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フジプレアム(4237)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

化学 素材・化学

事業の概要

  • 精密貼合技術
    フジプレアムグループは、液晶ディスプレイやタッチパネルに使われる部品の製造・加工・販売を主な事業としています。特に「精密貼合技術」という独自の技術を使い、ガラスやフィルムをミクロレベルの精度で貼り合わせることで、高品質な製品を提供しています。この技術は、液晶テレビやスマートフォンのディスプレイなど、私たちの身近な製品に不可欠なものです。
  • 太陽電池モジュール製造
    同社は、太陽電池モジュールの製造・販売も手掛けています。再生可能エネルギーへの関心が高まる中で、太陽光発電システムは重要な役割を担っており、フジプレアムグループもその一翼を担っています。また、住宅やビルの窓に使う断熱・飛散防止フィルムラミネートガラスの製造・施工・販売も行っており、環境に配慮した製品を提供しています。
  • 機械装置の製造販売
    半導体や液晶関連の製造装置、産業用機械システムの設計・製造・販売も事業内容に含まれます。これは、他の企業が製品を作るための機械を提供する事業であり、同社の「機械装置の製造技術」が活かされています。さらに、自動車部品の製造や物流業務の請負など、多岐にわたる事業を展開し、収益源を多様化しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 精密貼合及び高機能複合材部門
    この部門は、フジプレアムグループの核となる「精密貼合技術」を駆使し、液晶ディスプレイ用部材やタッチパネルセンサー基板の製造・販売を行っています。素材メーカーからガラスやフィルムを仕入れ、カットや精密貼合加工を施してパネルメーカーに納入しており、売上高は72.88793億円ですが、営業利益は-0.24907億円と赤字です。
  • 環境住空間及びエンジニアリング部門
    この部門では、「太陽電池モジュール製造技術」を活かした太陽電池モジュールの製造・販売が中心です。また、住宅やビルの窓に使う断熱・飛散防止フィルムラミネートガラスの製造・施工・販売も手掛けています。さらに、「機械装置の製造技術」を応用し、半導体液晶関連装置や産業用機械システムの設計・製造・販売も行い、売上高は33.32078億円、営業利益は2.32835億円と黒字です。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
PrecisionLaminationAndHighFunctionalCompositeMaterialDepartment 事業 73 -0 -0.3%
EcologyAndLivingSpaceAndEngineeringDepartment 事業 33 2 7.0%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,613 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社、親会社1社、連結子会社3社、非連結子会社3社及び持分法非適用関連会社1社により構成されており、「精密貼合技術(注1)」、「太陽電池モジュール製造技術」「機械装置の製造技術」等の独自技術を活用し、ディスプレイ用部材、タッチパネルセンサー基板(注2)、太陽電池モジュール等の製造・加工・販売を行う他、半導体関連向け装置製造販売、産業用機械システムの設計・製造・販売、太陽光発電システムの設計・施工・販売、物流業務の請負等を行っております。 当社グループのセグメント別事業内容は以下のとおりであります。 ① 精密貼合及び高機能複合材部門 「精密貼合技術」を活用し、ディスプレイ用部材、タッチパネルセンサー基板に関する製品の製造・販売を行っております。 ディスプレイ用部材については、素材メーカー等からガラスや各種機能性フィルム等を購入し、カット、精密貼合による加工等を行い、パネルメーカーに納入しております。 タッチパネルセンサー基板についても、クリーンルーム内において、精密貼合、官能検査等を行っております。また、自動車部品の製造も行っております。 ② 環境住空間及びエンジニアリング部門 「太陽電池モジュール製造技術」を活用した太陽電池モジュールの製造・販売を行っております。 また、住宅やビルの窓に使用する断熱用・飛散防止用のフィルムラミネートガラスの製造・施工・販売を行っております。 更に、「機械装置の製造技術」を活用したファクトリーオートメーションのインテグレーター事業展開、半導体・液晶関連向け装置の製造・販売を行っております。 (注)1.精密貼合技術 「精密貼合」とは当社グループ固有の表現で、大小様々なサイズの光学機能性フィルム等をミクロレベルの貼合精度で貼り合わせる技術であり、自社で構築した生産ライン、官能検査及び多能工教育等の社内体制により構築され、現在、各種ディスプレイやタッチパネルに使用される部材の製造に活用されております。当社グループの生産工程はこの「精密貼合技術」を中心に構築されており、競合他社との差別化を図るうえで重要な位置付けにあります。 ディスプレイ関連製品の需要の増加とともに、商品ラインナップの切替サイクルの短縮化や多機能商品開発の熾烈化が生じており、パネルメーカーはより高度な貼合精度を求める傾向にあります。当社グループは、その要望に応えるべく、随時、生産設備の改造や研究開発による対応を行っております。(1)生産ラインの自社構築 当社グループでは、生産技術開発部門において築いた基礎技術をもとに、事業の早期立上げや日々の改善・改良を目的に、各事業部において製品特性に応じた生産ラインの構築を図っております。(2)官能検査技術 官能検査とは、人が目で見て良否を判断する検査のことであります。 各種製品は、顧客毎に異なる品質基準に沿って、欠点の位置や大きさから良否判断を行う必要があります。これは、欠点となる要素の種類が多く、品種によってその見え方や判断の方法が変わるためであり、機械検査では対応が困難なためであります。 当社グループでは、検査工程に官能検査を導入することで、顧客の多種多様なニーズへの対応を図るとともに官能検査技術の向上に努めております。(3)多能工教育 当社グループでは、生産面、品質面の向上及び労務費の低減を図ることを目的として、従業員一人一人の総合的な生産能力の付加価値を高め、各事業部のあらゆる工程を担当できるよう、多能工教育を行っております。2.タッチパネルセンサー基板 タッチパネルの主要部材で主に、カバーガラス・センサーガラス・センサーフィルム等で構成されており、これらをOCA(光学用透明接着材)を使って貼合して生産しております。 [事業系統図]以上に述べた事項を事業系統図によって示すと以下のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
精密貼合技術は競合他社との差別化を図るうえで重要であり、顧客の高度な要求に応えている。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
ミクロレベルの貼合精度を誇る精密貼合技術、自社構築の生産ライン、官能検査、多能工教育。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
会社が挙げる主要リスク:商品市場の動動変化に伴う需要変動リスク / ディスプレイ関連商品への特定製品依存リスク / 原材料の調達リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 3 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

フジプレアムの財務データが不足しており、ブランド、特許、規制ライセンス、独占的IPに関する具体的な情報は確認できませんでした。無形資産による競争優位性は現時点では不明です。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

特定の産業用フィルムやコーティング材を提供している可能性はありますが、顧客が他社製品に切り替える際の具体的なコストや手間に関する情報は公開されていません。限定的なスイッチング・コストが存在する可能性はありますが、その程度は不明です。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

フジプレアムの事業内容(フィルム、コーティング材等)は、ネットワーク効果が発生するようなプラットフォーム型ビジネスやサービスとは考えにくく、ネットワーク効果による競争優位性は見られません。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

化学製品の製造においては、規模の経済や効率的な生産プロセスがコスト競争力に影響しますが、フジプレアムの具体的なコスト構造や競合他社との比較に関する詳細な情報は現時点では入手できません。限定的なコスト優位性の可能性はあります。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

化学業界は一般的に規模の経済が働く可能性がありますが、フジプレアムの市場シェアや業界内での位置づけに関する具体的なデータが不足しています。業界規模に対して最適な少数寡占を形成しているかは不明です。

  • 独自の精密貼合技術
    フジプレアムグループは、大小様々な光学機能性フィルムなどをミクロレベルの精度で貼り合わせる「精密貼合技術」を強みとしています。この技術は、自社で構築した生産ライン、熟練した官能検査、多能工教育によって支えられており、競合他社との差別化を図る上で非常に重要です。特に、ディスプレイやタッチパネルの高度な品質要求に応えることができます。
  • 自社構築の生産体制
    同社は、生産技術開発部門で培った基礎技術を基に、各事業部で製品特性に合わせた生産ラインを自社で構築しています。これにより、事業の早期立ち上げや日々の改善・改良を効率的に行うことができ、顧客の多様なニーズに迅速に対応できる柔軟な生産体制を確立しています。これは、技術革新が速い業界において大きな強みとなります。
  • 熟練した官能検査能力
    機械では対応が難しい、人の目による「官能検査」を導入している点も強みです。顧客ごとに異なる品質基準に沿って、欠点の位置や大きさから良否を判断するこの技術は、多種多様な製品の品質を保証するために不可欠です。従業員の多能工教育と組み合わせることで、生産性向上と品質維持の両立を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針 「人が求めること」は限りなく続くことであり、企業は更なる「研究開発」を続けることで、「高付加価値製品」を生み出していきます。 当社グループは、創ることから届けることまで、顧客のニーズに対してトータルに提案できる企業でありたいと考え、現在、情報エレクトロニクス分野を支えるディスプレイ関連事業を主たる柱として、環境ビジネスのクリーン・エコエネルギー関連事業あるいはメカトロニクス技術を活用したファクトリーオートメーション事業等、幅広い領域での「ものづくり」に専念し、更なる発展を続けていくことを経営の基本方針としております。 (2)経営戦略等 当社グループでは、安定した成長率の維持を最大の目標に、より一層の企業価値の向上を目指しております。 そのため、成長を牽引するためのドライバーとして「精密貼合技術を中心とした複合化技術」、「独自技術を開発し、高度化できるメカトロニクス技術」を活用し、今後の成長が見込まれる事業領域に経営資源を投下してまいります。世の中の技術革新に追随し、新たな製品領域への対応を積極的に行い、既存製品群につきましては、適切な設備投資や生産合理化を図り、競争力を向上させてまいります。 更に、研究開発を企業成長の推進力と位置づけ、複合的な技術を社内で集約することにより、常に新たな技術への挑戦を続け、新たな主力事業の確立に向けて取組んでおります。 また、当社グループ会社である株式会社東陽社製作所を活用し、自動車部品業界への関与を深め、新たなビジネスの展開を図ります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、収益性の向上を重視しており、生産性の向上、新製品開発及び営業力の強化を徹底し、経常利益率7%以上を確保することを経営指標としております。 また、当社グループは自己資本比率を財務の健全性の指標と認識しており、今後も適正な株主配当を行いながら、利益の内部留保に努め、自己資本の充実を目指してまいります。 (4)経営環境 当社グループを取り巻くビジネス環境は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要を背景に、景気は緩やかに回復いたしました。一方で、資源価格の変動や円安基調による物価上昇、金融政策の転換に伴う金利動向の変化、海外経済の減速懸念や地政学リスクの高まり等により、先行き不透明な状況となりました。また、設備投資は底堅く推移したものの、人手不足やコスト上昇への対応が課題となっております。 このような環境下において、当社グループは、精密貼合技術を核とした用途開発やグループ連携によるシナジー創出に取組んでおります。一方で、車載・エレクトロニクス分野における標準化や商流変動に加え、新興企業との競合や中国市場の景況感の変化等により、厳しい市場環境が継続しております。また、地政学的リスクの高まりに伴う物流コストや原材料価格への影響等についても、継続的に注視しております。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループは、研究開発型の企業として絶えず最新の技術動向を確認する必要があり、市場動向についても確実に捉える必要があります。クロスボーダーでの商品開発あるいは製造等の商流の変化に、機敏に対応することが課題と捉えております。そのため、組織体制の見直しや人材の確保・育成を進め、技術力および事業展開力の強化に努めてまいります。また、事業の多角化を目的にグループ化した子会社とのシナジーを活かし、自動車部品業界をはじめとした新規分野への展開を図ってまいります。 財務面においては、現時点で大きな課題はないものの、世界経済の不確実性や急変する市場環境を踏まえ、資金繰りの安定性や投資余力の確保に配慮しつつ、健全な財務運営に努めております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針 「人が求めること」は限りなく続くことであり、企業は更なる「研究開発」を続けることで、「高付加価値製品」を生み出していきます。 当社グループは、創ることから届けることまで、顧客のニーズに対してトータルに提案できる企業でありたいと考え、現在、情報エレクトロニクス分野を支えるディスプレイ関連事業を主たる柱として、環境ビジネスのクリーン・エコエネルギー関連事業あるいはメカトロニクス技術を活用したファクトリーオートメーション事業等、幅広い領域での「ものづくり」に専念し、更なる発展を続けていくことを経営の基本方針としております。 (2)経営戦略等 当社グループでは、安定した成長率の維持を最大の目標に、より一層の企業価値の向上を目指しております。 そのため、成長を牽引するためのドライバーとして「精密貼合技術を中心とした複合化技術」、「独自技術を開発し、高度化できるメカトロニクス技術」を活用し、今後の成長が見込まれる事業領域に経営資源を投下してまいります。世の中の技術革新に追随し、新たな製品領域への対応を積極的に行い、既存製品群につきましては、適切な設備投資や生産合理化を図り、競争力を向上させてまいります。 更に、研究開発を企業成長の推進力と位置づけ、複合的な技術を社内で集約することにより、常に新たな技術への挑戦を続け、新たな主力事業の確立に向けて取組んでおります。 また、当社グループ会社である株式会社東陽社製作所を活用し、自動車部品業界への関与を深め、新たなビジネスの展開を図ります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、収益性の向上を重視しており、生産性の向上、新製品開発及び営業力の強化を徹底し、経常利益率7%以上を確保することを経営指標としております。 また、当社グループは自己資本比率を財務の健全性の指標と認識しており、今後も適正な株主配当を行いながら、利益の内部留保に努め、自己資本の充実を目指してまいります。 (4)経営環境 当社グループを取り巻くビジネス環境は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要を背景に、景気は緩やかに回復いたしました。一方で、資源価格の変動や円安基調による物価上昇、金融政策の転換に伴う金利動向の変化、海外経済の減速懸念や地政学リスクの高まり等により、先行き不透明な状況となりました。また、設備投資は底堅く推移したものの、人手不足やコスト上昇への対応が課題となっております。 このような環境下において、当社グループは、精密貼合技術を核とした用途開発やグループ連携によるシナジー創出に取組んでおります。一方で、車載・エレクトロニクス分野における標準化や商流変動に加え、新興企業との競合や中国市場の景況感の変化等により、厳しい市場環境が継続しております。また、地政学的リスクの高まりに伴う物流コストや原材料価格への影響等についても、継続的に注視しております。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループは、研究開発型の企業として絶えず最新の技術動向を確認する必要があり、市場動向についても確実に捉える必要があります。クロスボーダーでの商品開発あるいは製造等の商流の変化に、機敏に対応することが課題と捉えております。そのため、組織体制の見直しや人材の確保・育成を進め、技術力および事業展開力の強化に努めてまいります。また、事業の多角化を目的にグループ化した子会社とのシナジーを活かし、自動車部品業界をはじめとした新規分野への展開を図ってまいります。 財務面においては、現時点で大きな課題はないものの、世界経済の不確実性や急変する市場環境を踏まえ、資金繰りの安定性や投資余力の確保に配慮しつつ、健全な財務運営に努めております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費が持ち直し、インバウンド需要も相まって、緩やかに回復いたしました。一方で、資源価格の変動や円安基調による物価上昇が家計や企業収益に影響を及ぼしたほか、金融政策の転換に伴う金利動向の変化等により、先行きは不透明な状況にあります。設備投資はデジタル化や脱炭素化関連を中心に底堅く推移しつつも、人手不足の深刻化やコスト上昇への対応が課題となりました。世界経済においては、デジタル関連投資やサービス需要に支えられ緩やかに成長いたしましたが、地政学リスクの高まりに伴う資源価格の上昇やインフレ圧力の再燃、金融市場の不安定化等により、成長の鈍化が見られました。 このような環境の中、当社グループでは、独自の精密貼合技術を核とした高付加価値製品の開発及び用途拡大を推進してまいりました。車載・エレクトロニクス分野においては、電気製品・部品を中心に最終需要の回復が鈍く、顧客の発注姿勢は年間を通じて慎重な状況が続きました。需要回復の遅れの影響を受け、受注環境は改善に至らず、当該分野の業績は低調に推移いたしました。FA関連、工作機械、エンジニアリング分野では、国内の設備投資に一部持ち直しの動きが見られたものの、中国をはじめとする一部地域の経済減速の影響を受け、全体として力強さを欠く展開となりました。当社グループは生産効率改善やコスト構造の見直しを進め、収益性向上に取組んだ結果、一部に改善が見られたものの、採算の改善や新規案件の創出にはなお課題を残し、厳しい状況が続きました。 この結果、当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,324百万円減少し、14,639百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,026百万円増加し、6,973百万円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,350百万円減少し、7,666百万円となりました。 また、当連結会計年度における経営成績は、売上高8,115百万円(前年同期比23.6%減)、営業損失78百万円(前連結会計年度は220百万円の営業利益)、経常損失68百万円(前連結会計年度は248百万円の経常利益)となりました。また、固定資産の減損損失2,027百万円を特別損失として計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純損失は2,301百万円(前連結会計年度は262百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。 セグメントの経営成績は以下のとおりであります。 精密貼合及び高機能複合材部門 国内外のディスプレイ及びタッチパネル市場では、市場全体として回復の動きに乏しく、タブレットやPC向け高性能モジュールについても需要の本格的な回復には至りませんでした。車載用途においても当社グループの対象分野での採用拡大は限定的であり、海外メーカーを含む競争環境の厳しさが受注面に影響を及ぼしました。このような事業環境のもと、当社グループは精密貼合技術の高度化や先端設備・新素材を活用した高付加価値製品の開発に引き続き取組んでまいりましたが、売上の回復には至らず、操業度の低下も影響したことから、当該部門の業績は通期を通じて低調に推移いたしました。その結果、当該部門は損失が拡大し、過去に比して低水準の業績となりました。市場環境の本格的な回復にはなお時間を要すると見込まれ、当面は慎重な事業運営が必要な状況にあります。 この結果、売上高5,081百万円(前年同期比30.3%減)、セグメント損失(営業損失)149百万円(前連結会計年度は24百万円の営業損失)となりました。 環境住空間及びエンジニアリング部門 国内太陽電池市場においては、従来型パネル分野を中心に海外メーカーとの競争が引き続き激しく、事業環境は厳しい状況が続きました。当社グループでは、従来製品のコスト最適化や建材一体型太陽電池の生産体制強化に継続して取組んでまいりました。また、次世代型太陽電池であるペロブスカイト太陽電池については、将来の事業化を見据えた研究開発段階にあり、現時点で収益への寄与は限定的であります。エンジニアリング部門においては、国内の設備投資環境に一部持ち直しの動きが見られたものの、顧客の投資判断は引き続き慎重であり、受注は総じて伸び悩む状況が続きました。当社グループでは、アジア新興国を含めた海外販売体制の整備を進めておりますが、地域・分野により装置需要にはばらつきが見られ、装置販売は低調に推移いたしました。 この結果、売上高3,033百万円(前年同期比9.0%減)、セグメント利益(営業利益)71百万円(同69.2%減)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、4,299百万円(前期末比146百万円増)となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果獲得した資金は、1,451百万円(前連結会計年度は437百万円の獲得)となりました。 これは主として、税金等調整前当期純損失2,304百万円があったものの、仕入債務の増加1,827百万円があったことによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は、415百万円(前連結会計年度は223百万円の使用)となりました。 これは主として、投資有価証券の償還による収入200百万円があったものの、定期預金の預入による支出543百万円があったことによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は、895百万円(前連結会計年度は1,227百万円の使用)となりました。 これは主として、長期借入れによる収入800百万円があったものの、長期借入金の返済による支出914百万円があったことによるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績イ.生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 令和7年4月1日至 令和8年3月31日)前年同期比(%)精密貼合及び高機能複合材部門(千円)4,572,371△31.4環境住空間及びエンジニアリング部門(千円)2,397,559△2.6合計(千円)6,969,931△23.7(注)金額は製造原価によっております。なお、セグメント間の取引については相殺消去しております。 ロ.受注実績当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)精密貼合及び高機能複合材部門5,081,942△30.3--環境住空間及びエンジニアリング部門2,998,955△13.4839,352△3.9合計8,080,898△24.8839,352△3.9(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。 ハ.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 令和7年4月1日至 令和8年3月31日)前年同期比(%)精密貼合及び高機能複合材部門(千円)5,081,942△30.3環境住空間及びエンジニアリング部門(千円)3,033,067△9.0合計(千円)8,115,010△23.6(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 令和6年4月1日至 令和7年3月31日)当連結会計年度(自 令和7年4月1日至 令和8年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)AGC株式会社3,205,90730.21,746,38221.5美浜株式会社--961,18011.8 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容イ.財政状態の分析(資産) 流動資産は8,458百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,300百万円の増加となりました。これは主に電子記録債権の減少326百万円があったものの、原材料及び貯蔵品の増加952百万円があったことによるものであります。 固定資産は6,181百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,624百万円の減少となりました。これは主に建物及び構築物の減少875百万円、機械装置及び運搬具の減少704百万円、土地の減少579百万円等があったことによるものであります。 この結果、総資産は14,639百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,324百万円の減少となりました。(負債) 負債は6,973百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,026百万円の増加となりました。これは主に短期借入金の減少570百万円があったものの、買掛金の増加1,694百万円があったことによるものであります。(純資産) 純資産は7,666百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,350百万円の減少となりました。これは主にその他有価証券評価差額金の増加122百万円があったものの、利益剰余金の減少2,472百万円があったことによるものであります。ロ.経営成績の分析 経営成績の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報イ.キャッシュ・フローの状況の分析 当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は4,299百万円となり、前連結会計年度末に比べ146百万円増加いたしました。これは投資活動の結果使用した資金及び財務活動の結果使用した資金がそれぞれ415百万円及び895百万あったものの、営業活動の結果得られた資金が1,451百万円あったことによるものであります。 上記の他、各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。ロ.資本の財源及び資金の流動性 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費、人件費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、研究開発投資等であります。当社グループは、営業活動により得られるキャッシュ・フローを基本に、将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達していく考えであります。 なお、当連結会計年度末における長短借入金の残高は、3,824百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は4,299百万円となっております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。なお、当社グループの連結財務諸表作成において採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ④ 経営上の目標の達成・進捗状況 当社グループは、収益性の向上を重視しており、生産性の向上、新製品開発及び営業力の強化を徹底し、経常利益率7%以上を確保することを経営指標としております。当連結会計年度においては経常損失を計上(前連結会計年度は経常利益率2.3%)し、目標水準を下回る結果となりました。また、当社グループは自己資本比率を財務の健全性の指標と認識しております。当連結会計年度における自己資本比率は52.4%となり、財務基盤の安定を維持しております。引き続き、収益性の改善及び財務基盤の維持・強化に取組んでまいります。

事業リスク

  • 市場変動と製品依存
    主力製品である液晶ディスプレイ用部材やタッチパネルセンサー基板は、ディスプレイ市場の動向に大きく左右されます。市場の急激な需要変動は、同社の経営成績に影響を与える可能性があります。特に、車載関連商品の比率が高まっており、世界的な半導体不足による車両製造台数減少もリスク要因となり得ます。
  • 原材料調達の不安定性
    原材料の調達は国境を越えるケースが増加しており、世界経済の動向や原油価格などのエネルギー価格変動の影響を受けやすくなっています。調達ルートの多様化を進めていますが、想定を超える困難が生じた場合、原材料の安定供給が難しくなり、同社の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 災害と感染症の影響
    主力製品の生産拠点が兵庫県西播地域に集中しているため、地震や停電などの災害が発生した場合、生産活動が停止し、経営成績に影響を与えるリスクがあります。また、感染症の世界的流行による行動制限や物流停滞も、生産・販売活動、サプライチェーン、人材確保などに悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,818 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、ここに記載されたものが当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではありません。(1)当社グループの事業環境について① 商品市場の動向変化に伴うリスク 当社グループの主力製品である液晶ディスプレイ用部材及びタッチパネルセンサー基板は、ディスプレイ市場の動向により需要が変動いたします。当社グループでは、急激な需要の増減に耐え得る生産ラインの構築に取組んでおりますが、想定を上回る変動が発生した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社では市場動向を注視し、生産体制の柔軟な運営に努めております。② 特定の製品依存リスク 当社グループの売上高は、ディスプレイ関連商品の比重が高く、当該商品の売上高が大きく減少した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。その中でも車載関連向け商品については、車載市場の需要変動に加え、半導体供給動向、通商政策及び地政学的リスク等に起因するサプライチェーン環境の変化の影響を受ける可能性があります。今後、売上高の多様化に向けて研究開発等に注力してまいります。③ 原材料の調達リスク 当社グループの使用する原材料については、クロスボーダーでの調達が増加しております。このため、世界的な景気動向や原油価格等のエネルギー価格変動の影響を受けるおそれがあります。当社グループでは、調達ルートの多様化を推進しておりますが、想定を上回る困難が生じた場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。④ 製品の品質に関するリスク当社グループは、グループを挙げて製品の品質維持・管理に取組んでおりますが、万一、製造物責任に関わる製品事故が発生した場合、賠償費用の発生により、当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。そのため、品質マネジメント委員会の設置、契約内容の精査、保険への加入等により不測の事態に備えております。⑤ 災害によるリスク当社グループの主力製品生産拠点は、姫路市、たつの市等兵庫県西播地域に集中しており、地震や停電その他の災害が発生した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、災害情報やハザードマップ等について最新の情報を入手し、災害への備えを進めております。⑥ 感染症リスク感染症の世界的流行やそれに伴う行動制限・物流停滞等が発生した場合、当社グループの生産・販売活動、人材の確保、サプライチェーン、研究開発、資金調達等に影響を及ぼす可能性があります。感染症による社会・経済活動への制約が長期化または再発した場合には、業績や財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。当社グループでは、十分な予防措置を講じ、従業員の安全と企業の生産性の両立に努めてまいります。⑦ 地政学リスク 当社グループは、原材料調達、生産活動及び製品販売において、海外企業との取引や国際物流を一部活用しております。このため、国際情勢の変化や地政学的緊張の高まり、各国の通商政策の変更、紛争・制裁措置等が発生した場合には、原材料価格の上昇、物流コストの増加、調達遅延等が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、調達先及び物流ルートの多様化、適正在庫の確保等を通じて、サプライチェーンの安定化に努めております。 (2)特許権等の取得方針について 当社グループの内製生産技術は、設立以来、永年の経験に基づき構築してきた技術でありますが、特許権等の取得には馴染まない技術が多く含まれております。特許を取得した場合、生産方法が推定され、生産工程を模倣される危険性があります。 当社グループでは、現在のところ、精密貼合技術等を中心とした内製生産技術に関する特許権等の取得は不要であると考えており、これらの生産技術の外部流出防止策として、従業員との機密保持契約の締結、生産工程の外部遮断等、技術全体のブラックボックス化を行っております。

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