事業の概要
- 外食事業の展開東和フードサービスは、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の一都三県を中心に、様々なコンセプトの直営レストランを展開しています。自社で生産した食材やメニューを提供することで、品質管理を徹底し、顧客に安全で楽しい食の場を提供しています。これが主な収益源となっています。
- 自社製品の販売外食事業だけでなく、自社生産しているソース、焙煎珈琲豆、ドレッシング、ケーキ、焼き菓子などを店舗外でも販売しています。これにより、店舗に来店しない顧客にも製品を提供し、収益源の多角化を図っています。
- 単一セグメント経営同社はフードサービス事業を単一セグメントとしており、複数の事業部門に分けることなく、飲食店の運営と関連商品の販売に特化しています。これにより、経営資源を集中させ、効率的な事業運営を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 椿屋珈琲事業最高級の家具や食器、大正ロマンを感じさせる内装で「脱日常・時空間」を提供する喫茶店業態です。自社焙煎のスペシャルティ珈琲、手作りケーキ、特製カレーが特徴で、ターミナル駅のショッピングセンターではファミリー層にも対応したフードメニューを提供しています。現在52店舗を展開しており、同社の主力事業の一つです。
- ダッキーダック事業幅広い年代の女性をターゲットにしたホームメイドケーキと、トレンドを取り入れたフードメニュー・スイーツを提供するカフェ業態です。自社ケーキ工房や店内ケーキスタジオでフレッシュなケーキを製造しており、現在19店舗を展開しています。
- イタリアンダイニング ドナ事業開放感のある空間で、リーズナブルなワインと一品料理、自社製の生パスタとピッツァを提供するカジュアルなイタリアンダイニングです。一人でもカップルでもグループでも楽しめる業態で、現在23店舗を展開しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】 当社は、「味覚とサービスを通して都会生活に安全で楽しい食の場を提供する」という経営理念のもと、「あったら楽しい」、「手の届く贅沢」をコンセプトとして、「東京圏ベストロケーション」「女性ターゲット」「ライトフード・自社生産」という方針に基づいた営業活動を行い、1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)に展開しております。 当社の展開する店舗は全て直営店であり、フランチャイズ展開は行っておりません。各業態の特徴は下記のとおりであります。 また、外食事業としてのソース・焙煎珈琲豆・ドレッシング・ケーキ・焼き菓子など自社製品の店舗外販売等も行っております。 なお、当社は、フードサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。部門特徴店舗数 椿屋珈琲椿屋珈琲・椿屋カフェ・椿屋茶房・茶寮SiKi・Tsubakiya最高立地、最高級家具、食器を取り揃え「古き良き時代、大正ロマン」を感じさせる内装・雰囲気の中で、その時代にマッチしたユニフォーム、ブラウス、サロン、カチューシャを身につけ、ホスピタリティ溢れる落ち着いた上品な接客のもと、自社焙煎のスペシャルティ珈琲、手作りケーキ、特製カレーをゆっくり嗜んでいただく、脱日常・時空間を提供しております。ターミナルショッピングセンターのファッションフロアに出店している店舗では、幅広い客層(ファミリー等)に対応する良質のフードメニュー(ソース・生麺、全て自社生産)、親切な接客でおもてなししております。52店 ダッキーダックダッキーダック・EggEggキッチン・CheeseEggGarden・ケーキショップ幅広い年代の女性をターゲットとしたホームメイドケーキを提供。自社ケーキ工房や店内ケーキスタジオで作られるフレッシュなケーキ、トレンドを押さえた豊富なフードメニュー・スイーツを提供しております。18店 イタリアンダイニング ドナお酒を楽しめるイタリアンダイニングとして、開放感あふれる内外装、リーズナブルな価格でお楽しみ頂けるワインと一品料理に美味しい自社製の生パスタとピッツァ。1人でも、カップル・グループでもお楽しみいただけるカジュアルダイニングです。23店 こてがえし・ぱすたかんもんじゃ焼き・お好み焼きを中心に、厳選された旬の食材を使用したメニューを豊富にご用意し、元気な接客でおもてなししております。ハレの日にファミリーの方々を中心に、お酒やソフトドリンクで心ゆくまでお楽しみいただいております。12店 プロント「プロント」をフランチャイジーとして運営しております。朝から昼はカフェとしてコーヒー・トースト・マフィンやランチパスタを、夜はバーとしてシンプルかつ美味しいフードと共にビールやハイボールをはじめとしたお酒を気軽にお楽しみ頂けます。4店合計店舗数109店(注) 店舗数は2026年4月30日現在で記載しております。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 「手の届く贅沢」をコンセプトに、最高級家具や自社焙煎珈琲などで高付加価値を提供。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | ブランド 「椿屋珈琲」など、古き良き時代、大正ロマンを感じさせる内装・雰囲気とホスピタリティ溢れる接客。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 低い(分散) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:食材の調達と安全性に係るリスク / セントラルキッチンおよび店舗での衛生管理に係るリスク / 自然災害のリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
「椿屋珈琲店」や「和カフェ 椿屋」といったブランドは一定の認知度を持つが、強力なブランドエクイティや特許、独占的IPは確認できない。新規参入障壁となるほどの無形資産は現時点では弱い。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
既存顧客は特定の店舗やメニューに愛着を持つ可能性はあるが、他社カフェへの乗り換えに対する心理的・経済的コストは低い。リピート利用を促す強力なスイッチング・コストは存在しない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
カフェ事業は基本的に一対一のサービスであり、ユーザーが増えることでサービスの価値が向上するネットワーク効果は期待できない。プラットフォーム型ビジネスではない。
コスト優位★☆☆☆☆
セントラルキッチン方式による効率化の努力は見られるものの、外食産業全体として人件費や原材料費の高騰圧力は大きく、構造的なコスト優位性を確立しているとは言えない。競合他社との価格競争力に差は小さい。
規模の経済★★☆☆☆
首都圏を中心に店舗展開しており、一定の規模はある。しかし、業界全体で見ると多数の競合が存在し、寡占化が進んでいるとは言えない。規模の経済による明確な優位性は限定的。
- 高品質な自社生産体制スパゲッティの生麺、パスタソース、ドレッシング、フレッシュケーキ、焼き菓子などを自社のセントラルキッチンで製造し、各店舗へチルド配送しています。これにより、食材の品質と安全性を確保し、安定した品質のメニュー提供を実現しています。
- 多様なブランド展開椿屋珈琲、ダッキーダック、イタリアンダイニング ドナ、こてがえし・ぱすたかんなど、ターゲット層やコンセプトの異なる複数のブランドを展開しています。これにより、幅広い顧客ニーズに対応し、市場での競争力を高めています。
- 「ISO22000」認証取得食品安全マネジメントシステムの国際規格である「ISO22000」の認証を取得しており、セントラルキッチンおよび店舗での厳しい品質管理と衛生検査を実施しています。これにより、食の安全に対する信頼性を高め、顧客からの安心感を獲得しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)経営方針・経営戦略等 当社は「味覚とサービスを通して都会生活に安全で楽しい食の場を提供する」という経営理念のもと、「あったら楽しい」「手の届く贅沢」を営業コンセプトとしております。「東京圏ベストロケーション」「女性ターゲット」「ライトフード・自社生産」という戦略に基づき、すべて直営店での店舗展開をしながら営業活動を行っており、また3つの生産拠点で製造するパスタソース・ドレッシング・珈琲豆・ケーキ・焼き菓子など自社製品のインターネット販売、催事販売も行っております。 (2)経営環境及び対処すべき課題等① 食材価格の変動と原価管理体制の高度化 わが国の経済情勢は、長きにわたるデフレ均衡から「インフレ均衡」への歴史的な転換点にあります。人件費や物流費の上昇に伴うコストプッシュ型に加え、気候変動、中東情勢の緊迫化や米国の関税政策などが重なり、地政学的リスクに左右される不安定性が再び表面化しております。特に当社が主力とする珈琲豆、小麦粉、乳製品、卵といった基礎原材料は、国際市況の影響をダイレクトに受け、特定の材料で突発的なコスト上昇が発生しやすい環境が続いております。 このような原材料の不安定性に対し、当社では従来の基幹システムに登録されていた食材原価・レシピ・メニューのマスタデータがレガシー化し、現場実態との乖離が原価管理精度の低下を招いていたことを課題と認識し、2025年度に全社的な基幹システムの刷新を実施いたしました。 新システムでは、各レシピ単位での理論原価を日々の発注単価ベースでリアルタイムに更新・可視化する体制を構築し、仕入れ食材のマスタデータと売上データを紐づけることで、メニューごとの収益性分析が可能となりました。これにより、オーバーポーション、オーダーミス、在庫管理に起因する食品ロスの発見と是正を迅速に行える環境が整っております。また、気候変動や為替変動による特定の原材料価格の急騰に対し、迅速にレシピの改訂やメニューラインアップの見直しを行うことが可能となりました。特に、自社食品工場(ソース、パスタ、ドレッシング製造)においては、原材料の歩留まりや加工工程におけるエネルギーコストを精緻に算出・反映させることで、製造原価の透明性を高めております。 また、メニュー戦略においては、単純な価格転嫁に留まらず、高付加価値商品の開発に注力しております。戸塚カミサリーで製造するオリジナルソースやドレッシングを活用した季節限定メニュー、深川コンフェクショナリーで製造する高付加価値スイーツ、さらにダッキーダックグループのケーキスタジオによる季節限定スイーツは、いずれもお客様から高い評価を頂戴しており、平均客単価の前年比向上に寄与しております。今後もメニューエンジニアリングの高度化により、食材原価率と顧客満足度の両立を図り、サプライヤーとのパートナーシップ強化を通じた調達ロットの最適化、需給予測と相場分析を連動させた契約交渉・在庫戦略の精緻化を推進し、調達リスクの低減とコストの安定化に取り組んでまいります。 項目課題目標経営上のインパクト原価データ月次・手動(タイムラグ大)日次・自動(リアルタイム)変動への即時対応力向上理論原価精度現場の実態と乖離(±3.0%)誤差±0.5%以内へ収束粗利額の確実な確保メニュー改定年1回の大規模改定に限定月次の機動的な調整収益機会の最大化在庫ロスの把握月末棚卸まで不明リアルタイムのロス可視化食品廃棄の抑制 ② 人的資本経営の推進と一都三県ドミナントを活かした労働力最適化 外食産業における人手不足は、一時的な需給のミスマッチではなく、生産年齢人口の減少に伴う構造的な課題として固定化しております。2026年現在、東京都の最低賃金は1,226円に到達し、神奈川県を含む首都圏全域で高い賃金上昇圧力が継続しております。当社は、この「労働コストの増大」を単なるコスト要因として捉えるのではなく、人的資本への投資を通じて生産性を向上させ、持続的な競争優位性を構築する好機と定義します。 この方針のもと、2025年度より着手した人事システムのリプレースを完了いたしました。新たなシステムでは、労務管理、給与計算、勤怠管理、人事考課を一元化しております。各社員の経験、スキルを可視化することで、個々の適性に合わせた最適な人員配置と、実力に応じた公正な評価・処遇を直結させ、自社研修センターが社員・アルバイトスタッフ双方のスキル評価を一元管理する体制を構築いたします。業務量・業績評価の可視化と公正な評価・処遇をリンクさせることで、離職率の低下と定着率の向上を実現してまいります。 また、当社の強みである「一都三県に絞り込んだドミナント展開」を最大限に活用し、アルバイトスタッフを含めたシフト管理システムを刷新し、支援体制の構築を継続強化します。これまでは店舗単位で完結していた人繰りを、東京圏の緊密な鉄道網を活かした「エリア横断型」へと進化させます。各店舗の繁閑差や急な欠員情報を全社共通のプラットフォームで共有し、近隣店舗間での「相互応援」をスムーズに行える体制を強化し、サービス品質を維持するとともに、会社全体としての「人時売上高」の最適化を図ります。 働き方改革への対応としては、時間外労働の削減、有給休暇取得率の向上を推進するとともに、育児・介護と仕事の両立支援制度、フォロー体制の拡充、家族手当や奨学金返済支援制度の整備など、福利厚生制度の充実を図っています。さらに、全従業員を対象とする体系的な研修制度を整備し、専任トレーナーによるオペレーションと接客技術の標準化を進めることで、スキルアップを通じたキャリアパスの明確化と「やりがい・成長実感」の醸成を図ります。年次で行う全社的なアンケート調査の分析結果をもとに、従業員エンゲージメント向上のための双方向コミュニケーションの仕組みをさらに強化し、働きがいのある職場づくりを推進してまいります。 労働力確保実績目標・予測施策のポイント東京都最低賃金1,226円1,300円超高付加価値メニューによる価格転嫁正社員離職率21.0%15.0%以下タレントマネジメントによる適正配置エリア内相互応援比率2.1%15.0%以上刷新したシフト管理システムの活用年間取得休日数(平均)119日123日生産性向上による休日確保 ③ 消費の二極化とブランド「体験価値」の深化 消費者マインドは「インフレに対する耐性」と「生活防衛意識」が複雑に交錯する、感度の高い状態にあります。外食全体の売上高は客単価主導で上昇しているものの、客数の伸びは鈍化しており、単純な値上げは客離れを招くリスクをはらんでおります。特に当社が運営する椿屋珈琲グループのような高価格帯喫茶店においては、消費者がその「価格に見合う、あるいはそれ以上の体験価値」を享受できているかどうかが、選別の分水嶺となります。 この課題に対し、当社では「ブランドストーリー」の再構築に取り組んでおります。味の追求に留まらず、自社ロースターによる焙煎から、サイフォニストの技術による抽出、そして深川コンフェクショナリーやケーキスタジオ、戸塚カミサリーから直送されるフレッシュな食材に至るまで、その「背景にある物語」を顧客に伝える施策を強化しております。具体的には、サイフォンコンテストで優勝した社員による、コーヒー豆の産地直接仕入れ、特製ブレンドコーヒーの開発など、フェアトレードによる「スペシャルティコーヒー」のストーリー化や、季節ごとの演出など、ブランド体験の付加価値を高めることで、客単価において前年比103.8%という成果を達成いたしました。 一方、イタリアンダイニングDONAやこてがえし・ぱすたかんといった業態においても、二極化する消費ニーズへの対応を進めております。「日常の中のちょっとした贅沢」を求める層に対し、自社工場の強みを活かした高品質なオリジナルソースやドレッシングを用いた限定メニューを投入する一方、来店頻度を維持するためのエントリー価格帯の設計にもデータに基づいた配慮を行っております。一都三県という限られたエリア内で109店舗が持つ多角的なブランドポートフォリオを活用し、取り込む客層、消費シーンの幅を広げる戦略です。 椿屋珈琲グループアプリの有効会員数は22万人を超えました。LINE等のデジタルプラットフォームも活用し、顧客嗜好に応じた訴求を強化しております。実店舗におけるホスピタリティと、デジタルによる利便性・お得感を融合させることで、ロイヤルカスタマーの囲い込みを加速させております。今後も「体験価値」の提供を通じてブランドを昇華させ、インフレ下においても選ばれ続ける「オンリーワン」の立場を盤石なものにしてまいります。 ブランド戦略施策効果状況商品のストーリー化生産地・製造背景の開示納得感のある高単価設定平均客単価103.8%達成空間価値の更新定期的な改装と演出満足度と再来店率の向上顧客満足度スコアの改善デジタル連携ポイントアプリの活用顧客価値の増大会員数22万人突破サービスレベル研修プログラムの刷新高度なブランド体験接客、サイフォン大会における好成績 ④ 直営店の生産性向上・多業態ドミナント展開における出店戦略の高度化 一都三県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)に特化した109店舗を直営にて展開する当社のビジネスモデルは、高いブランドコントロールとサービス品質を確保できる利点がある一方、人件費・賃料・光熱費等の固定費比率が高く、経済環境の変動に対する柔軟性が問われる経営形態でもあります。特に、2025年以降の最低賃金の継続的な引上げ、都市部における不動産賃料の上昇傾向、さらにはエネルギーコストの高止まりにより、店舗運営の固定費負担は増加基調にあり、既存店の生産性向上は継続的かつ喫緊の課題であります。 当社では、直営店舗ごとのP/L管理に加え、業態別・エリア別の生産性指標(人時売上高、FL比率、坪効率等)を可視化・分析する体制を強化しております。高収益店の運営モデルを横展開する「ベストプラクティス手法」を導入し、現場のノウハウを全社で共有するとともに、低収益店に対しては業態転換や営業時間の見直しなど改善策を講じております。 セントラルキッチンの活用による店舗調理工数の削減も、生産性向上の重要な柱であります。当社では、メニューで使用する食材の約半分をセントラルキッチン(戸塚カミサリー・深川コンフェクショナリー・珈琲ロースター)で集中的に加工製造し、店舗の調理負担を軽減しております。特にイタリアンダイニングDONAにおいては、完成度の高いソースやドレッシング・半焼性ピッツァ・グラタンの集中・加工製造により、店内作業の大幅な削減とスタッフ一人あたりの生産性向上を実現しました。戸塚カミサリーにおいては急速冷凍設備の導入等により製造過程の滞留コストを圧縮し、物流コストの抑制を達成しております。 出店戦略における「東京圏への集中」は、ブランド認知の浸透、物流コストの極小化、そして人的資源の機動的な配置において、優位性を生み出しております。一方、店舗の8割が出店する商業施設における定期借家契約の満了や賃料上昇、さらには人流の変容といったリスクも常態化しております。当社では、更新のない定期借家契約の期限を「業態ブラッシュアップ」のチャンスととらえ、デベロッパーへの大規模改装や新業態の提案による長期契約の獲得に努めてまいります。加えて、普通借家契約を条件とした路面ビルへの出店も強化し、多角的なブランドの中から、その立地に最適な業態への転換を判断する機動性を確保します。一都三県内での支配力をさらに高めつつ、経済変動に強い「強靭な店舗ポートフォリオ」への刷新を加速させてまいります。 出店戦略従来の考え方新指針期待される成果立地戦略商業施設主導路面・ビルインを含む多角的立地退店リスクの分散と安定収益契約形態定期借家中心普通借家比率の向上長期的なブランド拠点確保物流との連動店舗単体での判断セントラルキッチンからの配送ルート最適化物流コストの相対的削減業態転換現状維持を優先データに基づく迅速な再定義エリア内収益の最大化 ⑤ DX推進によるデータドリブン経営の確立 当社では、前述の基幹システム刷新(原価管理)および人事システムのリプレース(労務・給与・勤怠・考課)に加え、シフト管理システムの全社統合を推進してまいりました。これらの取り組みは個別のオペレーション改善にとどまらず、経営情報基盤の再構築として全社的なDX推進の中核をなすものであります。 原価・売上・人件費・勤怠といった経営上の重要データが統合的に収集・分析可能な環境が整いつつあり、データに基づく意思決定を全社的に実践する「データドリブン経営」の形成が着実に進展しております。 店舗オペレーションの領域では、全店に自動釣銭機、EPARK等の予約管理システム、QRコードによるモバイルオーダーシステム(インバウンド対応を含む)、インカム、キッチンディスプレイ等を配備し、オーダー処理の効率化と顧客体験の向上を並行して推進しております。さらに当期は、店舗スタッフの業務プロセスの標準化と事務作業の低減を課題に掲げ、シフト作成等の管理業務負担の軽減に取り組んでおります。 当社は「生産性向上パッケージ」を策定し、業態や店舗の運営状況に応じた省人力設備の導入を随時実施する方針としております。外食産業全体においてDXの推進は人手不足対応と収益改善の両面から不可避の潮流となっており、配膳ロボット、セルフレジ、AIを活用した需要予測や自動発注システム等、テクノロジーを活用した省力化投資は今後さらに加速するものと見込まれます。当社といたしましても、現場での実効性を検証しながら段階的に導入を進め、QSC(クオリティ・サービス・クリンリネス)の維持・向上と省力化の両立を図ってまいります。 データドリブン経営の確立を通じて、店舗別・業態別・エリア別の経営指標をリアルタイムに把握できる体制を目指しており、日次・週次のデータ分析に基づく迅速なメニュー改廃、価格改定、人員配置の最適化を可能とすることで、変化の激しい経営環境への即応力を高めてまいります。これらDX投資は短期的にはコスト負担を伴いますが、中長期的には全社の生産性を向上させ、持続的な企業価値の増大に資するものと確信しております。 DX施策内容・取り組み事例削減・向上目標成果工場加工の集中化ソース・パスタ・ケーキ製造店内作業30%削減実績として20〜30%削減テーブルオーダーインバウンド・多言語対応オーダーミスのゼロ化単価向上に寄与調理ミス・廃棄の低減基幹システム刷新理論原価と実費の同期原価率の2%抑制経営データ基盤の確立例:急速冷凍設備戸塚カミサリーへの導入在庫滞留コストの圧縮製造リードタイムの短縮 ⑥ ESG経営の実践と持続可能な循環型社会への貢献による企業価値の向上 外食企業が社会から求められる役割は、食事の提供という機能を超え、環境負荷の低減や社会課題の解決への主体的な寄与へと拡大しております。当社は、一都三県という人口密集地に根ざした企業として、その社会的責任を果たすことが、中長期的な企業価値、ひいては株主利益の最大化に直結すると確信しております。 環境面(Environment)においては、自社工場および全店舗を対象とした「食品ロス削減」を最重要課題に掲げております。自社食品工場での製造工程において、仕入れ先でのカット野菜活用や野菜端材の堆肥・飼料化を進める一方、製造過程で排出される廃油(1.8トン)を航空機用再生燃料(SAF)としてリサイクルする取り組みを定着させております。また、店舗段階では、刷新された基幹システムによる需給予測精度の向上により、廃棄ロスを抜本的に削減しております。 社会面(Social)においては、人的資本経営と軌を一にし、多様な人材がその能力を最大限に発揮できる環境整備を推進しております。育児・介護と仕事の両立支援制度の拡充や、有給休暇取得率60%の達成、さらには従業員とその家族に対する家族手当や教育支援制度の強化を実施いたしました。また地域社会との協働を通じた「店舗のコミュニティ価値」の向上に努めております。 ガバナンス面(Governance)においては、全店直営モデルの透明性を活かし、コンプライアンス意識の醸成とリスク管理体制の強化を図っております。刷新されたデータ基盤を活用し、適正な労務管理や取引の透明性を常時モニタリングする体制を構築しております。 今後も持続可能な成長と社会的責任を両立させる「サステナビリティ経営」を深化させ、すべてのステークホルダーの皆様から信頼される企業グループを目指してまいります。 ESGカテゴリー具体的な取り組み目標値環境 (E)廃食用油のSAFリサイクル年間1トン以上の供給環境 (E)食品ロスロス率1%以下の維持社会 (S)有給休暇取得率70%以上の定着社会 (S)従業員エンゲージメント(eNPS)スコアの前年比10%向上統治 (G)内部統制とデータモニタリング重大な違反ゼロの継続
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)経営方針・経営戦略等 当社は「味覚とサービスを通して都会生活に安全で楽しい食の場を提供する」という経営理念のもと、「あったら楽しい」「手の届く贅沢」を営業コンセプトとしております。「東京圏ベストロケーション」「女性ターゲット」「ライトフード・自社生産」という戦略に基づき、すべて直営店での店舗展開をしながら営業活動を行っており、また3つの生産拠点で製造するパスタソース・ドレッシング・珈琲豆・ケーキ・焼き菓子など自社製品のインターネット販売、催事販売も行っております。 (2)経営環境及び対処すべき課題等① 食材価格の変動と原価管理体制の高度化 わが国の経済情勢は、長きにわたるデフレ均衡から「インフレ均衡」への歴史的な転換点にあります。人件費や物流費の上昇に伴うコストプッシュ型に加え、気候変動、中東情勢の緊迫化や米国の関税政策などが重なり、地政学的リスクに左右される不安定性が再び表面化しております。特に当社が主力とする珈琲豆、小麦粉、乳製品、卵といった基礎原材料は、国際市況の影響をダイレクトに受け、特定の材料で突発的なコスト上昇が発生しやすい環境が続いております。 このような原材料の不安定性に対し、当社では従来の基幹システムに登録されていた食材原価・レシピ・メニューのマスタデータがレガシー化し、現場実態との乖離が原価管理精度の低下を招いていたことを課題と認識し、2025年度に全社的な基幹システムの刷新を実施いたしました。 新システムでは、各レシピ単位での理論原価を日々の発注単価ベースでリアルタイムに更新・可視化する体制を構築し、仕入れ食材のマスタデータと売上データを紐づけることで、メニューごとの収益性分析が可能となりました。これにより、オーバーポーション、オーダーミス、在庫管理に起因する食品ロスの発見と是正を迅速に行える環境が整っております。また、気候変動や為替変動による特定の原材料価格の急騰に対し、迅速にレシピの改訂やメニューラインアップの見直しを行うことが可能となりました。特に、自社食品工場(ソース、パスタ、ドレッシング製造)においては、原材料の歩留まりや加工工程におけるエネルギーコストを精緻に算出・反映させることで、製造原価の透明性を高めております。 また、メニュー戦略においては、単純な価格転嫁に留まらず、高付加価値商品の開発に注力しております。戸塚カミサリーで製造するオリジナルソースやドレッシングを活用した季節限定メニュー、深川コンフェクショナリーで製造する高付加価値スイーツ、さらにダッキーダックグループのケーキスタジオによる季節限定スイーツは、いずれもお客様から高い評価を頂戴しており、平均客単価の前年比向上に寄与しております。今後もメニューエンジニアリングの高度化により、食材原価率と顧客満足度の両立を図り、サプライヤーとのパートナーシップ強化を通じた調達ロットの最適化、需給予測と相場分析を連動させた契約交渉・在庫戦略の精緻化を推進し、調達リスクの低減とコストの安定化に取り組んでまいります。 項目課題目標経営上のインパクト原価データ月次・手動(タイムラグ大)日次・自動(リアルタイム)変動への即時対応力向上理論原価精度現場の実態と乖離(±3.0%)誤差±0.5%以内へ収束粗利額の確実な確保メニュー改定年1回の大規模改定に限定月次の機動的な調整収益機会の最大化在庫ロスの把握月末棚卸まで不明リアルタイムのロス可視化食品廃棄の抑制 ② 人的資本経営の推進と一都三県ドミナントを活かした労働力最適化 外食産業における人手不足は、一時的な需給のミスマッチではなく、生産年齢人口の減少に伴う構造的な課題として固定化しております。2026年現在、東京都の最低賃金は1,226円に到達し、神奈川県を含む首都圏全域で高い賃金上昇圧力が継続しております。当社は、この「労働コストの増大」を単なるコスト要因として捉えるのではなく、人的資本への投資を通じて生産性を向上させ、持続的な競争優位性を構築する好機と定義します。 この方針のもと、2025年度より着手した人事システムのリプレースを完了いたしました。新たなシステムでは、労務管理、給与計算、勤怠管理、人事考課を一元化しております。各社員の経験、スキルを可視化することで、個々の適性に合わせた最適な人員配置と、実力に応じた公正な評価・処遇を直結させ、自社研修センターが社員・アルバイトスタッフ双方のスキル評価を一元管理する体制を構築いたします。業務量・業績評価の可視化と公正な評価・処遇をリンクさせることで、離職率の低下と定着率の向上を実現してまいります。 また、当社の強みである「一都三県に絞り込んだドミナント展開」を最大限に活用し、アルバイトスタッフを含めたシフト管理システムを刷新し、支援体制の構築を継続強化します。これまでは店舗単位で完結していた人繰りを、東京圏の緊密な鉄道網を活かした「エリア横断型」へと進化させます。各店舗の繁閑差や急な欠員情報を全社共通のプラットフォームで共有し、近隣店舗間での「相互応援」をスムーズに行える体制を強化し、サービス品質を維持するとともに、会社全体としての「人時売上高」の最適化を図ります。 働き方改革への対応としては、時間外労働の削減、有給休暇取得率の向上を推進するとともに、育児・介護と仕事の両立支援制度、フォロー体制の拡充、家族手当や奨学金返済支援制度の整備など、福利厚生制度の充実を図っています。さらに、全従業員を対象とする体系的な研修制度を整備し、専任トレーナーによるオペレーションと接客技術の標準化を進めることで、スキルアップを通じたキャリアパスの明確化と「やりがい・成長実感」の醸成を図ります。年次で行う全社的なアンケート調査の分析結果をもとに、従業員エンゲージメント向上のための双方向コミュニケーションの仕組みをさらに強化し、働きがいのある職場づくりを推進してまいります。 労働力確保実績目標・予測施策のポイント東京都最低賃金1,226円1,300円超高付加価値メニューによる価格転嫁正社員離職率21.0%15.0%以下タレントマネジメントによる適正配置エリア内相互応援比率2.1%15.0%以上刷新したシフト管理システムの活用年間取得休日数(平均)119日123日生産性向上による休日確保 ③ 消費の二極化とブランド「体験価値」の深化 消費者マインドは「インフレに対する耐性」と「生活防衛意識」が複雑に交錯する、感度の高い状態にあります。外食全体の売上高は客単価主導で上昇しているものの、客数の伸びは鈍化しており、単純な値上げは客離れを招くリスクをはらんでおります。特に当社が運営する椿屋珈琲グループのような高価格帯喫茶店においては、消費者がその「価格に見合う、あるいはそれ以上の体験価値」を享受できているかどうかが、選別の分水嶺となります。 この課題に対し、当社では「ブランドストーリー」の再構築に取り組んでおります。味の追求に留まらず、自社ロースターによる焙煎から、サイフォニストの技術による抽出、そして深川コンフェクショナリーやケーキスタジオ、戸塚カミサリーから直送されるフレッシュな食材に至るまで、その「背景にある物語」を顧客に伝える施策を強化しております。具体的には、サイフォンコンテストで優勝した社員による、コーヒー豆の産地直接仕入れ、特製ブレンドコーヒーの開発など、フェアトレードによる「スペシャルティコーヒー」のストーリー化や、季節ごとの演出など、ブランド体験の付加価値を高めることで、客単価において前年比103.8%という成果を達成いたしました。 一方、イタリアンダイニングDONAやこてがえし・ぱすたかんといった業態においても、二極化する消費ニーズへの対応を進めております。「日常の中のちょっとした贅沢」を求める層に対し、自社工場の強みを活かした高品質なオリジナルソースやドレッシングを用いた限定メニューを投入する一方、来店頻度を維持するためのエントリー価格帯の設計にもデータに基づいた配慮を行っております。一都三県という限られたエリア内で109店舗が持つ多角的なブランドポートフォリオを活用し、取り込む客層、消費シーンの幅を広げる戦略です。 椿屋珈琲グループアプリの有効会員数は22万人を超えました。LINE等のデジタルプラットフォームも活用し、顧客嗜好に応じた訴求を強化しております。実店舗におけるホスピタリティと、デジタルによる利便性・お得感を融合させることで、ロイヤルカスタマーの囲い込みを加速させております。今後も「体験価値」の提供を通じてブランドを昇華させ、インフレ下においても選ばれ続ける「オンリーワン」の立場を盤石なものにしてまいります。 ブランド戦略施策効果状況商品のストーリー化生産地・製造背景の開示納得感のある高単価設定平均客単価103.8%達成空間価値の更新定期的な改装と演出満足度と再来店率の向上顧客満足度スコアの改善デジタル連携ポイントアプリの活用顧客価値の増大会員数22万人突破サービスレベル研修プログラムの刷新高度なブランド体験接客、サイフォン大会における好成績 ④ 直営店の生産性向上・多業態ドミナント展開における出店戦略の高度化 一都三県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)に特化した109店舗を直営にて展開する当社のビジネスモデルは、高いブランドコントロールとサービス品質を確保できる利点がある一方、人件費・賃料・光熱費等の固定費比率が高く、経済環境の変動に対する柔軟性が問われる経営形態でもあります。特に、2025年以降の最低賃金の継続的な引上げ、都市部における不動産賃料の上昇傾向、さらにはエネルギーコストの高止まりにより、店舗運営の固定費負担は増加基調にあり、既存店の生産性向上は継続的かつ喫緊の課題であります。 当社では、直営店舗ごとのP/L管理に加え、業態別・エリア別の生産性指標(人時売上高、FL比率、坪効率等)を可視化・分析する体制を強化しております。高収益店の運営モデルを横展開する「ベストプラクティス手法」を導入し、現場のノウハウを全社で共有するとともに、低収益店に対しては業態転換や営業時間の見直しなど改善策を講じております。 セントラルキッチンの活用による店舗調理工数の削減も、生産性向上の重要な柱であります。当社では、メニューで使用する食材の約半分をセントラルキッチン(戸塚カミサリー・深川コンフェクショナリー・珈琲ロースター)で集中的に加工製造し、店舗の調理負担を軽減しております。特にイタリアンダイニングDONAにおいては、完成度の高いソースやドレッシング・半焼性ピッツァ・グラタンの集中・加工製造により、店内作業の大幅な削減とスタッフ一人あたりの生産性向上を実現しました。戸塚カミサリーにおいては急速冷凍設備の導入等により製造過程の滞留コストを圧縮し、物流コストの抑制を達成しております。 出店戦略における「東京圏への集中」は、ブランド認知の浸透、物流コストの極小化、そして人的資源の機動的な配置において、優位性を生み出しております。一方、店舗の8割が出店する商業施設における定期借家契約の満了や賃料上昇、さらには人流の変容といったリスクも常態化しております。当社では、更新のない定期借家契約の期限を「業態ブラッシュアップ」のチャンスととらえ、デベロッパーへの大規模改装や新業態の提案による長期契約の獲得に努めてまいります。加えて、普通借家契約を条件とした路面ビルへの出店も強化し、多角的なブランドの中から、その立地に最適な業態への転換を判断する機動性を確保します。一都三県内での支配力をさらに高めつつ、経済変動に強い「強靭な店舗ポートフォリオ」への刷新を加速させてまいります。 出店戦略従来の考え方新指針期待される成果立地戦略商業施設主導路面・ビルインを含む多角的立地退店リスクの分散と安定収益契約形態定期借家中心普通借家比率の向上長期的なブランド拠点確保物流との連動店舗単体での判断セントラルキッチンからの配送ルート最適化物流コストの相対的削減業態転換現状維持を優先データに基づく迅速な再定義エリア内収益の最大化 ⑤ DX推進によるデータドリブン経営の確立 当社では、前述の基幹システム刷新(原価管理)および人事システムのリプレース(労務・給与・勤怠・考課)に加え、シフト管理システムの全社統合を推進してまいりました。これらの取り組みは個別のオペレーション改善にとどまらず、経営情報基盤の再構築として全社的なDX推進の中核をなすものであります。 原価・売上・人件費・勤怠といった経営上の重要データが統合的に収集・分析可能な環境が整いつつあり、データに基づく意思決定を全社的に実践する「データドリブン経営」の形成が着実に進展しております。 店舗オペレーションの領域では、全店に自動釣銭機、EPARK等の予約管理システム、QRコードによるモバイルオーダーシステム(インバウンド対応を含む)、インカム、キッチンディスプレイ等を配備し、オーダー処理の効率化と顧客体験の向上を並行して推進しております。さらに当期は、店舗スタッフの業務プロセスの標準化と事務作業の低減を課題に掲げ、シフト作成等の管理業務負担の軽減に取り組んでおります。 当社は「生産性向上パッケージ」を策定し、業態や店舗の運営状況に応じた省人力設備の導入を随時実施する方針としております。外食産業全体においてDXの推進は人手不足対応と収益改善の両面から不可避の潮流となっており、配膳ロボット、セルフレジ、AIを活用した需要予測や自動発注システム等、テクノロジーを活用した省力化投資は今後さらに加速するものと見込まれます。当社といたしましても、現場での実効性を検証しながら段階的に導入を進め、QSC(クオリティ・サービス・クリンリネス)の維持・向上と省力化の両立を図ってまいります。 データドリブン経営の確立を通じて、店舗別・業態別・エリア別の経営指標をリアルタイムに把握できる体制を目指しており、日次・週次のデータ分析に基づく迅速なメニュー改廃、価格改定、人員配置の最適化を可能とすることで、変化の激しい経営環境への即応力を高めてまいります。これらDX投資は短期的にはコスト負担を伴いますが、中長期的には全社の生産性を向上させ、持続的な企業価値の増大に資するものと確信しております。 DX施策内容・取り組み事例削減・向上目標成果工場加工の集中化ソース・パスタ・ケーキ製造店内作業30%削減実績として20〜30%削減テーブルオーダーインバウンド・多言語対応オーダーミスのゼロ化単価向上に寄与調理ミス・廃棄の低減基幹システム刷新理論原価と実費の同期原価率の2%抑制経営データ基盤の確立例:急速冷凍設備戸塚カミサリーへの導入在庫滞留コストの圧縮製造リードタイムの短縮 ⑥ ESG経営の実践と持続可能な循環型社会への貢献による企業価値の向上 外食企業が社会から求められる役割は、食事の提供という機能を超え、環境負荷の低減や社会課題の解決への主体的な寄与へと拡大しております。当社は、一都三県という人口密集地に根ざした企業として、その社会的責任を果たすことが、中長期的な企業価値、ひいては株主利益の最大化に直結すると確信しております。 環境面(Environment)においては、自社工場および全店舗を対象とした「食品ロス削減」を最重要課題に掲げております。自社食品工場での製造工程において、仕入れ先でのカット野菜活用や野菜端材の堆肥・飼料化を進める一方、製造過程で排出される廃油(1.8トン)を航空機用再生燃料(SAF)としてリサイクルする取り組みを定着させております。また、店舗段階では、刷新された基幹システムによる需給予測精度の向上により、廃棄ロスを抜本的に削減しております。 社会面(Social)においては、人的資本経営と軌を一にし、多様な人材がその能力を最大限に発揮できる環境整備を推進しております。育児・介護と仕事の両立支援制度の拡充や、有給休暇取得率60%の達成、さらには従業員とその家族に対する家族手当や教育支援制度の強化を実施いたしました。また地域社会との協働を通じた「店舗のコミュニティ価値」の向上に努めております。 ガバナンス面(Governance)においては、全店直営モデルの透明性を活かし、コンプライアンス意識の醸成とリスク管理体制の強化を図っております。刷新されたデータ基盤を活用し、適正な労務管理や取引の透明性を常時モニタリングする体制を構築しております。 今後も持続可能な成長と社会的責任を両立させる「サステナビリティ経営」を深化させ、すべてのステークホルダーの皆様から信頼される企業グループを目指してまいります。 ESGカテゴリー具体的な取り組み目標値環境 (E)廃食用油のSAFリサイクル年間1トン以上の供給環境 (E)食品ロスロス率1%以下の維持社会 (S)有給休暇取得率70%以上の定着社会 (S)従業員エンゲージメント(eNPS)スコアの前年比10%向上統治 (G)内部統制とデータモニタリング重大な違反ゼロの継続
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当事業年度の経営成績 2026年4月期の業績は、売上高133億14百万円(前期比103.9%)、営業利益は9億83百万円(前期比92.6%)、経常利益は11億33百万円(前期比103.1%)となり、当期純利益は7億51百万円(前期比104.2%)となりました。 当事業年度における国内経済は雇用の改善や賃上げなどにより緩やかな回復基調が続く中、長期化する物価高騰により消費者の節約志向が高まり、中東情勢の緊迫化など地政学的リスクの高まりによるエネルギー価格高騰、資材不足等、先行き不透明な状況が続いております。外食産業におきましては、価格改定による客単価の上昇やインバウンド需要により業績は堅調に推移し当期の売上高は過去最高を更新しましたが、食材価格や人件費などの上昇により厳しい経営環境が続いております。 このような状況の中、第二次中期経営計画の一年目として下記施策を推進してまいりました。 1.メニュー政策による収益性の向上 日次で理論原価と実績原価の差異を確認できる体制を構築し、食材廃棄や不適切なロスの抑制、発注精度向上等による原価コントロールを強化しました。また、蓄積された販売・原価データの分析を通じて、付加価値の高いメニュー開発や戦略の見直しを推進し、収益性向上に取り組みました。 2.人的資本の充実 教育・研修プログラムではキャリアプランの可視化と処遇の公平性を追求しながら労働環境の改善を進めております。研修に参加したいが研修予定日が合わないことや一時的に発生する人手不足のタイミングでは参加出来ない等の課題も明確化され、充実したプログラムになるよう改善を進めております。また外国人スタッフの登用と育成にも注力し、店舗マニュアルや衛生教育資料の多言語化を推進しております。社員の年間休日は119.1日(前年比0.9日増)、平均時間外勤務時間は11.2時間(前年比66.3%)となり、5.7時間削減出来ました。引き続き労務環境の改善に注力しました。 3.消費者ニーズの多様化と差別化の推進 体験価値向上と、付加価値の提供を推進すべく各種取組みを実施しております。サービス接遇検定資格取得には前期以上に取組み46名が新たに資格を取得、中でも最上位の1級合格者は19名増加いたしました。検定前の講習会にも参加者が増えており、接客スキル向上に努める当社のこの取組みは、検定試験を主催する公益財団法人実務技能検定協会より、企業としては唯一となる感謝状を受領いたしました。またショッピングセンター主催の接客ロールプレイングコンテストでは多くの地区大会入賞者が出ましたが、中でもこてがえしグループの店舗責任者は全国大会出場が叶い、業態の魅力を存分に伝えることが出来ました。 4.付加価値創造のための生産性向上 従業員はサービスに注力し、お客様の利便性向上を進めるためのテーブルオーダーシステムは、ニーズにあわせ全体の35%まで導入が進んでおります。また、調理工程内の炒め、煮込み、味付け等をセントラルキッチン対応としポーション化することで、調理工数削減のほか、均一化、安定化、高質化、コスト対応などが進められております。およそ50%を占める内製化比率の維持・向上に努めてまいります。 部門別の概況につきましては、以下のとおりです。 『椿屋珈琲グループ』(期末店舗数52店舗 増減なし) 椿屋珈琲グループの売上高は60億99百万円(前期比107.1%)となりました。 「ゆとりとくつろぎの60分」を店内で過ごしていただくため、高級感のある内装、落ち着いた雰囲気、接客サービスなど、ブランド化を推進してまいりました。椿屋珈琲は2026年4月に30周年を迎え、新しい椿屋スペシャルティブレンドの開発やパナマ、エチオピアといった珈琲豆の主要産地での現地買い付け、ジャパンサイフォニストチャンピオンシップの優勝から世界一を目標とした社内コンテストの取組み拡大等、ブランド力の向上を進めております。新規創店につきましては、「椿屋茶房大宮店」を出店し、銀座本館、東京オペラシティ店の改装リニューアルを実施いたしました。 『ダッキーダックグループ』(期末店舗数18店舗 1店舗減) ダッキーダックグループの売上高は24億92百万円(前期比99.3%)となりました。 旬の食材を使用したホームメイドケーキ、食事メニューとケーキのセットを主力商品としております。ケーキスタジオ併設店では、専属パティシエールが地域の子供たちと一緒にケーキをつくる「夢のパティシエ体験」や地産地消をテーマとした大学とのコラボレーション企画など、地域の方々との交流も行っております。アニバーサリーケーキ予約サイトは開設から1年が経過し、こどもの日、母の日などのハレの日需要は高まり続けており、WEB予約して店舗で受け取るだけというスムーズさも好評です。池袋店の改装リニューアルを実施いたしました。 『イタリアンダイニング ドナグループ』(期末店舗数23店舗 増減なし) イタリアンダイニング ドナグループの売上高は24億18百万円(前期比108.8%)となりました。 「本格イタリアンをカジュアルに楽しめる店」をコンセプトに、自社製にこだわった生麺、パスタソース、ドレッシングを使用し、大小パーティではご要望にあわせた特別メニュー、料理にあわせたお酒の提案など、付加価値の提供に努めております。 昨年4月にオープンした新宿紀伊國屋店と新宿東口店のドミナント経営や21店舗で導入しているテーブルオーダーシステム、セントラルキッチンでの内製化推進等により、効率化が進んでおります。柏店、大宮店2店舗では改装リニューアルを実施いたしました。 『こてがえし・ぱすたかんグループ』(期末店舗数12店舗 増減なし) こてがえし・ぱすたかんグループの売上高は12億42百万円(前期比91.5%)となりました。 日本のソウルフードである「もんじゃ焼き」「お好み焼き」はお客様のリピート率は高くないものの、訪日外国人や若年層の取り込みが進んでおります。体験価値を向上させる調理動画や多言語化に加え、テーブルオーダーシステム等のDX対応が完了し、人で行うべき調理・サービスの充実を進めるべくトレーニングを行っております。新規創店につきましては、新旗艦店となる「ぱすたかん池袋サンシャインシティアルパ店」を出店いたしました。 『プロント』(期末店舗数4店舗 増減なし) プロントの売上高は5億57百万円(前期比106.0%)となりました。 弊社がフランチャイジーとして運営するプロントでは、日中はカフェとしてコーヒー・トースト・マフィンやランチパスタを、夜間は一人からグループ客までお酒の需要回復にあわせて、「キッサカバ」として気軽にお酒を楽しめるシーンを提供しております。 『生産部門/EC事業/物販催事事業』 生産部門の売上高は3億3百万円(前期比101.5%)となりました。 パスタソース・ドレッシング、食パンや珈琲豆などはOEMの依頼を受け、外部販売も行っております。カミサリーでは製造体制安定化に向けた新規蒸気釜やウェイトチェッカーの入替、安全対策としての金属探知機等の入替を実施いたしました。なお、すべての製造拠点におきまして、ISO22000認証を受けております。 EC事業の売上高は1億41百万円(前期比96.0%)となりました。 自社サイト「椿屋オンラインショップ」では、ハレの日需要のギフト商品開発を中心に、お客様のニーズに合わせた対応を心掛け、新商品の開発や改良を実施しております。 物販催事事業の売上高は59百万円(前期比110.6%)となりました。 主に百貨店や駅ナカの催事スペースにて、ホームメイドケーキ販売を実施しております。 (2)生産・仕入・販売実績・店舗数等の状況① 生産実績 当社は、フードサービス事業の単一セグメントであるため、生産実績は製品別、仕入実績は品目別、販売実績は部門別に記載しております。 当事業年度における生産実績を製品別に示すと、次のとおりであります。製品名当事業年度(自 2025年5月1日至 2026年4月30日)生産金額(千円)前年同期比(%)自社製フレッシュケーキ607,072106.7スパゲッティ生麺、ソース、ドレッシング712,620106.7コーヒー豆229,685130.2合計1,549,378109.7(注)金額は、製造原価によっております。 ② 仕入実績 当事業年度における仕入実績を品目別に示すと、次のとおりであります。品目当事業年度(自 2025年5月1日至 2026年4月30日)仕入金額(千円)前年同期比(%)飲料・食材類2,929,537106.2その他226,899109.1合計3,156,436106.4(注)金額は、仕入価格によっております。 ③ 販売実績 当事業年度における販売実績を部門別に示すと、次のとおりであります。 当事業年度(自 2025年5月1日至 2026年4月30日)売上金額(千円)前年同期比(%)椿屋珈琲東京都4,495,833106.3 神奈川県860,115103.2 埼玉県330,932134.5 千葉県412,845107.1小計 6,099,727107.1ダッキーダック東京都1,024,161100.0 神奈川県718,693102.0 埼玉県295,982108.3 千葉県453,50489.3小計 2,492,34299.3ドナ東京都1,517,987114.0 神奈川県405,168104.1 埼玉県382,06198.6 千葉県112,78898.4小計 2,418,005108.8ぱすたかん・こてがえし東京都725,42385.3 神奈川県214,545105.6 埼玉県109,94596.1 千葉県192,865101.1小計 1,242,78091.5その他東京都959,569103.4 神奈川県102,122104.0 埼玉県-- 千葉県--小計 1,061,691103.5合計東京都8,722,974104.3 神奈川県2,300,646103.2 埼玉県1,118,921109.6 千葉県1,172,00397.8総合計 13,314,546103.9(注)ダッキーダックには、EggEggキッチン・Cheese Egg Garden・ダッキーダックカフェ・ダッキーダックキッチンおよびダッキーダックケーキショップを含んでおります。 ④ 地域別店舗数及び客席数の状況 当事業年度(2026年4月30日現在)期末店舗数(店)前期末比増減客席数(席)椿屋珈琲東京都36-2,760 神奈川県8△1550 埼玉県4+1220 千葉県4-238小計 52-3,768ダッキーダック東京都8-550 神奈川県5-453 埼玉県2-177 千葉県3△1215小計 18△11,395ドナ東京都13-672 神奈川県5-256 埼玉県4-201 千葉県1-65小計 23-1,194ぱすたかん・こてがえし東京都7-451 神奈川県2-118 埼玉県1-52 千葉県2-102小計 12-723その他東京都3-288 神奈川県1-58小計 4-346合計東京都67-4,721 神奈川県21△11,435 埼玉県11+1650 千葉県10△1620総合計 109△17,426(注)ダッキーダックには、EggEggキッチン・Cheese Egg Garden・ダッキーダックカフェ・ダッキーダックキッチンおよびダッキーダックケーキショップを含んでおります。 (3)キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、17億20百万円で前事業年度末に比較して、1億37百万円減少しました。 当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度において営業活動の結果、得られた資金は10億41百万円で、前事業年度と比較して97百万円増加しました。これは主に法人税等の支払額が1億33百万円減少したことによるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度において投資活動の結果、使用した資金は10億13百万円で、前事業年度と比較して2億77百万円増加しました。これは主に定期預金の払戻による収入が43億円増加した一方で、定期預金の預入による支出が45億円増加したことによるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度において財務活動の結果、使用した資金は1億65百万円で、前事業年度とほぼ同額です。 (4)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り 当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。 当社の財務諸表作成において、損益または資産の評価等に影響を与える見積り、判断は、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づいた合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で行なっておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 経営成績について 当社は「味覚とサービスを通して都会生活に安全で楽しい食の場を提供する」という経営理念のもと、「あったら楽しい食の場・手の届く贅沢」という脱日常と付加価値を提供することに注力しております。今期は「ゆとりとくつろぎの60分」を体験していただくための高付加価値の提供を掲げて、日々の営業施策を進めてまいりました。「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおり、物価、エネルギー価格、人件費の高騰などのさまざまな影響を受けたものの、業務効率化と営業施策の推進に努めた結果、売上高、客数、客単価ともに概ね前年を上回ることができました。 売上高は133億14百万円(前年同期比103.9%)、営業利益は9億83百万円(前年同期比92.6%)、経常利益は11億33百万円(前年同期比103.1%)となり、当期純利益は7億51百万円(前年同期比104.2%)となりました。期末店舗数は1店舗減少し、計109店です。 ③ 財政状態について 当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ6億46百万円増加し98億15百万円となりました。流動資産は前事業年度末に比べ4億85百万円増加し57億57百万円となりました。これは現金及び預金が4億14百万円増加したことが主な要因です。固定資産は前事業年度末に比べ1億60百万円増加し40億58百万円となりました。これは有形固定資産の建物(純額)が1億6百万円増加したことが主な要因です。 当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ47百万円増加し20億45百万円となりました。流動負債は前事業年度末に比べ51百万円増加し13億33百万円となりました。これは未払法人税等が44百万円増加したことが主な要因です。固定負債は前事業年度末に比べ4百万円減少し7億11百万円となりました。これは退職給付引当金が3百万円減少したことが主な要因です。 当事業年度末の純資産は、前事業年度末に比べ5億98百万円増加し77億70百万円となりました。これは利益剰余金が5億89百万円増加したことが主な要因です。 (単位:千円) 勘定科目前事業年度2025年4月期構成比当事業年度2026年4月期構成比増減額現金及び預金4,358,42347.5%4,773,21148.6%414,787有形固定資産1,668,03918.2%1,825,21918.6%157,180土地530,000 530,000 -投資その他の資産2,184,38623.8%2,197,47322.4%13,087差入保証金404,508 404,508 -敷金1,395,950 1,409,563 13,612資本金50,0000.5%50,0000.5%-資本剰余金1,306,35014.2%1,308,87713.3%2,527利益剰余金5,891,01864.2%6,480,64766.0%589,629 ④ 資金の財源及び資金の流動性についてと財政状態の改善に向けた取り組みについて 当事業年度末におけるキャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 従来、当社の資金需要はそのほとんどが新規出店と既存店改装のための設備投資資金であります。 今後についても、通常ベースの新規出店と既存店改装は、営業活動によって得られる資金によって賄う方針に変更はございません。また、生産性向上のための製造設備の拡充や、計画外で大型出店を実施するとの判断に至った場合には、金融機関等からの借入または資本市場からの直接資金の調達によって、必要資金の確保を進めていきたいと考えております。 ⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について 経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
事業リスク
- 食材の調達と安全性鳥インフルエンザや天候不順、自然災害などにより、食材の調達が困難になったり、価格が高騰したりするリスクがあります。また、法的規制強化や異物混入、品質不良が発生した場合、回収費用や訴訟、損害賠償が発生し、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 衛生管理と食中毒セントラルキッチンや店舗での衛生管理を徹底していますが、万が一食中毒が発生した場合、営業停止処分などにより経営成績や財政状態に深刻な影響が出る可能性があります。ISO22000認証取得で対策を講じていますが、リスクはゼロではありません。
- 自然災害と気候変動台風、地震、洪水などの自然災害により、生産設備や店舗が被害を受け、長期間の生産・出荷停止や営業停止に陥る可能性があります。また、気候変動による環境規制強化や消費者意識の変化も、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中にある将来に関する事項は、当事業年度末(2026年4月30日)現在において当社が判断したものです。 (1)食材の調達と安全性に係るリスク 当社は、安全で安心な食材を提供するため、信頼性の高い仕入先から継続して食材を調達し、また通関時の検査結果の確認に加え、定期的に自主検査も実施して安全性を確認しております。 しかし、鳥インフルエンザ問題に代表されるような疫病の発生、天候不順、自然災害の発生等により、食材の調達不安や食材価格の高騰などが起こり、一部のメニューの変更を余儀なくされるケースも想定されます。また想定外の法的規制強化や新たな規制の発生、異物混入及び品質・表示不良品の流通による回収費用や訴訟・損害賠償、商品の品質や安全性を確保するためのトレーサビリティーの強化・システム構築などの費用が発生した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2)セントラルキッチンおよび店舗での衛生管理に係るリスク 当社は、セントラルキッチンを所有し、スパゲッティの生麺とパスタソース、ドレッシングおよびフレッシュケーキ・焼き菓子を製造し、店舗へチルド配送しております。 セントラルキッチンおよび店舗においては、厳しい品質管理と衛生検査を実施しておりますが、万一当社店舗において食中毒が発生した場合には、営業停止処分などにより当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。なお、安全・安心な製品の提供を確保するため、食品安全マネジメントシステム規格の「ISO22000」の認証を取得し、品質管理の徹底と品質向上に向けた取組みを実施しております。 (3)自然災害のリスク 近年発生が増加傾向にある異常気象のうち、台風や暴風雨などの影響や自然災害の中でも地震、大雨、洪水により生産現場や生産設備に被害が生じた場合、その復旧まで生産や出荷が長期間にわたって停止する可能性があります。当社では災害対策マニュアルやBCP(事業継続計画)の策定、安否確認体制による社員・アルバイト・全事業所のライフラインの確認、防災訓練などの対策を講じていますが、自然災害での被害を完全には排除できるものではなく、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4)気候変動のリスク 環境問題に対する取組みは近年ますます重要となっております。気候変動問題などの環境・社会課題の顕在化に伴い、持続可能な社会の構築を目指し、企業におけるSDGsへの取組みへの期待が一層高まっています。当社では環境への負荷低減に向けて食品リサイクルの分野を中心に着手しております。当社工場で発生する生麺の端材などを飼料として提供することによる廃棄物削減と廃棄物処理時に発生するCO2排出削減に繋げております。しかしながら環境関連の規制強化やステークホルダーからの評価、消費者意識の高まりなどによっては当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5)店舗の賃借物件への依存に係るリスク 当社の大部分の店舗は、賃借しております。賃貸借契約のうち、特に、定期賃貸借契約は、契約終了後再契約されない可能性があります。このような場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (6)財政状態に係るリスク 当社は資金運用の一環として外貨建て預金を保有しております。外貨建て資産については、為替相場の変動により円換算額が変動するリスクが存在します。特に、急激な為替変動が発生した場合には、評価損が発生し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、預金を行う金融機関の所在国・地域における政治・経済情勢の変化、金融規制、流動性の低下等により、当該預金の引き出しや運用に制約を受けるリスクもあります。当社はこれらのリスクを踏まえつつ適切な管理を行っておりますが、今後も為替市場や海外金融情勢の変動が当社の業績に影響を与える可能性を完全に排除することはできません。 また、当社は主に賃借による出店を基本としているため、賃貸人が破綻等の状態に陥り継続的使用や債権の回収が困難となった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (7)減損会計に係るリスク 当社において、今後経営環境の変化により、店舗の収益性が悪化し、固定資産の減損会計に基づき減損損失を計上することになった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (8)感染症拡大に係るリスク 様々な感染症の世界的拡大により、外出自粛などによる来店客数の減少等のリスクが懸念されます。国や自治体のガイドラインに従い徹底的な衛生管理を行ってまいりますが、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 当社では、新型コロナウイルス同様の感染症が拡大した場合には、代表取締役社長を対策本部長とする対策本部を設置し、雇用と健康を守ることを第一に、全事業所の感染症対策を講じ、営業再開ガイドラインや感染者予防および感染発生時のマニュアルに則った運営、テレワーク、オンライン会議システムの活用を現在もすすめております。