3858

ユビキタスAI(3858)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • 組込みソフトウェア開発・販売
    IoT機器向けのネットワーク、セキュリティ、データベース、OS高速起動などの自社開発ソフトウェア製品を提供しています。これらは、家電や自動車など、様々な電子機器に組み込まれて利用される基盤技術です。顧客の製品販売数に応じたロイヤリティ収入が主な収益源となります。
  • 海外製品の輸入販売とサポート
    Bluetooth、BIOS、通信関連製品、ソフトウェア解析ツール、セキュリティ製品など、海外の先進的なソフトウェア製品を輸入し、販売しています。これに加え、製品に関連するサポートサービスやエンジニアリングサービスも提供し、顧客の多様なニーズに応えています。
  • プリンタ・音声コード関連事業
    子会社である株式会社グレープシステムを通じて、プリンタ関連製品の開発・販売や、大量の文字列情報を格納できる「音声コード製品(Uni-Voice)」の提供を行っています。これにより、情報アクセシビリティの向上にも貢献しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • ソフトウェアプロダクト事業
    自社開発の組込みソフトウェア製品(ネットワーク、セキュリティ、データベース、OS高速起動など)の提供が中心です。売上高は約8.99億円ですが、営業利益は約-0.28億円と赤字であり、研究開発投資などが先行している可能性があります。
  • ソフトウェアディストリビューション事業
    海外メーカーのBluetooth、BIOS、通信関連製品、ソフトウェア解析ツール、セキュリティ製品などの輸入販売とサポートサービスを提供しています。売上高は約13.19億円と最も大きいですが、営業利益は約-0.46億円と赤字です。
  • ソフトウェアサービス事業
    組込みソフトウェアの設計・開発、プリンタ関連製品、音声コード製品の販売などを手掛けています。売上高は約10.06億円で、営業利益は約1.19億円と最も利益を上げており、グループの収益を牽引する事業です。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
SoftwareProduct 事業 9 -0 -3.1%
SoftwareDistribution 事業 13 -0 -3.5%
SoftwareService 事業 10 1 11.8%
DataAnalytics 事業 9 1 5.7%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|5,293 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社及び連結子会社2社により構成されております。 製造業のお客様が必要とするテクノロジーとサービスを提供する企業として、IoT機器向けの各種ネットワーク製品、セキュリティ製品、データ管理の効率化に寄与する高速なデータベース製品、OSの高速起動を実現するソフトウェア製品等の自社開発による組込みソフトウェア製品と、海外輸入によるBluetooth、BIOS、通信関連製品、ソフトウェア解析・開発効率化ツール、セキュリティ製品等の販売及び製品に関連したサポートサービス、エンジニアリングサービス、データコンテンツのライセンス販売等を提供しております。 また、当社グループである株式会社グレープシステムでは、組込みソフトウェア等各種ソフトウェアの設計、開発及び自社開発によるプリンタ関連製品と音声コード製品(大量の文字列情報を格納可能な2次元コードの技術を活用した製品)の販売等を、株式会社ライトストーンでは、統計・数値データ解析ソフトウェアの販売等を行っております。 なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。 (1) 当社グループの主要製品・サービス 当社グループの主要なソフトウェア及びサービスをセグメント別に以下に示します。①ソフトウェア事業a.ソフトウェアプロダクト領域カテゴリ製品・サービス名概要Linux/Android高速起動Ubiquitous QuickBoot特許技術に基づく革新的な仕組みにより、組込み機器やシステムの起動時間を大幅に短縮するためのソフトウェアソリューションです。LinuxやAndroidを搭載した機器が電源ONから瞬時に利用できることで、ユーザー満足度を高めるとともに、待機電力ゼロの完全電源OFFを可能にすることで、省エネルギーと環境負荷低減を両立します。デジタルコンテンツ保護① Ubiquitous DTCP(注)1.② Ubiquitous HDCP(注)2.③ Ubiquitous DLNA(注)3.① 車載機器及びデジタル家電等で要求されるデジタルコンテンツ保護を実現するためのDTCP規格に準拠したソフトウェアライブラリです。② 車載機器及びデジタル家電等で要求されるデジタルコンテンツ保護を実現するためのHDCP規格に準拠したソフトウェアライブラリです。③ DLNAガイドライン(2009年8月版)に基づきDLNA対応機器の開発に必要な各種の技術コンポーネントを取り揃えたソフトウェア開発キットです。コードサイズが非常に小さいため無線LAN などの通信モジュールに内蔵した形での提供も可能となっており、デジタル TVなどの家庭用電化製品やスマートフォンのみならず、車載インフォテイメント機器(カーナビ、オーディオディスプレイ)等のDLNA対応にも効果を発揮します。セキュリティ① Ubiquitous TLS(注)4.② Ubiquitous Securus③ Ubiquitous TPM(注)5.Security④ Edge Trust① IoT機器の通信をセキュアに行うためのセキュリティプロトコルを組込みデバイスのリソースに最適化して提供するものです。② IoT機器に組込まれるデバイス固有の証明書や電子鍵情報などの秘匿データを保護して、セキュアなシステムを実現します。③ コンピュータの信頼性と安全性を高める国際業界標準規格を制定する業界団体「Trusted Computing Group (TCG)」が策定したTPMを利用するためのソフトウェアライブラリです。④ IoT機器をプロダクトライフサイクル全般に渡ってセキュアに管理する仕組みとサービスを外部パートナーのソリューション含めて包括的に提供します。シミュレーションツールGSILGSILは、車載ECUソフトウェア開発向けのシミュレーター(SILS)です。ハードウェアを必要とせず、PC上でシミュレーションを行うことで、アプリケーションのテストやデバッグ、検証時間を効率的に短縮できます。通信① Ubiquitous Network Framework② Ubiquitous QUIC③ Ubiquitous WPAサプリカント④ Ubiquitous WPS⑤ Ubiquitous Wi-Fi Direct⑥ Ubiquitous MiracastTM Solution① インターネット標準の通信プロトコルであるTCP/IPを、組込み機器向けに最適設計したもので、省メモリでの実装が可能な「小ささ」、非力なCPUでも動作する「軽さ」、また効率よく通信する「速さ」を実現したものです。② 様々なインターネット通信で利用が増えている通信プロトコル「QUIC(クイック)」を組込み機器やIoTデバイスなどのクライアント機器で利用できるように開発したソフトウェアライブラリです。③ WPAサプリカントは、Wi-Fi通信の秘匿性を高めるために使用されるソフトウェアです。④ WPSは、複雑なWi-Fi設定を容易にするためのものです。⑤ Wi-Fi Directは、無線LAN機器間を直接、簡単に接続するためのものです。⑥ Miracastは、ワイヤレス環境でのリモートディスプレイ接続のためのものです。 ※③④⑤⑥はWi-Fi Allianceが策定した無線LANの接続や暗号化等に関する規格に準拠して開発されたミドルウェアとなります。スマートホーム① Ubiquitous ECHONET Lite② Ubiquitous Wi-SMART① スマートハウス向けのホームネットワーク用プロトコルとしてエコーネットコンソーシアムが策定した通信規格に準拠して開発されたミドルウェアとなります。この規格に準拠したスマートメーターやエネルギーマネジメント関連機器間でのユニバーサルな制御が可能になります。② Wi-SMARTは、スマートメーターとエネルギーマネジメント機器との通信に用いられる国際無線通信規格「Wi-SUN」に準拠して開発されたミドルウェアです。組込みミドルウェア① GR-USB② GR-FILE, GR-FILE/ex③ GR-SD① 組込み向けUSB/HOST、DEVICE対応のミドルウェアです。② 組込み向けFATファイルシステム及びexFAT対応のファイルシステムです。③ 組込み向けSDコントローラ対応のSDドライバです。データベースUbiquitous DeviceSQLDeviceSQLは、世界最小、超高速なデータベースエンジンを兼ね備えた、ローエンドからハイエンドまで全ての製品ラインに最適なデータ管理機能を提供する組込み向けのデータベースです。OSTOPPERS-ProシリーズTOPPERS-Proシリーズは、NPO法人TOPPERSプロジェクトが開発したオープンソースカーネル「TOPPERS/ASP」をベースに、当社が開発し提供するリアルタイムOSです。 カテゴリ製品・サービス名概要音声コードUni-Voice(ユニボイス)JAVIS(ジャビス:日本視覚障がい情報普及支援協会)が開発した2次元コードで、大量の文字列データ等を格納することができます。「音声コードUni-Voice」には専用アプリ(Uni-Voiceアプリ)で読み上げができる文字列データ(日本語、多国語)を格納した「文書コード」、地図にて固定ルートの案内が可能な「NAVIコード」、施設位置データを表示する「SPOTコード」の3種類があります。コード関連製品① GR-QR② GR-BARCODE③ GR-DataMatrix① QRコードのエンコード(生成)及びデコード(読取)ライブラリ製品です。② 1次元バーコードをエンコード(生成)及びデコード(読取)するためのライブラリ製品です。③ DataMatrixコードをエンコード(生成)及びデコード(読取)するためのライブラリ製品です。プリントシステム① GR-ADK② GR-PDK③ GR-PDK/X④ GR-SETUP⑤ GR-MergePrint⑥ gXDF (ジグディフ)⑦ GR-PDK EMFファイリング① パソコン用の印刷アプリケーション開発のためのツールです。② GDIプリンタードライバー開発者を応援する開発キットです。③ XPSプリンタードライバー開発者を応援する開発キットです。④ プリンタードライバー、言語モニター、ポートモニター、デバイスドライバーの専用インストーラー/アンインストーラーを作成するための開発ツールです。⑤ 流し込み印刷の実現を容易にするライブラリです。⑥ 印刷環境を問わず、XPSファイル出力やPDFファイル出力からXPSファイル変換や編集など様々な機能を実現します。⑦ EMFプリンタードライバー開発者を応援する開発キットです。 (注)1.DTCPは、DTLAにより規格化されたコンテンツ保護規格です。2.HDCPは、ディスプレイや映像端末に対してHDMIやDVIなどを経由したデジタルコンテンツの送信を行う際のコピーガードに対応したリンクプロテクション技術であり、DCPにより規格化されたコンテンツ保護規格です。3.DLNAは、Digital Living Network Allianceの略であり、パソコンやデジタル家電機器をネットワークでつなぐ際の約束事をいいます。4.TLSは、インターネット上で情報を暗号化して送受信するプロトコルの一つであり、SSL3.0を基に改良が加えられて標準化されたものです。5.TPMは、コンピュータの信頼性と安全性を高める国際業界標準規格を制定する業界団体「Trusted Computing Group (TCG)」が策定した耐タンパ性に優れたセキュリティモジュールの規格です。 b.ソフトウェアディストリビューション領域 海外メーカー製ソフトウェアの輸入販売、テクニカルサポート及びカスタマイズを行っております。下表はその中で主要となる製品です。カテゴリ製品・サービス名概要ワイヤレス通信Blue SDKOpenSynergy社製のBluetoothプロトコルスタックであり、世界標準規格の近距離無線通信技術「Bluetooth」を実現するために開発されたソフトウェアです。BIOSInsydeH2OInsyde Software社製のBIOSであり、従来のBIOS(Basic Input/Output System)を置き換えるために開発された新技術「EFI/UEFI」仕様を実装した、C言語ドライバベースの次世代BIOSです。ミドルウェア① HE-NET② HE-CRYPTO③ HE-FILE④ Reliance Nitro① TUXERA社製のMISRA準拠TCP/IPプロトコルスタックです。高い品質、信頼性及びパフォーマンスを実現します。② リソース制約の厳しい組込み機器に、改ざんチェックや暗号化などの高度なセキュリティ機能を容易に実装できる暗号ライブラリです。③ 少ないROM/RAMフットプリントで動作するよう設計されたファイルシステム製品です。④ 高速性かつ突然の電源断の場合でもファイルデータとディレクトリ情報を100%保護する高信頼性を兼ね備えた新しい次世代型ファイルシステムです。開発支援ツールCodeSonarAdaCore社製のソフトウェア静的解析ツールです。ソースコードの不具合や脆弱性を高精度で検出します。セキュリティ検証ツールbeSTORMあらゆるプロトコル、プラットフォームAPI、機器へのファジングとペネトレーションテストを実施するセキュリティ検証ツールです。 c.ソフトウェアサービス領域 組込みソフトウェア等各種ソフトウェアのエンジニアリングサービスに関し、米国Gracenote社と協業して音楽関連のデータコンテンツのライセンスの提供を行っております。 ②アナリシスソフトウェア事業 データアナリティクス領域 株式会社ライトストーンにおいて、全国の大学・高専などの教育機関、政府系研究機関、企業の研究開発・調査部門等に、「Origin」、「Stata」等研究開発で使用される統計・数値データ解析等の科学技術系ソフトウェアの輸入販売等を行っております。 (2) 当社グループの収益モデル 当社グループの収益モデルについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項 (5) 重要な収益及び費用の計上基準」に記載のとおりであります。 なお、事業の系統図は、下記のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
無償ソフトウェアとの競争激化や半導体メーカーの包括的提供があるが、品質保証や技術サポートで差別化。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
組込みソフトウェアの「小ささ」「軽さ」「速さ」を実現する技術力、セキュリティ・データ管理技術。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 軽い(資本不要)
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:技術の陳腐化 / 競争の激化 / 新規事業の不確実性
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

ユビキタスAIは組み込みシステム向けOSやミドルウェア、AIソリューションを提供しているが、特定の強力なブランド、特許ポートフォリオ、あるいは規制ライセンスによる明確な無形資産の優位性は確認できない。技術革新が速い分野であり、技術的優位性の持続性は限定的。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

同社が提供する組み込みOSやミドルウェアは、顧客の製品開発に深く組み込まれるため、一度採用されると他のソリューションへの切り替えには相応の時間とコストを要する可能性がある。特に、特定のハードウェアやソフトウェアスタックに最適化されている場合、スイッチングコストは高まる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の事業モデルは、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果を生み出す構造ではない。個々の顧客との契約に基づくソリューション提供が中心であり、プラットフォーム型ビジネスのようなネットワーク効果は期待できない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

組み込みシステム開発においては、効率的な開発プロセスやリソース活用がコスト競争力に繋がる可能性がある。しかし、同社が構造的に圧倒的なコスト優位性を確立しているという証拠は現時点では乏しい。競合他社も同様の効率化を図るため、持続的なコスト優位性は限定的。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

組み込みシステム市場は多様なプレイヤーが存在するが、ユビキタスAIが市場全体を寡占するほどの規模の経済性を享受しているとは言えない。特定のニッチ市場でのシェアは存在する可能性もあるが、業界全体に対する最適化された少数寡占状態には至っていない。

  • 組込み技術の専門性と実績
    長年にわたり、組込みソフトウェア開発で培ってきた高度な技術力とノウハウが強みです。特に、省メモリ・軽量・高速な通信プロトコルやデータベース技術は、リソースが限られるIoTデバイスにおいて高い競争力を持ちます。これにより、顧客は効率的で信頼性の高い製品開発が可能になります。
  • 多様な製品ラインナップと対応力
    自社開発の組込みソフトウェアに加え、海外の先進技術を輸入販売することで、幅広い顧客ニーズに対応できる製品ポートフォリオを構築しています。通信、セキュリティ、データ管理、OSなど多岐にわたる分野をカバーし、顧客の製品開発を包括的に支援できる点が強みです。
  • 国際標準規格への準拠と信頼性
    Wi-Fi Alliance、エコーネットコンソーシアム、Trusted Computing Group (TCG)など、様々な国際標準規格に準拠した製品開発を行っています。これにより、製品の互換性や信頼性が保証され、顧客は安心して製品を導入できます。また、DTLAやDCPといったライセンス管理団体との連携も強みです。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)会社の経営基本方針 当社グループは、「All for wonderful life」というスローガンの下、私たちの収益の源泉となるまだ見ぬ宝物である革新的なアイデア、未来を照らす技術シーズ、自社及び他社による有形無形の製品、そして、これらを見つけ、生み出すタレントなどテクノロジーに関わる全てを探し続けることで社会の進歩に貢献することを経営基本方針としております。 (2)中長期的な会社の経営戦略、目標とする経営指標 当社グループは、新たな中期経営計画を策定し、2025年6月26日に「中期経営計画(2026-2028年度)」を公表しております。 当社グループにおける事業環境は、100年に一度の変革期に顧客や事業・社会環境が大きく変化し、テクノロジー・インフラが加速度的に進化する状況において、製造業顧客を基盤とし、新たなユビキタスAIに向けBig Changeを目指しております。 この中期経営計画においては、オーガニック領域(既存事業による売上成長)とインオーガニック領域(連続的M&Aによる売上成長)による成長を志向し、オーガニック領域においては、毎年5%成長を見込むとともに、安定的な成長キャッシュフロー創出を目指します。インオーガニック領域においては、年度ごとの目標設定は行わず、M&Aによる売上成長を見込んでおります。 オーガニック領域は、Operational Excellence(生産性向上)、Sales Enablement(営業力強化)、Group Synergy(アップセル/クロスセル)、Steady Growth(安定成長)による重点施策を推進することで、High Profitability(高収益化)の実現を目指し、未来への投資資金の創出を図ってまいります。 インオーガニック領域は、次なる飛躍的成長に向け、戦略的に補充・拡充すべき事業領域(IoT関連事業、Big Data/AI関連事業、IT関連)について、案件ごとにバリュエーションやシナジーを考慮しながら、積極的に連続的M&Aを実行してまいります。 財務戦略は、企業価値の最大化に向けて、次の重点施策を推し進めてまいります。・既存事業の収益性及びキャッシュフロー基盤を強化しつつ、成長性の高い領域及びM&Aへ投資。・健全なバランスシートを梃に、次の成長に向けた積極的ファイナンス戦略と成長投資実行を目指す。・本中期経営計画は「基盤整備の3年」として、会社体制整備のための大幅な支出なども見込む。・「売上高」及び「EBITDA(調整後営業利益)」を重要収益指標として経営・財務戦略を推進していく。・下期、特に2月及び3月に集中して売上・利益が計上される収益サイクルから、より平準化され安定的な売上・利益計上サイクル構築の実現を目指す。 以上、オーガニック及びインオーガニックによる成長戦略及び財務戦略を組み合わせ、CAGR10%程度の成長を実現しつつ、「中期経営計画(2026-2028年度)」の目標達成と、その後の事業成長を加速させる次フェーズ(High Growth Phase)への円滑な移行を図ってまいります。 (3)対処すべき課題① 当社グループのソフトウェア分野における事業強化に関する課題 当社グループは、メーカー、商社、受託開発のバランスの取れた事業ポートフォリオを展開し、主要顧客である電子・電気機器を製造・開発する大手企業の企画・開発・設計部門から学術・政府機関まで、幅広く強固な顧客基盤を有しています。 当社グループのソフトウェア分野における事業は、製品・サービス別に自社製品の開発・販売、海外製品の販売、統計・数値データ解析ソフトウェアの販売及び受託開発という4つの事業ポートフォリオで構成されております。 自社製品の開発については、開発力に加え、販売力のある製品企画の強化、海外製品の販売及び統計・数値データ解析ソフトウェアの販売については、製品ラインアップの強化、受託開発については、開発力の強化が必要となります。 加えて、販売機会を増やすため、単に製品の販売にとどまらず、常に変化する顧客のニーズを把握し、対応するための開発業務が必要となり、この体制を強化する必要があります。 これに対しては、経験者の中途採用による技術力向上、さらにM&Aによる人材・事業機会の獲得及び強化により、当社グループ全体の技術力強化と、開発力・製品企画力の強化に取り組んでまいります。 ② 企業グループとしての運営に関する課題 当社は、2024年3月期にM&Aを2社、2025年3月期に子会社の吸収合併を実現した結果、事業規模及び従業員数が増加し、急激に業容が拡大しております。 企業グループとしての連携や管理部門の強化、特に買収した企業のPMI(Post Merger Integration)、内部管理体制の強化、コストの最適化に取り組む必要があります。 これに対しては、グループ経営の管理機能の強化及び管理部門人材の採用並びにグループ人事制度の構築等により、コミュニケーションの円滑化やコストの最適化など、グループ全体の運営効率化を進めてまいります。 ③ 販売体制の強化に関する課題 当社グループが取扱う製品・サービスは、技術的難易度や専門性が高い製品・サービスが多く、顧客との技術的なコミュニケーションが販売における重要なポイントとなります。 また近年、ワークスタイル・事業機会は変化しており、営業活動やマーケティング活動の手法もこの変化に対応したアプローチが必要となっております。 これに対しては、顧客データに基づいたデジタルマーケティング施策を強化し、顧客ニーズを掘り起こし、当社グループが取扱う製品・サービスの強みを訴求することにより、新規引合いの獲得を推進してまいります。加えて、情報システムの整備による効率的な営業活動環境の整備、営業部門の人員増により、案件や顧客の確保を実現してまいります。 ④ 品質マネジメントの強化に関する課題 インターネットやIoTの普及に伴い、様々な電気・電子機器がネットワークに繋がることで、サイバー攻撃のリスクが深刻な問題となってまいりました。 このため、電子・電気機器製造・開発における適切な品質マネジメント及びサイバーセキュリティ対策を講ずることが必要とされています。 当社グループも、顧客の製品・サービス開発に使用するソフトウェア製品・サービスを提供していることから同様の対策が求められ、取引条件に含まれるようになってきております。 これに対しては、品質保証体制及びサイバーセキュリティ対策体制を整備・強化し、顧客の取引条件に合致するよう努めてまいります。 ⑤ ガバナンスの強化に関する課題 積極的なM&A等により事業規模が拡大している当社グループが、継続的、健全かつ効率的に成長するためには、ガバナンスの強化が重要な課題であります。 これに対しては、社外取締役を複数名体制とし、社外の目と知見による取締役会の監督を実施しております。引き続き、この体制を維持するとともに、内部管理体制の面でも、財務報告の信頼性を確保するための内部統制システムの適切な運用、内部監査による定期的なモニタリングの実施等に取り組んでまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)会社の経営基本方針 当社グループは、「All for wonderful life」というスローガンの下、私たちの収益の源泉となるまだ見ぬ宝物である革新的なアイデア、未来を照らす技術シーズ、自社及び他社による有形無形の製品、そして、これらを見つけ、生み出すタレントなどテクノロジーに関わる全てを探し続けることで社会の進歩に貢献することを経営基本方針としております。 (2)中長期的な会社の経営戦略、目標とする経営指標 当社グループは、新たな中期経営計画を策定し、2025年6月26日に「中期経営計画(2026-2028年度)」を公表しております。 当社グループにおける事業環境は、100年に一度の変革期に顧客や事業・社会環境が大きく変化し、テクノロジー・インフラが加速度的に進化する状況において、製造業顧客を基盤とし、新たなユビキタスAIに向けBig Changeを目指しております。 この中期経営計画においては、オーガニック領域(既存事業による売上成長)とインオーガニック領域(連続的M&Aによる売上成長)による成長を志向し、オーガニック領域においては、毎年5%成長を見込むとともに、安定的な成長キャッシュフロー創出を目指します。インオーガニック領域においては、年度ごとの目標設定は行わず、M&Aによる売上成長を見込んでおります。 オーガニック領域は、Operational Excellence(生産性向上)、Sales Enablement(営業力強化)、Group Synergy(アップセル/クロスセル)、Steady Growth(安定成長)による重点施策を推進することで、High Profitability(高収益化)の実現を目指し、未来への投資資金の創出を図ってまいります。 インオーガニック領域は、次なる飛躍的成長に向け、戦略的に補充・拡充すべき事業領域(IoT関連事業、Big Data/AI関連事業、IT関連)について、案件ごとにバリュエーションやシナジーを考慮しながら、積極的に連続的M&Aを実行してまいります。 財務戦略は、企業価値の最大化に向けて、次の重点施策を推し進めてまいります。・既存事業の収益性及びキャッシュフロー基盤を強化しつつ、成長性の高い領域及びM&Aへ投資。・健全なバランスシートを梃に、次の成長に向けた積極的ファイナンス戦略と成長投資実行を目指す。・本中期経営計画は「基盤整備の3年」として、会社体制整備のための大幅な支出なども見込む。・「売上高」及び「EBITDA(調整後営業利益)」を重要収益指標として経営・財務戦略を推進していく。・下期、特に2月及び3月に集中して売上・利益が計上される収益サイクルから、より平準化され安定的な売上・利益計上サイクル構築の実現を目指す。 以上、オーガニック及びインオーガニックによる成長戦略及び財務戦略を組み合わせ、CAGR10%程度の成長を実現しつつ、「中期経営計画(2026-2028年度)」の目標達成と、その後の事業成長を加速させる次フェーズ(High Growth Phase)への円滑な移行を図ってまいります。 (3)対処すべき課題① 当社グループのソフトウェア分野における事業強化に関する課題 当社グループは、メーカー、商社、受託開発のバランスの取れた事業ポートフォリオを展開し、主要顧客である電子・電気機器を製造・開発する大手企業の企画・開発・設計部門から学術・政府機関まで、幅広く強固な顧客基盤を有しています。 当社グループのソフトウェア分野における事業は、製品・サービス別に自社製品の開発・販売、海外製品の販売、統計・数値データ解析ソフトウェアの販売及び受託開発という4つの事業ポートフォリオで構成されております。 自社製品の開発については、開発力に加え、販売力のある製品企画の強化、海外製品の販売及び統計・数値データ解析ソフトウェアの販売については、製品ラインアップの強化、受託開発については、開発力の強化が必要となります。 加えて、販売機会を増やすため、単に製品の販売にとどまらず、常に変化する顧客のニーズを把握し、対応するための開発業務が必要となり、この体制を強化する必要があります。 これに対しては、経験者の中途採用による技術力向上、さらにM&Aによる人材・事業機会の獲得及び強化により、当社グループ全体の技術力強化と、開発力・製品企画力の強化に取り組んでまいります。 ② 企業グループとしての運営に関する課題 当社は、2024年3月期にM&Aを2社、2025年3月期に子会社の吸収合併を実現した結果、事業規模及び従業員数が増加し、急激に業容が拡大しております。 企業グループとしての連携や管理部門の強化、特に買収した企業のPMI(Post Merger Integration)、内部管理体制の強化、コストの最適化に取り組む必要があります。 これに対しては、グループ経営の管理機能の強化及び管理部門人材の採用並びにグループ人事制度の構築等により、コミュニケーションの円滑化やコストの最適化など、グループ全体の運営効率化を進めてまいります。 ③ 販売体制の強化に関する課題 当社グループが取扱う製品・サービスは、技術的難易度や専門性が高い製品・サービスが多く、顧客との技術的なコミュニケーションが販売における重要なポイントとなります。 また近年、ワークスタイル・事業機会は変化しており、営業活動やマーケティング活動の手法もこの変化に対応したアプローチが必要となっております。 これに対しては、顧客データに基づいたデジタルマーケティング施策を強化し、顧客ニーズを掘り起こし、当社グループが取扱う製品・サービスの強みを訴求することにより、新規引合いの獲得を推進してまいります。加えて、情報システムの整備による効率的な営業活動環境の整備、営業部門の人員増により、案件や顧客の確保を実現してまいります。 ④ 品質マネジメントの強化に関する課題 インターネットやIoTの普及に伴い、様々な電気・電子機器がネットワークに繋がることで、サイバー攻撃のリスクが深刻な問題となってまいりました。 このため、電子・電気機器製造・開発における適切な品質マネジメント及びサイバーセキュリティ対策を講ずることが必要とされています。 当社グループも、顧客の製品・サービス開発に使用するソフトウェア製品・サービスを提供していることから同様の対策が求められ、取引条件に含まれるようになってきております。 これに対しては、品質保証体制及びサイバーセキュリティ対策体制を整備・強化し、顧客の取引条件に合致するよう努めてまいります。 ⑤ ガバナンスの強化に関する課題 積極的なM&A等により事業規模が拡大している当社グループが、継続的、健全かつ効率的に成長するためには、ガバナンスの強化が重要な課題であります。 これに対しては、社外取締役を複数名体制とし、社外の目と知見による取締役会の監督を実施しております。引き続き、この体制を維持するとともに、内部管理体制の面でも、財務報告の信頼性を確保するための内部統制システムの適切な運用、内部監査による定期的なモニタリングの実施等に取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。a.財政状態当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ248,462千円増加し、3,698,939千円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ733,802千円増加し、1,788,230千円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ485,339千円減少し、1,910,709千円となりました。 b.経営成績当連結会計年度の業績は、売上高3,924,475千円(前連結会計年度比5.2%減)、営業損失201,117千円(前連結会計年度は96,498千円の利益)、経常損失213,688千円(前連結会計年度は92,889千円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失518,702千円(前連結会計年度は91,084千円の利益)となりました。 当社グループの報告セグメントは、製品・サービス別のセグメントから構成されており、「ソフトウェアプロダクト事業」、「ソフトウェアディストリビューション事業」、「ソフトウェアサービス事業」及び「データアナリティクス事業」の4つを報告セグメントとしておりましたが、当連結会計年度より、「ソフトウェアプロダクト事業」、「ソフトウェアディストリビューション事業」及び「ソフトウェアサービス事業」を「ソフトウェア事業」として統合し、「データアナリティクス事業」を「アナリシスソフトウェア事業」に名称を変更した上で、2つのセグメントに変更しております。 これは、2025年6月に公表した「中期経営計画」(2026年-2028年)を踏まえて、事業セグメントについて改めて検討した結果、当社グループの事業戦略は、顧客のソフトウェアニーズに対して全方位的な支援を行うビジネスモデルに変革しており、当該事業戦略の実行のための組織体制の統合及び経営管理体制の見直しの実態を踏まえ、「ソフトウェア事業」及び「アナリシスソフトウェア事業」の2つの報告セグメントが適切であると判断したことによるものであります。 なお、各事業における収益の分解については、企業の実態に即し、財務諸表の利用者にとって有用な情報を提供することを目的として、財又はサービスの種類に基づき、従来どおりの区分に従って、「ソフトウェア事業」における製品・サービスとして、「ソフトウェアプロダクト領域」、「ソフトウェアディストリビューション領域」、「ソフトウェアサービス領域」とし、「アナリシスソフトウェア事業」における製品・サービスとして、「データアナリティクス領域」の4区分に分類しております。 「ソフトウェアプロダクト領域」は、組込みネットワーク、セキュリティ&リアルタイムOS関連製品、高速起動製品、データベース製品等の主に自社開発によるデバイス組込み用ソフトウェア等に関する製品・サービス領域であります。 「ソフトウェアディストリビューション領域」は、海外ソフトウェアの輸入販売及びテクニカルサポート等に関する製品・サービス領域であります。 「ソフトウェアサービス領域」は、組込みソフトウェア等の受託を中心とした各種ソフトウェアの設計、開発及びデータコンテンツのライセンス等に関する製品・サービス領域であります。 「データアナリティクス領域」は、統計・数値データ解析ソフトウェア等における海外ソフトウェアの輸入販売及びテクニカルサポート等に関する製品・サービス領域であります。 製品・サービス別の売上高は、以下のとおりであります。製品・サービス別当連結会計年度前連結会計年度増減率(%)売上高(千円)売上割合(%)売上高(千円)売上割合(%)ソフトウェアプロダクト領域772,57219.7899,45721.7△14.1ソフトウェアディストリビューション領域1,275,90232.51,318,58931.9△3.2ソフトウェアサービス領域944,33024.11,005,76924.3△6.1データアナリティクス領域931,67123.7914,97322.11.8合計3,924,475100.04,138,789100.0△5.2 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は1,995,296千円となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果、減少した資金は137,845千円(前連結会計年度は137,876千円の増加)となりました。これは主に、減損損失219,628千円、のれん償却額94,011千円により資金が増加した一方で、税金等調整前当期純損失433,316千円により資金が減少したことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果、減少した資金は62,570千円(前連結会計年度は23,157千円の増加)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出44,701千円、投資有価証券の取得による支出15,000千円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果、増加した資金は851,271千円(前連結会計年度は220,915千円の減少)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出148,729千円により資金が減少した一方で、長期借入れによる収入1,000,000千円により資金が増加したことによるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度の生産実績を製品・サービス別に示すと、次のとおりであります。製品・サービス別金額(千円)前年同期比(%)ソフトウェアプロダクト領域78,143△29.6ソフトウェアディストリビューション領域274,32010.7ソフトウェアサービス領域867,802△1.8データアナリティクス領域100△97.0合計1,220,365△2.1 (注)金額は販売価格によっております。 b.受注実績当連結会計年度の受注状況を製品・サービス別に示すと、次のとおりであります。製品・サービス別受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)ソフトウェアプロダクト領域67,126△45.92,700△80.1ソフトウェアディストリビューション領域273,57713.8--ソフトウェアサービス領域866,4630.537,962142.0データアナリティクス領域100△97.0--合計1,207,266△1.840,662△11.4 (注)金額は販売価格によっております。 c.販売実績当連結会計年度の販売実績を製品・サービス別に示すと、次のとおりであります。製品・サービス別金額(千円)前年同期比(%)ソフトウェアプロダクト領域772,572△14.1ソフトウェアディストリビューション領域1,275,902△3.2ソフトウェアサービス領域944,330△6.1データアナリティクス領域931,6711.8合計3,924,475△5.2 (注)金額は販売価格によっております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.財政状態(資産) 当連結会計年度末における資産は、3,698,939千円(前連結会計年度末比248,462千円増)となりました。これは主に、のれんが231,886千円、受取手形及び売掛金が83,981千円減少した一方で、現金及び預金が649,242千円増加したことによるものであります。(負債) 当連結会計年度末における負債は、1,788,230千円(前連結会計年度末比733,802千円増)となりました。これは主に、長期借入金が679,905千円、1年内返済予定の長期借入金が171,366千円増加したことによるものであります。(純資産) 当連結会計年度末における純資産は、1,910,709千円(前連結会計年度比485,339千円減)となりました。これは主に、利益剰余金が518,702千円減少したことによるものであります。 この結果、自己資本比率は51.7%となりました。 b.経営成績・ソフトウェアプロダクト領域 当領域は、高速起動製品における国内外の車載機器関連及び海外民生機器の既存顧客からのロイヤルティ売上、セキュリティ製品及びデータベース製品における産業機器の既存顧客からのロイヤルティ売上、並びに音声コードUni-Voice(ユニボイス)製品における印刷関連の既存顧客から行政関連に伴うロイヤルティ売上を中心に、売上高772,572千円(前連結会計年度比14.1%減)となりました。この減少要因は、前連結会計年度に比べてUni-Voice(ユニボイス)製品の売上が増加したものの、当連結会計年度におけるセキュリティ&OS関連製品のロイヤルティ売上が大幅に減少したことにより、当領域全体としての売上が減少したことによるものです。 ・ソフトウェアディストリビューション領域 当領域は、BIOS、Bluetooth、ソフトウェア解析・開発効率化ツール及びネットワークマネジメント等の海外製品における既存顧客からのロイヤルティ及び受託開発売上、セキュリティ検証ツール・サービスの既存及び新規顧客へのライセンス販売並びに受託開発売上を中心に、売上高1,275,902千円(前連結会計年度比3.2%減)となりました。この減少要因は、ネットワークマネジメント製品における既存顧客向けライセンス売上が前連結会計年度に前倒しで計上されたこと、前連結会計年度に発生したミドルウェア製品の売上が当連結会計年度に発生しなかったことに加え、OSS検査ツールの代理店契約終了により売上が減少したことによるものです。 ・ソフトウェアサービス領域 当領域は、既存顧客からの各種受託開発売上、データコンテンツ「YOMI」に関する車載機器向けを中心としたライセンス売上により、売上高944,330千円(前連結会計年度比6.1%減)となりました。この減少要因は、前連結会計年度と比べて、既存顧客における開発計画の変更等の影響により受託開発が減少したこと、並びに車載機器向け「YOMI」ライセンス売上が減少したことによるものです。 ・データアナリティクス領域 当領域は、一般企業への化学系データベース及び画像解析ソフトの販売が増加したことにより、売上高931,671千円(前連結会計年度比1.8%増)となりました。 これらの結果、ソフトウェア事業は、売上高2,992,804千円(前連結会計年度比7.2%減)、販売用ソフトウェアに係る減価償却費62,064千円を計上したことなどにより、セグメント損失244,619千円(前連結会計年度は44,755千円の利益)、アナリシスソフトウェア事業は、売上高931,671千円(前連結会計年度比1.8%増)、セグメント利益43,502千円(前連結会計年度比15.9%減)となりました。 以上の結果、当連結会計年度の業績は、以下のとおりとなりました。(売上高) 当連結会計年度における連結売上高合計は3,924,475千円(前連結会計年度比5.2%減)となりました。(売上原価、販売費及び一般管理費) 売上原価2,416,869千円(前連結会計年度比0.0%増)、販売費及び一般管理費1,708,723千円(同5.1%増)を計上いたしました。販売費及び一般管理費の主な内訳は、給料及び手当732,864千円(同8.4%増)、支払手数料344,998千円(同43.8%増)であります。(経常利益) 経常損失213,688千円(前連結会計年度は92,889千円の利益)を計上いたしました。これは、主に営業損失201,117千円(前連結会計年度は96,498千円の利益)、営業外費用として支払手数料24,046千円(社内調査委員会による外部法律事務所等への調査関連費用)を計上した一方で、当該費用に係るD&O保険(役員等賠償責任保険契約)による保険金の支払いを受けたことから、受取保険金10,000千円を営業外収益として計上したためであります。(特別損失) 特別損失219,628千円(前連結会計年度は18,037千円)を計上いたしました。これは、当社グループの連結子会社である株式会社グレープシステムの買収時に超過収益力を前提として計上したのれんについて、昨今の外部環境の変化により、来期以降の収益性が低迷する見通しとなったことから、のれんに係る減損損失137,875千円を計上しており、加えて、当社及び株式会社グレープシステムの固定資産についても、減損の兆候が認められたため、固定資産に係る減損損失81,753千円を計上したためであります。(親会社株主に帰属する当期純利益) 将来の課税所得の見積り及び繰延税金資産の回収可能性を検討した結果、繰延税金資産を取り崩し、法人税等調整額(損)64,234千円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失は518,702千円(前連結会計年度は91,084千円の利益)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。b.資本の財源及び資金の流動性 資金の流動性につきましては、中長期的な企業価値の向上を図る観点から、M&A等の成長戦略の所要資金確保、財務の健全性強化のための内部留保の積上げ、株主の皆様への利益還元の拡充とのバランスを考慮することを基本としております。成長戦略に伴うM&Aや投資のための所要資金につきましては、グループ内での営業活動による自己資金や金融機関からの借入により調達しております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

事業リスク

  • 技術陳腐化と研究開発費
    電子・電気機器分野の技術革新は非常に速く、新しい技術の台頭や競合他社の優れた技術開発により、自社技術が陳腐化するリスクがあります。これに対応するためには多額の研究開発費用が必要となり、業績に影響を与える可能性があります。
  • 競争激化と収益性低下
    LinuxやAndroidなどの無償ソフトウェアプラットフォームの拡大や、半導体メーカーによるソフトウェアの包括提供により、特にミドルウェア製品市場での競争が激化しています。無償ソフトウェアでは得られない品質保証や技術サポートで差別化を図るものの、市場シェアを獲得できない場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
  • 自動車業界への依存と景気変動
    事業収益の大部分を自動車業界関連が占めているため、自動車販売台数の減少や開発投資の抑制は、製造ロイヤリティ収益や開発委託業務に直接的な影響を与えます。経済全般の停滞も顧客の機器生産台数に影響し、収益が低下する可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,567 文字
3【事業等のリスク】 当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しております。 また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。 当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。 なお、文中における将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 技術の陳腐化について当社グループは、電子・電気機器開発に必要な自社開発のソフトウェア製品と海外メーカーの開発したソフトウェア製品を多様な分野に展開しておりますが、これらの技術革新のスピードは速く、製品の高機能化も進んでおります。当社グループといたしましては、技術の進展に鋭意対応していく方針ですが、当社グループが想定していない新技術の台頭、普及により事業環境が急変した場合、必ずしも迅速に対応できない可能性があります。また、競合他社が当社グループを上回る技術を開発した場合には、当社グループの技術が陳腐化する可能性があります。これらの状況に迅速に対応するため、多額の研究開発費用が発生する可能性もあります。上記のような事象が発生した場合には、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 ② 競争の激化について当社グループは、電子・電気機器開発に必要な自社開発のソフトウェア製品と海外メーカーの開発したソフトウェア製品を取り扱っております。近年は、LinuxやAndroid、FreeRTOS等の無償で利用できるソフトウェアプラットフォームが拡大し、また半導体メーカーが半導体デバイスと開発に必要なソフトウェアを組み合わせて包括的に提供する傾向にあり、特にミドルウェア製品群は、これらとの競争が激化しております。当社グループは、今後も競争力の維持強化に必要な製品ラインアップの強化、無償のソフトウェアでは得られない品質保証、技術サポートの提供や脆弱性へのリスク対応等による差別化を図ることで競争力の維持強化に向けた様々な取組みを進めてまいりますが、競争が優位に進められず、当該市場で十分なシェアを獲得できない場合には、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 新規事業について当社グループでは事業拡大を行う上で、当社グループ独自の技術やノウハウを活かした新規事業や製品を提供することが必要であると認識しております。このため、新規事業や製品への投資については、その市場性等について十分な検証を行った上で投資の意思決定を行っておりますが、市場環境の変化や不測の事態により、当初予定していた投資回収を実現できない可能性があります。また、新規事業や新規サービス・製品の立ち上げには、一時的に追加の人材採用、研究開発等が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 海外事業展開について当社グループは今後グローバルな事業展開を予定しておりますが、海外市場への事業進出には、各国政府の予期しない法律や規制の変更、社会・政治及び経済情勢の変化、異なる商慣習による取引先の信用リスク、競合企業の存在や知的財産権の取扱方法の違い、為替変動等の要因により、事業展開及びその成果が当初予測と異なる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 知的財産権について当社グループは自社開発したソフトウェアについて著作権を有しておりますが、第三者が当社グループの著作権を侵害することなく、当社グループのソフトウェアと同様の機能を実現した場合、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。また、当該第三者が特許権を取得した場合、当社グループが損害賠償義務を負担する可能性があります。加えて、当社グループが特定分野でのソフトウェア開発業務遂行のため、他社よりソフトウェアのソースコード開示を受けることが稀にありますが、この場合、当該ソースコードの開示を理由に当該成果物以外の当社グループ著作物に対する著作権侵害の訴訟等を受ける恐れがあります。 ⑥ ソフトウェアの不具合による顧客の損失について当社グループのソフトウェアの不具合による顧客の損失については、契約上、当社グループの損害賠償額の上限を当社グループが収受した契約対価に限定するように努めておりますが、このような事態が発生した場合、直接的に売上高の取消による損失が発生するのみならず、信用失墜により当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ DTLAからの高度機密情報の提供について当社グループは、DTCPのライセンス管理団体であるDTLA(Digital Transmission Licensing Administrator)に加盟し、同団体からDTCP仕様に関する高度機密情報の提供を受けております。当該情報は、DLNAやIPTVのコンテンツ保護における根幹の技術情報であり、当社グループ製品への統合により競争力を高めることができます。しかしながら、DTLAとの約定により、当該情報を当社グループの責任により漏洩した場合、最大8百万米ドルの制裁金を請求される可能性があります。 ⑧ DCPからの高度機密情報の提供について当社グループは、HDCPのライセンス管理団体であるDCP(Digital Content Protection)に加盟し、同団体からHDCP仕様に関する高度機密情報の提供を受けております。当該情報は、Miracast等と合わせて必要とされるコンテンツ保護における根幹の技術情報であり、当社グループ製品への統合により競争力を高めることができます。しかしながら、DCPとの約定により、当該情報を当社グループの責任により漏洩した場合、最大8百万米ドルの制裁金を請求される可能性があります。 ⑨ ライセンス契約について当社グループは、顧客との間で、当社グループソフトウェアを搭載した半導体・製品等の販売本数に応じて製造ロイヤルティを収受する契約を締結しております。従って、当社グループの売上高は、顧客の半導体・製品等の販売本数に影響を受けることとなります。顧客の半導体・製品等の販売が好調であった場合、予想外の収益を計上できる可能性がありますが、一方、顧客の新製品の発売時期が遅延した場合や当初の販売見込みを下回った場合、顧客の販売戦略に変更が生じた場合等においては、当社グループの収益が低下する可能性があります。 ⑩ 仕入先との契約更新に係るリスクソフトウェアディストリビューション領域及びデータアナリティクス領域では、国外のソフトウェアベンダーの製品の輸入販売を行い、最先端の技術・製品等を有する海外のソフトウェアベンダーを仕入先としております。それらの仕入先とは販売代理店契約等を締結し、良好な関係を維持しておりますが、仕入先が第三者からの買収や代理店政策の見直しがあった場合は、商権に変更が生じる等、業績に影響を与える可能性があります。 ⑪ 契約更新に係るリスク米国Gracenote社の音楽データベースに関するライセンス契約を締結し、一定の収益を計上しております。しかしながら、相手先企業の経営方針の変更等、当社がコントロールし得ない何らかの事情によりこの契約が更新されなかった場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑫ 経済状況・市場動向が影響するリスクⅰ)自動車業界の動向が影響するリスク 当社グループの事業収益は自動車業界関連が大部分を占めております。そのため、自動車の販売台数が減少した場合には、車載情報端末を中心とした製造ロイヤルティ収益に影響を及ぼす可能性があります。 また、自動車関連企業が収益減少のために開発投資へリソースを割かない場合、ソフトウェア開発支援ツール、各ソフトウェア開発キット及び関連する開発委託業務に影響を及ぼす可能性があります。ⅱ)経済全般の停滞が影響するリスク 景気低迷による顧客の機器生産台数の低迷により、製造ロイヤルティ収益へ影響を及ぼす可能性があります。 また、収益低下懸念による費用圧縮に伴う新規開発投資の抑制により、ソフトウェア開発支援ツール、SDK及び関連する開発委託業務へ影響を及ぼす可能性があります。

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