有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 (1) 当社の存在意義(Purpose)当社は、「人と技術の創造的融合を繰り返し、技術革新とグローバル展開を通して、革新的な素材開発によるソリューションを提供することにより、社会的課題を解決し、世界を健康にする」ことを存在意義と定義しております。今、自然環境にますます負荷がかかり、人間の行動が危険な気候変動や大量絶滅をもたらしかねません。そのリスクを減らすうえで、自然に対する理解を深め、適切なテクノロジーを一層迅速に配備する必要があります。この視座こそが「カガクでネガイをカナエル会社-カネカ」が目指すパーパス経営です。当社は、環境・エネルギー、食糧、健康(よりよく生きる)の危機の三つをドメインとしてテクノロジーに磨きをかけ、社会実装化による最適なソリューションを提供したいと考えています。 (2) パーパス経営を実現する3つのValue当社は、カネカタワーとTransformationのトリプルPackageの2つの経営システムを、変革の根幹としています。 ① カネカタワー 「当社の経営モデルの基本構造」-その視座と視点(大切にすること)-● 当社の経営モデルの基本構造であり、当社の創業以来の持つ強み(DNA)を活かし、「事業構想力(内なる力)」と「市場開発力(外なるPower)」を進化させ、「現場力」がその実行を支え、常に時代の変化に応じて経営革新を自律的に行えるようにします。● 自治機能を高める2つのWork Shop(変革と成長のトライアングル、カネカ1on1)を通して現場をInspireします。 ② 経営システム TransformationのトリプルPackage● 変革と成長を実現するための、ビジネス思考のプラットフォームです。経営のソフトウェアとハードウェアをドッキングすることにより、実効性を上げます。● 時代認識/仕掛け/成果のトライアングルは、経営計画のなかで、どのように目標を設定し、技術革新を含めた達成のための仕掛けを整え、スケール・スピードを意識したうえで、いったい何を成果として位置付けるのか。経営計画の骨格そのものとなります。 (3) 経営方針当社は、ESG経営を「世界を健康にする健康経営-Wellness First」と定義し、全ての活動のプラットフォーム(憲法)とします。当社の健康経営は人間賛歌の経営です。価値あるソリューションをグローバルに提供することを通じて世界の人々の人生と環境の進化に貢献し、存在感のある企業として成長し続けます。 ① カガクでネガイをカナエル会社・カネカ化学という「不思議の海」の冒険を通して、Dream をRealにし、人々の人生に役立つ会社になります。 ② ソリューションプロバイダー「経営システムTransformationのトリプルPackage」に基づいて、Sustainability(持続可能社会)の構築に貢献します。当社グループが提供するソリューションはP18~21に記載の通りです。 ③ ハイブリッド経営イノベーションとは「違ったやり方でコトを運ぶ新結合」のことです。異質なものどうしを、異質な事業領域で、新しく組み合わせることを当社は「ハイブリッド経営」と呼んでいます。当社が保有する多種多様な異種技術による驚きの組み合わせで、独創的な価値あるソリューションを創り出す「ハイブリッド経営」を通じて社会問題の解決に貢献してまいります。 ④ 実験カンパニー(大量に試していいものだけを残す)熱い「実験カンパニー」を行動指針とし、新陳代謝を繰り返しながら新しいポートフォリオに変革する「Value Creating Company」を目指します。 (4) 対処すべき課題● カネカのパーパス経営自然環境にますます負荷がかかり、人間の行動が危険な気候変動や大量絶滅をもたらしかねません。そのリスクを減らすうえで、自然に対する理解を深め、適切なテクノロジーを一層迅速に配備する必要があります。この視座こそが「カガクでネガイをカナエル会社-カネカ」が目指すパーパス経営です。当社は、環境・エネルギー、食糧、健康(よりよく生きる)の危機の三つをドメインとしてテクノロジーに磨きをかけ、社会実装化による最適なソリューションを提供したいと考えています。 ● ハイブリッド経営イノベーションとは「違ったやり方でコトを運ぶ新結合」のことです。異質なものどうしを、異質な事業領域で、新しく組み合わせることを「ハイブリッド経営」と呼んでいます。保有する多種多様な異種技術による驚きの組み合わせで、独創的な価値あるソリューションを創り出す「ハイブリッド経営」を通じて、社会問題の解決に貢献してまいります。 ● R2B+P (Research to Businessの加速)研究開発とビジネスとの結合を進め、Research to Businessの流れを一層加速させます。独創的な優れた素材を創出しソリューションを世界の市場に提供します。「R2B」と「P」(モノづくり)が一体となった取り組みを強化し、モノづくり起点で事業の最大化とマネタイズに拘り新製品事業化のスピードとスケールを向上させます。 ● ライフサイエンスへの重点シフト化学で「地球生命」という大きな「いのち」を健康にする、そのテクノロジーと創造的な活動が「ライフサイエンス」の定義です。カネカ生分解性バイオポリマーGreen Planet®、ゲノム編集技術、バイオ医薬品、再生・細胞医療、有機酪農乳製品事業、サプリメント、発酵培養プロセス技術などカネカの「バイオものづくり」やPV Technology、医療器は、すべて「地球生命」という大きな「いのち」に繋がっています。カネカは、ライフサイエンス領域での「R2B」に挑戦することで、ポートフォリオ変革をドライブします。 ● Think Global, Act Local (The Best Glocal Kaneka Wayの推進)地域に根差した事業展開を可能にするグローバルネットワークが強みです。ソリューションを世界の隅々に届け人々の命や社会課題を解決することを使命とし、文化の違いを乗り越えた現地発信(グローカル)にフォーカスします。グローバルに存在感ある企業をめざします。経営資源を広く世界に求め、M&A、技術・業務提携、Open Innovationを積極的に推進し、グローバルでの事業構造変革と飛躍的成長に繋げます。 ● Diversity 新たな価値の創造と女性の活躍「年齢・性別・国籍・人種(属性)を問わず、多様な個性と多彩な視点から新たな発想が生まれ、カネカならでは!と世界を驚かせるユニークな価値を発信し続ける」当社がめざすDiversityの姿です。特に女性活躍を推進し成長と変革を牽引する女性リーダー層の育成強化に取り組んでいます。「人は仕事で成長し、会社は人で成長する」の考えに基づき『カネカ1on1X』を通じて、個人の成長と組織の成果を高めます。今年も「‒Trust & Respect‒ 人間賛歌の経営」に取り組んでいきます。 ● カーボンニュートラル・DXの取り組みカネカは2030年にGHG排出量を30%削減することをめざしています。2050年にはカーボンニュートラルを実現することが目標です。自家発電設備の燃料転換やプロセス革新によるエネルギー消費量削減などに取り組みます。また、DXの取り組みを強化し、R2B+Pを通した価値創出を大幅に加速させます。最先端の技術を取り入れた生産プラントへ進化させ、未来の製造現場をつくり上げます。研究開発・営業・SCM・バックオフィスの業務革新を進めるために、最新のデジタル技術を使った全社デジタルプラットフォーム構想にも取り組んでいます。 アメリカトランプ政権の相互関税政策(トランプ関税)の発表で、世界は激震しています。この「トランプ関税」の世界経済に及ぼす影響は、現時点では未知数であり、事態は非常に流動的で予断を許さないカオス的な状況にあります。加えて、ウクライナや中東での紛争など地政学的リスクは長期化しており、世界経済の今後は極めて不透明な状況です。21世紀におけるキーワードは変化(Change)であり、その時代認識のもと、変化に強く柔軟でResilientなポートフォリオ変革(Change)に取り組んでいます。究極の目標は差別化であり、他との違いをつくることです。また、当社の強みは需要のあるところで生産する地産地消型グローバルビジネス体制であり、今回の「トランプ関税」などの不意打ち的な変化にはResilientな力が影響を最小化するものと考えています。Regional Head Quarterを中心にグローバルなAdaptabilityを強化していきます。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 (1) 当社の存在意義(Purpose)当社は、「人と技術の創造的融合を繰り返し、技術革新とグローバル展開を通して、革新的な素材開発によるソリューションを提供することにより、社会的課題を解決し、世界を健康にする」ことを存在意義と定義しております。今、自然環境にますます負荷がかかり、人間の行動が危険な気候変動や大量絶滅をもたらしかねません。そのリスクを減らすうえで、自然に対する理解を深め、適切なテクノロジーを一層迅速に配備する必要があります。この視座こそが「カガクでネガイをカナエル会社-カネカ」が目指すパーパス経営です。当社は、環境・エネルギー、食糧、健康(よりよく生きる)の危機の三つをドメインとしてテクノロジーに磨きをかけ、社会実装化による最適なソリューションを提供したいと考えています。 (2) パーパス経営を実現する3つのValue当社は、カネカタワーとTransformationのトリプルPackageの2つの経営システムを、変革の根幹としています。 ① カネカタワー 「当社の経営モデルの基本構造」-その視座と視点(大切にすること)-● 当社の経営モデルの基本構造であり、当社の創業以来の持つ強み(DNA)を活かし、「事業構想力(内なる力)」と「市場開発力(外なるPower)」を進化させ、「現場力」がその実行を支え、常に時代の変化に応じて経営革新を自律的に行えるようにします。● 自治機能を高める2つのWork Shop(変革と成長のトライアングル、カネカ1on1)を通して現場をInspireします。 ② 経営システム TransformationのトリプルPackage● 変革と成長を実現するための、ビジネス思考のプラットフォームです。経営のソフトウェアとハードウェアをドッキングすることにより、実効性を上げます。● 時代認識/仕掛け/成果のトライアングルは、経営計画のなかで、どのように目標を設定し、技術革新を含めた達成のための仕掛けを整え、スケール・スピードを意識したうえで、いったい何を成果として位置付けるのか。経営計画の骨格そのものとなります。 (3) 経営方針当社は、ESG経営を「世界を健康にする健康経営-Wellness First」と定義し、全ての活動のプラットフォーム(憲法)とします。当社の健康経営は人間賛歌の経営です。価値あるソリューションをグローバルに提供することを通じて世界の人々の人生と環境の進化に貢献し、存在感のある企業として成長し続けます。 ① カガクでネガイをカナエル会社・カネカ化学という「不思議の海」の冒険を通して、Dream をRealにし、人々の人生に役立つ会社になります。 ② ソリューションプロバイダー「経営システムTransformationのトリプルPackage」に基づいて、Sustainability(持続可能社会)の構築に貢献します。当社グループが提供するソリューションはP18~21に記載の通りです。 ③ ハイブリッド経営イノベーションとは「違ったやり方でコトを運ぶ新結合」のことです。異質なものどうしを、異質な事業領域で、新しく組み合わせることを当社は「ハイブリッド経営」と呼んでいます。当社が保有する多種多様な異種技術による驚きの組み合わせで、独創的な価値あるソリューションを創り出す「ハイブリッド経営」を通じて社会問題の解決に貢献してまいります。 ④ 実験カンパニー(大量に試していいものだけを残す)熱い「実験カンパニー」を行動指針とし、新陳代謝を繰り返しながら新しいポートフォリオに変革する「Value Creating Company」を目指します。 (4) 対処すべき課題● カネカのパーパス経営自然環境にますます負荷がかかり、人間の行動が危険な気候変動や大量絶滅をもたらしかねません。そのリスクを減らすうえで、自然に対する理解を深め、適切なテクノロジーを一層迅速に配備する必要があります。この視座こそが「カガクでネガイをカナエル会社-カネカ」が目指すパーパス経営です。当社は、環境・エネルギー、食糧、健康(よりよく生きる)の危機の三つをドメインとしてテクノロジーに磨きをかけ、社会実装化による最適なソリューションを提供したいと考えています。 ● ハイブリッド経営イノベーションとは「違ったやり方でコトを運ぶ新結合」のことです。異質なものどうしを、異質な事業領域で、新しく組み合わせることを「ハイブリッド経営」と呼んでいます。保有する多種多様な異種技術による驚きの組み合わせで、独創的な価値あるソリューションを創り出す「ハイブリッド経営」を通じて、社会問題の解決に貢献してまいります。 ● R2B+P (Research to Businessの加速)研究開発とビジネスとの結合を進め、Research to Businessの流れを一層加速させます。独創的な優れた素材を創出しソリューションを世界の市場に提供します。「R2B」と「P」(モノづくり)が一体となった取り組みを強化し、モノづくり起点で事業の最大化とマネタイズに拘り新製品事業化のスピードとスケールを向上させます。 ● ライフサイエンスへの重点シフト化学で「地球生命」という大きな「いのち」を健康にする、そのテクノロジーと創造的な活動が「ライフサイエンス」の定義です。カネカ生分解性バイオポリマーGreen Planet®、ゲノム編集技術、バイオ医薬品、再生・細胞医療、有機酪農乳製品事業、サプリメント、発酵培養プロセス技術などカネカの「バイオものづくり」やPV Technology、医療器は、すべて「地球生命」という大きな「いのち」に繋がっています。カネカは、ライフサイエンス領域での「R2B」に挑戦することで、ポートフォリオ変革をドライブします。 ● Think Global, Act Local (The Best Glocal Kaneka Wayの推進)地域に根差した事業展開を可能にするグローバルネットワークが強みです。ソリューションを世界の隅々に届け人々の命や社会課題を解決することを使命とし、文化の違いを乗り越えた現地発信(グローカル)にフォーカスします。グローバルに存在感ある企業をめざします。経営資源を広く世界に求め、M&A、技術・業務提携、Open Innovationを積極的に推進し、グローバルでの事業構造変革と飛躍的成長に繋げます。 ● Diversity 新たな価値の創造と女性の活躍「年齢・性別・国籍・人種(属性)を問わず、多様な個性と多彩な視点から新たな発想が生まれ、カネカならでは!と世界を驚かせるユニークな価値を発信し続ける」当社がめざすDiversityの姿です。特に女性活躍を推進し成長と変革を牽引する女性リーダー層の育成強化に取り組んでいます。「人は仕事で成長し、会社は人で成長する」の考えに基づき『カネカ1on1X』を通じて、個人の成長と組織の成果を高めます。今年も「‒Trust & Respect‒ 人間賛歌の経営」に取り組んでいきます。 ● カーボンニュートラル・DXの取り組みカネカは2030年にGHG排出量を30%削減することをめざしています。2050年にはカーボンニュートラルを実現することが目標です。自家発電設備の燃料転換やプロセス革新によるエネルギー消費量削減などに取り組みます。また、DXの取り組みを強化し、R2B+Pを通した価値創出を大幅に加速させます。最先端の技術を取り入れた生産プラントへ進化させ、未来の製造現場をつくり上げます。研究開発・営業・SCM・バックオフィスの業務革新を進めるために、最新のデジタル技術を使った全社デジタルプラットフォーム構想にも取り組んでいます。 アメリカトランプ政権の相互関税政策(トランプ関税)の発表で、世界は激震しています。この「トランプ関税」の世界経済に及ぼす影響は、現時点では未知数であり、事態は非常に流動的で予断を許さないカオス的な状況にあります。加えて、ウクライナや中東での紛争など地政学的リスクは長期化しており、世界経済の今後は極めて不透明な状況です。21世紀におけるキーワードは変化(Change)であり、その時代認識のもと、変化に強く柔軟でResilientなポートフォリオ変革(Change)に取り組んでいます。究極の目標は差別化であり、他との違いをつくることです。また、当社の強みは需要のあるところで生産する地産地消型グローバルビジネス体制であり、今回の「トランプ関税」などの不意打ち的な変化にはResilientな力が影響を最小化するものと考えています。Regional Head Quarterを中心にグローバルなAdaptabilityを強化していきます。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。また、第1四半期連結会計期間は第1四半期、第2四半期連結会計期間は第2四半期、第3四半期連結会計期間は第3四半期、第4四半期連結会計期間は第4四半期、第1四半期及び第2四半期は上期、第3四半期及び第4四半期は下期と表示します。 (1) 経営成績世界経済の状況 - 視界不良が続いている - 世界経済の成長が見通し難い不透明な一年となりました。中国経済は低迷が続いており、欧米の景気はVolatileで先行きが読めない状況です。日本については、歴史的な円安が輸出を下支えしたものの、円安による食とエネルギーの輸入インフレにより、将来不安と生活の縮小から所得が増えても消費が増えない不安定な状況が続きました。直近では米国の相互関税政策により世界が激震しており、先行きが見通せない視界不良の状況が、2025年度の不安材料となっています。 当社グループの業績 - 増収増益 - このような状況のなか、当社グループの当連結会計年度(2024年4月~2025年3月)の連結業績は、売上高807,200百万円(前連結会計年度(以下、前期)比5.9%増)、営業利益40,050百万円(前期比22.9%増)、経常利益32,863百万円(前期比12.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益25,309百万円(前期比9.0%増)となりました。 2025年3月期 連結業績 (単位:百万円) 2024年3月期2025年3月期前期比売上高762,302807,20044,897(5.9%)営業利益32,57940,0507,470(22.9%)経常利益29,22232,8633,640(12.5%)親会社株主に帰属する当期純利益23,22025,3092,089(9.0%) セグメント別売上高・営業利益 (単位:百万円) 売上高2024年3月期2025年3月期増減第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期計第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期計通期Material SU77,65978,81481,44484,982322,90286,04283,86285,60387,398342,90620,003(6.2%)Quality of Life SU40,87843,88046,63844,785176,18245,05848,35450,87246,698190,98414,801(8.4%)Health Care SU17,74518,44817,20921,45274,85618,37218,02219,04321,84677,2842,428(3.2%)Nutrition SU46,03746,00649,03846,099187,18248,67447,13751,27547,885194,9727,790(4.2%)その他4192262802521,1782342042903221,052△126(△10.7%)計182,740187,376194,611197,574762,302198,382197,580207,084204,151807,20044,897(5.9%) 営業利益2024年3月期2025年3月期増減第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期計第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期計通期Material SU5,5136,6106,9968,37527,4958,3827,6906,6588,22930,9613,465(12.6%)Quality of Life SU2,9394,1594,6553,60715,3614,2565,2966,1484,32720,0274,665(30.4%)Health Care SU2,9672,9262,4514,59612,9412,9922,4513,2764,67913,399458(3.5%)Nutrition SU2,2772,2983,8203,68012,0763,9032,5453,6952,92713,072996(8.2%)その他28810115112566711166154185517△149(△22.4%)調整額△8,381△9,093△9,070△9,417△35,963△9,369△9,225△9,898△9,434△37,928△1,965(-)計5,6037,0029,00410,96832,57910,2768,82410,03310,91440,0507,470(22.9%) 全社業績についてのRemarks 世界の景気回復の足取りが重く、需要動向が不安定な逆風のなか、当社の全社営業利益は前期比で75億円増益(前期比22.9%増)の401億円となりました。四半期別に総括すると、第2四半期を底に第3四半期・第4四半期は100億円/四半期を超える利益水準に回復しました。また、全てのSUが前期比で増収増益となりました。 ① 先端事業とコア事業当連結会計年度業績の特徴は、先端事業の躍進と堅調なコア事業を実現したことです。先端事業の営業利益は前期比59億円増の377億円となり、コア事業は前期比36億円増の403億円となりました。 先端事業の構成比率は、2023年度の46%から2024年度下期には50%に伸長し、特にMedical・E & I Technologyが大幅に業績を伸ばしました。Medicalは新製品の拡販が大きく進展し、E & I Technologyは高い技術力を活かした製品の優位性が効果を発揮してスマートフォン市場を中心に拡販を実現しました。 コア事業は、Performance Polymers(MOD)が大幅な増益となりました。強い競争力と付加価値の高い製品の拡販により、業容拡大が進んでいます。Performance Fibersは、販売地域の拡大や高機能化した製品の拡販が寄与し、業績は回復しています。Foods & Agrisは、高付加価値品への販売シフトとスプレッドの拡大により、高い水準の収益となりました。 ② 成長に向けた投資計画の進捗Medicalは、北海道・苫東工場の血液浄化器プラントが第2四半期に順調に稼働しました。さらにMedical事業の競争力を強化するため、同地でのカテーテルプラントの建設に着手しました。また、脳血管治療領域に強みを持つイスラエルの医療機器企業をM&Aするなど、Open Innovationによる製品ラインアップの拡充を加速しています。Green Planet®は、国内外での採用がさらに拡大しました。土中・海水中ともに生分解するという優れた機能を持つ製品の社会実装が進みました。Performance Polymers(MS)のベルギーでの能力増強は、第2四半期に稼働しました。今後は欧州グリーンディール政策の進展に伴う需要増を取り込んでいく計画です。 このように先端事業の成長を加速させる投資を積極的に進め、選択と集中を強化してまいります。 (注)先端事業:Performance Polymers(MS)・E & I Technology・PV & Energy management・Pharma・Medical・Supplemental Nutrition、コア事業:Vinyls and Chlor-Alkali・Performance Polymers(MOD)・Foam & Residential Techs・Performance Fibers・Foods & Agris セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。 (Material Solutions Unit)当セグメントの売上高は342,906百万円と前期比20,003百万円増(6.2%増)となり、営業利益は30,961百万円と前期比3,465百万円増(12.6%増)となりました。塩ビのアジア市況の下振れが続きましたが、Performance Polymers(MOD)の強い競争力とPerformance Polymers(MS)の拡販により全体では増収増益となりました。Vinyls and Chlor-Alkaliは、価格改定を進めましたが、アジア市況の下落の影響を受け、減益となりました。Performance Polymersのモディファイヤーは、欧米の建築需要の回復が遅れるなか、事業競争力強化の取り組みと非塩ビ用途・MXの拡販により大幅な増益となりました。変成シリコーンポリマーは、他にないユニークな機能特性を活かした拡販策により販売が堅調に拡大し、増益となりました。ベルギーの能力増強設備を最大限に活かし、さらに拡販を進めていきます。生分解性バイオポリマー「Green Planet®」は、国内外の引き合いが増加しています。スターバックスコーヒージャパンでの採用実績が新しいモメンタムを創出し、大手ブランドホルダーとの大型案件の取り組みが加速しています。 (Quality of Life Solutions Unit)当セグメントの売上高は190,984百万円と前期比14,801百万円増(8.4%増)となり、営業利益は20,027百万円と前期比4,665百万円増(30.4%増)となりました。E & I Technology・PV & Energy management・Performance Fibersが増益となりました。Foam & Residential Techsは原料高の影響を受けましたが、全体ではE & I Technologyの好調により大幅な増収増益となりました。Foam & Residential Techsは、価格改定を進めたものの、自動車分野や農水産・建築分野での需要減および原料高の影響により減益となりました。E & I Technologyは、年間を通じてポリイミドフィルム・液晶TV用アクリル樹脂が高水準の販売を実現し、大幅な増益となりました。PV & Energy managementは、国内で戸建て住宅向け高効率太陽電池の販売が堅調に推移しました。Performance Fibersは、頭髪製品の販売が着実に増加しました。難燃ファブリック分野の需要も拡大しています。 (Health Care Solutions Unit)当セグメントの売上高は77,284百万円と前期比2,428百万円増(3.2%増)となり、営業利益は13,399百万円と前期比458百万円増(3.5%増)となりました。Medicalが大幅な収益増となりましたが、PharmaはCDMO市場の需要調整の影響を受けました。全体では増収増益となりました。Medicalは、血液浄化器・カテーテルともに販売が拡大しました。カテーテル新製品のスコアリングバルーンの拡販が、業容拡大を牽引しています。血液浄化器の北海道新プラント(苫東工場)の高い競争力を活かし、海外展開を強化していきます。Pharmaは、低分子およびバイオ医薬の需要調整が想定以上に長引きましたが、第3四半期以降需要は回復しました。 (Nutrition Solutions Unit)当セグメントの売上高は194,972百万円と前期比7,790百万円増(4.2%増)となり、営業利益は13,072百万円と前期比996百万円増(8.2%増)となりました。Foods & Agris・Supplemental Nutritionともに好調な一年となり、増収増益の稔りを得ました。Supplemental Nutritionは、還元型コエンザイムQ10が米国を中心にグローバルでの拡販が進みました。乳酸菌事業も着実に事業を拡大しています。最大市場の米国でのさらなる販売拡大に向け、新製品の上市やマーケティングの強化に注力します。Foods & Agrisは、高付加価値品シフトとスプレッドの拡大により、収益力が一段と高まりました。有機乳製品などの付加価値の高い「B2C」製品の拡販を強化し、業容拡大を加速します。 (その他)当セグメントの売上高は1,052百万円と前期比126百万円減(10.7%減)となり、営業利益は517百万円と前期比149百万円減(22.4%減)となりました。 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。① 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(百万円)前期比(%)Material Solutions Unit331,66311.0Quality of Life Solutions Unit153,5277.7Health Care Solutions Unit85,6589.4Nutrition Solutions Unit111,7885.4その他--合計682,6379.1 (注) 1 生産金額は売価換算値で表示しております。2 連結会社間の取引が複雑で、セグメント毎の生産高を正確に把握することが困難なため、概算値で表示しております。 ② 受注実績主として見込み生産であります。 ③ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(百万円)前期比(%)Material Solutions Unit342,9066.2Quality of Life Solutions Unit190,9848.4Health Care Solutions Unit77,2843.2Nutrition Solutions Unit194,9724.2その他1,052△10.7合計807,2005.9 (2) 財政状態当連結会計年度末の総資産は、棚卸資産の増加に加え、設備投資の拡大による固定資産増加等により、前連結会計年度末に比べて49,937百万円増加の920,143百万円となりました。負債については、借入金の増加等により前連結会計年度末に対して31,901百万円増加の427,724百万円となりました。純資産については、利益剰余金の増加等により前連結会計年度末に対し18,035百万円増加の492,419百万円となり、自己資本比率は51.2%となりました。 (3) キャッシュ・フロー当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費等により41,252百万円の収入となり、前期比で20,658百万円の収入減となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出により55,038百万円の支出となり、前期比3,733百万円の支出減となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、社債償還や自己株式取得による支出の一方、借入金の増加により14,453百万円の収入となり、前期比で15,973百万円の収入増となりました。この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ1,353百万円増加し、44,631百万円となりました。 (資本の財源及び資金の流動性に係る情報)当社は、付加価値のある新しい事業を生み出しポートフォリオの変革を実現することで成長を続ける研究開発型企業を目指しています。基盤事業により十分なキャッシュを確保し、新事業創出のための研究開発や設備投資資金に活用していくことを基本とし、更なる成長投資に必要な資金については、その目的・規模や金融環境に応じ最も適切な調達方法を採ることとしています。資金需要に応じ有利かつ円滑な資金調達ができるよう信用格付の維持・向上や金融機関・資本市場との良好な関係維持に努めるとともに、緊急な資金需要に備え融資枠や社債発行登録枠の設定を含め十分な手元流動性を確保しています。また、資金調達の方法については、自己資本など財務の安全性を確保しながら、資本効率の向上につながる資本・負債構成を考慮し、社債や借入金のいわゆる負債による資金調達を実施しています。株主還元については、毎期の業績、中長期の収益動向、投資計画、財務状況を総合的に勘案し、連結配当性向30%を目安に、自己株式の取得も状況に応じ機動的に実施し、安定的に継続することを基本方針としています。 (4) 重要な会計上の見積り及び当期見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。 ① 減損会計における将来キャッシュ・フロー減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、中期経営計画を基礎として、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。中期経営計画の見積期間を超える期間の将来キャッシュ・フローは、中期経営計画を基礎として、それまでの計画に基づく趨勢を踏まえた一定の仮定をおいて見積っております。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において減損損失が発生する可能性があります。 ② 棚卸資産の評価棚卸資産は、収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定しており、正味売却価額が帳簿価額よりも下回っている場合は、帳簿価額を正味売却価額まで切り下げております。入庫日から1年超経過している棚卸資産については、需要予測等に基づく収益性の低下の事実を反映するように、個別に回収可能性を見積っております。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する棚卸資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。 ③ 繰延税金資産の回収可能性繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、将来減算一時差異に対する将来の課税所得等に関する予測に基づいております。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。 ④ 退職給付債務の算定確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率等の計算基礎があります。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係) 2 確定給付制度 (9)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 (1) 当社の存在意義(Purpose)当社は、「人と技術の創造的融合を繰り返し、技術革新とグローバル展開を通して、革新的な素材開発によるソリューションを提供することにより、社会的課題を解決し、世界を健康にする」ことを存在意義と定義しております。今、自然環境にますます負荷がかかり、人間の行動が危険な気候変動や大量絶滅をもたらしかねません。そのリスクを減らすうえで、自然に対する理解を深め、適切なテクノロジーを一層迅速に配備する必要があります。この視座こそが「カガクでネガイをカナエル会社-カネカ」が目指すパーパス経営です。当社は、環境・エネルギー、食糧、健康(よりよく生きる)の危機の三つをドメインとしてテクノロジーに磨きをかけ、社会実装化による最適なソリューションを提供したいと考えています。 (2) パーパス経営を実現する3つのValue当社は、カネカタワーとTransformationのトリプルPackageの2つの経営システムを、変革の根幹としています。 ① カネカタワー 「当社の経営モデルの基本構造」-その視座と視点(大切にすること)-● 当社の経営モデルの基本構造であり、当社の創業以来の持つ強み(DNA)を活かし、「事業構築力(内なる力)」と「市場開発力(外なるPower)」を進化させ、「現場力」がその実行を支え、常に時代の変化に応じて経営革新を自律的に行えるようにします。● 自治機能を高める2つのWork Shop(変革と成長のトライアングル、カネカ1on1)を通して現場をInspireします。 ② 経営システム TransformationのトリプルPackage● 変革と成長を実現するための、ビジネス思考のプラットフォームです。経営のソフトウェアとハードウェアをドッキングすることにより、実効性を上げます。● 時代認識/仕掛け/成果のトライアングルは、経営計画のなかで、どのように目標を設定し、技術革新を含めた達成のための仕掛けを整え、スケール・スピードを意識したうえで、いったい何を成果として位置付けるのか。経営計画の骨格そのものとなります。 (3) 経営方針当社は、ESG経営を「世界を健康にする健康経営-Wellness First」と定義し、全ての活動のプラットフォーム(憲法)とします。当社の健康経営は人間賛歌の経営です。価値あるソリューションをグローバルに提供することを通じて世界の人々の人生と環境の進化に貢献し、存在感のある企業として成長し続けます。 ① カガクでネガイをカナエル会社・カネカ化学という「不思議の海」の冒険を通して、Dream をRealにし、人々の人生に役立つ会社になります。 ② ソリューションプロバイダー「経営システムTransformationのトリプルPackage」に基づいて、Sustainability(持続可能社会)の構築に貢献します。当社グループが提供するソリューションはP18~21に記載の通りです。 ③ ハイブリッド経営イノベーションとは「違ったやり方でコトを運ぶ新結合」のことです。異質なものどうしを、異質な事業領域で、新しく組み合わせることを当社は「ハイブリッド経営」と呼んでいます。当社が保有する多種多様な異種技術による驚きの組み合わせで、独創的な価値あるソリューションを創り出す「ハイブリッド経営」を通じて社会問題の解決に貢献してまいります。 ④ 実験カンパニー(大量に試していいものだけを残す)熱い「実験カンパニー」を行動指針とし、新陳代謝を繰り返しながら新しいポートフォリオに変革する「Value Creating Company」を目指します。 (4) 対処すべき課題コロナ禍は期中に終焉しましたが、ウクライナ問題の長期化、中東での新たな紛争の勃発など地政学リスクが終息せず、景気の先行きが見通せない不安な状況が続きました。インフレに腐心する米欧の金融政策の混乱、米中摩擦、中国経済の低迷など、世界経済は方向感のないVolatileな一年になりました。このように「分断とVolatility」に翻弄される不透明な時代をむかえていますが、当社のDNAである地域に根を張ったグローバル活動に磨きをかけ、「R2B“カネカならでは”」の研究開発戦略で新製品・新規事業の実装化を加速させてまいります。 技術に磨きをかけてポートフォリオを新しくし、業容を拡大します。 (5) 重点戦略① ハイブリッド経営への道(ポートフォリオの変革の推進)当社は、ハイブリッド経営による事業ポートフォリオの変革を急ぎます。多種多様な異種技術、ソリューションを組み合わせ、ユニークで価値ある新たなソリューションを創り出し、社会問題の解決に貢献していくことを目指しています。投資の「選択と集中」を加速させ、“地球を健康にするライフサイエンス”領域を拡大させます。マネのできないユニークな差別化技術開発に向けて、人、モノ、カネの戦略的な資源投入を行い、先端事業群の事業拡大を図ります。コア事業群も差別化力の強化と、供給力を強化する設備投資により事業基盤を強靭化します。 ② ライフサイエンスへの重点シフト化学で「地球生命」という大きな「いのち」を健康にする、そのテクノロジーと創造的な活動が「ライフサイエンス」の定義です。カネカ生分解性バイオポリマーGreen Planet®、ゲノム編集技術、バイオ医薬品、再生・細胞医療、有機酪農乳製品事業、サプリメント、発酵培養プロセス技術などカネカの「バイオものづくり」やPV Technology、医療器は、すべて「地球生命」という大きな「いのち」に繋がっています。カネカは、ライフサイエンス領域での「R2B」に挑戦することで、ポートフォリオ変革をドライブします。 ③ R2B [R to B(Research to Business)]戦略● ResearchからBusinessへの流れの加速当社はResearchとBusinessという二つの機能を結合させ、ユニークな製品やサービスを生み出し、社会に実装させ、スケールさせる「ハイブリッド経営」を通じて、社会に価値を届けてきました。研究開発とビジネスとの結合を進め、R&DからR&Bへと進化させたマインドをさらに、発展させます。“R&B(Research and Business)”から“R2B”へ、ResearchからBusinessへの流れを一層加速させます。 ● ハイブリッド経営を支えるR2B+P(Research to Business + Production)当社の研究開発は、社会実装までつながってこそ初めて完成すると考えます。ライフサイエンス領域における当社の強みであるバイオものづくり技術を強化すると同時に、全領域をまたいで生産技術革新を担う研究開発体制を大幅に強化しています。研究から生産、そしてビジネスに繋げるR2B+P体制を整えています。 ● ハイブリッド経営を加速するR2B×DX(研究開発のデジタルトランスフォーメーション)新たな価値創出を目指す全社のデジタル変革の戦略のもと、R2Bの変革に向けて、先端のシミュレーション・データ解析技術の取り込みとデジタルインフラ活用の日常化の両輪で進めています。 ④ 人材戦略● Human Driven Company(少数精鋭・能力成果主義 ⇒ 創業以来の理念)当社では、1949年の創業以来、社員一人ひとりのタレントを活かすことが事業の成長に欠かせないという理念のもと、人材を育成し、実力に基づく配置・登用・処遇を行い、成長してきました。今、社員の属性・価値観が多様化し、個を活かす人材育成の重要性が増しています。当社の成長をけん引しているのは、社員一人ひとりのチャレンジです。チャレンジできる環境を整え、機会を与え、成長を促進し、変革を実現する。「人材育成」「Diversityの推進」「Wellnessの推進」を人材戦略の柱に掲げ、取り組んでいます。 ● 「カネカ1on1」を柱とした人材・リーダー育成「人は仕事で成長し、会社は人で成長する」と考え、人材育成の柱として、「カネカ1on1」を目標設定や自己成長について評価を行う人事制度と紐づけて適用しています。さらなる深化に向けて対話の質を高める取り組みを続けています。(「カネカ1on1X」への進化) ● Diversityの推進(属性の差を超えて、個を活かす多様性へ)異なるタレントを持つ、多彩な社員たちによって新たな価値を生み出せるカネカを目指し、Diversityを推進しています。「年齢・性別・国籍・人種(属性)を問わず、多様な個性と多彩な視点から新たな発想が生まれ、カネカならでは!と世界を驚かせるユニークな価値を発信し続ける」当社がめざすDiversityの姿です。特に女性活躍を推進し成長と変革を牽引する女性リーダー層の育成強化に取り組んでいます。「人は仕事で成長し、会社は人で成長する」の考えに基づき導入・定着させた「カネカ1on1」を、新たなステージ「カネカ1on1X」へ進化させ、個人の成長と組織の成果を高めます。 ● Wellnessの推進(イキイキとチャレンジする社員や組織・グループの「絆」)Wellnessの推進は、カネカグループで働く仲間一人ひとりが、元気にイキイキと仕事に取り組むことを基軸としています。 ⑤ グローバル戦略 - Think Global, Act Local -地域に根ざした事業展開を可能にするグローバルネットワークユニークな技術と製品を世界の隅々にまで届け、人の命や社会課題を解決する企業を目指しています。地域に根ざした活動を推進していきます。海外事業は文化の移植です。化学に国境はなく、文化の違いを乗り越えた現地発信(グローカル)にフォーカスしていきます。ボーダレスに価値あるソリューションをタイムリーに世界の市場に提供し、グローバルに存在感ある企業を目指します。 ⑥ モノづくり戦略モノづくり現場の実践から「未来」を創っていきます ● モノづくり現場はValue Center技術力とイノベーションを生み出す「たくみ」の力とデジタル技術を融合させ、“カネカならでは”の未来の製造現場を作り上げます。「安全と信頼の工場」をベースとして、モノづくり起点で事業の最大化とマネタイズに拘っていきます。 ● 「新たな価値の創出」とサステナブルを体現する工場の実現DXの取り組みの加速、最先端の技術を取り入れた生産プラントへ進化させ、新製品事業化のスピードとスケールを向上させていきます。カーボンニュートラルの実現に向けて、全社横断的な取り組みと各テーマの前倒しにチャレンジしています。当社のエネルギーソリューション技術により、自治体をはじめとする社会の脱炭素にも貢献していきます。 ● モノづくりと「R2B+P」のIntegration「R2B」とモノづくりが一体となった取り組みを強化し、「たくみ」というCreativityをルーティーンという「しくみ」にスケール化させ、新規技術を競争力ある形でスピーディーに社会実装していきます。 ● カーボンニュートラル当社グループは、国内外グループ会社を含めたScope1・2を対象とし、2030年にGHG排出量の30%削減(対2013年度比)、2050年度にはカーボンニュートラルの実現を目指しています。Scope1は、石炭ボイラーからガスタービンコージェネレーション設備への更新を決定しました。工場排熱の効率的回収による省エネの徹底、エネルギー多消費設備の革新を進めていきます。Scope2は、再生可能エネルギーや低CO2排出係数の電力活用を進めていきます。 ● デジタルトランスフォーメーション(DX)デジタル技術を駆使した生産革新、全社の業務系デジタルプラットフォームの高度化を通じたDXの実現により、新しい時代に合致した業務へ変革させていきます。 ⑦ コーポレート・ガバナンスの充実当社は、「人と、技術の創造的融合により未来を切り拓く価値を共創し、地球環境とゆたかな暮らしに貢献します。」という企業理念のもと、当社が持続的に成長し、中長期的な企業価値を向上させ、株主および投資家、お客様、地域社会、取引先、社員などの全てのステークホルダーと信頼でつながる関係を築きます。企業としての社会的責任を果たすため、最良のコーポレート・ガバナンスを実現します。当社は、当社の多角的かつグローバルな事業展開と、経営資源配分を持続させるために、コーポレート・ガバナンス機能を働かせることが非常に重要であると考え、それが当社の持続的な成長および中長期的な企業価値の向上に不可欠と考えています。その観点から、意思決定の透明性・公正性を確保するとともに、迅速・果断な意思決定により経営の活力を増大させるためにコーポレート・ガバナンスを充実させます。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 (1) 当社の存在意義(Purpose)当社は、「人と技術の創造的融合を繰り返し、技術革新とグローバル展開を通して、革新的な素材開発によるソリューションを提供することにより、社会的課題を解決し、世界を健康にする」ことを存在意義と定義しております。今、自然環境にますます負荷がかかり、人間の行動が危険な気候変動や大量絶滅をもたらしかねません。そのリスクを減らすうえで、自然に対する理解を深め、適切なテクノロジーを一層迅速に配備する必要があります。この視座こそが「カガクでネガイをカナエル会社-カネカ」が目指すパーパス経営です。当社は、環境・エネルギー、食糧、健康(よりよく生きる)の危機の三つをドメインとしてテクノロジーに磨きをかけ、社会実装化による最適なソリューションを提供したいと考えています。 (2) パーパス経営を実現する3つのValue当社は、カネカタワーとTransformationのトリプルPackageの2つの経営システムを、変革の根幹としています。 ① カネカタワー 「当社の経営モデルの基本構造」-その視座と視点(大切にすること)-● 当社の経営モデルの基本構造であり、当社の創業以来の持つ強み(DNA)を活かし、「事業構築力(内なる力)」と「市場開発力(外なるPower)」を進化させ、「現場力」がその実行を支え、常に時代の変化に応じて経営革新を自律的に行えるようにします。● 自治機能を高める2つのWork Shop(変革と成長のトライアングル、カネカ1on1)を通して現場をInspireします。 ② 経営システム TransformationのトリプルPackage● 変革と成長を実現するための、ビジネス思考のプラットフォームです。経営のソフトウェアとハードウェアをドッキングすることにより、実効性を上げます。● 時代認識/仕掛け/成果のトライアングルは、経営計画のなかで、どのように目標を設定し、技術革新を含めた達成のための仕掛けを整え、スケール・スピードを意識したうえで、いったい何を成果として位置付けるのか。経営計画の骨格そのものとなります。 (3) 経営方針当社は、ESG経営を「世界を健康にする健康経営-Wellness First」と定義し、全ての活動のプラットフォーム(憲法)とします。当社の健康経営は人間賛歌の経営です。価値あるソリューションをグローバルに提供することを通じて世界の人々の人生と環境の進化に貢献し、存在感のある企業として成長し続けます。 ① カガクでネガイをカナエル会社・カネカ化学という「不思議の海」の冒険を通して、Dream をRealにし、人々の人生に役立つ会社になります。 ② ソリューションプロバイダー「経営システムTransformationのトリプルPackage」に基づいて、Sustainability(持続可能社会)の構築に貢献します。当社グループが提供するソリューションはP18~21に記載の通りです。 ③ ハイブリッド経営イノベーションとは「違ったやり方でコトを運ぶ新結合」のことです。異質なものどうしを、異質な事業領域で、新しく組み合わせることを当社は「ハイブリッド経営」と呼んでいます。当社が保有する多種多様な異種技術による驚きの組み合わせで、独創的な価値あるソリューションを創り出す「ハイブリッド経営」を通じて社会問題の解決に貢献してまいります。 ④ 実験カンパニー(大量に試していいものだけを残す)熱い「実験カンパニー」を行動指針とし、新陳代謝を繰り返しながら新しいポートフォリオに変革する「Value Creating Company」を目指します。 (4) 対処すべき課題コロナ禍は期中に終焉しましたが、ウクライナ問題の長期化、中東での新たな紛争の勃発など地政学リスクが終息せず、景気の先行きが見通せない不安な状況が続きました。インフレに腐心する米欧の金融政策の混乱、米中摩擦、中国経済の低迷など、世界経済は方向感のないVolatileな一年になりました。このように「分断とVolatility」に翻弄される不透明な時代をむかえていますが、当社のDNAである地域に根を張ったグローバル活動に磨きをかけ、「R2B“カネカならでは”」の研究開発戦略で新製品・新規事業の実装化を加速させてまいります。 技術に磨きをかけてポートフォリオを新しくし、業容を拡大します。 (5) 重点戦略① ハイブリッド経営への道(ポートフォリオの変革の推進)当社は、ハイブリッド経営による事業ポートフォリオの変革を急ぎます。多種多様な異種技術、ソリューションを組み合わせ、ユニークで価値ある新たなソリューションを創り出し、社会問題の解決に貢献していくことを目指しています。投資の「選択と集中」を加速させ、“地球を健康にするライフサイエンス”領域を拡大させます。マネのできないユニークな差別化技術開発に向けて、人、モノ、カネの戦略的な資源投入を行い、先端事業群の事業拡大を図ります。コア事業群も差別化力の強化と、供給力を強化する設備投資により事業基盤を強靭化します。 ② ライフサイエンスへの重点シフト化学で「地球生命」という大きな「いのち」を健康にする、そのテクノロジーと創造的な活動が「ライフサイエンス」の定義です。カネカ生分解性バイオポリマーGreen Planet®、ゲノム編集技術、バイオ医薬品、再生・細胞医療、有機酪農乳製品事業、サプリメント、発酵培養プロセス技術などカネカの「バイオものづくり」やPV Technology、医療器は、すべて「地球生命」という大きな「いのち」に繋がっています。カネカは、ライフサイエンス領域での「R2B」に挑戦することで、ポートフォリオ変革をドライブします。 ③ R2B [R to B(Research to Business)]戦略● ResearchからBusinessへの流れの加速当社はResearchとBusinessという二つの機能を結合させ、ユニークな製品やサービスを生み出し、社会に実装させ、スケールさせる「ハイブリッド経営」を通じて、社会に価値を届けてきました。研究開発とビジネスとの結合を進め、R&DからR&Bへと進化させたマインドをさらに、発展させます。“R&B(Research and Business)”から“R2B”へ、ResearchからBusinessへの流れを一層加速させます。 ● ハイブリッド経営を支えるR2B+P(Research to Business + Production)当社の研究開発は、社会実装までつながってこそ初めて完成すると考えます。ライフサイエンス領域における当社の強みであるバイオものづくり技術を強化すると同時に、全領域をまたいで生産技術革新を担う研究開発体制を大幅に強化しています。研究から生産、そしてビジネスに繋げるR2B+P体制を整えています。 ● ハイブリッド経営を加速するR2B×DX(研究開発のデジタルトランスフォーメーション)新たな価値創出を目指す全社のデジタル変革の戦略のもと、R2Bの変革に向けて、先端のシミュレーション・データ解析技術の取り込みとデジタルインフラ活用の日常化の両輪で進めています。 ④ 人材戦略● Human Driven Company(少数精鋭・能力成果主義 ⇒ 創業以来の理念)当社では、1949年の創業以来、社員一人ひとりのタレントを活かすことが事業の成長に欠かせないという理念のもと、人材を育成し、実力に基づく配置・登用・処遇を行い、成長してきました。今、社員の属性・価値観が多様化し、個を活かす人材育成の重要性が増しています。当社の成長をけん引しているのは、社員一人ひとりのチャレンジです。チャレンジできる環境を整え、機会を与え、成長を促進し、変革を実現する。「人材育成」「Diversityの推進」「Wellnessの推進」を人材戦略の柱に掲げ、取り組んでいます。 ● 「カネカ1on1」を柱とした人材・リーダー育成「人は仕事で成長し、会社は人で成長する」と考え、人材育成の柱として、「カネカ1on1」を目標設定や自己成長について評価を行う人事制度と紐づけて適用しています。さらなる深化に向けて対話の質を高める取り組みを続けています。(「カネカ1on1X」への進化) ● Diversityの推進(属性の差を超えて、個を活かす多様性へ)異なるタレントを持つ、多彩な社員たちによって新たな価値を生み出せるカネカを目指し、Diversityを推進しています。「年齢・性別・国籍・人種(属性)を問わず、多様な個性と多彩な視点から新たな発想が生まれ、カネカならでは!と世界を驚かせるユニークな価値を発信し続ける」当社がめざすDiversityの姿です。特に女性活躍を推進し成長と変革を牽引する女性リーダー層の育成強化に取り組んでいます。「人は仕事で成長し、会社は人で成長する」の考えに基づき導入・定着させた「カネカ1on1」を、新たなステージ「カネカ1on1X」へ進化させ、個人の成長と組織の成果を高めます。 ● Wellnessの推進(イキイキとチャレンジする社員や組織・グループの「絆」)Wellnessの推進は、カネカグループで働く仲間一人ひとりが、元気にイキイキと仕事に取り組むことを基軸としています。 ⑤ グローバル戦略 - Think Global, Act Local -地域に根ざした事業展開を可能にするグローバルネットワークユニークな技術と製品を世界の隅々にまで届け、人の命や社会課題を解決する企業を目指しています。地域に根ざした活動を推進していきます。海外事業は文化の移植です。化学に国境はなく、文化の違いを乗り越えた現地発信(グローカル)にフォーカスしていきます。ボーダレスに価値あるソリューションをタイムリーに世界の市場に提供し、グローバルに存在感ある企業を目指します。 ⑥ モノづくり戦略モノづくり現場の実践から「未来」を創っていきます ● モノづくり現場はValue Center技術力とイノベーションを生み出す「たくみ」の力とデジタル技術を融合させ、“カネカならでは”の未来の製造現場を作り上げます。「安全と信頼の工場」をベースとして、モノづくり起点で事業の最大化とマネタイズに拘っていきます。 ● 「新たな価値の創出」とサステナブルを体現する工場の実現DXの取り組みの加速、最先端の技術を取り入れた生産プラントへ進化させ、新製品事業化のスピードとスケールを向上させていきます。カーボンニュートラルの実現に向けて、全社横断的な取り組みと各テーマの前倒しにチャレンジしています。当社のエネルギーソリューション技術により、自治体をはじめとする社会の脱炭素にも貢献していきます。 ● モノづくりと「R2B+P」のIntegration「R2B」とモノづくりが一体となった取り組みを強化し、「たくみ」というCreativityをルーティーンという「しくみ」にスケール化させ、新規技術を競争力ある形でスピーディーに社会実装していきます。 ● カーボンニュートラル当社グループは、国内外グループ会社を含めたScope1・2を対象とし、2030年にGHG排出量の30%削減(対2013年度比)、2050年度にはカーボンニュートラルの実現を目指しています。Scope1は、石炭ボイラーからガスタービンコージェネレーション設備への更新を決定しました。工場排熱の効率的回収による省エネの徹底、エネルギー多消費設備の革新を進めていきます。Scope2は、再生可能エネルギーや低CO2排出係数の電力活用を進めていきます。 ● デジタルトランスフォーメーション(DX)デジタル技術を駆使した生産革新、全社の業務系デジタルプラットフォームの高度化を通じたDXの実現により、新しい時代に合致した業務へ変革させていきます。 ⑦ コーポレート・ガバナンスの充実当社は、「人と、技術の創造的融合により未来を切り拓く価値を共創し、地球環境とゆたかな暮らしに貢献します。」という企業理念のもと、当社が持続的に成長し、中長期的な企業価値を向上させ、株主および投資家、お客様、地域社会、取引先、社員などの全てのステークホルダーと信頼でつながる関係を築きます。企業としての社会的責任を果たすため、最良のコーポレート・ガバナンスを実現します。当社は、当社の多角的かつグローバルな事業展開と、経営資源配分を持続させるために、コーポレート・ガバナンス機能を働かせることが非常に重要であると考え、それが当社の持続的な成長および中長期的な企業価値の向上に不可欠と考えています。その観点から、意思決定の透明性・公正性を確保するとともに、迅速・果断な意思決定により経営の活力を増大させるためにコーポレート・ガバナンスを充実させます。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。また、第1四半期連結会計期間は第1四半期、第2四半期連結会計期間は第2四半期、第3四半期連結会計期間は第3四半期、第4四半期連結会計期間は第4四半期、第1四半期及び第2四半期は上期、第3四半期及び第4四半期は下期と表示します。 (1) 経営成績世界経済の状況 - 分断と経済のVolatility - 当連結会計年度(2023年4月~2024年3月)の世界経済は、コロナ禍は期中に終焉しましたが、ウクライナ問題の長期化、中東での新たな紛争の勃発など地政学リスクが終息せず、景気の先行きが見通せない不安な状況が続きました。インフレに腐心する米欧の金融政策の混乱、米中摩擦、中国経済の低迷など、世界経済は方向感のないVolatileな一年になりました。 日本はと言えば、「円安」が止まらない。経済・金融政策が行き詰まりGDPは世界4位に落ち5位をうかがう。国づくりの一大事に歯止めがかからない。 世界は国や地域ごとに分断し、景気及び成長のシンクロしたシナリオが予見できない。 このように「分断とVolatility」に翻弄される不透明な時代をむかえていますが、当社のDNAである地域に根を張ったグローバル活動に磨きをかけ、「R2B“カネカならでは”」の研究開発戦略で新製品・新規事業の実装化を加速させてまいります。 技術に磨きをかけてポートフォリオを新しくし、業容を拡大します。何よりも人がすべてです。 当社グループの業績 - 増収減益、下期大幅増益 - このような状況のなか、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高762,302百万円(前連結会計年度(以下、前期)比0.9%増)、営業利益32,579百万円(前期比7.1%減)、経常利益29,222百万円(前期比9.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益23,220百万円(前期比0.9%増)となりました。 2024年3月期 連結業績 (単位:百万円) 2023年3月期2024年3月期前期比売上高755,821762,3026,480(0.9%)営業利益35,08732,579△2,508(△7.1%)経常利益32,41129,222△3,188(△9.8%)親会社株主に帰属する当期純利益23,00823,220212(0.9%) セグメント別売上高・営業利益 (単位:百万円) 売上高2023年3月期2024年3月期増減第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期計第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期計通期Material SU88,91983,97577,81283,147333,85477,65978,81481,44484,982322,902△10,952(△3.3%)Quality of Life SU45,00042,19443,81241,758172,76640,87843,88046,63844,785176,1823,415(2.0%)Health Care SU16,62317,36918,65818,13470,78617,74518,44817,20921,45274,8564,069(5.7%)Nutrition SU41,87944,09146,01845,350177,33946,03746,00649,03846,099187,1829,843(5.6%)その他3162312402861,0744192262802521,178103(9.7%)計192,739187,863186,541188,678755,821182,740187,376194,611197,574762,3026,480(0.9%) 営業利益2023年3月期2024年3月期増減第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期計第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期計通期Material SU10,7567,9473,7674,97827,4495,5136,6106,9968,37527,49545(0.2%)Quality of Life SU4,6004,0694,3863,07516,1312,9394,1594,6553,60715,361△769(△4.8%)Health Care SU3,8563,6534,4713,70115,6822,9672,9262,4514,59612,9412,740(17.5%)Nutrition SU8061,2962,2903,1927,5852,2772,2983,8203,68012,0764,490(59.2%)その他18695112159554288101151125667113(20.4%)調整額△7,994△8,460△8,221△7,640△32,316△8,381△9,093△9,070△9,417△35,963△3,646(-)計12,2128,6016,8087,46535,0875,6037,0029,00410,96832,579△2,508(△7.1%) 全社業績についてのRemarks ① 急ピッチな業績の回復当連結会計年度の全社業績の特徴は、営業利益が第1四半期(56億円)を底に、第2四半期(70億円)、第3四半期(90億円)、第4四半期(110億円)と期を追うごとに回復の足取りを速めたことであります。 インフレの影響による欧米の建築需要の低迷やエレクトロニクス市場の在庫調整など重い負の力が残っているものの、下期に入って業績は急ピッチで収益回復に転じました。ポストコロナの極めてVolatileな需要変動を主因に低迷した上期でしたが、下期には各SVの強いモメンタムが戻ってきました。 特に第4四半期は、Performance Polymers(MOD)・Performance Polymers(MS)・E & I TechnologyなどR2Bで成果を狙う海外事業型SVや他にはないユニークなニッチ技術を生かした開発戦略に舵を切っているSupplemental Nutrition・Foods & Agris (Nutrition SU)が貢献して、営業利益110億円を実現しました。Medicalは順調に拡大し、Vinyls and Chlor-Alkali・Foam & Residential Techsも最悪期を脱しました。 当連結会計年度営業利益 上・下期比較 (単位:百万円) 営業利益2023年3月期2024年3月期上期下期上期下期増減Material SU18,7048,74612,12315,3723,248Quality of Life SU8,6707,4627,1008,2621,163Health Care SU7,5108,1735,8937,0481,155Nutrition SU2,1035,4834,5767,5012,925その他282272390278△112調整額△16,455△15,862△17,475△18,488△1,013計20,81414,27412,60719,9737,366 下期営業利益 対前年下期比較(単位:百万円) 営業利益2023年3月期2024年3月期増減下期下期Material SU8,74615,3726,626Quality of Life SU7,4628,262800Health Care SU8,1737,048△1,124Nutrition SU5,4837,5012,018その他2722786調整額△15,862△18,488△2,626計14,27419,9735,699 ② ポートフォリオ変革をドライブする先端事業Medical・Supplemental Nutrition・Performance Polymers(MS)・E & I Technology・PV & Energy managementは、当社の差別力ある特異な技術やオープンイノベーションの取り組みが実を結び、業績は着実に伸長しました。 Medicalの業績は順調に拡大しました。医療技術の高度化が発展の原動力である事業であるため、医師からの高い信頼を得ている日本の事業モデルを武器に、M&A、技術提携などオープンイノベーションに積極的に取り組んでいます。米国・中国・アジアなど海外が次の一手でありR2Bの強化・販売体制の再構築に全力傾注しています。当社の成長をけん引する事業に育ててまいります。 Pharmaは需要調整が続き低調に推移しましたが、第4四半期は大幅に回復に転じました。バイオCDMO・低分子医薬において、顧客との共同開発活動が進み、モメンタムを取り戻しています。次期に向けて、国内外市場での更なる大型案件の獲得を積極的に進めています。 ③ コア事業の健闘ポストコロナ禍のVolatilityを原因に欧米亜市場の需要が急冷したPerformance Polymers(MOD)は、過剰な市場在庫・世界的な需給バランスの悪化の峠は越えました。当連結会計年度上期・下期の比較、当連結会計年度と前連結会計年度の下期比較では、いずれも大幅な増益を達成しています。 Performance Polymers(MOD)と同じく、技術の差別化力を強化してスケールあるグローバルニッチ市場を創出する活動に注力しているVinyls & Chlor-Alkali・Foam & Residential Techsも最悪期を脱出しました。汎用市場の需給が崩れ市況が悪化したVinyls & Chlor-Alkaliはショートバランスであったコロナ期の収益力には戻らないものの、安定した業績で推移しております。 Performance Fibersは、第1四半期に底を打ち回復をめざしていますが、アフリカ諸国のインフレ長期化・通貨安に伴い、第4四半期は一時的に需要調整が続く局面となっています。製品を高機能化しカネカロンならではの特徴ある繊維が提案できるR2B活動を鋭意進めています。また頭髪分野では、Domainを広げ、ナイジェリアを軸にしながらも、サブサハラアフリカや北中南米での販売を強化しています。 Foods & Agrisは、高付加価値品への販売シフトとスプレッドの拡大が更に進み、収益性が大幅に向上しました。引続き高水準の業績を維持していく計画です。Pure Natur乳製品、Q10ヨーグルト・グミ、有機A2牛乳、ブノワニアン・ベルギーチョコレートなどの新規事業は快走しておりFoods事業のポートフォリオ変革をリードしています。 ④ 成長に向けた投資計画の進捗Medicalは、北海道・苫東の血液浄化器新工場が2024年度第2四半期に稼働予定です。更に生分解性マグネシウムステント技術を持つ会社の買収や、血栓回収用ステントの輸入販売など、Open Innovationによるカテーテル製品のラインアップ拡充が進みました。 Pharmaのカネカユーロジェンテックでは、遺伝子治療やがん治療薬用で高成長が期待されるmRNA生産設備の建設が計画通り進んでいます。 Material系では、使い捨てプラスチックの廃棄を減らし地球環境を守ることをめざすカネカ生分解性バイオポリマー「Green Planet®」の量産実証プラントの建設が順調に進んでいます。また、グローバルな需要増が見込まれる変成シリコーンポリマーのベルギーでの能力増強も計画通り完成する予定です。 高砂の石炭ボイラーを廃止する大型設備投資を決定しました。革新的プロセスを導入した自家発電設備の燃料転換を機に、一層の省エネに取り組み、2050年のカーボンニュートラルをめざします。 先端事業の成長を加速させる投資や、コア事業の基盤強化のための投資を積極的に進めてまいります。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。 (Material Solutions Unit)当セグメントの売上高は322,902百万円と前期比10,952百万円(3.3%減)の減収となり、営業利益は27,495百万円と前期比45百万円(0.2%増)の増益となりました。欧米・アジアの景気低迷の影響を受け上期は減益となりましたが、下期は需給の回復により大幅な増益となりました。年間でも前年に並ぶ水準まで回復しました。Vinyls and Chlor-Alkaliは、塩ビ・か性ソーダともにアジア市況の下落の影響を受けましたが、第3四半期から業績を回復させています。Performance Polymersのモディファイヤーは、年間を通して需給調整が続きましたが、第3四半期から全拠点で需要が回復し下期は対前年で大幅な増益となりました。事業競争力強化の取り組みが着実に進み、収益力が向上しました。変成シリコーンポリマーは、他にはないユニークな機能特性が評価され、販売が堅調に推移しました。今後は今春完工するベルギーの生産能力増強を最大限に活かし、業容拡大をめざします。生分解性バイオポリマー「Green Planet®」は、大手ブランドホルダーとの共同開発が進み、新たなアプリケーションでの採用案件が増加しました。 (Quality of Life Solutions Unit)当セグメントの売上高は176,182百万円と前期比3,415百万円(2.0%増)の増収となり、営業利益は15,361百万円と前期比769百万円(4.8%減)の減益となりました。Foam & Residential Techs、E & I Technology、PV & Energy managementで増収増益となり、Performance Fibersは需給調整が続きましたが、全体として増収減益となりました。Foam & Residential Techsは、スプレッドが改善し、全体としては増収増益となりました。発泡ポリオレフィンは、自動車分野の販売が回復し、EV用途での採用も拡大しています。PV & Energy managementは、国内で戸建て住宅向け高効率太陽電池の販売が堅調に推移しました。政府のGX推進や自治体の再エネ活用義務化の動きが拡大しており、当社製品への注目度は更に高まりました。壁・窓が発電するZEB需要を喚起するため、大成建設と共同販売会社を設立しました。E & I Technologyは、スマートフォンの生産調整に伴い、上期はポリイミド出荷も影響を受けましたが、第3四半期以降は中国市場を中心に需要は回復しています。大型TV向けアクリル樹脂は一時的な需要調整があったものの、第4四半期以降は回復しています。Performance Fibersは、アフリカ諸国のインフレ及び通貨安の影響が大きく需要が低迷しました。マーケティング戦略の強化や高機能新製品の投入を積極的に進め、末端需要の喚起に注力します。 (Health Care Solutions Unit)当セグメントの売上高は74,856百万円と前期比4,069百万円(5.7%増)の増収となり、営業利益は12,941百万円と前期比2,740百万円(17.5%減)の減益となりました。Medicalは順調に業容が拡大し、Pharmaは第3四半期までの出荷調整の影響を受けましたが、全体として増収減益となりました。Medicalは、北海道の血液浄化器の新工場が稼働予定です。引続き経営資源を積極的に投入してまいります。Pharmaは、低分子及びバイオ医薬品の顧客での需要調整が想定以上に続きましたが、第4四半期以降需要は回復基調にあります。mRNAについては、生産体制を強化し、遺伝子疾患やがん治療薬用での採用に注力します。 (Nutrition Solutions Unit)当セグメントの売上高は187,182百万円と前期比9,843百万円(5.6%増)の増収となり、営業利益は12,076百万円と前期比4,490百万円(59.2%増)の増益となりました。Foods & Agris・Supplemental Nutritionともに好調を維持し、大幅な増収増益となりました。Supplemental Nutritionは、米国の還元型コエンザイムQ10の販売が堅調に推移しました。アジア・オセアニアでの販売が伸長しています。乳酸菌事業も着実に拡販が進んでいます。最大市場の米国での販売拡大が課題であり多様な新製品の上市や生産基盤の強化に注力します。Foods & Agrisは、スプレッドの改善が進み収益が大幅に伸長しました。有機乳製品をはじめヨーグルトなど付加価値の高い「B2C」事業を積極的に推進し業容拡大をめざします。 (その他)当セグメントの売上高は1,178百万円と前期比103百万円(9.7%増)の増収となり、営業利益は667百万円と前期比113百万円(20.4%増)の増益となりました。 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。① 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(百万円)前期比(%)Material Solutions Unit298,687△3.3Quality of Life Solutions Unit142,608△1.7Health Care Solutions Unit78,26315.4Nutrition Solutions Unit106,0886.8その他--合計625,6470.7 (注) 1 生産金額は売価換算値で表示しております。2 連結会社間の取引が複雑で、セグメント毎の生産高を正確に把握することが困難なため、概算値で表示しております。 ② 受注実績主として見込み生産であります。 ③ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(百万円)前期比(%)Material Solutions Unit322,902△3.3Quality of Life Solutions Unit176,1822.0Health Care Solutions Unit74,8565.7Nutrition Solutions Unit187,1825.6その他1,1789.7合計762,3020.9 (2) 財政状態当連結会計年度末の総資産は、設備投資の拡大による固定資産増加に加え、保有株式の時価上昇による投資有価証券の増加、円安による海外グループ会社の資産額増加等により、前連結会計年度末に比べて87,565百万円増加の870,205百万円となりました。負債については、借入金の増加及び社債の発行等により前連結会計年度末に対して49,604百万円増加の395,822百万円となりました。純資産については、利益剰余金の増加に加え、円安による為替換算調整勘定の増加、保有株式の時価上昇によるその他有価証券評価差額金の増加等により前連結会計年度末に対し37,960百万円増加の474,383百万円となり、自己資本比率は52.1%となりました。 (3) キャッシュ・フロー当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費等により61,911百万円の収入となり、前期比で33,201百万円の収入増となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出により58,771百万円の支出となり、前期比で16,801百万円の支出増となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、社債発行による収入の一方、配当金の支払や自己株式の取得により1,519百万円の支出となり、前期比で13,871百万円の収入減となりました。この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ2,579百万円増加し、43,278百万円となりました。 (資本の財源及び資金の流動性に係る情報)当社は、付加価値のある新しい事業を生み出しポートフォリオの変革を実現することで成長を続ける研究開発型企業を目指しています。基盤事業により十分なキャッシュを確保し、新事業創出のための研究開発や設備投資資金に活用していくことを基本とし、更なる成長投資に必要な資金については、その目的・規模や金融環境に応じ最も適切な調達方法を採ることとしています。資金需要に応じ有利かつ円滑な資金調達ができるよう信用格付の維持・向上や金融機関・資本市場との良好な関係維持に努めるとともに、緊急な資金需要に備え融資枠や社債発行登録枠の設定を含め十分な手元流動性を確保しています。また、資金調達の方法については、自己資本など財務の安全性を確保しながら、資本効率の向上につながる資本・負債構成を考慮し、社債や借入金のいわゆる負債による資金調達を実施しています。株主還元については、毎期の業績、中長期の収益動向、投資計画、財務状況を総合的に勘案し、連結配当性向30%を目安に、自己株式の取得も状況に応じ機動的に実施し、安定的に継続することを基本方針としています。 (4) 重要な会計上の見積り及び当期見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。 ① 減損会計における将来キャッシュ・フロー減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、中期経営計画を基礎として、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。中期経営計画の見積期間を超える期間の将来キャッシュ・フローは、中期経営計画を基礎として、それまでの計画に基づく趨勢を踏まえた一定の仮定をおいて見積っております。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において減損損失が発生する可能性があります。 ② 棚卸資産の評価棚卸資産は、収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定しており、正味売却価額が帳簿価額よりも下回っている場合は、帳簿価額を正味売却価額まで切り下げております。入庫日から1年超経過している棚卸資産については、需要予測等に基づく収益性の低下の事実を反映するように、個別に回収可能性を見積っております。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する棚卸資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。 ③ 繰延税金資産の回収可能性繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、将来減算一時差異に対する将来の課税所得等に関する予測に基づいております。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。 ④ 退職給付債務の算定確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率等の計算基礎があります。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係) 2 確定給付制度 (9)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題社会の変容や事業環境の変化は劇的なスピードで進み、エネルギー、資源、食糧問題等サステイナブル社会の実現に向けた取組みが地球規模で加速していくことが想定されます。パラダイムがシフトし、化学会社にとって、IoT、AIや生命科学の進歩が産み出す新たなビジネスチャンスが到来しています。当社グループは、このグローバルな潮流を捉え、研究開発型素材メーカーとしてソリューションを提供し、事業ポートフォリオの変革に取り組んでまいります。当社グループは、昨年刷新した経営システムを更に進化させ、カガクで世界の人々の人生と環境の進化に貢献し、価値あるソリューションをグローバルに提供する“ソリューション・プロバイダー”として、地球環境保護、省エネルギー、情報技術革新、快適な暮らしの実現、食糧問題、高齢化社会、高度医療化などの社会的諸課題を解決していく取組みを一層強化してまいります。成長のドライバーを「R&D」、「グローバル化」、「人材育成」とし、市場・顧客視点に立ったビジネスアプローチの強化、研究・製造・営業を束ねたバリューチェーン全体の生産性の向上、現地視点に立脚したグローバル化を加速してまいります。そしてこれらの諸課題を解決して魅力ある企業像と競争力ある事業構造の実現に取り組み、当社を取り巻くすべてのステークホルダーの期待に応え、高く評価される企業に変革してまいります。 (2) 株式会社の支配に関する基本方針① 基本方針の内容 当社が公開会社である以上、当社の株式が市場で自由に取引されるべきことは当然であり、仮に当社取締役会の賛同を得ずに、いわゆる「敵対的買収」がなされたとしても、それが企業価値ひいては株主共同の利益につながるものであるならば、これを一概に否定するものではありません。しかし、当社株式に対する大規模な買収行為が行われる場合には、株主に十分な情報提供が行われることを確保する必要があると考えます。また、もっぱら買収者自らの利潤のみを追求しようとするもの等、当社の企業価値・株主共同の利益を損なう敵対的かつ濫用的買収が当社を対象に行われた場合には、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を守るために、必要・適正な対応策を採らなければならないと考えております。 ② 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する取組み当社は、平成21年に長期経営ビジョン『KANEKA UNITED宣言』を策定いたしました。この中で、当社グループの抜本的な「変革」と継続的な「成長」をめざし、「環境・エネルギー」、「健康」、「情報通信」、「食料生産支援」を重点戦略分野と位置付け、経営の重点施策として、①研究開発型企業への進化、②グローバル市場での成長促進、③グループ戦略の展開、④アライアンスの推進、⑤CSRの重視に取り組んできました。平成30年からスタートした中期経営計画においては、昨年刷新した経営システムを基盤におき、「価値あるソリューションをグローバルに提供することを通じて世界の人々の人生と環境の進化に貢献し、存在感ある企業として成長し続ける」ESG経営へ進化させ、ソリューション・プロバイダーとして社会的課題を解決することにより、事業ポートフォリオを変革していきます。成長ドライバーを「R&D」、「グローバル化」、「人材育成」とし、ソリューション・プロバイダーとしての取組みを強化することにより、事業構造を変革させ、当社グループの成長を加速します。 ③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み当社は、引き続き当社の中長期にわたる企業価値・株主共同の利益を確保・向上させることを目的として、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(以下、「本プラン」といいます)の継続を、平成28年6月29日開催の第92回定時株主総会において株主の皆様にご承認いただいております。本プランの概要は以下のとおりです。イ. 本プランは、特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等に対する買付行為(以下、「大規模買付行為」といいます)を対象とします。 ロ. 当社の株券等に対する大規模買付行為を行おうとする際に遵守されるべき所定の手続(以下、「大規模買付ルール」といいます)を予め定めておいて、当該大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報提供を求め、当該大規模買付行為についての情報収集・検討を行い、また株主の皆様に対して当社取締役会としての意見や代替案等を提示する、あるいは買付者との交渉を行っていく機会と時間を確保します。ハ. 大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合、あるいは、大規模買付ルールを遵守した場合であっても、当社に回復しがたい損害を与えるなど当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合には、当社の企業価値・株主共同の利益を守ることを目的として、当該大規模買付行為に対する対抗措置として新株予約権の無償割当を行うことがあります。ニ. 当社取締役会は、対抗措置の発動に先立ち、当社取締役会から独立した組織である特別委員会に対し、対抗措置の発動の可否を諮問します。対抗措置の発動の可否は、当社取締役会の決議によりますが、当社取締役会は、特別委員会の勧告を最大限尊重いたします。また、当社取締役会が株主の皆様の意思を確認することが適切であると判断した場合には、株主総会を招集し、対応措置発動その他当該大規模買付行為に関する株主の皆様の意思を確認することができるものとします。ホ. 本プランの有効期間は、平成31年6月開催予定の当社第95回定時株主総会終結の時までとします。 ④ 取締役会の判断及びその判断に係る理由当社取締役会は、前号の取組みが、本基本方針に沿うものであること、当社の株主の共同の利益を損なうものではないこと、及び当社の会社役員の地位を維持するものでないこと、という三つの要件に該当すると判断しております。その理由は、以下に記載するとおりであります。 イ. 本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性の原則)を充足しております。また、企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」において示された考え方に沿うものであります。ロ. 本プランは、大規模買付行為が行われた際に、当該大規模買付行為が適切なものであるか否かを株主の皆様が判断するために必要な情報や時間を確保し、株主の皆様のために交渉を行うことなどを可能とすることで、株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されたものです。ハ. 本プランは、平成28年6月29日開催の第92回定時株主総会で、株主の皆様のご承認をいただいております。また、本プランの有効期間は、平成31年6月開催予定の当社第95回定時株主総会終結の時までと設定されておりますが、その時点までに当社株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されることになり、株主の皆様の意向が反映されるものとなっております。ニ. 社外取締役、社外監査役または社外有識者から構成される特別委員会によって当社取締役の恣意的行動を厳しく監視し、その勧告の概要及び判断の理由等は適時に株主の皆様に情報開示することとされており、当社の企業価値・株主共同の利益に資する範囲で本プランの運用が行われる仕組みが確保されております。ホ. 本プランは、大規模買付行為に対する対抗措置が合理的かつ詳細な客観的要件が充足されなければ発動されないように設計されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みが確保されております。ヘ. 特別委員会は、当社の費用で独立した第三者専門家の助言を得ることができるとされており、特別委員会の判断の公正さ、客観性がより強く担保される仕組みとなっております。ト. 本プランは、いわゆるデッドハンド型の買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。さらに、当社は取締役の任期を1年としており、本プランはスローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交代を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題社会の変容や事業環境の変化は劇的なスピードで進み、エネルギー、資源、食糧問題等サステイナブル社会の実現に向けた取組みが地球規模で加速していくことが想定されます。パラダイムがシフトし、化学会社にとって、IoT、AIや生命科学の進歩が産み出す新たなビジネスチャンスが到来しています。当社グループは、このグローバルな潮流を捉え、研究開発型素材メーカーとしてソリューションを提供し、事業ポートフォリオの変革に取り組んでまいります。当社グループは、昨年刷新した経営システムを更に進化させ、カガクで世界の人々の人生と環境の進化に貢献し、価値あるソリューションをグローバルに提供する“ソリューション・プロバイダー”として、地球環境保護、省エネルギー、情報技術革新、快適な暮らしの実現、食糧問題、高齢化社会、高度医療化などの社会的諸課題を解決していく取組みを一層強化してまいります。成長のドライバーを「R&D」、「グローバル化」、「人材育成」とし、市場・顧客視点に立ったビジネスアプローチの強化、研究・製造・営業を束ねたバリューチェーン全体の生産性の向上、現地視点に立脚したグローバル化を加速してまいります。そしてこれらの諸課題を解決して魅力ある企業像と競争力ある事業構造の実現に取り組み、当社を取り巻くすべてのステークホルダーの期待に応え、高く評価される企業に変革してまいります。 (2) 株式会社の支配に関する基本方針① 基本方針の内容 当社が公開会社である以上、当社の株式が市場で自由に取引されるべきことは当然であり、仮に当社取締役会の賛同を得ずに、いわゆる「敵対的買収」がなされたとしても、それが企業価値ひいては株主共同の利益につながるものであるならば、これを一概に否定するものではありません。しかし、当社株式に対する大規模な買収行為が行われる場合には、株主に十分な情報提供が行われることを確保する必要があると考えます。また、もっぱら買収者自らの利潤のみを追求しようとするもの等、当社の企業価値・株主共同の利益を損なう敵対的かつ濫用的買収が当社を対象に行われた場合には、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を守るために、必要・適正な対応策を採らなければならないと考えております。 ② 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する取組み当社は、平成21年に長期経営ビジョン『KANEKA UNITED宣言』を策定いたしました。この中で、当社グループの抜本的な「変革」と継続的な「成長」をめざし、「環境・エネルギー」、「健康」、「情報通信」、「食料生産支援」を重点戦略分野と位置付け、経営の重点施策として、①研究開発型企業への進化、②グローバル市場での成長促進、③グループ戦略の展開、④アライアンスの推進、⑤CSRの重視に取り組んできました。平成30年からスタートした中期経営計画においては、昨年刷新した経営システムを基盤におき、「価値あるソリューションをグローバルに提供することを通じて世界の人々の人生と環境の進化に貢献し、存在感ある企業として成長し続ける」ESG経営へ進化させ、ソリューション・プロバイダーとして社会的課題を解決することにより、事業ポートフォリオを変革していきます。成長ドライバーを「R&D」、「グローバル化」、「人材育成」とし、ソリューション・プロバイダーとしての取組みを強化することにより、事業構造を変革させ、当社グループの成長を加速します。 ③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み当社は、引き続き当社の中長期にわたる企業価値・株主共同の利益を確保・向上させることを目的として、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(以下、「本プラン」といいます)の継続を、平成28年6月29日開催の第92回定時株主総会において株主の皆様にご承認いただいております。本プランの概要は以下のとおりです。イ. 本プランは、特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等に対する買付行為(以下、「大規模買付行為」といいます)を対象とします。 ロ. 当社の株券等に対する大規模買付行為を行おうとする際に遵守されるべき所定の手続(以下、「大規模買付ルール」といいます)を予め定めておいて、当該大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報提供を求め、当該大規模買付行為についての情報収集・検討を行い、また株主の皆様に対して当社取締役会としての意見や代替案等を提示する、あるいは買付者との交渉を行っていく機会と時間を確保します。ハ. 大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合、あるいは、大規模買付ルールを遵守した場合であっても、当社に回復しがたい損害を与えるなど当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合には、当社の企業価値・株主共同の利益を守ることを目的として、当該大規模買付行為に対する対抗措置として新株予約権の無償割当を行うことがあります。ニ. 当社取締役会は、対抗措置の発動に先立ち、当社取締役会から独立した組織である特別委員会に対し、対抗措置の発動の可否を諮問します。対抗措置の発動の可否は、当社取締役会の決議によりますが、当社取締役会は、特別委員会の勧告を最大限尊重いたします。また、当社取締役会が株主の皆様の意思を確認することが適切であると判断した場合には、株主総会を招集し、対応措置発動その他当該大規模買付行為に関する株主の皆様の意思を確認することができるものとします。ホ. 本プランの有効期間は、平成31年6月開催予定の当社第95回定時株主総会終結の時までとします。 ④ 取締役会の判断及びその判断に係る理由当社取締役会は、前号の取組みが、本基本方針に沿うものであること、当社の株主の共同の利益を損なうものではないこと、及び当社の会社役員の地位を維持するものでないこと、という三つの要件に該当すると判断しております。その理由は、以下に記載するとおりであります。 イ. 本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性の原則)を充足しております。また、企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」において示された考え方に沿うものであります。ロ. 本プランは、大規模買付行為が行われた際に、当該大規模買付行為が適切なものであるか否かを株主の皆様が判断するために必要な情報や時間を確保し、株主の皆様のために交渉を行うことなどを可能とすることで、株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されたものです。ハ. 本プランは、平成28年6月29日開催の第92回定時株主総会で、株主の皆様のご承認をいただいております。また、本プランの有効期間は、平成31年6月開催予定の当社第95回定時株主総会終結の時までと設定されておりますが、その時点までに当社株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されることになり、株主の皆様の意向が反映されるものとなっております。ニ. 社外取締役、社外監査役または社外有識者から構成される特別委員会によって当社取締役の恣意的行動を厳しく監視し、その勧告の概要及び判断の理由等は適時に株主の皆様に情報開示することとされており、当社の企業価値・株主共同の利益に資する範囲で本プランの運用が行われる仕組みが確保されております。ホ. 本プランは、大規模買付行為に対する対抗措置が合理的かつ詳細な客観的要件が充足されなければ発動されないように設計されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みが確保されております。ヘ. 特別委員会は、当社の費用で独立した第三者専門家の助言を得ることができるとされており、特別委員会の判断の公正さ、客観性がより強く担保される仕組みとなっております。ト. 本プランは、いわゆるデッドハンド型の買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。さらに、当社は取締役の任期を1年としており、本プランはスローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交代を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。
MD&A(経営者による分析)
3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経営成績当連結会計年度(以下、当期)の世界経済は、中国の中成長路線への政策転換や増大する地政学的リスクの懸念があったものの、米国、欧州の堅調な経済に牽引され、比較的穏やかな成長が続きました。一方、わが国の経済は、川上インフレ、川下デフレが継続し、輸出は増加したものの内需は力強さに欠け、停滞を脱することができませんでした。こうした状況のなか、当社グループの当期の業績は、ヨーロッパ、アメリカ、マレーシア等海外主力拠点における生産能力増強が大きく寄与し、R&Dの果実である差別化力ある新製品投入が売上高増を牽引しました。その結果、売上高は過去最高の596,142百万円(前連結会計年度(以下、前年同期)比8.7%増)、営業利益は36,888百万円(前年同期比11.2%増)となりました。経常利益は32,775百万円(前年同期比19.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は21,571百万円(前年同期比5.3%増)とそれぞれ前年実績を上回りました。 セグメントの経営成績を示すと、次のとおりであります。なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前年同期との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。 (Material Solutions Unit)当セグメントの売上高は238,880百万円と前年同期比31,584百万円(15.2%増)の増収となり、営業利益は27,109百万円と前年同期比4,857百万円(21.8%増)の増益となりました。Vinyls and Chlor-Alkaliについては、アジアでの旺盛な需要に支えられてフル稼働が続きました。今後も海外市場の需要拡大が続く塩素化塩ビ及び塩ビペースト樹脂の生産能力増強を検討中であります。Performance Polymersのモディファイヤーについては、欧米の堅調な需要に加えマレーシアの新しい第2系列が稼働し、供給のボトルネックを解消することができました。変成シリコーンポリマーについては、マレーシアの新設備が昨年7月に稼働し中国・アセアン地域の新しい需要創出R&Dが本格的に始まりました。世界オンリーワンプロダクトの需要拡大は続いており、すでに決定したベルギーの能力増強を計画通り立ち上げることと、アメリカの新系列増強計画を急ぎます。自動車・電子部品の用途開発が進んだエポキシマスターバッチに加え航空機・宇宙産業向けの複合材や生分解性ポリマーなどの次世代先端技術素材の新しい工場についての本格的検討に着手いたしました。 (Quality of Life Solutions Unit)当セグメントの売上高は149,360百万円と前年同期比12,510百万円(9.1%増)の増収となりましたが、営業利益は13,730百万円と前年同期比1,310百万円(8.7%減)の減益となりました。E & I Technologyの超耐熱ポリイミドフィルムについては、高機能化を進め大手スマートフォンメーカーの新しいモデルやディスプレイ向けの販売が増加しました。一昨年稼働した新工場もフル稼働になりましたので、今後、デジタルデバイスの小型化や高機能化に伴い、超耐熱ポリイミドフィルムや超高熱伝導グラファイトシートの需要が拡大するため、日本、アメリカ、マレーシアでの生産能力増強を順次実行してまいります。Foam & Residential Techsについては、販売数量は順調に拡大しましたが、原料価格高騰の影響を受けました。コスト構造を見直すとともに、価格改定による損益改善を実行します。今後は、地球環境・省エネ・健康・食のグローバルな広がりに貢献できるユニークな軽量・断熱発泡樹脂素材を住宅・医療・自動車・食料生産支援事業と組み合わせ、新しい需要を創出してまいります。Performance Fibersについては、アフリカ市場の頭髪需要は確実に回復しており、高機能頭髪としてのブランド力を強化し、アフリカ及びその他市場の需要開拓を鋭意進めてまいります。難燃・パイル分野の販売が拡大しましたが、原料価格高騰の影響を受けました。PV & Energy managementについては、高効率太陽電池の販売が順調に拡大し、構造改革が進みました。太陽電池をコアに設計した住宅やビルのゼロエネ・マネジメント・システム開発が世界的に見直されており、当社の多様な素材や多角的な事業モデルを組み合わせた計画を推進してまいります。 (Health Care Solutions Unit)当セグメントの売上高は45,856百万円と前年同期比715百万円(1.6%増)の増収となりましたが、営業利益は9,849百万円と前年同期比1,047百万円(9.6%減)の減益となりました。Medical Devicesについては、国内・海外市場とも販売が堅調に推移しました。高機能バルーンカテーテルなど新製品の販売も順調に進みました。今後も薬剤を塗布したバルーンや消化器カテーテルなど新規医療領域の開拓による事業拡大に注力します。Pharmaについては、カネカユーロジェンテック社のバイオ医薬品の販売は順調に拡大しましたが、販売が前年に集中した低分子医薬品原料の販売数量減少が大きく影響しました。ベルギーの生産能力増強を計画通り立上げ、グローバルに事業拡大を図ってまいります。カネカUSイノベーションセンターを活用したオープンイノベーションを強化し事業を拡大してまいります。 (Nutrition Solutions Unit)当セグメントの売上高は160,930百万円と前年同期比2,940百万円(1.9%増)の増収となり、営業利益は6,531百万円と前年同期比1,251百万円(23.7%増)の増益となりました。Foods & Agrisについては、大手製パン、コンビニエンスストアや食品メーカーへの積極的な提案型営業を進め、ユニークな新規食品素材の販売が拡大しました。ベルギーのピュア・ナチュール社の技術を導入して、牛乳・バターをはじめとする乳製品事業に参入しました。おいしさと健康を追求するNutrition事業を拡大してまいります。食料生産支援事業と組み合わせて、酪農家の生産性向上や循環型酪農に貢献してまいります。Supplemental Nutritionについては、主力の還元型コエンザイムQ10の販売が大幅に増加し業績拡大に貢献しました。引き続き拡大するマーケットの販売促進に取り組むとともに、乳酸菌をはじめ新しいサプリメント素材を開発し事業拡大を進めます。 (その他) 当セグメントの売上高は1,114百万円と前年同期比168百万円(17.9%増)の増収となり、営業利益は520百万円と前年同期比138百万円(36.2%増)の増益となりました。 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。① 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(百万円)前年同期比(%)Material Solutions Unit224,26716.9Quality of Life Solutions Unit126,7133.5Health Care Solutions Unit49,6723.0Nutrition Solutions Unit86,6271.1その他――合計487,2798.7 (注) 1 生産金額は売価換算値で表示しております。2 連結会社間の取引が複雑で、セグメント毎の生産高を正確に把握することが困難なため、概算値で表示しております。3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 ② 受注実績主として見込み生産であります。 ③ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(百万円)前年同期比(%)Material Solutions Unit238,88015.2Quality of Life Solutions Unit149,3609.1Health Care Solutions Unit45,8561.6Nutrition Solutions Unit160,9301.9その他1,11417.9合計596,1428.7 (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 (2) 財政状態当連結会計年度末の総資産は、受取手形及び売掛金や有形固定資産の増加等により前連結会計年度末に比べて48,109百万円増加し641,009百万円となりました。負債は、支払手形及び買掛金の増加等により前連結会計年度末に対して23,061百万円増加し294,410百万円となりました。また、純資産は、利益剰余金の増加等により前連結会計年度末に対し25,047百万円増加し346,599百万円となりました。この結果、自己資本比率は50.9%となりました。なお、ROA(総資産経常利益率)は5.3%となり前連結会計年度(4.7%)を上回りました。ROE(自己資本当期純利益率)は6.8%となり前連結会計年度(6.9%)を下回りました。 (3) キャッシュ・フロー当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べ 6,395百万円増加し、47,413百万円となりました。区分毎の概況は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、49,750百万円の収入(前期比1,631百万円増)となりました。税金等調整前当期純利益31,085百万円、減価償却費30,323百万円等による資金の増加と、法人税等の支払額7,309百万円等による資金の減少がその主な内容です。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、38,796百万円の支出(前期比2,426百万円増)となりました。有形固定資産の取得による支出34,113百万円等がその主な内容です。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、5,390百万円の支出(前期比8,222百万円減)となりました。配当金の支払5,933百万円、自己株式の取得による支出2,618百万円等による資金の減少と、借入による収入3,160百万円等による資金の増加がその主な内容です。 (資本の財源及び資金の流動性に係る情報)当社グループの必要資金は、当社グループ製品の製造販売に係る原材料費、経費、販売費及び一般管理費等の運転資金及び、設備投資、子会社株式の取得等に係る投資資金が主なものであり、これらの資金については自己資金及び借入金にて充当しております。 今後の設備投資計画等につきましては、「第3 設備の新設、除却等の計画」に記載の通りであり、所要資金については、自己資金及び借入金にて充当する予定であります。
経営方針・経営戦略
3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題当社グループを取り巻く環境は、IoT、AIなどを活用した技術革新により、パラダイムシフトと新たな価値創出が急速に進んでいます。一方、世界人口の増加や気候変動、温暖化ガス抑制などにより、エネルギー、資源、食糧問題が深刻化しており、サスティナブル社会に向けた取組みが一層重要になります。平成29年度から新たにスタートした中期経営計画においては、地球環境保護や人口の増加、食糧問題、高齢化社会における健康増進など、社会が抱える様々な課題の解決やIoT、AIなどの技術革新による新たな価値創出を通じて社会の発展への貢献を加速させるため、経営システムを大きく変更しました。事業部門を「Solutions Vehicle」に改称し、ソリューション視点の成長戦略を遂行する組織としました。合わせて、9つの「Solutions Vehicle」をソリューション別に4つの新しいドメイン(「Solutions Unit」)に刷新し、「Material Solutions Unit」、「Quality of Life Solutions Unit」、「Health Care Solutions Unit」、「Nutrition Solutions Unit」にしました。成長ドライバーを「R&D」、「グローバル化」、「人材育成」としながら、オープンイノベーションを積極的に実行し、コア事業の収益力強化と事業ポートフォリオの変革を加速します。市場・顧客視点に立ったビジネスアプローチの強化、研究・製造・営業を含めたバリューチェーン全体のコストパフォーマンスの向上、現地視点に立脚したグローバル化を加速してまいります。そしてこれらの諸課題を解決して魅力ある企業像と競争力ある事業構造の実現に取組み、当社を取り巻くすべてのステークホルダーの期待に応え、高く評価される企業に変革してまいります。 (2) 株式会社の支配に関する基本方針① 基本方針の内容 当社が公開会社である以上、当社の株式が市場で自由に取引されるべきことは当然であり、仮に当社取締役会の賛同を得ずに、いわゆる「敵対的買収」がなされたとしても、それが企業価値ひいては株主共同の利益につながるものであるならば、これを一概に否定するものではありません。しかし、当社株式に対する大規模な買収行為が行われる場合には、株主に十分な情報提供が行われることを確保する必要があると考えます。また、もっぱら買収者自らの利潤のみを追求しようとするもの等、当社の企業価値・株主共同の利益を損なう敵対的かつ濫用的買収が当社を対象に行われた場合には、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を守るために、必要・適正な対応策を採らなければならないと考えております。 ② 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する取組み当社は、平成21年に長期経営ビジョン『KANEKA UNITED宣言』を策定いたしました。この中で、当社グループの抜本的な「変革」と継続的な「成長」をめざし、「環境・エネルギー」、「健康」、「情報通信」、「食料生産支援」を重点戦略分野と位置付け、経営の重点施策として、①研究開発型企業への進化、②グローバル市場での成長促進、③グループ戦略の展開、④アライアンスの推進、⑤CSRの重視、に取り組んでおります。平成29年4月から新たにスタートした中期経営計画においては、従来の「プロダクトの視点」に基づく事業ドメインの構成を、「ソリューションの視点」で新たに4つのドメインを設定しました。成長ドライバーを「R&D」、「グローバル化」、「人材育成」とし、ソリューション・プロバイダーとしての取組みを徹底することにより、事業構造を変革させ、当社グループの成長を加速します。 ③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み当社は、引き続き当社の中長期にわたる企業価値・株主共同の利益を確保・向上させることを目的として、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(以下、「本プラン」といいます)の継続を、平成28年6月29日開催の第92回定時株主総会において株主の皆様にご承認いただいております。本プランの概要は以下のとおりです。イ. 本プランは、特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等に対する買付行為(以下、「大規模買付行為」といいます)を対象とします。 ロ. 当社の株券等に対する大規模買付行為を行おうとする際に遵守されるべき所定の手続(以下、「大規模買付ルール」といいます)を予め定めておいて、当該大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報提供を求め、当該大規模買付行為についての情報収集・検討を行い、また株主の皆様に対して当社取締役会としての意見や代替案等を提示する、あるいは買付者との交渉を行っていく機会と時間を確保します。ハ. 大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合、あるいは、大規模買付ルールを遵守した場合であっても、当社に回復しがたい損害を与えるなど当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合には、当社の企業価値・株主共同の利益を守ることを目的として、当該大規模買付行為に対する対抗措置として新株予約権の無償割当を行うことがあります。ニ. 当社取締役会は、対抗措置の発動に先立ち、当社取締役会から独立した組織である特別委員会に対し、対抗措置の発動の可否を諮問します。対抗措置の発動の可否は、当社取締役会の決議によりますが、当社取締役会は、特別委員会の勧告を最大限尊重いたします。また、当社取締役会が株主の皆様の意思を確認することが適切であると判断した場合には、株主総会を招集し、対応措置発動その他当該大規模買付行為に関する株主の皆様の意思を確認することができるものとします。ホ. 本プランの有効期間は、平成31年6月開催予定の当社第95回定時株主総会終結の時までとします。 ④ 取締役会の判断及びその判断に係る理由当社取締役会は、前号の取組みが、本基本方針に沿うものであること、当社の株主の共同の利益を損なうものではないこと、及び当社の会社役員の地位を維持するものでないこと、という三つの要件に該当すると判断しております。その理由は、以下に記載するとおりであります。 イ. 本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性の原則)を充足しております。また、企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」において示された考え方に沿うものであります。ロ. 本プランは、大規模買付行為が行われた際に、当該大規模買付行為が適切なものであるか否かを株主の皆様が判断するために必要な情報や時間を確保し、株主の皆様のために交渉を行うことなどを可能とすることで、株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されたものです。ハ. 本プランは、平成28年6月29日開催の第92回定時株主総会で、株主の皆様のご承認をいただいております。また、本プランの有効期間は、平成31年6月開催予定の当社第95回定時株主総会終結の時までと設定されておりますが、その時点までに当社株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されることになり、株主の皆様の意向が反映されるものとなっております。ニ. 社外取締役、社外監査役または社外有識者から構成される特別委員会によって当社取締役の恣意的行動を厳しく監視し、その勧告の概要及び判断の理由等は適時に株主の皆様に情報開示することとされており、当社の企業価値・株主共同の利益に資する範囲で本プランの運用が行われる仕組みが確保されております。ホ. 本プランは、大規模買付行為に対する対抗措置が合理的かつ詳細な客観的要件が充足されなければ発動されないように設計されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みが確保されております。ヘ. 特別委員会は、当社の費用で独立した第三者専門家の助言を得ることができるとされており、特別委員会の判断の公正さ、客観性がより強く担保される仕組みとなっております。ト. 本プランは、いわゆるデッドハンド型の買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。さらに、当社は取締役の任期を1年としており、本プランはスローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交代を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。
対処すべき課題
3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題当社グループを取り巻く環境は、IoT、AIなどを活用した技術革新により、パラダイムシフトと新たな価値創出が急速に進んでいます。一方、世界人口の増加や気候変動、温暖化ガス抑制などにより、エネルギー、資源、食糧問題が深刻化しており、サスティナブル社会に向けた取組みが一層重要になります。平成29年度から新たにスタートした中期経営計画においては、地球環境保護や人口の増加、食糧問題、高齢化社会における健康増進など、社会が抱える様々な課題の解決やIoT、AIなどの技術革新による新たな価値創出を通じて社会の発展への貢献を加速させるため、経営システムを大きく変更しました。事業部門を「Solutions Vehicle」に改称し、ソリューション視点の成長戦略を遂行する組織としました。合わせて、9つの「Solutions Vehicle」をソリューション別に4つの新しいドメイン(「Solutions Unit」)に刷新し、「Material Solutions Unit」、「Quality of Life Solutions Unit」、「Health Care Solutions Unit」、「Nutrition Solutions Unit」にしました。成長ドライバーを「R&D」、「グローバル化」、「人材育成」としながら、オープンイノベーションを積極的に実行し、コア事業の収益力強化と事業ポートフォリオの変革を加速します。市場・顧客視点に立ったビジネスアプローチの強化、研究・製造・営業を含めたバリューチェーン全体のコストパフォーマンスの向上、現地視点に立脚したグローバル化を加速してまいります。そしてこれらの諸課題を解決して魅力ある企業像と競争力ある事業構造の実現に取組み、当社を取り巻くすべてのステークホルダーの期待に応え、高く評価される企業に変革してまいります。 (2) 株式会社の支配に関する基本方針① 基本方針の内容 当社が公開会社である以上、当社の株式が市場で自由に取引されるべきことは当然であり、仮に当社取締役会の賛同を得ずに、いわゆる「敵対的買収」がなされたとしても、それが企業価値ひいては株主共同の利益につながるものであるならば、これを一概に否定するものではありません。しかし、当社株式に対する大規模な買収行為が行われる場合には、株主に十分な情報提供が行われることを確保する必要があると考えます。また、もっぱら買収者自らの利潤のみを追求しようとするもの等、当社の企業価値・株主共同の利益を損なう敵対的かつ濫用的買収が当社を対象に行われた場合には、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を守るために、必要・適正な対応策を採らなければならないと考えております。 ② 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する取組み当社は、平成21年に長期経営ビジョン『KANEKA UNITED宣言』を策定いたしました。この中で、当社グループの抜本的な「変革」と継続的な「成長」をめざし、「環境・エネルギー」、「健康」、「情報通信」、「食料生産支援」を重点戦略分野と位置付け、経営の重点施策として、①研究開発型企業への進化、②グローバル市場での成長促進、③グループ戦略の展開、④アライアンスの推進、⑤CSRの重視、に取り組んでおります。平成29年4月から新たにスタートした中期経営計画においては、従来の「プロダクトの視点」に基づく事業ドメインの構成を、「ソリューションの視点」で新たに4つのドメインを設定しました。成長ドライバーを「R&D」、「グローバル化」、「人材育成」とし、ソリューション・プロバイダーとしての取組みを徹底することにより、事業構造を変革させ、当社グループの成長を加速します。 ③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み当社は、引き続き当社の中長期にわたる企業価値・株主共同の利益を確保・向上させることを目的として、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(以下、「本プラン」といいます)の継続を、平成28年6月29日開催の第92回定時株主総会において株主の皆様にご承認いただいております。本プランの概要は以下のとおりです。イ. 本プランは、特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等に対する買付行為(以下、「大規模買付行為」といいます)を対象とします。 ロ. 当社の株券等に対する大規模買付行為を行おうとする際に遵守されるべき所定の手続(以下、「大規模買付ルール」といいます)を予め定めておいて、当該大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報提供を求め、当該大規模買付行為についての情報収集・検討を行い、また株主の皆様に対して当社取締役会としての意見や代替案等を提示する、あるいは買付者との交渉を行っていく機会と時間を確保します。ハ. 大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合、あるいは、大規模買付ルールを遵守した場合であっても、当社に回復しがたい損害を与えるなど当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合には、当社の企業価値・株主共同の利益を守ることを目的として、当該大規模買付行為に対する対抗措置として新株予約権の無償割当を行うことがあります。ニ. 当社取締役会は、対抗措置の発動に先立ち、当社取締役会から独立した組織である特別委員会に対し、対抗措置の発動の可否を諮問します。対抗措置の発動の可否は、当社取締役会の決議によりますが、当社取締役会は、特別委員会の勧告を最大限尊重いたします。また、当社取締役会が株主の皆様の意思を確認することが適切であると判断した場合には、株主総会を招集し、対応措置発動その他当該大規模買付行為に関する株主の皆様の意思を確認することができるものとします。ホ. 本プランの有効期間は、平成31年6月開催予定の当社第95回定時株主総会終結の時までとします。 ④ 取締役会の判断及びその判断に係る理由当社取締役会は、前号の取組みが、本基本方針に沿うものであること、当社の株主の共同の利益を損なうものではないこと、及び当社の会社役員の地位を維持するものでないこと、という三つの要件に該当すると判断しております。その理由は、以下に記載するとおりであります。 イ. 本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性の原則)を充足しております。また、企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」において示された考え方に沿うものであります。ロ. 本プランは、大規模買付行為が行われた際に、当該大規模買付行為が適切なものであるか否かを株主の皆様が判断するために必要な情報や時間を確保し、株主の皆様のために交渉を行うことなどを可能とすることで、株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されたものです。ハ. 本プランは、平成28年6月29日開催の第92回定時株主総会で、株主の皆様のご承認をいただいております。また、本プランの有効期間は、平成31年6月開催予定の当社第95回定時株主総会終結の時までと設定されておりますが、その時点までに当社株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されることになり、株主の皆様の意向が反映されるものとなっております。ニ. 社外取締役、社外監査役または社外有識者から構成される特別委員会によって当社取締役の恣意的行動を厳しく監視し、その勧告の概要及び判断の理由等は適時に株主の皆様に情報開示することとされており、当社の企業価値・株主共同の利益に資する範囲で本プランの運用が行われる仕組みが確保されております。ホ. 本プランは、大規模買付行為に対する対抗措置が合理的かつ詳細な客観的要件が充足されなければ発動されないように設計されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みが確保されております。ヘ. 特別委員会は、当社の費用で独立した第三者専門家の助言を得ることができるとされており、特別委員会の判断の公正さ、客観性がより強く担保される仕組みとなっております。ト. 本プランは、いわゆるデッドハンド型の買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。さらに、当社は取締役の任期を1年としており、本プランはスローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交代を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。