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ファーマライズホールディングス(2796)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

小売業 小売

事業の概要

  • 持株会社体制
    ファーマライズホールディングスは、新設分割により持株会社となり、グループ全体の経営戦略を統括しています。これにより、各事業会社が専門性を高めつつ、グループ全体としての効率的な運営と成長を目指しています。
  • 調剤薬局事業が主力
    グループの中核をなすのは調剤薬局事業で、医療機関からの処方箋に基づき医薬品を調剤し、患者に提供しています。ファーマライズ株式会社をはじめとする複数の連結子会社がこの事業を担い、安定的な収益基盤を築いています。
  • 多角的な周辺事業
    調剤薬局事業の他にも、化粧品販売やコンビニ・ドラッグストア運営の物販事業、病院のカルテなどを保管する医学資料保管・管理事業、医療モール経営、さらにはシステム開発や人材派遣、介護サービスなど多岐にわたる事業を展開し、収益機会の拡大を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 調剤薬局事業
    売上高526.25億円、営業利益5.78億円と、グループの売上および利益の大部分を占める基幹事業です。医療機関からの処方箋に基づき医薬品を調剤し、患者に提供することで安定した収益を上げています。
  • 化粧品・ドラッグストア・コンビニ事業
    売上高86.96億円、営業利益は-0.44億円と赤字ですが、化粧品販売やコンビニエンスストア、ドラッグストアの運営を行っています。調剤薬局とのシナジー効果を追求し、顧客の利便性向上と収益改善を目指しています。
  • 医学資料保管・管理事業
    売上高6.09億円、営業利益0.51億円と堅調な事業です。病院の紙カルテやレントゲンフィルムなどの保管・管理サービスを提供しており、病院の業務効率化や震災対応ニーズに応えることで、安定した収益を確保しています。
2025-05 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
DispensingPharmacy 事業 526 6 1.1%
CosmeticDrugAndConvenienceStore 事業 87 -0 -0.5%
CustodyOfMedicalDocuments 地域 6 1 8.4%
MedicalMall 事業 5 1 20.2%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,063 文字
3 【事業の内容】当社(ファーマライズホールディングス株式会社)は平成21年6月1日付で新設型会社分割を行い、調剤薬局事業を新設子会社のファーマライズ株式会社が承継することで、当社は持株会社となりました。現在の当社グループは、持株会社である当社を中心に、連結子会社14社で構成されております。なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。それぞれの事業内容は以下のとおりであります。(調剤薬局事業)調剤薬局事業は、ファーマライズ株式会社、株式会社ケミスト、株式会社ヘルシーワーク、北海道ファーマライズ株式会社、GOOD AID株式会社、next PH株式会社、大洋薬品株式会社、及び有限会社平成薬品による、医療機関の発行する処方せんに基づき一般患者に医薬品の調剤を行う調剤薬局の経営事業であります。(物販事業)物販事業の主な内容は、ファーマライズ株式会社による化粧品等販売事業、コンビニエンスストア並びにドラッグストア等の運営事業であります。(医学資料保管・管理事業)医学資料保管・管理事業は、調剤薬局事業の周辺業務として、株式会社寿データバンクが手掛ける紙カルテやレントゲンフィルム等の保管・管理事業であります。同事業は、全国の病院において震災対応や業務効率化のための建替・移転が活発に行われていることから、積極的な営業活動により事業基盤の安定化に努めております。(医療モール経営事業)医療モール経営事業は、ファーマライズ株式会社がJR札幌駅内の「JRタワーオフィスプラザさっぽろ」で運営している医療モールに係る事業です。(その他)その他の事業の主な内容は、①株式会社ミュートスで行っている製薬企業等向けのシステムインテグレーション事業等、②株式会社メディカルフロントで行っている医療関連ITソリューション事業等、③株式会社レイケアセンターによる人材派遣事業、④株式会社ウィークによる有料職業紹介事業、⑤GOOD AID株式会社等によるデイサービス・訪問看護・有料老人ホーム事業、そして新たに⑥株式会社三幸メディカルによる医薬品卸売事業が加わりました。当社グループでは、これらの物販事業、医学資料保管・管理事業、医療モール経営事業及びその他の事業につきましても、調剤薬局のシナジー事業として収益機会の拡大に向けて鋭意取り組んでおります。 (事業系統図)

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
調剤売上は健康保険法で定められた薬価基準と調剤報酬の点数による公定価格。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
調剤薬局事業は薬局開設許可や保険薬局指定、薬剤師の配置義務など法規制が多い。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:調剤薬局事業・物販事業の法規制 / 医療制度の改定 / 薬価基準の改定
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

ファーマライズホールディングスは、特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPを保有しているという公開情報は見当たらない。ドラッグストア事業が中心であり、差別化要因は限定的。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

処方箋薬の受け取りにおいては、かかりつけ薬局としての利便性や信頼関係が一定のスイッチング・コストを生む可能性がある。しかし、一般用医薬品や化粧品などでは、価格や利便性で容易に乗り換えられる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の事業モデルにおいて、ユーザー数の増加がサービス価値を向上させるネットワーク効果は存在しない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

ドラッグストア業界は競争が激しく、規模の経済によるコスト優位を追求している企業が多い。ファーマライズも一定の規模を持つが、他社と比較して際立ったコスト優位性を示す具体的な情報は確認できない。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

全国に多数の店舗を展開しており、一定の規模を持つ。これにより、仕入れや物流において効率化を図っていると考えられるが、業界内での圧倒的なシェアや寡占状態ではない。

  • 調剤薬局の多店舗展開
    ファーマライズグループは、ファーマライズ株式会社など複数の子会社を通じて全国に調剤薬局を展開しており、地域に密着したサービス提供と安定的な収益基盤を構築しています。これにより、広範な患者層へのアクセスと事業規模の拡大を実現しています。
  • 周辺事業とのシナジー
    物販事業、医学資料保管・管理事業、医療モール経営、ITソリューション、人材派遣、介護サービスなど、調剤薬局事業と関連性の高い多様な事業を展開しています。これらの事業は、調剤薬局の顧客基盤やノウハウを活用することで相乗効果を生み出し、グループ全体の収益力向上に貢献しています。
  • 医療制度への適応力
    医療制度の頻繁な改定や薬価基準の見直しに対応するため、グループ全体で情報収集と分析を徹底し、事業運営に迅速に反映させています。これにより、変化する医療環境下でも安定した事業継続と成長を目指す体制を構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社の主たる事業である調剤薬局業界において、薬物療法のプロとしての指針は、「パーフェクト(完璧)」であります。このことから当社の社是は「パーフェクト(完璧)」とし、これを当社の基本方針としております。次に掲げる経営理念をこの基本方針をもって、実践しております。・社会的責任医療に携わる企業として、社会的責任を強く認識し、「Perfect」を目指して積極的に活動していきます。・サステナブルな未来へSDGsの取り組みを重要視し、全社員、ステークホルダーと対話を深めながら、サステナブルな未来へ向かっていきます。・心を込めたホスピタリティー一人ひとりが、信頼と安心を感じられるよう、知識、専門性、経験とノウハウを生かし対応していきます。 (2) 経営環境に対する認識当社グループの主たる事業活動の場である調剤薬局業界におきましては、わが国の高齢者人口の増加にともない、国民医療費は増加基調にあり、処方せん枚数も増加を続ける見込みであります。一方で、医薬分業率の頭打ち傾向、薬価改定及び後発医薬品利用の促進などにより、市場成長の鈍化が予想されております。また、多数の薬局が混在する現状から、周辺業界からの参入も含めて再編成が進み、寡占化が進行すると想定しております。このような環境下、サステナビリティやデジタルトランスフォーメーションに対する取り組み強化も含めた競争力の増強、経営の効率化及び規模の拡大等、持続的な成長をもたらす経営基盤の構築が重要であると認識しております。 (3) 中長期的な会社の経営戦略令和7年6月25日付で公表しました「中期経営計画~Make a Leap 2027 足場を固め、さらなる飛躍へ~」(以下、本中計)では、新たにミッション・ビジョン・バリューを定義し、グループ全体として「地域の患者に選ばれ信頼される調剤薬局グループ」、「特に高齢者の健康維持・医療・介護ニーズにきちんと寄り添う調剤薬局グループ」を長期的なゴールに掲げ、以下の項目につき、それぞれ成長戦略を設定しました。(調剤薬局事業)①薬剤師のかかりつけとしての機能強化②患者中心の薬局運営の継続③応需処方せん枚数増加に向けた取組の徹底(その他)④M&A対応の高度化⑤調剤薬局事業以外の既存事業の再構築⑥企業としての持続的な成長(サステナビリティ)の推進 本中計策定にあたり、一定の不確実性を帯びるM&Aによる拡大は織り込まず、既存の基盤の成長のみで達成する計画であり、現実的かつ確実性の高い目標であると認識しております。 本中計期間においては、特に新たにグループ入りした会社・店舗のPMI(M&Aの統合プロセス)を早期に完遂させ、利益率や運営効率を引き上げることで、調剤薬局事業を基軸としたさらなる飛躍につなげて行くための足場固めの期間と位置付けております。 (4) 目標とする経営指標本中計の最終年度となる令和10年(2028年)5月期における目標とする経営指標(連結ベース)は以下のとおりです。項目令和10年5月期売上高700億円営業利益16億円当期純利益7億円ROIC注4.5% 注:ROIC(Return On Invested Capital)=税引後営業利益÷投下資本(純資産+有利子負債) (5) 対処すべき課題について① 次なる成長期に向けての足場固め本中計期間においては、当連結会計年度までに実施した大型M&A等によりグループインした会社・店舗の統合プロセスの早期完遂に注力します。横断的な部署間連携により、PMIを推進できる当社の強みを生かして、店舗・本部ともに既存のリソースを使った、オーガニックでの売上・営業利益確保に向けた体制を整備いたします。体制整備を迅速に完了したのち、さらなる規模拡大へつなげてまいります。 ② 変化への対応と質的向上調剤薬局業界は医療法、健康保険法によって調剤技術料、薬価等が定められており、そのために隔年で実施される診療報酬の改定(直近では薬価改定は毎年改定)等の影響を受けます。また社会の変化につれて医療の質も時々刻々変化しており、調剤薬局に対するニーズも今後一層強まっていく半面、競争が激化しております。当社グループは応需処方せん枚数を増加させるために、変化するニーズを適確に捉え、積極的にサービスをそのニーズに反映させていく方針であります。本中計では、店舗スタッフ一人ひとりが患者に寄り添い、地域の健康・医療の窓口となり、地域医療の推進に薬物のプロとして貢献することを基本方針の価値観と改めて定めました。具体的な中期的成長戦略としては、1.教育プログラムを整備し、患者一人ひとりと丁寧に向き合うことができる薬剤師のかかりつけとしての機能を強化すること、2.地域の皆様に必要とされる「相談できる薬局」を構築し、患者中心の薬局運営を継続すること、3.患者満足度(CS)を把握し、満足度のさらなる向上へ取り組みながら、医療機関あるいは介護保険等の施設へのアプローチをすること等、基本的な対応を大事にして推し進めることとしております。またニーズに適切に対応するためには、最新の専門情報の収集・蓄積や薬剤師の質的向上が必要となります。当社グループは従来から学術研究の充実に取り組み、薬局業務に関するテーマについて自主的に研究を重ねるとともに、その成果を共有するための社内学術大会を開催して人材育成に投資してまいりました。また、教育・研修に関する専門部署を設けてリーダー人材育成の研修も実施してレベルアップを図ってまいりました。こうした様々な角度での教育実施を繰り返し行うことにより、質の高いかかりつけ薬剤師の確保につながり、変化への対応が可能になるものと考えております。 ③ リスク管理の徹底イ.調剤過誤への対応調剤薬局は医療機関であり、患者の生命、健康に関わる業務です。特に調剤過誤は、健康を損なうおそれがあり、徹底的に防止することが使命であると認識しております。当社グループでは過誤のリスクに対し、委員会組織を設けてその防止に取り組んでおります。また、現場の店舗では「過誤防止検討会」を開催して、過誤、インシデント(調剤の過程で起こる何らかの間違い)の事例研究を行い、本部では「過誤防止委員会」が、各店の報告に基づいて全社レベルでの状況を把握し、対策を検討した上で対応を指導しております。過誤が発生した場合には、適正かつ迅速に対応するため「調剤過誤判定委員会」が過誤のレベルを判定し、重大な過誤が発生した場合には、「過誤対策委員会」が組織的かつ迅速に対応を決定し指示しております。このように当社グループでは調剤過誤を防止するため、現場から本部まで連携の組織を設け、重層的な組織対応で防止に取り組んでおります。 ロ.個人情報保護への対応調剤薬局チェーンは、膨大かつ重要な個人情報を取り扱っております。当社グループは、個人情報を取り扱う従業員や委託先(再委託先を含みます)に対して、適切な監督を行います。その主な内容は、1.個人情報保護方針の策定、2.個人データの取り扱いに係る規律の整備、3.組織的安全管理措置、4.人的安全管理措置、5.物理的安全管理措置、6.技術的安全管理措置です。また、「個人情報保護委員会」を設け、すべての部門に個人情報管理責任者を配置しております。別途、店舗向け研修実施の他、実務レベルでのマニュアルを作成し、現場保管を義務付けております。このマニュアルの実施状況については随時内部監査・統制室が監査を実施し、随時フォローを行っております。その他、全従業員から「個人情報保護に関する誓約書」を徴求して個人情報に対する意識を啓蒙するとともに、入退室管理方法の徹底、情報廃棄方法のルール化等を行い、電子データの管理方法の徹底、暗号化等を行っております。このように当社グループでは個人情報漏洩を防止するため、体系的かつ網羅的に対策を講じ、随時管理の精度向上に努めております。 ④ オペレーションの効率化広範な地域で多店舗展開を営む事業形態にあっては、店舗のオペレーションの効率化は必須の経営課題であり、これをIT化等の投資によって推進できることが、大企業の優位性であります。また規制が多く、収益確保に制約の多い調剤薬局事業においては、オペレーションの効率化が個別の店舗の採算確保の基礎であります。こうした認識のもと、当社グループは店舗における煩雑な業務のオペレーションを常に見直し、効率化すると同時に、業務のIT化等も推進して、店舗の運営コスト低減に努めております。 ⑤ コンプライアンスへの取り組み当社グループでは、コンプライアンスの認識不足に起因する不祥事の発生を根絶するために、コンプライアンス委員会を、そして法律上疑義のある行為等について当社グループの従業員が直接情報提供を行う手段として社内及び社外に内部通報窓口を設置しております。コンプライアンス委員会では、コンプライアンス計画を策定し、役職員に対するコンプライアンス意識の啓蒙・教育活動に徹底的に努めており、内部通報窓口では不祥事根絶へ向けた窓口体制の整備及び相談があった際の迅速な改善行動が取れる体制を整えております。 ⑥ 内部統制システムの強化当社グループにおいて、内部統制システムの構築は最重要事項の1つと認識しております。当社では、内部監査・統制室を設置し、コーポレート・ガバナンスを担う各機関との連携を密にすることで、店舗やグループ企業の拡大にも柔軟に対応できる体制を構築するべく鋭意努めております。 ⑦ 本部業務の効率化とグループ組織構造の見直しによる収益構造の改善わが国では高齢者人口の増加にともない国民医療費は増加傾向にあります。一方で薬価改定や後発医薬品使用促進強化等により、市場成長率の鈍化傾向が予想されております。また処方せん枚数も日数の長期化により単価は上昇しながらも枚数は減少していく傾向です。適切な対策なしでは利益率の漸減傾向は回避できないものと予想しております。このような事業環境下においても適正な利益水準を確保していくために、本部業務オペレーションとグループ組織構造の見直しを進めてまいります。具体的には、子会社各社ごとに行っている管理部門業務の本社集約化、資金管理業務の本社集約化及びシステム化等により、業務効率化、金利の低減化等コスト削減に取り組んでいます。それ以外にも、恒常的な見直しを行いながら対象となる作業の自動化・効率化を図ることにより、コストの削減に取り組んでまいります。またグループ形態を変革し、役割分担やコストの見直しをしていくことで販売管理費の削減に努めてまいります。 ⑧ サステナビリティに対する取り組み当社グループは、薬物療法のプロフェッショナルとして地域医療への積極的な取り組みを通じて地域社会に貢献することを使命としております。そのためにも長期的に成長していくことが不可欠であり、環境・社会・経済などを将来にわたって適切に維持・発展させていくための持続可能性(サステナビリティ)を重視・配慮した経営をしていくべきであると考えております。こうした考えから、令和3年6月に設置したサステナビリティ委員会が中心となり、当社グループにとってのサステナビリティに関するリスクや機会の重要課題(マテリアリティ)を特定し、令和6年12月13日に「マテリアリティKPIの設定に関するお知らせ」にて公表したとおり、各マテリアリティに対する取り組みを具体化したKPIを決定しました。各KPIの進捗状況等につきましては、当社グループのホームページ等で適時性をもって報告してまいります。 ⑨ デジタルトランスフォーメーションに対する取り組みオンライン服薬指導、オンライン資格確認の導入、及び電子処方せんの運用開始など、政府が推進する医療デジタルトランスフォーメーション(以下、「医療DX」)は加速しております。これら医療DXに適応するため、当社のDX推進部とグループ会社のシステム開発会社(株式会社ミュートス及び株式会社メディカルフロント)との連携を強化して、IT技術を活用した働き方の見直しや各部門を一気通貫するシステム運用等、社内業務の効率化に留まらず、デジタルトランスフォーメーションを強化し、次世代薬局の構築に向けた取り組みを進めています。特に、昨今増加しているサイバー攻撃に対応するため、サイバーセキュリティ対策を強化し、安全で信頼性の高いサービスの提供に努めています。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社の主たる事業である調剤薬局業界において、薬物療法のプロとしての指針は、「パーフェクト(完璧)」であります。このことから当社の社是は「パーフェクト(完璧)」とし、これを当社の基本方針としております。次に掲げる経営理念をこの基本方針をもって、実践しております。・社会的責任医療に携わる企業として、社会的責任を強く認識し、「Perfect」を目指して積極的に活動していきます。・サステナブルな未来へSDGsの取り組みを重要視し、全社員、ステークホルダーと対話を深めながら、サステナブルな未来へ向かっていきます。・心を込めたホスピタリティー一人ひとりが、信頼と安心を感じられるよう、知識、専門性、経験とノウハウを生かし対応していきます。 (2) 経営環境に対する認識当社グループの主たる事業活動の場である調剤薬局業界におきましては、わが国の高齢者人口の増加にともない、国民医療費は増加基調にあり、処方せん枚数も増加を続ける見込みであります。一方で、医薬分業率の頭打ち傾向、薬価改定及び後発医薬品利用の促進などにより、市場成長の鈍化が予想されております。また、多数の薬局が混在する現状から、周辺業界からの参入も含めて再編成が進み、寡占化が進行すると想定しております。このような環境下、サステナビリティやデジタルトランスフォーメーションに対する取り組み強化も含めた競争力の増強、経営の効率化及び規模の拡大等、持続的な成長をもたらす経営基盤の構築が重要であると認識しております。 (3) 中長期的な会社の経営戦略令和7年6月25日付で公表しました「中期経営計画~Make a Leap 2027 足場を固め、さらなる飛躍へ~」(以下、本中計)では、新たにミッション・ビジョン・バリューを定義し、グループ全体として「地域の患者に選ばれ信頼される調剤薬局グループ」、「特に高齢者の健康維持・医療・介護ニーズにきちんと寄り添う調剤薬局グループ」を長期的なゴールに掲げ、以下の項目につき、それぞれ成長戦略を設定しました。(調剤薬局事業)①薬剤師のかかりつけとしての機能強化②患者中心の薬局運営の継続③応需処方せん枚数増加に向けた取組の徹底(その他)④M&A対応の高度化⑤調剤薬局事業以外の既存事業の再構築⑥企業としての持続的な成長(サステナビリティ)の推進 本中計策定にあたり、一定の不確実性を帯びるM&Aによる拡大は織り込まず、既存の基盤の成長のみで達成する計画であり、現実的かつ確実性の高い目標であると認識しております。 本中計期間においては、特に新たにグループ入りした会社・店舗のPMI(M&Aの統合プロセス)を早期に完遂させ、利益率や運営効率を引き上げることで、調剤薬局事業を基軸としたさらなる飛躍につなげて行くための足場固めの期間と位置付けております。 (4) 目標とする経営指標本中計の最終年度となる令和10年(2028年)5月期における目標とする経営指標(連結ベース)は以下のとおりです。項目令和10年5月期売上高700億円営業利益16億円当期純利益7億円ROIC注4.5% 注:ROIC(Return On Invested Capital)=税引後営業利益÷投下資本(純資産+有利子負債) (5) 対処すべき課題について① 次なる成長期に向けての足場固め本中計期間においては、当連結会計年度までに実施した大型M&A等によりグループインした会社・店舗の統合プロセスの早期完遂に注力します。横断的な部署間連携により、PMIを推進できる当社の強みを生かして、店舗・本部ともに既存のリソースを使った、オーガニックでの売上・営業利益確保に向けた体制を整備いたします。体制整備を迅速に完了したのち、さらなる規模拡大へつなげてまいります。 ② 変化への対応と質的向上調剤薬局業界は医療法、健康保険法によって調剤技術料、薬価等が定められており、そのために隔年で実施される診療報酬の改定(直近では薬価改定は毎年改定)等の影響を受けます。また社会の変化につれて医療の質も時々刻々変化しており、調剤薬局に対するニーズも今後一層強まっていく半面、競争が激化しております。当社グループは応需処方せん枚数を増加させるために、変化するニーズを適確に捉え、積極的にサービスをそのニーズに反映させていく方針であります。本中計では、店舗スタッフ一人ひとりが患者に寄り添い、地域の健康・医療の窓口となり、地域医療の推進に薬物のプロとして貢献することを基本方針の価値観と改めて定めました。具体的な中期的成長戦略としては、1.教育プログラムを整備し、患者一人ひとりと丁寧に向き合うことができる薬剤師のかかりつけとしての機能を強化すること、2.地域の皆様に必要とされる「相談できる薬局」を構築し、患者中心の薬局運営を継続すること、3.患者満足度(CS)を把握し、満足度のさらなる向上へ取り組みながら、医療機関あるいは介護保険等の施設へのアプローチをすること等、基本的な対応を大事にして推し進めることとしております。またニーズに適切に対応するためには、最新の専門情報の収集・蓄積や薬剤師の質的向上が必要となります。当社グループは従来から学術研究の充実に取り組み、薬局業務に関するテーマについて自主的に研究を重ねるとともに、その成果を共有するための社内学術大会を開催して人材育成に投資してまいりました。また、教育・研修に関する専門部署を設けてリーダー人材育成の研修も実施してレベルアップを図ってまいりました。こうした様々な角度での教育実施を繰り返し行うことにより、質の高いかかりつけ薬剤師の確保につながり、変化への対応が可能になるものと考えております。 ③ リスク管理の徹底イ.調剤過誤への対応調剤薬局は医療機関であり、患者の生命、健康に関わる業務です。特に調剤過誤は、健康を損なうおそれがあり、徹底的に防止することが使命であると認識しております。当社グループでは過誤のリスクに対し、委員会組織を設けてその防止に取り組んでおります。また、現場の店舗では「過誤防止検討会」を開催して、過誤、インシデント(調剤の過程で起こる何らかの間違い)の事例研究を行い、本部では「過誤防止委員会」が、各店の報告に基づいて全社レベルでの状況を把握し、対策を検討した上で対応を指導しております。過誤が発生した場合には、適正かつ迅速に対応するため「調剤過誤判定委員会」が過誤のレベルを判定し、重大な過誤が発生した場合には、「過誤対策委員会」が組織的かつ迅速に対応を決定し指示しております。このように当社グループでは調剤過誤を防止するため、現場から本部まで連携の組織を設け、重層的な組織対応で防止に取り組んでおります。 ロ.個人情報保護への対応調剤薬局チェーンは、膨大かつ重要な個人情報を取り扱っております。当社グループは、個人情報を取り扱う従業員や委託先(再委託先を含みます)に対して、適切な監督を行います。その主な内容は、1.個人情報保護方針の策定、2.個人データの取り扱いに係る規律の整備、3.組織的安全管理措置、4.人的安全管理措置、5.物理的安全管理措置、6.技術的安全管理措置です。また、「個人情報保護委員会」を設け、すべての部門に個人情報管理責任者を配置しております。別途、店舗向け研修実施の他、実務レベルでのマニュアルを作成し、現場保管を義務付けております。このマニュアルの実施状況については随時内部監査・統制室が監査を実施し、随時フォローを行っております。その他、全従業員から「個人情報保護に関する誓約書」を徴求して個人情報に対する意識を啓蒙するとともに、入退室管理方法の徹底、情報廃棄方法のルール化等を行い、電子データの管理方法の徹底、暗号化等を行っております。このように当社グループでは個人情報漏洩を防止するため、体系的かつ網羅的に対策を講じ、随時管理の精度向上に努めております。 ④ オペレーションの効率化広範な地域で多店舗展開を営む事業形態にあっては、店舗のオペレーションの効率化は必須の経営課題であり、これをIT化等の投資によって推進できることが、大企業の優位性であります。また規制が多く、収益確保に制約の多い調剤薬局事業においては、オペレーションの効率化が個別の店舗の採算確保の基礎であります。こうした認識のもと、当社グループは店舗における煩雑な業務のオペレーションを常に見直し、効率化すると同時に、業務のIT化等も推進して、店舗の運営コスト低減に努めております。 ⑤ コンプライアンスへの取り組み当社グループでは、コンプライアンスの認識不足に起因する不祥事の発生を根絶するために、コンプライアンス委員会を、そして法律上疑義のある行為等について当社グループの従業員が直接情報提供を行う手段として社内及び社外に内部通報窓口を設置しております。コンプライアンス委員会では、コンプライアンス計画を策定し、役職員に対するコンプライアンス意識の啓蒙・教育活動に徹底的に努めており、内部通報窓口では不祥事根絶へ向けた窓口体制の整備及び相談があった際の迅速な改善行動が取れる体制を整えております。 ⑥ 内部統制システムの強化当社グループにおいて、内部統制システムの構築は最重要事項の1つと認識しております。当社では、内部監査・統制室を設置し、コーポレート・ガバナンスを担う各機関との連携を密にすることで、店舗やグループ企業の拡大にも柔軟に対応できる体制を構築するべく鋭意努めております。 ⑦ 本部業務の効率化とグループ組織構造の見直しによる収益構造の改善わが国では高齢者人口の増加にともない国民医療費は増加傾向にあります。一方で薬価改定や後発医薬品使用促進強化等により、市場成長率の鈍化傾向が予想されております。また処方せん枚数も日数の長期化により単価は上昇しながらも枚数は減少していく傾向です。適切な対策なしでは利益率の漸減傾向は回避できないものと予想しております。このような事業環境下においても適正な利益水準を確保していくために、本部業務オペレーションとグループ組織構造の見直しを進めてまいります。具体的には、子会社各社ごとに行っている管理部門業務の本社集約化、資金管理業務の本社集約化及びシステム化等により、業務効率化、金利の低減化等コスト削減に取り組んでいます。それ以外にも、恒常的な見直しを行いながら対象となる作業の自動化・効率化を図ることにより、コストの削減に取り組んでまいります。またグループ形態を変革し、役割分担やコストの見直しをしていくことで販売管理費の削減に努めてまいります。 ⑧ サステナビリティに対する取り組み当社グループは、薬物療法のプロフェッショナルとして地域医療への積極的な取り組みを通じて地域社会に貢献することを使命としております。そのためにも長期的に成長していくことが不可欠であり、環境・社会・経済などを将来にわたって適切に維持・発展させていくための持続可能性(サステナビリティ)を重視・配慮した経営をしていくべきであると考えております。こうした考えから、令和3年6月に設置したサステナビリティ委員会が中心となり、当社グループにとってのサステナビリティに関するリスクや機会の重要課題(マテリアリティ)を特定し、令和6年12月13日に「マテリアリティKPIの設定に関するお知らせ」にて公表したとおり、各マテリアリティに対する取り組みを具体化したKPIを決定しました。各KPIの進捗状況等につきましては、当社グループのホームページ等で適時性をもって報告してまいります。 ⑨ デジタルトランスフォーメーションに対する取り組みオンライン服薬指導、オンライン資格確認の導入、及び電子処方せんの運用開始など、政府が推進する医療デジタルトランスフォーメーション(以下、「医療DX」)は加速しております。これら医療DXに適応するため、当社のDX推進部とグループ会社のシステム開発会社(株式会社ミュートス及び株式会社メディカルフロント)との連携を強化して、IT技術を活用した働き方の見直しや各部門を一気通貫するシステム運用等、社内業務の効率化に留まらず、デジタルトランスフォーメーションを強化し、次世代薬局の構築に向けた取り組みを進めています。特に、昨今増加しているサイバー攻撃に対応するため、サイバーセキュリティ対策を強化し、安全で信頼性の高いサービスの提供に努めています。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は以下のとおりであります。① 経営成績等の状況の概要当連結会計年度(令和7年6月1日~令和8年5月31日)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、米国の通商政策や中東情勢の影響による世界的な景気変動リスクに加え、国内の物価上昇への懸念もあり、先行きは不透明な状況が続いております。このような状況のもと、当社グループは令和7年6月25日に本中計を公表いたしました。新たにグループ入りした会社・店舗のPMI(M&A後の統合プロセス)を早期に完遂するとともに、かかりつけ薬剤師・薬局としての機能強化を図り、経営基盤の強化に取り組んでおります。また、コア事業である調剤薬局事業を基軸とした成長戦略に注力し、さらなる成長の実現を目指しております。本中計では、新たにミッション・ビジョン・バリューを再定義し、「地域の患者に選ばれ信頼される調剤薬局グループ」及び「特に高齢者の健康維持・医療・介護ニーズにきちんと寄り添う調剤薬局グループ」を長期的なゴールに掲げ、以下の成長戦略を推進しております。<調剤薬局事業>①薬剤師のかかりつけとしての機能強化②患者中心の薬局運営の継続③応需処方せん枚数増加に向けた取り組みの徹底<その他>④M&A対応の高度化⑤調剤薬局事業以外の既存事業の再構築⑥企業としての持続的な成長(サステナビリティ)の推進令和10年5月期には、売上高700億円、営業利益16億円、ROIC4.5%の達成を目指しております。当連結会計年度においては、前連結会計年度までに推進してきたM&Aにより調剤薬局事業の規模拡大を図るとともに、統合活動を迅速に進めた結果、売上高の拡大と収益性の改善を実現いたしました。また、令和8年1月30日に公表した株式会社三幸メディカルグループの取得は、同社の医薬品卸売業との連携による医薬品流通体制の強化及び収益力の向上に加え、関東エリアにおけるドミナント戦略の推進に資するものであり、今後の収益貢献を見込んでおります。この結果、当連結会計年度における業績は、売上高69,512百万円(前年同期比9.5%増)、営業利益979百万円(同233.5%増)、経常利益は715百万円(同422.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は114百万円(前年同期は367百万円の損失)となりました。なお、グループ会社であるGOOD AID株式会社及びnext PH株式会社につきましては、決算期の変更により、それぞれ14カ月間の実績を計上しております。売上高につきましては、M&Aによる店舗数の増加にともない調剤売上高が増加し、増収となりました。利益面につきましても、調剤薬局事業における収益性改善に加え、既存店舗及び取得店舗の寄与、グループ全体における本部業務の効率化による販管費の低減等により増益となり、親会社株主に帰属する当期純利益においても黒字転換となりました。なお、セグメントごとの業績は以下のとおりであります。(調剤薬局事業) 前連結会計年度までに実施したM&A及び新規出店により店舗数が増加し、応需処方せん枚数が増加いたしました。また、前連結会計年度から継続的に既存店舗における地域支援体制加算等の施設基準の取得による調剤技術料の算定強化に取り組み、売上・利益ともに堅調に推移いたしました。M&A後の業務統合や運営効率化を進め、販管費の低減にも取り組みました。この結果、当連結会計年度における調剤薬局事業の業績は、売上高59,331百万円(前年同期比12.7%増)、セグメント利益1,386百万円(同139.8%増)となりました。当連結会計年度末における調剤薬局店舗数は、前連結会計年度末から23店舗増加、18店舗減少の406店舗となりました(うち令和8年2月13日にグループ入りした株式会社三幸メディカルグループによる増加は16店舗)。薬局運営面につきましては、本中計の成長戦略に基づいた①薬剤師のかかりつけとしての機能強化、②患者中心の薬局運営の継続、③応需処方せん枚数増加に向けた取り組みの徹底、以上についてタスクフォースを設置して取り組みを進めました。①では、かかりつけ薬剤師に特化した教育プログラムとして、当社独自のマインド及び行動基準の浸透を目的としたオンライン研修を構築し、各店舗への提供を開始しております。当連結会計年度においては全店舗で4回実施し、活動事例の共有及び社内表彰等を通じて現場の意識向上を図っております。②におきましては、国の掲げる患者のための薬局ビジョンに基づく取り組みとして、当連結会計年度末における当社グループの健康サポート薬局は81店舗、地域連携薬局は86店舗、専門医療機関連携薬局は3店舗となっております。また、当社オリジナルの認知症カフェである「カフェにゃーまらいず」の展開を継続しており、当連結会計年度末時点で全国109店舗、累計248回の開催実績となり、追加目標値とした100店舗を上回る結果となりました。相談機会の創出を通じて、少しずつではありますが来局者の増加にもつながってきております。さらに③では、令和7年12月より当社グループの公式LINEを開設(当連結会計年度末約5,300人の友だち登録)、処方せんのネット受付、割引クーポン配布、その他イベント等の通知を行い来局者増加による応需処方せん枚数の増加に取り組みました。また在宅・施設調剤獲得にも力を入れた結果、当連結会計年度における地域医療(在宅・施設調剤)の処方せん枚数は597千枚(前年同期比4.6%増)、売上高は4,585百万円(同5.4%増)となりました。(物販事業)前連結会計年度における不採算店舗閉店に加え、収益性の高いドラッグストア店舗の一時休業や競合出店の影響、並びに季節性医薬品の販売不振がありました。これに対し、マーケティング戦略及びプロモーションの見直しを進めるとともに、店舗開発を強化し、収益性の高い店舗の出店に取り組みました。この結果、当連結会計年度における物販事業の業績は、売上高は8,042百万円(前年同期比7.5%減)、セグメント利益は83百万円の損失(前年同期は44百万円の損失)となりました。また、当連結会計年度末における店舗数は、前連結会計年度末から新規出店により1店舗増加、閉店により4店舗減少し、40店舗(調剤併設店舗を含めた場合は52店舗)となりました。(医学資料保管・管理事業)医学資料の保管料収入が堅調に推移したことに加え、一時的な保管資料廃棄に係る収入計上が実現し、さらに労務費等の費用削減も達成しました。この結果、当連結会計年度における医学資料保管・管理事業の業績は、売上高は647百万円(前年同期比6.1%増)、セグメント利益は100百万円(同95.1%増)となりました。(医療モール経営事業)医療機関からの収入は安定的に推移しておりますが、一部テナント医療機関の退去にともなう一時的な減収がありました。空室については誘致活動をしており、立地優位性を背景に早期の補充を見込んでおります。費用面においては、給与水準の引き上げ等にともない労務費が増加した一方で、計画していた医療機器の更新が延期となったことから、減価償却費の増加は抑制されました。この結果、当連結会計年度における医療モール経営事業の業績は、売上高505百万円(前年同期比1.3%減)、セグメント利益87百万円(同15.2%減)となりました。(その他)有料職業紹介事業においては、とりわけ高単価のエグゼクティブ・プロフェッショナル層の案件成約数が減少しました。訪問看護事業においては、訪問回数が減少しました。また、医療関連ITソリューション事業においては、新製品開発にともなう償却費の発生等により、コストが先行しております。この結果、当連結会計年度におけるその他事業の業績は、売上高は986百万円(前年同期比7.3%減)、セグメント利益は113百万円の損失(前年同期は52百万円の損失)となりました。 ② 財政状態の状況(流動資産)当連結会計年度末における流動資産の残高は13,164百万円(前年同期比74百万円減)となりました。この主な要因は現金及び預金が6,012百万円(同1,101百万円増)となった一方で、商品及び製品が2,713百万円(同1,351百万円減)となったことによるものであります。(固定資産)当連結会計年度末における固定資産の残高は19,516百万円(前年同期比831百万円増)となりました。この主な要因は、土地が3,227百万円(同307百万円増)、のれんが7,257百万円(同457百万円増)となったことによるものであります。(流動負債)当連結会計年度末における流動負債の残高は14,010百万円(前年同期比2,021百万円増)となりました。この主な要因は、1年内返済予定の長期借入金が4,781百万円(同2,141百万円増)となったことによるものであります。(固定負債)当連結会計年度末における固定負債の残高は11,810百万円(前年同期比1,206百万円減)となりました。この主な要因は、長期借入金が9,810百万円(同1,242百万円減)となったことによるものであります。(純資産)当連結会計年度末における純資産の残高は6,859百万円(前年同期比58百万円減)となりました。この主な要因は、自己株式が376百万円(同95百万円増)となった一方で、資本剰余金が2,091百万円(同95百万円減)、非支配株主持分が17百万円(同32百万円減)となったことによるものであります。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、6,012百万円(前年同期比1,121百万円増)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果増加した資金は、3,278百万円(前年同期比1,967百万円増)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益が698百万円となり、法人税等の支払額又は還付額により資金が409百万円減少し、仕入債務が372百万円減少した一方で、減価償却費が782百万円、のれん償却額が823百万円計上され、棚卸資産が1,464百万円減少したことによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、1,975百万円(前年同期比2,486百万円減)となりました。この主な要因は、新規開局等に伴う有形固定資産の取得による支出が696百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が1,192百万円あったことによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果減少した資金は、181百万円(前年同期は939百万円の増加)となりました。この主な要因は、長期借入による収入が3,000百万円あった一方で、長期借入金の返済による支出が2,746百万円、リース債務の返済による支出が178百万円、配当金の支払額が158百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が97百万円となったことによるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の状況a. 仕入実績当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに記載しますと、以下のとおりであります。区 分前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)前年同期比(%)調剤薬局事業32,39335,944111.0物販事業5,8765,44492.7医学資料保管・管理事業00147.3医療モール経営事業---その他---合 計38,27041,388108.1 b. 販売実績(1) 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに記載しますと、以下のとおりであります。区 分前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)前年同期比(%)調剤薬局事業薬剤に係る収入個々の器官系用医薬品12,90514,515112.5神経系及び感覚器官系用医薬品5,6786,191109.0代謝性医薬品10,73711,186104.2その他10,85811,788108.6小 計40,18143,682108.7調剤技術に係る収入調剤技術料等11,85315,277128.9一般薬等売上59137262.9小 計52,62559,331112.7物販事業8,6968,04292.5医学資料保管・管理事業609647106.1医療モール経営事業51150598.7その他1,06498692.7合 計63,50869,512109.5 (2) 当連結会計年度の調剤薬局事業における地区別の店舗数及び販売実績は、以下のとおりであります。地 区 別店舗数前年比増減前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)前年同期比(%)北海道56△67,7279,092117.7青森県20109377343.0宮城県1001,4021,470104.8秋田県2023722695.1山形県10150154102.7福島県11△11,6191,56796.8茨城県50581587101.0栃木県3050849797.9群馬県6△1901914101.4埼玉県21121,3551,633120.5千葉県71693765110.5東京都4934,8384,933101.9神奈川県10△21,7461,754100.5新潟県3003,1034,312139.0富山県3066860790.8石川県601,1381,232108.3福井県7067264295.4山梨県0△130△00.0長野県40260771296.5岐阜県30258298115.3静岡県1603,1283,194102.1愛知県3207,6849,128118.8三重県1102,0892,226106.5滋賀県1325621,519270.0京都府901,0681,075100.7大阪府47△15,4195,34898.7兵庫県1702,1052,10299.9奈良県40381383100.6和歌山県4△157452691.6長崎県50316325102.8宮崎県40337627186.0沖縄県809511,033108.7合 計406552,62559,331112.7 c. 調剤実績当連結会計年度における処方せん応需実績は、以下のとおりであります。地 区 別前連結会計年度(千枚)当連結会計年度(千枚)構成比(%)前年同期比(%)北海道76994416.0122.8青森県18581.0321.7宮城県1071041.897.6秋田県18180.396.9山形県9100.2105.7福島県1431352.394.2茨城県1121111.999.5栃木県27290.5105.7群馬県73701.295.1埼玉県1581763.0111.4千葉県961091.8112.8東京都5885809.898.6神奈川県1551482.595.8新潟県3414738.0138.6富山県62530.984.7石川県74731.298.2福井県88801.490.4山梨県400.00.0長野県301081.8356.4岐阜県29290.5100.6静岡県2842724.695.8愛知県54763110.7115.4三重県1671602.795.6滋賀県691833.1265.4京都府1031021.799.3大阪府63261410.497.1兵庫県2452344.095.4奈良県73711.297.3和歌山県69701.2101.3長崎県55530.996.6宮崎県24520.9215.5沖縄県1331352.3101.1合 計5,3175,898100.0110.9 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容等経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。この連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。 ② 当連結会計年度の経営成績の分析「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績の状況の概要」に記載のとおりであります。 ③ 経営成績に重要な影響を与える要因について当社グループの主な活動領域である調剤薬局事業におきましては、隔年で実施される調剤報酬改定、毎年実施される薬価改定が経営成績に重要な影響を与える要因となっております。国民医療費抑制の方針から、調剤報酬・薬価自体は今後も全体としては実質引き下げ方向での改定が予想されます。近年の改定は、「地域の医薬品供給拠点としての役割発揮」、「在宅医療の充実」及び「かかりつけ薬剤師・薬局化」を明確に反映しており、「地域包括ケアシステムの構築」や「国民医療費抑制」といった国の方針により沿った内容となっております。調剤報酬改定の影響は大変厳しいものとなっておりますが、これらの改定への対応如何では収益力の低下を抑え、競争力の強化につなげることも可能であると考えております。 ④ 経営戦略の現状と見直し当社グループは令和7年6月25日付で、令和8年5月期から令和10年5月期までの期間を対象とする、本中計「Make a Leap 2027 足場を固め、さらなる飛躍へ」を公表しました。本中計においては、前中計期間に推し進めてきた積極的なM&Aによりグループ入りした各社・各店舗に対するPMIに集中し、早期に運営の効率化と収益性の向上を図ることにより、次の飛躍に向けた足場固めをする時期と位置付けています。本中計の詳細な内容は、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中長期的な会社の経営戦略」に記載のとおりであります。 ⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析イ.キャッシュ・フロー当連結会計年度における状況については、「第2事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。ロ.資金の需要当社の運転資金需要の主なものは、調剤のための医療用医薬品仕入、物販のための商品仕入のほか、店舗運営の製造経費、全社に係る販売費及び一般管理費によるものであります。なお、運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金又は借入金により資金調達することとしております。

事業リスク

  • 法規制による事業制約
    調剤薬局事業や物販事業は、医薬品医療機器等法、健康保険法、酒税法、食品衛生法など、多岐にわたる厳格な法規制の対象です。これらの法令に違反した場合、事業許可の取り消しや営業停止処分を受ける可能性があり、グループの業績に深刻な影響を及ぼすリスクがあります。
  • 医療制度改定の影響
    健康保険法やその他の医療制度は頻繁に改定されており、診療報酬や薬価の見直しが行われます。これらの改定は、調剤薬局の収益構造に直接影響を与えるため、グループの業績が変動する可能性があります。特に、薬価基準の改定は薬剤の仕入れ価格と販売価格のバランスに影響を与え、利益率を圧迫する可能性があります。
  • 薬価基準の改定リスク
    当社グループの調剤売上は、薬剤の価格と調剤技術料によって構成されています。国が定める薬価基準が改定されると、薬剤の販売価格が変動し、グループの収益に直接的な影響を及ぼします。特に薬価が引き下げられた場合、売上高や利益が減少する可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|7,907 文字
3 【事業等のリスク】以下において、当社グループの財政状態、経営成績並びに現在及び将来の事業等に関してリスク要因となる可能性がある主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社の有価証券に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、以下の記載のうち将来に関する事項は本書提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。 (1) 調剤薬局事業・物販事業の法規制について調剤薬局事業を行うに当っては、関連する法令に基づき、各都道府県知事等に薬局開設許可及び保険薬局指定を受けるとともに、必要に応じて各都道府県知事等の指定等を受けることとされております。また、物販事業のうち医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、薬機法)に基づく医薬品等の販売を行うに当っては、各都道府県知事に店舗販売業許可を受けるとともに、必要に応じて各都道府県知事等の指定等を受けることとされております。また、食品・酒類等の販売についても、それぞれの関係法令に基づき所轄官公庁の指定等が必要とされております。その主な内容は下表のとおりであります。当社グループは調剤薬局事業・物販事業を行うために必要な許認可等を受けて営業しており、これまで店舗の営業停止または取消等の処分を受けたことはありませんが、万一、法令違反等により、当該処分を受けることとなった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。許可・指定・免許・登録・届出の別有効期限関連する法令許可・指定権者取消等となる事項薬局開設許可指定日から6年薬機法各都道府県知事第75条第1項に該当した場合又は更新漏れ保険薬局指定指定日から6年健康保険法各都道府県地方厚生局長第80条に該当した場合又は更新漏れ労災保険指定薬局指定指定日から3年、自動更新労働者災害補償保険法各労働局長労災保険指定薬局療養担当契約事項の「指定の取消」に該当した場合生活保護法指定医療機関指定指定日から6年生活保護法各都道府県知事第51条第2項に該当した場合又は更新漏れ被爆者一般疾病医療機関指定無期限原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律各都道府県知事第19条第3項に該当した場合麻薬小売業者免許取得日の翌々年の12月31日麻薬及び向精神薬取締法各都道府県知事第51条第1項に該当した場合又は再申請漏れ感染症指定医療機関指定無期限感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律各都道府県知事第38条第9項に該当した場合指定自立支援医療機関(厚生医療・育成医療)指定指定日から6年障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律各都道府県知事第68条に該当した場合又は更新漏れ指定自立支援医療機関(精神通院医療)指定指定日から6年障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律各都道府県知事同上高度管理医療機器等販売業許可指定日から6年薬機法各都道府県知事第75条第1項に該当した場合又は更新漏れ管理医療機器等販売業届出無期限薬機法各都道府県知事第75条第1項に該当した場合毒物劇物一般販売業登録指定日から6年毒物及び劇物取締法各都道府県知事第19条第2項及び第4項に該当した場合又は更新漏れ店舗販売業許可指定日から6年薬機法各都道府県知事第75条第1項に該当した場合又は更新漏れ農薬販売届無期限農薬取締法各都道府県知事第31条に該当した場合酒類販売業免許無期限酒税法各税務署長第14条に該当した場合食品営業許可各自治体条例で定める期間食品衛生法各都道府県知事第60条、第61条に該当した場合または更新漏れ食品関係営業届出無期限食品衛生法各都道府県知事第60条に基づく処分を受けた場合 (2) 医療制度の改定について近年、健康保険法の改定のほか、その他の医療制度の改定が実施されており、今後も各種の医療制度改定の実施が予想されます。その動向によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。平成15年度以降に実施された主な医療制度改革平成15年4月社会保険本人患者負担率の変更平成15年8月医療法改正に伴う病床区分届出期限平成18年4月後発(ジェネリック)医薬品使用推進のための処方せん様式変更平成20年4月後発(ジェネリック)医薬品使用推進のための処方せん様式変更平成21年6月登録販売者制度開始平成22年4月後発(ジェネリック)医薬品調剤体制加算の改定平成24年4月後発(ジェネリック)医薬品調剤体制加算の改定薬剤服用歴管理指導料の包括的評価平成26年4月後発(ジェネリック)医薬品調剤体制加算の改定調剤基本料の改定平成26年6月一般用医薬品販売ルールの変更平成26年11月薬事法から医薬品医療機器等法へ改正施行平成28年4月後発(ジェネリック)医薬品調剤体制加算の改定調剤基本料の改定(門前薬局の評価の見直し)かかりつけ薬剤師指導料の新設平成28年10月「健康サポート薬局」の届出・表示・公表開始平成30年1月医薬品譲受・譲渡ルールの改正平成30年4月後発(ジェネリック)医薬品調剤体制加算の改定調剤基本料の改定(大型チェーン薬局、敷地内薬局の評価見直し)地域支援体制加算の新設服用薬剤調整支援料の新設平成31年4月「調剤業務のあり方について」の局長通知(薬剤師以外の者が実施する調剤補助業務)令和元年12月医薬品医療機器等法の一部改正公布(薬剤師・薬局機能の強化、安全対策の充実・合理化、法令順守体制整備)薬剤師法の一部改正公布(継続的服薬指導、調剤録記載項目追加)令和2年4月調剤基本料の改定(チェーン薬局、敷地内薬局の評価見直し)地域支援体制加算の改定(算定要件の見直し)対人業務に関する点数の新設(吸入薬指導加算、調剤後薬剤管理指導加算、特別薬剤管理指導加算2、服用薬剤調整支援料2、経管投薬支援料)在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料の改定(算定要件見直し)オンライン服薬指導に関する点数の新設「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取り扱いについて」の通知(0410対応) 令和2年9月医薬品医療機器等法の一部改正施行(オンライン服薬指導)令和3年8月医薬品医療機器等法の一部改正施行(認定薬局制度、添付文書電子化、法令順守体制、課徴金制度) 令和4年4月医薬品医療機器等法の一部改正施行(認定薬局制度、添付文書電子化、法令順守体制、課徴金制度)調剤基本料の改定(大規模グループ薬局、敷地内薬局の評価見直し)地域支援体制加算の改定(類型に応じた評価の見直し)薬局・薬剤師業務の評価体系の見直し(薬剤調製料、調剤管理料、服薬管理指導料の新設)薬局における対人業務の評価と充実(かかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師への評価)オンライン服薬指導の要件と評価の見直し電子的保健医療情報活用加算の新設(オンライン資格確認システム)リフィル処方せんの導入麻薬及び向精神薬取締法施行規則の一部改正施行(麻薬小売業者間譲渡許可業者間における譲渡譲受要件の一部変更)令和4年9月医薬品医療機器等法施行規則の一部改正施行(オンライン服薬指導対応場所の規制緩和)令和4年10月電子的保健医療情報活用加算の廃止医療情報・システム基盤整備体制充実加算の新設令和5年1月電子処方箋運用開始令和5年4月オンライン資格確認システム義務付け令和5年5月新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更令和6年4月感染症法の改正施行(医療措置協定の法定化)医療機能情報提供制度の全国統一運用開始(薬局機能情報提供の変更)令和6年6月報酬改定時期を4月から6月へ変更調剤基本料の改定(賃上げに向けた評価、敷地内薬局評価見直し)薬局機能に関する評価(医療DX対応、感染災害発生時対応、在宅訪問体制)地域支援体制加算の改定(算定要件の見直し)長期収載品に関する選定療養導入(令和6年10月施行予定)マイナ保険証利用の促進令和6年12月健康保険証の新規発行停止(マイナ保険証への移行)令和7年5月医薬品医療機器等法の一部改正公布(一般用医薬品の遠隔管理販売、調剤業務の一部外部委託、医薬品販売区分と販売方法の見直し、薬局機能の強化)薬剤師法の一部改正公布(調剤済処方箋及び調剤録の保存期限変更)令和8年5月医薬品医療機器等法の一部改正施行(一般用医薬品販売ルール、要指導医薬品オンライン販売、指定濫用防止医薬品制度) (3) 薬価基準の改定について当社グループの調剤売上は、薬剤に係る収入と調剤技術に係る収入から成り立っております。薬剤に係る収入は、健康保険法により定められた「薬価基準」という公定価格によっております。また、調剤技術による収入も健康保険法により定められた調剤報酬の点数によっております。今後、医療法の改定が行われ、薬価基準、調剤報酬の点数等が変更になった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。最近の薬価基準の改定は次表のとおり実施されております。(薬剤費ベース)令和元年より毎年改定となりましたが、同年のみ消費税の増税と同時改定として10月に実施されております。改正年月日令和元年10月1日令和2年4月1日令和3年4月1日令和4年4月1日令和5年4月1日令和6年4月1日令和7年4月1日令和8年4月1日改定率(%)△ 2.40△ 4.38―(注)△ 6.69―(注)△ 4.67―(注)△4.02 (注)調剤報酬改定が行われない中間年度においては、厚生労働省より改定率(薬剤費ベース)が公表されていません。 (4) 医薬分業率の動向について医薬分業は、医療機関と調剤薬局がそれぞれの専門分野で業務を分担することにより、国民医療の質的向上を図るために国の政策として推進されてきました。最近では医薬分業率の伸び率は鈍化しており、将来においても低下する場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 仕入価格の暫定措置について調剤薬局業界では、薬価基準の改定が実施された場合、最終的な仕入価格を医薬品卸業者と妥結するまでの間、暫定価格(合理的であると見積もった価格)で仕入計上し、暫定価格と最終的な仕入価格の差額については医薬品卸業者との取引条件の妥結後、薬剤ごとに精算の会計処理をしております。今後、暫定価格と妥結価格の間に大きな乖離が発生した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (6) 消費税等の影響について調剤薬局事業において、調剤売上高は消費税法において非課税売上となり、一方、医薬品等の仕入は同法の課税仕入となるため、当社グループが仕入先に対して支払った消費税等は、租税公課として販売費及び一般管理費に費用計上しております。過去の消費税の導入及び消費税率改定時には、消費税率の上昇分が薬価改定幅に考慮されておりましたが、今後、消費税率が改定され、消費税率の改定が薬価改定に考慮されない場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (7) 人材(薬剤師)の確保について調剤薬局事業は、医薬品医療機器等法により店舗ごとに一定数以上の薬剤師を配置することが義務付けられ、薬剤師法により調剤業務は薬剤師ではない者が行ってはならないとされております。また、物販事業のうち薬機法に基づく医薬品等の販売は、一般用医薬品の分類等によりその販売者が規定されております(要指導医薬品及び第1類医薬品については薬剤師のみが、第2類医薬品及び第3類医薬品については薬剤師又は登録販売者が行わなければならない)。当社グループは薬機法に則り、すべての調剤薬局において薬剤師の配置基準を満たしており、すべての医薬品等販売店舗においてその分類等による薬剤師・登録販売者の配置基準を満たしております。薬剤師・登録販売者の確保は、調剤薬局業界及び医薬品販売業界共通の課題であり、出店や退職者の補充など、必要時に薬剤師・登録販売者を確保できない場合などは、新規出店計画や事業運営に支障をきたす場合もあり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (8) 出店政策について当社グループは、令和8年5月31日現在、調剤薬局を406店舗展開しております。今後も積極的な新規出店及びM&Aにより店舗数の拡大を図り、一方で不採算店舗については整理を行う方針であります。医薬分業の進展に伴う出店競争の激化により、当社の出店基準を満たす立地が確保できない場合、主応需医療機関における分業の意思決定の遅れや競合激化により、出店後に計画通りの売上高が確保できない場合、主応需医療機関が移転、廃業した場合等には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。なお、最近5年間の調剤薬局の店舗数推移は以下のとおりであります。(単位:店) 令和4年5月期令和5年5月期令和6年5月期令和7年5月期令和8年5月期新規出店9211 55M&A―648 5618閉店・休止698 1118期末店舗数301300351 401406 (9) 新規出店時のコストについて当社グループの新規出店形態として土地及び建物を取得する場合と土地及び建物を賃借する場合があります。店舗の土地及び建物を取得した上で出店する場合には土地及び建物の購入代金、建築費、仲介手数料及び設計料等の費用が発生し、土地及び建物を賃借して出店する場合には賃貸人への保証金、敷金及び建設協力金が発生します。これらの出店時の費用については将来回収が可能であると判断した上で出店しておりますが、個別店舗の売上実績が事業計画を下回った場合や賃貸人が破綻するなど賃貸借契約の継続や保証金等の回収が出来なくなった場合には当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (10) 調剤過誤について当社グループは、調剤過誤防止を調剤薬局のリスクマネジメントの最重要事項と認識し、調剤業務においては過誤防止システムの全店導入や複数体制の調剤チェックを行い、管理体制として社内に「過誤防止委員会」等を設け、過誤やインシデントの報告を義務付け、日常的に過誤防止を徹底しております。また、万一に備え全店舗において「薬剤師賠償責任保険」に加入しております。このように当社は過誤防止に万全を期しておりますが、万が一重大な調剤過誤が発生した場合には、社会的信用の失墜、訴訟の提起による損害賠償等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (11) 個人情報の保護について当社グループは、各事業の特性に応じて個人情報保護及び情報セキュリティに関する管理体制を構築しております。調剤薬局事業では、調剤業務を行うために患者情報を取得・保管しております。この中には個人情報保護法に定められた個人情報が含まれております。当社は個人情報保護を最重要管理項目と認識し、社内に「個人情報保護委員会」を設置しております。個人情報保護委員会は、個人情報保護担当役員を委員長、管理部長を副委員長とし、本社各部門長からなる委員で構成され、定期的に開催されています。さらに全社員から「個人情報保護に関する誓約書」を取得しております。また、情報の利用・管理に関してはガイドラインを定めて、保護管理を徹底しております。カルテ等の医学資料保管・管理事業においては、医療記録等の機微な個人情報を取り扱うことから、プライバシーマーク制度及びISMS適合性評価制度の認証を取得し、認証基準に則った適切な管理及び運用を行っております。人材派遣事業においては、登録スタッフ及び顧客企業に関する個人情報を取り扱うことから、プライバシーマーク認証を取得するとともに、個人情報保護に関する教育の実施、社内規程及びマニュアルの遵守徹底、適正な保管及び廃棄手続、事故発生時の報告体制の整備等を通じて、個人情報の適切な管理に努めております。ITソリューション・システム開発事業においては、顧客から受託した情報資産及びシステムを取り扱うことから、プライバシーマーク認証を取得するとともに、情報セキュリティポリシーに基づき、アクセス権限管理、多要素認証、エンドポイントセキュリティ対策、脆弱性対策及び監視体制の強化等を実施し、情報漏えい及び不正アクセスの防止に努めております。当社グループでは、個人情報を適正に保護管理するための社内体制を強化していますが、万が一事故及び犯罪行為等により個人情報が漏洩した場合には、社会的信用の失墜、訴訟の提起による損害賠償等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (12) 借入金の影響について当社グループは、出店に際して設備投資資金の大部分を借入金によって調達しております。今後の金利動向によっては当社グループの業績に影響を与える可能性があります。連結ベースの有利子負債構成比項 目令和6年5月期令和7年5月期令和8年5月期有利子負債残高(百万円)12,75014,28015,153総資産(百万円)29,48631,92432,680総資産に占める有利子負債の構成比(%)43.244.746.4 (注)1 上記「有利子負債残高」は各期末時点での残高であります。2 上記「有利子負債残高」は、1年内返済予定の長期借入金、長期借入金及びリース債務の合計額であります。なお、財務制限条項の詳細については、「第2 事業の状況 5 重要な契約等(財務上の特約が付されたローン契約)」をご参照ください。 (13) 固定資産の減損会計適用について当社グループの固定資産は、その大半が店舗の運営に供されておりますが、この中には不採算店舗及び一部遊休状態となっているものもあり、平成15年10月31日付「企業会計基準委員会」から公表された「固定資産の減損会計の適用指針」に則って、平成18年5月期より同会計基準及び同適用指針を適用しております。当社グループは今後不採算店舗については、増収努力とコスト削減による店舗利益の向上を目指すと同時に、一部不採算店舗については閉鎖、売却等を進め、対策を講じる方針であります。しかしながらこれらの対策が思うように進展しなかった場合には、追加的に減損を認識する場合があり、この場合は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当連結会計年度は当社グループで48百万円(前年同期184百万円)の減損損失を計上しております。 (14) M&Aの実施とのれんの減損処理について当社グループはスケールメリットを確保するためにM&Aを積極的に推進する方針であります。M&Aの実施に当たっては、事前にリスクを把握・回避するために、対象企業の財務内容等につきデューデリジェンスを行っております。しかしながら、買収後に予期しなかった問題が生じた場合や、事業環境の変化等により業績が計画通りに進展しない場合、のれんの減損処理を行う必要性が生じる等、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

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