3153

八洲電機(3153)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

卸売業 商社・卸売

事業の概要

  • プラント事業
    鉄鋼や石油化学業界向けに、電機制御システムや受変電設備の構築、新設、更新、さらにはカーボンニュートラル実現に向けたソリューションを提供しています。発電設備や生産管理システム、省エネ技術を活用した製品の販売から保守まで一貫して手掛けており、大規模な産業インフラを支えるビジネスモデルです。
  • 産業・設備事業
    医薬品や精密機器製造業向けに受変電設備、空調・冷熱設備などのユーティリティ設備や産業機器を提供しています。また、上下水道や空港、公共施設向けの監視制御システム、通信・データセンター向けの冷却装置、ビル・商業施設向けの業務用空調機なども手掛けており、幅広い分野の設備投資需要に応えています。
  • 交通事業
    鉄道の安全運行を支える車両や設備の提供、アフターサービスまでを一貫して行っています。車両電気品、鉄道受変電システム、信号システム、駅設備、運行情報システムなど多岐にわたる製品・サービスを提供し、鉄道事業者のインフラ整備と運営をサポートすることで収益を上げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • プラント事業
    鉄鋼・非鉄金属、石油・化学業界向けに、電機制御システムや受変電設備、発電設備、生産管理システムなどを提供しています。お客様のカーボンニュートラル実現に向けたソリューションも手掛けており、売上高は213.87億円、営業利益は38.7億円と、高い収益性を誇る事業です。
  • 産業・設備事業
    医薬品・精密機器製造業、社会・公共システム分野、通信・データセンター、ビル・商業施設など幅広い顧客に対し、受変電設備、空調・冷熱設備、監視制御システム、セキュリティシステムなどを提供しています。売上高は301.76億円、営業利益は27.25億円で、グループ内で最も売上規模の大きい事業です。
  • 交通事業
    鉄道事業者向けに、車両や車両電気品、鉄道受変電システム、信号システム、駅設備、運行情報システムなどを提供し、安全・安定輸送を支えています。プレエンジニアリングから保守サービスまで一貫して対応しており、売上高は145.11億円、営業利益は13.45億円となっています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
PlantSystems 事業 214 39 18.1%
IndustryFacilityReportableSegment 地域 302 27 9.0%
TransportationReportableSegment 事業 145 13 9.3%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,384 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社及び連結子会社8社で構成され、主に電気機器、情報機器、産業用設備、空調関連機器等の販売及びソリューションエンジニアリングを提供しております。各事業における当社及び関係会社の位置づけ等は次のとおりであります。以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。当連結会計年度より、経営管理区分の見直しに伴い、従来「産業・設備事業」に含めていた一部の事業を「プラント事業」に変更いたしました。また、当該変更に伴い「産業・設備事業」から「公共・設備事業」へ名称を変更しております。 (プラント事業)鉄鋼業界、非鉄金属業界の大型設備維持・管理・更新に向けた、様々なニーズにお応えしています。圧延ラインやプロセスラインにおける電源システム・PLCシステム・ドライブシステムを柱とした各種電機制御システムの構築、お客様のカーボンニュートラル実現に向けた環境配慮型製品、各種ソリューションを提供しています。また、石油・化学プラント及び製薬・精密機器工場等に対し、生産プロセスを把握、よりハイレベルな安全・安定・高効率な操業を実現するため、各種機械設備をはじめ、発電・受配電設備等の強電分野、電気計装、監視制御等の弱電分野、プロセス冷熱・空調事業、各保守事業に至るまで、幅広いニーズにお応えしています。なお、取扱製品は以下のとおりです。電機制御、発電設備、電源設備、設備管理システム、各種生産設備、工作機械、省エネ・環境技術を活用したグリーン製品、これらに関わる保守・メンテナンス、AIを活用したシステム(監視カメラ・予兆診断等)、デジタルトランスフォーメーションなど<関係会社>八洲ファシリティサービス㈱、㈱中国パワーシステム、㈱西日本パワーシステム、八洲プラント建設㈱ (公共・設備事業)公共分野では、上下水道・空港・公共施設への監視制御システム、受変電設備等を提供しています。また、建設分野ではビル・商業施設へ業務用空調機やLED照明等を提供、さらに通信・データセンター分野では高顕熱型空調機・高発熱サーバー用冷却装置を提供、保守サービスを通じて持続可能な社会の実現に貢献しています。なお、取扱製品は以下のとおりです。監視制御システム、受変電システム、セキュリティーシステム、空調設備、冷却装置、照明機器、これらに関わる保守・メンテナンスなど<関係会社>八洲産機システム㈱、八洲制御システム㈱、八洲EIテクノロジー㈱ (交通事業)鉄道の安全・安定輸送、サービスを支える車両や設備等の提供からメンテナンス&サービスまで幅広く対応しております。プレエンジニアリングから、設計・製作・施工、試運転調整やアフターサービスまで鉄道分野に精通したエンジニアがワンストップでお応えするとともに、鉄道事業者が運営する沿線開発事業向けにも環境・省エネ・省力化に優れた「付加価値の高い最適なソリューション」を提供しています。なお、取扱製品は以下のとおりです。車両及び車両電気品、車両改造、受変電設備、信号システム、駅設備、車両基地設備、運行情報配信システム、防雷システム、これらに関わる保守・メンテナンスなど<関係会社>東京キデン㈱ なお、八洲EIテクノロジー㈱は、2026年4月1日付で八洲冷熱㈱へ商号変更しております。 事業の系統図は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
日立グループ会社との特約店契約に依存し、仕入高の57.4%を占めるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
建設業法、輸出管理法令等の広範囲な法的規制を受けており、違反時は事業停止等の処分リスクがある。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:日立グループ会社への高い依存度 / 経営戦略の遅れによる機会損失・不良資産増加 / ソリューションビジネスにおける品質管理責任
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

八洲電機は特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPを保有しているという公開情報は見当たらない。一般的な商社としての機能が中心であり、無形資産による競争優位性は限定的と考えられる。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

特定の顧客との長年の取引関係や、カスタマイズされたソリューション提供により、一定のスイッチング・コストは存在する可能性がある。しかし、業界全体として代替可能なサプライヤーも多く、乗り換えのハードルはそれほど高くないと推測される。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

八洲電機の事業モデルは、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果を生み出すタイプではない。サプライヤーと顧客のマッチングが中心であり、ネットワーク効果は期待できない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の事業運営で培われた調達力や物流網により、一定のコスト効率は実現している可能性がある。しかし、業界全体に多数の競合が存在し、構造的なコスト優位性を確立しているとは断言できない。規模の経済による効率化の余地は限定的。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

八洲電機は特定のニッチ市場や地域において、一定のシェアと影響力を持っている可能性がある。業界全体で見ると寡占度は高くないものの、特定の分野では効率的な規模を活かした事業運営が可能と考えられる。ただし、主要な競合と比較した場合、圧倒的な規模の優位性はない。

  • 日立グループとの強固な関係
    長年にわたり日立グループと特約店契約を締結しており、日立製品の販売において重要な役割を担っています。これにより、安定した仕入れと販売チャネルを確保し、日立グループの技術力やブランド力を背景に事業を展開できる点が強みです。仕入れの50%以上を日立グループが占めています。
  • 幅広い事業領域とソリューション提供
    プラント、産業・設備、交通といった多岐にわたる事業セグメントを持ち、それぞれの分野で電気機器、情報機器、産業用設備、空調関連機器などの販売とソリューションエンジニアリングを提供しています。顧客の多様なニーズに対応できる総合力が競争優位性となっています。
  • 一貫したサービス提供体制
    プレエンジニアリングから設計、製作、施工、試運転、保守サービスまでを一貫して提供できる体制を構築しています。特に交通事業では、鉄道車両や設備のライフサイクル全体をサポートすることで、顧客との長期的な関係を築き、安定した収益源を確保しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループの経営ビジョンは「クオリティの高いエンジニアリング力を通じ社会に貢献するエクセレントカンパニーとしてサステナブルな未来を創造する」ことであり、ステークホルダーの皆さまに対し社会的責任を果たし、当社グループの企業価値の向上に努めてまいります。 (2)目標とする経営指標当社グループは連結経常利益を重要な経営指標と位置づけ、収益力の強化と事業領域の拡大により企業価値の向上を目指してまいります。 (3)経営環境当社グループのセグメントごとの経営環境の認識は、以下のとおりであります。プラント事業では、鉄鋼業界、非鉄金属業界の大型設備維持・管理・更新に向けた、様々なニーズにお応えしています。圧延ラインやプロセスラインにおける電源システム・PLCシステム・ドライブシステムを柱とした各種電機制御システムの構築、お客様のカーボンニュートラル実現に向けた環境配慮型製品、各種ソリューションを提供しています。また、石油・化学プラント及び製薬・精密機器工場等に対し、生産プロセスを把握、よりハイレベルな安全・安定・高効率な操業を実現するため、各種機械設備をはじめ、発電・受配電設備等の強電分野、電気計装、監視制御等の弱電分野、プロセス冷熱・空調事業、各保守事業に至るまで、幅広いニーズにお応えしています。2025年度においては、鉄鋼・非鉄分野では、受変電設備新設、制御系システム更新など、カーボンニュートラル実現に向けた省エネ・省力化案件が計画どおり進捗し、売上高は好調に推移しました。石油・化学・ガス分野では、電気用計算機システムの更新など電力の安定供給や設備の強靭化に向けた改修工事や保守メンテナンスビジネスの拡大も寄与し、売上高は好調に推移しました。産業分野では、医薬品や精密機器分野を中心とした工場向けの受変電設備増強工事に加え、蓄電池更新などの再生可能エネルギー活用、脱炭素社会に向けた省エネ設備の導入が順調に進捗し、売上高は堅調に推移しました。公共・設備事業では、上下水道・空港・公共施設への監視制御システム、受変電設備等を提供しています。また、建設分野ではビル・商業施設へ業務用空調機やLED照明等を提供、さらに通信・データセンター分野では高顕熱型空調機・高発熱サーバー用冷却装置を提供、保守サービスを通じて持続可能な社会の実現に貢献しています。2025年度においては、公共分野では、道路・水道施設等、社会インフラの老朽化に伴う受変電設備更新工事により、売上高は好調に推移しました。空調設備分野では、設備工事案件が予定どおり進捗し、データセンター向け特殊空調及び既納品の保守メンテナンス案件も順調に推移したことにより、売上高は堅調に推移しました。また、バイオ理化学向け特殊空調設備工事、食品製造ライン用空調設備工事などにより、売上高は好調に推移しました。産業機器分野においては、機械設備工事や省エネを目的とするLED照明工事、及び都市再開発向けの変圧器、受変電設備の保守・リニューアルなどにより、売上高は好調に推移しました。交通事業では、鉄道の安全・安定輸送、サービスを支える車両や設備等の提供からメンテナンス&サービスまで幅広く対応しております。プレエンジニアリングから、設計・製作・施工、試運転調整やアフターサービスまで鉄道分野に精通したエンジニアがワンストップでお応えするとともに、鉄道事業者が運営する沿線開発事業向けにも環境・省エネ・省力化に優れた「付加価値の高い最適なソリューション」を提供しています。2025年度においては、鉄道業界では、国内人流の安定的な回復に加えインバウンド需要の拡大が継続し、都市部・観光路線を中心に旅客運輸収入が好調に推移し、輸送の安全・安定性向上を目的とした、新たな設備投資を積極的に推進しております。そのような中、車両分野の新造車両導入、変電分野の受変電設備更新、情報通信分野の運行管理システムなどの各大型更新工事が順調に進捗し、売上高は好調に推移しました。2026年度におきましては、新政権の発足や日経平均株価の高値更新、政策金利の引き上げなど、政治・金融面での変化が見られる中、企業業績は堅調に推移し、老朽設備の維持・更新や生産能力の増強に加え、デジタル化・脱炭素化、人手不足への省力化対応といった設備投資は継続しております。一方で、円安に伴う輸入資材価格や人件費の上昇による物価高が続いており、個人消費の抑制や賃上げによる企業収益の圧迫、さらに地政学リスクの高まりに起因する原油価格の上昇など、景気の先行きには不透明感が広がっております。このような経営環境のもと、以下「(5) 会社の対処すべき課題」で掲げる項目を当面の基本戦略とし、収益基盤を拡大し、企業価値の向上とエンジニアリング会社として更なる進化を目指してまいります。また、当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための重要な指標は連結経常利益であり、2026年度の目標値は80億円であります。今後も収益力の強化と事業領域の拡大により企業価値の向上を目指してまいります。(目標数値は有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。) (4)中長期的な会社の経営戦略2025年度は「80/26中期経営計画」の最終年度とし、「未来志向でウェルビーイング経営を推進し、エンゲージメントを高め、創立80周年を更なる飛躍の年にする」を基本方針として、各種戦略に取組んだ結果、上場以来の最高益を4年連続で更新しました。当社グループは、当社の「創立80周年(令和8年8月)」にあたる2026年度をスタートとする新たな中期3カ年計画『Happiness2028中期経営計画』を策定しました。基本方針を「社員の幸せが原動力となる循環型成長の実現」とし、社員一人ひとりのハピネスを力に変え、持続的成長を目指し、2028年度(最終年度)目標値「連結売上高850億円、連結経常利益95億円、経常利益率11.2%」の達成に向けて取組んでまいります。 (5)会社の対処すべき課題当社は2026年に「創立80周年(令和8年8月)」を迎えます。この2026年度をスタートとする新たな中期3カ年計画『Happiness2028中期経営計画』を策定しました。「ハピネスから、ビジネスを」をスローガンに、Well-beingとDXで、成長の循環を創造してまいります。経営理念である「信・愛・和」の精神を受け継ぎ、3つの柱「ウェルビーイング・DX戦略・グループシナジー」を推進します。マインドを変革し、デジタルを活用したコア技術とDXにより業績向上を目指します。 1.事業系戦略お客様の経営課題を解決するため、培ってきたコア技術をさらに深化させデジタル技術を付加することで、「コア技術2.0」としてさらなる高度なエンジニアリングを提供いたします。営業とエンジニアが連携してコア技術2.0で、環境・省エネ・高効率化等の多様なニーズにお応えし、新たな価値創出を図ってまいります。(1)プラント事業:カーボンニュートラルに、エンジニアリングとソリューションで貢献します。(2)公共・設備事業:公共・建設・データセンター事業等で社会インフラの発展に貢献します。(3)交通事業:高付加価値ソリューションで、鉄道の安全・安定輸送に貢献します。(4)グループ会社:グループ連携によるグループシナジーの最大化を図ります。2.管理系戦略(1)エンゲージメント・サーベイの目標スコアを明確化し、現状分析に基づく課題別の改善施策を立案・実行することで、従業員が実感できる「スコア向上」を実現します。(2)新基幹システム本稼働後の安定稼働と継続的な機能改善を推進し、デジタルツールやAIなどのDX活用を強化することで、業務効率化と省力化を実現します。(3)八洲電機グループ全体のIT環境について、グループ横断での標準化・統合を検討し、最適なシステム基盤の構築を推進します。3.コンプライアンス及びCSR活動の推進(1)グループ経営を深化させる方針のもと、八洲電機グループが一体となってコンプライアンスの徹底を図ります。(2)サステナビリティ経営については、環境への配慮・個人の尊重・ガバナンスの強化などに取組み、事業活動を通じて社会に貢献し、高い倫理観と責任感を持ち、持続可能な社会の構築に向けた活動を推進します。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループの経営ビジョンは「クオリティの高いエンジニアリング力を通じ社会に貢献するエクセレントカンパニーとしてサステナブルな未来を創造する」ことであり、ステークホルダーの皆さまに対し社会的責任を果たし、当社グループの企業価値の向上に努めてまいります。 (2)目標とする経営指標当社グループは連結経常利益を重要な経営指標と位置づけ、収益力の強化と事業領域の拡大により企業価値の向上を目指してまいります。 (3)経営環境当社グループのセグメントごとの経営環境の認識は、以下のとおりであります。プラント事業では、鉄鋼業界、非鉄金属業界の大型設備維持・管理・更新に向けた、様々なニーズにお応えしています。圧延ラインやプロセスラインにおける電源システム・PLCシステム・ドライブシステムを柱とした各種電機制御システムの構築、お客様のカーボンニュートラル実現に向けた環境配慮型製品、各種ソリューションを提供しています。また、石油・化学プラント及び製薬・精密機器工場等に対し、生産プロセスを把握、よりハイレベルな安全・安定・高効率な操業を実現するため、各種機械設備をはじめ、発電・受配電設備等の強電分野、電気計装、監視制御等の弱電分野、プロセス冷熱・空調事業、各保守事業に至るまで、幅広いニーズにお応えしています。2025年度においては、鉄鋼・非鉄分野では、受変電設備新設、制御系システム更新など、カーボンニュートラル実現に向けた省エネ・省力化案件が計画どおり進捗し、売上高は好調に推移しました。石油・化学・ガス分野では、電気用計算機システムの更新など電力の安定供給や設備の強靭化に向けた改修工事や保守メンテナンスビジネスの拡大も寄与し、売上高は好調に推移しました。産業分野では、医薬品や精密機器分野を中心とした工場向けの受変電設備増強工事に加え、蓄電池更新などの再生可能エネルギー活用、脱炭素社会に向けた省エネ設備の導入が順調に進捗し、売上高は堅調に推移しました。公共・設備事業では、上下水道・空港・公共施設への監視制御システム、受変電設備等を提供しています。また、建設分野ではビル・商業施設へ業務用空調機やLED照明等を提供、さらに通信・データセンター分野では高顕熱型空調機・高発熱サーバー用冷却装置を提供、保守サービスを通じて持続可能な社会の実現に貢献しています。2025年度においては、公共分野では、道路・水道施設等、社会インフラの老朽化に伴う受変電設備更新工事により、売上高は好調に推移しました。空調設備分野では、設備工事案件が予定どおり進捗し、データセンター向け特殊空調及び既納品の保守メンテナンス案件も順調に推移したことにより、売上高は堅調に推移しました。また、バイオ理化学向け特殊空調設備工事、食品製造ライン用空調設備工事などにより、売上高は好調に推移しました。産業機器分野においては、機械設備工事や省エネを目的とするLED照明工事、及び都市再開発向けの変圧器、受変電設備の保守・リニューアルなどにより、売上高は好調に推移しました。交通事業では、鉄道の安全・安定輸送、サービスを支える車両や設備等の提供からメンテナンス&サービスまで幅広く対応しております。プレエンジニアリングから、設計・製作・施工、試運転調整やアフターサービスまで鉄道分野に精通したエンジニアがワンストップでお応えするとともに、鉄道事業者が運営する沿線開発事業向けにも環境・省エネ・省力化に優れた「付加価値の高い最適なソリューション」を提供しています。2025年度においては、鉄道業界では、国内人流の安定的な回復に加えインバウンド需要の拡大が継続し、都市部・観光路線を中心に旅客運輸収入が好調に推移し、輸送の安全・安定性向上を目的とした、新たな設備投資を積極的に推進しております。そのような中、車両分野の新造車両導入、変電分野の受変電設備更新、情報通信分野の運行管理システムなどの各大型更新工事が順調に進捗し、売上高は好調に推移しました。2026年度におきましては、新政権の発足や日経平均株価の高値更新、政策金利の引き上げなど、政治・金融面での変化が見られる中、企業業績は堅調に推移し、老朽設備の維持・更新や生産能力の増強に加え、デジタル化・脱炭素化、人手不足への省力化対応といった設備投資は継続しております。一方で、円安に伴う輸入資材価格や人件費の上昇による物価高が続いており、個人消費の抑制や賃上げによる企業収益の圧迫、さらに地政学リスクの高まりに起因する原油価格の上昇など、景気の先行きには不透明感が広がっております。このような経営環境のもと、以下「(5) 会社の対処すべき課題」で掲げる項目を当面の基本戦略とし、収益基盤を拡大し、企業価値の向上とエンジニアリング会社として更なる進化を目指してまいります。また、当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための重要な指標は連結経常利益であり、2026年度の目標値は80億円であります。今後も収益力の強化と事業領域の拡大により企業価値の向上を目指してまいります。(目標数値は有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。) (4)中長期的な会社の経営戦略2025年度は「80/26中期経営計画」の最終年度とし、「未来志向でウェルビーイング経営を推進し、エンゲージメントを高め、創立80周年を更なる飛躍の年にする」を基本方針として、各種戦略に取組んだ結果、上場以来の最高益を4年連続で更新しました。当社グループは、当社の「創立80周年(令和8年8月)」にあたる2026年度をスタートとする新たな中期3カ年計画『Happiness2028中期経営計画』を策定しました。基本方針を「社員の幸せが原動力となる循環型成長の実現」とし、社員一人ひとりのハピネスを力に変え、持続的成長を目指し、2028年度(最終年度)目標値「連結売上高850億円、連結経常利益95億円、経常利益率11.2%」の達成に向けて取組んでまいります。 (5)会社の対処すべき課題当社は2026年に「創立80周年(令和8年8月)」を迎えます。この2026年度をスタートとする新たな中期3カ年計画『Happiness2028中期経営計画』を策定しました。「ハピネスから、ビジネスを」をスローガンに、Well-beingとDXで、成長の循環を創造してまいります。経営理念である「信・愛・和」の精神を受け継ぎ、3つの柱「ウェルビーイング・DX戦略・グループシナジー」を推進します。マインドを変革し、デジタルを活用したコア技術とDXにより業績向上を目指します。 1.事業系戦略お客様の経営課題を解決するため、培ってきたコア技術をさらに深化させデジタル技術を付加することで、「コア技術2.0」としてさらなる高度なエンジニアリングを提供いたします。営業とエンジニアが連携してコア技術2.0で、環境・省エネ・高効率化等の多様なニーズにお応えし、新たな価値創出を図ってまいります。(1)プラント事業:カーボンニュートラルに、エンジニアリングとソリューションで貢献します。(2)公共・設備事業:公共・建設・データセンター事業等で社会インフラの発展に貢献します。(3)交通事業:高付加価値ソリューションで、鉄道の安全・安定輸送に貢献します。(4)グループ会社:グループ連携によるグループシナジーの最大化を図ります。2.管理系戦略(1)エンゲージメント・サーベイの目標スコアを明確化し、現状分析に基づく課題別の改善施策を立案・実行することで、従業員が実感できる「スコア向上」を実現します。(2)新基幹システム本稼働後の安定稼働と継続的な機能改善を推進し、デジタルツールやAIなどのDX活用を強化することで、業務効率化と省力化を実現します。(3)八洲電機グループ全体のIT環境について、グループ横断での標準化・統合を検討し、最適なシステム基盤の構築を推進します。3.コンプライアンス及びCSR活動の推進(1)グループ経営を深化させる方針のもと、八洲電機グループが一体となってコンプライアンスの徹底を図ります。(2)サステナビリティ経営については、環境への配慮・個人の尊重・ガバナンスの強化などに取組み、事業活動を通じて社会に貢献し、高い倫理観と責任感を持ち、持続可能な社会の構築に向けた活動を推進します。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。(1) 経営成績当連結会計年度におけるわが国経済は、新政権の発足や日経平均株価の高値更新、政策金利の引き上げなど、政治・金融面での変化が見られる中、企業業績は堅調に推移し、老朽設備の維持・更新や生産能力の増強に加え、デジタル化・脱炭素化、人手不足への省力化対応といった設備投資は継続しております。一方で、円安に伴う輸入資材価格や人件費の上昇による物価高が続いており、個人消費の抑制や賃上げによる企業収益の圧迫、さらに地政学リスクの高まりに起因する原油価格の上昇など、景気の先行きには不透明感が広がっております。このような状況下、2025年を「80/26中期経営計画」の最終年度とし、「未来志向でウェルビーイング経営を推進し、エンゲージメントを高め、創立80周年を更なる飛躍の年にする」を基本方針として、八洲電機グループのブランドである「電機制御システム」「電源システム」「空調システム」の3つのコア技術をさらに進化させ、お客様の経営課題を把握し解決することで持続的な成長につなげ、収益の拡大と事業規模の拡大に向けた各種戦略に取組んでおります。当連結会計年度においては、事業系戦略では、社会インフラに携わるお客様の経営課題を的確に捉え、エンジニアリングとグループ連携によって解決し「収益の拡大」「事業規模の拡大」を図り、八洲電機グループ全体の成長を追求しております。管理系イノベーション戦略では、未来志向で業務改革と効率化を推進するとともに、「エンゲージメント向上プロジェクト」を設置し、施策パッケージを検討し、一体で推進するよう取組んでおります。社内DX戦略においては、基幹システムを最新のシステムへ切り替え、機動性のある業務へ脱却を図るとともに、基本業務の見直しに伴い、新しい業務方法により業務効率を改善し省力化を推進しております。また、人的資本経営への取組みとして、階層別研修等をより一層推進し「個の力」を高めることで「組織力」の強化を図っております。当連結会計年度におきましては、公共・設備事業における空調設備工事や空調機器販売などが好調に推移し、売上高は745億69百万円(前年比12.9%増)、営業利益は72億89百万円(前年比38.8%増)、経常利益は74億37百万円(前年比38.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は51億45百万円(前年比28.3%増)の増収増益となり、上場以来の最高益を4年連続で更新しました。 セグメントの業績は次のとおりであります。なお、当連結会計年度より、報告セグメントとして記載する事業セグメントの構成を変更しており、前連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。①プラント事業鉄鋼・非鉄分野では、受変電設備新設、制御系システム更新など、カーボンニュートラル実現に向けた省エネ・省力化案件が計画どおり進捗し、売上高は好調に推移しました。石油・化学・ガス分野では、電気用計算機システムの更新など電力の安定供給や設備の強靭化に向けた改修工事や保守メンテナンスビジネスの拡大も寄与し、売上高は好調に推移しました。産業分野では、医薬品や精密機器分野を中心とした工場向けの受変電設備増強工事に加え、蓄電池更新などの再生可能エネルギー活用、脱炭素社会に向けた省エネ設備の導入が順調に進捗し、売上高は堅調に推移しました。その結果、プラント事業の売上高は263億41百万円(前年比4.9%増)、営業利益は50億14百万円(前年比17.9%増)の増収増益となりました。②公共・設備事業公共分野では、道路・水道施設等、社会インフラの老朽化に伴う受変電設備更新工事により、売上高は好調に推移しました。空調設備分野では、設備工事案件が予定どおり進捗し、データセンター向け特殊空調及び既納品の保守メンテナンス案件も順調に推移したことにより、売上高は堅調に推移しました。また、バイオ理化学向け特殊空調設備工事、食品製造ライン用空調設備工事などにより、売上高は好調に推移しました。産業機器分野においては、機械設備工事や省エネを目的とするLED照明工事、及び都市再開発向けの変圧器、受変電設備の保守・リニューアルなどにより、売上高は好調に推移しました。空調設備工事や空調機器販売が全体を牽引し、公共・設備事業の売上高は321億37百万円(前年比21.5%増)、営業利益は37億34百万円(前年比59.4%増)の大幅な増収増益となりました。 ③交通事業鉄道業界では、国内人流の安定的な回復に加えインバウンド需要の拡大が継続し、都市部・観光路線を中心に旅客運輸収入が好調に推移し、輸送の安全・安定性向上を目的とした、新たな設備投資を積極的に推進しております。そのような中、車両分野の新造車両導入、変電分野の受変電設備更新、情報通信分野の運行管理システムなどの各大型更新工事が順調に進捗し、売上高は好調に推移しました。その結果、交通事業の売上高は160億89百万円(前年比10.9%増)、営業利益は15億73百万円(前年比17.0%増)の増収増益となりました。 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。① 仕入実績当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称仕入高(百万円)前年比(%)プラント事業19,908+4.3公共・設備事業24,313+17.2交通事業14,620+26.9合計58,842+14.6 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 上記の金額には、工事に伴う材料費等を含んでおります。 ② 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年比(%)受注残高(百万円)前年比(%)プラント事業29,182+12.828,787+11.0公共・設備事業36,866+26.224,607+23.8交通事業21,241+23.625,240+25.6合計87,291+20.878,635+19.3 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。 ③ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前年比(%)プラント事業26,341+4.9公共・設備事業32,137+21.5交通事業16,089+10.9合計74,569+12.9 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。 (2) 財政状態(資産)当連結会計年度末における資産の残高は728億71百万円で、前連結会計年度末に比べ87億29百万円増加しております。主な要因は、現金及び預金(154億52百万円から174億47百万円へ19億95百万円増)、商品(26億77百万円から54億20百万円へ27億43百万円増)、未収入金(25億90百万円から42億61百万円へ16億70百万円増)、投資有価証券(33億53百万円から40億81百万円へ7億28百万円増)、長期預金(コーラブル預金契約により15億円発生)が増加した一方、電子記録債権(41億43百万円から34億89百万円へ6億54百万円減)、未成工事支出金(5億28百万円から1億25百万円へ4億2百万円減)が減少したことによるものであります。(負債)当連結会計年度末における負債の残高は365億28百万円で、前連結会計年度末に比べ32億17百万円増加しております。主な要因は、未払金(41億48百万円から52億80百万円へ11億32百万円増)、契約負債(21億50百万円から40億44百万円へ18億93百万円増)が増加した一方、支払手形及び買掛金(223億41百万円から221億24百万円へ2億17百万円減)が減少したことによるものであります。(純資産)当連結会計年度末における純資産の残高は363億42百万円で、前連結会計年度末に比べ55億12百万円増加しております。主な要因は、利益剰余金(277億25百万円から321億6百万円へ43億80百万円増)が増加したことによるものであります。 (3) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、営業活動により62億6百万円増加、投資活動により38億27百万円減少、財務活動により8億18百万円減少しました。その結果、現金及び現金同等物は164億34百万円と前連結会計年度と比較して15億60百万円(前年比10.5%増)の増加となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローの収入は、62億6百万円(前年比78.1%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益74億16百万円、売上債権の減少額25億68百万円がキャッシュ・フローのプラスとなった一方、棚卸資産の増加額24億26百万円、法人税等の支払額22億69百万円がキャッシュ・フローのマイナスとなったためであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローの支出は、38億27百万円(前年度は10百万円の収入)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出14億84百万円、長期預金の預入による支出15億円がキャッシュ・フローのマイナスとなったためであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローの支出は、8億18百万円(前年度は7億63百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出50百万円、配当金の支払額7億64百万円がキャッシュ・フローのマイナスとなったためであります。 (4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループは、運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については期限が1年以内の短期借入金で、銀行等からの借入金によるものであります。また、グループファイナンスを行うことにより、グループ会社全体での資金の効率化に努め、資金管理体制の更なる強化を図っております。当社グループは、引き続き財務の健全性を保ち、継続的に営業活動によるキャッシュ・フローを生み出すことによって、将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達することが可能と考えております。 (5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的と判断される前提に基づいて実施しておりますが、実際の結果がこれらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 (6) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、重要な経営指標を連結経常利益としております。2026年3月期は74億37百万円(前年比38.4%増)となり、上場以来の最高益を4年連続で更新しました。2026年度から新たな中期3カ年計画『Happiness2028中期経営計画』を策定し、当社が「創立80周年」を迎える2027年3月期の目標値は連結経常利益80億円(前年比7.6%増)としております。

事業リスク

  • 日立グループへの高い依存度
    日立グループとの特約店契約が事業活動の前提となっており、契約内容の変更や解除、日立グループの特約店戦略の変更、製品に重大な問題が発生した場合などには、事業活動や財政状態、経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。仕入れの約57%を日立グループに依存しています。
  • 経営戦略と市場変化への対応
    市場環境や経済状況、顧客ニーズの変化に迅速に対応できない場合、停滞在庫の増加や受注機会の逸失につながる可能性があります。特に、環境問題や省エネルギー化といった多様化するニーズに対応するためのエンジニアリング力強化が求められており、対応の遅れは業績に影響を与える可能性があります。
  • ソリューションビジネスにおける責任拡大
    メーカー製品に自社のノウハウを付加するソリューションビジネスの割合が増加しており、品質管理に関する責任が拡大しています。製造部門を持たないため、日立グループや外注メーカーとの連携が不可欠であり、事故やクレーム発生時には、原因が明確になるまで当社グループが一時的に責任を負う可能性があり、業績に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|5,619 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)㈱日立製作所及び㈱日立製作所の関係会社(以下 日立グループ会社)との関係について①特約店契約について当社グループは、日立グループ会社と特約店契約を締結しております。同契約は、当社グループの事業活動の前提となっておりますが、それら契約の主な契約期間及び解除事由は個々の契約により異なり、その解除事由の基本的な規定事項としては、手形の不渡り・差押え・仮差押え・仮処分・競売・破産・民事再生・会社更生・債務不履行・監督官庁からの営業許可の取消処分等に該当する場合となっております。現時点では解除事由を含めてそれらの契約の継続に支障を来す要因は発生しておりません。しかしながら、それらの契約の継続に支障を来す要因が発生した場合には事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。当社と㈱日立製作所は1950年3月に特約店契約を締結して以降、日立グループ会社の増加や統合とともに当社グループも日立グループ会社と特約店契約を締結し、その業容を拡大してきました。特約店契約は、相互に業務の発展を図ることを目的としており、当社は当該契約を締結している日立グループ製品の販路拡充に最善の努力をなすことが謳われております。また、当該契約書では当社グループの主な取扱製品、主に担当する販売地域及び支払条件等が記載されております。現在、当社グループが特約店契約を締結している日立グループ会社とは良好な関係にあるものと認識しており、共存共栄の間柄ではありますが、当社グループと日立グループ会社との関係に変化が生じた場合、あるいは日立グループ会社の特約店戦略や特約店各社に対する諸条件もしくは当社グループに対する戦略が変更された場合等には、上記特約店契約の内容等に変更の可能性があり、その場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。②仕入依存度について当社グループの㈱日立製作所及び主な日立グループ会社からの仕入高は第81期連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)において295億11百万円と当社グループ仕入高全体の57.4%、第82期連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)において325億11百万円と当社グループ仕入高全体の55.3%を占めております。したがって、日立グループ会社の製品に重要な問題が発生した場合等、日立グループ会社のブランドイメージが著しく低下した場合には、当社グループが取扱っている日立グループ会社の製品の競争力が低下し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、仕入実績は下記のとおりです。仕入先第81期連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)第82期連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)㈱日立製作所10,06819.614,65924.9主な日立グループ会社19,44237.817,85230.3上記合計29,51157.432,51155.3連結仕入高51,352100.058,842100.0 (注) 上記表の「主な日立グループ会社」の金額は、日立グループ会社のうち、特に取引金額の大きい仕入先の仕入金額を合計したものであります。 ③売上高の純額表示について当社グループは、包括代理受注契約(請負者の代理人として契約する取引)等を締結しており、当該契約に基づく取引については、売上高を純額表示しております。当社グループは商社という事業形態であり、基本的には総額表示で売上高及び売上原価を計上しておりますが、取引内容を鑑み、包括代理受注契約等に基づく取引とそれに類似した取引については純額表示としております。したがって、今後の取引内容の見直しや契約の変更等の理由により、前期と比較する場合の経営成績(受注高及び売上高)に影響を及ぼす可能性があります。④当社グループへの出資について当社グループは、販売力強化、顧客サービスの向上等を目的とした日立グループ会社との関係強化のため、当社は日立グローバルライフソリューションズ㈱から2.3%、㈱日立産機システムから1.9%、㈱日立インダストリアルプロダクツから0.5%、当社の連結子会社である㈱中国パワーシステムは㈱日立製作所から33.3%の出資を受けております。したがって、日立グループ会社からの出資割合に変更があった場合には、当社のグループ戦略等を見直す必要性が生じ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)当社グループの経営戦略について当社グループは従来、日立グループ会社の特約店として同グループ製品を中心に据えた営業政策を取り、順次販売力を強化してまいりました。しかしながら、今日のような経営環境においては、市場環境、経済状況、市場ニーズ等をいち早く察知し、対応を図らなくてはなりませんが、多様な情報入手には限界があり、それによって時機を逸するなどの対策の遅れから、停滞在庫の発生による不良資産の増加や、製品投入遅れによる受注機会の逸失等、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、近年は主に環境問題、省エネルギー、高効率化などを追求する顧客ニーズが急速に多様化し、それに対応するためエンジニアリング力の強化及び、より付加価値の高い当社独自のソリューションビジネスへの期待が高まっております。しかしながら、このようなソリューションビジネスではメーカーの製品が持つ機能に当社のノウハウを付加するビジネスの割合が増えることを意味するもので、当然、品質管理に関して負う責任の重要性も拡大してまいります。この場合、当社は製造部門を持たないことから日立グループ会社及びその他の外注メーカーとの連携が必要となります。その際、製品・サービスに関する契約を明確にいたしますが、事故・クレーム等の原因について責任が明確になるまで、当社グループが顧客に提供する製品・技術・サービスについては一義的に責任を負うことがあり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループは、今後も新たな成長事業の創出及び既存事業における更なる高収益の追求を目指し、利益を生み出すことのできる体質への改善に積極的に取組んで行きます。しかし当社グループが事業を遂行するうえにおいて、経済環境、自然災害、戦争、テロ、感染症等の不可抗力、金融、株式市場、政府等による規制、仕入先の供給体制、商品の確保、また人材の確保、喪失等により当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)外部環境が業績に及ぼす影響について当社グループは、鉄鋼、非鉄金属、石油、化学、精密機械、製紙、薬品、建設、運輸、公共、流通、サービス業を営む一般企業や官公庁に対して電気機器、電子情報機器、産業用設備、空調関連機器等の販売及び設置工事等を行っております。これらの事業は、国内設備投資の動向に影響を受ける傾向があります。したがって、国内設備投資動向が悪化した場合及び当社グループの主要販売先が属する事業分野の市況が悪化した場合等には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)法的規制について当社グループは、広範囲の事業展開を行っているため種々の法的規制(建設業法、輸出管理法令等)を受けております。これら法的規制は将来において変更される可能性があり、また現在予期しえない法的規制等が設けられる可能性もあります。その場合たとえば、建設業法においては当社グループの工事売上高に影響し、技術資格においては、資格保有者の確保が確実となるまで受注機会を逸する可能性が発生します。また、輸出管理法令に関しては、現在、直接輸出物件は少ないものの、全ての取引において輸出管理法令等に抵触しないことと、手続きを漏れなく厳正に行われなければ、刑事上、行政上の処分を受ける可能性があります。したがって、当社グループがこれらの法的規制等の対応に遅れを生じた場合、対象となる営業の全部又は一部の停止命令や許可取消等の行政処分あるいは当社グループ顧客等からの信頼の失墜等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)のれんの減損損失について当社グループは、成長戦略の一環として、シナジー効果が期待できるM&Aを実施しております。これに伴い、連結貸借対照表にのれんを計上しております。投資判断にあたっては、対象企業に対するデューデリジェンスや収益性の検証を行い、取締役会等における十分な審議を経て意思決定しております。また、買収後においては、事業計画の進捗管理や収益性のモニタリングを継続的に行い、PMIの推進を通じてシナジー創出に努めております。しかしながら、市場環境の変化等により、買収時に想定した収益やシナジー効果が得られない場合には、のれんの減損損失を計上することにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、のれんの評価につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 (6)退職給付債務について当社グループは、従来まで確定拠出の性格を併せもつ確定給付企業年金制度(キャッシュバランス制度)を採用しておりましたが、前連結会計年度より、現役従業員部分は確定拠出企業年金制度へ移行しております。当制度変更によりリスクは大幅に軽減されるものの、退職者に係る退職給付債務及び費用は、割引率等数理計算で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率等に基づいて算定されており、実際の結果が前提条件と異なる場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、退職給付に関する情報は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(退職給付関係)」に記載しております。 (7)債権管理について当社グループの販売先は多岐にわたり、その規模や業種も多種多様であります。債権管理には特に注力し、販売先の業態・資力に応じた信用限度設定を行うとともに、必要に応じて担保等の提供を受けるほか、信用状態の継続的な把握をするなど、不良債権の発生防止に努めております。また、貸倒引当金の計上に関しては、一般債権については貸倒実績率による計算額を、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を検討し回収不能見込額を計上しておりますが、景気の動向等によっては、貸倒引当金の積み増しを要する事態が生じ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (8)情報セキュリティについて当社グループは、事業を行うにあたり取引先や営業に関する情報、又は当社グループや取引先の技術情報等当社グループの事業に関して多くの秘密情報を保有しており、当社グループではコンピューターウイルス対策及びネットワーク管理等の情報保護に関する社内細則を定め、入退館システムの導入、情報管理に関する社内教育の徹底及び外部委託先との機密保持契約の締結を行い、当社グループからの情報漏洩を未然に防ぐ対策を講じております。このような対策にもかかわらず、予期せぬ事態により情報が流出した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (9)自然災害について地震等の自然災害により当社グループの事業所・設備や社員などに対する被害が発生し、営業活動に支障が生じる可能性があります。なお、当社グループでは社員の安否確認や災害対策マニュアルの作成及び防災訓練などの対策を講じてきておりますが、自然災害による被害を完全に回避できるものではなく、被害が発生した場合には当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)基幹システム継続稼働について当社グループは、外部サービスを活用した仮想化インフラサーバを構築し、ハードウェア障害が発生した場合においても、基幹システムの稼働停止を未然に防止するなど、システムの安定運用に向けた安全対策を講じております。しかしながら、想定を超える大規模な障害が発生し、復旧に時間を要した場合には、事業運営に重大な支障を来す可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (11)労働者災害について当社グループは、付加価値の高い技術及びサービスを提供するエンジニアリング会社として、工事案件の割合が高まっております。そのような中、労働災害の未然防止は不可欠であるとの認識のもと、社内及び協力会社の専門家による施工現場の安全パトロールを実施する等、安全意識の向上に努めております。また、万が一労働災害が発生した場合には、速やかに事故の発生状況を共有し、原因の分析及び再発防止策の策定・実施を行っております。しかしながら、重大な事故や労働災害が発生した場合には、被災者への補償や復旧に要する費用の発生、工事の一部中断、さらには信用の失墜等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

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