グループが判断したものです。 (1)経営方針当社グループは、「ニッポンのモノづくり品質を世界へ」をキーワードに、ともに成長をめざすという『経営理念』のもと、HS事業・EMS事業・PS事業の3つの事業セグメントを国内外で事業展開しています。この多様化した事業構造は、お客様に新たな価値を提供するための源泉となるものであり、当社グループの特長です。これをさらに進化させ、変化に対し柔軟かつ機動的に対応できる基盤を強化し、企業価値・株主価値のより一層の向上を図るため、2017年4月より持株会社体制へ移行しました。 当社(持株会社)の経営方針は以下のとおりです。① グループ経営と事業執行の分離による意思決定スピードの向上・責任の明確化② 事業間のシナジーの追求③ 成長戦略としての迅速なM&A・グループ再編の実行④ 間接部門の重複業務集約や事務効率改善によるコストの最適化⑤ グループ各社の事業特性に応じた効率の良い事業運営と、グループ全体で高いパフォーマンスを発揮でき る基盤づくり、この両輪による持続的成長の実現 (2)経営環境米国の関税措置を含む各国の通商政策の動向やこれらが世界経済に及ぼす影響については、引き続き不透明な状況が続いておりますが、各事業において需要動向を慎重に見極めつつ、収益性を重視した事業運営を進めてまいります。HS事業においては、国内における人材確保の難化や採用コストの高騰等が継続する中、株式会社ワールドホールディングスとの連携強化による採用力の向上及び人材育成の推進に加え、エンジニア領域の拡大、一括請負提案による高付加価値ものづくりサービスの提供等に取り組むことにより、利益水準の維持・向上を図ってまいります。EMS事業においては、地政学リスク、関税リスク及び顧客販売戦略の変更等による需要変動に留意しつつ、戦略拠点であるベトナム及びメキシコにおける事業拡大、顧客ポートフォリオ改革、自動化・生産性向上施策の推進等により、収益性の改善を図ってまいります。PS事業においては、複合機・複写機市場の縮小や部材・エネルギー価格高騰の影響を踏まえつつ、産業・サステナブル市場への拡販、付加価値商品の販売比率向上、グループ内連携による開発から量産までの一貫対応等を推進し、厳しい市場環境が続く中においても、収益基盤の強化に取り組んでまいります。 (3)対処すべき課題当社グループは、過年度の一部役員による不適切な経費使用等及び不適切な会計処理に関する問題の発生を厳粛に受け止め、経営体制及びガバナンスの見直しを進めております。また、これまで当社グループが抱えてきたガバナンス上の課題、事業成長力の低下及び財務体質の悪化といった構造的な課題に対応するため、2026年3月19日付で中期経営計画(2026-2028)(以下「本中期経営計画」といいます)を策定いたしました。本中期経営計画においては、2026年度からの3年間を再建フェーズと位置づけ、経営基盤の強化に重点を置き、ガバナンス、事業基盤及び財務基盤の強化を重点課題として取り組んでまいります。 ① ガバナンスの強化当社グループは、再建フェーズにおける最重要課題の一つとして、ガバナンスの強化に取り組んでおります。具体的には、監督と執行の役割分担を明確化し、取締役会の監督機能を強化する観点から、社外取締役の拡充、指名諮問委員会及び報酬諮問委員会の運営を通じて、経営の透明性及び客観性の向上を図ってまいります。また、事業・戦略・財務・人材の各領域における執行責任を明確化するため、CxO体制及び専門組織の整備を進めるとともに、主要子会社を含めた役員体制の見直しにより、グループ全体の管理体制の強化を図ってまいります。加えて、投資委員会の運営を通じて投資・撤退判断の規律を高めるほか、経理財務機能の強化により、経営判断の適切性及び情報伝達の実効性を高めてまいります。なお、過年度の不適切な会計処理に関する問題を踏まえて公表した再発防止策についても、上記の方針のもとで着実に実行し、その進捗状況を継続的に確認することにより、実効性のある内部統制及びガバナンス体制の確立を推進してまいります。 再発防止策(2026年3月19日公表)の推進状況会計処理に関する権限集中・恣意的対応の防止会計処理を含む重要な経営判断事項を経営会議で協議2025年12月より経営会議を再開グループ役職員に対するコンプライアンス研修の実施2025年度より定期的にコンプライアンス研修を実施経理財務部門における情報収集体制及び会計処理機能の強化重要子会社の経営会議等の内容を経理財務部門が定期的に確認2026年度より実施経理財務部門担当者と重要子会社の経理担当者による定期連絡会を開催2026年度より実施重要な会計判断を協議・検討する会計論点検討会(仮称)を開催2026年度より実施経理財務部門のリソース強化継続的な採用活動の実施及びアウトソーシングサービスの利用拡大グループ横断の内部通報窓口及び外部通報窓口の活用2025年4月18日に設置完了し、継続活用中取締役会に対する情報伝達の適正化子会社における取締役会付議・報告基準の見直し2026年度より実施子会社から当社取締役会への報告のあり方の見直し2026年度より実施複数の当社主要役職員が重要子会社の役員を兼務2026年2月に実施済み監査法人への適時適切な情報提供グループ役職員に対するコンプライアンス研修の実施2025年度より定期的にコンプライアンス研修を実施 ② 事業基盤の強化当社グループの各事業においては、外部環境の変化や事業特性を踏まえ、規模の拡大を優先する経営から、利益率の改善を重視する経営への転換を進めております。また、グループ内の顧客基盤、技術、機能及びノウハウの連携を強化するとともに、採算性及び将来成長性の観点から事業ポートフォリオの見直し及びグループ内連携の強化を重要な課題と認識しております。 1)HS事業(ヒューマンソリューション事業:人材ビジネス事業)HS事業においては、国内における人材確保の難化や採用コストの上昇、製造・技術者分野における人手不足の深刻化に加え、海外人材の受入れ制度の見直し等を背景として、事業環境が大きく変化しております。このような環境のもと、当社グループは、製造派遣・請負を中核とする既存事業の基盤を維持・強化しつつ、より収益性の高いエンジニア領域へのシフトを進めてまいります。具体的には、ワールドホールディングスとの連携強化を含む採用力及び人材育成の高度化、エンジニア領域の拡大、一括請負型サービスの提供拡大、国内外の採用チャネルの多様化等を進めることにより、高付加価値サービスの比率を高めてまいります。また、海外事業については、現地法人網や海外人材活用の強みを生かしながら収益性の改善を図るとともに、規模拡大よりも利益率を重視し、投資回収の観点から低収益拠点・事業の見直しを進め、選択と集中を通じた構造改革に取り組んでまいります。 2)EMS事業(エレクトロニクスマニュファクチャリングサービス事業)EMS事業においては、地政学リスクや関税動向、顧客の販売戦略変更等により需要変動が拡大する中、サプライチェーンの変化に柔軟に対応できる事業体制の構築が重要な課題であると認識しております。このため、ベトナム及びメキシコを中心とする戦略拠点の強化を進める一方、中国・マレーシアを含む既存拠点については、顧客ポートフォリオの見直し、自動化・生産性向上施策の推進、固定費及び在庫の適正化等により、収益体質の改善を図ってまいります。また、顧客の生産移管ニーズや新規案件の獲得に対応しつつ、各拠点の役割分担を最適化することで、グループ全体として競争力のある供給体制を構築してまいります。加えて、運転資本の圧縮、資本効率を意識した規律ある投資及び借入金の返済推進を通じて、財務基盤の強化にも取り組んでまいります。 3)PS事業(パワーサプライ事業:カスタム電源事業)PS事業においては、主力市場である複合機・複写機市場の縮小が進む一方で、産業・サステナブル分野には中長期的な成長機会があると認識しております。このため、既存のドキュメント市場においては、マグネットロールや高圧電源等の付加価値の高い製品の販売比率向上により収益力の維持・確保を図るとともに、産業・サステナブル分野への展開を加速し、事業ポートフォリオの転換を進めてまいります。また、パワーサプライテクノロジー株式会社と株式会社志摩電子工業との連携強化により、開発から量産まで一貫したサービス提供体制を構築し、技術提案力、調達力及び生産対応力を高めることで、新たな案件の獲得と事業拡大を図ってまいります。さらに、部材・エネルギーコスト上昇や為替変動等のリスクに対しては、売価適正化、原価低減及び拠点戦略の見直しを進めるとともに、成長の加速と新たな事業の柱の構築に向けて、M&Aの検討も進めてまいります。 また、これらの事業基盤の強化を支える横断施策として、人材戦略及びデジタル戦略の推進にも取り組んでおります。グループ各社における人材管理、教育、評価及び処遇の見直しを進めるとともに、社員エンゲージメントの向上を通じて、組織の活性化及び生産性の向上を図ってまいります。加えて、グループ横断での経営情報の一元化を進めるとともに、顧客基盤・人的資本・生産及び業務に関するデータの活用を通じて、意思決定の高度化及び業務改革を推進してまいります。 ③ 財務基盤の強化当社グループは、財務基盤の強化を重要な経営課題と位置付け、固定費構造の見直しによる収益基盤の強化及び資本構成の最適化に取り組んでおります。具体的には、外部コストや間接費の削減、不採算事業からの撤退等を通じてコスト構造の見直しを進めるとともに、営業キャッシュ・フローの改善及び資本効率を意識した投資判断の徹底により、安定的な財務基盤の構築を図ってまいります。また、D/Eレシオ及び自己資本比率を主要な財務管理指標として、財務レバレッジの適正化及び自己資本の充実を進めるとともに、成長投資と財務健全性のバランスを踏まえた持続可能な株主還元を実施してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月26日)現在において当社グループが判断したものです。 (1)経営方針当社グループは、「ニッポンのモノづくり品質を世界へ」をキーワードに、ともに成長をめざすという『経営理念』のもと、HS事業・EMS事業・PS事業の3つの事業セグメントを国内外で事業展開しています。この多様化した事業構造は、お客様に新たな価値を提供するための源泉となるものであり、当社グループの特長です。これをさらに進化させ、変化に対し柔軟かつ機動的に対応できる基盤を強化し、企業価値・株主価値のより一層の向上を図るため、2017年4月より持株会社体制へ移行しました。 当社(持株会社)の経営方針は以下のとおりです。① グループ経営と事業執行の分離による意思決定スピードの向上・責任の明確化② 事業間のシナジーの追求③ 成長戦略としての迅速なM&A・グループ再編の実行④ 間接部門の重複業務集約や事務効率改善によるコストの最適化⑤ グループ各社の事業特性に応じた効率の良い事業運営と、グループ全体で高いパフォーマンスを発揮でき る基盤づくり、この両輪による持続的成長の実現 (2)経営環境米国の関税措置を含む各国の通商政策の動向やこれらが世界経済に及ぼす影響については、引き続き不透明な状況が続いておりますが、各事業において需要動向を慎重に見極めつつ、収益性を重視した事業運営を進めてまいります。HS事業においては、国内における人材確保の難化や採用コストの高騰等が継続する中、株式会社ワールドホールディングスとの連携強化による採用力の向上及び人材育成の推進に加え、エンジニア領域の拡大、一括請負提案による高付加価値ものづくりサービスの提供等に取り組むことにより、利益水準の維持・向上を図ってまいります。EMS事業においては、地政学リスク、関税リスク及び顧客販売戦略の変更等による需要変動に留意しつつ、戦略拠点であるベトナム及びメキシコにおける事業拡大、顧客ポートフォリオ改革、自動化・生産性向上施策の推進等により、収益性の改善を図ってまいります。PS事業においては、複合機・複写機市場の縮小や部材・エネルギー価格高騰の影響を踏まえつつ、産業・サステナブル市場への拡販、付加価値商品の販売比率向上、グループ内連携による開発から量産までの一貫対応等を推進し、厳しい市場環境が続く中においても、収益基盤の強化に取り組んでまいります。 (3)対処すべき課題当社グループは、過年度の一部役員による不適切な経費使用等及び不適切な会計処理に関する問題の発生を厳粛に受け止め、経営体制及びガバナンスの見直しを進めております。また、これまで当社グループが抱えてきたガバナンス上の課題、事業成長力の低下及び財務体質の悪化といった構造的な課題に対応するため、2026年3月19日付で中期経営計画(2026-2028)(以下「本中期経営計画」といいます)を策定いたしました。本中期経営計画においては、2026年度からの3年間を再建フェーズと位置づけ、経営基盤の強化に重点を置き、ガバナンス、事業基盤及び財務基盤の強化を重点課題として取り組んでまいります。 ① ガバナンスの強化当社グループは、再建フェーズにおける最重要課題の一つとして、ガバナンスの強化に取り組んでおります。具体的には、監督と執行の役割分担を明確化し、取締役会の監督機能を強化する観点から、社外取締役の拡充、指名諮問委員会及び報酬諮問委員会の運営を通じて、経営の透明性及び客観性の向上を図ってまいります。また、事業・戦略・財務・人材の各領域における執行責任を明確化するため、CxO体制及び専門組織の整備を進めるとともに、主要子会社を含めた役員体制の見直しにより、グループ全体の管理体制の強化を図ってまいります。加えて、投資委員会の運営を通じて投資・撤退判断の規律を高めるほか、経理財務機能の強化により、経営判断の適切性及び情報伝達の実効性を高めてまいります。なお、過年度の不適切な会計処理に関する問題を踏まえて公表した再発防止策についても、上記の方針のもとで着実に実行し、その進捗状況を継続的に確認することにより、実効性のある内部統制及びガバナンス体制の確立を推進してまいります。 再発防止策(2026年3月19日公表)の推進状況会計処理に関する権限集中・恣意的対応の防止会計処理を含む重要な経営判断事項を経営会議で協議2025年12月より経営会議を再開グループ役職員に対するコンプライアンス研修の実施2025年度より定期的にコンプライアンス研修を実施経理財務部門における情報収集体制及び会計処理機能の強化重要子会社の経営会議等の内容を経理財務部門が定期的に確認2026年度より実施経理財務部門担当者と重要子会社の経理担当者による定期連絡会を開催2026年度より実施重要な会計判断を協議・検討する会計論点検討会(仮称)を開催2026年度より実施経理財務部門のリソース強化継続的な採用活動の実施及びアウトソーシングサービスの利用拡大グループ横断の内部通報窓口及び外部通報窓口の活用2025年4月18日に設置完了し、継続活用中取締役会に対する情報伝達の適正化子会社における取締役会付議・報告基準の見直し2026年度より実施子会社から当社取締役会への報告のあり方の見直し2026年度より実施複数の当社主要役職員が重要子会社の役員を兼務2026年2月に実施済み監査法人への適時適切な情報提供グループ役職員に対するコンプライアンス研修の実施2025年度より定期的にコンプライアンス研修を実施 ② 事業基盤の強化当社グループの各事業においては、外部環境の変化や事業特性を踏まえ、規模の拡大を優先する経営から、利益率の改善を重視する経営への転換を進めております。また、グループ内の顧客基盤、技術、機能及びノウハウの連携を強化するとともに、採算性及び将来成長性の観点から事業ポートフォリオの見直し及びグループ内連携の強化を重要な課題と認識しております。 1)HS事業(ヒューマンソリューション事業:人材ビジネス事業)HS事業においては、国内における人材確保の難化や採用コストの上昇、製造・技術者分野における人手不足の深刻化に加え、海外人材の受入れ制度の見直し等を背景として、事業環境が大きく変化しております。このような環境のもと、当社グループは、製造派遣・請負を中核とする既存事業の基盤を維持・強化しつつ、より収益性の高いエンジニア領域へのシフトを進めてまいります。具体的には、ワールドホールディングスとの連携強化を含む採用力及び人材育成の高度化、エンジニア領域の拡大、一括請負型サービスの提供拡大、国内外の採用チャネルの多様化等を進めることにより、高付加価値サービスの比率を高めてまいります。また、海外事業については、現地法人網や海外人材活用の強みを生かしながら収益性の改善を図るとともに、規模拡大よりも利益率を重視し、投資回収の観点から低収益拠点・事業の見直しを進め、選択と集中を通じた構造改革に取り組んでまいります。 2)EMS事業(エレクトロニクスマニュファクチャリングサービス事業)EMS事業においては、地政学リスクや関税動向、顧客の販売戦略変更等により需要変動が拡大する中、サプライチェーンの変化に柔軟に対応できる事業体制の構築が重要な課題であると認識しております。このため、ベトナム及びメキシコを中心とする戦略拠点の強化を進める一方、中国・マレーシアを含む既存拠点については、顧客ポートフォリオの見直し、自動化・生産性向上施策の推進、固定費及び在庫の適正化等により、収益体質の改善を図ってまいります。また、顧客の生産移管ニーズや新規案件の獲得に対応しつつ、各拠点の役割分担を最適化することで、グループ全体として競争力のある供給体制を構築してまいります。加えて、運転資本の圧縮、資本効率を意識した規律ある投資及び借入金の返済推進を通じて、財務基盤の強化にも取り組んでまいります。 3)PS事業(パワーサプライ事業:カスタム電源事業)PS事業においては、主力市場である複合機・複写機市場の縮小が進む一方で、産業・サステナブル分野には中長期的な成長機会があると認識しております。このため、既存のドキュメント市場においては、マグネットロールや高圧電源等の付加価値の高い製品の販売比率向上により収益力の維持・確保を図るとともに、産業・サステナブル分野への展開を加速し、事業ポートフォリオの転換を進めてまいります。また、パワーサプライテクノロジー株式会社と株式会社志摩電子工業との連携強化により、開発から量産まで一貫したサービス提供体制を構築し、技術提案力、調達力及び生産対応力を高めることで、新たな案件の獲得と事業拡大を図ってまいります。さらに、部材・エネルギーコスト上昇や為替変動等のリスクに対しては、売価適正化、原価低減及び拠点戦略の見直しを進めるとともに、成長の加速と新たな事業の柱の構築に向けて、M&Aの検討も進めてまいります。 また、これらの事業基盤の強化を支える横断施策として、人材戦略及びデジタル戦略の推進にも取り組んでおります。グループ各社における人材管理、教育、評価及び処遇の見直しを進めるとともに、社員エンゲージメントの向上を通じて、組織の活性化及び生産性の向上を図ってまいります。加えて、グループ横断での経営情報の一元化を進めるとともに、顧客基盤・人的資本・生産及び業務に関するデータの活用を通じて、意思決定の高度化及び業務改革を推進してまいります。 ③ 財務基盤の強化当社グループは、財務基盤の強化を重要な経営課題と位置付け、固定費構造の見直しによる収益基盤の強化及び資本構成の最適化に取り組んでおります。具体的には、外部コストや間接費の削減、不採算事業からの撤退等を通じてコスト構造の見直しを進めるとともに、営業キャッシュ・フローの改善及び資本効率を意識した投資判断の徹底により、安定的な財務基盤の構築を図ってまいります。また、D/Eレシオ及び自己資本比率を主要な財務管理指標として、財務レバレッジの適正化及び自己資本の充実を進めるとともに、成長投資と財務健全性のバランスを踏まえた持続可能な株主還元を実施してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりです。 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものです。 当社は過年度の決算訂正を行っており、前連結会計年度との比較は、訂正後の数値で比較分析を行っております。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における世界経済は、米国における金融引き締めの長期化観測や通商政策の不確実性の継続に加え、中国経済の回復の遅れや地政学的リスクの高まり等を背景に、先行き不透明な状況が続きました。また、製造業分野においては在庫調整や需要の地域差が継続する等、当社グループを取り巻く事業環境も依然として不安定な状況にありました。このような経営環境のもと、当社グループは、各事業において新市場への参入や新規事業の開拓等、次の成長への種まきを進めるとともに、事業基盤の強化を図るべく、グループ全体で合理化・効率化を徹底的に進め、事業効率の高い体制への転換及び抜本的コスト構造改革に取り組んでまいりました。具体的には、HS事業における多様な人材の活躍推進、EMS事業における戦略投資拠点の収益改善、PS事業における産業機器分野への展開等に取り組み、各事業において売上成長と収益性改善に向けた施策を進めてまいりました。これらの結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は75,660百万円(前期比0.1%減)、営業利益はEMS事業における減益の影響等により1,695百万円(前期比4.3%減)となりました。また、営業外収支において為替変動の影響を受けたこと等により、経常利益は1,230百万円(前期比30.6%減)となりました。さらに、特別調査委員会による調査及び追加の監査手続き等に伴う費用について、特別調査等関連損失及び特別調査等関連損失引当金繰入額を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は308百万円(前期比60.4%減)となりました。当連結会計年度における各セグメントの業績は、以下のとおりです。 1)HS事業(ヒューマンソリューション事業:人材ビジネス事業)国内事業については、製造向け派遣事業における在籍人数の拡大や、採算性の高いエンジニア人材・施工管理人材の派遣拡大等により売上が増加しました。海外事業においても、タイや中国、ベトナムにおける新規及び既存顧客との取引拡大等により売上が増加しました。利益面では、売上増加に伴う固定費吸収や高付加価値人材の拡大等により収益性が改善しました。この結果、当セグメントの売上高は25,285百万円(前期比9.1%増)、セグメント利益は960百万円(前期比30.8%増)となりました。 2)EMS事業(エレクトロニクスマニュファクチャリングサービス事業)国内外における主要顧客の販売不振、在庫調整及び生産計画の後ろ倒しの影響等により、売上が減少しました。特に海外においては、中国での脱チャイナ影響や製品EOLの影響がありました。利益面では、国内において新規案件の受注や費用抑制による改善要素があった一方、海外においては、メキシコにおける主要顧客の計画後ろ倒しや為替影響、中国における売上減少の影響等により、セグメント全体として減益となりました。この結果、当セグメントの売上高は33,158百万円(前期比3.2%減)、セグメント利益は389百万円(前期比47.2%減)となりました。 3)PS事業(パワーサプライ事業:カスタム電源事業)ドキュメント関連分野における市場縮小や米国関税影響等による市況低迷の影響を受け、売上は減少しました。一方で、産業関連分野やアミューズメント分野においては、新規引合の獲得や採用機種の生産増加等により、一定の伸びがみられました。利益面では、海外における生産拠点再編や委託先立ち上げ等の拠点戦略の推進、ならびに原価低減活動の強化等により収益性の改善が進み、増益となりました。この結果、当セグメントの売上高は17,216百万円(前期比5.7%減)、セグメント利益は1,188百万円(前期比0.4%増)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ2,172百万円増加し5,952百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。また、現金及び現金同等物に係る換算差額を91百万円計上しております。「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、3,180百万円の収入(前年同期は1,371百万円の収入)となりました。主なプラス要因は、減価償却費1,495百万円(前年同期は1,514百万円)、税金等調整前当期純利益1,063百万円(前年同期は1,587百万円)、仕入債務の増加額750百万円(前年同期は245百万円の減少額)等となり、主なマイナス要因は、法人税等の支払額909百万円(前年同期は1,025百万円)、利息の支払額474百万円(前年同期は521百万円)、棚卸資産の増加額251百万円(前年同期は1,573百万円の減少額)等によるものです。「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、888百万円の支出(前年同期は899百万円の支出)となりました。主なプラス要因は、有形固定資産の売却による収入158百万円(前年同期は65百万円の収入)等となり、主なマイナス要因は有形固定資産の取得による支出953百万円(前年同期は954百万円の支出)、敷金及び保証金の差入による支出80百万円(前年同期は42百万円の支出)等によるものです。「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、211百万円の支出(前年同期は1,252百万円の支出)となりました。主なプラス要因は、短期借入金の純増額1,429百万円(前年同期は2,024百万円の純増額)等となり、主なマイナス要因は、長期借入金の返済による支出786百万円(前年同期は2,434百万円の支出)、ファイナンス・リース債務の返済による支出735百万円(前年同期は617百万円の支出)等によるものです。 ③ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績 当社グループは、製造アウトソーシング事業を主な事業として営んでいます。HS事業につきましては、その大部分が、請負業務・派遣業務であり、重要性が乏しいため、記載を省略しています。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)前年同期比(%)EMS事業 (千円)30,383,36996.53PS事業 (千円)14,125,23294.00合計(千円)44,508,60295.71 (注)1.金額は、製造原価によっています。2.当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比は変更後の区分により作成した数値に基づき算出しています。 b. 受注実績 当社グループは、受注から生産までの期間が短く受注管理を行う必要性が乏しく、受注実績と販売実績の差異が僅少のため、受注実績の記載を省略しています。 c. 販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりとなります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)前年同期比(%)HS事業 (千円)25,285,140109.12EMS事業 (千円)33,158,81596.76PS事業 (千円)17,216,67194.26合計(千円)75,660,62899.94 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。 2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しています。3.当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比は変更後の区分により作成した数値に基づき算出しています。(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。 ■資産・負債及び純資産1)資産当連結会計年度末の資産合計は38,373百万円となり、前連結会計年度末に比べ、2,145百万円増加いたしました。流動資産合計は27,958百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,895百万円増加いたしました。これは主に、その他流動資産が572百万円減少したものの、現金及び預金が2,199百万円、原材料及び貯蔵品が333百万円増加したことによるものです。固定資産合計は10,415百万円となり、前連結会計年度末に比べ250百万円増加いたしました。これは主に有形固定資産が337百万円増加したことによるものです。2)負債及び純資産当連結会計年度末の負債合計は33,260百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,597百万円増加いたしました。流動負債合計は30,064百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,973百万円増加いたしました。これは主に未払法人税等が258百万円減少したものの、短期借入金が1,521百万円、支払手形及び買掛金が756百万円増加したことによるものです。固定負債合計は3,196百万円となり、前連結会計年度末に比べ375百万円減少いたしました。これは主にその他固定負債が129百万円、リース債務が67百万円増加したものの、長期借入金が616百万円減少したことによるものです。純資産合計は5,112百万円となり、前連結会計年度末に比べ547百万円増加いたしました。これは主に為替換算調整勘定が445百万円、利益剰余金が39百万円増加したことによるものです。以上の結果、自己資本比率は、0.6ポイント上昇し13.1%となりました。持続的成長をめざす中、その基盤となる財務体質の改善は重要課題と認識しており、中期経営計画においてキャッシュマネジメントを強化、有利子負債の削減を計画しております。具体的には、外部コストや間接費の削減、不採算事業からの撤退等を通じてコスト構造の見直しを進めるとともに、営業キャッシュ・フローの改善及び資本効率を意識した投資判断の徹底により、安定的な財務基盤の構築を図ってまいります。また、D/Eレシオ及び自己資本比率を主要な財務管理指標として、財務レバレッジの適正化及び自己資本の充実を進めてまいります。 (単位:百万円)前連結会計年度末当連結会計年度末増減流動資産26,06327,9581,895固定資産10,16510,415250 有形固定資産8,3548,692337 無形固定資産551496△54 投資その他の資産1,2591,226△32資産合計36,22838,3732,145負債合計31,66333,2601,597 流動負債28,09130,0641,973 固定負債3,5713,196△375純資産合計4,5655,112547負債・純資産合計36,22838,3732,145 ■セグメント別の経営成績 (単位:百万円)前連結会計年度当連結会計年度増減率HS事業売上高23,17225,2859.1%セグメント利益73496030.8%EMS事業売上高34,27033,158△3.2%セグメント利益737389△47.2%PS事業売上高18,26417,216△5.7%セグメント利益1,1831,1880.4%調整額セグメント利益△884△842-合計売上高75,70775,660△0.1%セグメント利益1,7711,695△4.3% ■設備投資及び減価償却費当連結会計年度における設備投資については、グローバル市場における成長機会の創出及び事業基盤の強化を目的として、EMS事業及びPS事業を中心に、生産性向上及び品質向上に資する投資を実施いたしました。主な内容として、EMS事業においては、メキシコ拠点における不動産賃貸借契約に係るリース資産への投資に加え、マレーシア拠点において基板実装関連設備等への投資を実施いたしました。また、PS事業においては、中国拠点における不動産賃貸借契約に係るリース資産、基板実装設備及び品質検査関連設備への投資に加え、日本拠点における建屋内装・設備工事、香港拠点において電子部品製造・検査関連設備等への投資を実施し、生産体制の強化を推進いたしました。これらの結果、当連結会計年度の設備投資額は、前年同期比34.1%増の1,629百万円、当連結会計年度の減価償却費は前年同期比1.3%減の1,495百万円となりました。翌連結会計年度以降の設備投資(新規・拡充)については、営業キャッシュ・フローの改善及び資本効率を重視し、生産体制強化、設備更新及び社内インフラ整備等を計画しております。また、当社グループでは、投資判断及び撤退判断の規律強化を目的として投資委員会を設置し、その運営を通じて投資判断の適正化を図っております。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当連結会計年度においては、営業活動によるキャッシュ・フローが投資活動及び財務活動による支出を上回ったこと等により、現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度末に比べ2,172百万円増加し、5,952百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。 当社グループは、財務基盤の強化を重要な経営課題と位置付けております。営業活動によるキャッシュ・フローの増加を主因として、キャッシュ・フロー対有利子負債比率は前連結会計年度の14.5年から6.6年へ改善し、インタレスト・カバレッジ・レシオは2.6倍から6.7倍へ改善いたしました。 当社グループの主な資金需要は、各事業における運転資金のほか、生産設備の更新・増強及び生産性向上に向けた設備投資であります。これらの資金需要については、営業活動により獲得した資金を基本財源とし、必要に応じて金融機関からの借入等を活用する方針です。 また、中期経営計画においては、キャッシュマネジメントの強化及び有利子負債の削減を重点施策として掲げております。外部コストや間接費の削減、不採算事業からの撤退等を通じた収益基盤の強化に加え、営業キャッシュ・フローの拡大及び資本効率を意識した投資判断の徹底により、安定的な財務基盤の構築を図ってまいります。 加えて、D/Eレシオ及び自己資本比率を主要な財務管理指標として注視し、資本構成の最適化による財務健全性の向上を進めてまいります。 2024年3月期2025年3月期2026年3月期自己資本比率(%)6.912.613.1時価ベースの自己資本比率(%)16.727.920.0キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)4.614.56.6インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)6.52.66.7自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利息の支払額(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。(注)2.株式時価総額については、自己株式を除く発行済株式総数により計算しております。(注)3.キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを利用しております。(注)4.有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を利用しております。 ■資本の財源及び資金の流動性の分析当社グループの資金需要の主なものは運転資金、設備資金及び法人税等の支払です。これに対しては、営業キャッシュ・フローから生み出した内部資金の活用を優先し、内部資金では不足する場合に外部からの借入や資本性の資金調達で対応することを原則としております。 借入を行う場合は、低コスト、長短のバランスの勘案、安定的な資金確保を方針としております。長短のバランスについては、運転資金等の短期資金需要については短期借入金で、設備資金やM&A等の長期資金需要については長期借入金で調達を行うこととしております。 グループにおける資金調達は原則として当社に一元化し、資金効率の向上を図っております。また、グループ会社の運営資金については、事業戦略に基づき必要と判断した額を、取締役会決議を経た上で貸し付けております。当連結会計年度においては、運転資金を中心とした資金調達の結果、外部からの借入金は904百万円の増加(純額)となっております。引き続き、運転資本の効率化を図り借入金を減少させ、これにより自己資本比率等の財務体質改善をめざします。 (単位:百万円)前連結会計年度当連結会計年度 税金等調整前当期純利益1,5871,063 減価償却費1,5141,495 運転資金の増減1,066886 その他△2,797△265 営業キャッシュ・フロー1,3713,180 固定資産の取得・売却△942△831 その他42△56 投資キャッシュ・フロー△899△888フリーキャッシュ・フロー4712,292 借入金の増減90792 配当金支払 他△1,342△1,003 財務キャッシュ・フロー△1,252△211現金及び現金同等物期末残高3,7795,952 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりです。連結財務諸表の作成においては、過去の実績やその時点で合理的と考えられる情報に基づき、会計上の見積りを行っております。重要な資産の評価基準及び評価方法、重要な減価償却資産の減価償却の方法、重要な引当金の計上基準等において、継続性・網羅性・厳格性を重視して処理計上しており、繰延税金資産につきましては、将来の回収可能性を十分に検討したうえで計上しております。特に、有形固定資産及び無形固定資産の減損損失については重要な会計上の見積りが必要となります。当該見積り及び仮定の不確実性の内容やその変動により経営成績等に生じる影響等は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

事業リスク

  • 顧客の生産変動リスク
    主要取引先である半導体・電子部品や自動車関連分野は、世界経済や米中貿易摩擦、ウクライナ情勢などの影響を受けやすく、生産水準が大きく変動する可能性があります。顧客の大規模な減産や生産拠点の変更があった場合、当社グループの売上減少や稼働率低下に繋がり、業績に悪影響を及ぼす恐れがあります。
  • 為替変動リスク
    当社グループは北中米、中国、ASEAN諸国に海外子会社を持ち、現地通貨建ての財務諸表を円換算して連結財務諸表を作成しています。急激な為替レートの変動は、円換算後の売上や利益に影響を与え、当社グループの財政状態や経営成績を悪化させる可能性があります。為替ヘッジを行っていますが、完全にリスクを排除することは困難です。
  • 法的規制・労働者派遣法改正リスク
    HS事業は労働者派遣法などの規制を受けており、法改正のたびに運用上の変更やコスト増加が生じる可能性があります。また、法規制を遵守できなかった場合、事業停止や顧客減少に繋がる恐れがあります。海外子会社も各国の法令規制の対象となり、予期せぬ法改正や規制強化が事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|6,883 文字
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月26日)現在において当社グループが判断したものです。 (1)方針当社グループは、独自のビジネスモデルである「人材ビジネスとモノづくりの融合」を基に、持続的成長を実現すべく、各種施策を進めています。当社グループにおける3つの事業セグメントそれぞれに特有のリスク事象はありますが、人材とモノづくりは有機的に連動するものと捉え、全社的な視点でリスクマネジメントを統括・推進することを目的に、あらゆるリスク情報を当社経営層に集約し、的確な初動対応及び施策の実施を行うことにより、リスクの顕在化及び影響拡大の防止に努めております。 (2)事業展開上のリスク① 顧客の生産変動に係るリスク当社グループの事業は、顧客に対し請負・受託機能を提供しており、増産、減産といった生産変動にあわせてソリューションサービスを提供することで、顧客のコスト構造における固定費の変動費化を支援する役割を担っています。当社グループの現在の主要取引業種である半導体・電子部品等のエレクトロニクス分野や自動車関連分野のいずれにおいても、生産水準が世界経済の動向に大きく左右されることが想定され、かつ、依然として続く米中貿易摩擦やウクライナ情勢の影響のほか、経済安全保障上の観点による生産地域及び品目の変更等が行われることも想定されます。当社グループは、各業種、各国・地域における取引先の生産変動、拠点変更の動向を注視し、また、各事業セグメントから得られる情報を活用し、グループ全体で機動的かつ柔軟に生産変動に対応できるよう事業体制を整えてまいります。しかしながら、顧客の大規模かつ急激な生産変動、生産地域及び品目の変更等が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ② 顧客の経営破綻・操業停止等に係るリスク当社グループは、顧客の与信管理には万全を期しておりますが、仮に顧客が倒産し、多額の売上債権が回収不能となった場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、上述のとおり、当社グループの事業は、顧客の操業状態に大きく影響を受けます。人材リソースの有効な配置による余剰人員コストの発生の低減、適正在庫管理による受託製造品目の滞留在庫化の防止を図ってまいりますが、何らかの理由により顧客の操業が停止した場合や生産規模の大幅な縮小があった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 為替変動に係るリスク当社グループは、北中米、中国、ASEAN諸国に海外連結子会社を有しており、連結財務諸表を作成するにあたっては、現地通貨建て財務諸表を円換算しているため、円換算後の数値は為替レートの影響を受けます。また、当社グループにおける外貨建取引は、仕入、製造、販売といった一連の製造プロセス全体に関わるものであり、当社グループでは、グループ内において外国通貨の融通を行う、顧客・取引先との間では同一通貨での取引を実施する等の対応を行っております。これに加え、為替変動リスクの構成要素である、グループ各社の為替持ち高(エクスポージャー)の圧縮を進める等、為替変動のリスクを最小限に抑えるヘッジ手段を講じておりますが、急激な為替変動が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 原材料・部材の調達・価格の変動に係るリスク当社グループは、国内外において原材料、部材の調達を行っており、これらは市況によって流通量や価格が急激に変動する可能性があるほか、流通量が産出・生産国における資源政策その他の事情の影響を受ける可能性があります。原材料及び部材価格の高騰に対しては、販売価格に反映させる取り組みを行っておりますが、原材料及び部材価格の上昇と販売価格改定との間にタイムラグがあり、また、原材料及び部材価格の上昇分を全て販売価格に反映できる保証はないことから、原材料及び部材価格の高騰が当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、顧客において原材料・部材の入手が困難となり生産調整が行われる場合、当社グループの事業においても稼働率低下、売上減少を招くこととなり、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 減損損失等に係るリスク当社グループは、北中米、中国、ASEAN諸国に海外連結子会社を有しており、これら子会社は事業の維持・成長または新たな事業機会の獲得のために、継続的な設備投資を行っているほか、他社の事業買収等も必要に応じて実施しております。当社グループは過去において行った設備投資や他社の事業買収に伴い多額の固定資産を保有し、また、将来においても設備投資を行う可能性があります。設備投資や事業買収等にあたっては、その効果を早期に実現するよう、慎重に判断したうえで実行しておりますが、外部環境の変化等により回収が見込めなくなった場合には、減損損失として計上する可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、当社は持株会社として、当社グループ各社の株式を直接的または間接的に保有しておりますが、当社グループ各社の株式の実質価額が著しく下落した場合には、その程度によっては、評価損を計上する可能性があり、当社の財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 環境・人権に係るリスク当社グループの事業は、顧客に対し請負・受託機能を提供しており、顧客の環境方針、人権方針、サプライチェーンに関する行動指針に準拠した対応を求められることがあります。当社グループではこれらの方針に適切に対応するよう努めておりますが、国・地域や業種により対応には差がみられ、万一当社グループにおける対応が、顧客のこれらの方針に準拠していないと判断された場合、一定期間の取引停止に加え、顧客の減少を招く可能性があります。また、これらの方針への準拠対応のため運用上の大きな変更が強いられることとなった場合には、当社グループの運営コストを押し上げる要因となり、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 資金調達に係るリスク当社グループは、グループ内資金を一元管理し資金の効率化を図るため、国内の銀行借入窓口を原則として当社に一本化し、安定的な資金調達を行っております。金利の影響も考慮し、資金需要に応じて長期・短期の借り換え、借入通貨の変更等も行いバランスをとりつつ借入を行っておりますが、市場金利が大幅に変動した場合や、当社に対する金融機関からの信用が低下した場合には、調達コストが上昇し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの事業基盤と収益力の拡充による中長期的な企業価値の向上のため、設備投資やM&Aのための資金需要は引き続き存在しており、今後、借入金等が大幅に増加した場合、金利負担の増加により当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 法的規制等への対応に係るリスク当社グループは、HS事業において製造派遣事業を行っており、当該事業は、労働者派遣法及びその他関係法令に基づく規制を受けます。労働者派遣法は繰り返し改正され、近年の改正においては労働者の権利保護を目的とした規制、施策の強化が図られています。当社グループは、法改正に関する情報を早期に確認し、適切に対応するよう努めておりますが、万一法規制の遵守ができなかった場合、一定期間の稼働停止に加え、顧客の減少も招く可能性があります。また、法改正により運用上の大きな変更が強いられることとなった場合には、当社グループの運営コストを押し上げる要因となり、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、北中米、中国、ASEAN諸国に海外連結子会社を有しており、当該国における事業活動は、当該国の法令の規制対象となります。現地における法令等を含む諸制度が日本国内におけるものと異なることにより、日本国内における事業展開では発生することのない費用の発生や損失計上を伴うリスクがあります。海外における事業展開に伴う法令等については、事前に十分な調査・検証を行い対応しておりますが、これらの法令の制定改廃は、当社グループの事業活動への制限や事業機会の損失につながる要因となり、さらに、万一法規制を遵守できなかった場合には罰金等を科されることも想定され、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 海外への事業展開に係るリスク当社グループは、コスト削減や顧客の海外進出に対応するため、北中米、中国、ASEAN諸国での事業展開を積極的に行っております。当社グループが海外に事業を展開する場合、製造設備等への多額の初期投資を必要とするとともに、稼働開始まで時間を要する場合が多くなっております。また、海外への事業展開では、①法律や税制上の諸規制の変更、②未整備な社会制度・社会基盤、③その他の経済的、社会的、政治的な事情等に起因する事業活動に対する支障が顕在化するリスクが内在し、これらの問題が発生した場合、海外における事業活動に支障を来し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ⑩ 品質クレームに係るリスク当社グループは、顧客が求める品質の確保に努めておりますが、当社グループが供給した製品に品質不良があった場合、多額の損害賠償責任を負う可能性や、多大な対策費用(製品の補修、交換、回収等に係る費用)を負担する可能性があります。また、当該問題の発生により、当社グループのイメージ・評判の低下や受注の減少を招き、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ 競争優位性及び新技術・新製品の開発・事業化に係るリスク当社グループが展開する各事業においては、同種の製品・サービスを供給する競合会社が存在しております。また、一部の製品については市場の成熟化が進み、市場が縮小する可能性もあり、厳しい競争にさらされています。当社グループでは、競争優位性を維持できるよう、顧客ニーズの把握、新技術及び新製品の開発・事業化に努めておりますが、技術や顧客ニーズの変化に適切に対応できなかった場合や新技術及び新製品の開発・事業化に要する期間が長期化した場合には、当社グループの成長性や収益性が低下し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ⑫ 環境規制等に係るリスク当社グループの顧客・取引先は、事業展開に当たり環境その他の分野について広範囲にわたる規制を受けており、これらの規制はより厳しくなる方向にあります。この影響を受け、当社グループが製品を製造する際に使用する材料・部品についても規制への対応が必要となり、追加的な費用が発生する可能性があります。また、当社グループの事業には、自社工場における製品製造を含んでおり、当該事業においては、当社グループがさまざまな環境関連法令、労働安全衛生関連法令の適用を受け、自ら対応する責任を負っております。関係法令の規制が厳しくなり、これに対応する義務が追加された場合には、当該対応に係る追加的な費用が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ⑬ 人材の育成・確保に係るリスク当社グループは、請負・受託の拡大を進めており、その実現には、一定水準以上の技能を有する人員の確保及び育成を一層推し進めていく必要があります。当社グループでは、人材の確保及び育成のための施策を着実に実施してまいりますが、当該施策が想定した効果を十分に発揮せず、人材の確保及び育成が計画通りに進まない場合には、受注機会の損失や採用コストの増加等により、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。なお、HS事業における製造派遣及び製造請負を担う人材については、多様化が進み、日本国内で就業する海外人材の割合が増加しております。当該人材の送り出しを行う国・地域での情勢不安等により、出国準備の遅れが生じる場合には、待機費用や配属の遅れによる事業機会の損失等を招き、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ⑭ 大規模な自然災害・事故等に係るリスク当社グループは、グローバル市場において事業展開を行っておりますが、HS事業における製造派遣及び製造請負、EMS事業における製造受託、PS事業における製造のいずれも、生産機能を有する拠点での就業を前提としております。そのため、当該拠点の建物・設備等の損壊又は生産機能の停止・低下、当該拠点で就業する人員の生活基盤となる住居の損壊等をもたらすような大規模な自然災害、火災・爆発事故、戦争、テロ行為等が発生した場合には、当社グループの拠点の人員、設備等に大きな損害が生じ、生産活動の停止や就業継続が困難となる可能性があります。また、感染症の蔓延等による外出制限の長期化によっても同様の支障が生じるほか、人の移動制限や工場の稼働停止等により、顧客における新規製品の開発や生産計画に影響が及び、これに伴い当社グループの事業計画も遅延を余儀なくされるおそれがあります。その結果、操業中断、生産・出荷の遅延による収益悪化、損害を被った設備等の修復費用の発生、事業計画の遅れに伴う投資計画の見直し等により、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ⑮ 情報セキュリティに係るリスク当社グループは、製造派遣及び製造請負を担う人員の個人情報ならびに当社グループ及び顧客の技術、研究開発、製造、販売及び営業活動に関する機密情報をさまざまな形態で保持及び管理しております。当社グループにおいては、これらの機密情報を保護するため、入社時に機密保持の誓約書の提出を受けるとともに、取引先から求められる機密保持のための情報管理レベルを満たす運用を行い、情報管理の徹底に努めております。しかしながら、想定外の事態が発生した場合には、これらの情報管理体制が有効に機能しない可能性があります。万一、これらの情報が漏洩し、または権限のない者に開示された場合、当社グループが損害賠償を請求され、または訴訟を提起される可能性があります。また、情報漏洩があった場合には、その事実自体が当社グループの信用・評判の低下や受注の減少を招くことにもつながり、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ⑯ 社会的な信用に係るリスク企業が社会的な存在である以上、その企業活動は常に公の活動であり、その活動は広く社会に評価されることとなります。しかしながら、コーポレート・ガバナンスに関する基本方針に背く行為、コンプライアンスの軽視や社会的倫理に反する行為等により、企業の社会的な信用等を失墜させた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、2025年12月19日付で公表したとおり、当社子会社における製品不具合に係る損失の会計処理が行われていなかった事案に関し、特別調査委員会を設置し、調査を実施いたしました。当該調査結果は2026年3月16日付で公表しております。当社グループは、特別調査委員会より受領した調査結果を真摯に受け止め、再発防止策の提言に沿って、会計処理に関する恣意的な対応の防止を目的として、会計不正に関するコンプライアンス研修をグループ役職員に対して実施いたしました。また、取締役会への情報伝達の適正化を図るため、主要子会社の役員体制の見直しを実施し、さらに、内部通報制度の実効性向上を目的として、グループ横断での内部通報窓口及び外部通報窓口の設置ならびに継続的な運用を行っております。しかしながら、再発防止策を実施してもコーポレート・ガバナンス上のリスクを完全には回避できない可能性があり、不測の事態が発生するおそれがあります。万一、当社グループが適切に対応できなかった場合、訴訟や損害賠償等による費用等が発生するほか、当社グループの信用・評判の低下、金融機関との関係悪化、受注の減少等を招き、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

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