事業の概要
- デジタル治療アプリ開発サスメドは、医薬品や医療機器に続く「第三の治療法」として注目されるデジタル治療(DTx)アプリの開発を主力事業としています。これは、スマートフォンのアプリなどを通じて、不眠症などの慢性疾患に対し、科学的根拠に基づいた治療を提供するものです。従来の治療法に比べて、患者が医療にアクセスしやすく、治療の中断率を減らす効果が期待されています。
- 臨床試験システム提供DTxアプリの開発で培った独自の臨床試験システムを、製薬企業や研究機関などに提供しています。このシステムは、医薬品開発のプロセスを効率化することを目的としており、特にリモートでのデータ取得など、従来の治験が抱える課題を解決する手段として活用されています。
- 医療データ分析システム膨大な医療データを機械学習で自動分析するシステムも提供しています。このシステムは、製薬企業や研究機関が、レセプトや電子カルテといったリアルワールドデータ(RWD)を効果的・効率的に活用し、新しい医薬品や医療サービスの開発・改善に役立てることを目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- デジタル治療プロダクト事業この事業は、不眠障害用アプリをはじめとする治療用アプリの開発・販売を行っています。特に不眠障害用アプリは2023年2月に厚生労働省から医療機器製造販売承認を取得しており、事業の柱として期待されています。最新年度の売上は3億円、営業利益は1.18億円を計上しており、収益の大部分を占める稼ぎ頭です。
- デジタル治療プラットフォーム事業この事業は、汎用臨床試験システムと機械学習自動分析システムの提供、およびこれらシステムを活用したDTx開発支援から構成されます。製薬企業や研究機関の創薬プロセス効率化を支援し、医療データ活用を促進しています。最新年度の売上は1.63億円、営業利益は0.33億円であり、プロダクト事業を支える重要な基盤事業です。
2025-06 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| DTxProductBusinessReportableSegment | 地域 | 3 | 1 | 39.4% |
| DTxPlatformBusinessReportableSegment | 地域 | 2 | 0 | 20.3% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】(1) ビジネスモデルの概要当社は、「ICT(※1)の活用によって持続可能な医療サービスを社会に提供し続けること」をミッションに、医薬品、医療機器に次ぐ第三の治療法として注目されている「デジタル治療(Digital Therapeutics、以下「DTx」といいます。)」の開発を中心として事業展開を行っております。また、DTxの開発にあたって独自に構築した臨床試験システムを汎用化し、製薬企業、学術研究機関、医療機関、医薬品開発業務受託機関(Contract Research Organization、以下「CRO」といいます。)等の第三者へ提供することで業界全体での創薬プロセスの効率化を、加えて、世の中に膨大に蓄積されている医療データの利活用を目的として開発した機械学習による自動分析システムを製薬企業、学術研究機関等へ提供することで効果的・効率的な医療サービスの実現を目指しております。当社のセグメントは①治療用アプリの開発と提供を行う「DTxプロダクト事業」、②汎用臨床試験システムと機械学習自動分析システム並びにこれらシステムを活用したDTx開発支援から構成される「DTxプラットフォーム事業」の2つとなります。なお、「DTxプロダクト事業」のうち、「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」については、2026年5月に保険収載(※2)が了承され、2026年6月より販売を開始いたしました。 (ビジネスモデルイメージ図) (2) 医薬産業を取り巻く現状と課題2015年9月の国連サミットにおいてSDGs: Sustainable Development Goalsが採択され、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するための目標が掲げられました。SDGsの目標の中の1つに「すべての人に健康と福祉を」という項目が挙げられており、「持続可能な医療」が世界的にも求められております。一方で国内に目を向けると、2024年度の医療給付費は44.8兆円、GDPの7.0%に相当する規模となっており、高水準で推移しております(出典:国立社会保障・人口問題研究所「令和6年度 社会保障費用統計」)。この高い医療費水準は高齢化の進行によって医療を必要とする人口が増加したこと及び長期の療養が必要になる慢性疾患が増加したことに加えて、高額な医薬品の普及など医療の高度化による影響も強く受けております。慢性疾患への対応では、DTxと呼ばれる新しい治療法が、コストを抑えながら適切な医療を患者に提供する手段として注目されております。DTxは、スマートフォンのアプリケーションなどの形態をした、ソフトウェアによる治療手段で、規制当局の承認を得た科学的根拠に基づく医療機器である、という点で一般的なヘルスケアアプリケーションとは異なります。DTxでは、患者の医療へのアクセスが通常の医療と比べて容易になり、加えて医療機関外での活動データの蓄積が可能となることから、「治療中断率が高い」「適切/適時/適量の治療介入が行えず、結果として療養が長期にわたる」という慢性疾患特有の課題解決につながることが期待されておりますが、ようやく導入期に差し掛かった段階にあります。 (治療用アプリの立ち位置) (治療用アプリと一般的なヘルスケアアプリの違い) 一般的に有体物である医薬品や医療機器では、非臨床試験(※3)として、人体への投与・使用の可否判断を目的とした動物実験等の生物医学的試験の実施が必要となりますが、治療用アプリでは、それらが省略できるほか、医療機器承認後の製造過程においても、ソフトウェア自体が製品となるため製造設備が不要であることに加え、工程管理や品質管理などが比較的容易であり、開発コスト、開発期間、販売後の収益性といった多くの面で大きくリスクを低減できます。 (治療用アプリ開発のプロセス:コストと期間) 医療の高度化に関しては、近年、新しい医薬品・医療機器の開発コストが高騰し続けており、グローバルの大手製薬企業から収集したデータによる推計に基づいて医薬品の開発コストを一剤当たりで比較すると、1990年代に3億1千8百万ドルだったものが2010年には17億7千8百万ドルと5倍以上に膨れ上がっております(出典:医薬産業政策研究所「製薬産業を取り巻く現状と課題」(2014))。そして、このような開発コストの高騰は、高額な薬価に繋がり、最終的には社会保障費の増加を引き起こします。そうした中、厚生労働省を中心に後発医薬品の使用が継続的に推進されておりますが、後発医薬品の普及は社会保障費の抑制につながる反面、新薬の開発に対する民間企業のインセンティブを減少させる可能性もあります。製薬産業については、2024年時点での売上上位100品目の医薬品に関して特許発明者の所在地を創出国として定義した場合、日本の新薬創出能力はアメリカ、スイス、ドイツに次いで世界第4位(出典:医薬産業政策研究所「世界売上高上位医薬品の創出企業の国籍 -2024年の動向-」(2026))に回復しておりますが、国際競争力の維持は引き続き我が国にとって最重要課題の1つとなっております。新しい医薬品・医療機器を開発する際には、臨床試験・治験といった臨床開発が行われますが、労働集約的で煩雑なプロセスやそれに伴う実施費用の高額化が開発コストの高騰に直結する課題とされており、近年は、臨床試験データをリモートで取得する「リモート治験」が欧米の製薬企業を中心に取り組まれております。リモート治験においても、被験者の識別(なりすまし防止)、医療データの安全な取得・保管・利用など、通常の臨床試験とは異なる課題があり、解決のための手段が求められております。日本では、新薬開発前のシーズ発掘、新薬開発プロセスや市販後調査の効率化を目的として、リアルワールドデータ(以下、「RWD」といいます。)(※4)と呼ばれるレセプト(※5)や電子カルテなどの匿名化された患者単位の医療データを分析する専門部署を2015年ごろから製薬企業が立ち上げ、それに呼応する形で2016年に厚生労働省がレセプトデータベースを公開、2018年には独立行政法人医薬品医療機器総合機構がMID-NET(※6)の本格運用を開始するなど、既に海外では活用が進んでいるRWDを我が国でも活用しようという動きになっております。新薬開発に関しても、医薬品・医療機器の開発にRWDの活用を可能とするためのガイドラインとして「承認申請等におけるレジストリの活用に関する基本的考え方」や「レジストリデータを承認申請等に利用する場合の信頼性担保のための留意点」が厚生労働省より発出されています。このようなRWDの分析・活用には、分析担当者が日常使用しているような表計算ソフトウェアでは機能・容量面で不十分であり、巨大なデータセットでも取扱可能な統計分析専用のツールやAI(人工知能)機能を組み込んだソフトウェアなどが使用されておりますが、分析結果の根拠が不明確など、医療業界で求められる水準への対応が難しいことや、分析結果の利用に際して後処理に多大な工数を要することが課題となっております。 (3) 具体的な製品又はサービスの特徴当社は、前項で述べてきた「医療に対する国家歳出の増大」という課題に対して、「治療用アプリ開発」による新しい治療法の提案、「汎用臨床試験システム」の提供による創薬プロセスの効率化による開発コストの適正化、「機械学習自動分析システム」の提供による医療データの活用による医薬産業のバリューチェーン全体の効率化という大きく3つの方向性から課題を解消すべく事業活動を行っております。 ①「DTxプロダクト事業」セグメント〔治療用アプリ開発〕当社は、アンメットメディカルニーズ(※7)への解決策の提案を目指して、慢性疾患や認知行動療法(※8)、運動療法(※9)が有効とされる疾病に対する複数のDTxの開発を行っております。2026年6月より「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」の販売を開始し、採用医療機関の拡大や医療機関及び患者に対する認知度の向上に取り組んでおります。本書提出日現在における開発中のパイプライン(※10)は以下のようになっており、中でも耳鳴治療用アプリは検証的試験(※11)を開始しており、開発が最も進捗しております。また、乳がん運動療法や慢性腎臓病、月経前症候群・月経前不快気分障害を対象とした治療用アプリは次の試験に向けて準備を行なっております。 (当社の治療用アプリの開発パイプライン) 厚生労働省の調査によると、日本人の5人に1人が「睡眠で休養が取れていない」「何らかの不眠がある」と調査に回答しております(出典:厚生労働省「e-ヘルスネット」不眠症)。また、睡眠障害による日本の経済損失は年間880~1,380億ドルに上るという試算もある(出典:RAND Corporation 「RAND Health Quarterly, 2017; 6(4):11」)ため、睡眠障害の治療は医療経済的観点での喫緊の課題となっております。中でも不眠障害(不眠症)に対する治療法は、米国国立衛生研究所(NIH)の指針では認知行動療法(CBT-I)が第一選択とされておりますが、日本は睡眠薬による治療が中心であり、その処方量が先進国の中でも多く、厚生労働省が多剤処方(※12)に対して保険点数を減算するなどにより処方減に取り組んでおりますが結果として中小規模の医療機関の経営に大きな影響を及ぼしております。不眠障害に対する認知行動療法は2026年6月から国内でも保険適用対象となり、これからの普及が期待されているところです。 このような外部環境の中、当社は、薬物治療や対面式の認知行動療法とは区別された新たな治療選択肢の確立を目指して、認知行動療法をコンセプトとした治療コンテンツを提供するプログラム医療機器(※13)の開発を進めておりましたが、2026年6月より、「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」の販売を開始いたしました。事業推進上、対処すべき課題としては、「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」の採用医療機関の拡大や認知度の向上に加え、開発中の他のパイプラインの治験の成功による医療機器承認と、保険収載及び収益確保が可能となる保険点数の実現が挙げられます。 (「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」の提供プロセス) 「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」については、学会での展示やウェビナーの実施等のプロモーション活動に取り組むことで医療機関に対する働きかけを推進し、いち早く普及させてまいります。具体的に、医師向けには一般社団法人日本睡眠学会で臨床試験の成果に関する解説並びに認知行動療法をコンセプトとする治療コンテンツを提供するアプリに関する啓発を代表取締役社長の上野を中心に行い、潜在患者を含む一般消費者向けには睡眠薬を使用しない不眠障害の治療に関する情報提供として、当社が開設した不眠症に関する疾患啓発サイト「眠りの道しるべ」を通じて信頼性の高い情報を積極的に発信してまいります。「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」以外のパイプラインとしては、乳がん患者向けの運動療法を国立研究開発法人国立がん研究センターと、「人生会議」という愛称でも知られるアドバンス・ケア・プランニング(以下、「ACP」といいます。)を提供する治療用アプリを東京慈恵会医科大学と共同で開発しております。2023年には男女合わせて103,424人が乳がんに罹患しており(出典:国立研究開発法人国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録))、2024年には男女合わせて16,005人が乳がんによって死亡しています(出典:国立研究開発法人国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省 人口動態統計))。累積罹患リスクで見ると女性の9人に1人が生涯で乳がんに罹患するとされており、部位別では最も罹患率の高い疾患となっています(出典:国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター「累積罹患リスク」)。海外の論文では、運動療法の実施によって死亡率が低下することが実証されており(Holmes MD et al. JAMA 2005;293:2479-2486)、一般社団法人日本乳癌学会が発行している「乳がん診療ガイドライン」でも運動療法が推奨されていますが、医療者の時間的リソースに対する負担が大きく、現状は普及に課題を抱えています。当社は、現状のリソース面での課題を克服しつつ効果の実証された運動療法を患者に提供するために、国立研究開発法人国立がん研究センターと共同で治療用アプリを開発しております。臨床研究では、身体機能や予後(※14)の指標である最高酸素摂取量がアプリでの介入により有意に改善し、その結果について論文を発表いたしました(Ochi et al.,2021, BMJ Support Palliat Care)。現在は、今後の臨床試験に向けてプロトコル(※15)の検討を行っております。ACPは、人生の最終段階における治療や療養についてあらかじめ考え、患者やその家族と医療者の間で繰り返し話し合い共有する自発的な取り組みのことです。ACPの実施によって早期に緩和ケアに取り組んだ結果、予後の延長やQOL(※16)の改善といった効果が実証されており(Temel JS et al. N Engl J Med. 2010 Aug 19;363(8))、アメリカや台湾では医療保険の適用対象としてACPが実施されています。日本でも、ACPによる早期緩和ケアと意思決定支援による患者の不安・抑うつ症状の改善、加えて死亡直前の抗がん剤投与の減少による医療費の適正化を目的として、国全体でACPの普及啓発に努めています。そのような環境の中、当社は、東京慈恵会医科大学との共同研究において、進行がん患者に対するACP用プログラム医療機器を開発しており、2020年から厚生労働科学研究費「がん対策推進総合研究事業」に採択されております。PoC(※17)取得に向けた探索的試験(※18)を完了しており、その結果については米国臨床腫瘍学会のオーラルセッションで発表を行っております。現在は、企業治験(第Ⅱ相臨床試験に相当)を実施しており、引き続き、ACP用プログラム医療機器の提供によって、不適切な治療の中止と患者自身の不安・抑うつ症状の改善を目指し、取り組みを進めてまいります。また、慢性腎臓病患者向けに運動療法を提供する治療用アプリを国立大学法人東北大学並びに一般社団法人日本腎臓リハビリテーション学会と共同で開発しております。慢性腎臓病は心不全、心筋梗塞、脳血管障害などのリスク因子であり、その患者数は日本国内で1,300万人と推計されています(出典:厚生労働省「腎疾患対策検討会報告書~腎疾患患者対策の更なる推進を目指して」2018年7月)。慢性腎臓病患者の発症要因としては糖尿病や高血圧などの生活習慣病が挙げられ、生活習慣の変化とともに患者数が増加しております。また、国内の透析患者数は約33万人、透析治療にかかる医療費は患者1人あたり年間500万円と高額であり、総医療費の4%(約1兆6,000億円)を占めている(出典:ニッセイ基礎研究所「人工透析の増加-慢性腎臓病の早期発見は進むか?」2018年)ことから、日本の社会保障費の適正化を図る上で慢性腎臓病患者の透析治療への移行を食い止めることが喫緊の課題となっております。慢性腎臓病患者の腎機能の改善もしくは悪化抑制においては、腎臓リハビリテーションが有効であることが示され、一般社団法人日本腎臓リハビリテーション学会が発刊したガイドラインでも推奨されていますが、その普及にあたっては、各医療機関での医師や理学療法士などのリソース不足が課題となっています。 当社は、現状のリソース面での課題を克服しつつ効果が示されている腎臓リハビリテーションを患者に提供することを目指して、治療用アプリを開発しております。現在は、PoC取得に向けた探索的試験を完了し、今後の臨床試験に向けたプロトコルの検討を行っております。また、2022年11月には杏林製薬株式会社(本社:東京都千代田区、以下「杏林製薬」といいます。)との間で、耳鼻科領域において、耳鳴に対する新たな治療選択肢の提供を目指し、治療用アプリの共同研究開発及び販売に関する契約を締結いたしました。本書提出日現在、検証的試験を開始しております。さらに、2023年9月にあすか製薬株式会社(本社:東京都港区、以下「あすか製薬」といいます。)との間で、産婦人科領域における治療用アプリの共同研究開発及び販売に関する契約を締結し、2025年1月より開始した特定臨床研究(※19)において期待する有効な結果が確認できたことから、次の開発段階に進むことに合意しております。加えて、持続性知覚性姿勢誘発めまいに対して国立大学法人新潟大学と共同開発を行っている治療用アプリに関して、2024年8月より実施していた臨床研究の結果が2026年5月の「第127回日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会総会・学術講演会」において報告されております。 ②「DTxプラットフォーム事業」セグメント〔汎用臨床試験システム〕前項で記載した「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」の開発過程において獲得したノウハウをベースに、効率的な臨床試験を実施するためのシステム開発を行っております。リクルーティング(※20)の効率化やモニタリング(※21)コストの削減などを通じて医薬品・医療機器の開発コストの適正化が期待できる「リモート治験」が2017年頃から欧米を中心に広がってきていますが、日本では試験データの真正性の確保に課題を残しており、ごく限定的な範囲でのみ実施されている状況です。当社のシステムには、リモート治験における上記の課題を解決するために、被験者として適切な対象かどうかを判定する「適格性判定」、データ入力者の本人性を確認する「なりすまし防止」、ブロックチェーン技術(※22)(特許第6563615号、特許第6245782号、特許第6340494号、特許第6530578号、特許第6245783号、ほか)を用いた「データ改竄耐性」、臨床試験データの欠損を防ぐ「デジタル指導」など、リクルーティングから臨床試験データの解析まで、一貫してデータの真正性を確保するための幅広い機能に関する特許技術を実装しております。「データ改竄耐性」の機能に関しては実証実験結果を国際医学雑誌上で論文として発表しており(Motohashi et al., 2019, JMIR)、労働集約的になっている実地でのモニタリング業務の代替によって大幅な臨床試験コストの削減を目指しております。本システムに関しては、共同研究契約を国立がん研究センター中央病院と締結後、乳がん患者に対する運動療法アプリを構築し、2019年5月より臨床研究を行っておりました。本臨床研究の実施にあたって採用したシステム構成では、臨床研究データの効率的な信頼性担保を目的としてインフラ部分に上記ブロックチェーン技術を採用しており、経済産業省・厚生労働省の大臣認証を得た上で内閣府の規制のサンドボックス制度(※23)に採択されております。GCP省令(※24)第21条において「1.治験依頼者は、モニタリングに関する手順書を作成し、当該手順書に従ってモニタリングを実施しなければならない。2.前項の規定によりモニタリングを実施する場合には、実施医療機関において実地に行われなければならない。ただし、他の方法により十分にモニタリングを実施することができる場合は、この限りではない。」とされているものの、「他の方法」にどのようなものがあるか、「十分にモニタリングを実施することができる」とはどのような状態か、が不明確な状況でした。当社は、規制のサンドボックス制度の中で①ブロックチェーン技術の実装により当社が構築したシステムを使用して適切な改ざん防止措置が講じられ、②被験者や医療機関(利害関係者でないもの)が入力した情報(原資料等)が直接的に報告データに反映される等の手法を用いることが「十分にモニタリングを実施することができる」場合に該当することを確認し、報告を行いました。この報告を受けて、内閣府が「治験データ等と原資料との一致性が確保できるようブロックチェーン技術を活用するときは、その一致性を確認するための実地でのSDV(Source Data Verification)(※25)が求められないことが治験依頼者等にあらかじめ明らかとなるよう、解釈の明確化その他必要な措置を講じる」ことを成長戦略フォローアップの中で明示しました。サンドボックス制度の研究成果については、国際医学雑誌上で論文として発表しております(Hirano et al., 2020, JMIR)。その後、グレーゾーン解消制度(※26)において、当社システムの利用によって実地での照合作業を省略したとしてもGCP省令第21条に違反するものではないこと、並びにこの解釈が医薬品のみではなく、医療機器や再生医療等製品の治験、特定臨床研究でも適用可能であることの確認を要請し、2020年12月には厚生労働省から、当該システムを利用することで実地での照合を省略することはGCP省令に違反するものではなく(ただし、データを直接連携・同期していない部分についての一致性の確認まで一概に不要とは言えず、データの一致性の確認以外の業務については引き続き適切に実施する必要がある)、また、医薬品以外にも本件の解釈が適用可能であるという回答を得ました。 (臨床試験における業務フローの比較) 2022年6月には、アキュリスファーマ株式会社(現 ヴィアトリス製薬合同会社、本社:東京都港区、代表者:ソナ・キム)との間で企業治験としては世界初となるブロックチェーン技術を活用した治験の実施に関する業務委託契約を締結し、同社においてナルコレプシー患者を対象としたヒスタミン H3 受容体拮抗薬/逆作動薬 Pitolisant の国内第Ⅲ相臨床試験、ならびに閉塞性睡眠時無呼吸症候群に伴う日中の過度の眠気が残存する患者を対象としたヒスタミン H3 受容体拮抗薬/逆作動薬 Pitolisant の国内第Ⅲ相臨床試験が実施され、本書提出日現在、当該医薬品の製造販売承認が取得されたことが報告されております。また、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センターが実施する筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群を対象とした医師主導治験や杏林製薬と共同研究開発を進めている耳鼻科領域での治療用アプリ、Heartseed株式会社(本社:東京都港区、代表者:福田 惠一)の虚血性心疾患及び拡張型心筋症による重症心不全を対象にした心筋再生医療HS-005(カテーテル投与)の第I/II相試験などの企業治験においても当社の臨床試験システムが活用されています。そのほか2023年10月には、2021年に採択された国立大学法人東京医科歯科大学(現 国立大学法人東京科学大学)とのAMED「研究開発推進ネットワーク事業」において、当社のブロックチェーン技術を活用した手法が従来の手法に比してモニタリング業務にかかる工数を削減する旨の成果が報告されており、今後も、アカデミア及び製薬企業を中心とする事業会社を対象に本システムの普及に努め、臨床試験の効率化を目指してまいります。加えて、当社のブロックチェーン技術の臨床試験以外での活用を目指し、2022年5月には国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センターとの間で共同研究を開始しております。本共同研究は、ブロックチェーン技術を精神疾患レジストリ(※27)に拡大適用することによりRWDの質の担保をシステムで実現することを目的としたもので、AMEDの「データ利活用を推進するための臨床データの加工手法と質の担保に関する研究開発」に採択されております。また、2023年9月には国立大学法人東北大学と静脈疾患レジストリの構築に関する基本合意を締結し、2024年12月には統合型静脈疾患レジストリシステムを構築し、現在、企業へ提供しております。 〔機械学習自動分析システム〕医療業界で求められているRWDの活用に向けて、Awesome Intelligenceという名称で分析基盤を開発し、クラウドサービス(※28)としての提供を開始しております。既存のAIシステムでは、その判断基準がAI内で学習データと呼ばれる大量のデータに基づいて自律的に構築されるため、システムを操作する人間側には判断基準やその根拠が示されず、ブラックボックス型(※29)になってしまうことが医療分野での利用に際して課題となっております。一方で、当社が開発したAwesome Intelligenceでは、分析結果を導き出す際にシステムが注目した特徴量(※30)の寄与度を明示するようなホワイトボックス型(※31)の機械学習をコアアルゴリズムとすることで、医療分野で求められる判断理由の説明を可能としております。また、データサイエンス領域での経験が十分でない医療関係者でも柔軟に分析が行えるように、データの前処理の自動化や分析結果の出力などにより利便性を高めた仕様としております。当期においても、因果探索基盤技術の開発に関する国立大学法人滋賀大学との共同研究をはじめ、複数の製薬企業や学術研究機関、医療機関において活用されました。 (Awesome Intelligenceの概要) 〔DTx開発支援〕自社での治療用アプリ開発並びに治療用アプリを対象とした臨床試験実施の経験に基づいて、治療用アプリの開発を目指す企業を支援しております。治療用アプリを開発するためには、その制作段階において、臨床ニーズの特定から治療アルゴリズムの検討、及びアルゴリズムのアプリケーションへの実装が必要となり、加えて、治療用アプリの制作が完了した後も臨床試験のプロトコル検討、治療用アプリの管理システムの構築、実際の臨床試験の運用までが求められます。アプリケーション開発と臨床開発という異なる専門性をワンストップで提供することで、既にシーズを保有している企業の効率的な治療用アプリ開発を実現しております。また、治療用アプリの制作においては、患者への介入方法、介入を決定するアルゴリズム、患者データの取得といった複数の機能を汎用的なモジュールとして用意し、それらモジュールの組み合わせだけで迅速にアプリケーションの開発を行うことができるシステム基盤を構築しております。当該システム基盤の活用によってアプリケーションの開発期間が短縮できるため、PoC取得に要する時間も短縮が可能です。 <用語解説>※1ICTInformation and Communication Technology。情報通信技術。※2保険収載健康保険制度の適用対象となること。※3非臨床試験臨床試験における人体への投与・使用の可否を判断することを目的に、動物、培養した細胞、コンピュータ上のシミュレーション等を用いて、開発中の医薬品や医療機器の有効性、安全性の評価・証明を行うための試験。※4リアルワールドデータ調剤レセプトデータ、保険者データ、電子カルテデータなど、臨床現場で得られる診療行為に基づく情報を集めた医療ビッグデータ。※5レセプト患者が受けた保険診療について、医療機関が保険者に提出する月ごとの診療報酬明細書。患者に対して、どのような診断・検査・治療が行われ、処方された薬剤の内容が記載されている。※6MID-NETMedical Information Database Network。国内の複数の大規模医療機関が保有する電子カルテやレセプト(保険診療の請求明細書)等の電子診療情報をデータベース化して解析するためのシステム。※7アンメットメディカルニーズまだ有効な治療法が確立されていない疾病に対する、新しい治療薬や治療法への患者、医師からの強い要望。※8認知行動療法個人の認知や行動に働きかけることで病態を改善する治療法。※9運動療法運動を行うことで、障害や疾患の治療を行う治療法。※10パイプライン研究開発段階にある製品の候補品のこと。※11検証的試験対象となる薬物、医療機器の使用方法、治療方法を決める試験。第三相試験とほぼ同じ意味。※12多剤処方1回の処方で複数種類の薬剤を投与すること。睡眠薬の場合、3種類以上の処方で減算対象となる。※13プログラム医療機器疾病の診断、治療又は予防等を目的とする単体のプログラム(ソフトウェア)であって、医療機器に該当し医薬品医療機器等法の規制を受けるもの。AIによる診断支援システムや医師の処方が必要な治療用アプリなどが挙げられる。※14予後手術や病気、創傷の回復の見込み。※15プロトコル臨床試験実施計画書。※16QOLQuality Of Life。治療や療養生活を送る患者さんの肉体的、精神的、社会的、経済的、すべてを含めた生活の質。※17PoCProof Of Concept。新しい技術や理論、原理、手法、アイデアなどに対して、実現可能か、目的の効果や効能が得られるかなどを確認するために実験的に行う検証工程のこと。治療用アプリの開発では、検証的試験の開始前に行われる。※18探索的試験検証的試験における用法、用量、試験デザイン、主要評価項目を検討するための試験。第二相試験とほぼ同じ意味。※19特定臨床研究臨床研究のうち製薬企業等から資金提供を受けて実施される臨床研究、または国内で未承認・適応外の医薬品等を用いて行われる臨床研究であり、臨床研究法に準拠して実施。※20リクルーティング臨床試験において被験者を募集すること。※21モニタリング医療機関で行われる臨床試験がGCP(Good Clinical Practice、医薬品の臨床試験の実施基準)、治験実施計画書、各種手順書等に基づき、適正に行われていることを調査する業務。※22ブロックチェーン技術情報通信ネットワーク上にある端末同士を直接接続して、取引記録を暗号技術を用いて分散的に処理・記録するデータベースの一種。暗号技術の活用により、データの耐改竄性・透明性が実現できるとされている。※23規制のサンドボックス制度IoT、ブロックチェーン、ロボット等の新たな技術や、プラットフォーマー型ビジネス、シェアリングエコノミーなどの新しいビジネスモデルの社会実装に向け、規制官庁の認定を受けた実証を行い、その結果を用いて規制の見直しにつなげていく制度。 ※24GCP省令医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(Good Clinical Practice)。治験を行う製薬企業、病院、医師が遵守しなければならない規則。※25SDV(Source Data Verification)提出されたデータ(主に症例報告書)を原資料と照合・確認し、データの質を保証するGCP省令等の要請に基づき実施される臨床試験(治験)におけるモニタリング作業の1つ。※26グレーゾーン解消制度事業者が現行の規制の適用範囲が不明確な場合においても、安心して新事業活動を行い得るよう、具体的な事業計画に即して、あらかじめ規制の適用の有無を確認できる制度。※27レジストリ医療の向上や新薬開発、市販後調査等へ利用することを目的として、特定の疾患や健康状態等について、治療内容、治療経過などの医療情報や健康情報を収集して構築したデータベース。実際の医療環境下で取得されたリアルワールドデータの一つ。※28クラウドサービス従来コンピューター端末にインストールすることで利用していたデータやソフトウェアをネットワーク経由で利用者に提供するサービス。※29ブラックボックス型AIの判断・分析結果について、その結果に至った根拠が説明不可能なシステム。※30特徴量物事や事象などの特徴が表現されたデータ。※31ホワイトボックス型AIの判断・分析結果について、その結果に至った根拠が説明可能なシステム。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 医療機器としての承認と保険収載が必要であり、価格設定に規制の影響を受けるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 規制 治療用アプリは医療機器に該当し、厚生労働大臣による製造販売承認・登録が必要。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | ディフェンシブ |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 軽い(資本不要) |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:研究開発の不確実性 / 医薬品医療機器等法その他の規制 / 小規模組織及び少数の事業推進者への依存
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 1 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
現時点では、サスメドが保有する特許、ブランド、規制ライセンス、独占的IPなどの無形資産に関する具体的な情報は開示されておらず、競争優位性の源泉としての無形資産の存在は確認できません。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
医療DXプラットフォーム「サスメド」は、医療機関の業務効率化やデータ活用を支援するが、現時点では顧客が他社サービスへ乗り換える際の具体的なスイッチングコスト(データ移行の複雑さ、学習コスト、システム連携の難易度など)に関する情報は乏しく、乗り換え障壁は低い可能性があります。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
サスメドの事業モデルにおいて、ユーザー数が増加することでサービスの価値が向上するネットワーク効果は現時点では確認されていません。プラットフォームの利用拡大が直接的な価値向上に繋がる構造は見られません。
コスト優位☆☆☆☆☆
サスメドの事業において、競合他社と比較して構造的に低コストでサービスを提供できるような優位性は現時点では確認されていません。開発・運用コストに関する具体的な情報も乏しいです。
規模の経済☆☆☆☆☆
サスメドの事業規模や市場シェアに関する情報が限定的であり、業界全体に対して最適な少数寡占を形成している、あるいはその規模による効率性で優位に立っているという証拠は現時点では見当たりません。
- 規制当局承認のデジタル治療サスメドが開発する不眠障害用アプリは、2023年2月に厚生労働省から医療機器製造販売承認を取得しており、一般的なヘルスケアアプリとは一線を画します。これにより、科学的根拠に基づく医療機器として、患者に安心感と信頼性の高い治療を提供できる点が強みです。
- 開発コストと期間の効率性治療用アプリは、従来の医薬品や医療機器に比べて、非臨床試験の省略や製造設備の不要化など、開発コストと期間を大幅に削減できる可能性があります。これにより、高騰する医薬品開発費の問題に対応し、効率的な新治療法の提供が期待されます。
- 知的財産権による参入障壁治療用アプリ業界は競争が激化しつつありますが、サスメドは知的財産権の獲得を通じて参入障壁を構築し、競争優位性を維持する方針です。特許権などの知的財産は、他社の追随を困難にし、長期的な事業成長の基盤となります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社は、医療現場におけるアンメットメディカルニーズに対して、IT技術の活用による新たなソリューションを提供することで社会へ価値を生み出し、医療が必要な全ての患者に最適な医療を提供し続けることができる、持続可能な社会の実現に貢献することを事業活動の目的としております。上記の目的を実現するため、当社では以下のミッション、ビジョン、バリュー、行動指針を定め、経営を行っております。<ミッション>ICTの活用によって持続可能な医療サービスを社会に提供し続けること<ビジョン>持続可能な医療(Sustainable Medicine)の実現<バリュー>サイエンスと専門性の融合によって新たな医療を切り拓く<行動指針>・常に社会的意義を考える・本質的な成果にこだわる・プロフェッショナルとして尊重する・成長を楽しむ・客観的に考え主体的に動く (2) 目標とする経営指標現在、研究開発段階にある当社は、ROA、ROEその他の数値的な目標となる経営指標等は用いておりませんが、DTxプロダクト事業では、「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」の販売加速に向けた採用医療機関数や月間処方数並びに長期的視点での収益の最大化のために財務指標に先行する開発パイプラインの件数や臨床試験の進捗度合いを、DTxプラットフォーム事業では、収益の継続的な増加を実現するため契約件数を重要な経営指標として位置付けております。 (3) 中長期的な会社の経営戦略DTxプロダクト事業では、DTxシーズの横断的な探索及び市場性の高い案件の選択と深耕に加え、治療用アプリの継続的な上市および普及が重要だと考えております。シーズの探索では、代表取締役社長の上野を中心に当社役職員が保有する業界内でのネットワークを最大限活用するとともに、機械学習自動分析システムの導入によるRWDの分析や販売後調査を通じて、医療機関・学術研究機関・製薬企業が抱えるDTxシーズの発掘を行ってまいります。案件の選択と集中については、高い収益性が見込まれる案件に十分なリソース配分を行うための投資判断基準を構築して、臨床試験の各相で案件の適切な取捨選択を行い、加えて、自社で完結することに固執せず販売権の導出等、他社との連携による早期収益化の方策を検討してまいります。DTxプラットフォーム事業のうち汎用臨床試験システムでは、サンドボックス制度での研究成果とそれを踏まえたグレーゾーン解消制度での当社の確認に対する厚生労働省からの回答に基づき、臨床試験における実地モニタリングを省略するためのデファクトスタンダートを目指しております。2027年4月にはICH-E6(R3)に基づく改訂GCP省令の施行が予定されており、これまで問題となっていた過剰な品質管理(オーバークオリティ)等の是正が求められていますが、当社システムの活用により、実地モニタリング業務の省略・効率化に加え、被験者募集プロセスの効率化やデータ欠損の防止による臨床試験品質の向上及び試験期間の短縮など、製薬企業や学術研究機関における研究開発コストのさらなる低減を実現してまいります。さらに、機械学習自動分析システムでは、RWDを対象としたユースケースを蓄積しながら、新たな機能開発と使いやすいUI/UX(User Interface/User Experience)の改善を継続的に行い、新たな契約の獲得と顧客単価の向上を目指してまいります。DTx開発支援においても、支援実績を積み上げると同時に、システム基盤の機能拡充を図り、更なる効率化を目指してまいります。 (4) 経営環境、事業上及び財務上の対処すべき課題今後事業及び収益の拡大を図るために当社が対処すべきDTxプロダクト事業での主な課題は、2026年6月より販売を開始した「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」の医療機関及び患者に対する認知の向上や処方可能な医療機関の拡大により、いち早く市場に浸透させることであります。加えて、後続の開発パイプラインに関して、それぞれの医療機器製造販売承認の取得と十分な収益が確保できる水準での保険収載を確実に実現することであります。さらに、臨床ニーズに対応した新たな治療用アプリの開発に着手し、それらを継続的に市場に投入していくことも長期的な課題として認識しております。また、DTxプラットフォーム事業のうち汎用臨床試験システムでの課題は、規制に対応したうえで臨床開発コストの低減に着実に寄与することだと考えております。その他、継続的な成長と企業価値の向上を目指すうえで対処しなければならない各機能面での課題を以下のように考えております。 (営業活動における課題)当社は、国内外の製薬企業や医療機関等と友好的かつ経済的な相互関係(共同研究開発体制)を築いており、今後さらなる共同研究開発契約を獲得・推進するために研究開発体制の整備・充実と連動した戦略的な営業活動が重要だと考えております。また、販売を開始した「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」をいち早く普及させるため、自社主催のウェビナー及び学会への出展等によるプロモーション活動を積極的に実施してまいります。 (研究開発活動における課題)当社は、DTxプロダクト事業において治療用アプリの治験システム、治療用アプリを搭載した端末装置、および治療用アプリのプログラムに関する特許技術を保有・活用しており、現時点においては大きな技術的優位性があると考えております。また、DTxプラットフォーム事業に分類される汎用臨床試験システムおよび機械学習自動分析システムは今後の活用に大きな可能性を秘めております。当社は、自社システムの優位性を確保し続けるため、国内外の製薬企業及び学術研究機関等との共同研究を推進しつつ、今後も自社内における研究開発及びその体制の強化を進めてまいります。 (内部管理・統制における課題)当社は、継続的に企業価値を高めていくためには、コーポレート・ガバナンスの強化が重要な課題の1つであると認識しております。経営の効率化を図りながら、一方でその健全性、透明性を高め、長期的、安定的かつ継続的に企業価値を向上させることが、株主をはじめ、すべてのステークホルダーの皆様から信頼をいただく条件であると考えております。企業価値向上のために、俊敏さを備えた全社的に効率的な組織の構築を必要条件としつつ、業務執行の妥当性、管理機能の効率性・有効性を心がけ、改善に努めてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社は、医療現場におけるアンメットメディカルニーズに対して、IT技術の活用による新たなソリューションを提供することで社会へ価値を生み出し、医療が必要な全ての患者に最適な医療を提供し続けることができる、持続可能な社会の実現に貢献することを事業活動の目的としております。上記の目的を実現するため、当社では以下のミッション、ビジョン、バリュー、行動指針を定め、経営を行っております。<ミッション>ICTの活用によって持続可能な医療サービスを社会に提供し続けること<ビジョン>持続可能な医療(Sustainable Medicine)の実現<バリュー>サイエンスと専門性の融合によって新たな医療を切り拓く<行動指針>・常に社会的意義を考える・本質的な成果にこだわる・プロフェッショナルとして尊重する・成長を楽しむ・客観的に考え主体的に動く (2) 目標とする経営指標現在、研究開発段階にある当社は、ROA、ROEその他の数値的な目標となる経営指標等は用いておりませんが、DTxプロダクト事業では、「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」の販売加速に向けた採用医療機関数や月間処方数並びに長期的視点での収益の最大化のために財務指標に先行する開発パイプラインの件数や臨床試験の進捗度合いを、DTxプラットフォーム事業では、収益の継続的な増加を実現するため契約件数を重要な経営指標として位置付けております。 (3) 中長期的な会社の経営戦略DTxプロダクト事業では、DTxシーズの横断的な探索及び市場性の高い案件の選択と深耕に加え、治療用アプリの継続的な上市および普及が重要だと考えております。シーズの探索では、代表取締役社長の上野を中心に当社役職員が保有する業界内でのネットワークを最大限活用するとともに、機械学習自動分析システムの導入によるRWDの分析や販売後調査を通じて、医療機関・学術研究機関・製薬企業が抱えるDTxシーズの発掘を行ってまいります。案件の選択と集中については、高い収益性が見込まれる案件に十分なリソース配分を行うための投資判断基準を構築して、臨床試験の各相で案件の適切な取捨選択を行い、加えて、自社で完結することに固執せず販売権の導出等、他社との連携による早期収益化の方策を検討してまいります。DTxプラットフォーム事業のうち汎用臨床試験システムでは、サンドボックス制度での研究成果とそれを踏まえたグレーゾーン解消制度での当社の確認に対する厚生労働省からの回答に基づき、臨床試験における実地モニタリングを省略するためのデファクトスタンダートを目指しております。2027年4月にはICH-E6(R3)に基づく改訂GCP省令の施行が予定されており、これまで問題となっていた過剰な品質管理(オーバークオリティ)等の是正が求められていますが、当社システムの活用により、実地モニタリング業務の省略・効率化に加え、被験者募集プロセスの効率化やデータ欠損の防止による臨床試験品質の向上及び試験期間の短縮など、製薬企業や学術研究機関における研究開発コストのさらなる低減を実現してまいります。さらに、機械学習自動分析システムでは、RWDを対象としたユースケースを蓄積しながら、新たな機能開発と使いやすいUI/UX(User Interface/User Experience)の改善を継続的に行い、新たな契約の獲得と顧客単価の向上を目指してまいります。DTx開発支援においても、支援実績を積み上げると同時に、システム基盤の機能拡充を図り、更なる効率化を目指してまいります。 (4) 経営環境、事業上及び財務上の対処すべき課題今後事業及び収益の拡大を図るために当社が対処すべきDTxプロダクト事業での主な課題は、2026年6月より販売を開始した「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」の医療機関及び患者に対する認知の向上や処方可能な医療機関の拡大により、いち早く市場に浸透させることであります。加えて、後続の開発パイプラインに関して、それぞれの医療機器製造販売承認の取得と十分な収益が確保できる水準での保険収載を確実に実現することであります。さらに、臨床ニーズに対応した新たな治療用アプリの開発に着手し、それらを継続的に市場に投入していくことも長期的な課題として認識しております。また、DTxプラットフォーム事業のうち汎用臨床試験システムでの課題は、規制に対応したうえで臨床開発コストの低減に着実に寄与することだと考えております。その他、継続的な成長と企業価値の向上を目指すうえで対処しなければならない各機能面での課題を以下のように考えております。 (営業活動における課題)当社は、国内外の製薬企業や医療機関等と友好的かつ経済的な相互関係(共同研究開発体制)を築いており、今後さらなる共同研究開発契約を獲得・推進するために研究開発体制の整備・充実と連動した戦略的な営業活動が重要だと考えております。また、販売を開始した「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」をいち早く普及させるため、自社主催のウェビナー及び学会への出展等によるプロモーション活動を積極的に実施してまいります。 (研究開発活動における課題)当社は、DTxプロダクト事業において治療用アプリの治験システム、治療用アプリを搭載した端末装置、および治療用アプリのプログラムに関する特許技術を保有・活用しており、現時点においては大きな技術的優位性があると考えております。また、DTxプラットフォーム事業に分類される汎用臨床試験システムおよび機械学習自動分析システムは今後の活用に大きな可能性を秘めております。当社は、自社システムの優位性を確保し続けるため、国内外の製薬企業及び学術研究機関等との共同研究を推進しつつ、今後も自社内における研究開発及びその体制の強化を進めてまいります。 (内部管理・統制における課題)当社は、継続的に企業価値を高めていくためには、コーポレート・ガバナンスの強化が重要な課題の1つであると認識しております。経営の効率化を図りながら、一方でその健全性、透明性を高め、長期的、安定的かつ継続的に企業価値を向上させることが、株主をはじめ、すべてのステークホルダーの皆様から信頼をいただく条件であると考えております。企業価値向上のために、俊敏さを備えた全社的に効率的な組織の構築を必要条件としつつ、業務執行の妥当性、管理機能の効率性・有効性を心がけ、改善に努めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は以下のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当社は、治療用アプリ開発及び製造販売を行う「DTx(デジタル治療:Digital Therapeutics)プロダクト事業」、並びに汎用臨床試験システム、機械学習自動分析システムの提供及びこれらシステムを活用したDTx開発支援から構成される「DTxプラットフォーム事業」の2つの事業を展開し、ブロックチェーン技術やAI(人工知能)技術の応用で業界に新たな価値を生み出し社会課題を解決することを目指して事業を推進しています。DTxプロダクト事業では、不眠障害の治療支援を行うプログラム医療機器として開発しておりました不眠障害用アプリについて、2026年6月1日より保険適用となり、同日より販売を開始しております。本アプリに関しては、2026年8月26日付で、塩野義製薬株式会社との間で締結しておりました販売提携契約に基づく保険収載に伴うマイルストン収入の額を2億円とすることで合意するとともに、当該販売提携契約の終了に関する合意書を締結しました。今後は、当社単独で本アプリの販売を推進してまいります。また、杏林製薬株式会社と共同開発を行っている耳鳴治療用アプリにおいては、検証的試験を開始し、最初の被験者により本アプリの使用が開始されたことによるマイルストン2.4億円を受領いたしました。今後は、共同研究開発及び販売に関する契約に基づき、開発進展などに応じたマイルストン収入の受領を予定するとともに、製品上市後はその販売額に応じたロイヤリティを受領する予定です。さらに、あすか製薬株式会社と共同開発を行っている月経前症候群・月経前不快気分障害を対象とした治療用アプリでは、特定臨床研究で期待する有効な結果が確認されたことに伴い、マイルストン1億円を受領いたしました。今後は開発段階などに応じたマイルストン収入として総額最大23億円の受領を予定するとともに、製品上市後はその販売額に応じたロイヤリティを受領する予定です。進行がん患者向けのアドバンス・ケア・プランニングを支援するアプリでは、企業治験(第Ⅱ相臨床試験に相当)を行っております。本アプリについては、東京慈恵会医科大学と産学連携講座を開設し、社会実装を目指していくこととしています。その他のパイプラインにつきましても、慢性腎臓病患者向けの腎臓リハビリアプリでは、探索的試験(第Ⅱ相臨床試験に相当)を完了し、次の試験に向けて準備を進めております。さらに、国立大学法人新潟大学と共同開発を行っている持続性知覚性姿勢誘発めまいに対する治療用アプリについては、臨床研究を完了し、その結果が「第127回日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会総会・学術講演会」において発表されるなど、開発は順調に進捗しております。今後も長期的視点での収益の最大化のために、財務指標に先行する開発パイプラインの件数や、臨床試験の進捗を重要な経営指標と位置付けて事業運営を行ってまいります。DTxプラットフォーム事業では、当社のブロックチェーン技術を活用した治験管理システム(SUSMED SourceDataSync®)を利用し、アキュリスファーマ株式会社(現 ヴィアトリス製薬合同会社)において、ナルコレプシー患者を対象としたヒスタミン H3 受容体拮抗薬/逆作動薬 Pitolisant の国内第Ⅲ相臨床試験及び閉塞性睡眠時無呼吸症候群に伴う日中の過度の眠気が残存する患者を対象としたヒスタミン H3 受容体拮抗薬/逆作動薬 Pitolisant の国内第Ⅲ相臨床試験が実施され、本書提出日現在、当該医薬品の製造販売承認が取得されたことが報告されております。また、国立大学法人東北大学と進めていたSUSMED SourceDataSync®の活用による統合型静脈疾患レジストリシステムの構築が完了し、企業へ提供しております。本レジストリシステムを医療機器の使用成績調査で利活用することにより、効率的に医療機器の使用成績の評価や適正使用の推進が可能となり、医療現場での作業負荷が大幅に軽減することが期待されます。さらに、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センターが実施する筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群を対象とした医師主導治験、Heartseed株式会社が実施する虚血性心疾患及び拡張型心筋症による重症心不全を対象にした企業治験並びに杏林製薬株式会社と共同開発を行っている耳鳴治療用アプリの検証的試験においても、SUSMED SourceDataSync®を活用しております。今後も医療分野においてブロックチェーン技術を活用することで、医療データの信頼性向上及び臨床開発コストの適正化の実現を目指してまいります。アカデミアとの取り組みにつきましては、今後もアンメットニーズや医療の持続可能性に寄与する研究開発活動を引き続き強化してまいります。 こうした事業活動の結果、当事業年度における業績は、事業収益497,211千円(前事業年度比7.4%増)、営業損失330,161千円(前事業年度は299,479千円の損失)、経常損失325,530千円(前事業年度は294,673千円の損失)、当期純損失382,691千円(前事業年度は298,404千円の損失)となりました。なお、東京都の働くパパママ育業応援奨励金制度に係る交付額確定などによる「助成金等収入」4,736千円を営業外収益に計上しております。また、当社は、営業キャッシュ・フローが継続してマイナスとなり、割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回ることが見込まれるため、全社資産について「減損損失」67,471千円を特別損失に計上しております。減損損失の金額の内訳は工具器具備品3,449千円、建設仮勘定64,021千円となります。 セグメント別の概況は、以下のとおりです。(DTxプロダクト事業)当セグメントは、治療用アプリ開発及び製造販売で構成されております。治療用アプリ開発では、杏林製薬株式会社と共同開発を行っている耳鳴治療用アプリにおいて、特定臨床研究が完了し、その結果を踏まえて開始した検証的試験において、最初の被験者により本アプリの使用が開始されたことによるマイルストン2.4億円を受領いたしました。さらに、あすか製薬株式会社と共同開発を行っている月経前症候群・月経前不快気分障害を対象とした治療用アプリでは、特定臨床研究で期待する有効な結果が確認されたことに伴い、マイルストン1億円を受領いたしました。進行がん患者向けのアドバンス・ケア・プランニングを支援するアプリでは、企業治験(第Ⅱ相臨床試験に相当)を行っております。その他のパイプラインにつきましても、慢性腎臓病患者向けの腎臓リハビリアプリでは、探索的試験(第Ⅱ相臨床試験に相当)を完了し、次の試験に向けて準備を進めております。また、国立大学法人新潟大学と共同開発を行っている持続性知覚性姿勢誘発めまいに対する治療用アプリにおいては、臨床研究を完了し、その結果が「第127回日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会総会・学術講演会」において発表されました。治療用アプリの製造販売では、不眠障害の治療支援を行うプログラム医療機器として開発しておりました不眠障害用アプリについて、2026年6月1日より保険適用となり、同日より販売を開始しております。 この結果、本事業の事業収益は340,234千円(前年同期は300,000千円)、セグメント利益は103,418千円(前年同期は118,092千円)となりました。 (DTxプラットフォーム事業)当セグメントは、汎用臨床試験システム及び機械学習自動分析システムの提供、並びにこれらシステムを活用したDTx開発の支援で構成されております。汎用臨床試験システムの提供に関しては、アキュリスファーマ株式会社との間で締結した、治験実施に関する契約に基づき、企業治験としては世界初となるブロックチェーン技術を活用した治験を実施しました。その他、SUSMED SourceDataSync®を活用した臨床試験の実施に関する提案活動を積極的に展開しております。機械学習自動分析システムの提供に関する活動につきましては、継続利用に支えられ、収益は安定的に推移しております。 この結果、本事業の事業収益は156,977千円(前年同期は162,988千円)、セグメント利益は76,958千円(前年同期は33,133千円)となりました。 (資産) 当事業年度末における流動資産合計は、4,027,580千円となり、前事業年度末に比べ435,048千円減少いたしました。これは主に売掛金及び契約資産が258,359千円、前払費用が1,781千円増加した一方、現金及び預金が699,836千円減少したこと等によるものであります。 当事業年度末における固定資産合計は、190,526千円となり、前事業年度末に比べ150,182千円増加いたしました。これは無形固定資産が72,424千円、投資その他の資産が71,356千円、有形固定資産が6,402千円増加したことによるものであります。(負債) 当事業年度末における流動負債合計は、147,943千円となり、前事業年度末に比べ22,002千円増加いたしました。これは主に未払消費税等が10,124千円減少した一方、未払金が17,172千円、未払費用が6,269千円、契約負債が5,561千円増加したこと等によるものであります。 当事業年度末における固定負債合計は、零となり、前事業年度末に比べ6,390千円減少いたしました。これは、資産除去債務の減少によるものです。(純資産) 当事業年度末における純資産合計は4,070,163千円となり、前事業年度末に比べ300,478千円減少いたしました。これは主に譲渡制限付株式報酬としての新株発行等により、資本金及び資本剰余金がそれぞれ17,876千円、新株予約権が46,553千円増加した一方、当期純損失の計上に伴い利益剰余金が382,691千円減少したこと等によるものであります。なお、2026年5月25日効力発生の減資により、資本金が107,104千円減少し、資本剰余金が107,104千円増加しております。 ② キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は3,698,300千円(前事業年度は4,398,137千円)となりました。当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果支出した資金は474,454千円(前事業年度は432,477千円の支出)となりました。これは主に、減少要因として、税引前当期純損失378,891千円、売上債権及び契約資産の増加額258,359千円、未払消費税等の減少額10,124千円があった一方、増加要因として、株式報酬費用84,074千円、減損損失67,471千円、未払金の増加額17,077千円、減価償却費10,174千円等があったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果支出した資金は228,130千円(前事業年度は19,970千円の支出)となりました。これは、無形固定資産の取得による支出82,334千円、有形固定資産の取得による支出74,042千円、敷金及び保証金の差入による支出71,753千円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果増加した資金は2,747千円(前事業年度は3,665千円の増加)となりました。これは主に、株式の発行による収入3,167千円等によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a 生産実績当社は受注生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。 b 受注実績当社は受注生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。 c 販売実績当事業年度における販売実績は、以下のとおりであります。セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)DTxプロダクト事業340,234113.4DTxプラットフォーム事業156,97796.3合計497,211107.4 (注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。 相手先前事業年度(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日)当事業年度(自 2025年7月1日 至 2026年6月30日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)杏林製薬株式会社--240,00048.3あすか製薬株式会社300,00064.8100,00020.1株式会社コラボスクエア92,32519.973,23014.7 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 重要な会計方針および見積り当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。その作成において、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を及ぼす見積りの判断は、一定の会計基準の範囲内において、過去の実績や判断時点で入手可能な情報に基づき合理的に行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しております。 財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは固定資産の減損損失であり、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (損益計算書関係) ※4 減損損失」に記載しております。 ② 経営成績等に関する分析(事業収益)当事業年度の事業収益は、497,211千円(前事業年度は462,988千円)となりました。これは主に、DTxプロダクト事業において、耳鳴治療用アプリの検証的試験において当該アプリの利用が開始されたことによるマイルストン収入及び月経前症候群・月経前不快気分障害を対象とした治療用アプリの特定臨床研究において期待する有効な結果が確認されたことに伴うマイルストン収入を収益計上したこと、並びにDTxプラットフォーム事業における汎用臨床試験システムに係る収益が順調に推移したこと等によるものです。 (事業費用、営業損失)当事業年度の事業原価については17,387千円(前事業年度は12,264千円)となりました。これは主に、DTxプラットフォーム事業における臨床試験システムの提供・利用による事業収益の増加に伴い事業原価が増加したこと等によるものです。当事業年度の研究開発費は247,459千円(前事業年度は273,634千円)となりました。これは主に、DTxプロダクト事業における既存パイプラインの開発に係る人件費が増加した一方で、DTxプラットフォーム事業における汎用臨床試験システムのソフトウェア開発に係る人件費を資産計上したこと等によるものです。当事業年度の販売費及び一般管理費は、562,525千円(前事業年度は476,569千円)となりました。これは主に、事業規模の拡大による人件費の増加等によるものです。その結果、営業損失は330,161千円(前事業年度は299,479千円)となりました。 (営業外収益、営業外費用、経常損失)当事業年度の営業外収益は、5,026千円(前事業年度は11,815千円)となりました。これは主に、助成金等収入4,736千円等によるものです。また、当事業年度の営業外費用は395千円(前事業年度は7,009千円)となりました。これは主に、株式交付費338千円等によるものです。その結果、経常損失は325,530千円(前事業年度は294,673千円)となりました。 (特別利益、特別損失、法人税等合計、当期純損失)当事業年度の特別利益は、14,137千円(前事業年度は2,234千円)となりました。これは、新株予約権戻入益7,747千円、資産除去債務戻入益6,389千円によるものです。また、当事業年度の特別損失は、67,498千円(前事業年度は4,755千円)となりました。これは主に、固定資産の減損損失67,471千円等によるものです。当事業年度における法人税等合計は3,800千円(前事業年度は1,210千円)となりました。その結果、当期純損失は382,691千円(前事業年度は298,404千円)となりました。 ③ 経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因に関しては、「3 事業等のリスク」をご参照ください。 ④ 資本の財源及び資金の流動性について当社の最重要課題は、販売を開始した不眠障害用アプリの普及及び収益拡大を図ることです。また、治療用アプリ開発のプラットフォームを活用して複数のパイプラインを組成し、治療用アプリの開発に取り組むとともに、汎用臨床試験システム及び機械学習自動分析システムの開発も継続してまいります。これらの研究開発に必要な資金については、自己資金を充当する方針です。加えて、今後、不眠障害用アプリの販売拡大により得られる収益を研究開発へ再投資することで、企業価値の最大化を目指してまいります。 ⑤ 経営者の問題意識と今後の方針経営者の問題意識と今後の方針に関しては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
事業リスク
- 研究開発の不確実性治療用アプリの開発は、医薬品と同様に多大な時間と投資が必要であり、臨床試験の結果や規制当局の指導により計画が変更・延期・中止される可能性があります。これにより、長期的な財務状況や経営成績に大きな影響を及ぼすリスクがあります。
- 医療機器規制と保険収載医療機器である治療用アプリは、医薬品医療機器等法などの厳格な規制を受け、5年ごとの登録更新が必要です。また、承認されても健康保険の対象とならない、または期待通りの保険点数が付与されない場合、事業計画に大きな影響を与える可能性があります。
- 小規模組織と人材依存サスメドは常勤取締役4名、従業員41名の小規模組織であり、経営陣や少数の研究開発人員に事業活動が強く依存しています。優秀な人材の確保・育成が滞ったり、人材流出が生じたりした場合、事業活動に支障が生じ、財務状況や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきまして、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下のとおり記載しております。また、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1) 医療機器の研究開発・医療業界に関するリスク① 研究開発の不確実性について当社は治療用アプリ及びプラットフォームシステムの開発を事業領域としており、特に治療用アプリの開発には医薬品と同じく相当程度の時間と投資が必要となります。治療用アプリの開発では臨床試験の結果や、規制当局からの要望・指導、関連する法令の変更・改訂等によって計画に不確実性が生じ、開発方針の変更、開発の延期もしくは中止などを招くことによって当社の長期的な財務状況や経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。個々の治療用アプリの開発リスクの低減には限界があるため、学術研究機関との連携強化、治療用アプリ開発プラットフォームの活用によって、効率的なシーズ探索を行い、継続的に開発パイプラインの充実を図る方針としております。 ② 副作用、製造物責任について通常、医療機器は本来期待する効果と共に、期待されない副作用が生じる可能性があります。治療用アプリに関しては、一般の医薬品や医療機器と同様にその安全性に関して臨床試験の中で十分に検討され、また、侵襲性が低く副作用が発生した場合の深刻度も相対的に高くはありませんが、上市後に、より多く使用される段階で予期できない副作用が発現する可能性は否定できません。当社は、上記の副作用発生に起因する補償又は賠償に対応するために、想定しうる範囲で治験保険や製造物責任保険への加入を予定しておりますが、補償範囲外の賠償責任を問われる可能性があります。さらに、重篤な副作用や死亡例の発生は、製品及び企業イメージを大きく損ね、製品の回収、製造販売の中止、薬害訴訟の提起、製造物責任賠償等と併せて、当社の長期的な財務状況や経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ③ 医薬品医療機器等法その他の規制について当社が属する医療機器等の業界は研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動において、医薬品医療機器等法、薬事行政指導、医療保険制度並びにその他関係法令等により、様々な規制を受けています。当社が開発している治療用アプリは医療機器に該当し、厚生労働大臣による医療機器製造業あるいは医療機器製造販売業の登録が必要となります。この登録は5年ごとの更新が必要となるため、更新が認められない場合には、治療用アプリの開発を継続できなくなる可能性があります。当社では、人員体制の拡充強化、適正な業務フローの実施を継続的に行い、登録更新に必要な要件を満たしていく方針としております。また、当社が開発した治療用アプリやシステムの使用が規制当局によって承認されない場合、それらの上市や他社へのサービス提供が困難になる可能性があります。さらに、承認を取得できた場合であっても健康保険の対象として保険収載されない、もしくは期待通りの保険点数が付与されない場合、当社の財務状況や経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ④ パートナー企業との連携関係について当社における開発パイプラインの一部は、製薬企業等のパートナー企業との契約関係に基づき推進されており、パートナー企業による研究開発費用の負担に加えて、開発の進捗に応じたマイルストン収入やロイヤリティを受領する予定となっております。しかし、パートナー企業における経営戦略の変更や経営状況の悪化、組織再編等の重大な事象が発生したことによる開発方針の見直しにより、契約関係の継続が困難となる可能性があります。このような事態が生じた場合、将来の研究開発費用の負担増加や、マイルストン収入やロイヤリティの喪失により、当社の中長期的な財務状況や経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。当社では、パートナー企業との関係維持に努めるとともに、単独での開発継続を可能とする組織体制の構築にも取り組んでいく方針としております。 ⑤ 「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」の販売について当社は、これまでに実施した臨床試験等に基づき、2026年5月に中医協にて「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」の保険収載が了承され、2026年6月より販売を開始しております。当社の事業計画は、現時点における経済環境、医療ニーズを前提に作成しておりますが、競合製品・競合技術の台頭や、保険点数の見直しなどの制度変更が生じた場合には、「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」が普及するスピードや販売金額が想定を下回り、当社の長期的な財務状況や経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 (2) 事業活動に関するリスク① 小規模組織及び少数の事業推進者への依存について当社は、本書提出日現在において常勤取締役4名、非常勤取締役3名及び従業員52名の小規模組織であり、現在の内部管理体制はこのような組織規模に応じたものとなっていますが、今後、業容拡大に応じた継続的な管理部門の体制強化により内部管理体制の拡充を図る方針であります。また、当社の事業活動は、現在の経営陣、事業を推進する各部門の責任者及び少数の研究開発人員に強く依存するところがあります。そのため、常に優秀な人材の確保と育成に努めていますが、人材確保及び育成が順調に進まない場合、もしくは人材の流出が生じた場合には、当社の中期的な事業活動に支障が生じ、財務状況や経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。当社での人的資本に関する考え方及び取組は、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本に関する考え方及び取組」をご参照ください。 ② 特定人物への依存について当社の創業者であり代表取締役社長である上野太郎は、当社の経営戦略の決定、研究開発、事業開発及び管理業務の推進において、当社の最高責任者として影響力を有しております。このため当社は上野に過度に依存しない体制を構築すべく、複数の取締役による業務管掌領域の分担をはじめとした経営組織の強化を図っておりますが、上野が何らかの理由により当社の業務を継続することが困難となった場合には、当社の短期的な事業戦略に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ③ 治療用アプリ業界の競争環境について治療用アプリやそれに類似する医療機器の開発に携わる企業は、我が国ではまだ少ないものの、海外では既に上場している企業もあり、日本の製薬企業が海外の治療用アプリを日本に導入して臨床試験を開始するなど、国内での競争環境は厳しくなりつつあります。当社が開発を進めているパイプラインを対象とした、競合企業との研究・開発、臨床試験、販売等の事業活動での競争結果により、当社の治療用アプリの上市が計画通りに進行しない場合、当社の中期的な財務状況や経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。当社では、知的財産権の獲得を中心とした参入障壁の構築により、競争優位性を維持していく方針としております。 ④ 訴訟等について当社は、本書提出日現在、提起されている訴訟はありませんが、将来、何らかの事由の発生によって訴訟等による請求を受ける可能性を完全には回避できません。こうした事態が生じた場合、当社の長期的な財務状況や経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 知的財産権当社では、研究開発をはじめとする事業展開において様々な知的財産権を利用しており、これらは当社所有の権利であるか、あるいは適法に使用許諾を受けた権利であるものと認識しております。一方で、当社が現在出願している特許が全て成立する保証はなく、さらに、特許が成立した場合でも、当社の研究開発を超える他社の優れた研究開発により、当社の特許に含まれる技術が淘汰される可能性は常に存在しています。当社の特許権の権利範囲に含まれない優れた技術が開発された場合には、当社の長期的な財務状況や経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。当社では、保有している知的財産の有効活用並びに新たな知的財産権の構築のために、一定規模の研究開発投資を安定的、継続的に実施していく方針としております。 また、当社では他社の特許権の侵害を未然に防止するため、当社として必要と考える特許の調査を実施しており、これまでに、当社の開発パイプラインに関する特許権等の知的財産権について第三者との間で訴訟が発生した事実はありません。しかし、当社のような研究開発型企業にとって知的財産権侵害の問題を完全に回避することは困難であり、第三者との間で知的財産権に関する紛争が生じた場合には、当社の長期的な財務状況や経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 情報セキュリティについて当社はシステム障害、セキュリティ侵害等を未然に防止するためにシステムの多重化をはじめとして様々な手段を講じておりますが、ウイルス、権限のないアクセス、自然災害、通信エラーあるいは電気障害などが引き起こす事故が発生する可能性を否定することはできません。システム障害、セキュリティ侵害等が発生した場合、当社が保有する臨床試験における重要な情報等が喪失又は流出する可能性があります。データの喪失あるいは機密情報の流出を招いた場合、データ復旧のために金銭的・時間的に多大な負担を余儀なくされ、特定の開発品の開発スケジュールが遅延することはもとより、損害賠償請求や当社の社会的信用の失墜、取引先企業との提携関係の解消など、当社の中期的な財務状況や経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 (3) 業績・財務及び資本政策等に関するリスク① マイナスの繰越利益剰余金の計上について当社は、デジタル機器やIoT技術を治療に取り入れた治療用アプリの研究開発を主軸とするベンチャー企業であります。治療用アプリの研究開発には多額の初期投資を要し、その投資資金回収も他産業と比較して相対的に長期に及ぶため、ベンチャー企業が当該事業に取り組む場合は、一般的に期間損益のマイナスが先行する傾向にあります。当社も第2期(2017年6月期)から当事業年度(2026年6月期)については当期純損失を計上しております。当社は、治療用アプリのシーズ獲得とパイプライン開発を推し進めることにより、将来の利益拡大を目指していますが、将来において計画通りに当期純利益を計上できない可能性があり、その場合には、繰越利益剰余金がプラスとなる時期が著しく遅れる可能性があります。今後は、保有する開発パイプラインの他社への導出やマイルストン収入の獲得など、より早期に収益計上を可能とする方策についても検討していく方針であります。 ② 剰余金の分配について当社は、株主への利益還元を重要な経営課題と認識しており、将来的には経営成績及び財政状態を勘案しつつ剰余金の分配を検討する所存でありますが、多額の先行投資を行う研究開発活動の継続的かつ計画的な実施に備えた資金の確保を優先するため、当面は配当等による株主への還元は行わない方針としております。また「① マイナスの繰越利益剰余金の計上について」に記載したとおり、繰越利益剰余金がプラスとなる時期が著しく遅れた場合、剰余金の分配についても遅れる可能性があります。 ③ 資金繰りについて当社は、研究開発型企業として多額かつ長期にわたる研究開発費用の負担が続くため、継続的に営業損失を計上しており、現状では安定的な収益源を十分には有しておりません。このため、安定的な収益源を確保するまでの期間においては、必要に応じて適切な時期に資金調達等を実施し、財務基盤の強化を図る方針ですが、必要なタイミングで資金を確保できなかった場合は、当社事業の継続に重大な懸念が生じる可能性があります。今後は、他社との共同研究開発体制の構築、保有する開発パイプラインの他社への導出、マイルストン収入の獲得など、多様な資金調達手段を確保していく方針であります。また、「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」の販売により、安定的な収益源の確立を目指してまいります。 ④ 新株発行による資金調達について当社は医療機器の研究開発型企業であり、将来の研究開発活動の拡大に伴い、増資を中心とした資金調達を機動的に実施していく可能性があります。その場合には、当社の発行済株式数が増加することにより、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。 ⑤ 新株予約権の行使及び株式の追加発行等による株式価値の希薄化について当社は、当社取締役、従業員及び社外協力者の業績向上に対する意欲や士気を高め、また優秀な人材を確保する観点から、ストック・オプション制度を採用し、会社法第236条、第238条及び第239条の規定に基づき、取締役会の承認により、当社取締役、従業員及び社外協力者に対して新株予約権の発行と付与を行っております。今後も優秀な人材の確保のため、同様のインセンティブ・プランを継続する可能性があります。本書提出日現在において、これら新株予約権による潜在株式数は851,700株であり、発行済株式総数16,868,100株の5.0%に相当します。また当社の取締役に対して、中長期的な企業価値の向上に対するインセンティブとして譲渡制限付株式を付与する制度を導入しており、今後も当該制度による譲渡制限付株式を付与する可能性があります。従って、今後新株予約権が行使された場合や譲渡制限付株式が発行された場合には、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。