事業の概要
- HR事業企業の人材採用、育成、配置、組織開発を支援する事業です。AIを活用して個人の能力を公平に評価し、データに基づいた戦略的な人事(人的資本経営)を可能にします。政府が推進する「人への投資」の流れも追い風となり、企業の持続的成長をサポートする重要な役割を担っています。
- 教育事業学校教員が抱える学生の創造力や協調性などの能力評価の課題に対し、AIを使ってバイアスを軽減し、評価・教育を支援する事業です。記憶力や計算力に偏りがちな従来の教育から脱却し、多様な能力を育む教育への転換をテクノロジーで後押ししています。
- プラットフォーム/Web3事業120万人を超える人材の能力関連データをブロックチェーン技術を中心に活用する事業です。個人が自身のデータを安全に管理・活用できるプラットフォームを提供し、Web3人材育成や暗号資産を活用した予測市場関連サービスも展開しています。将来的には世界の産業データ基盤となることを目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- HR事業企業の人材採用、育成、配置、組織開発を支援する事業です。AIを活用した人材評価システムやコンサルティング、DX研修などを提供し、データに基づいた戦略人事を可能にします。売上高は2億3,824万9千円で、営業利益はマイナス2,189万5千円と、現在は投資フェーズにあると考えられます。
- 教育事業学校向けに、AIを活用して学生の創造力や協調性などの非認知能力を評価・教育するシステムを提供しています。文部科学省のGIGAスクール構想を背景に市場拡大が見込まれており、売上高は3億869万8千円、営業利益は9,786万2千円と、グループ内で最も収益性の高い事業です。
- プラットフォーム/Web3事業ブロックチェーン技術を活用し、個人が自身のデータを安全に管理・活用できるプラットフォームを提供しています。Web3人材育成や暗号資産関連サービスも展開しており、売上高は5,597万8千円ですが、営業利益はマイナス1億4,692万円と、将来への投資が先行している段階です。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| HumanResources | 事業 | 2 | -0 | -9.2% |
| Education | 事業 | 3 | 1 | 31.7% |
| PlatformWeb3Segment | 事業 | 1 | -1 | -262.5% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】 当社グループは、「人を幸せにする評価と教育で、幸せを作る人、をつくる。」というビジョンのもと、AIを活用した人材評価・教育支援、人的資本データの可視化、予測市場、ブロックチェーン関連サービス及び日本企業のグローバル人材・事業展開支援を行っています。 当社グループの事業の中核は、個人の能力や可能性を、学歴や経験年数といった従来型の単一指標ではなく、気質、コンピテンシー、スキル、行動特性、将来成果に関する多面的なデータによって可視化することにあります。企業に対しては、人的資本経営、採用、配置、育成、昇進、組織開発を支援し、学校や自治体に対しては、子どもたちの創造力、協調性、主体性など、これからの社会で重要となる非認知能力の評価・育成を支援しています。 これまで当社グループは、AIによるバイアス補正技術を活用した評価システム「GROW」「GROW360」「Ai GROW」を中心に、国内外の企業、学校、自治体、国際機関にサービスを提供してきました。その結果、130万人を超える人材関連データを蓄積しており、これは当社グループの重要な競争優位性の一つとなっています。当社の評価技術は、回答者自身の気質を潜在的な認知バイアスを除去して測定する技術や、他者評価に含まれる忖度・甘辛評価等のバイアスをAIで補正する技術に強みを有しており、関連特許も取得しています。また、当社の取り組みはハーバード・ビジネス・スクールのPeople Analyticsに関するケースとして取り上げられるなど、国内外で一定の評価を得ています。 近年、企業においては人的資本開示の制度化、生成AIの普及、グローバル人材獲得競争の激化を背景に、人材を「コスト」ではなく「将来価値を生む資本」として捉え、定量的に把握・育成・活用するニーズが急速に高まっています。一方、学校教育においても、記憶力や偏差値に偏った従来型の評価から脱却し、子ども一人ひとりの多様な能力や可能性を可視化する評価・教育への転換が求められています。当社グループは、こうした社会変化を成長機会と捉え、人的資本データを軸とした複数の事業領域を展開しています。 第一に、企業向けには、人的資本経営を支援する人材評価・分析サービスを提供しています。「GROW360」は、社員や採用候補者の気質、コンピテンシー、スキルを科学的に測定し、AIにより評価バイアスを補正することで、公平で一貫した人材評価を可能にします。これにより、企業は採用、育成、配置、リーダー選抜、後継者育成などの意思決定を、経験や勘に過度に依存するのではなく、データに基づいて行うことができます。人的資本開示が進む中で、当社グループは企業の人的資本の状態を可視化し、企業価値向上につながる人材戦略の実行を支援しています。また、足元で人間に加えてAIエージェントを組み合わせ、企業価値を最大化することを目指す企業もでてきており、弊社はこのサービスのパイオニアとして「GROW360」を進化させた「GROW360+」で提供しています。 第二に、教育機関・自治体向けには、「Ai GROW」を通じて、児童・生徒・学生の非認知能力や行動特性を可視化し、教育改善や個別最適化された学びを支援しています。生成AIの普及により、知識の暗記や定型的な処理能力だけではなく、創造性、協働力、課題発見力、主体性などの重要性が高まっています。また、非認知能力が高まると、結果として認知能力が向上することも分かっており、幅広い層にアピールできるサービスに成長してきています。当社グループは、学校現場においてこれらの能力を測定し、教育活動に活用できる仕組みを提供することで、将来の社会で活躍する人材の育成に貢献しています。 第三に、当社グループは、企業の意思決定を高度化する新たな領域として、予測市場プラットフォーム「Signals」を展開しています。予測市場は、参加者が将来の出来事や事業成果に関する予測を行い、その集合知を価格や確率として可視化する仕組みです。当社グループは、これを企業内外の専門家、社員、顧客、パートナーの知見を集約する仕組みとして活用し、需要予測、事業成果予測、政策・規制リスク、地政学リスク、サプライチェーンリスク、人材・組織課題など、経営上重要なテーマに関する意思決定支援へ応用していきます。 特に、従来のアンケートや会議では表面化しにくい現場の知見や専門家の見通しを、インセンティブ設計を通じて引き出し、経営判断に利用可能なデータへ変換できる点に、予測市場の大きな可能性があります。当社グループは、これまで培ってきた人材評価、AI、データ分析、ブロックチェーンに関する知見を組み合わせることで、単なる意見収集ツールではなく、企業の将来予測と意思決定を支援する新たなデータ基盤として「Signals」の事業化を進めています。 第四に、当社グループは、日本企業のグローバル人材戦略およびインドにおけるGCC(Global Capability Center)設立・活用支援にも取り組んでいます。生成AIの普及により、ソフトウェア開発、データ分析、AI運用、業務プロセス高度化などの機能を、国境を越えて最適配置する動きが加速しています。特にインドは、豊富なデジタル人材、高い英語運用力、グローバル企業のGCC集積を背景に、日本企業にとって重要な成長拠点となりつつあります。 当社グループは、これまでの人的資本評価・教育支援で培った人材データ、評価技術、企業ネットワークを活用し、同時に企業の戦略に応じた人的資本のTo BeとAs Isを計測し、どのようなスキル人材を採用するかを企業にサービスとして提供してきています。こうした資産を基礎に、日本企業によるインドGCCの立ち上げ、現地人材の採用・評価・育成、既存GCCの高度化、ならびに日本本社との連携強化を支援していきます。これは、国内人材不足への対応にとどまらず、日本企業がAI時代におけるグローバル競争力を高めるための重要な事業機会であると考えています。 第五に、当社グループは、ブロックチェーン技術を活用した個人データ管理、学習・キャリア履歴の真正性担保、人的資本データの利活用に関する研究開発およびコンサルティングを行っています。2020年以降、慶應義塾大学経済学部附属経済研究所FinTEKセンターとの共同研究等を通じて、個人が主体的かつ安全に自らのデータを管理・活用できる仕組みの実証に取り組んできました。 当社グループの事業は、単独の人材評価サービスにとどまるものではありません。AIによる公平な評価、人的資本データの蓄積、教育・育成支援、予測市場による集合知の可視化、ブロックチェーンによるデータの信頼性確保、そしてインドGCC支援を通じたグローバル人材活用を組み合わせることで、企業・学校・個人の意思決定を高度化するデータインフラを構築することを目指しています。当社グループは、これらの取り組みにより、企業に対しては人的資本経営と事業成長の両面を支援し、教育機関に対しては多様な能力を育む評価と教育を提供し、個人に対しては自らの能力や可能性をより正しく社会に示す機会を提供します。これにより、当社サービスは個人と組織のエンパワーメントを支援し、Society5.0時代における産業データ基盤へと発展していくものと考えています。 また、当社グループの事業は、SDGsで掲げられる17の目標のうち、特に「4. 質の高い教育をみんなに」「5. ジェンダー平等を実現しよう」「8. 働きがいも経済成長も」「10. 人や国の不平等をなくそう」に貢献するものです。AI、データ、ブロックチェーン、予測市場、グローバル人材活用を組み合わせることで、当社グループは「分断なき持続可能な社会を実現するための手段を提供する」という企業パーパスの実現を目指してまいります。 なお、当社グループは、人材評価・育成支援に関するアセスメントサービス、予測市場プラットフォーム、ブロックチェーン関連コンサルティング及びインドGCC支援等の事業において、独自のアルゴリズムや技術要素を活用したプロダクト開発を進めています。知的財産の確保を通じて競争優位性の構築を図っており、現在、日本国内において6件、海外において1件の特許を取得しています。主な技術分野は以下のとおりです。・潜在意識を推定する心理測定技術(IAT(*))に関するシステム・公正で効率的な人事評価を支援するためのアルゴリズム・採用情報等の個人データを安全かつ分割管理するブロックチェーン活用技術・評価結果の定量的な提示を可能にする人物評価支援技術・NFT技術を用いた学習・職歴等の履歴管理に関する情報処理技術・求職者の希望待遇と能力スコアを視覚化し、採用オファー提示を可能にする人材採用技術 これらの知財は、当社グループの中核サービスにおける技術的差別化を可能とするものであり、今後の新規事業開発や海外展開においても、重要な戦略的資産として位置付けています。 特許名称事業との関連性(事業の内容文脈)潜在意識推定システム(日本・アラブ首長国連邦)人材の心理特性可視化に基づくマッチング支援、アセスメント技術の中核要素人事評価サポートシステム(日本)人事評価の自動化・定量化による業務効率化と制度の透明性向上情報管理装置(日本)採用・評価データの個人情報保護を目的とした、ブロックチェーン技術による安全な分割・管理手法人物評価支援システム(日本)人材アセスメントの精度向上、定量的な人物比較を可能にするシステム情報処理システム(日本)学習履歴・職務履歴情報をNFT等で証明・管理しつつ、プライバシー保護を図るWeb3型人材サービスを支援人材採用装置及び人材採用システム(日本)求職者の希望待遇と能力スコアを視覚的に一覧表示し、効率的な比較・選別と採用オファー提示を可能にする人材採用システムに関する特許。 当社グループの主なサービスと、各事業の内容は以下のとおりです。また、次の各事業は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 (1)HR事業 HR事業では、企業の人材採用・育成・配置・組織開発を、人材評価システム、人的資本に関するコンサルティング、DX研修など、多岐にわたるサービスを組み合わせて支援しています。特に、AIによってバイアスを補正した人材評価データを取得、分析し、データに基づく戦略人事を可能にする点に強みを持っています。当社の事業を取り巻く環境として、政府が推進する「人への投資」の流れは一層強固なものとなっています。政府が策定を進める『経済財政運営と改革の基本方針2026(骨太の方針2026)』においても、物価上昇を上回る持続的な賃上げの実現が重要課題とされ、その実現に向けた「三位一体の労働市場改革」を継続・強化する方針が示されています。特に、「リスキリングによる能力向上支援」、「個々の企業の実態に応じた職務給(ジョブ型人事)の導入」、「成長分野への労働移動の円滑化」は、企業の持続的成長に向けた重要な取組みと位置付けられております。こうした政策動向を背景として、当社がソリューションを提供する人事評価・育成市場は、引き続き良好な事業環境が継続し、更なる拡大を見込んでおります。 当社のサービスは、新卒採用の支援から、大企業の事業戦略に不可欠な組織開発、さらには人的資本経営の実現まで、幅広く展開しております。このため、従来の人事部との連携に加え、現在では経営企画部や、企業価値向上の観点から人的資本情報を重視する財務・IR部門など、経営層との直接的な連携が深化しています。こうした経営層との連携強化は、顧客満足度の向上に繋がり、事業の安定性を高めています。 なお、主要なサービスは以下のとおりです。 ① GROW360+ 「GROW360+」は、AI技術を駆使した次世代型の人材評価システムです。最大の特徴は、特許を取得した2つのコア技術にあります。第一に、評価に費やした時間や評価傾向などを基に、AIアルゴリズムが評価データのバイアスを自動で是正します。第二に、質問への無意識の反応速度を分析する技術(IAT)を用いて、受検者本人も意識していない潜在的な性格を客観的に分析します。 これにより、お客様は従来、特定の管理職層などに限定されがちだった360度評価を、全社員を対象に一人あたり4,000円以下という価格で公平かつ一貫性をもって実施できます。近年、企業の持続的成長の鍵である「ワークエンゲージメント」を高める上で、従業員が納得できる「評価の公平性」は極めて重要な要素となっています。また、ダイバーシティ&インクルージョン推進においても、評価プロセスに潜む「無意識のバイアス」は大きな障壁となります。GROW360は、AIによるバイアス補正を通じてこれらの経営課題を根本から解決し、客観的データに基づく公正な評価制度の構築を支援することで、顧客企業のニーズを捉え、導入されています。 「GROW360+」のユーザー(登録アカウント)数は94.6万人、累計他者評価件数は8,504万件(2025年度末時点)となっています。 さらに、三井住友信託銀行との業務提携も順調に進展しており、同行の幅広い取引先企業へのサービス提供を通じて、新たな顧客基盤の開拓を進めております。 なお、プルータス・グループとの資本業務提携を締結し、人的デューデリジェンスの共同開発や人的資本経営コンサルティングの共同開発を進めてまいります。 ② 人的資本理論の実証化研究会 人的資本理論の実証化研究会(Human Capital and Corporate Value)は、人的資本投資のROI(投資対効果)を科学的に解明し、企業の戦略的な意思決定と情報開示を支援することを目的としています。2023年3月期から「人的資本の情報開示」が義務化されたことを背景に、経営者・投資家双方にとって価値のあるデータを提供すべく発足しました。 当研究会は、ノーベル経済学者ゲーリー・ベッカー氏が提唱した理論に基づき、人的資本を「能力」と定義しています。従来、測定・定量化が困難であったこの「能力」を、当社の360度人材評価システム「GROW360」を用いて可視化し、一橋大学 小野教授の監修のもと、参画企業の多様な人材能力データと財務データを統合的に分析し、企業価値向上に繋がる人材戦略モデルの構築に取り組んでいます。 その研究成果は、参画企業における具体的な人事施策や、投資家向け開示情報の高度化に活用されており、2025年度は21社が本研究会に参画しています。 (2)教育事業 教育事業では、AI等の先端技術を活用し、生徒一人ひとりの能力や学びの成果を可視化することで、個別最適な学びの実現と教員の働き方改革を支援する教育ソリューションを提供しています。当社の先端技術を活用した取り組みは、継続的に公的な評価を得ています。現在、文部科学省の「令和6年度 次世代の学校・教育現場を見据えた先端技術・教育データの利活用推進事業」に採択され、生成AIを活用した新たな探究指導モデルの開発・実装に取り組んでいます。また、経済産業省の探究学習支援に関する補助金についても、交付対象となりました。 文部科学省が推進するGIGAスクール構想(*)により、教育現場のICT環境は飛躍的に向上し、当社のデジタル教材や評価システムの活用基盤は全国的に確立されました。 このような環境下、特に主力サービスである「Ai GROW」は、教員の業務負担を大幅に軽減し「働き方改革」に直接貢献できる点が高く評価されています。この「Ai GROW」の順調な成長に加え、株式会社JTBとの共同開発による探究・キャリア教育プログラム「J’s GROW」も導入校数の増加に寄与し、2025年度の総顧客数は523校(前年同期は463校)に到達。個別の学校法人だけでなく、株式会社内田洋行との共同開発による「AiGROW Lite」を通じて、自治体や教育委員会単位での広域導入も本格化しています。 さらに、国内で培ったノウハウを基に、グローバル展開も加速させています。昨年度に引き続きADB(アジア開発銀行)やERIA(東アジアASEAN経済研究センター)と非認知能力に関する国際共同研究を行う一方、ヤマハ株式会社との連携によるコロンビア市場での「Ai GROW」展開や、経済産業省の「グローバルサウス未来志向型共創等事業」を通じたインドでのネットワーク整備など、海外での事業基盤構築を本格化しています。 なお、主要なサービスは以下のとおりです。 ① Ai GROW 「Ai GROW」は、当社のHR事業で実績のある人材評価システム「GROW360」を基盤に、学校・教育機関向けに最適化したシステムです。360度コンピテンシー評価と気質診断により、生徒一人ひとりの能力や可能性、さらには多様な教育活動の効果を可視化します。これにより、カリキュラム設計から日々のクラス運営、進路指導に至るまで、データに基づいた多面的な教育支援を実現します。特に、蓄積された評価データを基に生成AIが所見作成の支援や個別学習アドバイスの素案を生成することで、教員の働き方改革と個別最適な学びを一層強力に推進します。GROW360と共通の尺度を用いることで、子どもから社会人まで一貫した評価軸で個人の成長を捉えることができる点が、当社の最大の強みです。 当社が主なターゲットとする国内の小中高生(小学校4年生~高校3年生)の市場規模は、最新の公的統計によると約950万人にのぼります。この大きな成長機会の中、Ai GROWは1年間利用可能なサブスクリプションモデルとして提供しており、2025年度末時点での累計ユーザー数は39.5万人、累計他者評価件数は11,820万件に達しています。 ② GROW Academy 生徒のコンピテンシーを伸ばすための動画コンテンツと学習指導案、ワークシートを、生徒の人数に関わらず、学校単位で提供しています。生徒のコンピテンシーを伸ばすためのフレームワークを、学校生活を舞台に設定したアニメ形式の動画で分かりやすい事例を交えて習得することができます。カリキュラムや生徒の習熟度に応じて自由に組み合わせて利用でき、指導案も完備しています。Ai GROWとの併用により、新学習指導要領でも求められているコンピテンシー・ベースの教育を実現できるコンテンツ構成です。 ③ 探究力測定パッケージ 探究型学習の教育効果を可視化するための評価「探究力測定」、地域活性化×最先端テクノロジーをベースにした探究学習プログラム「社会実装シミュレーション型プログラム」、探究レポートの「探究Navigator」をパッケージあるいは単体のサービスとしてスポット型で提供しています。Ai GROWとの併用により、新学習指導要領でも求められている探究型学習の成果を総合的に評価・教育することができます。 ④ e-Spire TOEFL®テストの構造に沿って設計されたオンライン英語学習プラットフォームです。VOCABULARY、READING、LISTENING、WRITING(AIによる自動判定付き)の4つのユニットで構成されています。各ユニットには単語や表現を限定した入門・初級レベルから英語の母語話者に近い上級レベルまで幅広い難易度の問題を用意しています。生徒は各自の英語力や学習ペースに合わせて、豊富な演習問題とトレーニングに自由に取り組むことができます。 (注)上記の顧客数は、サービス別で有償利用校数をカウントし、合算した延べ数(自治体案件なども学校ごとに個別カウント)。 (3)グローバルプラットフォーム事業(旧 プラットフォーム/Web3事業) プラットフォーム事業では、AIによる人材評価・人的資本データの可視化で培ってきた技術・データ・顧客基盤を活用し、新たな成長領域として、予測市場プラットフォーム「Signals」及びインドGCC(Global Capability Center)支援事業を展開しています。 予測市場とは、参加者が将来の出来事や事業成果について予測を行い、その集合知を確率や価格として可視化する仕組みです。当社グループがローンチした「Signals」は、企業の経営判断、事業計画、需要予測、サプライチェーンリスク、地政学リスク、人材・組織課題など、従来の会議やアンケートだけでは把握しにくい将来情報を、社員、専門家、顧客、パートナー等の知見を通じて可視化することを目的としています。 生成AIの普及により、企業の意思決定スピードは一段と高まる一方で、不確実性の高いテーマについては、現場や専門家が持つ分散した情報をいかに早く集約し、経営に活用するかが重要になっています。「Signals」は、こうした分散した知見を企業の意思決定に活用可能なデータへ変換するプラットフォームであり、当社グループは、人的資本評価、AI、データ分析、インセンティブ設計に関する知見を組み合わせることで、企業向けの新たな意思決定支援サービスとして事業化を進めています。 当社グループは、これまでの人材評価・教育支援で培った評価技術、人的資本データ、企業ネットワークを活用し、日本企業によるインドGCCの立ち上げ、現地人材の採用・評価・育成、既存GCCの高度化、日本本社との連携強化等を支援していきます。これは、国内人材不足への対応にとどまらず、日本企業がAI・DX時代においてグローバル競争力を高めるための重要な成長機会であると考えています。 <事業系統図> 当社の事業系統図は、以下のとおりであります。既存のHR・教育の2事業においては、企業や学校が直接の顧客となり、その社員や生徒がユーザーとなるビジネスモデルです。用語集用語用語の定義エンパワーメント個人や組織が本来持っている潜在能力を引き出し、発揮させること。「権限委譲」や「能力開花」と訳される。社員に自発的な行動や判断を促し、本来持っている能力を発揮させることで、意思決定の迅速化や組織力の向上などが期待できます。Society 5.0サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)のこと。第5期科学技術基本計画(2016年度~2020年度)において、我が国が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱された(出所:内閣府)。気質パーソナリティー。本人も認識できない生まれ持った潜在的な性格のこと。当社では、IAT(潜在連合テスト)技術を活用し、時間差・指の軌跡・間違いの回数などを基に、BIG5と呼ばれる最も代表的なパーソナリティ理論に基づいて気質診断を行います。コンピテンシー思考力や判断力、創造力や表現力など個人の行動特性のこと。一般的に経験によって上がっていき、開発が可能な能力のことを指します。当社では、東京大学中原淳研究室(当時)と共同開発したコンピテンシーフレームワーク&モデルをもとに、最低3人からの360度評価に基づいて、25項目(認知・自己・他者・コミュニティの4領域)を測定します。ブロックチェーン(BC)インターネット上に構築された価値交換のための基盤技術のこと。通貨や不動産、株式やライセンスなどの価値(資産)をインターネット上で特定の管理者を介することなく安全かつ安価に取引できるようにする仕組み。認知バイアス不合理な判断に繋がる、先入観や直感、願望などによる思考の偏りのこと。当社では、IAT技術の活用により、気質以外にも幅広い対立概念に対する認知バイアスの測定が可能で、実際にデジタル-リアルへの親和性などを測定するサービスを提供しています。People Analytics人事に関する情報や数字を収集、分析し、客観的なデータを用いて、採用や教育、評価など一連の人事業務の意思決定に活用すること(出所:HRプロ)。IATImplicit Association Test(IAT、潜在連合テスト)は、社会心理学の分野において心的表象と対象物及び対象概念との潜在的な関連の強さを測る手法として、アンソニー・グリーンワルド、デビー・マギー、ジョーダン・シュワルツによって1998年に開発されました。偏見、固定観念、差別を見極めるための手法として、被検者の自己分析よりも信頼性の高い指標と考えられています。GIGAスクール構想児童生徒1人1台端末の整備及び校内通信ネットワークの整備によって、多様な子供たちを誰一人取り残すことのない、公正に個別最適化された学びを全国の学校現場で持続的に実現させるために、文部科学省が2019年12月に発表した取り組み。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 AIを活用した特許技術と非認知能力測定の一貫性で市場を開拓しているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 AIを活用した特許技術による非認知能力測定システム「GROW」が独自性を持つ。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | ディフェンシブ |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 成長投資 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:HR・教育関連市場の政策・ニーズ変化への不対応 / 暗号資産・Web3市場の変動、規制、人材確保、セキュリティ / 競合激化と個人情報保護への不対応
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 0 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
提供された情報からは、ブランド、特許、規制ライセンス、独占的IPなどの無形資産に関する具体的な情報は確認できませんでした。事業内容も不明瞭なため、現時点では評価不能です。
スイッチングコスト☆☆☆☆☆
顧客がサービスから乗り換える際のコストや損失に関する情報が提供されていません。事業内容が不明なため、スイッチング・コストの有無を判断できません。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ユーザー数の増加がサービスの価値向上に繋がるネットワーク効果に関する情報はありません。事業内容が不明なため、ネットワーク効果の有無を判断できません。
コスト優位☆☆☆☆☆
競合他社と比較して構造的に安価に製品やサービスを提供できるコスト優位性に関する情報はありません。財務データも未収録のため、コスト構造の分析は不可能です。
規模の経済☆☆☆☆☆
事業規模や業界内でのポジションに関する情報が不足しており、効率的な規模による競争優位性を評価できません。財務データも未収録のため、規模の経済性を判断できません。
- AIによる公平な人材評価技術特許を取得したAI技術により、回答者の潜在的な認知バイアスや他者評価における忖度などのバイアスを除去し、公平で一貫した人材評価が可能です。ハーバード・ビジネス・スクールのケーススタディにも採用されるなど、その技術的優位性が国際的に認められています。
- 産官学連携による研究開発ケンブリッジ大学や慶應義塾大学など国内外の著名な研究機関との共同研究をベースに、産官学連携でサービス開発を進めています。これにより、常に最先端の知見を取り入れ、高品質なサービスを提供できる体制を構築しており、国内外での導入実績も豊富です。
- 多様な能力を測る特許技術日本国内で5件、海外で1件の特許を取得しており、潜在意識を推定する心理測定技術や、公正・効率的な人事評価アルゴリズム、ブロックチェーンを活用した個人データ管理技術など、多岐にわたる独自の技術が強みです。これらの知財は、競合との差別化と新規事業展開の重要な基盤となっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。(1)会社の経営の基本方針と経営環境 当社グループを取り巻く経営環境は、生成AIから「AIエージェント」へと進化する急速なデジタル化により、構造的な変化の只中にあります。AIエージェントが定型的な業務を自律的に担う時代を迎え、人に求められる能力は根本から変化しており、知識や作業の習熟以上に、AIが代替しにくい「非認知能力」(やり抜く力、協働、創造性、主体性等)と、AIを使いこなす力が、個人と組織の競争力を左右するようになっています。一方で、AIや先端技術の活用を担う高度人材は国内で大幅に不足しており、政府試算ではIT・エンジニアリング分野において2030年に最大約79万人の人材が不足するとされ、企業がこの変化に対応するための人材を国内のみで確保することは一層困難になっています。こうした中、企業が求める人材と実際に提供される人的資本とのミスマッチは国内外で一層顕在化していますが、多くの企業・教育機関・自治体がこれを定量的に捉える仕組みを有していないことが、その解決を困難にしています。 このような経営環境のもと、当社グループは、「分断なき持続可能な社会を実現するための手段を提供する」ことをパーパスに、「人を幸せにする評価と教育で、幸せを作る人、をつくる」ことをビジョンに掲げ、企業と個人の双方を支える「AIエージェント全盛時代の人的資本パートナー」となることを基本方針としております。すなわち、約10年にわたり蓄積してきた独自の評価システム「GROW」と、2026年3月末時点で累計2億件を超える評価データ及び約130万人を超える登録ユーザーを基盤に、人の能力を公正に可視化する評価を起点として、AIエージェント時代に企業が真に必要とする能力を見極め、それを育成するとともに、国内で不足する先端人材については日本とインドを結ぶ連携を通じてグローバルに獲得・組織化することまでを一貫して支援し、人的資本の価値を最大化してまいります。 AIエージェントが業務を担う時代において、当社グループは、人の能力を「測り・育て・予測し・調達し・証明する」まで一気通貫で支援する人的資本のプラットフォームの構築を進めてまいります。具体的には、HR事業において、AIエージェントを前提として「人に求められるスキル・能力要件」を再設計し、評価(GROW360+・スキルマップ)と分析・コンサルティングを通じて、企業の経営戦略と連動した人的資本経営を支援いたします。教育事業においては、AIが代替しにくい非認知能力を、児童・生徒から社会人まで継続的に評価・育成し、次世代に求められる力を育みます。さらにグローバルプラットフォーム事業(旧 プラットフォーム/Web3事業)では、組織の集合知を活用した予測市場により将来必要となる能力・人材を予測するとともに、日本とインドを結ぶ連携を通じて国内で不足する先端人材のグローバルな獲得・組織化を支援し、加えてブロックチェーンを用いて、個人が自らの能力を生涯にわたり主体的に証明・活用できる基盤を整備いたします。これら3つの事業を一体的に展開し、事業間の連携によるネットワーク効果を競争優位の源泉としてまいります。 当社グループは、2026年3月期に構造改革を完了し、以降は「利益ある成長」のフェーズへと移行いたします。日本を起点に海外への展開を進め、当社グループが構築する人的資本システムを世界標準とすることを目指してまいります。 (2)目標とする経営指標 当社グループは、2026年3月期までに構造改革を完了し、以降は「利益ある成長」のフェーズへ移行します。中期経営計画(2027年3月期~2029年3月期)では、①HR事業の上流シフト(測定サービスから人的資本IRパートナーへ)、②教育事業のチャネル転換(個別校営業から自治体・パートナー連携による教育エコシステムへ)、③グローバルプラットフォーム事業のGCC設立支援と集合知プラットフォームの展開、という3つの構造転換を成長戦略の柱とし、2029年3月期に売上収益2,200百万円・営業利益率約16%を目指します。 (3)中長期的な会社の経営戦略 当社グループの中長期的な成長戦略の基本は、約10年にわたり蓄積してきた評価データという模倣困難な資産を起点として、AIエージェント全盛時代における人的資本の価値連鎖、すなわち人の能力を「測る・育てる・予測する・調達する・証明する」という一連のプロセスを一貫して押さえ、人的資本領域の標準を構築することにあります。これにより、①顧客あたりの提供価値の最大化(上流化)、②事業領域の拡張(現在から未来へ、子どもから社会人へ、国内から世界へ)、③模倣困難な参入障壁の構築、を同時に追求してまいります。当社グループは、2026年3月期に構造改革を完了して「利益ある成長」のフェーズへ移行し、中期経営計画(2027年3月期~2029年3月期)においては、次の3つの構造転換を通じて不連続な成長を目指します。 第一は、提供価値の「上流シフト」であります。HR事業において、人材の測定という単発のサービスにとどまらず、AIエージェントを前提として企業が人に求める能力を再設計し、経営戦略と連動した人的資本経営を支援するパートナーへと提供価値を引き上げます。これにより顧客あたりの価値と顧客との関係深度を高め、収益性を向上させてまいります。 第二は、「非認知能力の標準化とエコシステム化」であります。教育事業において、AIが代替しにくい非認知能力の評価・育成を次世代教育の標準へと押し上げるとともに、個別の学校への労働集約的な営業から、自治体・パートナーとの連携によるスケールモデルへと転換します。これにより、高い収益性を維持しながら、営業人員に依存しない全国規模の成長を実現してまいります。 第三は、「価値連鎖の前方拡張と世界展開」であります。グローバルプラットフォーム事業において、当社の事業領域を「現在の人的資本を測る」ことから前方へと拡張いたします。具体的には、組織・サプライチェーン・エコシステムに分散する集合知を経営資源として活用し、需要・事業の成否・リスク、さらには将来必要となる人材・能力といった未来の事象を予測して、企業の経営判断の高度化に資する予測市場を展開いたします。あわせて、国内で不足する先端人材については、日本とインドを結ぶ連携を通じてグローバルに調達・組織化するとともに、ブロックチェーンを用いて、個人が自らの能力を生涯にわたり主体的に証明できる基盤を整備いたします。これらにより、ストック性の高い新たな収益基盤を構築するとともに、当社の人的資本システムの世界標準化を進めてまいります。 これら3つの構造転換は、相互に独立したものではなく、評価データという共通基盤の上で連携し合う点に本質的な強みがあります。評価データの蓄積がAIの精度を高め、提供価値と利用者の拡大が更なるデータの蓄積につながる「正の循環(データ・フライホイール)」と、3事業の連携によるネットワーク効果により、時間とコストでは追随し難い参入障壁を一層強固にしてまいります。さらに、ブロックチェーンを活用して個人が自らの能力データを主体的かつ安全に管理・流通できる仕組みや、トークンを媒介とした適切なインセンティブ設計を通じて、幼少期から社会人までをシームレスに繋ぐ持続可能な人的資本のエコシステムの構築を目指してまいります。 これらの戦略を推進するために、当社グループは、強力な参入障壁となるビッグデータ資産(約2億レコード)、独自開発のアルゴリズム・知的財産(特許取得済み7件・出願済み6件)、ネットワーク効果等を活用し競争優位性を高めています。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループでは、社会基盤たるプラットフォーマーへの変容を実現するために取り組むべき課題を下記のとおり認識しております。これら経営課題を克服するためにも、社会的信用度・知名度の向上、内部管理体制の整備・充実による経営管理体制の充実・強化等が重要と考えております。① 収益化に向けた事業構造の確立 当社グループは、2027年3月期において連結営業損益の黒字転換を計画しており、当該目標の達成を最重要課題と認識しております。当連結会計年度より実行してきた全社的なコスト構造の最適化を通期で寄与させるとともに、AI活用による業務効率化を全社的に推進し、生産性の向上を図ってまいります。あわせて、収益性の高い領域への経営資源の集中配分を進めることで、持続的な黒字基盤の確立を目指してまいります。 ② 優秀な人材の確保・育成 当社グループは、事業領域の拡大に伴い高度化する人材ニーズに応えるため、採用・育成・活用を一体で推進する統合タレント戦略を採っています。外部採用については、専門性が不可欠なポジションに的を絞ることで採用単価の上昇を抑えつつ、既存社員のポテンシャル最大化を成長エンジンと位置付けております。European Skills, Competences, Qualifications and Occupations(ESCO)を基盤としたスキルマップに自社独自のジョブレベルを重ね、全社員のスキルと期待水準のギャップを継続的に可視化してまいりました。 特に、当連結会計年度においては、これまで2年間にわたり蓄積してきたスキルポートフォリオデータの分析を通じて、業績への影響度が高いコアスキルが明確化されつつあります。生成AIをはじめとする技術革新により求められるスキルが急速に変化する中、当社は業務及びスキル領域を、生成AIによる代替・補完が可能な領域と、人による継続的な能力向上が競争力の源泉となる領域に切り分け、後者へリスキリング投資を集中配分する一方、前者については生成AIの活用による生産性向上を推進してまいります。 これにより、人的資本と先端技術を最適に組み合わせ、自律的な学習と成長を促進する組織づくりとともに、組織全体の生産性向上を加速してまいります。さらに、柔軟な働き方を支えるリモートワーク制度や福利厚生を活用し、エンゲージメントと生産性を高めながら、中長期的には採用依存度の低減と総人件費の最適化を実現し、企業価値の持続的向上につなげてまいります。なお、こうした自社における人的資本データ活用の実践知見は、当社サービスの高度化及び顧客支援にも還元しております。 ③ サービス開発とテクノロジー基盤の強化 当社グループは、評価・教育を軸に個々人の成長を支援する事業を展開しており、生成AI、ブロックチェーン/Web3、セキュアデータ基盤等の技術革新を、サービス進化の好機と捉えております。 具体的には、評価システム「Ai GROW」の大幅な機能アップデートをはじめとする既存サービスの継続的な機能拡充に加え、当連結会計年度にローンチした予測市場プラットフォーム「Signals」の本格展開、及びゼロ知識証明・秘密計算等の先端技術を活用したブロックチェーンコンサルティングの提供など、最新技術を取り込んだ新サービスを適時・迅速に開発し、市場へ提供してまいります。 これらを支える技術体制として、(イ)高度専門人材の確保・育成、(ロ)先端技術への継続的な投資及び外部連携 を二本柱に、開発管理体制及び品質管理体制の強化を進め、安定的かつ高品質なサービスを継続的に提供できる体制を整備してまいります。 ④ 組織体制の強化 当社グループは、2027年3月期における収益化への転換、戦略的パートナーとの提携拡大及び海外展開の本格化を見据え、これらを支える組織・ガバナンス体制の一層の高度化を重要課題と認識しております。 具体的には、業務執行体制の効率化と意思決定の迅速化を図るとともに、外部パートナーとの連携拡大に対応した内部管理体制の整備、海外事業展開に対応したコンプライアンス及びリスク管理体制の構築、並びに生成AI・Web3等の先端技術活用に伴う情報セキュリティ管理の強化を進めてまいります。あわせて、コーポレート・ガバナンスの実効性向上を継続的に図り、持続的な成長と企業価値向上を支える経営基盤を確立してまいります。 ⑤ 財務基盤の強化 当社グループは、持続的な成長及び安定的な事業運営を実現するため、収益構造の改善及びキャッシュ・フロー創出力の向上を重要課題と認識しております。 また、当連結会計年度においては、金融機関からの借入や戦略的パートナーとの提携を通じた資金調達を実施し、財務基盤の強化を進めてまいりました。 今後も継続的なコスト最適化に取り組むとともに、多様な資金調達手段及び外部パートナーとの連携を活用し、事業成長と財務健全性の両立を図ってまいります。 ⑥ グローバル事業の確立 当社グループは、グローバル市場における事業機会の拡大を重要な成長戦略の一つとして位置付けております。これまで国際機関やグローバル企業との連携のもと、グローバルサウスを中心とした実証的取り組みを進めてまいりました。当連結会計年度においては、巨大な人材輩出市場であるインドにおける事業展開の立ち上げを進めるとともに、国際機関との連携を通じた新規案件の創出に注力し、将来的なグローバル人材データプラットフォームの構築を視野に事業基盤を拡大してまいります。 なお、事業展開にあたっては、各地域の市場ニーズ、法規制及び商習慣を踏まえた最適な事業モデルの構築、製品・サービスのローカライズ、及び現地パートナーとの協業体制の強化を進めてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。(1)会社の経営の基本方針と経営環境 当社グループを取り巻く経営環境は、生成AIから「AIエージェント」へと進化する急速なデジタル化により、構造的な変化の只中にあります。AIエージェントが定型的な業務を自律的に担う時代を迎え、人に求められる能力は根本から変化しており、知識や作業の習熟以上に、AIが代替しにくい「非認知能力」(やり抜く力、協働、創造性、主体性等)と、AIを使いこなす力が、個人と組織の競争力を左右するようになっています。一方で、AIや先端技術の活用を担う高度人材は国内で大幅に不足しており、政府試算ではIT・エンジニアリング分野において2030年に最大約79万人の人材が不足するとされ、企業がこの変化に対応するための人材を国内のみで確保することは一層困難になっています。こうした中、企業が求める人材と実際に提供される人的資本とのミスマッチは国内外で一層顕在化していますが、多くの企業・教育機関・自治体がこれを定量的に捉える仕組みを有していないことが、その解決を困難にしています。 このような経営環境のもと、当社グループは、「分断なき持続可能な社会を実現するための手段を提供する」ことをパーパスに、「人を幸せにする評価と教育で、幸せを作る人、をつくる」ことをビジョンに掲げ、企業と個人の双方を支える「AIエージェント全盛時代の人的資本パートナー」となることを基本方針としております。すなわち、約10年にわたり蓄積してきた独自の評価システム「GROW」と、2026年3月末時点で累計2億件を超える評価データ及び約130万人を超える登録ユーザーを基盤に、人の能力を公正に可視化する評価を起点として、AIエージェント時代に企業が真に必要とする能力を見極め、それを育成するとともに、国内で不足する先端人材については日本とインドを結ぶ連携を通じてグローバルに獲得・組織化することまでを一貫して支援し、人的資本の価値を最大化してまいります。 AIエージェントが業務を担う時代において、当社グループは、人の能力を「測り・育て・予測し・調達し・証明する」まで一気通貫で支援する人的資本のプラットフォームの構築を進めてまいります。具体的には、HR事業において、AIエージェントを前提として「人に求められるスキル・能力要件」を再設計し、評価(GROW360+・スキルマップ)と分析・コンサルティングを通じて、企業の経営戦略と連動した人的資本経営を支援いたします。教育事業においては、AIが代替しにくい非認知能力を、児童・生徒から社会人まで継続的に評価・育成し、次世代に求められる力を育みます。さらにグローバルプラットフォーム事業(旧 プラットフォーム/Web3事業)では、組織の集合知を活用した予測市場により将来必要となる能力・人材を予測するとともに、日本とインドを結ぶ連携を通じて国内で不足する先端人材のグローバルな獲得・組織化を支援し、加えてブロックチェーンを用いて、個人が自らの能力を生涯にわたり主体的に証明・活用できる基盤を整備いたします。これら3つの事業を一体的に展開し、事業間の連携によるネットワーク効果を競争優位の源泉としてまいります。 当社グループは、2026年3月期に構造改革を完了し、以降は「利益ある成長」のフェーズへと移行いたします。日本を起点に海外への展開を進め、当社グループが構築する人的資本システムを世界標準とすることを目指してまいります。 (2)目標とする経営指標 当社グループは、2026年3月期までに構造改革を完了し、以降は「利益ある成長」のフェーズへ移行します。中期経営計画(2027年3月期~2029年3月期)では、①HR事業の上流シフト(測定サービスから人的資本IRパートナーへ)、②教育事業のチャネル転換(個別校営業から自治体・パートナー連携による教育エコシステムへ)、③グローバルプラットフォーム事業のGCC設立支援と集合知プラットフォームの展開、という3つの構造転換を成長戦略の柱とし、2029年3月期に売上収益2,200百万円・営業利益率約16%を目指します。 (3)中長期的な会社の経営戦略 当社グループの中長期的な成長戦略の基本は、約10年にわたり蓄積してきた評価データという模倣困難な資産を起点として、AIエージェント全盛時代における人的資本の価値連鎖、すなわち人の能力を「測る・育てる・予測する・調達する・証明する」という一連のプロセスを一貫して押さえ、人的資本領域の標準を構築することにあります。これにより、①顧客あたりの提供価値の最大化(上流化)、②事業領域の拡張(現在から未来へ、子どもから社会人へ、国内から世界へ)、③模倣困難な参入障壁の構築、を同時に追求してまいります。当社グループは、2026年3月期に構造改革を完了して「利益ある成長」のフェーズへ移行し、中期経営計画(2027年3月期~2029年3月期)においては、次の3つの構造転換を通じて不連続な成長を目指します。 第一は、提供価値の「上流シフト」であります。HR事業において、人材の測定という単発のサービスにとどまらず、AIエージェントを前提として企業が人に求める能力を再設計し、経営戦略と連動した人的資本経営を支援するパートナーへと提供価値を引き上げます。これにより顧客あたりの価値と顧客との関係深度を高め、収益性を向上させてまいります。 第二は、「非認知能力の標準化とエコシステム化」であります。教育事業において、AIが代替しにくい非認知能力の評価・育成を次世代教育の標準へと押し上げるとともに、個別の学校への労働集約的な営業から、自治体・パートナーとの連携によるスケールモデルへと転換します。これにより、高い収益性を維持しながら、営業人員に依存しない全国規模の成長を実現してまいります。 第三は、「価値連鎖の前方拡張と世界展開」であります。グローバルプラットフォーム事業において、当社の事業領域を「現在の人的資本を測る」ことから前方へと拡張いたします。具体的には、組織・サプライチェーン・エコシステムに分散する集合知を経営資源として活用し、需要・事業の成否・リスク、さらには将来必要となる人材・能力といった未来の事象を予測して、企業の経営判断の高度化に資する予測市場を展開いたします。あわせて、国内で不足する先端人材については、日本とインドを結ぶ連携を通じてグローバルに調達・組織化するとともに、ブロックチェーンを用いて、個人が自らの能力を生涯にわたり主体的に証明できる基盤を整備いたします。これらにより、ストック性の高い新たな収益基盤を構築するとともに、当社の人的資本システムの世界標準化を進めてまいります。 これら3つの構造転換は、相互に独立したものではなく、評価データという共通基盤の上で連携し合う点に本質的な強みがあります。評価データの蓄積がAIの精度を高め、提供価値と利用者の拡大が更なるデータの蓄積につながる「正の循環(データ・フライホイール)」と、3事業の連携によるネットワーク効果により、時間とコストでは追随し難い参入障壁を一層強固にしてまいります。さらに、ブロックチェーンを活用して個人が自らの能力データを主体的かつ安全に管理・流通できる仕組みや、トークンを媒介とした適切なインセンティブ設計を通じて、幼少期から社会人までをシームレスに繋ぐ持続可能な人的資本のエコシステムの構築を目指してまいります。 これらの戦略を推進するために、当社グループは、強力な参入障壁となるビッグデータ資産(約2億レコード)、独自開発のアルゴリズム・知的財産(特許取得済み7件・出願済み6件)、ネットワーク効果等を活用し競争優位性を高めています。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループでは、社会基盤たるプラットフォーマーへの変容を実現するために取り組むべき課題を下記のとおり認識しております。これら経営課題を克服するためにも、社会的信用度・知名度の向上、内部管理体制の整備・充実による経営管理体制の充実・強化等が重要と考えております。① 収益化に向けた事業構造の確立 当社グループは、2027年3月期において連結営業損益の黒字転換を計画しており、当該目標の達成を最重要課題と認識しております。当連結会計年度より実行してきた全社的なコスト構造の最適化を通期で寄与させるとともに、AI活用による業務効率化を全社的に推進し、生産性の向上を図ってまいります。あわせて、収益性の高い領域への経営資源の集中配分を進めることで、持続的な黒字基盤の確立を目指してまいります。 ② 優秀な人材の確保・育成 当社グループは、事業領域の拡大に伴い高度化する人材ニーズに応えるため、採用・育成・活用を一体で推進する統合タレント戦略を採っています。外部採用については、専門性が不可欠なポジションに的を絞ることで採用単価の上昇を抑えつつ、既存社員のポテンシャル最大化を成長エンジンと位置付けております。European Skills, Competences, Qualifications and Occupations(ESCO)を基盤としたスキルマップに自社独自のジョブレベルを重ね、全社員のスキルと期待水準のギャップを継続的に可視化してまいりました。 特に、当連結会計年度においては、これまで2年間にわたり蓄積してきたスキルポートフォリオデータの分析を通じて、業績への影響度が高いコアスキルが明確化されつつあります。生成AIをはじめとする技術革新により求められるスキルが急速に変化する中、当社は業務及びスキル領域を、生成AIによる代替・補完が可能な領域と、人による継続的な能力向上が競争力の源泉となる領域に切り分け、後者へリスキリング投資を集中配分する一方、前者については生成AIの活用による生産性向上を推進してまいります。 これにより、人的資本と先端技術を最適に組み合わせ、自律的な学習と成長を促進する組織づくりとともに、組織全体の生産性向上を加速してまいります。さらに、柔軟な働き方を支えるリモートワーク制度や福利厚生を活用し、エンゲージメントと生産性を高めながら、中長期的には採用依存度の低減と総人件費の最適化を実現し、企業価値の持続的向上につなげてまいります。なお、こうした自社における人的資本データ活用の実践知見は、当社サービスの高度化及び顧客支援にも還元しております。 ③ サービス開発とテクノロジー基盤の強化 当社グループは、評価・教育を軸に個々人の成長を支援する事業を展開しており、生成AI、ブロックチェーン/Web3、セキュアデータ基盤等の技術革新を、サービス進化の好機と捉えております。 具体的には、評価システム「Ai GROW」の大幅な機能アップデートをはじめとする既存サービスの継続的な機能拡充に加え、当連結会計年度にローンチした予測市場プラットフォーム「Signals」の本格展開、及びゼロ知識証明・秘密計算等の先端技術を活用したブロックチェーンコンサルティングの提供など、最新技術を取り込んだ新サービスを適時・迅速に開発し、市場へ提供してまいります。 これらを支える技術体制として、(イ)高度専門人材の確保・育成、(ロ)先端技術への継続的な投資及び外部連携 を二本柱に、開発管理体制及び品質管理体制の強化を進め、安定的かつ高品質なサービスを継続的に提供できる体制を整備してまいります。 ④ 組織体制の強化 当社グループは、2027年3月期における収益化への転換、戦略的パートナーとの提携拡大及び海外展開の本格化を見据え、これらを支える組織・ガバナンス体制の一層の高度化を重要課題と認識しております。 具体的には、業務執行体制の効率化と意思決定の迅速化を図るとともに、外部パートナーとの連携拡大に対応した内部管理体制の整備、海外事業展開に対応したコンプライアンス及びリスク管理体制の構築、並びに生成AI・Web3等の先端技術活用に伴う情報セキュリティ管理の強化を進めてまいります。あわせて、コーポレート・ガバナンスの実効性向上を継続的に図り、持続的な成長と企業価値向上を支える経営基盤を確立してまいります。 ⑤ 財務基盤の強化 当社グループは、持続的な成長及び安定的な事業運営を実現するため、収益構造の改善及びキャッシュ・フロー創出力の向上を重要課題と認識しております。 また、当連結会計年度においては、金融機関からの借入や戦略的パートナーとの提携を通じた資金調達を実施し、財務基盤の強化を進めてまいりました。 今後も継続的なコスト最適化に取り組むとともに、多様な資金調達手段及び外部パートナーとの連携を活用し、事業成長と財務健全性の両立を図ってまいります。 ⑥ グローバル事業の確立 当社グループは、グローバル市場における事業機会の拡大を重要な成長戦略の一つとして位置付けております。これまで国際機関やグローバル企業との連携のもと、グローバルサウスを中心とした実証的取り組みを進めてまいりました。当連結会計年度においては、巨大な人材輩出市場であるインドにおける事業展開の立ち上げを進めるとともに、国際機関との連携を通じた新規案件の創出に注力し、将来的なグローバル人材データプラットフォームの構築を視野に事業基盤を拡大してまいります。 なお、事業展開にあたっては、各地域の市場ニーズ、法規制及び商習慣を踏まえた最適な事業モデルの構築、製品・サービスのローカライズ、及び現地パートナーとの協業体制の強化を進めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態の状況(資産) 当連結会計年度末における資産は、649,164千円となり、前連結会計年度末に比べ119,681千円減少しました。これは主に、現金及び預金が171,435千円増加したものの、受取手形及び売掛金が196,651千円、投資有価証券が82,315千円減少したことによるものです。 (負債) 当連結会計年度末における負債は、170,691千円となり、前連結会計年度末に比べ106,662千円増加しました。これは主に、長期借入金が21,000千円、転換社債型新株予約権付社債が80,000千円増加したことによるものです。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産は、478,472千円となり、前連結会計年度末に比べ226,344千円減少しました。これは主に、第三者割当増資80,250千円により資本金が40,612千円、資本準備金が40,612千円増加したものの、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が281,595千円減少したことによるものです。 ② 経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益が高水準を維持し雇用環境も堅調であったため、底堅く推移しました。AI関連需要は引き続き高く、半導体、データセンター、電力・インフラ投資などの成長領域では投資意欲が旺盛です。また、賃上げの継続や、企業価値向上に向けた人的資本・成長投資への要請の高まりを背景に、国内企業においても人材・AI活用への投資は重要性を増しています。一方で、米国の通商政策や地政学リスク、国外経済に影響を受ける形で、物価上昇の長期化、国内長期金利の上昇、為替・金融資本市場の変動等により、先行きが不透明な状況は続いています。加えて、ブロックチェーン領域では、日本においてもステーブルコインを含むデジタル資産に関する制度整備が徐々に進んでおり、投機的用途にとどまらず、決済・金融インフラとしての活用可能性に対する関心が高まっています。 当社グループは、「分断なき持続可能な社会を実現するための手段を提供する」をパーパスとし、個人の能力を科学的に「見える化」し、その成長を支援するサービスを提供しています。具体的には、能力データを活用した学習教材や研修プログラムを学校・企業・自治体等に展開しています。また、2026年3月にブロックチェーン基盤の予測市場プラットフォーム「Signals」をローンチいたしました。WORLD IDとの連携により、企業が社内・サプライチェーン・エコシステム内の集合知を経営資源として活用することを可能にするサービスです。今後、国内外の企業において、社内、サプライチェーン、エコシステム内での貴重な情報を集合知による経営資源として活用し、AI時代に必要とされる個人の予測能力を測る基盤導入を支援していきます。 人的資本投資については、有価証券報告書での情報開示が定着する一方、政府が昨年6月に示した新たな方針では、開示情報の「比較可能性の向上」や、形式的な開示から脱却し、経営戦略と連動した実践を企業に求める動きが加速しています。これにより、単に情報を開示するだけでなく、投資対効果(ROI)を最大化し、企業価値向上へどう貢献するかを具体的に示すことが、市場から一層強く求められる段階に移行しました。当社グループはこうした市場動向を踏まえ、人材評価・育成サービスにおけるテクノロジー活用を着実に進めています。 教育市場においては、新学習指導要領を履修した第一期生が2025年度に卒業期を迎え、大学入学共通テストで「情報Ⅰ」が課されたことに加え、大学入試全体で総合型選抜の枠が拡大していることから、探究力や主体性といった非認知能力の重要性が一層高まっています。こうした中、政府は「GIGAスクール構想」の次なる段階として、学習履歴などの教育データを標準化し、利活用を促進する方針を明確にしました。特に、生成AIの教育活用も本格化しており、個別最適な学びを高度化する次世代教育モデルへの関心から、具体的な導入検討へと移っています。当社グループはこうした市場環境の変化に迅速に対応し、学校・自治体・教育関連事業者との連携を強化し、データドリブンな教育支援の拡大を目指しています。 暗号資産市場では、2024年に米国において現物ETFが承認されたことを契機に、機関投資家の資金流入が本格化し、市場の基盤が大きく変化しました。特に、昨年11月に予測市場大手のポリマーケットなどがCFTC(米国商品先物取引委員会)から仲介型取引プラットフォームの運営を正式に認可されたと発表され、予測市場が急速に拡大しています。こうした流れの中、日本でも日本円のステーブルコインが承認され、世界的に暗号資産は単なる投機的対象から、ユーザーが安心して主権を持つことができる実用的な技術基盤としての信頼性を増しており、新たなビジネス創出の土壌が急速に整いつつあります。当社グループは、予測市場基盤Signalsを中心にブロックチェーン技術を活用した企業向けサービスに注力してまいります。 売上高におきましては、HR事業において既存の「GROW360」、「人的資本理論の実証化研究会」を引き続き推進させるとともに、「DX研修」を再開しデジタルリスキリングに係るコンサルティングサービスの提供を行ったこと、教育事業において基幹商材である「Ai GROW」の売上が着実に伸長し、今年度においても経済産業省の「探究・校務改革支援補助金2025」の交付が決定したことにより、前期比で増収となりました。 コスト面におきましては、今年度より全社的にコスト構造を見直し、前期比で15%のコスト削減を達成すべくコスト最適化に努めております。こうした業務効率化や既存コストの見直し等によって創出される経営資源を、「GROW360」からより使いやすさを重視し機能拡充した「GROW360+」のソフトウエア開発及び研究開発活動や、サービス向上のためのマーケティング活動、人的資本(能力)の最大化に向けた人材戦略投資に、継続して投入しております。 この結果、当連結会計年度の売上高は659,144千円(前期比9.3%増)、営業損失227,182千円(前期は営業損失303,135千円)、経常損失186,829千円(同 経常損失295,946千円)、親会社株主に帰属する当期純損失281,595千円(同 336,333千円)となりました。 セグメント別の経営成績を示すと、次のとおりであります。 なお、報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、連結財務諸表を作成するために採用される会計方針に準拠した方法であります。報告セグメントの利益(又は損失)は、営業利益(又は損失)ベースの数値であります。HR事業 HR事業では、人的資本の情報開示が「投資対効果(ROI)」を問う段階へと移行する中、企業の価値向上に直結するサービスを展開しております。主力サービス「GROW360」で得られたデータを基に、戦略的なスキルマップの策定から人的資本投資のROI測定までを一気通貫で支援するコンサルティングを提供しています。こうしたサービスの理論的基盤となっているのが、当社が4年連続で運営を支援する産学協働の「人的資本理論の実証化研究会」であり、「DX研修」などのリスキリングサービスと組み合わせることで、測定から育成まで一貫した価値提供を実現しています。また、当第3四半期連結会計期間において、プルータス・グループとの資本業務提携を締結し、人的資本デューデリジェンスの共同開発や、人的資本経営コンサルティングの共同展開を進めてまいります。 この結果、当セグメントの売上高は281,900千円(前期比18.3%増)、セグメント利益は71,824千円(前期はセグメント損失21,895千円)となりました。 教育事業 教育事業では、教育効果の可視化を核心に据え、主力サービスである評価システム「Ai GROW」を軸に事業を展開しております。生徒の多様な能力を多角的に測定・分析するため、「探究力測定パッケージ」や動画コンテンツ「GROW Academy」といったツール群を提供。また、未就学児向けの気質測定サービス「First GROW」の提供を開始するとともに、株式会社JTBとの「J’s GROW」や株式会社内田洋行との「Ai GROW Lite」など、有力パートナーとの共同開発を通じて、サービス提供範囲を拡大しております。こうした取り組みは、経済産業省の「探究・校務改革支援補助金」に本年も含め複数年にわたり採択されています。これは、補助金導入をきっかけに当社のサービスをご利用いただいた学校の多くが、その価値を実感され、次年度以降、有償で契約を継続されている実績が評価されたものと考えております。この国内での確かな事業基盤を足掛かりに、アジア地域での共同研究や、ヤマハ株式会社との連携、インド市場などへのグローバル展開を加速させています。 この結果、当セグメントの売上高は328,877千円(前期比6.5%増)、セグメント利益は123,818千円(前期比26.5%増)となりました。 プラットフォーム/Web3事業 プラットフォーム/Web3事業では、世界的にブロックチェーン市場が成長する中、当初展開していた転職支援サービス「ONGAESHIプロジェクト」の戦略的撤退を決断した一方で、ゼロ知識証明や秘密計算といった先端技術を活用したブロックチェーンコンサルティング事業を拡大させており、予測市場に関するプラットフォームをローンチするなど当該分野への経営資源の集中を進めています。これにより短期的な売上減や「ONGAESHIプロジェクト」において海外展開していたシンガポール法人に対する売掛金に係る貸倒引当金繰入額150,000千円の計上があったものの、コスト構造の最適化と中長期的な収益反転への基盤整備を進めています。 この結果、当セグメントの売上高は48,366千円(前期比13.6%減)、セグメント損失は180,713千円(前期はセグメント損失146,920千円)となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて171,435千円増加し、493,033千円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの変動要因は次の通りであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動により獲得した資金は、26,652千円(前年同期は225,078千円の使用)となり、4期ぶりにプラスに転換しました。これは主に、税金等調整前当期純損失の計上305,270千円があったものの、投資有価証券評価損の計上102,905千円、売上債権の減少額196,651千円があったことによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動により使用した資金は、38,946千円(前年同期は83,946千円の使用)となりました。これは主に、ソフトウエア開発に伴う固定資産取得による支出18,361千円、投資有価証券の取得による支出20,585千円があったことによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動により獲得した資金は、184,595千円(前年同期は1,022千円の使用)となりました。これは主に、長期借入れによる収入30,000千円、転換社債型新株予約権付社債の発行による収入80,000千円、株式の発行による収入80,250千円があったことによるものです。 ④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載を省略しております。 b.受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)受注高(千円)前期比(%)受注残高(千円)前期比(%)HR事業262,846104.110,41735.3教育事業357,731118.1158,901122.2プラットフォーム/Web3事業57,20899.913,000312.6合計677,785110.7182,318111.4 c.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(千円)前期比(%)HR事業281,900118.3教育事業328,877106.5プラットフォーム/Web3事業48,36686.4合計659,144109.3 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(売上高) 売上高は659,144千円(前年同期比9.3%増)となりました。セグメント別の売上高については次のとおりとなっております。HR事業 HR事業では、人的資本の情報開示が「投資対効果(ROI)」を問う段階へと移行する中、企業の価値向上に直結するサービスを展開しております。主力サービス「GROW360」で得られたデータを基に、戦略的なスキルマップの策定から人的資本投資のROI測定までを一気通貫で支援するコンサルティングを提供しています。こうしたサービスの理論的基盤となっているのが、当社が4年連続で運営を支援する産学協働の「人的資本理論の実証化研究会」であり、「DX研修」などのリスキリングサービスと組み合わせることで、測定から育成まで一貫した価値提供を実現しています。また、当第3四半期連結会計期間において、プルータス・グループとの資本業務提携を締結し、人的資本デューデリジェンスの共同開発や、人的資本経営コンサルティングの共同展開を進めてまいります。 この結果、当セグメントの売上高は281,900千円(前期比18.3%増)となりました。 教育事業 教育事業では、教育効果の可視化を核心に据え、主力サービスである評価システム「Ai GROW」を軸に事業を展開しております。生徒の多様な能力を多角的に測定・分析するため、「探究力測定パッケージ」や動画コンテンツ「GROW Academy」といったツール群を提供。また、未就学児向けの気質測定サービス「First GROW」の提供を開始するとともに、株式会社JTBとの「J’s GROW」や株式会社内田洋行との「Ai GROW Lite」など、有力パートナーとの共同開発を通じて、サービス提供範囲を拡大しております。こうした取り組みは、経済産業省の「探究・校務改革支援補助金」に本年も含め複数年にわたり採択されています。これは、補助金導入をきっかけに当社のサービスをご利用いただいた学校の多くが、その価値を実感され、次年度以降、有償で契約を継続されている実績が評価されたものと考えております。この国内での確かな事業基盤を足掛かりに、アジア地域での共同研究や、ヤマハ株式会社との連携、インド市場などへのグローバル展開を加速させています。 この結果、当セグメントの売上高は328,877千円(前期比6.5%増)となりました。 プラットフォーム/Web3事業 プラットフォーム/Web3事業では、世界的にブロックチェーン市場が成長する中、当初展開していた転職支援サービス「ONGAESHIプロジェクト」の戦略的撤退を決断した一方で、ゼロ知識証明や秘密計算といった先端技術を活用したブロックチェーンコンサルティング事業を拡大させており、予測市場に関するプラットフォームをローンチするなど当該分野への経営資源の集中を進めています。これにより短期的な売上減や「ONGAESHIプロジェクト」において海外展開していたシンガポール法人に対する売掛金に係る貸倒引当金繰入額150,000千円の計上があったものの、コスト構造の最適化と中長期的な収益反転への基盤整備を進めています。 この結果、当セグメントの売上高は48,366千円(前期比13.6%減)となりました。 (売上原価及び売上総利益) 売上原価は、主に人件費156,940千円、外注費70,476千円の計上により、276,299千円(前年同期比31.9%減)となりました。この結果、売上総利益は382,844千円(前年同期比94.2%増)となりました。 (販売費及び一般管理費、営業損失) 販売費及び一般管理費は、主に人件費210,934千円、貸倒引当金繰入額150,026千円、支払報酬68,366千円の計上により、610,026千円(前年同期比21.9%増)となりました。 この結果、営業損失は227,182千円(前年同期は営業損失303,135千円)となりました。 (営業外収益、営業外費用、経常損失) 営業外収益は、主に補助金収入40,990千円の計上により44,337千円(前年同期比130.2%増)となりました。 営業外費用は、主に支払手数料2,849千円の計上により3,984千円(前年同期比67.0%減)となりました。 この結果、経常損失は186,829千円(前年同期は経常損失295,946千円)となりました。 (特別損益、法人税等合計、当期純損失) 特別利益は、発生しておりません(前年同期は発生なし)。 特別損失は、主に投資有価証券評価損102,905千円の計上により118,441千円(前年同期比210.9%増)となりました。 法人税等合計は、法人税、住民税及び事業税の計上により2,290千円(前年同期は2,290千円)となりました。 この結果、親会社株主に帰属する当期純損失は281,595千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失336,333千円)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a.キャッシュ・フローの状況の分析 キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、従業員の人件費、ソフトウエア開発に係る外注費、販売費及び一般管理費の営業費用であり、現在、運転資金は自己資金及び金融機関からの借入で賄っております。キャッシュ・フローの安定化及び財務基盤の強化を目的として、資本提携を含む他企業との戦略的な提携関係の構築や、金融機関からの借入等、多様な資金調達手段について引き続き協議しております。これにより、将来の事業環境の変化に柔軟に対応可能な体制の整備を図るとともに、持続的な成長に向けた経営の安定性確保に努めてまいります。 なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は493,033千円であり、当社グループの事業を推進していく上で十分な流動性を確保していると考えております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。 この連結財務諸表の作成にあたっては、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上のための客観的な指標として、売上高、営業利益の成長性を重視しております。 HR事業では、売上高を「顧客企業数」×「顧客あたりの売上」と捉え、高い売上高成長率の継続に向けて、「顧客数の最大化」と、「複数階層・全社利用や複数のサービスの提供による顧客あたり売上の増大」に積極的に取り組んでまいります。 教育事業では、売上高を「採用学校数」×「顧客あたりの売上」と捉え、売上高と営業利益の両方で高い成長率を継続するべく、特に「採用学校数の積み上げ」と、「複数のサービスの提供による学校あたり売上の増大」に積極的に取り組んでまいります。 グローバルプラットフォーム事業(旧 プラットフォーム/Web3事業)は、短期的には計画どおりに事業を進めることを最優先に取り組んでまいります。 セグメント別の各指標の推移は以下のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)売上高(千円)増減率(%)営業利益又は損失(△)(千円)増減率(%)HR事業281,90018.371,824-教育事業328,8776.5123,81826.5プラットフォーム/Web3事業48,366△13.6△180,713- ⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因 当社グループの将来の経営成績に重要な影響を与えるリスク要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ⑥ 経営者の問題意識と今後の方針 「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、今後更なる業容拡大と成長を遂げるには、様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。また、当社グループを取り巻く外部環境及び内部環境を適宜適切に把握し、市場におけるニーズを識別して経営資源の最適化に努めてまいります。
事業リスク
- 事業環境の変化への対応HR関連市場では人的資本開示の義務化など政策的動向が追い風ですが、教育市場では国の教育政策や補助金、ニーズの急激な変化に対応できない場合、事業成長が阻害される可能性があります。Web3市場では法規制の変更や新設、暗号資産の価格変動が事業に影響を及ぼすリスクがあります。
- 競合激化と技術革新非認知能力の可視化に対する社会的関心の高まりにより、類似サービスを提供する企業の参入が増え、競争が激化する可能性があります。また、AI分野の技術革新は非常に速く、これに適切に対応できない場合や、想定を超える設備・システム投資が必要になった場合、業績に影響を与える可能性があります。
- システム障害とセキュリティサービスの基盤をインターネット通信網に依存しているため、自然災害や停電、サイバー攻撃、担当者の過誤などによるシステム障害が発生した場合、サービス提供が困難になる可能性があります。また、個人データを取り扱うため、個人情報保護に対する社会的要請の高まりへの対応も重要です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1)事業環境に関するリスクについて① HR関連市場について 当社グループは、企業における人材マネジメント課題の解決に向け、人材評価サービス(GROW360+)、スキルマップ作成、人的資本研究会の運営、組織コンサルティング(人的資本IR・人的資本デューデリジェンスを含む)を一体的に提供し、採用・配置・育成・組織開発から経営の上流領域までを支援するソリューションを展開しております(事業セグメント:HR事業)。 近年、国による人的資本開示の義務化や「人的資本可視化指針」の整備等により、企業に求められる開示責任は一段と高まっており、当社グループはこうした政策的動向に即した上流サービスの提供を進めております。さらに、グローバルサプライチェーンの再構築、海外子会社との連携、M&A後の組織統合といった経営意思決定の局面においては、組織内外の知見を集約する「集合知の経営活用」へのニーズが顕在化しつつあります。 当社グループは、コンピテンシー及びスキルの測定にとどまらず、ブロックチェーン基盤の予測市場プラットフォーム「Signals」(主要顧客は企業)を通じて、社内・サプライチェーン・エコシステム内の集合知を経営資源として可視化・活用するサービスを提供することで、企業向け人的資本マネジメント市場の上流支援を強化してまいります。 こうした事業環境は当社グループの成長機会である一方、人的資本開示や集合知活用に関する顧客企業のニーズの顕在化スピードに当社グループの開発・販売体制が追随できない場合、社会的要請や制度の変化への対応を欠いた場合、又は予測市場をはじめとする新サービスの社会的受容が想定より進まない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 教育関連市場について 当社グループは、子ども・学習者を対象とした非認知能力評価及び教育支援サービスを展開しております。具体的には、文部科学省が提唱するGIGAスクール構想を背景とした教育のオンライン化やICT活用の推進、並びに非認知能力評価への社会的関心の高まりを背景として、児童・生徒向けの「Ai GROW」及び「探究アセスメント」(事業セグメント:教育事業)を、自治体(教育委員会)・教育機関・学習教材/ICT事業者との連携を通じて全国展開しております。加えて、就学前段階の子どもを対象としたアセスメントサービス「FirstGROW」(保育事業者・法人顧客を経由して提供)の提供を開始するなど、提供対象の拡大にも取り組んでおります。 しかしながら、国の教育政策や補助金等の予算措置の変動、自治体・パートナー連携の進捗の遅延、保育事業者・法人顧客の導入意思決定の鈍化、あるいは教育現場・保育現場における環境やニーズの急激な変化に当社グループが適切に対応できない場合には、当該市場における当社サービスの成長が阻害され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、長期的には、少子化の影響により利用対象者が減少する可能性があるものの、当社サービスの市場規模は今後拡大することが見込まれます。今後、少子化が当社の想定を超えて急速に進展した場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ③ グローバル新規事業について 当社グループは、グローバル人材の流動化と人的資本の国境を越えた活用の進展を背景として、グローバル新規事業を展開しております。具体的には、スキルや学習履歴を改ざん不能な形で記録するSBT(Soulbound Token)関連サービス等を展開しており、当社グループの中長期的な成長ドライバーとして位置付けております。 なお、Signalsについても、国内のみならず海外への展開も今後計画しております。 Signalsは国内法規制に準拠した設計であり、賭博等に関連する法令には該当しない企業グループ内利用のプラットフォームですが、法規制は各国において依然として整備途上であり、規制の変更や新設、又は地政学的環境の変化が当社のサービス提供に影響を及ぼす可能性があります。また、当該事業の特性上、ブロックチェーン技術、海外拠点設立支援に関する高度な知見を有する人材の確保が重要な課題となっており、競争環境の中で適切な人材を確保・維持できない場合、事業の継続的な成長が損なわれるリスクがあります。これらの対応が不十分であった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 競合等について 基幹サービスである「GROW」は、AIを活用した特許技術を数多く利用した当社独自の人材評価システムで、子どもから大人まで同じ枠組みで非認知能力の測定が可能です。 他方で、人的資本開示の義務化を契機として、人材アセスメント及び人的資本データ活用に対する社会的関心が一段と高まったことを背景に、コンサルティングファーム、人事系SaaS事業者、海外グローバルHRベンダー、並びに生成AI・大規模言語モデル(LLM)を活用したHRテクノロジー・評価ツールを提供するスタートアップ等、多様なプレイヤーの参入が進んでおり、競争環境はこれまでの「市場創出フェーズ」から「市場形成・競争激化フェーズ」へと移行したと認識しております。 また、予測市場プラットフォーム「Signals」の領域につきましても、現時点で国内に直接の競合は見られないものの、海外には企業内利用ではないものの同様のテクノロジーを活用したサービスが既に存在しており、今後、海外プレイヤーが領域を変えての国内市場への参入や、海外市場における競合の顕在化の可能性があります。 また、非認知能力の可視化や予測市場の運用にあたっては個人データを取り扱う側面があるため、個人情報保護に対する社会的要請の高まりにも対応が求められます。これらのリスクに対しては、技術的優位性の維持、特許等の知的財産による保護、個人情報保護体制の強化、顧客ニーズに基づく上流サービス(人的資本IR・DD、組織コンサルティング等)への進化等を通じて対応を図ってまいりますが、これらに適切に対応できない場合、当社グループの事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 業績の季節偏重について HR事業におきましては、顧客企業の事業年度末に1年の報告や完了が求められる案件が多いことや、予算執行のタイミング、採用スケジュールの都合により、売上計上時期が3月に偏重する傾向があります。同様に、教育事業におきましても、主に、自治体から受注したプロジェクトにつきましては、事業年度末に報告や完了が求められるため、売上計上時期もしくは検収時期が3月に偏重しております。 このため、検収時期の変動等により売上計上時期が翌期となった場合、もしくは3月度の売上が計画どおりに進捗しなかった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 ⑥ 技術革新について 当社はAIを活用した人材評価サービスを展開しておりますが、AI分野においては、生成AIを含む技術革新やサービス開発が急速に進展しており、市場環境や顧客ニーズも大きく変化しております。当社はそうした技術革新や市場環境の変化に対応できる体制づくりに努めておりますが、今後、技術革新のスピード、新たなビジネスモデルや競合サービスの出現、関連法規制や社会的要請の変化に当社が適時適切に対応できない場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ⑦ 事業拡大に伴う継続的な設備・システム投資について 当社は極めて速い技術革新のスピードに対応していくために、必要な研究開発資金を適時適切に投入するとともに、サーバ等の設備に順次投資を行っていく必要があります。 今後、当社の想定を超える設備・システム投資が必要となった場合には、減価償却費の増加が利益を圧迫する可能性があります。また、設備・システム投資にもかかわらず、当社の想定を上回る急激な事業環境の変化等により、想定した投資効果を得ることができない場合には、固定資産に関して減損損失等が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ システム障害について 当社の事業は、サービスの基盤をインターネット通信網に依存しております。そのため、自然災害や停電、事故等により通信ネットワークが遮断された場合には、サービスを提供することが不可能な場合があります。また、アクセスの一時的な増加による負荷増大によって、当社のサーバが停止し、サービス提供に支障が出る場合があるほか、外部からの不正な手段によるコンピュータ内への侵入等の犯罪や当社担当者の過誤等によって、当社のシステムに重大な影響が出る場合があります。 当社としましては、定期的なシステムのバックアップを実施するとともに、外部のデータセンターを利用することでセキュリティ強化や安定的なシステム運用ができるような体制の構築に努めておりますが、前述のような状況が発生した場合には、サービスの提供が困難になる可能性があり、その結果、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 感染症の影響について 当社グループは、企業及び教育機関向けにサービスを提供しておりますが、感染症の流行その他の事由により社会経済活動が停滞した場合には、顧客企業等の投資・採用活動の縮小、営業活動の制限等が生じる可能性があります。また、事業環境や顧客ニーズの変化に適切に対応できない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)事業運営・組織体制に関するリスク① 特定人物への依存について 当社創業者である代表取締役会長 福原正大は当社の経営において重要な役割を果たしておりますが、2024年6月より、長年取締役を務めてきた中里忍が代表取締役社長に就任、現行の経営体制へと移行してから2年が経過しております。中里社長を中心とした事業推進及び迅速な意思決定が定着したことにより、持続的な成長を目指した経営体制の構築は一歩進んだものと考えております。当社グループとしては、引き続き代表取締役会長及び代表取締役社長に過度に依存しない組織体制への移行を進めるとともに、次世代の人材育成及び経営基盤のさらなる強化に努めておりますが、両名が何らかの理由で業務執行できなくなった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、代表取締役会長の福原正大は慶應義塾大学にて教授を兼務しておりますが、実際の業務関与時間等の状況から見て、当社グループの事業運営に支障はないと考えております。 ② 個人情報保護について 当社は、人材評価システムを利用したサービスを提供しているため、顧客である企業の社員及び採用候補者及び顧客である学校・教育機関の生徒・学生に関する個人情報を扱っております。当社では、個人情報の保護に関する法令に従い厳格な管理を行うとともに、情報セキュリティについて適切な保護体制を構築するため、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)及びプライバシーマークの認証を取得・維持しております。当連結会計年度においては、プライバシーマークの3回目の更新(登録番号:第21004769(03)号)を完了したほか、今後の事業展開を見据え、GDPR(欧州一般データ保護規則)をはじめとする国際的なデータ保護基準を意識したプライバシーポリシーの改定等、情報管理体制の強化に努めております。しかしながら、予期せぬサイバー攻撃やヒューマンエラー等により個人情報の漏洩や不正利用等の事態が生じた場合、取引先からの契約解除や損害賠償請求、当社グループや提供サービスに対する社会的信頼の低下等により、当社グループの事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 知的財産権について 当社は、運営するコンテンツ及びサービスに関する知的財産権の獲得に努めており、当連結会計年度においては、国内にて「人材採用装置及び人材採用システム」に関する特許が新たに登録されたほか、海外(ベトナム)においても特許の査定通知を受領するなど、知財基盤の強化を進めております 。また、第三者の知的財産権を侵害しないよう、十分な注意を払っております 。 しかしながら、今後当社が属する事業分野において、予期せぬ理由により第三者の権利侵害が成立した場合は、損害賠償及び使用差止め等の訴えを起こされる可能性や、ライセンス料等の対価の支払いが発生する可能性があり、また、当社の知的財産が第三者に侵害された場合も含め、これらが適切に解決できない場合には、当社グループの事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 人材の確保・育成について 当社が今後さらなる業容拡大に対応するためには、継続して優秀な人材の確保・育成が重要な課題となります。現在も採用による人材の獲得に加え、入社後の社内研修や各種勉強会の開催、福利厚生の充実等、社員の育成及び人材の流出に対応した各種施策を推進しております。なお、現時点では業績や経営環境を踏まえ、採用活動は選択的かつ慎重に進めておりますが、優秀な人材との出会いには柔軟に対応する方針です。加えて、社内における人材育成の強化にも注力しており、スキルマップに基づくジョブレベルの向上を通じて中核人材の育成を進めております。また、当社は社員の働きがいや組織への帰属意識の向上を重視しており、エンゲージメント向上に資する施策の導入や、社員の意見を可能な範囲で把握し一定の配慮を行う取り組みを推進しております。しかしながら、これらの施策が十分に機能せず、社員のモチベーションや組織への定着が低下した場合には、人材の流出や生産性の低下を招き、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 さらに、高度な技術を持つエンジニアやデータサイエンティスト等の人材の確保競争は激化しており、新規採用や社内育成が計画通りに進まない場合には、適正な人員配置が困難となり、競争力の低下や事業規模拡大の制約要因となる可能性があります。これらの状況は当社グループの事業及び業績に影響を及ぼすおそれがあります。 ⑤ 小規模組織であることについて 当社は小規模な組織であり、内部管理や業務執行についてもそれに応じた体制となっております。当社では、今後の業容拡大及び業務内容の多様化に対応するため、人員の増強及び内部管理体制や業務執行体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合やこれらの施策の遂行に要する費用等の負担が増大した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について 当社は取締役及び従業員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブ等を目的として、新株予約権を付与しているほか、今後も優秀な人材確保のため新株予約権を発行する可能性があります。現在付与されている、または今後付与する新株予約権の行使が行われた場合、発行済株式数が増加し、1株当たりの株式価値を希薄化させる可能性があります。また、新株予約権の行使により発行された株式が、一度に大量に市場に流入することになった場合等には、適切な株価形成に影響を及ぼす可能性があります。本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は877,981株であり、発行済株式総数4,773,400株の18.4%に相当します。 ⑦ 配当政策について 当社は、利益配分につきましては、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、経営成績に応じた配当を実施していくことを基本方針としております。しかしながら、当面の間は内部留保の充実を図り、内部留保資金につきましては、優秀な人材の確保や新技術の導入及び独自製品開発に向けた投資に充当し、企業価値の向上に努める方針であります。そのため、当社は、本書提出日現在では配当を行っておらず、また今後の配当実施の可能性及び実施時期については未定であります。 ⑧ 訴訟等について 当社グループは、現時点において提起されている訴訟はありません。しかしながら、将来において当社グループの取締役、従業員の法令違反等の有無にかかわらず、予期せぬトラブルや訴訟等が発生する可能性は否定できません。かかる訴訟が発生した場合には、その内容や賠償金額によって、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。