3524

日東製網(3524)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

繊維製品 素材・化学

事業の概要

  • 漁業関連事業
    日東製網グループは、漁業用の網やロープの製造・販売を主力としています。具体的には、無結節網や綟網といった漁網のほか、漁業で使う省力化機械器具、水産物の仕入れ販売も行っています。子会社が海苔網の製造や漁網の仕立て・防汚加工、海外での漁網製造・販売を担い、グループ全体で漁業に必要な幅広い製品とサービスを提供することで収益を上げています。
  • 陸上関連事業
    陸上関連では、獣害防止ネットやゴルフ練習場、スポーツ施設向けの防球ネットなどの製造・販売、設計・施工を手掛けています。子会社である株式会社泰東がこの事業を担い、農業用資材の販売も行っています。漁業で培った網の技術を応用し、陸上での多様なニーズに対応することで、事業の多角化を図り、収益源を確保しています。
  • 機械設備の製造・修理
    グループ内には、網を編む機械(組網機)などの機械設備の製作や修理、部品加工を行う日本ターニング株式会社があります。これは、自社の漁網製造に必要な機械を内製・メンテナンスすることで、生産効率の維持向上とコスト削減に貢献しています。また、外部からの受注も受けることで、新たな収益源にもなっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 漁業関連事業
    このセグメントは、日東製網グループの主要な収益源であり、売上高174.4662億円、営業利益3.83923億円を計上しています。漁業用無結節網や綟網、ロープなどの製造・販売が中心で、漁労関係の省力機械器具や水産物の仕入れ販売も行っています。国内外の子会社が連携し、海苔網の製造、漁網の仕立て・防汚加工、海外での漁網製造・販売などを手掛け、漁業に必要な幅広い製品とサービスを提供しています。
  • 陸上関連事業
    このセグメントは、売上高41.50378億円、営業利益2.96868億円を計上しています。漁業で培った網の技術を応用し、獣害防止ネットやゴルフ練習場、スポーツ施設向けの防球ネットなどの陸上用無結節網の製造・販売、設計・施工を行っています。また、培土などの農業用資材の販売も手掛けており、事業の多角化を通じて、漁業関連事業以外の収益源を確保しています。
  • その他事業
    有価証券報告書には具体的なセグメント実績の記載はありませんが、日本ターニング株式会社が当社の組網機等の機械設備の製作及び修理、機械の部品加工等を行っています。これは、グループ全体の生産活動を支える重要な役割を担っており、自社設備の安定稼働と効率化に貢献するとともに、外部からの受注も受けることで、グループ全体の収益に寄与しています。
2025-04 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
FisheryRelated 事業 174 4 2.2%
OnLandRelated 事業 42 3 7.2%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,027 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社、子会社15社で構成され、漁業用・陸上用無結節網及び綟網・ロープ等の製造・販売並びに漁労関係省力機械器具等の商品、水産物の仕入販売を主な事業としております。当社グループの事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は次のとおりであります。漁業関連事業製品関連………当社が製造・販売するほか、多久製網株式会社が当社から半製品及び関連商品を仕入れて海苔網を主体とした漁網を製造し製品の大半を当社に販売し、また当社製品の加工も行っております。日東ネット株式会社は当社の施設を使用(賃借)して当社の漁網製品の仕立て及び防汚加工を行っております。レデス・ニットー・チリ・リミターダは当社から原材料の供給を受け漁網を製造・販売し、製品及び関連商品を当社から仕入れて販売しております。レデス・ニットー・ペルー・S.A.C.は、製品及び関連商品をレデス・ニットー・チリ・リミターダから仕入れて販売しております。タイ・ニットウセイモウ・グローバル Co.,Ltd.は当社から原材料の供給を受け漁網を製造・販売し、製品及び関連商品を当社から仕入れて販売しております。CNK株式会社は、養殖用の金網を製造・販売しております。なお、平湖日東漁具有限公司は、日東ネット株式会社より仕立て事業の一部を委託され、当社の漁網製品の仕立を行っております。商品関連………当社は漁労関係省力機械器具、漁船、ロープ、浮子、防汚剤等の漁業関連資材を仕入れて漁網製品と併せて販売しており、日本ターニング株式会社からは小魚加工機等の仕入れを行っております。ヤマグチ株式会社は当社より海苔網を主体とした漁網、ロープ等漁業用資材を仕入れて販売しております。株式会社温泉津定置及び有限会社吉田漁業部、株式会社庄司政吉商店、株式会社女良漁業は、定置網漁業を行っております。 陸上関連事業製品関連………株式会社泰東は、当社から獣害防止ネット等を仕入れて販売するとともに、陸上用無結節網を仕入れてゴルフ練習場や防球・各種スポーツネット等の設計、施工、加工及び販売を行っております。また、外注先より防虫網・ロープ等を仕入れて販売を行っております。商品関連………株式会社泰東は、培土などの農業用資材を仕入れて販売を行っております。 その他 日本ターニング株式会社は、当社の組網機等の機械設備の製作及び修理のほか、機械の部品加工等を行っております。 事業系統図は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
主要原材料を石油精製品に依存し、原油価格高騰が調達価格上昇につながるため
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
漁業用・陸上用無結節網及び綟網・ロープ等の製造技術、新素材漁網の開発、漁網リサイクルに関する研究
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:漁業者の経営悪化による売上減少・債権回収長期化 / 原油価格高騰による原材料調達価格の上昇 / 調達金利上昇による金融コスト増加
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

日東製網は漁網、産業用資材、テニス・バレーボール用ネットなどを製造・販売。特に漁網分野での長年の実績とブランド認知はあるものの、特許や独占的IPによる明確な優位性は限定的。一部製品で高い品質評価を得ている程度。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

漁網分野では、長年の使用実績や特定の漁法に最適化された製品に対する顧客の信頼は一定程度存在する。しかし、代替素材や競合製品への乗り換えコストが極めて高いわけではなく、価格や性能次第でスイッチングは起こりうる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の事業モデルには、ユーザー数の増加が製品やサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果は存在しない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の製造ノウハウや効率化努力により、一定のコスト競争力は維持していると考えられる。しかし、素材価格の変動や海外競合とのコスト差を考えると、構造的な圧倒的コスト優位性は見出しにくい。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

漁網、産業用資材、スポーツネットといったニッチ市場において、一定のシェアと生産規模を持つ。特に漁網分野では国内有数のプレイヤーであり、業界規模に対して最適な少数寡占に近い状態を形成している可能性がある。

  • 多様な漁業関連製品
    日東製網グループは、漁網だけでなく、ロープ、浮子、防汚剤、漁労関係省力機械器具、さらには漁船や水産物まで、漁業に必要な幅広い製品とサービスを提供しています。これにより、漁業者に対してワンストップで多様なニーズに応えることができ、顧客との関係を強化し、安定した取引に繋がっています。
  • 国内外の生産・販売網
    国内では多久製網が海苔網を製造し、日東ネットが漁網の仕立て・防汚加工を行うなど、専門子会社が生産を分担しています。海外ではチリ、ペルー、タイに製造・販売拠点を持ち、グローバルな供給体制を構築しています。これにより、地域ごとのニーズに対応し、国際的な市場での競争力を高めています。
  • 陸上分野への事業展開
    漁業で培った網の製造技術を活かし、獣害防止ネットやスポーツネットなど陸上分野へも事業を展開しています。これにより、漁業の景気変動リスクを分散し、新たな市場での収益機会を創出しています。株式会社泰東がこの分野を担い、農業用資材の販売も行うことで、事業の安定化に寄与しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、当社が社是として掲げております「創意・誠実・努力」を基本理念に「挑戦」を加え、基本方針とし、社会に役立つ製品を開発し、これを合理的な価格で提供していくことこそ、メーカーの社会的使命であるとの強い信念を持ち安易に模倣することを恥ずべき事と考えて、1910年創立以来、一貫して研究開発に多大な努力をはらってまいりました。また、長期的な視野にたち、株主、ユーザー、その他取引先及び従業員の期待にこたえることを優先し、合理的な価格達成のために、経営の合理化、コストダウンを絶えず追求し続けてまいります。 (2)目標とする経営指標 ① 売上高経常利益率 6% ② 自己資本比率 30% ③ 配当性向 30% (3)中長期的な会社の経営戦略 2016年5月に当社グループの経営戦略として以下の5項目を設定しております。 ① 海外売上高目標を30億円 チリとタイの現地法人を中心として、中南米・東南アジアに拡販を図る。 ② 高付加価値製品・サービスの開発と販売 常にお客様の目線を忘れずに、他社との差別化を図る。 ③ 原反・消耗品の販売強化 安定的な収入源として、リピート品の販売の強化を図る。 ④ 連結グループ会社の経営一元管理体制推進 人材、技術、資金の一元管理により、技術の継承を図る。 ⑤ 業界のリーダーとしての自覚を持ち新たな時代の先頭に立ち行動 業界の基軸となるべく、業界に様々な角度からの提案を図る。 (4)会社の対処すべき課題当社グループの経営は、主要営業基盤であるわが国の水産業界の動向や世界的に増加している水産物の消費の傾向にも注視していく必要があります。長期的には漁船漁業による漁獲量の確保や水産物の安定供給における養殖業の重要性は今後ますます高まるものと考えられることから、幅広いお客様のご要望に機動的な対応が可能な体制を構築していくことが重要と認識しております。しかし、国内では漁業関連従事者の就業人口の減少や高齢化に歯止めが掛からず、人手不足の解消が厳しい状況にあることや、地球規模の気候変動や近隣諸国の乱獲による漁獲量の減少が継続していることも懸念材料となっております。最近では、雇用や所得環境の改善やインバウンド需要の拡大により、経済活動は回復基調で推移しておりました。しかし、ウクライナ情勢や中東情勢の長期化による原材料や物価の上昇に加え、金利上昇や為替の変動等の影響により、人々の生活環境や経済情勢に大きな変化が生じております。「環境・社会・ガバナンス」と持続可能な社会への貢献が世界的に重要なテーマとされる中、過去の慣習や価値観に捉われることなく、事業環境の変化や各種のリスクにリアルタイムで対応できる体制、組織づくりも重要となります。また、自然環境、人材育成に配慮した事業活動、製商品、サービスの提供も企業価値向上に繋がる重要なテーマです。 ①オリジナル商材の開発と差別化持続的な成長と収益力の強化を実現するため、産学官連携による商品開発に取り組んでおります。これにより独自性の高い商品を市場に提供することが可能となり、他社との差別化を図り、将来的な収益力の高いビジネスモデルの構築を推進してまいります。②漁網の拡販戦略主力製品である漁網の拡販は、重要課題の一つであります。事業環境としては厳しい面も多い中、他社との差別化を図るべく、作業の平準化が困難な仕立部門の強化に取り組んでまいります。③人材の確保・育成少子高齢化や働き方の多様性により、優秀な人材の確保と育成はますます重要な課題となっております。社員の定着率の向上を図るため、人材育成の拡充や採用戦略の強化に取り組んでまいります。④販売価格の適正化原材料費や物流費、人件費等の高騰が続く中、お客様のご理解をいただきながら適正な価格転嫁を進めてまいります。同時に、業務の効率化をはじめとするコスト削減にも徹底して取り組み、適正な利益水準の確保に努めてまいります。⑤廃棄漁網のリサイクル資源のムダを省き、有効に活用する環境配慮型素材を使用した漁具類の開発や廃棄漁具の再製品化、端材の有効活用などに取り組んでまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、当社が社是として掲げております「創意・誠実・努力」を基本理念に「挑戦」を加え、基本方針とし、社会に役立つ製品を開発し、これを合理的な価格で提供していくことこそ、メーカーの社会的使命であるとの強い信念を持ち安易に模倣することを恥ずべき事と考えて、1910年創立以来、一貫して研究開発に多大な努力をはらってまいりました。また、長期的な視野にたち、株主、ユーザー、その他取引先及び従業員の期待にこたえることを優先し、合理的な価格達成のために、経営の合理化、コストダウンを絶えず追求し続けてまいります。 (2)目標とする経営指標 ① 売上高経常利益率 6% ② 自己資本比率 30% ③ 配当性向 30% (3)中長期的な会社の経営戦略 2016年5月に当社グループの経営戦略として以下の5項目を設定しております。 ① 海外売上高目標を30億円 チリとタイの現地法人を中心として、中南米・東南アジアに拡販を図る。 ② 高付加価値製品・サービスの開発と販売 常にお客様の目線を忘れずに、他社との差別化を図る。 ③ 原反・消耗品の販売強化 安定的な収入源として、リピート品の販売の強化を図る。 ④ 連結グループ会社の経営一元管理体制推進 人材、技術、資金の一元管理により、技術の継承を図る。 ⑤ 業界のリーダーとしての自覚を持ち新たな時代の先頭に立ち行動 業界の基軸となるべく、業界に様々な角度からの提案を図る。 (4)会社の対処すべき課題当社グループの経営は、主要営業基盤であるわが国の水産業界の動向や世界的に増加している水産物の消費の傾向にも注視していく必要があります。長期的には漁船漁業による漁獲量の確保や水産物の安定供給における養殖業の重要性は今後ますます高まるものと考えられることから、幅広いお客様のご要望に機動的な対応が可能な体制を構築していくことが重要と認識しております。しかし、国内では漁業関連従事者の就業人口の減少や高齢化に歯止めが掛からず、人手不足の解消が厳しい状況にあることや、地球規模の気候変動や近隣諸国の乱獲による漁獲量の減少が継続していることも懸念材料となっております。最近では、雇用や所得環境の改善やインバウンド需要の拡大により、経済活動は回復基調で推移しておりました。しかし、ウクライナ情勢や中東情勢の長期化による原材料や物価の上昇に加え、金利上昇や為替の変動等の影響により、人々の生活環境や経済情勢に大きな変化が生じております。「環境・社会・ガバナンス」と持続可能な社会への貢献が世界的に重要なテーマとされる中、過去の慣習や価値観に捉われることなく、事業環境の変化や各種のリスクにリアルタイムで対応できる体制、組織づくりも重要となります。また、自然環境、人材育成に配慮した事業活動、製商品、サービスの提供も企業価値向上に繋がる重要なテーマです。 ①オリジナル商材の開発と差別化持続的な成長と収益力の強化を実現するため、産学官連携による商品開発に取り組んでおります。これにより独自性の高い商品を市場に提供することが可能となり、他社との差別化を図り、将来的な収益力の高いビジネスモデルの構築を推進してまいります。②漁網の拡販戦略主力製品である漁網の拡販は、重要課題の一つであります。事業環境としては厳しい面も多い中、他社との差別化を図るべく、作業の平準化が困難な仕立部門の強化に取り組んでまいります。③人材の確保・育成少子高齢化や働き方の多様性により、優秀な人材の確保と育成はますます重要な課題となっております。社員の定着率の向上を図るため、人材育成の拡充や採用戦略の強化に取り組んでまいります。④販売価格の適正化原材料費や物流費、人件費等の高騰が続く中、お客様のご理解をいただきながら適正な価格転嫁を進めてまいります。同時に、業務の効率化をはじめとするコスト削減にも徹底して取り組み、適正な利益水準の確保に努めてまいります。⑤廃棄漁網のリサイクル資源のムダを省き、有効に活用する環境配慮型素材を使用した漁具類の開発や廃棄漁具の再製品化、端材の有効活用などに取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況a. 経営成績の概要当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要が堅調であることにより、緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、急速な物価上昇による個人消費の下振れや金利上昇に加え、中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の高騰やナフサの調達難が発生し更に為替相場の変動も継続するなど、先行き不透明な状況となっております。当社グループ主力ユーザーの水産業界におきましては、外食産業の活性化や輸出需要が堅調に推移したこと等から、多くの魚種で魚価の回復傾向が続いております。一方で、海洋環境や気象状況の変動の影響等により、一部の魚種では漁獲量が減少するなど不透明な状況も続いております。また、漁業者の多くは、人件費及び燃料代並びに資材コストの上昇が事業収益の圧迫要因となっており、魚価の高止まりにより投資意欲はあるものの、投資決定に対して慎重な姿勢になりつつあります。このような状況のもと、当社グループの売上高は、漁業関連事業では、アジア向けの輸出等で旋網部門が順調に推移したこと、水産部門の取扱高や漁業子会社の水揚高が好調であったこと等により前期と比べて増加しました。陸上関連事業でも、獣害防止ネットやアスレチックネット等の施工工事の受注が堅調であったこと等から前期に比べて売上高は増加しました。一方で、営業利益は、コスト上昇に対応した価格改定等を推進しましたが、生産の平準化を図れなかったことや原材料費や人件費等のコストの上昇により前期と比べて減少しました。営業外損益では、為替変動による為替差益や外国税還付金等を計上しました。また、金利の上昇に伴い、支払利息が前期と比べて増加しました。この結果、当連結会計年度の売上高は、22,104百万円(前期比2.3%増)、営業利益は554百万円(前期比18.5%減)、経常利益は963百万円(前期比16.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益680百万円(前期比27.2%増)となりました。セグメント別の経営成績は次のとおりであります。[漁業関連事業]アジア向けの輸出等で旋網部門が順調に推移したこと、水産部門の取扱高や漁業子会社の水揚高が好調であったこと等により、売上高は17,785百万円(前期比1.9%増)となりました。利益面は、主力の定置網部門が低迷したことや、生産の平準化を図れなかったこと及び人件費のコスト上昇により、セグメント利益は312百万円(前期比18.7%減)となりました。[陸上関連事業]獣害被害の増加に伴い、獣害防止ネットの受注が増加したこと及びアスレチックネット等の施工工事の受注が好調であったことにより、売上高は4,315百万円(前期比4.0%増)となりました。利益面は、人件費や材料費等の経費の上昇により、セグメント利益は242百万円(前期比18.4%減)となりました。[その他]売上高は2百万円(前期比19.3%減)、セグメント損失は0百万円(前期は0百万円の損失)となりました。 b. 財政状態の概要 [資産]流動資産は、前連結会計年度末と比べ1,040百万円増加し、18,332百万円となりました。これは、売掛金や棚卸資産が増加したこと等によるものです。固定資産は、前連結会計年度末と比べ805百万円増加し、13,608百万円となりました。これは、建設仮勘定及び投資有価証券が増加したこと等によるものです。 [負債]流動負債は、前連結会計年度末と比べ1,219百万円増加し、16,579百万円となりました。これは、短期借入金が増加したこと等によるものです。固定負債は、前連結会計年度末と比べ170百万円減少し、7,108百万円となりました。これは、長期借入金が減少したこと等によるものです。 [純資産]純資産は、前連結会計年度末と比べ796百万円増加し、8,252百万円となりました。これは、利益剰余金が増加したこと等によるものです。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度の現金及び現金同等物につきましては、営業活動により96百万円減少し、投資活動により1,238百万円減少し、財務活動により1,174百万円増加した結果、当連結会計年度末残高は1,031百万円となり、前連結会計年度と比べ100百万円の減少となりました。 (単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度前年度比増減額営業活動によるキャッシュ・フロー993△96△1,090投資活動によるキャッシュ・フロー△644△1,238△594財務活動によるキャッシュ・フロー△2651,1741,439現金及び現金同等物の期末残高1,1321,031△100 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益は963百万円となり、増加要因として、減価償却費1,090百万円等がありましたが、減少要因として、売上債権の増加448百万円及び仕入債務の減少512百万円等により△96百万円となりました。 この結果、営業キャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ1,090百万円の減少となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出1,246百万円等により△1,238百万円となりました。 この結果、投資キャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ594百万円の支出の増加となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、長短借入金の借入・返済による純増額1,260百万円、配当金の支払額128百万円等により1,174万円となりました。 この結果、財務キャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ1,439百万円の増加となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称生産高(千円)前期比(%)漁業関連事業8,638,26597.8陸上関連事業2,017,721102.6 報告セグメント計10,655,98698.7その他5,198378.0合計10,661,18598.7 (注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。2 金額は、販売価格によっております。 b. 受注実績当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(千円)前期比(%)受注残高(千円)前期比(%)漁業関連事業17,515,393100.41,090,64580.1陸上関連事業4,262,973101.3497,08090.4 報告セグメント計21,778,366100.61,587,72583.1その他4,598180.03,341275.9合計21,782,965100.61,591,06783.2 (注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。2 金額は、販売価格によっております。 c. 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(千円)前期比(%)漁業関連事業17,785,814101.9陸上関連事業4,315,806104.0 報告セグメント計22,101,620102.3その他2,46880.7合計22,104,089102.3 (注) セグメント間取引については相殺消去しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(経営成績)当連結会計年度の経営成績は、売上高については、22,104百万円(前期比2.3%増)となりました。これは、漁業関連事業では、多くの魚種で魚価の回復傾向が続いており、外食産業や輸出向けの海産物の需要も堅調に推移したことによるものです。また、アジア向けの輸出などで旋網部門が順調に推移したことや漁業子会社の水揚げ高も好調であったことにより売上高が増加しました。陸上関連事業でも、獣害防止ネット・アスレチックネット等の施工工事の受注が堅調であったことから、前期と比べ売上高は増加しました。売上総利益は、原油価格の高騰やナフサの調達難が発生し更に為替相場の変動による原材料費の上昇等で4,062百万円(前期比2.5%減)となりました。営業利益は、コスト上昇に対応した価格改定等を推進しましたが、生産の平準化を図れず、原材料費や人件費等のコストの上昇もあり554百万円(前期比18.5%減)となりました。経常利益は、営業外損益として為替変動による為替差益や奨励金収入等を計上し963百万円(前期比16.2%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、680百万円(前期比27.2%増)となりました。当社グループは、独自性のある付加価値の高い製品の開発や販売を行い、他社との差別化を図り、収益力の高いビジネスモデルの構築を推進してまいります。また、他社との競合に対応し、シェアを拡大するため、お客様のニーズに合った提案、適正な在庫を確保し、製商品の短納期化を図っております。(財政状態) 当連結会計年度末の財政状態は、総資産については、前連結会計年度末と比べ1,845百万円の増加となり31,941百万円となりました。これは、売掛金や棚卸資産が増加したこと等によるものです。在庫については前期より増加しておりますが、当社グループは適正在庫を揃え、競争力強化を目指しており、引き続き適正在庫水準の維持を目指します。 負債は、前連結会計年度末と比べ1,048百万円の増加となり23,688百万円となりました。これは主に短期借入金が増加したこと等によるものです。(キャッシュ・フロー)当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、96百万円の支出(前連結会計年度は993百万円の収入)となりました。税金等調整前当期純利益は963百万円となり、増加要因として、減価償却費1,090百万円等があり、減少要因として、売上債権の増加448百万円及び仕入債務の減少512百万円等によるものです。当社グループは継続的に安定した営業キャッシュ・フローを確保できるよう、売上債権の管理に努めてまいります。(資本の財源及び資金の流動性)当社グループの運転資金及び設備資金につきましては、自己資金及び銀行等の金融機関からの借入により充当しております。借入金による資金調達は、運転資金は短期借入金、設備投資等は長期借入金、割賦契約に基づく長期未払金及びリース契約により調達しております。なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は17,850百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,031百万円となっております。 ② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者により、会計基準の範囲内で行われている部分があります。これらの見積りにつきましては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果とは異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。なお、漁獲量、物価、資源価格及び為替相場等の影響は不確定要素が多く、将来の影響を客観的に見積ることが困難ではありますが、期末時点で入手可能な情報をもとに会計上の見積りを行っております。

事業リスク

  • 漁業者の経営動向
    主力事業である漁網の製造販売や漁業関連商品の販売は、漁業者の経営状況に大きく左右されます。異常気象による漁獲量減少、輸入魚増加による魚価下落、原油高による事業費増加、漁獲制限などが漁業者の経営を悪化させると、製品購入の手控えや売上債権の回収長期化が生じ、業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 原材料価格の変動
    漁網製品の主原材料は石油精製品に依存しており、原油価格が高騰すると原材料の調達価格が上昇します。これにより製造コストが増加し、製品価格への転嫁が難しい場合には、利益率が圧迫され、当社グループの業績と財務内容に悪影響を与える可能性があります。
  • 金利・為替変動リスク
    有利子負債が総資産に占める割合が高水準であるため、市場金利が上昇すると金融コストが増加し、業績を圧迫する可能性があります。また、海外売上高の割合が増加傾向にあるため、急激な円高が進行した場合、海外での収益が円換算で目減りし、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|982 文字
3 【事業等のリスク】本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす事項は、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。① 当社グループの主要な事業である「漁網の製造販売」・「漁業関連商品の販売」は、漁業者の経営動向に左右されます。この漁業者の経営リスクは、下記のリスク等があります。・異常気象、海洋環境の変化による漁獲量の減少・輸入魚、海洋輸入加工品の増加及び個人消費嗜好の変化、消費の後退等に伴う魚価の下落・漁業者の原油高等に伴う事業費用の増加・海洋国際管理機関、国内の漁業団体等による漁獲量の制限・漁獲禁止 現況は売上債権の回収懸念リスクに対応し、貸倒引当金を計上しておりますが、これらのリスク要因により漁業者の経営が更に悪化した場合、当社グループの製品の購入手控えや売上債権の回収長期化につながるリスクを含んでおり、業績と財務内容に悪影響を与える可能性があります。② 原材料の調達に関するリスク 当社グループ漁網製品は主原材料である原糸の大半を石油精製品に依存しており、原油価格が高騰すれば、原材料の調達価格の上昇につながり、当社グループの業績と財務内容に悪影響を与える可能性があります。③ 調達金利の上昇リスク 当社グループの有利子負債は、総資産に占める割合が依然として高水準となっていることから、今後、市場金利が上昇した場合には、金融コストが増加します。④ 為替変動リスク 当社グループの海外売上高は、当社の経営戦略により少しずつではありますが、その割合は増加しており、急激な円高が進行した場合等の為替の変動により、業績に悪影響を与える可能性があります。⑤ 情報セキュリティに関するリスク 当社グループは、事業活動を行う上で多くの機密情報や個人情報を保有しており、情報セキュリティ管理規程を定め、年々変化するサイバー犯罪の手法に対して情報システムの対策を検討してまいりました。しかし、当社の想定を超えた技術による不正アクセスやコンピューターウイルス、その他予測不可能な事象などにより、顧客情報や技術情報の漏えい、業務システムの停止等が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

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