4076

シイエヌエス(4076)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • システム開発の受託
    シイエヌエスグループは、企業向けのシステム開発やプログラミングを請け負う「システムエンジニアリングサービス事業」を主軸としています。具体的には、システムの計画段階から設計、製造、テスト、運用まで一貫して支援し、顧客のビジネス課題をITで解決することで収益を得ています。NTTデータや野村総合研究所といった大口顧客との取引が売上の大部分を占めており、安定した収益基盤となっています。
  • DX推進支援
    デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進したい企業に対し、様々な技術ソリューションを提供しています。ServiceNow製品を活用したシステム保守・運用変革や、データベースの性能改善コンサルティングなどが含まれます。これにより、企業のIT活用を支援し、その対価として収益を得ています。
  • データ活用と基盤構築
    企業に蓄積された大量のデータを分析し、ビジネス課題の解決に繋げる「ビッグデータ分析事業」を展開しています。また、企業の業務システムやECサイト、SNSなどに必要なコンピューターやネットワークといったIT基盤の導入・運用を支援する「システム基盤事業」も手掛けています。クラウド技術(AWS、OCIなど)の知見を活かし、顧客のITインフラを支えることで収益を上げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • テクノロジーソリューション事業
    この事業は、最先端技術を活用し、顧客の技術的な課題を解決することに特化しています。ServiceNow製品の導入・運用支援、AIやIoT、クラウドを活用したアジャイル開発、データベースの性能最適化など、技術コンサルティングからシステムインテグレーションまで幅広く手掛けています。技術的な専門性が高く、企業のIT基盤を支える重要な役割を担っています。
  • ビジネスソリューション事業
    顧客の業務視点に立ち、ビジネス課題を解決することを目的とした事業です。金融機関や小売流通業向けの業務アプリケーション開発・運用保守、データ分析・活用提案が主な内容です。自社ブランド「U-Way」を通じて、オラクル社のクラウドサービス(OCI、ERP)を活用したインフラ基盤からアプリケーション開発まで一貫したサービスを提供し、顧客の業務効率化を支援しています。
  • コンサルティング事業
    顧客のビジネス変革をリードする事業で、DX戦略の策定から具体的な解決策の実行までを支援します。DX診断による課題抽出、データ分析、システム開発に加え、生成AIを活用した業務改革コンサルティングや、デジタル・AI人材育成(DXブートキャンプ)など、幅広いコンサルティングサービスを提供しています。顧客の潜在的な課題を掘り起こし、戦略的な視点から解決策を提案することで、企業の成長を後押ししています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,548 文字
3【事業の内容】当社グループは、当社及び連結子会社(株式会社シイエヌエス北海道)の2社で構成されており、「システムエンジニアリングサービス事業」を主たる業務としております。株式会社シイエヌエス北海道も当社と同じ事業に携わっております。本事業の開発プロセスは以下のとおりです。 要件定義工程 → 基本設計工程 → 詳細設計工程 → 製造工程 → 単体試験工程 → 結合試験工程 → 総合試験工程 2026年5月期より組織体制を大きく変更し、本部制を敷くこととなりました。先端技術の活用により顧客の課題解決を主な目的とするテクノロジーソリューション事業、顧客業務視点に立った課題解決を主な目的とするビジネスソリューション事業、新規顧客・案件開拓に向けて顧客接点を増やすことを主な目的とするコンサルティング事業をそれぞれ担う3つの本部となります。 <テクノロジーソリューション事業>テクノロジーソリューション事業は、最先端の技術を活用した事業を主に3つの領域にて展開しております。1.企業や組織内で発生するさまざまな業務プロセスを1つのプラットフォーム上で、統合・自動化・可視化する ためのクラウドサービスであるServiceNowに関するコンサルティング・導入・運用までをend to endでのサー ビス提供を行っております。2.次世代技術のR&D、性能最適化やデータベースマイグレーション、ソフトウェアアーキテクチャ等のテクニカ ルコンサルティング、AIやIoT、クラウド・コンピューティングを活用したアジャイル開発等において、シス テム・インテグレーションサービスを提供しております。3.オンプレミスからクラウドに至るインフラ環境全般における技術コンサルティング・導入・構築・運用までを ワンストップで提供しております。 <ビジネスソリューション事業>ビジネスソリューション事業は、顧客業務に関する知識・ノウハウ、及び自社オリジナルサービス「U-Way」を活用した事業を主に2つの領域にて展開しております。1.金融機関及び小売流通業向けの業務アプリケーション設計・開発・運用保守の請負/並びにデータ分析・活用 の提案を行っております。2.一般事業会社向けに自社オリジナルブランド「U-Way」サービスを通じた支援を行っております。インフラ基 盤からアプリケーション開発までシームレスなサービスを提供しております。特に、オラクル社が提供するク ラウド「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」とクラウド型ERPである「Oracle NetSuite」「Oracle Fusion Applications」に強みを有しております。 <コンサルティング事業>コンサルティング事業は、顧客のビジネス変革をリードしています。顧客の潜在・顕在課題を抽出し戦略を構築するだけではなく、その戦略に基づく具体的な解決策に至るまでを提供するソリューション型コンサルティングサービスとして以下2つのサービスを展開しています。1.DXコンサルティングサービスでは、専門性の高いコンサルタントを有し、DX戦略カルテ(DX診断)から課題を 抽出し最適なコンサルティングを提供しています。同時に、解決の具体策として当社のアセットを活用したデ ータ分析やシステム開発など、一気通貫でリード出来ることを強みとしています。2.最新の生成AIテクノロジーを活用した業務改革コンサルティングや、デジタル・AI人材育成(DXブートキャン プ)など、顧客の様々な課題に応えるコンサルティングソリューションサービスを提供しています。 [事業系統図]以上、述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
情報サービス業界の技術革新の速度が著しく、常に最新技術の習得とエンジニアの採用・教育・能力開発が必要。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 軽い(資本不要)
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:人材の確保、育成 / ビジネスパートナーである協力会社の確保 / 大口顧客への依存
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 2 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

シイエヌエス(4076)の財務データが未収録のため、ブランド、特許、規制ライセンス、独占的IPなどの無形資産に関する具体的な評価はできません。公開情報が限定的です。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

特定の業界向けSaaSを提供している可能性はありますが、顧客の乗り換えコストに関する具体的な情報は公開されていません。初期導入コストやデータ移行の複雑さから、一定のスイッチングコストは存在する可能性がありますが、その強さは不明です。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

現時点で、シイエヌエス(4076)の事業にネットワーク効果が働く具体的な証拠はありません。ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるようなビジネスモデルは確認できません。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

シイエヌエス(4076)のコスト構造や、競合他社と比較して構造的に安価に製品・サービスを提供できる優位性に関する情報は公開されていません。そのため、コスト優位性の評価は困難です。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

情報通信業の中でもニッチな分野に特化している可能性があり、業界規模に対して最適化された少数寡占を形成している可能性は低いと考えられます。現時点では、規模の経済による優位性は限定的と評価します。

  • 幅広い技術領域と実績
    シイエヌエスグループは、要件定義からシステム導入後の運用まで、システム開発の全工程に対応できる幅広い技術力と実績を持っています。特に、データベース技術のコンサルティングや性能コンサルタント、クラウド技術(AWS、OCI)における豊富な導入実績は、顧客からの信頼獲得に繋がっています。
  • 主要パートナーとの連携
    NTTデータやSAS Institute Japanといった業界のリーダー企業とパートナー関係を築いています。これにより、最新の技術ソリューションや製品を顧客に提供できるだけでなく、新たな顧客開拓やサービス拡大の機会を得ています。特にSAS Viyaの導入支援サービス「U-Way Migration to SAS Viya構築支援サービス」は、パートナーシップの具体例です。
  • 金融・流通業界の専門知識
    金融業界の信用リスク対応や金融規制対応、流通業界の顧客管理や販売管理において、長年の経験と専門知識を蓄積しています。これにより、これらの業界特有の複雑な課題に対し、上流のコンサルティングから運用・保守まで一貫した質の高いサービスを提供できることが強みです。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営の基本方針当社グループは、「私たちは国際化社会の中で、社員ひとり一人の個性を尊重し、誠実を旨とし、情報技術の先進的活用により顧客企業と社会の発展に貢献する。」ということを企業理念として掲げており、経営方針は以下のとおりです。・顧客に信頼される会社となる。・創造性あふれる専門家集団であり続ける。・社会への貢献、個人への還元バランスをはかる。 (2)経営戦略等富士キメラ総研の「2025 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編」によると、企業や社会を取り巻く環境の急速な変化に対応するためのデジタルトランスフォーメーション(DX)の重要性は増しており、2024年度のDX関連市場規模は、5兆2,759億円の見込みとなっています。大手企業を中心に具体的な実行フェーズへの移行が進み、今後は中堅、中小企業での増加により、2030年度には9兆2,666億円まで拡大すると予測しています。富士キメラ総研の「2026 生成AI/AIエージェントで飛躍するAI市場総調査 市場編」によると、日本国内のAI市場は、2025年度に1兆8,301億円、2029年度には3兆1,779億円に達する見通しです。この成長を牽引しているのが「生成AI」であり、2022年11月に登場した対話型AI「ChatGPT」を契機に、世界的に大規模言語モデル(LLM)の開発や応用が加速しています。国内でも、国産LLMの開発や導入支援ソリューションの整備が進み、政府もスタートアップ支援やガイドライン策定を通じて生成AIの普及を後押ししています。こうした動向を背景に、2025年度のAI関連市場における生成AI比率は36.4%に拡大する見込みであり、今後は、生成AIと従来型AIの連携が進むことで、業務変革や新たな価値創出が期待されます。2028年度には、AI市場全体の約6割を占めると予測しています。ITRが発行する「ITR Market View : ERP市場2026」によると、2024年度の国内ERP市場の売上高は2,558億円に達し、前年同期比で18.0%の増加を記録しました。また、2025年度においては、更なる成長が見込まれ、前年同期比16.7%の増加が予測されています。このような好調な成長の背景には、システムの老朽化と保守契約の終了を契機としたシステムのリプレース需要増があります。近年、ERPは、AI機能の搭載によりシステムの高度化を促進しており、単なる基幹業務システムにとどまらず、経営意思決定支援の基盤へと進化しています。企業はデジタル化戦略の強化に取り組みながら、基幹システムの刷新に対する投資を継続しており、同市場は中期的にも二桁成長を維持することが期待されています。特にSaaSの成長は著しく、2024年度には前年比28.2%の増加を記録しました。さらに、2024~2029年度には年間平均成長率(CAGR)20.0%が見込まれるなど、今後も力強い成長が続くと予測されています。 以上の市場成長により、テクノロジーソリューション事業、ビジネスソリューション事業は、主要顧客との長期にわたる信頼関係も相まって、需要は引き続き高い水準で成長すると予想しております。 なお、当社グループは、上記の基本方針及び市場の動向に基づき、安定的かつ継続的な企業価値の向上を目指し、次の姿勢を貫いてまいります。 ・お客様の業務を深く理解し、ニーズを汲み取った良質なエンジニアリングサービス、更に上流からのサービス(コンサルティングや各種提案)提供を行っていく・デジタル革新技術を活用し、お客様の経営戦略実現のための業務統制の適正化と業務活動の効率化、そして経営リソースの有効活用を実現するエンドユーザー志向の新しいビジネスモデル(新事業)を構築し提供する・社員がシイエヌエスで働くことを誇りに思える魅力を提供し、その魅力のもと高いサービス精神、チームワークを発揮し続け、顧客企業及び社会の発展に貢献する。 これらの展望を踏まえ、当社グループは次なるステージへ上がるべく2025年5月期から2027年5月期までの3か年の中期経営計画に取り組んでおります。2030年をターゲットとする当社の目指す『「人を想う」事業やサービスを通じて社会的課題を解決し、人や社会、未来に貢献する企業グループ』の実現に向けて、組織改革の推進と提案力強化、及び社会課題解決に向けたビジネスの創出に取り組んでまいります。 2027年5月期においては、2026年5月期までに構築した事業基盤をもとに、既存事業の拡大と新たな成長領域の創出を両輪として、収益力の強化と強化ビジネス領域へのリソースシフトを加速してまいります。 ■2027年5月期の施策<戦略① 事業基盤の強化>・M&Aおよびアライアンスの推進・高度プロフェッショナル人材の確保・生成AIの全社活用による生産性向上 <戦略② 新たな顧客獲得による事業規模拡大>・オラクル社とのアライアンス活用によるERP事業の拡大 <戦略③ ソリューションの拡充による市場拡大>・低収益案件からの撤退と強化ビジネス領域への人材シフト・ERP事業の強化に向けた組織変更 <戦略④ 新たな需要創出に向けた提案力の強化>・プライム案件拡大に向けた全社バリューチェーンの強化 <戦略⑤ 社会課題を起点としたビジネスの創出>・SIで得た知見のサービス化による生産性向上およびプライム案件の拡大・協業によるモダナイゼーションサービスの実現 これらの取り組みにより、2027年5月期の連結業績は、売上高9,278百万円(前期比19.3%増)、営業利益966百万円(同40.9%増)、経常利益986百万円(同35.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益679百万円(同14.9%増)を予想しております。強化ビジネス領域の成長による増収に加え、案件構成の見直しや生成AI活用等による生産性向上を通じて収益性の改善を図り、営業利益は売上成長率を上回る増益率を見込んでおります。 なお、中期経営計画における売上高100億円の目標については、オーガニックな事業成長を軸としつつ、成長投資の活用も視野に入れて実現を図ってまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 中期経営計画(2025年5月期~2027年5月期)の最終年度における目標数値及び達成状況を判断するための客観的な指標として以下のとおり設定いたしました。 (4)経営環境 当社グループは、システムエンジニアリングサービス事業の単一セグメントでありますが、サービス事業としてテクノロジーソリューション事業、ビジネスソリューション事業、コンサルティング事業を展開しております。 当社グループが属する情報サービス産業においては、DXを推進する動きが活発化しております。これまで情報システムはお客様ビジネスの構成要素の一部として扱われておりましたが、昨今の急激な環境変化に対応し、ビジネスの成長を拡大する上でデジタル技術を駆使した情報システムを経営の基本骨幹とされるように変化しております。 DXの市場動向については(2)経営戦略等に記載しているとおりであり、各事業における需要は変わらず堅調でありますが、IT人材不足を背景に、IT・デジタル人材の採用環境は厳しい状況となっております。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①オリジナルサービスの拡大 当社グループは受託型のエンジニアリングサービスやシステム開発に特化し、お客様との取引を拡大してまいりました。一方、少子高齢化による労働人口の減少が進み、人材獲得競争は激化し、労働市場の流動性も高まっております。このため当社は、受託型以外のビジネスモデルの構築に取り組み、2022年10月に当社初のブランド「U-Way」を立ち上げ、オリジナルサービスの提供を開始いたしました。中期経営計画において、U-Wayシリーズの事業展開による売上高20億円を目指しておりますが、この目標の達成に向けて、各事業においてSIで得た知見をアセット化し生産性向上を図るとともに請負案件の拡大・品質向上に取り組んでまいります。 ②新規顧客の獲得 これまでの受託型ビジネスにおいては、主に既存顧客との安定的な取引により業績拡大してまいりました。今後、持続的な成長を実現していくためには、受託ビジネスの姿勢から脱却し、攻めの姿勢に転じることが重要であると考えております。マーケットニーズの把握、顧客ニーズの深掘りの取り組みを強化し、主体的な提案活動による顧客接点の拡大や、ITベンダーやお客様とのパートナーシップの増強により、特に新たなエンドユーザーの獲得に向け取り組んでまいります。あわせて、上流コンサルティングを主とした会社などとの協業、M&Aを検討、推進してまいります。また、注力事業であるERPについては、Oracle NetSuiteへの取り組みを追加し幅広く顧客の獲得を行ってまいります。 ③業容の拡大 当社グループは、2030年度における目指す姿『「人を想う」事業やサービスを通じて社会課題を解決し、人や社会、未来に貢献する企業グループ』の実現に向けて、社会課題を起点としたビジネスの創出を強化成長戦略の一つに掲げております。2022年5月期より、成長戦略のうちの1つとして「ソリューションの拡充による市場拡大」に取り組んでおりますが、技術領域を拡大することで提供サービスの拡充を図るものであり着実にサービス数は増加しております。今後は、事業会社だけではなく中央省庁や地方自治体に向けた提案も行っていくことで、様々な案件を通して社会課題ソリューションの開発ノウハウの蓄積に努め、業容の拡大につなげてまいります。 ④人材の確保と育成・働き方改革の推進 企業成長には優秀な人材の確保・育成は不可欠であり、情報サービス産業は人材こそが全てである業界と言えます。しかしながら、少子高齢化が進む中、業種・業態を超えた人材獲得競争は激化、高度IT人材の不足も深刻化しております。そのため、従業員の働きやすい環境づくりを推進し人材確保に努めるとともに、能力を向上させるための研修、資格取得の推奨を実施しております。中期経営計画(2025年5月期~2027年5月期)における重点施策のうちの一つに、人材戦略の強化として、人事制度改革の完成を掲げており、社員の能力を最大限に発揮させる評価制度の構築、高度人材の認定制度の確立に取り組んでまいります。社員の働き方については、ワークライフバランスに配慮しつつ、生産性及び品質の向上を実現することが重要な課題であると認識しております。また、離職率の低下、及び働き方の多様化促進を目的にフルテレワーク制度を導入しております。社員の健康や意欲を損なわない環境を保ち続け、事業の健全な継続を実現するとともに、社員の仕事へのやりがい、誇りを高めてまいります。 ⑤内部管理体制の強化 業務運営の効率化やリスク管理、また安定的に事業を拡大するためには内部管理体制のさらなる強化が必要不可欠であると考えております。今後も引き続き、内部管理体制の整備を推進するとともに、労務管理上の問題や情報漏洩、ハラスメントなどが発生しないようコンプライアンスの強化にも努めてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営の基本方針当社グループは、「私たちは国際化社会の中で、社員ひとり一人の個性を尊重し、誠実を旨とし、情報技術の先進的活用により顧客企業と社会の発展に貢献する。」ということを企業理念として掲げており、経営方針は以下のとおりです。・顧客に信頼される会社となる。・創造性あふれる専門家集団であり続ける。・社会への貢献、個人への還元バランスをはかる。 (2)経営戦略等富士キメラ総研の「2025 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編」によると、企業や社会を取り巻く環境の急速な変化に対応するためのデジタルトランスフォーメーション(DX)の重要性は増しており、2024年度のDX関連市場規模は、5兆2,759億円の見込みとなっています。大手企業を中心に具体的な実行フェーズへの移行が進み、今後は中堅、中小企業での増加により、2030年度には9兆2,666億円まで拡大すると予測しています。富士キメラ総研の「2026 生成AI/AIエージェントで飛躍するAI市場総調査 市場編」によると、日本国内のAI市場は、2025年度に1兆8,301億円、2029年度には3兆1,779億円に達する見通しです。この成長を牽引しているのが「生成AI」であり、2022年11月に登場した対話型AI「ChatGPT」を契機に、世界的に大規模言語モデル(LLM)の開発や応用が加速しています。国内でも、国産LLMの開発や導入支援ソリューションの整備が進み、政府もスタートアップ支援やガイドライン策定を通じて生成AIの普及を後押ししています。こうした動向を背景に、2025年度のAI関連市場における生成AI比率は36.4%に拡大する見込みであり、今後は、生成AIと従来型AIの連携が進むことで、業務変革や新たな価値創出が期待されます。2028年度には、AI市場全体の約6割を占めると予測しています。ITRが発行する「ITR Market View : ERP市場2026」によると、2024年度の国内ERP市場の売上高は2,558億円に達し、前年同期比で18.0%の増加を記録しました。また、2025年度においては、更なる成長が見込まれ、前年同期比16.7%の増加が予測されています。このような好調な成長の背景には、システムの老朽化と保守契約の終了を契機としたシステムのリプレース需要増があります。近年、ERPは、AI機能の搭載によりシステムの高度化を促進しており、単なる基幹業務システムにとどまらず、経営意思決定支援の基盤へと進化しています。企業はデジタル化戦略の強化に取り組みながら、基幹システムの刷新に対する投資を継続しており、同市場は中期的にも二桁成長を維持することが期待されています。特にSaaSの成長は著しく、2024年度には前年比28.2%の増加を記録しました。さらに、2024~2029年度には年間平均成長率(CAGR)20.0%が見込まれるなど、今後も力強い成長が続くと予測されています。 以上の市場成長により、テクノロジーソリューション事業、ビジネスソリューション事業は、主要顧客との長期にわたる信頼関係も相まって、需要は引き続き高い水準で成長すると予想しております。 なお、当社グループは、上記の基本方針及び市場の動向に基づき、安定的かつ継続的な企業価値の向上を目指し、次の姿勢を貫いてまいります。 ・お客様の業務を深く理解し、ニーズを汲み取った良質なエンジニアリングサービス、更に上流からのサービス(コンサルティングや各種提案)提供を行っていく・デジタル革新技術を活用し、お客様の経営戦略実現のための業務統制の適正化と業務活動の効率化、そして経営リソースの有効活用を実現するエンドユーザー志向の新しいビジネスモデル(新事業)を構築し提供する・社員がシイエヌエスで働くことを誇りに思える魅力を提供し、その魅力のもと高いサービス精神、チームワークを発揮し続け、顧客企業及び社会の発展に貢献する。 これらの展望を踏まえ、当社グループは次なるステージへ上がるべく2025年5月期から2027年5月期までの3か年の中期経営計画に取り組んでおります。2030年をターゲットとする当社の目指す『「人を想う」事業やサービスを通じて社会的課題を解決し、人や社会、未来に貢献する企業グループ』の実現に向けて、組織改革の推進と提案力強化、及び社会課題解決に向けたビジネスの創出に取り組んでまいります。 2027年5月期においては、2026年5月期までに構築した事業基盤をもとに、既存事業の拡大と新たな成長領域の創出を両輪として、収益力の強化と強化ビジネス領域へのリソースシフトを加速してまいります。 ■2027年5月期の施策<戦略① 事業基盤の強化>・M&Aおよびアライアンスの推進・高度プロフェッショナル人材の確保・生成AIの全社活用による生産性向上 <戦略② 新たな顧客獲得による事業規模拡大>・オラクル社とのアライアンス活用によるERP事業の拡大 <戦略③ ソリューションの拡充による市場拡大>・低収益案件からの撤退と強化ビジネス領域への人材シフト・ERP事業の強化に向けた組織変更 <戦略④ 新たな需要創出に向けた提案力の強化>・プライム案件拡大に向けた全社バリューチェーンの強化 <戦略⑤ 社会課題を起点としたビジネスの創出>・SIで得た知見のサービス化による生産性向上およびプライム案件の拡大・協業によるモダナイゼーションサービスの実現 これらの取り組みにより、2027年5月期の連結業績は、売上高9,278百万円(前期比19.3%増)、営業利益966百万円(同40.9%増)、経常利益986百万円(同35.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益679百万円(同14.9%増)を予想しております。強化ビジネス領域の成長による増収に加え、案件構成の見直しや生成AI活用等による生産性向上を通じて収益性の改善を図り、営業利益は売上成長率を上回る増益率を見込んでおります。 なお、中期経営計画における売上高100億円の目標については、オーガニックな事業成長を軸としつつ、成長投資の活用も視野に入れて実現を図ってまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 中期経営計画(2025年5月期~2027年5月期)の最終年度における目標数値及び達成状況を判断するための客観的な指標として以下のとおり設定いたしました。 (4)経営環境 当社グループは、システムエンジニアリングサービス事業の単一セグメントでありますが、サービス事業としてテクノロジーソリューション事業、ビジネスソリューション事業、コンサルティング事業を展開しております。 当社グループが属する情報サービス産業においては、DXを推進する動きが活発化しております。これまで情報システムはお客様ビジネスの構成要素の一部として扱われておりましたが、昨今の急激な環境変化に対応し、ビジネスの成長を拡大する上でデジタル技術を駆使した情報システムを経営の基本骨幹とされるように変化しております。 DXの市場動向については(2)経営戦略等に記載しているとおりであり、各事業における需要は変わらず堅調でありますが、IT人材不足を背景に、IT・デジタル人材の採用環境は厳しい状況となっております。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①オリジナルサービスの拡大 当社グループは受託型のエンジニアリングサービスやシステム開発に特化し、お客様との取引を拡大してまいりました。一方、少子高齢化による労働人口の減少が進み、人材獲得競争は激化し、労働市場の流動性も高まっております。このため当社は、受託型以外のビジネスモデルの構築に取り組み、2022年10月に当社初のブランド「U-Way」を立ち上げ、オリジナルサービスの提供を開始いたしました。中期経営計画において、U-Wayシリーズの事業展開による売上高20億円を目指しておりますが、この目標の達成に向けて、各事業においてSIで得た知見をアセット化し生産性向上を図るとともに請負案件の拡大・品質向上に取り組んでまいります。 ②新規顧客の獲得 これまでの受託型ビジネスにおいては、主に既存顧客との安定的な取引により業績拡大してまいりました。今後、持続的な成長を実現していくためには、受託ビジネスの姿勢から脱却し、攻めの姿勢に転じることが重要であると考えております。マーケットニーズの把握、顧客ニーズの深掘りの取り組みを強化し、主体的な提案活動による顧客接点の拡大や、ITベンダーやお客様とのパートナーシップの増強により、特に新たなエンドユーザーの獲得に向け取り組んでまいります。あわせて、上流コンサルティングを主とした会社などとの協業、M&Aを検討、推進してまいります。また、注力事業であるERPについては、Oracle NetSuiteへの取り組みを追加し幅広く顧客の獲得を行ってまいります。 ③業容の拡大 当社グループは、2030年度における目指す姿『「人を想う」事業やサービスを通じて社会課題を解決し、人や社会、未来に貢献する企業グループ』の実現に向けて、社会課題を起点としたビジネスの創出を強化成長戦略の一つに掲げております。2022年5月期より、成長戦略のうちの1つとして「ソリューションの拡充による市場拡大」に取り組んでおりますが、技術領域を拡大することで提供サービスの拡充を図るものであり着実にサービス数は増加しております。今後は、事業会社だけではなく中央省庁や地方自治体に向けた提案も行っていくことで、様々な案件を通して社会課題ソリューションの開発ノウハウの蓄積に努め、業容の拡大につなげてまいります。 ④人材の確保と育成・働き方改革の推進 企業成長には優秀な人材の確保・育成は不可欠であり、情報サービス産業は人材こそが全てである業界と言えます。しかしながら、少子高齢化が進む中、業種・業態を超えた人材獲得競争は激化、高度IT人材の不足も深刻化しております。そのため、従業員の働きやすい環境づくりを推進し人材確保に努めるとともに、能力を向上させるための研修、資格取得の推奨を実施しております。中期経営計画(2025年5月期~2027年5月期)における重点施策のうちの一つに、人材戦略の強化として、人事制度改革の完成を掲げており、社員の能力を最大限に発揮させる評価制度の構築、高度人材の認定制度の確立に取り組んでまいります。社員の働き方については、ワークライフバランスに配慮しつつ、生産性及び品質の向上を実現することが重要な課題であると認識しております。また、離職率の低下、及び働き方の多様化促進を目的にフルテレワーク制度を導入しております。社員の健康や意欲を損なわない環境を保ち続け、事業の健全な継続を実現するとともに、社員の仕事へのやりがい、誇りを高めてまいります。 ⑤内部管理体制の強化 業務運営の効率化やリスク管理、また安定的に事業を拡大するためには内部管理体制のさらなる強化が必要不可欠であると考えております。今後も引き続き、内部管理体制の整備を推進するとともに、労務管理上の問題や情報漏洩、ハラスメントなどが発生しないようコンプライアンスの強化にも努めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度の事業環境は、企業のDX投資を背景に、IT需要が引き続き堅調に推移いたしました。特に、業務効率化や生産性向上、新たな価値創出を目的とした生成AI、クラウド、基幹システム刷新等の領域に対する投資意欲は高い状況が続いております。一方で、IT・デジタル人材の不足や採用環境の厳しい状況は継続しており、人材確保は引き続き課題となっております。 このような環境のもと、当社グループは2030年5月期における目指す姿「『人を想う』事業やサービスを通じて社会的課題を解決し、人や社会、未来に貢献する企業グループ」の実現に向けて、『中期経営計画(2025年5月期~2027年5月期)』を推進してまいりました。基本方針「エンパワーメントの促進とイノベーションの醸成」に基づき、5つの戦略(①事業基盤の強化、②新たな顧客獲得による事業規模拡大、③ソリューションの拡充による市場拡大、④新たなビジネス機会の創出に向けた提案力の強化、⑤社会課題を起点としたビジネスの創出)に取り組み、最終年度における数値目標の売上高100億円、営業利益率10.0%以上の達成を目指しています。 当連結会計年度においては、これらの戦略に基づき、成長領域における外部パートナーとの連携強化に取り組みました。DX・AI領域では、ベトナムでICTソリューションを提供するNTQ Solution社との戦略的パートナーシップのもと、技術連携およびサービス提供体制の強化を進めました。また、ERP領域では、オラクル社とのパートナーシップ強化を通じて、案件創出および事業拡大に向けた取り組みを進めました。 加えて、成長戦略を支える経営基盤の強化として本社移転を実施し、創造性・生産性の向上および顧客・パートナー企業との共創促進に取り組みました。これにより、提案活動の強化や新たなビジネス機会の創出に向けた基盤整備を進めました。 事業別の経営成績は次のとおりです。当社グループでは、中期経営計画の推進に向け、2025年6月1日付で事業区分の再編を行いました。従来の「システム基盤事業」「ビッグデータ分析事業」「業務システムインテグレーション事業」「デジタル革新推進事業」「コンサルティング事業」を改め、当連結会計年度より以下の3事業に区分しました。・テクノロジーソリューション事業 : デジタル革新推進事業、システム基盤事業の一部・ビジネスソリューション事業 : ビッグデータ分析事業の一部、業務システムインテグレーション事業、システム基盤事業の一部・コンサルティング事業 : コンサルティング事業、ビッグデータ分析事業の一部なお、前年同期比の増減率は、前連結会計年度の数値を新区分に組み替えて算出しています。 [テクノロジーソリューション事業]売上高3,579,977千円(前期比27.2%増)、売上総利益1,034,587千円(同27.1%増)となりました。 大手SIer向けの生成AI案件の拡大を中心として、次世代決済プラットフォームに係る新規開発案件の進展や、システム基盤領域における既存顧客からの信頼獲得を背景とした体制拡大により、売上高・売上総利益ともに大幅に前期を上回り、当社グループの増収増益を支える結果となりました。 [ビジネスソリューション事業]売上高3,459,593千円(前期比0.2%増)、売上総利益617,620千円(同11.1%減)となりました。金融機関向け案件が安定的に推移したほか、クラウド基盤を活用した自社サービス「U-Way」関連案件の積み上げや、ERP事業の拡大に向けた体制構築を進めました。一方で、顧客都合による案件規模の縮小や、一部案件の長期化に伴う収益性の低下、ERP事業の立ち上げに伴う人材育成等のコスト先行により、売上高は概ね前期並みとなり、売上総利益は前期を下回りました。 [コンサルティング事業]売上高734,738千円(前期比0.6%減)、売上総利益250,941千円(同26.5%増)となりました。 エンドユーザーとの直接取引の拡大に注力するなか、製造業向け基幹システム更改案件や医療系、建設大手向けのプライム案件等を受注いたしました。これら上流工程を含む高粗利案件の比率が上昇したことにより、売上高は前期をやや下回ったものの、収益性は大きく改善し、売上総利益は前期を上回りました。 以上の結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は7,774,309千円(前期比11.0%増)となりました。利益面につきましては、高粗利案件の拡大等により売上総利益が伸長し、ERP関連投資や本社移転に伴う費用等の販管費増を吸収したことから、営業利益は685,445千円(同23.4%増)、経常利益は725,926千円(同24.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は590,821千円(同38.3%増)となりました。なお、親会社株主に帰属する当期純利益には、税効果会計の見直しに伴う一過性の増益影響が含まれております。 財政状態は、次のとおりであります。 (資産) 当連結会計年度末における総資産は5,856,508千円となり、前連結会計年度末と比較して596,651千円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が120,133千円、売掛金及び契約資産が107,496千円、新オフィスへの移転に伴う建物附属設備および工具器具備品の取得により有形固定資産が378,796千円増加したことによるものです。(負債) 当連結会計年度末における負債合計は1,524,162千円となり、前連結会計年度末と比較して223,777千円の増加となりました。これは主に、未払法人税等が102,712千円、未払金が74,265千円増加したことによるものです。(純資産) 当連結会計年度末における純資産合計は4,332,346千円となり、前連結会計年度末と比較して372,874千円の増加となりました。これは主に、配当により利益剰余金が217,947千円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が590,821千円増加したことによるものです。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して59,781千円増加し、3,026,058千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果による収入は579,891千円となりました。主な要因は法人税等の支払額146,141千円があった一方で、税金等調整前当期純利益が772,107千円あったことによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果による支出は299,391千円となりました。主な要因は保険積立金の解約による収入が115,002千円あった一方で、定期預金の預入による支出が60,000千円、新オフィスへの移転に伴う有形固定資産の取得による支出が405,389千円等があったことによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果による支出は220,719千円となりました。主な要因は配当金の支払額217,947千円等があったことによるものです。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績当社グループが営むシステムエンジニアリングサービス事業は、提供するサービスの関係上、生産実績の記載になじまないため、記載しておりません。 b.受注実績当社グループが営むシステムエンジニアリングサービス事業は、提供するサービスの関係上、受注実績の記載になじまないため、記載しておりません。 c.販売実績当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。セグメントの名称金額(千円)前期比(%)システムエンジニアリングサービス事業7,774,30911.0合計7,774,30911.0(注)1.当社グループはシステムエンジニアリングサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の販売実績の記載はしておりません。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の売上高及び当該売上高の総売上高に対する割合は、次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2024年6月1日至 2025年5月31日)当連結会計年度(自 2025年6月1日至 2026年5月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)株式会社NTTデータ1,475,82321.11,643,39321.1株式会社NTTデータグループ800,78511.4874,36311.2株式会社野村総合研究所697,3049.9811,07410.4 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ①重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。また、この連結財務諸表の作成にあたりましては、会計方針の選択及び適用、損益又は資産の報告金額等に与える見積りを必要としております。これらの見積り及び判断につきましては、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりでありますが、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、以下の事項が重要であると認識しております。 (繰延税金資産)当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産の回収可能性の判断に重要な影響を与える可能性があります。 (請負業務に係る履行義務充足に伴う収益認識)売上高の計上は進捗度に基づき測定され、進捗度はプロジェクトの見積原価総額に対する連結会計年度末までの発生原価の割合(インプット法)によって算定しております。適用にあたっては、プロジェクトの総見積原価は、各プロジェクトに対する専門的な知識と経験を有するプロジェクト責任者による一定の仮定と判断を伴うものであり、総見積原価の変動により、各連結会計年度の売上計上額に重要な影響を与える可能性があります。 ②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.財政状態に関する認識及び分析・検討内容「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 b.経営成績に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度の経営成績の前連結会計年度との比較分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しておりますが、その主な要因は次のとおりです。(売上高)当連結会計年度の売上高は7,774,309千円(前期比11.0%増)となりました。主な増加要因は、既存顧客ビジネスの維持・拡大、新規案件獲得によるものであります。 (売上原価)当連結会計年度の売上原価は5,871,158千円(前期比10.8%増)となりました。主な増加要因は外注加工費によるものであります。 (販売費及び一般管理費、営業利益)当連結会計年度の販売費及び一般管理費は1,217,704千円(前期比5.8%増)となりました。主な要因は、本社移転により消耗品費、地代家賃、減価償却費等が増加したことによるものであります。この結果、当連結会計年度の営業利益は、685,445千円(前期比23.4%増)となりました。 (経常利益)当連結会計年度の営業外収益は45,422千円(前期比48.6%増)となりました。主な内訳は、保険積立金の解約に伴う受取保険金、助成金収入によるものであります。この結果、当連結会計年度の経常利益は、725,926千円(前期比24.0%増)となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益)法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額を含む)を181,285千円計上したことにより、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は590,821千円(前期比38.3%増)となりました。 ③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性a.キャッシュ・フロー当連結会計年度のキャッシュ・フロー分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 b.財務政策当社グループは、事業活動に必要な流動性を安定的に確保するため、手許流動性3~6か月を目安に保有しておくこととしております。当社グループは事業の特性上、巨額な投資は必要としないため、間接金融ではなく直接金融を原則として安定的な経営を行っていく方針です。 ④経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、2027年5月期までの中期経営計画の実現に向け、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営戦略等」に記載した取り組みを実施してまいります。なお、中期経営計画における定量目標は以下の通りです。 2026年5月期(実績)2027年5月期(目標)連結売上高78億円100億円連結営業利益率8.8%10%以上

事業リスク

  • 技術革新への対応遅れ
    情報サービス業界は技術革新が非常に速く、新しい技術やサービスが日々生まれています。もしシイエヌエスグループがこの変化に迅速に対応できず、最新技術の習得やエンジニアの能力開発が追いつかない場合、競争力が低下し、事業や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 人材確保と育成の課題
    事業拡大や高付加価値サービスの提供には、優秀なエンジニア、技術営業担当者、プロジェクトマネージャーの確保と育成が不可欠です。人材の確保や育成が計画通りに進まない場合、案件の受注機会を逃したり、プロジェクトの遂行能力が低下したりすることで、事業や業績に影響が出る可能性があります。
  • 大口顧客への依存
    現在の売上高の大部分をNTTデータグループと野村総合研究所グループという特定の大口顧客に依存しています。これらの大口顧客の事業運営に大きな変化があったり、取引が急激に減少したりした場合、シイエヌエスグループの売上や利益に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|5,385 文字
3【事業等のリスク】本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生する可能性のあるリスクをすべて網羅するものではありません。 (1)リスクマネジメント体制当社は、当社グループの事業活動に関する諸種のリスク管理を所管するため、代表取締役社長を委員長としたリスク管理・コンプライアンス委員会を設置し、リスク管理体制の構築と運用にあたっております。リスク管理・コンプライアンス委員会は、経営上のリスクの識別・評価、対策立案、状況の確認を定期的に実施しております。 (2)リスクマネジメント運用状況当社は、リスク管理・コンプライアンス委員会を四半期毎及び必要に応じて開催し、リスク状況の報告・対応方針の審議等を行っております。リスク管理・コンプライアンス委員会の協議内容について、経営上、重要なリスクは取締役会に報告し、審議しています。 (3)市場環境に関するリスク①技術革新への対応について(発生可能性:中、影響度:中)当社グループが属する情報サービス業界においては、技術革新の速度及びその変化が著しい業界であり、日々、新しい技術やサービスが生まれております。そのため、当社グループは常に最新技術の習得に努め、目まぐるしい環境変化に迅速に対応できるようエンジニアの採用・教育・能力開発を進めております。しかしながら、当社グループの想定を上回る急激な技術革新等により生じた劇的な環境の変化に対し、当社グループが適切に対応することができない場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ②景気変動によるリスクについて(発生可能性:中、影響度:中)当社グループの主たる事業は、国内企業に対するコンピューターシステム及びプログラミングの開発に関する受託業務の運営であるため、国内企業の設備投資(IT投資)の動向に影響を受けやすい傾向にあります。当社グループは、国内外の政治・経済の大幅な変動、又は戦争等による連鎖的な国内景気の悪化により、当社グループが提供するサービス領域が縮小される可能性があります。したがって、国内企業全体のIT投資需要が減少した場合、新規受注の減少や既存契約の解約等により当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③生成AIのリスクについて(発生可能性:中、影響度:大)生成AIをコード生成などに活用することで、ITビジネスの生産性を高める事が可能になりますが、機密情報の漏洩や著作権侵害等の懸念があり、ガイドラインや安心して使うための環境整備が必要になります。情報技術の先進的活用で社会に貢献してきた当社は、生成AIを活用し受託案件の生産性を高めると共に新たなサービス開発に向けた検討と知見の蓄積を進めてまいります。しかしながら、生成AIが当社のビジネス環境を崩すような活用がされた場合には当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)事業に関するリスク①人材の確保、育成について(発生可能性:中、影響度:大)当社グループが今後さらなる事業の拡大及び高付加価値サービスの提供を図るためには、優秀な人材の確保及び育成が不可欠となります。高い技術力を有したエンジニアの確保及び育成はもとより、顧客に当社グループのシステム開発能力やサービス力を提案できる技術営業担当者及び事業拡大の基盤となるプロジェクトマネージャーの確保が重要になっております。当社グループでは、上記のような人材の確保及び育成に注力してまいりますが、人材の確保及び育成が当社グループの想定通りに進まなかった場合は、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ②ビジネスパートナーである協力会社の確保について(発生可能性:中、影響度:大)当社グループは、コンピューターシステム及びプログラミングの開発に関する受託業務の運営において、案件ごとの必要技術や効率性、収益性の向上の観点から当社グループ内のエンジニアの他、ビジネスパートナーである協力会社を活用することで、機会損失の発生を低減することを目指しております。そのためには、協力会社の確保及び協力会社との良好な取引関係の維持・構築の実現が極めて重要となり、今後、当社グループが事業規模の拡大を図る上で、協力会社との連携強化が必要不可欠となります。したがって、当社グループは協力会社の継続的な確保及び一層の連携強化に努めてまいりますが、協力会社の確保が十分に行えなかった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③大口顧客への依存に関するリスクについて(発生可能性:小、影響度:大)当社グループには、継続的な販売先である主要取引先として大口顧客が存在します。当連結会計年度における当社グループの総売上高に対するNTTデータグループへの販売額は34.8%、野村総合研究所グループへの販売額は19.9%を占めております。当社グループは、今後、これらの大口顧客との取引金額の拡大を図りながらも、その他の顧客との取引金額の拡大を図り、大口顧客への取引依存度の低減に努めてまいりますが、経済情勢などの変化により、大口顧客の事業運営が大きく影響を受け、大口顧客による当社グループとの取引の急激な減少を余儀なくされた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ④情報システムのトラブル発生に関するリスクについて(発生可能性:小、影響度:大)当社グループは、業務効率化や社内情報共有のため、情報システムを構築・運用しております。情報システムの構築・運用に当たっては、ISMSの認証取得やプライバシーマークの認定取得を行い、従業員教育や各種の情報セキュリティ対策を講じることで危機管理対応に積極的に取り組んでおりますが、外部からの予期せぬ不正アクセスやコンピューターウィルス侵入、自然災害・事故等による情報システムの深刻なトラブルが発生した場合には、業務効率性の低下を招くほか、被害の規模によっては、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤長時間労働の発生に関するリスクについて(発生可能性:小、影響度:小)システム及びプログラミングの開発プロジェクトにおいては、当初計画に見込まれていない不測の事態の発生に起因して、品質保持や納期厳守の観点から長時間労働が発生することがあります。当社グループでは適切な労務管理に努め、長時間労働の発生を未然に防ぐべく事業部門と管理部門の双方によるチェック体制を整備しております。しかしながら、上述のような不測の事態の発生に伴う不可避的な長時間労働が発生した場合には、システム及びプログラミング開発における労働生産性の低下等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)その他のリスク①法的規制に関するリスクについて(発生可能性:小、影響度:小)中小受託取引適正化法に対しましては、支払代金の遅延等を未然に防止する体制を構築し、法令遵守に努めておりますが、法令違反に該当する事態が発生した場合、又は法律等の改正等が行われた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社は監督官庁より労働者派遣事業者として許可を受けておりますが、今後、偽装請負と見做されること、あるいは何らかの事由により当該許可の取消事由に該当し、業務の全部もしくは一部の停止処分を受けた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ②上場制度・市場規制に関するリスクについて(発生可能性:中、影響度:大)東京証券取引所は、2025年12月8日付で有価証券上場規程等の一部を改正し、グロース市場における上場維持基準のうち時価総額に係る基準を、現行の「上場後10年経過時点で40億円以上」から「上場後5年経過時点で100億円以上」へと引き上げることを決定いたしました。当社においては2030年5月期から当該新基準が適用されることが見込まれており、当社の時価総額が当該基準の適用時点において充足できない可能性があります。当該基準を充足するためには、事業成長の加速及び企業価値向上に向けた各種施策の推進が必要となるほか、株式市場の動向等の外部要因の影響を受けることから、結果として当該基準を満たせない場合には、改善計画の開示等による一定の猶予期間はあるものの、最終的に上場区分の変更又は監理銘柄・整理銘柄への指定を経て上場廃止に至る可能性があり、当社の事業運営及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ③知的財産権に関するリスクについて(発生可能性:小、影響度:小)当社グループは、第三者の知的財産権を侵害することがないよう常に注意を払っており、現時点において第三者の知的財産権の侵害の事実はないものと認識しておりますが、無体財産に係る財産権の場合には、意図せずに侵害することは容易に起こりえます。この場合、社会的信用力の低下、当該第三者からの損害賠償請求により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。第三者の知的財産権を侵害し、金銭的損害が発生する、あるいは第三者に知的財産権を侵害され競争力が低下した場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④情報セキュリティについて(発生可能性:小、影響度:中)当社グループでは、事業遂行上、顧客の企業情報並びにビジネスパートナーである協力会社及びエンジニアの個人情報等、多くの機密情報を取扱う機会を有しております。当社グループでは、情報セキュリティに関する取り組みとして、情報セキュリティ管理に関する規程の制定、社内教育を実施し、情報管理への意識向上を図るとともに、ISMS認証やプライバシーマークの認定を取得し、情報の適正な取扱いと厳格な管理を行っておりますが、これらの情報が外部に漏洩した場合には、当社グループの社会的信用力の低下や損害賠償請求の負担等が発生し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤事務リスクについて(発生可能性:小、影響度:中)当社グループはお客様や協力会社様との間で様々な取引を行っており、取引ごとに様々な事務処理が発生いたします。これらの事務処理においては事務ルールを定め定期的モニタリング及び適時のルール見直しを実施していますが、ミスや不正等により、受注・発注等の業務の中断による営業活動の停止、取引先からの信用の失墜等が発生し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥自然災害や感染症に関するリスクについて(発生可能性:中、影響度:中)当社グループが事業展開する地域において、地震、台風、津波等の自然災害、火災、停電、各種感染症の拡大等が発生した場合、当社グループの事業運営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。特に、当社グループの主要な事業拠点である首都圏において大規模な自然災害等が発生した場合には、正常な事業運営が行えなくなる可能性があり、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、自然災害等が発生した場合に備え、業務フローの見直しやITツールの活用及び情報セキュリティ強化等を図って、円滑にリモートでの業務活動を可能とする態勢整備を拡充していますが、自然災害等による人的、物的損害が甚大である場合には、当社グループの事業の継続そのものが不可能になる可能性があります。 ⑦気候変動リスクについて(発生可能性:小、影響度:小)当社グループは、持続的に成長する上で優先的に取り組むべきテーマとして、「事業活動を通した脱炭素社会への貢献」をマテリアリティ(重要課題)として認識しており、当社グループの事業活動から発生する温室効果ガス排出量の削減目標を設定し、国際的イニシアティブ「Science Based Targets Initiative(SBTi)」による中小企業向けSBT認定を取得しています。また、情報サービス産業協会(JISA)のCO2削減自主行動計画の取り組みにも賛同し、当社はこのイニシアティブに協力・参加しています。しかしながら、社会的に多大な影響を与える気候変動が生じた場合には当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。また、気候変動リスクへの対応や情報開示が不十分であった場合又はそのように見做された場合には、当社グループの企業価値の毀損に繋がるおそれがあります。 ⑧不採算案件の発生可能性について(発生可能性:小、影響度:大)原価が受注額を上回る不採算案件の発生については、品質保証委員会活動にて未然に防止を図りますが、予測できない要因により不採算案件が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

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