4548

生化学工業(4548)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

医薬品 医薬品

事業の概要

  • 医薬品事業
    関節機能改善剤や眼科手術補助剤、腰椎椎間板ヘルニア治療剤などの医療用医薬品、医療機器、医薬品原体の研究開発、製造、仕入れ、販売を行っています。子会社では医薬品の受託製造や北米での開発活動、生産企画も手掛けており、人々の健康を支える重要な役割を担っています。
  • LAL事業
    エンドトキシン(細菌由来の毒素)測定用試薬や、グルカン(真菌の細胞壁成分)測定体外診断用医薬品の研究開発、仕入れ、販売を行っています。子会社が製造も担当しており、医薬品の品質管理や感染症診断に不可欠な製品を提供することで収益を上げています。
  • グローバル展開
    日本国内だけでなく、北米やヨーロッパにも子会社を展開し、医薬品やLAL製品の開発・製造・販売をグローバルに行っています。特に海外売上高比率が62.0%(ロイヤリティ除く)と高く、国際的な事業活動を通じて収益を確保するビジネスモデルです。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 医薬品事業
    関節機能改善剤、眼科手術補助剤、腰椎椎間板ヘルニア治療剤、内視鏡用粘膜下注入材といった医療用医薬品や医療機器、医薬品原体の研究開発、製造、仕入れ、販売を行っています。この事業は売上高275.13億円、営業利益5.23億円と、同社グループの主要な収益源となっています。
  • LAL事業
    エンドトキシン測定用試薬やグルカン測定体外診断用医薬品の研究開発、仕入れ、販売を手掛けています。これらの製品は医薬品の品質管理や感染症診断に用いられ、売上高118.6億円、営業利益8.09億円を計上しており、医薬品事業に次ぐ重要な事業セグメントです。
  • グローバル展開
    医薬品事業では北米子会社が開発活動や生産企画を担い、LAL事業では米国子会社が研究開発、製造、仕入れ、販売を行い、欧州子会社も販売を担っています。これにより、日本だけでなく海外市場からも収益を得る体制を構築しており、海外売上高比率は62.0%(ロイヤリティー除く)に達しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Pharmaceutical 事業 275 5 1.9%
LAL 事業 119 8 6.8%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|616 文字
3【事業の内容】当社グループは、当社及び子会社7社により構成され、医薬品及びLALの研究開発、製造・仕入及び販売に関する事業活動を展開しています。当社グループにおける事業内容及び当該事業における位置付けは、次のとおりです。 医薬品: 当社は、医薬品、医療機器及び医薬品原体等の研究開発、製造・仕入及び販売を行っています。ダルトン ケミカル ラボラトリーズ インクは医薬品受託製造等を行っています。セイカガク ノース アメリカ コーポレーションは北米における医薬品・医療機器開発活動の一部及び生産企画を担っています。LAL: 当社は、研究開発、仕入及び販売を行っています。アソシエーツ オブ ケープ コッド インクは、研究開発、製造・仕入及び販売を行っています。また、アソシエーツ オブ ケープ コッド インターナショナル インクは、販売を行っています。 事業セグメント別の主要製品は次のとおりです。事業セグメント主要製品等医薬品・関節機能改善剤、眼科手術補助剤、腰椎椎間板ヘルニア治療剤、内視鏡用粘膜下注入材・医薬品原体(各種医薬品用の原薬)・医薬品受託製造LAL・エンドトキシン測定用試薬、グルカン測定体外診断用医薬品 事業系統図は次のとおりです。(注)1.※1は連結子会社、※2は非連結子会社です。2.アソシエーツ オブ ケープ コッド ヨーロッパ ゲーエムベーハーは、現在清算手続中のため、上記事業系統図には含めておりません。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
医薬品は法的規制や薬価基準の改定に影響されるが、独占販売契約や新薬開発による優位性も持つ。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
医薬品の品質、有効性、安全性を確保するための日本及び海外各国の法的規制。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:法的規制、制度・行政の変更 / 新製品開発の不確実性 / 特定販売先への依存
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 3 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

財務データが未収録のため、ブランド力、特許、規制ライセンス、独占的IPに関する具体的な評価は不可能。医薬品業界では特許が重要だが、同社の特許ポートフォリオや新薬開発パイプラインに関する公開情報が不足している。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

医薬品は一般的に、医師や患者の処方・使用習慣が確立するとスイッチング・コストが発生する可能性がある。しかし、同社の製品ラインナップや市場シェアに関する詳細情報が不足しており、具体的なスイッチング・コストの強さを判断するには情報が不十分。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

医薬品業界において、ネットワーク効果は限定的である。同社の事業内容や製品特性から、ユーザー数の増加が製品価値を直接的に高めるようなネットワーク効果は想定されない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

医薬品製造には高度な技術と品質管理が求められるため、一般的にコスト優位性を確立することは難しい。同社の製造プロセスやサプライチェーンに関する情報が不足しており、構造的なコスト優位性があるかどうかの判断は困難。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

医薬品業界は研究開発費や販売網構築に多額の投資が必要であり、規模の経済が働く側面もある。しかし、同社の市場シェアや業界内での位置づけに関する情報が不足しており、効率的な規模の経済が享受できているか評価できない。

  • 専門性の高い製品群
    関節機能改善剤や眼科手術補助剤、エンドトキシン測定試薬など、特定の医療分野や品質管理分野に特化した製品を開発・提供しています。これらの製品は高度な技術と専門知識を要するため、新規参入が難しい競争優位性を持っています。
  • 研究開発力
    医薬品開発には長期間にわたる研究開発と多額の費用が必要ですが、同社は複数の開発パイプラインを推進することで、新製品創出のリスク分散を図っています。これにより、将来の収益源となる革新的な医薬品や診断薬を生み出す可能性があります。
  • 動物由来成分の活用と代替
    ニワトリ、サメ、カブトガニといった動物由来成分を原料とする製品が多く、これらは独自の技術基盤となっています。同時に、調達リスクを軽減するため、発酵原料や遺伝子組換え体を用いた製品の開発も進めており、持続的な供給体制と技術革新の両面で強みを持っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1)経営の基本方針当社は、「独創 公正 夢と情熱」を経営綱領のモットーとして掲げ、糖質科学の知見を活かした、独創的な医薬品等を継続して創製し、患者の方々に提供することを通じて、世界の人々の健康で心豊かな生活に貢献することを基本方針としています。これにより、医療を含む社会の持続的な発展に寄与するとともに、当社の持続的成長及び中長期的な企業価値向上を目指してまいります。また、製薬企業としての社会的使命及び責任を深く自覚し、高い倫理観のもと法令等の遵守を徹底するほか、コーポレート・ガバナンスの充実を図り、株主をはじめとするステークホルダーの皆さまとの信頼関係の強化に努めてまいります。(2)目標とする経営指標当社グループでは、2023年3月期から2026年3月期までの中期経営計画において、経営指標として売上高および営業利益に係る目標値を設定していました。当該中期経営計画においては、重点施策のひとつとして、米国における腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603の承認取得及び上市を掲げておりましたが、これを達成するに至りませんでした。今後の経営方針については、本剤の審査結果の影響を受けることから、当該結果の取得後に改めて検討を進める方針としています。なお、短期的な指標として、2027年3月期の業績予想は以下のとおりとしています。 2027年3月期業績予想売上高41,850百万円営業利益2,050百万円経常利益4,200百万円親会社株主に帰属する当期純利益2,250百万円 (3)経営環境及び中長期的な経営戦略と対処すべき課題≪経営環境≫医薬品産業を取り巻く経営環境は、国内薬価制度の抜本改革をはじめとした医療費抑制策の進展や、治療選択肢の多様化等に伴う企業間競争の激化に加え、新薬開発の難易度が高まるなか研究開発コストが増大するなど、極めて厳しい状況が継続しています。当社が持続的に成長軌道を描くためには、このように環境変化が激しい時代への柔軟な対応が必要となります。また、社会の持続的発展と企業価値向上に向け、サステナビリティ推進をはじめとした社会的責任を果たすことの重要性が高まり、それらへの対応が急務となっています。≪直近の市場環境≫当社の主力製品である関節機能改善剤の国内市場は、高齢者人口が増加傾向にあるものの、注射剤以外の外用薬や内服薬の処方拡大により数量ベースでは横ばいで推移しており、金額ベースでは薬価引き下げの影響を受けて縮小傾向にあります。そのような状況の中、国内市場において当社製品は高いシェアを獲得しており、需要が高い状況を維持しています。海外の主力市場の一つである米国市場については、高齢者人口の増加を背景に緩やかな拡大傾向にあります。しかしながら、政府の政策による医薬品業界への影響は依然として不透明な状況となっており、販売提携先とも連携を取りながら動向を注視しています。中国市場については、米国と同じく高齢者人口の増加により緩やかな拡大傾向にあるものの、政府や省による集中購買が拡大し、価格競争が激化しています。≪中期経営計画(2023年3月期~2026年3月期)の概要≫Ⅰ. 目指すべき姿 当社は、本中期経営計画期間である2023年3月期からの4ヵ年を「成長を実現する期間」として定めています。前中期経営計画期間に強化した基盤をもとに、各重点施策を推し進めることで、持続的に成長軌道を描くための実力を養い、最終年度には過去最高の業績達成を目指します。 Ⅱ. 重点施策当社が持続的に成長軌道を描くための実力を養うべく、次の5つの重点施策に取り組みます。① 腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603の製品価値最大化 腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603の米国における承認取得及び上市を実現するために、カナダに設立したセイカガク ノース アメリカ コーポレーションを最大限に活用し迅速かつ確実な承認申請、審査対応を行います。また、販売提携先との密な連携のもと販売準備を進め、医療現場への早期浸透による製品価値の最大化を図ります。② 独自の創薬技術を活かした研究開発の加速 当社が保有するGAG*に関する基盤技術を応用展開することで、既存領域における新規開発テーマや新規疾患領域を含む革新的な研究テーマの創出に注力し、アンメットメディカルニーズを中心とした患者の方々が真に必要とする新薬の創製を目指します。また、これらの成功確度を高め、早期進捗を図るために各種アライアンスを推進します。同時に既存パイプラインを着実に進展させ、腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603の米国における承認取得及び上市、ドライアイ治療剤SI-614の米国第Ⅲ相臨床試験の終了、癒着防止材SI-449の国内承認取得及び米国での臨床試験開始を目指します。*GAG:グリコサミノグリカン。複合糖質の構成成分のひとつ(ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸等)。③ 関節機能改善剤の事業価値維持・向上 主力である国内関節機能改善剤市場において当社製品のプレゼンスを強化し、経営を支える基盤製品としての事業性の維持・向上に努めます。国内医薬品は薬価引き下げの影響を大きく受けることから、原価構造の改善が不可欠であり、安定供給継続のためにも製品資材の仕様変更や製造工程の効率化等をさらに進めてまいります。また、関節機能改善剤ジョイクルの安全性情報等の収集及び提供を継続するとともに、臨床研究の結果をもとに適切な処方への貢献を目指してまいります。④ グローバル生産体制の構築 海外子会社ダルトン ケミカル ラボラトリーズ インク(カナダ、トロント)と当社高萩工場(日本、茨城県)の2拠点化を図ることで、適切かつ効率的な製造体制のもと安定供給のさらなる強化を図ります。⑤ 遺伝子組換え技術によるLAL事業の拡大 海外子会社アソシエーツ オブ ケープ コッド インクとの連携のもと、遺伝子組換えエンドトキシン測定用試薬パイロスマート ネクストジェンを活用し信頼できる科学的データの蓄積や遺伝子組換え技術を活かした新たな診断薬の開発促進に取り組むとともに、関連企業との協働による測定機器やソフトウエアの開発・改良などを行うことで、新たな価値の創造を目指します。 また、上記の5つの重点施策を実行するうえで、社員エンゲージメントの向上や組織強化・人材育成は経営の基盤となる重要な要素となります。事業の中核である人材の育成や、成長を促進する環境を醸成するための投資を積極化させ、持続的な成長を実現するための基盤強化・改善を図っていきます。Ⅲ.サステナビリティ 当社は、社会の持続的発展と企業価値向上に向けて、優先的に取り組むべき重要課題として6つのマテリアリティを特定しています。中期経営計画の重点施策のベースとなるこれらのマテリアリティに注力し、医療関連事業の発展に加え、ESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みを強化するとともに、サプライチェーンやステークホルダーの皆さまとの十分なコミュニケーションによる、社会的課題の解決を目指します。 ≪中期経営計画の総括(2023年3月期~2026年3月期)≫本中期経営計画を「成長を実現する期間」と定め、持続的に成長軌道を描くための実力を養い、過去最高の業績達成を目指しました。結果として、数値目標(売上高400億円、営業利益70億円)は、期間中に腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603の米国における承認取得及び上市を達成できなかったことが大きく影響し、未達となりました。しかしながら、研究開発や既存製品の安定供給維持に向けた体制構築、グローバル生産体制の構築、及びLAL事業の拡大について着実に進展させることができました。今後も世界中の患者の方々の健康で心豊かな生活の質の向上に貢献するとともに、企業価値の更なる向上にむけて取り組みを加速してまいります。本中期経営計画での重点施策に関する結果と実施内容は以下のとおりです。① 腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603の製品価値最大化 2024年3月に米国食品医薬品局(FDA)へ承認申請を行ったものの、2025年3月に審査完了報告通知を受領し、承認の取得には至りませんでした。その後、FDAからの追加の指摘事項への対応を完了し、2026年3月に再度FDAへ申請を行いました。<主な実施内容>・米国第Ⅲ相追加臨床試験の主要評価項目において、統計学的に有意な改善結果を示すトップライン結果を取得(2023年5月)・FDAへの生物製剤承認申請が受理される(2024年5月)・FDAによる審査行程のひとつである公聴会で本剤のリスク&ベネフィットについて議論され、承認への支持を多数得る(2025年1月)・FDAより審査完了報告通知を受領。有効性及び安全性を含む臨床試験結果等に関連した懸念は表明されなかったものの、製造施設及び原薬・製剤の管理について追加の指摘事項が示される(2025年3月)・指摘事項への対応を完了し、FDAへ生物製剤承認の再申請を実施(2026年3月)② 独自の創薬技術を活かした研究開発の加速 大きな目標としていた腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603や癒着防止材SI-449の承認取得や上市までには至らなかったものの、承認申請まで着実に達成しました。その他、革新的な研究テーマの創出に着実に取り組むとともに、新たなパイプラインを追加しました。<主な実施内容>1)癒着防止材SI-449・国内ピボタル試験の主要評価項目及び副次評価項目において、統計学的に有意な改善効果を示す結果を取得(2023年7月)・日本において医療機器製造販売承認の申請を実施(2025年8月)2)内視鏡用粘膜下注入材MucoUpⓇ・中国において承認を取得(2024年9月)3)変形性関節症治療剤Gel-One・日本において第Ⅲ相臨床試験(膝・股関節)を開始し、新たにパイプラインに追加(2025年2月)4)ドライアイ治療剤SI-614・米国における第Ⅲ相臨床試験は完了したものの、主要評価項目において統計学的に有意な改善効果が認められなかったことから、開発を中止③ 関節機能改善剤の事業価値維持・向上 国内で高いシェアを持つアルツの安定供給維持や既存製品の製品資材の仕様変更、製造工程の効率化に向けて取り組みました。未達事項はあるものの、一定の成果を上げることができました。<主な実施内容>・人員増強や設備メンテナンスによりアルツの増産体制を構築・原価構造改善を目的とした製品資材の変更を実施・関節機能改善剤ジョイクルの安全性情報等の収集及び提供の体制維持④ グローバル生産体制の構築製造拠点の2拠点化に向けた体制構築について、想定より時間を要したものの、着実な進展が見られました。<主な実施内容>・海外子会社ダルトン ケミカル ラボラトリーズ インク(DCL社)への設備投資の実施・日本からDCL社への製造技術移転の推進 ⑤ 遺伝子組換え技術によるLAL事業の拡大 海外子会社アソシエーツ オブ ケープ コッド インクと連携し、エンドトキシン測定用試薬やグルカン測定体外診断用医薬品の展開の加速により、LAL事業の拡大を達成しました。<主な実施内容>・遺伝子組換えエンドトキシン測定用試薬パイロスマート ネクストジェン(PSNG)に関する科学データの論文化や学会発表などによるプレゼンス向上・営業活動によるPSNGの市場への浸透・グルカン測定体外診断用医薬品の販売国拡大及び病院市場の新規開拓 これらの重点施策に加え、人材戦略に関わる課題への対応や人的資本経営を推進するため、持続的な成長を支える経営基盤の強化にも取り組みました。具体的には、組織力の一層の向上を図るべく、事業環境の変化に対応した組織編制の見直しを行うとともに、将来を見据えた人材育成を推進しました。また、当社の行動指針である「心と情報の通い合う、個性を活かす明るい社風の確立を推進する」取組みの一環として、社員一人ひとりが能力を最大限発揮できる環境づくりを目的とした、タウンホールミーティングを開催しました。併せて、これらの施策の浸透度や課題を把握するための一手段として、社員エンゲージメントの状況を確認する目的でエンゲージメントサーベイ等を実施しました。 また、サステナビリティ活動についても重要なテーマとして取り組み、2021年に策定したサステナビリティ基本方針及び6つのマテリアリティを基軸とした実効的な施策の立案・実施や、子会社への適用範囲拡大等を行ってまいりました。これらの取り組みに関しては、外部評価機関より以下の評価を受け、当社ウェブサイトに公表しております。・EcoVadis評価:コミットメント・バッジ獲得・CDP(気候変動分野):Bスコア・改正省エネ法に基づく事業者クラス分け評価:Sクラス ≪今後の方針について≫ 前述の中期経営計画における重点施策への取り組みでは一定の成果が得られたものの、米国における腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603の承認取得及び上市を含め、未達成となった項目もあることから、これらについて継続して取り組む方針です。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1)経営の基本方針当社は、「独創 公正 夢と情熱」を経営綱領のモットーとして掲げ、糖質科学の知見を活かした、独創的な医薬品等を継続して創製し、患者の方々に提供することを通じて、世界の人々の健康で心豊かな生活に貢献することを基本方針としています。これにより、医療を含む社会の持続的な発展に寄与するとともに、当社の持続的成長及び中長期的な企業価値向上を目指してまいります。また、製薬企業としての社会的使命及び責任を深く自覚し、高い倫理観のもと法令等の遵守を徹底するほか、コーポレート・ガバナンスの充実を図り、株主をはじめとするステークホルダーの皆さまとの信頼関係の強化に努めてまいります。(2)目標とする経営指標当社グループでは、2023年3月期から2026年3月期までの中期経営計画において、経営指標として売上高および営業利益に係る目標値を設定していました。当該中期経営計画においては、重点施策のひとつとして、米国における腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603の承認取得及び上市を掲げておりましたが、これを達成するに至りませんでした。今後の経営方針については、本剤の審査結果の影響を受けることから、当該結果の取得後に改めて検討を進める方針としています。なお、短期的な指標として、2027年3月期の業績予想は以下のとおりとしています。 2027年3月期業績予想売上高41,850百万円営業利益2,050百万円経常利益4,200百万円親会社株主に帰属する当期純利益2,250百万円 (3)経営環境及び中長期的な経営戦略と対処すべき課題≪経営環境≫医薬品産業を取り巻く経営環境は、国内薬価制度の抜本改革をはじめとした医療費抑制策の進展や、治療選択肢の多様化等に伴う企業間競争の激化に加え、新薬開発の難易度が高まるなか研究開発コストが増大するなど、極めて厳しい状況が継続しています。当社が持続的に成長軌道を描くためには、このように環境変化が激しい時代への柔軟な対応が必要となります。また、社会の持続的発展と企業価値向上に向け、サステナビリティ推進をはじめとした社会的責任を果たすことの重要性が高まり、それらへの対応が急務となっています。≪直近の市場環境≫当社の主力製品である関節機能改善剤の国内市場は、高齢者人口が増加傾向にあるものの、注射剤以外の外用薬や内服薬の処方拡大により数量ベースでは横ばいで推移しており、金額ベースでは薬価引き下げの影響を受けて縮小傾向にあります。そのような状況の中、国内市場において当社製品は高いシェアを獲得しており、需要が高い状況を維持しています。海外の主力市場の一つである米国市場については、高齢者人口の増加を背景に緩やかな拡大傾向にあります。しかしながら、政府の政策による医薬品業界への影響は依然として不透明な状況となっており、販売提携先とも連携を取りながら動向を注視しています。中国市場については、米国と同じく高齢者人口の増加により緩やかな拡大傾向にあるものの、政府や省による集中購買が拡大し、価格競争が激化しています。≪中期経営計画(2023年3月期~2026年3月期)の概要≫Ⅰ. 目指すべき姿 当社は、本中期経営計画期間である2023年3月期からの4ヵ年を「成長を実現する期間」として定めています。前中期経営計画期間に強化した基盤をもとに、各重点施策を推し進めることで、持続的に成長軌道を描くための実力を養い、最終年度には過去最高の業績達成を目指します。 Ⅱ. 重点施策当社が持続的に成長軌道を描くための実力を養うべく、次の5つの重点施策に取り組みます。① 腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603の製品価値最大化 腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603の米国における承認取得及び上市を実現するために、カナダに設立したセイカガク ノース アメリカ コーポレーションを最大限に活用し迅速かつ確実な承認申請、審査対応を行います。また、販売提携先との密な連携のもと販売準備を進め、医療現場への早期浸透による製品価値の最大化を図ります。② 独自の創薬技術を活かした研究開発の加速 当社が保有するGAG*に関する基盤技術を応用展開することで、既存領域における新規開発テーマや新規疾患領域を含む革新的な研究テーマの創出に注力し、アンメットメディカルニーズを中心とした患者の方々が真に必要とする新薬の創製を目指します。また、これらの成功確度を高め、早期進捗を図るために各種アライアンスを推進します。同時に既存パイプラインを着実に進展させ、腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603の米国における承認取得及び上市、ドライアイ治療剤SI-614の米国第Ⅲ相臨床試験の終了、癒着防止材SI-449の国内承認取得及び米国での臨床試験開始を目指します。*GAG:グリコサミノグリカン。複合糖質の構成成分のひとつ(ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸等)。③ 関節機能改善剤の事業価値維持・向上 主力である国内関節機能改善剤市場において当社製品のプレゼンスを強化し、経営を支える基盤製品としての事業性の維持・向上に努めます。国内医薬品は薬価引き下げの影響を大きく受けることから、原価構造の改善が不可欠であり、安定供給継続のためにも製品資材の仕様変更や製造工程の効率化等をさらに進めてまいります。また、関節機能改善剤ジョイクルの安全性情報等の収集及び提供を継続するとともに、臨床研究の結果をもとに適切な処方への貢献を目指してまいります。④ グローバル生産体制の構築 海外子会社ダルトン ケミカル ラボラトリーズ インク(カナダ、トロント)と当社高萩工場(日本、茨城県)の2拠点化を図ることで、適切かつ効率的な製造体制のもと安定供給のさらなる強化を図ります。⑤ 遺伝子組換え技術によるLAL事業の拡大 海外子会社アソシエーツ オブ ケープ コッド インクとの連携のもと、遺伝子組換えエンドトキシン測定用試薬パイロスマート ネクストジェンを活用し信頼できる科学的データの蓄積や遺伝子組換え技術を活かした新たな診断薬の開発促進に取り組むとともに、関連企業との協働による測定機器やソフトウエアの開発・改良などを行うことで、新たな価値の創造を目指します。 また、上記の5つの重点施策を実行するうえで、社員エンゲージメントの向上や組織強化・人材育成は経営の基盤となる重要な要素となります。事業の中核である人材の育成や、成長を促進する環境を醸成するための投資を積極化させ、持続的な成長を実現するための基盤強化・改善を図っていきます。Ⅲ.サステナビリティ 当社は、社会の持続的発展と企業価値向上に向けて、優先的に取り組むべき重要課題として6つのマテリアリティを特定しています。中期経営計画の重点施策のベースとなるこれらのマテリアリティに注力し、医療関連事業の発展に加え、ESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みを強化するとともに、サプライチェーンやステークホルダーの皆さまとの十分なコミュニケーションによる、社会的課題の解決を目指します。 ≪中期経営計画の総括(2023年3月期~2026年3月期)≫本中期経営計画を「成長を実現する期間」と定め、持続的に成長軌道を描くための実力を養い、過去最高の業績達成を目指しました。結果として、数値目標(売上高400億円、営業利益70億円)は、期間中に腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603の米国における承認取得及び上市を達成できなかったことが大きく影響し、未達となりました。しかしながら、研究開発や既存製品の安定供給維持に向けた体制構築、グローバル生産体制の構築、及びLAL事業の拡大について着実に進展させることができました。今後も世界中の患者の方々の健康で心豊かな生活の質の向上に貢献するとともに、企業価値の更なる向上にむけて取り組みを加速してまいります。本中期経営計画での重点施策に関する結果と実施内容は以下のとおりです。① 腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603の製品価値最大化 2024年3月に米国食品医薬品局(FDA)へ承認申請を行ったものの、2025年3月に審査完了報告通知を受領し、承認の取得には至りませんでした。その後、FDAからの追加の指摘事項への対応を完了し、2026年3月に再度FDAへ申請を行いました。<主な実施内容>・米国第Ⅲ相追加臨床試験の主要評価項目において、統計学的に有意な改善結果を示すトップライン結果を取得(2023年5月)・FDAへの生物製剤承認申請が受理される(2024年5月)・FDAによる審査行程のひとつである公聴会で本剤のリスク&ベネフィットについて議論され、承認への支持を多数得る(2025年1月)・FDAより審査完了報告通知を受領。有効性及び安全性を含む臨床試験結果等に関連した懸念は表明されなかったものの、製造施設及び原薬・製剤の管理について追加の指摘事項が示される(2025年3月)・指摘事項への対応を完了し、FDAへ生物製剤承認の再申請を実施(2026年3月)② 独自の創薬技術を活かした研究開発の加速 大きな目標としていた腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603や癒着防止材SI-449の承認取得や上市までには至らなかったものの、承認申請まで着実に達成しました。その他、革新的な研究テーマの創出に着実に取り組むとともに、新たなパイプラインを追加しました。<主な実施内容>1)癒着防止材SI-449・国内ピボタル試験の主要評価項目及び副次評価項目において、統計学的に有意な改善効果を示す結果を取得(2023年7月)・日本において医療機器製造販売承認の申請を実施(2025年8月)2)内視鏡用粘膜下注入材MucoUpⓇ・中国において承認を取得(2024年9月)3)変形性関節症治療剤Gel-One・日本において第Ⅲ相臨床試験(膝・股関節)を開始し、新たにパイプラインに追加(2025年2月)4)ドライアイ治療剤SI-614・米国における第Ⅲ相臨床試験は完了したものの、主要評価項目において統計学的に有意な改善効果が認められなかったことから、開発を中止③ 関節機能改善剤の事業価値維持・向上 国内で高いシェアを持つアルツの安定供給維持や既存製品の製品資材の仕様変更、製造工程の効率化に向けて取り組みました。未達事項はあるものの、一定の成果を上げることができました。<主な実施内容>・人員増強や設備メンテナンスによりアルツの増産体制を構築・原価構造改善を目的とした製品資材の変更を実施・関節機能改善剤ジョイクルの安全性情報等の収集及び提供の体制維持④ グローバル生産体制の構築製造拠点の2拠点化に向けた体制構築について、想定より時間を要したものの、着実な進展が見られました。<主な実施内容>・海外子会社ダルトン ケミカル ラボラトリーズ インク(DCL社)への設備投資の実施・日本からDCL社への製造技術移転の推進 ⑤ 遺伝子組換え技術によるLAL事業の拡大 海外子会社アソシエーツ オブ ケープ コッド インクと連携し、エンドトキシン測定用試薬やグルカン測定体外診断用医薬品の展開の加速により、LAL事業の拡大を達成しました。<主な実施内容>・遺伝子組換えエンドトキシン測定用試薬パイロスマート ネクストジェン(PSNG)に関する科学データの論文化や学会発表などによるプレゼンス向上・営業活動によるPSNGの市場への浸透・グルカン測定体外診断用医薬品の販売国拡大及び病院市場の新規開拓 これらの重点施策に加え、人材戦略に関わる課題への対応や人的資本経営を推進するため、持続的な成長を支える経営基盤の強化にも取り組みました。具体的には、組織力の一層の向上を図るべく、事業環境の変化に対応した組織編制の見直しを行うとともに、将来を見据えた人材育成を推進しました。また、当社の行動指針である「心と情報の通い合う、個性を活かす明るい社風の確立を推進する」取組みの一環として、社員一人ひとりが能力を最大限発揮できる環境づくりを目的とした、タウンホールミーティングを開催しました。併せて、これらの施策の浸透度や課題を把握するための一手段として、社員エンゲージメントの状況を確認する目的でエンゲージメントサーベイ等を実施しました。 また、サステナビリティ活動についても重要なテーマとして取り組み、2021年に策定したサステナビリティ基本方針及び6つのマテリアリティを基軸とした実効的な施策の立案・実施や、子会社への適用範囲拡大等を行ってまいりました。これらの取り組みに関しては、外部評価機関より以下の評価を受け、当社ウェブサイトに公表しております。・EcoVadis評価:コミットメント・バッジ獲得・CDP(気候変動分野):Bスコア・改正省エネ法に基づく事業者クラス分け評価:Sクラス ≪今後の方針について≫ 前述の中期経営計画における重点施策への取り組みでは一定の成果が得られたものの、米国における腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603の承認取得及び上市を含め、未達成となった項目もあることから、これらについて継続して取り組む方針です。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。①経営成績当期における、連結売上高は36,645百万円(前期比6.9%減)、経常利益は1,679百万円(同13.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,473百万円(同21.3%増)となりました。経営成績に重要な影響を与えた要因は、以下のとおりであります。1)売上高当期の売上高は、LAL事業の増加があったものの、ロイヤリティーの大幅な減少に加え、海外医薬品の減少も重なり、36,645百万円(同6.9%減)となりました。セグメント別の売上状況は次のとおりです。医薬品事業の売上高は24,493百万円(同11.0%減)となりました。・国内医薬品(11,868百万円、同0.4%減)・海外医薬品(9,369百万円、同4.4%減)・医薬品原体・医薬品受託製造(3,254百万円、同1.9%増)LAL事業の売上高は12,152百万円(同2.5%増)となりました。2)販売費及び一般管理費当期の販売費及び一般管理費は16,632百万円(同6.7%減)となりました。これは主に研究開発費等の減少によるものです。当期における研究開発費は7,010百万円(同8.3%減)、対売上高比率(ロイヤリティー除く)は19.1%となりました。3)営業外損益当期の営業外収益は2,367百万円(同165.7%増)、営業外費用は27百万円(同90.5%減)となりました。これは主に投資有価証券売却益の計上及び円安の影響により、前期の為替差損が当期は為替差益に転じたことによるものです。4)特別損益当期の特別損失は169百万円となりました。これは減損損失の計上によるものです。 ②財政状態総資産は、前期末に比べ2,471百万円増加の86,344百万円となりました。負債は、前期末に比べ359百万円増加の11,045百万円となりました。純資産は、前期末に比べ2,111百万円増加の75,299百万円となりました。 ③キャッシュ・フローの状況当期末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末に比べ6,263百万円減少し、12,059百万円となりました。当期における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。営業活動によるキャッシュ・フローは1,347百万円の支出となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは3,508百万円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは1,677百万円の支出となりました。 ④生産、受注及び販売の実績1)生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)医薬品25,731△2.1LAL12,3544.6合計38,086△0.0(注)金額は販売価格によっております。 2)商品仕入実績 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)医薬品-△100.0LAL9582.3合計9582.1(注)金額は仕入価格によっております。 3)受注状況 当社グループは、主に販売計画に基づいて生産しております。受注生産を一部行っておりますが、受注高及び受注残高の金額に重要性はありません。4)販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)医薬品24,493△11.0LAL12,1522.5合計36,645△6.9(注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)科研製薬株式会社9,47924.19,64326.3ジンマー バイオメットホールディングス インク4,49711.45,14514.0 (2)経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。また、重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、「3.事業等のリスク」に記載しております。①重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要となります。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況」の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「重要な会計上の見積り」に記載しております。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容1)経営成績当期の売上高は、LAL事業の増加があったものの、ロイヤリティーの大幅な減少に加え、海外医薬品の減少も重なり、前期と比べ6.9%減の36,645百万円となりました。減収により、営業損失は660百万円、投資有価証券の売却等により、経常利益は同13.1%減の1,679百万円、次期の見通しを勘案し、繰延税金資産の計上額を見直したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は、同21.3%増の1,473百万円となりました。セグメント別の売上概況<医薬品事業>当社は医薬品の販売部門を持たず、それぞれの製品領域で強みを持つ国内外の企業と提携し、販売を委託することで、経営資源を研究開発や製造へ集中するビジネスモデルを展開しています。また、医薬品事業に関連するロイヤリティーは、研究開発や販売の進捗に応じて受領するマイルストーン型がメインとなっています。・国内医薬品(11,868百万円、前期比0.4%減)関節機能改善剤の市場は、国内の高齢者人口の増加に伴い患者数は増加傾向にあるものの、注射剤以外の外用薬や内服薬の処方拡大により数量ベースでは横ばいとなっています。一方、眼科手術補助剤の市場は、高齢者人口の増加に伴って数量ベースでは成長基調にあります。このような状況の中、関節機能改善剤アルツと眼科手術補助剤オペガン類は、それぞれの市場においてトップシェアを維持しています。当社売上高については、主にオペガン類の単価減の影響があったものの、アルツの出荷タイミングによる増加により、前期並みとなりました。・海外医薬品(9,369百万円、同4.4%減)主力の米国及び中国の関節機能改善剤市場は、両国における高齢者人口の増加を背景に、市場は緩やかな拡大傾向にあります。一方、米国では政府の政策による医薬品業界への影響が不透明であることや、中国においても政府や省による集中購買制度が拡大しており、市場の動向を予測することが難しい状況となっています。当社売上高については、主に米国向け関節機能改善剤ジェル・ワンの出荷タイミングによる増加があったものの、米国向け関節機能改善剤スパルツFXの減少により、前期比で4.4%の減収となりました。5回投与製剤のスパルツFXの減少要因については、出荷タイミングに加え、米国の関節機能改善剤市場における少数回投与製品(1~3回投与)への移行が影響していると推測しています。これらに加え、医薬品原体・医薬品受託製造の増収(3,254百万円、同1.9%増)、ロイヤリティーの減収(1百万円、同99.9%減)により、医薬品事業の売上高は24,493百万円(同11.0%減)となりました。<LAL事業>主に医薬品の製造工程における品質管理に使用されているエンドトキシン測定用試薬の市場は、カブトガニの血液を利用した従来製品や、脱動物由来原料により製造された遺伝子組換え製品も合わせ、安定した成長を見込んでいます。また、グルカン測定体外診断用医薬品の市場は米国を中心に伸長しており、今後も成長を見込んでいます。当社売上高については、国内外におけるエンドトキシン測定用試薬やグルカン測定体外診断用医薬品の販売が好調に推移し、前期比で2.5%増の12,152百万円となりました。2)財政状態当期末における総資産は、前期末に比べ2,471百万円増加の86,344百万円となりました。これは主に有形固定資産の増加によるものです。負債は、前期末に比べ359百万円増加の11,045百万円となりました。これは主に繰延税金負債の増加によるものです。純資産は、前期末に比べ2,111百万円増加の75,299百万円となりました。これは主にその他有価証券評価差額金の増加によるものです。 3)キャッシュ・フロー当期末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末に比べ6,263百万円減少し、12,059百万円となりました。当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。営業活動の結果使用した資金は1,347百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,510百万円、減価償却費1,984百万円、売上債権の増加額1,265百万円及び棚卸資産の増加額1,058百万円等によるものであります。前期比では5,776百万円支出が増加しております。投資活動の結果使用した資金は3,508百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出5,900百万円、有価証券及び投資有価証券の取得・償還・売却による純収入2,669百万円等によるものであります。前期比では32百万円支出が減少しております。財務活動の結果使用した資金は1,677百万円となりました。これは主に、配当金の支払額1,637百万円等によるものであります。前期比では106百万円支出が増加しております。4)資本の財源及び資金の流動性・資本の財源円滑な事業活動に必要な資金の調達について、当社グループは、今後の成長戦略への資金需要や変化の激しい事業環境における経営の安定性確保など、様々な要因を総合的に勘案し決定しています。新薬開発はリスクの高いビジネスであるため、強固な財務体質維持の必要性から一定の財務基盤を確保しており、主として、営業キャッシュ・フローで得た資金を財源に、新薬開発を中心とした研究開発や高い品質の製品を安定的に供給するための製造設備などへの投資を行っています。・資金の流動性成長戦略への投資や株主の皆さまへの継続した利益還元に対する適切な資金の配分に加え、新薬開発には承認を取得するまでに長期間にわたる多額の研究開発投資が必要なことから、将来の事業に対する待機資金としての性格も鑑みて、現預金残高を維持しています。さらに、主要取引銀行とコミットメントライン契約及び当座貸越契約を締結することなどにより、十分な資金の流動性を確保しています。

事業リスク

  • 法的規制と制度変更
    医薬品事業は、各国の品質・有効性・安全性に関する厳しい法的規制や、薬価基準の改定を含む医療制度・行政施策の動向に大きく影響されます。これらの変更は同社の業績に重大な影響を及ぼす可能性があり、その影響度を事前に予測することは困難です。
  • 新製品開発の不確実性
    医療用医薬品の開発は、基礎研究から承認まで長期間にわたり多額の研究開発費を要します。しかし、有効性や安全性が確認できず発売に至らないリスクがあり、その場合、投じた研究開発費に見合う収益を回収できない可能性があります。
  • 特定販売先・仕入先への依存
    主力製品の販売は独占販売契約を結んだ特定の提携先に限定されており、取引内容に変更があった場合、業績に影響が出る可能性があります。また、原材料の一部は単一の供給源に依存しているため、調達困難な状況が生じると製品製造に支障をきたすリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|4,092 文字
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。これらの想定されるリスク発生の可能性を認識したうえで、リスク発生の回避や軽減及び発生した場合の対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて慎重に検討したうえで行われる必要があると考えています。また、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクの全てを網羅するものではありません。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1)法的規制、制度・行政について当社グループの製品の多くは人々の生命と健康に関わるものであることから、日本及び海外各国の規制当局による医薬品等の品質、有効性及び安全性を確保するため等の法的規制を受けています。これらの関連法規の改正や、薬価基準の改定を含む医療制度及び行政施策の動向等によっては、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。法的規制の改正等に起因するリスクについては、その動向を常にモニターすることにより改正内容を早期に把握し、的確に対応していく方針です。しかしながら、その改正の内容や時期等は当社グループが決定できるものではなく、その影響度を事前に見積もることは困難であると認識しています。(2)新製品開発について当社の事業の中核をなす医療用医薬品の開発には、基礎研究から製造承認に至るまで、有効性及び安全性確認のための各種試験が必要であり、長期間にわたり多額の研究開発費を負担しても発売に至らないリスクがあります。このような場合、過去に計上された研究開発費に見合う収益が回収できない可能性があります。当社としては、複数の開発パイプラインを推進することにより、リスクの分散に努めています。しかしながら、これにより全てのリスクが回避されるわけではなく、このような新製品開発の不確実性が業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。(3)特定販売先への依存について主力製品である医療用医薬品・医療機器は販売提携先と独占販売契約を締結し、販売先を限定しています。状況の変化によりこれらの販売提携先との取引内容に変更があった場合、その内容によっては、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、当該リスクが顕在化した場合の影響度を見積もることは困難であると認識しています。(4)副作用に関するリスクについて医療用医薬品・医療機器は、臨床試験段階から市販後に至るまで、予期せぬ副作用が発現するリスクがあります。当該リスクが顕在化した場合、開発品においては臨床試験の遅れや開発中止等に至る可能性があります。また、既承認品においても、予期せぬ副作用等で発売中止、製品回収等の事態に発展し、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに備え、日頃より安全監視活動を継続して有害事象の収集と分析を進め、予期せぬ副作用が発現した場合は、迅速に回収等の措置を講じる方針です。しかしながら、顕在化した副作用の程度等に応じた影響を受ける可能性があり、その影響度を定量的に見積もることは困難であると認識しています。なお、関節機能改善剤ジョイクルについては、投与後にショック、アナフィラキシーの発現が複数報告されたことから、医療関係者向けに安全性速報を発出し、有害事象の収集と分析を進め、安全監視活動を強化しています。今後、予期せぬ副作用や副作用の重篤化が確認された場合には、更なる対策強化等の措置を講じることがあります。その場合、ジョイクルの販売収益が低下する可能性があります。(5)特定仕入先への依存について医療用医薬品・医療機器の製造には様々な規制があり、原材料の中には規制当局の承認が必要とされるものもあるため、原材料の仕入先を限定し、往訪監査を行い、品質の確保と安定供給体制の確立に努めています。原材料の一部は単一の供給源に依存しているため、調達が困難になるような状況変化が生じたときは、製品の製造に支障をきたすリスクがあります。原材料及び製品在庫を適切に保有することにより、業績への影響を最小限に留める対策を講じていますが、当該リスクが顕在化した場合には、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。顕在化した場合の影響度は、該当製品や代替品調達の可否、調達に要する時間等により大きく異なることから、その影響度を事前に見積もることは困難であると認識しています。(6)動物由来成分の原料について当社グループの製品の多くは、ニワトリ、サメ、カブトガニといった動物に由来する成分を原料としています。そのため、原料とする動物由来成分の使用が制限された場合や調達が困難になった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、可能な限り調達先を分散させることに加え、当該原料及び製品在庫を適切に保有することで業績への影響を最小限に留める対策を講じています。また、発酵原料を用いた製品や、遺伝子組換え体を用いた製品の上市や開発も進め、リスクの最小化に努めています。しかしながら、これらにより全てのリスクが回避されるわけではなく、実際に顕在化した場合には一定程度の影響を受けることは不可避であると認識しています。また、2022年11月に開催されたワシントン条約国際会議にて、当社が原料としているサメの一種が規制対象となり、輸出時に許可証が必要となることが決定しました。日本政府は当規制対象種について「留保」の姿勢を表明しており、国内における取引では当規制は適用されません。一方、海外輸出においては同許可証が必要となりましたが、サプライヤーと協働で対応を進めており、現時点では既存顧客との取引に影響はありません。ただし、今後当条約の対象生物が拡大した場合は影響を受ける可能性があります。(7)為替相場の変動について当連結会計年度における海外売上高比率は61.7%(ロイヤリティー除く)であり、その取引通貨の多くは米ドル等の外貨で行われているため、急激な為替相場の変動は業績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社では海外で実施する臨床試験等の研究開発費の支払いに売上の外貨を充当することや為替予約を行うことにより、為替相場の変動リスクの軽減を図っていますが、これらにより全てのリスクを回避することは困難であると認識しています。また、連結財務諸表作成時に海外連結子会社の現地通貨建財務諸表を円換算していることから、為替相場の動向によっては、業績に影響を及ぼす可能性があります。(8)保有有価証券等の価格変動について将来の研究開発や設備投資に充当するために、手元資金を有価証券で運用しています。投資対象の分散などリスクの軽減を図っていますが、有価証券等の価格変動等によっては、業績に影響を及ぼす可能性があります。金融市場や金融政策の動向等に起因する外部リスクに関しては、当社独自のリスク軽減対策により軽減・排除することが難しいことから、顕在化した場合にはその時期、規模に応じて影響を受けるものと考えており、顕在化の影響を定量的に見積もることは困難であると認識しています。(9)知的財産権について製品や事業の優位性を確保するために特許権、その他知的財産権の取得に向けた様々な出願をしていますが、特許権等が取得できなかった場合や、特許権等が取得できたとしてもその有効性や排他性が否定された場合、特許権等の期間が満了した場合等には、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、第三者の知的財産権の侵害を未然に防止するために調査をし、その可能性を最小化していますが、知的財産権の侵害の問題を完全に回避することは困難であり、第三者との間で知的財産権に関する紛争が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、現段階において、将来的な顕在化の影響を定量的に見積もることは困難であると認識しています。(10)情報セキュリティについて当社グループは、社内外の個人情報を含む多くの機密情報を保有しています。情報システム強化のための適切な投資を実施するほか、情報セキュリティ意識を高めるための社内教育やメール訓練等を実施していますが、システム障害や外部からのサイバー攻撃、従業員や第三者の過失等の様々な要因により、システムの停止、情報の改ざん、漏洩等が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。(11)大規模災害等の発生について地震、台風等の自然災害や火災等の事故、感染症のまん延などにより、当社グループの事業所等が大規模な被害を受け、事業活動が停滞し、または製品供給に支障が生じた場合や、災害により損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生した場合には、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。当社グループとしては、各種災害リスクに対応するためのマニュアルの整備等を含め事前の対策を講じていますが、当該リスクは当社グループのみのリスク管理施策では回避できるものではなく、顕在化した場合の規模や期間等に応じた影響を受ける可能性があり、その影響度を定量的に見積もることは困難であると認識しています。(12)気候変動について気候変動に伴う気象災害が頻発・激甚化した場合には、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。さらに、平均気温の上昇による将来的な炭素税等の導入により、原材料コストが増加し、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社としては、気候変動リスクの特定とその対応策に加え、その影響度について、気候変動関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:TCFD)に基づき評価し、その情報を開示しています。

このページのバフェット流コメンタリーは順次自動生成中です。生成されると、ここに「数値の読み解き方」「同業比較」「投資判断のポイント」を表示します。

もっと深く分析したい?

モート先生 AI が 生化学工業 の事業を 4 賢人の理論で詳しく解説します

モート先生に聞く →