事業の概要
- エネルギーの未来を創るENECHANGEは、脱炭素社会の実現を目指し、電力網の脱炭素化と交通の電化に貢献する事業を展開しています。具体的には、個人・法人向けに最適な電力・ガス会社選びを支援する「エネルギープラットフォーム事業」と、電力・ガス会社向けにクラウド型DXサービスを提供する「エネルギーデータ事業」が主力です。
- 電力・ガス切替プラットフォーム家庭向けには「エネチェンジ」、法人向けには「エネチェンジBiz」を提供し、インターネット上で電力・ガス会社の比較、診断、切替申込までをワンストップで支援しています。これにより、ユーザーはより良い料金プランを見つけ、ENECHANGEは切替に応じた報酬を得ています。
- 電力・ガス会社向けDX支援電力・ガス会社向けには、デジタルマーケティング支援SaaS「エネチェンジクラウドMarketing」や家庭向けデマンドレスポンスサービス「エネチェンジクラウドDR」などを提供しています。これにより、電力・ガス会社の顧客獲得や効率的なエネルギー管理をサポートし、SaaS利用料などの収益を得ています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- エネルギープラットフォーム事業家庭向け「エネチェンジ」と法人向け「エネチェンジBiz」を通じて、最適な電力・ガス会社選びを支援する事業です。売上高は50.81億円と最も大きく、営業利益も6.59億円と収益の柱となっています。ユーザーが電力・ガス会社を切り替えることで報酬を得るビジネスモデルです。
- エネルギーデータ事業電力・ガス会社向けにクラウド型DXサービスを提供する事業で、デジタルマーケティング支援SaaS「エネチェンジクラウドMarketing」などが含まれます。売上高は14.89億円、営業利益は2.19億円です。電力・ガス会社の顧客獲得や効率化を支援することで収益を得ています。
- EV充電サービス事業電気自動車(EV)の普及に必要な充電インフラ整備に関わる事業で、「EV充電エネチェンジ」を展開していました。売上高は1.46億円ですが、営業利益は-31.42億円と大きな赤字を計上しています。2025年3月10日以降は中部電力ミライズとの合弁会社「ミライズエネチェンジ株式会社」に移管され、連結対象から外れています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| EnergyPlatform | 事業 | 51 | 7 | 13.0% |
| EnergyData | 事業 | 15 | 2 | 14.7% |
| EVChargingService | 事業 | 1 | -31 | -2,154.4% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループは、エネルギー流通プラットフォーム事業を展開しており、主に(Ⅰ)需要家及び消費者向けに電力・ガス会社の最適な選択をサポートする「電力切替支援」、(Ⅱ)電力・ガス事業者向けにデジタルソリューションを提供する「SaaS・システム開発」を展開しております。「電力切替支援」においては、主に家庭向けでは電力・ガス切替比較サイト「エネチェンジ Home 電気・ガス比較」及び法人向けでは電気代一括見積が可能な「エネチェンジ Biz 電力最適診断」の2サービスを展開しております。「SaaS・システム開発」においては、主に顧客ポータルや料金シミュレーション、申し込みシステム、家庭向けDR(デマンドレスポンス)サービス等を提供するデジタルソリューション「エネチェンジ Utility」等を展開しております。当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)をご参照ください。また、当社グループは、当社に加え、持分法適用関連会社であるミライズエネチェンジ株式会社、Japan Energy Capital 1 L.P.、Japan Energy Capital 2 L.P.、持分法非適用関連会社であるJapan Energy Capital合同会社で構成されています。海外特化型脱炭素テックファンドとしてJapan Energy Capital 1 L.P.及びJapan Energy Capital 2 L.P.があり、ファンド運営業務等はJapan Energy Capital合同会社が運営しております。 現在当社グループが提供する「電力切替支援」、並びに「SaaS・システム開発」の概要は以下のとおりです。 (Ⅰ)電力切替支援(電力市場及び電力自由化の概況)2026年3月末現在におけるエネルギー業界を取り巻く環境においては、ウクライナ危機による資源価格の激しい変動を経て、一定の落ち着きを見せたものの、足もとでは中東情勢の緊迫が高まる等、地政学的リスクや為替動向の影響を受けやすい状況は継続しており、引き続き価格変動リスクへの注視が続く状況となりました。小売電力市場においては、ウクライナ危機による一時的な高騰後は一部の新電力を中心に顧客獲得に向けた動きが活発化した一方で、中東情勢等の外的要因の影響から消費者及び事業者における電気料金をはじめとしたエネルギー価格の動向への関心は再び高まっております。このような状況を背景に、電力各社が提供する料金メニューは急速に多様化しております。従来の燃料費調整制度に準拠したプランに加え、卸電力取引所の価格を反映する「市場連動型」や、価格変動リスクを排除した「完全固定型」、更にはこれらを組み合わせた各社独自の「独自燃料費調整」等、契約形態の複雑化が顕著となっております。こうした市場環境の変化を受け、家庭及び法人需要家においては、最適な電力プランの選択や価格変動リスクへの対応が喫緊の課題となっております。これに対し、当社のプラットフォームが有する情報提供機能、並びに営業によるコンサルティング機能の重要性が一段と高まった結果、中立的な立場から複雑なプランを比較・解説できる当社の市場プレゼンスは着実に向上いたしました。また、2016年4月の電力の小売全面自由化以降、全国の電力販売市場は資源エネルギー庁「第7次エネルギー基本計画」で示されたとおり、拡大傾向にあり、現在では年間約18兆円規模(注2)に達しており、当社はこの成長市場の中で事業を展開しております。今後は、生成AIの普及によるデータセンターの増設や半導体工場の新増設等を背景とした電力需要の増加が見込まれており、エネルギー需給構造の変化が加速していくものと想定されます。さらに、2026年4月には電力小売全面自由化から10周年の節目となります。日本国内の電力自由化は2000年に法人向けの特別高圧区分、2004年に高圧区分で開始されました。2016年4月に家庭向け(低圧電灯・低圧電力)の小売市場の自由化が開始されたことを機に、新規参入事業者の増加による競争環境の激化や、電力・ガス会社の切替に対する認知度の拡大により、家庭向け、法人向けともに新電力シェアが拡大しました。2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻以降は、資源価格高騰の影響を受けた電力会社の財務状況が悪化し、電力会社のユーザー獲得活動が後退しておりましたが、電気料金の値上げや卸電力市場価格の落ち着きに伴い、一部電力会社においてユーザー獲得に前向きな動きが見られる状況です。これに伴い、2023年9月時点で反転以降、新電力の販売電力量シェアは回復傾向にあり、2026年3月時点では24.7%となっております。(注4) 電力契約切替数の年間推移(注5)は次のとおりです。 新電力の年間の契約件数に関しては、2025年では約619万件となっております。この内訳としては、2024年は大手電力(所謂、「旧一般電気事業者」や「みなし小売電気事業者」と呼ばれる事業者)から新電力への切替が約102万件となり、低迷していた2023年対比では倍近くまで回復しており、2025年ではさらに約1.5倍ほど増加して約160万件となりました。新電力からの切替需要は、主に一度新電力に切替えたユーザーが、より良い料金プラン等を探す需要によるものと考えております。一度切替えたユーザーは、電力・ガス切替に対する心理的ハードルが低くなり、また切替えに関するメリットも認識しているため、継続的により良い電力・ガス会社を探す傾向にあるものと考えられます。特に初回切替に関しては、電力・ガス会社による直接的な営業活動により受動的に切替を実施しているユーザーが多いものと考えられ、そうしたユーザーが2回目以降に切替える場合は、能動的に電力・ガス会社を比較して検討する、すなわち当社のような切替サービスを活用する需要が高まるものと考えております。2025年は、この新電力から別の新電力への切替需要は2024年対比では減少しているものの、継続的な電気代の高騰により、ユーザーの電力料金プランへの関心が高まるトレンドが継続していると考えており、エネルギー選択への関心が高まった結果、新電力の新規契約件数が過去最高となったと考えられます。新電力の新規契約需要は、引越し等の機会に電力・ガス契約を新規契約する際に、大手電力ではなく新電力を選択するユーザーの需要があるためと当社では認識しており、ライフイベントに契機とした安定した契約需要が見込め、新電力によるより良い料金プランの提供により需要は増加していくものと考えております。 市場規模としては、2025年の電力販売額の総額約18兆円に、電力切替後の電気料金に対する継続報酬の売上料率相場である2%(注6)を乗じた約3,600億円が、「電力切替支援」におけるTAMと捉えております。 (事業の概況)当社グループの「電力切替支援」は、家庭向けユーザーに対しては、「エネチェンジ Home 電気・ガス比較」、法人向けユーザーに対しては、「エネチェンジ Biz 電力最適診断」の2サービスを展開しております。これらのサービスは、ともに最適な電力・ガス会社等を選択するための比較・診断・切替申込機能を、インターネット上でワンストップにて提供する電力・ガス切替プラットフォームであり、当該サービスを電力の消費者である家庭や法人のユーザーに対して無償で提供することで、電力・ガス切替のデジタルトランスフォーメーションに取り組んでおります。当社は、複数の電力・ガス会社と戦略的な業務提携を結んでおり、それら電力・ガス会社とのネットワークにより、価格面での訴求だけではなく、電気・ガスセットでの提供や、再生可能エネルギー100%の電力プランの取り扱いなど、幅広いユーザーのニーズに合わせたサービス展開を行っております。集客面に関しては、電力・ガス事業者との連携をこれまで以上に強化しております。あわせて、AIの急速な普及を背景に、AI検索最適化(AIO)の強化や検索エンジンを介さない集客チャネルにも対応できるよう、主力サービスである当該切替比較サイトの大型改善に着手したほか、引越しに伴うタスク管理やライフライン(電気・ガス・水道等)の手続きをLINE上で完結できる新サービス「エネチェンジ Home 引越しWeb簡単サポート」の提供を開始しました。これらの取組みにより、電力・ガス切替プラットフォームとして、ユーザーとの接点を拡大しております。その結果、家庭向け継続ユーザー数は2026年3月末時点で27万件超となり、法人向け継続拠点数は2026年3月末時点で約1.8万件となっております。 (各サービスの特徴) <エネチェンジ Home 電気・ガス比較>「エネチェンジ Home 電気・ガス比較」は、電気・ガスの料金プランをかんたんに比較、限定特典付きでおトクに切り替えができる電力・ガス比較プラットフォームで、2016年1月より本格的にサービスを開始しました。ユーザーは、オンライン上で居住地域の郵便番号や世帯人数、在宅状況や電気の使用量といった情報を簡易的に入力することで、地域ごとの気象条件やロードカーブ(注7)を考慮したアルゴリズムの診断結果に基づいた最適な電力・ガス会社の比較情報を、様々なランキング形式で得ることができます。また、診断と比較だけではなく、オンライン上で電力・ガス会社の切替(注8)手続きまでを一気通貫で実施できるサービス設計となっているため、ユーザーにとっては利便性の高いサービスとなっております。なお、家庭向け都市ガスの小売全面自由化が開始された2017年4月に先駆けて、2017年1月より都市ガス料金の比較診断サービスも提供しております。また、2019年11月より順次買取期間が終了する固定価格買取制度(FIT)(注9)にあわせた電気の買取や、環境価値調達を支援する「トラッキング付FIT非化石証書」の提供など、関連するサービスの展開も行っております。 <エネチェンジ Biz 電力最適診断>「エネチェンジ Biz 電力最適診断」は、法人・高圧電力の電気料金を無料で診断し、最適な電力会社・プランをご提案する電力会社切替プラットフォームで、2016年6月より本格的にサービスを開始しました。大手新電力を中心とした電力・ガス会社と提携し、法人ユーザーに対して無料で一括見積と申込手続きを代行するサービスを全国規模で提供しております。法人ユーザーは、無料診断登録を実施し、過去12か月分の電気使用量を記載した明細書を提出することで、複数の電力・ガス会社からの新しい電気料金単価での見積提案の取得から、電力会社の切替手続きまでのプロセスを、一括して当社に委託できます。そのため、初期費用が不要であり、かつ書類上の手続きのみで固定費の削減が可能となります。 (収益モデル)ユーザーが、当社の展開する切替プラットフォームサービス上で提携する電力・ガス契約の切替を実施すると、当社は、電力・ガス会社より一定の報酬を受領します。当該報酬は、当社の売上高として計上されます。 報酬には下記の2つの種類があります。(1) ストック型の切替報酬:プラットフォームサービス上で切替を実施したユーザーが電力・ガス会社に対して支払う毎月の電力代・ガス代に、あらかじめ定められた料率を乗じた金額を、切替以降、原則として電力・ガス小売供給契約が継続する限り、毎月継続的に受領する報酬となります。プラットフォームサービスを通じた申し込みが行われ、累積申込数が増大すると、契約数に比例して報酬が増大するストック型の報酬です。 (2) その他報酬:電力・ガス契約の切替時に、上記のストック型切替報酬に加えて、追加で電力・ガス会社から受領する切替の一時報酬や、メディアとしての「エネチェンジ Home 電気・ガス比較」及び「エネチェンジ Biz 電力最適診断」における宣伝効果を期待する電力・ガス会社からの広告掲載依頼・配信活動に伴い受領する広告収入等があります。これらは申込数や広告件数に応じて売上高が増減します。 (注)1.ジョン・ドーア著「Speed & Scale」参照。2.電力・ガス取引監視等委員会「電力取引報結果」より、2024年4月から2025年3月の電力販売額の合計。3.資源エネルギー庁「第7次エネルギー基本計画」(2025年2月18日)より。4.電力・ガス取引監視等委員会「電力取引報結果」より、家庭向けは低圧電灯、法人向けは高圧における契約口数を参照。5.電力・ガス取引監視等委員会による電力取引報の販売電力量(kWh)をベースに新電力シェアを当社で作成。6.電気料金に対する継続報酬売上料率、当社調べ。7.ロードカーブとは、電力需要が時間とともにどのように変動するかを表す曲線を指し、別名「電力負荷曲線」とも言われています。ロードカーブの最大値は一定期間の最大電力消費量を指します。8.切替とは、電力広域的運営推進機関が運営する「スイッチング支援システム」を通じて、電力小売事業者から別の電力小売事業者へ契約を切替えることを指します。9.固定価格買取制度(FIT)とは、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」(再エネ特措法、またはFIT法)に基づき、電気事業者(電気事業法上に定義された、小売電気事業、一般送配電事業、送電事業、特定送配電事業、発電事業を営む事業者の総称)が再生可能エネルギーで発電された電力を固定価格で買い取る制度を指します。 (Ⅱ)SaaS・システム開発(エネルギー業界のITシステム市場の概況)日本国内においても、自由化の進展による電力・ガス会社間の競争激化、スマートメーターの設置・普及による電力データ量の増加、AI(注1)やRPA(注2)等の技術の進化、再生可能エネルギー発電所の大量導入を背景とした弾力性・柔軟性のある電力系統運用の必要性等により、電力・ガス会社におけるデータの解析ニーズがあるものと認識しております。このように電力データ活用の関連分野は、デジタル化領域のみに限定されるものではなく、「エネルギーの4D」の分野で横断的に生じるものと考えております。当社グループが「SaaS・システム開発」において展開するサービスの対象であるエネルギー業界のIT投資の金額は、電力・ガスの小売全面自由化、発送電分離、スマートメーターの普及、再生可能エネルギーの増加等の業界構造の変革に伴い、「エネルギーの4D」に関連する新規システム投資需要が増加していることで、近年拡大傾向にあるものと見ております。当社としては、2024年の電力販売額の総額約18兆円に、ITシステム予算比率である1%(注3)を乗じた約1,800億円が、「SaaS・システム開発」におけるTAMと捉えております。 (事業の概況)当社グループの「SaaS・システム開発」は、電力・ガス自由化、スマートメーターのデータ解析、EV充電情報サービス等、「エネルギーの4D」の進行に伴い必要となる新たなITシステムを、エネルギー事業者やEV充電サービス事業者向けにクラウド型で提供しております。現在は、主にエネチェンジ Utility(電力会社向け)とエネチェンジ Mobility(EV関連)の分野に分かれ、計11プロダクトを提供しております。これらのサービスは、独自データを活用した電力・ガス業界特化型のシステムを汎用的に展開することに特徴があり、デジタル化を軸としながらも、「エネチェンジ Home 電気・ガス比較」「エネチェンジ Biz 電力最適診断」によって蓄積される大量のユーザーデータを活用し、それぞれ異なる特徴を生かし、電力・ガス事業者向けにデジタルソリューションを提供しております。当社グループは、国内の電力・ガス会社との戦略的な業務提携をはじめとして、国内外の電力・ガス会社等に対してこれらのサービスを提供しております。これらのサービスはいずれもクラウドベースで行われることにより、サービス提供を通じて様々なデータの蓄積が可能であり、またそれらのデータを解析・活用することで更なるサービス品質や機能の強化に繋がるため、当該サービス提供を通じ競争力を高めていくことが可能であるものと認識しております。これらの取組みにより、サービス導入社数は2026年3月末時点で42社となっております。 (各サービスの特徴) <エネチェンジ Utility>「エネチェンジ Utility」は、”電力事業のDXを、ワンストップで”をモットーに料金シミュレーションや申し込みシステムから、顧客管理、環境価値取引、次世代CIS(開発中)まで、電力事業に必要なデジタル基盤を、トータルで提供します。主なプロダクトとして、エネチェンジ経由の集客・契約実績をリアルタイムで確認できる「エネチェンジ Utility 顧客ポータル」、最新プランデータに基づく料金シミュレーションUI・APIを自社サイトに簡単導入できる「エネチェンジ Utility 料金シミュレーション」、直感的な申し込み画面と管理画面をセットで提供する「エネチェンジ Utility 申し込みシステム」、ユーザーが使用量・料金や機器ごとの電気使用量を確認できるマイページを提供する「エネチェンジ Utility マイページ」、最新の電力プラン・燃調費データをAPI配信、比較確認用画面も選択可能な「エネチェンジ Utility プラン情報サービス」があります。また、行動変容・機器制御に対応したアプリ・マイページのDRパッケージサービス「エネチェンジ Utility DR」、アワリーベースの同時同量マッチングに対応した非化石証書・各種クレジットの在庫管理「エネチェンジ Utility 環境価値マネジメント」、多様な環境価値の売り買い希望をWEB上にて簡単にマッチングする取引仲介サービス「エネチェンジ Utility 環境価値コネクト」等も提供しております。さらに、中期経営計画で次なる柱として掲げており、高いカスタマイズ性とプラン設定の自由度を有する次世代型の電力CIS「エネチェンジ Utility CIS」も2027年3月期でのリリース及び2028年3月期以降での拡販を見据え、鋭意開発中です。 <エネチェンジ Mobility>「エネチェンジ Mobility」は、”EVが当たり前になる社会を、充電インフラから支える”をモットーに、充電スポットのデータ提供から、ドライバー向け充電アプリ、EV関連の総合情報メディアまで、EVのある暮らしをもっと快適にするサービスを提供します。主なプロダクトとして、25,000口超のEV充電スポットデータをOCPI準拠APIにて提供する「エネチェンジ Mobility 充電スポットデータ」、優れたUI・UXを備えたEV充電アプリを貴社ブランド向けにOEMを提供する「エネチェンジ Mobility 充電アプリ」、また電気自動車またはプラグインハイブリッド自動車ユーザー向けの、普通・急速充電器検索ができる「EVsmart by ENECHANGE」を展開しております。 (収益モデル)電力・ガス会社等を中心とするサービス提供先の企業から、サービス提供の対価として一定の報酬を受領します。当該報酬は、当社グループの売上として計上されます。エネルギー業界に特化したサービスのため、直接的なサービス対象顧客は電力・ガス会社が中心となりますが、利用者数に応じた従量課金体系を一部採用することで、電力・ガスを利用するエンドユーザーを間接的なサービス対象顧客としている点が特徴となります。報酬には下記の2つの種類があります。(1) ストック型のライセンス報酬:サービス提供に対して毎月継続的に受領する報酬であり、当社のプロダクトを電力・ガス会社に対してSaaS型のライセンス課金形式で提供するストック型の収益と、エンドユーザー(需要家、スマートメーター数等)に連動する従量報酬を基本としております。「エネチェンジ Utility」及び「エネチェンジ Mobility」の報酬は主にサービス提供数に連動しております。(2) その他報酬:「エネチェンジ Utility」及び「エネチェンジ Mobility」には初期導入時やカスタマイズ時の開発料、コンサルティング料等の一時報酬があります。初期導入時やカスタマイズ時の開発料はその後のサービスの提供に応じて売上高が計上されます。 (注)1.AIは、Artificial Intelligence(人工知能)の略称。コンピュータープログラムを用いて、人間と同等、もしくはそれ以上の知的能力を実現させるための基礎技術及びシステムを指します。2.RPAは、Robotic Process Automationの略称。ルールエンジン、機械学習、人工知能等の認知技術を活用し、従来は人間のみが対応可能とされていたオフィス業務を代行・代替し、効率化や自動化を図る取組みを指します。3.一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会「企業IT動向調査」のエネルギー業界(社会インフラ)の売上高に占めるIT予算比率。 本章にて述べた事業の系統図は以下のとおりであります。[事業系統図]注.2026年3月末の状況です。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 エネルギープラットフォーム事業は競争環境下にあるが、エネルギーデータ事業はユニークなポジショニング。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | ネットワーク エネルギープラットフォーム事業で蓄積された独自データベースとマーケティングの知見。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | ディフェンシブ |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:電力小売市場の切替意欲減退・DX導入遅延 / 電力制度改革の遅延や不確実性 / 取引先電力・ガス会社への依存
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
現時点では、特許やブランド力、規制ライセンス等、明確な無形資産による競争優位性は確認できません。事業内容が比較的新しいため、長期的な無形資産の蓄積は今後の課題と考えられます。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
EV充電インフラの利用者は、利便性や充電場所の多さを重視する傾向があり、特定のプラットフォームへの強い囲い込み効果は限定的です。ただし、一度利用したアプリや決済方法への慣れは軽微なスイッチングコストとなり得ます。
ネットワーク効果★☆☆☆☆
充電ステーションの数が増えることで、利用者にとっての利便性が向上し、結果として利用者数が増加するというネットワーク効果の萌芽は見られます。しかし、現時点ではその効果はまだ弱く、規模の拡大が不可欠です。
コスト優位☆☆☆☆☆
EV充電インフラ事業は、設備投資が先行し、技術革新も速いため、構造的なコスト優位性を確立することは現時点では困難です。参入障壁も相対的に低いと考えられます。
規模の経済★★☆☆☆
EV充電インフラの普及には、全国的なネットワーク構築が不可欠であり、規模の経済が働く可能性はあります。しかし、現時点では競合他社も多く、業界全体がまだ成熟していないため、最適な少数寡占状態には至っていません。
- 独自の顧客基盤とノウハウENECHANGEは、エネルギープラットフォーム事業で培った家庭・法人ユーザーの顧客基盤と、電力・ガス切替に関するノウハウを保有しています。これにより、エネルギーデータ事業においても、電力・ガス会社のニーズを深く理解し、効果的なDXサービスを提供できる点が強みです。
- データ活用による競争優位性エネルギープラットフォーム事業で蓄積された独自のデータベースと、電力・ガス比較サイト「エネチェンジ」で培ったマーケティングの知見、データ解析技術が強みです。これにより、エネルギーデータ事業の「エネチェンジクラウドMarketing」では、オンラインでの顧客獲得を推進するユニークなポジショニングを確立しています。
- 成長市場での事業展開日本政府が推進するグリーン・トランスフォーメーション(GX)により、電力販売市場は年間約18兆円規模に拡大しており、今後もオール電化やEV普及に伴い電力需要の増加が見込まれています。この成長市場において、ENECHANGEは電力・ガス切替サービスやEV充電インフラ整備を通じて、カテゴリーリーダーを目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境、経営戦略並びに対処すべき課題等は以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、別段の表記がない限り、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (1) 経営の基本方針当社グループは、「エネルギーの未来をつくる」をミッションとして掲げ、エネルギー分野特化型の「エネルギーテック」企業グループとして、エネルギーに関するデータの活用促進を通じ、相互シナジーを活かした事業展開を行い、脱炭素化社会の実現に向け、GXを推進する企業というユニークなポジショニングで、エネルギーテック領域でカテゴリーリーダーとなることを目指しております。脱炭素社会を実現するためには、①電力網の脱炭素化、②交通の電化、③食の改善、④自然保護、⑤製造業の浄化、⑥二酸化炭素の除去といった手法が有効とされており(注)、当社グループでは①電力網の脱炭素化に貢献する事業を展開しております。①電力網の脱炭素化においては、電力の送配電や小売側の技術革新が必要と考えております。当社グループは、エネルギーテック事業者として、変化する環境下において最適と判断するサービスを各種ステークホルダーに提供していく方針です。また、エネルギー業界の構造転換に柔軟に対応しつつ、規制及び環境の変化によって生み出される潜在的なニーズに対してエネルギーデータ解析技術を軸として高い精度のオペレーションを継続することによってそのニーズを満たしていくことが必要であり、それを実現するための施策に継続的に取り組んでいく方針です。 (注) ジョン・ドーア著「Speed & Scale」参照。 (2) 経営環境当社グループが属するエネルギー業界を取り巻く環境においては、ウクライナ危機による資源価格の激しい変動を経て、一定の落ち着きを見せたものの、足もとでは中東情勢の緊迫が高まる等、地政学的リスクや為替動向の影響を受けやすい状況は継続しており、引き続き価格変動リスクへの注視が続く状況となりました。小売電力市場においては、ウクライナ危機による一時的な高騰後は一部の新電力を中心に顧客獲得に向けた動きが活発化した一方で、中東情勢等の外的要因の影響から消費者及び事業者における電気料金をはじめとしたエネルギー価格の動向への関心は再び高まっております。こうした状況のもと、電力需要家における電気料金の見直しニーズはより高まってくると想定しております。当社グループは、多様な提携事業者による豊富なプランの選択肢を迅速に提供できる強みを有しており、当社プラットフォームへの需要は堅調に推移するものと見込んでおります。また、電力小売全面自由化10周年という節目を迎えましたが、市場には依然として約6割の未切替層(注)が存在する等、多大な潜在成長余地が残されています。当社が実施した調査によれば、この背景には、電力メニューの比較の難しさや切替の心理的ハードルといった構造的障壁があると分析しております。当社としてはこれらの課題に対し、電力使用データを含む独自のデータ基盤とAIを活用した電力診断テクノロジーを活用することで、消費者の意思決定を高度に支援し、選択の負担を最小化する体験の提供を目指しております。上記の取り組み等による市場開拓を通じて、ユーザー価値の最大化と持続的な企業価値の向上を両立して参ります。 (注) 当社独自調査「家庭向け電力切り替えサービス認知・実態把握」より。 (3) 経営戦略等単一制度におけるエネルギー自由化市場としては世界最大規模の電力市場(注1)を有し、近年の電力・ガス自由化、スマートメーターの普及等により競争環境が整備されつつある日本市場において、当社グループの強みは、「エネルギーテック」企業グループとして、エネルギー分野に特化した技術開発力を基盤としたデータ分析力と、幅広い顧客基盤を有していることにあると認識しております。当社グループのTAMについては、「第1 企業の概況 3.事業の内容」に記載のとおり、「電力流通領域」は約3,600億円(2025年4月~2026年3月の電力市場規模約18兆円に、電力切替後の継続報酬料率相場である2%を乗じて試算)、「システム開発領域」は約1,800億円(2025年4月~2026年3月の電力市場規模約18兆円に、売上高IT予算比率1%を乗じて試算)と推定しております。 *1 電力・ガス取引監視等委員会「電力取引報結果」より、2025年4月から2026年3月の電力販売額の合計。*2 Total Addressable Marketの略称。当社グループが現状想定する最大の市場規模を意味する用語であり、事業に係る客観的な市場規模を示す目的で算出されたものではなく推定値も含む。*3 電気料金に対する継続報酬売上料率、当社調べ。*4 一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会「企業IT動向調査」のエネルギー業界(社会インフラ)の売上高に占めるIT予算比率。 なお、電力・ガス自由化以降の競争環境の整備、スマートメーター設置の普及等「エネルギーの4D」の浸透、さらには「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」において産業・運輸・家庭部門の電化によって現状より最大40%電力需要が増加すると想定されているとおり、電力市場の規模は今後も継続的に拡大するものと想定しております。 当社グループでは、以下の戦略を持って、シェア拡大に取り組んでおります。 「電力切替支援」においては、中立的な立場でサービス提供をすることが、提携する電力・ガス会社数や取得可能なデータ量の拡大に繋がっていると認識しております。今後も当社グループでは、中立的な立場でのサービス提供を前提に、オンラインのみならず、不動産仲介業者や金融機関等とのパートナーシップを拡大することで、オフラインでの集客力を強化し、ユーザー数の拡大に努めてまいります。また、電力切替に加えて、ガスセットでの切替、クリーンエネルギーの付加価値販売等のクロスセルを通じたARPU(注2)の向上により収益基盤の強化を目指してまいります。「SaaS・システム開発」においては、今後、電力・ガス会社間での競争がより激化すると見込んでおり、顧客開拓から電力調達に至るまでの電力・ガス会社にとってのバリューチェーン全体におけるデータ活用に対するニーズがより一層高まると考えております。当社グループはそのようなニーズに対して、「SaaS・システム開発」で展開しているデジタルマーケティング支援や、電力データ解析サービスによる業務効率化支援、加えて、現在開発中の小売電気事業者向け基幹システムの提供等を行うことで、電力・ガス会社のデジタル化推進のサポートを通じた競争力強化により事業成長を目指してまいります。 (注) 1.IEA 2023年2月8日「Electricity Market Report 2023」より。日本の電力需要は中国、アメリカに次ぐ3位。中国、アメリカは部分的に自由化を実施しており、日本は小売全面自由化を実現。2.ARPUは、Average Revenue Per Userの略称であり、1ユーザー当たりの平均収益を意味しております。 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、フリーキャッシュ・フローの最大化による企業価値の向上を重視しております。フリーキャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローと投資キャッシュ・フローで構成され、事業活動による利益創出力や投資余力を示す指標であり、これを拡大することは将来的な成長投資やM&A等の迅速な経営判断を可能とし、企業価値の向上に直結します。当社グループは、一括型プラットフォームとして多様な顧客ニーズに対応できるソリューションの拡大に取り組んでおります。その一環として、他事業部の既存顧客へのクロスセルや新規サービスの提供を推進し、事業間のシナジー最大化を図っています。また、既存事業の強化策としてオーガニックグロースに加えM&Aに関しても積極的に活用し、グループ全体の成長と収益基盤の安定化を目指しております。こうした方針のもと、外部環境や自社戦略等を考慮した中期経営計画を策定・更新し、売上高や営業利益、経常利益、当期純利益など各種目標を設定しております。 「電力切替支援」においては、家庭・法人ユーザーの電力契約切替以降、提携電力・ガス会社より継続的に収受するストック型の切替報酬並びにプラットフォームの基本利用料が、ストック型収益の基盤であり、そのため、ユーザーの電気・ガス代の従量制で継続的に発生するストック型の切替報酬の対象となる家庭継続ユーザー数及び法人継続拠点数が重要な指標となります(2026年3月期家庭継続ユーザー数約27万件、法人継続拠点数約1.8万件)。電気・ガスの利用自体は、長期にわたり予見性が高いインフラであることを考慮すると、今後もストック型収益基盤は拡大していく見込みです。また、高まるエネルギーコスト見直し需要を的確に捉え、プラットフォーム全体のユーザー獲得の最大化と、収益性を重視した獲得戦略を展開いたします。家庭向けサービスにおいては、オンライン・オフライン双方における獲得チャネルの多角化を進め、潜在層へのリーチを強化しております。営業戦略面では、獲得件数の伸長と並行して、継続性や獲得効率をこれまで以上に重視した「収益の質」の向上に注力しております。付帯サービスの拡販や、電力需要家と提携事業者双方にとって価値の高いマッチングを推進することで、送客単価の向上とLTV(顧客生涯価値)の最大化を追求し、中長期的に安定した利益成長に寄与する体制を構築して参ります。法人向けサービスにおいては、昨今の不透明な市場環境を受け、特定のプランに限定されない多様な価格フォーミュラーへのニーズが一段と高まっております。当社では、各顧客のエネルギー調達方針やコスト変動への耐性に適した選択肢を的確に提案できる体制を構築しており、この柔軟なソリューション能力を強みに新規獲得を推進して参ります。加えて、SFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム)を活用したシステマチックな顧客管理を徹底することで、新規獲得の効率化のみならず、既存顧客に対するきめ細やかなフォローアップ体制を強化し、解約率の低減とストック収益の積み上げによる強固な収益基盤の構築を図って参ります。 「SaaS・システム開発」においては、月額のソフトウエアライセンス料(保守運用費を含む)がストック型収益の基盤であるため、当社の提供サービスを導入している顧客数が重要な指標となります(2026年3月期 42社)。また、エネルギー業界特化型のSaaS事業者としては、直接的な対象顧客は電力・ガス事業者であることから社数が限定的になるため、利用者数に応じた従量課金体系を採用することで、電力・ガスを利用するエンドユーザーを、サービスの間接的な顧客として収益基盤の継続的な拡大を目指しています。加えて、将来の非連続な成長に向けた布石として、小売電気事業者向け基幹システム等の開発へ経営資源を重点的に配分しております。本開発は、高度な汎用性と専門性を兼ね備えたライセンスモデルの確立、及び導入後の運用保守等を通じた「ストック型収益」の強固な柱として構築を進めております。まずは第1号顧客へのサービス提供を通じて確かな実績を構築し、これをモデルケースとして、多様化する市場環境に適応した業界標準のプラットフォームとして、小売電気事業各社への普及を強力に推進することで、中長期的な収益基盤の拡大を図って参ります。併せて、AIを活用した開発体制の再構築により、更に柔軟かつ迅速な開発を実現し、また、AIネイティブなソリューションデザインにより、これまで以上に付加価値の高いソリューションの提供を促進しております。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループとして取り組むべき主な課題は以下の項目と認識しており、課題の解決に向けた取り組みを進めております。 <競争優位性の確保について>① ストック型収益基盤の強化当社グループは「エネルギー流通プラットフォーム事業」を展開しておりますが、今後持続的な成長を維持するためには、ストック型収益基盤のより一層の強化が必要であると考えており、主なソリューション毎に以下のような取り組みを強化してまいります。「電力切替支援」においては、家庭・法人ユーザーの電力契約切替以降、提携電力・ガス会社より継続的に収受するストック型の切替報酬並びにプラットフォームの基本利用料が、ストック型収益の基盤であることから、ユーザーの電気・ガス代の従量制で継続的に発生するストック型の切替報酬の対象となる継続報酬対象ユーザー数が重要な指標となります。そのため、高まるエネルギーコスト見直し需要を的確に捉え、プラットフォーム全体のユーザー獲得の最大化と、収益性を重視した獲得戦略を展開いたします。家庭向けサービスにおいては、オンライン・オフライン双方における獲得チャネルの多角化を進め、潜在層へのリーチを強化いたします。同時に、付帯サービスの拡販や電力需要家と提携事業者双方にとって価値の高いマッチングを推進して送客単価の向上を図り、獲得件数の成長と利益率の改善を両立してまいります。法人向けサービスにおいては、営業体制の更なる最適化を通じて新規獲得の効率性を高めるとともに、既存顧客に対するエンゲージメントの強化を図ります。解約率の低減に注力することで、持続的なストック収益の積み上げを図り、強固な収益基盤を構築してまいります。 「SaaS・システム開発」においては、月額のソフトウエアライセンス料(保守運用費を含む)がストック型収益の基盤であるため、当社の提供サービスを導入している顧客数が重要な指標となります。将来の非連続な成長に向けた布石として、小売電気事業者向け基幹システム等の開発へ経営資源を優先的に投下いたします。併せて、一過性の収益である受託開発から、AIをネイティブに活用した開発体制への再構築を図るとともに、運用保守といったストック型収益モデルへの事業ポートフォリオの意図的な転換を進めております。これにより、短期的な売上高の規模にとらわれない、利益率重視の筋肉質な事業構造への変革を実現してまいります。 ② エンジニア主体によるプロダクト開発の強化エネルギー業界においては、今後のデジタル化の更なる進展に伴い、ビッグデータ解析やAIといった技術を活用したプロダクト開発の重要性がますます増してくるものと見込まれます。そのような中、当社グループでは、高いエンジニア比率を有する組織構造を保つことでエンジニア主体によるプロダクト開発を強化しております。コア技術を自社開発することを基本方針として、技術部門の陣容を強化しつつ、必要に応じてライセンス調達等を組み合わせながらプロダクトの開発強化を推進してまいります。なお、前述のとおり、今後次なる成長の柱となるプロダクトの開発に優先的に経営資源を投下していくことで、事業成長の最大化、そして利益拡大の加速に取り組んでまいります。 ③ 規律ある成長投資に関する検討・強化当社は、安定した財務基盤を活用し、投資効率を意識しつつ、適切な資金投下を検討しております。具体的には、(1)既存事業でのオーガニック成長を促す適切な投資、(2)M&A等のインオーガニック成長を図るための規律ある成長投資、(3)余剰資金による配当や株主優待等の直接的な株主還元、(4)自社株買い等による資本効率の向上等の現段階において検討可能な全ての選択肢を網羅的に比較検討を実施しております。当社は適切な株主還元を実施しつつ、M&A等のインオーガニック成長を図るための投資の実行を目指してまいります。 <管理体制の強化について>① 内部統制体制の強化及びコンプライアンス体制の一層の強化当社は、2024年9月25日に東京証券取引所に対して改善報告書、2025年3月25日に改善状況報告書を提出いたしました。これらに記載の再発防止策を実施し、経営体制を刷新するとともに、現在も着実な運用を行っております。 当社は、グループ全体の内部統制及びコンプライアンス体制をなお一層強化し、健全なガバナンスを構築することが重要な経営課題であると認識しております。今後も、継続して取り組んでまいります。 ② 情報管理体制の強化当社グループが運営する事業においては、顧客情報や個人情報を多く取り扱っており、これらの情報管理体制の一層の強化が重要であると考えております。当社はプライバシーマークを取得しており、関連する個人情報保護法令等に基づき、個人情報の適切な取り扱いに十分配慮しながら事業を遂行しております。また、「個人情報保護方針」を含む社内規程の整備並びに運用の徹底、個人情報に関する内部監査や社内研修の実施を通じて、これらの情報については厳正に管理しております。引き続き社内システムの一層のセキュリティ強化、社内研修の整備等を図り、情報管理体制を強化していく方針です。 ③ システムの安定的な稼働当社グループが提供する各種サービスはインターネットを利用したサービスであり、システムの安定的な稼働が不可欠です。そのため、「システム管理規程」に基づき、不正アクセス対策、コンピュータウイルス対策、データの管理等の徹底を図っております。データベースについては、原則としてクラウドサービス上で構築・運用をすることでセキュリティを担保しており、クラウドサービスでカバーされない範囲については、データベースの暗号化やセキュリティパッチの自動適用等、必要と考えられる対策を行っております。今後はユーザー数の増加や取り扱いデータ容量の拡大に伴うシステム投資、適切な人員体制の拡充を計画的に行うとともに、データのバックアップ体制強化についても努めてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境、経営戦略並びに対処すべき課題等は以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、別段の表記がない限り、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (1) 経営の基本方針当社グループは、「エネルギーの未来をつくる」をミッションとして掲げ、エネルギー分野特化型の「エネルギーテック」企業グループとして、エネルギーに関するデータの活用促進を通じ、相互シナジーを活かした事業展開を行い、脱炭素化社会の実現に向け、GXを推進する企業というユニークなポジショニングで、エネルギーテック領域でカテゴリーリーダーとなることを目指しております。脱炭素社会を実現するためには、①電力網の脱炭素化、②交通の電化、③食の改善、④自然保護、⑤製造業の浄化、⑥二酸化炭素の除去といった手法が有効とされており(注)、当社グループでは①電力網の脱炭素化に貢献する事業を展開しております。①電力網の脱炭素化においては、電力の送配電や小売側の技術革新が必要と考えております。当社グループは、エネルギーテック事業者として、変化する環境下において最適と判断するサービスを各種ステークホルダーに提供していく方針です。また、エネルギー業界の構造転換に柔軟に対応しつつ、規制及び環境の変化によって生み出される潜在的なニーズに対してエネルギーデータ解析技術を軸として高い精度のオペレーションを継続することによってそのニーズを満たしていくことが必要であり、それを実現するための施策に継続的に取り組んでいく方針です。 (注) ジョン・ドーア著「Speed & Scale」参照。 (2) 経営環境当社グループが属するエネルギー業界を取り巻く環境においては、ウクライナ危機による資源価格の激しい変動を経て、一定の落ち着きを見せたものの、足もとでは中東情勢の緊迫が高まる等、地政学的リスクや為替動向の影響を受けやすい状況は継続しており、引き続き価格変動リスクへの注視が続く状況となりました。小売電力市場においては、ウクライナ危機による一時的な高騰後は一部の新電力を中心に顧客獲得に向けた動きが活発化した一方で、中東情勢等の外的要因の影響から消費者及び事業者における電気料金をはじめとしたエネルギー価格の動向への関心は再び高まっております。こうした状況のもと、電力需要家における電気料金の見直しニーズはより高まってくると想定しております。当社グループは、多様な提携事業者による豊富なプランの選択肢を迅速に提供できる強みを有しており、当社プラットフォームへの需要は堅調に推移するものと見込んでおります。また、電力小売全面自由化10周年という節目を迎えましたが、市場には依然として約6割の未切替層(注)が存在する等、多大な潜在成長余地が残されています。当社が実施した調査によれば、この背景には、電力メニューの比較の難しさや切替の心理的ハードルといった構造的障壁があると分析しております。当社としてはこれらの課題に対し、電力使用データを含む独自のデータ基盤とAIを活用した電力診断テクノロジーを活用することで、消費者の意思決定を高度に支援し、選択の負担を最小化する体験の提供を目指しております。上記の取り組み等による市場開拓を通じて、ユーザー価値の最大化と持続的な企業価値の向上を両立して参ります。 (注) 当社独自調査「家庭向け電力切り替えサービス認知・実態把握」より。 (3) 経営戦略等単一制度におけるエネルギー自由化市場としては世界最大規模の電力市場(注1)を有し、近年の電力・ガス自由化、スマートメーターの普及等により競争環境が整備されつつある日本市場において、当社グループの強みは、「エネルギーテック」企業グループとして、エネルギー分野に特化した技術開発力を基盤としたデータ分析力と、幅広い顧客基盤を有していることにあると認識しております。当社グループのTAMについては、「第1 企業の概況 3.事業の内容」に記載のとおり、「電力流通領域」は約3,600億円(2025年4月~2026年3月の電力市場規模約18兆円に、電力切替後の継続報酬料率相場である2%を乗じて試算)、「システム開発領域」は約1,800億円(2025年4月~2026年3月の電力市場規模約18兆円に、売上高IT予算比率1%を乗じて試算)と推定しております。 *1 電力・ガス取引監視等委員会「電力取引報結果」より、2025年4月から2026年3月の電力販売額の合計。*2 Total Addressable Marketの略称。当社グループが現状想定する最大の市場規模を意味する用語であり、事業に係る客観的な市場規模を示す目的で算出されたものではなく推定値も含む。*3 電気料金に対する継続報酬売上料率、当社調べ。*4 一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会「企業IT動向調査」のエネルギー業界(社会インフラ)の売上高に占めるIT予算比率。 なお、電力・ガス自由化以降の競争環境の整備、スマートメーター設置の普及等「エネルギーの4D」の浸透、さらには「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」において産業・運輸・家庭部門の電化によって現状より最大40%電力需要が増加すると想定されているとおり、電力市場の規模は今後も継続的に拡大するものと想定しております。 当社グループでは、以下の戦略を持って、シェア拡大に取り組んでおります。 「電力切替支援」においては、中立的な立場でサービス提供をすることが、提携する電力・ガス会社数や取得可能なデータ量の拡大に繋がっていると認識しております。今後も当社グループでは、中立的な立場でのサービス提供を前提に、オンラインのみならず、不動産仲介業者や金融機関等とのパートナーシップを拡大することで、オフラインでの集客力を強化し、ユーザー数の拡大に努めてまいります。また、電力切替に加えて、ガスセットでの切替、クリーンエネルギーの付加価値販売等のクロスセルを通じたARPU(注2)の向上により収益基盤の強化を目指してまいります。「SaaS・システム開発」においては、今後、電力・ガス会社間での競争がより激化すると見込んでおり、顧客開拓から電力調達に至るまでの電力・ガス会社にとってのバリューチェーン全体におけるデータ活用に対するニーズがより一層高まると考えております。当社グループはそのようなニーズに対して、「SaaS・システム開発」で展開しているデジタルマーケティング支援や、電力データ解析サービスによる業務効率化支援、加えて、現在開発中の小売電気事業者向け基幹システムの提供等を行うことで、電力・ガス会社のデジタル化推進のサポートを通じた競争力強化により事業成長を目指してまいります。 (注) 1.IEA 2023年2月8日「Electricity Market Report 2023」より。日本の電力需要は中国、アメリカに次ぐ3位。中国、アメリカは部分的に自由化を実施しており、日本は小売全面自由化を実現。2.ARPUは、Average Revenue Per Userの略称であり、1ユーザー当たりの平均収益を意味しております。 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、フリーキャッシュ・フローの最大化による企業価値の向上を重視しております。フリーキャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローと投資キャッシュ・フローで構成され、事業活動による利益創出力や投資余力を示す指標であり、これを拡大することは将来的な成長投資やM&A等の迅速な経営判断を可能とし、企業価値の向上に直結します。当社グループは、一括型プラットフォームとして多様な顧客ニーズに対応できるソリューションの拡大に取り組んでおります。その一環として、他事業部の既存顧客へのクロスセルや新規サービスの提供を推進し、事業間のシナジー最大化を図っています。また、既存事業の強化策としてオーガニックグロースに加えM&Aに関しても積極的に活用し、グループ全体の成長と収益基盤の安定化を目指しております。こうした方針のもと、外部環境や自社戦略等を考慮した中期経営計画を策定・更新し、売上高や営業利益、経常利益、当期純利益など各種目標を設定しております。 「電力切替支援」においては、家庭・法人ユーザーの電力契約切替以降、提携電力・ガス会社より継続的に収受するストック型の切替報酬並びにプラットフォームの基本利用料が、ストック型収益の基盤であり、そのため、ユーザーの電気・ガス代の従量制で継続的に発生するストック型の切替報酬の対象となる家庭継続ユーザー数及び法人継続拠点数が重要な指標となります(2026年3月期家庭継続ユーザー数約27万件、法人継続拠点数約1.8万件)。電気・ガスの利用自体は、長期にわたり予見性が高いインフラであることを考慮すると、今後もストック型収益基盤は拡大していく見込みです。また、高まるエネルギーコスト見直し需要を的確に捉え、プラットフォーム全体のユーザー獲得の最大化と、収益性を重視した獲得戦略を展開いたします。家庭向けサービスにおいては、オンライン・オフライン双方における獲得チャネルの多角化を進め、潜在層へのリーチを強化しております。営業戦略面では、獲得件数の伸長と並行して、継続性や獲得効率をこれまで以上に重視した「収益の質」の向上に注力しております。付帯サービスの拡販や、電力需要家と提携事業者双方にとって価値の高いマッチングを推進することで、送客単価の向上とLTV(顧客生涯価値)の最大化を追求し、中長期的に安定した利益成長に寄与する体制を構築して参ります。法人向けサービスにおいては、昨今の不透明な市場環境を受け、特定のプランに限定されない多様な価格フォーミュラーへのニーズが一段と高まっております。当社では、各顧客のエネルギー調達方針やコスト変動への耐性に適した選択肢を的確に提案できる体制を構築しており、この柔軟なソリューション能力を強みに新規獲得を推進して参ります。加えて、SFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム)を活用したシステマチックな顧客管理を徹底することで、新規獲得の効率化のみならず、既存顧客に対するきめ細やかなフォローアップ体制を強化し、解約率の低減とストック収益の積み上げによる強固な収益基盤の構築を図って参ります。 「SaaS・システム開発」においては、月額のソフトウエアライセンス料(保守運用費を含む)がストック型収益の基盤であるため、当社の提供サービスを導入している顧客数が重要な指標となります(2026年3月期 42社)。また、エネルギー業界特化型のSaaS事業者としては、直接的な対象顧客は電力・ガス事業者であることから社数が限定的になるため、利用者数に応じた従量課金体系を採用することで、電力・ガスを利用するエンドユーザーを、サービスの間接的な顧客として収益基盤の継続的な拡大を目指しています。加えて、将来の非連続な成長に向けた布石として、小売電気事業者向け基幹システム等の開発へ経営資源を重点的に配分しております。本開発は、高度な汎用性と専門性を兼ね備えたライセンスモデルの確立、及び導入後の運用保守等を通じた「ストック型収益」の強固な柱として構築を進めております。まずは第1号顧客へのサービス提供を通じて確かな実績を構築し、これをモデルケースとして、多様化する市場環境に適応した業界標準のプラットフォームとして、小売電気事業各社への普及を強力に推進することで、中長期的な収益基盤の拡大を図って参ります。併せて、AIを活用した開発体制の再構築により、更に柔軟かつ迅速な開発を実現し、また、AIネイティブなソリューションデザインにより、これまで以上に付加価値の高いソリューションの提供を促進しております。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループとして取り組むべき主な課題は以下の項目と認識しており、課題の解決に向けた取り組みを進めております。 <競争優位性の確保について>① ストック型収益基盤の強化当社グループは「エネルギー流通プラットフォーム事業」を展開しておりますが、今後持続的な成長を維持するためには、ストック型収益基盤のより一層の強化が必要であると考えており、主なソリューション毎に以下のような取り組みを強化してまいります。「電力切替支援」においては、家庭・法人ユーザーの電力契約切替以降、提携電力・ガス会社より継続的に収受するストック型の切替報酬並びにプラットフォームの基本利用料が、ストック型収益の基盤であることから、ユーザーの電気・ガス代の従量制で継続的に発生するストック型の切替報酬の対象となる継続報酬対象ユーザー数が重要な指標となります。そのため、高まるエネルギーコスト見直し需要を的確に捉え、プラットフォーム全体のユーザー獲得の最大化と、収益性を重視した獲得戦略を展開いたします。家庭向けサービスにおいては、オンライン・オフライン双方における獲得チャネルの多角化を進め、潜在層へのリーチを強化いたします。同時に、付帯サービスの拡販や電力需要家と提携事業者双方にとって価値の高いマッチングを推進して送客単価の向上を図り、獲得件数の成長と利益率の改善を両立してまいります。法人向けサービスにおいては、営業体制の更なる最適化を通じて新規獲得の効率性を高めるとともに、既存顧客に対するエンゲージメントの強化を図ります。解約率の低減に注力することで、持続的なストック収益の積み上げを図り、強固な収益基盤を構築してまいります。 「SaaS・システム開発」においては、月額のソフトウエアライセンス料(保守運用費を含む)がストック型収益の基盤であるため、当社の提供サービスを導入している顧客数が重要な指標となります。将来の非連続な成長に向けた布石として、小売電気事業者向け基幹システム等の開発へ経営資源を優先的に投下いたします。併せて、一過性の収益である受託開発から、AIをネイティブに活用した開発体制への再構築を図るとともに、運用保守といったストック型収益モデルへの事業ポートフォリオの意図的な転換を進めております。これにより、短期的な売上高の規模にとらわれない、利益率重視の筋肉質な事業構造への変革を実現してまいります。 ② エンジニア主体によるプロダクト開発の強化エネルギー業界においては、今後のデジタル化の更なる進展に伴い、ビッグデータ解析やAIといった技術を活用したプロダクト開発の重要性がますます増してくるものと見込まれます。そのような中、当社グループでは、高いエンジニア比率を有する組織構造を保つことでエンジニア主体によるプロダクト開発を強化しております。コア技術を自社開発することを基本方針として、技術部門の陣容を強化しつつ、必要に応じてライセンス調達等を組み合わせながらプロダクトの開発強化を推進してまいります。なお、前述のとおり、今後次なる成長の柱となるプロダクトの開発に優先的に経営資源を投下していくことで、事業成長の最大化、そして利益拡大の加速に取り組んでまいります。 ③ 規律ある成長投資に関する検討・強化当社は、安定した財務基盤を活用し、投資効率を意識しつつ、適切な資金投下を検討しております。具体的には、(1)既存事業でのオーガニック成長を促す適切な投資、(2)M&A等のインオーガニック成長を図るための規律ある成長投資、(3)余剰資金による配当や株主優待等の直接的な株主還元、(4)自社株買い等による資本効率の向上等の現段階において検討可能な全ての選択肢を網羅的に比較検討を実施しております。当社は適切な株主還元を実施しつつ、M&A等のインオーガニック成長を図るための投資の実行を目指してまいります。 <管理体制の強化について>① 内部統制体制の強化及びコンプライアンス体制の一層の強化当社は、2024年9月25日に東京証券取引所に対して改善報告書、2025年3月25日に改善状況報告書を提出いたしました。これらに記載の再発防止策を実施し、経営体制を刷新するとともに、現在も着実な運用を行っております。 当社は、グループ全体の内部統制及びコンプライアンス体制をなお一層強化し、健全なガバナンスを構築することが重要な経営課題であると認識しております。今後も、継続して取り組んでまいります。 ② 情報管理体制の強化当社グループが運営する事業においては、顧客情報や個人情報を多く取り扱っており、これらの情報管理体制の一層の強化が重要であると考えております。当社はプライバシーマークを取得しており、関連する個人情報保護法令等に基づき、個人情報の適切な取り扱いに十分配慮しながら事業を遂行しております。また、「個人情報保護方針」を含む社内規程の整備並びに運用の徹底、個人情報に関する内部監査や社内研修の実施を通じて、これらの情報については厳正に管理しております。引き続き社内システムの一層のセキュリティ強化、社内研修の整備等を図り、情報管理体制を強化していく方針です。 ③ システムの安定的な稼働当社グループが提供する各種サービスはインターネットを利用したサービスであり、システムの安定的な稼働が不可欠です。そのため、「システム管理規程」に基づき、不正アクセス対策、コンピュータウイルス対策、データの管理等の徹底を図っております。データベースについては、原則としてクラウドサービス上で構築・運用をすることでセキュリティを担保しており、クラウドサービスでカバーされない範囲については、データベースの暗号化やセキュリティパッチの自動適用等、必要と考えられる対策を行っております。今後はユーザー数の増加や取り扱いデータ容量の拡大に伴うシステム投資、適切な人員体制の拡充を計画的に行うとともに、データのバックアップ体制強化についても努めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要及び経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識並びに分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものです。 (1) 財政状態の状況(資産)当連結会計年度末における流動資産は6,259,889千円となり、前連結会計年度末に比べ784,247千円増加いたしました。これは主に売掛金及び契約資産が587,599千円、現金及び預金が230,645千円増加したことによるものです。また、当連結会計年度末における固定資産は1,397,885千円となり、前連結会計年度末から538,216千円減少いたしました。これは主に投資有価証券が676,995千円、長期貸付金が48,504千円、長期未収入金が35,698千円減少したことによるものです。この結果、総資産は7,657,775千円となり、前連結会計年度末に比べ246,030千円増加いたしました。 (負債)当連結会計年度末における流動負債は2,615,059千円となり、前連結会計年度末に比べ221,611千円増加いたしました。これは主に、契約負債が309,292千円、1年内返済予定の長期借入金が242,466千円減少した一方、販売促進引当金が398,320千円、賞与引当金が197,524千円、未払金が91,661千円、返金負債が77,371千円増加したことによるものです。また、当連結会計年度末における固定負債は260,840千円となり、前連結会計年度末に比べ205,775千円減少いたしました。これは主に、長期借入金が205,522千円減少したことによるものです。この結果、負債合計は2,875,899千円となり、前連結会計年度末に比べ15,836千円増加いたしました。 (純資産)当連結会計年度末における純資産合計は4,781,875千円となり、前連結会計年度末に比べ230,194千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益130,918千円の計上、為替換算調整勘定79,314千円の増加によるものです。 (2) 経営成績の状況と分析当社グループは決算期変更に伴い、前連結会計年度は15ヶ月の変則決算となっております。このため、前連結会計年度との比較は行っておりません。当連結会計年度における我が国経済は、企業収益の改善や雇用・所得環境の持ち直しを背景に、緩やかな回復基調で推移いたしました。他方、為替の円安基調の長期化や米国を中心とした通商政策の変化に伴う物価上昇圧力に加え、主要各国の金融政策が転換局面を経て高水準で推移していること等から、金融・為替市場の変動性は引き続き高い状況にあります。更に、ウクライナ情勢の長期化やイスラエル及び米国によるイラン攻撃を契機とした中東情勢は急速に緊迫度を深めていること等から、地政学リスクは依然として解消されておらず、エネルギー価格の動向を含めた景気の先行きについては不透明な状況が継続しております。当社グループが属するエネルギー業界を取り巻く環境においては、ウクライナ危機による資源価格の激しい変動を経て、一定の落ち着きを見せたものの、足もとでは中東情勢の緊迫が高まる等、地政学的リスクや為替動向の影響を受けやすい状況は継続しており、引き続き価格変動リスクへの注視が続く状況となりました。小売電力市場においては、ウクライナ危機による一時的な高騰後は一部の新電力を中心に顧客獲得に向けた動きが活発化した一方で、中東情勢等の外的要因の影響から消費者及び事業者における電気料金をはじめとしたエネルギー価格の動向への関心は再び高まっております。このような状況を背景に、電力各社が提供する料金メニューは急速に多様化しております。従来の燃料費調整制度に準拠したプランに加え、卸電力取引所の価格を反映する「市場連動型」や、価格変動リスクを排除した「完全固定型」、更にはこれらを組み合わせた各社独自の「独自燃料費調整」等、契約形態の複雑化が顕著となっております。こうした市場環境の変化を受け、家庭及び法人需要家においては、最適な電力プランの選択や価格変動リスクへの対応が喫緊の課題となっております。これに対し、当社のプラットフォームが有する情報提供機能、並びに営業によるコンサルティング機能の重要性が一段と高まった結果、中立的な立場から複雑なプランを比較・解説できる当社の市場プレゼンスは着実に向上いたしました。加えて、需要家向けサービスにとどまらず、供給側である新電力各社におけるニーズも変容しております。具体的には、電源調達の最適化や環境価値(非化石証書等)の調達支援といった川上領域における機能提供への要望が強まっており、当社の事業領域を更に広げる新たな収益機会となっております。また、2025年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画においても、生成AIの普及によるデータセンターの増設や半導体工場の新増設等を背景とした電力需要の増加が見込まれており、エネルギー需給構造の変化が加速していくものと想定されます。このような環境のもと、当社グループでは、2025年6月23日付「事業計画及び成長可能性に関する事項」に記載のとおり、当社事業領域において、エネルギー流通を支えるプラットフォーマーとして、日本のエネルギーコスト・環境コストの低減に資するソリューションを提供することに取り組んで参りました。当社プラットフォームにおける顧客への提供価値を高め、介在する電力量を最大化することを目標に、既存の「電力切替支援」、「SaaS・システム開発」の深化を継続していきます。加えて、当社は、2026年6月22日付「事業計画及び成長可能性に関する事項」で開示した通り、電力切替や新電力向け基幹システムの開発等の既存事業に加え、「現場領域のAI活用」「海外投資マネジメント事業」を通じて事業規模を飛躍させていくことを計画しております。 以上の結果、当連結会計年度の当社グループの業績は、売上高6,697,531千円、営業利益592,811千円、経常損失148,737千円、親会社株主に帰属する当期純利益は130,918千円となっております。なお、営業外費用で持分法による投資損失728,410千円、特別利益で受取保険金23,662千円、投資有価証券売却益17,743千円を計上しております。 また、セグメント別の経営成績につきましては、当連結会計年度より、報告セグメントを従来の「エネルギープラットフォーム事業」、「エネルギーデータ事業」及び「EV充電事業」の3区分から、「エネルギー流通プラットフォーム事業」の単一セグメントに変更しております。詳細は、「第5.経理の状況 注記事項1.連結財務諸表(セグメント情報等)」に記載しております。 (売上高)当連結会計年度において、売上高は6,697,531千円となりました。各ソリューションの経営成績は、次のとおりであります。① 電力切替支援「電力切替支援」の売上高は5,116,109千円となりました。家庭向け電力切替ではユーザー獲得戦略の見直し等により継続ユーザー数は270,278件と微減、法人向けでは小規模拠点での獲得伸長等により法人向け継続拠点数は17,718件と増加いたしました。当連結会計年度の取り組みとして、電力・ガス切替比較プラットフォームである「エネチェンジ Home 電気・ガス比較」及び「エネチェンジ Biz 電力最適診断」の両サービスにおいては、電力ガス事業者との連携をこれまで以上に強化しております。あわせて、AIの急速な普及を背景に、AI検索最適化(AIO)の強化や検索エンジンを介さない集客チャネルにも対応できるよう、主力サービスである当該切替比較サイトの大型改善に着手したほか、引越しに伴うタスク管理やライフライン(電気・ガス・水道等)の手続きをLINE上で完結できる新サービス「エネチェンジ Home 引越しWeb簡単サポート」の提供を開始いたしました。 ② SaaS・システム開発「SaaS・システム開発」の売上高は1,137,361千円となりました。電力ガス事業者向けに顧客ポータルや料金シミュレーション、申し込みシステム、家庭向けDR(デマンドレスポンス)サービス等を提供するデジタルソリューション「エネチェンジ Utility」の既存顧客への継続的なサービス提供やアップセル・クロスセルに注力しており、顧客数は42社で横ばいとなっております。当連結会計年度においては、中期経営計画期間(2026年3月期-2028年3月期)での新ソリューションである「新電力向け基幹システム」の開発に着手しており、2027年3月期中に第1号顧客へサービスを提供開始することを予定しております。 (売上原価、売上総利益)当連結会計年度において、売上原価は791,853千円となりました。主にSaaS・システム開発事業の開発人件費です。この結果、売上総利益は5,905,678千円となりました。 (販売費及び一般管理費、営業利益)当連結会計年度において、販売費及び一般管理費は5,312,866千円となりました。主な内訳は、販売手数料1,864,866千円、給料及び手当1,134,706千円、業務委託費561,702千円、販売促進引当金繰入529,161千円、広告宣伝費407,344千円等です。この結果、営業利益は592,811千円となりました。 (経常損失)当連結会計年度において、営業外収益は21,472千円、営業外費用は763,021千円となりました。営業外収益の内訳は、主に受取利息12,804千円です。営業外費用の主な内訳は、持分法投資損失728,410千円、支払利息14,542千円、支払手数料11,111千円等です。この結果、経常損失は148,737千円となりました。 (税金等調整前当期純損失)当連結会計年度において、特別利益は41,405千円、特別損失は9,044千円となりました。特別利益の内訳は、受取保険金23,662千円、投資有価証券売却益17,743千円です。特別損失の内訳は、関係会社清算損7,517千円、投資有価証券売却損1,527千円です。この結果、税金等調整前当期純損失116,376千円となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益)法人税、住民税及び事業税3,470千円、法人税等調整額△250,765千円となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益が130,918千円となりました。 (3) キャッシュ・フローの状況当社グループは決算期変更に伴い、前連結会計年度は15ヶ月の変則決算となっております。このため、前連結会計年度との比較は行っておりません。当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は4,494,153千円(前連結会計年度末4,263,507千円)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動の結果獲得した資金は654,942千円となりました。主な増加要因は、持分法による投資損失728,410千円、販売促進引当金の増加額398,320千円、未払消費税等の増加額228,925千円、賞与引当金の増加額197,524千円、未払金の増加額85,224千円等であります。主な減少要因は、売上債権の増加額551,986千円、契約負債の減少額309,292千円等であります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動の結果獲得した資金は91,308千円となりました。主な増加要因は、貸付金の回収による収入99,354千円、投資有価証券の売却による収入83,870千円、敷金及び保証金の回収による収入41,138千円であります。主な減少要因は、投資有価証券の取得による支出77,404千円、有形固定資産の取得による支出37,711千円等であります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動の結果使用した資金は515,619千円となりました。主な増加要因は、新株予約権の行使による株式の発行による収入22,236千円等であります。主な減少要因は、長期借入金の返済による支出447,988千円、短期借入金の返済による支出100,000千円等であります。 (4) 生産、受注及び販売の実績当社グループは決算期変更に伴い、前連結会計年度は15ヶ月の変則決算となっております。このため、前連結会計年度との比較は行っておりません。 a.生産実績当社グループは生産活動を行っていないため、該当事項はありません。 b.受注残高区分受注高(千円)前期末比(%)受注残高(千円)前期末比(%)電力切替支援――――SaaS・システム開発193,804―60,859△88.8その他――――合計193,804―60,859△88.8 (注)当連結会計年度の受注残高は、前連結会計年度と比較して、前期以前に受注したSaaS‧システム開発案件の履行義務の提供完了が当期に集中したことにより減少しております。 c.販売実績当社グループは「エネルギー流通プラットフォーム事業」の単一セグメントであるため、販売実績についてソリューション別に示すと次のとおりであります。(単位:千円)区分当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)電力切替支援5,116,109SaaS・システム開発1,137,361その他444,060合計6,697,531 (注)1.当連結会計年度より、「エネルギー流通プラットフォーム事業」の単一セグメントに変更しておりますので、前年同期比の記載を省略しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2024年1月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)株式会社NEXT ONE957,45614.31,033,45615.4 (5) 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(重要な会計上の見積り)」に記載しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、必要な見積りを行っており、それらは資産・負債及び収益・費用の計上金額に影響を与えています。これらの見積りについては、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づき合理的と考えられる要因を考慮したうえで行っていますが、結果としてこのような見積りと実績が異なる場合があります。 (6) 経営成績に重要な影響を与える要因当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであり、当該リスクが顕在化した場合、経営成績に重要な影響を与える可能性があります。そのため、当社グループは、市場動向等を注視し、組織体制の整備、リスク管理体制の強化、成長事業領域への継続投資等を行い、当社グループの経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減する対応を適切に行ってまいります。 (7) 資本の財源及び資金の流動性当社グループの運転資金需要のうち主なものには、「電力切替支援」における人件費及び広告宣伝費、「SaaS・システム開発」におけるソフトウエア制作に係る人件費及び外注費のほか、管理部門における人件費等があります。当社グループでの資金需要は、自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等でバランスよく調達していくことを基本方針としており、資金需要の金額や資金使途に応じて柔軟に検討を行う予定です。当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は4,494,153千円となっています。なお、当社は当連結会計年度末において複数の取引金融機関との当座貸越契約を締結しており、資金調達手段を確保することにより、変動する資金需要に対応し、流動性リスクをコントロールしております。 (8) 経営者の問題認識及び今後の方針について当社グループが認識する課題等について、経営者は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の課題に対処していく必要があると認識しております。これらの課題に対し、経営者は市場ニーズや事業環境の変化に関する情報の入手、分析を行い、現在及び将来の事業環境を認識したうえで、当社グループの経営資源を適切に配分し、対応策を実施していく方針です。 (9) 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。
事業リスク
- 電力小売市場の変動電力小売市場は、エンドユーザーの切替意欲の減退や新電力の競争力低下により、切替数が伸び悩む可能性があります。また、電力・ガス事業者へのDXサービス導入が計画通りに進まない場合、ENECHANGEの経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 電力制度改革の影響エネルギー分野では、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)や電力・ガス小売の全面自由化など、制度改革が継続的に進んでいます。今後、同時同量市場の導入や排出量取引制度の本格導入など、新たな制度変更がENECHANGEの事業戦略に影響を与え、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 電力・ガス会社への依存ENECHANGEの主な収益源は、取引先の電力・ガス会社からの収益です。資源価格の高騰や自然災害などにより取引先の経営状態が悪化したり、集客チャネル戦略が変更されたりした場合、既存契約の見直しや解消、新規発注の停止などにつながり、ENECHANGEの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】 当社は、全社のリスクマネジメント体制を強化し、リスクの事前防止及び顕在化時の損失最小化を図るため、「リスク管理規程」を制定しております。同規程に基づくリスク管理の徹底により、事業活動におけるリスクを特定し、適切な対応策を講じることでリスクコントロールに努めております。 (1) リスクマネジメント体制とリスク管理の状況 ① リスクマネジメント体制 当社は、取締役会の直属機関として、代表取締役CEOを委員長とし、代表取締役会長、執行役員、統括部・経営企画部・総務法務部及び経理財務部の各責任者、監査役、及び内部監査室長をメンバーとする「コンプライアンス・リスク管理委員会」(CR委員会)を設置しております。同委員会は、四半期ごとに開催され、コンプライアンス教育に関する事項や、リスクアセスメントの導入及び対応策のモニタリング、インシデントや通報窓口に対する相談案件報告、再発防止策の運用状況のモニタリングなどの重要事項を協議・決議しており、その協議状況や決議内容、進捗状況については取締役会に随時報告しております。 また、当社内部監査室では、定期的な内部監査を通じて、独立した立場から各部門のリスク管理状況を確認し、必要に応じてリスク管理向上のための助言を行うとともに、監査結果を取締役会へ報告しております。 ② リスク管理の状況 当社では、毎事業年度ごとに網羅的なリスクの抽出、リスクの分析・評価を行い、リスクマップを策定したうえで重点リスクとその対応策を決定したうえで、対応策の実行を行い、コンプライアンス・リスク委員会による四半期ごとのモニタリングと改善活動を実施しております。 (2) 重要な事業リスク当社の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載します。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示いたします。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。 当社は、(1)②リスク管理の状況記載のリスク管理を行い、特に重要なリスクとしては、以下9項目を選定し、以下の「重要なリスク事象一覧表」に記載しております。 また、これらのリスクの内容と対応策については、以下(3)「重要な事業リスクの内容と対応策」に記載しております。 (重要なリスク事象一覧表)Noリスク名称影響度発生可能性①IT関連リスク(情報漏洩・システム障害等)大高②取引先への依存に関するリスク大高③事業環境の変化に関するリスク大中④人材の確保・育成に関するリスク大中⑤外部委託先の管理に関するリスク大中⑥事業展開・投資に伴うリスク中中⑦業績変動に関するリスク中中⑧法令遵守等コンプライアンスに関するリスク中中⑨内部統制に関するリスク中中 (3)重要な事業リスクの内容と対応策① IT関連リスク(情報漏洩・システム障害等)リスク評価① 情報漏洩 影響度:大、 発生可能性:高② システム障害 影響度:大、 発生可能性:高リスクシナリオ① 情報漏洩当社は、事業運営上、各種サービスのユーザー個人情報や取引先企業情報を多く扱っております。外部からのサイバー攻撃、不正アクセス、あるいは予期せぬ人的過失などにより、これらの情報が万が一流出した場合、損害賠償請求の発生や社会的信用の失墜を招き、当社の事業、経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② システム障害当社サービスはインターネットを介して提供されているため、通信インフラに依存しております。自然災害、人為災害、テロ、戦争等に伴いシステム障害が発生し、サービス提供が困難となった場合、当社の事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。リスク対策の状況① 情報漏洩・当社ネットワークやシステム、各種端末に対するセキュリティ対策の実装・セキュリティルールの制定と周知・全社員を対象とする定期的な研修及び標的型メール訓練等の実施・プライバシーマークを取得維持。個人情報保護マネジメントシステムの適切な運用実施 ② システム障害・可用性の高いシステム設計・障害のモニタリングを実施し、発生時に迅速に対応できる体制の構築・障害発生時の報告・対応フローの整備 ② 取引先への依存に関するリスクリスク評価影響度:大、 発生可能性:高リスクシナリオ取引先である特定の電力・ガス会社の経営悪化や集客戦略の変更、法人向け切替サービスにおける大口需要家との契約終了、あるいはオフライン事業における大口のパートナー企業において当社商材の取扱終了などが生じた場合、販売力の低下や契約の解消につながり、事業基盤に重大な影響を及ぼす可能性があります。リスク対策の状況・多様なサービス・プロダクト展開による特定の企業動向に左右されにくい安定した事業基盤の確立・提携事業者数や販売チャネルの拡充・需要家のエンゲージメント強化のための施策拡充・パートナー企業との戦略的アライアンスの拡充 ③ 事業環境の変化に関するリスクリスク評価影響度:大、 発生可能性:中リスクシナリオ景気動向や市場環境の変化によりエンドユーザーの契約切替意欲が減退した場合、プラットフォーム利用数にマイナスの影響が生じます。また、検索エンジンのアルゴリズム変更や生成AI(AIO等)の普及は、従来の集客手法(SEO等)を陳腐化させる可能性があります。加えて、競合他社の参入や電力・ガス各社の直販強化など、競争環境の激化が市場シェア縮小や収益性低下を招く可能性があります。リスク対策の状況・提携事業者数やチャネルを拡大し、市場ニーズを迅速にフィードバックする体制を整えることで、環境変化に即応できる体制を構築・電力シミュレーションサービスのChatGPTアプリ機能をリリースするなど、最新の検索ロジックに適合したサイト最適化や信頼性の高いコンテンツ制作を機動的に実施・蓄積された独自データベースとデータ解析技術を活用し、高付加価値な機能を開発・提供することにより、競合に対する優位性を維持 ④ 人材の確保・育成に関するリスクリスク評価影響度:大、 発生可能性:中リスクシナリオ雇用情勢の変化等により、事業の持続的成長に必要な優秀な専門人材を計画とおりに確保・育成できない場合、人材不足や既存社員の流出を招き、事業運営や開発計画に支障をきたす可能性があります。リスク対策の状況・ダイレクトリクルーティングやリファラル(社員紹介)採用など、多様な採用チャネルを活用した機動的な採用活動を推進・テレワーク制度やフレックスタイム制等の柔軟な働き方の維持・向上・個人の成果を適切に反映する人事評価制度の運用や各種社内研修、定期的な面談の実施等を通じ、優秀な人材の確保とエンゲージメント向上を図る ⑤ 外部委託先の管理に関するリスクリスク評価影響度:大、 発生可能性:中リスクシナリオオフライン事業における販売パートナー企業などの外部委託先によって、不十分・不適切な勧誘行為などが行われた場合、需要家との紛争やレピュテーションの低下、ひいては販売力の低下を招く可能性があります。リスク対策の状況・外部委託先に対するトークスクリプト提示と徹底したレギュレーション管理の実施・定期的な業務遂行状況の確認によるモニタリング・外部委託先の適切な選定・運用管理・指導体制の強化 ⑥ 事業展開・投資に伴うリスクリスク評価影響度:中、 発生可能性:中リスクシナリオ新規事業展開、ファンド運営などの投資案件が計画とおりに進捗しない場合、投下した資金の回収が遅れる、十分な収益が獲得できない、あるいは減損損失が発生する可能性があります。なお、当連結会計年度の連結貸借対照表に計上されたのれん計上額は101,134千円、投資有価証券742,998千円です。リスク対策の状況・事前の市場性・採算性の精査に基づき、取締役会等の意思決定機関において厳格に審査・承認するフローを徹底・当社の既存顧客基盤や技術ノウハウを活用しリスクの低減を図るとともに、事業進捗を定期的にモニタリングし、段階的なリソース投下を行うコントロール体制を徹底・海外関連案件において、現地の外部専門家と連携した事前のリサーチを徹底 ⑦ 業績変動に関するリスクリスク評価影響度:中、 発生可能性:中リスクシナリオ電力切替支援事業については、引越の繁忙期や気象状況(暖冬・冷夏等)といった季節要因により、SaaS・システム開発事業については、新規機能リリースやプロモーション費用の特定の四半期への集中等により、四半期毎の売上や利益が大きく変動する傾向があります。リスク対策の状況・月次及び四半期ベースでの予実管理を徹底し、状況に応じた機動的なコストコントロール(広告宣伝費や各種投資の執行時期の調整等)に努める・ストック型収益の推進により、年間を通じた収益基盤の安定化(平準化)を図る ⑧ 法令遵守等コンプライアンスに関するリスクリスク評価影響度:中、 発生可能性:中リスクシナリオ電気事業法・景品表示法・個人情報保護法などの法令違反や第三者の知的財産権の侵害などが生じた場合、損害賠償請求や訴訟に発展し、企業ブランドや社会的信用の失墜を招く可能性があります。リスク対策の状況・当社関連法令について、定期的な啓蒙・研修を実施・顧問弁護士等の外部専門家と緊密に連携し、法改正等の動向を適時に把握し法的リスクの事前評価を行う体制を維持・社内の掲載基準や運用ガイドラインを整備し、事前の確認・審査を徹底 ⑨ 内部統制に関するリスクリスク評価影響度:中、 発生可能性:中リスクシナリオ当社は、過年度の有価証券報告書等の訂正を行いました。外部調査委員会の調査結果を踏まえ、当社として、本件会計処理に起因する過年度訂正の発生原因は次のとおりであると認識しております。(1)城口氏への権限集中と強烈なトップダウンカルチャー (2)業績優先の経営姿勢 (3)管理部門による内部牽制機能の不足 (4)取締役会及び監査役会への情報共有の不足に起因する監督機能不全 (5)経営陣のコンプライアンス意識を軽視する姿勢 (6)会計・法務コンプライアンス面における社内体制の脆弱性 (7)会計監査人とのコミュニケーション上の課題(8)外部専門家の活用の不足 当社は経営体制の刷新等を含む再発防止策を策定し、内部統制及びコンプライアンス体制の強化に取り組んでおります。しかしながら、これらの改善措置が想定とおりに機能しなかった場合、あるいは予期せぬ内部統制の不備や法令違反等が発生した場合には、ステークホルダーからの社会的信用の失墜、取引先等との関係悪化、ブランド力の毀損を招くおそれがあります。リスク対策の状況上記リスクを低減し、健全な企業運営を行うため、当社は改善報告書・改善状況報告書等に基づき、以下の再発防止策を継続的に実施・運用しております。 (1)責任の明確化(2)権限分散による経営トップに対する牽制機能の強化(3)取締役会及び監査役会の経営トップに対する監督機能の強化 (4)コンプライアンス意識の向上 (5)会計機能・法務機能・内部監査機能の強化 (6)会計監査人との信頼関係の構築 当社は、グループ全体の内部統制及びコンプライアンス体制をなお一層強化し、健全なガバナンスを構築することが重要な経営課題であると認識しております。今後も、継続して取り組んでまいります。