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エス・エム・エス(2175)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

サービス業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • 高齢社会の情報インフラ: エス・エム・エスは、高齢社会に特化した情報インフラを構築し、人々の生活の質向上と社会貢献を目指しています。医療、介護/障害福祉、ヘルスケア、シニアライフといった領域で、従事者・事業者・エンドユーザーをつなぐプラットフォームを提供し、多岐にわたるサービスを展開しています。
  • キャリア関連事業: 主に医療・介護/障害福祉従事者向けのキャリア支援サービスで収益を上げています。具体的には、介護職や看護師、保育士などの人材紹介、資格取得スクール、ダイレクトリクルーティングなどが含まれ、人手不足が深刻なこれらの分野で重要な役割を担っています。
  • 経営支援と新規事業: 介護/障害福祉事業者向けの経営支援プラットフォームを提供し、事業者の効率的な運営をサポートしています。また、健康保険組合向け遠隔保健指導や企業向けリモート産業保健サービス、リフォーム・葬儀紹介サービスなど、高齢社会の多様なニーズに応える新規事業開発にも積極的に取り組んでいます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • キャリア分野(国内): 介護職、看護師、保育士などの医療・介護/障害福祉従事者向けに、人材紹介、資格取得スクール、ダイレクトリクルーティングなどのサービスを提供しています。人手不足が続くこれらの分野で、従事者のキャリア形成と事業者の採用ニーズをマッチングさせ、主要な収益源となっています。
  • 介護・障害福祉事業者分野(国内): 介護/障害福祉事業者向けに経営支援プラットフォームを提供しています。事業所の運営効率化や経営課題の解決をサポートすることで、介護・障害福祉サービスの質の向上に貢献し、安定的な収益基盤を築いています。
  • 海外分野(APAC中心): APAC地域を中心に、メディカルプラットフォーム事業やグローバルキャリア事業を展開しています。人口増加と経済発展が著しいアジア諸国で医療・ヘルスケア分野のニーズが急拡大しており、これらの市場で事業機会を捉え、国際的な成長を目指しています。
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FY2026|787 文字
3【事業の内容】 当社グループでは、「高齢社会に適した情報インフラを構築することで人々の生活の質を向上し、社会に貢献し続ける」ことをグループミッションに掲げています。「医療」「介護/障害福祉」(注)「ヘルスケア」「シニアライフ」を高齢社会における事業領域とし、価値提供先である従事者・事業者・エンドユーザをつなぐプラットフォームを情報インフラと定義して、様々なサービスを提供しています。国内においては、医療・介護/障害福祉従事者向けのキャリア関連事業を行うキャリア分野、介護/障害福祉事業者向け経営支援プラットフォームを提供する介護・障害福祉事業者分野、ヘルスケア・シニアライフを中心とした事業開発分野に区分して事業を行っており、これらに海外を加えた4分野を事業部門としています。(注)当社は、日本が批准している「障害者権利条約」の考えに基づき、「障害」は個人ではなく社会の側にあるとする「社会モデル」の考え方に立脚しております。表記に際しては、受け取り手の心情に配慮し場合によって「障害」「障がい」を使い分ける方針であるものの、社会の側にある障害は排していくべきものとの考えから、本資料内においては基本的に「障害」と表記しています。 各事業部門における主なサービスの内容は下表のとおりです。事業部門主な事業内容キャリア分野介護職向け人材紹介・資格取得スクール、看護師向け人材紹介、保育士向け人材紹介、職種横断ダイレクトリクルーティングプラットフォーム等介護・障害福祉事業者分野介護/障害福祉事業者向け経営支援プラットフォーム等海外分野メディカルプラットフォーム事業、グローバルキャリア事業等事業開発分野健康保険組合向け遠隔保健指導サービス、企業向けリモート産業保健サービス、リフォーム事業者情報提供サービス、葬儀社紹介サービス等 以上に述べた事業の系統図は次のとおりです。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
職種別人材紹介と職種横断ダイレクトリクルーティングプラットフォームを併せ持ち、事業ノウハウを活用することで競争優位を確立しているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ネットワーク
充実した顧客基盤をサービス横断で活用することにより、競合他社に対して十分な競争優位を実現。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:市場環境の変化への対応 / 競合激化による収益性低下 / カントリーリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 3 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

現時点では、エス・エム・エスが保有する特許、ブランド、規制ライセンス、独占的IPなどの無形資産に関する具体的な情報は確認できませんでした。事業内容から直接的な無形資産の強みは推測しにくい状況です。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

医療・介護分野のプラットフォーム運営は、一度利用者が定着すると、情報やノウハウの蓄積により乗り換えコストが発生する可能性があります。しかし、競合プラットフォームの存在や、サービス内容の標準化により、スイッチング・コストは限定的と考えられます。

ネットワーク効果★☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

医療・介護従事者と求職者、あるいは医療機関と患者をつなぐプラットフォームは、参加者が増えるほど価値が増すネットワーク効果の可能性があります。しかし、現時点ではその効果が顕著であるという証拠は乏しいです。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

エス・エム・エスは、特定のコスト優位性を示すような情報(例:規模の経済による圧倒的な低コスト構造、独自の生産技術など)は現時点では確認できません。サービス業であり、オペレーションコストの優位性は限定的と考えられます。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

医療・介護分野のプラットフォーム運営において、一定の規模は確保していると考えられますが、業界全体から見て最適化された少数寡占状態を形成しているとまでは言えません。市場シェアや規模の経済による優位性はまだ発展途上です。

  • 高齢社会特化の専門性: 医療、介護/障害福祉、ヘルスケア、シニアライフといった高齢社会の事業領域に特化し、深い知見とノウハウを蓄積しています。これにより、従事者・事業者・エンドユーザーの複雑なニーズを的確に捉え、専門性の高いサービスを提供できる点が強みです。
  • 多角的なプラットフォーム展開: キャリア支援、経営支援、ヘルスケア、シニアライフといった複数の事業分野でプラットフォームを展開しており、各サービスが連携することで顧客基盤を強化しています。これにより、競合他社に対して包括的なサービス提供が可能となり、顧客の囲い込みにも繋がっています。
  • 海外展開と成長市場への注力: 人口増加と経済発展が著しいAPAC地域を中心に海外事業を展開し、メディカルプラットフォームやグローバルキャリア事業を提供しています。これにより、国内市場の成熟リスクを分散し、成長性の高い海外市場での事業機会を獲得している点が競争優位性となっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

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経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針、経営環境及び経営戦略等 当社グループは、「高齢社会に適した情報インフラを構築することで人々の生活の質を向上し、社会に貢献し続ける」ことをグループミッションに掲げています。「医療」「介護/障害福祉」(注1)「ヘルスケア」「シニアライフ」を高齢社会における事業領域とし、価値提供先である従事者・事業者・エンドユーザをつなぐプラットフォームを情報インフラと定義しています。高齢社会を取り巻く人々を情報を介してサポートする情報インフラの構築を通じ、高齢社会で生じる様々な課題を解決し、生活の質の向上に貢献していきます。 未曽有の少子高齢化・人口減少時代が到来 日本では、急速な少子高齢化と人口減少が同時に進行する、かつて誰も経験したことのない時代が到来しています。65歳以上の高齢者人口は2025年10月時点で約3,622万人となり(注2)、既に29%に達している高齢化率は、高齢者人口が3,900万人を超えピークに近づく2040年には約35%となる見通しです。一方、経済活動の中核を担う15~64歳の生産年齢人口は減少に歯止めがかからず、その人口構成比は2000年の68%から、2040年には55%近くにまで低下すると予測されています(注3)。 高齢社会が直面する「3つの課題」 このような人口動態の変化を背景として、経済動向や国家政策、人々の価値観といった社会のありようは大きく変容し、これまでにない新たな課題も生じています。当社グループは、高齢社会において解決すべき重要な社会課題を下記の3つと捉えています。 課題1:質の高い医療・介護/障害福祉サービスの提供が困難に 高齢化に伴い医療や介護/障害福祉の需要が増大する一方で、生産年齢人口の減少により、これらのサービスを支える従事者の不足が深刻な課題となっています。国の推計によると、2040年には、2018年と比較して32万人の看護師が追加で必要となり、介護職は2022年と比較して57万人が追加で必要となる見込みであり(注4)、高齢者や患者のケアを担う従事者の不足により、質の高い医療・介護/障害福祉サービスの提供が難しくなると予想されます。 課題2:現役世代の負担がより深刻に 高齢者人口の増加を受け、年金・医療・介護等を支える社会保障費は、2040年には2018年と比較して約1.6倍の190兆円近い規模に増大すると見込まれています(注5)。一方、生産年齢人口の減少により、医療・介護/障害福祉のみならず、日本のあらゆる産業で労働力が不足していきます。そして、1人の高齢者を支える現役世代の人数は2018年の2.1人から2040年には1.6人にまで減少し、現役世代にかかる負担はますます重くなる見通しです(注6)。 課題3:高齢社会の生活にまつわる困りごとの解決が困難に 高齢化の進行により、社会で必要とされるサービスも変化しています。高齢社会では、介護や終活といった新たなニーズが生まれ、その需要は拡大していきます。しかし、こうした高齢社会の生活にまつわる情報は質・量ともに不足しており、また整理された形で提供されていないという問題があります。さらに、今後多くの産業で労働力が不足することで、高齢社会で求められるサービスの供給自体が不十分となることも懸念されます。このため、高齢者やその家族にとって、生活における様々な困りごとの解決が難しくなることが想定されます。 高齢社会の課題と解決の方向性 当社グループは、高齢社会が直面する3つの課題を情報インフラの構築を通じて解決していくため、それぞれの社会課題に対して具体的な解決の方向性を定めています。 まず、質の高い医療・介護/障害福祉サービスの提供が困難になるという課題(課題1)に対しては、圧倒的な人材の需給ギャップを解消するとともに、これらのサービス提供を担う事業者の業務効率向上や経営課題を解決することが重要であることから、「医療・介護/障害福祉の人手不足と偏在の解消」と「医療・介護/障害福祉事業者の経営改善」が解決の方向性になると考えています。 また、社会保障費の増大と生産年齢人口の減少により現役世代の負担がより深刻になるという課題(課題2)に対しては、より多くの人が生産性高く、健康に長く働けるようにすることが、「健康な労働力人口の増加」を通じて、課題の解決につながると考えています。 そして、高齢社会の生活にまつわる困りごとを解決するのが困難になるという課題(課題3)に対しては、高齢社会に関わる様々な情報を分かりやすく整理し、「多様な選択肢と質の高い意思決定情報を提供すること」が、解決につながると考えています。 各事業分野での取組 当社グループでは、上記の課題と解決の方向性を踏まえ、各事業分野で社会課題解決に向けた取組を行い、グループミッションの実現と、持続的な成長を通じた長期的な企業価値の向上を目指しています。 <キャリア分野> キャリア分野においては、「質の高い医療・介護/障害福祉サービスの提供が困難になる」という社会課題(課題1)に対し、医療・介護/障害福祉従事者と事業者の最適なマッチングを通じ、「医療・介護/障害福祉の人手不足と偏在の解消」に貢献することで解決を目指しています。 医療領域においては、今後、従事者の需要の拡大と同時に、必要とされる医療機能が急性期から慢性期、在宅といった分野にシフトしていくと予想されます。求められる医療が変化する中、医療従事者の需給ギャップはますます拡大しており、また、医療機能間や地域間の偏在も大きな課題となっています。医療キャリアでは、医療従事者に対し、従事者の職業人生の全期間を通じて、就職・転職・復職の支援、スキル・キャリアアップ情報の提供など、「キャリアを一歩前に進める」ための支援をしています。事業者に対しては、人材の採用や労働環境の改善などの人材関連課題の解決を支援するとともに、そこでの働き方やキャリアの魅力を従事者に的確に伝えていくことで、社会から求められるより良い事業者への就業を支援することが可能になります。従事者が理想のキャリアを歩むことを支援しながら、必要とされる医療機能・地域の事業者への最適なマッチングを促すことで、医療従事者の不足と偏在の解消に貢献していきます。 介護/障害福祉領域においては、高齢者の増加に伴い、日常生活において介助を必要とする要介護者の増大が見込まれており、長期間にわたって圧倒的な従事者不足が続くことが確実です。国の推計によると、2040年には2022年と比較して57万人の介護職が追加で必要となります(注4)。介護キャリアでは、介護/障害福祉従事者の圧倒的な不足を解消するため、介護/障害福祉業界への新規就業者を増やすと同時に、定着を促し業界外への離脱を減らしていく取組を行っています。資格取得スクールを通じて未経験者の資格取得を支援し、未経験者でも働きやすく育成環境の整った事業者への就業をサポートすることで、業界外からの新規就業を促進しています。就業後は、従事者の不安や職場での悩みを解消する定着支援サービスを通じ、早期離職の防止に貢献しています。また、従事者がスキルや経験を活かしてやりがいを持って働ける最適な介護/障害福祉事業者とのマッチングを行うとともに、採用や労働環境の改善といった事業者の人材関連課題の解決を支援し、従事者にとってもより良い職場環境の実現につなげることで、従事者の定着と業界からの離脱防止にも貢献していきます。 今後も、医療・介護/障害福祉の人手不足と偏在の解消に向け、従事者・事業者への提供価値を最大化し、長期にわたり持続的な成長を実現していきます。 <介護・障害福祉事業者分野> 介護・障害福祉事業者分野においては、「質の高い医療・介護/障害福祉サービスの提供が困難になる」という社会課題(課題1)に対し、サブスクリプション型の経営支援プラットフォーム「カイポケ」の提供を通じ、「介護/障害福祉事業者の経営改善」に貢献することで解決を目指しています。全国には約27万の介護事業所が存在しますが(注7)、その8割以上は運営事業所が2事業所以下の法人であり(注8)、小規模ゆえの経営課題を抱えている事業者も数多く存在しています。書類作成などの間接業務に多くの時間を割かれるうえに、人材採用難による人手不足、購買力の弱さ、資金繰り難といった業務上や経営上の問題があり、本来注力すべき高齢者のケアに十分に集中できないことが事業者共通の悩みの種となっています。また、障害への理解の深まり・診断のハードルの変化等により、障害福祉サービスの利用者数は年々増加傾向にあります。それに応じて、障害福祉サービスを提供する事業所数も継続して増加しているものの、介護事業所と同様の経営課題を抱えています。カイポケでは、介護/障害福祉事業所の運営に不可欠な保険請求の機能に加えて、業務・採用・購買・金融・バックオフィス・M&A等を支援する40以上のサービスをワンストップで提供することにより、介護/障害福祉事業者の経営を総合的に支援し、事業者の経営改善とサービス品質向上に貢献していきます。 今後も、カイポケを提供する介護/障害福祉サービス種別の拡張、サービス利用事業者数の拡大、経営に必要なサービスの開発と利用促進、蓄積された介護/障害福祉経営データの分析・活用により、経営支援プラットフォームとしての提供価値を最大化し、長期にわたり持続的な成長を実現していきます。 <事業開発分野> 事業開発分野(ヘルスケア事業領域)においては、社会保障費の増大と生産年齢人口の減少により「現役世代の負担がより深刻になる」という社会課題(課題2)に対し、企業の健康経営を支援するプラットフォームの提供を通じ、「健康な労働力人口の増加」に貢献することで解決を目指しています。生産年齢人口の減少により、日本では今後、あらゆる産業で労働力が不足すると予想される中、現役世代の中には、糖尿病などの重篤な病や認知症に進行することも多い生活習慣病の患者やその予備軍が多く存在しています。また、過労や職場でのストレスなどに起因したメンタル不調も深刻で、うつ病などの気分障害が原因で医療機関を受診する患者数は近年増加傾向にあります。労働力の減少を食い止め、その生産性を高めていくうえでは、人々が長く健康に働けることが不可欠です。国も生活習慣病予防やメンタルヘルス改善のための対策に力を入れており、中でも企業が従業員とその家族の健康増進に取り組む「健康経営」の普及促進に向けた政策を積極的に推進しています。当社グループでは、医師や看護師、管理栄養士などの医療従事者の力を活用したエビデンスに基づくデジタルヘルスサービス(注9)を企業や健康保険組合等に提供する健康経営支援プラットフォームを構築することで、従業員とその家族の健康増進に貢献していきます。当社グループが有する医療従事者ネットワーク、ICTの知見及び官公庁等との実証事業の実績という強みを活用することで、健康保険組合に対する遠隔での特定保健指導サービスや企業に対する産業保健サービス等の安価で実効性のあるソリューションの提供を実現しています。 今後も、サービス利用企業数・利用者数の拡大、健康経営に必要なサービスの開発、医療従事者の確保・育成によるサービス品質向上、蓄積されたデータの分析・活用により、健康経営支援プラットフォームとしての提供価値を最大化し、加速度的な成長を実現していきます。 事業開発分野(シニアライフ事業領域)においては、「高齢社会の生活にまつわる困りごとの解決が困難になる」という社会課題(課題3)に対し、生活にまつわる悩みやニーズを抱えた人々を、その解決に役立つ相談先やサービスにつなぐ困りごと解決プラットフォームの構築を通じ、「多様な選択肢と質の高い意思決定情報の提供」をすることで解決を目指しています。介護で悩む人向けコミュニティサービスにおいて、他の介護者との交流や専門家からのアドバイスを通じて介護を中心とした多様な困りごとの解決を支援するとともに、住まい・食・終活など特定テーマの困りごとを持つ人々を、解決策を提供する事業者につなぐサービスを提供することで、エンドユーザが抱えるあらゆる困りごとの解決を総合的に支援していきます。 今後も、介護で悩む人向けコミュニティの介護の総合相談窓口としての価値向上、高齢社会特有のテーマの拡張とその中でのサービスの拡充、困りごとの解決策を提供する提携事業者の拡大、提携事業者向け経営支援を通じて、困りごと解決プラットフォームとしての提供価値を最大化し、加速度的な成長を実現していきます。 <海外分野> 海外分野(メディカルプラットフォーム事業領域)においては、APACでは相対的に「医薬品・医療機器等の普及が遅く、医療の質が十分ではない」という社会課題に対し、医療関連事業者等と医療従事者をつなぐAPAC各国に最適化されたメディカルプラットフォームの構築を通じ、「医療の普及と安全性の向上を促進」することで解決を目指しています。当社グループが有するAPAC各国の医療従事者の会員基盤を活かし、全世界の製薬会社をはじめとした医療関連事業者等のマーケティング活動を支援しています。価値のある情報を特定・作成・整理しローカライズしたうえで医療従事者に提供することによって、さらなる会員基盤の拡大・活性化につなげ、医療関連事業者等のより効果的・効率的なマーケティング活動に貢献していきます。 今後も、サービス提供先の業種・業態の拡張、顧客数の拡大、提供する情報の種類・量の拡大と質の向上、医療従事者の会員基盤の拡大・活性化、蓄積された情報の分析・活用により、メディカルプラットフォームとしての提供価値を最大化し、長期にわたり持続的な成長を実現していきます。 海外分野(グローバルキャリア事業領域)においては、経済発展や高齢化に伴い世界的に医療サービスに対するニーズが高まる中で「世界的な医療従事者の不足と偏在」が生じているという社会課題に対し、世界の医療従事者と医療事業者をつなぐ医療従事者供給プラットフォームを構築することで解決を目指しています。各国の医療従事者と医療事業者の需給状況に応じて、クロスボーダー及びドメスティックで最適なマッチングを促進することで、グローバルな医療の質の向上に貢献していきます。 今後も、紹介先医療事業者の展開国と事業者数の拡大、就業を支援する医療従事者側の展開国及び従事者数の拡大、事業者と従事者の最適なマッチングとマッチング量の拡大により、医療従事者供給プラットフォームとしての提供価値を最大化し、長期にわたり持続的な成長を実現していきます。 なお、これらの各事業分野における取組を推進するため、高い技術力や経営視点を持つデジタル人材及び新規事業を開拓する次世代人材をはじめとする多様な人材の確保及び育成を、経営の重要基盤と位置付けています。当社グループの人材戦略に関する基本方針の詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)重要なサステナビリティ項目別の戦略並びに指標及び目標 ② 人的資本」に記載のとおりです。 当社グループは、今後も拡大する市場から生まれる様々な事業機会を捉え、国内外において新たなサービスを数多く生み出すことで社会課題の解決に貢献し、持続的かつ長期的な成長を実現していきます。 (注1)当社は、日本が批准している「障害者権利条約」に基づき、「障害」は個人ではなく社会の側にあるとする「社会モデル」の考 え方に立脚しております。表記に際しては、受け取り手の心情に配慮し場合によって「障害」「障がい」を使い分ける方針であ るものの、社会の側にある障害は排していくべきものとの考えから、本資料内においては基本的に「障害」と表記しています。(注2)総務省「人口推計」(注3)国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」(注4)看護師:厚生労働省「看護師等(看護職員)の確保を巡る状況」 介護職:厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」(注5)内閣官房・内閣府・財務省・厚生労働省「2040年を見据えた社会保障の将来見通し」 金額は年金・医療・介護の合計(注6)総務省「国勢調査」「人口推計」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」(注7)厚生労働省「介護給付費等実態統計(令和7年3月審査分)」をもとに集計(注8)厚生労働省「介護サービス情報公表システム」「サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム」より2025年1月時点の情報を 集計(注9)デジタルヘルス:AI、ICT、IoT、ウェアラブルデバイス、ビッグデータ解析など最新のデジタルヘルス技術を活用し医療や ヘルスケアの効果を向上させること (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、限られた経営資源を効率的に活用し、株主資本コストを超える高いROEを実現しながら、売上高及びEBITDAを継続的に成長させていくことを目指しています。 当連結会計年度における各指標及び2031年3月期の業績目標は以下のとおりです。 2026年3月期実績2031年3月期目標売上高647億円1,220億円以上EBITDA114億円280億円以上ROE△39%(注1)30%以上(注2)(注1)減損損失の影響で親会社株主に帰属する当期純損失を計上したことによりマイナスとなっております。(注2)2031年3月期までの可能な限り早期に達成を目指します。 また、これらの財務目標を達成するための先行指標として、従業員エンゲージメントや多様性に関する人材関連の非財務情報も重要な経営指標として注視しています。詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)重要なサステナビリティ項目別の戦略並びに指標及び目標 ② 人的資本」に記載のとおりです。 (3)事業上及び財務上の対処すべき課題 当社グループは、創業以来、高齢社会の課題解決を事業機会と捉え、持続的な成長を実現してきました。しかしながら、①労働集約型モデルへの依存による成長鈍化、②自前主義への偏重による成長機会の逸失、③短期利益の追求と将来投資の不足、④資本市場とのミスコミュニケーションという4つの経営課題が、近年の株価の低迷の主因であると認識しております。これらの課題を抜本的に解決し、企業価値を最大化するため、2026年4月28日に「企業価値最大化に向けたロードマップ」を策定いたしました。 (参考)企業価値最大化に向けたロードマップhttps://www.bm-sms.co.jp/wp-content/uploads/2026/04/roadmap_to_FY30.pdf これまでの成長を支えてきた労働集約的なモデルから、AIやデータを徹底活用した資本集約型モデルへと進化させるとともに、外部連携や機動的な資源再配分を通じ、模倣不可能な情報インフラを構築することで、社会課題の解決と圧倒的な事業成長を両立していきます。今後10年を「第三創業期」と位置づけ、以下の施策を重点的に推進していきます。 ① 事業ポートフォリオ戦略 成長性(売上成長率)と収益性(事業利益率)を基準とする評価フレームを用い、全社視点で事業ポートフォリオを評価します。全ての事業は新規・既存に関わらず月次の事業進捗会議及び取締役会での定期的な報告・議論の対象とし、年次で継続可否判断を実施いたします。事業の撤退を含む選択と集中を通じて経営資源を成長領域へ機動的に再配分する「共創型ポートフォリオ経営」を実践することで、成長性と収益性を両立した事業構造へと変革を推進していきます。 ② 事業戦略(注)・キャリア事業 労働集約型の人材紹介モデルで培った「マッチング力」をAIでモデル化し、ダイレクトリクルーティングにも組み込むことで、高い採用率を低コストで実現する独自のハイブリッドモデルを確立します。あわせて、介護・障害福祉経営支援事業(SaaS)との連携を通じた採用エコシステムを構築し、医療・介護・障害福祉領域における圧倒的No.1の立場を構造的に確立していきます。 ・介護・障害福祉経営支援事業 在宅介護事業所の62%が接続する介護・障害福祉事業者向け経営支援プラットフォーム「カイポケ」を、AIネイティブな構造を備えた「カイポケコネクト」へと進化させ、地域包括ケアのネットワークハブとしての地位をさらに強固なものとします。また、カイポケで培った制度対応の知見と事業モデルを、成長余地の大きい障害福祉領域へ横展開することで、「かべなしクラウド」のシェア拡大を加速していきます。 ・海外/その他事業 海外事業においては、抜本的な収益構造改善を断行するとともに、他社との提携や外部資本の活用を含めたあらゆる選択肢を検討し、選択と集中を徹底します。その他の事業領域についても、全事業の再評価を通じ、キャリア・カイポケに続く事業の柱となりうる領域への積極的な事業開発を推進していきます。 上記の戦略を確実に実行するうえで、AIやデータ活用を牽引するデジタル人材や、新規事業領域を開拓する次世代人材の確保及び育成が不可欠です。当社グループの人材戦略に関する基本方針の詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)重要なサステナビリティ項目別の戦略並びに指標及び目標 ② 人的資本」に記載のとおりです。 ③ ガバナンス体制の強化と資本市場との対話 新たに「企業価値向上委員会」を設置し、本ロードマップの内容を含む経営課題の検証・検討を行うとともに、遅くとも2027年3月期決算発表(2027年4月末頃)までに中期経営計画を開示する予定です。また、社内取締役の報酬制度を企業価値向上と連動性の高い設計(固定報酬・短期インセンティブ・長期インセンティブの組み合わせ)に変更するなど、経営の意思決定の質向上と透明性の高い情報開示に努めていきます。 (注)当社は、2026年1月1日に新経営体制に移行し、2026年4月28日より経営管理区分を変更したことに伴い、2027年3月期からは報告セグメントを「キャリア」、「介護・障害福祉経営支援」及び「海外」の3区分に変更することとしました。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針、経営環境及び経営戦略等 当社グループは、「高齢社会に適した情報インフラを構築することで人々の生活の質を向上し、社会に貢献し続ける」ことをグループミッションに掲げています。「医療」「介護/障害福祉」(注1)「ヘルスケア」「シニアライフ」を高齢社会における事業領域とし、価値提供先である従事者・事業者・エンドユーザをつなぐプラットフォームを情報インフラと定義しています。高齢社会を取り巻く人々を情報を介してサポートする情報インフラの構築を通じ、高齢社会で生じる様々な課題を解決し、生活の質の向上に貢献していきます。 未曽有の少子高齢化・人口減少時代が到来 日本では、急速な少子高齢化と人口減少が同時に進行する、かつて誰も経験したことのない時代が到来しています。65歳以上の高齢者人口は2025年10月時点で約3,622万人となり(注2)、既に29%に達している高齢化率は、高齢者人口が3,900万人を超えピークに近づく2040年には約35%となる見通しです。一方、経済活動の中核を担う15~64歳の生産年齢人口は減少に歯止めがかからず、その人口構成比は2000年の68%から、2040年には55%近くにまで低下すると予測されています(注3)。 高齢社会が直面する「3つの課題」 このような人口動態の変化を背景として、経済動向や国家政策、人々の価値観といった社会のありようは大きく変容し、これまでにない新たな課題も生じています。当社グループは、高齢社会において解決すべき重要な社会課題を下記の3つと捉えています。 課題1:質の高い医療・介護/障害福祉サービスの提供が困難に 高齢化に伴い医療や介護/障害福祉の需要が増大する一方で、生産年齢人口の減少により、これらのサービスを支える従事者の不足が深刻な課題となっています。国の推計によると、2040年には、2018年と比較して32万人の看護師が追加で必要となり、介護職は2022年と比較して57万人が追加で必要となる見込みであり(注4)、高齢者や患者のケアを担う従事者の不足により、質の高い医療・介護/障害福祉サービスの提供が難しくなると予想されます。 課題2:現役世代の負担がより深刻に 高齢者人口の増加を受け、年金・医療・介護等を支える社会保障費は、2040年には2018年と比較して約1.6倍の190兆円近い規模に増大すると見込まれています(注5)。一方、生産年齢人口の減少により、医療・介護/障害福祉のみならず、日本のあらゆる産業で労働力が不足していきます。そして、1人の高齢者を支える現役世代の人数は2018年の2.1人から2040年には1.6人にまで減少し、現役世代にかかる負担はますます重くなる見通しです(注6)。 課題3:高齢社会の生活にまつわる困りごとの解決が困難に 高齢化の進行により、社会で必要とされるサービスも変化しています。高齢社会では、介護や終活といった新たなニーズが生まれ、その需要は拡大していきます。しかし、こうした高齢社会の生活にまつわる情報は質・量ともに不足しており、また整理された形で提供されていないという問題があります。さらに、今後多くの産業で労働力が不足することで、高齢社会で求められるサービスの供給自体が不十分となることも懸念されます。このため、高齢者やその家族にとって、生活における様々な困りごとの解決が難しくなることが想定されます。 高齢社会の課題と解決の方向性 当社グループは、高齢社会が直面する3つの課題を情報インフラの構築を通じて解決していくため、それぞれの社会課題に対して具体的な解決の方向性を定めています。 まず、質の高い医療・介護/障害福祉サービスの提供が困難になるという課題(課題1)に対しては、圧倒的な人材の需給ギャップを解消するとともに、これらのサービス提供を担う事業者の業務効率向上や経営課題を解決することが重要であることから、「医療・介護/障害福祉の人手不足と偏在の解消」と「医療・介護/障害福祉事業者の経営改善」が解決の方向性になると考えています。 また、社会保障費の増大と生産年齢人口の減少により現役世代の負担がより深刻になるという課題(課題2)に対しては、より多くの人が生産性高く、健康に長く働けるようにすることが、「健康な労働力人口の増加」を通じて、課題の解決につながると考えています。 そして、高齢社会の生活にまつわる困りごとを解決するのが困難になるという課題(課題3)に対しては、高齢社会に関わる様々な情報を分かりやすく整理し、「多様な選択肢と質の高い意思決定情報を提供すること」が、解決につながると考えています。 各事業分野での取組 当社グループでは、上記の課題と解決の方向性を踏まえ、各事業分野で社会課題解決に向けた取組を行い、グループミッションの実現と、持続的な成長を通じた長期的な企業価値の向上を目指しています。 <キャリア分野> キャリア分野においては、「質の高い医療・介護/障害福祉サービスの提供が困難になる」という社会課題(課題1)に対し、医療・介護/障害福祉従事者と事業者の最適なマッチングを通じ、「医療・介護/障害福祉の人手不足と偏在の解消」に貢献することで解決を目指しています。 医療領域においては、今後、従事者の需要の拡大と同時に、必要とされる医療機能が急性期から慢性期、在宅といった分野にシフトしていくと予想されます。求められる医療が変化する中、医療従事者の需給ギャップはますます拡大しており、また、医療機能間や地域間の偏在も大きな課題となっています。医療キャリアでは、医療従事者に対し、従事者の職業人生の全期間を通じて、就職・転職・復職の支援、スキル・キャリアアップ情報の提供など、「キャリアを一歩前に進める」ための支援をしています。事業者に対しては、人材の採用や労働環境の改善などの人材関連課題の解決を支援するとともに、そこでの働き方やキャリアの魅力を従事者に的確に伝えていくことで、社会から求められるより良い事業者への就業を支援することが可能になります。従事者が理想のキャリアを歩むことを支援しながら、必要とされる医療機能・地域の事業者への最適なマッチングを促すことで、医療従事者の不足と偏在の解消に貢献していきます。 介護/障害福祉領域においては、高齢者の増加に伴い、日常生活において介助を必要とする要介護者の増大が見込まれており、長期間にわたって圧倒的な従事者不足が続くことが確実です。国の推計によると、2040年には2022年と比較して57万人の介護職が追加で必要となります(注4)。介護キャリアでは、介護/障害福祉従事者の圧倒的な不足を解消するため、介護/障害福祉業界への新規就業者を増やすと同時に、定着を促し業界外への離脱を減らしていく取組を行っています。資格取得スクールを通じて未経験者の資格取得を支援し、未経験者でも働きやすく育成環境の整った事業者への就業をサポートすることで、業界外からの新規就業を促進しています。就業後は、従事者の不安や職場での悩みを解消する定着支援サービスを通じ、早期離職の防止に貢献しています。また、従事者がスキルや経験を活かしてやりがいを持って働ける最適な介護/障害福祉事業者とのマッチングを行うとともに、採用や労働環境の改善といった事業者の人材関連課題の解決を支援し、従事者にとってもより良い職場環境の実現につなげることで、従事者の定着と業界からの離脱防止にも貢献していきます。 今後も、医療・介護/障害福祉の人手不足と偏在の解消に向け、従事者・事業者への提供価値を最大化し、長期にわたり持続的な成長を実現していきます。 <介護・障害福祉事業者分野> 介護・障害福祉事業者分野においては、「質の高い医療・介護/障害福祉サービスの提供が困難になる」という社会課題(課題1)に対し、サブスクリプション型の経営支援プラットフォーム「カイポケ」の提供を通じ、「介護/障害福祉事業者の経営改善」に貢献することで解決を目指しています。全国には約27万の介護事業所が存在しますが(注7)、その8割以上は運営事業所が2事業所以下の法人であり(注8)、小規模ゆえの経営課題を抱えている事業者も数多く存在しています。書類作成などの間接業務に多くの時間を割かれるうえに、人材採用難による人手不足、購買力の弱さ、資金繰り難といった業務上や経営上の問題があり、本来注力すべき高齢者のケアに十分に集中できないことが事業者共通の悩みの種となっています。また、障害への理解の深まり・診断のハードルの変化等により、障害福祉サービスの利用者数は年々増加傾向にあります。それに応じて、障害福祉サービスを提供する事業所数も継続して増加しているものの、介護事業所と同様の経営課題を抱えています。カイポケでは、介護/障害福祉事業所の運営に不可欠な保険請求の機能に加えて、業務・採用・購買・金融・バックオフィス・M&A等を支援する40以上のサービスをワンストップで提供することにより、介護/障害福祉事業者の経営を総合的に支援し、事業者の経営改善とサービス品質向上に貢献していきます。 今後も、カイポケを提供する介護/障害福祉サービス種別の拡張、サービス利用事業者数の拡大、経営に必要なサービスの開発と利用促進、蓄積された介護/障害福祉経営データの分析・活用により、経営支援プラットフォームとしての提供価値を最大化し、長期にわたり持続的な成長を実現していきます。 <事業開発分野> 事業開発分野(ヘルスケア事業領域)においては、社会保障費の増大と生産年齢人口の減少により「現役世代の負担がより深刻になる」という社会課題(課題2)に対し、企業の健康経営を支援するプラットフォームの提供を通じ、「健康な労働力人口の増加」に貢献することで解決を目指しています。生産年齢人口の減少により、日本では今後、あらゆる産業で労働力が不足すると予想される中、現役世代の中には、糖尿病などの重篤な病や認知症に進行することも多い生活習慣病の患者やその予備軍が多く存在しています。また、過労や職場でのストレスなどに起因したメンタル不調も深刻で、うつ病などの気分障害が原因で医療機関を受診する患者数は近年増加傾向にあります。労働力の減少を食い止め、その生産性を高めていくうえでは、人々が長く健康に働けることが不可欠です。国も生活習慣病予防やメンタルヘルス改善のための対策に力を入れており、中でも企業が従業員とその家族の健康増進に取り組む「健康経営」の普及促進に向けた政策を積極的に推進しています。当社グループでは、医師や看護師、管理栄養士などの医療従事者の力を活用したエビデンスに基づくデジタルヘルスサービス(注9)を企業や健康保険組合等に提供する健康経営支援プラットフォームを構築することで、従業員とその家族の健康増進に貢献していきます。当社グループが有する医療従事者ネットワーク、ICTの知見及び官公庁等との実証事業の実績という強みを活用することで、健康保険組合に対する遠隔での特定保健指導サービスや企業に対する産業保健サービス等の安価で実効性のあるソリューションの提供を実現しています。 今後も、サービス利用企業数・利用者数の拡大、健康経営に必要なサービスの開発、医療従事者の確保・育成によるサービス品質向上、蓄積されたデータの分析・活用により、健康経営支援プラットフォームとしての提供価値を最大化し、加速度的な成長を実現していきます。 事業開発分野(シニアライフ事業領域)においては、「高齢社会の生活にまつわる困りごとの解決が困難になる」という社会課題(課題3)に対し、生活にまつわる悩みやニーズを抱えた人々を、その解決に役立つ相談先やサービスにつなぐ困りごと解決プラットフォームの構築を通じ、「多様な選択肢と質の高い意思決定情報の提供」をすることで解決を目指しています。介護で悩む人向けコミュニティサービスにおいて、他の介護者との交流や専門家からのアドバイスを通じて介護を中心とした多様な困りごとの解決を支援するとともに、住まい・食・終活など特定テーマの困りごとを持つ人々を、解決策を提供する事業者につなぐサービスを提供することで、エンドユーザが抱えるあらゆる困りごとの解決を総合的に支援していきます。 今後も、介護で悩む人向けコミュニティの介護の総合相談窓口としての価値向上、高齢社会特有のテーマの拡張とその中でのサービスの拡充、困りごとの解決策を提供する提携事業者の拡大、提携事業者向け経営支援を通じて、困りごと解決プラットフォームとしての提供価値を最大化し、加速度的な成長を実現していきます。 <海外分野> 海外分野(メディカルプラットフォーム事業領域)においては、APACでは相対的に「医薬品・医療機器等の普及が遅く、医療の質が十分ではない」という社会課題に対し、医療関連事業者等と医療従事者をつなぐAPAC各国に最適化されたメディカルプラットフォームの構築を通じ、「医療の普及と安全性の向上を促進」することで解決を目指しています。当社グループが有するAPAC各国の医療従事者の会員基盤を活かし、全世界の製薬会社をはじめとした医療関連事業者等のマーケティング活動を支援しています。価値のある情報を特定・作成・整理しローカライズしたうえで医療従事者に提供することによって、さらなる会員基盤の拡大・活性化につなげ、医療関連事業者等のより効果的・効率的なマーケティング活動に貢献していきます。 今後も、サービス提供先の業種・業態の拡張、顧客数の拡大、提供する情報の種類・量の拡大と質の向上、医療従事者の会員基盤の拡大・活性化、蓄積された情報の分析・活用により、メディカルプラットフォームとしての提供価値を最大化し、長期にわたり持続的な成長を実現していきます。 海外分野(グローバルキャリア事業領域)においては、経済発展や高齢化に伴い世界的に医療サービスに対するニーズが高まる中で「世界的な医療従事者の不足と偏在」が生じているという社会課題に対し、世界の医療従事者と医療事業者をつなぐ医療従事者供給プラットフォームを構築することで解決を目指しています。各国の医療従事者と医療事業者の需給状況に応じて、クロスボーダー及びドメスティックで最適なマッチングを促進することで、グローバルな医療の質の向上に貢献していきます。 今後も、紹介先医療事業者の展開国と事業者数の拡大、就業を支援する医療従事者側の展開国及び従事者数の拡大、事業者と従事者の最適なマッチングとマッチング量の拡大により、医療従事者供給プラットフォームとしての提供価値を最大化し、長期にわたり持続的な成長を実現していきます。 なお、これらの各事業分野における取組を推進するため、高い技術力や経営視点を持つデジタル人材及び新規事業を開拓する次世代人材をはじめとする多様な人材の確保及び育成を、経営の重要基盤と位置付けています。当社グループの人材戦略に関する基本方針の詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)重要なサステナビリティ項目別の戦略並びに指標及び目標 ② 人的資本」に記載のとおりです。 当社グループは、今後も拡大する市場から生まれる様々な事業機会を捉え、国内外において新たなサービスを数多く生み出すことで社会課題の解決に貢献し、持続的かつ長期的な成長を実現していきます。 (注1)当社は、日本が批准している「障害者権利条約」に基づき、「障害」は個人ではなく社会の側にあるとする「社会モデル」の考 え方に立脚しております。表記に際しては、受け取り手の心情に配慮し場合によって「障害」「障がい」を使い分ける方針であ るものの、社会の側にある障害は排していくべきものとの考えから、本資料内においては基本的に「障害」と表記しています。(注2)総務省「人口推計」(注3)国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」(注4)看護師:厚生労働省「看護師等(看護職員)の確保を巡る状況」 介護職:厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」(注5)内閣官房・内閣府・財務省・厚生労働省「2040年を見据えた社会保障の将来見通し」 金額は年金・医療・介護の合計(注6)総務省「国勢調査」「人口推計」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」(注7)厚生労働省「介護給付費等実態統計(令和7年3月審査分)」をもとに集計(注8)厚生労働省「介護サービス情報公表システム」「サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム」より2025年1月時点の情報を 集計(注9)デジタルヘルス:AI、ICT、IoT、ウェアラブルデバイス、ビッグデータ解析など最新のデジタルヘルス技術を活用し医療や ヘルスケアの効果を向上させること (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、限られた経営資源を効率的に活用し、株主資本コストを超える高いROEを実現しながら、売上高及びEBITDAを継続的に成長させていくことを目指しています。 当連結会計年度における各指標及び2031年3月期の業績目標は以下のとおりです。 2026年3月期実績2031年3月期目標売上高647億円1,220億円以上EBITDA114億円280億円以上ROE△39%(注1)30%以上(注2)(注1)減損損失の影響で親会社株主に帰属する当期純損失を計上したことによりマイナスとなっております。(注2)2031年3月期までの可能な限り早期に達成を目指します。 また、これらの財務目標を達成するための先行指標として、従業員エンゲージメントや多様性に関する人材関連の非財務情報も重要な経営指標として注視しています。詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)重要なサステナビリティ項目別の戦略並びに指標及び目標 ② 人的資本」に記載のとおりです。 (3)事業上及び財務上の対処すべき課題 当社グループは、創業以来、高齢社会の課題解決を事業機会と捉え、持続的な成長を実現してきました。しかしながら、①労働集約型モデルへの依存による成長鈍化、②自前主義への偏重による成長機会の逸失、③短期利益の追求と将来投資の不足、④資本市場とのミスコミュニケーションという4つの経営課題が、近年の株価の低迷の主因であると認識しております。これらの課題を抜本的に解決し、企業価値を最大化するため、2026年4月28日に「企業価値最大化に向けたロードマップ」を策定いたしました。 (参考)企業価値最大化に向けたロードマップhttps://www.bm-sms.co.jp/wp-content/uploads/2026/04/roadmap_to_FY30.pdf これまでの成長を支えてきた労働集約的なモデルから、AIやデータを徹底活用した資本集約型モデルへと進化させるとともに、外部連携や機動的な資源再配分を通じ、模倣不可能な情報インフラを構築することで、社会課題の解決と圧倒的な事業成長を両立していきます。今後10年を「第三創業期」と位置づけ、以下の施策を重点的に推進していきます。 ① 事業ポートフォリオ戦略 成長性(売上成長率)と収益性(事業利益率)を基準とする評価フレームを用い、全社視点で事業ポートフォリオを評価します。全ての事業は新規・既存に関わらず月次の事業進捗会議及び取締役会での定期的な報告・議論の対象とし、年次で継続可否判断を実施いたします。事業の撤退を含む選択と集中を通じて経営資源を成長領域へ機動的に再配分する「共創型ポートフォリオ経営」を実践することで、成長性と収益性を両立した事業構造へと変革を推進していきます。 ② 事業戦略(注)・キャリア事業 労働集約型の人材紹介モデルで培った「マッチング力」をAIでモデル化し、ダイレクトリクルーティングにも組み込むことで、高い採用率を低コストで実現する独自のハイブリッドモデルを確立します。あわせて、介護・障害福祉経営支援事業(SaaS)との連携を通じた採用エコシステムを構築し、医療・介護・障害福祉領域における圧倒的No.1の立場を構造的に確立していきます。 ・介護・障害福祉経営支援事業 在宅介護事業所の62%が接続する介護・障害福祉事業者向け経営支援プラットフォーム「カイポケ」を、AIネイティブな構造を備えた「カイポケコネクト」へと進化させ、地域包括ケアのネットワークハブとしての地位をさらに強固なものとします。また、カイポケで培った制度対応の知見と事業モデルを、成長余地の大きい障害福祉領域へ横展開することで、「かべなしクラウド」のシェア拡大を加速していきます。 ・海外/その他事業 海外事業においては、抜本的な収益構造改善を断行するとともに、他社との提携や外部資本の活用を含めたあらゆる選択肢を検討し、選択と集中を徹底します。その他の事業領域についても、全事業の再評価を通じ、キャリア・カイポケに続く事業の柱となりうる領域への積極的な事業開発を推進していきます。 上記の戦略を確実に実行するうえで、AIやデータ活用を牽引するデジタル人材や、新規事業領域を開拓する次世代人材の確保及び育成が不可欠です。当社グループの人材戦略に関する基本方針の詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)重要なサステナビリティ項目別の戦略並びに指標及び目標 ② 人的資本」に記載のとおりです。 ③ ガバナンス体制の強化と資本市場との対話 新たに「企業価値向上委員会」を設置し、本ロードマップの内容を含む経営課題の検証・検討を行うとともに、遅くとも2027年3月期決算発表(2027年4月末頃)までに中期経営計画を開示する予定です。また、社内取締役の報酬制度を企業価値向上と連動性の高い設計(固定報酬・短期インセンティブ・長期インセンティブの組み合わせ)に変更するなど、経営の意思決定の質向上と透明性の高い情報開示に努めていきます。 (注)当社は、2026年1月1日に新経営体制に移行し、2026年4月28日より経営管理区分を変更したことに伴い、2027年3月期からは報告セグメントを「キャリア」、「介護・障害福祉経営支援」及び「海外」の3区分に変更することとしました。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 (1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 (2)経営成績の状況に関する分析・検討内容 (単位:百万円) 前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)増減額増減率売上高60,95264,7353,7826.2%営業利益6,3356,7874517.1%経常利益8,3578,7213644.4%親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)6,054△14,317△20,372- 当社グループは、「高齢社会に適した情報インフラを構築することで人々の生活の質を向上し、社会に貢献し続ける」ことをグループミッションに掲げています。「医療」「介護/障害福祉」「ヘルスケア」「シニアライフ」を高齢社会における事業領域とし、価値提供先である従事者・事業者・エンドユーザをつなぐプラットフォームを情報インフラと定義しています。高齢社会を取り巻く人々を情報を介してサポートする情報インフラの構築を通じ、高齢社会で生じる様々な課題を解決し、生活の質の向上に貢献していきます。 当連結会計年度における当社グループの経営成績は、以下のとおりです。 売上高は、キャリア関連事業、カイポケ事業の拡大等により、64,735百万円(前期比6.2%増)となりました。 営業利益は、6,787百万円(前期比7.1%増)となりました。 経常利益は、8,721百万円(前期比4.4%増)となりました。 海外事業で無形固定資産の減損損失を計上し、親会社株主に帰属する当期純損失は、14,317百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益6,054百万円)となりました。 当社グループでは、キャリア、介護・障害福祉事業者、海外、事業開発の4分野を事業部門として開示しています。また、キャリア分野は介護キャリア・医療キャリアに細分化し開示しています。 <事業部門別売上高>(単位:百万円)事業部門前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)増減額増減率キャリア分野36,21138,2762,0645.7% 介護キャリア19,32020,4871,1666.0%医療キャリア16,89117,7888975.3%介護・障害福祉事業者分野11,95713,7151,75714.7%海外分野9,3858,851△534△5.7%事業開発分野3,3973,89349514.6%合計60,95264,7353,7826.2% <キャリア分野> キャリア分野においては、事業者の強い採用意欲を背景に、介護キャリア及び医療キャリアともに成長しました。一方で、人材紹介における求職者の入職までのリードタイム長期化、ダイレクトリクルーティングにおける勤続支援金廃止の影響等により、売上高の成長は限定的となりました。 以上の結果、キャリア分野の当連結会計年度の売上高は、38,276百万円(前期比5.7%増)となりました。 <介護・障害福祉事業者分野> 介護・障害福祉事業者分野においては、介護/障害福祉事業者向け経営支援プラットフォーム「カイポケ」が順調に成長しました。会員数の増加に加え、ファクタリングやタブレット・スマートフォン等の有料オプションサービスの利用拡大、M&Aマッチング及び障害福祉人材紹介も成長に寄与しました。 以上の結果、介護・障害福祉事業者分野の当連結会計年度の売上高は、13,715百万円(前期比14.7%増)となりました。 <海外分野> 海外分野におけるメディカルプラットフォーム事業は、一部顧客のマーケティング予算縮小等の影響により、売上高の成長は限定的となりました。 また、グローバルキャリア事業は、中東情勢の悪化を受けて、クロスボーダーでの医療従事者の渡航に影響が出ていること等により、前期比で減収となりました。 以上の結果、海外分野の当連結会計年度の売上高は、8,851百万円(前期比5.7%減)となりました。 <事業開発分野> 事業開発分野においては、ヘルスケア事業領域におけるICTを活用した遠隔での特定保健指導・産業保健等のサービス、シニアライフ事業領域におけるリフォーム事業者情報や葬儀社紹介サービス等を中心に、新規事業の開発・育成が進みました。 以上の結果、事業開発分野の当連結会計年度の売上高は、3,893百万円(前期比14.6%増)となりました。 (3)財政状態の状況に関する分析・検討内容 当連結会計年度末における総資産は、52,774百万円(前連結会計年度末比23,765百万円減)となりました。これは主に、海外事業において無形固定資産の減損損失を計上したことにより、のれんや商標権等が減少したことによるものです。 負債は、26,050百万円(前連結会計年度末比3,171百万円減)となりました。これは主に、海外事業において無形固定資産の減損損失を計上したことにより、当該資産に関連する繰延税金負債を取り崩したことによるものです。 純資産は、26,724百万円(前連結会計年度末比20,594百万円減)となりました。これは主に、自己株式の取得により株主資本が減少したこと、海外事業における無形固定資産の減損損失の計上により利益剰余金が減少したことによるものです。 (4)キャッシュ・フローの状況に関する分析・検討内容 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、12,547百万円(前連結会計年度末比2,705百万円減)となりました。各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は以下のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、8,799百万円の収入(前期は5,806百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失が14,433百万円となったこと、非資金項目として「カイポケ」のソフトウエアやMIMSグループの顧客関係資産等の償却により減価償却費が3,647百万円、のれん償却額が972百万円、減損損失が22,957百万円となったことによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、4,128百万円の支出(前期は4,071百万円の支出)となりました。これは主に、「カイポケ」等のシステム開発投資により無形固定資産の取得による支出が3,763百万円、業容拡大に伴う事業拠点拡充のための投資等で有形固定資産の取得による支出が145百万円となったことによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、7,347百万円の支出(前期は4,148百万円の支出)となりました。これは主に、「カイポケ」のファクタリングサービスにおける短期借入れによる収入が1,100百万円となった一方、自己株式の取得による支出が3,999百万円、長期借入金の返済による支出が1,901百万円、配当金の支払による支出が2,421百万円となったことによるものです。 (5)資本の財源及び資金の流動性に関する情報 当社グループは、持続的な成長と長期的な企業価値の向上をもって株主に価値貢献をすることが重要だと考えています。限られた経営資源を効率的に活用し、株主資本コストを超える高いROEを維持しながら、売上高及びEBITDAを継続的に成長させていくことを目指しています。当社グループの事業領域である高齢社会に関連する市場には膨大な事業機会が生まれているため、持続的な成長と長期的な企業価値の向上のための投資を積極的に行っていきます。このような考えのもと、当社の配当については、成長への投資を優先したうえで、財務の状況を勘案し、連結配当性向30%を目安に累進配当(1株当たり配当金の前期実績に対して、配当維持又は増配を行うもの。)を行うことを基本方針としております。ただし、M&A等の大きな投資機会発生の際には、この限りではありません。 当社グループの資金需要の主なものは、事業活動に必要な運転資金、介護/障害福祉事業者向け経営支援プラットフォーム「カイポケ」のソフトウエア投資、「カイポケ」のファクタリングサービスにおける資金、業容拡大に伴う事業拠点拡充のための設備投資、及び事業拡大のための企業買収等に伴う資金です。 必要な資金は、主に営業活動によるキャッシュ・フローのほか、金融機関からの借入金によって調達しております。事業の継続的な成長による十分なキャッシュ・フローの創出が今後も可能であり、将来の資金需要に対しても手元資金から充当することを基本としますが、金融機関からの借入や株式の新規発行による資金調達等、状況に応じた最適な資金の調達方法を検討し、流動性を確保していきます。 (6)生産、受注及び販売の状況① 生産実績 生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。 ② 受注実績 受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。 ③ 販売実績 「(2)経営成績の状況に関する分析・検討内容」に記載しております。

事業リスク

  • 市場環境の変化: 医療、介護/障害福祉分野は法改正や規制緩和の影響を受けやすく、例えば介護保険法や職業安定法の改正により、職業紹介サービスの手数料減少や採用需要の低下が生じる可能性があります。また、医師の残業規制や定額減税などの影響で求職者の転職意欲が鈍化し、キャリア分野の売上成長が限定的になるリスクがあります。
  • 競合激化と広告宣伝費増: 高齢社会関連市場の拡大に伴い、新規参入者が増加し競争が激化しています。特にキャリア分野では求職者獲得のための広告宣伝投資が増加傾向にあり、これが収益を圧迫する可能性があります。人材の需給ギャップが継続的に拡大する中で、競争優位を維持するための投資が不可欠です。
  • カントリーリスクと海外事業: 海外、特にAPAC地域での事業展開は、各国の政治、経済、社会、法規制、税制、文化・商習慣の違い、自然環境などのカントリーリスクに晒されます。ビザ発給の一時停止や中東情勢の変化など、予期せぬ事象が発生した場合、海外分野の売上高成長が限定的になるなど、事業活動に悪影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|8,380 文字
3【事業等のリスク】 当社グループの事業領域である高齢社会に関連する市場は年々拡大し、医療、介護/障害福祉、ヘルスケア、シニアライフといった高齢社会における事業領域に関する情報の量は飛躍的に増加し、その情報は多様化・複雑化しています。そのような情勢において、当社グループがグループミッションを実現し、長期的に企業価値を向上させるためには、これらの変化に対して適時適切に対応していく必要があると考えています。これらの環境を踏まえて、当社グループでは、グループミッションの実現の妨げになる一切の不確実性をリスクとして捉え、そのマイナスの影響を可能な限りコントロールすることで、企業の持続的成長を維持し、グループミッションを実現していきたいと考えています。 当社グループでは、当社の代表取締役社長の諮問機関である経営会議を通じて、当社グループ全体のリスクマネジメントの方針及び体制を決定するとともに、優先的に取り組むべき施策の決定と定期的な進捗の確認を実施しています。また、リスクマネジメントを所管する部門が当社グループにおけるリスク対応を組織横断的に統括し、関係部門と連携して個別具体的な施策を推進しています。 当社グループでは、当連結会計年度末現在において、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクとして、以下に掲げるものを選定しています。また、その中でも特に経営への影響が大きく、企業活動の継続又は企業の持続的成長に重大な影響を与える可能性があるものを(1)重大なリスクとして記載し、それら以外のものを(2)その他リスクとして記載しています。 なお、文中の将来に関する記述は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいています。 (1)重大なリスク 主要なリスクの内容主な取組① 市場環境 当社グループは、医療、介護/障害福祉、ヘルスケア、シニアライフという変化の大きい領域で事業を行っており、市場環境の変化を的確に把握できなかったり、変化に適時適切に対応できない場合には、当社グループの事業活動に悪影響を与える場合があります。 なお、キャリア分野において、人材紹介での求職者の入職までのリードタイム長期化、ダイレクトリクルーティングでの勤続支援金廃止の影響等により、当連結会計年度の売上高の成長が限定的となりました。 また、未だ顕在化していないものの、例えば、キャリア分野において介護保険法や医療法等が改正され、ケアマネジャーや看護師等の有資格者を事業者が一定数従事させることを義務付ける規制が緩和されることにより、当社グループがサービスの対象としているこれら有資格者について、事業者の採用需要が低下する場合があります。加えて、職業安定法の改正等により、求人企業との間の手数料や返戻金に対する規制が追加されて、自由競争が阻害されることにより、当社グループが受領する手数料の金額が減少する場合があります。さらに、介護・障害福祉事業者分野において、介護保険法の改正動向次第で当社グループや顧客である介護事業所の事業環境が大きく変わる場合があります。 これらの市場環境の変化が顕在化し、また、適時適切に対応できない場合には、当社グループの事業活動に悪影響を与える可能性があります。 当社グループは、キャリア分野における市場環境の変化に対しては、主にキャリアパートナー(CP)数の最適化と生産性の改善に取り組むことにより、継続的な成長を目指します。 未だ顕在化していない市場環境の変化に対しては、継続して動向を注視し、その変化と将来像を踏まえて経営・事業戦略の策定・実行を推進するとともに、厚生労働省等の関連省庁や業界団体とも密接に連携しながら、医療法、介護保険法、職業安定法をはじめとする関連法令の動向等を捉え、それらを経営・事業の戦略に適時適切に反映します。② 競合 当社グループは、医療、介護/障害福祉、ヘルスケア、シニアライフを高齢社会における事業領域として定義しています。これらの市場は年々拡大しており、当社グループにとって膨大な事業機会が生まれるものと認識しています。 一方で、このような魅力的な市場に対して、新規の参入者が増加し、競争環境が激化した場合には、当社グループの事業活動に悪影響を与える可能性があります。 なお、キャリア分野においては、医療・介護等の人材ニーズは継続的に拡大し、厳しい競争環境が継続することが見込まれます。このような認識のもと、今後の成長継続に向けて引き続き積極的な投資が必要となります。 当社グループは、キャリア分野の人材紹介においては、成長余地が大きい領域でのCPの通年での積極的な採用により成約最大化を図るとともに、AIを活用した生産性向上とCP介在価値最大化に取り組みます。 ダイレクトリクルーティングにおいては、営業体制の強化やブランド力強化のための認知施策等に対して積極的な投資を行い、人材紹介サービスで培ったノウハウを活かして競合との差別化を図り、独自のポジションを確立します。③ カントリーリスク 当社グループは、海外、特に人口の増加や経済発展により医療・ヘルスケア分野のニーズが急拡大しているAPACを重点地域と位置付け、多くの国と地域でサービスを提供しています。このような海外での事業展開においては、世界的な動向のみならず各国固有の政治、経済、社会、法規制、税制、文化・商慣習の違い、自然環境等の要素により、事前に想定することが困難な事象が発生する場合があります。 これらの事象に対し適時適切に対応できない場合には、当社グループの事業活動に悪影響を与える可能性があります。 なお、海外分野において、メディカルプラットフォーム事業での一部顧客のマーケティング予算縮小、グローバルキャリア事業での中東情勢の悪化による医療従事者の渡航への影響等により、当連結会計年度の売上高が前期比で減収となりました。 当社グループは、シンガポールに海外事業の統括拠点を置き、日本本社から当該統括拠点や各海外拠点に経営人材や経営管理人材を派遣しており、日本本社、統括拠点及び各海外拠点が適切な連携を取るための体制を構築しています。このような体制を通じて、世界的な動向に加え、各国固有の政治、経済、社会、法規制、税制、文化・商慣習の違い、自然環境等に関する情報を収集し、必要な対策を実施しています。 なお、海外事業については、今後の成長余地や収益性等を基準として、抜本的な事業見直しに着手しています。④ 自然災害 自然災害や疾病の流行等の有事により、当社グループが人的・物的被害を受けたり、社会情勢が大きく変化したりした場合には、当社グループの全部又は一部のサービスについて、一定期間その提供が困難となるなど、当社グループの事業活動に悪影響を与える可能性があります。また、大規模な自然災害の発生等により、当社グループの顧客の事業活動が中断されるなどの二次的影響が生じ、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。 当社グループは、自然災害や疾病の流行等の有事を想定して、従業員の安全、事業継続、社会への責任という3つの観点から、BCP(事業継続計画)の基本方針を定め、有事においても可能な限り事業を継続できるよう努めています。⑤ 事業開発・M&A 当社グループは、グループミッションの実現と長期的な企業価値の向上に向け、自社で行う新規事業の開発に加えて、M&A及び他社との業務提携を通じて、新規事業の開発・育成及び既存事業の拡大を推進しています。新規事業を開始するにあたっては、相応の先行投資を必要としたり、当該事業に固有の要因によるリスクが発生する場合があります。また、M&A及び他社との業務提携にあたっては、期待通りの効果を生まず戦略上の目的を達成できない場合や、実行後に未認識の債務やコンプライアンス上の問題点等が判明する場合があります。さらに、景気の後退、為替の著しい変動、市場や競合環境の変動等によりM&Aで取得した企業の収益性が当初計画より著しく低下した場合には、減損損失の計上が必要となる場合があります。 これらの場合には、当社グループが戦略上意図した新規事業の開発・育成及び既存事業の拡大を実現することができず、当社グループの事業活動及び業績に悪影響を与える可能性があります。 なお、当連結会計年度において、業績動向や事業環境等を踏まえ、海外事業で229億円の減損損失の計上に至りました。 当社グループは、短期の安定成長ではなく中長期の圧倒的成長を目指し、市場ポテンシャル・成長性・他事業とのシナジーの観点から有望な領域を見極めたうえで、プログラマティックなM&A・資本提携・新規事業創造を通じた積極的な投資を推進します。成長が期待できる領域においては、周辺領域への拡張も視野に入れながら、機動的かつ戦略的な事業開発に取り組んでいきます。 また、新規事業を含む全ての事業を、月次の事業進捗会議及び取締役会での適宜の報告・議論の対象とし、年次で事業継続可否を判断します。 事業の継続可否を含めた全社の事業ポートフォリオ戦略については、次年度計画策定開始前に取締役会において議論します。⑥ 人材・組織 当社グループの事業領域である高齢社会に関連する市場は今後も拡大が見込まれ、膨大な事業機会が生まれると認識しています。当社グループのグループミッションを実現するためには、その機会をいち早く捉える必要があり、社会からの要請を真摯に受け止め主体的に変化対応できる人材の採用及び育成が非常に重要です。また、当社グループの主力事業である国内のキャリア事業においては、事業者と求職者との間に介在して適切な情報を伝達する役割を果たすCPが必要です。しかしながら、日本国内での少子高齢化による労働人口減少、グローバルを含めた事業地域の拡大に伴う人材需要の増加、必要スキルの変化及び高度化、並びに競争力がある就労条件が整備できないことにより、多様で有能な人材を、必要数採用、育成及び定着させることができない可能性があります。 この場合には、事業を遂行するうえで必要な人員を十分に確保できず、当社グループの事業活動に悪影響を与える場合があります。 当社グループでは、当社グループの持続的成長に伴い、従業員に対して成長機会を継続的に提供し続けることが、人材獲得競争が激しくなる採用市場における採用力の向上と人材の定着に寄与すると考えます。また、採用市場における競争力のある報酬制度、能力を適切に評価する考課制度、能力向上のための教育制度や魅力的なキャリアパスの整備等に取り組んでいます。 あわせて、AI・デジタル技術の積極的な活用により業務プロセスの高度化・自動化を推進し、生産性の継続的な向上を図ることで、事業成長に必要な人員増加を最小化していきます。これにより、採用環境の変化や労働人口の減少がもたらすリスクを軽減しつつ、限られた人材リソースを付加価値の高い領域に集中させる体制を構築していきます。 主要なリスクの内容主な取組⑦ 情報セキュリティ 当社グループは、展開する各サービスの運営過程において、個人情報を含む顧客情報やその他の機密情報を取り扱っています。これらの情報は、当社グループ又は業務委託先の従業員及び関係者の故意・過失、悪意を持った第三者の攻撃、その他想定外の事態の発生により、漏洩、破壊又は改ざんされる場合があります。 この場合には、当社グループの社会的信用が失墜し、当社グループの事業活動に悪影響を与える可能性があります。 当社グループは、取り扱う顧客情報等の漏洩、破壊及び改ざんを防止するため、経営陣を中心とした情報セキュリティマネジメント体制のもと、定期的な会議体にて、全社的な情報セキュリティのモニタリング、インシデントの対応、抜本対策の検討・実施に取り組んでいます。・情報セキュリティ管理体制の構築 情報セキュリティ管理責任者を配置するとともに、定期的に開催する経営レベルでの会議体においてグループ全体の情報セキュリティリスクを体系的に把握し、必要な対策を迅速に実施しています。・情報セキュリティ対策技術の導入 情報資産に対する不正な侵入、漏洩、改ざん、紛失、破壊、利用妨害等を防止するため、情報セキュリティ対策の導入に努めています。・内部規程の整備 情報セキュリティに関する内部規程を整備し、個人情報を含む情報資産全般の適切な取扱いについて明確な方針を示すとともに、社内に周知徹底しています。・継続的な改善 業務の遂行において法令や社内規程等が遵守されていることを担保するため、定期的又は重大な変化があった場合に内部監査を実施しています。また、社内規程を継続的に見直すことにより、情報セキュリティ対応を継続的に改善しています。・従業員に対する教育 契約社員、アルバイト、派遣社員を含む全社員及び業務委託先を対象に、個人情報保護をはじめとする情報セキュリティに関する教育・研修を定期的に実施し、社内の意識とリテラシーの向上に取り組んでいます。⑧ システム障害 当社グループは、主なサービス提供手段として、当社グループ又は業務提携先が提供するウェブサイトや業務システムを利用しています。自然災害や事故による通信ネットワークの障害、誤作動やシステム障害、当社グループもしくは提携先の従業員もしくは関係者の操作過誤、又はコンピュータウイルスや第三者による不正アクセスによる破壊もしくは改ざん等により、ウェブサイトや業務システムが正常に稼働できなかった時には、提供するサービスの全部又は一部が停止したり、その品質が低下したりする場合があります。 この場合には、当社グループのサービスの全部又は一部の提供が困難になることに加えて、当社グループの社会的信用が失墜し、当社グループの事業活動に悪影響を与える可能性があります。 当社グループは、サービスの信頼性及び取引の安全性の観点から、当社グループの事業用ITインフラについて高可用性、耐障害性を備えた設計としています。また、重要なデータを取り扱うサービスにおいては、十分なセキュリティ対策を施したうえで、クラウド化を実施するなど、有事の際にもサービスを提供できるよう対処しています。 さらに、システム開発及びシステム運用経験の豊富な人材を採用するとともに、システムに関する従業員向け教育を積極的に実施するなど、体制面での強化も継続して取り組んでいます。 主要なリスクの内容主な取組⑨ 許認可 当社グループの主要な事業である職業紹介事業の遂行には有料職業紹介の許可が必要であり、当社グループは、有料職業紹介事業者として、厚生労働大臣の許可を受けています。何らかの理由により、当該許可が取り消されたり、業務停止となった場合には、当社グループによる職業紹介事業の遂行が困難となり、当社グループの事業活動に悪影響を与える可能性があります。 なお、当該許可の取消事由及び業務停止事由は職業安定法第32条の9に定められていますが、当連結会計年度末現在において当社グループが認識している限りでは、当社グループにはこれらの事由に該当する事実はありません。また、当社グループが保有している主な有料職業紹介事業許可の許可番号及びその取得年月等は以下のとおりです。所轄官庁等取得者名許可番号取得年月有効期限厚生労働省株式会社エス・エム・エス13-ユ-1900192003年7月1日2026年6月30日 当社グループは、厚生労働省等の関連省庁や業界団体とも密接に連携しながら、職業安定法等の動向をいち早く把握するとともに、職業安定法等の法令を遵守すべく、必要な規程及びガイドラインの制定や各種研修を通して、役職員に対してその周知、徹底を図り、継続的にコンプライアンス体制の強化に取り組んでいます。 (2)その他リスク 主要なリスクの内容主な取組① 技術革新 当社グループは、価値提供先である従事者・事業者・エンドユーザに情報をコアとした様々なサービスを提供しており、それを支えるソフトウエア、システム及びセキュリティ関連技術は事業運営上、非常に重要です。しかしながら、近年の技術革新のスピードは極めて速く、当社グループが競争力を維持し高めるためには、将来における技術の変化を見極めながら、適時適切に技術への投資と導入を行う必要があります。当社グループが技術革新のトレンドを正確に把握することができず、想定しない新しい技術の普及等により技術環境が急激に変化し当社グループの技術が陳腐化する場合があります。 この場合には、当社グループの事業活動に悪影響を与える可能性があります。 当社グループは、当社グループが保有する技術が陳腐化することがないように、適宜新しいソフトウエア、システム及びセキュリティ関連技術等を取り入れながら、継続的な投資を行っています。また、事業活動で得られたビッグデータの解析やAIの活用等の先端的な技術を導入する体制を構築し、継続した技術向上を図るとともに、それらを当社グループの事業に導入できるよう取組を進めています。 生成AIについては、ガイドラインを策定してリスクの周知徹底を図りつつ、ルールを遵守したうえでの積極的な利用を促しています。キャリア事業においては、CPと求職者との面談の録音データを分析し、面談フィードバックを自動生成するツールが実装済みで、求人提案の精度向上につながっています。② 情報発信 当社グループは、インターネット等を通じて、医療、介護/障害福祉、ヘルスケア、シニアライフといった事業領域において様々な情報発信を行っています。 これらの発信物について、その内容の適法性、正確性又は妥当性について社会的批判を受けた場合には、当社グループの社会的信用が失墜し、当社グループの事業活動に悪影響を与える可能性があります。 当社グループは、様々な情報発信を行ううえで、その内容の適法性、正確性及び妥当性について、顧問法律事務所の助言や専門家による監修等、社内外で慎重に確認するための体制を構築しています。③ 法令 当社グループは、国内外の幅広い領域で事業を展開しており、事業を展開する国又は地域の法令等を遵守する必要があります。今後、事業の急速な拡大等により、十分なコンプライアンス体制の構築が追い付かず、法令違反等が生じたり、将来適用される法令等の新設や改正、当局による解釈の変更等への対応の遅れや、それによる事業機会の逸失等が生じる場合があります。 この場合には、当社グループの社会的信用が失墜し、当社グループの事業活動に悪影響を与える可能性があります。 当社グループは、国内外の幅広い領域で事業を展開していくうえで、各国の社会規範や法令その他諸規則を遵守すべく、必要な規程及びガイドラインの制定や各種研修を通して、役職員に対してその周知、徹底を図り、継続的にコンプライアンス体制の強化に取り組んでいます。当該規程及びガイドラインや研修のテーマには、個人情報保護法や職業安定法といった当社グループの事業に関連の深い法令の遵守や、反社会的勢力との関係遮断、不正行為の防止等が含まれます。④ 訴訟 当社グループが事業活動を推進する過程において、当社グループが提供するサービスの不備、従業員の労務管理、個人情報の漏洩、知的財産の侵害等に関する訴訟その他の法的手続を提起され、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの社会的信用が失墜したり、当社グループが多額の賠償金の支払義務を負ったりすることにより、当社グループの事業活動及び業績に悪影響を与える可能性があります。 なお、当連結会計年度末現在において、当社グループに重要な影響を与える訴訟等は提起されておらず、そのおそれも認識していません。 当社グループは、社会の要請や法令その他諸規則を遵守したうえで適切に事業が展開されるようコンプライアンス体制の強化に取り組むことで、不当な紛争に巻き込まれることがないよう努めています。また、万が一訴訟が提起された場合に備え、重要な訴訟の提起や状況に関する報告がグローバルで迅速かつ確実になされる仕組みを構築するとともに、各国の関係会社の担当者及び弁護士事務所等と連携し、訴訟等に対応する体制を整備しています。

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