事業の概要
- クラウドソリューション事業不動産業界向けのシステムやアプリケーションを開発し、インターネットを通じて提供するSaaS(Software as a Service)事業が主力です。顧客は月額利用料(サブスクリプション)を支払うことで、システムの導入・維持コストを抑え、常に最新の機能を利用できます。これにより、不動産業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援し、安定的な収益を得ています。
- ソリューションサービスSaaSの初期設定費用や導入・運用支援(BPaaS)、システム受託開発、他社サービスの販売代理などが含まれます。特にBPaaSは、SaaSの導入効果を最大化するためのコンサルティングやデータ移行支援などを行い、顧客の業務最適化をサポートします。これらのサービスは、主力SaaSを補完し、幅広い顧客ニーズに応えることで収益に貢献しています。
- BPaaS(Business Process as a Service)SaaSの導入から運用までを一貫して支援する高付加価値サービスです。SaaSに精通したコンサルタントが、データ移行支援やRPA・ローコードツールの活用支援などを行い、顧客のビジネス価値向上をサポートします。SaaSの利用を前提としているため、効率的で標準化されたサービス提供が可能であり、SaaSのユーザー数増加に伴い、収益の第二の柱として成長が期待されています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- クラウドソリューション事業不動産業界向けのシステム・アプリケーションをSaaS形式で提供する事業です。月額利用料(サブスクリプション)が主な収益源であり、当社の主力サービスとして、不動産市場のデジタルトランスフォーメーションを支援しています。不動産業務の効率化やコスト削減に貢献し、安定的な収益基盤を形成しています。
- サブスクリプションサービス不動産市場に特化した業務支援システム・アプリケーションをインターネット経由で提供するサービスです。ソフトウェアをパッケージで販売するのではなく、クラウド上で提供することで、顧客は常に最新の機能を利用でき、導入・維持管理コストを削減できます。これが当社グループの主要な稼ぎ頭となっています。
- ソリューションサービスSaaSの初期設定料金、導入・運用支援(BPaaS)、システム受託開発、他社サービスの販売代理などが含まれます。これらのサービスは、主力SaaSのラインアップを補完し、より幅広い顧客ニーズに対応することで収益に貢献しています。特にBPaaSは、SaaSの導入効果を最大化する付加価値サービスとして、今後の成長が期待されています。
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3【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の子会社)は、「テクノロジーと心で、たくさんのいい生活を」というミッションの実現に向け、「心地いいくらしが循環する、社会のしくみをつくる」というビジョンを掲げております。 不動産市場における様々な課題を解決するSaaS(継続課金モデルのクラウドサービス)を核とし、最新のAI技術やデジタル活用を通じた業務プロセスの変革により、不動産市場のデジタルトランスフォーメーション(DX)を強力に支援する事業を展開しております。 (1)クラウドソリューション事業の構成区分① サブスクリプション 不動産市場向けの業務支援システム・アプリケーションをSaaS形式で提供する、当社グループの主力サービスです。インターネットを通じてアプリケーションを提供するクラウド型(SaaS)の形式をとっており、主要な顧客である不動産企業からは主に月額利用料(サブスクリプション)として対価を得るビジネスモデルです。 当該モデルの導入により、顧客企業には以下のようなメリットがあります。 ・コスト削減と効率化自社でのハードウェア設備等の保有が不要となり、初期投資およびシステムの導入・維持・管理等に係るコストを低減できます。 ・リスク低減と法令対応法令改正等への迅速なアップデート対応によりコンプライアンスリスクを軽減できるほか、最新のセキュリティ対策により情報漏洩やサイバー攻撃のリスクを抑制します。 ・柔軟な働き方の実現インターネット環境があれば場所を選ばずに業務を行えるため、リモートワーク等の多様な働き方にも適しています。 サブスクリプションにおける主なラインアップは下図のとおりです。なお、「いい生活Square」において発生するトランザクション(取引量・利用頻度等に応じた従量課金)に係る売上高、およびBPaaS(Business Process as a Service:当社SaaSの導入後に、継続的な運用支援契約に基づいて発生する業務)に係る売上高については、サブスクリプション売上高に含めて記載しています。 ② ソリューション 「ソリューション」の区分には、主に次のようなサービスが含まれます。 ・当社SaaSの初期設定 ・当社SaaSの導入・運用支援(BPaaS:Business Process as a Service) ・システム・アプリケーションの受託開発 ・他社サービスの販売代理・取次 これらは、当社グループの収益の柱であるサブスクリプションを補完・強化し、顧客の多様なニーズに応えるためのサービス群です。特に、連結子会社である株式会社リアルテック・コンサルティングを中心に展開する「BPaaS」は、当社の新たな成長を牽引する中核サービスとして位置づけています 各サービスの詳細は以下のとおりです。 ・当社SaaSの初期設定当社SaaSを新規に導入した顧客に対し、利用環境の設定を行い、利用開始初月に課金されるスポットのサービスです。 ・当社SaaSの導入・運用支援(BPaaS)当社SaaSに精通したコンサルタントが、既存システムからのデータ移行や、RPA・ローコードツールの活用による業務全般の最適化(BPR)などを伴走型で支援する高付加価値なサービスです。 データ移行の際には、レガシーデータを価値ある形式に変換・最適化する「データモダナイゼーション支援」を合わせて行うことで、顧客のデータ活用を高度化し、ビジネス価値の最大化に寄与しています。 なお、SaaS導入後の継続的な運用支援契約(BPO等)に基づいて発生する月次の売上高につきましては、前述の「①サブスクリプション」に含めて記載しています。 ・システム・アプリケーションの受託開発一般的な受託開発とは異なり、当社クラウド上での提供を前提としています。顧客の他システムとの連携機能など、当社SaaSをより効果的にご活用いただくための付加機能として開発・提供するものです。 ・他社サービスの販売代理・取次電子契約ソリューションなど、当社の不動産市場特化型SaaSと併用することで相乗効果の高い、他社BtoBクラウド・SaaSの販売・紹介手数料収入です。提携先サービスとの組み合わせ提案により継続的な商談機会が発生しており、安定的な収益源となっています。 主力である当社SaaSの機能開発やラインアップ拡充を進める一方で、これらソリューション区分に属する各サービスに対しても市場の旺盛な需要が続いています。今後もコアとなるSaaSユーザー数の拡大に合わせ、当社の収益に安定的に寄与していくと考えています。 (2)サービスの主な特徴 当社グループのクラウドソリューション事業は、以下の4つのコア戦略を軸に、不動産業界のDXを牽引する独自のポジショニングを確立しています。 ①不動産市場に特化した「バーティカルSaaS」の提供 当社グループは、国内最大級の産業でありながらデジタル化の余地が大きい不動産市場をターゲットとし、業界特有の業務知識やデータ特性を反映した参入障壁の高い「バーティカルSaaS」を提供しています。開発からセールスまで全スタッフが不動産実務に精通しており、顧客企業と密接かつ継続的な関係を構築することで、高い受注率と業界トップクラスの継続率を維持しています。 不動産会社は全国に分散し、中小規模の企業が圧倒的多数を占めるため、多額の初期投資を必要としないクラウドモデルと非常に相性が良い市場特性を持っています。また、近年の頻繁な法改正(電子契約の解禁等)や情報セキュリティ対策への需要の高まりも、常に最新のシステムへ進化し続ける当社のSaaSモデルへのニーズを後押ししています。 ②クラウド・SaaSへの特化(オンプレミスからの脱却) 当社グループは、受託開発や自社保有型(オンプレミス)のシステム提供は行わず、全てのサービスを安定性・堅牢性・可用性に優れたクラウド(SaaS)形式のみで提供しています。 これにより、顧客企業は高コストなハードウェア資産を自社で保有することなく、短期間かつ低コストで最新のシステムを利用でき、面倒なメンテナンスからも解放されます。大切なデータをクラウド上で保管することは、BCP(事業継続計画)や巧妙化するサイバー攻撃への対策としても最適です。 当社グループにとっても、経営資源をクラウド基盤へ集中投下できるため開発効率が極めて高く、同時に、継続的かつ安定的なシステム利用料収入(リカーリングレベニュー)を基盤とした強固な財務構造を実現しています。 ③不動産業務を網羅する「マルチプロダクト戦略」と立体的な成長モデル 当社グループのSaaSは、不動産取引や不動 産管理におけるあらゆる場面において、シームレスに利用されるサービスとなることを目指す「マルチプロダクト戦略」を展開しています。 この戦略により、不動産事業者が抱える多様なニーズはもちろん、業務の深部に至るより高度なニーズに対しても、最適なプロダクトを組み合わせて包括的に応えることが可能となっています。賃貸管理(PM)、仲介営業(CRM)、業者間流通、電子申込、入居者・オーナーとのコミュニケーションなど、多岐にわたる業務領域のデータを「一元管理」できる唯一の統合型プラットフォームとして、不動産ビジネス全体の最適化を実現しています。 このマルチプロダクト展開を基盤として、当社グループは以下の「立体的な成長モデル」および「最新テクノロジーの高度化」を推進しています。 ・平面から立体へ:トランザクション売上の積層従来のSaaSビジネスにおける「顧客数 × アカウント単価」で形成される強固な収益基盤(平面)の上に、業者間流通プラットフォーム「いい生活Square」等で発生する「トランザクション(取引量・利用頻度に応じた従量課金)売上」を縦軸として積み上げることで、売上の立体的な拡大(3次元の成長モデル)を図っています。 ・各プロダクトへの「AI実装」による付加価値の向上今期は重要なテーマとして、蓄積された豊富な不動産データと相性の良い最新の「生成AI・AI技術」の各プロダクトへの実装を急速に進めています。顧客は当社プロダクトを利用するだけで、業務の中で自然かつ高度にAIの恩恵(データ入力の自動化、契約書作成アシスト、最適な物件提案など)を享受できるようになりつつあり、これがさらなる顧客満足度の向上と単価アップに寄与しています。 ④労働力不足を解決する「BPaaS」とデータモダナイゼーションの提供 不動産業界において今後さらに深刻化が予想される人手不足や採用難に対し、当社グループは単なるシステム(SaaS)の提供に留まらず、業務そのものを代替・支援する「BPaaS(Business Process as a Service)」を提供することで、顧客の根本的な課題解決にアプローチしています。 連結子会社である株式会社リアルテック・コンサルティングを中心に、当社SaaSに精通したプロフェッショナルが、システム導入時におけるレガシーデータの移行や価値ある形式への変換(データモダナイゼーション支援)から、導入後の実務運用までを伴走型で支援します。 これにより、顧客企業は属人化していた業務や煩雑なバックオフィス業務から解放され、限られた人的リソースをコア業務(管理物件の拡大やオーナー・入居者への付加価値向上など)に集中させることができます。当社のBPaaSは、業界の「労働力不足」をテクノロジーと専門オペレーションの融合によって解決する、社会的意義の高いソリューションとして、市場から旺盛な需要を獲得しています。 当社グループは、業務支援SaaSを媒介として、住まいとくらしにまつわるあらゆるデータが行き交う「プラットフォーム」となり、さらに豊富なデータに基づき、多彩な取引が活発に展開される「マーケットプレイス」となることを目指してまいります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 SaaSの導入・維持・管理コスト削減や常時進化するシステム提供で顧客メリット大。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 不動産業界の業務ノウハウに精通した技術者・営業担当者を集める時間的・資金的障壁。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 軽い(資本不要) |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:インターネット普及と通信インフラ環境の停滞 / クラウド事業の競争激化と新技術対応の遅れ / 不動産業界の動向と法的規制の変化
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 2 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
提供された財務サマリからは、ブランド力、特許、規制ライセンス、独占的IPに関する具体的な情報は得られませんでした。情報・通信業という業種特性上、無形資産が競争優位の源泉となる可能性はありますが、現状ではその有無や強さを判断できる材料が不足しています。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
「いい生活」が提供する不動産テックサービスは、導入に一定のシステム連携や従業員トレーニングが必要となるため、顧客が他社サービスへ乗り換える際には一定の手間やコストが発生する可能性があります。しかし、乗り換えによる損失の大きさを具体的に示すデータはありません。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
提供された情報からは、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果が存在する兆候は見られませんでした。不動産テックサービスは個々の顧客との取引が中心であり、プラットフォーム型サービスのようなネットワーク効果は期待しにくいと考えられます。
コスト優位☆☆☆☆☆
提供された情報からは、同社が競合他社と比較して構造的に低コストでサービスを提供できるような優位性を持っているという証拠は得られませんでした。情報・通信業におけるコスト競争力は、開発力や運用効率に依存しますが、その具体的な状況は不明です。
規模の経済★☆☆☆☆
不動産テック市場は成長していますが、多数のプレイヤーが存在し、寡占化が進んでいるとは言えません。同社が業界規模に対して最適な少数寡占を形成しているという証拠はなく、規模の経済による優位性は限定的と考えられます。
- 不動産市場特化型SaaS不動産市場に特化したシステムを提供することで、業界特有の業務知識やノウハウを蓄積しています。これにより、参入障壁の高い「バーティカルSaaS」として、顧客との密接な関係を構築し、高い受注率と継続率を維持しています。経営資源を集中投下することで、市場での知名度と競争力を高めています。
- 不動産業界との親和性不動産業界は市場規模が大きく、中小企業が多く存在するため、多額の初期投資が不要なSaaSモデルが最適です。また、全国に分散する不動産会社や類似した業務フロー、物件情報データベースの必要性、法改正への対応ニーズなど、SaaSモデルと非常に相性が良い特性を持っています。
- 安定性と堅牢なシステム基盤企業ユーザー向けの保証・サポートがあるハードウェア・ソフトウェア製品を採用し、安定性、堅牢性、可用性の高いシステム基盤上でサービスを提供しています。これにより、顧客は自社で高コストなシステム基盤を構築することなく、高品質なサービスを享受でき、情報漏洩やサイバー攻撃への対策も強化されています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりです。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営方針①ミッションとビジョン 当社グループは、次のミッションとビジョンを掲げ、すべての人の生活に直結する不動産市場の進化に貢献しています。ミッション: 「テクノロジーと心で、たくさんのいい生活を」ビジョン: 「心地いいくらしが循環する、社会のしくみをつくる」 この実現に向け、最新の情報技術を組み込んだシステム・アプリケーションを不動産市場向けに開発し、テクノロジーの力で新たな付加価値を創出することを目指しています。多くの不動産会社が業務効率化を進めながら不動産物件情報の質的・量的向上を図れる仕組みを提供することで、市場全体の効率性向上に貢献します。また、不動産取引のプロセス全体をデジタル化(DX)し、不動産会社と一般消費者の双方にとって利便性の高い取引を実現することで、社会に新しい価値を提供してまいります。②経営基本方針 当社グループは、不動産市場に特化したシステムをクラウド(SaaS)として開発・提供し、同市場におけるリーディングカンパニーとして確固たる主導的地位を築くことを基本方針としています。 不動産会社のビジネスの基幹である物件情報および顧客情報の「一元管理」を支援し、高度情報化する市場に適応して持続的な成長を遂げるためのインフラを提供します。また、事業そのものを通じて社会課題の解決に貢献するため、SDGsの精神に則り「変化をもたらす高度IT人材の創出」「不動産業の発展を支えるIT技術基盤の創出」「スモールビジネスの支援と地域経済への貢献」などのマテリアリティ(重要課題)を特定しており、これらの活動を通じて長期的に持続可能な成長を目指してまいります。 (2)経営戦略等 当社グループは創業以来、不動産市場に特化した自社開発・直販体制を強みとして、業界共通の業務効率化およびIT化ニーズを捉え、独自のノウハウを蓄積してきました。今後は、これまでの強固なリカーリング収益(月額固定のサブスクリプション)をベースに、以下の戦略を推進することでさらなる成長を加速させてまいります。 ・マルチプロダクト戦略による深いニーズへの対応不動産取引・管理のあらゆる場面に対応する網羅的なプロダクト群を武器に、顧客の多様かつ深層的なニーズに包括的に応え、既存顧客へのアップセルおよびクロスセルを推進します。 ・立体的な成長モデルへの転換(平面から立体へ)従来の「顧客数 × アカウント単価」で形成される安定した収益基盤(平面)の上に、業者間流通プラットフォーム「いい生活Square」等を通じた「トランザクション(従量課金)売上」を縦軸として積層し、収益の立体的な拡大(3次元の成長モデル)を図ります。 ・最先端AIの実装による付加価値向上各プロダクトへの生成AIをはじめとする最新AI技術の実装を急速に進めています。顧客が意識することなくAIの恩恵(実務の自動化・省力化)を享受できる環境を構築し、さらなる顧客単価の向上と他社との圧倒的な差別化を実現します。 ・労働力不足に対応するBPaaSの拡大子会社の株式会社リアルテック・コンサルティングを通じ、データモダナイゼーションから日々の運用までを行う伴走型支援(BPaaS)を強化します。深刻化する業界の人手不足に直接アプローチすることで、顧客のLTV(顧客生涯価値)の最大化と、解約率の最小化を徹底してまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは成長途上の段階にあり、事業規模および利益創出基盤の拡大を指向しています。そのため、売上高および利益水準を重視し、増収増益基調を維持しながら将来の更なる成長のための基盤づくりを推進してまいります。 当社グループのコア事業であるSaaSおよび売上区分の成長を牽引する中長期的なKPIとして、以下の目標数値を掲げています。 ・顧客数:5,000社 ・顧客単価(月額):100,000円以上 (4)経営環境 国内最大級の規模を誇る不動産市場は、中小規模の事業者が全国に分散しているという特性があり、多額の初期投資を必要とせず常に最新のシステムへ自動アップデートされるSaaSモデルが最も高い価値を発揮できる市場です。 現在、同市場において不動産会社は以下のようなドラスティックな経営環境の変化、および経営課題に直面しています。 ・法改正にともなうデジタル化の急務電子契約の解禁やIT重要事項説明など、不動産取引の完全デジタル化への対応 ・データ活用による業務効率化:物件・契約・顧客情報の一元管理を通じた、組織的な営業力の強化とデータ利活用 ・深刻化する労働力不足:生産年齢人口の減少にともなう、限られた人的リソースの最適配置とバックオフィス業務の省力化 ・セキュリティ・BCPへの意識向上:巧妙化するサイバー攻撃への備え、および大切なデータを守るためのクラウド化 当社グループは、これらの市場ニーズに対し、コスト効率性の高いバーティカルSaaSと伴走型のBPaaSを組み合わせたシームレスなソリューションとして提供しています。今後も市場分析を的確に行い、不動産テクノロジー領域のリーディング企業として市場を開拓し、安定的な成長を続けてまいります。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループの課題としては、主に以下の4項目を認識しております。 ①成長の原動力としての人材採用・育成 当社グループの事業成長の核は「人的資本」にあります。顧客のDXを推進するには、プロダクトを開発する、紹介する、に留まらず、不動産実務とテクノロジーの双方を深く理解し、顧客の経営課題を解決できる「ハイブリッド型人材」の存在が不可欠です。今後の事業規模拡大に向け、セールス、コンサルタント、エンジニアといった各職種において、以下の取り組みを強化し、機動的な組織体制を構築してまいります。 ・専門知識とリテラシーの融合不動産業界特有の商習慣や法的知識に、最新のITリテラシーを掛け合わせた教育プログラムを実施します。これにより、技術をビジネス価値へ翻訳し、顧客に最適な提案ができる課題解決型人材を育成します。 ・戦略的採用と早期戦力化多様なバックグラウンドを持つ優秀な人材を継続的に獲得するとともに、社内の知見を体系化したナレッジ共有基盤を整備することで、入社後の早期戦力化を図ります。 ・成長を促す環境整備個々の専門性を最大限に発揮できる配置に加え、職種を超えたプロジェクトへの参画など、成長機会を積極的に提供することで、組織全体の変革力を高め、事業展開を加速させてまいります。 ②顧客数拡大、ARPU向上、及びLTVの最大化 当社グループは、中長期的な経営目標として「顧客数 5,000社」「ARPU(平均月額単価) 100,000円以上」の達成を掲げております。これらの指標を達成し、LTV(顧客生涯価値)を最大化させるため、以下の戦略に注力いたします。 ・エンタープライズ領域でのシェア拡大と信頼確保法改正への迅速な対応に加え、高度なセキュリティ要件を求める大手企業に対し、堅牢なSaaS基盤の導入・稼働支援を強化します。エンタープライズ顧客への浸透は、当社の社会的信用を高めるとともに、ARPUの直接的な向上に寄与します。 ・プラットフォームのハブ化による波及効果大手企業の導入を起点として、そのサプライチェーンを構成する中小規模の不動産会社へも利用の輪を広げ、不動産市場の情報流通を支える「インフラ」としての立ち位置を確立します。これにより、営業効率を最大化しながら顧客数の拡大を図ります。 ・カスタマーサクセスによるLTVの最大化導入後の利活用支援を徹底することで、解約率を低水準に維持し、安定的な継続収益を積み上げます。マルチプロダクト戦略に基づく追加提案(アップセル・クロスセル)を加速させ、顧客1社あたりの生涯価値を最大化してまいります。 ・プラットフォーム上のビジネス機会創出と収益の立体化当社のプラットフォーム上で、不動産取引に関するマッチング機会を顧客やサービスサプライヤーに提供します。SaaSの月額経常収益に加え、取引に応じた従量的な売上機会を追求することで、収益構造の多層化(立体化)を図ります。以上の施策を通じて、トップラインの成長と高い収益性を両立し、企業価値の持続的な向上を目指します。 ③プロダクト開発への取り組み 当社グループは、不動産領域に特化したバーティカルSaaSプロバイダーとして、賃貸管理・仲介、売買、物件情報管理など、あらゆる業務フェーズに最適化されたプロダクト群を提供する「マルチプロダクト戦略」を推進しております。これにより、顧客内でのシームレスな情報連携を実現し、業務全体の生産性向上に寄与いたします。今後の成長戦略として、以下の3点を重点的に取り組んでまいります。 ・継続的な新サービス開発とクロスセル市場ニーズを迅速に捉えた新機能やAI機能の搭載により、既存顧客へのクロスセルによるARPU(1顧客あたり平均売上)の向上と、新規顧客の獲得を両立し、持続的な売上成長を図ります。 ・データモダナイゼーションの推進単なるシステム移行に留まらず、最新のクラウドネイティブなアーキテクチャへの刷新を通じて、顧客のデータ活用を高度化させます。現在ソリューションサービスとして提供している移行プロセスをシステム化・標準化することで、導入期間の短縮と早期の売上計上につなげます。 ・AIエージェントとの共生技術革新によりSaaSのあり方が問われる中、当社は、正確な「公式記録・データ」を管理する基幹システムこそが、AIが真価を発揮するための基盤になると認識しております。基幹システムの外縁でAIエージェントが稼働する環境を構築し、圧倒的な業務効率化を実現します。 ④サービス品質の向上と情報セキュリティ管理の徹底 当社グループは、不動産市場のDXを牽引するリーディングカンパニーとして、サービスの「可用性・継続性」及び「強固なセキュリティ」の確保を経営の最優先事項の一つと位置づけております。 ・ITサービス品質の継続的改善ITサービスマネジメントシステム(ITSMS)の国際規格である「ISO/IEC 20000-1」に基づき、厳格な管理体制を運用しております。今後も「ITサービス基本方針」に則り、第三者視点による客観的な評価・改善を継続することで、エンタープライズ顧客の要求水準を上回る高品質なサービスを提供いたします。 ・クラウドセキュリティとリスク管理の強化クラウドサービスに特化した情報セキュリティ規格「ISO/IEC 27017」を維持し、クラウド固有のリスクに対する防御力を高めております。膨大な不動産データを扱うプラットフォームとして、安全かつ適切な運用体制を磨き上げ、顧客が安心してデータを預けられる環境を構築します。 ・情報保護体制の高度化と教育の徹底「ISO/IEC 27001(ISMS)」に準拠した情報保護体制のもと、個人情報及び機密情報の厳格な管理を推進しております。システム監査や内部監査の強化に加え、全従業員への定期的な情報セキュリティ教育を実施することで、組織全体のコンプライアンス意識を醸成し、情報漏洩リスクを最小化します。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりです。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営方針①ミッションとビジョン 当社グループは、次のミッションとビジョンを掲げ、すべての人の生活に直結する不動産市場の進化に貢献しています。ミッション: 「テクノロジーと心で、たくさんのいい生活を」ビジョン: 「心地いいくらしが循環する、社会のしくみをつくる」 この実現に向け、最新の情報技術を組み込んだシステム・アプリケーションを不動産市場向けに開発し、テクノロジーの力で新たな付加価値を創出することを目指しています。多くの不動産会社が業務効率化を進めながら不動産物件情報の質的・量的向上を図れる仕組みを提供することで、市場全体の効率性向上に貢献します。また、不動産取引のプロセス全体をデジタル化(DX)し、不動産会社と一般消費者の双方にとって利便性の高い取引を実現することで、社会に新しい価値を提供してまいります。②経営基本方針 当社グループは、不動産市場に特化したシステムをクラウド(SaaS)として開発・提供し、同市場におけるリーディングカンパニーとして確固たる主導的地位を築くことを基本方針としています。 不動産会社のビジネスの基幹である物件情報および顧客情報の「一元管理」を支援し、高度情報化する市場に適応して持続的な成長を遂げるためのインフラを提供します。また、事業そのものを通じて社会課題の解決に貢献するため、SDGsの精神に則り「変化をもたらす高度IT人材の創出」「不動産業の発展を支えるIT技術基盤の創出」「スモールビジネスの支援と地域経済への貢献」などのマテリアリティ(重要課題)を特定しており、これらの活動を通じて長期的に持続可能な成長を目指してまいります。 (2)経営戦略等 当社グループは創業以来、不動産市場に特化した自社開発・直販体制を強みとして、業界共通の業務効率化およびIT化ニーズを捉え、独自のノウハウを蓄積してきました。今後は、これまでの強固なリカーリング収益(月額固定のサブスクリプション)をベースに、以下の戦略を推進することでさらなる成長を加速させてまいります。 ・マルチプロダクト戦略による深いニーズへの対応不動産取引・管理のあらゆる場面に対応する網羅的なプロダクト群を武器に、顧客の多様かつ深層的なニーズに包括的に応え、既存顧客へのアップセルおよびクロスセルを推進します。 ・立体的な成長モデルへの転換(平面から立体へ)従来の「顧客数 × アカウント単価」で形成される安定した収益基盤(平面)の上に、業者間流通プラットフォーム「いい生活Square」等を通じた「トランザクション(従量課金)売上」を縦軸として積層し、収益の立体的な拡大(3次元の成長モデル)を図ります。 ・最先端AIの実装による付加価値向上各プロダクトへの生成AIをはじめとする最新AI技術の実装を急速に進めています。顧客が意識することなくAIの恩恵(実務の自動化・省力化)を享受できる環境を構築し、さらなる顧客単価の向上と他社との圧倒的な差別化を実現します。 ・労働力不足に対応するBPaaSの拡大子会社の株式会社リアルテック・コンサルティングを通じ、データモダナイゼーションから日々の運用までを行う伴走型支援(BPaaS)を強化します。深刻化する業界の人手不足に直接アプローチすることで、顧客のLTV(顧客生涯価値)の最大化と、解約率の最小化を徹底してまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは成長途上の段階にあり、事業規模および利益創出基盤の拡大を指向しています。そのため、売上高および利益水準を重視し、増収増益基調を維持しながら将来の更なる成長のための基盤づくりを推進してまいります。 当社グループのコア事業であるSaaSおよび売上区分の成長を牽引する中長期的なKPIとして、以下の目標数値を掲げています。 ・顧客数:5,000社 ・顧客単価(月額):100,000円以上 (4)経営環境 国内最大級の規模を誇る不動産市場は、中小規模の事業者が全国に分散しているという特性があり、多額の初期投資を必要とせず常に最新のシステムへ自動アップデートされるSaaSモデルが最も高い価値を発揮できる市場です。 現在、同市場において不動産会社は以下のようなドラスティックな経営環境の変化、および経営課題に直面しています。 ・法改正にともなうデジタル化の急務電子契約の解禁やIT重要事項説明など、不動産取引の完全デジタル化への対応 ・データ活用による業務効率化:物件・契約・顧客情報の一元管理を通じた、組織的な営業力の強化とデータ利活用 ・深刻化する労働力不足:生産年齢人口の減少にともなう、限られた人的リソースの最適配置とバックオフィス業務の省力化 ・セキュリティ・BCPへの意識向上:巧妙化するサイバー攻撃への備え、および大切なデータを守るためのクラウド化 当社グループは、これらの市場ニーズに対し、コスト効率性の高いバーティカルSaaSと伴走型のBPaaSを組み合わせたシームレスなソリューションとして提供しています。今後も市場分析を的確に行い、不動産テクノロジー領域のリーディング企業として市場を開拓し、安定的な成長を続けてまいります。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループの課題としては、主に以下の4項目を認識しております。 ①成長の原動力としての人材採用・育成 当社グループの事業成長の核は「人的資本」にあります。顧客のDXを推進するには、プロダクトを開発する、紹介する、に留まらず、不動産実務とテクノロジーの双方を深く理解し、顧客の経営課題を解決できる「ハイブリッド型人材」の存在が不可欠です。今後の事業規模拡大に向け、セールス、コンサルタント、エンジニアといった各職種において、以下の取り組みを強化し、機動的な組織体制を構築してまいります。 ・専門知識とリテラシーの融合不動産業界特有の商習慣や法的知識に、最新のITリテラシーを掛け合わせた教育プログラムを実施します。これにより、技術をビジネス価値へ翻訳し、顧客に最適な提案ができる課題解決型人材を育成します。 ・戦略的採用と早期戦力化多様なバックグラウンドを持つ優秀な人材を継続的に獲得するとともに、社内の知見を体系化したナレッジ共有基盤を整備することで、入社後の早期戦力化を図ります。 ・成長を促す環境整備個々の専門性を最大限に発揮できる配置に加え、職種を超えたプロジェクトへの参画など、成長機会を積極的に提供することで、組織全体の変革力を高め、事業展開を加速させてまいります。 ②顧客数拡大、ARPU向上、及びLTVの最大化 当社グループは、中長期的な経営目標として「顧客数 5,000社」「ARPU(平均月額単価) 100,000円以上」の達成を掲げております。これらの指標を達成し、LTV(顧客生涯価値)を最大化させるため、以下の戦略に注力いたします。 ・エンタープライズ領域でのシェア拡大と信頼確保法改正への迅速な対応に加え、高度なセキュリティ要件を求める大手企業に対し、堅牢なSaaS基盤の導入・稼働支援を強化します。エンタープライズ顧客への浸透は、当社の社会的信用を高めるとともに、ARPUの直接的な向上に寄与します。 ・プラットフォームのハブ化による波及効果大手企業の導入を起点として、そのサプライチェーンを構成する中小規模の不動産会社へも利用の輪を広げ、不動産市場の情報流通を支える「インフラ」としての立ち位置を確立します。これにより、営業効率を最大化しながら顧客数の拡大を図ります。 ・カスタマーサクセスによるLTVの最大化導入後の利活用支援を徹底することで、解約率を低水準に維持し、安定的な継続収益を積み上げます。マルチプロダクト戦略に基づく追加提案(アップセル・クロスセル)を加速させ、顧客1社あたりの生涯価値を最大化してまいります。 ・プラットフォーム上のビジネス機会創出と収益の立体化当社のプラットフォーム上で、不動産取引に関するマッチング機会を顧客やサービスサプライヤーに提供します。SaaSの月額経常収益に加え、取引に応じた従量的な売上機会を追求することで、収益構造の多層化(立体化)を図ります。以上の施策を通じて、トップラインの成長と高い収益性を両立し、企業価値の持続的な向上を目指します。 ③プロダクト開発への取り組み 当社グループは、不動産領域に特化したバーティカルSaaSプロバイダーとして、賃貸管理・仲介、売買、物件情報管理など、あらゆる業務フェーズに最適化されたプロダクト群を提供する「マルチプロダクト戦略」を推進しております。これにより、顧客内でのシームレスな情報連携を実現し、業務全体の生産性向上に寄与いたします。今後の成長戦略として、以下の3点を重点的に取り組んでまいります。 ・継続的な新サービス開発とクロスセル市場ニーズを迅速に捉えた新機能やAI機能の搭載により、既存顧客へのクロスセルによるARPU(1顧客あたり平均売上)の向上と、新規顧客の獲得を両立し、持続的な売上成長を図ります。 ・データモダナイゼーションの推進単なるシステム移行に留まらず、最新のクラウドネイティブなアーキテクチャへの刷新を通じて、顧客のデータ活用を高度化させます。現在ソリューションサービスとして提供している移行プロセスをシステム化・標準化することで、導入期間の短縮と早期の売上計上につなげます。 ・AIエージェントとの共生技術革新によりSaaSのあり方が問われる中、当社は、正確な「公式記録・データ」を管理する基幹システムこそが、AIが真価を発揮するための基盤になると認識しております。基幹システムの外縁でAIエージェントが稼働する環境を構築し、圧倒的な業務効率化を実現します。 ④サービス品質の向上と情報セキュリティ管理の徹底 当社グループは、不動産市場のDXを牽引するリーディングカンパニーとして、サービスの「可用性・継続性」及び「強固なセキュリティ」の確保を経営の最優先事項の一つと位置づけております。 ・ITサービス品質の継続的改善ITサービスマネジメントシステム(ITSMS)の国際規格である「ISO/IEC 20000-1」に基づき、厳格な管理体制を運用しております。今後も「ITサービス基本方針」に則り、第三者視点による客観的な評価・改善を継続することで、エンタープライズ顧客の要求水準を上回る高品質なサービスを提供いたします。 ・クラウドセキュリティとリスク管理の強化クラウドサービスに特化した情報セキュリティ規格「ISO/IEC 27017」を維持し、クラウド固有のリスクに対する防御力を高めております。膨大な不動産データを扱うプラットフォームとして、安全かつ適切な運用体制を磨き上げ、顧客が安心してデータを預けられる環境を構築します。 ・情報保護体制の高度化と教育の徹底「ISO/IEC 27001(ISMS)」に準拠した情報保護体制のもと、個人情報及び機密情報の厳格な管理を推進しております。システム監査や内部監査の強化に加え、全従業員への定期的な情報セキュリティ教育を実施することで、組織全体のコンプライアンス意識を醸成し、情報漏洩リスクを最小化します。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。(1)当連結会計年度における経営成績の状況及び経営者の視点による分析・検討内容連結業績概要前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)対前年同期(千円)(千円)差額(千円)増減率(%)売上高3,028,1873,232,180203,9926.7EBITDA(営業利益+減価償却費)500,944785,636284,69256.8営業利益又は営業損失(△)△37,275229,453266,729-経常利益又は経常損失(△)△42,141236,763278,905-親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)△39,536151,183190,719- 当社グループは、「テクノロジーと心で、たくさんのいい生活を」というミッションの実現に向け、「心地いいくらしが循環する、社会のしくみをつくる」というビジョンを掲げております。 不動産市場における様々な課題を解決するSaaS(継続課金モデルのクラウドサービス)を核とし、最新のAI技術やデジタル活用を通じた業務プロセスの変革により、不動産市場のデジタルトランスフォーメーション(DX)を強力に支援する事業を展開しております。 不動産業界においては、深刻化する人手不足や相次ぐ法改正への対応に加え、サイバー攻撃への備えが喫緊の課題となっています。こうした背景から、AIエージェントによる省力化や、柔軟な課題解決を可能とするSaaS導入への関心は極めて高く、基幹業務システムの刷新に向けたIT投資は引き続き活発に推移しております。 当連結会計年度において、売上高は3,232,180千円(前年同期比6.7%増)となりました。主力事業であるサブスクリプション売上は、2,746,612千円(前年同期比7.5%増)と堅調に推移し、成長を牽引いたしました。顧客数は1,589法人(前年同月1,549法人)と着実な増加を維持するとともに、平均月額単価は約157,900円(前年同月比3.1%増)へと上昇しました。これは、既存顧客への追加サービス提供(クロスセル・アップセル)が順調に進展していることに加え、導入初期から利用規模の大きい高単価な新規顧客の獲得が継続していることによるものです。特に、解約率は極めて低い水準を達成しており、既存顧客の維持のみならず、顧客基盤内での収益拡大が加速する成長モデルを実現しております。 ソリューション売上については、SaaS導入支援プロジェクトとしてのデータモダナイゼーション等が着実に進捗しており、485,567千円(前年同期比2.6%増)と着実な増収基調を維持しております。(※1)「当月のサブスクリプション売上高」を「当月のサブスクリプション顧客数」で除した数字で、100円未満を切り捨てております。 なお、売上高の内訳については下記のとおりであります。 品目詳細前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)対前年同期売上高(千円)構成割合(%)売上高(千円)構成割合(%)差額(千円)増減率(%)サブスクリプション(注)12,554,77884.42,746,61285.0191,8347.5ソリューション(注)2473,40915.6485,56715.012,1582.6 合計3,028,187100.03,232,180100.0203,9926.7(注)1. サブスクリプション:SaaSの月額利用料収入やSaaS導入後の運用支援契約に基づく経常的な収入など、解約の申し出がない限り毎月継続的に発生する収益であり、当社のMRR(Monthly Recurring Revenue、月間経常収益)であります。2. ソリューション :SaaSの初期設定、スポットのシステム導入・運用支援、システムの受託開発、他社サービスの代理店販売・紹介料など、その他のサービスに係る収益であります。 利益面においては、当連結会計年度を通じて、AIの活用や業務プロセスの刷新を通じた生産性向上に注力いたしました。 売上原価につきましては、前期のプロダクト投資に伴う減価償却費が増加したものの、開発体制の内製化推進や外部委託の見直しにより、外注費が大幅に減少いたしました。 また、開発プロセスにおいては、①機動的なチーム編成(スモールチーム化)、②継続的デリバリの強化、③全体最適を実現するプロダクトマネジメントの強化及び投資の最適化を柱としたエンジニアリング組織の抜本的強化に取り組みました。 さらに、ソリューション売上を構成するデータモダナイゼーション業務の標準化を進めたことで、労働集約的な工程においても、事業拡大に伴うマンパワーへの依存度を段階的に低減させ、より生産性を重視した運営体制への移行を推進しております。 こうしたテクノロジー活用と業務刷新による効率化の結果、人員構成の最適化が進み、人件費および求人関連費が低減いたしました。以上の結果、売上原価は1,347,108千円(前年同期比5.9%減)となりました。 販売費及び一般管理費につきましては、期初に入社した新卒社員の育成・戦力化を優先し、将来の成長に向けたマーケティング投資等を継続した結果、1,655,618千円(前年同期比1.3%増)となりました。 以上の結果、EBITDAは785,636千円(前年同期比56.8%増)、営業利益は229,453千円(前年同期は37,275千円の営業損失)となり、大幅な黒字転換を達成いたしました。 また、米ドル建てでの取引に係る為替リスクの低減手段として為替予約を行っており、当連結会計年度における円安の影響で当該為替予約に係る為替差益が営業外収益として発生いたしました。その結果、経常利益は236,763千円(前年同期は42,141千円の経常損失)となりました。 なお、当社グループの開示上の報告セグメントは「クラウドソリューション事業」の単一セグメントであるため、セグメントの業績については記載を省略しております。 (2) 経営成績に重要な影響を与える要因及び客観的な指標の達成、進捗状況について当社グループの経営成績は、様々な要因から影響を受けております。中でも経営成績に特に重要な影響を与える要因は、「顧客数」及び「平均月額単価」であります。「顧客数」及び「平均月額単価」が計画どおりに達成できない場合や新サービスの開始時期等が計画通りに進捗しなかった場合は、経営成績に悪影響を与える可能性があります。なお、上記に記載した事項以外に、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」及び「3.事業等のリスク」に記載している事項も、経営成績に影響を与えるものとして考えられると見ております。また、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載している中長期的な経営目標である指標としての「顧客数:5,000社」及び「顧客単価(月額):100,000円以上」の達成、進捗状況につきましては、前述の「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)当連結会計年度における経営成績の状況及び経営者の視点による分析・検討内容」をご参照ください。 (3) 資本の財源及び資金の流動性についての経営者の視点による分析・検討内容①財政状態の分析(ⅰ)資産当連結会計年度末における資産合計は、2,669,675千円となり、前連結会計年度末から320,104千円の増加となりました。流動資産の残高は860,130千円となり、前連結会計年度末から265,650千円の増加となりました。これは、主に現金及び預金の増加263,053千円等によるものであります。また、固定資産の残高は1,809,544千円となり、前連結会計年度末から54,453千円の増加となりました。これは主に、ソフトウエアの増加55,289千円等によるものであります。(ⅱ)負債当連結会計年度末における負債合計は680,336千円となり、前連結会計年度末から203,427千円の増加となりました。流動負債の残高は592,050千円となり、前連結会計年度末から117,921千円の増加となりました。主な増加要因は、短期借入金の増加68,640千円、未払法人税等の増加81,057千円等であります。主な減少要因は、前受金の減少59,974千円等であります。また、固定負債の残高は88,286千円となり、前連結会計年度末から85,506千円の増加となりました。主な増加要因は、手元資金の流動性維持のための長期借入金の増加85,600千円等であります。(ⅲ)純資産当連結会計年度末における純資産の残高は1,989,338千円となり、前連結会計年度末から116,676千円の増加となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加151,183千円、及び配当金実施に伴う利益剰余金の減少34,506千円等によるものであります。 ②キャッシュ・フローの分析当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末と比べて263,053千円増加し、608,602千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。(ⅰ)営業活動によるキャッシュ・フロー 営業活動によるキャッシュ・フローは、760,154千円の増加(前年同期316,334千円の増加)となりました。主な収入の要因は、減価償却費556,182千円、税金等調整前当期純利益236,835千円等であります。主な支出の要因は、前受金の減少額59,974千円、売上債権の増加額56,342千円等であります。(ⅱ)投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動によるキャッシュ・フローは、619,321千円の減少(前年同期676,506千円の減少)となりました。主な支出の要因は、SaaSの新規開発・機能拡充等に係る無形固定資産の取得による支出598,918千円、複数台のノートPC取得等に伴う有形固定資産の取得による支出18,986千円等であります。(ⅲ)財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動によるキャッシュ・フローは、120,082千円の増加(前年同期34,294千円の減少)となりました。収入の要因は、手元資金の流動性維持のための長期借入れによる収入200,000千円等であります。支出の要因は、長期借入金の返済による支出45,760千円、配当金の支払額34,157千円等であります。(ⅳ)資本の財源、資金の流動性等その他キャッシュ・フロー関連分析当社グループの事業活動における資金需要の主なものとしましては、拡販サービスを始めとするクラウドサービスの開発に必要な資金であり、当該開発投資額につきましては原則として営業活動によるキャッシュ・フローから調達することを基本としておりますが、当連結会計年度におきましては手元資金の流動性維持のための長期借入れを行っております。これが資本の財源であります。 その他、資金の流動性等キャッシュ・フローに関連する指標は、次のとおりです。 2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期自己資本比率(%)78.277.976.679.774.5時価ベースの自己資本比率(%)125.9149.3166.0143.0144.2キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)0.00.00.00.00.2インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)50,250.2167,084.93,306,566.0-525.3自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い(注)1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。(注)2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)をベースに計算しております。(注)3.キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを利用しております。(注)4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。 (4)生産、受注及び販売の実績① 生産実績 当社グループのクラウドソリューション事業における、システム・アプリケーションの受託開発、当社クラウド・SaaS導入/運用の支援等につきましては、請負契約の形態をとっており、「生産」という概念には適合しないため、記載しておりません。 ② 受注実績 当社グループのクラウドソリューション事業における、システム・アプリケーションの受託開発、当社クラウド・SaaS導入/運用の支援等につきましては、請負契約の形態をとっており、その受注実績は下記のとおりであります。品目受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)システム・アプリケーションの受託開発、当社クラウド・SaaS導入/運用の支援 等510,618158.8197,618277.9 ③ 販売実績 当連結会計年度のクラウドソリューション事業における販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。品目当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)サブスクリプション (千円)2,746,612107.5ソリューション (千円)485,567102.6合計3,232,180106.7(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。 (5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。特に、当社は、主力であるクラウド・SaaSの提供にあたり、サービス提供用のシステムを開発しており、収益獲得効果が確実なものについて資産計上しておりますが、マーケット状況の急激な変化等によりその効果が実現しない可能性があります。
事業リスク
- インターネット普及と通信環境クラウドソリューション事業はインターネットの利用が前提であり、インターネットの更なる普及と快適な通信環境が成長の基本条件です。インターネット利用者の減少や利用コストの高騰、通信インフラの向上が予測を下回る場合、事業や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- クラウド事業の競争激化クラウドサービス市場は競争が激化しており、新技術への対応遅れ、顧客ニーズの誤解、画期的な競合サービスの出現、またはクラウド自体の需要が予測を下回る場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。特に資金力のある大手企業の参入や全く新しい技術を活用したシステムの登場は、事業に大きな影響を与える可能性があります。
- 不動産業界の動向主要顧客が不動産業界に集中しているため、不動産業界全体の景気変動やシステム投資の状況、あるいは法規制の変化が、当社の財政状態や経営成績に直接的な影響を及ぼす可能性があります。特定の業界に特化しているがゆえに、その業界の外部環境の変化に左右されやすいリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 当社グループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を以下に記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。 なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、特段の記載がない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。 (1)事業環境について①インターネットの普及について 当社グループが展開しているクラウドソリューション事業は、主にインターネットを利用する不動産業界の顧客を対象としており、顧客基盤拡大のためには、不動産の物件情報検索等においてインターネットを利用する消費者が増える必要があります。故にインターネットの更なる普及は当社が成長するための基本的な前提条件であると考えております。 これまでのところ、日本国内におけるインターネット利用状況は安定的に高水準で推移しておりますが、インターネットの普及に伴う弊害の発生及び利用に関する新たな規制の導入その他予期せぬ要因によって、今後インターネット利用者の減少及び利用コストの高騰等が起こった場合、当社グループの事業、財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。 また、インターネット上の情報通信、又は電子商取引が今後も広く普及し、インターネットの利用者にとって快適な利用環境が実現されることも当社の成長のための基本条件となります。こうした通信インフラ環境の向上が一般的な予測を大きく下回る場合、当社の事業環境及び前提条件に一定の制約が生じることとなり、当社グループの財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。②クラウド事業について クラウドとは、システム・アプリケーションをインターネット経由で提供するサービスで、ソフトウェアの提供における新しい方法・概念として認知され、従来から「SaaS」とも呼ばれ、浸透が進んでまいりました。その一方で今後クラウドを扱う企業レベルの競争も激化する可能性があります。このような事業環境のもとで、サービスにおいて新技術への対応が思いどおりの成果をあげられない場合、顧客ニーズを正確に把握することができなかった場合、他社においてより画期的なコンセプトをもった商品・サービスが出現した場合、又はクラウド自体の需要が当社の予測を大きく下回る場合、当社グループの財政状態及び経営成績は悪影響を受ける可能性があります。③競合による業績への影響について 当社グループは不動産業界のニーズに合ったシステム・アプリケーションを開発し、不動産業界向けにクラウド・SaaSとして提供しております。第三者が新たに不動産業界の業務ノウハウに精通した技術者、営業担当者を集め、当社グループと同様の事業モデルを構築するには時間的、資金的な障壁があるものと考えておりますが、当社グループと同等のシステムを再構築することは技術的に不可能とは言い切れず、また、資金力、ブランド力を有する大手企業の参入や全く新しいコンセプト及び技術を活用した画期的なシステムを開発した企業が出現した場合には、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。さらに、インターネット業界の技術革新や新規参入等により、競争が一層激化した場合、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。④技術革新への対応等について 当社グループはインターネット関連技術に基づいて事業を展開しておりますが、インターネット関連分野は、新技術の開発及びそれに基づく新サービスの導入が相次いで行われ、非常に変化の激しい業界となっております。このため、技術革新に対する当社の対応が遅れた場合、当社グループの競争力が低下する可能性があります。⑤不動産業界の動向について 当社グループは、不動産業界の顧客向けに不動産業務支援システム等のシステム・アプリケーションを開発しSaaSとして提供する事業を展開しており、販売先も不動産業界の顧客に集中している状況にあります。不動産業界の中でも賃貸仲介、賃貸管理、売買仲介等、それぞれの業態にあったサービスを提供しておりますが、不動産業界全般の景気や、不動産業界におけるシステム投資の状況によって、当社グループの財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。 また、今後において、不動産業界に対する規制環境の変化や業界各社の対応に何らかの変化が生じた場合には、当社グループの事業にも影響が生じる可能性があります。 ⑥法的規制について 現在、日本国内においてインターネットに関連する主要な法規制には電気通信事業法があります。当社は、顧客企業に対し「メール配信機能」を提供している事から、電気通信事業者の届出をしております。 その他、インターネット上の情報流通や電子商取引のあり方について現在も様々な議論がなされている段階であります。上記以外に当社が営む事業そのものを規制する法令はありませんが、今後、インターネットの利用者や関連するサービス及び事業者を規制対象とする法令等が制定されたり、既存の法令等の解釈が変更されたりした場合、当社グループの事業が制約される可能性があります。 また、不動産に関わる分野におけるインターネット上の情報流通や表示項目等が規制の対象になる可能性もあり、その場合には当社グループの事業が制約される可能性があります。 (2)当社のシステム等に係るリスクについて 当社では、ネットワークのセキュリティに関してしかるべき方策を施し、更には個人情報漏洩を含むサイバーリスクに対応する保険等に加入しておりますが、それらの対策を施してもコンピュータウィルス等の侵入やハッカー等による様々な妨害を原因とした損失発生の際に、それらをすべて補填できない場合があります。その場合、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。①顧客サービス用システムの不具合(バグ等)発生の可能性について 一般的に、高度なソフトウェアにおいては不具合発生を完全に排除することは不可能であると言われており、当社グループが提供するSaaSにおいても、各種不具合が発生する可能性があります。今後とも信頼度の高いシステムの開発に努め、また契約において原則として免責事項を定めてはいるものの、特にインターネットを通じて提供される当社のサービスに運用上支障をきたす致命的な不具合が発見され、その不具合を適切に解決できない場合、当社グループの信用、財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。②自然災害、事故及びシステム等にかかるリスクについて 当社グループでは、顧客向けSaaS提供用のシステムインフラ基盤をIaaS環境上に構築、運用しております。当該IaaSについては外部IaaS事業者から調達しており、当該事業者が保守を行っておりますが、現時点において世界トップクラスの安定性・堅牢性を持つと考えられる事業者を選定しているものの、当該事業者の想定を超えるような地震・台風・津波又は火山活動等の自然災害や、事故・火災・テロ等により、設備の損壊や電力供給の制限等の不測の事態が発生した場合には、当社グループの事業活動に支障をきたす可能性があります。 なお、新型コロナウイルス感染症拡大に見られるような伝染病・感染症の世界的流行(パンデミック)によって業務遂行が阻害されるような事態が生じた場合であっても、当社グループの全従業員を対象とした在宅勤務(リモートワーク)の体制を構築済みであり、お客様からのお問い合わせ、サポートセンターに関しましても、従前と変わらないサービスレベルを維持できる体制が整っております。また、お客様へのご訪問やご商談につきましても、Web会議等の活用により、従前と変わらない営業活動を展開できる体制を整えております。 しかしながら、想定を超えるような流行により業務を適切に遂行できないような事態が発生した場合には、同様に当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。③特定の外部IaaS事業者への依存にかかるリスクについて 当連結会計年度末時点で当社SaaSのサービスインフラ基盤につきましては、主として米国Amazon社の提供するIaaSであるAWS(Amazon Web Services)上での運用を行っております。なお同社とは良好な関係を保っており、今後の契約関係も安定して継続する見込みでありますが、今後何らかの理由により、同社とのIaaS利用に関する契約の解消や、契約内容の重大な部分に変更がある場合などには、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 また同社とは米ドル建てでの取引を行っていることから、今後急激な為替変動があった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお為替リスクの低減手段につきましては、主として為替予約を中心としております。 ④ サイバー攻撃を受ける可能性について 当社グループが提供するSaaSにおいては、お客様の重要データをお預かりしていることから、情報セキュリティの確保を最重要課題の一つとして位置づけております。具体的には、社内環境とSaaS環境を完全に分断する「構造的分離」、多要素認証(MFA)等を徹底する「ゼロトラストアーキテクチャ」の採用、ウイルスの主要な感染経路を排除した「クラウドネイティブ」な通信方式の採用など、データを構造的に守る先進的なセキュリティ対策を講じております。さらに、情報セキュリティ規格(ISO/IEC 27001)、クラウドセキュリティ規格(ISO/IEC 27017)及びITサービスマネジメント規格(ISO/IEC 20000)の3つの国際認証を取得し、厳格な運用体制を維持しております。 しかしながら、昨今のサイバー攻撃は極めて巧妙化・複雑化しており、あらゆるセキュリティ対策を講じたとしても、未知の脆弱性を突いた攻撃、標的型メール、あるいは高度なソーシャルエンジニアリング等による不正アクセスやコンピュータウイルスの侵入等のリスクを完全に排除することは不可能です。 当社グループでは、これらサイバーリスクに対応する保険等に加入しておりますが、万が一、想定を超えるサイバー攻撃等により、システムの停止、データの損壊、あるいは重大な個人情報や機密情報の漏洩等の事態が発生した場合、被った損失や損害賠償、復旧費用等を当該保険のみですべて補填できない可能性があります。その結果、当社グループの社会的信用の失墜や、多額の財政的負担等により、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3)情報セキュリティ管理について 当社グループは顧客向けに顧客情報管理システムを提供しており、そのシステムの運用を通じて蓄積される個人情報等の管理に関して、顧客から委託を受けております。また自社運営サイトを通じて、顧客情報を取得することがあります。当社グループでは、社内基準に従い個人情報をはじめとする顧客の重要情報を管理し、その情報の外部漏洩防止に関して、情報資産に対するセキュリティ管理、情報管理に関する従業員への教育、外部委託先との機密保持契約などを行い、また、当社においては2009年5月に情報セキュリティマネジメントシステムの国際標準規格である「ISO/IEC27001」認証を、並びに2017年9月にクラウドサービス情報セキュリティマネジメントシステムの国際標準規格である「ISO/IEC27017」認証を東京本社、大阪支店、福岡支店及び名古屋支店において取得しており、現時点までにおいて情報管理に関する重大な事故やトラブルの発生は認識しておりません。 しかし、これら顧客重要情報等が何らかの形で外部漏洩したり、不正使用されたりする可能性が完全に排除されているとは言えません。また、これらの事態に備え、個人情報漏洩を含むサイバーリスクに対応する保険等に加入しておりますが、全ての損失を完全に補填するものではありません。従いまして、これらの事態が起こった場合、当社グループへの損害賠償請求や当社の信用の低下等によって当社の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループは個人情報保護法における個人情報取扱事業者に該当しており、同法の適用を受けております。 (4)事業体制について①人的資本の確保について 当社グループは、サービスの開発業務において自社開発を基本原則としております。今後においても、現在の事業領域を中心に事業拡大を図っていく方針であり、当社グループのサービス戦略及び開発戦略等の業務遂行にあたり専門的な知識・技術を有した優秀な人材の確保が必要となります。当社において、これらの人的資本を拡充できない場合は、当社グループの考えるスピードでの効率的な事業展開に支障をきたす可能性があります。②事業拡大に対する組織的な対応について 当社グループはまだ小規模な組織であり、内部管理体制もこれに応じたものになっております。今後、企業規模が拡大していくに従って、内部管理体制の更なる充実を図る方針でありますが、当社グループの事業拡大に即応して、適切かつ十分な組織対応が出来ない可能性があります。 今後の急速な事業拡大に備え、既存従業員の育成、採用活動による人員増強などの施策を講じるとともに、管理業務の効率化を図り、組織的効率を維持・向上させることが重要な課題となってまいります。これらの施策が計画どおりに進行しない場合、事業機会の逸失、業務品質の低下などを招き、当社グループの事業拡大及び事業運営に悪影響を与える可能性があります。 また、小規模な組織であるため、業務プロセスを特定の個人に依存している場合があります。今後、業務の定型化、形式化、代替人員の確保などを随時進める予定でありますが、特定の役職員に依存している業務の遂行が当該役職員の退職その他何らかの理由により困難になった場合、一時的に当社グループの業務運営に支障をきたす恐れがあります。 ③知的所有権に関する訴訟の可能性について 当社グループで開発・設計しているソフトウェアやプログラムは、いわゆる「公知の基礎技術」を改良又は組み合わせることにより当社が独自で開発・設計しておりますが、意図せずに第三者の知的所有権を侵害している可能性があります。特に「ビジネスモデル特許」については、米国等において既に一般化していることや今後国内においても当該特許の認定が進むと予想されることから、これら知的所有権等への対応の重要性は増大すると考えております。 現在のIT分野における技術の進歩やビジネス・アイデアの拡大のスピードは非常に速く、予想が困難であり、また、現在の特許制度のもとでは調査の限界もあるものと考えられます。 過去もしくは現時点におきましては、当社グループが第三者の知的所有権を侵害したことによる損害賠償等の訴訟が発生している事実はありませんが、今後、当社グループの事業分野で当社の認識していない特許等が成立していた場合、又は新たに成立し第三者の知的所有権を侵害した場合には、損害賠償やロイヤリティの支払い要求、差止請求等により、当社グループの事業に何らかの悪影響を及ぼす可能性があります。 (5)商標権の管理について 当社グループは、新たなサービスを開始する際には、サービスの名称等について商標の出願、登録を行うか、又は商標登録には馴染まない一般的な名称を使用する等、第三者の商標権を侵害しないように留意しております。 過去において提供したサービスの名称の一部においては、第三者が類似商標を登録している等の理由により、商標の登録が承認されていないもの、又は登録未申請のものがありますが、これらについては当社グループとして適切な対応を行っているものと認識しております。 過去もしくは現時点におきましては、当社グループが第三者の商標権を侵害したことによる損害賠償等の訴訟が発生している事実はありませんが、当社グループの調査内容が十分である保証はなく、当社グループの見解が常に法的に正当であるとは保証できません。万一、当社グループが第三者の商標権等の知的財産権を侵害していると認定され、その結果、損害賠償請求、差止請求などがなされた場合、又は、当該事項により当社の信用力が低下した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。