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日本ラッド(4736)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • エンタープライズソリューション事業
    企業や官公庁、大学などの顧客に対し、システムの受託開発や導入コンサルティングを提供しています。業務アプリケーションやWebアプリケーションの開発支援、ビッグデータ解析の構築支援、自社開発パッケージ製品の販売代理業務、海外製品の国内販売、クラウドサービス事業など多岐にわたるITソリューションを提供し、顧客の経営課題解決を支援しています。
  • IoTインテグレーション事業
    IoT(モノのインターネット)技術を活用したソリューション開発が中心です。ハードウェアを起点としたシステム製品の開発販売、組み込み系システムの受託開発、映像関連機器システムの販売などを行っています。特に医療機関向けの外来受付端末や臨床研究データ管理システム、緊急車両向け情報端末、ネットワーク機器の組み込みシステムなどが含まれ、幅広い分野でIoT技術を応用しています。
  • パッケージソフトウェアとシステム受託開発
    ビジネスデータ分析ツール(BIツール)やセキュリティ関連のパッケージソフトウェアを販売し、保守や導入支援を通じて企業の経営課題に応えるソリューションを提供しています。また、幅広い業種に対して業務アプリケーションシステムの受託開発やコンサルティング、システムエンジニアやプログラマの派遣も行い、企業の業務効率向上と生産性向上を支援することで収益を上げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • エンタープライズソリューション事業
    この事業は、企業や官公庁、大学などを主な顧客とし、システムの受託開発、導入コンサルティング、業務アプリケーションやWebアプリケーションの開発支援、ビッグデータ解析の構築支援などを行っています。また、自社開発パッケージ製品の販売やクラウドサービスも提供しており、最新年度の売上高は約24.14億円、営業利益は約3.80億円と、同社の中核をなす稼ぎ頭となっています。
  • IoTインテグレーション事業
    IoT(モノのインターネット)技術を活用したソリューション開発が中心の事業です。医療情報システム、車載情報システム、組み込み系システム、IoTプラットフォームサービス、映像関連機器システムなど、多岐にわたる分野でハードウェアとソフトウェアを組み合わせたシステムを提供しています。最新年度の売上高は約19.43億円、営業利益は約4.41億円と、高い収益性を誇り、成長分野として期待されています。
  • 二つの主要事業による収益構成
    日本ラッドは「エンタープライズソリューション事業」と「IoTインテグレーション事業」の二つの主要セグメントで構成されています。エンタープライズソリューション事業が売上高でやや大きいものの、IoTインテグレーション事業が営業利益で上回っており、両事業がバランス良く収益を支える構造となっています。これにより、異なる市場ニーズに対応し、事業リスクの分散を図っています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
EnterpriseSolution 事業 24 4 15.8%
InternetOfThingsIntegration 事業 19 4 22.7%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,339 文字
3【事業の内容】 当社は、以下の内容を主な事業としております。なお、次の2部門は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に揚げるセグメント区分と同一であります。 (1)エンタープライズソリューション事業各種システムの受託開発および導入コンサルティング、業務アプリケーション、制御アプリケーション、Webアプリケーション、モバイルアプリケーション開発支援、ビッグデータ解析の構築支援、パッケージ製品の自社開発、販売代理業務、海外製品のローカライズおよび国内販売、クラウドサービス事業 (2)IoTインテグレーション事業IoTインテグレーションによるソリューション開発、ハードウェアを起点としたシステム製品の開発販売、組込み系システムの受託開発、映像関連機器システムの販売 事業の種類内容パッケージソフトウェア(エンタープライズソリューション事業)(IoTインテグレーション事業)ビジネスデータ分析を行うBIツール並びにシステム管理やネットワーク管理の負担を軽減するセキュリティ系のパッケージソフトウェアの販売、保守、導入支援を行い、企業の経営課題に応えるソリューションを提供しております。システム受託開発及び技術者派遣(エンタープライズソリューション事業)幅広い業種のIT化に対する業務アプリケーションシステムの受託開発、コンサルティング、並びにシステムエンジニア、プログラマ派遣を行い、企業の業務効率及び生産性の向上を支援しております。クラウドサービス(エンタープライズソリューション事業)企業、官公庁、大学・研究機関を中心に、仮想化基盤に特化したサービスを提供しております。AI(人工知能)ソリューション(エンタープライズソリューション事業)人工知能技術の可能性を最大限に活用し、顧客のニーズに的確に応えるソリューションの開発を行っています。医療情報システム(IoTインテグレーション事業)大規模医療機関向け外来受付端末等のハードウェアのシステム設計・製造・導入・アフターサービスや、多施設共同の臨床研究における症例データの管理及び割付をクラウド上で行うソリューションの開発(医療クラウド)、臨床検査情報管理システム等を提供しております。車載情報システム(IoTインテグレーション事業)緊急車両向け情報端末のシステム設計・製造・導入からアフターサービスまで提供しております。組込み系システム(IoTインテグレーション事業)ネットワーク機器に組み込むキャリア向けスイッチ、セキュリティ用ミドルウェア、自動車や船舶の安全制御システムを設計・開発しております。IoTプラットフォームサービス(IoTインテグレーション事業)IoTシステム構築に必要なデバイス・クラウドサービスを自社・他社製品を問わず、ニーズに最適な製品を選定し、クラウド上やスマホアプリケーションに機能構築してサービス提供しております。映像関連機器システム(IoTインテグレーション事業)大型壁面マルチビジョンディスプレイをはじめとする映像関連機器の構築技術を展開し、システム設計から製造・導入・アフターサービスまで提供しております。 [事業系統図] 事業の系統図は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
IT業界における価格競争の激化と顧客企業のIT投資動向の変動。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
AI・クラウド技術をはじめとするICT技術の革新が激化しており、技術優位性または価格優位性を失う可能性がある。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 軽い(資本不要)
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 低い
会社が挙げる主要リスク:技術革新への対応に関するリスク / 人材確保及び人材育成に関するリスク / 事業環境の変化に伴うリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 1 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

開示情報からは、特許やブランド力、規制ライセンスなど、明確な無形資産の存在を示す具体的な情報は確認できませんでした。事業内容も受託開発が中心であり、独自のIP創出に特化しているとは言えません。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

顧客との長年の取引関係や、特定のシステム開発におけるノウハウの蓄積は、一定のスイッチング・コストを生む可能性があります。しかし、競合他社も類似の技術力を持つ可能性があり、乗り換え障壁は限定的と考えられます。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

事業モデルは主にBtoBの受託開発であり、ユーザー数が増えることでサービスの価値が向上するようなネットワーク効果は期待できません。プラットフォームビジネスのような特性は見られません。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

情報通信業における受託開発は、一般的に人件費や開発費がコストの大部分を占めます。日本ラッドが他社と比較して構造的にコスト優位性を持つことを示す情報は開示されていません。

規模の経済☆☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

受託開発事業において、規模の経済が直接的な競争優位に繋がるかは疑問です。特定のニッチ市場での優位性や、業界全体を代表するような寡占状態にあるとは言えません。

  • 多様なITソリューション提供能力
    エンタープライズソリューション事業では、受託開発からパッケージ販売、クラウドサービス、AIソリューションまで幅広いITニーズに対応できる体制を構築しています。これにより、顧客の多様な課題に対して最適なソリューションをワンストストップで提供できる点が強みであり、顧客との長期的な関係構築に繋がっています。
  • IoT分野における専門性と実績
    IoTインテグレーション事業では、医療情報システム、車載情報システム、組み込み系システム、IoTプラットフォームサービス、映像関連機器システムなど、多岐にわたるIoT関連のシステム開発と提供実績があります。ハードウェアからソフトウェア、クラウドまで一貫したソリューションを提供できる専門性が、この分野での競争優位性を確立しています。
  • 品質管理とプロジェクト遂行能力
    ISO9001認証取得に基づくシステム開発の工程管理・品質管理の徹底、見積もり精度の向上施策、責任者によるプロジェクト管理体制の構築などにより、開発リスクの極小化に努めています。これにより、顧客からの信頼を獲得し、安定したプロジェクト遂行能力が競争力となっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。(1)経営方針 当社グループは、先端テクノロジーを活用したIoT、AI、DXプロダクト・プラットフォームを通じて情報化社会の基盤構築を行い、経済の発展と活力ある豊かな社会の実現に貢献することを経営の基本方針とし、高コスト効率・高品質・高付加価値のトータルソリューションを提案しております。当社グループは今後も、継続的な成長を達成するため、先端技術と高度人材への先行投資を継続するとともに、更なる高収益体質化へ向けた効率的な経営を目指します。(2)経営戦略等 当社グループは2024年5月13日に、2024年4月から2027年3月の3か年を対象とした中期経営計画を策定、「“人”で稼ぐから“アセット”で稼ぐ企業への構造変換」を基本方針に据え、日本の製造業DXを次のステージへ進めるデータハンドラー・アセンブラーへと成長遷移していくプランとして実行してまいりました。当社グループがSI領域で半世紀以上培ってきた豊富なソフトウェアエンジニア育成ノウハウを活かし、独自のマルチプラットフォームでのデータハンドリング・データOpsエンジンにより市場を創造するべく、第一フェーズとして、当社グループが創業以来常に志してきた未知への挑戦で社会に還元することを取り組んでまいります。 その重点戦略として、当社グループの強みである「人材育成力」「SW/HWを繋ぐコア技術」「ERP/CPM/IoTでの幅広い経験」をプロダクトアセット主導収益体制に改革していくこと、これは一部SIでの売上を開発コストに転換する必要がありますが、その成果として市場に前倒しでローンチ出来たDerevaプラットフォームをコアサービスと位置づけ、既存SI・IoT事業それぞれにおいて売上利益ともに痛みを伴う構造転換の土台構築、戦略領域の明確化と人的投資、プロダクトアセットの拡充を更に行ってまいります。具体的には3つの柱として、 1.選択と集中による収益力強化 ~高付加価値領域への人員配置~エンタープライズソリューション領域において、特に大口案件での優先的な人員確保による人材の固着化・長期化が個別のキャリアパスに与える影響や、スキルマッチのバラツキによる低収益性低成長案件からの脱却を目指し、売上成長を一部抑制してでも人材ローテーションと付加価値創出の「溜め」を作っていく必要があります。 2.ノウハウのアセットへの昇華 ~人数で稼ぐから、プロダクトで稼ぐへの構造転換~IoT/DX領域において、事業立ち上げ当初より緻密で細部にまで行き届いた提案を行う事によってノウハウの獲得・業界内でのポジションを確立してまいりましたが、社内リソースを重点的にプロダクト開発に投入しマルチクラウドでのデータハンドリング・データOpsエンジンとして「広く営業展開が可能になる」属人性のノウハウ化を引き続き行い、今回市場にお目見えさせたDerevaを将来的に様々な社外エコシステムパートナーに加え、当社グループの各事業も周辺エコシステムに方向性を合わせたものへ構築してまいります。 3.将来成長に向けた戦略的投資 ~事業創出に向けた技術獲得~当社グループでの不採算事業ユニットを整理し事業領域の拡大を戦略的に行っていくフェーズとして、改めて地域性の高いサービスや企業、コアテクノロジーや人材を抱える企業を対象とした積極的なM&A施策を行い、連結化でのグループ拡大を図り、両セグメントに於いて必要な「人材」と「技術」双方を様々な手法にて獲得してまいります。を設定、これらを基にセグメントごとの具体的な現状及び戦略については以下となります。(エンタープライズソリューション事業) 当事業における事業環境は、「AIエージェント元年」とも称される急速な技術革新の進展により、開発スタイルや顧客ニーズが大きく変化する局面にあります。特に生成AIや自律型エージェントの普及により、従来の人手中心の開発からAIを活用した高生産性・高付加価値型の開発への転換が求められております。このような環境下において、当社グループは既存顧客との関係深化を通じた顧客満足度の向上およびグループ内連携の強化を進めた結果、売上高は中期計画を上回る成長を達成しました。 一方で、慢性的なIT人材不足を背景とした人件費の高騰は継続しており、利益面においては圧迫要因となっております。特に高度AI人材の確保競争は激化しており、採用コストや育成投資の増加が収益構造に影響を与えております。 このような状況に対し、当事業は戦略の中核として「AI駆動型開発」へのシフトを掲げております。まず、特定顧客との協業により実践的なAI開発プロジェクトを開始し、業務への適用を通じてノウハウの蓄積と競争優位性の確立を図り。同時に、人材育成の高度化と既存人材のスキル転換を進め、AIを活用し現場で価値を創出できる「現場力」のある人材の育成を推進しております。また、開発基盤のプラットフォーム化にも取り組み、AIツールや共通資産を活用した効率的な開発体制の構築を進めております。さらに、事業ポートフォリオの最適化も重要な取り組みと捉え。成長余地の大きい製造業向けDX分野へリソースを重点配分し、顧客の業務改革・データ活用を支援することで中長期的な収益基盤の強化を図っております。加えて、BI(ビジネスインテリジェンス)事業については高付加価値サービスの提供により収益性の向上を目指し、CS(カスタマーサポート)事業においてもAI活用を進めることで効率化とサービス品質の高度化を両立させて、急速な技術革新とコスト環境の変化に対応しつつ、AIを軸とした開発力の強化と事業構造の転換を進めることで、持続的成長と収益性向上の両立を目指しております。(IoTインテグレーション事業) 当事業における事業環境は、製造業向けDX事業は、既存顧客および新規顧客の双方において受注が順調に拡大し、成長の中核領域として着実に存在感を高めております。その背景には、自社IPである「Dereva」プラットフォームおよびエッジプロダクト群の競争力があります。これらは導入の容易さと高い拡張性を兼ね備え、現場レベルで迅速に活用できる点が評価され、顧客の設備運用やデータ活用の高度化に貢献しております。結果として、単発案件に留まらず、継続的な利用や追加導入につながる好循環が形成されております。 一方で、エンタープライズ事業からリソースをシフトさせたビジネスソリューション事業においては、需要の拡大に対し開発供給体制が十分に整備されておらず、需給バランスが一時的に崩れました。この影響により外注依存が高まり、コスト増加が利益を押し下げる結果となりました。こうした課題に対して、運営体制の立て直しを重要戦略と位置付けております。具体的には、主軸プロダクト「Kinterp」の開発効率向上を目的とした「Rebornプロジェクト」を推進しております。本プロジェクトでは、開発プロセスの標準化や内製化の強化に加え、AI活用による開発生産性の向上を図り、外注依存の低減と収益構造の改善を目指しております。また、技術資産の共通化により、開発スピードと品質の両立を実現し、競争力の底上げを図る方針であります。 さらに、メディカル事業および映像事業については、前期に集中した大口案件の反動により当期は減収となったものの、事業基盤自体は堅調であり、中長期的な需要の回復を見据えた維持強化を継続しております。一方、エンベデッド事業は安定的な収益源として機能しており、車載セキュリティシステムのロイヤリティ収入や船舶搭載用ソリューションが継続的に業績へ貢献しております。 このように同事業は、成長分野である製造業DXを軸に収益拡大を図りつつ、ビジネスソリューション事業の収益性改善と開発体制の高度化を進めることで、事業全体のバランス強化と持続的成長の実現を目指しており、創業以来強みにしてきたハードウェアのコア技術を基に、IoTインテグレーション事業を通してさらに積み上げてきたコンサル・SIノウハウをプロダクトアセットに昇華させ、ソリューションスイート化することで提案者・販売リソースの高度スキルに依存しない基盤構築を目指してまいります。そのために、現場から経営までが利活用できるデータハンドリングノウハウをプロダクト化し、世界トップクラスの産業・工場向けハードウェア製造しているAdvantech社のサービスの活用や、独自に開発したマルチクラウド/マルチプラットフォームであるDerevaを中核とした顧客視点で実現できるデータハンドラー・データOpsとしての複合的機能拡充展開を図り、プロダクトアセット開発のコアエンジンとしての事業中核化を行ってまいります。(3)目標とする経営指標 当社の目標とする経営指標については、2024年5月13日で定めた中期経営計画では、2024年4月から2027年3月までに目指す経営指標は以下のとおりであります。 2025年3月期2026年3月期2027年3月期売上高3,863百万円3,950百万円4,210百万円営業利益 150百万円 200百万円 295百万円経常利益 200百万円 250百万円 345百万円当期純損益 317百万円 232百万円 315百万円 (4)経営環境 情報サービス産業界の経営環境は、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展を背景に大きく変化しております。企業や行政における業務効率化、データ活用、クラウド移行の需要は引き続き拡大しており、ITサービスへの投資意欲は総じて堅調であり、特に生成AIやIoT、ビッグデータ解析など先端技術の活用は新たな付加価値創出の源泉となり、従来の労働集約型のシステム開発からコンサルティングやサービス提供型ビジネスへの転換が求められております。 一方で課題も多く、最大の制約要因はIT人材の不足であり、高度人材の獲得競争は激化しており、これに伴う人件費の上昇や育成コストの増大は収益性を圧迫する要因となっております。また、顧客企業からの価格抑制要求や、海外企業・新興企業との競争激化により、従来の労働集約型モデルでは持続的な成長が難しくなってきております。 さらに、サイバーセキュリティリスクの増大や個人情報保護規制の強化への対応も不可欠であり、サービス提供における信頼性確保が経営上の重要課題となっております。加えて、クラウド化の進展に伴うビジネスモデルの変革や、サブスクリプション型収益への移行への対応も求められてきております。 このような環境下で企業は、付加価値の高いサービスの開発、生産性向上のための自動化、パートナー連携の強化などを通じて競争力を確保する必要があり、同時に、人的資本経営の推進やガバナンス強化、持続可能性への対応も重要となっており、経営の高度化が一層求められております。(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループは、冒頭の通り情報化社会の基盤構築を通じて、サステナブルな経済の発展と活力ある豊かな社会の実現に貢献することを経営の基本方針とし、高品質・高付加価値のトータルソリューションを提案しております。今後も当社グループは、サステナブルな成長を達成するため、社名の由来であるResearch And Development(研究開発のRAD)・先端技術への投資を継続するとともに、より高収益な体質を目指す効率的な経営を目指します。具体的には中期経営計画部分に記載の通りですが、この目標に沿って優先的に対処すべき財務上の課題としては、数年来進めてきた事業構造・財務内容改革に於いて得られた手元資金を、現状においては比較的安定した状態であると考えております自己資本比率を適正なレベルで維持しつつ、当社グループの将来的発展に於いて最も重要な要素である人的要素とユニークな技術リソースの確保・高度化を図るベースとして適切に投資・活用しグループ経営の基盤を構築することが重要であると考えております。 また対処すべき具体的な経営課題は、以下のとおりと考えております。①課題:従来の労働集約型システム開発モデルの構造的限界 エンジニアを中心とした人件費の高騰、外注費の上昇、IT人材の採用競争激化は、当社グループの収益構造に継続的な圧力を与えております。従来の常駐派遣・個別受託開発を中心とした労働集約型モデルは、どうしても売上・利益が人員規模に連動しやすく、コスト上昇を価格転嫁のみで吸収することには限界があります。さらに生成AIの進展により、単純なコーディングや標準的な開発作業の価値は相対的に低下し、従前と同じ開発手法・収益モデルのままでは、中長期的な競争力と収益性の維持が難しくなるものと認識しております。 対応施策:蓄積したノウハウのプロダクト化とアセット型収益への転換 当社グループは、エンタープライズSIを単なる受託開発領域ではなく、顧客業務知識・現場対応力を磨きあげることで蓄積したスキルやノウハウを、当社にしか作り得ないレベルのDXプロダクト群へ転換するための極めて重要な基盤と位置付けております。その過程においてAIなど様々な先端技術の活用にチャレンジすることが既存SIとしての収益限界の突破に繋がると考えており、労働集約型からアセット型収益への転換を一層加速してまいります。このアプローチは当社グループにとって既存事業を守るための生存戦略であると同時に、現場力を高付加価値サービスへ転換する成長戦略であります。 ②課題:生成AIによる脅威と、現場力を有する企業への機会集中 生成AIの急速な進化は、ソフトウェア開発のあり方、顧客のシステム投資判断、ITサービスの提供価値を大きく変化させつつあります。AIを使いこなせない企業は、開発生産性、提案スピード、品質、価格競争力の各面で劣後する可能性がある一方、AIを単なるツールとして導入するだけでは、顧客の業務変革を実装する真の競争力にはつながりません。今後は、AI技術そのものに加え、顧客業務を深く理解し、現場の制約や運用まで踏まえて実装できる企業が競争優位を確立するものと考えております。 対応施策:現場力×AIによる差別化と横展開 当社グループは、長年にわたり顧客システムを支え、同一顧客において5年、10年、あるいはそれ以上にわたり蓄積してきた業務知識を有しております。また、製造業DX、工場IoT、組込み、カメラ・映像領域など、AIだけでは置き換え困難なハードウェア技術と現場対応力を有しております。これらを生成AI・AIエージェントと掛け合わせることで、顧客の開発効率化、業務改善、予測・分析、自動化に資する当社グループならではのサービスを展開してまいります。AIの進化は当社グループにとって脅威であると同時に、現場力を有する企業が一段と評価される大きな機会であり、この機会を成長に直結させてまいります。 ③課題:事業部別最適から全社コア技術化への転換 当社グループは、各事業部が特定市場に深く入り込み、それぞれの現場で競争力を磨いてきたことにより、現在の事業基盤を築いてまいりました。一方で、事業部ごとの独立性が強いことにより、全社としての技術・知見の共有、顧客への横断的な提案、プロダクト・プラットフォームの共通化にはなお改善余地があります。AI時代においては、個別最適の開発・提案にとどまらず、全社の技術資産を統合し、再利用可能な形で顧客価値へ転換することが重要であります。 対応施策:Derevaを中核とするプロダクト・プラットフォーム戦略 当社グループは、Derevaを中核とするプロダクト・技術連携を推進し、製造業向けIoT、ERP・業務システム、映像分析、防災、画像AI、設備保全管理等の既存技術・サービスを、いわば社内エコシステム的に横断的に統合してまいります。事業部ごとに蓄積されたノウハウを全社共通の技術コアに昇華し、顧客ごとの個別開発にとどまらない、再利用性・拡張性の高いソリューションとして展開することで、収益性の向上と競争力の強化を図ります。 ④課題:企業規模の限界と市場到達力の拡大 当社グループは、創業以来約55年にわたり、多様な顧客ニーズに応える中で技術力と信頼を積み重ねてまいりました。しかしながら、単独の企業規模で対応できる営業範囲、顧客接点、技術ポートフォリオには限界があります。特にAI、DX、製造業向けソリューションの市場変化が加速する中、自前主義のみに依存していては、成長機会を十分に取り込めない可能性があります。 対応施策:M&A・アライアンスによる現場力と技術ポートフォリオの拡張 当社グループは、子会社であるOne's House社との連携を起点として、東海・名古屋地域を含む重要エリアでの開発力、顧客接点、現場対応力を強化してまいります。加えて、M&Aや戦略的アライアンスを通じて、当社グループに不足する機能、顧客基盤、継続収益基盤、現場力を有するパートナーを取り込み、グループ・エコシステムとしての成長を加速してまいります。単なる規模拡大ではなく、AI駆動開発、プロダクト化、製造業DXとのシナジーを生む成長投資としてM&Aを位置付けております。 ⑤課題:事業変革を担う人材育成・組織基盤の再構築 AI駆動開発、プロダクト型事業、M&Aを含むグループ経営を推進するためには、従来以上に自律的に判断し、顧客価値を起点に行動できるリーダー人材が必要となります。一方で、これまでの人材育成や評価には、個々人の裁量や属人的判断に依存する部分があり、組織として再現性のある育成・登用・評価の仕組みにはなお改善余地があります。事業構造の転換を一過性の取り組みに終わらせず、継続的な成長につなげるためには、人材育成・組織基盤の再構築が不可欠であります。 対応施策:人事制度再構築とリスキリングの推進 当社グループは、透明性と納得感のある人事制度への再構築を進めるとともに、AI駆動開発、プロダクト開発、プロジェクトマネジメント、営業・提案力を担う人材の育成を強化してまいります。現場で培った知見を組織的知識として共有し、次世代のリーダーを継続的に輩出する仕組みを整備することで、変化に強く、顧客価値を起点に自ら進化できる企業体質を構築してまいります。 以上の取り組みにより、当社グループは、従来型SIの制約を乗り越え、現場力を起点としたAI駆動開発とプロダクト・プラットフォーム型事業への転換を進めてまいります。短期的には先行投資による負担が生じるものの、これは次の成長段階に向けた不可欠な投資であり、収益性、成長性および資本効率の向上を実現するための基盤づくりであると考えております。 今後も当社グループは、財務安全性を維持しつつ、先端技術への先行投資、人材・組織基盤の再構築、資本効率を意識した成長投資を継続し、収益性と成長性を両立する高付加価値企業体への進化を目指してまいります。(6)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、事業拡大による収益力強化及び安定的財務基盤の維持の観点から「売上高」及び「経常利益」を重要な経営指標として位置づけております。また、積極的な人材育成への投資や適切な研究開発投資を進める一方、収益力及び資本効率の向上を図るため、ROE(自己資本利益率)も重視しております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。(1)経営方針 当社グループは、先端テクノロジーを活用したIoT、AI、DXプロダクト・プラットフォームを通じて情報化社会の基盤構築を行い、経済の発展と活力ある豊かな社会の実現に貢献することを経営の基本方針とし、高コスト効率・高品質・高付加価値のトータルソリューションを提案しております。当社グループは今後も、継続的な成長を達成するため、先端技術と高度人材への先行投資を継続するとともに、更なる高収益体質化へ向けた効率的な経営を目指します。(2)経営戦略等 当社グループは2024年5月13日に、2024年4月から2027年3月の3か年を対象とした中期経営計画を策定、「“人”で稼ぐから“アセット”で稼ぐ企業への構造変換」を基本方針に据え、日本の製造業DXを次のステージへ進めるデータハンドラー・アセンブラーへと成長遷移していくプランとして実行してまいりました。当社グループがSI領域で半世紀以上培ってきた豊富なソフトウェアエンジニア育成ノウハウを活かし、独自のマルチプラットフォームでのデータハンドリング・データOpsエンジンにより市場を創造するべく、第一フェーズとして、当社グループが創業以来常に志してきた未知への挑戦で社会に還元することを取り組んでまいります。 その重点戦略として、当社グループの強みである「人材育成力」「SW/HWを繋ぐコア技術」「ERP/CPM/IoTでの幅広い経験」をプロダクトアセット主導収益体制に改革していくこと、これは一部SIでの売上を開発コストに転換する必要がありますが、その成果として市場に前倒しでローンチ出来たDerevaプラットフォームをコアサービスと位置づけ、既存SI・IoT事業それぞれにおいて売上利益ともに痛みを伴う構造転換の土台構築、戦略領域の明確化と人的投資、プロダクトアセットの拡充を更に行ってまいります。具体的には3つの柱として、 1.選択と集中による収益力強化 ~高付加価値領域への人員配置~エンタープライズソリューション領域において、特に大口案件での優先的な人員確保による人材の固着化・長期化が個別のキャリアパスに与える影響や、スキルマッチのバラツキによる低収益性低成長案件からの脱却を目指し、売上成長を一部抑制してでも人材ローテーションと付加価値創出の「溜め」を作っていく必要があります。 2.ノウハウのアセットへの昇華 ~人数で稼ぐから、プロダクトで稼ぐへの構造転換~IoT/DX領域において、事業立ち上げ当初より緻密で細部にまで行き届いた提案を行う事によってノウハウの獲得・業界内でのポジションを確立してまいりましたが、社内リソースを重点的にプロダクト開発に投入しマルチクラウドでのデータハンドリング・データOpsエンジンとして「広く営業展開が可能になる」属人性のノウハウ化を引き続き行い、今回市場にお目見えさせたDerevaを将来的に様々な社外エコシステムパートナーに加え、当社グループの各事業も周辺エコシステムに方向性を合わせたものへ構築してまいります。 3.将来成長に向けた戦略的投資 ~事業創出に向けた技術獲得~当社グループでの不採算事業ユニットを整理し事業領域の拡大を戦略的に行っていくフェーズとして、改めて地域性の高いサービスや企業、コアテクノロジーや人材を抱える企業を対象とした積極的なM&A施策を行い、連結化でのグループ拡大を図り、両セグメントに於いて必要な「人材」と「技術」双方を様々な手法にて獲得してまいります。を設定、これらを基にセグメントごとの具体的な現状及び戦略については以下となります。(エンタープライズソリューション事業) 当事業における事業環境は、「AIエージェント元年」とも称される急速な技術革新の進展により、開発スタイルや顧客ニーズが大きく変化する局面にあります。特に生成AIや自律型エージェントの普及により、従来の人手中心の開発からAIを活用した高生産性・高付加価値型の開発への転換が求められております。このような環境下において、当社グループは既存顧客との関係深化を通じた顧客満足度の向上およびグループ内連携の強化を進めた結果、売上高は中期計画を上回る成長を達成しました。 一方で、慢性的なIT人材不足を背景とした人件費の高騰は継続しており、利益面においては圧迫要因となっております。特に高度AI人材の確保競争は激化しており、採用コストや育成投資の増加が収益構造に影響を与えております。 このような状況に対し、当事業は戦略の中核として「AI駆動型開発」へのシフトを掲げております。まず、特定顧客との協業により実践的なAI開発プロジェクトを開始し、業務への適用を通じてノウハウの蓄積と競争優位性の確立を図り。同時に、人材育成の高度化と既存人材のスキル転換を進め、AIを活用し現場で価値を創出できる「現場力」のある人材の育成を推進しております。また、開発基盤のプラットフォーム化にも取り組み、AIツールや共通資産を活用した効率的な開発体制の構築を進めております。さらに、事業ポートフォリオの最適化も重要な取り組みと捉え。成長余地の大きい製造業向けDX分野へリソースを重点配分し、顧客の業務改革・データ活用を支援することで中長期的な収益基盤の強化を図っております。加えて、BI(ビジネスインテリジェンス)事業については高付加価値サービスの提供により収益性の向上を目指し、CS(カスタマーサポート)事業においてもAI活用を進めることで効率化とサービス品質の高度化を両立させて、急速な技術革新とコスト環境の変化に対応しつつ、AIを軸とした開発力の強化と事業構造の転換を進めることで、持続的成長と収益性向上の両立を目指しております。(IoTインテグレーション事業) 当事業における事業環境は、製造業向けDX事業は、既存顧客および新規顧客の双方において受注が順調に拡大し、成長の中核領域として着実に存在感を高めております。その背景には、自社IPである「Dereva」プラットフォームおよびエッジプロダクト群の競争力があります。これらは導入の容易さと高い拡張性を兼ね備え、現場レベルで迅速に活用できる点が評価され、顧客の設備運用やデータ活用の高度化に貢献しております。結果として、単発案件に留まらず、継続的な利用や追加導入につながる好循環が形成されております。 一方で、エンタープライズ事業からリソースをシフトさせたビジネスソリューション事業においては、需要の拡大に対し開発供給体制が十分に整備されておらず、需給バランスが一時的に崩れました。この影響により外注依存が高まり、コスト増加が利益を押し下げる結果となりました。こうした課題に対して、運営体制の立て直しを重要戦略と位置付けております。具体的には、主軸プロダクト「Kinterp」の開発効率向上を目的とした「Rebornプロジェクト」を推進しております。本プロジェクトでは、開発プロセスの標準化や内製化の強化に加え、AI活用による開発生産性の向上を図り、外注依存の低減と収益構造の改善を目指しております。また、技術資産の共通化により、開発スピードと品質の両立を実現し、競争力の底上げを図る方針であります。 さらに、メディカル事業および映像事業については、前期に集中した大口案件の反動により当期は減収となったものの、事業基盤自体は堅調であり、中長期的な需要の回復を見据えた維持強化を継続しております。一方、エンベデッド事業は安定的な収益源として機能しており、車載セキュリティシステムのロイヤリティ収入や船舶搭載用ソリューションが継続的に業績へ貢献しております。 このように同事業は、成長分野である製造業DXを軸に収益拡大を図りつつ、ビジネスソリューション事業の収益性改善と開発体制の高度化を進めることで、事業全体のバランス強化と持続的成長の実現を目指しており、創業以来強みにしてきたハードウェアのコア技術を基に、IoTインテグレーション事業を通してさらに積み上げてきたコンサル・SIノウハウをプロダクトアセットに昇華させ、ソリューションスイート化することで提案者・販売リソースの高度スキルに依存しない基盤構築を目指してまいります。そのために、現場から経営までが利活用できるデータハンドリングノウハウをプロダクト化し、世界トップクラスの産業・工場向けハードウェア製造しているAdvantech社のサービスの活用や、独自に開発したマルチクラウド/マルチプラットフォームであるDerevaを中核とした顧客視点で実現できるデータハンドラー・データOpsとしての複合的機能拡充展開を図り、プロダクトアセット開発のコアエンジンとしての事業中核化を行ってまいります。(3)目標とする経営指標 当社の目標とする経営指標については、2024年5月13日で定めた中期経営計画では、2024年4月から2027年3月までに目指す経営指標は以下のとおりであります。 2025年3月期2026年3月期2027年3月期売上高3,863百万円3,950百万円4,210百万円営業利益 150百万円 200百万円 295百万円経常利益 200百万円 250百万円 345百万円当期純損益 317百万円 232百万円 315百万円 (4)経営環境 情報サービス産業界の経営環境は、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展を背景に大きく変化しております。企業や行政における業務効率化、データ活用、クラウド移行の需要は引き続き拡大しており、ITサービスへの投資意欲は総じて堅調であり、特に生成AIやIoT、ビッグデータ解析など先端技術の活用は新たな付加価値創出の源泉となり、従来の労働集約型のシステム開発からコンサルティングやサービス提供型ビジネスへの転換が求められております。 一方で課題も多く、最大の制約要因はIT人材の不足であり、高度人材の獲得競争は激化しており、これに伴う人件費の上昇や育成コストの増大は収益性を圧迫する要因となっております。また、顧客企業からの価格抑制要求や、海外企業・新興企業との競争激化により、従来の労働集約型モデルでは持続的な成長が難しくなってきております。 さらに、サイバーセキュリティリスクの増大や個人情報保護規制の強化への対応も不可欠であり、サービス提供における信頼性確保が経営上の重要課題となっております。加えて、クラウド化の進展に伴うビジネスモデルの変革や、サブスクリプション型収益への移行への対応も求められてきております。 このような環境下で企業は、付加価値の高いサービスの開発、生産性向上のための自動化、パートナー連携の強化などを通じて競争力を確保する必要があり、同時に、人的資本経営の推進やガバナンス強化、持続可能性への対応も重要となっており、経営の高度化が一層求められております。(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループは、冒頭の通り情報化社会の基盤構築を通じて、サステナブルな経済の発展と活力ある豊かな社会の実現に貢献することを経営の基本方針とし、高品質・高付加価値のトータルソリューションを提案しております。今後も当社グループは、サステナブルな成長を達成するため、社名の由来であるResearch And Development(研究開発のRAD)・先端技術への投資を継続するとともに、より高収益な体質を目指す効率的な経営を目指します。具体的には中期経営計画部分に記載の通りですが、この目標に沿って優先的に対処すべき財務上の課題としては、数年来進めてきた事業構造・財務内容改革に於いて得られた手元資金を、現状においては比較的安定した状態であると考えております自己資本比率を適正なレベルで維持しつつ、当社グループの将来的発展に於いて最も重要な要素である人的要素とユニークな技術リソースの確保・高度化を図るベースとして適切に投資・活用しグループ経営の基盤を構築することが重要であると考えております。 また対処すべき具体的な経営課題は、以下のとおりと考えております。①課題:従来の労働集約型システム開発モデルの構造的限界 エンジニアを中心とした人件費の高騰、外注費の上昇、IT人材の採用競争激化は、当社グループの収益構造に継続的な圧力を与えております。従来の常駐派遣・個別受託開発を中心とした労働集約型モデルは、どうしても売上・利益が人員規模に連動しやすく、コスト上昇を価格転嫁のみで吸収することには限界があります。さらに生成AIの進展により、単純なコーディングや標準的な開発作業の価値は相対的に低下し、従前と同じ開発手法・収益モデルのままでは、中長期的な競争力と収益性の維持が難しくなるものと認識しております。 対応施策:蓄積したノウハウのプロダクト化とアセット型収益への転換 当社グループは、エンタープライズSIを単なる受託開発領域ではなく、顧客業務知識・現場対応力を磨きあげることで蓄積したスキルやノウハウを、当社にしか作り得ないレベルのDXプロダクト群へ転換するための極めて重要な基盤と位置付けております。その過程においてAIなど様々な先端技術の活用にチャレンジすることが既存SIとしての収益限界の突破に繋がると考えており、労働集約型からアセット型収益への転換を一層加速してまいります。このアプローチは当社グループにとって既存事業を守るための生存戦略であると同時に、現場力を高付加価値サービスへ転換する成長戦略であります。 ②課題:生成AIによる脅威と、現場力を有する企業への機会集中 生成AIの急速な進化は、ソフトウェア開発のあり方、顧客のシステム投資判断、ITサービスの提供価値を大きく変化させつつあります。AIを使いこなせない企業は、開発生産性、提案スピード、品質、価格競争力の各面で劣後する可能性がある一方、AIを単なるツールとして導入するだけでは、顧客の業務変革を実装する真の競争力にはつながりません。今後は、AI技術そのものに加え、顧客業務を深く理解し、現場の制約や運用まで踏まえて実装できる企業が競争優位を確立するものと考えております。 対応施策:現場力×AIによる差別化と横展開 当社グループは、長年にわたり顧客システムを支え、同一顧客において5年、10年、あるいはそれ以上にわたり蓄積してきた業務知識を有しております。また、製造業DX、工場IoT、組込み、カメラ・映像領域など、AIだけでは置き換え困難なハードウェア技術と現場対応力を有しております。これらを生成AI・AIエージェントと掛け合わせることで、顧客の開発効率化、業務改善、予測・分析、自動化に資する当社グループならではのサービスを展開してまいります。AIの進化は当社グループにとって脅威であると同時に、現場力を有する企業が一段と評価される大きな機会であり、この機会を成長に直結させてまいります。 ③課題:事業部別最適から全社コア技術化への転換 当社グループは、各事業部が特定市場に深く入り込み、それぞれの現場で競争力を磨いてきたことにより、現在の事業基盤を築いてまいりました。一方で、事業部ごとの独立性が強いことにより、全社としての技術・知見の共有、顧客への横断的な提案、プロダクト・プラットフォームの共通化にはなお改善余地があります。AI時代においては、個別最適の開発・提案にとどまらず、全社の技術資産を統合し、再利用可能な形で顧客価値へ転換することが重要であります。 対応施策:Derevaを中核とするプロダクト・プラットフォーム戦略 当社グループは、Derevaを中核とするプロダクト・技術連携を推進し、製造業向けIoT、ERP・業務システム、映像分析、防災、画像AI、設備保全管理等の既存技術・サービスを、いわば社内エコシステム的に横断的に統合してまいります。事業部ごとに蓄積されたノウハウを全社共通の技術コアに昇華し、顧客ごとの個別開発にとどまらない、再利用性・拡張性の高いソリューションとして展開することで、収益性の向上と競争力の強化を図ります。 ④課題:企業規模の限界と市場到達力の拡大 当社グループは、創業以来約55年にわたり、多様な顧客ニーズに応える中で技術力と信頼を積み重ねてまいりました。しかしながら、単独の企業規模で対応できる営業範囲、顧客接点、技術ポートフォリオには限界があります。特にAI、DX、製造業向けソリューションの市場変化が加速する中、自前主義のみに依存していては、成長機会を十分に取り込めない可能性があります。 対応施策:M&A・アライアンスによる現場力と技術ポートフォリオの拡張 当社グループは、子会社であるOne's House社との連携を起点として、東海・名古屋地域を含む重要エリアでの開発力、顧客接点、現場対応力を強化してまいります。加えて、M&Aや戦略的アライアンスを通じて、当社グループに不足する機能、顧客基盤、継続収益基盤、現場力を有するパートナーを取り込み、グループ・エコシステムとしての成長を加速してまいります。単なる規模拡大ではなく、AI駆動開発、プロダクト化、製造業DXとのシナジーを生む成長投資としてM&Aを位置付けております。 ⑤課題:事業変革を担う人材育成・組織基盤の再構築 AI駆動開発、プロダクト型事業、M&Aを含むグループ経営を推進するためには、従来以上に自律的に判断し、顧客価値を起点に行動できるリーダー人材が必要となります。一方で、これまでの人材育成や評価には、個々人の裁量や属人的判断に依存する部分があり、組織として再現性のある育成・登用・評価の仕組みにはなお改善余地があります。事業構造の転換を一過性の取り組みに終わらせず、継続的な成長につなげるためには、人材育成・組織基盤の再構築が不可欠であります。 対応施策:人事制度再構築とリスキリングの推進 当社グループは、透明性と納得感のある人事制度への再構築を進めるとともに、AI駆動開発、プロダクト開発、プロジェクトマネジメント、営業・提案力を担う人材の育成を強化してまいります。現場で培った知見を組織的知識として共有し、次世代のリーダーを継続的に輩出する仕組みを整備することで、変化に強く、顧客価値を起点に自ら進化できる企業体質を構築してまいります。 以上の取り組みにより、当社グループは、従来型SIの制約を乗り越え、現場力を起点としたAI駆動開発とプロダクト・プラットフォーム型事業への転換を進めてまいります。短期的には先行投資による負担が生じるものの、これは次の成長段階に向けた不可欠な投資であり、収益性、成長性および資本効率の向上を実現するための基盤づくりであると考えております。 今後も当社グループは、財務安全性を維持しつつ、先端技術への先行投資、人材・組織基盤の再構築、資本効率を意識した成長投資を継続し、収益性と成長性を両立する高付加価値企業体への進化を目指してまいります。(6)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、事業拡大による収益力強化及び安定的財務基盤の維持の観点から「売上高」及び「経常利益」を重要な経営指標として位置づけております。また、積極的な人材育成への投資や適切な研究開発投資を進める一方、収益力及び資本効率の向上を図るため、ROE(自己資本利益率)も重視しております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。当社グループは。前連結会計年度は連結財務諸表と作成していないため、前連結会計年度との比較分析は行っておりません。①財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、中東情勢の緊迫により原油などエネルギー価格が高止まりし、エネルギーを起点とした物価上昇圧力が続いております。原油高への経済耐性は過去より高まったものの、原油輸入の中東依存度が極めて高く、供給途絶リスクに対する脆弱性は高い一方で、賃上げによる物価押し上げも続く中、日銀は利上げ継続が基本姿勢であり、地政学リスクや資金市場の変動が極めて不透明な状況となっております。 情報サービス業では、生成AIの本格活用、レガシーシステム刷新、セキュリティ強化を背景に拡大基調が続いておりますが、中東情勢の緊迫によりIT投資判断の慎重化やシステム開発の凍結の影響が出やすい局面でもあります。企業のIT投資はクラウド・SaaS・ソフトウェアを中心に増加し、ITはコスト削減手段から企業価値向上を支える戦略投資へと位置づけが変化している一方で、高度IT人材の不足が成長の制約要因となり、IT企業には付加価値の高いサービス創出と人材育成がより強く求められております。 このような状況の中、当社グループは2024年から2027年の3カ年を中期経営計画の第1フェーズとして、「人からプロダクトアセットベースへの収益構造の転換」を確立する期間として、SI・IoT分野で培ったノウハウをプロダクト化し、データハンドラー/データアセンブラー企業への進化を目指しております。また、生成AIやAI支援ツールについても、開発生産性向上や新サービス創出の補助技術として段階的に活用し、AIそのものを売るのではなく、顧客業務を変革するDX・プロダクトの競争力源泉とすることに注力してAI事業領域の拡大を図って参りました。 この結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は、41億31百万円となりました。損益につきましては、営業利益1億69百万円、経常利益2億44百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1億64百万円となりました。なお、当連結会計年度は連結財務諸表作成初年度であるため、前連結会計年度との比較は行っておりません。また、連結子会社のみなし取得日が2025年7月31日であり同社の決算日が2026年1月31日であるため、当連結会計年度においては2025年8月1日から2026年1月31日の6カ月間の連結子会社の損益を連結しております。 セグメントの経営成績を示すと、次のとおりであります。 「エンタープライズソリューション事業」 派遣常駐型システム開発及び受託請負型システム開発においては、特定顧客の公共向け大型システム開発が完納したことにより、徐々に技術者稼働が正常化したことや、新規案件の引き合いが強いことから技術者供給制約が懸念されるため、計画的に次のシステム開発体制構築へのアサイン配置転換をしました。その結果、売上高は23億87百万円となりました。 「IoTインテグレーション事業」 インダストリアルIoT分野においては、DX(デジタルトランスフォーメーション)ソリューションのプロモーション展開やWEBマーケティング強化の取り組みにより新規案件の引き合いが急増し、既存顧客へのリピート販売も増加となりました。また、当社オリジナルブランドのノウハウを活かして基幹システムと連携するソリューション開発を継続しており、事業拡大へ向けた取り組みをしました。エンベデッド分野の自動車搭載セキュリティシステムのロイヤリティ収入や船舶搭載用ソリューション及び映像情報システム関連分野おいては順調に推移しました。その結果、売上高は17億44百万円となりました。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、19億62百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は、1億64百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上2億41百万円、売上債権の減少による収入1億円、仕入債務の減少による支出1億4百万円によるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用された資金は、3億29百万円となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出2億31百万円、無形固定資産の取得による支出78百万円によるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用された資金は、57百万円となりました。これは主に、社債の償還による支出3百万円、配当金の支払いによる支出53百万円によるものです。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)エンタープライズソリューション事業(千円)2,392,288-IoTインテグレーション事業(千円)1,740,000-合計(千円)4,132,289-(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.金額は販売価格によっております。 b.受注実績 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)エンタープライズソリューション事業(千円)2,294,423-705,436-IoTインテグレーション事業(千円)1,636,420-547,667-合計3,930,843-1,253,103-(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)エンタープライズソリューション事業(千円)2,387,615-IoTインテグレーション事業(千円)1,744,223-合計(千円)4,131,839-(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(千円)割合(%)第一環境株式会社614,82014.9 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。また、当社グループは当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較分析は行っておりません。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(資産) 当連結会計年度末の流動資産は31億61百万円となり、主な内訳は現金及び預金が19億62百万円、売掛金が9億4百万円、契約資産が1億14百万円であります。固定資産は17億88百万円となり、主な内訳は有形固定資産2億38百万円、無形固定資産が2億61百万円、投資その他の資産が12億88百万円であります。 この結果、総資産は49億50百万円となりました。(負債) 当連結会計年度末の流動負債は7億72百万円となり、主な内訳は支払手形及び買掛金が1億45百万円、未払法人税等が38百万円、賞与引当金が2億64百万円であります。固定負債は6億50百万円となり、主な内訳は退職給付に係る負債が5億23百万円、資産除去債務が61百万円であります。 この結果、負債合計は14億22百万円となりました。(純資産) 当連結会計年度末の純資産合計は35億28百万円となり、主な内訳は資本金が12億39百万円、利益剰余金が12億20百万円、自己株式が31百万円、その他有価証券評価差額金が1億5百万円であります。 この結果、自己資本比率は71.27%となりました。 (売上高) 当連結会計年度における売上高は、41億31百万円となりました。セグメントごとの業績につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(1)経営成績等の状況の概要」「①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。(営業損益) 当連結会計年度の営業損益は、1億69百万円の利益となりました。(経常損益) 当連結会計年度の経常損益は、2億44百万円の利益となりました。(親会社株主に帰属する当期純損益) 当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損益は、1億64百万円の利益となりました。(当社の経営成績に重要な影響を与える要因) 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況」の「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 (経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等) 当社グループは、持続的な利益成長を目指した事業拡大の観点から、各事業における成長性や効率性の向上に取り組んでおり、「売上高」及び「経常利益」を重要な経営指標として位置づけております。また、積極的な人材育成への投資や適切な研究開発投資を進める一方、収益力及び資本効率の向上を図るため、ROEも重視しております。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 キャッシュ・フローの分析については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(1)経営成績等の状況の概要 「②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性ですが、資金需要については、営業活動で使用される運転資金他、設備投資や事業規模拡大に向けた戦略的投資であります。運転資金の調達については、自己資金および銀行借入れを主としており、戦略的投資に向けた資金調達については、資本業務提携や第三者割当増資等により調達しております。また、主要取引銀行4行との間で合計800百万円の当座貸越契約を締結しております(当連結会計年度末借入未実行残高800百万円)。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。この財務諸表の作成にあたり、会計上の見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき見積りを行っております。

事業リスク

  • 技術革新への対応遅れ
    AIやクラウド技術などICT技術の進化が非常に速く、保有技術が陳腐化するリスクがあります。市場や顧客ニーズの変化に対応できなかったり、新しい技術動向に乗り遅れたりすると、競争力が低下し、受注減少や業績悪化に繋がる可能性があります。
  • 人材確保と育成の困難さ
    多様化する顧客ニーズに対応するためには、適切な人材の確保と育成が不可欠です。IT業界は人材の流動性が高く、十分な人材を確保・育成できない場合、開発規模の縮小や受注の断念を余儀なくされ、経営成績や財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • システム開発特有のリスク
    受託開発では、見積もり精度、開発途中の仕様変更、ソフトウェアの不具合などにより、開発工数や期間が当初の想定を超過し、不採算案件となるリスクがあります。複数の大型不採算案件が発生した場合、企業の経営成績や財政状況に重大な影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,378 文字
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。(1)技術革新への対応に関するリスク 近年、AI・クラウド技術をはじめとするICT技術の革新が激化しており、当社グループが現在保有する技術・技能・ノウハウ等が陳腐化し、その技術優位性あるいは価格優位性を失う可能性があります。当社グループは、その技術革新に適時・的確に対応できるよう、社員の能力開発及び新技術習得を推進し、また、新しい技術の組織的発掘並びに競合他社と差別化できるソリューションの構築等に努めております。しかしながら、市場と顧客のニーズの急速な変化を的確に把握し、それに対応したサービスを提供できない場合、また、新たな技術動向に乗り遅れた場合、競合他社に対する競争力が低下し、受注件数が減少し、当社の経営成績および財政状況等に影響を及ぼす可能性があります。(2)人材確保及び人材育成に関するリスク 多様化する顧客ニーズへ対応し顧客満足度を高めていくためには、適切な人材確保が重要課題のひとつと認識していることから、当社グループは、各部門に配属可能な人材の確保と育成、安定したパフォーマンスを出せるリモートワーク体制を確立、今後ニューノーマル時代に対応したハイブリッド体制の構築に注力しております。しかしながら、他業界に比べ比較的人材が流動的である傾向があることなどから、適切な人材が十分に確保、育成できない場合は、開発規模の縮小、受注の断念により、当社グループの経営成績および財政状況等に影響を及ぼす可能性があります。(3)事業環境の変化に伴うリスク 近年、IT業界においては、高度化する最先端技術や多様化する顧客ニーズに対応しながら価格競争も激しくなりつつあります。このような環境のもと、顧客企業のIT投資動向の大きな変動や、業界内での価格競争が予想を大幅に超える水準となった場合は、当社グループの提供するシステムやサービスの販売価格低下につながり、当社グループの経営成績および財政状況等に業績に影響を及ぼす可能性があります。また、引き続き極めて活況な転職市場において従業員にとって魅力のある適切な就労・開発環境の整備が出来ない場合、既存及び新規のプロジェクトの遂行や人材の確保に影響を及ぼす可能性があります。(4)システム開発業務に関するリスク 受託開発においては、契約時点での見積り精度の高低、開発作業に着手した後の仕様変更対応、開発したソフトの瑕疵等、予見不能な事態が発生することにより、開発工数増加や開発期間の長期化等で受注時の見積り工数・期間を超過することがあります。また、案件によっては受注額を上回る原価が発生し、不採算案件となる可能性があります。このため当社では、ISO9001の認証を取得し、システム開発の工程管理、品質管理の徹底に取り組んでおり、見積り精度の向上施策や、受注高に応じた責任者のチェックを含めたプロジェクト管理体制の構築や、詳細設計など工程の節目ごとに顧客と共同で試験を行うなどの対応をとり、リスクを極小化するよう努めております。しかしながら、複数または大型の不採算案件が発生した場合は、当社グループの経営成績および財政状況等に影響を及ぼす可能性があります。(5)新規事業に関するリスク 当社グループは、情報技術革新に伴う社会のニーズを事業化し、将来の収益基盤を築くため、子会社・関連会社などへの投融資を含めた新規事業への参入を行っております。投融資の決定には当社グループの技術・ノウハウ・投資経験等をもって最大限の吟味を行い各種投資リスクの回避に努めております。しかしながら、当該投融資が当社グループの事業に与える影響を確実に予想することは困難であり、当初想定していた成果を上げられず損失を蒙る場合には、当社グループの経営成績および財政状況等に影響を及ぼす可能性があります。 (6)情報セキュリティに関するリスク 当社グループでは、情報処理サービス業務の提供にあたり、顧客データと個人情報を取り扱う場合があります。 これらの個人情報保護につきましては、「個人情報保護方針」に基づき、適切な管理に努めております。また、ISO27001認証取得に基づく内部監査の実施等の情報セキュリティ活動により、社員のセキュリティ対策に対する意識を高め、顧客から信頼される高度なセキュリティマネジメントの実現に努めております。しかしながら、不正アクセスや人為的な重大ミス等により、万が一顧客情報の紛失、破壊、改ざん、漏洩等があった場合、社会的信用の失墜、顧客からの信用喪失、または損害賠償請求による費用の発生等により、当社の経営成績および財政状況等に影響を及ぼす可能性があります。(7)自然災害及び重大な伝染病等に関するリスク 地震、風水害などの自然災害や重大な伝染病等が発生した場合には、事務所・設備・社員とその家族などに被害が発生し、労働力の低下による売上の減少、設備の修繕による支出増加、新たなパンデミックの出現・拡大や地域紛争等にともなうサプライチェーンの混乱による部品、原材料等の高騰や安定的な調達が困難となることで、当社グループの経営成績および財政状況等に影響を及ぼす可能性があります。被害を最小限にするため、災害対策マニュアルの作成、防災訓練、社員安否確認システムの整備、時差出勤及び在宅勤務など対策を講じるとともに、外部環境の動向や変化を慎重に見極め適時適切な対応に努めております。

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