事業の概要
- DX&SI事業製造業、流通業、金融機関、公共機関など幅広い業界向けに、情報システムの開発・構築・運用サービスを提供しています。顧客の業務効率化やデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するシステムインテグレーション(SI)が主力で、多岐にわたるニーズに対応しています。
- パッケージ事業大学向けの「戦略的大学経営システム GAKUEN RX」や金融機関向けの「BankNeo」など、自社開発のブランド製品を販売し、導入コンサルティングや関連システムの開発も行っています。特定の業界に特化したソリューションを提供することで、安定的な収益源を確保しています。
- 医療ビッグデータ事業医療情報データの点検・分析サービス「JMICS」や保険者業務支援サービス「iBss」を提供し、医療データの利活用を推進しています。健康保険組合や医療機関の業務改革を支援することで、社会貢献と収益化を両立するビジネスモデルです。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- DX&SI事業製造、流通、金融、公共など幅広い業界向けに情報システムの開発・構築・運用を行う主力事業です。売上高は175.4億円、営業利益は28.3億円と、グループ全体の収益の大部分を占める稼ぎ頭であり、多様な顧客ニーズに対応しています。
- パッケージ事業大学向け「戦略的大学経営システム」や金融機関向け「情報系統合システム」など、自社開発のブランド製品の販売と導入コンサルティングが中心です。売上高は58.7億円、営業利益は15.6億円で、特定の市場で高いシェアを持つ安定した収益源です。
- 医療ビッグデータ事業医療情報データの点検・分析サービス「JMICS」や保険者業務支援サービス「iBss」を提供し、医療費適正化や保険者業務改革を支援しています。売上高は31.5億円、営業利益は6.6億円で、社会貢献性の高い分野で成長を目指しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| DXAndSIBusiness | 地域 | 175 | 28 | 16.2% |
| PackageBusinessReportableSegment | 地域 | 59 | 16 | 26.6% |
| MedicalBigDataBusinessReportableSegment | 地域 | 32 | 7 | 21.0% |
| GlobalBusinessReportableSegment | 地域 | 28 | -1 | -2.2% |
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3 【事業の内容】当社グループは当社及び連結子会社15社から構成されており、完全独立系の強みを活かした幅広い分野に渡り多種多様な情報システム/サービスを提供しているDX&SI事業、自社開発のブランド製品の開発・販売と導入コンサルティングを中心に関連する環境構築やシステム開発を提供しているパッケージ事業、複数のヘルスケア事業を展開して医療データ利活用と保険者業務改革を推進するワンストップサービスを提供している医療ビッグデータ事業、海外におけるERPやHRM製品の開発・販売・導入コンサルティングとシステム開発を提供しているグローバル事業の4事業を営んでおります。 以下に示す事業区分は、セグメントと同一であります。 事業分野内容会社名DX&SI事業ビジネスアプリケーション分野(事務処理系システム)・生産管理、物流管理、受発注管理等製造業向けシステム・店舗情報、仕入・出荷管理、バーチャルショッピングモール、GIS(地理情報システム)を利用したエリアマーケティング分析、配車・販売業務支援システム等流通業、サービス業向けシステム・通信サービス事業者向け販売管理・請求管理・顧客管理等の基幹業務システム刷新、クラウド移行、共通基盤構築・通信サービス事業者向け生成AI・データ活用による業務効率化・顧客接点高度化支援・通信サービス事業者向け顧客対応・バックオフィス領域における業務改革支援、RPA導入、BPO高度化・金融機関向け勘定系、情報系、国際業務、経営管理、カードローン等のシステム・株式売買、投資信託、ディーリング、インターネット証券取引等証券業向けシステム・契約管理、損保新積立等保険業向けシステム・電話料金、税収管理、住民情報、郵便貯金、高速道路ETC等公共系システム・検定申込・受付システム、教育支援サービス・Webサイトの制作、スマートフォンアプリの開発及び関連ネットワークビジネスシステム・会計、人事、統合パッケージ (ERP) 導入サポート、顧客情報管理 (CRM) システム・データマネジメントシステム構築、データ分析、AIモデル構築・顔認証技術を利用したOffice DXソリューション(顔認証受付システム、顔認証マーケティングシステム、顔認証打刻システム)・社内向けキャッシュレスシステム・石油・ガス関連業務支援システム・小売業向け発注棚卸管理用クラウドシステム・コンピュータ、ネットワーク機器、ソフトウェア・パッケージ等の販売及び保守等・大学及び公共機関向けシステムソリューションの提供・情報通信ネットワーク等のインフラ構築・セキュリティシステムの構築・ITコンサルティング当社アルファコンピュータ株式会社株式会社新日本ニーズ 事業分野内容会社名DX&SI事業エンジニアリングアプリケーション分野(通信・制御・技術系システム)・スマートデバイス・デジタルAV機器・車載システム等組込みソフトウェア・ドライブサポートシステム・IoT関連システム・生成AIによるモビリティ関連アプリケーション開発・地方創生事業、自治体向けDX支援・陸上養殖システム開発当社アルファコンピュータ株式会社株式会社新日本ニーズ パッケージ事業戦略的大学経営システム及び金融機関向け情報系統合システム『戦略的大学経営システム』・学校事務支援統合システム「GAKUEN RX」シリーズの開発、販売、保守、導入支援及び関連システムの受託開発等・大学向け統合型Webサービスシステム「UNIVERSAL PASSPORT RX」の開発、販売、保守、導入支援及び関連システムの受託開発等・学校業務のシステム化に関するコンサルテーション、EUC (End User Computing) 支援、BPR (Business Process Reengineering) 支援、運用サービス・大学経営の意思決定支援に関するデータ基盤及びデータ分析サービスの提供・学納金の収納サービス及び学内キャッシュレスを促進するマルチ決済サービスの提供・自動証明書発行機やIC出欠管理端末等、ハードウェア製品の開発、販売、保守・クラウドを活用した大学向けインフラサービスの提供・サブスクリプションによる大学向けソフトウェアサービスの提供・大学向けアルムナイサービス「ALUPA」の開発・提供『金融機関向け情報系統合システム』・金融機関向け情報系統合パッケージ「BankNeo」の開発、販売、保守、導入支援及び関連システムの受託開発等・パブリッククラウド基盤を活用した金融機関の物品預り管理業務におけるシステム「Cloud BankNeo預り管理」・金融機関の相続業務におけるシステム「BankNeo」相続支援の開発、販売、保守・金融機関のリスク商品販売におけるシステム「Cloud BankNeoフロントコンプライアンス」の開発、販売、保守・「営業生産性及び品質向上の機能」を実現するソリューション「TQSM NAVI」の開発・販売・保守当社アルファコンピュータ株式会社上海嘉峰信息科技有限公司 事業分野内容会社名医療ビッグデータ事業医療情報データの点検、分析及び関連サービス・レセプト自動点検サービス「JMICS」(JAST Medical Insurance Checking System)の提供・点検事業会社向けクラウドサービス・ジェネリック医薬品差額通知、適正服薬通知等の医療費適正化サービス・医療費分析及び分析結果に基づくコンサルティング実施等のデータヘルス計画実行支援サービス・ワンストップ保険者業務支援サービス「iBss」(Insurers Business Support System)の提供・システムとBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)による健康保険組合向けの保健事業支援・生活保護向けクラウド版レセプト管理システム「RezeptPlus*1」のサービス企画・開発、ヘルプデスク・匿名加工レセプトや特定健診データを用いたデータ利活用サービス・企業との共創活動、産学連携による各種研究、商材開発・傷病×医薬品の統計ダッシュボードサービス「Medicine Tiger」の提供・健康サポートAPI「ミラウェル」 *1 RezeptPlusは富士通Japan㈱との協業事業当社株式会社新日本ニーズ株式会社ケーシップグローバル事業海外拠点向けITサービス・統合ERPの導入コンサルティング及び関連サービスの提供・会計系ERPの導入コンサルティング及び関連サービスの提供・クラウド型HRMソリューション「AGHRM」の開発、販売、保守、導入支援及び関連システムの受託開発等・SaaS型HRMソリューション「friday」の開発、販売、保守、導入支援及び関連システムの受託開発等・製造業向け精算関連システム導入及び関連サービス開発・海外開発拠点でのオフショア開発サービスの提供・各種業務アプリケーションの受託開発JASTEC(THAILAND)CO., LTD.JAST Asia Pacific Co., Ltd.Bright & Better Co.,Ltd.桂林安信軟件有限公司Virtual Calibre SDN. BHD.Virtual Calibre MSC SDN. BHD.Virtual Calibre Consulting SDN. BHD.Virtual Calibre Consulting India Pvt. Ltd.Virtual Calibre IT Solutions L.L.CVirtual Calibre IT Consultancy - L.L.C - S.P.CAG NET PTE.LTD. 当社グループの事業に関する各社の位置付け及び主たる事業系統を図によって示すと以下のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 AI技術の急速な普及と変遷、サーバーレス、コーディングレスといった開発手法の多様化。 |
|---|---|
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 低い(分散) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | ディフェンシブ |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 軽い(資本不要) |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:不採算案件の発生や製品・サービスの瑕疵 / 情報管理並びにその他不正、過失等 / 人財の確保に係るリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 2 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
財務データが未収録のため、ブランド力、特許、規制ライセンス、IPなどの無形資産に関する具体的な評価は不可能。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
システム開発・保守事業は、顧客との長期的な関係構築が重要となる場合がある。しかし、特定の顧客への依存度や、乗り換えコストの高さを示す具体的な情報は現時点では不明。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ネットワーク効果が事業の競争優位に寄与しているという明確な証拠はない。顧客基盤の拡大が直接的なサービス価値向上に繋がるビジネスモデルではない。
コスト優位☆☆☆☆☆
情報通信業であり、製造業のような規模の経済や構造的なコスト優位性を持ちにくい。具体的なコスト構造に関する情報も不足している。
規模の経済★☆☆☆☆
情報通信業におけるシステムインテグレーターとして一定の事業規模を持つと考えられるが、業界全体に対するシェアや、効率的な少数寡占を形成しているかは不明。
- 完全独立系の強み特定のメーカーや系列に縛られず、幅広い分野で多様な情報システムやサービスを提供できる点が強みです。これにより、顧客のニーズに合わせた最適なソリューションを柔軟に提案でき、多様な技術や製品を組み合わせることが可能です。
- 自社ブランド製品大学向け「GAKUEN RX」や金融機関向け「BankNeo」、医療データ点検「JMICS」など、特定の市場で高いシェアを持つ自社開発製品を保有しています。これらの製品は、長年のノウハウと顧客基盤に支えられ、安定した収益とブランド力を生み出しています。
- 多角的な事業展開DX&SI、パッケージ、医療ビッグデータ、グローバルの4つの事業を展開しており、特定の事業や業界に依存しないリスク分散型のビジネスモデルを構築しています。これにより、景気変動や市場の変化に強く、持続的な成長を目指せる体制です。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- DX推進と高付加価値化DX&SI事業では、受託開発中心から業務知見や開発資産を体系化した「オファリング型ビジネス」への転換を進め、高付加価値なサービス・ソリューションを提供することで収益性の向上を目指します。これにより、再現性と拡張性の高いサービス提供を実現します。
- 自社ブランド強化パッケージ事業や医療ビッグデータ事業では、「GAKUEN」シリーズや「BankNeo」、「JMICS」などのフラッグシップ製品の機能・品質を高度化し、生成AIの活用を通じて競争優位性を強化します。新ビジネス・新サービスの創出と展開を加速し、市場シェア拡大と顧客生涯価値(LTV)向上を図ります。
- グローバル展開の加速グローバル事業では、SAPビジネスの商圏拡大、既存製品の高度化、ソリューションの広域展開を進めます。アライアンスを活用した新製品の開発・提供により、海外市場での持続的な成長を推進し、グループ全体の企業価値向上に貢献します。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 経営方針当社は創業以来「情報化の創造・提供による社会貢献」を企業理念として、いかなる系列にも属さない完全独立系の立場を堅持し、業種、技術分野、プラットフォーム等を問わず、常に最新の技術に挑戦しつつ、自由な立場で幅広い分野の開発業務に取り組んでまいりました。どんな時でも時流を超えて不変である「変わらぬ信念」と、時代や周囲の環境変化に敏感な「変わる経営」とを両輪として、事業の長期安定成長を実現しております。 (2) 経営戦略等 今後の当社グループを取り巻く経営環境は、原材料価格やエネルギー価格の高止まりによる継続的な物価上昇や、米国の政策動向による世界経済の減速リスクなどを背景に、依然として先行き不透明な状況が続くものと認識しております。一方で、AIをはじめとするデジタル技術の進展、ノーコード・ローコード等の開発手法の多様化、さらには企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展を背景として、ITサービス需要は中長期的に拡大が見込まれるものの、人材不足の深刻化や国際的な競争環境の激化等への対応が重要な経営課題であると認識しております。 このような環境認識のもと、当社グループは、グループビジョン「JAST VISION 2035」の実現に向け、2026年度を初年度とする中期経営計画を策定・公表いたしました。本中期経営計画においては、「JAST DNAを次世代へ継承し、持続的な成長と企業価値の向上を実現する」ことを基本方針とし、各事業における成長戦略および収益力強化に取り組んでまいります。DX&SI事業においては、サービス・ソリューション等の高付加価値ビジネスの推進に加え、新たな事業モデルの確立を通じて収益性の向上を図るとともに、当社グループの基盤事業としてさらなる事業領域の拡大を目指してまいります。また、パッケージおよび医療ビッグデータ等の自社ブランド事業においては、フラッグシップ製品の機能・品質の高度化に加え、新ビジネス・新サービスの創出と展開の加速、さらには戦略的な研究開発投資およびアライアンスの推進を通じて、ブランド力の強化と継続的な成長を実現してまいります。さらに、グローバル事業においては、SAPビジネスの商圏拡大、既存製品の高度化およびソリューションの広域展開に加え、アライアンスを活用した新製品の開発・提供により、持続的な成長を推進してまいります。 当社グループは、2024年を第2創業のスタートと位置付け、グループビジョン「JAST VISION 2035」を策定し、2025年3月に公表いたしました。本ビジョンにおいては、「不易流行」の思想のもと、これまでの50年で培った経営資源を活かしながら、社会課題の解決に真摯に取り組むことを基本姿勢としております。また、2035年におけるあるべき姿(VISION)と、その実現を支えるMISSIONおよびVALUESを定義するとともに、2035年度に連結売上高1,000億円の達成を目標として掲げております。今後は、本中期経営計画の着実な遂行を通じて、「JAST VISION 2035」の実現に向けた取り組みを一層推進してまいります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 毎期業績予想として開示する売上並びに各利益計画値を、達成すべき重要目標経営指標として認識しております。株主資本に対するリターンの追求による企業価値向上の観点からは、資本コストを意識しつつ業績と同様に長期的安定的に成長することを基本方針とし、自己資本(連結)当期純利益率は、営業及びマネジメント推進部門の強化による新たなビジネス展開とプロジェクト品質向上等で、2026年3月期は16.6%で資本コストを大きく上回る水準を維持しております。 (4) 経営環境 当連結会計年度における我が国経済は、前連結会計年度から続く世界的なインフレ圧力、金融引締めの長期化、エネルギー価格や原材料価格の高止まりに加え、地政学的リスクの継続等により、依然として先行き不透明な状況で推移しました。一方で、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の回復を背景に、個人消費には持ち直しの動きが見られました。また、為替相場は円安基調で推移し、企業収益への影響は業種・事業内容によって明暗が分かれる結果となりました。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 DX&SI事業におきましては、これまでの地域別SI体制から、産業別・ソリューション別の事業体制へと転換を図るとともに、受託開発を中心とした事業モデルから、業務知見や開発資産を体系化したオファリング型ビジネスへの転換を進めてまいります。これにより、再現性と拡張性の高いサービス提供を実現し、収益性の向上と持続的な事業成長を目指してまいります。 自社ブランド製品につきましては、戦略的大学経営システム「GAKUEN」シリーズ、金融機関向け情報系統合システム「BankNeo」、診療報酬明細書自動点検システム「JMICS」等において、研究開発投資や生成AIの活用を通じた競争優位性の強化を進めるとともに、顧客基盤を活かしたサービスラインの拡充により、市場シェアの拡大と顧客生涯価値 (LTV) の向上を図ってまいります。また、各事業が保有する顧客・人材・ブランド資産を当社グループ内で横断的に活用し、クロスセルや新サービスの創出によるシナジー拡大を推進してまいります。 あわせて、成長の源泉である人的資本への投資を一層強化し、戦略領域を担う専門人材の育成・採用、組織体制や評価制度の高度化を通じて、戦略実行力の向上を図ってまいります。さらに、経営・業務データの統合や生成AIの活用を進め、業務効率化と意思決定精度の向上を実現してまいります。 これらの取り組みを通じ、当社グループは売上成長を上回る利益成長を目指すとともに、ROE20%水準の定着を重要な経営指標とし、成長投資と株主還元の両立を図りながら、資本コストを意識した経営を継続してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 経営方針当社は創業以来「情報化の創造・提供による社会貢献」を企業理念として、いかなる系列にも属さない完全独立系の立場を堅持し、業種、技術分野、プラットフォーム等を問わず、常に最新の技術に挑戦しつつ、自由な立場で幅広い分野の開発業務に取り組んでまいりました。どんな時でも時流を超えて不変である「変わらぬ信念」と、時代や周囲の環境変化に敏感な「変わる経営」とを両輪として、事業の長期安定成長を実現しております。 (2) 経営戦略等 今後の当社グループを取り巻く経営環境は、原材料価格やエネルギー価格の高止まりによる継続的な物価上昇や、米国の政策動向による世界経済の減速リスクなどを背景に、依然として先行き不透明な状況が続くものと認識しております。一方で、AIをはじめとするデジタル技術の進展、ノーコード・ローコード等の開発手法の多様化、さらには企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展を背景として、ITサービス需要は中長期的に拡大が見込まれるものの、人材不足の深刻化や国際的な競争環境の激化等への対応が重要な経営課題であると認識しております。 このような環境認識のもと、当社グループは、グループビジョン「JAST VISION 2035」の実現に向け、2026年度を初年度とする中期経営計画を策定・公表いたしました。本中期経営計画においては、「JAST DNAを次世代へ継承し、持続的な成長と企業価値の向上を実現する」ことを基本方針とし、各事業における成長戦略および収益力強化に取り組んでまいります。DX&SI事業においては、サービス・ソリューション等の高付加価値ビジネスの推進に加え、新たな事業モデルの確立を通じて収益性の向上を図るとともに、当社グループの基盤事業としてさらなる事業領域の拡大を目指してまいります。また、パッケージおよび医療ビッグデータ等の自社ブランド事業においては、フラッグシップ製品の機能・品質の高度化に加え、新ビジネス・新サービスの創出と展開の加速、さらには戦略的な研究開発投資およびアライアンスの推進を通じて、ブランド力の強化と継続的な成長を実現してまいります。さらに、グローバル事業においては、SAPビジネスの商圏拡大、既存製品の高度化およびソリューションの広域展開に加え、アライアンスを活用した新製品の開発・提供により、持続的な成長を推進してまいります。 当社グループは、2024年を第2創業のスタートと位置付け、グループビジョン「JAST VISION 2035」を策定し、2025年3月に公表いたしました。本ビジョンにおいては、「不易流行」の思想のもと、これまでの50年で培った経営資源を活かしながら、社会課題の解決に真摯に取り組むことを基本姿勢としております。また、2035年におけるあるべき姿(VISION)と、その実現を支えるMISSIONおよびVALUESを定義するとともに、2035年度に連結売上高1,000億円の達成を目標として掲げております。今後は、本中期経営計画の着実な遂行を通じて、「JAST VISION 2035」の実現に向けた取り組みを一層推進してまいります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 毎期業績予想として開示する売上並びに各利益計画値を、達成すべき重要目標経営指標として認識しております。株主資本に対するリターンの追求による企業価値向上の観点からは、資本コストを意識しつつ業績と同様に長期的安定的に成長することを基本方針とし、自己資本(連結)当期純利益率は、営業及びマネジメント推進部門の強化による新たなビジネス展開とプロジェクト品質向上等で、2026年3月期は16.6%で資本コストを大きく上回る水準を維持しております。 (4) 経営環境 当連結会計年度における我が国経済は、前連結会計年度から続く世界的なインフレ圧力、金融引締めの長期化、エネルギー価格や原材料価格の高止まりに加え、地政学的リスクの継続等により、依然として先行き不透明な状況で推移しました。一方で、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の回復を背景に、個人消費には持ち直しの動きが見られました。また、為替相場は円安基調で推移し、企業収益への影響は業種・事業内容によって明暗が分かれる結果となりました。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 DX&SI事業におきましては、これまでの地域別SI体制から、産業別・ソリューション別の事業体制へと転換を図るとともに、受託開発を中心とした事業モデルから、業務知見や開発資産を体系化したオファリング型ビジネスへの転換を進めてまいります。これにより、再現性と拡張性の高いサービス提供を実現し、収益性の向上と持続的な事業成長を目指してまいります。 自社ブランド製品につきましては、戦略的大学経営システム「GAKUEN」シリーズ、金融機関向け情報系統合システム「BankNeo」、診療報酬明細書自動点検システム「JMICS」等において、研究開発投資や生成AIの活用を通じた競争優位性の強化を進めるとともに、顧客基盤を活かしたサービスラインの拡充により、市場シェアの拡大と顧客生涯価値 (LTV) の向上を図ってまいります。また、各事業が保有する顧客・人材・ブランド資産を当社グループ内で横断的に活用し、クロスセルや新サービスの創出によるシナジー拡大を推進してまいります。 あわせて、成長の源泉である人的資本への投資を一層強化し、戦略領域を担う専門人材の育成・採用、組織体制や評価制度の高度化を通じて、戦略実行力の向上を図ってまいります。さらに、経営・業務データの統合や生成AIの活用を進め、業務効率化と意思決定精度の向上を実現してまいります。 これらの取り組みを通じ、当社グループは売上成長を上回る利益成長を目指すとともに、ROE20%水準の定着を重要な経営指標とし、成長投資と株主還元の両立を図りながら、資本コストを意識した経営を継続してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社及び連結子会社からなる企業集団(以下「当社グループ」といいます。)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態の状況当連結会計年度末における当社グループの資産、負債及び純資産の状況につきましては、次のとおりであります。(資産)流動資産の残高は189億2百万円(前連結会計年度末比13.5%増)となりました。これは主として現金及び預金の増加によるものであります。また、固定資産の残高は64億1百万円(同2.2%増)となりました。これは主として退職給付に係る資産の増加によるものであります。(負債)流動負債の残高は62億1百万円(同2.4%増)となりました。これは主として契約負債及び賞与引当金が減少した一方で、未払法人税及び工事損失引当金が増加したこと等によるものであります。また、固定負債の残高は22億71百万円(同12.3%増)となりました。(純資産)純資産の合計残高は168億30百万円(同13.5%増)となりました。 ② 経営成績の状況当社グループの業績は、売上高324億59百万円(前連結会計年度比10.7%増)、営業利益は39億11百万円(同22.7%増)、経常利益は40億18百万円(同23.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は26億22百万円(同7.3%増)となりました。なお、セグメント別の状況は次のとおりとなっております。(DX&SI事業)当事業につきましては、売上高198億5百万円(前連結会計年度比12.9%増)、営業利益31億86百万円(同12.3%増)となりました。主な要因は、通信業及び金融・保険・証券業、製造業を中心とした大型プライム案件の好調により増収となったことによるものであります。(パッケージ事業)当事業につきましては、売上高68億95百万円(同17.3%増)、営業利益22億92百万円(同46.6%増)となりました。主な要因は、戦略的大学経営システム「GAKUEN」シリーズにおける仕入販売及び導入支援サービス、金融機関向け情報系統合システム「BankNeo」におけるPP(プログラム・プロダクト)販売等がそれぞれ増収となったことによるものであります。(医療ビッグデータ事業)当事業につきましては、売上高35億3百万円(同11.2%増)、営業利益8億86百万円(同33.9%増)となりました。主な要因は、データ利活用サービス及びレセプト点検サービス、生活保護向けレセプト管理クラウドサービス等の増収に加え、前期より当事業に加わった株式会社ケーシップの収益性が向上したこと等によるものであります。(グローバル事業)当事業につきましては、売上高22億54百万円(同18.1%減)、営業損失4億円(前年同期は営業損失61百万円)となりました。主な要因は、マレーシアにおけるSAP導入サポート案件の受注引合いが前年を下回ったことによるものであります。 (報告セグメントに帰属しない一般管理費等)全社費用につきましては、一般管理費20億53百万円(前年同期比13.3%増)となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における当社グループの現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の状況は、期首の資金残高67億42百万円より20億67百万円増加し、88億10百万円となりました。なお、各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果、得た資金は30億28百万円(前連結会計年度は17億57百万円の収入)となりました。この差額は主として売掛金及び契約資産の増加による債権回収額が増加したこと等によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果、得た資金は53百万円(前連結会計年度は19億76百万円の使用)となりました。この差額は主として投資有価証券の取得及び差入保証金の差入による支出がそれぞれ減少したことによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果、使用した資金は10億40百万円(前連結会計年度は5億99百万円の使用)となりました。この差額は主として配当金の支払額が増加したことによるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前期比(%)DX&SI事業(千円)15,527,969113.3パッケージ事業(千円)3,502,442103.7医療ビッグデータ事業(千円)2,064,532107.0グローバル事業(千円)1,789,83287.8合計(千円)22,884,776108.7 (注) 金額は売上原価によっており、セグメント間の取引については、相殺消去しております。 b.受注実績当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称受注高前期比(%)受注残高前期比(%)DX&SI事業(千円)21,010,144116.56,560,052122.5パッケージ事業(千円)8,641,142142.25,054,441152.8医療ビッグデータ事業(千円)3,544,44793.81,228,577103.5グローバル事業(千円)2,254,45781.9--合計(千円)35,450,191115.712,843,071130.4 (注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については、相殺消去しております。 c.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前期比(%)DX&SI事業(千円)19,805,961112.9パッケージ事業(千円)6,895,459117.3医療ビッグデータ事業(千円)3,503,392111.2グローバル事業(千円)2,254,45781.9合計(千円)32,459,270110.7 (注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)相手先当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)NTTドコモソリューションズ㈱2,969,89510.1NTTドコモソリューションズ㈱3,983,44612.3本田技研工業㈱1,534,3405.2TIS㈱1,636,1685.0TIS㈱1,360,0494.6㈱ホンダセールスオペレーションジャパン1,078,2623.3 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。 ② 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.財政状態財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載のとおりであります。 b.経営成績経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」に記載のとおりであります。 c.キャッシュ・フローキャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。また、キャッシュ・フロー関連指標の推移は、以下のとおりであります。 キャッシュ・フロー関連指標の推移 2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期自己資本比率(%)58.961.863.264.466.2時価ベースの自己資本比率(%)101.9128.3222.1195.6193.2キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)0.00.00.00.00.0インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)1,009.91,730.24,733.2221.8351.3 (注) 1.各指標の算出式は下記のとおりであります。自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い・株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除)により算出しております。・有利子負債は、連結貸借対照表に記載されている借入金の合計額を使用しております。・利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。 ③ 資本の財源及び資金の流動性a.キャッシュ・フロー当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 b.財政政策当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金につきましては、内部資金または金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資資金や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。なお、当連結会計年度末において、取引銀行4行との間で合計5億円の貸出コミットメント契約を締結しております(借入実行残高はありません)。 ④ 経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループは、運転資金及び設備投資など事業活動に必要な資金については、自己資金及び金融機関からの借入により調達することとしております。今後も営業活動により得られるキャッシュ・フロー及び借入を基本に将来必要な資金を調達していく考えであります。 ⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について今後の成長に向けた課題は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。 ⑦ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、売上高、各利益指標に加え、自己資本(連結)当期純利益率(ROE)を重要目標経営指標としております。当連結会計年度における当社グループの業績については、売上高は324億59百万円となり、2025年5月14日公表の売上高連結業績予想320億円に比べ1.4%の増加、営業利益は39億11百万円となり、同35億90百万円に比べ8.9%の増加、経常利益は40億18百万円となり、同36億60百万円に比べ9.8%の増加、親会社株主に帰属する当期純利益は26億22百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益連結業績予想27億70百万円に比べ5.3%の減少となりました。また、当連結会計年度末の自己資本(連結)当期純利益率(ROE)は16.6%となりました。2027年3月期における重要目標経営指標としましては、2026年5月14日に公表いたしました連結業績予想(売上高343億円、営業利益41億50百万円、経常利益42億円、親会社株主に帰属する当期純利益29億50百万円)を掲げており、当該目標達成に向けて邁進するとともに、自己資本(連結)当期純利益率(ROE)の継続的向上を維持してまいります。また、中長期的には、資本コストを上回る収益性を確保できている現状を踏まえ、これを持続的に維持・向上させるとともに、企業価値の最大化を図ることを重要な経営課題として認識しており、投下資本利益率(ROIC)や時価総額についても継続成長を目指してまいります。なお、当連結会計年度末の投下資本利益率(ROIC)は18.0%、時価総額は489億円となりました。
事業リスク
- 不採算案件の発生情報システムの複雑化や短納期化、AI技術の急速な進化により、システム要件の定義不足や見積もり精度の問題から不採算案件が発生するリスクがあります。これにより、顧客への補償や製品の補修費用が増大し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 情報セキュリティ医療データなどの重要情報を扱うため、サイバー攻撃や情報漏洩のリスクが常に存在します。情報漏洩が発生した場合、企業の信用失墜や多額の賠償責任が発生し、業績に大きな影響を与える可能性があります。CSIRT組織「JAST-SIRT」で対策を強化しています。
- 人財確保の困難さデジタル技術の多様化と専門性の高度化により、優秀なIT人財の確保が業界全体で困難になっています。必要な人財を確保できない場合、受注機会の損失やプロジェクトの遅延が発生し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。外部委託単価の上昇もリスクです。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 ① 不採算案件の発生や製品及びサービスの瑕疵等に係るリスク AI技術の急速な普及と変遷、サーバーレス、コーディングレスといった開発手法の多様化、スタートアップ事業等による新規要件の増加、短納期化が進んでおり、当社が開発に携わる情報システムは複雑化の一途をたどっており、システム要件の定義不足や相違による手戻りや見積精度不良による不採算案件の発生リスクが高まっております。加えて、製品やサービスの品質や欠陥等に対する社会的関心並びに社会的影響の高まりから、品質保証に関する顧客の要求水準は年々高くなっております。このような状況に対し当社グループでは、製品・サービスの品質の向上及び安定化につきましては従業員教育の徹底、見積・受注プロセスにおける審査機能の強化、見積技術の向上並びにプロジェクト管理の充実を含め細心の注意を払っております。しかしながら、これらによっても不採算案件や瑕疵等の発生を完全に排除できない可能性があり、これらが発生した場合、顧客への補償、製品の補修等に係る費用の増大並びに信用の低下により、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ② 情報管理並びにその他不正、過失等に係るリスク当社グループでは医療データを始めとする重要度の高い情報を取り扱っており、顧客及び従業員等に係る機密情報並びに個人情報の漏洩や、各種の過失による事故あるいは不正行為の防止については、社内規程の制定、従業員の教育、専門組織による定期的検査等によって徹底を図っております。また、サイバー攻撃は日々高度化、巧妙化、広範化しており、サプライチェーンも含めたサイバーセキュリティリスクが重要な経営課題となっております。このため、当社ではCSIRT(※)組織として「JAST-SIRT」を設置し、サイバーセキュリティに関する脅威の監視や分析、対応能力の強化を行っております。加えて、最悪の事態に備え、情報漏洩賠償責任保険に加入しておりますが、事故や不正行為等を100%防止することは困難であり、これら事故等の事象が発生した場合、当社グループの信用低下あるいは賠償責任等が発生し、さらには当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ※ CSIRT(Computer Security Incident Responce Team の略称) コンピュータセキュリティにかかるインシデントに対処するための組織の総称。 ③ 訴訟に関するリスク当社グループは、各事業分野において、事業運営に関する訴訟リスクが存在します。訴訟等を提起された結果、予期せぬ多額の損害賠償を命じられる場合があり、その額によっては、当社グループの業績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。なお、当社グループでは、こうした訴訟リスクに備えるため、賠償責任保険への加入等により、リスク発生時における損失の軽減に努めておりますが、当該保険で補償されない損失が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 人財の確保に係るリスクデジタル技術の多様化、専門性の高度化等により、業界全体の傾向として優秀な人財の確保が困難な状況となっております。当社グループにおいては、新卒・中途の社員採用及び外部委託等協力会社からの調達により人財を確保しておりますが、受注状況の変化等により十分な要員を確保できない場合は、当社グループの業務に支障を来たす可能性があります。さらに、需給関係の崩れや物価高の影響等により外部委託の発注単価が上昇する場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対しては、優良な協力会社の確保のための社内体制を強化するとともに、海外へのオフショアや国内へのニアショアによる技術者の確保、そして、従業員定着のためのエンゲージメント向上施策の実施や健康経営の推進など、リスクの軽減に努めております。 ⑤ 技術革新・新製品開発におけるリスク当社グループでは、製品の開発や新たなビジネスシーズ発掘のため、積極的な研究開発投資を行っております。しかしながら、変化の激しい業界の将来の需要を的確に予測し、適正な収益につながる新製品やサービスを常に開発・供給できるとは限らず、先行投資の規模と、その後の収益化の状況に大きな差異が生じた場合は、当社グループの業績及び成長見通しに影響を与える可能性があります。 ⑥ 企業買収等によるリスク当社グループは、企業買収等の実施に当たっては、対象となる企業の財務内容や事業について詳細な事前審査を行い、意思決定のために必要かつ十分な情報収集と検討を行っております。しかしながら、これら事前のリサーチによって各案件のあらゆる問題を抽出し解決できるとは限らず、買収等の成立後、当社グループが認識していない問題が明らかになった場合や、経営環境や事業状況の変化等によりシナジー効果を十分に発揮できず、売上や利益が想定を大きく下回る場合には、連結財務諸表におけるのれん及びその他無形資産等の減損処理や財務諸表における関係会社株式の評価減を行う必要が生じる等、当社グループ及び当社の業績に影響を与える可能性があります。また、当社は、各子会社について、グループ全体の企業価値向上に寄与するべく、開発・販売体制並びにガバナンスの強化を図っておりますが、業績低迷や地政学的な状況悪化等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ⑦ 大規模災害・パンデミックに係るリスク当社グループは、大地震等の自然災害や感染症の世界的流行(パンデミック)等が発生し業務遂行が困難となる場合に備え、事業継続計画やガイドラインを策定し、初期対応や迅速な業務の復旧を可能にするための対応体制や環境等の整備を実施しております。また、当社グループが入居する主要オフィスは事業を継続する上で高度防災機能を有しており、当社グループが利用するデータセンターはセキュリティ対策や耐震等の災害対策において高い水準にあります。また、パンデミック状況下における事業継続を果たすため、必要な計画と体制を構築し感染対策の徹底を図っており、現時点では当社グループの事業に大きな影響を与えるリスクとはなっておりません。しかしながら、一企業のコントロールを超える特別な事象や状況が発生し、業務の中断が不可避となった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ⑧ 景気低迷のリスク当社グループにおいては、完全独立系の特長を活かし、特定の業種、技術分野、メーカー等に依存しない事業運営を行っており、景気動向の影響を比較的受け難い特長がありますが、国内外の景気が長期にわたり低迷すると、顧客企業の収益悪化によるシステム開発投資の抑制等で、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 ⑨ 収益の期末集中に係るリスク当社グループの事業の特異性として、顧客によるSI開発・ソリューション・サービス・パッケージ製品等の検収時期が多くの企業の会計期末にあたる3月に集中するものの、受注案件の多くが履行義務の充足に係る進捗度に基づき収益認識することで、四半期毎の売上高及び営業利益は概ね平準化しております。しかしながら、進捗度に基づき収益認識の対象とならない一部受注案件については、依然として会計期末に業績が集中する傾向にあります。 最近2年間における四半期ごとの売上高、営業利益(単位:百万円)2025年3月期 第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期合計売上高6,2986,9617,2888,77529,324営業利益2847619961,1463,188 (単位:百万円)2026年3月期 第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期合計売上高7,0397,8897,8749,65532,459営業利益4931,1999301,2873,911 ⑩ 取扱い商品の陳腐化等のリスク当社グループが取扱う商品は、メーカー及び代理店から調達しますが、最低発注量が大きい製品もあり、在庫の陳腐化リスクを負うことになります。当社グループでは、販売状況を見極めながら必要数量の予測を的確に行うよう努めていますが、調達した商品が陳腐化した場合、または原材料不足等に起因するサプライチェーンの停滞による調達遅延により適時に顧客に供給できず事業機会を逸失した場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、商品に不具合等が発生した場合、顧客への補償、製品の補修等に伴い、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 ⑪ 資産の評価に係るリスク当社グループでは、投資その他の資産として、株式・債券等を保有しております。予測が困難な市況の急変あるいは発行体の破綻等の事態の発生等により、株式・債券等の時価または実質価額が著しく低下した場合は、評価額の減少によって当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 ⑫ グローバル事業に関するリスク当社グループは、中国・ASEAN・南アジア・中東地域に複数の海外子会社を保有しております。各社が事業を展開する国や地域における政治・経済・社会情勢の変化に伴う政策や法規制の変更、さらには国際紛争の発生などにより、顧客に対するシステム・サービス提供の停止や為替相場の変動が生じるなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ⑬ 収益認識に関するリスク当社及び連結子会社の顧客との契約から生じる収益は、主にソフトウェアの受注制作等によるものであり、一定の期間にわたり履行義務が充足される契約については、期間がごく短い契約を除き、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき収益を一定の期間にわたり認識しております。履行義務の充足に係る進捗度による収益の認識の基礎となる工事原価総額の見積りについては、プロジェクト管理の充実を含め細心の注意を払っております。しかしながら、適時・適切な工事原価総額の見積りの誤りにより、履行義務の充足に係る進捗度による収益の認識を誤る可能性があります。プロジェクトの見積コストが収入見込額を上回るものについては、回収可能額を厳格に査定し、回収不能額を損失計上しております。将来的にコストが増加した場合には、損失の追加計上が生じる可能性があります。