経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、1923年12月に印刷用インキの製造・販売からスタートし、各種プラスチック着色剤や機能性製品、特殊な成形加工技術を駆使した樹脂加工品へと事業範囲を拡大しながら、暮らしの中でなくてはならない製品を提供し続けております。パーパス(存在意義)として『「伝える」「彩る」「守る」ことで、豊かな未来を実現する』、ビジョン(企業理念)として「暮らしを彩る、暮らしに役立つものづくりで、社会に貢献する。」、ミッション(目指すべき企業像)として「色彩を軸に、市場が求める価値をお客様と共に創造、実現し続ける企業。」を掲げ、日々活動しております。また、従業員のバリュー(行動指針)として、「挑戦し続ける」、「イノベーションで価値を創造する」、「共に成長する」を掲げております。 当社グループのパーパス(存在意義)には、印刷物やプラスチック容器等を通して、人と人との間をつなぎ、「伝える」ことで暮らしに貢献する、多種多様な色材の提供により、身の回りを「彩る」ことで生活を豊かにする、バイオマス製品や様々な機能性製品および防災・減災用途に使用される土木資材等の提供により、地球や生活を「守る」ことで社会に貢献するという想いを込めております。 パーパス(存在意義)とバリュー(行動指針)の浸透を推し進めることで、新たな価値を創造できる人材を創出し、マインドの醸成を図り、高効率で安定した企業基盤構築を目指してまいります。また、製品・サービスを通じて持続可能な価値を提供し、環境・社会と共存共栄できる企業経営を推進してまいります。 (2)経営環境 2025年度のわが国の経済は、雇用・所得環境の改善および企業収益の回復を背景に、緩やかな回復基調が継続しました。一方で、米国の通商政策の影響や中国経済の緩やかな減速、日中関係の悪化等の下振れリスクが存在しております。加えて、中東地域における軍事的衝突の影響により、原油・天然ガス等のエネルギー関連および石油由来製品の価格上昇やサプライチェーンの不安定化、さらには原材料価格の高騰等を背景に、世界経済の不確実性が高まっております。 また、近年のデジタル技術の急速な進化により行動様式に変化が見られることで、商業・出版印刷のデジタル化へのシフトが加速していることや、サステナビリティへの意識の高まりによる環境対応の流れが加速していることにより、当社グループ製品の需要動向全体に影響が及んでおり、環境規制等による原材料の供給面等にも影響が生じております。 現在の地球環境やライフスタイルの変化に対応し、これからも人々の生活の質の向上・充実のための「伝える」製品、「彩る」製品および地球環境保全や気候変動、食品ロス等の社会課題を解決するための「守る」製品を提供し続けることで、2030年に目指す姿である「持続可能な価値を提供し続ける企業グループへ」の実現を目指してまいります。 (3)経営戦略および優先的に対処すべき課題 ①長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」当社グループは、2023年12月に創立100周年を迎えたタイミングに、2030年に目指す姿として「持続可能な価値を提供し続ける企業グループへ」を掲げた長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」を策定いたしました。その際、当社グループは、これからの持続可能な社会のために何ができるのかを問い直し、パーパス(存在意義)を明文化いたしました。 パーパス(存在意義)『「伝える」「彩る」「守る」ことで、豊かな未来を実現する』 長期ビジョンの実現に向け、当社グループは、優先的に対処すべき課題として、マテリアリティ(重要課題)を決定し、その達成のためのアプローチを下記のとおり設定しております。 長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」の詳細につきましては、当社ホームページもしくは下記URLよりご覧ください。https://www.tokyoink.co.jp/about/long_term_vision/ 具体的な施策や指標については、期間中の中期経営計画の中で決定し推進してまいります。 ②中期経営計画「TOKYOink 2027」 現在、長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」実現に向け、「変革の実践」と位置付けた、3カ年計画である中期経営計画「TOKYOink 2027」を実行しております。持続可能な価値を提供し続ける企業グループになるために、変革の実践を推し進めてまいります。 [中期経営計画「TOKYOink 2027」および長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」経営目標]経営目標単位2027年度目標2030年度目標売上高百万円48,00050,000営業利益百万円2,0002,800当期純利益百万円1,5002,000自己資本利益率(ROE)%5.58.0総資産百万円50,00050,000自己資本百万円27,00025,000自己資本比率%54.050.0 [中期経営計画「TOKYOink 2027」における収益計画および資本政策・財務戦略]収益計画・製品絞り込み(収益の見込めない製品の見直し)⇒各事業内製品の収益性を見極めながら整理を実施・市場ニーズに合わせた付加価値の高い製品開発(サステナブル対応製品等)・既存事業内の成長分野への投資拡大⇒成長の見込める加工品事業への積極投資の実施・原材料、エネルギー等のコスト上昇分の価格転嫁の推進・省力化、自動化による業務効率化促進資本政策財務戦略・株主資本の活用を最大化 資産効率を重視したキャッシュの創出 政策保有株式の縮減 債権流動化、キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)の改善・強固な財務基盤の確保 成長戦略に基づく投資資金計画立案(創出したキャッシュ及び有利子負債の活 用)⇒R&D・M&A等の大型投資に対する機動的な資金調達・株主還元の充実 配当性向40%以上またはDOE1.0%以上 自己株式の活用方法の検討 イ.事業ポートフォリオ変革 既存事業内での高付加価値製品、サステナブル対応製品の構成比アップ、周辺領域探索による事業領域拡大、生産体制の再構築、効率化・自動化の推進による高収益化、新規事業探索から新たな事業の創出等の取り組みを進めてまいります。 ロ.主要3事業の戦略と目標インキ事業オフセットインキでの選択と集中による利益の最大化、グラビアインキ、インクジェットインクでの機能性製品の伸長により事業内のポートフォリオを変革し、利益拡大を目指してまいります。 オフセットインキ オフセット輪転インキ その他選択と集中による利益の最大化グラビアインキ 機能性製品・汎用製品・ メディカルパッケージ(医薬包装)製品機能性製品を軸とした事業規模の拡大インクジェットインク 受託製品・自社製品受託・自社製品両輪での利益拡大(単位:百万円) 2027年度目標売上高16,600セグメント利益870 化成品事業機能性包材用途を中心とした自社製品の販売強化とASEAN地域での販売促進により収益力改善を目指してまいります。 自社製品 マスターバッチ コンパウンド自社製品比率の拡大と注力分野への取り組み強化(モビリティ、情報通信、デジタルデバイス他)受託製品 マスターバッチ コンパウンド製品構成の見直しと生産効率化海外(タイ)ASEAN地域における販売推進(単位:百万円) 2027年度目標売上高22,800セグメント利益650 加工品事業市場成長が期待される土木資材の事業規模の拡大を軸に、ネトロン®、一軸延伸フィルム、農業資材における高機能製品開発・拡販により収益拡大を目指してまいります。 ネトロン®工材・包材既存製品の収益向上と新規市場開拓一軸延伸フィルム食品包装および産業用途展開による収益拡大土木資材ジオセル販売の加速農業資材エナジーシリーズ販売拡大(エナジーキーパー®、エナジークロス®)(注)ネトロン®は三井化学株式会社の登録商標です。(単位:百万円) 2027年度目標売上高8,500セグメント利益670 ハ.資本政策・財務戦略 ニ.サステナビリティへの取り組み持続可能な社会(サステナビリティ)の実現に向け、環境面ではサステナブル対応製品売上高比率や温室効果ガス排出量削減率、人的資本につきましてはバリュー評価達成率、教育研修費用、エンゲージメントスコア、健康診断二次検診受診率、喫煙率、時間外労働時間、有給休暇取得率、労働災害における強度率、度数率等に対する目標値を設定しております。目標達成に向け、必要な施策を実施してまいります。また、目標値および2025年度の取り組み内容と実績値につきましては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (6) 指標及び目標」をご参照ください。 ホ.モニタリング体制とKPIマネジメント目標達成に向け、収益計画、資本政策・財務戦略および事業ポートフォリオ変革、サステナビリティへの取り組みについて各々にKPIを設定しております。収益計画においては、事業別・製品別の売上高、利益額や利益率に加え、サステナブル対応製品売上高比率等、また、資本政策・財務戦略においては、CCC回転日数、投資有価証券純資産比率、配当性向等をKPIとしております。これらの指標については、関係者が各会議体を活用して進捗状況をPDCAサイクルで管理し、経営層が適切に管理・監督を行ってまいります。 中期経営計画「TOKYOink 2027」の詳細につきましては、当社ホームページもしくは下記URLよりご覧ください。 中期経営計画「TOKYOink 2027」掲載URLhttps://www.tokyoink.co.jp/ir/management/mid-termplan/ 当社は、長期ビジョンに基づき特定したマテリアリティへの対応を優先的に進めるとともに、中期経営計画を着実に実行することで、社会的価値と経済的価値の両立を通じた持続的な企業価値向上を目指してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、1923年12月に印刷用インキの製造・販売からスタートし、各種プラスチック着色剤や機能性製品、特殊な成形加工技術を駆使した樹脂加工品へと事業範囲を拡大しながら、暮らしの中でなくてはならない製品を提供し続けております。パーパス(存在意義)として『「伝える」「彩る」「守る」ことで、豊かな未来を実現する』、ビジョン(企業理念)として「暮らしを彩る、暮らしに役立つものづくりで、社会に貢献する。」、ミッション(目指すべき企業像)として「色彩を軸に、市場が求める価値をお客様と共に創造、実現し続ける企業。」を掲げ、日々活動しております。また、従業員のバリュー(行動指針)として、「挑戦し続ける」、「イノベーションで価値を創造する」、「共に成長する」を掲げております。 当社グループのパーパス(存在意義)には、印刷物やプラスチック容器等を通して、人と人との間をつなぎ、「伝える」ことで暮らしに貢献する、多種多様な色材の提供により、身の回りを「彩る」ことで生活を豊かにする、バイオマス製品や様々な機能性製品および防災・減災用途に使用される土木資材等の提供により、地球や生活を「守る」ことで社会に貢献するという想いを込めております。 パーパス(存在意義)とバリュー(行動指針)の浸透を推し進めることで、新たな価値を創造できる人材を創出し、マインドの醸成を図り、高効率で安定した企業基盤構築を目指してまいります。また、製品・サービスを通じて持続可能な価値を提供し、環境・社会と共存共栄できる企業経営を推進してまいります。 (2)経営環境 2025年度のわが国の経済は、雇用・所得環境の改善および企業収益の回復を背景に、緩やかな回復基調が継続しました。一方で、米国の通商政策の影響や中国経済の緩やかな減速、日中関係の悪化等の下振れリスクが存在しております。加えて、中東地域における軍事的衝突の影響により、原油・天然ガス等のエネルギー関連および石油由来製品の価格上昇やサプライチェーンの不安定化、さらには原材料価格の高騰等を背景に、世界経済の不確実性が高まっております。 また、近年のデジタル技術の急速な進化により行動様式に変化が見られることで、商業・出版印刷のデジタル化へのシフトが加速していることや、サステナビリティへの意識の高まりによる環境対応の流れが加速していることにより、当社グループ製品の需要動向全体に影響が及んでおり、環境規制等による原材料の供給面等にも影響が生じております。 現在の地球環境やライフスタイルの変化に対応し、これからも人々の生活の質の向上・充実のための「伝える」製品、「彩る」製品および地球環境保全や気候変動、食品ロス等の社会課題を解決するための「守る」製品を提供し続けることで、2030年に目指す姿である「持続可能な価値を提供し続ける企業グループへ」の実現を目指してまいります。 (3)経営戦略および優先的に対処すべき課題 ①長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」当社グループは、2023年12月に創立100周年を迎えたタイミングに、2030年に目指す姿として「持続可能な価値を提供し続ける企業グループへ」を掲げた長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」を策定いたしました。その際、当社グループは、これからの持続可能な社会のために何ができるのかを問い直し、パーパス(存在意義)を明文化いたしました。 パーパス(存在意義)『「伝える」「彩る」「守る」ことで、豊かな未来を実現する』 長期ビジョンの実現に向け、当社グループは、優先的に対処すべき課題として、マテリアリティ(重要課題)を決定し、その達成のためのアプローチを下記のとおり設定しております。 長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」の詳細につきましては、当社ホームページもしくは下記URLよりご覧ください。https://www.tokyoink.co.jp/about/long_term_vision/ 具体的な施策や指標については、期間中の中期経営計画の中で決定し推進してまいります。 ②中期経営計画「TOKYOink 2027」 現在、長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」実現に向け、「変革の実践」と位置付けた、3カ年計画である中期経営計画「TOKYOink 2027」を実行しております。持続可能な価値を提供し続ける企業グループになるために、変革の実践を推し進めてまいります。 [中期経営計画「TOKYOink 2027」および長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」経営目標]経営目標単位2027年度目標2030年度目標売上高百万円48,00050,000営業利益百万円2,0002,800当期純利益百万円1,5002,000自己資本利益率(ROE)%5.58.0総資産百万円50,00050,000自己資本百万円27,00025,000自己資本比率%54.050.0 [中期経営計画「TOKYOink 2027」における収益計画および資本政策・財務戦略]収益計画・製品絞り込み(収益の見込めない製品の見直し)⇒各事業内製品の収益性を見極めながら整理を実施・市場ニーズに合わせた付加価値の高い製品開発(サステナブル対応製品等)・既存事業内の成長分野への投資拡大⇒成長の見込める加工品事業への積極投資の実施・原材料、エネルギー等のコスト上昇分の価格転嫁の推進・省力化、自動化による業務効率化促進資本政策財務戦略・株主資本の活用を最大化 資産効率を重視したキャッシュの創出 政策保有株式の縮減 債権流動化、キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)の改善・強固な財務基盤の確保 成長戦略に基づく投資資金計画立案(創出したキャッシュ及び有利子負債の活 用)⇒R&D・M&A等の大型投資に対する機動的な資金調達・株主還元の充実 配当性向40%以上またはDOE1.0%以上 自己株式の活用方法の検討 イ.事業ポートフォリオ変革 既存事業内での高付加価値製品、サステナブル対応製品の構成比アップ、周辺領域探索による事業領域拡大、生産体制の再構築、効率化・自動化の推進による高収益化、新規事業探索から新たな事業の創出等の取り組みを進めてまいります。 ロ.主要3事業の戦略と目標インキ事業オフセットインキでの選択と集中による利益の最大化、グラビアインキ、インクジェットインクでの機能性製品の伸長により事業内のポートフォリオを変革し、利益拡大を目指してまいります。 オフセットインキ オフセット輪転インキ その他選択と集中による利益の最大化グラビアインキ 機能性製品・汎用製品・ メディカルパッケージ(医薬包装)製品機能性製品を軸とした事業規模の拡大インクジェットインク 受託製品・自社製品受託・自社製品両輪での利益拡大(単位:百万円) 2027年度目標売上高16,600セグメント利益870 化成品事業機能性包材用途を中心とした自社製品の販売強化とASEAN地域での販売促進により収益力改善を目指してまいります。 自社製品 マスターバッチ コンパウンド自社製品比率の拡大と注力分野への取り組み強化(モビリティ、情報通信、デジタルデバイス他)受託製品 マスターバッチ コンパウンド製品構成の見直しと生産効率化海外(タイ)ASEAN地域における販売推進(単位:百万円) 2027年度目標売上高22,800セグメント利益650 加工品事業市場成長が期待される土木資材の事業規模の拡大を軸に、ネトロン®、一軸延伸フィルム、農業資材における高機能製品開発・拡販により収益拡大を目指してまいります。 ネトロン®工材・包材既存製品の収益向上と新規市場開拓一軸延伸フィルム食品包装および産業用途展開による収益拡大土木資材ジオセル販売の加速農業資材エナジーシリーズ販売拡大(エナジーキーパー®、エナジークロス®)(注)ネトロン®は三井化学株式会社の登録商標です。(単位:百万円) 2027年度目標売上高8,500セグメント利益670 ハ.資本政策・財務戦略 ニ.サステナビリティへの取り組み持続可能な社会(サステナビリティ)の実現に向け、環境面ではサステナブル対応製品売上高比率や温室効果ガス排出量削減率、人的資本につきましてはバリュー評価達成率、教育研修費用、エンゲージメントスコア、健康診断二次検診受診率、喫煙率、時間外労働時間、有給休暇取得率、労働災害における強度率、度数率等に対する目標値を設定しております。目標達成に向け、必要な施策を実施してまいります。また、目標値および2025年度の取り組み内容と実績値につきましては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (6) 指標及び目標」をご参照ください。 ホ.モニタリング体制とKPIマネジメント目標達成に向け、収益計画、資本政策・財務戦略および事業ポートフォリオ変革、サステナビリティへの取り組みについて各々にKPIを設定しております。収益計画においては、事業別・製品別の売上高、利益額や利益率に加え、サステナブル対応製品売上高比率等、また、資本政策・財務戦略においては、CCC回転日数、投資有価証券純資産比率、配当性向等をKPIとしております。これらの指標については、関係者が各会議体を活用して進捗状況をPDCAサイクルで管理し、経営層が適切に管理・監督を行ってまいります。 中期経営計画「TOKYOink 2027」の詳細につきましては、当社ホームページもしくは下記URLよりご覧ください。 中期経営計画「TOKYOink 2027」掲載URLhttps://www.tokyoink.co.jp/ir/management/mid-termplan/ 当社は、長期ビジョンに基づき特定したマテリアリティへの対応を優先的に進めるとともに、中期経営計画を着実に実行することで、社会的価値と経済的価値の両立を通じた持続的な企業価値向上を目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 なお財政状態につきましては、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 イ.当社グループの当連結会計年度の財政状態」に記載のとおりであります。 ①経営成績等の概況 当連結会計年度の業績は下記のとおりであります。(単位:百万円)区 分2025年3月期2026年3月期増減額増減率売上高46,80649,9263,1196.7%営業利益1,3092,21790869.4%経常利益7052,4541,748247.6%親会社株主に帰属する当期純利益1,1801,86768758.2% 当連結会計年度の業績は、売上高が499億2千6百万円で前年度比31億1千9百万円の増収(6.7%増)となりました。 営業利益は22億1千7百万円で、販売価格改定の浸透や高付加価値製品の販売拡大により利益率が改善したことから、前年度比9億8百万円の増益(69.4%増)となりました。 経常利益は24億5千4百万円で、営業利益の増加に加え、米国連結子会社である東京インキ株式会社U.S.A.において前年度に計上した出資金運用損8億円が出資先の解散に起因して当期はなくなったこと等により、前年度比17億4千8百万円の増益(247.6%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は18億6千7百万円で、加工品事業のネトロン事業の業績悪化による固定資産の減損損失7億9千9百万円を計上しましたが、経営資源の有効活用および資産効率向上を目的とした福岡支店および大阪支店の売却等に伴う固定資産売却益5億4千2百万円、ならびに政策保有株式の縮減に伴う投資有価証券売却益5億5百万円を計上したこと等により、前年度比6億8千7百万円の増益(58.2%増)となりました。 「売上高年度別推移」 (百万円) 「営業利益(損失△)年度別推移」 (百万円) 「経営成績の四半期推移」 (百万円) セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。 当社グループの報告セグメントはインキ事業、化成品事業、加工品事業、不動産賃貸事業から構成されており、当連結会計年度の売上高とセグメント利益の構成は以下のとおりであります。 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。 (インキ事業)(単位:百万円)区 分2025年3月期2026年3月期増減額増減率売上高16,34118,3682,02612.4%セグメント利益5631,00143877.8% インキ事業の当連結会計年度の業績は、売上高が183億6千8百万円で前年度比20億2千6百万円の増収(12.4%増)、セグメント利益は10億1百万円で前年度比4億3千8百万円の増益(77.8%増)になりました。 「売上高・セグメント利益の年度別推移と四半期推移」 (百万円) なお、主要製品のセグメント利益率は以下のとおりです。 区 分2025年3月期2026年3月期増減(ポイント)オフセットインキ4.5%5.8%1.3グラビアインキ△4.5%3.5%8.0インクジェットインク14.1%3.0%△11.1 (化成品事業)(単位:百万円)区 分2025年3月期2026年3月期増減額増減率売上高22,54923,8871,3385.9%セグメント利益60580119532.3% 化成品事業の当連結会計年度の業績は、売上高が238億8千7百万円で前年度比13億3千8百万円の増収(5.9%増)、セグメント利益は8億1百万円で前年度比1億9千5百万円の増益(32.3%増)になりました。 「売上高・セグメント利益の年度別推移と四半期推移」 (百万円) なお、主要製品のセグメント利益率は以下のとおりです。 区 分2025年3月期2026年3月期増減(ポイント)自社製品4.7%5.9%1.2受託製品△3.0%△3.1%△0.1海外(タイ)20.8%24.0%3.2 (加工品事業)(単位:百万円)区 分2025年3月期2026年3月期増減額増減率売上高7,8257,579△246△3.1%セグメント利益33548414844.4% 加工品事業の当連結会計年度の業績は、売上高が75億7千9百万円で前年度比2億4千6百万円の減収(3.1%減)、セグメント利益は4億8千4百万円で前年度比1億4千8百万円の増益(44.4%増)になりました。 「売上高・セグメント利益の年度別推移と四半期推移」 (百万円) なお、主要製品のセグメント利益率は以下のとおりです。 区 分2025年3月期2026年3月期増減(ポイント)ネトロン®△12.2%△17.4%△5.2一軸延伸フィルム2.9%6.2%3.3土木資材18.9%20.6%1.7農業資材1.0%2.2%1.2 (不動産賃貸事業)(単位:百万円)区 分2025年3月期2026年3月期増減額増減率売上高899011.4%セグメント利益5652△3△6.5% 不動産賃貸事業の当連結会計年度の業績は、売上高が9千万円で前年度比1百万円の増収(1.4%増)、セグメント利益は5千2百万円で前年度比3百万円の減益(6.5%減)になりました。 「売上高・セグメント利益の年度別推移と四半期推移」 (百万円) ②キャッシュ・フローの状況(単位:百万円)区 分2025年3月期2026年3月期増減額 営業活動によるキャッシュ・フロー2,2802,37594 投資活動によるキャッシュ・フロー△1,178981,276 フリー・キャッシュ・フロー1,1022,4731,371 財務活動によるキャッシュ・フロー△1,254△1,972△717 現金及び現金同等物の期末残高3,6954,229533 当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は42億2千9百万円で、前連結会計年度末に比べ5億3千3百万円の増加(14.4%増)となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、23億7千5百万円の収入となりました(前連結会計年度は22億8千万円の収入)。主な要因は、税金等調整前当期純利益25億7千9百万円、減価償却費16億2千9百万円、減損損失7億9千9百万円が計上され、売上債権の増加4億3千1百万円、棚卸資産の増加7億8百万円、仕入債務の増加2億4千4百万円、退職給付に係る資産の増加5億7千6百万円、有形固定資産売却益5億4千2百万円、投資有価証券売却益5億5百万円、法人税等の支払額の増加5億3千8百万円等によるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、9千8百万円の収入となりました(前連結会計年度は11億7千8百万円の支出)。主な要因は、有形固定資産の取得による支出19億4千4百万円、有形固定資産の売却による収入7億9千8百万円、無形固定資産の取得による支出6千3百万円、投資有価証券の売却による収入8億5千3百万円、出資金の清算分配金による収入6億1百万円等によるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、19億7千2百万円の支出となりました(前連結会計年度は12億5千4百万円の支出)。主な要因は、短期借入金の純減額11億円、長期借入による純増額4億2千万円、自己株式の取得による支出5億5千4百万円、配当金の支払額6億6千5百万円等によるものです。③生産、受注及び販売の実績 a.生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称生産数量合計(トン)前年同期比(%)インキ事業32,281(5,832)〔2,017〕114.4(110.0)〔135.8〕化成品事業43,214(171)〔17,705〕109.1(136.4)〔103.7〕加工品事業3,554(-)〔1,009〕91.2(-)〔96.0〕不動産賃貸事業-(-)〔-〕-(-)〔-〕合計79,051(6,004)〔20,732〕110.2(110.6)〔105.7〕(注)1 ( )内数字は自家消費分を示し、かつ内数であります。2 〔 〕内数字は外注分を示し、かつ内数であります。 b.商品仕入実績 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称仕入高(百万円)前年同期比(%)インキ事業1,565100.3化成品事業268101.7加工品事業2,86599.0不動産賃貸事業--合計4,69999.6 c.受注実績 当社グループは主として見込生産を行っております。なお、化成品の一部で受注生産を行っているものもありますが、特に受注残高を示すほどのものではありません。 d.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)インキ事業18,368112.4化成品事業23,887105.9加工品事業7,57996.9不動産賃貸事業90101.4合計49,926106.7(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 イ.当社グループの当連結会計年度の財政状態 ◆資産の部(単位:百万円)摘要2025年3月期2026年3月期増減額主な内容分析流動資産現預金3,6974,231533売上伸長に伴う流動性資金確保売上債権15,78516,240454売上伸長による売上債権の増加棚卸資産9,54210,266724商品及び製品+184、仕掛品+200、原材料及び貯蔵品+339その他704420△283前年度自己株式信託金の影響△280計29,72931,1591,429 固定資産有・無形固定資産13,71713,077△640ネトロン事業減損損失計上△799投資その他7,3859,4362,051・保有株式評価増+926、退職給付に係る資産+1,642・その他の投資△533計21,10222,5141,411 資産合計50,83253,6732,840成長投資に向けた手元流動性の確保継続 当連結会計年度末の総資産は536億7千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ28億4千万円増加いたしました。主な要因は、売上伸長による売上債権の増加4億5千4百万円、棚卸資産の増加7億2千4百万円、投資有価証券の時価上昇等による増加9億2千6百万円、退職給付に係る資産の増加16億4千2百万円等により増加しております。一方、加工品事業におけるネトロン事業の減損計上7億9千9百万円の影響により有・無形固定資産が6億4千万円減少しております。 セグメント資産の状況(単位:百万円) 2025年3月期2026年3月期増減額主な内容分析インキ事業18,46020,1361,675売上債権、棚卸資産の増加化成品事業21,49523,9202,425売上債権、棚卸資産の増加加工品事業6,9446,261△682売上債権、棚卸資産、固定資産の減少不動産賃貸事業604583△20 報告セグメント合計47,50450,9013,397 ◆負債の部(単位:百万円)摘要2025年3月期2026年3月期増減額主な内容分析流動負債仕入債務9,80010,051250原材料価格上昇、売上伸長に伴う仕入債務の増加短期借入金(1年内含)3,8192,856△962借入返済その他2,7373,044307未払法人税等増+188、未払費用+68他計16,35715,952△404 固定負債長期借入金2,9123,195283約定返済減、新規借入その他1,7312,418686繰延税金負債+715他計4,6435,613970 負債合計21,00021,566565調達余力の確保継続 当連結会計年度末の負債合計は215億6千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億6千5百万円増加いたしました。主な要因は、原材料価格上昇および売上伸長に伴う仕入債務の増加2億5千万円、未払法人税等の増加1億8千8百万円、繰延税金負債の増加7億1千5百万円、新規借入等による長期借入金の増加2億8千3百万円等で増加しております。一方、借入の返済により短期借入金(1年内含)は9億6千2百万円減少しております。 ◆純資産の部(単位:百万円)摘要2025年3月期2026年3月期増減額主な内容分析株主資本27,34827,993645利益剰余金増+1,200、自己株式の取得△554その他の包括利益累計額2,2823,8991,616保有株式評価増+847、為替換算調整勘定増+47、退職給付に係る調整累計額増+721非支配株主持分20021313 純資産合計29,83132,1062,275利益剰余金の大幅な増加に伴う自己資本比率ポイント上昇 当連結会計年度末の純資産は321億6百万円となり、前連結会計年度末に比べ22億7千5百万円増加いたしました。主な要因は、利益剰余金の増加12億円、投資有価証券の時価上昇に伴うその他有価証券評価差額金の増加8億4千7百万円、退職給付に係る調整累計額の増加7億2千1百万円等によるその他の包括利益累計額の増加16億1千6百万円等で増加しております。一方、自己株式の取得により自己株式は5億5千4百万円増加しております。 ロ.当社グループの当連結会計年度の経営成績 当社グループは、2026年3月期から2028年3月期までの3カ年にわたる中期経営計画「TOKYOink 2027」に基づき、持続的な成長に向けた各種施策を推進してまいりました。当連結会計年度の経営成績は、主力製品の市況回復に加え、各事業内における製品ポートフォリオの最適化を通じた高付加価値製品へのシフトや、適正な販売価格改定の実施等が奏功し、売上高、営業利益とも大きく向上しました。売上高と営業利益の増減要因分析は下記のとおりになります。 「売上高増減要因分析」 (単位:百万円) 主な売上高増加要因として、インキ事業のオフセットインキやグラビアインキのメディカルパッケージ向け製品、化成品事業の機能性包材用途向け製品、モビリティ用途向け製品等が増加したことによる販売数量要因で17億1千万円、また、製品ポートフォリオ見直しに伴う高付加価値製品へのシフトや、販売価格改定による販売価格差要因で13億6千4百万円増加となり、結果として前年度比31億1千9百万円の増収になりました。 「営業利益増減要因分析」 (単位:百万円)主な利益増加要因として、汎用製品の販売価格改定効果および高付加価値製品の売上比率増加に伴う交易条件(販売価格差異と原材料価格差異のネット影響額)改善で10億4千4百万円、需要期に向けた生産拡大による棚卸資産増加により3億2千4百万円、販売数量要因で2億8千9百万円の増加になりました。一方、主な利益減少要因として、人件費や減価償却費等の固定費増で4億6千7百万円、生産数量増加に伴う外注加工費、発送費等の変動費増で3億6千6百万円の減少になり、結果として、前年度比9億8百万円の増益になりました。 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。 (インキ事業)2026年3月期 実績内容分析 前期比オフセットインキ売上高・オフセット輪転インキを中心に重要顧客への販売強化および新規顧客開拓に取り組んだ結果、販売は堅調に推移・利益面では第3四半期の主要設備修繕に伴う一時的な経費増加により一定の影響を受けるも前期比プラス利益額グラビアインキ売上高・2025年4月から本格的に販売を開始したメディカルパッケージ用途向け製品が順調に推移したことに加え、注力製品である機能性インキ・コート剤が伸長し、前期比大幅プラス利益額インクジェットインク売上高・自社製品が伸び悩んだことに加え、欧州向け受託製品の受注が減少した結果、前期比マイナス利益額 今後のインキ事業につきましては、オフセットインキの市場縮小が続く一方で、グラビアインキはパッケージ用途を中心とした機能性ニーズの高まりを背景に、堅調に推移すると見込まれます。インクジェットインクは当社の強みを活かせる用途・技術に注力した製品ラインアップの拡充を進めてまいります。こうした成長が期待される領域に経営資源を重点的に投入し、事業内ポートフォリオの変革を通じて、利益の拡大を図ってまいります。 (化成品事業)2026年3月期 実績内容分析 前期比自社製品売上高・主力製品である機能性包材用途向け製品およびモビリティ用途向け製品が堅調に推移したことに加え、容器・シート用途向け製品も堅調であった結果、前期比プラス利益額受託製品売上高・光学用途向け製品が堅調に推移したことに加え、一時的な受注増もあり、前期比プラス・低収益製品の整理と高収益製品へのシフトは進捗に遅れ発生利益額海外(タイ)売上高・主力製品であるモビリティ用途向け製品および機能性包材用途向け製品が堅調に推移し、前期比プラス利益額 今後の化成品事業につきましては、日本国内における環境意識の高まりを背景とした市場ニーズの変化が継続すると想定されることから、低収益製品の整理や高付加価値製品へのシフトを進め、利益拡大を図ってまいります。この取り組みを支えるため、生産体制の再構築を目的とした新工場建設にも取り組み、自動化・省力化による生産効率の向上を図るとともに、将来の生産能力拡大等にも対応可能な整備を進めてまいります。併せて、成長が期待できる海外(タイ)では、モビリティ用途向け製品や機能性包材用途向け製品を中心に、事業領域の拡大に取り組んでまいります。 (加工品事業)2026年3月期 実績内容分析 前期比ネトロン®売上高・包装用途向け製品は比較的堅調であったものの、水処理用資材が市場における競争の激化をはじめとする諸要因継続の影響を受けた結果、前期比マイナス ・2026年3月期において減損損失を計上利益額一軸延伸フィルム 特長:直進カット性、形状保持性等売上高・産業用途フィルムは堅調であったものの、食品包装用途フィルムが低調に推移した結果、売上高は前期比マイナス、利益は高付加価値製品比率向上により前期比プラス利益額土木資材売上高・主力製品であるジオセル各工法(防災・減災用途向け製品・基礎地盤用途向け製品等)の需要が堅調に推移した結果、前期比プラス利益額農業資材 特長:保温性、 遮熱性等売上高・機能性農業資材エナジーシリーズが堅調であったことに加え、一部製品の利益率向上もあり、前期比プラス利益額 今後の加工品事業につきましては、引き続き国が推進する「国土強靭化計画」に貢献できる防災・減災用途向け製品を扱う土木資材の市場拡大が見込まれることから、新規工法の開発や既存工法のブラッシュアップを通じて、事業規模拡大を図ってまいります。ネトロン®は、収益性の確保が喫緊の課題となっております。このため、コスト削減の徹底や、採算性を重視した製品・用途の選別を進めるとともに、既存製品の付加価値向上による競争力の回復に取り組んでまいります。併せて、世界的な水資源確保に対する需要動向を注視しつつ、水処理用資材を中心とした販売体制の強化や、新規用途の可能性についても慎重に検討してまいります。一軸延伸フィルムと農業資材は、それぞれの特長を活かせる分野に向けて、製品の開発・拡販を推進してまいります。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性に係る情報a.キャッシュ・フローの状況の分析 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は42億2千9百万円で、前連結会計年度末に比べ5億3千3百万円の増加(14.4%増)となりました。 この資金の増加の主な要因は、製品ポートフォリオの最適化を通じた高付加価値製品へのシフトや、適正な販売価格改定等に伴う利益率の改善により営業キャッシュ・フローの増加したことに加え、経営資源の有効活用、資産効率向上を目的とした福岡支店および大阪支店の売却ならびに政策保有株式の縮減による投資活動によるキャッシュ・フローの増加等によるものであると考えます。 なお当社グループは、営業活動により獲得されたキャッシュ・フローと投資活動に支出されたキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローにつきまして、今後の事業展開に備えた設備等の投資や金融機関からの借入等負債返済へ充当可能な資金としての純額、若しくは、外部からの資金調達等の借入依存度を定量判断する目的として捉えており、基本的な考え方は、事業活動により獲得したキャッシュの創出額をベースに、投資の意思決定を経営判断していることから、当社の事業運営にとって有用な指標と認識しております。 また、キャッシュアロケーション方針として、事業活動により獲得したキャッシュおよびBSマネジメントの各種施策により創出したキャッシュを基本原資とし、成長・サステナ投資、R&D、戦略投資等の事業ポートフォリオ変革を実施するのに必要な投資や株主還元に振り向けることで、更なる企業価値の向上を目指します。 フリー・キャッシュ・フローの概況(5期分)(単位:百万円)区分2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期営業活動によるキャッシュ・フロー1,428△8931,9892,2802,375投資活動によるキャッシュ・フロー△1,0402,461△1,281△1,17898フリー・キャッシュ・フロー3871,5687081,1022,473 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費および仕入債務の増加等により、23億7千5百万円の収入となりました。当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却、投資有価証券の売却による収入等により、9千8百万円の収入になったため、フリー・キャッシュ・フローは、24億7千3百万円の収入となりました(前連結会計年度は11億2百万円の収入)。 なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりですが、分析や検討内容は以下のとおりであります。 連結キャッシュ・フローの主な分析(単位:百万円)項目2025年3月期2026年3月期増減額主な内容分析営業活動CF税金等調整前当期純利益1,5792,579999営業利益増、固定資産売却・政策保有株式売却による利益増減価償却費1,4831,629145 減損損失-799799ネトロン事業減損損失有形固定資産売却損益(△益)△0△542△541福岡支店・大阪支店売却投資有価証券売却損益(△益)△833△505327政策保有株式売却災害損失43-△43 売上債権の増減額(△増加)1,349△431△1,781売上増加に伴う売上債権増棚卸資産の増減額(△増加)347△708△1,056売上伸長への対応仕入債務の増減額(△減少)△1,3352441,580売上伸長に伴う仕入債務の増加法人税等の支払額△188△538△349課税所得増による増加その他△164△14914 小計2,2802,37594 投資活動CF有形固定資産の取得△1,943△1,944△1新規設備投資実施有形固定資産の売却0798797福岡支店・大阪支店売却投資有価証券の売却989853△135CGCに基づく政策保有株式売却継続出資金の清算分配金による収入-601601米国子会社出資先清算分配金その他△225△21015 小計△1,178981,276支店売却、米国子会社出資先清算分配金受領による大幅増財務活動CF短期借入金の純増減額△930△1,100△170借入返済長期借入金による収入1,3501,750400長期資金調達実施長期借入金の返済△1,065△1,329△264約定弁済による返済自己株式の取得による支出△218△554△336自己株式取得その他△390△738△347配当金支払、ファイナンスリース債務返済小計△1,254△1,972△717フリー・ キャッシュ・フローの大幅増を自己株式取得と配当金支払に充当 b.資本政策の基本的な方針 当社グループは、株主価値を中長期的に高めるために、持続的な成長が必要と考え、「資本効率の向上」、「強固な財務基盤の確保」、「株主還元」の3つのバランスを取ることを資本政策の基本としており、安定的かつ継続的な配当実施を基本方針としております。この基本方針を前提とし、配当性向40%以上またはDOE1.0%以上とする配当方針を策定しております。 当社は、2026年6月25日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「剰余金の処分の件」を提案しており、承認可決された場合の当連結会計年度の配当性向は42.7%となり前連結会計年度と同水準となります。 決算年月2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期自己資本利益率 (ROE)2.9%6.3%3.1%4.0%6.1%総資産経常利益率 (ROA)1.9%10.1%2.0%1.4%4.7%売上高営業利益率 (ROS)1.6%△0.1%1.8%2.8%4.4%配当性向(連結)28.9%25.5%29.8%42.7%42.7%自己資本利益率 (ROE):親会社株主に帰属する当期純利益/(純資産-非支配株主持分)総資産経常利益率 (ROA):経常利益/総資産売上高営業利益率 (ROS):営業利益/売上高配当性向(連結):1株当たり配当金/1株当たり当期純利益 c.財務戦略の基本的な考え方当社グループは資本政策に基づき、「株主資本の活用を最大化」、「強固な財務基盤の確保」、「株主還元の充実」を財務戦略として掲げております。従来までの健全性を重視した方針から前進し、最適資本構成の見直しを図り、持続的な企業価値向上を目指します。 当連結会計年度における財務戦略の主な取り組み、成果は以下のとおりです。・株主資本の活用を最大化 …… 政策保有株式の縮減、債権流動化の実施、福岡支店・大阪支店の売却実施・強固な財務基盤の確保 ……… シンジケートローン更新、調達余力の確保、金融コスト抑制・株主還元の充実 ……………… 普通配当の増配、自己株式取得、株式分割実施、株主優待制度の拡充 d.資金調達の基本的な方針 当社グループの主な資金需要として、短期的な資金需要は主として製造費用、販売費および一般管理費等運転資金であり、営業活動により獲得したキャッシュ・フローをベースに金融機関からの短期借入金により資金調達を行っております。また、長期的な資金需要は成長・サステナ投資、R&D、戦略投資等の成長戦略に向けた投資および株主還元としての自己株式取得や配当支払い等であり、主として内部留保資金の活用や金融機関からの長期借入金により資金調達を行っております。 当連結会計年度は、引き続き現預金等手許資金を月商の過半数超の水準で維持しつつ、事業展開に伴う資金調達、また急激な売上減少等事業環境悪化に備えた対応として、短期借入金や長期借入金の金融機関に対する信用枠を十分確保しております。 また、当社グループは、財務戦略の一環として親会社、子会社間においての資金効率を高める目的で、グループ内キャッシュ・マネジメント・システムを実施しております。グループ全体の資金状況を可視化し、外部からの調達は親会社主導による一元化、資金需要のある子会社へ最適配分する一方、余剰資金のある子会社から資金調達を行うことで資金効率化、流動性管理の高度化を図っております。 さらに、資金需要に柔軟に対応したバックアップラインの強化を図るため、コミットメントライン(短期借入金)形態によるシンジケートローン(極度設定額20億円)の更新を実施し、手許流動性の確保に努めました。 なお、当連結会計年度末のコミットメントライン設定額は50億円であり、内訳は相対契約30億円、シンジケートローン契約20億円であります。 同年度末の借入実行残高は8億2千万円、借入未実行残高は41億8千万円であります。 (参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移 2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期自己資本比率(%)54.056.755.758.359.4時価ベースの自己資本比率(%)12.614.717.621.131.7キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)6.4-3.83.02.6インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)43.1-67.358.041.7D/Eレシオ(倍)0.360.280.260.230.19自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払いD/Eレシオ:有利子負債/自己資本(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。(注5)2023年3月期におけるキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは営業キャッシュ・フローがマイナスであるため記載を省略しております。 2026年3月31日現在の自己資本比率は59.4%と前連結会計年度末と比較し、1.1ポイント上昇しております。製品販売価格改定の進捗による営業利益の増加等に伴う利益剰余金の増加によるものであります。 D/Eレシオ:有利子負債/自己資本Net D/Eレシオ:ネット有利子負債(有利子負債-現預金)/自己資本 2026年3月31日現在のD/Eレシオは0.19倍、ネットD/Eレシオは0.06倍であります。借入額の減少および純資産増加に伴い、前連結会計年度より低下いたしました。今後は自己資本の水準に加え、最適な資本構成および負債比率の観点から、適切な有利子負債の活用も含め、収益力の改善とのバランスを踏まえた資本政策を進めてまいります。 2026年3月31日現在、短期借入金、長期借入金およびリース債務の内訳は以下のとおりであり、有利子負債の合計は62億1千7百万円となっております。(契約債務)2026年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。 年度別要支払額(百万円) 契約債務合計1年以内1年超3年以内3年超5年以内5年超短期借入金1,4001,400---長期借入金4,6521,4562,208987-リース債務165608222-(注) 連結貸借対照表の1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、1923年12月に印刷用インキの製造・販売からスタートし、各種プラスチック着色剤や機能性製品、特殊な成形加工技術を駆使した樹脂加工品へと事業範囲を拡大しながら、暮らしの中でなくてはならない製品を提供し続けております。パーパス(存在意義)として『「伝える」「彩る」「守る」ことで、豊かな未来を実現する』、ビジョン(企業理念)として「暮らしを彩る、暮らしに役立つものづくりで、社会に貢献する。」、ミッション(目指すべき企業像)として「色彩を軸に、市場が求める価値をお客様と共に創造、実現し続ける企業。」を掲げ、日々活動しております。また、従業員のバリュー(行動指針)として、「挑戦し続ける」、「イノベーションで価値を創造する」、「共に成長する」を掲げております。 当社グループのパーパス(存在意義)には、印刷物やプラスチック容器等を通して、人と人との間をつなぎ、「伝える」ことで暮らしに貢献する、多種多様な色材の提供により、身の回りを「彩る」ことで生活を豊かにする、バイオマス製品や様々な機能性製品および防災・減災用途に使用される土木資材等の提供により、地球や生活を「守る」ことで社会に貢献するという想いを込めております。 パーパス(存在意義)とバリュー(行動指針)の浸透を推し進めることで、新たな価値を創造できる人材を創出し、マインドの醸成を図り、高効率で安定した企業基盤構築を目指してまいります。また、製品・サービスを通じて持続可能な価値を提供し、環境・社会と共存共栄できる企業経営を推進してまいります。 (2)経営環境 2024年度のわが国の経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調が継続されました。一方で、原材料価格の高止まり、円安とエネルギーコスト上昇等による物価高は依然として続いており、米国の政権交代による政策動向の変化が各国の政治、経済に及ぼす影響は現時点では不透明であり、為替相場の変動や不安定な国際情勢の継続等により、景気の先行きは不透明な状況が継続しております。 また、近年のデジタル技術の急速な進化により行動様式に変化が見られることで、商業・出版印刷のデジタル化へのシフトが加速していることや、サステナビリティへの意識の高まりによる環境対応の流れが加速していることにより、当社グループ製品の需要動向全体に影響が及んでおり、環境規制等による原材料の供給面等にも影響が生じております。 現在の地球環境やライフスタイルの変化に対応し、これからも人々の生活の質の向上・充実のための「伝える」製品、「彩る」製品および地球環境保全や気候変動、食品ロスなどの社会課題を解決するための「守る」製品を提供し続けることで、2030年に目指す姿である「持続可能な価値を提供し続ける企業グループへ」の実現を目指してまいります。 (3)経営戦略および優先的に対処すべき課題 ①長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」当社グループは、2023年12月に創立100周年を迎えたタイミングに、2030年に目指す姿として「持続可能な価値を提供し続ける企業グループへ」を掲げた長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」を策定いたしました。その際、当社グループは、これからの持続可能な社会のために何ができるのかを問い直し、パーパス(存在意義)を明文化いたしました。 パーパス(存在意義)『「伝える」「彩る」「守る」ことで、豊かな未来を実現する』 長期ビジョンの実現に向け、当社グループは、優先的に対処すべき課題として、マテリアリティ(重要課題)を決定し、その達成のためのアプローチを下記のとおり設定しております。 詳細につきましては、当社ホームページもしくは下記URLよりご覧ください。https://www.tokyoink.co.jp/about/long_term_vision/ 具体的な施策や指標については、期間中の中期経営計画の中で決定し推進してまいります。 ②営業利益とROE推移 中期経営計画「TOKYOink 2020」(2016年度から2021年度の6カ年計画)および中期経営計画「TOKYOink2024」(2022年度から2024年度の3カ年計画)の期間において、加工品事業における防災・減災用途は堅調に推移するも、インキ事業におけるオフセット印刷市場の縮小、化成品事業における着色用途の減少、新型コロナウイルス感染症の影響や原材料価格上昇の影響等により、2019年度から2022年度の間、営業利益は低調に推移いたしましたが、2023年度以降は製品販売価格改定の進捗と高付加価値製品の伸長により回復してきております。(単位:百万円)棒グラフ:営業利益 折線グラフ:自己資本利益率(ROE) ③中期経営計画「TOKYOink 2027」策定 前中期経営計画「TOKYOink 2024」の結果を踏まえ、長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」実現に向け、「変革の実践」と位置付けた、2025年度を初年度とする3カ年計画である中期経営計画「TOKYOink 2027」を策定いたしました。高付加価値品への製品ポートフォリオのシフト、高効率化による収益性の向上により、目標達成を目指してまいります。 経営目標単位2024年度実績2027年度目標2030年度目標売上高百万円46,80648,00050,000営業利益百万円1,3092,0002,800当期純利益百万円1,1801,5002,000自己資本利益率(ROE)%4.05.58.0総資産百万円50,83250,00050,000自己資本百万円29,63027,00025,000自己資本比率%58.354.050.0 インキ事業 化成品事業 加工品事業(単位:百万円) 収益計画・製品絞り込み(収益の見込めない製品の見直し)⇒各事業内製品の収益性を見極めながら整理を実施・市場ニーズに合わせた付加価値の高い製品開発(サステナブル対応製品など)・既存事業内の成長分野への投資拡大⇒成長の見込める加工品事業への積極投資の実施・原材料、エネルギー等のコスト上昇分の価格転嫁の推進・省力化、自動化による業務効率化促進資本政策財務戦略・株主資本の活用を最大化 資産効率を重視したキャッシュの創出 政策保有株式の縮減 債権流動化、キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)の改善・強固な財務基盤の確保 成長戦略に基づく投資資金計画立案(創出したキャッシュ及び有利子負債の活用)⇒R&D・M&A等の大型投資に対する機動的な資金調達・株主還元の充実 配当性向40%以上またはDOE1.0%以上 株主還元総額30億円(2025年3月期から2028年3月期までの期間において、 配当25億円、自己株式取得5億円) ※2025年3月期実績 配当4.9億円(予定)、自己株式取得2.1億円 株式分割の検討(流動性向上) イ.事業ポートフォリオ変革 既存事業内での高付加価値製品、サステナブル対応製品の構成比アップ、周辺領域探索による事業領域拡大、生産体制の再構築、効率化・自動化の推進による高収益化、新規事業探索から新たな事業の創出等の取り組みを進めてまいります。 ロ.主要3事業の戦略と目標インキ事業オフセットインキでの選択と集中による利益の最大化、グラビアインキ、インクジェットインクでの機能性製品の伸長により事業内のポートフォリオを変革し、利益拡大を目指してまいります。 オフセットインキ オフセット輪転インキ その他選択と集中による利益の最大化グラビアインキ 機能性製品・汎用製品・ 医薬包装製品機能性製品を軸とした事業規模の拡大インクジェットインク 受託製品・自社製品受託・自社製品両輪での利益拡大(単位:百万円) 2021年度2022年度2023年度2024年度2027年度イメージ売上高13,19714,02614,52916,34116,600セグメント利益又は損失(△)△186△673288563870 化成品事業機能性包材用途を中心とした自社製品の販売強化とASEAN地域での販売促進により収益力改善を目指してまいります。 自社製品 マスターバッチ コンパウンド自社製品比率の拡大と注力分野への取り組み強化(モビリティ、情報通信、デジタルデバイス他)受託製品 マスターバッチ コンパウンド製品構成の見直しと生産効率化海外(タイ)ASEAN地域における販売推進(単位:百万円) 2021年度2022年度2023年度2024年度2027年度イメージ売上高20,24321,28321,35022,54922,800セグメント利益712419190605650 加工品事業市場成長が期待される土木資材の事業規模の拡大を軸に、ネトロン®、一軸延伸フィルム、農業資材における高機能製品開発・拡販により収益拡大を目指してまいります。 ネトロン®工材・包材既存製品の収益向上と新規市場開拓一軸延伸フィルム食品包装および産業用途展開による収益拡大土木資材ジオセル販売の加速農業資材エナジーシリーズ販売拡大(エナジーキーパー®、エナジークロス®)(注)ネトロン®は三井化学株式会社の登録商標です。(単位:百万円) 2021年度2022年度2023年度2024年度2027年度イメージ売上高7,8718,0147,9537,8258,500セグメント利益352524516335670 サステナブル対応製品環境負荷低減、社会課題解決に寄与できる高付加価値製品であるサステナブル対応製品の伸長により収益拡大を目指してまいります。 2024年度実績2027年度イメージ2030年度目標サステナブル対応製品売上高比率23.8%30~40%50%※対象組織:当社 サステナブル対応製品定義・バイオマス素材の積極的な採用や、生分解、リサイクルに対応した設計を盛り込んだ、環境に配慮した製品・従来型の工法ではなく、環境に配慮した工法に向けた製品・人々の生活や財産を守り、社会課題の積極的な解決に貢献する製品 ハ.資本政策・財務戦略 ニ.サステナビリティへの取り組みE(環境) 気候変動対応を重要な社会的責任と捉え、温室効果ガス排出量の削減を実施いたします。 2024年度実績2027年度イメージ2030年度目標温室効果ガス排出量削減率(対2013年度 Scope1、2)※△24.1%△40.0%△50.0%※対象組織:当社国内グループ S(社会)人権と人的資本 パーパスの浸透と多様性の確保により、人的資本を高めるよう努めてまいります。 2024年度実績2027年度目標2030年度目標パーパス理解度46.1%70%80%バリュー評価達成率65.6%80%90%エンゲージメントスコア(満足度)5.9(10点中)7.0(同)8.0(同)女性管理職比率2.1%10%20%中途採用管理職比率18.6%25%30%教育研修費(年/人)31,920円40,000円40,000円以上※対象組織:当社 健康経営 活気ある職場作りに向け、従業員の健康への取り組みを実施いたします。 2024年度実績目標定期健康診断受診率100.0%100%喫煙率27.8%20%適正体重者比率63.0%70%高ストレス者比率16.7%12%平均年次有給休暇取得率71.2%80%※対象組織:当社 労働安全衛生 従業員を守るための安全・安心な職場の実現を目指してまいります。 2024年度実績目標強度率0.020度数率0.670※対象組織:連結 強度率:延べ実労働時間1,000時間当たりの労働損失日数で、災害の重さの程度を表す指標。度数率:延べ実労働時間100万時間当たりの労働災害による死傷者数で災害発生の頻度を表す指標。 社会貢献活動 社会貢献活動を通じて、地域社会との関係構築や従業員育成を図ってまいります。 2024年度実績目標(年)活動参加延べ人数2,210人2,500人※対象組織:連結 G(ガバナンス)ガバナンス体制の強化 企業価値の向上、競争力の強化に向けて、ガバナンス体制を強化してまいります。 ホ.モニタリング体制とKPIマネジメント 詳細につきましては、当社ホームページもしくは下記URLよりご覧ください。 中期経営計画「TOKYOink 2027」掲載URLhttps://www.tokyoink.co.jp/ir/management/mid-termplan/
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、1923年12月に印刷用インキの製造・販売からスタートし、各種プラスチック着色剤や機能性製品、特殊な成形加工技術を駆使した樹脂加工品へと事業範囲を拡大しながら、暮らしの中でなくてはならない製品を提供し続けております。パーパス(存在意義)として『「伝える」「彩る」「守る」ことで、豊かな未来を実現する』、ビジョン(企業理念)として「暮らしを彩る、暮らしに役立つものづくりで、社会に貢献する。」、ミッション(目指すべき企業像)として「色彩を軸に、市場が求める価値をお客様と共に創造、実現し続ける企業。」を掲げ、日々活動しております。また、従業員のバリュー(行動指針)として、「挑戦し続ける」、「イノベーションで価値を創造する」、「共に成長する」を掲げております。 当社グループのパーパス(存在意義)には、印刷物やプラスチック容器等を通して、人と人との間をつなぎ、「伝える」ことで暮らしに貢献する、多種多様な色材の提供により、身の回りを「彩る」ことで生活を豊かにする、バイオマス製品や様々な機能性製品および防災・減災用途に使用される土木資材等の提供により、地球や生活を「守る」ことで社会に貢献するという想いを込めております。 パーパス(存在意義)とバリュー(行動指針)の浸透を推し進めることで、新たな価値を創造できる人材を創出し、マインドの醸成を図り、高効率で安定した企業基盤構築を目指してまいります。また、製品・サービスを通じて持続可能な価値を提供し、環境・社会と共存共栄できる企業経営を推進してまいります。 (2)経営環境 2024年度のわが国の経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調が継続されました。一方で、原材料価格の高止まり、円安とエネルギーコスト上昇等による物価高は依然として続いており、米国の政権交代による政策動向の変化が各国の政治、経済に及ぼす影響は現時点では不透明であり、為替相場の変動や不安定な国際情勢の継続等により、景気の先行きは不透明な状況が継続しております。 また、近年のデジタル技術の急速な進化により行動様式に変化が見られることで、商業・出版印刷のデジタル化へのシフトが加速していることや、サステナビリティへの意識の高まりによる環境対応の流れが加速していることにより、当社グループ製品の需要動向全体に影響が及んでおり、環境規制等による原材料の供給面等にも影響が生じております。 現在の地球環境やライフスタイルの変化に対応し、これからも人々の生活の質の向上・充実のための「伝える」製品、「彩る」製品および地球環境保全や気候変動、食品ロスなどの社会課題を解決するための「守る」製品を提供し続けることで、2030年に目指す姿である「持続可能な価値を提供し続ける企業グループへ」の実現を目指してまいります。 (3)経営戦略および優先的に対処すべき課題 ①長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」当社グループは、2023年12月に創立100周年を迎えたタイミングに、2030年に目指す姿として「持続可能な価値を提供し続ける企業グループへ」を掲げた長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」を策定いたしました。その際、当社グループは、これからの持続可能な社会のために何ができるのかを問い直し、パーパス(存在意義)を明文化いたしました。 パーパス(存在意義)『「伝える」「彩る」「守る」ことで、豊かな未来を実現する』 長期ビジョンの実現に向け、当社グループは、優先的に対処すべき課題として、マテリアリティ(重要課題)を決定し、その達成のためのアプローチを下記のとおり設定しております。 詳細につきましては、当社ホームページもしくは下記URLよりご覧ください。https://www.tokyoink.co.jp/about/long_term_vision/ 具体的な施策や指標については、期間中の中期経営計画の中で決定し推進してまいります。 ②営業利益とROE推移 中期経営計画「TOKYOink 2020」(2016年度から2021年度の6カ年計画)および中期経営計画「TOKYOink2024」(2022年度から2024年度の3カ年計画)の期間において、加工品事業における防災・減災用途は堅調に推移するも、インキ事業におけるオフセット印刷市場の縮小、化成品事業における着色用途の減少、新型コロナウイルス感染症の影響や原材料価格上昇の影響等により、2019年度から2022年度の間、営業利益は低調に推移いたしましたが、2023年度以降は製品販売価格改定の進捗と高付加価値製品の伸長により回復してきております。(単位:百万円)棒グラフ:営業利益 折線グラフ:自己資本利益率(ROE) ③中期経営計画「TOKYOink 2027」策定 前中期経営計画「TOKYOink 2024」の結果を踏まえ、長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」実現に向け、「変革の実践」と位置付けた、2025年度を初年度とする3カ年計画である中期経営計画「TOKYOink 2027」を策定いたしました。高付加価値品への製品ポートフォリオのシフト、高効率化による収益性の向上により、目標達成を目指してまいります。 経営目標単位2024年度実績2027年度目標2030年度目標売上高百万円46,80648,00050,000営業利益百万円1,3092,0002,800当期純利益百万円1,1801,5002,000自己資本利益率(ROE)%4.05.58.0総資産百万円50,83250,00050,000自己資本百万円29,63027,00025,000自己資本比率%58.354.050.0 インキ事業 化成品事業 加工品事業(単位:百万円) 収益計画・製品絞り込み(収益の見込めない製品の見直し)⇒各事業内製品の収益性を見極めながら整理を実施・市場ニーズに合わせた付加価値の高い製品開発(サステナブル対応製品など)・既存事業内の成長分野への投資拡大⇒成長の見込める加工品事業への積極投資の実施・原材料、エネルギー等のコスト上昇分の価格転嫁の推進・省力化、自動化による業務効率化促進資本政策財務戦略・株主資本の活用を最大化 資産効率を重視したキャッシュの創出 政策保有株式の縮減 債権流動化、キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)の改善・強固な財務基盤の確保 成長戦略に基づく投資資金計画立案(創出したキャッシュ及び有利子負債の活用)⇒R&D・M&A等の大型投資に対する機動的な資金調達・株主還元の充実 配当性向40%以上またはDOE1.0%以上 株主還元総額30億円(2025年3月期から2028年3月期までの期間において、 配当25億円、自己株式取得5億円) ※2025年3月期実績 配当4.9億円(予定)、自己株式取得2.1億円 株式分割の検討(流動性向上) イ.事業ポートフォリオ変革 既存事業内での高付加価値製品、サステナブル対応製品の構成比アップ、周辺領域探索による事業領域拡大、生産体制の再構築、効率化・自動化の推進による高収益化、新規事業探索から新たな事業の創出等の取り組みを進めてまいります。 ロ.主要3事業の戦略と目標インキ事業オフセットインキでの選択と集中による利益の最大化、グラビアインキ、インクジェットインクでの機能性製品の伸長により事業内のポートフォリオを変革し、利益拡大を目指してまいります。 オフセットインキ オフセット輪転インキ その他選択と集中による利益の最大化グラビアインキ 機能性製品・汎用製品・ 医薬包装製品機能性製品を軸とした事業規模の拡大インクジェットインク 受託製品・自社製品受託・自社製品両輪での利益拡大(単位:百万円) 2021年度2022年度2023年度2024年度2027年度イメージ売上高13,19714,02614,52916,34116,600セグメント利益又は損失(△)△186△673288563870 化成品事業機能性包材用途を中心とした自社製品の販売強化とASEAN地域での販売促進により収益力改善を目指してまいります。 自社製品 マスターバッチ コンパウンド自社製品比率の拡大と注力分野への取り組み強化(モビリティ、情報通信、デジタルデバイス他)受託製品 マスターバッチ コンパウンド製品構成の見直しと生産効率化海外(タイ)ASEAN地域における販売推進(単位:百万円) 2021年度2022年度2023年度2024年度2027年度イメージ売上高20,24321,28321,35022,54922,800セグメント利益712419190605650 加工品事業市場成長が期待される土木資材の事業規模の拡大を軸に、ネトロン®、一軸延伸フィルム、農業資材における高機能製品開発・拡販により収益拡大を目指してまいります。 ネトロン®工材・包材既存製品の収益向上と新規市場開拓一軸延伸フィルム食品包装および産業用途展開による収益拡大土木資材ジオセル販売の加速農業資材エナジーシリーズ販売拡大(エナジーキーパー®、エナジークロス®)(注)ネトロン®は三井化学株式会社の登録商標です。(単位:百万円) 2021年度2022年度2023年度2024年度2027年度イメージ売上高7,8718,0147,9537,8258,500セグメント利益352524516335670 サステナブル対応製品環境負荷低減、社会課題解決に寄与できる高付加価値製品であるサステナブル対応製品の伸長により収益拡大を目指してまいります。 2024年度実績2027年度イメージ2030年度目標サステナブル対応製品売上高比率23.8%30~40%50%※対象組織:当社 サステナブル対応製品定義・バイオマス素材の積極的な採用や、生分解、リサイクルに対応した設計を盛り込んだ、環境に配慮した製品・従来型の工法ではなく、環境に配慮した工法に向けた製品・人々の生活や財産を守り、社会課題の積極的な解決に貢献する製品 ハ.資本政策・財務戦略 ニ.サステナビリティへの取り組みE(環境) 気候変動対応を重要な社会的責任と捉え、温室効果ガス排出量の削減を実施いたします。 2024年度実績2027年度イメージ2030年度目標温室効果ガス排出量削減率(対2013年度 Scope1、2)※△24.1%△40.0%△50.0%※対象組織:当社国内グループ S(社会)人権と人的資本 パーパスの浸透と多様性の確保により、人的資本を高めるよう努めてまいります。 2024年度実績2027年度目標2030年度目標パーパス理解度46.1%70%80%バリュー評価達成率65.6%80%90%エンゲージメントスコア(満足度)5.9(10点中)7.0(同)8.0(同)女性管理職比率2.1%10%20%中途採用管理職比率18.6%25%30%教育研修費(年/人)31,920円40,000円40,000円以上※対象組織:当社 健康経営 活気ある職場作りに向け、従業員の健康への取り組みを実施いたします。 2024年度実績目標定期健康診断受診率100.0%100%喫煙率27.8%20%適正体重者比率63.0%70%高ストレス者比率16.7%12%平均年次有給休暇取得率71.2%80%※対象組織:当社 労働安全衛生 従業員を守るための安全・安心な職場の実現を目指してまいります。 2024年度実績目標強度率0.020度数率0.670※対象組織:連結 強度率:延べ実労働時間1,000時間当たりの労働損失日数で、災害の重さの程度を表す指標。度数率:延べ実労働時間100万時間当たりの労働災害による死傷者数で災害発生の頻度を表す指標。 社会貢献活動 社会貢献活動を通じて、地域社会との関係構築や従業員育成を図ってまいります。 2024年度実績目標(年)活動参加延べ人数2,210人2,500人※対象組織:連結 G(ガバナンス)ガバナンス体制の強化 企業価値の向上、競争力の強化に向けて、ガバナンス体制を強化してまいります。 ホ.モニタリング体制とKPIマネジメント 詳細につきましては、当社ホームページもしくは下記URLよりご覧ください。 中期経営計画「TOKYOink 2027」掲載URLhttps://www.tokyoink.co.jp/ir/management/mid-termplan/
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①経営成績等の概況 当連結会計年度の業績は下記のとおりであります。(単位:百万円)区 分2024年3月期2025年3月期増減額増減率売上高43,92246,8062,8846.6%営業利益7681,30954070.3%経常利益986705△281△28.5%親会社株主に帰属する当期純利益8811,18029833.9% 当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)におけるわが国の経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調が継続されました。一方で、原材料価格の高止まり、円安とエネルギーコスト上昇等による物価高は依然として続いており、米国の政権交代による政策動向の変化が各国の政治、経済に及ぼす影響は現時点では不透明であり、為替相場の変動や不安定な国際情勢の継続等により、景気の先行きは不透明な状況が継続しております。 このような状況の中、当社グループは、競争力強化と顧客満足の向上および製品の販売価格改定に取り組んでまいりました。 この結果、下記の表に記載のとおり、当連結会計年度の業績は、製品の販売価格改定が一定程度進捗したことおよび販売活動を強化したこと等により、売上高が468億6百万円で前年度比28億8千4百万円の増収(6.6%増)、営業利益は13億9百万円で、前年度比5億4千万円の増益(70.3%増)となりました。経常利益は7億5百万円で、米国連結子会社である東京インキ株式会社U.S.A.における出資金運用損8億円の計上および外貨建資産の為替評価等の影響により、前年度比2億8千1百万円の減益(28.5%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は11億8千万円で、政策保有株式の縮減に伴う投資有価証券売却益8億3千3百万円の計上および2023年12月に連結子会社である荒川塗料工業株式会社で発生した火災に伴う受取保険金1億8千5百万円の計上等により、前年度比2億9千8百万円の増益(33.9%増)となりました。 今後のわが国の経済については、緩やかな回復基調が継続すると見込んでおります。一方で、米国の政策動向による経済への下振れリスクに対する警戒感が強まっており、また、物価高の長期化による消費マインド自体の低下や、不安定な国際情勢等の継続による当社グループの業績への影響が不透明であるため、引き続き市況を注視しつつ、持続的成長と中長期的な企業価値向上に努めてまいります。「売上高年度別推移」 (百万円) 「営業利益(損失△)年度別推移」 (百万円) 「経営成績の四半期推移」 (百万円) セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。 当社グループの報告セグメントはインキ事業、化成品事業、加工品事業、不動産賃貸事業から構成されており、当連結会計年度の売上高とセグメント利益の構成は以下のとおりであります。 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。 なお、2023年3月期の期首より全社費用の区分を見直しております。それに伴い、各事業のセグメント利益または損失(△)については2022年3月期からの数値を記載しております。 (インキ事業)(単位:百万円)区 分2024年3月期2025年3月期増減額増減率売上高14,52916,3411,81112.5%セグメント利益28856327495.3% インキ事業における各製品の当連結会計年度の概況をご報告いたします。 オフセットインキおよび印刷用材料は、産業構造の変化に伴う市場縮小が継続する中、選択と集中を進めることで利益確保に努めてまいりました。前年度に実施した製品販売価格改定効果に加え、引き続き、重要顧客への販売強化を行った結果、売上高・利益ともに前年度に比べ増加いたしました。 グラビアインキは、安定した食品パッケージ市場において、印刷物に各種機能を付与する機能性製品の拡販を中心に、利益改善に努めてまいりました。前年度に実施した製品販売価格改定効果および機能性製品が伸長したことに加え、第3四半期より株式会社T&K TOKAから承継した製品の販売が本格化した結果、前年度に比べ売上高は増加し、利益は改善いたしました。なお、株式会社T&K TOKAからのグラビアインキ関連事業の承継は計画通り、2025年3月31日付にて完了いたしました。 インクジェットインクは、産業用途市場が堅調に推移する中、受託製品と自社製品の両輪により利益拡大に努めてまいりました。海外向けの受託製品および建材用途等の自社製品が堅調に推移した結果、売上高・利益ともに前年度に比べ増加いたしました。 この結果、上記の表に記載のとおり、インキ事業の当連結会計年度の業績は、前年度に比べ増収増益になりました。 今後のインキ事業につきまして、オフセットインキ市場の縮小が継続することが考えられますので、より一層の選択と集中により、事業構造の改革を進めてまいります。グラビアインキおよびインクジェットインク市場は堅調に推移することが見込まれますので、利益拡大に向けた製品開発および販売活動強化に努めてまいります。事業全体を通じて、持続可能な社会の実現に向け、環境負荷低減もしくは社会貢献に寄与する製品(以下、サステナブル対応製品)の開発・拡販を進めてまいります。 「売上高・セグメント利益の年度別推移と四半期推移」 (百万円) (化成品事業)(単位:百万円)区 分2024年3月期2025年3月期増減額増減率売上高21,35022,5491,1995.6%セグメント利益190605415217.7% 化成品事業における各製品の当連結会計年度の概況をご報告いたします。 化成品事業は、プラスチック用着色剤・機能性付与剤であるマスターバッチおよび樹脂コンパウンドを中心に事業を展開し、利益改善に努めてまいりました。 自社製品は、国内自動車生産台数の減少影響が継続する中、自動車用途向け製品の販売活動を強化した結果、前年度に比べ増加いたしました。また、プラスチック製消耗材市場の縮小が継続する中、市況が大きく落ち込んだ前年度に比べ、フィルムおよび容器用途製品等が増加した結果、売上高は増加いたしました。 受託製品は、前年度に比べ、受注数量が増加したことに加え、引き続き光学用途製品が好調に推移した結果、売上高は増加いたしました。 この結果、上記の表に記載のとおり、化成品事業の当連結会計年度の業績は、前年度に実施した製品販売価格改定効果に加え、海外事業におけるタイ国の業績が堅調に推移したこともあり、前年度に比べ増収増益になりました。 今後の化成品事業につきまして、国内におけるプラスチック製消耗材市場縮小の継続が考えられます。そのため、国内の事業領域を周辺領域まで拡げることに加え、ASEAN地域の成長に合わせた海外事業拡大により、利益改善に努めてまいります。また持続可能な社会の実現に向け、プラスチックリサイクルに貢献できるサステナブル対応製品の開発・拡販を進めてまいります。 「売上高・セグメント利益の年度別推移と四半期推移」 (百万円) (加工品事業)(単位:百万円)区 分2024年3月期2025年3月期増減額増減率売上高7,9537,825△127△1.6%セグメント利益516335△181△35.1% 加工品事業における各製品の当連結会計年度の概況をご報告いたします。 幅広い分野にプラスチック製品を提供している加工品事業は、回転異形成形技術を駆使したネトロン®、一軸延伸フィルム、土木資材、農業資材を中心に利益拡大に努めてまいりました。 ネトロン®の売上高は、製品販売価格改定効果があったものの、第2四半期に発生した原材料メーカーのプラント事故の影響に加え、顧客におけるBCP対策による受注減等の影響により、前年度に比べ減少いたしました。また、利益は売上高の減少に加え、生産体制の再構築に伴う一時的な経費増加も影響し、減少いたしました。 一軸延伸フィルムの売上高は、産業用途フィルムの増加および製品販売価格改定効果等により、前年度に比べ増加いたしました。一方、利益は在庫の受払調整の影響等により減少いたしました。 土木資材の売上高は、引き続き、当社主軸製品であるジオセル各工法が防災・減災用途および基礎地盤用途等で需要が高まり、前年度に比べ増加したものの、一般土木資材が低調であった影響が大きく、減少いたしました。一方、利益は高付加価値品が伸長した影響等により、増加いたしました。 農業資材の売上高は、燃油使用量削減に寄与する保温資材等の高機能製品が減少したものの、一般農業資材が増加したことにより、前年度に比べ増加いたしました。一方、利益は前年度並みとなりました。 この結果、上記の表に記載のとおり、加工品事業の当連結会計年度の業績は、ネトロン®の影響が大きく、前年度に比べ減収減益になりました。 今後の加工品事業につきまして、ネトロン®は、市場成長が期待できる水処理用資材を中心に業績の改善に努めてまいります。一軸延伸フィルムは、食品包装用途と産業用途を中心に利益の向上を目指してまいります。土木資材は、引き続き国が推進している「国土強靭化計画」に貢献できる防災・減災用途製品を中心に更なる成長を目指してまいります。農業資材は、保温資材等の高機能製品の製品開発・拡販により、利益の向上を目指してまいります。また、事業全体を通じて、持続可能な社会の実現に向けたサステナブル対応製品の開発・拡販を進めてまいります。 (注)ネトロン®は三井化学株式会社の登録商標です。 「売上高・セグメント利益の年度別推移と四半期推移」 (百万円) (不動産賃貸事業)(単位:百万円)区 分2024年3月期2025年3月期増減額増減率売上高888911.2%セグメント利益555601.6% 不動産賃貸事業は、賃貸戸建て住宅「パレットパークタウン」および本社ビル賃貸オフィスの稼働が堅調に推移いたしました。 この結果、上記の表に記載のとおり、不動産賃貸事業の当連結会計年度の業績は、前年度並みとなりました。 「売上高・セグメント利益の年度別推移と四半期推移」 (百万円) ②財政状態の状況(単位:百万円)区 分2024年3月期2025年3月期増減額増減率資産52,46650,832△1,634△3.1%負債23,06721,000△2,066△9.0%純資産29,39829,8314321.5% 当連結会計年度末の総資産は508億3千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ16億3千4百万円減少いたしました。主な要因は、受取手形の減少3億6千万円、売掛金の増加1億6千9百万円、債権流動化実施に伴う影響等による電子記録債権の減少11億6千4百万円、棚卸資産の減少3億2千1百万円、有形固定資産の増加7億1千7百万円および政策保有株式縮減に伴う影響等による投資有価証券の減少5億円等によるものです。 負債合計は210億円となり、前連結会計年度末に比べ20億6千6百万円減少いたしました。主な要因は、支払手形及び買掛金の減少13億2千7百万円、債権流動化実施に伴う資金調達等による短期借入金の減少9億3千万円、1年内返済長期借入金の増加2億5千4百万円、未払法人税等の増加2億1千9百万円および繰延税金負債の減少1億8千万円等によるものです。 純資産の部は298億3千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億3千2百万円増加いたしました。主な要因は利益剰余金の増加8億6千1百万円、自己株式の取得による自己株式の増加2億1千8百万円、政策保有株式縮減に伴うその他有価証券評価差額金の減少等によるその他の包括利益累計額の減少2億1千9百万円等によるものです。 なお、当社は、資本効率の向上を意識した機動的な株主還元策の一環として、株主利益の向上を図るため、2025年2月7日開催の取締役会において、自己株式の取得を決議いたしました。本決議に基づき、取得する株式の総数を15万株(上限)、取得価額の総額を5億円(上限)とし、2025年2月10日より株式会社東京証券取引所における市場買付けにより自己株式の取得を開始しております。当連結会計年度末時点における、当該決議に基づき取得した自己株式の取得価額の総額累計は、2億1千7百万円となります。 ③キャッシュ・フローの状況(単位:百万円)区 分2024年3月期2025年3月期増減額 営業活動によるキャッシュ・フロー1,9892,280290 投資活動によるキャッシュ・フロー△1,281△1,178102 フリー・キャッシュ・フロー7081,102393 財務活動によるキャッシュ・フロー△398△1,254△855 現金及び現金同等物の期末残高3,7343,695△39 当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は36億9千5百万円で、前連結会計年度末に比べ3千9百万円の減少(1.1%減)となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、22億8千万円の収入となりました(前連結会計年度は19億8千9百万円の収入)。主な要因は、税金等調整前当期純利益15億7千9百万円、減価償却費14億8千3百万円が計上され、売上債権の減少13億4千9百万円、棚卸資産の減少3億4千7百万円、仕入債務の減少13億3千5百万円、退職給付に係る資産の増加5億4千4百万円、投資有価証券売却益8億3千3百万円、出資金運用損8億円、役員退職慰労引当金の減少2億6百万円、法人税等の支払額の増加1億8千8百万円等によるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、11億7千8百万円の支出となりました(前連結会計年度は12億8千1百万円の支出)。主な要因は、有形固定資産の取得による支出19億4千3百万円、無形固定資産の取得による支出2億1千1百万円、投資有価証券の売却による収入9億8千9百万円等によるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、12億5千4百万円の支出となりました(前連結会計年度は3億9千8百万円の支出)。主な要因は、短期借入金の純減額9億3千万円、長期借入による純増額2億8千4百万円、自己株式の取得による支出2億1千8百万円、配当金の支払額3億1千7百万円等によるものです。④生産、受注及び販売の実績 a.生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称生産数量合計(トン)前年同期比(%)インキ事業28,214(5,302)〔1,486〕104.9(99.8)〔98.6〕化成品事業39,618(126)〔17,069〕97.2(78.3)〔98.8〕加工品事業3,898(-)〔1,051〕86.5(-)〔58.5〕不動産賃貸事業-(-)〔-〕-(-)〔-〕合計71,732(5,428)〔19,606〕99.4(99.1)〔95.3〕(注)1 ( )内数字は自家消費分を示し、かつ内数であります。2 〔 〕内数字は外注分を示し、かつ内数であります。 b.商品仕入実績 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称仕入高(百万円)前年同期比(%)インキ事業1,561117.7化成品事業264137.0加工品事業2,89497.9不動産賃貸事業--合計4,720105.5 c.受注実績 当社グループは主として見込生産を行っております。なお、化成品の一部で受注生産を行っているものもありますが、特に受注残高を示すほどのものではありません。 d.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)インキ事業16,341112.5化成品事業22,549105.6加工品事業7,82598.4不動産賃貸事業89101.2合計46,806106.6(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 イ.当社グループの当連結会計年度の財政状態当連結会計年度末の総資産は508億3千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ16億3千4百万円減少いたしました。分析・検討内容は、以下のとおりであります。 ◆資産の部(単位:百万円)摘要2024年3月期2025年3月期増減額主な内容分析流動資産現預金3,7363,697△39 売上債権17,14115,785△1,335前年度末休日の影響・債権流動化実施による減少棚卸資産9,8639,542△321商品及び製品△206、仕掛品△145、原材料及び貯蔵品+30その他370704333自己株式信託金他計31,11129,729△1,382売上債権、棚卸資産の減少固定資産有・無形固定資産12,94313,717773化成品設備の維持・増強+867投資その他8,4107,385△1,025・保有株式評価減△307、同株式売却による減△156・その他の投資△686計21,35421,102△252 資産合計52,46650,832△1,634 セグメント資産の状況(単位:百万円) 2024年3月期2025年3月期増減額主な内容分析インキ事業17,02718,4601,432売上債権、棚卸資産の増加化成品事業23,54721,495△2,052売上債権、棚卸資産の減少加工品事業7,5176,944△573売上債権、棚卸資産の減少不動産賃貸事業626604△21 報告セグメント合計48,71947,504△1,214 当連結会計年度末の負債合計は210億円となり、前連結会計年度末に比べ20億6千6百万円減少いたしました。分析・検討内容は、以下のとおりであります。 ◆負債の部(単位:百万円)摘要2024年3月期2025年3月期増減額主な内容分析流動負債仕入債務11,1289,800△1,327前年度末休日の影響による債務減短期借入金(1年内含)4,4953,819△676債権流動化による減その他2,4812,737256未払法人税等増+219他計18,10516,357△1,747 固定負債長期借入金2,8812,91230約定返済減、新規借入その他2,0811,731△350繰延税金負債減△180他計4,9624,643△319 負債合計23,06721,000△2,066 純資産の部は298億3千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億3千2百万円増加いたしました。分析・検討内容は、以下のとおりであります。 ◆純資産の部(単位:百万円)摘要2024年3月期2025年3月期増減額主な内容分析株主資本26,70527,348642利益剰余金増+861、自己株式買付等による増加△218その他の包括利益累計額2,5012,282△219保有株式売却等による減△238、為替換算調整勘定増+300、退職給付に係る調整累計額減△281非支配株主持分1912009 純資産合計29,39829,831432 ロ.当社グループの当連結会計年度の経営成績 当連結会計年度の業績は、製品の販売価格改定が一定程度進捗したことおよび販売活動を強化したこと等により、売上高が468億6百万円で前年度比28億8千4百万円の増収(6.6%増)、営業利益は13億9百万円で、前年度比5億4千万円の増益(70.3%増)となりました。経常利益は7億5百万円で、米国連結子会社である東京インキ株式会社U.S.A.における出資金運用損8億円計上および外貨建資産の為替評価等の影響により、前年度比2億8千1百万円の減益(28.5%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は11億8千万円で、政策保有株式の縮減に伴う投資有価証券売却益8億3千3百万円計上および2023年12月に連結子会社である荒川塗料工業株式会社で発生した火災に伴う受取保険金1億8千5百万円計上等により、前年度比2億9千8百万円の増益(33.9%増)となりました。 各事業セグメント別につきまして、インキ事業では、オフセットインキが産業構造の変化に伴う市場縮小が継続する中、選択と集中を進めたことによる一定の売上確保、グラビアインキが機能性製品の拡販と株式会社T&K TOKAから承継した製品販売の本格化、インクジェットインクが海外向けの受託製品および建材用途等の自社製品の需要増、製品販売価格改定が一定程度進捗したこと等により増収増益となっております。 化成品事業では、物価高に伴う消費意欲低下および環境対応の影響が継続する中、自社製品が自動車用途向け製品の販売活動の強化、フィルムおよび容器用途製品の売上回復、受託製品が光学用途製品の需要増、製品販売価格改定が一定程度進捗したことに加え、海外事業におけるタイ国の業績が堅調に推移したこと等により、増収増益となっております。 加工品事業では、各製品セグメントにおける製品販売価格改定の一定程度進捗、土木資材の防災・減災用途に使用されるジオセル工法の需要増加があったものの、ネトロン®の工業材料である水処理用資材が第2四半期に発生した原材料メーカーのプラント事故および顧客におけるBCP対策による受注減等の影響等により、減収減益となっております。 原材料価格とエネルギーコストは不安定な国際情勢の影響により先行きが不透明でありますので、それらの動向を注視し、適宜製品販売価格への反映を継続することが課題であると認識しております。 また、中長期の市場環境として、デジタル技術の急速な進展によるライフスタイルの変化、商業・出版印刷市場のデジタル化へのシフト、サステナビリティへの意識の高まりによる環境対応の流れ等、当社グループ製品の需要動向全体に影響を及ぼす市場環境変化が加速していることも当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼす要因と認識しております。 ハ.中期経営計画「TOKYOink 2024」総括 中期経営計画「TOKYOink 2024」は2つの経営方針、5つの基本戦略を基に取り組みを進め、2025年3月期に最終年度を迎えました。 a.経営方針・市場が求める価値の追求 とりわけ環境・社会に貢献する製品・サービスの提供・低成長時代にも耐えうる高効率な運営体制の実現 b.5つの基本戦略と実施内容・ESG経営の推進 環境(E):・TCFD提言対応や使用済プラスチック再資源化の取り組みへの参画を実施・温室効果ガス排出量削減目標設定:2030年度△50%(2013年度比 Scope1、2)・サステナブル対応製品の定義付けと売上高比率目標設定:2030年度売上高比率50% 社会(S):[社内]人事制度の整備やBCP計画策定等の社内的な取り組み[地域貢献]本社地区での小学生を対象とした職業体験等 ガバナンス(G):・より実効性を高める目的でのコーポレート・ガバナンス体制の刷新 ・新製品開発・新規事業探索・材料のバイオマス度向上により環境負荷低減につながる製品や最終製品に機能を付与することで食品ロス低減等社会に貢献できる製品であるサステナブル対応製品の開発への取り組みを継続 ・高効率運営の実現・RPA活用による自動化、労務・勤怠管理システム導入等による業務効率化を推進・生産ラインの自動化に向けたモデルライン構築の推進 ・成長投資・成長事業として位置付けている加工品事業での生産性向上・開発投資(ネトロン®・土木資材)・各事業での生産性向上投資(化成品・自動化モデルライン等) ・資本効率・株主還元・資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応として、2024年5月に新たな目標を策定 2031年3月期ROE8.0%以上 配当性向40%以上またはDOE1.0%以上 c.経営目標達成状況および事業別概況中期経営計画「TOKYOink 2024」策定当初の2025年3月期経営目標は連結営業利益20億円、ROE5.0%以上に設定しておりました。目標達成に向け、様々な取り組みを実施してまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の流行により人々の生活様式が変化し、プラスチック製消耗材の需要が低迷したことにより、当社グループの主要市場である包装資材の業績が悪化した等、計画策定当初に比べ、当社グループを取り巻く環境は想定以上に変化したことが影響し、目標達成は困難となったことから、2024年3月期の決算発表時に2025年3月期経営目標を連結営業利益12億円に修正いたしました。直近では製品販売価格改定の進捗や高付加価値製品の伸長等により、業績は回復傾向にあり、営業利益に関して、当初計画は達成できなかったものの、修正計画は達成いたしました。 経営目標単位2024年度当初計画2024年度実績売上高百万円45,00046,806営業利益百万円2,0001,309自己資本利益率(ROE)%5.0以上4.0 事業別セグメント利益の当初計画、実績および概況は以下のとおりとなります(単位:百万円)2024年度当初計画実績概況インキ事業350563オフセットインキの減損損失計上(22年度)、インクジェットインク欧米向け受託製品の需要回復で黒字化し、計画達成化成品事業1,150605環境対応による着色需要減、受託製品の収益性悪化により徐々に利益率が低下、24年度は計画未達も価格改定効果により回復基調加工品事業750335ネトロン®の生産体制再構築による経費増により減益となり、計画未達、防災・減災需要により土木資材は好調に推移 インキ事業 化成品事業 加工品事業 (単位:百万円) ニ.長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」の実現に向けた中期経営計画「TOKYOink 2027」始動 当社グループは2030年に目指す姿として、長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」を策定・公表しております。また、東京証券取引所の要請に基づき、「資本コストと株価を意識した経営の実現に向けた対応について」も策定・公表しております。この度、長期ビジョンの実現に向けた、2028年3月期までの中期経営計画「TOKYOink 2027」を策定し、下記の経営目標達成に向け、2025年4月より始動しております。 ・2028年3月期目標:営業利益20億円、ROE5.5%以上・2031年3月期目標:営業利益28億円、ROE8.0%以上 各資料の詳細につきましては、当社ホームページもしくは下記URLより、ご覧ください。 長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」 掲載URL https://www.tokyoink.co.jp/about/long_term_vision/ 「資本コストと株価を意識した経営の実現に向けた対応について」 掲載URL https://www.tokyoink.co.jp/ir/ir_library/management_plan/ 中期経営計画「TOKYOink 2027」 掲載URL https://www.tokyoink.co.jp/ir/management/mid-termplan/ 中期経営計画「TOKYOink 2027」の概要につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針 および (3)経営戦略および優先的に対処すべき課題」に記載のとおりであります。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性に係る情報a.キャッシュ・フローの状況の分析 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は36億9千5百万円で、前連結会計年度末に比べ3千9百万円の減少(1.1%減)となりました。 この資金の減少の要因は、政策保有株式の縮減や債権流動化の実施により創出した資金の有効活用により、親会社の有利子負債圧縮を行った結果によるものであると考えます。 なお当社グループは、営業活動により獲得されたキャッシュ・フローと投資活動に支出されたキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローにつきまして、今後の事業展開に備えた設備等の投資や金融機関からの借入等負債返済へ充当可能な資金としての純額、若しくは、外部からの資金調達等の借入依存度を定量判断する目的として捉えており、基本的な考え方は、事業活動により獲得したキャッシュの創出額をベースに、投資の意思決定を経営判断していることから、当社の事業運営にとって有用な指標と認識しております。 また、キャッシュアロケーション方針として、事業活動により獲得したキャッシュおよびBSマネジメントの各種施策により創出したキャッシュを基本原資とし、成長・サステナ投資、R&D、戦略投資等の事業ポートフォリオ変革を実施するのに必要な投資や株主還元に振り向けることで、更なる企業価値の向上を目指します。 フリー・キャッシュ・フローの概況(5期分)(単位:百万円)区分2021年3月期2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期営業活動によるキャッシュ・フロー1,9421,428△8931,9892,280投資活動によるキャッシュ・フロー△1,668△1,0402,461△1,281△1,178フリー・キャッシュ・フロー2733871,5687081,102 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費、売上債権の減少、棚卸資産の減少および仕入債務の減少等により、22億8千万円の収入となりました。当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、11億7千8百万円の支出になったため、フリー・キャッシュ・フローは、11億2百万円の収入となりました(前連結会計年度は7億8百万円の収入)。 なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりですが、分析や検討内容は以下のとおりであります。 連結キャッシュ・フローの主な分析(単位:百万円)項目2024年3月期2025年3月期増減額主な内容分析営業活動CF税金等調整前当期純利益1,1391,579440政策保有株式売却による利益増減価償却費1,3281,483154 投資有価証券売却損益(△益)△277△833△556政策保有株式売却災害損失9943△56荒川塗料工業火災発生による損失売上債権の増減額(△増加)△1,4201,3492,770前年度末休日による売上債権の減少棚卸資産の増減額(△増加)△357347705 仕入債務の増減額(△減少)1,408△1,335△2,744前年度末休日による仕入債務減少法人税等の支払額30△188△218課税所得増による増加その他39△165△204 小計1,9892,280290交易条件改善に伴う営業利益獲得投資活動CF有形固定資産の取得△1,261△1,943△681新規設備投資実施投資有価証券の売却404989584CGCに基づく政策保有株式売却継続その他△424△224199無形固定資産の取得他小計△1,281△1,178102 (単位:百万円)項目2024年3月期2025年3月期増減額主な内容分析財務活動CF短期借入金の純増減額△130△930△800債権流動化による借入返済長期借入金による収入1,3701,350△20長期資金調達実施長期借入金の返済△1,247△1,065182約定弁済による返済自己株式の取得による支出△0△218△218自己株式取得その他△390△3900配当金支払、ファイナンスリース債務返済小計△398△1,254△855 b.資本政策の基本的な方針 当社グループは、株主価値を中長期的に高めるために、持続的な成長が必要と考え、「資本効率の向上」、「強固な財務基盤の確保」、「株主還元」の3つのバランスを取ることを資本政策の基本としており、安定的かつ継続的な配当実施を基本方針としております。この基本方針を前提とし、配当性向40%以上またはDOE1.0%以上とする配当方針を策定しております。 当社は、2025年6月26日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「剰余金の処分の件」を提案しており、これらが承認可決された場合の当連結会計年度の配当性向は42.7%となり前連結会計年度と比較し、12.9ポイント上昇しております。 決算年月2021年3月期2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期自己資本利益率 (ROE)2.5%2.9%6.3%3.1%4.0%総資産経常利益率 (ROA)1.4%1.9%10.1%2.0%1.4%売上高営業利益率 (ROS)0.7%1.6%△0.1%1.8%2.8%配当性向(連結)34.9%28.9%25.5%29.8%42.7%自己資本利益率 (ROE):親会社株主に帰属する当期純利益/(純資産-非支配株主持分)総資産経常利益率 (ROA):経常利益/総資産売上高営業利益率 (ROS):営業利益/売上高配当性向(連結):1株当たり配当金/1株当たり当期純利益 c.財務戦略の基本的な考え方当社グループは資本政策に基づき、「株主資本の活用を最大化」、「強固な財務基盤の確保」、「株主還元の充実」を財務戦略として掲げております。従来までの健全性を重視した方針から前進し、最適資本構成の見直しを図り、持続的な企業価値向上を目指します。 当連結会計年度における財務戦略の主な取り組み、成果は以下のとおりです。・株主資本の活用を最大化 …… 政策保有株式の縮減、債権流動化の実施・強固な財務基盤の確保 ……… 借入金融資枠の増枠、調達余力の確保・株主還元の充実 ……………… 普通配当の増配、自己株式取得 d.資金調達の基本的な方針 当社グループの主な資金需要として、短期的な資金需要は主として製造費用、販売費および一般管理費等運転資金であり、営業活動により獲得したキャッシュ・フローをベースに金融機関からの短期借入金により資金調達を行っております。また、長期的な資金需要は成長・サステナ投資、R&D、戦略投資等の成長戦略に向けた投資および株主還元としての自己株式取得や配当支払い等であり、主として内部留保資金の活用や金融機関からの固定金利による長期借入金により資金調達を行っております。 当連結会計年度は、引き続き現預金等手許資金を月商の過半数超の水準で維持しつつ、事業展開に伴う資金調達、また急激な売上減少等事業環境悪化に備えた対応として、短期借入金や長期借入金の金融機関に対する信用枠を十分確保しております。 また、当社グループは、財務戦略の一環として親会社、子会社間においての資金効率を高める目的で、グループ内キャッシュ・マネジメント・システムを実施しております。グループ全体の資金状況を可視化し、外部からの調達は親会社主導による一元化、資金需要のある子会社へ最適配分する一方、余剰資金のある子会社から資金調達を行うことで資金効率化、流動性管理の高度化を図っております。 さらに、資金需要に柔軟に対応したバックアップラインの強化を図るため、コミットメントライン(短期借入金)形態によるシンジケートローンの取り組み(極度設定額20億円)を引き続き実施し、手許流動性の確保に努めました。 なお、当連結会計年度末のコミットメントライン設定額は50億円であり、内訳は相対契約30億円、シンジケートローン契約20億円であります。 同年度末の借入実行残高は15億5千万円、借入未実行残高は34億5千万円であります。 (参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移 2021年3月期2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期自己資本比率(%)54.754.056.755.758.3時価ベースの自己資本比率(%)12.412.614.717.621.1キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)4.66.4-3.83.0インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)54.743.1-67.358.0D/Eレシオ(倍)0.350.360.280.260.23自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払いD/Eレシオ:有利子負債/自己資本(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。(注5)2023年3月期におけるキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは営業キャッシュ・フローがマイナスであるため記載を省略しております。 2025年3月31日現在の自己資本比率は58.3%と前連結会計年度末と比較し、2.6ポイント上昇しております。製品販売価格改定の進捗による営業利益の増加等に伴う利益剰余金の増加によるものであります。 2025年3月31日現在のD/Eレシオは0.23倍、ネットD/Eレシオは0.11倍であります。借入額の減少および純資産増加に伴い、前連結会計年度より低下いたしました。なお、中期経営計画「TOKYOink 2024」においては、目標とする経営指標として、D/Eレシオ0.3倍以下を現時点で達成いたしました。今後は有利子負債の水準を適正にコントロールしつつ、成長戦略に基づく投資計画実行のため、資本構成の最適化を進めてまいります。 2025年3月31日現在、短期借入金、長期借入金およびリース債務の内訳は以下のとおりであり、有利子負債の合計は69億2千2百万円となっております。 (契約債務)2025年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。 年度別要支払額(百万円) 契約債務合計1年以内1年超3年以内3年超5年以内5年超短期借入金2,5002,500---長期借入金4,2311,3191,920991-リース債務1906687360(注) 連結貸借対照表の1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。