事業の概要
- 塗料の製造販売中国塗料グループは、日本、中国、韓国、東南アジア、欧米など世界各地で塗料の製造と販売を主な事業としています。特に船舶用塗料やコンテナ用塗料が主力であり、これらに加えて工業用塗料やその他の関連サービスも提供しています。グローバルなネットワークを活かし、幅広い顧客層に製品を供給することで収益を上げています。
- グローバルな事業展開日本国内だけでなく、海外に多数の子会社を持ち、世界中で事業を展開しています。特にアジア地域での存在感が大きく、各地域の市場ニーズに応じた製品供給体制を構築しています。これにより、特定の地域に依存しない安定した収益基盤の構築を目指しています。
- 多角的な塗料事業船舶やコンテナ向け塗料が売上の大部分を占める一方で、工業用塗料やその他の分野にも力を入れています。これにより、特定の市場の変動リスクを分散し、事業の安定化を図っています。塗料製造に附帯するサービス業務も手掛け、顧客への総合的なソリューション提供を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 日本事業の安定性日本セグメントは売上高427.21億円、営業利益22.2億円と、グループ内で最大の売上を誇ります。塗料関連事業に加え、その他の事業も展開しており、国内市場での安定した基盤がグループ全体の収益を支える重要な柱となっています。
- 中国事業の成長性中国セグメントは売上高213.98億円、営業利益27.16億円を計上しており、売上規模は日本に次ぎますが、営業利益率は日本を上回っています。塗料関連事業を中心に、中国市場の成長を取り込み、グループの利益成長に貢献していることがうかがえます。
- 東南アジア・欧米の貢献東南アジアセグメントは売上高189.44億円、営業利益38.51億円、欧米セグメントは売上高286.42億円、営業利益21.91億円です。特に東南アジアは売上規模に対して高い営業利益率を誇り、成長市場での収益性が際立っています。これらの地域がグループ全体のグローバル展開と収益多様化に大きく貢献しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| Japan | 地域 | 427 | 22 | 5.2% |
| China | 地域 | 214 | 27 | 12.7% |
| Korea | 事業 | 194 | 25 | 13.1% |
| SoutheastAsia | 地域 | 189 | 39 | 20.3% |
| EuropeAmerica | 地域 | 286 | 22 | 7.6% |
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3【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社及び子会社24社で構成されており、塗料の製造・販売を主な事業としているほか、これらに附帯するサービス業務等を営んでおります。 当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付け並びに事業区分との関連は、次のとおりであります。 なお、次の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント区分と同一であります。 区分当社グループ事業区分日本当社、大竹明新化学㈱、神戸ペイント㈱、文正商事㈱、三陽興産㈱、グローバル・エンジニアリング・サービス㈱(計6社)塗料関連事業当社、㈱シーエムピー企画(計2社)その他の事業中国CHUGOKU MARINE PAINTS (Hong Kong), Ltd.CHUGOKU MARINE PAINTS (Shanghai), Ltd.CHUGOKU MARINE PAINTS (Guangdong), Ltd.CHUGOKU MARINE PAINTS (Taiwan), Ltd.(計4社)塗料関連事業韓国CHUGOKU SAMHWA PAINTS, Ltd.(計1社)東南アジアCHUGOKU MARINE PAINTS (Singapore) Pte. Ltd.CHUGOKU PAINTS (Malaysia) Sdn. Bhd.P.T. CHUGOKU PAINTS INDONESIATOA-CHUGOKU PAINTS Co., Ltd.CHUGOKU PAINTS (India) Pvt. Ltd.CHUGOKU-TOA PAINTS (Myanmar), Ltd.(計6社)欧州・米国CHUGOKU PAINTS B.V.CHUGOKU PAINTS (UK) Ltd.CHUGOKU PAINTS (Germany) G.M.B.H.CHUGOKU MARINE PAINTS (Hellas), S.A.CMP COATINGS, Inc.CHUGOKU-BOAT ITALY S.P.A.ITALO BELGE COLORI S.R.L.(計7社) (注) 各事業毎の会社数は、複数事業を営んでいる場合にはそれぞれに含めて数えております。 事業系統図は、次のとおりであります。 資本系統図は次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 価格競争の激化により市場における販売価格が著しく低下する可能性があるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 高機能かつ収益性の高い製品開発、独自の技術の権利化、グローバルな戦略的特許網の構築。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:市況変動に関するリスク / 原材料調達に関するリスク / 海外事業活動に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
特定のブランド力や特許による明確な優位性は確認しにくい。一部の特殊塗料分野での技術蓄積はある可能性も否定できないが、定量的な評価は困難。
スイッチングコスト★★☆☆☆
建築用塗料や工業用塗料において、一度採用された塗料メーカーを変更するには、性能評価や再試験などの手間が発生する可能性がある。しかし、代替品の選択肢は多く、乗り換えコストは限定的。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ネットワーク効果が働くビジネスモデルではない。
コスト優位★★☆☆☆
長年の製造ノウハウによる効率化の可能性はあるが、原材料価格の変動や競合他社との価格競争に晒されており、顕著なコスト優位性は見出しにくい。
規模の経済★★★☆☆
国内塗料市場において一定のシェアを持ち、生産・販売規模による効率性は一定程度期待できる。大手塗料メーカーと比較すると規模は小さいものの、ニッチ市場での強みを持つ可能性。
- グローバルな事業基盤中国塗料は日本を含むアジア、欧米に多数の子会社を持ち、世界規模で塗料の製造・販売ネットワークを構築しています。これにより、各地域の市場特性に合わせた製品供給やサービス提供が可能となり、特定の地域経済の変動リスクを分散し、安定的な事業運営に寄与していると考えられます。
- 多様な製品ポートフォリオ船舶用塗料やコンテナ用塗料を主力としつつも、工業用塗料やその他の分野にも展開しています。これにより、特定の産業の市況変動に左右されにくい事業構造を目指しており、幅広い顧客ニーズに対応できる製品ラインナップが競争優位性の一つと言えるでしょう。
- リスク管理体制の構築リスク管理基本規定を制定し、管理本部長を委員長とするリスク管理委員会を設置しています。四半期ごとにリスクの洗い出し、評価、対策立案、モニタリングを行う体制を整えることで、事業運営上の様々なリスクに対し組織的に対応し、経営の安定化を図ろうとしている点が強みです。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月23日)現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営理念① 最高の品質で、顧客の信頼と満足を確保する② 世界的視野に立ち、常に技術革新を行い新製品の開発に努める③ 経営の科学化を図り、会社の継続的存立と利潤を確保する④ 誠実を旨とし、和を重んじ公明正大を期す⑤ 事業を通じて持続可能な社会の実現に貢献し、全てのステークホルダーの幸福を追求する (2) 会社の対処すべき課題及び中長期的な会社の経営戦略(中期経営計画等)当社グループは、サステナブル経営を推進し、地球環境や社会の諸課題の解決に貢献することにより創出される社会的価値と事業活動の結果生み出される利益等の経済的価値双方の極大化を目指しております。そのような考えのもと策定した長期ビジョンのキーメッセージは、「サステナブルで高収益なグローバル・ニッチ・トップ企業」であり、船舶用塗料の販売シェア及びその中核となる船底防汚塗料の供給による海運業界の温室効果ガス削減貢献という両面で世界トップとなることを主眼としております。 <前中期経営計画「CMP New Century Plan 2」の振り返り>2021年5月に公表した、2021~2025年度(5年間)の中期経営計画「CMP New Century Plan 2」(以下「前中計」)は、長期ビジョンの実現に向けて経営の変革を進め、価値創造の基盤をつくることを主な目的としており、そのために、以下の4つの基本戦略(重点テーマ)を設定いたしました。■基本方針(重点テーマ) 前中計期間における主な取り組み及びその成果は以下のとおりです。 [重点テーマ別]① 環境・社会貢献による提供価値拡大 主には、温室効果ガス及び揮発性有機化合物(VOC)の削減につながる製品の拡販に努めました。その結果、2025年度においては、高性能船底防汚塗料の供給による温室効果ガスの削減貢献量は187万トン(前中計目標に対する達成率:144%)、低VOC塗料の拡販によるVOCの排出削減量は3,665トン(同:72%)となりました。 ② 利益体質の改善と安定化 製造コストに見合った販売価格の改定や高付加価値製品の拡販に取り組み、採算を改善いたしました。その結果、営業利益率は前中計初年度から最終年度まで毎年上昇を続け、最終年度は業績目標(9.2%)を上回る12.5%となりました。 また、原材料調達における価格変動リスクの抑制に向けて、一部の原材料で金融ヘッジ手法の活用について社内体制を整備いたしました。 ③ 組織基盤の整備 人財のパフォーマンス向上については、2022年6月に設置したサステナビリティ委員会のもと、本格的な人的資本経営にシフトすべく2024年4月に人財戦略を策定いたしました。その後、2026年3月まで人事制度改革に取り組み、同年4月からは当社が求める人材像である「自律型人財」の育成を目的とした新たな人事制度に移行しております。経営管理機能の強化については、各種会議体の運営を見直して機能強化を図るとともに、よりタイムリーに月次業績をモニタリングできる体制を整備したほか、管理部門の人員を拡充させました。 ④ 積極的な株主還元と資本効率向上 株主還元方針に基づき、期間を通じて積極的な株主還元を実施してまいりました。最終年度となる2025年度の1株当たり年間配当金は、普通配当97円に特別配当14円を加算した111円を予定しております。その結果、前中計で株主還元の基準としていた連結自己資本総還元率(D&BOE)の期間平均は、目標(5%)を大きく上回る6.7%となる見込みです。 [業績] 前中計の戦略・施策を中心に業績拡大に努めた結果、最終年度となる2025年度の業績については、下記の通り全ての項目で目標を大幅に上回ることができました。(金額単位:億円)項 目当初目標修正後目標(※)2025年度実績売上高1,1001,2001,393営業利益85110174親会社株主に帰属する当期純利益5270109ROE8%以上10%以上12.3% ※2023年10月に修正 <長期ビジョンの一部変更及び新中期経営計画「CMP New Century Plan 3」の策定> 当社はこの程、長期ビジョンの内容を一部変更するとともに、2026~2030年度(5年間)の新たな中期経営計画「CMP New Century Plan 3」(以下「新中計」)を策定いたしました。 1.長期ビジョンの一部変更 前中計においては、環境・社会的価値と経済的価値双方の拡大を実現するとともに、収益性が飛躍的に向上し「稼ぐ力」が大幅にアップした一方、市場シェアの拡大や生産拠点への設備投資については課題が残りました。 かかる現状認識や主力の船舶用塗料ビジネスを取り巻く足元の事業環境等を踏まえ、長期ビジョンに掲げる「船舶用塗料世界トップシェア」を収益性の水準を維持しつつ実現するため、長期ビジョンの時間軸並びにROE水準等を下記の通り変更することといたしました。(下線が変更箇所) 2.新中期経営計画「CMP New Century Plan 3」(2026~2030年度)の概略(1) 位置付けとコンセプト 長期ビジョンに掲げている「船舶用塗料世界トップシェア」と持続的な利益成長との両立を実現するための準備期間と位置付け、「強みを磨くとともに新たな価値を創出、圧倒的な競争優位性を確立する」をコンセプトとしています。 (2) 基本戦略(重点テーマ) (3) 製品分野別の成長戦略(基本方針)船舶用塗料将来的に世界トップシェアを狙うために、攻めの姿勢に転換販売面・製品面ともに競争力を強化し、積極的な事業拡大を図る工業用塗料世界的なインフラ投資の拡大を背景に、海外の重防食を中心に成長を目指すインオーガニックな手法も模索 (4) 連結業績目標(2030年度)売上高1,800億円営業利益230億円親会社株主に帰属する当期純利益160億円EBITDA270億円ROE12%以上※EBITDA=営業利益+減価償却費 (5) 設備投資計画 世界生産量の約7割を占める国内外4か所の生産拠点や国内の研究開発拠点を中心に、戦略投資として5年間で総額645億円程度の設備投資を計画しています。 (6) 株主還元方針基本方針成長投資を最優先とし、余剰資金については積極的に株主還元を実施、自己資本を適切にコントロール配 当・1株当たり年間配当額100円を起点とした累進配当(※)・DOE(自己資本配当率)5.0%程度を目安に自己株式取得成長投資及び配当とのバランス等を勘案して状況次第で機動的に実施※1株当たり配当金を原則として減配せず、維持又は増配を行う配当政策 2026年度以降は、新中計の戦略・施策を着実に実行することで、中長期的かつ持続的な企業価値向上を目指してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月23日)現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営理念① 最高の品質で、顧客の信頼と満足を確保する② 世界的視野に立ち、常に技術革新を行い新製品の開発に努める③ 経営の科学化を図り、会社の継続的存立と利潤を確保する④ 誠実を旨とし、和を重んじ公明正大を期す⑤ 事業を通じて持続可能な社会の実現に貢献し、全てのステークホルダーの幸福を追求する (2) 会社の対処すべき課題及び中長期的な会社の経営戦略(中期経営計画等)当社グループは、サステナブル経営を推進し、地球環境や社会の諸課題の解決に貢献することにより創出される社会的価値と事業活動の結果生み出される利益等の経済的価値双方の極大化を目指しております。そのような考えのもと策定した長期ビジョンのキーメッセージは、「サステナブルで高収益なグローバル・ニッチ・トップ企業」であり、船舶用塗料の販売シェア及びその中核となる船底防汚塗料の供給による海運業界の温室効果ガス削減貢献という両面で世界トップとなることを主眼としております。 <前中期経営計画「CMP New Century Plan 2」の振り返り>2021年5月に公表した、2021~2025年度(5年間)の中期経営計画「CMP New Century Plan 2」(以下「前中計」)は、長期ビジョンの実現に向けて経営の変革を進め、価値創造の基盤をつくることを主な目的としており、そのために、以下の4つの基本戦略(重点テーマ)を設定いたしました。■基本方針(重点テーマ) 前中計期間における主な取り組み及びその成果は以下のとおりです。 [重点テーマ別]① 環境・社会貢献による提供価値拡大 主には、温室効果ガス及び揮発性有機化合物(VOC)の削減につながる製品の拡販に努めました。その結果、2025年度においては、高性能船底防汚塗料の供給による温室効果ガスの削減貢献量は187万トン(前中計目標に対する達成率:144%)、低VOC塗料の拡販によるVOCの排出削減量は3,665トン(同:72%)となりました。 ② 利益体質の改善と安定化 製造コストに見合った販売価格の改定や高付加価値製品の拡販に取り組み、採算を改善いたしました。その結果、営業利益率は前中計初年度から最終年度まで毎年上昇を続け、最終年度は業績目標(9.2%)を上回る12.5%となりました。 また、原材料調達における価格変動リスクの抑制に向けて、一部の原材料で金融ヘッジ手法の活用について社内体制を整備いたしました。 ③ 組織基盤の整備 人財のパフォーマンス向上については、2022年6月に設置したサステナビリティ委員会のもと、本格的な人的資本経営にシフトすべく2024年4月に人財戦略を策定いたしました。その後、2026年3月まで人事制度改革に取り組み、同年4月からは当社が求める人材像である「自律型人財」の育成を目的とした新たな人事制度に移行しております。経営管理機能の強化については、各種会議体の運営を見直して機能強化を図るとともに、よりタイムリーに月次業績をモニタリングできる体制を整備したほか、管理部門の人員を拡充させました。 ④ 積極的な株主還元と資本効率向上 株主還元方針に基づき、期間を通じて積極的な株主還元を実施してまいりました。最終年度となる2025年度の1株当たり年間配当金は、普通配当97円に特別配当14円を加算した111円を予定しております。その結果、前中計で株主還元の基準としていた連結自己資本総還元率(D&BOE)の期間平均は、目標(5%)を大きく上回る6.7%となる見込みです。 [業績] 前中計の戦略・施策を中心に業績拡大に努めた結果、最終年度となる2025年度の業績については、下記の通り全ての項目で目標を大幅に上回ることができました。(金額単位:億円)項 目当初目標修正後目標(※)2025年度実績売上高1,1001,2001,393営業利益85110174親会社株主に帰属する当期純利益5270109ROE8%以上10%以上12.3% ※2023年10月に修正 <長期ビジョンの一部変更及び新中期経営計画「CMP New Century Plan 3」の策定> 当社はこの程、長期ビジョンの内容を一部変更するとともに、2026~2030年度(5年間)の新たな中期経営計画「CMP New Century Plan 3」(以下「新中計」)を策定いたしました。 1.長期ビジョンの一部変更 前中計においては、環境・社会的価値と経済的価値双方の拡大を実現するとともに、収益性が飛躍的に向上し「稼ぐ力」が大幅にアップした一方、市場シェアの拡大や生産拠点への設備投資については課題が残りました。 かかる現状認識や主力の船舶用塗料ビジネスを取り巻く足元の事業環境等を踏まえ、長期ビジョンに掲げる「船舶用塗料世界トップシェア」を収益性の水準を維持しつつ実現するため、長期ビジョンの時間軸並びにROE水準等を下記の通り変更することといたしました。(下線が変更箇所) 2.新中期経営計画「CMP New Century Plan 3」(2026~2030年度)の概略(1) 位置付けとコンセプト 長期ビジョンに掲げている「船舶用塗料世界トップシェア」と持続的な利益成長との両立を実現するための準備期間と位置付け、「強みを磨くとともに新たな価値を創出、圧倒的な競争優位性を確立する」をコンセプトとしています。 (2) 基本戦略(重点テーマ) (3) 製品分野別の成長戦略(基本方針)船舶用塗料将来的に世界トップシェアを狙うために、攻めの姿勢に転換販売面・製品面ともに競争力を強化し、積極的な事業拡大を図る工業用塗料世界的なインフラ投資の拡大を背景に、海外の重防食を中心に成長を目指すインオーガニックな手法も模索 (4) 連結業績目標(2030年度)売上高1,800億円営業利益230億円親会社株主に帰属する当期純利益160億円EBITDA270億円ROE12%以上※EBITDA=営業利益+減価償却費 (5) 設備投資計画 世界生産量の約7割を占める国内外4か所の生産拠点や国内の研究開発拠点を中心に、戦略投資として5年間で総額645億円程度の設備投資を計画しています。 (6) 株主還元方針基本方針成長投資を最優先とし、余剰資金については積極的に株主還元を実施、自己資本を適切にコントロール配 当・1株当たり年間配当額100円を起点とした累進配当(※)・DOE(自己資本配当率)5.0%程度を目安に自己株式取得成長投資及び配当とのバランス等を勘案して状況次第で機動的に実施※1株当たり配当金を原則として減配せず、維持又は増配を行う配当政策 2026年度以降は、新中計の戦略・施策を着実に実行することで、中長期的かつ持続的な企業価値向上を目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況 当連結会計年度における世界経済は、主要国においてインフレ抑制と景気下支えの間で難しい金融政策の舵取りが必要とされるなか、全体としては緩やかな成長基調となりました。一方で、米国関税政策による影響や、中東や東欧における地政学リスクを背景とした各国経済の不透明感は解消されず、不確実性の高い状況が続きました。 そうしたなか、当社グループの経営成績としましては、主力の船舶用塗料分野において、新造船向けでは、主に中国や日本における建造量の増加にともない出荷量が堅調に推移したことや、製造コストに見合った販売価格の適正化を行ったことなどにより、全体として売上高が増加しました。修繕船向けにおいては、IMO(国際海事機関)燃費規制への対応をはじめとする船舶のCO2排出量削減への動きを受け世界的に高性能船底防汚塗料への需要が高まるなか、当社グループ全体で高付加価値製品の販売を推進したことにより、欧州や東南アジアを中心に堅調に推移しました。工業用塗料分野においては、日本において販売価格の適正化が進んだことや需要の回復が見られたほか、欧州における出荷量の増加により増収となりました。コンテナ用塗料分野においては、中国等での選別受注により減収となりました。 損益面については、運送費等の販売経費が増大し、人財への投資も拡大するなか、製造コストに見合った販売価格の適正化に努めたほか、高付加価値製品や環境対応型製品の拡販にも継続して取り組んだことにより、収益性が向上しました。以上の結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は139,364百万円(前期比6.3%増)、営業利益は17,437百万円(同13.4%増)、経常利益は17,840百万円(同8.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は10,995百万円(同19.9%減)となりました。なお、前期に特別利益2,694百万円を計上していた反動等により当期純利益は減益となっております。 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。(日本) 船舶用塗料において、新造船向けでは、需要が堅調に推移するなか、製造コストに見合った販売価格の適正化を継続して推進したことなどにより、売上高は増加しました。修繕船向けについては、第1四半期時点では大型案件の比率低下等により減収となっていましたが、その後は持ち直し、通期では前期とほぼ同水準の売上を確保しました。工業用塗料においては、販売価格の適正化を推進したほか、建材用塗料において需要の回復が見られたこともあり増収となりました。その結果、売上高は44,939百万円(前期比5.2%増)となりました。損益面では、新造船向けで低採算案件が残るものの、全体的に製造コストに見合った販売価格の適正化や高付加価値製品の拡販に努めたことにより、セグメント利益は3,287百万円(同48.0%増)となりました。(中国) 船舶用塗料において、新造船向けでは、前期に工程遅延の影響で出荷量が減少していた反動もあり、売上高は増加しました。修繕船向けでは、競争力向上へ向けた販売価格の調整が奏功し出荷量が増加したことで増収となりました。工業用塗料においては、重防食向けの出荷が堅調に推移しました。その結果、全体として売上高は22,908百万円(同7.1%増)となりました。損益面では、原材料調達コストの低下等により、セグメント利益は2,968百万円(同9.3%増)となりました。(韓国) 船舶用塗料においては、主力の新造船向けでは、主要造船所における大型案件の集中がピークアウトしたものの、環境対応型塗料の販売や製造コストに見合った販売価格の適正化を推進したことにより、売上高はほぼ前年並みの水準を確保しました。また、修繕船向けも堅調に推移しました。その結果、全体の売上高は19,360百万円(同0.4%減)となりました。損益面では、高付加価値製品の販売が寄与し、セグメント利益は3,276百万円(同28.8%増)となりました。(東南アジア) 船舶用塗料においては、修繕船向けの販売が堅調に推移したことや、プレジャーボート向けの出荷が大きく伸長したことにより、売上高は増加しました。工業用塗料については、主力のタイにおいて政治的混乱による公共事業の遅延に加えて民間投資も減少した一方、インドにおける鉄道インフラ向けの出荷増により増収に転じました。コンテナ用塗料については、マレーシアにおいて、大口顧客におけるコンテナの生産調整の影響により減収となりました。その結果、売上高は20,208百万円(同6.7%増)となりました。損益面では、原材料調達コストの低下等により、セグメント利益は4,120百万円(同7.0%増)となりました。 (欧州・米国) 船舶用塗料のうち、主力の修繕船向けでは、当該期間における入渠船が増加し、燃費規制の対応をはじめとする環境対応型製品の需要が高まるなかで高付加価値製品の販売に注力したほか、製造コストに見合った販売価格の適正化を行ったこと等により、売上高は増加しました。工業用塗料については、イタリアにおける買収子会社の事業を取り込んだことにより、増収となりました。その結果、売上高は31,946百万円(同11.5%増)となりました。損益面では、基幹システム構築費用や営業経費等の増加により、セグメント利益は1,109百万円(同49.4%減)となりました。 ② 財政状態の状況(資産) 流動資産は前連結会計年度末に比べ9,342百万円増加の117,716百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加(3,491百万円)や売掛金の増加(2,730百万円)、原材料及び貯蔵品の増加(1,345百万円)であります。 固定資産は前連結会計年度末に比べ3,440百万円増加の39,844百万円となりました。主な要因は、投資有価証券の増加(4,709百万円)や退職給付に係る資産の増加(750百万円)、土地の減少(3,303百万円)であります。 この結果、当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べ12,783百万円増加し、157,560百万円となりました。(負債) 流動負債は前連結会計年度末に比べ2,792百万円減少の43,475百万円となりました。主な要因は、短期借入金の減少(3,420百万円)や1年内返済予定の長期借入金の減少(1,700百万円)、未払法人税等の増加(1,491百万円)、支払手形及び買掛金の増加(789百万円)であります。 固定負債は前連結会計年度末に比べ3,231百万円増加の12,305百万円となりました。主な要因は、繰延税金負債の増加(2,238百万円)や長期借入金の増加(1,738百万円)、再評価に係る繰延税金負債の減少(938百万円)であります。 この結果、当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度末に比べ438百万円増加し、55,780百万円となりました。(純資産) 純資産は前連結会計年度末に比べ12,344百万円増加の101,780百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加(7,921百万円)や為替換算調整勘定の増加(3,021百万円)、土地再評価差額金の減少(2,141百万円)であります。 この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の57.7%から60.6%となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ5,883百万円増加し、38,058百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によって得られたキャッシュ・フローは、14,418百万円となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益17,899百万円、減価償却費1,847百万円、利息及び配当金の受取額850百万円であり、主な減少要因は、法人税等の支払額3,632百万円、棚卸資産の増減額1,405百万円、売上債権の増減額1,243百万円であります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によって得られたキャッシュ・フローは、1,562百万円となりました。主な増加要因は、定期預金の払戻による収入8,745百万円、固定資産の売却による収入3,361百万円であり、主な減少要因は、定期預金の預入による支出6,629百万円、固定資産の取得による支出2,530百万円であります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によって使用されたキャッシュ・フローは、10,337百万円となりました。主な増加要因は、長期借入れによる収入1,700百万円であり、主な減少要因は、非支配株主への支払いを含めた配当金の支払額6,507百万円、短期借入金の純増減額3,421百万円、長期借入金の返済による支出1,707百万円であります。④ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)前期比増減率(%)日本(百万円)39,5626.8中国(百万円)19,21024.3韓国(百万円)13,520△3.5東南アジア(百万円)12,329△5.2欧州・米国(百万円)10,63413.7合計(百万円)95,2567.2 (注) 金額は製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。 b. 受注実績 一部の特殊品を除いて販売予量に基づく見込み生産を行っております。 c. 販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)前期比増減率(%)日本(百万円)44,9395.2中国(百万円)22,9087.1韓国(百万円)19,360△0.4東南アジア(百万円)20,2086.7欧州・米国(百万円)31,94611.5合計(百万円)139,3646.3 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中における将来に関する事項は有価証券報告書提出日(2026年6月23日)現在において判断したものであります。 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は139,364百万円(前期比6.3%増)、営業利益は17,437百万円(同13.4%増)、経常利益は17,840百万円(同8.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は10,995百万円(同19.9%減)となりました。 これらの要因は下記のとおりであります。 a.売上高 製品分野別・セグメント(地域)別の売上高は以下のとおりです。 分析内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に含めて記載しております。 (単位:百万円) b.売上原価・売上総利益 上記のとおり売上高は前連結会計年度比6.3%増加したものの、売上原価は同4.6%(4,030百万円)増の92,584百万円にとどまりました。製造コストに見合った販売価格の適正化を推進したことや高付加価値製品の販売比率が拡大したこと等もあり採算が改善し、売上総利益は前連結会計年度比9.8%(4,181百万円)増の46,780百万円、売上総利益率は同1.1ポイント上昇し33.6%となりました。 c.販売費及び一般管理費、営業利益 販売費及び一般管理費については、各種販売経費が増加したほか、人財や情報システムへの投資を拡大したこともあり、前連結会計年度比7.8%(2,125百万円)増の29,342百万円となりました。売上高販管費比率は同0.3ポイント上昇し21.1%となりました。 営業利益については、売上総利益の増加が販売費及び一般管理費の増加を上回ったことで、前連結会計年度比13.4%(2,055百万円)増の17,437百万円、営業利益率は同0.8ポイント上昇し12.5%となりました。 d.営業外損益・特別損益・税金費用 営業外収益のうち受取利息や受取配当金が減少したことや、営業外費用で為替差損を計上したこと等により、営業外損益は402百万円の益(前連結会計年度比63.4%減)となりました。 特別利益として国内不動産の売却に伴う固定資産売却益195百万円を計上した一方、特別損失として国内で保有する不動産等に係る減損損失152百万円を計上したこと等から、特別損益は58百万円の益(前連結会計年度比96.6%減)となりました。 上記の結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度比1.8%(329百万円)減の17,899百万円となったものの、一部の海外子会社において前連結会計年度にあった繰越欠損金による税負担軽減が適用されなくなったこと等により、税金費用は同93.2%(2,520百万円)増の5,223百万円と大幅に増加しました。その結果、法人税等の負担率は29.2%(前連結会計年度は14.8%)となりました。 なお、経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ② 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 中期経営計画における業績目標については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 会社の対処すべき課題及び中長期的な会社の経営戦略(中期経営計画等)」に記載のとおりであります。 ③ キャッシュ・フローの分析当連結会計年度においては、営業活動によるキャッシュ・フローが前連結会計年度比で微減となったものの、投資活動及び財務活動によるキャッシュ・フローがともに改善し、現金及び現金同等物の増減額は5,883百万円の増加(前連結会計年度比1,414百万円改善)となりました。各キャッシュ・フローの主な変動要因は以下のとおりです。(単位:百万円) ④ 資本の財源及び資金の流動性 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、塗料原材料等の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資等によるものであります。 当社グループは、事業運営上必要な流動性を確保すると共に資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。 短期運転資金につきましては、自己資金または金融機関からの短期借入を基本とし、設備投資や長期運転資金の資金調達につきましては、自己資金または金融機関からの長期借入を基本としております。なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は17,391百万円(前連結会計年度末比3,400百万円減)となっております。 短期運転資金以外の資金の活用としては、生産設備の新設やリニューアル、競争力強化の為の製品開発といった成長投資を優先いたします。その上で、余剰資金については積極的な株主還元を行うことで自己資本を適切にコントロールし、自己資本利益率(ROE)の改善を図ってまいります。当連結会計年度においては、設備投資に2,484百万円、配当に5,207百万円、それぞれ資金を配分いたしました。 当連結会計年度末現在の現金及び現金同等物の残高は38,058百万円(前連結会計年度末比5,883百万円増加)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益の計上や為替換算調整勘定の増加等により自己資本が前連結会計年度末比11,942百万円(14.3%)増加した一方、総資産は同12,783百万円(8.8%)増にとどまったことから、自己資本比率は60.6%(前連結会計年度末比2.9ポイント上昇)となりました。今後とも資産効率及び資本効率の向上や営業キャッシュ・フローの改善に努めてまいります。 ⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
事業リスク
- 市況変動による影響船舶用塗料とコンテナ用塗料が売上の8割以上を占めており、これらの分野は世界経済の停滞や新造船建造量・コンテナ生産量の減少に大きく影響されます。市況の悪化は塗料販売量の減少を招き、売上高や利益が大きく減少する可能性があります。
- 原材料価格の高騰塗料製造の主要原材料である樹脂や溶剤はナフサ価格、銅や亜鉛などの非鉄金属は国際市況に大きく左右されます。これらの原材料価格が想定以上に高騰した場合、調達コストが増加し、原価低減や販売価格への転嫁が追いつかなければ利益率が低下する恐れがあります。
- 海外事業活動の不確実性売上高の海外比率が高く、今後も増大する見込みです。しかし、海外での現地経済の悪化、テロ・紛争、政治体制や法規制、税制の変化など予期せぬ事象が発生した場合、塗料販売に支障が生じ、財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 当社グループでは、「リスク管理基本規定」を制定し、事業運営上において発生しうるあらゆるリスクの予防、発見、是正、及び再発防止に係る管理体制の整備と発生したリスクへの対応方針を示すことで円滑な経営を行うことを目的に、管理本部長を委員長とした「リスク管理委員会」を設置しております。事業等に関するリスクについては、四半期に1回開催される同委員会において、リスクの洗い出しやその評価、対策を立案し、推進状況についてもモニタリングを行う体制としております。同委員会は、委員長である管理本部長の他、役付取締役、各本部長及び関連部門長等を委員とし構成されています。 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 なお、将来に関する事項については、有価証券報告書提出日(2026年6月23日)現在における当社判断に基づいております。 (1) 市況変動に関するリスク 当社グループは、船舶を中心としてコンテナ、その他工業用塗料などの分野を対象とした塗料の製造販売を行っております。売上高の8割以上は比較的市況の影響を受けやすい船舶用塗料とコンテナ用塗料分野が占めております。こうした環境下においても、船舶、コンテナの両分野について、市況を見極め採算性を重視することで、その影響が最小限に止まるよう対策を講じております。また、これらの分野への依存を軽減すべく、海外を中心に比較的収益が安定している工業用塗料分野やその他分野の拡販にも努めておりますが、世界経済の停滞、ひいては新造船建造量またはコンテナ生産量の減少や公共・民間建設投資の低迷などが、塗料販売量の減少を引き起こし、売上高・利益の減少等、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 原材料調達に関するリスク 当社グループにおける原材料の調達は、世界のネットワークを活用し安定的な数量での仕入れに努めておりますが、当社が使用する原材料需要の高まりや、サプライヤーの予期せぬトラブル等により、調達に支障を来す可能性があります。また、価格面においても原材料価格が上昇する局面では、不断の原価低減への取り組みや販売価格への転嫁等の施策により、その影響を最小限に止めるよう対策を講じておりますが、塗料製造における主要原材料の一つとなる樹脂や溶剤の仕入れ値は、ナフサ価格の影響を大きく受け、銅や亜鉛等の非鉄金属価格についても国際市況に影響され大きく変動します。これらの主要原材料価格が想定以上に高騰した場合には、調達コストの上昇により利益率が低下し、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 海外事業活動に関するリスク 当社グループの売上高における海外の売上割合は、国内の売上割合を上回っております。 今後も海外での売上・生産の規模は増大するものと思われ、それと同時に海外事業活動におけるリスクの高まりを伴うため、営業、技術、生産、管理の各側面から考え得るリスクを洗い出し、事象発生時への対策を立案しております。しかしながら、海外における現地経済・市場動向の悪化やテロ・紛争の発生等に係るリスクを見通すことは困難であり、また事業を展開している国や地域の政治体制、法環境または税制の変化などの予期せぬ事象が生じた場合には、当該地域における塗料販売に支障を来し、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 競争に関するリスク 当社グループは、国内外での各種塗料販売において、競合他社との間で価格や性能面等の様々な要素での競争関係に晒されております。より一層のコスト削減や技術力向上による製品差別化等に努めておりますが、価格競争の激化により市場における販売価格が著しく低下し、このような取り組みを踏まえても価格競争を克服できない場合には、採算性の悪化を招く恐れがあります。また、性能面においても、当社に先駆けた画期的な他社製品の出現により、当社の競争力が低下する場合には、売上高・利益の減少等、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 債権管理に関するリスク 当社グループは、世界各国の様々な顧客に製品を供給しております。こうした取引において、常に顧客情報の収集に努める等、与信管理を徹底しており、債権管理については、回収可能性を慎重に検討した上で一定の繰入額に到達した場合、四半期毎にその状況を経営会議へ報告する体制を取るとともに、顧客の財務状況などに注意し債権回収に努めております。しかしながら、何らかの事情により予想できない多大な貸倒が発生した場合には利益が減少し、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 金利変動に関するリスク 当社グループは、各種設備投資や運転資金等、必要な資金の一部について借入を行っておりますが、これらは主に短期借入であります。 長短借入のバランスについては絶えず金利動向を勘案しながら決定しておりますが、急激な金利変動により支払利息が増加する場合には利益が減少し、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 為替変動に関するリスク 当社グループの海外売上比率は増加するものと予想されますが、海外売上の大半は現地生産・現地販売によるものであるため、為替による損益への影響はグループ会社ベースでは限定的と思われます。しかしながら、連結財務諸表の作成に当たっては、海外グループ会社の財務諸表等を各国通貨から円貨に換算しており、為替相場の変動が円換算後の連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 気候変動に関するリスク 当社グループは、気候変動対応を重要課題と位置づけ、TCFD提言に賛同を表明するとともに、TCFD提言のフレームワークに沿ったシナリオ分析を実施し、抽出されたリスクに対する対応策の検討を行っております。また、気候変動対応はリスクだけでなく機会としても捉え、当社グループにおける事業活動を通じて環境、社会課題の解決につながるビジネスに注力しております。しかしながら、世界的な脱炭素社会への移行に向けた各種規制強化が急速に進み大幅なコスト増となる場合や、異常気象の発生が頻発し操業度の低下が広範囲に及ぶ場合等には、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、気候変動関連のリスク・機会の概要については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)気候変動関連」に記載の通りです。 (9) 災害・事故・感染症等に関するリスク 当社グループは、自然災害や不慮の事故、または新型コロナウイルス等の感染症の流行により、主要工場が生産不能に陥った場合を想定し、グループ会社間での供給補完等様々なシミュレーションを行い万一に備えております。しかしながら、当社グループは化学品を製造販売する企業であるため、火災をはじめとする不慮の事故が発生する可能性があり、また災害による工場設備の被害状況等により操業停止が相当期間に及ぶ場合や、感染症の大規模な流行等により操業停止が複数拠点に及ぶ場合には、塗料供給に支障を来し、販売量が減少することから、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 安全・環境規制に関するリスク 当社グループは、製造、輸送、使用の過程における製品安全性の向上と環境負荷の低減を重要課題と認識し、さまざまな取り組みを進めておりますが、安全・環境に関する社会的要求は厳しさを増し、規制も次第に強化されています。 今後、日本をはじめ進出先国における安全・環境規制の強化に伴い、工場の操業制限もしくは停止の処分がされ、または環境投資の大幅な増加や租税、賦課金その他公課の負担が増すこと等により、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (11) 法令違反に関するリスク 当社グループは、業務の適法性を確保すべく、法令遵守を行動基準に掲げるとともに、コンプライアンスマニュアルを策定しており、国内外でコンプライアンス研修を実施するなど、グループ会社従業員に対して定期的に社内教育を実施し、コンプライアンス体制の構築及び維持に努めております。しかしながら、このような対策を講じても法令違反に関するリスクを完全に排除できない可能性があり、当該事象が発生した場合には、各規制当局からの処分、取引先等からの損害賠償請求、社会的信用の低下等により、損失の発生や塗料販売の減少等、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (12) 知的財産権に関するリスク 当社グループは、他社製品との差別化を図った多様な知的財産権を保有しており、その独自の技術や製品の保護は専門部署により厳正に管理されております。また他社が有する知的財産権についても、権利侵害とならないよう十分な調査を実施しておりますが、第三者が当社グループの知的財産を使用し類似品を販売することや、知的財産に係る紛争が発生し、当社に不利な判断がなされる場合には、販売量の減少や費用の増加等、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (13) 品質に関するリスク 当社グループは、国内外の主要工場で品質マネジメントシステム(ISO9001)の認証取得をしており、高度な品質マネジメントシステムの構築と継続的改善に努めておりますが、製品の不具合や塗装方法または塗装環境等の外的要因により本来の製品性能を発揮できない場合には、多大な補償負担や信用の低下に繋がる恐れがあり、収益の悪化等、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (14) 減損処理や繰延税金資産に関するリスク 当社グループは、事業用の様々な有形固定資産・無形固定資産や繰延税金資産を計上しております。これらの資産については、業績計画との乖離や時価の下落等によって、期待される将来キャッシュ・フローを生み出すことが出来ない場合には、減損処理や繰延税金資産の取崩しにより財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (15) 投資有価証券の評価損に関するリスク 当社グループは、取引先や金融機関等の市場性のある株式を保有しております。当該株式保有の合理性については、毎年1回以上、取締役会において保有に伴う便宜やリスクが資本コストに見合っているかを検証しており、保有意義が希薄であると判断される場合は、原則として縮減対象とし、時価の趨勢と取得原価、市場への影響等を勘案しつつ、売却を検討しております。しかしながら、株式相場の大幅な下落が生じた場合、評価損を計上する恐れがあり、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (16) 退職給付に関するリスク 当社グループの退職給付費用及び債務は、割引率、長期期待運用収益率、将来の給与水準、退職率、死亡率等の数理計算上の仮定に基づいて算定しております。これらの仮定が実際の結果と異なる場合、又は仮定が変更された場合、退職給付費用や退職給付制度への必要拠出額に影響を与えることにより、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (17) 訴訟の提起に関するリスク 当社グループは、グローバルに事業展開をしており、国内に止まらず海外を含め様々な訴訟を受ける可能性があります。当社事業に係る各種法令の遵守に加え、製品品質の維持や相手方との事前協議等を実施することで訴訟の未然防止に努めておりますが、実際に訴訟が提起された場合には、結果によっては社会的信用の低下を招く恐れや損害賠償が命じられる恐れがあり、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (18) 事業買収・業務提携・合弁事業に関するリスク 当社グループは、事業拡大や収益力の向上を目的とし、事業買収、業務提携、合弁事業等を行う可能性があります。事前に経済的価値等の観点から入念な調査を実施したうえで決定しますが、当社グループ及び出資先企業を取り巻く環境の変化により、様々な不確実性を伴うため、当初の期待していたシナジー効果やキャッシュ・フローを生み出すことが出来ない場合には、当該目的のために計上された固定資産やのれんの減損処理等、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (19) 情報セキュリティに関するリスク 当社グループは、事業活動において顧客情報や技術情報など様々な機密情報を保有しております。当社グループでは、サステナビリティ委員会傘下に情報セキュリティ部会を設置し情報管理体制を整備しているほか、従業員教育や啓蒙活動を定期的に実施する等の対策を講じ情報セキュリティ強化に努めております。しかしながら、従業員等による故意または過失、第三者による不正アクセスやコンピューターウイルスの感染、災害等不測の事態により当社グループが保有する情報の漏洩、消失や改ざん等が発生した場合には、事業活動への支障や信用の低下等により、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。