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アゼアス(3161)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

卸売業 商社・卸売

事業の概要

  • 防護服・環境資機材事業
    アゼアスは、作業者の安全を守るための防護服や関連資機材を提供しています。特に、有害な化学物質やアスベスト、放射性粉塵などから身を守るデュポン™タイベック®製化学防護服の販売が主力です。使い捨て製品が多いため、一度納入すると継続的な需要が見込めるビジネスモデルです。専門知識を持つ社員が適切な製品を提案し、着脱トレーニングまで行うことで、顧客の信頼を得ています。
  • ヘルスケア製品事業
    自社工場であるアゼアスデザインセンター秋田で不織布マスクを製造し、業務用途の企業や中央官庁、地方自治体向けに販売しています。また、医療機関向けのアイソレーションガウンや医療用サージカルマスクも展開しており、感染症対策への貢献も行っています。中国製マスクの半導体製造工場での採用など、新たな販路も開拓しています。
  • ライフマテリアル事業
    アパレル資材と機能性建材の2本柱で構成されています。アパレル資材では、裏地、芯地、袋地などの繊維副資材を製造・販売しており、ユニフォームや学生服、スポーツウェア向けに提供しています。機能性建材では、畳の主要材料である畳表や、ダニ・カビの発生を抑え断熱性の高いポリスチレンフォームなどを扱っており、日本の伝統的な住文化を支えています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 防護服・環境資機材事業
    この事業はアゼアスの主力であり、売上高は46.30億円、営業利益は4.94億円と、最も高い収益を上げています。デュポン™タイベック®製化学防護服やアスベスト処理用資機材の販売が中心で、感染症対策、放射性粉塵対策、アスベスト対策など、多岐にわたる用途で利用されています。使い切り製品が多いため、継続的な需要が見込めるのが特徴です。
  • ヘルスケア製品事業
    売上高は2.74億円ですが、営業利益は-0.34億円と赤字です。自社工場で不織布マスクを製造し、業務用途や官公庁向けに販売しています。また、医療機関向けのアイソレーションガウンやサージカルマスクも展開しており、感染症対策に貢献しています。現在は投資フェーズであり、今後の成長が期待される分野です。
  • ライフマテリアル事業
    売上高は28.13億円、営業利益は1.67億円です。アパレル資材(裏地、芯地など)と機能性建材(畳表、ポリスチレンフォームなど)の製造・販売を行っています。アパレル業界の国内市場縮小や畳離れといった課題に直面していますが、安全衣料分野の市場開拓や新製品開発を通じて、事業の転換と成長を目指しています。
2025-04 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
ProtectiveClothingAndEquipment 事業 46 5 10.7%
HealthCareProductsReportableSegment 事業 3 -0 -12.3%
LifeMaterialsReportableSegment 事業 28 2 5.9%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,852 文字
3 【事業の内容】当社グループは主に、当社、連結子会社(阿茲阿斯(大連)紡織服飾有限公司、大連保税区日里貿易有限公司及びAZEARTH VIETNAM CO., LTD.)で構成されており、(1)防護服・環境資機材事業、(2)ヘルスケア製品事業、(3)ライフマテリアル事業を主な事業としております。連結子会社阿茲阿斯(大連)紡織服飾有限公司、大連保税区日里貿易有限公司及びAZEARTH VIETNAM CO., LTD.はその他に区分しております。当社及び当社の関係会社の事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであり、セグメントと同一の区分であります。(1) 防護服・環境資機材事業当事業においては、デュポン™タイベック®製化学防護服、アスベスト(石綿)処理用資機材を中心に販売を行なっています。当社は40年以上前から日本における防護服製造・販売のパイオニアとして安全衛生の啓発活動を行っており、作業者の安全・健康を守る為、防護服の着用を推奨し、事業基盤を拡大してまいりました。従来、有害な粉塵、液体、気体等にばく露(化学物質や物理的刺激などに生身体がさらされること)する可能性がある労働環境において作業者は作業着、雨衣等を使用してきましたが、防護性能が十分ではないために作業者の健康を害する危険性がありました。このため、欧米を中心に危険因子に対応した防護服の需要が高まってきました。当社では、米国、欧州を始めアジア諸国でも使用されている米国デュポン社製の化学防護服デュポン™タイベック®ソフトウェアとデュポン™タイケム®の総輸入販売元である旭・デュポン フラッシュスパン プロダクツ株式会社の戦略的パートナーとしてマーケティング活動を行い日本国内で販売する他、作業者の環境に合わせてデュポン™タイベック®、タイケム®生地(原反)を用いた当社オリジナルの防護服及びその他不織布素材製の防護服を製造販売しております。これらの製品は使い切り製品(リミテッドユース)という性格であり、一度納入すると継続的な販売が期待できるのが特徴となっております。専門知識を有する当社社員が作業者の環境を確認した上で作業環境に応じた適切な防護服・安全保護具を提案し、納入に際しては、着脱方法により自己又は他者に対する二次的ばく露の可能性があるためエンドユーザー向けの着脱トレーニングを行っております。また、製品は当社2か所(岡山、埼玉)の物流センターから主に全国の販売店を通じてエンドユーザーに販売しております。2016年4月からアゼアスデザインセンター秋田(秋田県大仙市)が稼働し、マザー工場としての国内縫製拠点の確保と防護服関連製品の研究開発、企画、試作品製造等の機能強化を進めております。2022年2月に同工場を増築し、防護服と不織布マスクの生産設備を増設して2022年5月から稼働しています。防護服の主要な用途、顧客は次のとおりであります。<感染症対策>デュポン™タイベック®製化学防護服、ゴーグル、マスク、手袋、シューズカバーをパッケージにした感染症対策キットを中心に様々な安全保護具を中央省庁、地方公共団体、病院、企業、検疫所、家畜保健衛生所、研究所、ワクチン製造会社等へ販売しております。<放射性粉塵対策>原子力発電所において放射性粉塵や有害化学物質から作業者を守るために各種防護服を電力会社に販売しております。<アスベスト対策>アスベスト除去、封じ込め、囲い込み作業においてアスベストのばく露から作業者を守るための防護服、保護メガネ、呼吸用保護具、手袋及び除去作業に用いる集じん・排気装置、HEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter = 高性能微粒子フィルタ)付真空掃除機(アスベスト除去作業等で、吸い込んだ粉塵等を飛散させない産業用の掃除機)、エアシャワー(アスベスト除去作業等で、防護服や人体に付着した粉塵を取り払う機器)、養生シート等の資機材を施工業者に販売しております。<ダイオキシン対策>ごみ焼却場のメンテナンス及び解体作業でダイオキシンのばく露から作業者を守るための防護服、保護メガネ、呼吸用保護具、手袋及び作業に用いる集じん・排気装置、HEPAフィルタ付真空掃除機等の資機材を施工業者に販売しております。<生物、化学テロ対策>サリン、VXガス、マスタードガス等の化学兵器や生物剤を使用したテロ活動対策として米国EPA基準レベルA(米国環境保護局が定める呼吸器、皮膚、目粘膜に対する最高レベルの防護)対応の化学防護服デュポン™タイケム®10000を消防等に販売しております。 <化学物質・化学薬品対策>有害物質による皮膚障害や経皮吸収による健康障害から作業者を守るため、化学防護服デュポン™タイケム®、化学防護長靴及び化学防護手袋等を化学工場に販売しております。<汚れ作業対策>汚れ作業対策として鉄鋼関連、自動車関連企業を中心に様々な業種に向けて、デュポン™タイベック®製化学防護服を中心に用途に応じた防護服を販売しております。<クリーンルーム内作業向けの用途>製薬会社や再生医療分野では、研究室内をクリーンな環境に保つための特殊な設備を備えたクリーンルームが使用されています。作業者や衣類から生じる発塵によって、研究対象となる微生物や医薬品原料などが汚染されることを防ぐために、特別なプロセスでクリーン処理されたデュポン™タイベック®アイソクリーン®シリーズを国内の大学、研究所に販売しております。<アークフラッシュハザード対策>電気アークによるエネルギーの放出に伴って生じる危険な状態から作業者を守るためのアークフラッシュ防護服、手袋、フード等を電気回路を取り扱う事業者に販売しております。<人対車両事故対策>さまざまな車両が行き交う一般道路や高速道路の他、空港や鉄道、港湾、倉庫等で作業する人々の人対車両事故対策として、高い視認性を持った蛍光生地、再帰性反射材を使用した高視認性防護服等を販売しております。<火炎対策>火炎を取り扱う作業者の火傷事故等を防止、軽減するために、難燃性能の優れたアラミド繊維、綿繊維を使用した難燃防護服を鉄鋼分野中心に製造業者向けに販売しております。<空気清浄・臭気対策>喫煙所における空気清浄及びたばこ臭を除去するために、高性能フィルタとオゾンを組み合わせた空気清浄装置をレンタル企業等に販売しております。(注) デュポン™、タイベック®、タイケム®、アイソクリーン®は、米国デュポン社の関連会社の商標または登録商標です。(2) ヘルスケア製品事業当事業においては自社工場アゼアスデザインセンター秋田で不織布マスクを製造し、受託製造したマスクについては関連会社メディケア・ジャパン株式会社を通じて流通業者へ販売、自社ブランドマスクについては、高通気タイプの製品を開発するなどして、主に業務用途でマスクを使用する企業に向けて販売しております。中国製マスクにおいては、新規に病院、介護施設、製薬メーカー、半導体製造工場等での採用も決定いたしました。また、中央官庁、地方自治体にて実施される、不織布マスク購入の入札案件にも、積極的に参加しております。これらの他、医療機関等で使用されるアイソレーションガウン、医療用サージカルマスクを製品展開しております。(3) ライフマテリアル事業<アパレル資材>裏地、芯地、袋地(ポケット地)、腰裏ベルト、型カット品、表生地、その他繊維副資材の製造、販売を行っています。国内に東西3箇所の営業拠点を持ち、岡山事業所(岡山県浅口郡)はユニフォーム、学生服、カジュアル関連を、太田事業所(群馬県太田市)及び本社(東京都台東区)はユニフォーム関連の副資材を主に取り扱っております。それぞれの拠点の取扱商材の特性に対応して専門性を活かした体制としております。岡山事業所においては、原反の型カット等の加工を施すことで付加価値を高め取引先のニーズに対応しております。<機能性建材>畳の主要材料である畳表、ポリスチレンフォーム(畳床用資材であり、従来の藁(ワラ)に比べてダニ・カビの発生が少なく断熱性が高い素材)、副資材である畳縁、畳糸等、畳に関連する資材全般を取り扱っております。また、デザイン性・機能性に優れ、畳・壁・床の表面材として使用できるReFace®(ポリ塩化ビニル織物シート)の販売を行っております。今後はReFace®をはじめとした高機能建材の販売を拡大する予定です。 (4) その他海外拠点として、従来より中国・大連市に子会社2社を有し、日中連携のもと繊維副資材の製造・販売を行ってまいりました。近年、取引先の製造拠点が中国に加え東南アジア、特にベトナムへ拡大していることを受け、2026年1月にベトナム・ホーチミン市に新会社を設立しました。これにより、サプライチェーンの多様化を図るとともに、現地における日本品質のアパレル資材の調達・供給・開発を進め、ベトナム国内および東南アジア市場への対応力強化を図っております。関係会社事業の内容阿茲阿斯(大連)紡織服飾有限公司繊維副資材の製造、販売大連保税区日里貿易有限公司繊維副資材の販売AZEARTH VIETNAM CO., LTD.繊維副資材の販売 事業の系統図は、次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
デュポン™タイベック®製化学防護服をほぼ独占的に取り扱い
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ブランド
デュポン™タイベック®製化学防護服の日本におけるほぼ独占的な取扱い
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:主要仕入先からの供給停止・条件変更 / 特需による業績変動リスク / 製品及び商品に対する賠償責任
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

アゼアスは特定のブランド力や特許、規制ライセンス、独占的IPを強みとする事業モデルではなく、汎用的な産業用資材の卸売が中心であるため、無形資産による競争優位性は低いと判断される。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

一部の特殊な産業用資材や、顧客の生産プロセスに深く組み込まれている製品においては、切り替えに伴うコストやリスクから、一定のスイッチング・コストが発生する可能性がある。しかし、全体としては汎用品が多く、スイッチング・コストは限定的。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

アゼアスの事業は、顧客とサプライヤー間の直接的な取引が中心であり、ユーザー数の増加がサービスの価値を高めるネットワーク効果は期待できない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の取引で培われた仕入れルートや、効率的な物流網の構築により、一定のコスト競争力を有している可能性がある。しかし、業界全体として価格競争が生じやすく、構造的なコスト優位性は限定的。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

産業用資材の卸売という広範な市場において、多品種少量から大量まで対応できる品揃えと、全国的な販売網を構築しており、一定の規模の経済性を享受している。特定のニッチ市場では寡占的な地位を築いている可能性もある。

  • 防護服の独占的地位
    デュポン™タイベック®製化学防護服は、国内でアゼアスがほぼ独占的に取り扱っており、この分野における強力な市場ポジションを確立しています。長年の実績と信頼により、原子力発電所、病院、官公庁など、高い安全性が求められる顧客に対して製品を供給しています。この独占的な供給体制は、他社が容易に参入できない強みとなっています。
  • 専門性とソリューション提供
    40年以上前から防護服製造・販売のパイオニアとして、安全衛生の啓発活動を行ってきました。専門知識を持つ社員が作業環境に応じた適切な防護服や安全保護具を提案し、着脱トレーニングまで提供することで、単なる製品販売に留まらないトータルソリューションを提供しています。これにより、顧客との強固な関係を築き、継続的な取引に繋げています。
  • 国内生産体制と研究開発
    アゼアスデザインセンター秋田をマザー工場として、国内での防護服縫製拠点を確保し、研究開発、企画、試作品製造の機能強化を進めています。2022年には工場を増築し、防護服と不織布マスクの生産設備を増強しました。これにより、品質管理を徹底し、顧客ニーズに合わせた製品開発を迅速に行える体制を構築しており、安定供給と品質への信頼を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。(1) 会社の経営の基本方針当社グループは、防護服・環境資機材事業、ヘルスケア製品事業、ライフマテリアル事業の3本の柱をもって事業展開しております。個人防護と環境保全のトータルソリューションサプライヤーとしての取組みを通じて、「地球の環境と安全に貢献できる、存在感のある企業グループ」を目指します。(2) 目標とする経営指標当社グループは、資産効率の向上及び株主資本の有効利用が全てのステークホルダーの利益に合致するものと考え、「総資産経常利益率(ROA)」及び「株主資本利益率(ROE)」を重要な指標として位置付けております。(3) 会社の経営戦略当社グループは、「安全・防護システムで人と環境を守る」を社会的ミッションとして掲げ、特に重要テーマとしている、1.「有害化学物質から人と環境を守る」、2.「感染症から人と社会を守る」、3.「作業環境リスクから人を守る」の3つの課題に向け、新たな中期経営計画「Next Stage 実行計画2026」(2026年5月~2029年4月)を策定し、2026年5月より取り組みを進めております。① 経営方針イ 「人と環境を守る」事業を強化し、安全な社会実現へ貢献する当社が優位性を有している化学防護服市場における専門的知見を、他のカテゴリーの防護服市場にも活用することで当社の事業領域を拡大し、防護服市場の様々なカテゴリーにおいて、最も頼りにされる企業となれるよう取り組みを推進してまいります。業務提携により市場・顧客開拓を進める安全環境設備分野では、個人用保護具と環境設備機器を組み合わせたソリューションビジネスを一層強化していきます。また、防護服試験機能の集約と共同研究開発への注力を進め、産学連携による知的資源を製品開発に活用していきます。さらに、連結子会社である阿茲阿斯(大連)紡織服飾有限公司、AZEARTH VIETNAM CO., LTD.と一層の連携を進め、ライフマテリアル事業のアパレル資材分野においての顧客ニーズに沿った販売強化のほか、防護服・環境資機材事業の海外機能としても今後取り組んでまいります。ロ アゼアスブランド強化とDXによる顧客の課題解決力の向上当社がブランド強化の重要項目として認識している3項目「製品開発」、「技術力」、「品質保証」について、これまでの取り組みとして、「製品開発」に関しては、防護服・環境資機材事業において長年培ってきた情報や知識、知恵を活用して、ユーザーのニーズに応える製品づくりにつなげてきました。「技術力」に関しては、生産中核拠点であるアゼアスデザインセンター秋田の防護服縫製業務で蓄積してきた不織布加工技術を活かし、高機能防護服の生産を行ってきました。「品質保証」に関しては、責任を持った製品づくりのため、品質保証体制の強化を徹底することで、社会、市場から信頼される「アゼアス」ブランドの確立、浸透を図り、メーカー機能強化を通じて社会に求められるビジネスモデルへの転換を進めてきました。今後より一層のブランド強化を図るため、これらの取り組みのさらなる推進に努めてまいります。また、当社の長年培ってきた知見を効率よく活用するためIT・DXを積極的に取り入れ、「製品開発」、「技術力」、「品質保証」と組み合わせることにより、顧客課題の解決力をさらに向上させ、アゼアスブランドのより一層の強化に取り組んでまいります。ハ 魅力のある企業集団を作り、ステークホルダーから選ばれる企業となる収益性だけではなく、売上拡大にも重点を置いた施策を実行することで当社の成長シナリオを示し、資本コストや株価を意識した経営を引き続き推進していきます。また、アゼアスデザインセンター秋田などでの設備投資や信州大学との共同研究の成果を活用した営業活動や新たな商流の開拓、製品開発及び技術力向上を牽引する優秀な人材を拡充すべく、人材投資と人材育成の強化、並びに社内環境の整備を推進していきます。これにより、人的資本の最大化と持続的な企業価値の向上に努めてまいります。 (4) 会社の対処すべき課題当社グループでは以下の事項を対処すべき課題として取組みを進めております。① 中期経営計画の実行当社グループは、2023年5月から月から2026年4月までの中期経営計画「Next Stage 実行計画2023」に続き、2026年5月から2029年4月までを計画期間とする新たな中期経営計画「Next Stage 実行計画2026」を2026年5月からスタートさせています。前中期経営計画では、2023年5月に新型コロナウイルス感染症の感染症法の分類が2類から5類へ移行されたことを経て、業績回復と成長を目指しましたが、最終目標を下方修正する等、業績面での成長の達成には至らず、反省点と認識しております。2026年は、地政学リスクが従来以上に高まり、国際紛争により人命や人権が脅かされています。環境面では、引き続き、猛暑や豪雨等極端な気象現象、地震等の災害発生が懸念されています。また、少子化、人口減少社会が進行するとともに、労働安全分野では規制強化が進み、人材を大切にする考え方が広く浸透してきました。現在のように不確実性が高く、予測が困難な社会では、変化への対応能力が問われると同時に、安全・安心への関心や投資機会も多くなると予想されるため、当社としても、安全・環境分野における存在意義を高め、社会や顧客の課題にしっかり向き合い貢献するため、その期待に応える取り組みを着実に進めております。新たな中期経営計画「Next Stage 実行計画2026」における経営方針は以下のとおりです。・「人と環境を守る」事業を強化し、安全な社会実現へ貢献する(ヘルスケア製品事業、新規防護服分野、安全環境設備分野の育成)・アゼアスブランド強化とDXにより顧客の課題解決力を高める(自社ブランド新製品開発、メーカー機能強化、DXによる営業生産性向上)・魅力のある企業集団を作り、ステークホルダーから選ばれる企業となる(顧客、従業員、株主、社会にとって魅力のある会社の追求)前中期経営計画から引き続き、当社のドメインである「人と環境を守る」事業の強化に努めてまいります。② 「安全・衛生」分野の新事業開発と育成今後企業として尚一層の発展を遂げていくには、防護服・環境資機材事業の事業領域を拡大するとともに、それに次ぐ新たな成長事業を育成していくことが不可欠と考えます。防護服分野においては、従来の主力商品であるデュポン™タイベック®ソフトウェア®等化学防護服に加え、火や熱の現場を安全にする難燃防護服と、視認性の高い素材を使用し、高速道路等の作業現場の安全性を高める高視認性防護服等の製品開発及び営業強化を図り、防護服市場やユーザーから一層の信頼を得られるよう取り組んでおります。研究開発、製品評価と試験機能等を充実させるため、2022年4月には、信州大学繊維学部ファイバーイノベーション・インキュベーター施設内に「アゼアス防護服Labo」を、2022年5月には、生産加工技術と自動化等による生産性向上のため「アゼアスデザインセンター秋田」に新工場棟を開設し、機能性の高い製品の開発と製造に取り組んでおります。 また、安全環境設備分野では、有害物質や感染症ウイルス等が存在する空間をクリーンな環境に改善し、作業者のリスクを低減していく環境改善設備の開発及び販売に注力し、防護服等の個人用保護具と設備を組み合わせたソリューションを提案することで、安全な環境づくりに貢献してまいります。さらに、2024年4月以降、改正労働安全衛生規則等の施行により事業所における化学物質管理体制の強化が義務付けられ、2025年6月以降は職場の熱中症対策が義務付けられているなか、顧客が適法かつ安全に対応できるよう、個人用保護具の需要に適宜対応するとともに、適切なサポートを実施してまいります。2022年度から独立したヘルスケア製品営業部では、不織布マスクや医療用ガウン等の個人用保護具を通じて、医療機関、一般産業、一般消費者を含めた安全な社会の実現に貢献していきます。同年稼働を開始した「アゼアスデザインセンター秋田」のマスク生産ラインでは、機能性の高い、JIS規格適合の「医療用マスク」「一般用マスク」を生産しています。新型コロナウイルス蔓延下で露呈したマスクに関するサプライチェーンのリスクに対応できるよう、海外製輸入マスクと合わせて、安定した供給体制を構築してまいります。当社では、上記に記載した新たな取り組みを含め、積み上げてきた専門的な知見や知識、投資した設備等により、ビジネスチャンスの拡大につなげ、「社会の安全・安心を実現する」事業ポートフォリオの構築を目指してまいります。(注) デュポン™、タイベック®、ソフトウェア®は、米国デュポン社の関連会社の商標または登録商標です。 ③ 人材の育成と確保当社グループが今後も継続的発展を遂げていくためには、人材の確保と育成は重要課題として位置付けております。優秀な人材の確保、次世代経営層の中核となる人材の育成と、若手社員の早期戦力化に向けた新人事制度の導入、成果と職責が適切に反映され、モチベーション向上につながるとともに、社会環境や情勢を踏まえた今日的な基準に基づく報酬制度への改正、ベテラン社員による後進の育成促進を目的とした定年再雇用制度の見直しなど、人的資本経営の継続的な高度化に取り組んでいます。さらに、働き方については、柔軟な働き方の枠組み整備、女性活躍支援、中堅社員の活性化、高齢者雇用等に取り組み、男性社員の育児関連休暇の取得促進など、健康経営を意識し、人材活性化を進めてまいります。④ サステナビリティへの対応中期経営計画の実行のとおり、持続的成長を実現する強固な経営基盤を構築し、サステナビリティ経営を推進します。当社のサステナビリティ基本方針は以下のとおりです。<アゼアス株式会社サステナビリティ基本方針>当社グループは、コーポレートスローガン「地球のこと総て、その環境と安全に挑戦する。The Challenge for the Earth:“Environment & Safety”」に基づき、社会的課題の解決につながる商品の展開と、企業として果たすべき社会的責任の取り組みにより、SDGsを意識した経営を推進していきます。1.安全・防護システムで人と環境を守ります。2.健康・快適な生活の実現に貢献します。3.アゼアス株式会社の特性を活かした社会貢献に取り組みます。4.社員一人ひとりの人権を尊重するとともに、社員の健康維持向上に努めます。5.コーポレート・ガバナンス体制を強化して透明性、健全性を確保するとともに、効率化と環境変化に対応できる経営管理組織を構築します。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。(1) 会社の経営の基本方針当社グループは、防護服・環境資機材事業、ヘルスケア製品事業、ライフマテリアル事業の3本の柱をもって事業展開しております。個人防護と環境保全のトータルソリューションサプライヤーとしての取組みを通じて、「地球の環境と安全に貢献できる、存在感のある企業グループ」を目指します。(2) 目標とする経営指標当社グループは、資産効率の向上及び株主資本の有効利用が全てのステークホルダーの利益に合致するものと考え、「総資産経常利益率(ROA)」及び「株主資本利益率(ROE)」を重要な指標として位置付けております。(3) 会社の経営戦略当社グループは、「安全・防護システムで人と環境を守る」を社会的ミッションとして掲げ、特に重要テーマとしている、1.「有害化学物質から人と環境を守る」、2.「感染症から人と社会を守る」、3.「作業環境リスクから人を守る」の3つの課題に向け、新たな中期経営計画「Next Stage 実行計画2026」(2026年5月~2029年4月)を策定し、2026年5月より取り組みを進めております。① 経営方針イ 「人と環境を守る」事業を強化し、安全な社会実現へ貢献する当社が優位性を有している化学防護服市場における専門的知見を、他のカテゴリーの防護服市場にも活用することで当社の事業領域を拡大し、防護服市場の様々なカテゴリーにおいて、最も頼りにされる企業となれるよう取り組みを推進してまいります。業務提携により市場・顧客開拓を進める安全環境設備分野では、個人用保護具と環境設備機器を組み合わせたソリューションビジネスを一層強化していきます。また、防護服試験機能の集約と共同研究開発への注力を進め、産学連携による知的資源を製品開発に活用していきます。さらに、連結子会社である阿茲阿斯(大連)紡織服飾有限公司、AZEARTH VIETNAM CO., LTD.と一層の連携を進め、ライフマテリアル事業のアパレル資材分野においての顧客ニーズに沿った販売強化のほか、防護服・環境資機材事業の海外機能としても今後取り組んでまいります。ロ アゼアスブランド強化とDXによる顧客の課題解決力の向上当社がブランド強化の重要項目として認識している3項目「製品開発」、「技術力」、「品質保証」について、これまでの取り組みとして、「製品開発」に関しては、防護服・環境資機材事業において長年培ってきた情報や知識、知恵を活用して、ユーザーのニーズに応える製品づくりにつなげてきました。「技術力」に関しては、生産中核拠点であるアゼアスデザインセンター秋田の防護服縫製業務で蓄積してきた不織布加工技術を活かし、高機能防護服の生産を行ってきました。「品質保証」に関しては、責任を持った製品づくりのため、品質保証体制の強化を徹底することで、社会、市場から信頼される「アゼアス」ブランドの確立、浸透を図り、メーカー機能強化を通じて社会に求められるビジネスモデルへの転換を進めてきました。今後より一層のブランド強化を図るため、これらの取り組みのさらなる推進に努めてまいります。また、当社の長年培ってきた知見を効率よく活用するためIT・DXを積極的に取り入れ、「製品開発」、「技術力」、「品質保証」と組み合わせることにより、顧客課題の解決力をさらに向上させ、アゼアスブランドのより一層の強化に取り組んでまいります。ハ 魅力のある企業集団を作り、ステークホルダーから選ばれる企業となる収益性だけではなく、売上拡大にも重点を置いた施策を実行することで当社の成長シナリオを示し、資本コストや株価を意識した経営を引き続き推進していきます。また、アゼアスデザインセンター秋田などでの設備投資や信州大学との共同研究の成果を活用した営業活動や新たな商流の開拓、製品開発及び技術力向上を牽引する優秀な人材を拡充すべく、人材投資と人材育成の強化、並びに社内環境の整備を推進していきます。これにより、人的資本の最大化と持続的な企業価値の向上に努めてまいります。 (4) 会社の対処すべき課題当社グループでは以下の事項を対処すべき課題として取組みを進めております。① 中期経営計画の実行当社グループは、2023年5月から月から2026年4月までの中期経営計画「Next Stage 実行計画2023」に続き、2026年5月から2029年4月までを計画期間とする新たな中期経営計画「Next Stage 実行計画2026」を2026年5月からスタートさせています。前中期経営計画では、2023年5月に新型コロナウイルス感染症の感染症法の分類が2類から5類へ移行されたことを経て、業績回復と成長を目指しましたが、最終目標を下方修正する等、業績面での成長の達成には至らず、反省点と認識しております。2026年は、地政学リスクが従来以上に高まり、国際紛争により人命や人権が脅かされています。環境面では、引き続き、猛暑や豪雨等極端な気象現象、地震等の災害発生が懸念されています。また、少子化、人口減少社会が進行するとともに、労働安全分野では規制強化が進み、人材を大切にする考え方が広く浸透してきました。現在のように不確実性が高く、予測が困難な社会では、変化への対応能力が問われると同時に、安全・安心への関心や投資機会も多くなると予想されるため、当社としても、安全・環境分野における存在意義を高め、社会や顧客の課題にしっかり向き合い貢献するため、その期待に応える取り組みを着実に進めております。新たな中期経営計画「Next Stage 実行計画2026」における経営方針は以下のとおりです。・「人と環境を守る」事業を強化し、安全な社会実現へ貢献する(ヘルスケア製品事業、新規防護服分野、安全環境設備分野の育成)・アゼアスブランド強化とDXにより顧客の課題解決力を高める(自社ブランド新製品開発、メーカー機能強化、DXによる営業生産性向上)・魅力のある企業集団を作り、ステークホルダーから選ばれる企業となる(顧客、従業員、株主、社会にとって魅力のある会社の追求)前中期経営計画から引き続き、当社のドメインである「人と環境を守る」事業の強化に努めてまいります。② 「安全・衛生」分野の新事業開発と育成今後企業として尚一層の発展を遂げていくには、防護服・環境資機材事業の事業領域を拡大するとともに、それに次ぐ新たな成長事業を育成していくことが不可欠と考えます。防護服分野においては、従来の主力商品であるデュポン™タイベック®ソフトウェア®等化学防護服に加え、火や熱の現場を安全にする難燃防護服と、視認性の高い素材を使用し、高速道路等の作業現場の安全性を高める高視認性防護服等の製品開発及び営業強化を図り、防護服市場やユーザーから一層の信頼を得られるよう取り組んでおります。研究開発、製品評価と試験機能等を充実させるため、2022年4月には、信州大学繊維学部ファイバーイノベーション・インキュベーター施設内に「アゼアス防護服Labo」を、2022年5月には、生産加工技術と自動化等による生産性向上のため「アゼアスデザインセンター秋田」に新工場棟を開設し、機能性の高い製品の開発と製造に取り組んでおります。 また、安全環境設備分野では、有害物質や感染症ウイルス等が存在する空間をクリーンな環境に改善し、作業者のリスクを低減していく環境改善設備の開発及び販売に注力し、防護服等の個人用保護具と設備を組み合わせたソリューションを提案することで、安全な環境づくりに貢献してまいります。さらに、2024年4月以降、改正労働安全衛生規則等の施行により事業所における化学物質管理体制の強化が義務付けられ、2025年6月以降は職場の熱中症対策が義務付けられているなか、顧客が適法かつ安全に対応できるよう、個人用保護具の需要に適宜対応するとともに、適切なサポートを実施してまいります。2022年度から独立したヘルスケア製品営業部では、不織布マスクや医療用ガウン等の個人用保護具を通じて、医療機関、一般産業、一般消費者を含めた安全な社会の実現に貢献していきます。同年稼働を開始した「アゼアスデザインセンター秋田」のマスク生産ラインでは、機能性の高い、JIS規格適合の「医療用マスク」「一般用マスク」を生産しています。新型コロナウイルス蔓延下で露呈したマスクに関するサプライチェーンのリスクに対応できるよう、海外製輸入マスクと合わせて、安定した供給体制を構築してまいります。当社では、上記に記載した新たな取り組みを含め、積み上げてきた専門的な知見や知識、投資した設備等により、ビジネスチャンスの拡大につなげ、「社会の安全・安心を実現する」事業ポートフォリオの構築を目指してまいります。(注) デュポン™、タイベック®、ソフトウェア®は、米国デュポン社の関連会社の商標または登録商標です。 ③ 人材の育成と確保当社グループが今後も継続的発展を遂げていくためには、人材の確保と育成は重要課題として位置付けております。優秀な人材の確保、次世代経営層の中核となる人材の育成と、若手社員の早期戦力化に向けた新人事制度の導入、成果と職責が適切に反映され、モチベーション向上につながるとともに、社会環境や情勢を踏まえた今日的な基準に基づく報酬制度への改正、ベテラン社員による後進の育成促進を目的とした定年再雇用制度の見直しなど、人的資本経営の継続的な高度化に取り組んでいます。さらに、働き方については、柔軟な働き方の枠組み整備、女性活躍支援、中堅社員の活性化、高齢者雇用等に取り組み、男性社員の育児関連休暇の取得促進など、健康経営を意識し、人材活性化を進めてまいります。④ サステナビリティへの対応中期経営計画の実行のとおり、持続的成長を実現する強固な経営基盤を構築し、サステナビリティ経営を推進します。当社のサステナビリティ基本方針は以下のとおりです。<アゼアス株式会社サステナビリティ基本方針>当社グループは、コーポレートスローガン「地球のこと総て、その環境と安全に挑戦する。The Challenge for the Earth:“Environment & Safety”」に基づき、社会的課題の解決につながる商品の展開と、企業として果たすべき社会的責任の取り組みにより、SDGsを意識した経営を推進していきます。1.安全・防護システムで人と環境を守ります。2.健康・快適な生活の実現に貢献します。3.アゼアス株式会社の特性を活かした社会貢献に取り組みます。4.社員一人ひとりの人権を尊重するとともに、社員の健康維持向上に努めます。5.コーポレート・ガバナンス体制を強化して透明性、健全性を確保するとともに、効率化と環境変化に対応できる経営管理組織を構築します。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。(1) 経営成績当連結会計年度におけるわが国経済は、一部に弱めの動きもみられますが、全体として緩やかな回復基調で推移しました。企業収益は改善傾向にあり、業況感は良好な水準を維持しております。個人消費は、物価上昇の影響を受けつつも、雇用拡大や賃金上昇を背景に底堅く推移しています。企業の設備投資においても企業業績の底堅さに支えられ、省力化やデジタル化の投資等により増勢が続く見込みとなっています。一方で、海外経済では米国の関税政策などを背景に、先行き不透明感が続いております。また、中東地域における地政学的リスクが高まり、原油輸入の大部分を中東地域に依存するわが国においては、原油価格の上昇によるエネルギーコスト等の増加が、企業活動の下振れリスクとなります。今後の見通しにつきましては、内需の回復が期待される一方で、国際情勢の変化や資源価格の動向等について注視が必要です。このような環境下、主力事業であります防護服・環境資機材事業におきましては、製薬会社や半導体製造など工場のクリーンルーム向けの需要や、ダイオキシン、ケミカルなど有害化学物質対策分野において個人用保護具の販売が伸長したほか、ヘルスケア製品事業では、ドラッグストア等一般消費者向けの売上が順調に増加した結果、期初予算には達しなかったものの、ここ数期続きました減収傾向から脱却し、増収に転じました。一方、販売費及び一般管理費については、2025年5月より稼働した新基幹システムの償却費の計上や優秀な人材確保のための投資を行った結果、前年同期比で25,726千円(1.7%)増加しました。その結果、売上高は8,289,681千円(前年同期比3.3%増)、営業利益は192,432千円(前年同期比0.3%増)、経常利益は214,141千円(前年同期比1.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は138,234千円(前年同期比30.6%減)となり、増収減益となりました。セグメント別の業績を示すと、次のとおりであります。防護服・環境資機材事業におきましては、半導体製造や製薬会社など工場のクリーンルーム向けの需要や、ダイオキシン、ケミカル等の有害化学物質対策分野の需要は順調に推移いたしました。その一方で、中期経営計画の経営方針の一つとして取り組みを進めてまいりました難燃・アークフラッシュ・高視認等の新規防護服分野や、集じん機等の安全環境設備分野は、成約が進んでいるものの、期初の計画に対しては未達となりました。その結果、売上高は4,800,908千円(前年同期比3.7%増)、セグメント利益は559,888千円(前年同期比13.3%増)となり、増収増益となりました。これまでの経営方針のとおり、引き続き、新規防護服、安全環境設備や、酷暑に備える暑熱対策商品など、新製品・新商品の開発に注力するとともに、新たな事業領域の開拓を進めるほか、化学物質の自律的管理による需要増加も見据え、当社の情報総合サイト「防護服の知恵.com」により事業者のニーズに適宜対応し、安全・防護システムで人と環境を守る事業を通じて、中長期的な収益力の向上を目指してまいります。ヘルスケア製品事業におきましては、主力製品であるアゼアスデザインセンター秋田で生産する日本製マスクについて、ドラッグストア等の一般消費者向けBtoC分野の受注は順調に増加しました。また、機能性を重視した製薬会社や半導体工場等の一般産業、医療機関等のBtoB分野におきましても、新規顧客開拓活動に重点を置き実行した結果、順調に契約を獲得しています。その一方で、創業期に生産し、販売に時間を要して一定期間経過したマスク製品等を33,633千円評価減し売上原価に計上いたしました。その結果、売上高は388,992千円(前年同期比42.2%増)、セグメント損失(営業損失)は55,066千円となり、増収でセグメント損失の計上となりました。引き続き、ドラッグストア等一般消費者向けの順調な受注に対しては、工場人員を増やし、増産体制で対応していくほか、半導体工場や製薬会社など、利益率の高い販路であるBtoBの分野では営業活動に注力し、業容の拡大と採算改善を目指していきます。ライフマテリアル事業のうち、機能性建材分野におきましては、畳表等の従来からの商品は引き続き減少傾向にありますが、同分野の主力商品となり、利益率の高い「ReFace®」の販売は、新たな販売先の開拓も進んでおり、堅調に推移しました。また、アパレル資材分野は、作業服等のワーキングウエア分野が概ね堅調に推移しました。その結果、売上高は2,865,465千円(前年同期比1.9%増)、セグメント利益は169,028千円(前年同期比1.4%増)の増収増益となりました。機能性建材事業では、ReFace®の販売に経営資源を集中するとともに、アパレル副資材については、稼働を開始したベトナム現地法人を足掛かりに、新たな事業展開に向けた取り組みを進めてまいります。報告セグメントではありませんが、海外子会社について「その他」の区分で管理しております。売上高は234,315千円(前年同期比24.8%減)、セグメント損失(営業損失)は30,918千円(前年同期はセグメント損失40,535千円)となりました。中国市場では、アパレル資材分野に限らず、事業範囲の一部拡大に向けた取り組みを進める一方、事業再編、合理化を通じて収益力改善に注力してまいります。なお、報告セグメントに配分していない一般管理費等の全社費用は449,723千円であります。生産、仕入、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。① 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。(単位:千円)セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年5月1日至 2026年4月30日)前年同期比(%)防護服・環境資機材800,359140.0ヘルスケア製品283,435133.6ライフマテリアル151,050115.5合計1,234,845135.0 (注) 金額は、製造原価によっております。 ② 仕入実績当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。(単位:千円)セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年5月1日至 2026年4月30日)前年同期比(%)防護服・環境資機材3,434,189103.7ヘルスケア製品211,158211.7ライフマテリアル2,280,74498.4その他226,78474.2合計6,152,877102.0 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 金額は、仕入価格によっております。③ 受注実績受注から売上計上までの期間が短いため、記載は省略しております。④ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。(単位:千円)セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年5月1日至 2026年4月30日)前年同期比(%)防護服・環境資機材4,800,908103.7ヘルスケア製品388,992142.2ライフマテリアル2,865,465101.9その他234,31575.2合計8,289,681103.3 (注) セグメント間取引については相殺消去しております。 (2) 財政状態の概要及び分析① 財政状態(資産)流動資産は、前連結会計年度末に比べて0.1%減少し6,320,117千円となりました。これは、主として現金及び預金が319,058千円減少し、売上債権が301,235千円増加、棚卸資産が38,362千円増加したためであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べて0.6%増加し2,138,652千円となりました。これは、主として投資有価証券が時価評価により59,026千円増加、退職給付に係る資産が年金資産の増加等で36,296千円増加し、有形固定資産が減価償却等で56,342千円減少、繰延税金資産が20,042千円減少したためであります。この結果、総資産は前連結会計年度末に比べて6,556千円増加し8,458,770千円となりました。(負債)流動負債は、前連結会計年度末に比べて4.1%減少し1,515,711千円となりました。これは、主として1年内返済予定の長期借入金が約定返済で95,384千円減少、未払金が23,389千円減少、未払法人税等が19,286千円減少し、仕入債務が52,278千円増加したためであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べて12.6%増加し116,969千円となりました。これは、主として退職給付に係る資産の増加等でその他に区分した繰延税金負債が6,352千円増加、退職給付に係る負債が4,134千円増加したためであります。この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べて51,212千円減少し1,632,681千円となりました。(純資産)純資産合計は、前連結会計年度末に比べて0.9%増加し6,826,088千円となりました。これは、主として投資有価証券の時価評価によるその他有価証券評価差額金の増加等でその他の包括利益累計額が47,538千円増加したためであります。② セグメントごとの財政状態の分析(防護服・環境資機材事業)当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて279,517千円増加し2,952,604千円となりました。これは主に売上債権が278,070千円増加、棚卸資産が66,829千円増加し、有形固定資産が61,934千円減少したためであります。(ヘルスケア製品事業)当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて14,842千円増加し484,910千円となりました。これは主に売上債権が28,271千円増加、棚卸資産が6,117千円増加し、有形固定資産が18,653千円減少したためであります。(ライフマテリアル事業)当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて214,287千円減少し1,428,603千円となりました。これは主に連結子会社を吸収合併したことに伴い現金及び預金239,860千円を報告セグメントに配分していない全社資産へ区分したためであります。 (3) キャッシュ・フロー当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて519,058千円減少し、当連結会計年度末には2,132,978千円となりました。① 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果支出した資金は28,113千円(前連結会計年度は465,588千円の獲得)となりました。支出の主な内訳は、売上債権の増加300,064千円、法人税等の支払い90,259千円、棚卸資産の増加38,046千円であります。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益212,556千円、減価償却費131,482千円、仕入債務の増加52,233千円であります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果支出した資金は266,224千円(前連結会計年度は165,276千円の支出)となりました。支出の主な内訳は、定期預金の預入れ200,000千円、有形固定資産の取得32,930千円、無形固定資産の取得32,386千円であります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果支出した資金は229,197千円(前連結会計年度は245,829千円の支出)となりました。支出の内訳は、配当金の支払い133,813千円、長期借入金の返済95,384千円であります。② 資本の財源及び資金の流動性の分析資金需要及び財政政策について、当社グループは、運転資金及び投資等の資金需要に対して、自己資金を充当することを基本方針とし、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、必要に応じて銀行借入等により調達することとしております。銀行借入等については、新規投資案件が発生した時点で、調達を検討する方針であります。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

事業リスク

  • 主要仕入先への依存
    主力製品であるデュポン™タイベック®製化学防護服は、主要仕入先である旭・デュポン フラッシュスパン プロダクツ株式会社からの供給に大きく依存しています。長期納入契約がないため、何らかの事情で供給に支障が生じたり、取引条件が変更されたりした場合、アゼアスの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。サプライチェーンの安定性が重要な課題です。
  • 特需による業績変動
    防護服・環境資機材事業は、新型コロナウイルス感染症やアスベスト問題などの環境・安全問題の発生により、一時的に売上や利益が大きく増加する「特需」が発生する可能性があります。しかし、これらの特需は特定の事業年度に限られることが多く、翌年度には反動で業績が落ち込むリスクがあります。安定的な成長のためには、特需に頼らない事業基盤の強化が求められます。
  • ライフマテリアル事業の需要縮小
    ライフマテリアル事業のうち、機能性建材事業では、消費者の畳離れや洋風化の影響で畳資材の需要が縮小傾向にあります。また、アパレル資材事業も、新型コロナウイルス感染症の影響や取引先の海外移転により国内市場が縮小しています。これらの市場環境の変化に対応できず、新規顧客開拓や事業転換が不十分な場合、当該事業の業績が悪化する可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,124 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 防護服・環境資機材事業について当社の主力製品及び商品であるデュポン™タイベック®製化学防護服は現状国内において当社がほぼ独占的に取扱いしていますが、納入数量、価格等に関する長期納入契約は締結されておりません。主要仕入先である旭・デュポン フラッシュスパン プロダクツ株式会社(米国デュポン社の日本法人であるデュポンジャパン株式会社及び旭化成株式会社の合弁会社)との取引関係は極めて良好でありますが、何らかの事情により商品及び製品の継続供給に支障をきたした場合や同社より取引条件の変更を求められた場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、政治経済情勢の悪化、政変、治安の悪化、テロ・戦争の発生、感染症のまん延等により、海外のサプライチェーン網が寸断されるなど、商品や原材料が十分に調達できない事態に備えるため、国内外の調達網を再構築し、不測の事態が発生した場合でも十分に製品等を供給できる体制の構築に努めてまいります。(2) 特需による業績変動リスク防護服・環境資機材事業につきましては、環境や安全に係る問題の発生や関心の高まりが、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。新型コロナウイルス感染症、豚熱(CSF)や鳥インフルエンザのような衛生問題、アスベスト問題等、環境や安全に関する問題などが発生した場合は、特定の事業年度だけ売上及び利益が増加し翌年度は反動が生じる可能性があります。当社は、個人防護具やその関連資材の提供とノウハウの提案をセットアップした独自のソリューションビジネスを深化させ、企業として尚一層の発展を遂げられるよう努めてまいります。(3) 製品及び商品に対する賠償責任について当社製品及び商品の欠陥により製造物責任訴訟を提訴された場合を想定して製造物責任保険に加入していますが、この保険は無制限に当社の賠償負担を担保するものではありません。製造物責任に係る多額の負担金の支払等により、当社の財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。(4) 品質管理について当社はISO 9001に準拠した厳格な品質マネジメントシステムに基づく品質管理体制を構築しております。ただし、取扱い製品及び商品について予期せぬ要因により日本産業規格、厚生労働省国家検定規格に不適合となった場合、法規制の改正により当社製品及び商品が規制に適合しなくなった場合、並びに当社製品及び商品の欠陥及び故障が発生した場合は、回収費用、クレーム対応費用、補修費用等の追加コストを負担すること等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。またこれに係る業績悪化によるレピュテーションリスクの可能性もあります。(5) ライフマテリアル事業の需要動向について機能性建材分野については、洋風化による消費者の畳離れの影響等により、たたみ資材の需要が縮小傾向にあります。当社は、新製品“ReFace®”他、健康、安全を実現する機能製品を軸にエンドユーザーを中心とした新規顧客の開拓に取り組んでおりますが、当該取り組みが不十分だった場合、当事業の業績が減収により悪化する可能性があります。アパレル業界においては、新型コロナウイルス感染症の影響や取引先の生産拠点の海外移転等で国内マーケットは縮小傾向にあります。当社は、安全衣料分野の市場開拓を進め、エンドユーザー向けに最終製品を販売する事業への転換を目指しておりますが、この取り組みが不十分だった場合、当事業の業績が減収により悪化する可能性があります。(6) 資源価格や為替など市場環境の変動について商材の一部は、石油などの天然資源が使用されているほか、生産を海外に依存していることから、中東及びロシア・ウクライナ情勢や、各国の金利・物価の変動等を要因とした資源価格の高騰や円安の進行など市場環境の変動は、仕入価格や物流費用の上昇につながり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。(7) 中国のカントリーリスクについて各事業とも中国に仕入先を擁しており、特に防護服・環境資機材事業においては防護服の外注加工委託先が重要な位置付けにあります。中国国内の情勢に変化があった場合、各事業の仕入価格や仕入体制に影響を及ぼす可能性があります。またライフマテリアル事業においては、中国の子会社と連携して営業活動を行っており、政情不安、反日感情の高まり、経済環境の悪化、当局の都市開発政策による立退き命令、人件費の高騰及びロックダウン等の不測の事態の発生により子会社の運営に影響を及ぼす可能性があります。(8) 固定資産の評価について当社は、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しております。当該会計基準では、それぞれの固定資産について回収可能性を測定し、回収可能額が帳簿価額を下回る場合はその差額を減損損失として認識することとされております。現時点で遊休資産以外の資産において具体的に減損損失を認識する状況ではありませんが、今後特定の事業の業績が悪化し回収可能価額が帳簿価額を下回った場合は、減損会計の適用により、当社の財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。(9) 災害、感染症等について当社の製造、販売拠点が、地震、火災、テロ攻撃等の災害により物的、人的被害を受けた場合や、当社の従業員に感染症等の感染が拡大した場合は、生産の一時停止、営業活動自粛、商品及び製品の一時出荷停止などにより当社財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。当社はこれらのリスクに備え、事業継続計画(BCP)を策定し、緊急時の被災状況等の情報収集体制の確立、従業員の安全確保と事業継続に向け体制を整備し、リスクの低減に努めております。当社の製造、販売拠点が、地震、火災、テロ攻撃等の災害により物的、人的被害を受けた場合や、当社の従業員に感染症等の感染が拡大した場合は、生産の一時停止、営業活動自粛、商品及び製品の一時出荷停止などにより当社財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。当社はこれらのリスクに備え、事業継続計画(BCP)を策定し、緊急時の被災状況等の情報収集体制の確立、従業員の安全確保と事業継続に向け体制を整備し、リスクの低減に努めております。(10) サイバーセキュリティについて当社のパソコン・サーバー等、通信インフラ設備がランサムウェア等の感染によりシステム稼働不能に陥り、脅迫や物的被害を受けた場合は、生産の一時停止、商品及び製品の一時出荷停止、売掛金の回収遅延、買掛金の支払い遅延などにより当社財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼすほか、漏洩した情報により損害賠償責任、行政処分、対応費用の発生、事業活動の停滞、当社グループの信用低下等の可能性があります。当社はこれらのリスクに備え、事業継続計画(BCP)を策定し、緊急時の被害状況等の情報収集体制の確立、設備復旧と事業継続に向け体制を整備するほか、技術的対策、従業員教育等の予防的対策に加えて、万一の障害に備え、サイバー保険への加入等によるリスクの低減に努めております。(注) デュポン™、タイベック®は、米国デュポン社の関連会社の商標または登録商標です。

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