事業の概要
- コミュニケーション支援事業笹徳印刷グループは、企業スローガン『Good Communication, Good Partner』のもと、顧客のコミュニケーション課題を解決しています。これは、単に印刷物を作るだけでなく、顧客のニーズを深く理解し、生活者(最終消費者)の視点を取り入れた「マーケットイン」の考え方で、企画から製造、発送までを一貫して手掛ける「ワンストップソリューション」を提供することで、新たな価値を創造するビジネスモデルです。
- パッケージングと情報伝達事業は大きく「パッケージング分野」と「コミュニケーション分野」の二つに分かれています。パッケージング分野では、商品の包装資材(紙器や軟包装)の企画・設計から印刷、加工までを一貫して行い、さらに商品の梱包や発送までを請け負うフルフィルメントサービスを提供しています。コミュニケーション分野では、販売促進物、マニュアル、報告書などの印刷物の企画・制作に加え、ウェブサイト制作やイベント企画、デジタルコンテンツ管理など、多岐にわたる情報伝達サービスを提供し、顧客のビジネスを支援しています。
- 国内外の生産・販売体制日本国内にパッケージ工場4拠点、商業印刷工場1拠点、海外(中国、インドネシア)にパッケージ工場1拠点の計6工場を保有しています。これらの工場はそれぞれが完成品まで生産できる「一環生産体制」を整えており、異なる種類の製品(紙器、軟包装、プリントメディア)を高品質かつ低コストで、必要な時に必要なだけ生産できる体制を構築しています。これにより、広範囲な顧客ニーズに対応し、効率的な物流も実現しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- パッケージング事業この分野では、商品を包み、保護し、魅力的に見せるための包装資材を提供しています。具体的には、紙器や軟包装などのパッケージ、店頭に置かれる什器や販促物、商品を輸送するための段ボール箱などが主要な製品です。企画開発から構造設計までを行い、さらに商品の包装や梱包、発送までを一貫して請け負うフルフィルメントサービスも提供しており、顧客の製品を市場に送り出すための総合的なサポートを行っています。
- コミュニケーション事業(プリントメディア)この分野は、情報を表現し、伝え、届けるための印刷媒体を中心に展開しています。折込広告、パンフレット、ポスター、カレンダー、マニュアル、企業のCSRレポートや統合報告書、その他様々な企業向けツール(コーポレートツール)などが主要な品目です。これらのプリントメディアの企画、印刷、加工に加え、関連する付帯サービス(フルフィルメントサービス)も提供しており、顧客の広報活動や情報発信を支援しています。
- コミュニケーション事業(デジタル・イベント)この分野は、顧客の情報を「伝える・繋がる・拡散する」ことを目的としたデジタルサービスとイベント企画・運営を提供しています。ウェブサイトの企画・構築・制作・運用、展示会やイベントで使用する動画コンテンツやサインの制作、ロゴやキャラクターのCG制作、コンテンツマネジメントサービスなどが主要な品目です。これにより、デジタルチャネルやリアルイベントを通じて、顧客が生活者と効果的にコミュニケーションを取るための多様なソリューションを提供しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループは、『Good Communication, Good Partner』という企業スローガンの下、コミュニケーションというフィールドでお客様が抱えるソリューション解決に取り組んでおります。お客様からの信頼を第一に考え、お客様と共に生活者を見据えたマーケットインの思想と、『発想から発送までのワンストップソリューション』を基盤に、新たな価値創造に取り組んでおります。企業集団の構成としては、当社及び子会社の株式会社サンライト、PT.SASATOKU INDONESIA、世徳印刷科技(無錫)有限公司の4社で構成しております。その役割としましては、当社は国内におけるパッケージ、販促物、広告、パンフレット等の製造・販売事業、株式会社サンライトはセールスプロモーションに関わる企画・制作及びマーケティングの企画事業、世徳印刷科技(無錫)有限公司は中国国内におけるパッケージの製造・販売事業、PT.SASATOKU INDONESIAはインドネシアにおけるパッケージの販売事業を行っております。当社グループの生産拠点は、国内にはパッケージ工場(紙器・軟包装)として4工場、商業印刷工場(プリントメディア)として1工場、海外にはパッケージ工場(紙器)として1工場の計6工場を整備しております。特に長年・多岐にわたる顧客との取引の中で鍛え上げられた生産体制と製造技術により、製造工程が異なる紙器・軟包装・プリントメディアなどの製品を、各工場においてジャストインタイム、高品質、低コストの生産を実現しております。各工場はそれぞれが完成品までの生産体制を整えており、各工場をまたぐ生産はありません。当社では、環境対策、BCP対応など、顧客のあらゆるニーズに対応するための生産体制を「一環生産体制」と称し、更なる強化に努めております。(図1)図1:当社の6工場一環体制 国内の製造拠点は、全国に繋がる高速道路網により、関西、中部、関東から東北までの広範囲なエリアをカバーしております。本社パッケージ工場、本社商印工場、紙器グラビア工場は伊勢湾岸自動車道の豊明インターチェンジに、関東工場は関越自動車道の本庄児玉インターチェンジに、軟包装グラビア工場は東海北陸自動車道の一宮西インターチェンジに、いずれも車で5分以内の好立地に製造拠点があり、物流面においても安全・快適で効率的な物流の実現に貢献するとともに、一環生産の製造拠点として優位性を持っております。(図2) 図2:国内の製造拠点 当社の事業内容は、パッケージング分野、コミュニケーション分野で構成されており、パッケージング分野につきましては、紙器及び軟包装など包装資材パッケージの企画設計、印刷、加工までを一貫生産し、顧客にタイムリーに供給しております。さらに商品の包装、キッティング作業から発送までを受託するフルフィルメントサービスで構成されております。コミュニケーション分野につきましては、販売促進関連、テクニカルドキュメンテーション、教育・出版関連の企画、印刷、加工及び広報・IRなどクロスメディアに関連する付帯サービス業務(フルフィルメントサービス)、さらにはイベントの企画・運営とソフト開発・デジタルアセットマネジメントサービスなどで構成されております。 当社グループは、印刷事業の単一セグメントであります。事業の種類別セグメント情報の開示は行っておりませんが、商品分野別の区分は下記のとおりとなっております。(2026年6月30日現在)種類主要品目及び商品分野の特徴パッケージング分野商品を包む・守る・魅せる紙器・軟包装等のパッケージ、店頭什器・販促物、段ボール等の輸送包装箱、各種パッケージの企画開発、構造設計、パッケージングに関わるフルフィルメントサービス等が主要品目です。コミュニケーション分野情報を表現する・伝える・届ける折込広告、パンフレット、ポスター、カレンダー、マニュアル、CSRレポート、統合報告書、各種コーポレートツール等のプリントメディア及びプリントメディアに関わるフルフィルメントサービス等が主要品目です。顧客に伝える・繋がる・拡散するWebサイトの企画・構築・製作・運用、展示会やイベントで使用する動画コンテンツやサイン、その他ロゴ、キャラクターCG製作、コンテンツマネジメントサービス等が主要品目です。 [事業系統図]以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。 (注)→は、製品、商品及びサービスの流れになります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 価格競争が激化し受注価格の低下が発生しており、販売価格への転嫁にタイムラグや不完全さがあるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 設備 国内にパッケージ工場4、商業印刷工場1、海外にパッケージ工場1の計6工場を整備し、一貫生産体制を構築。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:経済環境及び需要動向に関するリスク / 海外事業展開のリスク / 原材料等の価格高騰に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
パルプ・紙業界において、笹徳印刷が特許やブランド力で他社を圧倒するような無形資産に関する情報は確認できませんでした。一般的な印刷技術や紙加工技術が中心と考えられます。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
既存顧客との長年の取引関係や、特定の印刷物(例:証券印刷など)における仕様のカスタマイズにより、一定のスイッチング・コストは存在する可能性があります。しかし、それが顧客の乗り換えを強く抑制するほどではないと考えられます。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
印刷業は基本的にBtoBビジネスであり、プラットフォーム型ビジネスのようなネットワーク効果が発生する構造ではありません。顧客数が増加しても、サービス自体の価値が直接的に向上するわけではありません。
コスト優位★★☆☆☆
長年の事業運営で培われた効率的な生産プロセスや、原材料の調達ノウハウにより、一定のコスト競争力を持っている可能性があります。しかし、業界全体が価格競争に晒される中で、圧倒的なコスト優位を確立しているとは言えません。
規模の経済★★☆☆☆
中堅の印刷会社であり、一定の生産規模は有していますが、業界全体を寡占するほどの規模ではありません。大手競合と比較すると、規模の経済による優位性は限定的と考えられます。
- ワンストップソリューション笹徳印刷グループは、『発想から発送までのワンストップソリューション』を強みとしています。これは、顧客の課題解決に向けた企画立案から、パッケージや販促物の設計・製造、さらには商品の包装・梱包、そして最終的な発送まで、全ての工程を一貫して提供できる体制を指します。これにより、顧客は複数の業者とやり取りする手間を省き、効率的かつ高品質なサービスを受けることが可能となり、顧客の信頼獲得に繋がっています。
- 多岐にわたる生産体制と技術力国内に5工場、海外に1工場を持つ計6工場体制は、紙器、軟包装、プリントメディアといった異なる製造工程を持つ製品を、各工場で高品質かつ低コストで生産できる強みを持っています。長年の取引で培われた生産体制と製造技術により、顧客の多様なニーズに「ジャストインタイム」で対応できる能力は、競争優位性となっています。また、環境対策や災害時の事業継続計画(BCP)にも対応した「一環生産体制」を構築し、顧客のあらゆる要求に応えられる体制を強化しています。
- 広範囲な物流ネットワーク国内の製造拠点は、主要な高速道路網(伊勢湾岸自動車道、関越自動車道、東海北陸自動車道)のインターチェンジから車で5分以内という好立地に配置されています。これにより、関西、中部、関東から東北までの広範囲なエリアを効率的にカバーできる物流体制を確立しています。この地理的優位性は、製品の迅速な供給を可能にし、顧客へのタイムリーなサービス提供に貢献しており、事業活動における重要な競争力となっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、お客さまの心からの満足、感動と信頼を第一に考え、お客さまと共に成長する企業であり続けるために「お客様の信頼第一」を基本理念の一番に掲げております。お客様と共に成長するためには、私たち一人ひとりが新分野・新技術へのチャレンジをするとともに、成長への自律的な努力に対し惜しみない協力と援助を行うことにより、人を活かし、人を大切にできる心豊かな企業であり続けるために「価値ある人財へ」を二番目に掲げております。さらには、私たちが決めた仕事の手順などのルールや、国内外の法とコンプライアンスを順守し、環境調和を常に考え、堅実・誠実・公正な活動の実践で全てのステークホルダーに貢献できる企業であり続けるために「きっちり 『ルール』、しっかり 『マナー』」を三番目に掲げ、常にお客様からの心からの「ありがとう」を目指しております。当社グループは、時代に即したコミュニケーションでお客さまとマーケットをつなぎ、満足され、感動される品質で信頼を築く良きパートナーであり続けるために、「Good Communication, Good Partner」を企業スローガンとしております。(図3) 図3:基本理念、明日への宣言、ものづくり標語、企業スローガン (2) 目標とする経営指標当社グループは、お客様の良きパートナーとして共に発展していくことにより、収益性を確保し、当社グループ全体の売上高営業利益率を高めることを目標とし、企業価値の増大に努めてまいります。 (3) 経営環境及び対処すべき課題当社グループを取り巻く経営環境などを踏まえ、優先的に対処すべき課題は以下のとおりです。 ①販売戦略 パッケージング分野においては、旺盛なパッケージ需要へ対応するため、事業エリアを東日本・西日本へと拡大し、関東工場に増設した紙器製造ラインの安定稼働に向けて、受注活動の強化を進めてまいります。 コミュニケーション分野においては、プリントメディアとデジタルメディアを融合させたクロスメディアの開発と販売を進め、「顧客起点型」の高付加価値ソリューションの提供を追求してまいります。 フルフィルメントサービスにおいては、関東地区での展開を強化し、サプライチェーン全体の最適化を図り、持続的な成長と収益基盤の強化に繋げてまいります。 ②生産体制の拡充と最適化 設備稼働の最大化を経営課題の一つと位置付け、生産性向上に繋がる設備投資と外製品の内製化を推進することで、増強した生産能力の最大活用を進めてまいります。 また、AI・DXを活用した自働化の推進と生産プロセス全体の最適化により生産性の向上を図り、価格競争力のさらなる強化を推進してまいります。 ③サステナビリティ経営の推進 社会の持続的な発展と企業価値向上の実現に向け、サステナビリティ経営を重要課題と位置付けております。多様な人財が活躍できる環境の整備と人財育成・キャリア形成支援を推進するとともに、人財ポートフォリオを活用した人事施策と従業員エンゲージメント向上に取り組み、持続的な成長を支える組織基盤の強化を図ってまいります。 ④AI・DXの推進 生成AIの急速な普及・浸透を踏まえ、社員のAIリテラシー向上と生成AIの積極的な活用を推進するとともに、業務プロセスのデジタル化に取り組み、労働生産性の向上を図ります。さらに、現場のニーズに即した最適なシステム導入と先端デジタル技術の活用を通じて、新たな価値を創出し、持続的な成長と企業価値の向上を実現してまいります。 ⑤情報セキュリティの強化 当社グループは、機密情報を取り扱う企業として、情報セキュリティの強化を最重要課題の一つと位置付けております。社員の情報セキュリティリテラシー向上やインシデント発生時の対応体制整備、BCP対策の強化に加え、取引先を含むサプライチェーン全体のセキュリティ向上を推進し、最新のサイバー脅威に対応した情報セキュリティ対策に継続的に取り組んでまいります。 ■2026年 中期経営計画(2024年6月期~2026年6月期)の総括当社グループは、基本理念及び企業スローガンのもと、将来のあるべき姿として、2024年6月期から『2026中期ビジョン 「コミュニケーション」と「包む」技術で、お客さまと新しい感動を創り、未来へつなげる。』を掲げ、お客さまに寄り添って「新しい感動」を創ることで、お客様の利益や幸せ、豊かさにつなげ、そして、私たちの未来にもつなげる事業を目指しております。その実現に向けて、2026年 中期経営計画(2024年6月期から2026年6月期までの3ヵ年計画)を策定し、成長戦略の実現に向け活動を重ねてまいりました。しかしながら、プリントメディアの減少と急速なデジタル化などの環境変化や原材料、エネルギー価格高騰の長期化、人件費を含む固定費の増加等も重なり厳しい状況で推移いたしました。 ■2030年 中期経営計画(2026年7月~2030年6月)を策定①2030年 中期経営計画策定の背景印刷業界は、プリントメディアの減少やデジタル化の加速などにより事業環境が変化している状況が続いております。一方、AI 時代においてデジタルコミュニケーションにおけるフェイク情報の懸念等から、プリントメディアの価値は見直され始めております。このような経営環境のなか、当社グループは、成長が見込まれるパッケージング分野における事業エリア拡大と生産設備の増強、並びにコミュニケーション分野におけるデジタル技術を活用した新たな付加価値の創造を推進し、持続的な成長と企業価値の向上を目指し、創業140周年にあたる2030年を見据えた中期経営計画(2026年7月~2030年6月)を策定いたしました。 ②2030年 中期経営計画のビジョン『「想いをカタチに」「包む」と「伝える」でソリューションを提供するパートナーへ』2030年に創業140周年を迎える笹徳印刷グループは、基本理念である「お客さまの信頼第一」に基づき、お客さまの想いや課題を深く理解し、「包む=パッケージング」と「伝える=コミュニケーション」の力で新たな価値を創造するソリューションパートナーへと進化するとともに、持続的に成長し続ける企業となる決意をビジョンに込めております。 ③2030年 中期経営計画における連結数値目標 ④2030年 中期経営計画の基本方針創業140周年となる2030年に向け、「コア事業の更なる強化と拡大」、「生産体制の拡充と最適化」、「サステナビリティ経営の推進」の3項目を基本方針として定め、各種施策を実行することにより持続的な成長を目指してまいります。 ⑤成長ストーリー 2030年 中期経営計画期間の2027年度から2030年度は、「想いをカタチに」する3つの基本方針を着実に推進してまいります。2031年以降の第3ステップは、「新たなソリューションビジネスの創出」「社会に貢献する優位技術の創造」「持続可能な未来の構築」を実現するため、さらなる挑戦を続けてまいります。 なお、詳細につきましては、2026年8月7日に公表いたしました「2030年 中期経営計画」をご参照ください。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、お客さまの心からの満足、感動と信頼を第一に考え、お客さまと共に成長する企業であり続けるために「お客様の信頼第一」を基本理念の一番に掲げております。お客様と共に成長するためには、私たち一人ひとりが新分野・新技術へのチャレンジをするとともに、成長への自律的な努力に対し惜しみない協力と援助を行うことにより、人を活かし、人を大切にできる心豊かな企業であり続けるために「価値ある人財へ」を二番目に掲げております。さらには、私たちが決めた仕事の手順などのルールや、国内外の法とコンプライアンスを順守し、環境調和を常に考え、堅実・誠実・公正な活動の実践で全てのステークホルダーに貢献できる企業であり続けるために「きっちり 『ルール』、しっかり 『マナー』」を三番目に掲げ、常にお客様からの心からの「ありがとう」を目指しております。当社グループは、時代に即したコミュニケーションでお客さまとマーケットをつなぎ、満足され、感動される品質で信頼を築く良きパートナーであり続けるために、「Good Communication, Good Partner」を企業スローガンとしております。(図3) 図3:基本理念、明日への宣言、ものづくり標語、企業スローガン (2) 目標とする経営指標当社グループは、お客様の良きパートナーとして共に発展していくことにより、収益性を確保し、当社グループ全体の売上高営業利益率を高めることを目標とし、企業価値の増大に努めてまいります。 (3) 経営環境及び対処すべき課題当社グループを取り巻く経営環境などを踏まえ、優先的に対処すべき課題は以下のとおりです。 ①販売戦略 パッケージング分野においては、旺盛なパッケージ需要へ対応するため、事業エリアを東日本・西日本へと拡大し、関東工場に増設した紙器製造ラインの安定稼働に向けて、受注活動の強化を進めてまいります。 コミュニケーション分野においては、プリントメディアとデジタルメディアを融合させたクロスメディアの開発と販売を進め、「顧客起点型」の高付加価値ソリューションの提供を追求してまいります。 フルフィルメントサービスにおいては、関東地区での展開を強化し、サプライチェーン全体の最適化を図り、持続的な成長と収益基盤の強化に繋げてまいります。 ②生産体制の拡充と最適化 設備稼働の最大化を経営課題の一つと位置付け、生産性向上に繋がる設備投資と外製品の内製化を推進することで、増強した生産能力の最大活用を進めてまいります。 また、AI・DXを活用した自働化の推進と生産プロセス全体の最適化により生産性の向上を図り、価格競争力のさらなる強化を推進してまいります。 ③サステナビリティ経営の推進 社会の持続的な発展と企業価値向上の実現に向け、サステナビリティ経営を重要課題と位置付けております。多様な人財が活躍できる環境の整備と人財育成・キャリア形成支援を推進するとともに、人財ポートフォリオを活用した人事施策と従業員エンゲージメント向上に取り組み、持続的な成長を支える組織基盤の強化を図ってまいります。 ④AI・DXの推進 生成AIの急速な普及・浸透を踏まえ、社員のAIリテラシー向上と生成AIの積極的な活用を推進するとともに、業務プロセスのデジタル化に取り組み、労働生産性の向上を図ります。さらに、現場のニーズに即した最適なシステム導入と先端デジタル技術の活用を通じて、新たな価値を創出し、持続的な成長と企業価値の向上を実現してまいります。 ⑤情報セキュリティの強化 当社グループは、機密情報を取り扱う企業として、情報セキュリティの強化を最重要課題の一つと位置付けております。社員の情報セキュリティリテラシー向上やインシデント発生時の対応体制整備、BCP対策の強化に加え、取引先を含むサプライチェーン全体のセキュリティ向上を推進し、最新のサイバー脅威に対応した情報セキュリティ対策に継続的に取り組んでまいります。 ■2026年 中期経営計画(2024年6月期~2026年6月期)の総括当社グループは、基本理念及び企業スローガンのもと、将来のあるべき姿として、2024年6月期から『2026中期ビジョン 「コミュニケーション」と「包む」技術で、お客さまと新しい感動を創り、未来へつなげる。』を掲げ、お客さまに寄り添って「新しい感動」を創ることで、お客様の利益や幸せ、豊かさにつなげ、そして、私たちの未来にもつなげる事業を目指しております。その実現に向けて、2026年 中期経営計画(2024年6月期から2026年6月期までの3ヵ年計画)を策定し、成長戦略の実現に向け活動を重ねてまいりました。しかしながら、プリントメディアの減少と急速なデジタル化などの環境変化や原材料、エネルギー価格高騰の長期化、人件費を含む固定費の増加等も重なり厳しい状況で推移いたしました。 ■2030年 中期経営計画(2026年7月~2030年6月)を策定①2030年 中期経営計画策定の背景印刷業界は、プリントメディアの減少やデジタル化の加速などにより事業環境が変化している状況が続いております。一方、AI 時代においてデジタルコミュニケーションにおけるフェイク情報の懸念等から、プリントメディアの価値は見直され始めております。このような経営環境のなか、当社グループは、成長が見込まれるパッケージング分野における事業エリア拡大と生産設備の増強、並びにコミュニケーション分野におけるデジタル技術を活用した新たな付加価値の創造を推進し、持続的な成長と企業価値の向上を目指し、創業140周年にあたる2030年を見据えた中期経営計画(2026年7月~2030年6月)を策定いたしました。 ②2030年 中期経営計画のビジョン『「想いをカタチに」「包む」と「伝える」でソリューションを提供するパートナーへ』2030年に創業140周年を迎える笹徳印刷グループは、基本理念である「お客さまの信頼第一」に基づき、お客さまの想いや課題を深く理解し、「包む=パッケージング」と「伝える=コミュニケーション」の力で新たな価値を創造するソリューションパートナーへと進化するとともに、持続的に成長し続ける企業となる決意をビジョンに込めております。 ③2030年 中期経営計画における連結数値目標 ④2030年 中期経営計画の基本方針創業140周年となる2030年に向け、「コア事業の更なる強化と拡大」、「生産体制の拡充と最適化」、「サステナビリティ経営の推進」の3項目を基本方針として定め、各種施策を実行することにより持続的な成長を目指してまいります。 ⑤成長ストーリー 2030年 中期経営計画期間の2027年度から2030年度は、「想いをカタチに」する3つの基本方針を着実に推進してまいります。2031年以降の第3ステップは、「新たなソリューションビジネスの創出」「社会に貢献する優位技術の創造」「持続可能な未来の構築」を実現するため、さらなる挑戦を続けてまいります。 なお、詳細につきましては、2026年8月7日に公表いたしました「2030年 中期経営計画」をご参照ください。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要① 経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調が続きました。しかしながら、中東情勢の長期化による地政学リスクの高まりに加え、原材料・エネルギー価格や物価の上昇、人手不足に伴う人件費・物流費の増加など、依然として先行きは不透明な状況が続いております。こうした環境下にあって当社グループは2026年中期経営計画『「コミュニケーション」と「包む」技術で、お客さまと新しい感動を創り、未来へつなげる』を推進し、成長が見込まれる分野への積極的な投資による事業基盤の安定化と、AI技術の活用による生産性の向上を進めることで、企業価値の向上と継続的な成長に取り組んでまいりました。パッケージング分野では、自動車用品及び菓子・食品向けの受注は増加したものの、家庭用品向けは低調に推移しました。コミュニケーション分野では、情報媒体のデジタル化が進む中、プリントメディアの数量の減少と価格競争の激化もあり低調に推移しましたが、販促のイベント企画、動画やドキュメント制作の受注については堅調に推移しました。生産面では、パッケージング分野における競争力強化を目的として、関東工場に増設した紙器製造ラインの本格稼働に向けた体制整備を進めております。また、業務の効率化及び生産性の向上を図るとともに、一層の内製化を推進しておりますが、賃上げに伴う人件費の上昇に加え、原材料費、動力費、外注費、物流費などの高騰といった複数のコスト増加要因により、収益性は低下しました。こうした状況の中、当社は、製造コストの上昇を反映した製品価格の適正化を継続しておりますが、物価高騰の継続と売価への反映にタイムラグがある中、厳しい状況で推移しました。なお、商品分野別の業績の概況は次のとおりであります。パッケージング分野の売上高は87億60百万円(前期比1.5%減)となり、コミュニケーション分野の売上高は34億63百万円(前期比5.3%減)となりました。以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高が122億23百万円(前期比2.6%減)、営業利益は63百万円(前期比65.9%減)、経常利益は2億74百万円(前期比34.7%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は1億94百万円(前期比20.9%減)となりました。 ② 財政状態の状況当連結会計年度末の総資産額は、154億86百万円となり、前連結会計年度末に比べ14億77百万円増加しました。その内訳と増減要因については、次のとおりであります。 (資産)流動資産は54億20百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億97百万円増加しました。これは主に、現金及び預金の増加1億75百万円、売掛金の増加81百万円、電子記録債権の減少91百万円、商品及び製品の増加84百万円、仕掛品の増加52百万円によるものであります。固定資産は100億65百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億79百万円増加しました。これは主に、建物及び構築物(純額)の減少1億31百万円、機械装置及び運搬具(純額)の増加5億64百万円、建設仮勘定の増加1億7百万円、保有株式の時価評価による投資有価証券の増加6億46百万円によるものであります。 (負債)流動負債は38億71百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億38百万円増加しました。これは主に、電子記録債務の減少4億46百万円、短期借入金の増加90百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加1億62百万円、流動負債その他の増加4億4百万円によるものであります。固定負債は19億79百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億50百万円増加しました。これは主に、長期借入金の増加6億12百万円、繰延税金負債の増加1億65百万円によるものであります。 (純資産)純資産は96億35百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億87百万円増加しました。これは主に、利益剰余金の増加83百万円(親会社株主に帰属する当期純利益1億94百万円による増加及び、剰余金の配当による減少1億11百万円)、自己株式の取得による自己株式の増加(純資産は減少)1億1百万円、その他有価証券評価差額金の増加3億74百万円、為替換算調整勘定の増加1億27百万円によるものであります。 ③ 当期のキャッシュ・フローの概況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ9百万円増加し、6億20百万円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動により使用した資金は1億47百万円(前連結会計年度は56百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益2億64百万円、減価償却費2億99百万円、棚卸資産の増加1億64百万円、仕入債務の減少5億13百万円によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動により使用した資金は4億78百万円(前連結会計年度は6億83百万円の使用)となりました。これは主に、定期預金の純増加額1億21百万円、有形固定資産の取得による支出2億86百万円、投資有価証券の取得による支出1億9百万円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動により得られた資金は6億9百万円(前連結会計年度は4億85百万円の使用)となりました。これは主に長期借入れによる収入10億円、長期借入金の返済による支出2億25百万円、自己株式の取得による支出1億7百万円、配当金の支払1億11百万円によるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度における生産実績を商品分野ごとに示すと、次のとおりであります。 商品分野の名称金額(千円)前年同期比(%)パッケージング分野7,305,659110.5コミュニケーション分野2,898,32995.9合計10,203,988105.9 (注)生産金額は販売価格により表示しております。 b.受注実績当連結会計年度における受注実績を商品分野ごとに示すと、次のとおりであります。 商品分野の名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)パッケージング分野8,869,89299.3518,77195.0コミュニケーション分野3,525,68894.6116,31646.7合計12,395,58098.0635,08779.9 (注)金額は販売価格により表示しております。 c.販売実績当連結会計年度における販売実績を商品分野ごとに示すと、次のとおりであります。 商品分野の名称金額(千円)前年同期比(%)パッケージング分野8,760,28098.5コミュニケーション分野3,463,28494.7合計12,223,56597.4 (注)金額は販売価格により表示しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、パッケージング分野では、自動車用品及び菓子・食品向けの受注は増加したものの、家庭用品向けは低調に推移しました。一方、コミュニケーション分野では、情報媒体のデジタル化が進む中、プリントメディアの数量の減少と価格競争の激化もあり低調に推移しましたが、販促のイベント企画、動画やドキュメント制作については堅調に推移しました。その結果、売上高は122億23百万円(前期比2.6%減)、営業利益は63百万円(前期比65.9%減)、経常利益は2億74百万円(前期比34.7%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は1億94百万円(前期比20.9%減)となりました。当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、景気や消費動向、原材料やエネルギー価格の変動、人件費や物流費の増加、価格競争による製品価格の動向などがあります。これらに対して当社は、パッケージング分野における競争力の強化と生産能力の増強を目的に、関東工場に増設した紙器製造ラインの本格稼働に向けた体制整備を進めるとともに、環境対応を軸とした高付加価値パッケージの創出と販売エリアの拡大により、旺盛なパッケージング需要の取り込みを推進してまいります。また、コミュニケーション分野においては、急速なAIの進展に伴い、デジタルコミュニケーションにおけるフェイク情報の懸念等から、プリントメディアの価値が再評価されております。コア事業であるプリントメディアを基盤に、デジタルメディアの更なる強化によるクロスメディアの開発と販売を通じて、「顧客起点型」の高付加価値ソリューションを提供してまいります。また、海外事業におきましては、中国及びインドネシアにおける販売拡大に注力するとともに、海外子会社の生産機能と輸入体制を戦略的に活用し、グループシナジーの最大化を図ってまいります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要③ 当期のキャッシュ・フローの概況」に記載のとおりであります。当社グループの資金需要の主なものは、原材料の購入費用のほか、外注費、販売費及び一般管理費等の営業費用などの運転資金及び生産設備の更新を中心とした設備投資であります。運転資金については、自己資金及び金融機関からの短期借入による調達、設備投資資金については、金融機関からの長期借入による調達を基本方針としております。 (3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
事業リスク
- 経済環境と需要変動リスク印刷業界は、デジタルメディアの普及により紙媒体の需要が減少傾向にあります。笹徳印刷グループは、この変化に対応するため、新たな事業分野(エレクトロニクス、情報セキュリティ、通販、BPOなど)の開拓を進めていますが、これらの新規事業で売上を十分に拡大できない場合、国内外の経済状況や市場の需要変動が、グループ全体の業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 海外事業展開のリスク笹徳印刷グループは、中国とインドネシアで事業を展開しており、これらの国における自然災害(地震、風水害)、戦争・テロ、感染症、社会的・政治的混乱などの地政学リスクに直面しています。また、政治的・経済的条件の急激な変動も事業活動に支障をきたす可能性があります。特に中国での影響度は大きく、これらのリスクが顕在化した場合、グループの業績や財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
- 原材料価格高騰のリスク印刷用紙、インク、印刷版などの原材料は、世界情勢や市場の状況によって価格が変動します。特に印刷用紙は原材料コストに占める割合が大きく、その価格変動はグループの業績に大きな影響を与える可能性があります。複数企業からの調達や計画的な購買でリスク低減に努めていますが、企業努力だけでは吸収しきれないコスト上昇があった場合、販売価格への転嫁が遅れたり、完全に転嫁できなかったりすると、グループの収益性や財政状態が悪化する可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 事業を取り巻く経済環境及び需要動向に関するリスク(顕在化の可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)印刷産業は、プリントメディアの需要減少が進む中で、印刷事業を軸としながらも、新たな事業分野の開拓(エレクトロニクス、情報セキュリティ、通販、BPOなど)で収益源を確保する動きが活性化しております。当社グループが展開している印刷事業は、市場開発・生産・流通・調達などの事業活動をベースとして展開しており、その活動範囲は、国内にとどまらず、中国、インドネシアへ拡大しております。当社グループの業績及び財政状態は、事業活動を行う上で各国の経済環境や需要動向の変化、デジタルメディアへの一層の進行など、市場環境が変化する中で、新たに取り組む事業領域において売上を拡大することができなかった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 法律・規制に関するリスク(顕在化の可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)当社グループは、事業活動を行う上で、環境保護、個人情報保護など、関連する法律や規制の適用を受けております。当社グループの事業活動に影響を及ぼすものとして、化学物質に対する規制などが制定・導入されております。したがって、将来においても、新たな法律や規制により、事業活動の制約や管理コストの上昇などが生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 海外事業展開のリスク (顕在化の可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大(中国)・小(インドネシア))当社グループは、中国、インドネシアで事業活動をしており、その国において大規模な地震や風水害などの自然災害や、戦争・テロ・暴動、ボイコット、感染症、エネルギー供給障害、交通障害を含む社会的・政治的混乱などの地政学リスクが存在します。さらに政治的・経済的条件の急激かつ大幅な変動などの要因により、当社グループの事業活動の継続に支障をきたす可能性があり、その結果、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 気候変動に関するリスク(顕在化の可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)当社グループは、気候変動に伴い、台風の大型化、洪水や渇水の発生頻度の増加による事業活動中断のリスク、降雨パターンの変化に伴う原材料調達に関するリスクがあります。自然災害が発生した場合の迅速な初期対応の推進及び業務を早期に復旧継続させることを目的とした事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)の策定など、具体的に進めております。また、当社グループの生産拠点におけるGHG排出量の削減、当社グループが販売する製品における環境負荷低減などの製品開発などに努めております。しかしながら、国内外において気候変動対策のための制度・規制の導入が進んだ場合、事業活動の制約やコストの上昇など、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 市場性のある有価証券の保有に関するリスク (顕在化の可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)当社グループは、市場性のある有価証券を保有しております。株式市場や金利相場等の変動によっては、有価証券の時価に影響を与え、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (6) 研究開発活動に関するリスク(顕在化の可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:小)当社グループは、将来の成長性を確保するという観点から、デジタルメディアやカーボンニュートラルへの対応、生成AIを活用したDXの推進等、マーケットニーズに的確に対応した技術確立と開発を進めるべく研究開発投資を行っております。しかしながら、計画どおりの十分な成果を上げることができない場合や想定し得ないような急激な技術革新が起きた場合には、当社グループの経営成績に影響が生じる可能性があります。 (7) 製品の品質に関するリスク(顕在化の可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)当社は、ISO9001及びISO14001を取得しており、安心安全で信頼できる製品を顧客に提供できるような品質管理体制の構築を図っております。しかしながら、予想し得ない品質上の欠陥に基づく製造物責任の追及がなされた場合には、補償費用の負担や、再生産に係る費用の追加負担により、当社グループの経営成績に影響が生じる可能性があります。 (8) 原材料調達に関するリスク(顕在化の可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)当社グループは、事業に使用する印刷用紙、インキなどの原材料を外部メーカーから調達しております。事業活動の維持のためには、十分な量の原材料を適正な価格で調達することが重要ですが、外部メーカーからの供給量の大幅な不足や納期の遅延などが発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 原材料等の価格高騰に関するリスク(顕在化の可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)印刷用紙、インク、印刷用の版など、当社グループが使用する原材料等は、世界情勢の変化、市況等により変動いたします。特に主要材料である印刷用紙は原材料に占める割合は大きく、価格変動による影響が最も大きくなります。従って、当社グループは、複数企業からの購買や、計画的な購買によって原材料等の安定的な調達に努める等の施策を実施しリスクを低減しております。また、企業努力だけでは吸収しきれない原材料価格や製造コストの上昇等については、販売価格への転嫁を行い収益性の改善に努めております。しかしながら、これらのコストダウンや販売価格に転嫁するまでにタイムラグが生じたり、完全に販売価格に転嫁できない場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 競争激化に関するリスク(顕在化の可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)当社グループは、事業を展開する市場において多数の企業と競合しているため、価格競争が激化し受注価格の低下が発生しております。このような事業環境に対し、当社グループは、原価の低減や効率性の追求、顧客や市場への新しい付加価値の高い製品の開発と提案などによる内部努力を継続しておりますが、それらの努力で価格低下を吸収できない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (11) 人財の採用・育成に関するリスク(顕在化の可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)当社グループは、高度な技術力や企画力等を有する優秀な人財の採用・育成が、将来の成長性、収益性等を確保するために必要不可欠な要素であると認識しており、新卒採用のほかにも多様な専門性を有する人財を確保すべく中途採用の実施等、幅広く優秀な人財を求めております。しかしながら、そのような人財の採用や育成ができなかった場合には、競争力が低下し、当社グループの経営成績に影響が生じる可能性があります。 (12) 新たな感染症に関するリスク(顕在化の可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)新たな感染症が発生し世界的に拡大した場合には、内外経済を下振れさせ、景気が減速するリスクがあります。多くの業界と取引があり当社グループに与える影響を正確に見通すことは困難ですが、当社グループが所属する印刷メディア市場におきまして、市場の縮小により経営成績等に影響を与える可能性があります。 (13) 情報システム障害及び情報セキュリティ管理に関するリスク(顕在化の可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)当社グループの事業活動における情報システムの重要性は非常に高まっており、情報セキュリティの高度化などシステムやデータ保護に努めておりますが、万一、災害やサイバー攻撃など外的要因や人為的要因などによる情報システム障害や、情報の流失による問題が発生した場合には、当社グループのイメージや社会的信用の低下、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (14) 繰延税金資産の回収可能性の評価によるリスク(顕在化の可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)当社グループは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に対して、将来の収益力に基づく課税所得等を見積り、回収可能性があると判断した範囲内で繰延税金資産を計上しております。しかし、実際の課税所得が見積りと異なることで繰延税金資産の全部または一部の回収可能性が無いと判断される場合には、繰延税金資産を減額することになります。その結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (15) 匿名投資組合投資に関するリスク(顕在化の可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:小)当社は匿名投資組合(航空機リース事業投資)へ投資をしております。この投資商品にはリース期間中の収益と終了後の資産売却によってキャピタルゲインを得られる可能性がありますが、一方で「航空会社の倒産リスク」「リース会社の倒産リスク」等のリスクを併せ持っており、これらのリスクが顕在化する場合、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (16) 大株主等の関係についてのリスク(顕在化の可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)王子マテリア株式会社(王子ホールディングス株式会社の100%子会社)は、当連結会計年度末現在、当社議決権の18.38%を所有する大株主であり、その他の関係会社に該当しております。同社の状況については、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載のとおりとなります。当社は、同社及び同社の親会社グループ(以下、「同社グループ」という。)との間で特段の人的関係を有しておりません。また、当社と同社グループは原材料の仕入及び製品の販売に関する取引を行っており、当社において、その取引規模は高い水準となっておりますが、同社グループとの取引につきましては、いずれも他社との取引条件及び市場価格を参考に決定しています。なお、同社グループとは今後も取引先としての関係を維持していく方針でありますが、同社グループによる当社経営への関与は特になされておらず、当社は、同社グループにおいて今後も当社経営に積極的に関与する等の意向はないものと認識しております。仮に、同社が当社株式を売却する場合には、売却する株式数や売却時の市場環境等により、当社株式の流動性や市場価格等に影響を及ぼす可能性があります。