3103

ユニチカ(3103)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

繊維製品 素材・化学

事業の概要

  • 高分子製品の製造販売
    ユニチカグループは、ナイロンやポリエステルなどのフィルム、樹脂といった高分子製品の製造・販売を主要な事業としています。これらは包装材料や工業製品など幅広い分野で利用されており、グループの中核をなす収益源です。
  • 機能資材の提供
    ガラス繊維製品、活性炭繊維、不織布、反射材など、特定の機能を持つ素材や製品を提供しています。これらは自動車、建材、衛生用品など多岐にわたる産業で活用され、専門性の高いニーズに応えています。
  • 繊維製品の展開
    各種繊維(糸、綿、織物など)の製造から、それらを加工した繊維二次製品の販売までを手掛けています。衣料品や産業資材など、繊維の多様な用途に対応し、国内外の市場に製品を供給しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 高分子事業の収益性
    高分子事業は売上高553.93億円、営業利益60億円と、ユニチカグループの中で最も大きな売上と利益を上げています。ナイロンフィルムやポリエステルフィルム、各種樹脂の製造・販売が中心で、グループの収益を牽引する主力事業です。
  • 機能資材事業の貢献
    機能資材事業は売上高370.37億円、営業利益2.98億円を計上しています。ガラス繊維製品、活性炭繊維、不織布、反射材など、特定の機能を持つ素材を提供しており、安定した収益源としてグループに貢献しています。
  • 繊維事業の課題
    繊維事業は売上高339.23億円に対し、営業利益は-3.57億円と赤字を計上しています。各種繊維の製造から繊維二次製品の販売までを手掛けていますが、競争環境の厳しさなどから収益改善が課題となっています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Polymers 事業 554 60 10.8%
AdvancedMaterials 事業 370 3 0.8%
FibersAndTextiles 事業 339 -4 -1.1%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,288 文字
3【事業の内容】当社グループは、当社、子会社23社及び関連会社1社で構成されている。当社グループは、主に「高分子事業」、「機能資材事業」及び「繊維事業」の3分野にわたり事業活動を営んでいる。その主な事業内容と、当社グループを構成している主要各社の当該事業に係る位置付けは、概ね次のとおりとなっている。なお、次の3部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメント情報の区分と同一である。高分子事業:当社は、ナイロンフィルム、ポリエステルフィルム、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂の製造・販売を行っている。連結子会社であるテラボウ㈱はプラスチック・化成品の加工・販売を行っている。また、海外の連結子会社であるP.T.EMBLEM ASIAはフィルムの製造・販売を行っており、UNITIKA EUROPE GmbH及び尤尼吉可(上海)貿易有限公司は、高分子事業の商事部門として、当社グループの高分子製品の販売に関わっている。機能資材事業:当社は、ガラス繊維製品の販売、活性炭繊維の製造・販売を行っている。連結子会社であるユニチカグラスファイバー㈱はガラス繊維製品の製造、ユニチカガラスビーズ㈱はガラスビーズの製造・販売、ユニチカスパークライト㈱は反射材の製造・販売を行っている。なお、不織布事業では、スパンボンド不織布事業については2026年1月1日までに事業譲渡等を完了し、コットンスパンレース不織布事業については2025年12月31日に事業譲渡を完了している。また、産業繊維事業では、モノフィラメント事業以外の事業について、2026年1月1日までに事業譲渡等を完了している。繊維事業:連結子会社である大阪染工㈱は天然繊維及び化学繊維で製造された織編物の染色・捺染・整理加工を行っている。海外の連結子会社であるP.T.UNITEXは紡績糸の製造・販売を行っている。なお、衣料繊維事業では、2025年12月31日までに事業譲渡等を概ね完了している。(注)1.ユニチカトレーディング株式会社の衣料繊維事業の一部を譲渡している。2.尤尼吉可(北京)貿易有限公司の衣料繊維事業を譲渡している。3.UNITIKA TRADING VIETNAM CO.,LTD.の衣料繊維事業を譲渡している。4.PT. UNITIKA TRADING INDONESIAの株式を譲渡している。5.当社の不織布(スパンレース)事業を譲渡している。6.当社の不織布(スパンボンド)事業、産業繊維事業の一部を分割し、承継会社の株式を譲渡している。7.日本エステル株式会社のポリエステル重合事業、産業繊維事業、フィラメント事業を分割し、承継会社の株式を譲渡している。8.THAI UNITIKA SPUNBOND CO.,LTD.の不織布(スパンボンド)事業を譲渡している。9.ユニチカテキスタイル㈱は、2025年12月12日に解散を決議し、2026年3月26日に清算結了している。 以上に述べた事業の概略図は、次のとおりである。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
高付加価値品の展開や新規バリアナイロンフィルムの採用拡大、ケミカルリサイクルフィルムの採用が進んでいるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
長年にわたり蓄積してきた技術力を基盤とした新技術の開発、応用による商品開発。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:高伸度防砂シートに関する損害賠償請求訴訟 / 不正な会計処理等による財務報告リスク / 製品の欠陥発生による回収・補償・訴訟費用負担
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

ユニチカは機能性繊維や高機能フィルムなどの分野で長年の研究開発実績を持つが、特定の強力なブランドや特許による独占的な地位を確立しているとは言えない。一部のニッチ分野での技術力は存在するものの、広範な競争優位に繋がる無形資産は限定的。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

ユニチカの製品は、産業資材や機能性フィルムなどBtoB分野が中心。顧客は特定の性能や品質を求めるため、サプライヤー変更には一定のコストや手間がかかる可能性がある。しかし、代替素材や競合他社の存在により、顧客のスイッチング・コストはそれほど高くないと考えられる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ユニチカの事業は、主に素材の製造・販売であり、ユーザーが増えることで製品価値が向上するようなネットワーク効果は発生しない。BtoB取引が中心であり、プラットフォーム型ビジネスとは性質が異なる。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

繊維産業は一般的に価格競争が激しく、ユニチカも効率的な生産体制の構築に努めている。しかし、グローバルな競争環境や原材料価格の変動の影響を受けやすく、構造的なコスト優位性を確立しているとは言い難い。一部の特定製品では効率化が進んでいる可能性はある。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

ユニチカは繊維製品分野で一定の規模を持つ企業であるが、業界全体で見ると、より巨大なグローバル企業や特定分野に特化した競合も存在する。規模の経済による絶対的な優位性というよりは、特定の事業領域における規模が競争力の一部となっている。

  • 多様な高分子技術
    ナイロンやポリエステルといった基盤となる高分子技術を保有しており、フィルムや樹脂など多様な製品に応用しています。これにより、顧客の幅広いニーズに対応できる技術的な強みを持っています。
  • 機能性素材の開発力
    ガラス繊維、活性炭繊維、不織布、反射材といった高機能な素材の開発・製造能力を有しています。これにより、特定の性能が求められるニッチな市場で競争力を発揮し、差別化された製品を提供しています。
  • グローバルな生産・販売網
    高分子事業では海外子会社がフィルムの製造・販売を、繊維事業では海外子会社が紡績糸の製造・販売や商事部門として機能しています。これにより、国際的な市場での事業展開と効率的な供給体制を構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。(1)経営方針当社グループは、2024年11月28日に、新たに事業再生計画を立案し、㈱地域経済活性化支援機構や取引金融機関からの支援を受けながら再建を目指すことを決定した。また、㈱地域経済活性化支援機構を割当先とする第三者割当増資の実行や、新たな経営体制については、2025年2月7日の臨時株主総会で決議された。なお、事業再生計画は取引金融機関による最大430億円の債権放棄等の金融支援を前提としていたが、2026年3月19日に総額120億円の債務免除を受けた。事業再生計画の着実な遂行によって高分子等の将来性のある事業を中心とする事業ポートフォリオへと変革し、最終年度である2030年3月期には、売上高700億円、営業利益65億円を目指す。(2)経営環境及び対処すべき課題等事業再生計画では、①構造改革による不採算事業の撤退及び供給能力の適正化、②コスト削減の完遂によるローコスト運営体制の確立、③付加価値の高い製品の販売拡大、④組織運営体制の強化、を骨子としているが、初年度である2026年3月期においては、構造改革対象事業における事業譲渡、生産移管、事業撤退等の具体化および実行を進め、不採算事業からの撤退については概ね完了した。一方、高分子事業および機能資材事業においては、付加価値の高い製品の販売拡大や新たな用途展開等に取り組み、収益力の向上を図るとともに、本社業務等においても物流改革や、業務効率化を通じたコスト削減を進めてきた。2027年3月期においては、事業再生計画の2年目となるが、引き続きローコスト運営体制の確立を進めるとともに、高分子事業および機能資材事業における付加価値の高い製品の販売拡大や設備投資、新製品の開発を行っていく。一方で、組織運営体制の一層の強化に取り組み、収益基盤の安定化も図っていく。(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題2027年3月期に優先的に対処すべき課題の1つは中東情勢を背景とした原燃料価格上昇への対応である。原燃料価格の高止まりが続く中、引き続き販売価格への適切な転嫁を進めるとともに、市況やコスト動向をきめ細かく注視しながら、収益の維持・確保に努めていく。2点目は、成長分野への経営資源の集中である。事業再生計画は撤退オペレーションが前倒しで進んだことにより、事業再生計画の2年目は成長のフェーズへと移行していく。高分子事業およびガラス繊維事業を中心に、成長市場向けの高付加価値製品の拡販を一層加速させていく。そのために、生産能力の強化に向けた各種施策の検討を進めるとともに、意思決定のスピードを高め、早期の実行につなげていく。3点目は、全社的なコスト構造改革の継続で、原材料調達の最適化や生産性の向上に加え、物流体制の見直し、販管費の削減などに引き続き取り組み、筋肉質な事業体質の構築を進めていく。(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標当社グループは、事業活動の成果を示す売上高、営業利益、当期純利益を重視している。また、財務体質強化の観点からは、自己資本比率向上、有利子負債の削減を念頭に置くとともに、キャッシュ・フローについても重要視し、重点管理している。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。(1)経営方針当社グループは、2024年11月28日に、新たに事業再生計画を立案し、㈱地域経済活性化支援機構や取引金融機関からの支援を受けながら再建を目指すことを決定した。また、㈱地域経済活性化支援機構を割当先とする第三者割当増資の実行や、新たな経営体制については、2025年2月7日の臨時株主総会で決議された。なお、事業再生計画は取引金融機関による最大430億円の債権放棄等の金融支援を前提としていたが、2026年3月19日に総額120億円の債務免除を受けた。事業再生計画の着実な遂行によって高分子等の将来性のある事業を中心とする事業ポートフォリオへと変革し、最終年度である2030年3月期には、売上高700億円、営業利益65億円を目指す。(2)経営環境及び対処すべき課題等事業再生計画では、①構造改革による不採算事業の撤退及び供給能力の適正化、②コスト削減の完遂によるローコスト運営体制の確立、③付加価値の高い製品の販売拡大、④組織運営体制の強化、を骨子としているが、初年度である2026年3月期においては、構造改革対象事業における事業譲渡、生産移管、事業撤退等の具体化および実行を進め、不採算事業からの撤退については概ね完了した。一方、高分子事業および機能資材事業においては、付加価値の高い製品の販売拡大や新たな用途展開等に取り組み、収益力の向上を図るとともに、本社業務等においても物流改革や、業務効率化を通じたコスト削減を進めてきた。2027年3月期においては、事業再生計画の2年目となるが、引き続きローコスト運営体制の確立を進めるとともに、高分子事業および機能資材事業における付加価値の高い製品の販売拡大や設備投資、新製品の開発を行っていく。一方で、組織運営体制の一層の強化に取り組み、収益基盤の安定化も図っていく。(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題2027年3月期に優先的に対処すべき課題の1つは中東情勢を背景とした原燃料価格上昇への対応である。原燃料価格の高止まりが続く中、引き続き販売価格への適切な転嫁を進めるとともに、市況やコスト動向をきめ細かく注視しながら、収益の維持・確保に努めていく。2点目は、成長分野への経営資源の集中である。事業再生計画は撤退オペレーションが前倒しで進んだことにより、事業再生計画の2年目は成長のフェーズへと移行していく。高分子事業およびガラス繊維事業を中心に、成長市場向けの高付加価値製品の拡販を一層加速させていく。そのために、生産能力の強化に向けた各種施策の検討を進めるとともに、意思決定のスピードを高め、早期の実行につなげていく。3点目は、全社的なコスト構造改革の継続で、原材料調達の最適化や生産性の向上に加え、物流体制の見直し、販管費の削減などに引き続き取り組み、筋肉質な事業体質の構築を進めていく。(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標当社グループは、事業活動の成果を示す売上高、営業利益、当期純利益を重視している。また、財務体質強化の観点からは、自己資本比率向上、有利子負債の削減を念頭に置くとともに、キャッシュ・フローについても重要視し、重点管理している。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりである。①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における国内経済は、企業収益の底堅い推移や雇用・所得環境の改善を背景に、総じて緩やかな回復基調で推移した。円安環境に加え、AI関連需要や設備更新需要を背景として、製造業を中心に生産活動は底堅く、企業の競争力強化や人手不足対応を目的とした設備投資も堅調に推移した。一方、人手不足が深刻化する中、人件費や物流費の上昇が企業収益を押し下げる要因となった。さらに、2026年2月以降は中東情勢が緊迫化した。先行きについては、中東情勢の緊迫化を含む地政学的リスクの長期化とそれに伴う原材料価格・エネルギー価格の変動、金利や為替相場の変動、米国の金融・通商政策の動向、中国経済の減速懸念などにより、事業環境の不透明な状況が見込まれる。このような状況の下、当社グループは、事業再生計画に基づき、事業譲渡等を含む不採算事業からの撤退などの構造改革を着実に推進してきた。あわせて、高付加価値・高機能製品の拡販や価格改定、経費削減を始めとするコストダウンの推進など、収益力の強化に取り組んできた。この結果、当連結会計年度の売上高は事業撤退による売上の減少などにより前期比6.2%減収の、118,563百万円となった。営業利益は高付加価値・高機能製品の増販に加え、不採算販売の見直しや価格改定・コストダウン施策の効果などにより、前期比80.3%増益の10,549百万円となった。営業利益が増加したことに加え、円安の進行に伴う外貨建資産の為替評価益1,432百万円を計上した結果、経常利益は前期比121.4%増益の10,392百万円となった。また、事業譲渡等を含む不採算事業からの撤退に伴い、当社グループが保有する固定資産の売却益23,697百万円を特別利益として計上した。加えて、事業再生計画に基づく金融支援として取引金融機関に対して債権放棄を要請し、総額12,015百万円の債務免除を受けたことにより、特別利益として計上した。一方、事業構造改善費用14,884百万円を特別損失として計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は18,153百万円(前期は24,283百万円の当期純損失)となった。事業セグメント別の経営成績は次のとおりである。[高分子事業セグメント]高分子事業セグメントでは、電子材料分野の需要が引き続き高かったことから、概ね堅調に推移した。また、前年から継続して注力している高付加価値・高機能製品の拡販や価格改定、コストダウン施策の効果により、収益性が向上した。フィルム事業では、包装分野は、ナイロンフィルム、ポリエステルフィルムともに食料品等の価格上昇が続き包装市場が停滞している中、海外品の流入等も背景に販売量は微減となった。ハイバリアナイロンフィルム「エンブレムHG」の販売は引き続き好調を維持した。工業分野は、電子材料分野の需要が好調を継続したことで販売は堅調に推移した。また、海外では販売戦略の転換と生産性改善の効果により、収益は大きく改善した。この結果、事業全体で減収増益となった。樹脂事業では、エンジニアリングプラスチックは、引き続き電気・電子部品用途が好調に推移し、自動車部品用途も堅調に推移したことから、販売は伸長した。機能樹脂は、売上高は横ばいとなったが、ポリエステル関連のコストアップにより、減益となった。関連会社においてもオフィス用途、産業資材用途などで大きく販売が伸長し、事業全体では増収増益となった。以上の結果、高分子事業セグメントは増収増益となり、売上高は56,395百万円(前期比1.8%増)、営業利益は9,429百万円(前期比57.1%増)となった。[機能資材事業セグメント]機能資材事業セグメントでは、幅広い用途・分野で販売が伸長した。また、不採算販売の見直しと価格改定を継続した結果、収益性は改善した。不織布事業、産業繊維事業(モノフィラメント事業を除く)は事業譲渡による撤退を完了した。撤退にあたっては、価格改定など各種対策を講じ、損失の抑制に努めた。活性炭繊維事業では、空気浄化用途のVOC除去シートの販売が減少したものの、主力である家庭用浄水器用途の販売は国内、海外ともに好調に推移した。ガラス繊維事業では、産業資材分野は、建築資材用途の透明シートの販売が低調だった一方で、テント・シート用途向けの不燃材料は概ね堅調に推移した。電気電子分野は引き続き好調に推移した。電子材料分野は、超極薄低熱膨張ガラスクロスおよび超極薄Eガラスクロスは、ハイエンド携帯端末向けモバイルメモリ用途に加え、非メモリ用途でも採用が進んだ結果、収益力が大幅に伸長した。ガラスビーズ事業では、道路用途において道路工事件数が回復せず、海外安価製品との価格競争もあり、販売は減少した。一方、工業用途および反射材用途は海外向けの販売が好調に推移した。不織布事業では、スパンボンド不織布事業については2026年1月1日までに事業譲渡等を完了し、コットンスパンレース不織布事業については2025年12月31日に事業譲渡を完了した。産業繊維事業では、モノフィラメント事業以外の事業について、2026年1月1日までに事業譲渡等を完了した。継続事業であるモノフィラメント事業においては、好調な半導体市場を背景に、半導体製造工程における薬液中の異物除去に用いられるナイロン中空糸膜の販売量が増加した。以上の結果、機能資材事業セグメントは減収増益となり、売上高は33,695百万円(前期比9.0%減)、営業利益は1,603百万円(前期比436.5%増)となった。[繊維事業セグメント]衣料繊維事業では、2025年12月31日までに事業譲渡等を概ね完了した。産業資材事業では、市況の持ち直しを背景に、土木資材や生活関連用品の販売が好調であったが、事業全体では、事業譲渡等の影響により減収減益となった。以上の結果、繊維事業セグメントは減収減益となり、売上高は28,399百万円(前期比16.3%減)、営業損失は515百万円(前期は357百万円の営業損失)となった。[その他]その他の事業については、売上高は73百万円(前期比28.2%増)、営業損失は18百万円(前期は82百万円の営業損失)となった。②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ34,194百万円増加し、47,314百万円となった。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の減少などにより、5,614百万円の資金の増加(前期は6,293百万円の資金の増加)となった。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却などにより、34,312百万円の資金の増加(前期は3,146百万円の資金の減少)となった。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済などにより、6,119百万円の資金の減少(前期は435百万円の資金の減少)となった。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績当社グループの生産活動の大半は、当社、日本エステル㈱、ユニチカテキスタイル㈱、ユニチカグラスファイバー㈱、ユニチカガラスビーズ㈱、P.T.EMBLEM ASIA及びTHAI UNITIKA SPUNBOND CO.,LTD.で行われているため、これらの会社の実績により記載している。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)高分子事業48,262△15.2機能資材事業23,808△11.2繊維事業352△42.1報告セグメント計72,423△14.1その他--合計72,423△14.1 (注)1.生産高を明確に表示するため、外注生産高を含む総生産高で記載している。2.当連結会計年度において、繊維事業に著しい変動があった。これは、ユニチカテキスタイル㈱を清算結了したことによるものである。b.受注実績当社グループは主として見込生産を行っている。c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)高分子事業56,3951.8機能資材事業33,695△9.0繊維事業28,399△16.3報告セグメント計118,490△6.2その他7328.2合計118,563△6.2 (注)販売実績が総販売実績の10%以上の相手先はない。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容イ.経営成績及び財政状態の分析a.売上高当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ7,847百万円(6.2%)減収の118,563百万円となった。事業撤退が概ね完了した影響に加え、食品包装分野の食品需要の落ち込みや海外品流入の影響により、減収となった。b.営業利益当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ4,698百万円(80.3%)増益の10,549百万円となった。不採算販売の見直しと価格改定により収益性が改善した効果と、工場稼働率の向上や各種コストダウン施策により原価が低減した効果により、増益となった。c.営業外損益と経常利益当連結会計年度の営業外損益については、為替の影響などにより、営業外収益は、前連結会計年度に比べ1,334百万円(130.2%)増加の2,359百万円となり、営業外費用は、前連結会計年度に比べ333百万円(15.3%)増加の2,517百万円となった。これらの要因により、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ5,699百万円(121.4%)増益の10,392百万円の経常利益となった。d.特別損益当連結会計年度の特別損益については、特別利益は、固定資産の売却益や取引金融機関からの債務免除益などの影響により、前連結会計年度に比べ36,690百万円(前連結会計年度は164百万円の特別利益 )増加の36,854百万円となった。特別損失は、事業構造改善費用が減少したことにより、前連結会計年度に比べ24,293百万円(61.2%)減少し15,377百万円となった。e.親会社株主に帰属する当期純損益当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損益については、特別利益が増加した影響等により、前連結会計年度に比べ42,436百万円(前連結会計年度は24,283百万円の当期純損失)増加の18,153百万円の親会社株主に帰属する当期純利益となった。f.総資産総資産は、前連結会計年度末に比べ1,273百万円増加し、150,704百万円となった。これは、主として現金及び預金が増加したことによる。負債は、前連結会計年度末に比べ36,537百万円減少し、96,659百万円となった。これは、主として借入金が減少したことによる。純資産は、前連結会計年度末に比べ37,811百万円増加し、54,044百万円となった。これは、主として株式の発行により資本剰余金が増加したことによる。ロ.セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析当連結会計年度の事業セグメント別の経営成績については、「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりである。ハ.資本の財源及び資金の流動性についてa.キャッシュ・フロー当連結会計年度のキャッシュ・フロー分析については、「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりである。 b.契約債務2026年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりである。 年度別要支払額(百万円)契約債務合計1年以内1年超3年以内3年超5年以内5年超短期借入金12,96612,966---長期借入金41,72628,59311912,788225リース債務2,5765016352431,196 c.財務政策当社グループは、株式会社地域経済活性化支援機構(以降、「機構」と略す)の支援による事業再生計画に基づき、2025年4月30日付で機構からの第三者割当増資金200億円の実施および融資枠150億円の設定により構造改革資金を調達した。計画の進捗に伴い本融資枠は30億円に減額しているが、当連結会計年度末における借入実行残高はない。また、当社と取引銀行1行との間で90億円の当座貸越契約を締結し運転資金についての流動性を確保している。なお、当連結会計年度末における借入実行残高はない。当連結会計年度は、事業再生計画に基づき構造改革対象事業における事業譲渡や不動産売却を実施し、それらの譲渡代金による借入金の弁済に加え、事業再生計画に伴う金融支援として実施した取引金融機関による120億円の債権放棄もあり、有利子負債を374億円削減した。今後とも機構の再生支援の下で、ローコスト運営体制の確立を進めるとともに、収益事業における収益力強化等を主軸とする抜本的な事業再構築に取り組み、当社事業の再生を図る。②重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されている。この作成においては、経営者による会計方針の選択と適用を前提とし、資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要としている。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や将来における発生の可能性等を勘案し合理的に判断しているが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載している。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりである。

事業リスク

  • 法令順守と訴訟リスク
    高伸度防砂シートに関する損害賠償請求訴訟が複数係争中であり、敗訴した場合には多額の賠償金支払いが発生し、会社の業績や財政状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。これは製品の品質保証体制や企業イメージにも関わる重要なリスクです。
  • 製品の品質問題
    製品に重大な欠陥が発生した場合、回収費用、社会的信用の毀損、多大な補償・訴訟費用、賠償費用の負担などが発生し、会社の業績や財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。品質管理には万全を期していますが、予期せぬ事態への備えが重要です。
  • 原材料価格の変動
    高分子事業や合成繊維事業で主要な原材料となるナフサ由来の化学原料や、事業所で使う重油、天然ガスなどの石化原燃料の価格変動リスクがあります。価格上昇分を製品価格に転嫁できない場合、収益性が悪化し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,917 文字
3【事業等のリスク】当社グループの経営成績、財政状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがある。なお、当社グループはこれらのリスクが発生する可能性を認識した上で、発生の回避やその影響を最小限に止めるなどの事前対応、または発生した場合の事後対応に努めるものとしている。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものである。(1)法令等の順守に関するもの当社グループが事業を遂行していく上で、取引先や第三者との間で訴訟等が発生し、当社グループの業績又は財政状況に重大な影響を及ぼす可能性がある。①当社、連結子会社である日本エステル株式会社およびその他3社の計5社(以下「被告ら」という。)が製造、加工または販売した高伸度防砂シートに関して、代表者東亜建設工業株式会社およびその他2社の計3社で構成された特定建設工事共同企業体(以下「原告」という。)から損害賠償請求訴訟を提訴され、当該訴訟に係る訴状を2021年8月24日に受領した。その内容は、那覇空港滑走路増設埋立工事の一部工区に、当該高伸度防砂シートを使用したところ、短期間で著しく強度低下したために破れが発生し、これに伴い陥没や空洞が発生したことから補修工事を余儀なくされたことを理由に、被告らに製造物責任ないし瑕疵担保責任に基づく損害賠償等(2,142百万円)並びに遅延損害金の支払いを求めたものである。なお、2024年1月15日に原告は、被告らに対する請求額について、訴訟提起時において未了であった修補工事は見込額を記載していたことから、工事実績値に合わせて1,835百万円に減縮する申立てを行っている。この訴訟は、現在係争中であり、当社としては、相手側の主張が誤りであることを立証するなど、適切な防御を行っていく所存である。②当社、連結子会社である日本エステル株式会社およびその他3社の計5社(以下「被告ら」という。)が製造、加工または販売した高伸度防砂シートに関して、住吉工業株式会社(以下「原告」という。)から損害賠償請求訴訟を提訴され、当該訴訟に係る訴状を2022年12月1日に受領した。その内容は、原告が請負人となっている下関港(新港地区)ケーソン製作工事外1件において当該高伸度防砂シートを使用していたところ、当該高伸度防砂シートの破損及び強度低下が確認され、本工事につき岸壁構造としての性能が発揮できていないとして工事発注者が原告に瑕疵修補を請求し、これに応じて原告が修補工事を行ったことにより、工事費用相当額の損害を被ったとして、被告らに製造物責任に基づく損害賠償等(60百万円)並びに遅延損害金の支払いを求めたものである。この訴訟は、現在係争中であり、当社としては、相手側の主張が誤りであることを立証するなど、適切な防御を行っていく所存である。(2)財務報告に関するもの当社グループでは、不正な会計処理等により適切な財務報告がなされないリスクが発生する可能性がある。当該リスクが顕在化した場合には、当社グループの信用の失墜及びそれに伴う売上高の減少や損害賠償費用の発生等により、当社グループの業績又は財政状況に重大な影響を及ぼす可能性がある。(3)製品の安全・品質保証に関するもの当社グループは製品の品質管理に万全を期し、製品の欠陥等の発生を未然に防止している。また、万が一の製品事故に備えた損害保険に加入している。しかしながら、予測できない原因により製品に重大な欠陥が発生した場合、回収費用、社会的信用の毀損、多大な補償・訴訟費用、賠償費用の負担などにより、当社グループの業績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性がある。(4)情報システムに関するもの当社グループでは、情報管理に関する規程等を整備し、厳正な情報管理に努めている。従業員、業務委託先又はその他の者による不正なアクセス等により、今後、仮に当社が保有する個人情報やその他重要な情報が外部に漏えい等した場合には、損害賠償請求や行政調査、指導又は処分を受ける可能性があり、また、かかる事案に対応するための時間及び費用が生じること、当社グループの社会的信用が毀損すること等により、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性がある。(5)災害・事故等に関するもの当社グループにおいて、合繊原料など化学物質を取り扱う工場を中心として、万一、甚大な事故災害が発生した場合は、それに伴って生じる社会的信用の低下、補償などの対策費用、生産活動の停止による機会損失などによって、当社グループの業績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性がある。(6)その他ユニチカグループの業務遂行に関するもの①原燃料価格の変動にかかるもの当社グループにおいて、高分子事業及び合成繊維事業にて取り扱う製品は、主としてナフサから精製される化学原料を加工したものである。また事業所などで使用される重油、天然ガスなどの原料も含めて、石化原燃料の購入価格の変動をタイムリーに製品価格への転嫁や生産性向上などの内部努力により吸収することができず、十分なスプレッドを確保できなかった場合は、各原燃料価格の変動が当社グループの業績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性がある。②為替・金利レートの変動にかかるもの当社グループの海外事業については、円建ての取引を基本としているが、現地通貨建てにて取引を行う項目に関しては、換算時の為替レートにより円換算後の価値が影響を受ける場合がある。これら為替レートの変動が生じた場合、円換算後の売上高やコストへの影響が生じ、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性がある。また、金利変動によるリスクについては、為替変動と同様に当社グループの業績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性がある。③海外事業にかかるもの当社グループは東アジア、欧米などの地域において事業展開を図っているが、予測しえないカントリーリスクの発生の懸念もある。これらの事象が発生した場合は、当社グループの業績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性がある。④貸し倒れにかかるもの当社グループの取引先の信用不安によって予期せぬ貸し倒れが顕在化し、それに伴う追加の損失や引当の計上が必要となる場合は、当社グループの業績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性がある。⑤固定資産の減損にかかるもの当社グループでは、様々な有形固定資産や無形資産を保有している。これらの資産は、固定資産の減損に係る会計基準等に従い、保有資産の将来キャッシュ・フロー等を算定し減損損失の認識・測定を行っている。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定については慎重に検討しているが、事業環境の著しい変化や収益状況の悪化等により、固定資産の減損損失を計上することも予測され、当社グループの業績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性がある。⑥その他の主な変動要因にかかるもの上記の他、事故、地震・台風・竜巻などの自然災害、新型インフルエンザ等感染症の流行などが、当社グループの業績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性がある。

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