4005

住友化学(4005)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

化学 素材・化学

事業の概要

  • 総合化学メーカーとしての多角化
    住友化学グループは、農薬や肥料、医薬品、半導体材料、合成樹脂など、非常に幅広い分野で製品を製造・販売しています。これは、特定の産業の景気変動に左右されにくい、安定した収益構造を目指していることを示しています。例えば、農業分野からIT分野まで多岐にわたる事業を展開することで、リスクを分散し、持続的な成長を図っています。
  • グローバルな事業展開
    海外売上収益が全体の約7割を占めており、特にアジア市場や南米での事業拡大に注力しています。これは、日本国内だけでなく、成長著しい海外市場を取り込むことで、事業規模の拡大と収益機会の創出を目指すビジネスモデルです。各地域のニーズに合わせた製品供給や生産体制を構築し、国際競争力を高めています。
  • 研究開発と技術革新による価値創造
    ICT&モビリティソリューションやアドバンストメディカルソリューションといった分野では、技術革新のスピードが速い製品を扱っています。これは、常に新しい技術や製品を開発し、市場に投入することで、高付加価値な製品を提供し、競争優位性を確立するビジネスモデルです。特に、半導体材料や再生医療分野など、将来性の高い分野への投資を積極的に行っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 農業・生活ソリューション
    このセグメントでは、農薬、肥料、農業資材、家庭用・防疫用殺虫剤、熱帯感染症対策資材、飼料添加物などを製造・販売しています。作物の生育状況や病害虫の発生状況、飼料添加物の価格変動に業績が左右される特性があります。世界各地の農業生産や公衆衛生に貢献する製品を提供しており、グローバルな展開が特徴です。
  • 情報通信・モビリティソリューション
    光学製品、半導体プロセス材料、化合物半導体材料、タッチセンサーパネル、高純度アルミニウム、電池部材などを製造・販売しています。技術革新のスピードが速い分野であり、常に新しい製品の開発と提供が求められます。スマートフォンや電気自動車など、現代社会に不可欠な製品の基盤を支える重要なセグメントです。
  • 必須・環境配慮型素材
    合成樹脂、合成繊維原料、各種工業薬品、メタアクリル、合成ゴム、普通アルミニウムなどを製造・販売しています。ナフサなどの主要原料の価格変動や供給安定性が業績に大きく影響します。幅広い産業の基礎となる素材を提供しており、石油化学製品を中心に大規模な生産体制を持つことが特徴です。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,146 文字
3 【事業の内容】住友化学グループは、当社及び関係会社214社から構成され、その主な事業内容と当社及び主な関係会社の当該事業における位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、当連結会計年度における主な事業内容を記載しております。 (1) アグロ&ライフソリューション当セグメントにおいては、農薬、肥料、農業資材、家庭用・防疫用殺虫剤、熱帯感染症対策資材、飼料添加物等の製造・販売を行っております。[主な関係会社]スミトモ バイオラショナル カンパニー LLC、ベーラント バイオサイエンス LLC、ベーラント U.S.A. LLC、スミトモ ケミカル ブラジル インダストリア キミカ S.A.、スミトモ ケミカル チリ S.A.、スミトモ ケミカル インディア リミテッド (2) ICT&モビリティソリューション当セグメントにおいては、光学製品、半導体プロセス材料、化合物半導体材料、タッチセンサーパネル、高純度アルミニウム・アルミナ、化成品、添加剤、エンジニアリングプラスチックス、電池部材等の製造・販売を行っております。[主な関係会社]東友ファインケム㈱、スミカ セミコンダクター マテリアルズ テキサス インコーポレーテッド、SSLM㈱、住化電子材料科技(無錫)有限公司、住華科技股份有限公司、㈱田中化学研究所、田岡化学工業㈱ (3) アドバンストメディカルソリューション当セグメントにおいては、高度化低分子医薬分野、医療用オリゴ核酸分野、再生・細胞医薬分野のCDMO(製法開発、製造受託)事業等を行っております。[主な関係会社]広栄化学㈱ (4) エッセンシャル&グリーンマテリアルズ当セグメントにおいては、合成樹脂、合成繊維原料、各種工業薬品、メタアクリル、合成樹脂加工製品、普通アルミナ、合成ゴム等の製造・販売を行っております。[主な関係会社]日本シンガポール石油化学㈱、PCS(プライベート)リミテッド、ザ ポリオレフィン カンパニー(シンガポール)プライベート リミテッド、ラービグ リファイニング アンド ペトロケミカル カンパニー、スミトモ ケミカル アメリカ インコーポレーテッド、スミカ ポリマーズ アメリカ コーポレーション、スミトモ ケミカル アジア プライベート リミテッド (5) 住友ファーマ当セグメントにおいては、低分子医薬品の製造・販売を行っております。[主な関係会社]住友ファーマ㈱、スミトモ ファーマ アメリカ インコーポレーテッド、スミトモ ファーマ スイス GmbH、ユーロバント サイエンシズ GmbH (6) その他上記5セグメント以外に、電力・蒸気の供給、運送・倉庫業務等を行っております。[主な関係会社]住友精化㈱

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
海外企業の国内市場参入、関税引き下げ、ジェネリック品の台頭等により厳しい価格競争に晒される。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
新薬開発の難度、技術革新のスピードが速いICT分野でのタイムリーな新製品開発の必要性。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:価格競争の激化 / 海外経済情勢の悪化 / 新薬開発の遅延・中止
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 11 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

住友化学は、長年にわたり培ってきた「住友」ブランドの信頼性、および農薬・医薬品分野における強力な研究開発力と特許ポートフォリオを持つ。特に、高機能樹脂や電子材料分野での独自技術は、競合他社との差別化要因となっている。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

一部の高機能素材や医薬品においては、顧客との共同開発や長期契約により、一定のスイッチング・コストが発生する。しかし、汎用化学品においては、顧客の乗り換えは比較的容易である。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

化学品事業は、基本的に製品の性能や価格が競争力の源泉であり、ネットワーク効果が働くビジネスモデルではない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

大規模な生産設備と、長年の操業ノウハウによる効率化は一定のコスト優位性をもたらす。しかし、原料価格の変動や、新興国企業の台頭により、絶対的なコスト優位性を維持することは難しい。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

住友化学は、石油化学から機能性化学品、医農薬まで多岐にわたる事業を展開し、グローバルに事業規模を拡大している。特に、主要な化学品分野においては、業界でも有数の規模を誇り、スケールメリットを享受している。

  • 多岐にわたる事業ポートフォリオ
    農薬、医薬品、半導体材料、合成樹脂など、非常に幅広い分野で事業を展開しているため、特定の市場の変動に業績が大きく左右されにくいという強みがあります。これにより、リスクを分散し、安定した経営基盤を築いていると考えられます。例えば、農業分野の不振をIT分野の好調で補うといったことが可能です。
  • グローバルな事業展開と市場浸透
    海外売上収益が全体の約7割を占めており、特にアジアや南米といった成長市場に深く浸透しています。これにより、各地域の経済成長を取り込み、事業規模を拡大できる可能性があります。現地に根差した生産・販売体制を構築することで、国際的な競争力を高めていると考えられます。
  • 研究開発力と技術革新への対応
    ICT&モビリティソリューションセグメントのように、技術革新が速い分野で製品を開発・提供していることから、高い研究開発力と市場の変化に対応する能力を持っていると考えられます。特に、半導体プロセス材料や化合物半導体材料など、高度な技術が求められる分野での強みは、競争優位性につながる可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。なお、業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現時点で入手している情報や合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。 (1) 長期的に目指す姿 当社は、創業以来、住友の事業精神「自利利他 公私一如」(住友の事業は、住友自身を利するとともに、国家を利し、かつ社会を利するものでなければならない)のもと、自らの成長と社会への貢献を実現してきました。そして、この考え方を基に長期的に目指す企業像を「Innovative Solution Provider」と定めております。この目指す企業像に向け、当社が強みを持つ技術や事業のアセットから、取り組むべき社会課題を「食糧」「ICT」「ヘルスケア」「環境」に定めております。各課題に対応したそれぞれの事業部門において、これまで培ってきた当社固有の6つのコア技術と、そこから生まれた3領域(GX・DX・BX)を切り口とした重要アセットを活用することで、革新的なソリューションを生み出し、広く社会へ提供してまいります。そして、この先もグローバルに存在感のある会社であり続けるとともに、持続的な企業価値向上を目指してまいります。 (2) 2025-2027年度中期経営計画:全社方針当社グループは、2025年度を初年度とする中期経営計画に取り組んでおります。基本方針として、「新成長戦略による事業ポートフォリオ高度化」、「構造改革の継続的な遂行による強靭化」、「財務・資本効率の改善」などの5つを掲げました。2027年度の財務目標に関しては、コア営業利益2,000億円、ROE8%、ROIC6%、D/Eレシオ0.8倍台としております。 (3) 中期経営計画の進捗基本方針01 新成長戦略による事業ポートフォリオ高度化当社の強みである有機合成技術をベースとした「勝ち筋」事業を軸に、セグメント横断での競争力強化及び事業ポートフォリオの高度化を推進するとともに、長年の技術蓄積により競争優位性を有する再生・細胞医薬事業を新たな成長事業として育成する方針に基づき、各種施策に取り組みました。 基本方針02 構造改革の継続的な遂行による強靭化ラービグ リファイニング アンド ペトロケミカル カンパニー(以下「ペトロ・ラービグ社」という。)に対する当社持分比率の15%への引き下げ、国内における既存エチレンプラントの運営最適化やポリオレフィン事業の統合に関する合意など、石油化学事業の構造改革を着実に推進しました。また、住友ファーマ株式会社(以下「住友ファーマ社」という。)は構造改革を経て業績が好転しました。今後の成長に必要な資金の確保と財務基盤の強化のため資本を増強しました。なお、住友ファーマ社に対する当社持分比率は低下しますが、連結子会社である点に変更は生じません。 基本方針03 財務・資本効率の改善ROIC志向経営の再徹底に向け、投資管理プロセスを強化しました。データに基づくリスクの定量化や外部知見の活用等により投資判断の客観性を高め、徹底したリスク管理のもとで投資判断を実施しました。さらに投資後のモニタリング体制を強化し、環境変化に機動的に対応することで、投資効率の最大化及びROIC向上に向けた取り組みを推進しました。 基本方針04 3つのXを基軸としたR&D戦略全社視点で研究開発効率を高め戦略的な投資を実現するため、研究体制を再編しました。全社研究戦略会議の新設による重点分野への戦略的アロケーション決定と全社のモニタリング強化、研究企画部の新設による全社横断的な構造改革のリード、並びに技術ロードマップ策定による機動的な研究開発の実現を狙いとしております。 基本方針05 新成長戦略を支える経営基盤の強化経営基盤強化の一環として、生成AIの活用促進と高度化を推進しました。活用状況のモニタリングや教育により利用定着を図るとともに、専門業務に応じて社内データ活用をカスタマイズできる機能を実装し社内ナレッジの活用を深化しました。全社員が日常的にAIを活用する環境を浸透させ、事業競争力の強化につなげております。 (4) 2025年度 各事業部門の取り組み アグロ&ライフソリューション部門農薬事業では、次世代のブロックバスターを目指す製品に関する取り組みが主要市場で前進しました。例えば、殺菌剤インディフリンは、南米の大豆用途に加え、インドで水稲向けに販売を開始しました。また、バイオラショナル事業のさらなる強化・成長に向け、北米で同事業を担うグループ会社を統合し、研究・製造・販売等の機能を一体運営するグローバル中核拠点として新体制を整備することとしました。一方、南米では足元の厳しい事業環境を踏まえ、主力製品の真の付加価値に根差したマーケティング方針のもと、流通チャネル別販売戦略強化と、適用拡大による使用場面の拡大等を通して、販売回復とプレミアム価格の維持を図ってまいります。 ICT&モビリティソリューション部門半導体関連事業では、台湾のアジア ユニオン エレクトロニック ケミカル コーポレーションの買収により、台湾・米国の半導体用ケミカル拠点を獲得しました。AI需要の急拡大に牽引される先端半導体市場の成長を捉え、経営資源を最大かつ効率的に投入し、先端材料の開発・拡販と安定供給体制の強化を進めてまいります。ディスプレイ関連事業では、大型LCD用偏光フィルムの構造改革を実施し、OLED・車載用など高機能分野へのシフトを推進しました。また、モビリティ関連事業では、耐熱セパレータの製造拠点を集約しました。これらの構造改革を通じ、ディスプレイ関連事業、モビリティ関連事業の収益最大化とさらなる拡大を目指してまいります。 アドバンストメディカルソリューション部門CDMO事業を成長の中核に位置づけ、開発から製造・品質までの総合対応力を活用し、事業拡大を推進しております。特に医療用オリゴ核酸では、米国拠点を活用した顧客対応体制を強化し、新規受注の拡大に取り組んでおります。再生・細胞医薬事業では、日本において、世界初のiPS細胞由来パーキンソン病治療用製品「アムシェプリ®」の条件及び期限付き承認を取得したことを踏まえ、本承認と米国承認に向けて開発・製造・品質・事業の各体制を強化してまいります。また、後続の眼科2製品、脊椎損傷治療用製品の治験、開発を進め、革新的治療法を患者様に届けるべく取り組みを進めてまいります。 エッセンシャル&グリーンマテリアルズ部門石油化学事業では、2025年10月よりペトロ・ラービグ社の当社持分比率を15%へ引き下げました。国内においては既存エチレンプラントの運営最適化及びポリオレフィン事業の統合に関して関係先と合意に至るなど構造改革を加速させました。また、他社との協働を通じてライセンス・触媒事業の基盤を強化し、主力事業への成長を図ります。環境負荷低減ソリューションの提供に向けては、ケミカルリサイクルに関するパイロット設備の建設を完了するなど、2030年代の事業化を見据え、環境負荷低減技術の開発を推進しております。 (5) 2025年度実績2025年度は、オルゴビクス拡販を中心とした住友ファーマ社の利益貢献、ペトロ・ラービグ社の持分譲渡や、ノンコア事業売却などの構造改革の成果が実を結び、コア営業利益は2,084億円となりました。このため、2025年度の年間配当は、2024年度の9円と比べ4.5円増配となる1株当たり13.5円といたしました。また、有利子負債の返済を進め、D/Eレシオは2024年度末の1.20倍から2025年度末は0.93倍となり、財務体質が改善しました。 (6) 2026年度以降の見通し2026年度の業績見通しについては、住友ファーマ社の収益改善並びにペトロ・ラービグ社の財務改善・持分変更等が全社業績に貢献し、コア営業利益2,150億円となる予想です。収益力が着実に改善し、実力ベースでの大きな伸長を見込んでおります。2027年度以降に向けては、先行投資の成果最大化を通じて成長ドライバーであるアグロ&ライフソリューション部門及びICT&モビリティソリューション部門による全社業績の牽引を図ります。あわせて、エッセンシャル&グリーンマテリアルズ部門の収益力改善、アドバンストメディカルソリューション部門の早期育成に向けた取り組みを着実に進めます。 そして、中長期的にはROE10%以上、ROIC7%以上、D/Eレシオ0.7倍程度等の財務指標を安定的に達成することを目指します。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。なお、業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現時点で入手している情報や合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。 (1) 長期的に目指す姿 当社は、創業以来、住友の事業精神「自利利他 公私一如」(住友の事業は、住友自身を利するとともに、国家を利し、かつ社会を利するものでなければならない)のもと、自らの成長と社会への貢献を実現してきました。そして、この考え方を基に長期的に目指す企業像を「Innovative Solution Provider」と定めております。この目指す企業像に向け、当社が強みを持つ技術や事業のアセットから、取り組むべき社会課題を「食糧」「ICT」「ヘルスケア」「環境」に定めております。各課題に対応したそれぞれの事業部門において、これまで培ってきた当社固有の6つのコア技術と、そこから生まれた3領域(GX・DX・BX)を切り口とした重要アセットを活用することで、革新的なソリューションを生み出し、広く社会へ提供してまいります。そして、この先もグローバルに存在感のある会社であり続けるとともに、持続的な企業価値向上を目指してまいります。 (2) 2025-2027年度中期経営計画:全社方針当社グループは、2025年度を初年度とする中期経営計画に取り組んでおります。基本方針として、「新成長戦略による事業ポートフォリオ高度化」、「構造改革の継続的な遂行による強靭化」、「財務・資本効率の改善」などの5つを掲げました。2027年度の財務目標に関しては、コア営業利益2,000億円、ROE8%、ROIC6%、D/Eレシオ0.8倍台としております。 (3) 中期経営計画の進捗基本方針01 新成長戦略による事業ポートフォリオ高度化当社の強みである有機合成技術をベースとした「勝ち筋」事業を軸に、セグメント横断での競争力強化及び事業ポートフォリオの高度化を推進するとともに、長年の技術蓄積により競争優位性を有する再生・細胞医薬事業を新たな成長事業として育成する方針に基づき、各種施策に取り組みました。 基本方針02 構造改革の継続的な遂行による強靭化ラービグ リファイニング アンド ペトロケミカル カンパニー(以下「ペトロ・ラービグ社」という。)に対する当社持分比率の15%への引き下げ、国内における既存エチレンプラントの運営最適化やポリオレフィン事業の統合に関する合意など、石油化学事業の構造改革を着実に推進しました。また、住友ファーマ株式会社(以下「住友ファーマ社」という。)は構造改革を経て業績が好転しました。今後の成長に必要な資金の確保と財務基盤の強化のため資本を増強しました。なお、住友ファーマ社に対する当社持分比率は低下しますが、連結子会社である点に変更は生じません。 基本方針03 財務・資本効率の改善ROIC志向経営の再徹底に向け、投資管理プロセスを強化しました。データに基づくリスクの定量化や外部知見の活用等により投資判断の客観性を高め、徹底したリスク管理のもとで投資判断を実施しました。さらに投資後のモニタリング体制を強化し、環境変化に機動的に対応することで、投資効率の最大化及びROIC向上に向けた取り組みを推進しました。 基本方針04 3つのXを基軸としたR&D戦略全社視点で研究開発効率を高め戦略的な投資を実現するため、研究体制を再編しました。全社研究戦略会議の新設による重点分野への戦略的アロケーション決定と全社のモニタリング強化、研究企画部の新設による全社横断的な構造改革のリード、並びに技術ロードマップ策定による機動的な研究開発の実現を狙いとしております。 基本方針05 新成長戦略を支える経営基盤の強化経営基盤強化の一環として、生成AIの活用促進と高度化を推進しました。活用状況のモニタリングや教育により利用定着を図るとともに、専門業務に応じて社内データ活用をカスタマイズできる機能を実装し社内ナレッジの活用を深化しました。全社員が日常的にAIを活用する環境を浸透させ、事業競争力の強化につなげております。 (4) 2025年度 各事業部門の取り組み アグロ&ライフソリューション部門農薬事業では、次世代のブロックバスターを目指す製品に関する取り組みが主要市場で前進しました。例えば、殺菌剤インディフリンは、南米の大豆用途に加え、インドで水稲向けに販売を開始しました。また、バイオラショナル事業のさらなる強化・成長に向け、北米で同事業を担うグループ会社を統合し、研究・製造・販売等の機能を一体運営するグローバル中核拠点として新体制を整備することとしました。一方、南米では足元の厳しい事業環境を踏まえ、主力製品の真の付加価値に根差したマーケティング方針のもと、流通チャネル別販売戦略強化と、適用拡大による使用場面の拡大等を通して、販売回復とプレミアム価格の維持を図ってまいります。 ICT&モビリティソリューション部門半導体関連事業では、台湾のアジア ユニオン エレクトロニック ケミカル コーポレーションの買収により、台湾・米国の半導体用ケミカル拠点を獲得しました。AI需要の急拡大に牽引される先端半導体市場の成長を捉え、経営資源を最大かつ効率的に投入し、先端材料の開発・拡販と安定供給体制の強化を進めてまいります。ディスプレイ関連事業では、大型LCD用偏光フィルムの構造改革を実施し、OLED・車載用など高機能分野へのシフトを推進しました。また、モビリティ関連事業では、耐熱セパレータの製造拠点を集約しました。これらの構造改革を通じ、ディスプレイ関連事業、モビリティ関連事業の収益最大化とさらなる拡大を目指してまいります。 アドバンストメディカルソリューション部門CDMO事業を成長の中核に位置づけ、開発から製造・品質までの総合対応力を活用し、事業拡大を推進しております。特に医療用オリゴ核酸では、米国拠点を活用した顧客対応体制を強化し、新規受注の拡大に取り組んでおります。再生・細胞医薬事業では、日本において、世界初のiPS細胞由来パーキンソン病治療用製品「アムシェプリ®」の条件及び期限付き承認を取得したことを踏まえ、本承認と米国承認に向けて開発・製造・品質・事業の各体制を強化してまいります。また、後続の眼科2製品、脊椎損傷治療用製品の治験、開発を進め、革新的治療法を患者様に届けるべく取り組みを進めてまいります。 エッセンシャル&グリーンマテリアルズ部門石油化学事業では、2025年10月よりペトロ・ラービグ社の当社持分比率を15%へ引き下げました。国内においては既存エチレンプラントの運営最適化及びポリオレフィン事業の統合に関して関係先と合意に至るなど構造改革を加速させました。また、他社との協働を通じてライセンス・触媒事業の基盤を強化し、主力事業への成長を図ります。環境負荷低減ソリューションの提供に向けては、ケミカルリサイクルに関するパイロット設備の建設を完了するなど、2030年代の事業化を見据え、環境負荷低減技術の開発を推進しております。 (5) 2025年度実績2025年度は、オルゴビクス拡販を中心とした住友ファーマ社の利益貢献、ペトロ・ラービグ社の持分譲渡や、ノンコア事業売却などの構造改革の成果が実を結び、コア営業利益は2,084億円となりました。このため、2025年度の年間配当は、2024年度の9円と比べ4.5円増配となる1株当たり13.5円といたしました。また、有利子負債の返済を進め、D/Eレシオは2024年度末の1.20倍から2025年度末は0.93倍となり、財務体質が改善しました。 (6) 2026年度以降の見通し2026年度の業績見通しについては、住友ファーマ社の収益改善並びにペトロ・ラービグ社の財務改善・持分変更等が全社業績に貢献し、コア営業利益2,150億円となる予想です。収益力が着実に改善し、実力ベースでの大きな伸長を見込んでおります。2027年度以降に向けては、先行投資の成果最大化を通じて成長ドライバーであるアグロ&ライフソリューション部門及びICT&モビリティソリューション部門による全社業績の牽引を図ります。あわせて、エッセンシャル&グリーンマテリアルズ部門の収益力改善、アドバンストメディカルソリューション部門の早期育成に向けた取り組みを着実に進めます。 そして、中長期的にはROE10%以上、ROIC7%以上、D/Eレシオ0.7倍程度等の財務指標を安定的に達成することを目指します。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。 (1) 重要性がある会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り、判断及び仮定を行っておりますが、実際の結果は、見積り及び仮定に関する不確実性があるために、翌連結会計年度に係る連結財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループの財政状態または経営成績等に重要な影響を及ぼす会計上の見積り、判断及び仮定は、以下のとおりであります。 ・非金融資産の減損有形固定資産、のれん及び無形資産の減損テストにおいて、資金生成単位を判別したうえで、当該資金生成単位における使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうちいずれか高い方を回収可能価額として測定しております。当該処分コスト控除後の公正価値算定上の仮定、あるいは使用価値算定の基礎となる資金生成単位の使用期間中及び使用後の処分により見込まれる将来キャッシュ・フロー、割引率等の仮定は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、有形固定資産、のれん及び無形資産に係る減損損失額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。 ・関連会社に対する投資の評価当社は、当社の持分法適用会社であるペトロ・ラービグ社に対する投資(A種普通株式)について、減損の兆候の有無を判断しており、減損の兆候が存在する場合には減損テストを実施しております。回収可能価額は公正価値で算定しており、公正価値は市場価格を用いております。回収可能価額は将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、持分法で会計処理されている投資の金額に重要な影響を生じさせる可能性を有しております。 ・繰延税金資産の回収可能性繰延税金資産については、将来減算一時差異等を利用できる将来課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しております。当該回収可能性の判断は、当社グループの事業計画に基づいて決定した将来の各事業年度の課税所得の見積りを前提としております。当該将来の課税所得の見積りは、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、繰延税金資産の計上額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。 ・引当金の測定引当金は、将来において債務の決済に要すると見込まれるキャッシュ・フローの期末日における最善の見積りに基づいて測定しております。将来において債務の決済に要すると見込まれるキャッシュ・フローは、将来の起こりうる結果を総合的に勘案して算定しております。これら引当金の測定において使用される仮定は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、引当金の測定額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。 ・金融商品の公正価値特定の金融商品の公正価値を評価する際に、市場で観察可能ではないインプットを利用する評価技法を用いております。当該観察不能インプットは、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。ペトロ・ラービグ社が発行するB種普通株式については議決権が無く、発行当初から数年間の配当猶予期間が設定されており、2028年以降、年ごとに異なる配当率が設定されております。またB種普通株式には、一定の累積配当や買戻しに関する定めがあります。B種普通株式はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産(FVTOCIの金融資産)に分類し、公正価値ヒエラルキーレベル3に区分するとともに、割引キャッシュ・フロー法により公正価値を算定しております。公正価値の算定にあたっては、重要な観察不能インプットとして将来キャッシュ・フローの総額及び割引率を使用しております。当社は、ペトロ・ラービグ社の事業計画を基礎とした資金繰りの見積りを行い、その結果生じうる手元資金の範囲内でB種普通株式に対する配当等の将来キャッシュ・フローを見積っております。その見積りにあたっては主要製品の将来の販売価格・マージン等の仮定を置いております。これらの仮定や割引率は、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があります。 なお、中東地域における地政学的リスクの高まりに起因する原材料価格の高騰やサプライチェーンへの影響については先行き不透明感が高い状況にありますが、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づき、会計上の見積りを行っております。 (2) 経営成績当連結会計年度の世界経済は、地政学リスクの高まりや通商政策の不確実性が続くなかでも、各国の財政・金融政策や好調なAI関連投資等により、全体として底堅い成長を維持しました。また、国内経済についても、原油価格の上昇等による物価高の影響を受けつつも所得環境の改善によって個人消費が増加したことに加え、企業による省力化やデジタル関連の堅調な設備投資が内需を下支えし、景気はゆるやかな回復基調が継続しました。この結果、当連結会計年度の売上収益は、前連結会計年度に比べ2,778億円減少し、2兆3,285億円となりました。損益面では、コア営業利益は2,084億円となり前連結会計年度を上回りましたが、営業利益は1,517億円となり前連結会計年度を下回りました。親会社の所有者に帰属する当期利益は609億円となり、前連結会計年度を上回りました。 (売上収益)売上収益については、エッセンシャル&グリーンマテリアルズセグメントにおいて、持分法適用会社であるペトロ・ラービグ社の定期修繕に伴う販売子会社の出荷減少や、前連結会計年度の事業撤退に伴うアルミニウム等の出荷減少、及び当連結会計年度の事業譲渡に伴う合成樹脂の出荷減少がありました。この結果、売上収益は、前連結会計年度の2兆6,063億円に比べ2,778億円減少し、2兆3,285億円となりました。 (コア営業利益/営業利益)コア営業利益については、住友ファーマセグメントにおいて、北米における進行性前立腺がん治療剤「オルゴビクス」及び過活動膀胱治療剤「ジェムテサ」の売上が拡大したことに加え、事業構造改善効果の発現等により研究開発費を含む販売費及び一般管理費が減少しました。また、アジア事業の一部持分を譲渡したことによる利益も計上しました。エッセンシャル&グリーンマテリアルズセグメントにおいては、ペトロ・ラービグ社の一部株式売却による売却益の計上に加え、ペトロ・ラービグ社や合成樹脂等の交易条件の改善がありました。この結果、コア営業利益は、前連結会計年度の1,405億円に比べ679億円増加し、2,084億円となりました。 コア営業損益の算出にあたり営業損益から控除した、非経常的な要因により発生した損益は、前連結会計年度においてペトロ・ラービグ社に対する貸付金の債務免除に伴う持分法による投資利益(非経常要因)等を計上していたことから、前連結会計年度の525億円の利益に比べ1,091億円悪化し、566億円の損失となりました。以上の結果、営業利益は、前連結会計年度の1,930億円に比べ413億円減少し、1,517億円となりました。 (金融収益及び金融費用/税引前利益)金融収益及び金融費用は357億円の損失となりましたが、前連結会計年度にペトロ・ラービグ社に対する貸付金の債権放棄に伴う損失を計上していたことから、前連結会計年度の1,349億円の損失に比べ993億円改善しました。この結果、税引前利益は、前連結会計年度の581億円に比べ580億円増加し、1,161億円となりました。 (法人所得税費用/親会社の所有者に帰属する当期損益及び非支配持分に帰属する当期利益)法人所得税費用は7億円となり、税引前利益から法人所得税費用を控除した当期利益は、1,154億円となりました。非支配持分に帰属する当期損益は、主として住友ファーマ社等の連結子会社の非支配持分に帰属する損益からなり、前連結会計年度の41億円に比べ504億円増加し、545億円となりました。以上の結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度の386億円に比べ224億円増加し、609億円となりました。 当連結会計年度のセグメント別の業績の概況は、次のとおりであります。なお、セグメント損益は、持分法による投資損益を含む営業損益から非経常的な要因により発生した損益を控除した経常的な収益力を表す損益概念であります。 (アグロ&ライフソリューション)農薬は国内外で出荷が堅調に推移しました。メチオニン(飼料添加物)は出荷数量が減少しました。この結果、売上収益は前連結会計年度に比べ、210億円減少し5,193億円となった一方、コア営業利益は上記の堅調な国内農薬出荷などに支えられて、前連結会計年度に比べ14億円増加し563億円となりました。また、生産規模は、約2,560億円となりました。(販売価格ベース) (ICT&モビリティソリューション)ディスプレイ関連材料は価格競争の激化により売価が下落したことに加え、大型液晶ディスプレイ(LCD)用偏光フィルム事業の抜本的構造改革実施の影響もありました。半導体プロセス材料は市況のゆるやかな回復が継続しており、出荷数量は増加しましたが、固定費の増加がありました。また、円高に伴う輸出手取りの減少や、在外子会社の邦貨換算差の影響もありました。この結果、売上収益は前連結会計年度に比べ、328億円減少し5,742億円となり、コア営業利益は前連結会計年度に比べ、175億円減少し530億円となりました。また、生産規模は、約5,240億円となりました。(販売価格ベース) (アドバンストメディカルソリューション)オリゴ核酸の生産が本格化し出荷が増加した一方、医薬品原薬・中間体では製品構成の違いから、売上収益は前連結会計年度に比べ、35億円減少し586億円となり、コア営業利益は前連結会計年度に比べ、11億円減少し28億円となりました。また、生産規模は、約600億円となりました。(販売価格ベース) (エッセンシャル&グリーンマテリアルズ)持分法適用会社であるペトロ・ラービグ社の定期修繕に伴う販売子会社の出荷減少に加え、前連結会計年度の事業撤退に伴うアルミニウム等の出荷減少、及び当連結会計年度の事業譲渡に伴う合成樹脂の出荷減少がありました。この結果、売上収益は前連結会計年度に比べ、2,202億円減少し6,788億円となりました。コア営業利益はペトロ・ラービグ社の一部株式売却による売却益に加え、ペトロ・ラービグ社や合成樹脂等の交易条件改善により、前連結会計年度に比べ、729億円改善し144億円となりました。また、生産規模は、約4,580億円となりました。(販売価格ベース) (住友ファーマ)日本及びアジアは減収となりましたが、北米において進行性前立腺がん治療剤「オルゴビクス」及び過活動膀胱治療剤「ジェムテサ」の売上が拡大したことに加え、「オルゴビクス」の販売マイルストン収入を計上したこと等により増収となりました。この結果、売上収益は前連結会計年度に比べ、539億円増加し4,519億円となりました。コア営業利益は、増収に加え、事業構造改善効果の発現等により研究開発費を含む販売費及び一般管理費が減少したこと、アジア事業の一部持分を譲渡したことによる利益を計上したことから、前連結会計年度に比べ、731億円増加し1,084億円となりました。なお、再生・細胞医薬のCDMO(製法開発・製造受託)事業は本セグメントに属さないことや当社連結決算処理の影響等により、本セグメントの売上収益及びコア営業利益は、連結子会社である住友ファーマ社の売上収益及びコア営業利益と異なります。また、生産規模は、約4,080億円となりました。(販売価格ベース) (その他)上記5セグメント以外に、電力・蒸気の供給、運送・倉庫業務等を行っております。前連結会計年度に放射性診断薬事業等を売却したことにより、売上収益は前連結会計年度に比べ、541億円減少し458億円となりました。コア営業利益は上記放射性診断薬事業等の売却に伴う一過性の利益がなくなったことに加え、当社の連結から除外されたため、前連結会計年度に比べ625億円減少し44億円となりました。 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。① 生産実績及び受注状況当社グループ(当社及び連結子会社)の生産品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産製品の規模は小さいため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。このため生産の状況については、セグメントごとの経営成績に関連付けて示しております。② 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前連結会計年度比(%)アグロ&ライフソリューション519,256△3.9ICT&モビリティソリューション574,162△5.4アドバンストメディカルソリューション58,601△5.7エッセンシャル&グリーンマテリアルズ678,800△24.5住友ファーマ451,93313.6その他45,763△54.2合計2,328,515△10.7 (注) 1 上記販売実績は、外部顧客への売上収益を示しております。2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。 (3) 財政状態当連結会計年度末の資産合計は、売却目的で保有する資産や棚卸資産の減少により前連結会計年度末に比べ347億円減少し3兆4,050億円となりました。負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,970億円減少し、2兆1,684億円となりました。有利子負債は、前連結会計年度末に比べ1,347億円減少し、1兆1,515億円となりました。資本合計(非支配持分を含む)は、その他の資本の構成要素や非支配持分が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ1,623億円増加し、1兆2,367億円となりました。親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末に比べて3.4ポイント増加し、29.6%となりました。 (4) キャッシュ・フロー当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益が前連結会計年度を上回った一方で、運転資金の増加等により、前連結会計年度並みの2,348億円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、投資の取得による支出の増加により、前連結会計年度に比べ1,601億円減少し、748億円の支出となりました。この結果、フリー・キャッシュ・フローは、前連結会計年度の3,183億円の収入に対して、当連結会計年度は1,599億円の収入となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、有利子負債の減少等により1,991億円の支出となりました。また、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、売却目的で保有する資産への振替額も加味すると、前連結会計年度末に比べ12億円減少し、2,086億円となりました。 当社グループの資金需要及び資本の財源並びに資金の流動性は、次のとおりであります。当社グループの資金需要には、通常の営業活動に必要となる運転資金や既存設備の定期修理のための資金に加え、中期経営計画(2025-2027年度)の基本方針の一つである「新成長戦略による事業ポートフォリオ高度化」を推進するための投資に必要となる資金があります。成長への目配りもしながら案件を徹底的に厳選するとともに、資産売却やCCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)短縮等により財務体質の改善に努めてまいります。また、当社グループは株主還元についても、経営上の最重要課題の一つと考えております。各期の業績、配当性向並びに将来の事業展開に必要な内部留保の水準等を総合的に勘案の上、安定的な配当を継続することを基本とし、中長期的に配当性向30%程度を安定して達成することを目指しております。 当社グループの財務活動の方針は、低利かつ中長期にわたり安定的な資金調達を行うこと、及び十分な流動性を確保することです。D/Eレシオ(有利子負債/純資産)については、フレキシブルな資金調達が可能な現在の当社格付を維持することを考慮し、中長期的に0.7倍程度を目安としております。当社グループは、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、銀行借入、資本市場における社債及びコマーシャル・ペーパー(当連結会計年度末の当社発行枠2,500億円)の発行等により、必要資金を調達しております。 当社グループは、キャッシュマネジメントシステム及びグループファイナンス等により手元資金の最大活用を図っており、現金及び現金同等物の保有額は事業遂行上必要な水準に維持することを目指しております。当連結会計年度末の現金及び現金同等物は2,086億円であり、流動比率(流動資産/流動負債)は150.6%であります。また、大手邦銀のシンジケート団による1,300億円のコミットメント・ライン及び大手外銀のシンジケート団による200億円のマルチカレンシー(円・米ドル・ユーロ建)によるコミットメント・ラインを有しており、事業等のリスクの顕在化等による突発的な資金需要に備え、手元流動性を確保しております。 (5) 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

事業リスク

  • 市場価格競争と収益性悪化のリスク
    総合化学メーカーとして、多くの製品が国内外での価格競争に晒されています。輸入品の増加やジェネリック医薬品の台頭などにより、製品価格が下落し、収益性が悪化する可能性があります。これにより、減損損失の発生や繰延税金資産の回収不能といった形で、会社の経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす恐れがあります。
  • 海外事業展開に伴う地政学的・経済的リスク
    海外売上収益が約7割を占めるため、特定の地域での経済情勢の悪化、貿易摩擦による関税引き上げ、地域紛争によるサプライチェーンの寸断など、地政学的な問題が経営に大きな影響を与える可能性があります。また、為替レートの変動も収益に影響を与え、特に円高は年間20億円程度の減益要因となる試算があります。
  • 特定の事業セグメント固有のリスク
    アグロ&ライフソリューションでは異常気象による作物の生育状況や病害虫の発生状況、飼料添加物の価格変動が、ICT&モビリティソリューションでは技術革新への対応遅れが、住友ファーマでは新薬開発の失敗や医療制度改革が、それぞれ経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。各事業の特性に応じたリスクが存在し、それらが顕在化すると業績に打撃を与える恐れがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|7,975 文字
3 【事業等のリスク】事業等のリスクのうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると当社グループが認識している主要なリスクを以下に記載しております。ただし、投資家の判断に影響を及ぼす可能性のあるリスクは、これらに限定されるものではありません。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。当社グループではこのようなリスクを最小化するとともに、これらを機会として活かすためのリスク管理体制の整備・充実に努めております。詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③企業統治に関するその他の事項 (ハ)リスク管理体制の整備の状況」に記載しております。 1.経営戦略に関わるリスク(1) 短期的なリスク① 市場に係るリスク当社グループは、総合化学メーカーとして様々な事業を行っており、事業に関わるリスクは多種多様であります。事業に係る市場リスクについては、主に以下のようなものがあります。 (価格競争) 当社グループの事業は価格競争に晒されております。海外企業の国内市場参入、関税引き下げ等による輸入品の流入、ジェネリック品の台頭等、様々な理由により当社グループの製品群は今後も厳しい価格競争に晒されるものと予想されます。当社グループはコストの低減に努めておりますが、価格競争を克服できない場合、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 経営環境の著しい悪化等による収益性の低下や市場価格の下落等により、当社グループの保有する有形固定資産等について減損損失が発生し、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 経営環境の著しい悪化等による将来の課税所得に関する予測・仮定の変更や税制改正による税率変更等により繰延税金資産の一部ないしは全部が回収できないと判断された場合、繰延税金資産は減額され、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (海外マーケット)当社グループの海外売上収益は売上収益の7割程度を占め、特にアジア市場での販売が多く、近年では南米等でも事業を拡大しております。そのため、特定の地域での経済情勢の悪化、あるいは顧客企業の業績状況の変化等による値下げ要求が発生した場合、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (アグロ&ライフソリューション) アグロ&ライフソリューションセグメントの農薬や家庭用殺虫剤の出荷は、世界各地域における異常気象等の理由による作物の生育状況や病害虫の発生状況に左右されます。また、飼料添加物は急激な価格変動を起こすことがあります。作物の生育状況が悪くなった場合、病害虫の発生が少なくなった場合、あるいは急激な価格変動が起こった場合、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (ICT&モビリティソリューション) ICT&モビリティソリューションセグメントの製品は、技術革新のスピードが速く、タイムリーに新製品を開発・提供していく必要があります。当社グループが顧客ニーズを満足させる新規製品を有効に開発できない場合、また他社において画期的な技術革新がなされた場合、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (アドバンストメディカルソリューション) アドバンストメディカルソリューションセグメントでは高度化低分子医薬原薬・中間体、医療用オリゴ核酸、並びに再生・細胞医薬に関する生産プロセスの開発や製造を受託するCDMO事業を行っています。顧客となる製薬企業のニーズに対応できず失注した場合、また顧客の経営環境の変化により新薬開発が延期ないし中止された場合、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (エッセンシャル&グリーンマテリアルズ) エッセンシャル&グリーンマテリアルズセグメントの主要原料であるナフサは、中東地域の治安や世界の経済情勢に多大な影響を受け、時に急激な価格変動を起こすことがあります。ナフサの価格が急激に上昇した場合、製品価格への転嫁が遅れること等により、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ナフサやその他の原料品の一部については、特定の地域や購入先に依存しております。購入先を複数にする等、主要原料が購入できないリスクを低減するように努めておりますが、時に主要原料の不足が生じないという保証はありません。必要な主要原料が確保できない場合には、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (住友ファーマ) 住友ファーマセグメントでは、新薬開発の難度が高まる中、開発が今後計画どおりに進み承認・発売に至るとは限らず、また、有効性や安全性の観点から開発が遅延または開発を中止しなければならない事態も起こり得ます。そのような事態が発生した場合には、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 国内においては、少子高齢化の急速な進展等により国家財政が悪化する中、先発医薬品の価格抑制や長期収載品の選定療養の導入、毎年の薬価改定などの薬剤費抑制策が図られ、あわせて医療制度改革の論議も続けられています。また、米国においては、先発医薬品の価格抑制に関する新たな規則や政策が提案されており、今後これらが実施される可能性があります。さらに、中国においては国家医療保険償還医薬品リスト収載による価格引き下げや集中購買制度による安価な後発医薬品の使用が推進されています。医薬品市場は各国の政策による様々な規制を受けており、これら各国の薬価・医療制度改革の方向性によっては、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (為替レート変動)当社グループは、国内で製造した製品を海外に輸出するとともに海外から原料品を輸入しておりますが、製品輸出高は原料品輸入高を上回っております。外国通貨に対して円高が進行した場合、海外で生産された製品に対する価格競争力が低下することに加え、輸出手取額の減少が輸入支払額の減少を上回ることになります。さらに、近年では南米やインド等海外での事業活動の拡大とともに、それぞれの地域の通貨で米ドルやその他通貨に対する為替レートの変動影響も大きくなっています。このようなリスクに対し、為替予約等の通貨ヘッジ取引や、円建輸出取引を行うこと等により、為替レートの短期的な変動によるリスクを最小限にするように努めておりますが、中長期的な為替レートの変動によるリスク等を完全にヘッジすることはできないため、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、海外の関係会社の経営成績は、連結財務諸表作成のために円換算されております。換算時の為替レートにより、円換算後の価値が影響を受ける可能性があり、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。為替レート変動がコア営業利益に与える影響は、米ドルに対して円が1円の円高となった場合、年間25億円程度の減益と試算しております。 (金利変動)当社グループは、資金需要に対してその内容や財政状態及び金融環境を考慮し、調達の金額・期間・方法等を判断しております。今後の金利の変動に備え、固定金利・変動金利を適宜組み合わせて調達を行っておりますが、金利が上昇した場合には支払利息が増加し、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (株式相場変動)当社グループが保有する市場性のある有価証券の価格が、株式相場の変動により大幅に下落した場合、当社グループの財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② 海外事業展開当社グループは、世界各国に生産・販売の拠点を持ち、海外売上比率は7割程度を占めております。そのため、貿易摩擦等による関税の引き上げ、地域紛争によるサプライチェーン分断等、地政学的問題が発生した場合には、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、海外における事業活動には法律や規制の変更、労務環境の違いによる争議等の発生、人材の採用と確保の難しさ、テロ・戦争・その他の要因による社会的混乱等のリスクが内在しており、これらのリスクが顕在化した場合は、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社とサウジアラビアン オイル カンパニー社(以下「サウジ・アラムコ社」という。)が共同で設立したペトロ・ラービグ社は、サウジアラビアのラービグにおいて、石油精製・石油化学の統合コンプレックス事業(「ラービグ第1期計画」及び「ラービグ第2期計画」)を運営しております。当社は、プロジェクト総投資額に対し、不測の事態による損害に備え、独立行政法人日本貿易保険(現:株式会社日本貿易保険)の規約に従い、海外投資保険等に加入しております。また、当社はペトロ・ラービグ社に対しA種普通株式及びB種普通株式による投資を行っているほか、同社の銀行借入の一部に対して債務保証を行っております。将来の不確実な経済条件の変動の結果によって、投資の回収可能価額が大きく減少した場合及び債務保証が履行された場合には、当社グループの経営成績並びに財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 企業買収・資本提携当社グループは、事業拡大や競争力強化等を目的として、国内外において企業買収・資本提携等を実施しておりますが、当社グループ及び出資先企業を取り巻く事業環境の変化等により、当初期待していたシナジー等の買収効果を得られない可能性があります。事業環境や競合状況の変化等により期待する成果が得られないと判断された場合、あるいは適用される割引率が高くなった場合にはのれん等の減損損失が発生し、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ④ 技術・研究開発当社グループは、需要家のニーズに合わせた新技術・新製品をスピーディーに上市するため、積極的に研究開発を行っております。当社グループの研究開発は、次世代事業の創生のための探索研究を含んでいるため研究開発期間が長期間にわたる場合があり、また、研究開発テーマが実用化されず、新製品の開発が著しく遅延または断念される場合には、競争力が低下し、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、研究開発現場へのAI/MIの実装とその徹底活用、アカデミアやスタートアップとの連携(オープンイノベーション)強化により研究開発を推進してまいります。 ⑤ DXによる事業環境の急変当社グループでは、DXによる「事業の競争力強化」及び「新たな価値創造」を加速させております。しかしながら、当社において、デジタル技術の適用が著しく遅延した場合や、他社がデジタル技術を活用して生産性や競争力を向上させる、あるいは新たなビジネスモデルを創造するなど事業環境の急変により、当社グループの競争力が相対的に低下することで経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) 中長期的なリスク① 気候変動問題当社グループは、気候変動問題を社会が直面する重要課題の一つと捉えており、その解決に向け、総合化学企業として培ってきた技術力を活かし、当社グループの温室効果ガス(GHG)排出量をゼロに近づけるという「責務」と当社グループの製品・技術を通じて、世界のGHGを削減するという「貢献」の両面から積極的に取り組んでおります。この問題に適切な対応ができない場合、当社グループの事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、地球規模で私たちの生活に大きな影響を及ぼしている気候変動問題の解決に向け、引き続き「責務」と「貢献」の両面から取り組んでまいります。 ② プラスチック廃棄物問題プラスチックは、自動車や航空機から電子機器、生活用品、各種包装材に至るまで、様々な用途に用いられる素材として人々の生活を支えていますが、使用後の適切な処理・再利用が十分に行われていないために環境汚染を引き起こしているという問題があります。この問題に適切な対応ができない場合、当社グループの事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、技術開発等を通じて、プラスチックを含む炭素資源循環の実現に取り組むことで、循環社会実現後のプラスチック市場において有利な地位に立つ可能性があります。 2.事業継続の基盤に関わるリスク① 事故・災害 当社グループは、製造設備等に起因する事故・災害の潜在的なリスクを最小化するため、関係法令への対応は勿論のこと、リスクに基づいて、設備の定期的な点検や安全諸施策を実施しております。しかしながら、リスクは常に一定ではなく、台風や地震等の自然災害による影響を含め、製造設備等で発生する事故・災害を完全に防止・軽減できる保証はありません。事故・災害により、工場周辺に物的・人的被害を及ぼした場合、事業活動に支障をきたすほか、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、事故・災害に至る可能性のあるリスクについて、適宜情報共有を図り、対応事項の改善見直しを実施しております。 ② 製品の品質当社グループは、国際的な規格・基準に準拠した品質管理体制の下、各種製品を製造しております。しかしながら、すべての製品について欠陥を完全に排除すること並びに将来にわたり製品事故やリコールの発生を防止することを保証するものではありません。特に大規模な製品事故が発生した場合には、多額のコストが発生するほか、当社グループの評価に重大な影響を与え、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、農薬や医薬品等の製品は、各国の厳格な審査を経て承認されておりますが、科学技術の進歩や市販後の知見の蓄積により、新たな問題や副作用が判明する場合があります。上市後に予期せぬ問題や副作用が発見された場合には、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を与える可能性があります。当社グループは、製品品質(製品安全を含む)を管理するための仕組み・体制を整備し、新製品開発時のリスク評価やリスク低減対策の実施、日々の品質管理の徹底、並びに製品の取扱いに関する指導等に継続的に取り組んでおります。今後もこれらの活動を通じて、製品事故や品質問題の未然防止に努めてまいります。 ③ サイバーセキュリティITの活用を通じて、業務の生産性向上や事業競争力の確保、新たなビジネスモデルの創出を目指すデジタル革新が加速する一方、サイバー攻撃の巧妙化等により情報システムに関するリスクは一層高まっており、事業運営に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、情報、情報システム及び情報通信ネットワークを適切に管理し、情報の漏えい又は紛失を未然に防止するための対策並びにセキュリティインシデント発生時の影響を最小限に抑えるための対策を講じることで、サイバーセキュリティを経営上の重要課題として捉え、適切に対応してまいります。 ④ コンプライアンスに関するリスク当社グループでは、コンプライアンスを企業経営の根幹と位置づけ、当社コンプライアンス委員会の指導・監督の下、グループ全体でのコンプライアンス推進体制を構築・運用しております。また、当社コンプライアンス委員会傘下の地域法務・コンプライアンス統括(RLCO)からのグループ会社に対する指導・支援を強化する等、グループ全体でのコンプライアンスの徹底に注力しております。しかしながら、このような施策を講じても、コンプライアンス上のリスクを完全には排除することはできない可能性があり、国内外の法令等に抵触する等のコンプライアンス違反が発生した場合には、当社グループの社会的な信用が低下し、また損害賠償責任や罰金が課される等、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 規制変更当社グループは、事業展開する各国の規制に従い、業務を遂行しております。将来における法律、規則、政策、実務慣行、解釈及びその他の政策変更並びにそれらによって発生する事態が、当社グループの業務遂行や経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、将来的に環境及び化学品安全等に対する法的規制が強化され、新たな対策コストが発生する可能性があります。 ⑥ 人権問題当社グループは、人権尊重を事業継続のための基盤の一つと位置付けており、「住友化学グループ 人権の尊重に関する基本方針」を制定するとともに、推進体制として「人権尊重推進委員会」を設置し、人権デュー・デリジェンス等の人権尊重の取り組みをグループ一体となって行っております。しかしながら、このような施策を講じても、人権問題に関するリスクを完全には排除することができない可能性があり、当社グループのバリューチェーン上で人権問題が発生した場合、当社グループの事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ ハラスメント当社グループでは、ハラスメントの発生に対し、社員教育の徹底、スピークアップ通報窓口の設置等により、リスクの低減に取り組んでおります。しかしながら、このような施策を講じても、ハラスメントリスクを完全には排除することができない可能性があり、ハラスメントに起因した、マスコミや労働局への告発による企業イメージの毀損、賠償責任等が発生した場合、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 知的財産当社グループは、他社と差別化できる技術とノウハウを蓄積し事業の競争力を強化してきましたが、当社グループ独自の技術・製品とノウハウの一部は、厳正な管理を行っているものの、予期せぬ事態により外部に流出する可能性に加え、特定の地域ではこれらの知的財産の完全な保護が不可能なため、第三者が当社グループの知的財産を使用して類似製品を製造することを効果的に防止できない可能性があります。また、将来的に知的財産に係る紛争が生じ、当社グループに不利な判断がなされる可能性があります。そのような事態が生じた場合には、当社グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 感染症の蔓延 世界的な感染症の流行が発生した場合、当社グループの事業運営や経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループはこのようなグループ全体に影響を及ぼすリスクに対し、リスク・クライシスマネジメント委員会を設置し、対処方針を審議しております。また、事業継続計画を策定し毎年見直しを行うとともに、新型コロナウイルスへの対応を踏まえて、感染状況の段階に応じた事業運営のあり方の見直しも実施し、将来起こり得る感染症危機に備えております。 ⑩ 訴訟当社グループは、国内及び海外事業に関連して、訴訟、係争、その他の法律的手続きの対象となるリスクがあり、将来重要な訴訟等が提起された場合には、当社グループの経営成績並びに財政状態に重要な悪影響を及ぼす可能性があります。

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