2385

総医研ホールディングス(2385)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

サービス業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • 多角的なヘルスケア事業
    総医研ホールディングスは、生体評価システム、ヘルスケアサポート、化粧品、健康補助食品、機能性素材開発の5つの事業を展開しています。これらは、大学の研究成果を基盤とし、バイオマーカー技術や医療機関ネットワークを活用して、人々の健康を多角的に支援するビジネスモデルです。
  • バイオマーカー評価
    中核事業の一つである生体評価システム事業では、身体や病気の状態を客観的に評価するバイオマーカーを研究開発し、食品や医薬品の機能性・安全性評価試験を提供しています。これにより、これまで評価が難しかった分野での新たな市場開拓を目指しています。
  • 独自商品の開発・販売
    化粧品事業ではプラセンタエキスを用いた独自ブランドを、健康補助食品事業では疲労回復成分「イミダペプチド」を主力商品として展開しています。これらの商品は、自社開発のバイオマーカー技術や食薬開発ノウハウを活かして、通信販売や百貨店、卸売業者を通じて販売されています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 健康補助食品販売事業
    最も売上が大きい事業で、21.28億円の売上高と0.91億円の営業利益を上げています。疲労回復成分「イミダペプチド」を主力商品とし、自社のバイオマーカー技術や食薬開発ノウハウを活かした独自性のある健康補助食品の販売を行っています。
  • 化粧品販売事業
    2番目に売上が大きい事業で、15.06億円の売上高と0.27億円の営業利益を計上しています。プラセンタエキスを用いた独自ブランドを展開し、通信販売や百貨店、卸売業者を通じて販売しており、安定した収益源となっています。
  • ヘルスケアサポート事業
    売上高6.88億円、営業利益1.07億円と、売上規模は中程度ながら最も高い営業利益率を誇る事業です。医療機関ネットワークを活用し、健康診断の受託や特定保健指導、糖尿病重症化予防サービスなど、健康保険組合向けの多様なサービスを提供しています。
2025-06 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
ClinicalEvidenceService 事業 2 0 3.5%
HealthCareSupportService 事業 7 1 15.5%
FunctionalCosmeticRetailing 事業 15 0 1.8%
FunctionalFoodRetailing 事業 21 1 4.3%
FunctionalMaterialDevelopment 事業 3 -0 -10.1%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,412 文字
3【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(㈱総医研ホールディングス)及び子会社4社により構成されており、生体評価システム事業、ヘルスケアサポート事業、化粧品事業、健康補助食品事業及び機能性素材開発事業を主たる業務としております。なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。 なお、次の各事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 また、2027年6月期より、ヘルスケアサポート事業を法人ヘルスケアサポート事業に変更し、化粧品事業、健康補助食品事業及び機能性素材開発事業をヘルスケアプラットフォーム事業へ統合する報告セグメントの変更を行います。 (生体評価システム事業) 生体評価システム事業は㈱総合医科学研究所が営む事業であり、大学の研究成果を導入することにより、身体や病気の状態を客観的かつ定量的に評価するための指標であるバイオマーカーとそれを利用した生体評価システムの研究開発を行い、その技術を応用して、従来は適正な評価方法が存在しなかったために有効な食品や医薬品等の開発が不可能であった病態や疾病等に関して新たな食薬等の市場の開拓を行う事業であります。 具体的な事業構造は以下のように区分されます。① 評価試験事業:開発したバイオマーカー・生体評価システムを用いて、食品等の機能性・安全性等に関する臨床評価試験及びこれに付随するサービスを提供する事業② バイオマーカー開発事業:当社グループ独自のバイオマーカー・生体評価システムの使用権を食品企業や製薬企業等に供与して対価を得る、開発したバイオマーカー・生体評価システムを用いて食品企業や製薬企業等と共同で新たな食薬等を開発する事業 ㈱ウイルス医科学研究所(非連結子会社)は、2005年12月8日に東京慈恵会医科大学の近藤一博教授と共同で設立した子会社であり、近藤教授の研究成果であるヒトヘルペスウイルスを用いた疲労定量化技術(※1)や遺伝子治療用ベクター(※2)等の事業化を目指しております。(ヘルスケアサポート事業) ヘルスケアサポート事業は㈱総合医科学研究所が営む事業であり、当社グループの有する医療機関ネットワークを活用し、各種健康診断や特定保健指導に関する業務受託、主に被扶養者を対象とする特定健康診査の受診勧奨サポート、糖尿病の重症化予防サービス等、健康保険組合等が行う疾病予防及び健康管理への様々な取り組みを支援するサービスを提供しております。(化粧品事業) 化粧品事業は日本予防医薬㈱が営む事業であり、プラセンタエキスを用いた独自商品ブランドを展開しており、通信販売による直販及び有名百貨店や卸売業者等への卸売りを行っております。(健康補助食品事業) 健康補助食品事業は日本予防医薬㈱が営む事業であり、当社グループが有するバイオマーカー技術、食薬開発にかかるノウハウや経験等を活かした独自性ある健康補助食品の販売を行っており、疲労プロジェクトから生まれた製品である「イミダペプチド」を主力商品としております。(機能性素材開発事業) 機能性素材開発事業は日本予防医薬㈱が営む事業であり、ラクトフェリンをはじめとする機能性素材の研究開発、販売を行っております。<用語解説>※1 ヒトヘルペスウイルスを用いた疲労定量化技術について ヒトが疲労したり、体調が悪くなったりした場合に、口唇ヘルペスや帯状ヘルペス(帯状疱疹)を発病しやすくなることは経験的に知られています。通常のウイルスは、宿主である細胞が死滅すると自らも死滅するのに対して、ヒトヘルペスウイルス(HHV-6及びHHV-7)は、宿主細胞の健康状態の悪化を感知して細胞の外、特に唾液や皮膚の表面に逃げ出す性質を有しており、これが口唇ヘルペスや帯状ヘルペスを発病するメカニズムに深く関与していると考えられます。本技術は、このヒトヘルペスウイルスの性質を利用し、体液中のヒトヘルペスウイルスの発現量を測定することにより、日常における疲労度を簡便かつ定量的に評価できる方法です。疲労プロジェクトにおいてもその有用性が確認されており、医療の現場や医薬品・食品等の臨床評価だけでなく、診断キットの開発による疲労度の自己モニタリングの実現にも繋がる技術として期待されます。 ※2 ヒトヘルペスウイルスを用いた遺伝子治療用ベクターについて 遺伝子治療においては、治療用遺伝子を治療の対象となる細胞に届け、その細胞の中に放出する技術が必要になります。体外から治療の対象となる細胞に治療用遺伝子を運ぶ役割をするのが「ベクター(運び屋)」です。ウイルスは、細胞に感染し、その細胞内に自らの遺伝子を放出して増殖をする性質を有していますが、このウイルスの性質を利用して、無害化したウイルスに治療用遺伝子を閉じ込め、細胞内に届ける技術を「ウイルスベクター」といいます。従来、ウイルスの感染能力を利用するウイルスベクターは、治療用遺伝子の導入効率は高いものの安全性の面で劣るとされていましたが、本技術は、ヒトに持続的に潜伏感染する、もともと病原性の低いウイルスであるヒトヘルペスウイルス(HHV-6及びHHV-7)を利用した導入効率と安全性の両面で優れたベクターであり、癌やAIDS等の遺伝子治療への応用が期待されます。 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。(注) 無印 連結子会社 ※ 非連結子会社で持分法非適用会社

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
独自のバイオマーカー・生体評価システムの使用権供与や共同開発。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
バイオマーカーと生体評価システムの研究開発、大学の研究成果導入。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:評価試験事業の新規開発案件減少傾向 / 研究開発の費用と時間、事業化の不確実性 / 知的財産権の取得不確実性や他社による淘汰
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 2 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

総医研ホールディングスは、特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPに関する公開情報が限定的であり、無形資産による競争優位性は現時点では明確に評価できない。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

医療機関向けサービスを提供しており、既存顧客が他社サービスへ移行する際には、システム連携やオペレーション変更に伴う一定の手間やコストが発生する可能性がある。しかし、そのスイッチング・コストの高さは限定的と推測される。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

事業モデルにおいて、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果は確認されず、この要素による競争優位性は見られない。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

総医研ホールディングスの事業において、競合他社と比較して構造的に低いコストで製品やサービスを提供できるようなコスト優位性は、公開情報からは確認できない。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

医療機関向けサービス市場において、一定の事業規模を有している可能性はあるが、業界全体に対して最適化された少数寡占を形成するほどの規模の経済性は現時点では明確ではない。

  • 大学との連携
    大学の研究成果を事業に導入することで、高い学術レベルに基づいた製品やサービスを提供できる点が強みです。特に、東京慈恵会医科大学との共同研究による疲労定量化技術や遺伝子治療用ベクターの開発は、他社にはない独自技術の源泉となっています。
  • バイオマーカー技術
    身体の状態を客観的かつ定量的に評価するバイオマーカーと生体評価システムの開発能力は、同社の競争優位性です。これにより、食品や医薬品の機能性・安全性評価試験において、従来の評価方法では不可能だった病態や疾病に対する新たなソリューションを提供できます。
  • 医療機関ネットワーク
    ヘルスケアサポート事業では、同社グループが持つ医療機関ネットワークを活用し、健康診断の受託や特定保健指導、糖尿病重症化予防サービスなどを提供しています。このネットワークは、健康保険組合などへのサービス提供において重要な基盤となります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1)会社の経営の基本方針 当社グループの企業理念は「医科学の研究成果を事業化し、人々の健康で安全な生活の実現に寄与する」であり、当社グループは、医学分野における大学の研究成果を人々の生活の身近なところで開花させることによって、人々の健康で安全な暮らしを実現し、医療費の抑制や生活快適性の向上等に貢献することを目指しております。 当社グループは、大学の研究成果を活かして創出するエビデンス(科学的根拠)に基づき、国民の健康の維持及び増進並びに医療資源の効率的活用等に資するサービスや商品を開発し、提供してまいります。(2)目標とする経営指標 当社グループは、企業としての成長過程にあることに鑑み、安定的かつ継続的な成長を確保するための事業基盤を強化しつつ、事業規模の拡大を通じて企業価値を高めることを経営上の目標としております。数値目標としては、2030年6月期までに売上高60億円、営業利益5億円、ROE8%を目標としております。(3)中長期的な会社の経営戦略 我が国では、高齢化の進展や医療費の増加を背景として、医療の適正化、予防・健康づくりの推進及び保健事業の実効性向上に対する要請が一段と高まっており、科学的根拠に基づく評価・介入を支える社会のEBM(Evidence Based Medicine:科学的根拠に基づく医療)の重要性は引き続き高まっております。これに伴い、健康保険組合等におけるデータヘルス計画の推進、共通評価指標や健康スコアリングレポートの活用、事業主との連携によるコラボヘルスの進展など、健康経営を推進する企業を後押しする事業環境の整備が進んでおります。 また、機能性表示食品制度におきましても、届出・運用面の見直しを通じて制度の信頼性向上が図られるなど、科学的根拠の重要性は一層高まっております。さらに、オンライン資格確認、電子処方箋、電子カルテ情報の標準化等を柱とする医療DXの推進は、保健・医療データの利活用基盤の整備を通じて、国民の主体的な健康管理や予防行動を促進する環境を形成しております。 このような事業環境のもと、当社グループは、大学発のバイオマーカー技術に基づくエビデンスの構築と活用に関する実績やノウハウ、医学界や医療界における幅広いネットワーク等を活かし、医療DXを活用して予防から治療まで様々なヘルスケア関連サービス等を提供し、セルフメディケーション社会の構築に寄与することで、事業の拡大を図っていく方針であります。 当連結会計年度においては、構造改革及びヘルスケア事業を中核とした事業ポートフォリオの再編を推進するとともに、中長期的な成長基盤の構築に向け、医療DXを活用した総合ヘルスケアプラットフォームの構築に取り組んでまいりました。事業再編としては、中国での化粧品事業から撤退するとともに、日本国内の化粧品事業及び機能性素材開発事業を日本予防医薬㈱へ集約し、健康補助食品、化粧品、機能性素材開発及びOEM事業を一体的に運営する体制へ移行いたしました。また、同社において、中国・ASEAN市場を対象とした健康補助食品及び機能性素材を活用した商品の販売、現地企業向けOEM事業などの海外展開を推進するとともに、同社が保有するECサイト及び顧客基盤を活用し、総合ヘルスケアプラットフォームの事業基盤の構築を進めております。 これらの事業再編に伴い、2027年6月期から、報告セグメントを「生体評価システム事業」、「法人ヘルスケアサポート事業」及び「ヘルスケアプラットフォーム事業」の3区分へ変更し、事業の実態に即した経営管理体制へ移行いたします。従来の「ヘルスケアサポート事業」は「法人ヘルスケアサポート事業」へ名称を変更し、「健康補助食品事業」、「化粧品事業」及び「機能性素材開発事業」は「ヘルスケアプラットフォーム事業」へ統合いたします。 当社グループは、既存事業による安定した収益基盤を維持・強化するとともに、2027年6月期より本格展開する医療DXを活用したヘルスケアプラットフォーム事業を新たな成長ドライバーとして育成し、中国・ASEANを中心とした海外展開の拡大やM&A・業務提携を積極的に推進することで、中長期的な企業価値の向上及び持続的な利益成長の実現を目指してまいります。また、資本効率を意識した経営を推進し、株主価値の向上にも努めてまいります。 具体的な戦略は次のとおりであります。① 総合ヘルスケアプラットフォームの構築 高齢化や医療従事者不足、海外駐在員の健康不安の深刻化など、医療アクセスを取り巻く課題が多様化する中、当社グループは、医療DXを推進し、健康補助食品・化粧品、OTC医薬品・漢方薬、郵送検査等のセルフメディケーションECサイトを基盤に、オンライン診療、オンライン薬局、セカンドオピニオンサービスなどを組み合わせ、「予防から治療まで」のサービスをシームレスに提供する「総合ヘルスケアプラットフォーム」の構築を進めております。 当該プラットフォームの構築にあたりましては、当社グループの経営資源を活用してまいります。顧客面では、日本予防医薬㈱が運営するECサイトの既存顧客に加え、法人ヘルスケアサポート事業を通じて接点を有する健康保険組合の保健事業対象者及び健康経営に取り組む企業の従業員を、当該プラットフォームへ誘導してまいります。併せて、当該プラットフォームで提供する各種サービスを新たな顧客接点とし、顧客基盤の拡大につなげてまいります。提供体制面では、これまで構築してまいりました専門医のネットワークを活用し、オンライン診療やセカンドオピニオンサービスを提供してまいります。商品面では、疲労感の軽減に資するイミダペプチドやフェムケア機能性素材であるラクトフェリンをはじめとする当社グループの機能性素材及びヘルスケア関連ノウハウを活用した自社商品の拡充を図るとともに、OTC医薬品・漢方薬・化粧品につきましても、取扱品目の充実を図ってまいります。これらに加え、M&Aや業務提携を積極的に活用し、事業領域を拡大してまいります。 また、システム面では、セルフメディケーションECサイトとオンライン診療、オンライン薬局等の各サービスを連携させるシステム基盤の開発、及び顧客データを統合・利活用するための投資を実施してまいります。当該投資につきましては、自社開発に加え、外部サービスとの連携も活用し、効率的かつ機動的に進めてまいります。② エビデンスの取得、構築及び活用に向けた事業の推進 当社グループは、長年にわたり、主にトクホの許可取得及び機能性表示食品の届出を目的とした食品の評価試験や市販後調査、疲労プロジェクト等を通じて、エビデンスの取得、構築及び活用に向けた事業を行ってまいりました。当社グループでは、これまでに培ったノウハウや経験、インフラ等を活用し、当社グループの特長を発揮できる事業領域として、今後もこれらの事業に注力してまいります。③ エビデンスに基づく独自性のある商品の開発 疲労プロジェクトは、「疲労」を客観的に評価・定量化するための評価システムを確立し、これまで適正な評価方法が無かったために有効性を評価することが不可能であった抗疲労候補成分等について、その効果を検証することによって、抗疲労トクホ及び抗疲労医薬品を世に送り出すことを目指して実施されたものであります。疲労プロジェクトの成果につきましては、当社グループの日本予防医薬㈱を含め、既に複数の参加企業が、臨床試験の実施等を経て事業化に成功し、商品の発売に至りました。 また、疲労プロジェクトで創出された製品である「イミダペプチド」は、2015年4月に施行された機能性表示食品制度において届出が受理され、「日常の生活で生じる身体的な疲労感を軽減する」という機能性を表示することができる我が国で初めての製品となりました。 当社グループでは、ヘルスケアプラットフォーム事業において、「イミダペプチド」を中心とした抗疲労機能性素材の研究開発を進めるとともに、OTC医薬品、医薬部外品、漢方薬などのセルフメディケーション関連商品の取扱品目の拡充を図ってまいります。さらに、「プラセンタ」、「ラクトフェリン」、「高機能ペプチド」を利活用した「肌の疲れを科学する」新たな化粧品の研究開発を実施してまいります。こうした研究開発投資を通じて、新製品の創出につなげてまいります。④ 海外展開 当社グループは、日本発のエビデンスと品質を強みとして、中国・ASEAN市場における事業展開を推進してまいります。なお、化粧品事業につきましては中国市場から撤退し、国内市場における主力製品であるプラセンタ製品を中心に展開してまいります。 今後は、現地パートナー企業との協業を進め、各市場のニーズに即した健康補助食品の開発・販売及び現地企業向けOEM事業の拡大を図ってまいります。⑤ 戦略的なM&A及び業務提携等の推進 当社グループは、各事業においてこれまで様々な外部の主体との業務提携等を推進してまいりました。 当社グループでは、今後も、既存事業の事業領域の拡大及び総合ヘルスケアプラットフォームの構築に向けて、医療DXを中心としたヘルスケア事業領域における積極的なM&Aによる事業拡大、総合ヘルスケアプラットフォームにおけるコンテンツの充実のための業務提携等、各事業でのシナジー効果が期待できる企業等との間で戦略的なM&A及び業務提携等を行い、業容の拡大及び経営資源の最適配分等を図る方針であります。⑥ 企業価値向上に向けた財務戦略 当社グループは、資本コストや株価を意識した経営を推進し、2030年6月期にROE8%の達成を目指してまいります。 資本配分につきましては、総合ヘルスケアプラットフォームの構築に向けた研究開発・システム投資及びヘルスケア事業領域におけるM&A等の戦略的な成長投資を優先しつつ、財務の健全性を確保したうえで、株主還元の充実を図ってまいります。 株主還元につきましては、安定配当を基本方針とし、利益成長に応じて配当水準の見直しを実施してまいります。 (4)優先的に対処すべき事業上の課題①ヘルスケアプラットフォーム事業の早期収益化 2027年6月期より本格展開するヘルスケアプラットフォーム事業は、システム基盤の開発や商品・サービスの拡充に先行投資を要する事業であり、早期に顧客基盤を拡大し収益化を図ることが重要な課題であると認識しております。当社グループは、日本予防医薬㈱が運営するECサイトの既存顧客に加え、法人ヘルスケアサポート事業を通じて接点を有する健康保険組合の保健事業対象者及び企業の従業員を当該プラットフォームへ送客する導線を強化してまいります。また、会員数、購入顧客数、継続利用率等の指標を継続的にモニタリングし、投資の優先順位付けと規律ある投資判断を行ってまいります。 ②既存事業の収益基盤の強化 生体評価システム事業におきましては、機能性表示食品制度の見直しにより、エビデンスの質及び試験の信頼性に対する要請が一層高まっております。当社グループは、大学発のバイオマーカー技術と長年の受託試験の実績を活かし、信頼性の高い臨床試験及び届出支援の体制を強化することで、受託の拡大を図ってまいります。 法人ヘルスケアサポート事業におきましては、第4期特定健康診査・特定保健指導においてアウトカム評価が導入されたことを踏まえ、成果に結びつく保健指導プログラムの開発・提供を進めてまいります。また、特定保健指導の受託等において重要な事業基盤である医療機関ネットワークの拡充に加え、これを効率的に運用するためのインフラの整備を進めてまいります。 ③関連法令・規制への対応 ヘルスケアプラットフォーム事業では、健康補助食品・化粧品、OTC医薬品・漢方薬、郵送検査等のセルフメディケーション商品の販売に加え、オンライン診療、オンライン薬局、セカンドオピニオンサービス等の治療領域までサービスを提供することから、医療法、医薬品医療機器等法、健康増進法、景品表示法、食品表示法等の関連法令・規制への適合が不可欠であります。当社グループは、薬事・広告表現の審査体制の整備、管理薬剤師等の必要な人員の確保、法令改正の動向の継続的な把握を通じて、今後の法令等の改正への対応も含め、法令遵守体制を強化してまいります。 ④知的財産権への対応 当社グループでは、研究開発の成果として生ずる成分や製品等について、大学研究者等との共同又は当社グループ単独にて特許権その他の知的財産権を取得することにより、その権利の確保を図っております。また、当社グループの事業に必要な大学研究成果が当社グループ以外で利用されることを防ぐため、当該研究成果について、一定の対価を支払う代わりにその特許を受ける権利の一部を譲り受け、発明者と当社の共同で特許を出願することも行っております。さらに、国内外ともに、当社グループが有する独自性の高い製品の模倣品による被害を防ぐため、商標登録、意匠登録等を適切に行い、権利保全を図る必要があります。以上のことから、当社グループは、引き続き知的財産権を戦略的に取得又は活用してまいります。 ⑤人材の確保及び組織体制の強化 新規事業であるヘルスケアプラットフォーム事業を構築し、当社グループの成長を加速しつつ持続的な成長を維持するためには、事業環境の変化に適応する組織体制の強化が重要であると考えております。そのため、医療DX、EC運営、薬事等の専門人材の確保・育成を進めてまいります。また、M&A実施後の統合プロセス(PMI)を適切に推進し、グループ全体のガバナンス及び内部管理体制を強化することで、ヘルスケアプラットフォーム事業の安定的な運営及びM&A等による当社グループの拡大を支える強固な経営基盤を構築してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1)会社の経営の基本方針 当社グループの企業理念は「医科学の研究成果を事業化し、人々の健康で安全な生活の実現に寄与する」であり、当社グループは、医学分野における大学の研究成果を人々の生活の身近なところで開花させることによって、人々の健康で安全な暮らしを実現し、医療費の抑制や生活快適性の向上等に貢献することを目指しております。 当社グループは、大学の研究成果を活かして創出するエビデンス(科学的根拠)に基づき、国民の健康の維持及び増進並びに医療資源の効率的活用等に資するサービスや商品を開発し、提供してまいります。(2)目標とする経営指標 当社グループは、企業としての成長過程にあることに鑑み、安定的かつ継続的な成長を確保するための事業基盤を強化しつつ、事業規模の拡大を通じて企業価値を高めることを経営上の目標としております。数値目標としては、2030年6月期までに売上高60億円、営業利益5億円、ROE8%を目標としております。(3)中長期的な会社の経営戦略 我が国では、高齢化の進展や医療費の増加を背景として、医療の適正化、予防・健康づくりの推進及び保健事業の実効性向上に対する要請が一段と高まっており、科学的根拠に基づく評価・介入を支える社会のEBM(Evidence Based Medicine:科学的根拠に基づく医療)の重要性は引き続き高まっております。これに伴い、健康保険組合等におけるデータヘルス計画の推進、共通評価指標や健康スコアリングレポートの活用、事業主との連携によるコラボヘルスの進展など、健康経営を推進する企業を後押しする事業環境の整備が進んでおります。 また、機能性表示食品制度におきましても、届出・運用面の見直しを通じて制度の信頼性向上が図られるなど、科学的根拠の重要性は一層高まっております。さらに、オンライン資格確認、電子処方箋、電子カルテ情報の標準化等を柱とする医療DXの推進は、保健・医療データの利活用基盤の整備を通じて、国民の主体的な健康管理や予防行動を促進する環境を形成しております。 このような事業環境のもと、当社グループは、大学発のバイオマーカー技術に基づくエビデンスの構築と活用に関する実績やノウハウ、医学界や医療界における幅広いネットワーク等を活かし、医療DXを活用して予防から治療まで様々なヘルスケア関連サービス等を提供し、セルフメディケーション社会の構築に寄与することで、事業の拡大を図っていく方針であります。 当連結会計年度においては、構造改革及びヘルスケア事業を中核とした事業ポートフォリオの再編を推進するとともに、中長期的な成長基盤の構築に向け、医療DXを活用した総合ヘルスケアプラットフォームの構築に取り組んでまいりました。事業再編としては、中国での化粧品事業から撤退するとともに、日本国内の化粧品事業及び機能性素材開発事業を日本予防医薬㈱へ集約し、健康補助食品、化粧品、機能性素材開発及びOEM事業を一体的に運営する体制へ移行いたしました。また、同社において、中国・ASEAN市場を対象とした健康補助食品及び機能性素材を活用した商品の販売、現地企業向けOEM事業などの海外展開を推進するとともに、同社が保有するECサイト及び顧客基盤を活用し、総合ヘルスケアプラットフォームの事業基盤の構築を進めております。 これらの事業再編に伴い、2027年6月期から、報告セグメントを「生体評価システム事業」、「法人ヘルスケアサポート事業」及び「ヘルスケアプラットフォーム事業」の3区分へ変更し、事業の実態に即した経営管理体制へ移行いたします。従来の「ヘルスケアサポート事業」は「法人ヘルスケアサポート事業」へ名称を変更し、「健康補助食品事業」、「化粧品事業」及び「機能性素材開発事業」は「ヘルスケアプラットフォーム事業」へ統合いたします。 当社グループは、既存事業による安定した収益基盤を維持・強化するとともに、2027年6月期より本格展開する医療DXを活用したヘルスケアプラットフォーム事業を新たな成長ドライバーとして育成し、中国・ASEANを中心とした海外展開の拡大やM&A・業務提携を積極的に推進することで、中長期的な企業価値の向上及び持続的な利益成長の実現を目指してまいります。また、資本効率を意識した経営を推進し、株主価値の向上にも努めてまいります。 具体的な戦略は次のとおりであります。① 総合ヘルスケアプラットフォームの構築 高齢化や医療従事者不足、海外駐在員の健康不安の深刻化など、医療アクセスを取り巻く課題が多様化する中、当社グループは、医療DXを推進し、健康補助食品・化粧品、OTC医薬品・漢方薬、郵送検査等のセルフメディケーションECサイトを基盤に、オンライン診療、オンライン薬局、セカンドオピニオンサービスなどを組み合わせ、「予防から治療まで」のサービスをシームレスに提供する「総合ヘルスケアプラットフォーム」の構築を進めております。 当該プラットフォームの構築にあたりましては、当社グループの経営資源を活用してまいります。顧客面では、日本予防医薬㈱が運営するECサイトの既存顧客に加え、法人ヘルスケアサポート事業を通じて接点を有する健康保険組合の保健事業対象者及び健康経営に取り組む企業の従業員を、当該プラットフォームへ誘導してまいります。併せて、当該プラットフォームで提供する各種サービスを新たな顧客接点とし、顧客基盤の拡大につなげてまいります。提供体制面では、これまで構築してまいりました専門医のネットワークを活用し、オンライン診療やセカンドオピニオンサービスを提供してまいります。商品面では、疲労感の軽減に資するイミダペプチドやフェムケア機能性素材であるラクトフェリンをはじめとする当社グループの機能性素材及びヘルスケア関連ノウハウを活用した自社商品の拡充を図るとともに、OTC医薬品・漢方薬・化粧品につきましても、取扱品目の充実を図ってまいります。これらに加え、M&Aや業務提携を積極的に活用し、事業領域を拡大してまいります。 また、システム面では、セルフメディケーションECサイトとオンライン診療、オンライン薬局等の各サービスを連携させるシステム基盤の開発、及び顧客データを統合・利活用するための投資を実施してまいります。当該投資につきましては、自社開発に加え、外部サービスとの連携も活用し、効率的かつ機動的に進めてまいります。② エビデンスの取得、構築及び活用に向けた事業の推進 当社グループは、長年にわたり、主にトクホの許可取得及び機能性表示食品の届出を目的とした食品の評価試験や市販後調査、疲労プロジェクト等を通じて、エビデンスの取得、構築及び活用に向けた事業を行ってまいりました。当社グループでは、これまでに培ったノウハウや経験、インフラ等を活用し、当社グループの特長を発揮できる事業領域として、今後もこれらの事業に注力してまいります。③ エビデンスに基づく独自性のある商品の開発 疲労プロジェクトは、「疲労」を客観的に評価・定量化するための評価システムを確立し、これまで適正な評価方法が無かったために有効性を評価することが不可能であった抗疲労候補成分等について、その効果を検証することによって、抗疲労トクホ及び抗疲労医薬品を世に送り出すことを目指して実施されたものであります。疲労プロジェクトの成果につきましては、当社グループの日本予防医薬㈱を含め、既に複数の参加企業が、臨床試験の実施等を経て事業化に成功し、商品の発売に至りました。 また、疲労プロジェクトで創出された製品である「イミダペプチド」は、2015年4月に施行された機能性表示食品制度において届出が受理され、「日常の生活で生じる身体的な疲労感を軽減する」という機能性を表示することができる我が国で初めての製品となりました。 当社グループでは、ヘルスケアプラットフォーム事業において、「イミダペプチド」を中心とした抗疲労機能性素材の研究開発を進めるとともに、OTC医薬品、医薬部外品、漢方薬などのセルフメディケーション関連商品の取扱品目の拡充を図ってまいります。さらに、「プラセンタ」、「ラクトフェリン」、「高機能ペプチド」を利活用した「肌の疲れを科学する」新たな化粧品の研究開発を実施してまいります。こうした研究開発投資を通じて、新製品の創出につなげてまいります。④ 海外展開 当社グループは、日本発のエビデンスと品質を強みとして、中国・ASEAN市場における事業展開を推進してまいります。なお、化粧品事業につきましては中国市場から撤退し、国内市場における主力製品であるプラセンタ製品を中心に展開してまいります。 今後は、現地パートナー企業との協業を進め、各市場のニーズに即した健康補助食品の開発・販売及び現地企業向けOEM事業の拡大を図ってまいります。⑤ 戦略的なM&A及び業務提携等の推進 当社グループは、各事業においてこれまで様々な外部の主体との業務提携等を推進してまいりました。 当社グループでは、今後も、既存事業の事業領域の拡大及び総合ヘルスケアプラットフォームの構築に向けて、医療DXを中心としたヘルスケア事業領域における積極的なM&Aによる事業拡大、総合ヘルスケアプラットフォームにおけるコンテンツの充実のための業務提携等、各事業でのシナジー効果が期待できる企業等との間で戦略的なM&A及び業務提携等を行い、業容の拡大及び経営資源の最適配分等を図る方針であります。⑥ 企業価値向上に向けた財務戦略 当社グループは、資本コストや株価を意識した経営を推進し、2030年6月期にROE8%の達成を目指してまいります。 資本配分につきましては、総合ヘルスケアプラットフォームの構築に向けた研究開発・システム投資及びヘルスケア事業領域におけるM&A等の戦略的な成長投資を優先しつつ、財務の健全性を確保したうえで、株主還元の充実を図ってまいります。 株主還元につきましては、安定配当を基本方針とし、利益成長に応じて配当水準の見直しを実施してまいります。 (4)優先的に対処すべき事業上の課題①ヘルスケアプラットフォーム事業の早期収益化 2027年6月期より本格展開するヘルスケアプラットフォーム事業は、システム基盤の開発や商品・サービスの拡充に先行投資を要する事業であり、早期に顧客基盤を拡大し収益化を図ることが重要な課題であると認識しております。当社グループは、日本予防医薬㈱が運営するECサイトの既存顧客に加え、法人ヘルスケアサポート事業を通じて接点を有する健康保険組合の保健事業対象者及び企業の従業員を当該プラットフォームへ送客する導線を強化してまいります。また、会員数、購入顧客数、継続利用率等の指標を継続的にモニタリングし、投資の優先順位付けと規律ある投資判断を行ってまいります。 ②既存事業の収益基盤の強化 生体評価システム事業におきましては、機能性表示食品制度の見直しにより、エビデンスの質及び試験の信頼性に対する要請が一層高まっております。当社グループは、大学発のバイオマーカー技術と長年の受託試験の実績を活かし、信頼性の高い臨床試験及び届出支援の体制を強化することで、受託の拡大を図ってまいります。 法人ヘルスケアサポート事業におきましては、第4期特定健康診査・特定保健指導においてアウトカム評価が導入されたことを踏まえ、成果に結びつく保健指導プログラムの開発・提供を進めてまいります。また、特定保健指導の受託等において重要な事業基盤である医療機関ネットワークの拡充に加え、これを効率的に運用するためのインフラの整備を進めてまいります。 ③関連法令・規制への対応 ヘルスケアプラットフォーム事業では、健康補助食品・化粧品、OTC医薬品・漢方薬、郵送検査等のセルフメディケーション商品の販売に加え、オンライン診療、オンライン薬局、セカンドオピニオンサービス等の治療領域までサービスを提供することから、医療法、医薬品医療機器等法、健康増進法、景品表示法、食品表示法等の関連法令・規制への適合が不可欠であります。当社グループは、薬事・広告表現の審査体制の整備、管理薬剤師等の必要な人員の確保、法令改正の動向の継続的な把握を通じて、今後の法令等の改正への対応も含め、法令遵守体制を強化してまいります。 ④知的財産権への対応 当社グループでは、研究開発の成果として生ずる成分や製品等について、大学研究者等との共同又は当社グループ単独にて特許権その他の知的財産権を取得することにより、その権利の確保を図っております。また、当社グループの事業に必要な大学研究成果が当社グループ以外で利用されることを防ぐため、当該研究成果について、一定の対価を支払う代わりにその特許を受ける権利の一部を譲り受け、発明者と当社の共同で特許を出願することも行っております。さらに、国内外ともに、当社グループが有する独自性の高い製品の模倣品による被害を防ぐため、商標登録、意匠登録等を適切に行い、権利保全を図る必要があります。以上のことから、当社グループは、引き続き知的財産権を戦略的に取得又は活用してまいります。 ⑤人材の確保及び組織体制の強化 新規事業であるヘルスケアプラットフォーム事業を構築し、当社グループの成長を加速しつつ持続的な成長を維持するためには、事業環境の変化に適応する組織体制の強化が重要であると考えております。そのため、医療DX、EC運営、薬事等の専門人材の確保・育成を進めてまいります。また、M&A実施後の統合プロセス(PMI)を適切に推進し、グループ全体のガバナンス及び内部管理体制を強化することで、ヘルスケアプラットフォーム事業の安定的な運営及びM&A等による当社グループの拡大を支える強固な経営基盤を構築してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①経営成績の状況 当連結会計年度の我が国の経済は、雇用・所得環境の改善や政策効果を背景に、個人消費、設備投資、輸出に持ち直しの動きがみられ、景気は総じて緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、物価は緩やかな上昇が続き、家計の実質購買力に物価上昇の影響がみられるほか、中東情勢、海外経済の不確実性、金融資本市場や為替の変動等が景気の下振れ要因として意識される状況が続きました。 我が国では、高齢化の進展や医療費の増加を背景として、医療の適正化、予防・健康づくりの推進及び保健事業の実効性向上に対する要請が一段と高まっており、科学的根拠に基づく評価・介入を支える社会の「EBM」(Evidence Based Medicine=科学的根拠に基づく医療)の重要性は引き続き高まっております。これに伴い、健康保険組合等におけるデータヘルス計画の推進、共通評価指標や健康スコアリングレポートの活用、事業主との連携によるコラボヘルスの進展など、健康経営を推進する企業を後押しする事業環境の整備が進んでおります。 また、機能性表示食品制度におきましても、届出・運用面の見直しを通じて制度の信頼性向上が図られるなど、科学的根拠の重要性は一層高まっております。さらに、オンライン資格確認、電子処方箋、電子カルテ情報の標準化等を柱とする医療DXの推進は、保健・医療データの利活用基盤の整備を通じて、国民の主体的な健康管理や予防行動を促進する環境を形成しております。 このような事業環境のもと、当社グループでは、大学発のバイオマーカー技術に基づくエビデンスの構築と活用に関する実績やノウハウ、医学界や医療界における幅広いネットワーク等を活かし、医療DXの活用と予防から治療まで様々なヘルスケア関連サービス等の提供を行い、セルフメディケーション社会の構築に寄与することで、事業の拡大を図っていく方針であります。 セグメントの業績は、次のとおりであります。(生体評価システム) 生体評価システム事業のうち評価試験事業におきましては、食品の有効性及び安全性に関する臨床評価試験の受託手数料等215百万円(前期比11.2%減)の売上計上を行いました。また、受注状況につきましては、受注高223百万円(前期比38.6%減)、当連結会計年度末の受注残高は338百万円(前期末比2.3%増)となりました。 この結果、生体評価システム事業の業績は、売上高215百万円(前期比11.2%減)、営業利益15百万円(前期比75.0%増)となりました。(ヘルスケアサポート) ヘルスケアサポート事業は、特定保健指導の受託を中心として、企業における社員の健康管理・増進のニーズや個人の健康意識の高まり等に関連した様々なサービスを健康保険組合等に提供する事業であり、生活習慣病の専門医から成る組織である一般社団法人専門医ヘルスケアネットワークと共同で事業展開しております。 当連結会計年度におきましては、特定保健指導、被扶養者を対象とした特定健康診査のサポート、糖尿病の重症化予防サービス、レセプト解析の受託手数料等の安定した受注基盤を維持しつつ、新規受注先からの契約が着実に増加し、786百万円(前期比14.3%増)の売上計上を行いました。 また、受注状況につきましては、受注高786百万円(前期比14.3%増)、当連結会計年度末の受注残高はありませんでした(前期末はなし)。なお、この事業の受注高は、主に特定保健指導の実績等に応じて事後的に決まるものでありますので、契約締結時点ではなく、当該実績等が確定した時点で計上しております。 この結果、ヘルスケアサポート事業の業績は、売上高786百万円(前期比14.3%増)、営業利益160百万円(前期比50.0%増)となりました。(化粧品) 化粧品事業におきましては、2025年8月18日の「子会社である株式会社ビービーラボラトリーズ事業活動終了の方針決定及び商標権の譲渡に関するお知らせ」で公表いたしましたとおり、㈱ビービーラボラトリーズは中国市場から撤退し、国内基盤の主力製品であるプラセンタ製品に関する化粧品事業は、2026年3月1日をもちまして、連結子会社である日本予防医薬㈱へ譲渡いたしました。その後、㈱ビービーラボラトリーズは2026年3月末日をもちまして事業活動を終了いたしました。 当連結会計年度におきましては、通信販売部門の売上高は、104百万円(前期比19.6%減)、卸売部門の売上高は、778百万円(前期比43.4%減)となりました。また、事業活動終了の影響により、人件費・広告宣伝費及び販売促進費等の抑制が進みました。 この結果、化粧品事業の業績は、売上高882百万円(前期比41.4%減)、営業利益48百万円(前期比79.0%増)となりました。 (健康補助食品) 健康補助食品事業におきましては、2009年3月より、「疲労定量化及び抗疲労食薬開発プロジェクト」から生まれた製品である「イミダペプチド」を販売しており、主力の飲料のほか、ソフトカプセル、錠剤等の多種多様な商品ラインナップを有しております。 当連結会計年度におきましては、利益最大化を目的として、継続的な購入顧客にターゲットを絞った広告宣伝及び販売促進へと集客方針を転換したことに伴い、売上高は、前期との比較で減収となりましたが、利益率の高い商品へのアップセル施策を強化したことや、広告宣伝費及び販売促進費の効率化により、営業利益率は大幅に改善しました。 この結果、健康補助食品事業の業績は、売上高1,688百万円(前期比20.7%減)、営業利益328百万円(前期比260.2%増)となりました。(機能性素材開発) 機能性素材開発事業におきましては、2026年4月1日付で事業を展開していた㈱NRLファーマを日本予防医薬㈱に吸収合併いたしました。現在は同社において、ラクトフェリンをはじめとする機能性素材の開発、販売及び技術供与等を行っており、ラクトフェリン原料の販売、ラクトフェリン等を配合した健康補助食品のOEM供給等による売上を計上しております。 当連結会計年度におきましては、既存のOEM商品の売上やフェムテック関連の受注が堅調に推移したこと等から、売上高は前期との比較で増収となり、かつ、構造改革による固定費の削減により、営業利益率は大幅に改善しました。 この結果、機能性素材開発事業の業績は、売上高296百万円(前期比5.1%増)、営業利益32百万円(前期は28百万円の営業損失)となりました。 これらに加えまして、セグメント間取引の消去や全社費用による営業損失は309百万円(前期は342百万円の営業損失)となりましたので、当連結会計年度の連結売上高は3,871百万円(前期比20.2%減)、連結営業利益は275百万円(前期は137百万円の連結営業損失)、連結経常利益は287百万円(前期は129百万円の連結経常損失)となりました。 また、特別利益として㈱ビービーラボラトリーズの事業終了に伴う商標権譲渡益96百万円、特別損失として構造改革の取り組みに係る事業再編損144百万円、関東事業所の統合に係る事業所整理損失8百万円等を計上したことにより、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は230百万円(前期は220百万円の税金等調整前当期純損失)となりました。 これらの結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は212百万円(前期は210百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。 ②財政状態の状況(資産) 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて39百万円増加(0.6%増)し、6,851百万円となりました。これは主に、原材料及び貯蔵品が193百万円、商品が181百万円それぞれ減少したものの、現金及び預金が394百万円、仕掛品が115百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。(負債) 当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて32百万円減少(4.2%減)し、742百万円となりました。これは主に、契約負債が146百万円、未払法人税等が24百万円増加したものの、買掛金が155百万円、株主優待引当金が21百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。(純資産) 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて71百万円増加(1.2%増)し、6,109百万円となりました。これは主に、配当金の支払いにより利益剰余金が130百万円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益を212百万円計上したこと等によるものであります。 ③キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ394百万円増加(前期は168百万円の増加)し、当連結会計年度末には5,352百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は、415百万円(前連結会計年度は557百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益230百万円の計上、棚卸資産の減少額259百万円、契約負債の増加額146百万円によるものでありますが、仕入債務の減少額155百万円等により一部相殺されております。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果得られた資金は、119百万円(前連結会計年度に使用した資金は389百万円)となりました。これは主に、商標権譲渡による収入96百万円、差入保証金の回収による収入65百万円によるものでありますが、有形固定資産の取得による支出37百万円等により一部相殺されております。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は、139百万円(前連結会計年度に使用した資金は0百万円)となりました。これは配当金の支払額129百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出9百万円によるものであります。 ④生産、受注及び販売の実績a. 生産実績 当社グループは、サービスの提供にあたり、製品の生産を行っていないため、生産実績について記載すべき事項はありません。b. 仕入実績当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年7月1日至 2026年6月30日)前年同期比(%)化粧品(千円)362,76948.0健康補助食品(千円)512,37477.1機能性素材開発(千円)139,06978.6合計(千円)1,014,21363.5 (注)1.生体評価システム及びヘルスケアサポートでは商品を取り扱っていないため、仕入実績は記載しておりません。2.当連結会計年度において、仕入実績に著しい変動がありました。これは、化粧品セグメントにおいて、㈱ビービーラボラトリーズが、2026年3月31日付で事業活動を終了したためであります。c. 受注実績当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)生体評価システム223,01661.4338,915102.3 評価試験223,01661.4338,915102.3 バイオマーカー開発----ヘルスケアサポート786,731114.3--合計1,009,74896.1338,915102.3 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.上記の金額は、契約締結日を基準として集計しております。 d. 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年7月1日至 2026年6月30日)前年同期比(%)生体評価システム(千円)215,26888.8 評価試験(千円)215,26888.8 バイオマーカー開発(千円)--ヘルスケアサポート(千円)786,731114.3化粧品(千円)882,68558.6健康補助食品(千円)1,688,18679.3機能性素材開発(千円)296,986105.1 報告セグメント計(千円)3,869,85879.8調整額(千円)1,500100.0合計(千円)3,871,35879.8 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、化粧品セグメントにおいて、㈱ビービーラボラトリーズが、2026年3月31日付で事業活動を終了したためであります。3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2024年7月1日至 2025年6月30日)当連結会計年度(自 2025年7月1日至 2026年6月30日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)高浪控股股份有限公司1,072,67322.1657,12517.0 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a. 財政状態当連結会計年度末の財政状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載の通りであります。b. 経営成績 当連結会計年度の経営成績は、売上高3,871百万円、営業利益275百万円、経常利益287百万円、親会社株主に帰属する当期純利益212百万円となりました。当連結会計年度における経営成績の分析は以下のとおりであります。 売上高の主な内訳は、生体評価システム事業が215百万円(前期比11.2%減)、ヘルスケアサポート事業が786百万円(前期比14.3%増)、化粧品事業が882百万円(前期比41.4%減)、健康補助食品事業が1,688百万円(前期比20.7%減)、機能性素材開発事業が296百万円(前期比5.1%増)となっております。化粧品事業において中国市場からの撤退及び㈱ビービーラボラトリーズの事業活動終了により、全社合計では前期比20.2%の減収となりました。 販売費及び一般管理費は1,590百万円(前期比37.6%減)となり、営業利益は275百万円(前期は137百万円の営業損失)となりました。販売費及び一般管理費の主な減少要因といたしましては、化粧品事業において㈱ビービーラボラトリーズの事業活動終了の影響により、人件費・広告宣伝費及び販売促進費等の抑制が進んだことや健康補助食品事業において、広告宣伝費及び販売促進費の効率化を図った結果等によるものであります。 特別利益は、㈱ビービーラボラトリーズの事業終了に伴う商標権譲渡益96百万円(前期はなし)を計上した一方、特別損失として構造改革の取り組みに係る事業再編損144百万円、関東事業所の統合に係る事業所整理損失8百万円を計上したこと等により合計では153百万円(前期比68.5%増)となりました。 これらのことから、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は212百万円(前期は210百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。 ②経営成績に重要な影響を与える要因について 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載の通りであります。③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a. キャッシュ・フローの状況の分析 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。b. 資本の財源及び資金の流動性 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品及び原材料の仕入、外注費などの製造費用のほか、人件費、物流費、研究開発費、広告宣伝費等を中心とする販売費及び一般管理費等の支出によるものであります。これらの資金需要につきましては、全て自己資金にて対応しており、外部からの有利子負債残高はありません。 当社グループが持続的に成長するために必要な運転資金及び設備投資資金等については、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、内部留保資金から充当することとしています。 なお、現在の現金及び現金同等物の残高、営業活動から得る現金及び現金同等物の水準については、当面事業を継続していくうえで十分な流動性を確保しているものと考えております。 ④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

事業リスク

  • 評価試験事業の動向
    評価試験事業は、食品・製薬企業による特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品の新規開発に依存しています。一般的な健康表示のトクホ開発が一巡したことで、新規案件が減少傾向にあり、今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。
  • 研究開発の不確実性
    バイオマーカーや生体評価システム、独自商品の研究開発には多額の費用と時間がかかりますが、事業化や期待通りの収益が得られる保証はありません。また、大学からの研究成果提供が滞ったり、対価が高騰したりするリスクも存在します。
  • 主要人物への依存
    代表取締役社長の角田真佐夫氏と創業者である取締役の梶本修身氏が、事業戦略や学術ネットワーク構築において中心的な役割を担っています。もし彼らの業務遂行が困難になった場合、同社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|6,577 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループは、これらのリスクの存在を認識した上で、その発生を未然に防ぎ、かつ、万が一発生した場合でも適切に対処するよう努める所存でありますが、当社株式への投資判断は、本項及び本資料中の本項以外の記載も併せまして、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1) 評価試験事業について 評価試験事業の受注は食品・製薬企業等におけるトクホや機能性表示食品等の新規開発が前提となりますが、昨今、血圧や血糖値等といった一般的な健康表示のトクホの開発が一巡したこと等を背景として、新規の開発案件が減少する傾向が続いております。もともとトクホや機能性表示食品等を開発できるほどの開発力や資金力等のある企業の数も多いとは言えず、そのような企業の経営環境、経営方針、事業戦略、予算等の動向により、今後とも現在のような傾向が続き、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(2) 研究開発について 当社グループは、身体や病気の状態を客観的かつ定量的に評価するための指標であるバイオマーカーとそれを利用した生体評価システムを開発し、従来は適正な評価方法が存在しなかったために開発が不可能であった病態や疾病等に関して、新たな特定保健用食品や機能性表示食品等を世に送り出すことを目指しており、疲労プロジェクトを始め、「評価システムの確立による新たな食薬市場等の開拓」というビジネスを様々な病態等をターゲットとして展開しております。また、当社グループにおいては、バイオマーカー及びそのバイオマーカーを利用した生体評価システムの開発に留まらず、当社グループ独自の食品、化粧品、機能性素材等の新規開発にも取り組んでおります。このような研究開発には相当の費用と時間を費やすことになりますが、必ずしも事業化に成功する保証はなく、また仮に事業化に成功した場合でも、期待どおりの収益が得られる保証はありません。ターゲットとする分野の設定、商品の企画及び研究開発費用の支出には、その採算性に十分注意を払いますが、事業の多様化や研究領域の拡大を背景として、今後、研究開発費用が増加する可能性があり、それにより当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 加えて、当社グループでは、消費者・生活者のニーズを実現するために必要な大学発研究成果を収集し、選択的に利用するという形態にて研究開発活動を行っておりますが、何らかの原因により必要な研究成果について当社グループへの提供が受けられない場合や、不可欠な研究成果について過大な対価を求められた場合等には、当社グループの事業運営に悪影響が生ずるおそれがあります。(3) 知的財産権について 開発したバイオマーカー及び生体評価システム並びにそれらにより開発された成分や製品等について、その権利を保全するため、特許権その他の知的財産権を確保することは極めて重要であると考えられます。また、当社グループでは、当社グループの事業に必要と考えられる大学研究者の発明について、その特許を受ける権利の一部を譲り受け、共同で特許出願することにより、当該発明が当社グループ以外で実用化されないようにしております。 当社グループは、今後も、知的財産権を戦略的に取得又は活用していく方針でありますが、特許等を申請した全ての研究成果について必ずしもその権利を取得できるとは限りません。また、より優れた研究成果が当社グループ以外で生まれた場合には、当社グループの研究成果が淘汰される可能性があります。(4) 代表取締役社長の角田真佐夫について 当社の代表取締役社長の角田真佐夫は、医療機器・医薬品販売を事業とするバイオテック会社を経て当社グループに入社し、ヘルスケアサポート事業を新規に立ち上げ、多数の特許を保有する機能性素材の研究開発を行う機能性素材開発事業の事業責任者も兼務し、2024年9月に代表取締役社長に就任いたしました。 当社グループは、構造改革及びヘルスケア事業を中核とした事業ポートフォリオの再編を推進するとともに、中長期的な成長基盤の構築に向け、医療DXを活用した総合ヘルスケアプラットフォームの構築に取り組んでおります。同取締役は、このような当社グループの経営及び事業運営全般において中心的な役割を果たしているため、何らかの理由により同取締役の当社業務の遂行が困難となった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績等に重大な影響を与える可能性があります。(5) 大学との関係について 当社グループは大学の研究成果を導入することによって事業を行っておりますので、大学との関係が重要な事業基盤となりますが、この点について以下のようなリスクがあると考えております。 国立大学の独立行政法人化の根拠法となる国立大学法人化法や、公務員である大学の研究者が適用を受ける国家公務員法、地方公務員法、人事院規則等の改廃、又は関係当局の運用の変化等の影響を受ける可能性があります。また、国公立大学の独立行政法人化にともない、大学が生み出す知的財産等の取り扱いの変化、研究の委託や研究成果の提供の対価についての見直し等、今後、民間企業と大学との関係に変化が生じる可能性があり、当社グループの事業にも影響を与えるおそれがあります。 当社グループは、大学研究者に対して、寄付金の形態で当社グループにとって有用と思われる研究について資金供与を行うことがありますが、形式上は寄付金であることから、研究成果として生まれたものに関して、必ずしも当社グループが利益を享受できないおそれがあります。(6) 組織体制の最適化について 当社グループの事業におきましては、医学及び薬学等の分野での専門性の高い人材の配置が不可欠であり、また、事業の多様化や拡大に対応してマーケティング、国内外営業、国際業務、M&Aの実行、内部管理等の幅広い人材の配置を最適化させる必要があります。当社グループでは、効率的な事業運営体制の構築を目的として、人材配置の最適化を図る方針であります。しかしながら、人材配置の最適化が計画通りに進まない場合には、当社グループの業務及び事業運営に支障をきたすおそれがあります。(7) 訴訟リスクについて 当社グループは、バイオマーカー等に関する研究開発及びその事業化を推進しておりますが、他社が当社グループと同様の研究開発を行っている可能性も皆無ではないため、他社の知的財産権を侵害し、その結果訴えを提起されることがないとはいえません。その場合は当社グループの事業戦略及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。当社グループとしましても、そのような事態を未然に防止するため、事業展開にあたっては特許事務所等を通じた特許調査を実施しており、当社グループの特許が他社の特許に抵触しているという事実は認識しておりません。しかしながら、当社グループのような研究開発型企業にとって、知的財産権侵害の発生を完全に回避することは困難であります。(8) 配当政策について 当社グループは株主に対する利益還元を経営上の最重要課題の一つと位置づけており、将来の研究開発活動や事業基盤の拡充、業務体制の強化等のための内部留保充実の必要性等を総合的に勘案しつつ、安定的な配当を通じて、株主への利益還元を図りたいと考えておりますが、業績動向等によっては減配や無配となる可能性があります。(9) 化粧品製造販売について 当社グループでは、連結子会社の㈱ビービーラボラトリーズが2026年3月末日まで化粧品事業を行っており、同社の事業活動終了に伴い、プラセンタ製品に関する化粧品事業を同じく連結子会社の日本予防医薬㈱が日本国内において行っております。当該事業には次のようなリスクがあります。① 運転資金の増加 化粧品製造販売においては、販売に先立って、原材料の購入や製品製造外注委託費の支払等が発生するため、販売代金の回収までの期間についての運転資金が必要になり、当社グループの運転資金が増加することとなります。② 与信リスク 化粧品製造販売における販売先は、個人顧客への通信販売及び卸先への卸売上に大別されますが、これらの販売チャネルの何れの場合にも、販売代金の回収不能という事態が起こり得ます。当社グループでは、卸売上先については、信用調査会社の活用や、また特に海外あるいは大口の取引先からの受注に対しては、前金対応を図る等して与信リスク回避に努めている一方で、相当の貸倒引当金を計上し貸倒れの発生に備えておりますが、当該貸倒引当金の額を上回る貸倒れが発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があります。③ 在庫リスク 化粧品製造販売においては、原材料の発注及び製品製造外注委託について、市場の需要動向や商品在庫状況等を勘案した上での見込み発注を行っております。そのため、常に販売計画等とその実績との乖離要因を把握し、適正在庫の維持に努めておりますが、競合他社との競争激化、消費者の需要の動向等の要因により販売計画と実績との乖離が顕著に発生した場合には、結果として商品在庫の陳腐化等により商品評価損を計上する可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があります。(10) 健康補助食品販売について 当社グループでは、主に日本予防医薬㈱が健康補助食品の通信販売等を行っており、当社グループが有するバイオマーカー技術、食薬開発にかかるノウハウや経験等を活かした独自性ある健康補助食品を開発し、販売しております。現在は、疲労プロジェクトから生まれた製品である「イミダペプチド」の飲料及びソフトカプセルを主力製品とし、通信販売による直販及びドラッグストア等への卸売りを展開しております。健康補助食品販売も、基本的な事業構造は化粧品製造販売と類似していることから、上記(9)と同様に運転資金の増加に関するリスク、与信リスク、在庫リスクを抱えております。 「イミダペプチド」につきましては、主に広告宣伝費を投下して通信販売の顧客を獲得することによって販売の増加を図っており、現状、定期顧客数も安定的に推移しておりますが、競合他社との競争激化、消費者の需要の動向等の要因により、想定通りに顧客獲得が進まない場合は、当該事業の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、「イミダペプチド」は主成分を鶏むね肉から抽出しており、原料となる鶏むね肉の仕入価格が大幅に高騰する状況や鶏むね肉の供給が不足する状況が生じた場合、製造原価が増加することによって今後の当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 健康補助食品販売は今後「ヘルスケアプラットフォーム事業」へと統合し当社の強みである抗疲労成分「イミダペプチド」を中心に、OTC 医薬品、医薬部外品、漢方薬などセルフメディケーション関連の新商品を順次投入し、製品ポートフォリオの多角化を企図しており、これらの商品開発が想定どおりに進捗しなかった場合、同事業の業績が悪化するおそれがあります。 加えて、日本予防医薬㈱は、中国をはじめとするアジア市場において、市場のニーズに即した新たな健康補助食品の開発を行い、中国及びアジア市場での健康補助食品事業の販路拡大を図ってまいります。これらの海外販売においては、現地の法規制や行政当局の運用、商慣習等が国内とは異なるほか、顧客の信用力等の情報収集にも限界があることから、不測の損害が発生したり、期待通りの業績が計上できないおそれがあります。(11) 法人ヘルスケアサポート事業について ㈱総合医科学研究所が行う法人ヘルスケアサポート事業は、当社グループの有する医療機関ネットワークを活用し、各種健康診断や特定保健指導に関する業務受託、主に被扶養者を対象とする特定健康診査の受診勧奨サポート、糖尿病の重症化予防サービス等、健康保険組合等が行う疾病予防及び健康管理への様々な取り組みを支援するサービスを提供する事業であります。当該事業には次のようなリスクがあります。① 関連法令等について 法人ヘルスケアサポート事業におけるサービスには、特定健康診査及び特定保健指導の根拠法令である「後期高齢者の医療の確保に関する法律」、定期健康診断の根拠法令である「労働安全衛生法」等、関連法令等の適用を受けるものがあります。このため、これらの関連法令等の改廃が行われた場合には、当該事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。② 受注高について 法人ヘルスケアサポート事業の受注高は特定保健指導等の対象者の受診実績に応じて事後的に決まることから、当該事業の受注高は、契約締結時点ではなく受診実績が確定した時点で計上しております。受診は対象者の意思に依存するため、受注済の業務であっても受注高を正確に予想することは困難であり、また、結果として受診率が伸びない場合には当該事業の業績に悪影響を及ぼすことになります。(12) OEM/機能性素材開発について 日本予防医薬㈱が行うOEM/機能性素材開発は、ラクトフェリンを中心とした機能性素材の開発、販売及び技術供与等を行っております。当該事業には次のようなリスクがあります。① ラクトフェリンの価格変動について ラクトフェリンの原料を仕入れ、粉砕加工等を行った上で、健康補助食品等の機能性素材として販売しております。このため、ラクトフェリンの原料の仕入価格や機能性素材の販売価格の変動が、当該事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。② 為替変動について ラクトフェリンの原料の仕入は外国の企業から行っており、外貨建で決済しております。為替リスクにつきましては、為替予約といったデリバティブ取引により軽減を図っておりますが、為替市場の動向が当該事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。③ 研究開発費について ラクトフェリンをはじめとする機能性素材について、新規開発、加工及び用途等に関する研究を行っており、研究開発費を投下しております。研究開発費の投下につきましては、当社グループ全体の業績計画と整合する範囲内で行うこととしておりますが、研究開発費が増加した場合には、当該事業の業績に悪影響が生じる可能性があります。(13) 新規事業について 当社グループは、「エビデンス」を基盤としたヘルスケア事業を中核に据え、予防から治療までを一気通貫でサポートする「総合ヘルスケアプラットフォーム」の構築を進めております。本プラットフォームでは、セルフメディケーション商品の販売に加え、郵送検査、OTC医薬品・漢方薬、オンライン診療・オンライン薬局等のサービスを順次提供する予定です。これらの新規事業の推進にあたり、会員の獲得やサービスの利用が計画どおりに進まない場合、医薬品の販売やオンライン診療等に関する法規制が変更された場合、提携医療機関等との連携に支障が生じた場合、又は健康情報等の個人情報の管理に支障が生じた場合には、期待した成果が得られず、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。(14) 企業買収等について 当社グループは、既存事業の拡大及び総合ヘルスケアプラットフォームの構築に向けて、ヘルスケア事業領域において企業買収や資本提携を積極的に取り組む方針としております。企業買収や資本提携に際しては、対象企業の財務内容等について詳細な事前調査及び監査を行い、リスクを把握したうえで決定しますが、事業環境等の変化等により、当初想定した効果が得られない場合には、のれんの減損損失の計上等、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

このページのバフェット流コメンタリーは順次自動生成中です。生成されると、ここに「数値の読み解き方」「同業比較」「投資判断のポイント」を表示します。

もっと深く分析したい?

モート先生 AI が 総医研ホールディングス の事業を 4 賢人の理論で詳しく解説します

モート先生に聞く →