3423

エスイー(3423)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

金属製品 建設・資材

事業の概要

  • 建設用資機材の製造販売
    エスイーグループは、土木建設現場で使われる「アンカー」や「落橋防止装置」、コンクリートを強化する「PC用ケーブル」などの資機材を製造・販売しています。これらは橋や道路、建物の基礎など、社会インフラの安全と耐久性を支える重要な製品です。グループ会社がケーブル製品、鉄鋼製品、コンクリート製品と専門分野を分担し、幅広いニーズに対応しています。
  • 建築用資材の製造販売
    建物建設に必要な「セパレーター」や「吊りボルト」といった建築金物、さらには鉄骨工事や耐震金物なども手掛けています。これらの資材は、建物の構造を支え、安全性を確保するために不可欠であり、多岐にわたる建築プロジェクトに貢献しています。
  • 建設コンサルタント・補修補強
    国内外で道路や橋梁、水資源開発などの建設コンサルティングサービスを提供し、専門知識を活かしてプロジェクトの計画から実行までを支援しています。また、老朽化した橋梁やトンネルなどのインフラ構造物の補修・補強工事も行い、点検・調査業務を通じて社会インフラの長寿命化と安全維持に貢献するビジネスモデルです。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 建設用資機材の製造・販売事業
    この事業はエスイーグループの主要な収益源であり、売上高は125.0016億円、営業利益は8.00329億円と最も高い実績を上げています。土木建設資材であるアンカー、落橋防止装置、PC用ケーブル、外ケーブル、斜材などのケーブル製品、KIT受圧板、変位制限装置などの鉄鋼製品、ESCONを含むコンクリート製品を製造・販売しており、社会インフラの基盤を支えています。
  • 建築用資材の製造・販売事業
    建物の建設に不可欠な資材を提供しており、売上高は103.71703億円、営業利益は5.4185億円を計上しています。セパレーターや吊りボルトといった建築金物の製造・販売に加え、鉄骨工事や建築部材・建築耐震金物なども手掛けています。この事業は、建築分野における安全と品質の確保に貢献しています。
  • 補修・補強工事業
    老朽化したインフラの維持管理・長寿命化に貢献する事業で、売上高は23.79577億円、営業利益は2.40172億円です。橋梁構造物やトンネルなどの補修・補強工事を中心とした土木・建築請負業の施工、および点検・調査業務を行っています。社会インフラの老朽化が進む中で、今後も需要の拡大が見込まれる重要な事業です。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
ConstructionMaterialAndEquipmentBusiness 地域 125 8 6.4%
ArchitecturalConstructionMaterialBusiness 地域 104 5 5.2%
ConstructionConsultingBusiness 地域 6 -1 -15.9%
RepairAndReinforcementBusiness 地域 24 2 10.1%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,496 文字
3【事業の内容】 当社グループは、親会社である当社(株式会社エスイー)および連結子会社6社、非連結子会社2社、関連会社1社により構成されており、「建設用資機材の製造・販売事業」、「建築用資材の製造・販売事業」、「建設コンサルタント事業」、「補修・補強工事業」の4つを主たる事業としております。「建設用資機材の製造・販売事業」は、土木建設資材である「アンカー」、「落橋防止装置」、「PC用ケーブル」、「外ケーブル」、「斜材」などのケーブル製品、土木分野での鉄鋼製品である「KIT受圧板」、「変位制限装置」、土木耐震金物等の鉄鋼製品、ならびにESCONを含むコンクリート製品を製造・販売しております。「建築用資材の製造・販売事業」は、建物に用いられる建築資材である「セパレーター」、「吊りボルト」等の製造・販売、ならびに鉄骨工事および建築部材・建築耐震金物等を製造・販売しております。「建設コンサルタント事業」は、国内建設コンサルタント業務および海外での道路、橋梁、建機、水、エネルギー、開発調査等に係るODA市場他での幅広い建設コンサルタントサービスの提供を行っております。「補修・補強工事業」は、補修・補強工事(橋梁構造物・トンネル等)を中心とした「土木・建築請負業」の施工及び点検・調査業務を行っております。 (注) その他の関係会社である有限会社エヌセックは資産管理等を行っておりますが、当社グループとの事実上の関 係はないため、事業の系統図への記載を省略しております。 当社グループの事業内容と事業の系統図は次のとおりであります。(1)事業内容セグメント 区 分主な事業内容・製品等会 社 名建設用資機材の製造・販売事業ケーブル製品分野「アンカー」「落橋防止装置」「PC用ケーブル」「外ケーブル」「斜材」「控索」等のケーブル製品(付属品)の製造・販売(注)建設用機材のレンタル当社株式会社アースデザインエンジニアリング鉄鋼製品分野等「KIT受圧板」「変位制限装置」等の製造・販売(注)建設商材の販売、土木耐震金物等の鉄鋼製品当社エスイー鉄建株式会社コンクリート製品分野コンクリート二次製品の製造・販売ESCON材料、二次製品の製造・販売当社A&Kホンシュウ株式会社株式会社北都運輸建築用資材の製造・販売事業建築金物分野「セパレーター」・「吊りボルト」等の建築用資材の製造・販売(注)A&Kホンシュウ株式会社鉄骨工事分野鉄骨工事および建築部材・建築耐震金物等の製造・販売エスイー鉄建株式会社建設コンサルタント事業―国内建設コンサルタント事業、海外での建設コンサルタントサービス株式会社アンジェロセック有限会社日越建設コンサルタント(VJEC)補修・補強工事業―補修・補強工事(橋梁構造物・トンネル等)の施工及び点検・調査業務エスイーリペア株式会社株式会社ランドプラン (注)主な製品の使用用途は次のとおりであります。○アンカー 使用目的により次のような用途に大別されます。①地すべり防止用 斜面の地すべり防止対策工として、法枠(コンクリート)や受圧板(KIT受圧板)と併用してアンカーにより抑止し、安定させます。②急傾斜地用 民家や道路などの背面の急傾斜面の崩落防止として上記、地すべり防止対策工と同様にアンカーにより抑止します。③送電用鉄塔の補強用 送電用鉄塔の安定の為に、基礎をアンカーにより補強します。④港湾岸壁の耐震補強用 既設岸壁(コンクリートケーソン)などを耐震性向上(滑動、転倒防止)の目的の為に、アンカーで補強します。⑤宅地盛土の耐震補強用 宅地造成地の地震災害を軽減することを目的として、斜面をアンカーで抑止します。○落橋防止装置 大きな地震により橋桁が落下するのを防ぐことを目的として当社ケーブルを使用し、「桁と桁」あるいは「桁と橋台」をつなぐ装置です。○PC用ケーブル コンクリートにプレストレスを導入するために、あらかじめコンクリートの橋桁内にPC用ケーブルを配置しておき、コンクリート打設が完了してからケーブルを緊張(引っ張ること)しますと、コンクリートに圧縮力が働き、ひび割れが生じにくい強固な橋桁を作り出すことができます。○外ケーブル プレストレストコンクリートのプレストレスを導入するためのケーブル配置には、コンクリート内部に配置する内ケーブル方式と外側に配置する外ケーブル方式があり、外ケーブル方式は橋の補強工法のひとつとして使用されるほか、近年では、施工しやすい、点検しやすい、交換しやすいなどの観点から公共建築物の補強用ケーブルとしても使用されております。○斜 材 橋の形式のひとつに斜張橋がありますが、これは塔から斜めに張ったケーブルで橋桁を直接つなぎ支える構造です。また弓のように反ったアーチの形をしたアーチ橋には、アーチ部分と橋桁との間に斜めにケーブルを張った形式もあります。これらの斜張橋やアーチ橋に使用されるケーブルに当社のケーブルが使用されております。○控 索 施工性が高く、防錆性に優れた万能引張ケーブルで、港湾・漁港、河川の護岸や鉄道・道路盛土の補強等、様々な分野に使用されております。○KIT受圧板 斜面の地すべり防止や安定を目的とし、アンカーと併用して使用します。高さが低いことで緑化に適しており、より景観に優れております。○変位制限装置 大きな地震による橋桁の水平力や浮き上がりに抵抗し、支承の破壊を防止する装置です。 また、衝撃的な地震力の緩和機能、高い防食・防錆性を有し、維持管理性にも優れております。○セパレーター 建物の基礎工事に用いられる型枠資材で型枠同士をつなぎとめる役割をし、通常はコンクリートを注ぎ込んだ後は埋め殺しとなります。○吊りボルト 建物の建築資材で配管やダクト、空調機などの機器の吊下げや、軽量鉄骨天井下地(LGS)などを吊るすために用いるボルトです。吊りボルト(両端寸切りボルト)は、コンクリートのスラブ下より吊り下げる場合には、インサート金物などの吊下げ金物と併用して用います。 (2)事業の系統図

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
主力製品群の製造原価の約7割が原材料費であり、原材料高騰が業績に悪影響を及ぼす可能性があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
長年培ってきたプレストレストコンクリート技術、環境・防災技術の開発と応用。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:建設投資減少に関するリスク / 原材料高騰に関するリスク / 災害に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

財務サマリに時系列データが未収録であり、ブランド力や特許などの無形資産に関する具体的な情報は現時点では入手困難です。公開情報からは、同社の無形資産の強さを判断できる材料は見当たりません。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

金属製品の製造・販売という事業特性上、顧客が他社へ乗り換える際の直接的なスイッチングコストは低いと考えられます。ただし、長年の取引関係や特定の仕様への適合性など、間接的な関係性から一定の定着率は見込まれます。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の事業は、製品の利用者が増えることで価値が増すようなネットワーク効果を生み出すビジネスモデルではありません。BtoB取引が中心であり、プラットフォーム型ビジネスとは異なります。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

金属製品業界は一般的に価格競争が生じやすく、コスト管理が重要となります。同社が長年にわたり事業を継続できていることから、一定のコスト管理能力や効率的な生産体制を有している可能性はありますが、圧倒的なコスト優位性を示す具体的な証拠はありません。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

金属製品業界は多岐にわたりますが、エスイーが特定のニッチ市場で一定のシェアを確保している場合、その規模が効率的な生産と収益性を支えている可能性があります。ただし、業界全体における圧倒的な規模の経済までは至っていないと考えられます。

  • 社会インフラを支える技術力
    創業以来培ってきた「アンカー」や「PC用ケーブル」などの製品開発力と、それらを活用したエンジニアリング技術が強みです。耐久性が高く現場での調整が容易な資材を提供することで、日本の社会資本形成に大きく貢献してきました。この技術力は、インフラの老朽化対策や防災・減災といった現代の社会課題解決に不可欠なものです。
  • 多様な事業ポートフォリオ
    建設用資機材の製造・販売、建築用資材の製造・販売、建設コンサルタント、補修・補強工事という4つの主たる事業を展開しています。これにより、特定の市場変動リスクを分散し、建設業界の幅広いニーズに対応できる体制を構築しています。特に、インフラの維持管理や補修・補強といった分野は、今後も安定した需要が見込まれます。
  • 国内外での事業展開
    国内の建設コンサルタント業務に加え、ベトナムを拠点とした海外でのエンジニアリング事業にも注力しています。ODA市場などでの実績を通じて、国際的な建設プロジェクトにも貢献しており、今後もアジア市場への展開を強化する方針です。これにより、国内市場の縮小リスクを補完し、新たな成長機会を追求しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 「2030ビジョン」の実現
    2030年度に「エンジニアリングがつなぐ人とインフラ」を掲げ、耐久性の高いインフラ資材開発と最適な構造・資材・施工の組み合わせを通じて、社会課題解決に貢献することを目指しています。気候変動、インフラ老朽化、少子高齢化といった社会課題に対応し、サステナブルな社会の実現に貢献する企業となることを目標としています。
  • 既存事業の強化と新価値創造
    メーカーとしての事業基盤を盤石にしつつ、デジタルを活用したエンジニアリングサービスの展開や、国内外での防災・インフラ整備・維持管理への貢献を目指します。官公需分野の拡大に加え、鉄道・電力・通信などの民需分野への進出、モノの製造販売からソリューション提供へのビジネスモデル転換、海外事業の強化を図ります。
  • 中期経営計画2023-2025
    この期間を「既存事業の土台を盤石にしつつ、未来に向けた種まきをする期間」と位置づけ、経営資源の戦略的投入を強化します。発電事業への先行投資やESCON事業の収益化、BIM/CIM設計支援事業の定着・拡大、新規事業開発体制の抜本的改編に注力します。また、生産業務の効率化や人材育成を通じて、既存業務の土台固めも進めます。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループでは、世界的な視野で建設・建築技術の高性能化を図りながら、市場ニーズに呼応した社会資本の充実、貢献に努めております。 当社は、21世紀のスタート、2001年4月1日に新しい経営理念を掲げました。 変化と新しい価値の創造顧客に満足される新しい機能の創造社会、自然環境との調和社員の個性尊重 -意欲と能力の発揮による各人の豊かさの実現-Making Changes, Creation of New Values for the Next Stage当社の製品は、創業以来日本の社会資本の形成に大きく寄与してきたと認識しておりますが、日本経済における社会資本の形成が一段落し、プロダクト・サイクルが成熟期に入ったとの認識のもと、新しい理念は、変化と新しい価値の創造により重点を置くものとなっています。 この理念には、日常生活に身近な社会資本も常に人々の新しい要求に対し変化させなければならない、エスイーグループはコアテクノロジーをもとに長年培ってきた経験を活かし、これからも変化を先取りしながら新しい価値を創造し提供し続けていきたいとの想いが込められています。 (2)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略当社グループの主力事業である建設用資機材の製造・販売事業は、公共投資や建設業界の動向に大きく左右されます。中長期的には、「防災・減災、国土強靭化」、高速道路リニューアル、インフラ老朽化対応等需要面での好環境が続くことが予想されます。反面、これらの好環境の期間は、その終焉後に必要とされる新たな収益の柱となる新事業の創出及び既存事業の収益力の強化のために残された限りある準備期間と考えられます。そのため、2020年3月には、2030年頃までの環境変化についての洞察を基に、2030年での「ありたい姿」「提供価値」について、「2030ビジョン」を策定しました。「2030ビジョン」実現のため、経営資源の戦略的投入・既存事業基盤の再構築と新たな価値の創造を骨子とした中期経営計画2020-2022を策定し、経営課題の解決に取り組みました。しかしながら、中期経営計画2020-2022の3ヶ年は、新型コロナウイルス感染症拡大やウクライナ情勢等計画策定時には全く想定していない環境変化が生じ、期間中はそれらの環境変化が計画の遂行に大きな影響を与えました。財務上の数値面での計画比未達以上に、質的な変化を十分果たせなかったことが、大きな課題として残りました。2022年度後半に、ありたい姿の抽象度が高かった「2030ビジョン」を、具体的な事業開発に結び付くようリニューアルする作業を開始し、その新ビジョンをもとに「中期経営計画2023-2025」を策定し、戦略的資源投入をより強化する計画としました。 [2030ビジョン(改訂後)] 《2030年度にエスイーグループがありたい姿》 エンジニアリングがつなぐ人とインフラEngineering With You. 私たちエスイーグループは、1967年の創業以来、耐久性が高く、現場での調整が容易なインフラ資材を開発し、その土地の課題に寄り添い、最適なインフラの構造・資材・施工の組み合わせの実現に貢献してきました。橋をつなぐ、道路をつなぐだけでなく、その場所を周りの地域社会に、人々の暮らしを明日につなぐことにも通じるものでした。時代は、「気候変動と自然災害」「インフラ老朽化」「少子高齢化や地域間格差」などの社会課題が深刻化し、耐久性の高さや維持管理性は、「サステナブルな社会」の仕組みとして意識されるようになりました。今まで培った技術とエンジニアリングの力に新しい技術を積極的にクロスさせ、ときには、国内外の技術をオーガナイズし、これからも新たな価値の創造に挑戦し、内外のそこに住む人々のサステナビリティに貢献します。サステナブルな社会へエスイーがつないでいきます。 [具体的な事業の姿(株式会社エスイー)]これまでメーカーとして築いてきた事業基盤の上に、デジタルを活用したエンジニアリングサービスを展開し、国内外の防災、インフラの整備・維持管理に向けた幅広い貢献を担う企業となる。 ・製品の開発による新分野開拓官公需の分野内では、土木建設関係・道路・防災から砂防・農水等防災分野の拡大、土木建設関係以外の施設増強まで拡大。官公需の分野を超えて、民需(交通・インフラ・建築)の鉄道・電力・通信等まで拡大。 ・新しいビジネスモデルによる新事業現在のモノ・製品の製造販売から、労役・サービスの提供(設計事業・施工維持管理支援)、更にはソリューションの提供(維持管理クラウドサービス等の新ビジネスモデル構築)まで拡大。・海外事業従来のODA・日系民間案件の建材貿易・ベトナム生産拠点構築に加え、海外事業の出発点としてBIM/CIM設計支援を位置付ける。 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 長期ビジョンの実現、その前提となる環境変化に優先的に対処するための中期的な課題は以下のように認識しております。①国土強靭化等の公共事業予算の追い風のある建設用資機材の製造・販売事業での着実な業容拡大と利益体質の強化②今後の成長を牽引する新事業、新製品・新サービスなどの新しい価値の創造と早期収益化③海外関連の事業再構築による業容を拡大④企業価値向上のための資産効率の向上と経営基盤の強化⑤建設用資機材の製造・販売事業以外では、・建築用資材の製造・販売業での利益体質の強化・建設コンサルタント事業の新たな収益の柱の育成・補修・補強工事業においては抜本的な拡大策の展開 (4)中期経営計画2023-2025以上の課題に対処するため、2022年度の後半より「中期経営計画2023-2025」の作成に取り掛かり、2023年5月に公表しております。 ①中期経営計画の位置付け この「中期経営計画2023-2025」の期間は、「2030ビジョン」のありたい姿実現に向けて、「既存事業の土台を盤石にしつつ、未来に向けた種まきをする期間」と位置づけております。 ②基本方針a)思い切った経営資源の戦略的投入の継続・強化・・・前中期経営計画期間中に十分に実施できなかった戦略的な資源投入を強化します。先行投資により、本中期経営計画期間中の利益水準は2023年3月期に比較し低水準となりますが、戦略的な資源投入により2026年3月期以降の飛躍的な成長を遂げることを狙っていきます。 b)未来に向けた種蒔き・・・従来より実証試験に注力してきた発電事業への先行投資を継続・強化します。ESCON事業は、本中期経営計画期間中に橋梁大規模修繕関連の収益化を図り、利用分野を拡大します。新たに実施するBIM/CIM設計支援事業は本中期経営計画期間中にビジネスモデルを定着させ、拡大を図っていきます。既存事業領域から展開する新規事業等については開発体制の確立に注力し、抜本的に新規事業開発体制を改編していきます。 c)既存業務の土台固め・・・既存事業の持続可能性を確実なものとし、上記の事業の展開に結び付けるために、生産業務の効率化・技術伝承対策、人材の定着・確保に向けた教育・評価制度改革等を実施していきます。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等経営指標につきましては、先行投資により、中期経営計画2023-2025の期間中の利益水準は2023年3月期と比べ低い水準となります。2023年5月に公表した時点においては、2026年3月期には報告セグメントに属さない研究開発費(その多くは発電事業に係るもの)を除いたレベルでは増益になる目標を掲げておりました。そして、2024年3月期を終えた時点での事業環境を踏まえ、2024年5月に売上高・利益を見直し、下方に修正しております。その時点では、2026年3月期の利益については、報告セグメントに属さない研究開発部門の人件費・経費(その多くは発電事業に係るもの)を除いたレベルにおいても増益になる計画としておりました(下表をご参照)。 前連結会計年度を終えた時点で改めて計画を見直し、その結果、2026年3月期には、報告セグメントに属さない研究開発費(その多くは発電事業に係るもの)を除いたレベルでも減益の計画となりました。具体的には、建設用資機材の製造・販売事業における事業環境は好調なものの大型案件の端境期となることを主な要因として、売上高・利益を下方に修正しました。資本効率の向上に係る目標の指標は、自己資本当期純利益率(ROE)としておりますが、上記の利益目標と同様に2023年3月期に比し、大幅な低下となります。株主還元につきましては、前中期経営計画と同様の方針のもと、株主資本配当率(DOE)(*)としております。(*)株主資本配当率=配当金総額÷期末株主資本(新株式払込金を除く)×100 基本財務目標 2023年3月期 2026年3月期(当初計画)2026年3月期(2024年度見直し)当初計画比2026年3月期(2025年度見直し)当初計画比 ABB-ACC-A 売上高(百万円)25,452 28,50027,955△54526,500△2,000 経常利益(百万円)1,376 1,2051,010△194438△767 親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)870 743546△19757△685 経常利益 (報告セグメントに帰属しない研 究開発部門の人件費・経費を除く)(百万円)1,770 1,8931,777△1151,537△356収益性・配当 営業利益率(%)5.3 4.23.6△0.61.8△2.4 自己資本当期純利益率(ROE)(%)8.6 7.0以上5.0△2.00.5△6.5 株主資本配当率(DOE)(%)3.8 3.5以上目安3.5以上目安―3.5以上目安― 当連結会計年度は、本中期経営計画の最終年度に当たります。結果につきましては、「4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。 (6)中期経営計画20302026年度より新しい中期経営計画である「中期経営計画2030」を実施しております。「中期経営計画2030」では、新規事業開発への戦略的な資源投入を継続・拡大し、2030年度には複数の新規事業の収益化を図ることとしており、具体的な目標数値を以下のように設定しております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループでは、世界的な視野で建設・建築技術の高性能化を図りながら、市場ニーズに呼応した社会資本の充実、貢献に努めております。 当社は、21世紀のスタート、2001年4月1日に新しい経営理念を掲げました。 変化と新しい価値の創造顧客に満足される新しい機能の創造社会、自然環境との調和社員の個性尊重 -意欲と能力の発揮による各人の豊かさの実現-Making Changes, Creation of New Values for the Next Stage当社の製品は、創業以来日本の社会資本の形成に大きく寄与してきたと認識しておりますが、日本経済における社会資本の形成が一段落し、プロダクト・サイクルが成熟期に入ったとの認識のもと、新しい理念は、変化と新しい価値の創造により重点を置くものとなっています。 この理念には、日常生活に身近な社会資本も常に人々の新しい要求に対し変化させなければならない、エスイーグループはコアテクノロジーをもとに長年培ってきた経験を活かし、これからも変化を先取りしながら新しい価値を創造し提供し続けていきたいとの想いが込められています。 (2)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略当社グループの主力事業である建設用資機材の製造・販売事業は、公共投資や建設業界の動向に大きく左右されます。中長期的には、「防災・減災、国土強靭化」、高速道路リニューアル、インフラ老朽化対応等需要面での好環境が続くことが予想されます。反面、これらの好環境の期間は、その終焉後に必要とされる新たな収益の柱となる新事業の創出及び既存事業の収益力の強化のために残された限りある準備期間と考えられます。そのため、2020年3月には、2030年頃までの環境変化についての洞察を基に、2030年での「ありたい姿」「提供価値」について、「2030ビジョン」を策定しました。「2030ビジョン」実現のため、経営資源の戦略的投入・既存事業基盤の再構築と新たな価値の創造を骨子とした中期経営計画2020-2022を策定し、経営課題の解決に取り組みました。しかしながら、中期経営計画2020-2022の3ヶ年は、新型コロナウイルス感染症拡大やウクライナ情勢等計画策定時には全く想定していない環境変化が生じ、期間中はそれらの環境変化が計画の遂行に大きな影響を与えました。財務上の数値面での計画比未達以上に、質的な変化を十分果たせなかったことが、大きな課題として残りました。2022年度後半に、ありたい姿の抽象度が高かった「2030ビジョン」を、具体的な事業開発に結び付くようリニューアルする作業を開始し、その新ビジョンをもとに「中期経営計画2023-2025」を策定し、戦略的資源投入をより強化する計画としました。 [2030ビジョン(改訂後)] 《2030年度にエスイーグループがありたい姿》 エンジニアリングがつなぐ人とインフラEngineering With You. 私たちエスイーグループは、1967年の創業以来、耐久性が高く、現場での調整が容易なインフラ資材を開発し、その土地の課題に寄り添い、最適なインフラの構造・資材・施工の組み合わせの実現に貢献してきました。橋をつなぐ、道路をつなぐだけでなく、その場所を周りの地域社会に、人々の暮らしを明日につなぐことにも通じるものでした。時代は、「気候変動と自然災害」「インフラ老朽化」「少子高齢化や地域間格差」などの社会課題が深刻化し、耐久性の高さや維持管理性は、「サステナブルな社会」の仕組みとして意識されるようになりました。今まで培った技術とエンジニアリングの力に新しい技術を積極的にクロスさせ、ときには、国内外の技術をオーガナイズし、これからも新たな価値の創造に挑戦し、内外のそこに住む人々のサステナビリティに貢献します。サステナブルな社会へエスイーがつないでいきます。 [具体的な事業の姿(株式会社エスイー)]これまでメーカーとして築いてきた事業基盤の上に、デジタルを活用したエンジニアリングサービスを展開し、国内外の防災、インフラの整備・維持管理に向けた幅広い貢献を担う企業となる。 ・製品の開発による新分野開拓官公需の分野内では、土木建設関係・道路・防災から砂防・農水等防災分野の拡大、土木建設関係以外の施設増強まで拡大。官公需の分野を超えて、民需(交通・インフラ・建築)の鉄道・電力・通信等まで拡大。 ・新しいビジネスモデルによる新事業現在のモノ・製品の製造販売から、労役・サービスの提供(設計事業・施工維持管理支援)、更にはソリューションの提供(維持管理クラウドサービス等の新ビジネスモデル構築)まで拡大。・海外事業従来のODA・日系民間案件の建材貿易・ベトナム生産拠点構築に加え、海外事業の出発点としてBIM/CIM設計支援を位置付ける。 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 長期ビジョンの実現、その前提となる環境変化に優先的に対処するための中期的な課題は以下のように認識しております。①国土強靭化等の公共事業予算の追い風のある建設用資機材の製造・販売事業での着実な業容拡大と利益体質の強化②今後の成長を牽引する新事業、新製品・新サービスなどの新しい価値の創造と早期収益化③海外関連の事業再構築による業容を拡大④企業価値向上のための資産効率の向上と経営基盤の強化⑤建設用資機材の製造・販売事業以外では、・建築用資材の製造・販売業での利益体質の強化・建設コンサルタント事業の新たな収益の柱の育成・補修・補強工事業においては抜本的な拡大策の展開 (4)中期経営計画2023-2025以上の課題に対処するため、2022年度の後半より「中期経営計画2023-2025」の作成に取り掛かり、2023年5月に公表しております。 ①中期経営計画の位置付け この「中期経営計画2023-2025」の期間は、「2030ビジョン」のありたい姿実現に向けて、「既存事業の土台を盤石にしつつ、未来に向けた種まきをする期間」と位置づけております。 ②基本方針a)思い切った経営資源の戦略的投入の継続・強化・・・前中期経営計画期間中に十分に実施できなかった戦略的な資源投入を強化します。先行投資により、本中期経営計画期間中の利益水準は2023年3月期に比較し低水準となりますが、戦略的な資源投入により2026年3月期以降の飛躍的な成長を遂げることを狙っていきます。 b)未来に向けた種蒔き・・・従来より実証試験に注力してきた発電事業への先行投資を継続・強化します。ESCON事業は、本中期経営計画期間中に橋梁大規模修繕関連の収益化を図り、利用分野を拡大します。新たに実施するBIM/CIM設計支援事業は本中期経営計画期間中にビジネスモデルを定着させ、拡大を図っていきます。既存事業領域から展開する新規事業等については開発体制の確立に注力し、抜本的に新規事業開発体制を改編していきます。 c)既存業務の土台固め・・・既存事業の持続可能性を確実なものとし、上記の事業の展開に結び付けるために、生産業務の効率化・技術伝承対策、人材の定着・確保に向けた教育・評価制度改革等を実施していきます。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等経営指標につきましては、先行投資により、中期経営計画2023-2025の期間中の利益水準は2023年3月期と比べ低い水準となります。2023年5月に公表した時点においては、2026年3月期には報告セグメントに属さない研究開発費(その多くは発電事業に係るもの)を除いたレベルでは増益になる目標を掲げておりました。そして、2024年3月期を終えた時点での事業環境を踏まえ、2024年5月に売上高・利益を見直し、下方に修正しております。その時点では、2026年3月期の利益については、報告セグメントに属さない研究開発部門の人件費・経費(その多くは発電事業に係るもの)を除いたレベルにおいても増益になる計画としておりました(下表をご参照)。 前連結会計年度を終えた時点で改めて計画を見直し、その結果、2026年3月期には、報告セグメントに属さない研究開発費(その多くは発電事業に係るもの)を除いたレベルでも減益の計画となりました。具体的には、建設用資機材の製造・販売事業における事業環境は好調なものの大型案件の端境期となることを主な要因として、売上高・利益を下方に修正しました。資本効率の向上に係る目標の指標は、自己資本当期純利益率(ROE)としておりますが、上記の利益目標と同様に2023年3月期に比し、大幅な低下となります。株主還元につきましては、前中期経営計画と同様の方針のもと、株主資本配当率(DOE)(*)としております。(*)株主資本配当率=配当金総額÷期末株主資本(新株式払込金を除く)×100 基本財務目標 2023年3月期 2026年3月期(当初計画)2026年3月期(2024年度見直し)当初計画比2026年3月期(2025年度見直し)当初計画比 ABB-ACC-A 売上高(百万円)25,452 28,50027,955△54526,500△2,000 経常利益(百万円)1,376 1,2051,010△194438△767 親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)870 743546△19757△685 経常利益 (報告セグメントに帰属しない研 究開発部門の人件費・経費を除く)(百万円)1,770 1,8931,777△1151,537△356収益性・配当 営業利益率(%)5.3 4.23.6△0.61.8△2.4 自己資本当期純利益率(ROE)(%)8.6 7.0以上5.0△2.00.5△6.5 株主資本配当率(DOE)(%)3.8 3.5以上目安3.5以上目安―3.5以上目安― 当連結会計年度は、本中期経営計画の最終年度に当たります。結果につきましては、「4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。 (6)中期経営計画20302026年度より新しい中期経営計画である「中期経営計画2030」を実施しております。「中期経営計画2030」では、新規事業開発への戦略的な資源投入を継続・拡大し、2030年度には複数の新規事業の収益化を図ることとしており、具体的な目標数値を以下のように設定しております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の高まり、企業収益の改善等から景気の緩やかな回復基調が続きました。世界経済においては、米国は堅調に推移したものの、欧州・中国では減速の傾向が続きました。一方、今後の景気の先行きについては、全世界的に、イラン情勢の緊迫化・長期化による原油価格の高騰、原材料不足や物流の混乱、消費マインドの悪化等景気の下押し圧力が強まっております。加えて、米国トランプ政権の政策とその影響、高市政権の施策の国内経済への影響及び日中関係の悪化懸念等、国内及び各国経済においても景気減速の懸念が高まり、先行きに対する警戒感が強まる状況となっており、引き続き不透明な状況にあります。 当社グループと関係の深い建築・土木市場においては、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」のもと公共投資が底堅く推移するとともに、都市部の再開発や物流施設、データセンター等の民間設備投資も堅調に推移しました。一方で、エネルギー・原材料価格の上昇や資材の供給制約、建設労働者の不足・労働時間の制約により、コスト増加や施工面への影響が生じております。 このような経営環境のもと、当社グループでは2023年5月に公表した「中期経営計画2023-2025」に基づき、2030年度を見据え、既存事業の土台固めに向けた生産を含むサプライチェーンの効率化に取り組むとともに、未来に向けた種まきのための実行体制を整え、各施策を着実に推進しております。また、「中期経営計画2020-2022」において実施してきた戦略的資源投入については、エネルギー関連事業が次の研究ステージへと移行したほか、海外分野においても新たな事業展開に着手するなど、新規事業分野への基盤強化を目的とした先行投資を一層拡充してまいりました。さらに、足元における原材料価格の上昇に対しては、営業部門と生産部門の連携を強化し、調達の最適化および販売価格への適切な転嫁を進めることで、計画利益の確保に努めております。 a.財政状態当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末に比べ9億9百万円減少し245億61百万円となりました。内訳は、流動資産が前連結会計年度末に比べ2億74百万円減少し158億20百万円、有形固定資産が前連結会計年度末に比べ2億53百万円減少し76億26百万円、無形固定資産が前連結会計年度末に比べ10百万円増加し1億62百万円、投資その他の資産が前連結会計年度末に比べ3億91百万円減少し9億52百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度末に比べ1億77百万円減少し140億71百万円となりました。内訳は、流動負債が前連結会計年度末に比べ1億39百万円減少し89億36百万円、固定負債が前連結会計年度末に比べ38百万円減少し51億34百万円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は前連結会計年度末に比べ7億32百万円減少し104億89百万円となりました。b.経営成績当連結会計年度は、案件の一時的な端境期による需要減に加え、現場の労働力不足等による工期の見直しにより、資材需要の減少が顕著になりました。これらの結果、売上高は254億1百万円(前期比1.9%減)と減収となりました。利益面では、減収要因に加え、研究開発部門の人件費・経費の増加により、営業利益5億99百万円(前期比29.5%減)、経常利益は5億91百万円(前期比33.2%減)、繰延税金資産の取崩しにより、親会社株主に帰属する当期純損失は4億34百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益5億43百万円)となりました。 2025年3月期2026年3月期前期比 公表期初予想実績と予想の差異売上高 (百万円)25,88725,401△486 26,500△1,098営業利益 (百万円)849599△250 472+126営業利益率 (%)3.3%2.4%△0.9 1.8%+0.6 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。(建設用資機材の製造・販売事業)この事業では、「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」への対応が進められている中、橋梁更新 工事や豪雨災害などの対策工事が進められております。当連結会計年度におきましては、全般的に、案件の一時的な端境期による需要減に加え、現場の労働力不足等による工期の見直しが見られました。年度後半にかけては、コンクリート分野の施工量が大きく落ち込む一方で、能登震災をはじめとする復興・災害関連案件に復調の兆しが見られ、高速道路リニューアル関連工事でも駆け込み需要の影響で若干持ち直しましたが、総じて、売上高は伸び悩みました。利益面では、減収の影響によって営業利益は減少しました。この結果、この事業の売上高は120億19百万円(前期比3.8%減)、営業利益7億17百万円(前期比10.3%減)となりました。 (建築用資材の製造・販売事業)この事業では、都市部を中心とした再開発や、大型物流施設、工事建設需要に下支えされる一方で、地方においては人口減少や既存ストックの有効活用志向から再開発、新築需要は限定的となっております。 当連結会計年度におきましては、建築金物分野では内装関連の需要が停滞しており、仮設建材関連は、労働時間短縮・働き方改革・人手不足等による工事現場の施工量減少の影響で出荷額も減少しました。鉄骨工事分野では工事進捗の遅れ等の影響で、案件の次期繰越が発生しました。この結果、この事業の売上高は98億60百万円(前期比4.9%減)、営業利益4億14百万円(前期比23.6%減)となりました。 (建設コンサルタント事業)この事業では、アフリカ諸国をはじめ、アジア圏・大洋州地域等の各国において、道路・橋梁建設や設備機材整備等のプロジェクトに関わるコンサルタント事業を展開しております。特にフランス語圏のアフリカ諸国では強みをもっており、数多くの実績を残してきております。また、新規分野として国内外におけるBIM/CIM関連技術を活用した業務への参画に取り組んでおります。当連結会計年度におきましては、期初受注残の消化が下半期に持ち直し、受注金額の高い案件の消化が進む中、消化案件に利益率の高い案件が含まれたことから採算は改善いたしました。この結果、この事業の売上高は6億87百万円(前期比8.0%増)、営業利益は36百万円(前期は営業損失1億円)となりました。 (補修・補強工事業)この事業では、社会インフラ老朽化対策における橋梁、トンネルの補修・補強工事を推し進めております。国土強靱化対策等が進捗しており、受注環境は引き続き良好に推移しております。当連結会計年度におきましては、期中受注案件の増加および案件消化の順調な進捗により増収となりました。増収効果により増益となる一方で、案件の小規模化や外部委託の増加により、利益率は低下しました。この結果、この事業の売上高は28億34百万円(前期比19.1%増)、営業利益2億49百万円(前期比3.8%増)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、以下に記載したキャッシュ・フローにより48億68百万円となり、前連結会計年度末に比べ12百万円減少いたしました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、11億46百万円の収入(前連結会計年度は17億5百万円の収入)となりました。主な資金の増加は、税金等調整前当期純利益が5億86百万円、減価償却費及びのれん償却額が7億79百万円、主な資金の減少は、法人税等の支払額が3億56百万円などであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、7億93百万円の支出(前連結会計年度は8億97百万円の支出)となりました。主な資金の減少は、有形固定資産の取得による支出が7億40百万円などであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、3億67百万円の支出(前連結会計年度は10億39百万円の支出)となりました。主な資金の増加は、長期借入れによる収入が13億90百万円、主な資金の減少は、長期借入金の返済による支出14億27百万円、配当金の支払額3億91百万円などであります。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期増減(%)建設用資機材の製造・販売事業 (千円)13,433,625△0.91建築用資材の製造・販売事業 (千円)6,147,549△7.72建設コンサルタント事業 (千円)--補修・補強工事業 (千円)--合計 (千円)19,581,174△3.15(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。 b.受注実績 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(千円)前年同期増減(%)受注残高(千円)前年同期増減(%)建設用資機材の製造・販売事業12,696,1275.382,414,70638.92建築用資材の製造・販売事業9,984,476△17.112,422,7585.40建設コンサルタント事業394,062△40.51617,394△32.19補修・補強工事業2,938,16330.97607,05320.71合計26,012,829△3.656,061,91111.23(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期増減(%)建設用資機材の製造・販売事業 (千円)12,019,559△3.84建築用資材の製造・販売事業 (千円)9,860,310△4.93建設コンサルタント事業 (千円)687,1618.04補修・補強工事業 (千円)2,834,00719.10合計 (千円)25,401,038△1.88(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容経営成績等1)財政状態当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べ9億9百万円減少しましたが、その内訳は、流動資産が2億74百万円の減少、固定資産が6億35百万円の減少となっております。流動資産の減少は、売上高の減少等によって売上債権(受取手形、売掛金及び契約資産・電子記録債権)が1億26百万円、原材料及び貯蔵品が1億20百万円減少したことによります。固定資産の減少は、有形固定資産2億53百万円、繰延税金資産5億15百万円の減少によるものです。資産の残高ベースのリスク許容度(リスク資産に対して十分なエコノミック・キャピタルを有しているか)については、有形固定資産と投資有価証券の合計額80億40百万円に対し、自己資本(純資産-非支配株主持分)が104億58百万円あることにより、リスク資産に対するバッファー(エコノミック・キャピタル)は十分にある状態になっていると考えております。また、有利子負債は、前連結会計年度末55億2百万円から92百万円増加し、自己資本比率は44.0%から1.4ポイント減少し42.6%となり、D/Eレシオは0.49から0.04上昇し0.53となりました。 (*)運転資本(売上債権+棚卸資産-仕入債務)は、49億43百万円から51億70百万円と2億27百万円増加しました。 (単位:百万円)資産負債2025年2026年増減2025年2026年増減3月末3月末3月末3月末25,47024,561 (主な内訳) 14,24814,071 (主な内訳) △515繰延税金資産 △420仕入債務 △179建設仮勘定 +112借入金 △126売上債権 +90工事損失引当金 △120原材料及び貯蔵品 △177 純資産 2025年2026年増減 3月末3月末 11,22110,489 (主な内訳) △434親会社株主帰属当期純損失 △392株主配当金支払い △909 △732 リスクバッファーとしての自己資本が問題のない水準と考えられる一方で、資本の効率性の観点では、財務レバレッジを上げる余地についての分析も必要と考えております(後述「当連結会計年度の資本効率の状況」の項をご参照下さい)。当連結会計年度末での財務レバレッジは2.31であり、前連結会計年度末の2.33から0.02減少しております。今後実際に機動的な資金調達(大型の設備投資やM&A)を実施していくためには、平時には有利子負債による調達余地を残しておく必要があり、外部格付機関が発表している格付別財務指標を鑑みれば自己資本比率は望ましい水準の範囲内と考えております。従って、財務レバレッジを現時点で大きく引き上げることは優先度としては高くなく、当連結会計年度末の水準は妥当な水準と考えております。 2)経営成績前連結会計年度との比較では下記のように分析しております。連結売上高は4億86百万円減少しました。セグメント別の内訳は、補修・補強工事業のセグメントで4億54百万円増加しましたが、建築用資材の製造・販売事業のセグメントで5億11百万円、建設用資機材の製造・販売事業のセグメントにおいて4億80百万円と大きく減少しました。減少の主な要因は、建築用資材の製造・販売事業では、労働時間短縮・働き方改革・人手不足等による工事現場の施工量減少や工事進捗の遅れ等の影響があり、建設用資機材の製造・販売事業では、全般的に、案件の一時的な端境期による需要減に加え、現場の労働力不足等による工期の見直しが見られたことなどによるものです。連結売上総利益は1億14百万円減少しましたが、売上高総利益率は0.1%増加しました。減少の主な要因は、減収分の減益効果や建築用資材の製造・販売事業の鉄骨工事分野における手戻りがあり追加原価が発生したことによるものです。販売費及び一般管理費は、中期経営計画関連施策の推進を中心とした人件費・経費の増加などにより1億36百万円の増加となりました。以上の結果、営業利益は2億50百万円の減少、経常利益は2億94百万円の減少、親会社株主に帰属する当期純損失は、更に繰延税金資産の取崩しにより、9億78百万円の減少となりました。 当連結会計年度は、「中期経営計画2023-2025」の最終年度に当たります。当連結会計年度の売上高は10億98百万円の計画未達で終わりました。セグメント別では、主要セグメントである建設用資機材の製造・販売事業が8億90百万円の未達となり、その主な要因は、案件の一時的な端境期による需要減に加え、現場の労働力不足等による工期見直しになどによるものです。連結売上総利益は3億84百万円の未達、売上高総利益率は計画を0.3%下回りました。建設用資機材の製造・販売事業および建築用資材の製造・販売事業において施工量の減少や、工期見直し等により、売上高が減少したことが計画未達の主な要因です。販売費及び一般管理費は、計画では戦略的な先行投資を大胆に実施していくことを織り込み、前連結会計年度比で5億27百万円増加する計画でしたが、物価上昇を考慮した計画ほど販売運賃が積み上がらなかったこと、人材の採用が予定通り進まなかったこと等により前連結会計年度比1億36百万円の増加に止まり、期初予想比では5億11百万円少なくなりました。その中には戦略的な先行投資の位置付けである報告セグメントに帰属しない研究開発部門の人件費・経費の未達3億円が含まれております。 以上の結果、連結営業利益は期初予想比1億26百万円の超過となりました。期初予想比増益とは言え、戦略的な先行投資の研究開発及び人材の調達が遅れるなど、将来を見据えた先行投資の面では課題を残す結果となりました。 (単位:百万円) 2026年3月期 (実績) 2025年3月比 期初予想(*)比 売上高 25,401 △486 △1,098 建設用資機材 12,019 △480 △890 上記以外 13,381 △5 △208 売上総利益 6,802 △114 △384売上高総利益率 26.8% 0.1% △0.3% 先行投資(研究開発) 799 197 △300販売管理費 6,203 136 △511 営業利益 599 △250 126売上高営業利益率 2.4% △0.9% 0.6% 経常利益 591 △294 153売上高経常利益率 2.3% △1.1% 0.7% 親会社株主に帰属する当期純損失 △434 △978 △492売上高当期純利益率 △1.7% △3.8% △1.9% 建設用資機材の製造・販売事業売上高 12,019 △480 △890営業利益 717 △82 4利益率 6.0% △0.4% 0.4% 建築用資材の製造・販売事業売上高 9,860 △511 △644営業利益 414 △127 △185利益率 4.2% △1.0% △1.5% 建設コンサルタント事業売上高 687 51 △67営業利益 36 137 14利益率 5.3% 21.1% 2.4% 補修・補強工事業売上高 2,834 454 504営業利益 249 9 31利益率 8.8% △1.3% △0.5% (※)2025年5月公表 各セグメント別の課題解決状況を踏まえた分析は以下のとおりです。(建設用資機材の製造・販売事業)国土強靭化、高速道路耐震化、インフラ老朽化対応に伴う需要拡大を背景に、営業活動を推進しましたが、案件の一時的な案件の端境期、現場の労働力不足等による工期の見直し、コンクリート分野の施工量の大幅な減少等により、売上高および営業利益は伸び悩み、当連結会計年度の売上高は前期比4億80百万円の減収、営業利益は前期比82百万円の減益となりました。また、能登震災復興案件は、見込以上に工事が進捗した一方で、ESCON事業の収益化の遅延やコンクリート製品分野の需要の落ち込みにより、期初予想比では売上高は8億90百万円の減収となりました。営業利益は予想されていた配送運賃上昇の遅れ、採用計画の未達等による販売管理費の圧縮等により期初予想比4百万円の増益となりました。翌連結会計年度においては、鉄鋼製品分野やコンクリート製品分野等では、当連結会計年度と同様に施工量が伸び悩む見込みですが、ケーブル製品分野につきましては良好な事業環境のもと順調に推移することを想定し、当連結会計年度と同水準の売上高を見込んでおります。また、費用面では物価上昇に伴うコストアップや人材採用をはじめとした戦略的資源投入を継続していくことを踏まえ減益を想定しております。 (建築用資材の製造・販売事業) 建築金物分野において内装関連の需要が停滞しており、仮設建材関連は、労働時間短縮・働き方改革・人手不足等による工事現場の施工量減少の影響で出荷額も減少しました。鉄骨工事分野では工事進捗の遅れ等の影響で案件の次期繰越が発生しました。その結果、売上高は前期比5億11百万円の減収、期初予想比6億44百万円の減収、鉄骨事業分野で一部案件における手戻りが発生し追加原価が発生したことにより、営業利益は前期比1億27百万円の減益、期初予想比1億85百万円の減益となりました。 翌連結会計年度は、需要の回復が課題であり、価格転嫁や販路の拡張、大型案件の受注拡大に取り組むことで、売上高は若干の減収、営業利益は増益を想定しております。 (建設コンサルタント事業) 当連結会計年度につきましては、受注残高は低調であるものの、期初受注残の消化が下半期に持ち直し、合わせて受注金額の高い案件の消化が進んだことにより、売上高は前期比では51百万円の増収、一方で計画していた新規分野の開拓に遅れが生じたことにより、期初予想比67百万円の減収となりました。利益面では、高粗利率案件の消化により採算性が改善し、営業利益は前期比1億37百万円、期初予想比14百万円の増益となりました。 翌連結会計年度は、独立行政法人国際協力機構(JICA)からの案件の深化と安定基盤の構築、海外ドナー案件の挑戦、政府機関および民間案件への戦略的展開を進めてまいります。 (補修・補強工事業) この事業では、社会インフラ老朽化対策における橋梁、トンネルの補修・補強工事を推し進めております。国土強靱化対策等が進捗しており、受注環境は引き続き良好に推移しております。当連結会計年度は、期中受注案件が増加し、順調に消化が進んだことにより、増収増益となった一方で、案件の小規模化や外部委託の増加により利益率が低下いたしました。この結果、売上高は前期比4億54百万円の増収、営業利益は前期比9百万円の増益となりました。期初予想比も同様の理由により、売上高は5億4百万円の増収となり、営業利益は31百万円の増益となりました。 本事業の規模の拡大は保有する現場管理者の人数による制約を受けるため、採用活動と工事職員のスキルアップを強化することにより、案件消化体制の強化を図ります。また、地場企業への営業強化と元請受注の拡充を図ってまいります。 以上の4つの報告セグメントのセグメント利益の合計額は、連結財務諸表上の営業利益と一致しません。差異は調整額となりますが、調整額のうち特に大きな金額となっているのが、報告セグメントに帰属しない研究開発部門の人件費・経費です。公共投資の予算規模に大きな影響を受ける建設用資機材の製造・販売事業に代わる収益事業を創造していくため、当社グループは、研究開発に特に注力しております。当連結会計年度の実績は7億99百万円、売上高の3.1%となっております。 2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期増減増減率報告セグメントに帰属しない研究開発部門の人件費・経費(百万円)35339453160179919732.9%売上高比率 (%)1.51.52.02.33.1-- ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、基礎営業キャッシュ・フロー(営業キャッシュ・フローから運転資本の増減を除いたもの)と資産売却により合計12億34百万円のインフローに対し、投資(ほとんどが製造設備等に対する固定資産投資)8億14百万円と株主還元(配当金)3億91百万円に配分しました。余剰額28百万円、運転資本の増加により生じた67百万円及び有利子負債の増加による23百万円により、現金及び現金同等物等は14百万円減少しました。中期経営計画の最終年度において、企業価値向上のための設備投資等に重点的に投資した後においても、フリーキャッシュ・フロー(ここでは、運転資本と定期預金の増減を含まず、株主還元への配分後)はプラスになりました。翌連結会計年度においても、キャッシュのインフローを成長投資に重点的に配分していく方針であります。(百万円) 2025年3月期2026年3月期 基礎営業キャッシュ・フロー1,3131,213 資産処分等 820①インフロー 1,3221,234 投資固定資産△886△760 有価証券他△17△53 △903△814 株主還元 △391△391②アウトフロー △1,294△1,205 ③ネット資金(①+②) 2728 ④運転資本 392△67 ⑤有利子負債 △64823⑥現金及び現金同等物、定期預金等からの調達△229△14 b.財務戦略資本コストや株価を意識した経営が求められるなか、2024年3月期に財務戦略を見直し、財務フレームワークを刷新しました。経営資本の適正配分により、将来キャッシュ・フローの創出力と資本効率を高め、持続的な成長と企業価値の向上に資する財務運営を目指します。当社グループの企業価値の持続的な向上を図っていく財務運営の基本方針は、以下のとおりです。・資本コストを上回るキャッシュ・リターンの確保・財務の健全性と成長投資を両立させる投下資本のコントロール(最適資本構成)・キャピタル・アロケーション (資本コストを上回るキャッシュ・リターンの確保)・企業価値を真に向上させるには、会計上の利益を積み上げるだけでなく、フリーキャッシュ・フローの創出力を高める必要があり、利益の質の向上を意識していきます。・具体的には、キャッシュ・フローの源泉となる利益については、既存事業の資産収益性による評価を実施し、成長投資を除いたベースで資本コストを上回るリターンを得ているかを見ていきます。・事業利益による営業キャッシュ・フローの創出だけではなく、運転資本の効率化等も意識し、キャッシュ・フローの最大化を目指します。・現預金は、資本コストがかかっている投下資本の運用先でもあり、資産効率性に大きな影響を与えます。適正な現預金の水準についても一定の目線を設定しております。 (適正な現預金の水準)・現預金の保有目的は、「定常的資金」と「突発的資金」とに分けて考えております。更に「突発的資金」は「突発的な大規模投資資金(突然の大型投資資金需要にも対応しうる資金)」と「突発的な危機対応資金(突然の不測の事態にも困らないだけの安全資金)」に分けられます。 ・「定常的資金」は、日々の運転資金として保有すべき現預金と定めており、連結売上高の月商をもとに決めております。この部分については、グループ企業間でのキャッシュ・マネジメント・システムの運用を開始しており、資金の効率性は向上していると考えております。・「突発的資金」は、「突発的な大規模投資資金」と「突発的な危機対応資金」を合わせて定額を設定しております。「危機対応」と「大規模な投資」は同時に発生することは稀有であること、別々に金額を設定すると多額の現預金が必要となることにより、オールタナティブな資金として設定しました。・この目線を運用しながら、適正な現預金の水準の実現を図っていきたいと考えております。 (運転資本)・営業キャッシュ・フローの水準は、毎年運転資本の増減に大きく左右される状況となっております。より適切な管理を目指し、方向性を見出していきたいと考えております。 (財務の健全性と成長投資を両立させる投下資本のコントロール(最適資本構成)) ・最適資本構成は、事業リスクに見合う有利子負債/自己資本の構成比であり、成長戦略をバランスシートでどう支えるか、成長投資を財務の観点からどう規律付けるか、デット・キャパシティをどのようにコントロールするかは、最適資本構成の水準によって決まってくると考えております。・今回の財務フレームワークでは、想定格付、事業リスクを踏まえた必要自己資本の水準より、最適資本構成としてのD/Eレシオの目線を設定しました。・当連結会計年度のD/Eレシオは0.53となっており、目線に沿った運用がなされていると評価しております。 (キャピタル・アロケーション) ・当社グループは、「中期経営計画2030」の期間を、「2030ビジョン」のありたい姿実現に向けて、国内外の防災、インフラの整備・維持管理に向けた幅広い貢献を担う企業を実現する期間と位置づけており、中期経営計画期間中に獲得したキャッシュ・フローは重点的に成長投資に配分していきます。・また、「中期経営計画2030」では新たに3事業を立ち上げたため、今後の成長投資に備えた資金調達余力の確保が重要であると考えております。そのため、一定のデット・キャパシティを維持していくことを考えており、今回設定したD/Eレシオ、自己資本比率の目線に沿うかたちで財務の健全性を向上させていく予定です。・ただし、M&A等により突発的に資金が必要になった場合や新規事業が予定より早く立ち上がる場合等には、その後のキャッシュ・フローを慎重に精査した上で、D/Eレシオの一時的な大幅悪化を許容する場合もあります。・キャピタルのアロケーションとしての株主還元につきましては、安定配当を重視してまいります。 (株主還元)・株主還元・配当政策は経営の最重要課題の一つと認識しております。直接的な利益還元(配当)と成長投資による中長期的な株価上昇によるトータルリターンの向上を基本としています。「中期経営計画2030」においても、これまでの中期経営計画の方針は変わらず、中長期の成長に向けた投資を優先し、長期に亘る成長を確実に配当還元する方針としております。配当につきましては、短期の業績に左右されず、株主資本の成長に合わせ配当金額が増加する株主資本配当率(*)を配当の水準を決定する際の指標としていきます。具体的には、株主資本配当率3.5%を目安としていきます。 (*)株主資本配当率=配当金総額÷期末株主資本(新株式払込金を除く)×100 2024年3月期2025年3月期2026年3月期親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(百万円)969543△434株主資本(百万円)10,89711,04910,2211株当たり配当金(円)131313配当金総額(百万円)392392392配当性向(連結)(%)40.572.2-株主資本配当率(%)3.603.553.84 (当連結会計年度の資本効率の状況)・中長期的な企業価値向上を実現するために、資本効率の向上が不可欠だと考えておりますが、当連結会計年度末のROEは△4.0%と前連結会計年度の4.9%より大幅に減少しました。売上高当期純利益率(ROS)の減少が要因です。ROEの改善のためにはROSの向上が必要と考えており、財務運営としては、投資を急ぐあまり総資産回転率が悪化したり、有利子負債が平時に極端に増えることのないよう設定した目線に基づいて運営していく必要がある(財務レバレッジを大きく上げる段階にはない)と考えております。 (%、倍) 2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期自己資本当期純利益率(ROE) 純利益/自己資本8.69.14.9△4.0 売上高当期純利益率(ROS) 純利益/売上高3.43.72.1△1.7 総資産回転率(分母平均)売上高/総資産1.041.021.001.02 財務レバレッジ 総資産/自己資本2.422.432.332.31 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計基準は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。当社グループの連結財務諸表の作成において、損益又は資産の状況に影響を与える見積り、判断は、過去の実績や入手可能な情報に基づいておりますが、見積りは不確実性を伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。

事業リスク

  • 国内建設投資の減少リスク
    売上高の約6割が国内の土木建設市場向けであるため、公共投資の長期的な漸減傾向や、財政健全化を目的とした急減、景気後退による民間設備投資の縮小は業績に悪影響を及ぼす可能性があります。政府の政策優先順位の変更や財政状況の悪化も、このリスクを増大させる要因となり得ます。
  • 原材料価格の高騰リスク
    主力製品の製造原価の約7割を原材料費が占めており、特に鉄やPC鋼線などの市況変動が大きい原材料を使用しています。今後、これらの原材料価格が急騰した場合、製造コストが増加し、販売価格への転嫁が困難な場合には、利益率を圧迫し業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 災害による事業活動停止リスク
    製造拠点が全国に点在していますが、主力製品であるケーブル製品の製造拠点は山口工場に集中しています。集中豪雨や南海トラフ地震などの大規模災害が発生し、いずれかの工場が被災した場合、操業に支障が生じ、製品供給の停滞や生産能力の低下により、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,463 文字
3【事業等のリスク】 当社グループの経営成績、財務状況および株価等に影響を及ぼす可能性のあるリスクのうち、外部環境・内部環境それぞれにおいて、経営方針・経営戦略を実施していく上で重要度の高いものは以下のものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 外部環境に起因するリスク①建設投資減少に関するリスク 当社グループの売上高の約6割が、土木を中心とした国内建設市場向けへの販売等によるものであります。「中期経営計画2030」の期間中においては、国土強靭化・インフラ老朽化対策を進めていくために公共投資予算が割り当てられるとみておりますが、長期的には公共投資は漸減傾向となることが予想されます。また、財政健全化等を目的として公共投資が急減する場合や景気後退による民間の設備投資が縮小する可能性があります。度重なる台風災害や地震による災害の影響の激甚化が見られる状況下、これらのリスクが急激に顕在化する可能性は低いとみておりますが、以下の懸念材料より政府の一時的な政策の優先順位の変更等がないとは言えません。これらは当社グループの業績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。・日本政府の財政政策に対する不振による国債発行余地の低下・金利上昇による国債利払い費の増加による財政圧迫・円安・物価高等に対する景気対策、社会保障に関連する予算の比重増大・日本を取り巻く国際情勢の変化に対する安全保障政策(防衛費の増強)リスクの影響を軽減する方策:新しい収益の柱となる事業の構築、製品種類の分散化、海外展開 ②原材料高騰に関するリスク 当社グループの主力製品群は、製造原価の約7割は原材料費となっております。その中でも鉄や鉄を素材とするPC鋼線・線材等市況により大きく価格が変動するものを多く使用しております。 今後、原材料が急騰した場合には、原材料費の上昇により当社の業績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、「原材料高騰に関するリスク」につきましては、鋼材等の一部の原材料の価格が高騰しており、仕入価格への影響が出ております。「中期経営計画2030」には作成時に合理的に見込まれる影響については対応策とともに織り込んでおります。このリスクの影響を受ける可能性のある当社セグメントは、建設用資機材の製造・販売事業、建築用資材の製造・販売事業、補修・補強工事業であります。リスクの影響を軽減する方策:販売価格への適正な反映、調達ルートの多様化 ③災害に関するリスク 当社グループの製造拠点は全国に点在しております。また、主力のケーブル製品においては製造拠点が山口工場のみとなっております。近年頻発しています集中豪雨や今後発生が想定されています南海トラフ地震等の災害発生が考えられ、いずれかの工場が被災した場合には、操業に支障が生じ、当社グループの業績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。リスクの影響を軽減する方策:拠点の分散化、BCPの更新 ④海外事業展開に関するリスク 「2030ビジョン」の実現のために、海外での事業展開を積極的に実施していくことにしております。特にベトナムではこれまでもエンジニアリング事業を展開してきましたが、建材市場の開拓、グループ企業の連携による設計支援事業の展開にも注力しています。また長期的にはベトナム以外のアジア市場向けの販売拡大にも注力していきます。海外展開においては、言語、地理的要因、法制度・税制度等各種規制、当局の監督、政情、商慣習の違い等の様々な潜在的リスクが存在します。これらのリスクに対処できない場合、当社グループの業績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。リスクの影響を軽減する方策:情報収集機能の強化、海外管理体系の整備 ⑤気候温暖化への対応に関するリスク 「中期経営計画2030」では、発電事業等気候温暖化への対応は新たな事業機会としてこれまでも注視してきております。2020年度に入り各国がCO2の排出目標を引き上げ又は早期化する動きが顕著になり、企業としてもより意識的にサステナビリティに向けた対応が必要となります。各国の具体的な規制・制限次第では、企業の持続可能性を維持するための負担に大きな影響を与えることになります。また、機関投資家は投資対象のメルクマールに気候温暖化対応を入れる動きや対応状況の開示を求める動きを活発化させております。機関投資家等の開示をめぐる国際的な動きを背景に日本でも開示制度の改訂が進んできております。気候温暖化における事業環境の変化に適切に対応が出来なければ、企業の持続可能性に大きな影響を与えることになります。一方、長期的なトレンドに変化はないものの、人工知能の進化、エネルギー安全保障の重視、グローバル世界の多極化が想定以上に進展し、わが国及び米国をはじめとした主要国の経済・産業政策も短期的には変化していると考えています。「中期経営計画2030」においても、内外のサステナビリティの議論の動向、限りある経営資源を前提とした優先順位を意識したメリハリのある対応を実施していきます。リスクの影響を軽減する方策:情報収集と定量的な対応策の検討・実施、適切な開示 ⑥感染症の発生・拡大に関するリスク当社グループは、感染防止策の徹底や在宅勤務を可能にする規程を導入し、感染機会の抑制策を講じております。しかしながら、想定を超える感染症の拡大等により事業活動の停止や生活様式に変化をもたらすような事態が発生した場合は、当社グループの業績及び事業活動の継続に悪影響を及ぼす可能性があります。リスクの影響を軽減する方策:感染の抑制、在宅勤務の実施 内部環境に起因するリスク①新規事業投資に関するリスク 長期的な公共投資予算の削減に対応すべく、これまでも新規事業の研究開発に積極的に投資してきました。「中期経営計画2030」においても、新しい価値の創造に積極的に投資していく計画になっております。当社グループの期待する成果が得られない場合、又は想定しなかった重大な問題が生じた場合等には当社グループの業績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。リスクを軽減する方策:事業化のステージに応じた投資効率の点検リスクの影響を軽減する方策:財務的なリスクバッファーとしての自己資本の充実 ②人材の確保に関するリスク当社グループの持続的成長は、土木建築等に係る専門性の高い知識・技術に基づく人材の確保・育成に大きく影響されます。こうした人材の確保・育成が想定通りに進まない場合は当社グループの業績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。リスクを軽減する方策:人材採用力の強化、働き甲斐の向上 ③仕入製品の減少に関するリスク 当社グループでは、販売する製品付属品の一部を外注業者にて製造しております。外注業者への発注量や財務状況は常時管理しておりますが、これら外注先において信用不安や後継者不足による倒産・廃業が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。リスクを軽減する方策:発注数量の安定化、外注先数の増強 [米国トランプ政権の関税政策について]当社グループでは米国への製品輸出はいまのところ予定をしておりません。ただし、米国関税が経済全体に与える影響は現時点では合理的に見通すことは困難であるため、現状では計画に織り込んではおりませんが、今後計画等の修正を行う必要が発生した場合は速やかに公表いたします。 [中東情勢の緊迫化による業績への影響について]中東情勢の緊迫化により、原油価格上昇や石油製品の調達難等の価格面・数量面双方での供給制約、幅広い国・地域への輸出の減少等の物流面・経済活動での制約、それらの内需への影響等日本経済に対する幅広い影響が考えられます。その影響により、上記「外部環境に起因するリスク」、特に、①建設投資減少に関するリスク、②原材料高騰に関するリスク、④海外事業展開に関するリスク、⑤気候温暖化への対応に関するリスクに大きな影響を及ぼすと考えております。しかしながら、現時点で合理的に見通すことは困難であるため、「中期経営計画2030」及び2027年3月期の業績予想には織り込んでおりません。今後業績予想の修正を行う必要が発生した場合には速やかに公表いたします。

このページのバフェット流コメンタリーは順次自動生成中です。生成されると、ここに「数値の読み解き方」「同業比較」「投資判断のポイント」を表示します。

もっと深く分析したい?

モート先生 AI が エスイー の事業を 4 賢人の理論で詳しく解説します

モート先生に聞く →