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エー・ピーホールディングス(3175)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

小売業 小売

事業の概要

  • 生販直結モデル
    エー・ピーホールディングスは、食材の生産から加工、流通、そして外食店舗での販売までを一貫して自社グループで行う「生販直結モデル」を事業の中核としています。これにより、中間業者を介さないためコストを削減し、生産者の顔が見える安心・安全な食材を消費者に提供しています。
  • 多角的な食産業展開
    同社は、地鶏や鮮魚などの一次産品の生産・加工から、国内および海外での飲食店経営、さらには弁当製造販売といった中食事業まで、食に関する幅広い領域で事業を展開しています。これにより、多様な顧客ニーズに対応し、収益源を多角化しています。
  • 地域活性化への貢献
    このモデルは、全国各地の生産者や行政と直接連携することで、地域の第一次産業を活性化させ、現地雇用を促進する役割も果たしています。生産者には安定した出荷先と適正価格を、地域には経済的な恩恵をもたらし、企業価値向上にも繋げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 生産流通事業
    この事業は、地鶏や鮮魚などの食材の生産から加工、販売までを担っています。全国各地の生産者や行政と連携し、自社農場や加工場で「みやざき地頭鶏」や「黒さつま鶏」などを生産・加工し、独自の流通ソリューションで店舗に供給しています。売上高は7.9031億円、営業利益は1.44774億円と、グループの基盤を支える重要な役割を担っています。
  • 販売事業
    この事業は、主に国内および海外での飲食店経営と、弁当製造販売を行う中食事業で構成されています。既存店舗のリブランディングや新規出店、複合型店舗の展開を通じて、顧客満足度向上と売上拡大を目指しています。売上高は202.82159億円、営業利益は1.18007億円と、グループの売上の大部分を占める主力事業です。
  • 海外販売事業
    シンガポール、アメリカ、香港、インドネシアなど、海外各地域での飲食店経営を行っています。インバウンド需要の増加や経済活動の正常化に伴い、海外市場での事業拡大も推進しており、グローバルな展開を通じて収益源の多様化を図っています。具体的な売上や利益の数値は販売事業に含まれています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
ProductionAndDistributionBusinesses 地域 8 1 18.3%
SalesBusiness 地域 203 1 0.6%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,820 文字
3 【事業の内容】当社グループは(当社及び当社の関係会社)、当社、連結子会社13社、持分法適用関連会社1社の計15社で構成され、「食のあるべき姿を追求する」という共通の経営理念のもとで、食産業において、地鶏や鮮魚等の食材の生産から流通、外食店舗を主とする販売までを一貫して手掛ける「生販直結モデル」による総合的な事業展開をおこなっております。「生販直結モデル」においては、販売店舗の運営を通じて消費動向を把握しながら、潜在的な競争力を有する全国各地の第一次産業の生産者や行政と直接提携・信頼関係を構築していきます。この生産・販売の直接関係により、無駄な中間流通コストをカットするだけでなく、その商品は誰がどのように生産されたものかを継続して把握することができます。また、当社自身も直営農場や加工場等の設営を行うことで産地を知り、生産者の想いを共有することができます。次に、最適な物流手段や加工方法等の独自の流通ソリューションを立案することで、物流コスト、鮮度及び余剰・未利用品等の課題を解決しています。そして、ブランドストーリーの考案と商品企画により生産地・産品をブランド化するのに加えて、生産者直営店舗であることで安心・低価格・高品質であることを直接伝えることができます。さらに、販売店舗における顧客感動満足を追求する独自の販促手法により、付加価値を高めて消費者に提供しています。このネットワークと一連のプロセスにより、第一次産業の生産者には適正価格で継続的に出荷できることで安心して生産に従事できる環境を、地域には産業の活性化と現地雇用の促進を、販売においては安全で高品質な商品と生産者の想いを背負う社会的意義を、そして消費者に対しては従来よりも高品質低価格な商品・サービスを提供することが可能となり、食産業におけるALL-WINを達成しています。なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。また、当連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しており、当社の関係会社の事業の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであり、以下の4事業はセグメントと同一の区分であります。 当社グループの事業に関わる位置付けは次のとおりであります。区分会社名事業内容統括事業㈱エー・ピーホールディングス当社グループの統括事業国内外食事業 ㈱エー・ピーカンパニー新鮮組フードサービス㈱ 国内飲食店の経営及びライセンス事業の展開海外外食事業 AP Company International Singapore Pte.,Ltd.AP Company USA Inc.AP Company Kalakaua LLCAP Bijinmen 1 LLCAP Company HongKong Co., Ltd.AP Place Hong Kong Co., Ltd.PT.APC International Indonesia 海外各地域における飲食店の経営中食事業 ㈱塚田農場プラス 弁当製造販売生産流通事業 ㈱地頭鶏ランド日南㈱新得ファーム㈱カゴシマバンズ㈱豊洲漁商産直市場 (注2) 食材の生産及び加工販売 (注)1 2025年5月30日付にて㈱リアルテイストの全株式を譲渡したため、連結より除外しております。 2 ㈱豊洲漁商産直市場は持分法適用関連会社であります。 ①国内外食事業独自の「生販直結モデル」を通じて調達した高品質な食材を活かし、国内における外食店舗の企画・運営を行っております。当事業においては「人的資本経営」を推進し、商品開発・マーケティング・クリエイティブの各機能を前線化させた「事業部採算制」を導入することで、ブランド単位での機動的な戦略実行を進めております。なお、国内外食事業は特性に応じて以下の3つのセグメントに分類されております。(1)居酒屋セグメント主力である地鶏居酒屋「宮崎県日南市塚田農場」「鹿児島県霧島市塚田農場」をはじめ、「北海道シントク町塚田農場」「炭火焼鳥塚田農場」「じとっこ組合」等のブランドを展開しております。現在は既存事業のリブランディングによる付加価値向上と、旗艦店で培ったノウハウを活かした地方エリアへの積極的な出店を推進しております。(2)専門店セグメント高品質な鮮魚を提供する水産居酒屋「四十八漁場」や「なきざかな」、ホルモンを扱う「芝浦食肉」、焼鳥・地鶏希少部位を扱う「希鳥」「焼鳥つかだ」など、当社の流通の強みをダイレクトに活かしたエッジのある専門業態を展開しております。(3)レストランセグメント主に主要商業施設等に出店する中高級価格帯事業(「Nacamoguro」「しゃぶしゃぶつかだ」等)や、時間帯を問わない営業モデルで成長著しい「立ち寿司横丁」などを展開し、多様なデイタイム需要の取り込みと客層の拡大を図っております。 ②海外外食事業主にアジア圏および米国において外食店舗を展開し、ブランドの浸透と収益基盤の拡大を図っております。当連結会計年度末現在、直営店舗としてインドネシアに5店舗、香港に4店舗、シンガポールに3店舗、米国(USA)に1店舗を出店しているほか、フランチャイズ(FC)方式によりカンボジアおよびフィリピンへ展開しております。特に直営展開が好調なインドネシアにおいては、独自の鶏スープを活かした「美人鍋(BIJIN NABE)」が好評を博しており、現地ニーズに合致したローカライズと、周辺国への高い水平展開性を有する戦略を進めております。 ③中食事業当社連結子会社(株式会社塚田農場プラス)を中心に、宅配弁当、エキナカ、および商業施設等の店舗においてお弁当や惣菜の製造・販売を行っております。当社グループの強みである一次生産者との繋がりを活かし、地方の希少食材や独自の調理法を取り入れた付加価値の高い商品開発(外部の惣菜グランプリ等での金賞受賞実績など)を行うことで、堅調な需要を安定的に取り込んでおります。また、近年の需要拡大に伴う製造キャパシティの逼迫に対応し、さらなる事業拡大を図るため、基幹製造拠点である新木場工場(東京都江東区)の拡張を実施し、生産能力の拡大と効率的な供給体制の強化を推進しております。2026年3月31日現在の国内外食事業、海外外食事業、中食事業の詳細は下表のとおりです。 販売形態セグメント店舗ブランド外食居酒屋宮崎県日南市塚田農場鹿児島県霧島市塚田農場北海道シントク町塚田農場炭火焼鳥塚田農場 じとっこ組合 など専門店四十八漁場・なきざかな・芝浦食肉・希鳥・焼鳥つかだ・やきとりスタンダード などレストランNacamoguro・しゃぶしゃぶつかだ立ち寿司横丁・裏の山の木の子 など海外海外店舗中食中食宅配、エキナカ、商業施設、フードコートなど (主な関係会社)㈱エー・ピーカンパニー、㈱塚田農場プラス AP Company International Singapore Pte., Ltd.、 AP Company USA Inc.、PT.APC International Indonesia AP Place Hong Kong Co., Ltd. ④生産流通事業「生販直結モデル」の川上・川中を担い、全国各地の潜在的な競争力を有する食材を選定し、現地生産者や行政と直接関係を構築の上で、現地法人等を通じて食材の生産、加工、販売を行っております。また、物流コスト、鮮度、余剰部位の活用など、生産地と店舗の双方の課題に対して最適な流通ソリューションを提供しております。(1)地鶏への取組み宮崎県(みやざき地頭鶏)、北海道(新得地鶏)、鹿児島県(黒さつま鶏)等の自治体や生産者等と連携し、現地法人による自社農場での生産から食鳥処理場での加工までの一貫体制を確立し、食材の安定供給と高品質・低価格の両立を実現しております。(2)水産(鮮魚)への取組み多様な地域の漁業事業者と、卸売市場を通さない直接取引を行っております。当日朝に水揚げされた水産物を速やかに店舗に届ける物流ネットワーク(「今朝獲れ便」等)の運用や、未利用魚を加工して商品化する等の付加価値向上に取り組み、漁業者からの適正価格での買取を継続しております。(3)青果およびその他への取組み関係会社において東京都中央卸売市場(大田市場青果部)の売買参加権(買参権)を保有し、同市場からの青果物の直接買入と販売を行っているほか、全国各地の生産者との直接取引を通じて、グループ内店舗への効率的な流通体制を構築しております。当社グループの主な養鶏施設および加工施設の概要は次のとおりであります。所在地施設名内容宮崎県日南市提携養鶏場 みやざき地頭鶏の養鶏雛センター 種鶏の飼育、孵化宮崎県東諸郡綾町雛センター 種鶏の飼育、孵化宮崎県西都市処理加工場 食鳥処理、食肉の二次加工鹿児島県霧島市提携養鶏場 黒さつま鶏の養鶏処理加工場 食鳥処理、食肉の二次加工鹿児島県曽於市雛センター 種鶏の飼育、孵化北海道上川郡新得町処理加工場 食鳥処理、食肉の二次加工 (主な関係会社)㈱地頭鶏ランド日南、㈱新得ファーム、㈱カゴシマバンズ、㈱豊洲漁商産直市場

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
生産者直営店舗であることで安心・低価格・高品質であることを直接伝えることができる
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ネットワーク
生産者や行政との直接提携・信頼関係構築、独自の流通ソリューション、ブランドストーリー考案
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:各種法的規制(食品衛生、製造物責任、労働関連) / 主要食材(みやざき地頭鶏・黒さつま鶏)への依存 / 食材の生産、流通における問題
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

エー・ピーホールディングスは、特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的な知的財産権によって裏付けられた無形資産の優位性は、現時点では明確に確認できません。事業は主に飲食店の運営であり、ブランド力は存在するものの、競合他社との差別化が明確な特許等による保護は限定的です。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

飲食店の利用において、顧客が特定の店舗やブランドに強い愛着を持つ場合、乗り換えに対する心理的な抵抗が生じる可能性があります。しかし、一般的に外食産業における顧客のスイッチング・コストは低く、価格、立地、メニューの魅力など、他の要因に容易に影響されるため、この要因による優位性は限定的です。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

エー・ピーホールディングスの事業モデルは、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果を生み出す構造にはありません。店舗の利用は個別の顧客体験に依存し、顧客が増えることで既存顧客の体験価値が向上するような、プラットフォーム型のビジネスとは異なります。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

飲食業界全体として、食材の仕入れや人件費などのコスト構造は類似しており、エー・ピーホールディングスが構造的に大幅なコスト優位性を確立している証拠は現時点では見られません。規模の経済による効率化の可能性はありますが、それが持続的な競争優位に繋がるほどの顕著なものではないと考えられます。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

エー・ピーホールディングスは、複数の飲食店ブランドを展開し、一定の店舗網を有していますが、業界全体で見ると、その規模が圧倒的な効率規模の優位性を確立するほどではないと考えられます。少数寡占を形成するほどの市場シェアや、規模の経済による顕著なコスト削減効果は限定的である可能性があります。

  • 独自の生販直結モデル
    同社は、食材の生産から加工、流通、販売までを一貫して手掛ける「生販直結モデル」を確立しています。これにより、中間コストを削減し、高品質な食材を低価格で提供できるだけでなく、生産者の想いや商品の背景を直接消費者に伝えることが可能となり、他社との差別化を図っています。
  • 生産者との強固な連携
    全国各地の第一次産業の生産者や行政と直接提携し、信頼関係を構築しています。例えば、宮崎県の「みやざき地頭鶏」や鹿児島県の「黒さつま鶏」など、特定のブランド食材の生産から加工までを自社で管理することで、安定した品質と供給量を確保し、ブランド価値を高めています。
  • 多様な流通ソリューション
    最適な物流手段や加工方法を独自に立案し、物流コストの削減、鮮度維持、余剰・未利用品の活用といった課題を解決しています。特に「今朝獲れ便」のような独自の配送システムは、他社にはない強みとして、顧客への高い鮮度価値提供に貢献しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループは、「日本の食のあるべき姿を追求する」というグループ共通のミッションのもと、「生販直結モデル」の事業展開を通じて、第一次産業の活性化と高品質低価格の実現による、食産業における生産者、販売者、消費者のALL-WINの達成を目指しております。 <当社グループが目指す、生販直結モデルによるALL-WIN> 当社グループでは、上記の達成のため、以下のような課題に取り組んでいく方針であります。 ① AI推進による事業モデルの抜本的変革 外食産業における人件費高騰と労働力不足は深刻な構造的課題であり、当社はAI活用を「人が創造性に集中できる組織への変革」の中核に据え、この課題を解決してまいります。 当連結会計年度に始動した全社プロジェクトを深化させ、配膳ロボットの導入やAI需要予測に基づく自動発注、食品ロス削減モニタリング、自動シフト作成といった店舗DXを徹底し、定型業務の自動化を推進します。あわせて、メニューエンジニアリングや需要予測に連動したダイナミックプライシングの導入、独自のデータ資産を基盤としたパーソナライズ・メニューの提供による収益最大化が喫緊の課題です。AIを単なる効率化の手段に留めず、事業モデルそのものを進化させる原動力とし、次世代の外食経営モデルを確立してまいります。 ② 人的資本経営の深化:自律型組織への移行と人材力の強化 不透明な経営環境下において、現場一人ひとりが自律的に判断し行動できる組織の構築は不可欠な課題です。当社は、外部採用への過度な依存から脱却し、現場のポテンシャルを発掘して内部から次世代リーダーを輩出する「カンテラ採用」の定着を推進します。教育面においては、独自の「職人技術」と「マネジメント能力」を両立させた自律型人材を育成し、将来の事業拡大を支える人材基盤を強固にすることが課題であると認識しております。また、階層を極力排除した「ぶんちん型フラット組織」への移行により、現場の意思決定スピードを画期的に向上させ、AIによって創出した時間を接客等の創造的業務に再配分します。継続的な賃上げによる処遇改善とともに、全スタッフが誇りを持って挑戦し続けられる組織文化の醸成に取り組んでまいります。 ③ 収益構造の強靭化:付加価値の創造と適正な価格転嫁 原材料費やエネルギー価格の継続的な上昇は、収益性を圧迫する大きな課題です。当社は「生販直結」モデルの強みを活かし、産地直送の希少食材やストーリー性のある商品開発を通じて、価格競争に陥らない圧倒的な付加価値を創出することが重要であると考えております。単なるコストアップの転嫁ではなく、提供価値の向上を伴う「適切な価格転嫁」を実行し、生産者の利益確保と当社の収益性向上を両立させる「良循環」を構築・維持することを重点課題として取り組んでまいります。 ④ 成長基盤の拡大:グローバル展開と戦略的M&A 国内市場の構造的変化を見据え、成長著しい海外市場において新たな収益の柱を確立することが中長期的な課題です。特に経済成長が続く東南アジア市場において、当社の強みである「日本の食文化」と「直結モデル」をローカライズさせつつ展開を加速いたします。自社による新規出店に加え、シナジー効果が見込めるM&Aを機動的に活用することで、グローバル規模での成長ポートフォリオを構築し、企業価値の持続的な拡大を図ってまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループは、「日本の食のあるべき姿を追求する」というグループ共通のミッションのもと、「生販直結モデル」の事業展開を通じて、第一次産業の活性化と高品質低価格の実現による、食産業における生産者、販売者、消費者のALL-WINの達成を目指しております。 <当社グループが目指す、生販直結モデルによるALL-WIN> 当社グループでは、上記の達成のため、以下のような課題に取り組んでいく方針であります。 ① AI推進による事業モデルの抜本的変革 外食産業における人件費高騰と労働力不足は深刻な構造的課題であり、当社はAI活用を「人が創造性に集中できる組織への変革」の中核に据え、この課題を解決してまいります。 当連結会計年度に始動した全社プロジェクトを深化させ、配膳ロボットの導入やAI需要予測に基づく自動発注、食品ロス削減モニタリング、自動シフト作成といった店舗DXを徹底し、定型業務の自動化を推進します。あわせて、メニューエンジニアリングや需要予測に連動したダイナミックプライシングの導入、独自のデータ資産を基盤としたパーソナライズ・メニューの提供による収益最大化が喫緊の課題です。AIを単なる効率化の手段に留めず、事業モデルそのものを進化させる原動力とし、次世代の外食経営モデルを確立してまいります。 ② 人的資本経営の深化:自律型組織への移行と人材力の強化 不透明な経営環境下において、現場一人ひとりが自律的に判断し行動できる組織の構築は不可欠な課題です。当社は、外部採用への過度な依存から脱却し、現場のポテンシャルを発掘して内部から次世代リーダーを輩出する「カンテラ採用」の定着を推進します。教育面においては、独自の「職人技術」と「マネジメント能力」を両立させた自律型人材を育成し、将来の事業拡大を支える人材基盤を強固にすることが課題であると認識しております。また、階層を極力排除した「ぶんちん型フラット組織」への移行により、現場の意思決定スピードを画期的に向上させ、AIによって創出した時間を接客等の創造的業務に再配分します。継続的な賃上げによる処遇改善とともに、全スタッフが誇りを持って挑戦し続けられる組織文化の醸成に取り組んでまいります。 ③ 収益構造の強靭化:付加価値の創造と適正な価格転嫁 原材料費やエネルギー価格の継続的な上昇は、収益性を圧迫する大きな課題です。当社は「生販直結」モデルの強みを活かし、産地直送の希少食材やストーリー性のある商品開発を通じて、価格競争に陥らない圧倒的な付加価値を創出することが重要であると考えております。単なるコストアップの転嫁ではなく、提供価値の向上を伴う「適切な価格転嫁」を実行し、生産者の利益確保と当社の収益性向上を両立させる「良循環」を構築・維持することを重点課題として取り組んでまいります。 ④ 成長基盤の拡大:グローバル展開と戦略的M&A 国内市場の構造的変化を見据え、成長著しい海外市場において新たな収益の柱を確立することが中長期的な課題です。特に経済成長が続く東南アジア市場において、当社の強みである「日本の食文化」と「直結モデル」をローカライズさせつつ展開を加速いたします。自社による新規出店に加え、シナジー効果が見込めるM&Aを機動的に活用することで、グローバル規模での成長ポートフォリオを構築し、企業価値の持続的な拡大を図ってまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国の経済環境は、堅調な雇用情勢やインバウンド需要の継続的な拡大が景気を下支えしたものの、食品・エネルギー価格の相次ぐ値上げが家計を圧迫し、個人消費は依然として選別傾向が続きました。また、地政学リスクの長期化や為替相場の変動、米国の経済政策の影響など、先行き不透明な状況が継続いたしました。外食産業におきましては、インバウンド需要の定着や年末の忘年会需要の回復により、都心部を中心に客足の戻りが鮮明となりました。一方、食材価格の高騰や深刻な人手不足による人件費の上昇、光熱費の負担増が収益を圧迫し、経営環境は引き続き厳しい局面にありました。このような環境の中、当社グループは「食のあるべき姿を追求する」というミッションのもと、「FOOD CREATIVE FIRM」として、計画的に出店を抑制し、既存店の質の向上に経営資源を集中する「筋肉質経営」を徹底いたしました。食材価格・人件費の上昇という外的逆風に対しても、生産地と直結した独自の「生販直結モデル」が生み出す高付加価値業態の強みが発揮され、客単価の上昇局面においても顧客離れを招くことなく、適正な価格で質の高い食体験を提供し続けることができました。この「高品質・中価格」というポジションが時代の消費選別傾向とまさにマッチした一年であったと認識しております。店舗数につきましては、海外を含めた直営店舗で138店舗を運営しており、前連結会計年度末と比較し、17店舗の減少となりました。なお、このうち10店舗は、連結子会社である株式会社リアルテイストの全株式を株式会社FS.shakeへ譲渡したことによるものであります。また、当該株式譲渡に伴い関係会社株式売却益を特別利益として計上し、自己資本の拡充に繋げたほか、2025年10月に完了した第三者割当による第1回無担保転換社債型新株予約権付社債の払込により、成長投資に向けた資金調達と財務基盤のさらなる安定化を実現いたしました。以上の結果、当連結会計年度の売上高は21,821百万円(前年同期比3.6%増)、営業利益は845百万円(前年同期比221.3%増)、経常利益は721百万円(前年同期比185.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,135百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失36百万円)となりました。 セグメントごとの業績は次のとおりであります。なお、当連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しております。(国内外食事業)国内外食事業では、「生販直結モデル」の基幹として飲食店舗の運営を行っております。「居酒屋事業」「専門店事業」「レストラン事業」にポートフォリオを細分化し、出店抑制・既存店重視の方針のもと、各領域の特性に応じた経営資源の最適配分を推進いたしました。居酒屋事業では、九州・北海道・炭火焼鳥の各「塚田農場」およびライセンス事業を展開しております。組織コンディションの向上を背景に、通年を通じたメニュー刷新や販促施策が奏功し、忘年会シーズンを含む最需要期においても力強い集客を実現いたしました。専門店事業では、「四十八漁場」等の魚業態や焼鳥・ホルモン業態を運営しております。インバウンド需要が定着した中高級の焼鳥店舗が好調を維持するとともに、旬の食材を活かした生販直結ならではの提案が幅広い顧客層から支持を得ました。レストラン事業では、商業施設を中心に中高級業態や立ち寿司業態を展開しております。株式会社リアルテイストの売却完了により店舗数は減少したものの、売上高は前年比で増加し、従業員のキャリアパスを支える重要事業として位置付けております。店舗数につきましては、直営店舗で123店舗を運営しており、前連結会計年度末と比較し13店舗の減少となっております。以上の結果、当連結会計年度における売上高は15,604百万円(前年同期比3.8%増)、セグメント利益は445百万円(前年同期比1,588%増)となりました。 (海外外食事業)海外外食事業では、香港・シンガポール・インドネシア・アメリカ合衆国において事業を展開しております。当連結会計年度は、海外事業の構造転換が完了した年として位置づけております。香港においては不採算店舗の撤退を完了し、管理機能の内製化によるコスト構造の抜本的な見直しを断行した結果、37か月ぶりに事業単体での黒字転換を達成いたしました。また、運営する「Kicho」香港店がミシュランガイドに選出されるなど、ブランド価値の向上においても大きな成果を上げました。シンガポール・アメリカ合衆国においては責任者を刷新し、事業再構築を図っております。インドネシアにおいては、既存全店舗の客数が堅調に推移するとともに新規出店も好調な立ち上がりを見せており、今後の海外成長の中心軸として積極的な出店を継続してまいります。店舗数につきましては、直営店舗で15店舗を運営しており、前連結会計年度末と比較し4店舗の減少となっております。以上の結果、当連結会計年度における売上高は2,054百万円(前年同期比18.1%減)、セグメント損失は17百万円(前年同期はセグメント損失147百万円)となりました。 (中食事業)中食事業では、株式会社塚田農場プラスが運営する宅配弁当事業「塚田農場おべんとラボ」が当社の第2の収益柱として確固たる地位を確立しつつあります。行楽・行事需要に加え、法人向けイベント需要を年間を通じて着実に取り込んだことで宅配事業および駅ナカ事業の売上高は大きく伸長いたしました。競合他社との差別化においては、当社グループの経営理念である「高品質・中価格」の提供価値が中食領域においても一貫して発揮されており、食材品質を担保しつつ客単価が上昇する局面においても顧客離れを招かない強固な支持基盤を築いております。現在、さらなる需要拡大に対応すべく生産工場の拡張工事を実施中であり、進行期より本格拡大フェーズへ移行する計画であります。以上の結果、当連結会計年度における売上高は3,680百万円(前年同期比19.4%増)、セグメント利益は244百万円(前年同期比2.4%増)となりました。 (生産流通事業)生産流通事業では、「生販直結モデル」の中核として地鶏の生産事業および鮮魚・青果物等の流通事業を展開しております。円安の継続やエネルギー価格の影響による飼料価格の高止まりが生産コストの押し上げ要因となりましたが、宮崎県における加工場の統合・効率化施策および独自の生販直結モデルを活かした迅速な価格転嫁により、安定した事業運営を継続いたしました。当連結会計年度の特筆すべき成果として、営業部門で顕著な実績を上げたプロパー社員を1次産業の責任者へ抜擢いたしました。これにより、マーケットのニーズを生産現場へ即座にフィードバックし、1次から3次産業までを一気通貫で最適化する体制を構築いたしました。これは当社が推進する「人的資本経営」の具現化であり、生産・流通・販売の一体運営による圧倒的な競争優位の確立に繋がるものと確信しております。また、グループ内供給の最適化を図りつつ、高品質な食材への旺盛な外部需要を取り込むことで、グループ外販の販路拡大も着実に進展しております。以上の結果、当連結会計年度における売上高は1,628百万円(前年同期比0.7%増)、セグメント利益は173百万円(前年同期比19.7%増)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は前連結会計年度末より254百万円増加し、1,171百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において営業活動により得られた資金は1,263百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益1,062百万円の計上によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において投資活動により得られた資金は24百万円となりました。これは主に、株式会社リアルテイストの連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入475百万円によるものであります。一方で、来期に予定している株式会社塚田農場プラスの工場増設に係る建設仮勘定として229百万円の支出を計上しております。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において財務活動により使用した資金は1,051百万円となりました。これは主に、短期借入金の返済による支出1,480百万円を計上した一方で、長期借入金の借入による収入595百万円があったことによるものであります。 ③ 生産、仕入及び販売の状況a.生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)生産流通事業 909,57188.9 合計 909,57188.9 (注) 金額は製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値であります。 b.仕入実績当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称仕入高(千円)前年同期比(%)国内外食事業 4,743,682102.3海外外食事業591,76982.9中食事業324,616116.4生産流通事業 422,817103.1 合計 6,082,885100.7 (注) 金額は仕入価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値であります。 c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)国内外食事業15,604,755103.8海外外食事業2,054,34581.9中食事業3,680,516119.4生産流通事業1,628,959100.7 合計 22,968,576103.3 (注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値であります。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。 財政状態の分析当連結会計年度における総資産は、前連結会計年度に比べ324百万円増加し、8,012百万円となりました。これは主に現金及び預金が254百万円増加したこと、並びに売掛金が98百万円増加したことによるものです。負債につきましては、前連結会計年度に比べ851百万円減少し、6,888百万円となりました。これは主に短期借入金が1,370百万円減少したことによるものです。一方で、未払消費税等が117百万円増加したほか、転換社債型新株予約権付社債99百万円を計上しております。純資産につきましては、前連結会計年度に比べ1,175百万円増加し、1,124百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益1,135百万円により利益剰余金が1,137百万円増加したことによるものです。資本剰余金の減少81百万円があったものの、自己株式の減少156百万円や利益剰余金の増加があったことにより、純資産合計は前期△50百万円から当期1,124百万円へと転じました。 経営成績の分析(売上高)当連結会計年度の売上高は、21,821百万円(前年同期比3.6%増)となりました。当社の報告セグメントごとの内訳は、国内外食事業が15,604百万円(前年同期比3.8%増)、海外外食事業が2,054百万円(前年同期比18.1%減)、中食事業が3,680百万円(前年同期比19.4%増)、生産流通事業が1,628百万円(前年同期比0.7%増)となっており報告セグメントの合計は22,968百万円となっております(連結売上高との差額は内部取引によるものです)。 (営業利益)当連結会計年度は営業利益845百万円(前年は営業利益263百万円)となりました。当社の報告セグメントごとの内訳は、国内外食事業がセグメント利益445百万円(前年同期はセグメント利益26百万円)、海外外食事業がセグメント損失17百万円(前年同期はセグメント損失147百万円)、中食事業がセグメント利益244百万円(前年同期はセグメント利益239百万円)、生産流通事業がセグメント利益173百万円(前年はセグメント利益145百万円)となっており報告セグメント合計はセグメント利益845百万円(前年はセグメント利益262百万円)となっております(営業利益との差額は連結上の調整額によるものです)。 (親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は1,135百万円(前年は親会社株主に帰属する当期純損失36百万円)となりました。これは固定資産除却損28百万円及び減損損失79百万円を計上した一方で、株式会社リアルテイストの売却に伴う関係会社株式売却益438百万円を計上したことに加え、業績好調に伴い減損損失が前連結会計年度に比べ174百万円減少したこと等によるものであります。 当社グループの当連結会計年度の経営成績は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」の項目をご参照ください。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、店舗設備投資等によるものであります。当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金は自己資金及び金融機関からの借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は4,734百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,171百万円となっております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。

事業リスク

  • 法的規制と衛生問題
    食品衛生法や製造物責任法など、食に関する様々な法的規制を遵守する必要があります。万が一、食中毒などの衛生問題が発生した場合、営業停止や損害賠償請求により、会社の経営成績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、労働関連法令の変更による社会保険料負担の増加もリスクです。
  • 主要食材への依存
    売上構成比が高い「みやざき地頭鶏」や「黒さつま鶏」といった主要食材に大きく依存しています。鳥インフルエンザなどの疫病発生、自然災害による生産量減少、消費者の嗜好変化などが発生した場合、仕入れコストの上昇や販売低下により、会社の業績に影響が出る可能性があります。
  • 自然災害と店舗集中
    多くの店舗が首都圏に集中しているため、大規模な地震や台風などの自然災害が発生した場合、販売低下により経営成績に影響を与える可能性があります。また、畜産業や漁業などの生産事業も行っているため、生産地域での自然災害は生産活動を妨げ、食材の供給に支障をきたすリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,874 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性のある事項には以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 ① 各種法的規制について(a)食品衛生管理について当社グループは、「食品衛生法」に基づき、所管保健所より飲食店営業許可を受けて全ての店舗に食品衛生責任者を配置しております。社内衛生管理マニュアルに基づき、店舗および自社工場での厳格なクレンリネス、食材の温度管理、定期的な衛生監査と従業員教育を徹底しておりますが、万が一、食中毒などの衛生問題が発生した場合には、営業許可の取消しや一定期間の営業停止処分、ブランドイメージの失墜、被害者からの損害賠償請求等により、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。(b)食品表示・製造物責任について当社グループは、「食品表示法」や「製造物責任法(PL法)」等の規制を受けております。これら法令の遵守に向けて、生販直結モデルの強みを活かしたトレーサビリティ(履歴管理)の明確化や、商品開発時における表示チェック体制の二重化等の対策を講じておりますが、万が一、アレルギー表示の誤りや産地誤認表示、異物混入等の法令違反が発生した場合には、製品の廃棄・回収処理、社会的信用の低下等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (c)労働関連法令および人件費高騰について当社グループは店舗や工場等において多数の短時間労働者を雇用しており、近年の社会保険適用拡大(2024年10月の適用基準拡大等)や最低賃金の大幅な引き上げに伴い、社会保険料および人件費の負担が増加しております。当社グループでは、DX(モバイルオーダーや自動精算機等)の導入による店舗オペレーションの省力化や、多様な働き方を認める人事制度への改定を進め、生産性の向上と定着率の改善を図っておりますが、今後のさらなる労働法制の改正や労働市場の逼迫、人件費の高騰が継続した場合には、労務管理コストの増加等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(d)その他各種許認可について当社グループは、生産流通事業において食鳥処理の事業許可、東京都中央卸売市場の買参権などの許認可・権利を受けて事業を行っております。コンプライアンス委員会を中心とした法務チェック体制を構築し、各種許認可の要件維持および期限管理を徹底しておりますが、万が一、法令に基づく許認可の取消しや更新が認められなかった場合には、独自のサプライチェーンが機能しなくなり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ② 主要食材(みやざき地頭鶏・黒さつま鶏)への依存について当社グループは、宮崎県内で生産される「みやざき地頭鶏」や鹿児島県で生産される「黒さつま鶏」を主要食材とする「塚田農場」「じとっこ組合」店舗の売上構成比が高い状況にあります。これに対し、宮崎・鹿児島の生産拠点を複数に分散させて供給リスクを軽減するとともに、地鶏以外のブランド(ホルモン、鮮魚、新業態)の育成によるポートフォリオの多様化や、価格転嫁に頼らないメニュー付加価値の向上に取り組んでおります。しかしながら、鳥インフルエンザ等の疫病の発生による供給停止、近年の円安や穀物価格高騰に伴う配合飼料価格・エネルギーコストの上昇、消費者の嗜好や市場の変化等が発生した場合には、仕入コストの上昇や販売低下により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ③ 食材の生産、流通について当社グループの特徴である「生販直結」モデルにおいて、みやざき地頭鶏、鹿児島黒さつま鶏以外にも、他の地鶏、鮮魚、ホルモンなどの当社のビジネスモデルを特徴づける食材を扱っております。当社グループでは、現地生産者(契約農家・漁師)との強固なパートナーシップの維持、および多角的な調達ルートの開拓・最適化を進めておりますが、これらの食材の安全性確保に不測の事態が生じて調達に制限を受けたり、天候不順や災害、ウイルスの流行等の外的要因により需給関係が逼迫して仕入コストが大幅に上昇するなど、食材の安定確保に支障が生じる事態となった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ④ 自然災害について当社グループの多数の店舗が首都圏に集中しており、また各地で畜産業や漁業などの生産事業を行っております。当社グループでは、店舗および生産拠点におけるBCP(事業継続計画)の策定、定期的な防災訓練の実施、および損害保険への加入等により有事の早期復旧体制を整えておりますが、首都圏において大規模な地震や台風等による災害が発生した場合、その直接的、間接的影響による販売低下を招くリスクがあります。同様に、当該生産地域で大型の自然災害が発生した場合にも、生産活動が妨げられて食材供給が滞るなど、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ⑤ 出退店政策について当社グループは、主に高い集客が見込める都心部及び郊外の主要駅周辺に出店をしております。新規出店に際しては厳格な投資基準を設け、立地条件、賃貸条件、投資回収期間等を総合的に検討して出店候補地を決定しておりますが、すべての条件に合致する物件が計画通り確保できない可能性があります。また、月次の店舗ごとの損益状況や当社グループの退店基準に基づき、不採算店舗等の業態変更や退店を早期に判断・実施しておりますが、業態変更や退店に伴う固定資産の除却損、減損損失の計上、各種契約の解除による違約金、退店時の原状回復費用等が想定以上に発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ⑥ 差入保証金について当社グループは、賃借により出店等を行うことを基本方針としており、すべての店舗において保証金を差し入れております。契約締結時に賃貸人の信用状態を確認するとともに中途解約条項等のリーガルチェックを徹底しておりますが、今後の賃貸人の経営状況の悪化(倒産等)によっては、当該店舗における営業の継続に支障が生じたり、退店時に差入保証金等の一部又は全部が返還されない可能性があります。また、当社の都合によって契約を中途解約する場合等には、締結している賃貸借契約の内容によって差入保証金等の一部又は全部が返還されない場合があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ⑦ 有利子負債の依存度当社グループは、店舗設備及び差入保証金等の出店資金並びに生産設備資金を金融機関からの借入により調達しております。2026年3月期において、当社グループの有利子負債残高は4,734百万円となり、有利子負債依存度は59.0%となっております。現在は営業キャッシュ・フローによる自己資金の蓄積と有利子負債の圧縮を進めておりますが、当該資金を主として変動金利に基づく長期借入金により調達しているため、昨今のわが国における金融政策の転換(金利上昇局面)に伴い金利が上昇した場合には、資金調達コストが増加し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 2025年3月期2026年3月期有利子負債残高(百万円)5,7964,734有利子負債依存度(%)75.359.0 (注)有利子負債残高は、短期及び長期借入金(1年内返済予定を含む)、リース債務、社債の合計額であります。 ⑧ M&Aについて当社グループは、事業拡大を加速する有効な手段のひとつとして、当社グループに関連する事業のM&Aを検討していく方針です。M&A実施に際しては、外部の専門家(公認会計士、弁護士等)を起用して対象企業の財務・法務・事業等について事前に厳格なデューデリジェンスを行い、十分にリスクを吟味し正常収益力を分析した上で決定いたしますが、買収後に偶発債務の発生や未認識債務・労務問題の判明等、事前の調査で把握できなかった問題が生じた場合、また事業の展開等が計画どおりに進まないことにより、のれんの減損処理を行う必要が生じた場合等には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ⑨ 人材の確保及び育成について当社グループは継続的な新規事業の開発及び更なる店舗展開を図っていく方針であり、「人的資本経営」の視点に基づき、社内研修の充実、明確なキャリアパスの提示、従業員エンゲージメントの向上等により人材の確保・育成に注力しております。しかしながら、必要な店長候補、料理人、本部人材、および店舗アルバイト等の十分な人材の確保及び育成が計画通り進まない場合には、新規事業開発の遅れ、サービスの低下による集客力の低下、計画どおりの出店が困難となること等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ⑩ 固定資産の減損損失について 当社グループが保有する店舗等の固定資産において、定期的な収益管理と採算性の改善に努めておりますが、周辺環境の変化や競争激化、市場環境の悪化等に伴う資産価値の下落、あるいは店舗キャッシュ・フローの低下等によって減損処理を余儀なくされた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

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