事業の概要
- 機能化学品事業日油グループは、脂肪酸や界面活性剤、有機過酸化物、機能性ポリマー、電子材料など多岐にわたる機能化学品を製造・販売しています。これらは、洗剤や化粧品、塗料、電子部品など、私たちの身の回りの様々な製品に使われる基礎材料であり、幅広い産業を支えることで収益を上げています。
- 医薬・医療・健康事業食用加工油脂や食品機能材、健康関連製品に加え、生体適合性素材(MPCポリマーなど)やDDS(ドラッグデリバリーシステム)医薬用製剤原料(活性化PEGなど)を提供しています。これらの製品は、食品の品質向上や健康維持、医薬品の効率的な体内送達に貢献し、人々の健康を支えることで収益を得ています。
- 化薬事業産業用爆薬類、宇宙関連製品、防衛関連製品、機能製品などを製造・販売しています。これらの製品は、建設現場での発破作業やロケットの推進剤、防衛装備品などに利用され、社会インフラの整備や安全保障、宇宙開発といった特殊な分野で事業を展開し、収益を確保しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 機能化学品事業このセグメントは、脂肪酸、界面活性剤、有機過酸化物、機能性ポリマー、電子材料など、幅広い産業の基礎となる化学製品を製造・販売しています。最新年度の売上高は1,509.15億円、営業利益は297.97億円と、グループ全体の収益の柱であり、最も規模の大きい事業です。
- 医薬・医療・健康事業食用加工油脂、食品機能材、健康関連製品に加え、生体適合性素材やDDS(ドラッグデリバリーシステム)医薬用製剤原料といった高付加価値製品を提供しています。最新年度の売上高は480.33億円、営業利益は156.97億円で、高い利益率を誇る成長分野です。
- 化薬事業産業用爆薬類、宇宙関連製品、防衛関連製品、機能製品など、特殊な用途の製品を手掛けています。最新年度の売上高は387.75億円、営業利益は31.3億円であり、特定の専門市場で安定した収益を上げています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| FunctionalChemicalsReportableSegment | 事業 | 1,509 | 298 | 19.7% |
| PharmaceuticalsMedicalsAndHealth | 事業 | 480 | 157 | 32.7% |
| ExplosiveAndPropulsionReportableSegment | 事業 | 388 | 31 | 8.1% |
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3【事業の内容】当社の企業集団は、当社、子会社30社(内 在外13社)、および関連会社9社(内 在外4社)で構成され、機能化学品、医薬・医療・健康、化薬に関連する事業を主として行っており、その他、運送および不動産等の事業活動を展開しております。当社グループの事業に関わる当社および関係会社の位置付けおよびセグメントとの関連は、次のとおりであります。区分主要製品主要な会社機能化学品事業脂肪酸、脂肪酸誘導体界面活性剤エチレンオキサイド・ プロピレンオキサイド誘導体有機過酸化物石油化学品(ポリブテン等)機能性ポリマー電子材料(液晶表示関連材料等)(製造・販売) 当社 日油工業㈱ 常熟日油化工有限公司 PT.NOF MAS CHEMICAL INDUSTRIES(販売) 油化産業㈱ 日油(上海)商貿有限公司特殊防錆処理剤(製造・販売) NOFメタルコーティングス㈱ NOF METAL COATINGS NORTH AMERICA INC. NOF METAL COATINGS EUROPE S.A. NOF METAL COATINGS KOREA CO.,LTD.(販売) 恩欧富塗料商貿(上海)有限公司医薬・医療・健康事業食用加工油脂・食品機能材健康関連製品生体適合性素材(MPCポリマー、MPCモノマー等)DDS医薬用製剤原料(活性化PEG、機能性脂質、医薬用界面活性剤)(製造・販売) 当社(販売) 日油商事㈱ NOF AMERICA CORPORATION NOF EUROPE GmbH化薬事業産業用爆薬類宇宙関連製品防衛関連製品機能製品(製造・販売) 当社 日本工機㈱ 日油技研工業㈱ 昭和金属工業㈱(販売) ㈱ジャペックス 日邦工業㈱その他の事業運送不動産(運送) ニチユ物流㈱(不動産) 日油商事㈱ 以上の企業集団について事業の系統図を示すと次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 高付加価値品の開発や新規分野での産学官連携による研究開発を推進しているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 脂肪酸誘導体、界面活性剤、エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド誘導体、有機過酸化物、機能性ポリマー等の固有技術。 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:地震・津波、感染症の世界的流行 / 法令違反による行政処分や事業活動停止 / 海外拠点のガバナンス不全による信用低下
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
日油は、機能性化学品分野で長年の研究開発実績とノウハウを持つ。特に、油脂化学、界面活性剤、高分子材料などの分野で独自の技術基盤を有しており、これが一部製品における競争優位性の源泉となっている。しかし、特許の有効性やブランド力が決定的な参入障壁となっているかは不明瞭。
スイッチングコスト★★☆☆☆
特定の産業分野(例:電子材料、医薬中間体)では、顧客の製造プロセスに組み込まれた特殊化学品の場合、切り替えには多大なコストや時間を要する可能性がある。しかし、汎用性の高い製品も多く、顧客のスイッチング・コストが全体として高いとは断定できない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
日油の事業は、化学品の製造・販売が中心であり、プラットフォーム型ビジネスではないため、ネットワーク効果は期待できない。
コスト優位★★☆☆☆
長年の生産経験と効率化努力により、一部製品においてはコスト競争力を持つ可能性がある。しかし、原料価格の変動や、より大規模な競合他社とのコスト構造の差は不明であり、顕著なコスト優位性があるかは判断が難しい。
規模の経済★★★☆☆
油脂化学や機能性化学品分野において、一定の生産規模と市場シェアを有している。特に、ニッチ市場においては、その規模が競争優位性につながる可能性がある。しかし、グローバルな化学業界全体で見ると、規模の経済が決定的な優位性となっているかは疑問。
- 多角的な事業展開機能化学品、医薬・医療・健康、化薬といった異なる分野で事業を展開しており、特定の市場変動リスクを分散しています。これにより、一つの事業が不調でも他の事業でカバーできる可能性があり、安定した経営基盤を築いています。
- 高度な技術力と製品開発脂肪酸誘導体、生体適合性素材(MPCポリマー)、DDS医薬用製剤原料、宇宙関連製品など、専門性の高い技術を要する製品を多数手掛けています。これらの独自技術は、他社との差別化要因となり、競争優位性を確立しています。
- グローバルな事業拠点北米、欧州、アジアなど世界各地に生産・販売拠点を持ち、国際的な事業展開を進めています。これにより、各地域の市場ニーズに対応し、多様な顧客基盤を構築することで、事業成長の機会を広げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
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経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは、「バイオから宇宙まで、化学の力で新しい価値を創造する企業グループとして、人と社会に貢献する」ことを経営理念とし、これを実践する上で重視する3つの価値観「挑戦」「公正」「調和」を定めています。 当社グループでは、経営理念、価値観を事業経営、組織運営の中心に据え、社会と共に成長し、事業の継続的な発展を目指してまいります。 (2)経営戦略等当社グループは、新たな事業環境に対応したコスト構造の実現に向け、生産性の向上とコストダウンの徹底を図るとともに、当社が目指す方向である「ライフ・ヘルスケア」「環境・エネルギー」「電子・情報」の3分野へ積極的に経営資源を投入し、持続的成長のための収益基盤の確立を進めてまいります。また、事業の基盤をなす安全の確保、環境の保全、品質管理の徹底、コンプライアンスの強化および内部統制システムの一層の充実を図り、企業の社会的責任を果たしてまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 経営の主たる指標については、グループの業績評価における重要指標である営業利益および売上高営業利益率のほか、株主重視の視点から経営効率の評価基準として、自己資本当期純利益率(ROE)、総資産経常利益率(ROA)を活用しております。 (4)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 世界経済は、米国の通商政策の影響やウクライナ危機の長期化、さらには中東情勢の緊迫化による景気の下振れリスクや金融資本市場等の影響など不確実性が増大しており、先行き不透明な状況が継続するものと想定されます。国内経済においては雇用・所得環境が改善する一方、物価上昇の継続による個人消費への影響が懸念されます。これらに加えて、中東情勢の影響が化学製品のほか幅広い産業や製品に及ぶことが想定され、我が国の景気を下押しするリスクとなっており、引き続き注視が必要な状況です。 このような情勢下、当社グループは、2030年度を最終年度とする「NOF VISION 2030」で定めた2030年度の「ありたい姿」を目指して、事業領域拡大ステージである「2028中期経営計画」を推進してまいります。 また、目指す3分野「ライフ・ヘルスケア」「環境・エネルギー」「電子・情報」において、市場ニーズの変化に柔軟に対応し、化学の力で新しい価値を継続的に創出し、すべてのステークホルダーの皆様の信頼にお応えし続けることで、安心で豊かな社会の実現に向けて挑戦してまいります。 「2028中期経営計画」においては「変革と創造」を基本方針として掲げ、「市場の機会を捉えた事業領域拡大」「新技術・新事業の創出」「生産性の向上・業務効率の改善」「安全・安心の追求」「CSRの推進」の各課題に取り組んでまいります。 「市場の機会を捉えた事業領域拡大」を加速するため、目指す3分野での積極的な戦略投資を進めてまいります。機能化学品事業においては、愛知事業所でこれまでに新増設を推進してまいりました化粧品ODM(相手先ブランドによる製品の設計・製造)製造設備をさらに増設する計画を進めてまいります。また、成長分野の電子部品材料、新規分野の高機能電子材料の成長を見込み、生産能力増強に向けて、製造設備を新設する計画を進めてまいります。化薬事業においては、防衛力整備計画に基づく生産基盤の整備を進めてまいります。 「新技術・新事業の創出」を加速するために、「ライフ・ヘルスケア」分野の研究を行うヘルスサイエンス研究所と、「環境・エネルギー」、「電子・情報」分野の研究を行うマテリアルサイエンス研究所を新設しました。重点分野として機能性化学素材、機能性食品素材、エレクトロニクス素材、医療・医療機器素材等を中心に、社外公募やベンチャーキャピタル、産学官との包括連携などを活用したオープンイノベーションの推進と、スタートアップへの投資を進め、新技術・新事業を創出してまいります。 「生産性の向上・業務効率の改善」として、DX(デジタル・トランスフォーメーション)に関する全社的な人材育成の取り組みを継続すると共に、データサイエンスを活用したMI(マテリアルズ・インフォマティクス)による新規化学素材の探索および配合組成の最適化等の研究開発の効率化、生産・品質管理システムの導入とネットワーク構築等によるスマートファクトリー化、ならびにバックヤード業務効率化に資するアプリケーションの導入に取り組んでまいります。 「安全・安心の追求」では安全・安心な製品の提供、社会環境や自然環境への安全配慮、保安防災、労働安全の徹底に取り組み、適切な事業運営に努めてまいります。 「CSRの推進」では、サステナビリティに関する11項目のマテリアリティ(重要課題)を特定し、これを「豊かで持続可能な社会実現のための新たな価値の提供」「事業基盤の強化」「レスポンシブル・ケア活動の推進」の3つに大別し、項目毎に指標(KPI)、目標を設定し、その取り組みを推進しております。「豊かで持続可能な社会実現のための新たな価値の提供」では、先進医療・医薬、人の美しさと健康、アンチエイジング、環境負荷の低減、資源循環、スマート社会等、さまざまな要請に貢献するため、目指す3分野に当社グループの独自技術・素材を活かした製品供給を目指してまいります。「事業基盤の強化」では、収益力の強化、ワーク・ライフ・バランスの実現を目指した働き方改革の推進、価値観の多様性を受け入れる企業風土作り、サプライチェーンを含めた人権リスクアセスメントの実施、CSR調達の推進、レジリエンスを向上させる事業継続計画の充実等を深化してまいります。「レスポンシブル・ケア活動の推進」では、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けた施策の検討や、ケミカルセーフティ、労働安全衛生の施策に取り組みます。また、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同し、気候関連や自然関連の情報開示の拡充に取り組んでまいります。 当社グループは、持続可能な社会実現へ貢献するため、これらの課題への取り組みを遂行し、さらなる事業革新を進め、国際競争力のある強靭な企業体質を築いてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは、「バイオから宇宙まで、化学の力で新しい価値を創造する企業グループとして、人と社会に貢献する」ことを経営理念とし、これを実践する上で重視する3つの価値観「挑戦」「公正」「調和」を定めています。 当社グループでは、経営理念、価値観を事業経営、組織運営の中心に据え、社会と共に成長し、事業の継続的な発展を目指してまいります。 (2)経営戦略等当社グループは、新たな事業環境に対応したコスト構造の実現に向け、生産性の向上とコストダウンの徹底を図るとともに、当社が目指す方向である「ライフ・ヘルスケア」「環境・エネルギー」「電子・情報」の3分野へ積極的に経営資源を投入し、持続的成長のための収益基盤の確立を進めてまいります。また、事業の基盤をなす安全の確保、環境の保全、品質管理の徹底、コンプライアンスの強化および内部統制システムの一層の充実を図り、企業の社会的責任を果たしてまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 経営の主たる指標については、グループの業績評価における重要指標である営業利益および売上高営業利益率のほか、株主重視の視点から経営効率の評価基準として、自己資本当期純利益率(ROE)、総資産経常利益率(ROA)を活用しております。 (4)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 世界経済は、米国の通商政策の影響やウクライナ危機の長期化、さらには中東情勢の緊迫化による景気の下振れリスクや金融資本市場等の影響など不確実性が増大しており、先行き不透明な状況が継続するものと想定されます。国内経済においては雇用・所得環境が改善する一方、物価上昇の継続による個人消費への影響が懸念されます。これらに加えて、中東情勢の影響が化学製品のほか幅広い産業や製品に及ぶことが想定され、我が国の景気を下押しするリスクとなっており、引き続き注視が必要な状況です。 このような情勢下、当社グループは、2030年度を最終年度とする「NOF VISION 2030」で定めた2030年度の「ありたい姿」を目指して、事業領域拡大ステージである「2028中期経営計画」を推進してまいります。 また、目指す3分野「ライフ・ヘルスケア」「環境・エネルギー」「電子・情報」において、市場ニーズの変化に柔軟に対応し、化学の力で新しい価値を継続的に創出し、すべてのステークホルダーの皆様の信頼にお応えし続けることで、安心で豊かな社会の実現に向けて挑戦してまいります。 「2028中期経営計画」においては「変革と創造」を基本方針として掲げ、「市場の機会を捉えた事業領域拡大」「新技術・新事業の創出」「生産性の向上・業務効率の改善」「安全・安心の追求」「CSRの推進」の各課題に取り組んでまいります。 「市場の機会を捉えた事業領域拡大」を加速するため、目指す3分野での積極的な戦略投資を進めてまいります。機能化学品事業においては、愛知事業所でこれまでに新増設を推進してまいりました化粧品ODM(相手先ブランドによる製品の設計・製造)製造設備をさらに増設する計画を進めてまいります。また、成長分野の電子部品材料、新規分野の高機能電子材料の成長を見込み、生産能力増強に向けて、製造設備を新設する計画を進めてまいります。化薬事業においては、防衛力整備計画に基づく生産基盤の整備を進めてまいります。 「新技術・新事業の創出」を加速するために、「ライフ・ヘルスケア」分野の研究を行うヘルスサイエンス研究所と、「環境・エネルギー」、「電子・情報」分野の研究を行うマテリアルサイエンス研究所を新設しました。重点分野として機能性化学素材、機能性食品素材、エレクトロニクス素材、医療・医療機器素材等を中心に、社外公募やベンチャーキャピタル、産学官との包括連携などを活用したオープンイノベーションの推進と、スタートアップへの投資を進め、新技術・新事業を創出してまいります。 「生産性の向上・業務効率の改善」として、DX(デジタル・トランスフォーメーション)に関する全社的な人材育成の取り組みを継続すると共に、データサイエンスを活用したMI(マテリアルズ・インフォマティクス)による新規化学素材の探索および配合組成の最適化等の研究開発の効率化、生産・品質管理システムの導入とネットワーク構築等によるスマートファクトリー化、ならびにバックヤード業務効率化に資するアプリケーションの導入に取り組んでまいります。 「安全・安心の追求」では安全・安心な製品の提供、社会環境や自然環境への安全配慮、保安防災、労働安全の徹底に取り組み、適切な事業運営に努めてまいります。 「CSRの推進」では、サステナビリティに関する11項目のマテリアリティ(重要課題)を特定し、これを「豊かで持続可能な社会実現のための新たな価値の提供」「事業基盤の強化」「レスポンシブル・ケア活動の推進」の3つに大別し、項目毎に指標(KPI)、目標を設定し、その取り組みを推進しております。「豊かで持続可能な社会実現のための新たな価値の提供」では、先進医療・医薬、人の美しさと健康、アンチエイジング、環境負荷の低減、資源循環、スマート社会等、さまざまな要請に貢献するため、目指す3分野に当社グループの独自技術・素材を活かした製品供給を目指してまいります。「事業基盤の強化」では、収益力の強化、ワーク・ライフ・バランスの実現を目指した働き方改革の推進、価値観の多様性を受け入れる企業風土作り、サプライチェーンを含めた人権リスクアセスメントの実施、CSR調達の推進、レジリエンスを向上させる事業継続計画の充実等を深化してまいります。「レスポンシブル・ケア活動の推進」では、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けた施策の検討や、ケミカルセーフティ、労働安全衛生の施策に取り組みます。また、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同し、気候関連や自然関連の情報開示の拡充に取り組んでまいります。 当社グループは、持続可能な社会実現へ貢献するため、これらの課題への取り組みを遂行し、さらなる事業革新を進め、国際競争力のある強靭な企業体質を築いてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 (1)財政状態及び経営成績の状況 当期は、米国の通商政策の影響により、景気の下振れリスクおよび政策の不確実性が増大し、世界経済の見通しは悪化しました。ウクライナ危機の長期化、中東情勢の緊迫化、原燃料価格の高止まり、金融資本市場変動等の影響の懸念もあり、依然として先行き不透明な状況が継続しました。国内においては、米国の通商政策による影響が自動車産業を中心にみられるものの、個人消費は持ち直してきており、景気は緩やかな回復傾向が続きました。 当社グループを取り巻く事業環境は、国内の景気は緩やかに回復しているものの、原燃料価格の高止まりや、米国の関税措置の影響による下振れリスクや中東情勢の影響を注視する状況が継続しております。 このような事業環境下、当社グループは2025年度を最終年度とする3ヵ年計画「2025中期経営計画」において、「実践と躍進」を基本方針として掲げ、課題である「市場の変化を捉えた事業拡大」「新製品・新技術開発の加速」「生産性の向上」「安全・安心の追求」「CSRの推進」に取り組み、新市場開拓と拡販ならびに生産コストの低減に努め、持続的成長に向けた経営努力を積み重ねてまいりました。 「市場の変化を捉えた事業拡大」に関しては、「ライフ・ヘルスケア」「環境・エネルギー」「電子・情報」の3分野を中心に事業領域の拡大を図り、ソリューションビジネスモデルへの転換を進めました。また、今年度は、成長が見込まれるエレクトロニクス分野における次世代素材や技術の開発を募集する「産学委託研究型オープンイノベーションプログラム2025」を実施し、持続可能な社会や今後のあるべき化学産業の実現に向けて、「新製品・新技術の開発の加速」を推進しました。 これらの結果、当連結会計年度の財政状態および経営成績は以下のとおりとなりました。 ①財政状態 資産は、前期末に比べ41,972百万円増加し、399,168百万円となりました。 負債は、前期末に比べ25,057百万円増加し、102,703百万円となりました。 純資産(非支配株主持分を含む)は、前期末に比べ16,915百万円増加し、296,465百万円となりました。 ②経営成績 当期の売上高は、257,967百万円(前期比8.2%増)となりました。営業利益は、47,411百万円(前期比4.6%増)、経常利益は、50,366百万円(前期比8.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、40,550百万円(前期比11.1%増)となりました。 以下、各事業セグメントの概況についてご説明申し上げます。 (機能化学品事業) 脂肪酸誘導体は、アジアにおける環境エネルギー関連の出荷が低調に推移し、売上高は減少しました。 界面活性剤は、トイレタリー関連の需要が低調に推移し、売上高は減少しました。 エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド誘導体は、合成樹脂・樹脂加工向けの需要が低調に推移し、売上高は減少しました。 有機過酸化物は、国内およびアジアでの需要が低調に推移し、売上高は減少しました。 特殊防錆処理剤は、国内外の需要が堅調に推移し、売上高は増加しました。 これらの結果、機能化学品事業の売上高は、145,751百万円(前期比3.4%減)、営業利益は、26,846百万円(前期比9.9%減)となりました。 (医薬・医療・健康事業) 食用加工油脂・食品機能材は、製パン・製菓・加工食品向けの需要が落ち着いたものの、適正価格の維持に努め、売上高は増加しました。 健康関連製品は、健康食品向けの出荷が増加し、売上高は増加しました。 生体適合性素材は、MPC(2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン)関連製品の出荷が減少し、売上高は減少しました。 DDS(ドラッグ・デリバリー・システム:薬物送達システム)医薬用製剤原料は、一部顧客向けの出荷が減少したものの、売上高は前期並みとなりました。 これらの結果、医薬・医療・健康事業の売上高は、49,931百万円(前期比4.0%増)、営業利益は、15,816百万円(前期比0.8%増)となりました。 (化薬事業) 産業用爆薬類は、売上高は前期並みとなりました。 宇宙関連製品は、ロケット向け製品の出荷が増え、売上高は増加しました。 防衛関連製品は、早期装備化の初度費に係る一部取引の収益認識により、売上高は増加しました。 機能製品は、売上高は減少しました。 これらの結果、化薬事業の売上高は、61,675百万円(前期比59.1%増)、営業利益は、7,979百万円(前期比154.9%増)となりました。 (その他の事業) その他の事業は、運送事業および不動産事業から構成されております。その売上高は、608百万円(前期比3.8%増)、営業利益は、434百万円(前期比24.7%増)となりました。 (2)キャッシュ・フローの状況 営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純利益の増加6,551百万円、運転資金負担の増加13,901百万円、前受金の増加10,784百万円、早期装備化に係る固定資産の増加額11,839百万円、法人税等の支払額の増加382百万円等により、前期に比べ6,890百万円の収入増となりました。なお、前受金の増加額には、化薬事業における早期装備化に係る防衛関連設備の前受金13,914百万円が含まれます。 投資活動によるキャッシュ・フローは、主に投資有価証券の売却による収入の増加5,606百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出の減少1,945百万円、関係会社出資金の払込による支出の増加3,063百万円等があり、前期に比べ9,321百万円の支出減となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローは、主に自己株式の取得による支出の増加7,999百万円、配当金の支払額の増加1,953百万円等の結果、前期に比べ9,392百万円の支出増となりました。 以上の結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、前期末に比べ266百万円増加し、82,973百万円となりました。 (3)生産、受注及び販売の実績①生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示しますと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)機能化学品事業125,590△4.7医薬・医療・健康事業40,038△14.5化薬事業57,73472.1合計223,3645.3 (注)1 金額は販売価格によっております。 ②受注実績 当連結会計年度における化薬事業の受注実績を示しますと、次のとおりであります。 なお、化薬事業を除く製品については見込み生産を行っております。セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)化薬事業83,00981.8118,396100.9 ③販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示しますと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)機能化学品事業145,751△3.4医薬・医療・健康事業49,9314.0化薬事業61,67559.1報告セグメント計257,3588.3その他の事業6083.8合計257,9678.2 (注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)㈱良品計画32,23713.529,47511.4 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1)財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容①経営成績等a.財政状態(資産合計) 総資産は、前期末に比べ41,972百万円増加し、399,168百万円となりました。資産の増減の主な内容は、現金及び預金の増加1,299百万円、売上債権の増加15,708百万円、棚卸資産の増加6,998百万円、有形固定資産の増加11,657百万円、投資有価証券の期末時価評価等による増加4,221百万円等であります。(負債合計) 負債は、前期末に比べ25,057百万円増加し、102,703百万円となりました。負債の増減の主な内容は、買入債務の減少1,963百万円、流動資産のその他に含まれる未払金の増加8,683百万円及び前受金の増加11,637百万円、未払法人税等の増加7,008百万円等であります。(純資産合計) 純資産(非支配株主持分を含む)は、前期末に比べ16,915百万円増加し、296,465百万円となりました。純資産(非支配株主持分を含む)の増減の主な内容は、親会社株主に帰属する当期純利益の増加40,550百万円、自己株式の取得等による減少20,004百万円、剰余金の配当による減少11,586百万円、その他有価証券評価差額金の増加4,199百万円、退職給付に係る調整累計額の増加2,123百万円等であります。 b.経営成績(売上高) 売上高は257,967百万円と前期比8.2%、19,656百万円の増収となりました。その内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 (1)財政状態及び経営成績の状況 ②経営成績」に記載したとおりであります。(売上原価、販売費及び一般管理費) 売上原価は168,874百万円と前期比10.3%、15,717百万円の増加となりました。原価率は、前期と比較して1.2ポイント増加し65.5%となりました。 販売費及び一般管理費は41,681百万円と前期比4.6%、1,835百万円の増加となりました。売上原価、販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費は8,075百万円と前期比1.9%、147百万円の増加となりました。(営業利益) 営業利益は、47,411百万円と前期比4.6%、2,102百万円の増益となりました。セグメント別の営業利益については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報)」の欄に記載しております。(営業外収益(費用)) 営業外収益(費用)は、前連結会計年度の1,263百万円の収益(純額)から、2,955百万円の収益(純額)となりました。受取利息および受取配当金の合計から支払利息を差引いた金融収支は、前連結会計年度の1,556百万円の収入(純額)から、1,476百万円の収入(純額)となりました。(経常利益) 経常利益は50,366百万円となり、前期比8.1%、3,794百万円の増益となりました。(特別利益) 特別利益は8,839百万円となり、前期比4,499百万円の増加となりました。この増加は、主に当期において投資有価証券売却益等を計上したことによるものであります。(特別損失) 特別損失は1,876百万円となり、前期比1,742百万円の増加となりました。この増加は、主に当期において関係会社出資金評価損等を計上したことによるものであります。(税金等調整前当期純利益) 税金等調整前当期純利益は57,329百万円となり、前期比12.9%、6,551百万円の増益となりました。(法人税等(法人税、住民税及び事業税ならびに法人税等調整額)) 税金等調整前当期純利益に対する税効果会計適用後の法人税等の負担率は29.1%となり、前期比1.2ポイントの増加となりました。(非支配株主に帰属する当期純利益) 非支配株主に帰属する当期純利益は107百万円(前期は、非支配株主に帰属する当期純利益107百万円)となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益) 親会社株主に帰属する当期純利益は40,550百万円となり、前期比11.1%、4,052百万円の増益となりました。1株当たり当期純利益は176.34円と前期比22.46円の増加となりました。 ②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 世界経済は、米国の通商政策の影響やウクライナ危機の長期化、さらには中東情勢の緊迫化による景気の下振れリスクや金融資本市場等の影響など不確実性が増大しており、先行き不透明な状況が継続するものと想定されます。国内経済においては雇用・所得環境が改善する一方、物価上昇の継続による個人消費への影響が懸念されます。これらに加えて、中東情勢の影響が化学製品のほか幅広い産業や製品に及ぶことが想定され、我が国の景気を下押しするリスクとなっており、引き続き注視が必要な状況です。 このような情勢下、当社グループは、2030年度を最終年度とする「NOF VISION 2030」で定めた2030年度の「ありたい姿」を目指して、事業領域拡大ステージである「2028中期経営計画」を推進してまいります。 また、目指す3分野「ライフ・ヘルスケア」「環境・エネルギー」「電子・情報」において、市場ニーズの変化に柔軟に対応し、化学の力で新しい価値を継続的に創出し、すべてのステークホルダーの皆様の信頼にお応えし続けることで、安心で豊かな社会の実現に向けて挑戦してまいります。 「2028中期経営計画」においては「変革と創造」を基本方針として掲げ、「市場の機会を捉えた事業領域拡大」「新技術・新事業の創出」「生産性の向上・業務効率の改善」「安全・安心の追求」「CSRの推進」の各課題に取り組んでまいります。 「市場の機会を捉えた事業領域拡大」を加速するため、目指す3分野での積極的な戦略投資を進めてまいります。機能化学品事業においては、愛知事業所でこれまでに新増設を推進してまいりました化粧品ODM(相手先ブランドによる製品の設計・製造)製造設備をさらに増設する計画を進めてまいります。また、成長分野の電子部品材料、新規分野の高機能電子材料の成長を見込み、生産能力増強に向けて、製造設備を新設する計画を進めてまいります。化薬事業においては、防衛力整備計画に基づく生産基盤の整備を進めてまいります。 「新技術・新事業の創出」を加速するために、「ライフ・ヘルスケア」分野の研究を行うヘルスサイエンス研究所と、「環境・エネルギー」、「電子・情報」分野の研究を行うマテリアルサイエンス研究所を新設しました。重点分野として機能性化学素材、機能性食品素材、エレクトロニクス素材、医療・医療機器素材等を中心に、社外公募やベンチャーキャピタル、産学官との包括連携などを活用したオープンイノベーションの推進と、スタートアップへの投資を進め、新技術・新事業を創出してまいります。 「生産性の向上・業務効率の改善」として、DX(デジタル・トランスフォーメーション)に関する全社的な人材育成の取り組みを継続すると共に、データサイエンスを活用したMI(マテリアルズ・インフォマティクス)による新規化学素材の探索および配合組成の最適化等の研究開発の効率化、生産・品質管理システムの導入とネットワーク構築等によるスマートファクトリー化、ならびにバックヤード業務効率化に資するアプリケーションの導入に取り組んでまいります。 「安全・安心の追求」では安全・安心な製品の提供、社会環境や自然環境への安全配慮、保安防災、労働安全の徹底に取り組み、適切な事業運営に努めてまいります。 「CSRの推進」では、サステナビリティに関する11項目のマテリアリティ(重要課題)を特定し、これを「豊かで持続可能な社会実現のための新たな価値の提供」「事業基盤の強化」「レスポンシブル・ケア活動の推進」の3つに大別し、項目毎に指標(KPI)、目標を設定し、その取り組みを推進しております。「豊かで持続可能な社会実現のための新たな価値の提供」では、先進医療・医薬、人の美しさと健康、アンチエイジング、環境負荷の低減、資源循環、スマート社会等、さまざまな要請に貢献するため、目指す3分野に当社グループの独自技術・素材を活かした製品供給を目指してまいります。「事業基盤の強化」では、収益力の強化、ワーク・ライフ・バランスの実現を目指した働き方改革の推進、価値観の多様性を受け入れる企業風土作り、サプライチェーンを含めた人権リスクアセスメントの実施、CSR調達の推進、レジリエンスを向上させる事業継続計画の充実等を深化してまいります。「レスポンシブル・ケア活動の推進」では、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けた施策の検討や、ケミカルセーフティ、労働安全衛生の施策に取り組みます。また、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同し、気候関連や自然関連の情報開示の拡充に取り組んでまいります。 当社グループは、持続可能な社会実現へ貢献するため、これらの課題への取り組みを遂行し、さらなる事業革新を進め、国際競争力のある強靭な企業体質を築いてまいります。 ③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 経営の主たる指標については、グループの業績評価における重要指標である営業利益および売上高営業利益率のほか、株主重視の視点から経営効率の評価基準として、自己資本当期純利益率(ROE)、総資産経常利益率(ROA)を活用しております。 当連結会計年度における自己資本当期純利益率(ROE)は14.1%(前期比0.7%増加)、総資産経常利益率(ROA)は13.3%(前期比0.0%減少)、売上高営業利益率は18.4%(前期比0.6%減少)となりました。 ④セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 セグメントごとの財政状態につきましては、以下のとおりであります。 機能化学品事業における資産は、前期末に比べ、8,513百万円増加し、141,835百万円となりました。 医薬・医療・健康事業における資産は、前期末に比べ、1,936百万円減少し、52,974百万円となりました。 化薬事業における資産は、前期末に比べ、22,812百万円増加し、99,956百万円となりました。 その他の事業における資産は、前期末に比べ、359百万円増加し、4,984百万円となりました。 セグメントごとの設備投資等の概要につきましては、「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」に記載したとおりであります。 なお、経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 (1)財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。 (2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報①基本方針 当社グループは、独創性のある製品を国内外の市場に提供できる機能材メーカーとしてさらなる進化を遂げ、信頼され存在感のある企業グループの実現に努めるために、以下のとおり対応してまいります。 事業への資源配分については、「市場の機会を捉えた事業拡大」を加速するため、目指す3分野「ライフ・ヘルスケア」「環境・エネルギー」「電子・情報」での積極的な戦略投資を推進してまいります。 利益配分については、株主の皆様への安定的な利益還元を経営の重要課題と認識しております。利益配分の基本方針は配当性向40%程度、総還元性向70%以上を2028中期経営計画における目標水準とし、中長期的な安定的な利益還元の維持継続を基本に、中長期的な累進配当を目指すとともに、資本効率向上を図るための自己株式取得・消却を必要に応じ実施してまいります。 なお、配当政策につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載しております。 内部留保資金は、将来に向けた成長のための設備投資や研究開発投資、財務体質の充実などにあて、収益基盤の強化を図ってまいります。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 ③資金需要 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループ製品製造のための材料のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。営業費用の主なものは人件費および発送配達費等の費用であります。当社グループの研究開発費は、研究開発に携わる従業員の人件費が研究開発費の主要な部分を占めております。 当社グループの投資活動にかかる資金需要のうち主なものは、高付加価値品の需要拡大に対応する生産設備、新技術開発による生産設備の新設や環境負荷低減のための設備改修等にかかる設備投資であります。 ④有利子負債 2026年3月31日現在の有利子負債の概要は下記のとおりであります。 年度別要支払額区 分合計1年以内1年超3年以内3年超5年以内5年超短期借入金(億円)1313---長期借入金(億円)29101350上記の表において、連結貸借対照表の短期借入金に含まれている1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。 ⑤財務政策 当社グループは現在、運転資金および設備資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については期限が1年以内の短期借入金で、銀行等からの借入金および海外子会社の現地での借入金から構成されております。これに対して、生産設備などの長期資金は原則として固定金利の長期借入金で調達しております。2026年3月31日現在、長期資金の残高は29億円で、主に固定金利の円での借入であり、銀行等からの借入金であります。 当社グループは、その健全な財務状態、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力および借入により、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金および設備投資資金を調達することが可能と考えております。 (3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
事業リスク
- 自然災害・感染症地震や津波などの自然災害、新型コロナウイルスのような感染症の世界的流行は、生産活動や販売、物流を中断させる可能性があります。これにより、事業資産への損害や事業継続の困難が生じ、業績や財務状況に悪影響を及ぼす恐れがあります。
- 法令違反・ガバナンス不全国内外の法令(独占禁止法、薬機法など)に違反した場合、行政処分や事業活動の停止、課徴金の支払いが発生する可能性があります。また、海外拠点でのガバナンスが不十分な場合、不正行為や法令違反が発生し、企業の信用低下や訴訟リスクにつながる恐れがあります。
- サイバー攻撃・情報システム障害事業活動で扱う機密情報や個人情報がサイバー攻撃や情報システム障害により漏洩したり、システムが停止したりする可能性があります。これにより、顧客や取引先からの信頼を失い、損害賠償請求や事業活動の中断による業績悪化を招く恐れがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】(1)リスクマネジメント体制 当社グループのリスクマネジメント体制の概要は、まず想定される経営リスクを網羅的に洗い出し、その各リスク項目の影響度合・発生頻度の評価結果に基づいてリスクアセスメントを実施し、「重点モニタリングリスク」を特定しています。その上で、リスクが顕在化した場合の影響と発生可能性を低減する対策を適切に講じることで、経営への影響を最小化するよう努めています。また、想定リスクの洗い出しやリスクアセスメントを定期的に実施することで、対策の有効性を検証するとともに、新たなリスクの認識と評価を促すなど、リスクマネジメントサイクルを回すことにより、リスク管理の充実を図っています。 具体的には、経営リスクの洗い出しはリスク管理委員会が実施し、当社各箇所長、事業部門長、スタッフ部門長、国内外のグループ子会社各社長が各事業の特性や政治的・経済的・社会的な変化等の外部環境を踏まえ、各リスク項目に対しての影響度合・発生頻度を評価します。そして、すべての事業リスクの進捗・管理を行うなかで、経営上特に重点的に施策・進捗状況のモニタリングすべきリスクを、取締役会において「重点モニタリングリスク」として特定しています。「重点モニタリングリスク」ならびに経営リスクについては、リスク管理委員会、コンプライアンス委員会、RC委員会、および品質管理委員会において分析や対応策の検討を行い、定期的に取締役会に報告されます。取締役会では、コンプライアンス、情報の管理、環境・安全、リスクの網羅性の確認・評価など、さまざまな視点で経営リスクを審議します。 グループ子会社については、関係会社管理規則に基づき、経営管理・モニタリングを実施し、必要に応じて助言等を行うとともに、子会社の財産や損益に重大な影響を及ぼすと判断される重要案件の実施については、当社の取締役会または経営審議会が承認しています。 また、その他のリスクについても、各委員会で現状の対応を評価して「保有」や「低減」等に分類し、必要に応じて追加対策を検討します。 (2)重要リスク 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。リスク管理については、リスク管理委員会において、リスクの網羅性の確認・評価、リスク管理に関する施策の立案等を行い、取締役会に報告しております。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 ①地震・津波、感染症 地震や津波等の自然災害や、新型コロナウイルスのような感染症の世界的流行(パンデミック)等に対して、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核事業の継続や早期回復を可能とするため、事業継続計画(BCP)を策定し、BCPの内部監査や訓練の実施など、有事への備えに努めています。しかし、想定を超える災害の発生により、生産をはじめ販売や物流等の活動が中断した場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ②法令違反 当社グループでは、各国の法令や法制度等に従い、各種コンプライアンス・マニュアルの整備、コンプライアンス研修の実施、内部通報・相談窓口の設置により、不正のない事業活動を行っております。ただし、不正競争防止法・独占禁止法・下請法・外為法・化審法・薬機法等の各種法令に関する違反により、行政処分が下され、事業活動の停止や課徴金支払い等が発生する可能性があります。 ③海外拠点のガバナンス不全 当社グループでは、北米・欧州・アジア等の世界各国に生産・販売拠点を設け、海外での事業活動を拡大しており、各拠点において、業務の適正を確保するための体制を構築し、業務執行状況・財務状況等の定期的な報告の要請や業務監査を行っております。ただし、海外拠点のガバナンスが行き届かず、法令違反等の不正が発生し、行政処分や刑事・民事訴訟等により信用が低下して、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ④サイバー攻撃・情報システム障害 当社グループでは、事業活動において取得する機密情報や個人情報等を、電子情報の形式で蓄積・利用しております。そのため、ハード・ソフト両面において必要なセキュリティ対策を講じるとともに、情報セキュリティ管理規定・責任者任命等の体制を整備し、不正アクセスの防御体制の構築、合理的なレベルの安全対策を実施しております。しかしながら、コンピュータウイルスによるサイバー攻撃等、外部からの不正アクセスや情報システムの障害により、情報の漏洩や事業活動の中断が発生する可能性があります。 ⑤火災・爆発 当社グループでは、国内外に生産工場を保有しており、火災や爆発などの重大な事故を未然に防止するため、定期的に設備の保守点検を行うとともに、危険物の適正な保管・管理の徹底を図っています。また、緊急時に備え、緊急事態対応マニュアルを策定し、社内での定期的な訓練を実施するほか、近隣自治体との合同防災訓練や対話活動に努めております。こうしたリスク対策を講じているものの、工場において大規模な火災・爆発等の事故が発生した場合、従業員や近隣住民の死傷、事業活動の停止、これらによる損害賠償等が発生する可能性があります。 ⑥知的財産侵害等 当社グループでは、グローバルに知的財産の権利確保を図るとともに、厳重にこれらを管理し、特許侵害を監視するチェック体制を構築するほか、従業員に対する特許・商標等の知財教育に努めております。しかしながら、第三者からの知的財産権侵害を完全に防止することはできない可能性があるほか、逆に、当社の従業員による知的財産権侵害による損害賠償請求等の訴訟や紛争が発生する、あるいは製造・出荷の停止を求められる可能性があります。 ⑦技術流出 当社グループでは、営業秘密情報に関する規定を整備するとともに、管理体制の構築および強化に努めております。ただし、営業秘密情報の漏洩を完全に防止することはできないため、重要な技術情報が流出し、競合他社が類似製品や類似技術を市場に提供することにより、当社グループの売上・利益が低下する可能性があります。 ⑧品質管理 研究開発や製品の生産・試験検査・出荷等の工程において、品質管理に関するデータ管理を徹底するとともに、社内での品質監査や品質調査による管理状況の確認を行い、適正な品質管理の維持に努めています。また、従業員に対し定期的な啓発・研修の機会を設けて品質管理への意識を高める活動にも取組んでいます。しかしながら、ひとたび品質検査結果においてデータ改ざん等の品質偽装を発生させると、当社グループの信用が低下・失墜する可能性があります。 ⑨ハラスメント・人権侵害 当社グループでは、役員および従業員一人ひとりが常に社会倫理に則り、社会からの信頼を得るために、日油グループ企業倫理規範を制定し遵守しております。同時に、役員および従業員へのコンプライアンス意識の浸透を図るため、企業倫理規範をより詳しくわかりやすく解説したコンプライアンス・マニュアルを作成、日本を含む各国共通のグローバル・コンプライアンス・マニュアルは11か国語で発行しております。また、従業員からの通報・相談に応じるため、男女社員による社内の相談窓口と弁護士による社外窓口を設置しています。コンプライアンス委員会は年2回の定期開催のほか、問題発生時には適時に開催し、問題点の把握、対応策の立案とフォローを行い、結果を取締役会に報告して審議しております。これらの対策を講じているものの、各種ハラスメントや人権侵害が発生し、当社グループの信用が低下する可能性があります。 ⑩人材育成の遅滞 次世代を担う人材への階層・課題別研修を推進するとともに、グローバルビジネスの一翼を担うことが期待される国際人材の登用・育成のほか、適正な人材ローテーションを実施しております。しかしながら、中長期的な人材育成計画が上手く機能せず、当社グループの成長に貢献する人材の育成が停滞する可能性があります。 ⑪非財務情報の開示不足 社会課題や顧客課題を含む事業経営の現状分析に努め、マテリアリティ(重要課題)やそれらのKPI等ターゲットの特定で、管理指標と目標を設定して具体的な施策を展開しております。ただし、経済や環境への影響、社会的な評価に対する不明確さが生じることにより、ステークホルダーの信頼を損なう可能性があります。 ⑫原料調達 当社グループでは、CSR調達方針やCSR調達ガイドラインを制定し、サプライヤーとの売買契約でそれらの遵守を明記し取引しています。さらに資材調達部門が中心となり、各種アンケートにより継続的に取引先の調査を実施しています。しかしながら、サプライヤーやその上流において、強制労働や児童労働といった人権侵害や環境破壊を伴う原材料の調達がなされ、当社グループの社会的信頼性が低下する可能性があります。