3918

PCIホールディングス(3918)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • 純粋持株会社体制
    PCIホールディングスは、自らは事業を行わず、グループ全体の経営戦略の策定、ガバナンスの構築、経営資源の最適配分、子会社への指導・管理を行う純粋持株会社です。これにより、グループ全体の効率的な運営と成長を支援しています。
  • 情報サービス事業
    連結子会社6社(うち孫会社3社)が、ソフトウェアやハードウェアの開発、自社ソリューションの開発・保守、半導体のテスト・設計などを主たる業務としています。これにより、多岐にわたる情報サービス分野で収益を上げています。
  • 多様な技術領域
    自動車関連の組み込み制御システム開発、金融機関・官公庁向け業務システム開発、自社パッケージソフトウェア、組み込みPC開発、半導体設計・テスト受託、IoTソリューション提供、AI活用ソリューションなど、幅広い技術とサービスを提供し、多様な顧客ニーズに対応しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • エンジニアリング事業
    自動車関連、情報家電、モバイルなどの組み込み制御システムや、一般企業、金融機関、官公庁向けの業務システム設計・開発が主な事業です。売上高は71.6978億円、営業利益は4.96221億円と、グループ内で最も大きな売上を誇る基幹事業です。
  • プロダクト/デバイス事業
    組み込みPCやコントローラーの開発・製造・販売、半導体設計・テスト受託、LSIターンキーサービスを提供しています。売上高は42.56831億円、営業利益は2.43701億円で、ハードウェアと半導体関連の専門技術を活かした事業を展開しています。
  • ICTソリューション事業
    組み込み制御技術やアプリケーション技術を活かしたIoTソリューションの提供、顧客企業との共同開発、AI活用ソリューション、IoTプラットフォーム、サービスインテグレーションが主な事業です。売上高は18.51613億円、営業利益は3.30398億円で、比較的新しい技術領域で高い収益性を上げています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
EngineeringReportableSegment 事業 72 5 6.9%
ProductDeviceReportableSegment 事業 43 2 5.7%
ICTSolutionReportableSegment 事業 19 3 17.8%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|782 文字
3 【事業の内容】当社グループは、純粋持株会社である当社(PCIホールディングス株式会社)並びに情報サービス事業を営む連結子会社6社(うち、孫会社3社)により構成されており、ソフトウェア及びハードウェア開発、自社ソリューションの開発・保守、半導体のテスト・設計等を主たる業務としております。純粋持株会社である当社は、グループ経営戦略の策定、コーポレート・ガバナンスの構築、経営資源のグループ内最適配分及びグループ各社に対する経営全般における指導・管理等を行っております。当社グループの事業内容及び当社とグループ各社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであり、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であります。なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することになります。 セグメント区分主な事業内容エンジニアリング事業自動車関連、情報家電、モバイル等の組込み制御系システムの設計・開発一般企業、金融機関、官公庁向けの業務システムの設計・開発及びITシステム構築、自社パッケージソフトウェア製品の企画・開発プロダクト/デバイス事業組込みPC、コントローラー等の開発・製造・販売半導体設計・テスト受託、LSIターンキーサービスICTソリューション事業組込制御技術、アプリケーション技術等の当社グループの強みを活かしたIoTソリューションの提供、顧客企業との共同開発AI活用ソリューション、IoTプラットフォーム、サービスインテグレーション [事業系統図]以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。 ※孫会社を除く

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
情報サービス業界での価格競争激化や競合他社の技術力向上による影響があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
高度な専門技術、知識を有する技術者要員の確保が必要であり、技術革新への対応も求められる。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 軽い(資本不要)
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:経済・市場環境による顧客の設備投資意欲等の影響 / グローバルな半導体需給の影響 / AIの利活用・技術革新による影響
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 2 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

現時点では、PCIホールディングスが保有する特許、ブランド、規制ライセンス、独占的IPに関する具体的な情報は開示されておらず、無形資産による競争優位性は確認できません。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

同社は主にITサービスを提供しており、顧客がシステムを刷新する際には一定のスイッチングコストが発生する可能性があります。しかし、その規模や顧客定着率を示す具体的なデータは不足しています。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の事業内容からは、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果が発生する構造は見られません。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

同社の事業において、構造的に競合他社よりも低コストで製品やサービスを提供できるという優位性を示す証拠はありません。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

情報通信業という広範な業界において、同社が業界規模に対して最適な少数寡占を形成しているとは言えません。市場シェアや規模の経済性に関する具体的なデータは不足しています。

  • 多様な事業ポートフォリオ
    自動車関連の組み込み制御システムから金融機関向け業務システム、半導体設計、IoT・AIソリューションまで、幅広い事業領域を持つことで、特定の市場変動リスクを分散し、安定的な収益基盤を構築しています。
  • 専門技術力と開発力
    ソフトウェア・ハードウェア開発、半導体テスト・設計、IoT・AIといった高度な専門技術を保有しており、顧客の複雑な課題解決に貢献しています。特に組み込み制御技術やアプリケーション技術は、グループの強みとして競争優位性を確立しています。
  • グループ経営戦略
    純粋持株会社として、グループ全体の経営戦略策定やガバナンス構築、経営資源の最適配分を行うことで、各事業会社の連携を強化し、効率的な事業運営と成長を促進しています。これにより、グループ全体の競争力を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ)が判断したものであります。(1) 経営方針当社グループは、企業理念として「我々は、お客様の満足を通じて全社員の幸せを追求し、そして社会の発展に貢献します。」を掲げ、以下の行動方針のもと、事業を展開しております。 (行動方針)・安定した事業成長を実現します・ユーザーに適したソリューションを提供します・応援して頂ける企業を目指します・積極的(Positively)に変化(Change)を求め、革新(Innovate)します・全てのステークホルダーに満足して頂ける企業を目指します (2) 目標とする経営指標当社グループは、収益の「質」向上の視点での「EBITDAマージン」、資本効率性の視点での「ROE(自己資本利益率)、ROIC(投下資本利益率)」、市場評価の視点での「PBR(株価純資産倍率)」を重視いたします。これら指標の向上に向け、経営環境の変化に柔軟に対応しつつ、収益力の強化と資本効率の最適化に向けた諸施策を推進してまいります。具体的には、ROE向上のために、収益の「質」向上への取組み及び適切な資本政策・株主還元を実施いたします。また、PBR向上に向けて、株主・投資家に当社グループの事業内容や成長性を理解していただくようIR活動を充実させることで改善を図ってまいります。 (3) 経営環境① 企業構造当社グループは、純粋持株会社である当社を中心に、ソフトウェア開発、産業用PC設計・製造、自社ソリューションの開発・保守、半導体の設計・テスト等の情報サービス事業を営む連結子会社6社(うち、孫会社3社)により構成されております。各事業会社それぞれの文化と独自性を尊重しながら、グループ全体のシナジー効果を発揮し、市場環境の変化や多様化する社会ニーズに機動的かつ柔軟に対応することで、更なる企業価値の向上を図っております。 ② 市場環境国内においては雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により、景気は緩やかな回復基調が続くものと期待されます。一方で、各国の通商政策の変化や地政学的リスクの長期化による供給網への影響、為替市場の変動がもたらす不透明感は依然として高く、景気の下振れリスクには引き続き警戒が必要です。また、物価上昇が定着する中で、実質賃金の動向が個人消費や企業の投資意欲に与える影響、さらには国内外の金利動向に伴う金融資本市場の変動リスクについても、注視が必要であると認識しております。このような環境下において、当社グループが属する情報サービス産業におきましては、生成AIの実装フェーズへの移行や、あらゆるデバイスがネットワークにつながるAIoTの進化を背景に、社会全体のデジタル化が新たな段階を迎えています。特に自動車業界におけるSDV(Software Defined Vehicle)化の加速をはじめとしたソフトウェア開発投資は拡大傾向にあり、当社の強みである組込みソフトウェア技術への需要は堅調に推移するものと見込んでおります。加えて、深刻化するIT人材不足を背景とした業務効率化や自動化、高度なセキュリティ対策への投資意欲は、今後も持続的に高まっていくものと考えられます。 ③ 内部環境:当社グループの強みイ.技術力・組込みソフトウェア開発、組込みPCの設計・製造・保守、半導体の設計・テスト、AI画像解析をはじめとする豊富な実績のある技術ロ.リレーションシップ・自動車関連業界や半導体業界をはじめとした強固な顧客基盤・プラットフォーマー、パッケージベンダー、ソフトウェアハウス、エレクトロニクス商社等との幅広いパートナーネットワークハ.迅速性・高付加価値性・クラウドプラットフォームを活用した迅速なシステムインテグレーション・AI画像解析技術やクラウド技術を応用した自社商材 (4) 中長期的な経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① 各事業における基本戦略情報サービス産業は、技術革新の進展に伴い、市場ニーズが絶えず変化する経営環境にあります。この中で持続的な成長を目指すには、先を見据えた技術力の確保と事業の目利きが必要不可欠です。当社グループは、これまで培ってきた技術力をベースにお客様とのリレーションを深化させ、強みを持つ産業分野や技術分野をより強化してまいります。市場における競争優位性を高め、各領域において高い評価と信頼をいただける存在を目指し、以下の通りセグメント別の戦略を推進してまいります。 イ.エンジニアリング事業(安定コア事業)当社の収益の屋台骨であるため持続的な利益の創出を第一に考え、市場変化への対応力並びにそれを踏まえた技術対応力を磨き、“ゆらぎ”の少ない堅実な成長を目指す<競争力強化に向けた取組み項目>・事業分野の選択と集中を図り、収益力の高い分野への人財シフト・未来につながる技術力の確保(育成並びに先端的なスタートアップ企業との協業)・集中する事業・技術分野への技術者の知識・スキルの再構成 ロ.プロダクト/デバイス事業(安定コア事業)技術力を磨き続けることによって医療機器メーカーや半導体メーカーをはじめとする優良な顧客を基盤として持続的な成長を実現する。また、“モノ”にまつわるサービスを強化することにより包括的な価値提供による差別化・高付加価値化を図る<競争力強化に向けた取組み項目>・製品・サービスの組み合わせにより、顧客のバリューチェーンの複数の工程をカバーする包括的な価値を提供・製品開発能力や量産能力を活かしたIoT・Edge-AI分野等の新製品を開発・販売 ハ.ICTソリューション事業(成長ドライバー事業)AI関連やクラウド関連にフォーカスし、積極的に経営資源を投入し、迅速に高付加価値のソリューションを提供する<競争力強化に向けた取組み項目>・強みを有するサービスにフォーカスし、技術者リソースを集中投入・顧客に提供したソリューションをパッケージ化・製品化し、同様のニーズを有する顧客に拡販・顧客接点を通じたニーズの拡がりを常に捕捉し続け、新たなサービス領域の探索、必要技術の積極的な習得 ② 優先的に対処すべき課題当社グループは、事業環境の急速な変化を好機と捉え、中長期的な企業価値の最大化に向けた経営体制の刷新を進めております。収益性の向上と資本効率の改善を軸とした「質」の追求へと経営の舵を切り、親会社である株式会社レスターとの資本業務提携による強固な経営基盤のもと、具体的施策を迅速かつ着実に実行いたします。また、以下の課題に優先して取り組んでまいります。 イ.株式会社レスターとの連携による事業領域の拡大2024年秋の提携により、当社は株式会社レスターの連結子会社となりました。同グループが有する国内外の幅広い顧客ネットワークと当社のエンベデッド技術等を機能的に融合させ、付加価値の高いソリューションを提供いたします。上流プロセスからの参画を加速させ、ハード・ソフトを組み合わせた複合的な提案力を高めることで、単独では困難であった新たな事業領域の開拓と、飛躍的なシナジー創出を実現してまいります。 ロ.先端技術を牽引する人材の育成と確保IT人材の不足が深刻化する中、優秀なエンジニアの確保と育成は持続的成長における最重要課題です。高度化する技術水準に対応するため、当社は「人的資本経営」の理念のもと、採用力強化と既存社員のリスキリングに積極投資を行います。クラウドやAI、サイバーセキュリティ等の重点分野へのスキル転換を後押しし、健康経営や多様な働き方の整備を通じてエンゲージメントを向上させ、従業員が能力を最大限発揮できる組織風土を構築してまいります。 ハ.次世代技術領域における独自ブランドの確立受託開発への依存から脱却し、独自の付加価値を提供するブランドの確立に注力します。強みである組込みソフト開発の知見を活かし、自動車業界のSDVや自動運転領域へのリソース集中を図ります。また、生成AIを活用した自社プロダクト開発や、IoT領域の事業化を推進します。顧客課題を解決する「提案型・創出型」モデルへと進化し、安定的な収益基盤となる独自ブランドを確立することで、市場における競争優位性を揺るぎないものにします。 ニ.資本効率を重視した高収益体質への転換当社グループは、売上高が成長した一方で、資本効率(ROE・ROIC)が市場の期待に十分応えられていないことが課題です。各事業の採算性やリターンを的確に評価し、経営資源を成長領域へ重点配分するポートフォリオの最適化を断行します。同時に、不採算案件の撲滅に向けたプロジェクト管理の抜本的強化やコスト構造改革を進め、外部環境の変化に強い高収益体質への転換を急務として推進してまいります。 ホ.実効性の高いガバナンスとサステナビリティ経営当社は、上場子会社として、少数株主の皆様の利益を保護する重大な責務を負っております。親会社との連携によるシナジー追求と経営の独立性・客観性の確保を厳格に両立させ、独立社外役員を活用したガバナンス体制を強化し、利益相反の回避を徹底いたします。また、人的資本への投資やAIガバナンスの構築、情報セキュリティ体制の強化を柱としたサステナビリティ経営を深化させ、透明性の高い情報開示と建設的な対話を継続してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ)が判断したものであります。(1) 経営方針当社グループは、企業理念として「我々は、お客様の満足を通じて全社員の幸せを追求し、そして社会の発展に貢献します。」を掲げ、以下の行動方針のもと、事業を展開しております。 (行動方針)・安定した事業成長を実現します・ユーザーに適したソリューションを提供します・応援して頂ける企業を目指します・積極的(Positively)に変化(Change)を求め、革新(Innovate)します・全てのステークホルダーに満足して頂ける企業を目指します (2) 目標とする経営指標当社グループは、収益の「質」向上の視点での「EBITDAマージン」、資本効率性の視点での「ROE(自己資本利益率)、ROIC(投下資本利益率)」、市場評価の視点での「PBR(株価純資産倍率)」を重視いたします。これら指標の向上に向け、経営環境の変化に柔軟に対応しつつ、収益力の強化と資本効率の最適化に向けた諸施策を推進してまいります。具体的には、ROE向上のために、収益の「質」向上への取組み及び適切な資本政策・株主還元を実施いたします。また、PBR向上に向けて、株主・投資家に当社グループの事業内容や成長性を理解していただくようIR活動を充実させることで改善を図ってまいります。 (3) 経営環境① 企業構造当社グループは、純粋持株会社である当社を中心に、ソフトウェア開発、産業用PC設計・製造、自社ソリューションの開発・保守、半導体の設計・テスト等の情報サービス事業を営む連結子会社6社(うち、孫会社3社)により構成されております。各事業会社それぞれの文化と独自性を尊重しながら、グループ全体のシナジー効果を発揮し、市場環境の変化や多様化する社会ニーズに機動的かつ柔軟に対応することで、更なる企業価値の向上を図っております。 ② 市場環境国内においては雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により、景気は緩やかな回復基調が続くものと期待されます。一方で、各国の通商政策の変化や地政学的リスクの長期化による供給網への影響、為替市場の変動がもたらす不透明感は依然として高く、景気の下振れリスクには引き続き警戒が必要です。また、物価上昇が定着する中で、実質賃金の動向が個人消費や企業の投資意欲に与える影響、さらには国内外の金利動向に伴う金融資本市場の変動リスクについても、注視が必要であると認識しております。このような環境下において、当社グループが属する情報サービス産業におきましては、生成AIの実装フェーズへの移行や、あらゆるデバイスがネットワークにつながるAIoTの進化を背景に、社会全体のデジタル化が新たな段階を迎えています。特に自動車業界におけるSDV(Software Defined Vehicle)化の加速をはじめとしたソフトウェア開発投資は拡大傾向にあり、当社の強みである組込みソフトウェア技術への需要は堅調に推移するものと見込んでおります。加えて、深刻化するIT人材不足を背景とした業務効率化や自動化、高度なセキュリティ対策への投資意欲は、今後も持続的に高まっていくものと考えられます。 ③ 内部環境:当社グループの強みイ.技術力・組込みソフトウェア開発、組込みPCの設計・製造・保守、半導体の設計・テスト、AI画像解析をはじめとする豊富な実績のある技術ロ.リレーションシップ・自動車関連業界や半導体業界をはじめとした強固な顧客基盤・プラットフォーマー、パッケージベンダー、ソフトウェアハウス、エレクトロニクス商社等との幅広いパートナーネットワークハ.迅速性・高付加価値性・クラウドプラットフォームを活用した迅速なシステムインテグレーション・AI画像解析技術やクラウド技術を応用した自社商材 (4) 中長期的な経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① 各事業における基本戦略情報サービス産業は、技術革新の進展に伴い、市場ニーズが絶えず変化する経営環境にあります。この中で持続的な成長を目指すには、先を見据えた技術力の確保と事業の目利きが必要不可欠です。当社グループは、これまで培ってきた技術力をベースにお客様とのリレーションを深化させ、強みを持つ産業分野や技術分野をより強化してまいります。市場における競争優位性を高め、各領域において高い評価と信頼をいただける存在を目指し、以下の通りセグメント別の戦略を推進してまいります。 イ.エンジニアリング事業(安定コア事業)当社の収益の屋台骨であるため持続的な利益の創出を第一に考え、市場変化への対応力並びにそれを踏まえた技術対応力を磨き、“ゆらぎ”の少ない堅実な成長を目指す<競争力強化に向けた取組み項目>・事業分野の選択と集中を図り、収益力の高い分野への人財シフト・未来につながる技術力の確保(育成並びに先端的なスタートアップ企業との協業)・集中する事業・技術分野への技術者の知識・スキルの再構成 ロ.プロダクト/デバイス事業(安定コア事業)技術力を磨き続けることによって医療機器メーカーや半導体メーカーをはじめとする優良な顧客を基盤として持続的な成長を実現する。また、“モノ”にまつわるサービスを強化することにより包括的な価値提供による差別化・高付加価値化を図る<競争力強化に向けた取組み項目>・製品・サービスの組み合わせにより、顧客のバリューチェーンの複数の工程をカバーする包括的な価値を提供・製品開発能力や量産能力を活かしたIoT・Edge-AI分野等の新製品を開発・販売 ハ.ICTソリューション事業(成長ドライバー事業)AI関連やクラウド関連にフォーカスし、積極的に経営資源を投入し、迅速に高付加価値のソリューションを提供する<競争力強化に向けた取組み項目>・強みを有するサービスにフォーカスし、技術者リソースを集中投入・顧客に提供したソリューションをパッケージ化・製品化し、同様のニーズを有する顧客に拡販・顧客接点を通じたニーズの拡がりを常に捕捉し続け、新たなサービス領域の探索、必要技術の積極的な習得 ② 優先的に対処すべき課題当社グループは、事業環境の急速な変化を好機と捉え、中長期的な企業価値の最大化に向けた経営体制の刷新を進めております。収益性の向上と資本効率の改善を軸とした「質」の追求へと経営の舵を切り、親会社である株式会社レスターとの資本業務提携による強固な経営基盤のもと、具体的施策を迅速かつ着実に実行いたします。また、以下の課題に優先して取り組んでまいります。 イ.株式会社レスターとの連携による事業領域の拡大2024年秋の提携により、当社は株式会社レスターの連結子会社となりました。同グループが有する国内外の幅広い顧客ネットワークと当社のエンベデッド技術等を機能的に融合させ、付加価値の高いソリューションを提供いたします。上流プロセスからの参画を加速させ、ハード・ソフトを組み合わせた複合的な提案力を高めることで、単独では困難であった新たな事業領域の開拓と、飛躍的なシナジー創出を実現してまいります。 ロ.先端技術を牽引する人材の育成と確保IT人材の不足が深刻化する中、優秀なエンジニアの確保と育成は持続的成長における最重要課題です。高度化する技術水準に対応するため、当社は「人的資本経営」の理念のもと、採用力強化と既存社員のリスキリングに積極投資を行います。クラウドやAI、サイバーセキュリティ等の重点分野へのスキル転換を後押しし、健康経営や多様な働き方の整備を通じてエンゲージメントを向上させ、従業員が能力を最大限発揮できる組織風土を構築してまいります。 ハ.次世代技術領域における独自ブランドの確立受託開発への依存から脱却し、独自の付加価値を提供するブランドの確立に注力します。強みである組込みソフト開発の知見を活かし、自動車業界のSDVや自動運転領域へのリソース集中を図ります。また、生成AIを活用した自社プロダクト開発や、IoT領域の事業化を推進します。顧客課題を解決する「提案型・創出型」モデルへと進化し、安定的な収益基盤となる独自ブランドを確立することで、市場における競争優位性を揺るぎないものにします。 ニ.資本効率を重視した高収益体質への転換当社グループは、売上高が成長した一方で、資本効率(ROE・ROIC)が市場の期待に十分応えられていないことが課題です。各事業の採算性やリターンを的確に評価し、経営資源を成長領域へ重点配分するポートフォリオの最適化を断行します。同時に、不採算案件の撲滅に向けたプロジェクト管理の抜本的強化やコスト構造改革を進め、外部環境の変化に強い高収益体質への転換を急務として推進してまいります。 ホ.実効性の高いガバナンスとサステナビリティ経営当社は、上場子会社として、少数株主の皆様の利益を保護する重大な責務を負っております。親会社との連携によるシナジー追求と経営の独立性・客観性の確保を厳格に両立させ、独立社外役員を活用したガバナンス体制を強化し、利益相反の回避を徹底いたします。また、人的資本への投資やAIガバナンスの構築、情報セキュリティ体制の強化を柱としたサステナビリティ経営を深化させ、透明性の高い情報開示と建設的な対話を継続してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当社グループは、前連結会計年度より事業年度を従来の9月30日から3月31日に変更いたしました。これに伴い、前連結会計年度は2024年10月1日から2025年3月31日までの6ケ月間の変則決算となりましたので、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関して、前連結会計年度との比較は記載しておりません。 経営成績等の状況の概要(1) 業績当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)における我が国経済は、雇用・所得環境の改善等により、緩やかな回復基調となりました。一方で、物価上昇の継続に加え、米国の通商政策の動向や中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格の上昇への懸念、地政学的リスクの高まりによる金融資本市場への影響等、依然として先行き不透明な状況下で推移いたしました。当社グループが属する情報サービス産業においては、社会全体で進展しているデジタル化や、進展が著しい生成AI等の先端技術の活用に関する設備投資は継続しており、IT投資・DX関連投資需要は堅調に推移いたしました。しかしながら、IT人材不足は常態化しており、特に先端IT人材の確保とリスキリングによる技術力向上が課題となっております。このような状況下において、当社グループは、2025年5月13日に公表いたしました中期経営計画「PCI-VISION2027」に基づき、既存事業の深化とともに持続的成長及び収益の「質」向上を目指し、「①パーパス経営の実践」「②高収益体質へのシフト」「③人的資本経営の高度化」「④サステナブル経営の深化」のこれら4項目を基本コンセプトとした事業活動を推進してまいりました。また、親会社である株式会社レスター及びそのグループ会社の豊富な経営資源の有効活用を図りつつ、両社グループの協業による事業展開を推進してまいりました。 以上の結果、当連結会計年度における売上高は26,835百万円、営業利益は1,558百万円、経常利益は1,621百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,129百万円となりました。 セグメント別の概況は、次のとおりであります。 (エンジニアリング事業)エンジニアリング事業につきましては、売上高は14,953百万円となり、セグメント利益は1,304百万円となりました。エンベデッド分野においては、米国関税の影響が継続して懸念されたものの、当期間への影響は軽微に留まりました。車載関連では、モビリティ変革の鍵となるSDV(※1)化の進展に伴い、ISO26262(機能安全規格)やAUTOSAR(※2)に準拠した車載システムのAD/ADAS(※3)ソフトウェア開発案件の需要が拡大いたしました。これらの高度な専門性を要する案件の引き合いが強かったことから、自動車関連が堅調に推移いたしました。また、通信・制御系の組込み開発案件が好調に推移いたしました。エンタープライズ分野においては、官公庁向けシステム開発案件を受注する等、堅調に推移した他、ERP構築案件が収益に大きく貢献いたしました。当連結会計年度よりシステム開発工程において生成AIツールの活用を推進し、開発生産性の向上に努めてまいりました。 (プロダクト/デバイス事業)プロダクト/デバイス事業につきましては、売上高は7,986百万円となり、セグメント利益は366百万円となりました。組込PC/コントローラ分野につきましては、官公庁向けPCの大口案件や生産性向上の取り組みにより収益性改善の進展があったものの、主要顧客の需要減少に加え、急激な為替変動やメモリ等の部材価格高騰が原価を押し上げ、利益を圧迫する結果となりました。半導体設計・テスト分野につきましては、車載インフラやIoT関連に係る半導体潜在需要は底堅く、商談件数は増加傾向にあります。主要顧客からの受注減に対し、顧客基盤の多角化を推進しており、受注水準は緩やかな改善傾向にあるものの、当初想定した回復ペースに対しては依然として途上の状況にあります。また、一部の開発案件で工数の大幅な超過が発生し、プロジェクトの採算性が悪化したことで、同分野の収益性が低下いたしました。 (ICTソリューション事業)ICTソリューション事業につきましては、売上高は4,036百万円となり、セグメント利益は617百万円となりました。ソリューション分野におきましては、AIを活用した自社ソリューションに加え、AWS(Amazon Web Services)等のクラウドプラットフォームやノーコード開発プラットフォームを活用したシステム構築案件が好調に推移いたしました。また、花き市場・水産市場向けソリューション案件が着実に進展したことが売上高の増加に大きく寄与いたしました。メインフレーム系につきましても、第1四半期連結累計期間に計上された大型案件が売上高の増加に寄与いたしました。 (注)上記に用いられている用語の説明は以下のとおりであります。 (※1)SDV:(Software Defined Vehicle)ソフトウェアによって車両の機能や特性を定義・制御され、アップデートを通じて、購入後も機能が向上する自動車の概念。 (※2)AUTOSAR:(AUTomotive Open System ARchitecture)自動車業界のソフトウェア開発の効率化を図るために、車載ソフトウェア開発の共通化を目指したプラットフォームの標準規格。 (※3)AD/ADAS:(Autonomous Driving/Advanced Driver-Assistance Systems、自動運転/先進運転支援)自動運転と、運転者の安全や利便性を支援するシステム。 (2) キャッシュ・フロー当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、4,594百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動により得られた資金は1,192百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,622百万円、減価償却費147百万円、のれん償却額181百万円、売上債権及び契約資産の減少806百万円があった一方で、棚卸資産の増加388百万円、仕入債務の減少505百万円、法人税等の支払額485百万円があったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動により使用した資金は53百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出73百万円があったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動により使用した資金は617百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出165百万円、配当金の支払額435百万円があったことによるものであります。 生産、受注及び販売の実績(1) 生産実績 セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)生産高前年同期比エンジニアリング事業166,916千円-%プロダクト/デバイス事業3,694,782 - 合計3,861,698 - (注) 金額は、製造原価によっております。 (2) 受注実績当社グループの事業は、受注から売上計上までの所要日数が短く、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため、記載を省略しております。 (3) 販売実績当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)販売高前年同期比エンジニアリング事業14,951,028千円-%プロダクト/デバイス事業7,946,907 - ICTソリューション事業3,937,917 - 報告セグメント計26,835,853 - 調整額- - 合計26,835,853 - (注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)キヤノン㈱(旧 キヤノンメディカルシステムズ㈱)1,419,41610.72,611,5799.7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 (1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき、合理的に判断して行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 (2) 財政状態の分析(資産)総資産は16,023百万円となり、前連結会計年度末に比べ123百万円増加しました。流動資産は12,396百万円となり、前連結会計年度末に比べ272百万円増加しました。その主な要因は、現金及び預金の増加521百万円、電子記録債権の減少905百万円、契約資産の増加105百万円、棚卸資産の増加388百万円によるものであります。固定資産は3,627百万円となり、前連結会計年度末に比べ149百万円減少しました。有形固定資産は23百万円、無形固定資産は176百万円それぞれ減少しましたが、投資その他の資産は50百万円増加しました。有形固定資産の減少の主な要因は、建物附属設備の減少26百万円であります。無形固定資産の減少の主な要因は、のれんの減少181百万円であります。投資その他の資産の増加の主な要因は、退職給付に係る資産の増加81百万円であります。 (負債)負債は5,834百万円となり、前連結会計年度末に比べ613百万円減少しました。流動負債は4,938百万円となり、前連結会計年度末に比べ500百万円減少しました。その主な要因は、買掛金の減少195百万円、電子記録債務の減少309百万円、契約負債の増加179百万円によるものであります。固定負債は895百万円となり、前連結会計年度末に比べ113百万円減少しました。その主な要因は、長期借入金の減少71百万円によるものであります。 (純資産)純資産は10,189百万円となり、前連結会計年度末に比べ736百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益1,129百万円の計上による増加の一方で、配当金の支払435百万円による減少等があったことによるものであります。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の56.5%から60.8%となりました。 (3) 経営成績の分析(売上高)売上高は、26,835百万円となりました。当連結会計年度においては、当社グループの成長ドライバーであるICTソリューション事業におけるクラウド・AI構築ビジネスの伸長やプロダクト/デバイス事業における官公庁向け案件の寄与により、概ね堅調に推移しました。一方で、米国の通商政策の不透明感等を背景とした外部環境の急激な変化に伴い、第3四半期以降、顧客の投資判断に慎重姿勢が見られ、エンジニアリング事業では主要顧客の一部の製造業における新製品開発計画見直しにより、開発案件の縮小や開始時期の期ずれが発生しました。加えて、プロダクト/デバイス事業においては、主要顧客の調達方針変更への対応が遅延したこと、及び、顧客の生産調整に伴い、受注時期やボリュームに当初想定との差異が生じる等の厳しい影響を受けました。 (売上原価)売上原価は、20,483百万円となりました。特に、プロダクト/デバイス事業では、昨年11月以降の急激な円安の進行やメモリ等の部材価格の高騰により調達コストが上昇したものの、継続的なコスト削減や価格転嫁により影響の最小化に努めました。 (販売費及び一般管理費、営業利益)販売費及び一般管理費は、4,794百万円となりました。上記の利益圧迫要因に対し、不要不急の経費抑制に努めてまいりましたが、中長期的な事業の成長を見据えた人的資本(採用・教育)及び研究開発への投資については、当初の方針通り実施しております。この結果、営業利益は1,558百万円となりました。 (営業外収益、営業外費用、経常利益)営業外収益は73百万円、営業外費用は9百万円となりました。営業外収益の主な内訳は、助成金収入24百万円や為替差益18百万円、営業外費用の主な内訳は、支払補償費4百万円や支払利息3百万円であります。この結果、経常利益は1,621百万円となりました。 (特別利益、特別損失、税金等調整前当期純利益)特別利益は22百万円、特別損失は21百万円となりました。特別利益の主な内訳は、新株予約権戻入益13百万円、株式会社ソードにおいて前連結会計年度に発生した製品不具合対応費用の戻入による特別対策費戻入益8百万円であります。特別損失の主な内訳は、グループ会社における人員体制見直しに伴う臨時の早期割増退職金等の事業構造改善費用14百万円であります。この結果、税金等調整前当期純利益は1,622百万円となりました。 (法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益)法人税等合計は、487百万円となりました。また、非支配株主に帰属する当期純利益は5百万円となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,129百万円となりました。 (4) 資本の財源及び資金の流動性当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。 当社グループの資金需要は主に運転資金需要と投資資金需要の2つがあります。運転資金需要のうち主なものは、ビジネスパートナー獲得のための費用の他、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、AI技術やDX関連などを含む各種の事業開発投資に加えて、最先端技術の獲得、顧客基盤の強化、あるいは事業成長の加速に資するM&Aの検討を継続的に行っております。これら資金需要につきましては、基本的には営業活動によるキャッシュ・フローを源泉とする自己資金にて対応する考えでおりますが、必要に応じて、後述の強固な財務基盤を背景にした多様な資金調達(金融機関からの借入、各種社債の発行等)にて対応する所存です。なお、当社グループの2026年3月末時点における、銀行借入等を通じた有利子負債が317百万円であるのに対し、現金及び現金同等物は4,594百万円と有利子負債を上回る水準となっており、強固な財務基盤を実現しております。手許の運転資金につきましては、当社及び連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネージメント・サービス)を導入することにより、各社における余剰資金を当社へ集中し一元管理を行うことで、十分な流動性を確保するとともに、資金効率の最適化を図っております。 (参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移 2023年9月期2024年9月期2025年3月期2026年3月期自己資本比率(%)48.756.656.560.8時価ベースの自己資本比率(%)60.266.655.663.1キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)0.84.20.80.3インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)271.333.6280.7343.1 自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。(注3)キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を利用しております。(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。 (5) 経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。事業環境、事業内容、事業運営体制等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部監査体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。 (6) 経営戦略の現状と見通し経営戦略の現状と見通しにつきましては、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。 (7) 経営者の問題認識と今後の方針について当社グループは、「我々は、お客様の満足を通じて全社員の幸せを追求し、そして社会の発展に貢献します」を企業理念として掲げております。この企業理念のもと、当社グループが今後さらなる成長と発展を遂げるためには、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載した課題に適切に対処していくことが必要であると認識しております。

事業リスク

  • 経済・市場環境の影響
    国内企業のソフトウェア・半導体等の設備投資動向に事業が左右されるため、景気低迷や設備投資意欲の減少は、新規顧客開拓の低迷や既存顧客からの受注減少、契約解約につながり、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 半導体需給の変動
    半導体関連事業は、半導体メーカーやターンキーメーカーを主な顧客としていますが、グローバルな事業統合や国内半導体メーカーの経営方針変更、コスト見直しにより、国内開発市場が縮小した場合、業績に影響が出る可能性があります。
  • 技術革新への対応
    情報サービス産業は技術革新が著しく、特にAIの進化は事業成長の機会であると同時に、変化するニーズや新技術に対応できない場合、あるいはAIの安全性・倫理的課題に適切に対応できない場合、社会的信用や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|9,726 文字
3 【事業等のリスク】本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社が判断したものであり、将来において発生する可能性のあるすべてのリスクを網羅するものではありません。 (1) 事業環境について① 経済・市場環境による顧客の設備投資意欲等の影響について当社グループの事業は、その業容上、国内企業によるソフトウェア・半導体等の設備投資動向に一定の影響を受けます。経済情勢の変化及び国内の景気低迷等により、市場における設備投資意欲が減少した場合は、新規顧客開拓の低迷や既存顧客からの受注減少、保守・運用契約の解約等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。本リスクへの対応策として、当社グループは市場の動向を先んじて的確に把握しながら、市場における競争優位性の確保を図っております。 ② グローバルな半導体需給の影響について当社グループにおける半導体関連事業については、半導体メーカーとターンキーメーカー(※1)を主な顧客として、半導体設計の一端を担うと共に開発工程と量産工程で使用される良品・不良品の判別を行う検査プログラムの開発に携わっており、半導体を量産するために必要不可欠なテスト開発等を主とした半導体トータルソリューションビジネスを行っております。しかしながら半導体業界では近年グローバルな事業統合が活発化しており、今後、国内半導体メーカーの経営方針変更や国内半導体メーカーのコスト構造の見直しにより、開発委託先をアジア圏に代表される国外企業に発注を行う等、国内半導体開発市場の縮小が顕著となった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。本リスクへの対応策として、当社グループは顧客の需要動向を常に把握し、事業ポートフォリオの最適化を推進しております。 ③ AIの利活用・技術革新による影響について当社グループが属する情報サービス産業は、技術革新の速度及びその変化が著しい業界ですが、先進技術の積極的な利活用は当社グループの事業成長に向けた大きな機会であり、特にAI(機械学習・人工知能)は、その性能の進展に伴い、社会実装の範囲も予測・分類といった用途から、対話や生成といった人的業務の代行まで拡大を続けています。万が一、当社グループが変化するニーズや新しい技術に対応できなかった場合、あるいは当社グループが想定していない新技術、新サービスが普及した場合やAIの利活用の場面で安全性・正確性の確保や、倫理的配慮等について適切な対応ができない場合には、社会的信用やブランドイメージが低下し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。本リスクへの対応策として、当社グループは各事業に関わる技術の動向把握に努めながら、次世代技術の共同研究・他企業との共同開発等、技術革新への対応策を常に講じております。AIに関しては、AIがもたらす恩恵を最大化すると同時に、AIがもたらす倫理的・社会的な課題やリスクに適切に対応するために、「PCIグループAI倫理方針」を整備しました。この指針にもとづいたマネジメントを実現するために、AIリスクに関するマネジメントルールやAI利用のためのガイドラインを整備し、AIシステムの開発・運用・利活用を中心としたAIガバナンスの取り組みを拡大・継続していくことで、AIを扱う企業として、AI活用の恩恵を最大限に享受できるサステナブルな社会の実現に貢献してまいります。 ④ 競合他社による影響について当社グループは、市場動向を先んじて捉え、最先端の技術・サービスの開拓等に努めておりますが、当社グループが属する情報サービス業界では、大規模事業者から小規模事業者まで多数の事業者が存在しており、市場において当該事業者との競合が生じております。国内企業のIT化推進等に伴い、業界全体における開発需要は堅調であるものの、一部で価格競争等による競合激化が生じているため、開発需要の減少や新規参入増加等により更に競争が激化した場合、あるいは競合他社の技術力やサービス力の向上により当社のサービス力が相対的に低下した場合には、受注減少、保守・運用契約の解約等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。本リスクの対応策として、競合他社の動向を把握し、市場における競争優位性の確保を図ってまいります。 ⑤ 部品調達について当社グループにおける一部の事業分野では、海外より部品調達を行っております。調達部品の仕入れ価格は、為替相場に大きく左右されることから、為替相場の大きな変動がある場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。本リスクへの対応策として、当社グループでは、徹底したコスト管理を通じてコストダウンに努めると共に、変動リスクを回避する目的で為替予約等によるリスクヘッジを行っております。 (2) 事業内容について① 見積違い及び納期遅延等の発生可能性について当社グループにおけるソフトウェア開発業務及び半導体のテスト・設計等については、作業工程等に基づき発生コストを予測し見積りを行っておりますが、すべてのコストを正確に見積もることは困難であり、実績額が見積額を超えた場合には、低採算又は採算割れとなる可能性があります。また、当社が顧客との間であらかじめ定めた期日までに作業を完了・納品できなかった場合には遅延損害金、最終的に作業完了・納品できなかった場合には損害賠償責任が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。本リスクへの対応策として、赤字プロジェクトの発生を未然に防止するため、見積段階でのリスク洗い出しと対策の徹底を図り、受注時には、一定額以上の大型案件については事業会社毎に然るべき会議体に諮り見積りの適正性を検討しております。また、受注後にはプロジェクト進捗状況のモニタリングを徹底しております。加えて、プロジェクトマネジメント力の向上を図るための教育を実施しております。 ② 納品後の不具合について当社グループにおけるソフトウェア開発業務等については、顧客への納品時に様々なテストを行いますが、システムの運用段階に至ってから不具合等が発見される場合があります。当連結会計年度末現在において、システムの不具合に関して顧客から訴訟等の損害賠償を請求された事実はありません。しかしながら、当社の過失によるシステムの不具合が顧客に損害を与えた場合には、損害賠償負担及び当社グループの社会的信用の失墜により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。本リスクへの対応策として、当社グループはサービスの品質・信頼性に係るリスク管理とその対応を行うための体制を構築・運用し、顧客に提供するサービスの品質向上に取り組んでおります。 (3) 事業体制について① 人材の確保と育成について当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値向上のためには、高度な専門知識や技術を有するIT人材の確保・育成が不可欠です。また、激変する経営環境において迅速な意思決定を下し、事業戦略の実効性を担保するためには、次世代の経営幹部や後継者を中長期的に育成していくことが極めて重要となります。これら高度IT人材や経営体制の持続性を支える人材の確保・育成が十分に進行しない場合、優秀な人材の流出等による事業競争力の低下や意思決定の遅延を招き、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。本リスクへの対応策として、当社グループは、技術・キャリアアップを支援する各種研修制度の充実や多様な採用チャネルの活用による優秀な人材の獲得に努めております。さらに、安定した経営体制の維持と戦略の着実な実行に向けて、指名・報酬委員会等のガバナンス枠組みを通じて経営幹部候補の選定や次世代リーダーの育成プログラムを計画的に推進し、不確実な環境下でも機動的かつ的確に決断できる組織基盤の強化に取り組んでおります。 ② 協力会社の確保及び連携体制について当社グループにおけるソフトウェア開発業務等については、開発業務の効率化、受託開発業務における受注量拡大及びコスト低減等を目的として、また多種多様な顧客ニーズに対応するため、開発業務等の一部について当社社員の管理統括のもと、パートナーと位置付ける協力会社への外部委託を活用しております。当社グループが事業拡大を図る上で、協力会社活用の重要性は一層高まるものと認識しており、協力会社の確保及びその連携体制の強化を積極的に推進していく方針であります。しかしながら、協力会社から十分な開発人員を確保できない場合、あるいは協力会社における問題等に起因してのプロジェクトの品質低下、開発遅延又は不具合等が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。本リスクへの対応策として、定期的に協力会社との情報交換会を実施している他、中核的な協力会社に対してはコアパートナー制度として中長期的な契約を締結する等、協力会社との良好な関係構築に努めております。 ③ 従業員の安全衛生及び労務管理について当社グループの持続的成長には優秀な人材の確保・定着とエンゲージメント向上が不可欠です。しかし、プロジェクトの繁忙や勤務環境に起因する長時間労働、過労、メンタルヘルス不調、あるいは職場内での各種ハラスメントや不適切な労務管理が発生するリスクが潜在しています。これらが顕在化した場合、従業員の離職や組織活力の低下、社会的信用の失墜を招き、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、本リスクを人的資本経営における重要課題と位置づけ、以下の対策を講じています。(ⅰ)労務管理と健康ケア:グループ健康経営基本方針を定め、これに基づく施策の一環として、労働時間管理の徹底、定期健康診断やストレスチェック、産業医との連携によるメンタルヘルス不調の予防と早期発見など、労働安全衛生法その他法令や通達の遵守等の安全衛生管理に努めております。また、内部監査を通じて、過度な超過勤務が認められる事業会社に対しては注意喚起を行っております。(ⅱ)心理的安全性向上と体制整備: お互いを尊重し合う職場環境づくりのため「リスペクト・トレーニング」等のエンゲージメント向上施策を継続的に実施し、心理的安全性の確保に努めています。また、社内外に独立した相談窓口・内部通報制度を整備し、問題の早期解決を図っております。 (4) 法的規制等について① 労働者派遣における法的規制等について当社グループが展開する事業の一部において、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」に基づく労働者派遣事業許可、並びに「職業安定法」に基づく有料職業紹介事業許可を取得して事業を運営しております。当社グループは法令遵守を徹底し、当該法的規制等に抵触する事実はないものと認識しておりますが、今後何らかの理由により派遣元事業主としての欠格事由及び当該許可の取消事由に該当し、業務の全部もしくは一部の停止処分を受けた場合、又は法的な規制が変更になった場合等には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。本リスクへの対応策として、顧問弁護士及び法務部門による関係部署に対する労働基準法等の指導に努めると共に、法律の改正や新規制定を確認しながら、法令遵守に努めております。 ② 知的財産権の対応について当社グループは、第三者の知的財産権を侵害することがないよう、第三者の知的財産権との抵触の有無について可能な限り確認し、その権利を侵害しないよう留意しております。当連結会計年度末現在において、過去に第三者から知的財産権の侵害訴訟を提起された事実はありません。しかしながら、当社グループの認識していない知的財産権が既に成立している可能性や、当社グループの事業分野で第三者による知的財産権が成立する可能性があること等から、当社グループによる第三者の知的財産権の侵害が生じる可能性は否定できず、過失により当社グループの役員あるいは従業員が第三者の知的財産権を侵害する事態が発生した場合には、当社グループが損害賠償を含む法的責任を負う可能性がある他、当社グループの社会的信用の失墜により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。本リスクへの対応策として、新たに知的財産権の取得を行う際には適切な契約の締結・管理を行い、第三者の知的財産権を侵害する恐れがある場合には、事前に専門家による情報収集・調査等を行い、他社の知的財産権を侵害しないよう十分に配慮しております。 ③ 情報管理について当社グループは業務に関連して機密情報や個人情報を保有しているため、当該情報について社内規程に基づく厳格な管理を行っております。本書発表日現在において、過去に当社グループより機密情報あるいは個人情報の重大な漏洩やこれに起因する損害賠償請求を受けた事実はありません。しかしながら、近年多様化・巧妙化する標的型サイバー攻撃やランサムウェア感染、DDoS攻撃等のサイバーセキュリティ脅威により、万が一、情報漏洩や自社・顧客向け提供サービスの大規模なシステム停止(事業中断)が発生した場合、あるいは生成AIをはじめとする先端技術の不適切な利活用に伴う情報漏洩や権利侵害等が発生した場合には、社会的信用の失墜や法的責任の追及、復旧コストの発生等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。本リスクへの対応策として、当社グループのうち個人情報を取り扱う事業会社についてはプライバシーマークを取得しております。また、情報漏洩、不正アクセスを防止するための環境整備、社内での定期的な情報セキュリティ研修を実施し、情報管理の徹底及びセキュリティ強化に努めております。また、近年より多様化・巧妙化するサイバーセキュリティ脅威に対して、コンピュータウィルス検知・除去システムの他、適切なサイバーセキュリティソフトを当社グループ全社で導入し、安全対策を行っております。さらに、AIツールの利用に関するガイドラインの策定や安全な利用環境の整備、リテラシー教育を継続的に実施することで、新技術の恩恵を安全に享受しつつ、情報漏洩や権利侵害の未然防止に努めております。 ④ 安全規格について当社グループの一部事業においては、直流電源装置等の電気用品に属する製品には、これを利用する消費者の安全を確保する目的で制定された電気用品安全法による規制等を受けております。また、海外では、消費者及び公共の安全を目的とする安全規格に関する法的規制等を受け、米国ではULマークの認証取得などそれぞれの国において安全基準に適合することが要求されております。安全規格に関する法的規制等に関して、予期しない新設、改正、変更等が行われた場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。本リスクの対応策として、当社グループは、各国の法的規制及び安全規格に関する法令及び規制の改正等について恒常的に情報を収集しながら法令遵守に努めております。 (5) その他① M&A等について当社グループは、企業価値向上に向けた既存事業の拡大や有望市場への進出のため、事業戦略の一環としてM&Aや戦略的提携を推進していく方針であります。その実施に際しては、対象企業の事業内容や契約関係、財務内容等について、投資の規模やリスク等に応じて適切なデューデリジェンスを行ってリスクを回避するよう努めております。しかしながらデューデリジェンスにおいて未認識債務等を発見できなかった場合や、M&A等の実施後に当初期待した成果をあげられない場合には、のれんの減損処理を行う必要性が生じる等、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。本リスクへの対応策として、M&A等の意思決定においては、社外専門家による法務面・財務面及び事業内容についてのデューデリジェンスの実施結果を踏まえ、機関決定の場で慎重に審議しております。M&A等の実施後は、事業計画に対する実績達成度のモニタリングを行い、適宜適切なリスク管理に努めております。 ② 保有投資有価証券及び貸付金について当社グループでは、事業上の関係構築等を目的とした投資有価証券及び貸付金を保有しており、このような投融資等は今後も行う可能性があります。投資有価証券及び貸付金の評価は投融資先の財政状態や経営成績等の個別の事情又は株式市場等の動向に依存いたします。当社グループが保有する投資有価証券及び貸付金について、投融資先の企業価値が低下あるいは信用状態が悪化した場合、投資有価証券評価損あるいは貸倒引当金繰入の計上により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。本リスクへの対応策として、当該投資有価証券及び貸付金については、投融資先の財務状況等に関する定期的なモニタリング並びにタイムリーな情報収集を行うことでリスク低減に努めております。また、政策保有の目的で保有する株式については、年に一度、取締役会において個別に保有の適否を判断するとともに、非上場株式等については、当該会社の純資産、投資時からの事業計画の進捗、将来見込み等を継続的に精査し、リスクを軽減する施策を講じております。 ③ 訴訟等について当社グループの事業活動に関連して、前述の「(2)-① 見積違い及び納期遅延等の発生可能性について」、「(2)-② 納品後の不具合について」、「(4)-① 労働者派遣における法的規制等について」、「(4)-② 知的財産権の対応について」、「(4)-③ 情報管理について」において説明したリスク等により、当該第三者が当社グループに対して訴訟その他の請求を提起される可能性があります。これらの結果、訴訟等の内容及び結果によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、新たに発生したリスクあるいは今まで顕在していなかったビジネスリスクによって、現時点で想定されない訴訟等が提起される可能性があります。一方、当社グループが第三者に何らかの権利を侵害され、又は損害を被った場合に、訴訟等による当社グループの権利保護のために多大な費用を要し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。本リスクへの対応策として、当社グループは法令遵守を徹底し、内部管理体制の構築及びコンプライアンス体制の充実に努めております。 ④ 自然災害等について地震、火災等の自然災害や、戦争、テロ、新型インフルエンザの流行等により、当社グループにおいて人的被害又は物的被害が生じた場合、又は、外部通信インフラ、コンピュータネットワークに障害が生じた場合等の事由によって当社グループの事業の継続に支障が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。本リスクへの対応策として、当社グループは、自然災害に備えた自然災害対応マニュアルおよびBCP(事業継続計画)を策定、安否確認システムの導入、防災訓練、データセンターの分散等の災害発生時に損害を最小限に抑え、重要な業務の継続、早期復旧を図るべくリスクへの対応強化に努めております。 ⑤ 気候変動について当社グループでは、気候変動への対応をサステナビリティ経営上の最重要課題の一つと認識しております。気候変動に起因する自然災害の激甚化により、事業所やサプライチェーンが被災した場合には、生産活動の停止による機会損失等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、気候変動対策への取組みに関する社会的要請が高まる中、当該取組みが不十分であった場合やステークホルダーからの理解が十分に得られなかった場合には、社会的信用の低下等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。加えて、気候変動対策に関連する新たな法令や規制の導入がなされた場合には、対応費用の増加により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループとしては、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明し、気候変動に係るリスクと機会の事業への影響について、継続的に分析を行い、積極的な情報開示に努めてまいります。 ⑥ 人権侵害について当社グループ内のみならず、取引先を含めた当社グループ事業に関わる事業領域全体で人権を侵害する行為が発生した場合、当社グループの社会的信用の失墜やブランド価値の毀損等が生じ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、2011年6月に国連人権理事会で採択された「ビジネスと人権に関する指導原則」に則り、「PCIグループ人権方針」を定め、これを人権に関する最上位の方針として位置付けております。当社グループとしては、人権に関する社員教育や啓発、サステナビリティ委員会における定期的なモニタリング等を実施すると共に、社外仕入先等の取引先に対しては、「グループ購買方針」に従い、直接的に確認・調査を行う体制を整備する等、当リスクの適切な管理に努めてまいります。 ⑦ 各種感染症拡大について社会経済活動全般に大きな影響を及ぼす感染症が発生し、拡大かつ長期化した場合には、顧客のIT投資活動の抑制や製品開発計画の中止等により、受注が減少し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、従業員や協力会社社員等への感染が著しく拡大した場合、納期遅延や開発スケジュール遅れ等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、リモートワークやWeb会議システムの積極的活用等、効率的な事業運営を実施しておりますが、有事の際には感染拡大を防止するため、オフィス入室時の手洗い及び手指消毒、マスク着用等の衛生管理の徹底や時差出勤の推奨等、事業リスクの最小化に向けた施策を推進いたします。 ⑧ 親会社グループとの関係について当社の親会社は株式会社レスターであり、同社は、有価証券報告書提出日現在で当社発行済株式総数における議決権の過半数を所有しております。また、連結総売上高において親会社グループに対する売上高が一定の割合で存在しておりますが、他の企業の取引条件との比較等により取引条件の適正性等を確保しております。しかしながら、将来において、親会社グループの経営方針や事業戦略等に変更が生じた場合には、当社の事業展開、財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループとしては、親会社グループと一般株主との間に利益相反リスクがあることを踏まえ、上場子会社としての中長期的な企業価値向上に向けて独立した意思決定を担保するため、実効的なガバナンス体制の構築に努めてまいります。 (※1) ターンキーメーカー:半導体の設計から製造までの各工程を複数の専門企業に委託し、これらの開発工程全般につきコーディネートする企業のこと

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